(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/00 20120101AFI20221018BHJP
G06Q 10/00 20120101ALI20221018BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2020558088
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(86)【国際出願番号】 JP2019031166
(87)【国際公開番号】W WO2020110374
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2018223665
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】山崎 淳平
(72)【発明者】
【氏名】中島 健
(72)【発明者】
【氏名】山中 大輔
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-107536(JP,A)
【文献】特開2005-78169(JP,A)
【文献】特開2005-122447(JP,A)
【文献】特開2018-160037(JP,A)
【文献】特開2015-79373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入先に搬入された固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報であって、製品モデルを示す製品モデル情報と、前記固定資産が位置する所在地を示す所在地情報と、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報とを含む固定資産情報を取得し、固定資産情報記憶手段が記憶する固定資産情報を更新する固定資産情報管理手段と、
外部システムから、前記搬入先に搬入される設備に関する情報であって、前記製品モデル情報と、前記設備が位置する所在地を示す所在地情報と、搬入される設備を識別する設備識別情報とを含む設備情報を取得し、設備情報記憶手段が記憶する設備情報を更新する設備情報管理手段と、
前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記固定資産情報と前記設備情報とを、互いに紐付ける処理手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記処理手段は、前記固定資産情報と前記設備情報とを互いに紐付けた場合、互いに紐付けられた前記固定資産識別情報と前記設備識別情報との組合せを前記固定資産管理システムに通知する情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理システムにおいて、
前記処理手段は、前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記設備情報が存在しない前記固定資産情報を、前記固定資産管理システムに通知する情報処理システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記設備情報管理手段は、新たに取得した前記設備情報に含まれる前記設備識別情報が前記設備情報記憶手段に記憶されている場合、新たに取得した前記設備情報に基づき、前記設備情報記憶手段に記憶されている前記設備情報を更新する情報処理システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記設備情報管理手段は、
第1の外部システムから前記設備情報を取得した場合、前記設備情報を新たに前記設備情報記憶手段に記憶させ、
第2の外部システムから前記設備情報を取得した場合、前記設備情報記憶手段が記憶する前記設備情報の中から前記設備識別情報が一致する前記設備情報を検索し、検索した前記設備情報の前記所在地情報を更新する情報処理システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の情報処理システムにおいて、
前記処理手段は、いずれかの前記固定資産情報に紐付けられている前記設備情報が更新された場合、更新された内容を前記固定資産管理システムに通知する情報処理システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記設備情報管理手段は、設備の製造番号をさらに含む前記設備情報を取得し、前記設備情報記憶手段に記憶させ、
前記搬入先で稼働中の設備から取得された前記製品モデル情報及び前記製造番号と、前記搬入先を示す前記所在地情報とを含む稼働設備情報を取得する取得手段と、
前記稼働設備情報が示す前記製品モデル情報及び前記所在地情報が、前記稼働設備情報が示す前記製造番号に紐付けて前記設備情報記憶手段に記憶されている前記製品モデル情報及び前記所在地情報と一致しない場合、前記製造番号に紐付けて前記設備情報記憶手段に記憶されている前記製品モデル情報及び前記所在地情報を、前記
稼働設備情報が示す前記製品モデル情報及び前記所在地情報に更新する更新手段と、
をさらに有する情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、
搬入先に搬入された固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報であって、製品モデルを示す製品モデル情報と、前記固定資産が位置する所在地を示す所在地情報と、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報とを含む固定資産情報を取得し、固定資産情報記憶手段が記憶する固定資産情報を更新する固定資産情報管理工程と、
外部システムから、前記搬入先に搬入される設備に関する情報であって、前記製品モデル情報と、前記設備が位置する所在地を示す所在地情報と、搬入される設備を識別する設備識別情報とを含む設備情報を取得し、設備情報記憶手段が記憶する設備情報を更新する設備情報管理工程と、
前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記固定資産情報と前記設備情報とを、互いに紐付ける処理工程と、
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
搬入先に搬入された固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報であって、製品モデルを示す製品モデル情報と、前記固定資産が位置する所在地を示す所在地情報と、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報とを含む固定資産情報を取得し、固定資産情報記憶手段が記憶する固定資産情報を更新する固定資産情報管理手段、
外部システムから、前記搬入先に搬入される設備に関する情報であって、前記製品モデル情報と、前記設備が位置する所在地を示す所在地情報と、搬入される設備を識別する設備識別情報とを含む設備情報を取得し、設備情報記憶手段が記憶する設備情報を更新する設備情報管理手段、
前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記固定資産情報と前記設備情報とを、互いに紐付ける処理手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、遊技店舗において、設置位置を表す台番号と、その設置位置に設置された遊技台の機種を示す機種情報と、その設置位置が所属するグループを示すグループ情報とを互いに対応付けて記憶するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の店舗各々で使用される固定資産(冷蔵庫、電子レンジ、コーヒーメーカ等の設備)を本部でまとめて管理する技術において、各固定資産がどの店舗に設置されているかを把握する手段が望まれる。引用文献1は、これらの課題を解決する手段を開示していない。
【0005】
本発明は、複数の店舗各々で使用される固定資産を本部でまとめて管理する技術において、各固定資産がどの店舗に設置されているかを把握する手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
搬入先に搬入された固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報であって、製品モデルを示す製品モデル情報と、前記固定資産が位置する所在地を示す所在地情報と、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報とを含む固定資産情報を取得し、固定資産情報記憶手段が記憶する固定資産情報を更新する固定資産情報管理手段と、
外部システムから、前記搬入先に搬入される設備に関する情報であって、前記製品モデル情報と、前記設備が位置する所在地を示す所在地情報と、搬入される設備を識別する設備識別情報とを含む設備情報を取得し、設備情報記憶手段が記憶する設備情報を更新する設備情報管理手段と、
前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記固定資産情報と前記設備情報とを、互いに紐付ける処理手段と、
を有する情報処理システムが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
搬入先に搬入された固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報であって、製品モデルを示す製品モデル情報と、前記固定資産が位置する所在地を示す所在地情報と、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報とを含む固定資産情報を取得し、固定資産情報記憶手段が記憶する固定資産情報を更新する固定資産情報管理工程と、
外部システムから、前記搬入先に搬入される設備に関する情報であって、前記製品モデル情報と、前記設備が位置する所在地を示す所在地情報と、搬入される設備を識別する設備識別情報とを含む設備情報を取得し、設備情報記憶手段が記憶する設備情報を更新する設備情報管理工程と、
前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記固定資産情報と前記設備情報とを、互いに紐付ける処理工程と、
を実行する情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
搬入先に搬入された固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報であって、製品モデルを示す製品モデル情報と、前記固定資産が位置する所在地を示す所在地情報と、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報とを含む固定資産情報を取得し、固定資産情報記憶手段が記憶する固定資産情報を更新する固定資産情報管理手段、
外部システムから、前記搬入先に搬入される設備に関する情報であって、前記製品モデル情報と、前記設備が位置する所在地を示す所在地情報と、搬入される設備を識別する設備識別情報とを含む設備情報を取得し、設備情報記憶手段が記憶する設備情報を更新する設備情報管理手段、
前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記固定資産情報と前記設備情報とを、互いに紐付ける処理手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の店舗各々で使用される固定資産を本部でまとめて管理する技術において、各固定資産がどの店舗に設置されているかを把握する手段が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0011】
【
図1】店舗で使用される設備のライフサイクルの一例、及び、固定資産がどの店舗に設置されているかを把握する手段の参考例を示す図である。
【
図2】店舗で使用される設備のライフサイクルの一例、及び、固定資産がどの店舗に設置されているかを把握する手段の実施形態を示す図である。
【
図3】システム間の情報の流れの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の情報処理システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の情報処理システムの機能ブロック図の一例である。
【
図6】本実施形態の情報処理システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図7】本実施形態の情報処理システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図8】本実施形態の情報処理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態の情報処理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態の情報処理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】システム間の情報の流れの一例を示す図である。
【
図12】本実施形態の情報処理システムの機能ブロック図の一例である。
【
図13】本実施形態の情報処理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
まず、
図1を用いて、店舗で使用される設備のライフサイクルの一例、及び、固定資産がどの店舗に設置されているかを把握する参考技術を説明する。
【0013】
店舗の本部(以下、単に「本部」という場合がある)が設備メーカに型式及び搬入先店舗等を指定して発注を行う[発注]。発注に応じて設備メーカが設備の生産を行う[生産]。生産された設備は設備メーカの工場から搬出され[搬出(1)]、倉庫に搬入される[搬入(1)]。そして、必要に応じて倉庫内での棚卸や倉庫間移動等を経た後[棚卸(1)]、設備は倉庫から搬出される[搬出(2)]。なお、ここまでの処理の順番は、例示したものに限定されない。
【0014】
倉庫から搬出された設備は、本部からの発注で指定された店舗に搬入される[搬入(2)]。その後、必要に応じて設備の棚卸等が行われる[棚卸(2)]。また、設備は、整備や修理のために店舗から搬出される[搬出(3)]。
【0015】
店舗から搬出された設備は、倉庫や整備業者の施設に搬入される[搬入(3)]。そして、設備は、整備された後[整備]、搬出され[搬出(4)]、本部により指定された搬入先店舗に搬入される[搬入(2)]。なお、店舗から搬出され、倉庫や整備業者の施設に搬入された設備は、整備されずに廃棄される場合がある[廃棄]。
【0016】
次に、固定資産がどの店舗に設置されているかを把握する参考技術を説明する。例えば、本部は、発注段階で設備の製造番号(設備に固有の情報)を指定し、当該発注情報に基づき各固定資産がどの店舗に設置されているかを管理する手段が考えられる。具体的には、上記発注情報を取得した固定資産管理システムは、複数の固定資産を識別する固定資産識別情報を新たに発行し、製造番号と搬入先店舗を示す情報と固定資産識別情報とを紐付けて管理する。製造番号と固定資産識別情報とを紐付けることで、固定資産識別情報で識別される固定資産がどの設備に対応するかを特定できる。また、搬入先店舗を示す情報と固定資産識別情報とを紐付けることで、固定資産識別情報で識別される固定資産がどの搬入先店舗に搬入されたかを特定できる。
【0017】
しかし、倉庫に保管されている複数の同種設備の中から指定された製造番号の設備を抽出し、搬出する作業は非常に手間である。このため、設備メーカがこのような製造番号を指定した発注を受けない可能性がある。また、設備メーカが当該対応を受けた場合であっても、設備メーカや倉庫業者等の人為的なミスで、指定されたものとは異なる製造番号の同種設備が指定された搬入先店舗に搬入される可能性がある。この場合、固定資産管理システムで管理されている「製造番号と搬入先店舗を示す情報と固定資産識別情報とを紐付けた情報」は、実態と矛盾する。
【0018】
このように、参考技術では、各固定資産がどの店舗に設置されているかを把握することが難しい。
【0019】
次に、
図2を用いて、本実施形態の処理システムの概要を説明する。
図2は店舗で使用される設備のライフサイクルの一例、及び、固定資産がどの店舗に設置されているかを把握する手段を示す。「店舗で使用される設備のライフサイクルの一例」は、
図1を用いて説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、固定資産がどの店舗に設置されているかを把握する手段を説明する。
【0020】
[発注]
本実施形態では、本部は、設備の製品モデル及び搬入先店舗を指定して設備メーカに発注する。製品モデルは、製品のモデルを示す情報であり、例えば型式等が該当する。1つの製品モデルに該当する個体(設備)は複数存在する。この点で、製品モデルは、各個体を識別する情報である製造番号と異なる。このように、本実施形態では、上述した参考技術のように発注段階で1つの個体を指定するのでなく、発注段階では複数の個体を含む製品モデルを指定する。このため、設備メーカ側の搬出作業等の負担が軽減される。
【0021】
上記発注に応じて、受発注システムは、発注内容を示す発注情報を固定資産管理システムに送信する。発注情報は、製品モデルを示す製品モデル情報、所在地(搬入先店舗)を示す所在地情報等を含む。発注情報は、搬入日等のその他の情報を含んでもよい。
【0022】
固定資産管理システムは、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報を新たに発行し、受信した製品モデル情報及び所在地情報に紐付けて記憶する。すなわち、固定資産管理システムは、「固定資産識別情報」と「製品モデル情報」と「所在地情報」とを紐付けた固定資産情報を記憶する。当該処理により、設備メーカから新たに購入した設備を新たな固定資産として管理することが可能となる。なお、固定資産情報は、発注情報に含まれるその他の情報、例えば搬入日等を含んでもよい。
【0023】
ここで、この処理時のシステム間の情報の流れを、
図3を用いて説明する。図示する「RB」は、後述する設備識別情報である。「型式」は製品モデル情報である。「所在地」は所在地情報である。「資産コード+管理NO」は固定資産識別情報である。斜線が入っている項目は送受信される情報の中に含まれていることを示し、斜線が入っていない項目は送受信される情報の中に含まれていないことを示す。
【0024】
図3に示すように、受発注システムは、製品モデル情報(型式)及び所在地情報(所在地)を含む発注情報を固定資産管理システムに送信する。そして、固定資産管理システムは、受信した製品モデル情報(型式)及び所在地情報(所在地)に、固定資産識別情報(資産コード+管理NO)を付して記憶する。
【0025】
[生産]
図2に戻り、設備メーカは、受注に応じて設備を生産する。そして、設備メーカは、複数の設備を識別する設備識別情報を新たに発行し、生産した設備に付与する。そして、設備識別情報を付与した設備を搬出する。なお、設備識別情報は、本部から受注した設備に付与される情報であり、他の顧客から受注した設備には付与されなくてもよい。
【0026】
設備識別情報は、ランダムに数字及び文字を並べた文字列であってもよいし、その他であってもよい。例えば、設備メーカは、設備識別情報を記したシールや設備識別情報を表すコード(例:バーコード、2次元コード等)を設備や、設備の梱包や、設備の保証書や、設備の取り扱い説明者等に付すことができる。
【0027】
また、設備メーカは、自システム(設備メーカシステム)を介して、設備識別情報を付与した設備の設備情報を情報処理システムに登録する操作を行う。設備情報は、設備識別情報、製品モデル情報、製造番号、製造日、メーカ名、所在地情報、ステータス情報等を含むが、これらに限定されない。この時点で所在地情報として登録される位置は、例えば設備メーカの位置等である。ステータス情報が示すステータスは、出荷準備中、倉庫保管中、店舗で稼働中、整備中等が例示されるが、これらに限定されない。
【0028】
設備メーカシステムに入力された設備情報は、設備メーカシステムから情報処理システムに送信される。そして、情報処理システムは、受信した設備情報を記憶する。すなわち、情報処理システムは、少なくとも「設備識別情報」と「製品モデル情報」と「所在地情報」とを紐付けた設備情報を記憶する。当該処理により、設備メーカから新たに購入した設備を設備識別情報に紐付けて管理することが可能となる。
【0029】
ここで、この処理時のシステム間の情報の流れを、
図3を用いて説明する。
図3右下に示すように、設備メーカシステムから情報処理システムに設備情報が送信され、設備情報が情報処理システムの設備情報記憶部に新規登録される。この処理時に送受信される設備情報は、設備識別情報(RB)及び製品モデル情報(型式)を含む。なお、この処理時に送受信される設備情報は、さらに所在地情報を含んでもよい。
【0030】
[搬入(1)]
図2に戻り、倉庫業者は、設備が搬入されると、搬入された設備の設備識別情報を自システム(倉庫業者システム)に入力する操作を行う。例えば、倉庫業者は、設備などに付与されたコードをコードリーダに読み取らせてもよいし、キーボードやタッチパネルディスプレイ等の入力装置を介して設備識別情報を手入力してもよい。倉庫業者システムに入力された設備識別情報は、倉庫業者システムから情報処理システムに送信される。
【0031】
情報処理システムは、受信した設備識別情報をキーとして、記憶している設備識別情報を検索する。そして、情報処理システム10は、ヒットした設備識別情報に紐付けられた所在地情報を、倉庫業者システムに対応した位置情報に更新する。倉庫業者システムに対応した位置情報は、予め情報処理システムに登録されていてもよいし、設備識別情報と共に倉庫業者システムから情報処理システムに送信されてもよい。また、情報処理システムは、ヒットした設備識別情報に紐付けられたステータス情報を、所定の内容に更新する。当該処理により、倉庫に搬入された設備の所在地情報やステータス情報が、正確な情報に更新される。
【0032】
ここで、この処理時のシステム間の情報の流れを、
図3を用いて説明する。
図3右下に示すように、倉庫業者システムから情報処理システムに設備情報が送信される。この処理時に送受信される設備情報は、設備識別情報(RB)、製品モデル情報(型式)及び所在地情報(所在地)を含む。これに応じて、情報処理システムの設備情報記憶部に記憶されている設備情報の所在地情報等が更新される。
【0033】
「搬入(2)]
図2に戻り、搬入先店舗は、設備が搬入されると、搬入された設備の設備識別情報を自システム(店舗システム)に入力する操作を行う。例えば、搬入先店舗は、設備などに付与されたコードをコードリーダに読み取らせてもよいし、キーボードやタッチパネルディスプレイ等の入力装置を介して設備識別情報を手入力してもよい。店舗システムに入力された設備識別情報は、店舗システムから情報処理システムに送信される。
【0034】
情報処理システムは、受信した設備識別情報をキーとして、記憶している設備識別情報を検索する。そして、情報処理システム10は、ヒットした設備識別情報に紐付けられた所在地情報を、搬入先店舗の店舗システムに対応した位置情報に更新する。搬入先店舗の店舗システムに対応した位置情報は、予め情報処理システムに登録されていてもよいし、設備識別情報と共に店舗システムから情報処理システムに送信されてもよい。また、情報処理システムは、ヒットした設備識別情報に紐付けられたステータス情報を、所定の内容に更新する。当該処理により、搬入先店舗に搬入された設備の所在地情報やステータス情報が、正確な情報に更新される。
【0035】
ここで、この処理時のシステム間の情報の流れを、
図3を用いて説明する。
図3に示すように、店舗システムから情報処理システムに設備情報が送信される。この処理時に送受信される設備情報は、設備識別情報(RB)、製品モデル情報(型式)及び所在地情報(所在地)を含む。これに応じて、情報処理システムの設備情報記憶部に記憶されている設備情報の所在地情報等が更新される。
【0036】
[搬入(3)]
図2に戻り、整備や修理のために設備が搬入先店舗から搬出され、倉庫や整備業者の施設に搬入された場合も、上記と同様の処理が実行される。すなわち、倉庫や整備業者の施設のシステム(倉庫・整備業者システム)に設備識別情報が入力され、入力された設備識別情報が倉庫・整備業者システムから情報処理システムに送信される。そして、情報処理システムは、上記と同様にして、設備識別情報に紐付けられた所在地情報やステータス情報を更新する。
【0037】
ここで、この処理時のシステム間の情報の流れを、
図3を用いて説明する。
図3右下に示すように、倉庫・整備業者システムから情報処理システムに設備情報が送信される。この処理時に送受信される設備情報は、設備識別情報(RB)、製品モデル情報(型式)及び所在地情報(所在地)を含む。これに応じて、情報処理システムの設備情報記憶部に記憶されている設備情報の所在地情報等が更新される。
【0038】
[情報処理システムの処理]
情報処理システムは、固定資産管理システムが管理している固定資産に関する情報であって、「固定資産識別情報」と「製品モデル情報」と「所在地情報」とを紐付けた固定資産情報を固定資産管理システムから受信し、記憶する。
【0039】
また、情報処理システムは、上述の通り、少なくとも「設備識別情報」と「製品モデル情報」と「所在地情報」とを紐付けた設備情報を記憶する。
【0040】
そして、情報処理システムは、「製品モデル情報」と「所在地情報」とが互いに一致する設備情報及び固定資産情報を、互いに紐付ける。当該処理により、固定資産を管理するために利用される固定資産識別情報と、上述のように設備の所在地等を管理するために利用される設備識別情報とが互いに紐付けられることになる。
【0041】
ここで、この処理時のシステム間の情報の流れを、
図3を用いて説明する。図示するように、固定資産管理システムから情報処理システムに固定資産情報が送信され、情報処理システムの固定資産情報記憶部に登録される。この処理時に送受信される固定資産情報は、製品モデル情報(型式)、所在地情報(所在地)及び固定資産識別情報(資産コード+管理NO)を含む。
【0042】
また、上述のように、情報処理システムの設備情報記憶部には設備情報が記憶されている。設備情報は、設備識別情報(RB)、製品モデル情報(型式)及び所在地情報(所在地)を含む。
【0043】
そして、情報処理システムは、図示するように、製品モデル情報(型式)と所在地情報(所在地)とが互いに一致する設備情報及び固定資産情報を互いに紐付ける。
【0044】
結果、このように固定資産情報と設備情報とを紐付けた情報に基づき、固定資産識別情報で特定される固定資産の状況(所在地やステータス)を管理することが可能となる。
【0045】
なお、情報処理システムと、他のシステム(設備メーカシステム、倉庫業者システム、店舗システム、倉庫・整備業者システム等)とは、インターネット等の通信ネットワークを介して互いに通信可能になっている。
【0046】
次に、情報処理システムの構成を詳細に説明する。まず、情報処理システムのハードウエア構成の一例について説明する。情報処理システムが備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0047】
図4は、情報処理システムのハードウエア構成を例示するブロック図である。
図4に示すように、情報処理システムは、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。情報処理システムは周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、情報処理システムは物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0048】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0049】
次に、情報処理システムの機能構成の一例について説明する。
図5の機能ブロック図に示すように、情報処理システム10は、固定資産情報管理部11と、固定資産情報記憶部12と、設備情報管理部13と、設備情報記憶部14と、処理部15とを有する。なお、情報処理システム10は固定資産情報記憶部12及び設備情報記憶部14の少なくとも一方を有さなくてもよい。この場合、情報処理システム10と通信可能に構成された外部装置が、固定資産情報記憶部12及び設備情報記憶部14の少なくとも一方を有する。
【0050】
固定資産情報管理部11は、複数の搬入先店舗に搬入された複数の固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報である固定資産情報を取得する。そして、固定資産情報管理部11は、固定資産情報記憶部12が記憶する固定資産情報を更新する。例えば、固定資産情報管理部11は、固定資産管理システムから取得した固定資産情報を、固定資産情報記憶部12が記憶する固定資産情報に追加する。
【0051】
図6に、固定資産情報記憶部12が記憶する固定資産情報の一例を模式的に示す。図示するように、固定資産情報は、管理している複数の固定資産を識別する固定資産識別情報と、製品モデルを示す製品モデル情報と、所在地を示す所在地情報とを含む。また、図示する固定資産情報は、紐付け情報を含む。これは、設備情報記憶部14が記憶する設備情報と紐付けるための情報である。詳細は後述する。なお、固定資産情報は、発注情報に含まれるその他の情報、例えば搬入日等を含んでもよい。
【0052】
ところで、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0053】
固定資産情報管理部11が固定資産管理システムから固定資産情報を取得するタイミングは、様々であり特段制限されない。例えば、新たな固定資産情報が固定資産管理システムに入力される度に、新たに入力された固定資産情報が固定資産管理システムから情報処理システム10に送信されてもよい。その他、予め定められたタイミング(例:毎日12時、ユーザ指示入力があったタイミング等)で、それまでに固定資産管理システムに入力された固定資産情報が情報処理システム10に送信されてもよい。
【0054】
図5に戻り、設備情報管理部13は、外部システムから、搬入先に搬入される設備に関する情報である設備情報を取得する。そして、設備情報管理部13は、設備情報記憶部14が記憶する設備情報を更新する。例えば、設備情報管理部13は、外部システムから取得した設備情報を、設備情報記憶部14が記憶する設備情報に追加したり、外部システムから取得した設備情報に基づき、設備情報記憶部14が記憶する設備情報の内容を更新したりする。
【0055】
外部システムは、上述した設備メーカシステム、倉庫業者システム、店舗システム、倉庫・整備業者システム等である。
【0056】
図7に、設備情報記憶部14が記憶する設備情報の一例を模式的に示す。図示するように、設備情報は、複数の店舗のいずれかに搬入される設備を識別する設備識別情報と、製品モデルを示す製品モデル情報と、所在地を示す所在地情報とを含む。また、図示する設備情報は、紐付け情報を含む。これは、固定資産情報記憶部12が記憶する固定資産情報と紐付けるための情報である。詳細は後述する。なお、設備情報は、製造番号、製造日、メーカ名、ステータス情報等の他の情報をさらに含んでもよい。
【0057】
ここで、設備情報管理部13が設備情報を新規登録したり、更新したりする処理の一例を説明する。
【0058】
例えば、設備情報管理部13は、外部システムから設備情報を取得すると、その設備情報に含まれる設備識別情報をキーとして設備情報記憶部14を検索することで、その設備の設備情報が既に登録済みか否かを確認する。そして、登録済みでない場合、設備情報管理部13は、取得した設備情報を新たに設備情報記憶部14に記憶させる(新規登録)。一方、登録済みである場合、取得した設備情報に基づき、設備識別情報が一致する登録済みの設備情報を更新する(更新)。具体的には、所在地情報やステータス情報を、新たに取得した設備情報が示す値に更新する。
【0059】
他の例として、設備情報管理部13は、第1の外部システムから設備情報を取得した場合には、取得した設備情報を新たに設備情報記憶部14に記憶させてもよい(新規登録)。そして、設備情報管理部13は、第2の外部システムから設備情報を取得した場合には、設備情報記憶部14が記憶する設備情報の中から設備識別情報が一致する設備情報を検索し、検索した設備情報の所在地情報やステータス情報を、第2の外部システムから取得した設備情報が示す値に更新してもよい。第1の外部システムは、例えば設備メーカシステムであり、第2の外部システムは、例えば倉庫業者システム、店舗システム、倉庫・整備業者システム等である。
【0060】
図5に戻り、処理部15は、製品モデル情報及び所在地情報が互いに一致する固定資産情報と設備情報とを、互いに紐付ける。すなわち、処理部15は、固定資産情報記憶部12に記憶されている固定資産情報(
図6参照)と、設備情報記憶部14に記憶されている設備情報(
図7参照)とに基づき、製品モデル情報及び所在地情報が互いに一致する固定資産情報と設備情報とを検索し、製品モデル情報及び所在地情報が互いに一致する固定資産情報と設備情報とを互いに紐付ける。紐付ける処理は特段制限されないが、例えば、
図6及び
図7に示すように、互いに紐付ける固定資産情報及び設備情報に、同じ紐付け情報を紐付けることで実現してもよいし、その他の手段で実現してもよい。
【0061】
図6及び
図7に示す例の場合、「設備識別情報:F0013852」を含む設備情報と、「固定資産識別情報:12345-003」を含む固定資産情報とが互いに紐付けられていることが分かる。また、「設備識別情報:Q0001324」を含む設備情報はいずれの固定資産情報とも紐付けられておらず、また、「固定資産識別情報:12345-001」を含む固定資産情報はいずれの設備情報とも紐付けられていないことが分かる。
【0062】
ここで、上述のような紐付け処理を行う処理部15の処理の流れの一例を説明する。
【0063】
例えば、処理部15は、新たな固定資産情報が固定資産情報記憶部12に登録される毎に設備情報記憶部14を検索し、いずれの固定資産情報とも紐付けられておらず、かつ、新たに登録された固定資産情報と製品モデル情報及び所在地情報が一致する設備情報を検索してもよい。
【0064】
その他、処理部15は、新たな設備情報が設備情報記憶部14に登録される毎に固定資産情報記憶部12を検索し、いずれの設備情報とも紐付けられておらず、かつ、新たに登録された設備情報と製品モデル情報及び所在地情報が一致する固定資産情報を検索してもよい。
【0065】
その他、処理部15は、設備情報記憶部14に登録されている設備情報が更新される毎に固定資産情報記憶部12を検索し、いずれの設備情報とも紐付けられておらず、かつ、新たに更新された設備情報と製品モデル情報及び所在地情報が一致する固定資産情報を検索してもよい。
【0066】
他の例として、処理部15は、所定のタイミングで、その時点でいずれの固定資産情報とも紐付けられていない設備情報、及び、その時点でいずれの設備情報とも紐付けられていない固定資産情報を処理対象として、製品モデル情報及び所在地情報が互いに一致する設備情報及び固定資産情報の組合せを検索してもよい。所定のタイミングは、例えば毎日12時や、ユーザ指示入力があったタイミング等であるが、これらに限定されない。
【0067】
なお、処理部15は、ある固定資産情報とある設備情報とを互いに紐付けた場合、互いに紐付けられた固定資産識別情報と設備識別情報との組合せを固定資産管理システムに通知してもよい。結果、固定資産管理システムにおいても、固定資産識別情報と設備識別情報とを紐付けて管理することができる。
【0068】
また、処理部15は、製品モデル情報及び所在地情報が互いに一致する設備情報が存在しない固定資産情報を、固定資産管理システムに通知してもよい。すなわち、処理部15は、紐付ける設備情報が存在しない固定資産情報を、固定資産管理システムに通知してもよい。例えば、処理部15は、新たに固定資産情報記憶部12に記憶されてから所定期間経過してもいずれの設備情報とも紐付けられない固定資産情報を、固定資産管理システムに通知してもよい。
【0069】
その他、処理部15は、固定資産情報で示される搬入日を過ぎてもいずれの設備情報とも紐付けられない固定資産情報や、搬入日から所定期間経過してもいずれの設備情報とも紐付けられない固定資産情報を、固定資産管理システムに通知してもよい。
【0070】
また、処理部15は、いずれかの固定資産情報に紐付けられている設備情報が更新された場合、更新された内容を固定資産管理システムに通知してもよい。すなわち、処理部15は、更新後の所在地情報やステータス情報を固定資産管理システムに通知してもよい。
【0071】
次に、
図8のフローチャートを用いて、固定資産情報管理部11の処理の流れの一例を説明する。
【0072】
固定資産情報管理部11は、固定資産管理システムから固定資産情報を取得すると(S10)、取得した固定資産情報を固定資産情報記憶部12に記憶させる(S11:登録)。
【0073】
次に、
図9のフローチャートを用いて、設備情報管理部13の処理の流れの他の一例を説明する。
【0074】
設備情報管理部13は、外部システムから設備情報を取得すると(S20)、新規登録するか更新するかを判断する(S21)。例えば、設備情報管理部13は、取得した設備情報に含まれる設備識別情報が設備情報記憶部14に登録されているか否かに基づき、S21の判断を行ってもよい。その他、設備情報管理部13は、いずれのシステムから設備情報を取得したかに基づき、S21の判断を行ってもよい。詳細は上述の通りである。
【0075】
新規登録すると判断した場合(S21のYes)、設備情報管理部13は、取得した設備情報を設備情報記憶部14に記憶させる(S22)。
【0076】
一方、更新すると判断した場合(S21のNo)、設備情報管理部13は、設備情報記憶部14に記憶されている設備情報の中から、S20で取得した設備情報に含まれる設備識別情報と同じ設備識別情報を含む設備情報を検索し、検索した設備情報の所在地情報やステータス情報等を、S20で取得した設備情報に含まれる所在地情報やステータス情報に更新する(S23)。
【0077】
次に、
図10のフローチャートを用いて、処理部15の処理の流れの他の一例を説明する。ここでは、処理部15は、所定のタイミングで、その時点でいずれの固定資産情報とも紐付けられていない設備情報、及び、その時点でいずれの設備情報とも紐付けられていない固定資産情報を処理対象として、製品モデル情報及び所在地情報が互いに一致する設備情報及び固定資産情報の組合せを検索する処理例を説明する。
【0078】
まず、処理部15は、処理対象の固定資産情報の中から1つの固定資産情報を選択する(S30)。次いで、処理部15は、処理対象の設備情報の中から、選択した固定資産情報と製品モデル情報及び所在地情報が一致する設備情報を検索する(S31)。
【0079】
選択した固定資産情報と、製品モデル情報及び所在地情報が一致する設備情報がある場合(S32のYes)、処理部15は、S30で選択した固定資産情報と、S31で検索した設備情報とを互いに紐付ける(S33)。そして、処理部15は、S34に進む。
【0080】
一方、選択した固定資産情報と、製品モデル情報及び所在地情報が一致する設備情報がない場合(S32のNo)、処理部15は、S34に進む。
【0081】
S34では、処理部15は、処理対象の固定資産情報の中に、S30で選択されていない他の選択候補があるか判断する。ある場合(S34のYes)、処理部15はS30に戻り、同様の処理を繰り返す。一方、ない場合(S34のNo)、処理部15は処理を終了する。
【0082】
なお、処理部15は、S30で1つの固定資産情報を選択する代わりに、1つの設備情報を選択してもよい。そして、処理部15は、S31において、選択した設備情報と製品モデル情報及び所在地情報が一致する固定資産情報を検索してもよい。
【0083】
次に、本実施形態の情報処理システム10の作用効果を説明する。本実施形態は、上述した参考技術と比較すると、設備の所在地やステータスを管理するための設備情報を利用する点が異なる。そして、情報処理システム10は、設備情報と、固定資産を管理するための固定資産情報とを1対1で紐付ける。このため、固定資産情報で管理されている各固定資産の所在地やステータスを、各固定資産に紐付けられている設備情報に基づき把握することが可能となる。
【0084】
そして、設備情報という新たな概念を用いる本実施形態によれば、固定資産管理システムの構成を大きく変更することなく、各固定資産の所在地やステータスを把握することが可能となる。
【0085】
また、本実施形態の場合、本部は、設備の製品モデル及び搬入先店舗を指定して設備メーカに発注することとなる。すなわち、本実施形態では、上述した参考技術のように個体を指定して発注するのでなく、製品モデルを指定して発注する。このため、設備メーカ側の搬出作業等の負担が軽減される。
【0086】
また、本実施形態の場合、情報処理システム10は、製品モデル情報及び所在地情報が互いに一致する固定資産情報と設備情報とを互いに紐付ける。
【0087】
ところで、製品モデル情報及び所在地情報を用いて固定資産情報と設備情報とを互いに紐付ける本実施形態と異なる処理例としては、個体を識別する製造番号を用いて固定資産情報と設備情報とを互いに紐付ける処理が考えられる。
【0088】
具体的には、本部は、例えば製造番号を指定して(個体を指定して)発注を行う。そして、その製造番号を含む発注情報が受注システムから固定資産管理システムに送信される。そして、製造番号を含む固定資産情報が固定資産管理システムから情報処理システム10に送信される。また、設備メーカシステム、倉庫業者システム、店舗システム、倉庫・整備業者システム等から情報処理システム10に送信される設備情報に製造番号が含まれる。そして、情報処理システム10は、製造番号が互いに一致する固定資産情報と設備情報とを互いに紐付ける。
【0089】
しかし、製造番号を指定した発注の場合、設備メーカや倉庫業者等の人為的なミスで、指定されたものとは異なる製造番号の同種設備が指定された搬入先店舗に搬入される可能性がある。この場合、その発注情報に基づき生成された固定資産情報と、その設備に関する設備情報とは、製造番号が互いに異なるため互いに紐付けられない。そして、その固定資産情報と設備情報とは、紐付ける設備情報及び固定資産情報が存在しないままの状態となる。
【0090】
このように個体を識別する情報を紐付けに利用してしまうと、上述のような人為的なミスにより紐付けができない状態となってしまう。
【0091】
これに対して、紐付けに個体を識別する情報を利用せず、製品モデル情報という多少あいまいな情報を利用する本実施形態の情報処理システム10によれば、上述のような不都合を回避できる。
【0092】
<第2の実施形態>
本実施形態では、搬入先店舗から搬出され、倉庫や整備業者の施設に搬入された設備が、整備等の後に、再びいずれかの搬入先店舗に搬入される時(
図2の搬出(4)→搬入(2))の処理を説明する。
図11を用いて、この処理時のシステム間の情報の流れを説明する。
【0093】
まず、本部は、指定した設備(固定資産)を指定した搬入先店舗に搬入する発注指示を受発注システムに入力する。そして、受発注システムから固定資産管理システムに発注情報が送信される。ここで指定される設備は、一旦いずれかの店舗に搬入された後、その店舗から搬出され、整備等された設備である。発注情報は、設備識別情報(RB)、製品モデル情報(型式)、所在地情報(所在地)及び固定資産識別情報(資産コード+管理NO)を含むことができる。
【0094】
整備等された設備がいずれかの搬入先店舗に搬入されると、店舗システムにその設備の設備情報が入力される。そして、店舗システムは、設備情報を情報処理システムに送信する。この処理時に送信される設備情報は、設備識別情報(RB)、製品モデル情報(型式)及び所在地情報(所在地)を含む。所在地情報(所在地)は、搬入先店舗を示す。
【0095】
なお、整備等された設備の設備情報及び固定資産情報は、情報処理システム10において既に互いに紐付けられている。このため、情報処理システム10は、店舗システムから設備情報を取得すると、その設備情報に含まれる設備識別情報(RB)をキーとして設備情報記憶部を検索する。そして、検索した設備情報に含まれる所在地情報(所在地)等を、新たに取得した設備情報が含む所在地情報(所在地)等に更新する。情報処理システム10は、設備情報の更新を、固定資産管理システムに通知する。
【0096】
情報処理システム10による当該処理は、第1の実施形態で説明した構成で実現される。
【0097】
固定資産管理システムは、受発注システムから受信した発注情報に基づき管理している固定資産情報を更新するのでなく、情報処理システム10から受信した通知に基づき管理している固定資産情報を更新することができる。
【0098】
本実施形態の情報処理システム10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0099】
以上説明した本実施形態の情報処理システム10によれば、第1の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0100】
また、整備などした設備を再びいずれかの店舗に搬入する場合には、設備識別情報や固定資産識別情報等を利用して1つの個体を指定した搬入指示を行うと考えられる。この場合、受発注システムから取得される発注情報を用いて固定資産(設備)の所在地情報等を更新する手段と、設備が搬入される店舗の店舗システムから取得される設備情報を用いて固定資産(設備)の所在地情報等を更新する手段とが考えられる。本実施形態ではこのうちの、設備が搬入される店舗の店舗システムから取得される設備情報を用いて固定資産(設備)の所在地情報等を更新する手段を採用する。
【0101】
このような本実施形態の情報処理システム10によれば、倉庫や整備業者等の人為的なミスで指定されたものとは異なる個体(同種設備)が搬入された場合であっても、正確に、固定資産(設備)の所在地情報等を更新することができる。
【0102】
<第3の実施形態>
本実施形態の情報処理システム10は、店舗で稼働中の設備から取得した情報に基づき設備情報を更新する機能を有する。以下、詳細に説明する。
【0103】
図12に、本実施形態の情報処理システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、情報処理システム10は、固定資産情報管理部11と、固定資産情報記憶部12と、設備情報管理部13と、設備情報記憶部14と、処理部15と、取得部16と、更新部17とを有する。なお、情報処理システム10は固定資産情報記憶部12及び設備情報記憶部14の少なくとも一方を有さなくてもよい。この場合、情報処理システム10と通信可能に構成された外部装置が、固定資産情報記憶部12及び設備情報記憶部14の少なくとも一方を有する。固定資産情報管理部11、固定資産情報記憶部12及び処理部15の構成は、第1又は第2の実施形態と同様である。
【0104】
設備情報管理部13は、設備の製造番号をさらに含む設備情報を外部システムから取得し、設備情報記憶部14に記憶させる。設備情報管理部13及び設備情報記憶部14のその他の構成は、第1又は第2の実施形態と同様である。
【0105】
取得部16は、搬入先店舗で稼働中の設備から取得された製品モデル情報及び製造番号と、搬入先店舗を示す所在地情報とを含む稼働設備情報を取得する。
【0106】
例えば、各設備は、製品モデル情報及び製造番号を記憶する記憶手段と、当該製品モデル情報及び製造番号を店舗システムに送信する送信手段とを有する。送信手段は、LAN(local area network)等の通信ネットワークを介して、店舗システムと通信してもよいし、その他の手段で店舗システムと通信してもよい。店舗システムは、任意のタイミングで、各店舗で稼働中の設備各々から、製品モデル情報及び製造番号を取得する。そして、店舗システムは、稼働中の設備から取得した製品モデル情報及び製造番号と、搬入先店舗を示す所在地情報とを含む稼働設備情報を、情報処理システム10に送信する。
【0107】
更新部17は、稼働設備情報が示す製品モデル情報及び所在地情報が、稼働設備情報が示す製造番号に紐付けて設備情報記憶部14に記憶されている製品モデル情報及び所在地情報と一致しない場合、稼働設備情報が示す製造番号に紐付けて設備情報記憶部14に記憶されている製品モデル情報及び所在地情報を、稼動設備情報が示す製品モデル情報及び所在地情報に更新する。
【0108】
次に、
図13のフローチャートを用いて、情報処理システム10の処理の流れの一例を説明する。
【0109】
取得部16が稼働設備情報を取得すると(S40)、更新部17は取得された稼働設備情報が含む製造番号をキーとして、設備情報記憶部14を検索する(S41)。
【0110】
そして、検索した設備情報の製品モデル情報及び所在地情報と、稼働設備情報が示す製品モデル情報及び所在地情報とが一致しない場合(S42のNo)、更新部17は、稼働設備情報が示す製造番号に紐付けて設備情報記憶部14に記憶されている製品モデル情報及び所在地情報を、稼動設備情報が示す製品モデル情報及び所在地情報に更新する(S43)。
【0111】
一方、検索した設備情報の製品モデル情報及び所在地情報と、稼働設備情報が示す製品モデル情報及び所在地情報とが一致する場合(S42のYes)、処理を終了する。
【0112】
本実施形態の情報処理システム10のその他の構成は、第1又は第2の実施形態と同様である。
【0113】
以上説明した本実施形態の情報処理システム10によれば、第1又は第2の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0114】
また、本実施形態の情報処理システム10によれば、店舗で稼働中の設備からその設備自体(個体)を識別する情報を取得し、その情報に基づき設備情報を更新することができる。このような情報処理システム10によれば、設備情報をより正確に更新することができる。
【0115】
<変形例>
ここで、すべての実施形態に適用可能な変形例を説明する。
図2を用いて説明した例では、設備情報を情報処理システム10に新規登録する処理は設備メーカが行ったが、倉庫業者や、搬入先店舗や、本部等が行ってもよい。また、設備情報を情報処理システム10に送信する外部システムの例は上述したものに限定されず、他のシステムを含んでもよいし、上述したものの一部を含まなくてもよい。
【0116】
また、上述した例では搬入先を店舗としたが、搬入先はオフィス等の他の施設であってもよい。
【0117】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 搬入先に搬入された固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報であって、製品モデルを示す製品モデル情報と、前記固定資産が位置する所在地を示す所在地情報と、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報とを含む固定資産情報を取得し、固定資産情報記憶手段が記憶する固定資産情報を更新する固定資産情報管理手段と、
外部システムから、前記搬入先に搬入される設備に関する情報であって、前記製品モデル情報と、前記設備が位置する所在地を示す所在地情報と、搬入される設備を識別する設備識別情報とを含む設備情報を取得し、設備情報記憶手段が記憶する設備情報を更新する設備情報管理手段と、
前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記固定資産情報と前記設備情報とを、互いに紐付ける処理手段と、
を有する情報処理システム。
2. 1に記載の情報処理システムにおいて、
前記処理手段は、前記固定資産情報と前記設備情報とを互いに紐付けた場合、互いに紐付けられた前記固定資産識別情報と前記設備識別情報との組合せを前記固定資産管理システムに通知する情報処理システム。
3. 1又は2に記載の情報処理システムにおいて、
前記処理手段は、前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記設備情報が存在しない前記固定資産情報を、前記固定資産管理システムに通知する情報処理システム。
4. 1から3のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、
前記設備情報管理手段は、新たに取得した前記設備情報に含まれる前記設備識別情報が前記設備情報記憶手段に記憶されている場合、新たに取得した前記設備情報に基づき、前記設備情報記憶手段に記憶されている前記設備情報を更新する情報処理システム。
5. 1から4のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、
前記設備情報管理手段は、
第1の外部システムから前記設備情報を取得した場合、前記設備情報を新たに前記設備情報記憶手段に記憶させ、
第2の外部システムから前記設備情報を取得した場合、前記設備情報記憶手段が記憶する前記設備情報の中から前記設備識別情報が一致する前記設備情報を検索し、検索した前記設備情報の前記所在地情報を更新する情報処理システム。
6. 4又は5に記載の情報処理システムにおいて、
前記処理手段は、いずれかの前記固定資産情報に紐付けられている前記設備情報が更新された場合、更新された内容を前記固定資産管理システムに通知する情報処理システム。
7. 1から6のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、
前記設備情報管理手段は、設備の製造番号をさらに含む前記設備情報を取得し、前記設備情報記憶手段に記憶させ、
前記搬入先で稼働中の設備から取得された前記製品モデル情報及び前記製造番号と、前記搬入先を示す前記所在地情報とを含む稼働設備情報を取得する取得手段と、
前記稼働設備情報が示す前記製品モデル情報及び前記所在地情報が、前記稼働設備情報が示す前記製造番号に紐付けて前記設備情報記憶手段に記憶されている前記製品モデル情報及び前記所在地情報と一致しない場合、前記製造番号に紐付けて前記設備情報記憶手段に記憶されている前記製品モデル情報及び前記所在地情報を、前記稼動設備情報が示す前記製品モデル情報及び前記所在地情報に更新する更新手段と、
をさらに有する情報処理システム。
8. コンピュータが、
搬入先に搬入された固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報であって、製品モデルを示す製品モデル情報と、前記固定資産が位置する所在地を示す所在地情報と、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報とを含む固定資産情報を取得し、固定資産情報記憶手段が記憶する固定資産情報を更新する固定資産情報管理工程と、
外部システムから、前記搬入先に搬入される設備に関する情報であって、前記製品モデル情報と、前記設備が位置する所在地を示す所在地情報と、搬入される設備を識別する設備識別情報とを含む設備情報を取得し、設備情報記憶手段が記憶する設備情報を更新する設備情報管理工程と、
前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記固定資産情報と前記設備情報とを、互いに紐付ける処理工程と、
を実行する情報処理方法。
9. コンピュータを、
搬入先に搬入された固定資産を管理する固定資産管理システムから、管理している固定資産に関する情報であって、製品モデルを示す製品モデル情報と、前記固定資産が位置する所在地を示す所在地情報と、管理している固定資産を識別する固定資産識別情報とを含む固定資産情報を取得し、固定資産情報記憶手段が記憶する固定資産情報を更新する固定資産情報管理手段、
外部システムから、前記搬入先に搬入される設備に関する情報であって、前記製品モデル情報と、前記設備が位置する所在地を示す所在地情報と、搬入される設備を識別する設備識別情報とを含む設備情報を取得し、設備情報記憶手段が記憶する設備情報を更新する設備情報管理手段、
前記製品モデル情報及び前記所在地情報が互いに一致する前記固定資産情報と前記設備情報とを、互いに紐付ける処理手段、
として機能させるプログラム。
【0118】
この出願は、2018年11月29日に出願された日本出願特願2018-223665号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。