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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】フロントエンド回路および通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/50 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
H04B1/50
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020559234
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(86)【国際出願番号】 JP2019047264
(87)【国際公開番号】W WO2020116460
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2018227207
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】安田 潤平
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0048345(US,A1)
【文献】特開2007-019939(JP,A)
【文献】特開2000-031861(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0202325(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号を伝送するフロントエンド回路であって、
前記フロントエンド回路に高周波信号を入力または前記フロントエンド回路から高周波信号を出力する第1入出力端子、第2入出力端子、および第3入出力端子と、
前記第1入出力端子に接続された第1共通端子、ならびに、第1選択端子および第2選択端子を有し、前記第1共通端子と前記第1選択端子との接続、および、前記第1共通端子と前記第2選択端子との接続を排他的に切り替える第1スイッチ回路と、
第1通信バンドの高周波信号を通過させる第1フィルタと、
前記第1選択端子と前記第2入出力端子とを結ぶ経路であって、前記第1フィルタが配置され、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第1信号経路と、
前記第2選択端子と前記第3入出力端子とを結ぶ経路であって、フィルタが配置されないバイパス経路であり、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第2信号経路と、
前記第1スイッチ回路の切り替え動作を制御する制御部と、を備え、
前記第1信号経路を経由した前記第1入出力端子から前記第2入出力端子への前記第1通信バンドの高周波信号の伝送と、前記第2信号経路を経由した前記第1入出力端子から前記第3入出力端子への前記第1通信バンドの高周波信号の伝送とが、排他的に切り替わる、または、前記第1信号経路を経由した前記第2入出力端子から前記第1入出力端子への前記第1通信バンドの高周波信号の伝送と、前記第2信号経路を経由した前記第3入出力端子から前記第1入出力端子への前記第1通信バンドの高周波信号の伝送とが、排他的に切り替わり、
前記制御部は、
時分割復信方式により前記第1通信バンドの高周波信号を単独で伝送させる場合には、前記第1共通端子と前記第2選択端子とを接続させ、
時分割復信方式による前記第1通信バンドの高周波信号の伝送と、周波数分割復信方式による前記第1通信バンドと異なる他の通信バンドの高周波信号の伝送とを同時に行う場合には、前記第1共通端子と前記第1選択端子とを接続させる、
フロントエンド回路。
【請求項2】
高周波信号を伝送するフロントエンド回路であって、
前記フロントエンド回路に高周波信号を入力または前記フロントエンド回路から高周波信号を出力する第1入出力端子、第2入出力端子、および第3入出力端子と、
第1共通端子、第1選択端子および第2選択端子を有し、前記第1共通端子と前記第1選択端子との接続、および、前記第1共通端子と前記第2選択端子との接続を排他的に切り替える第1スイッチ回路と、
第1通信バンドの高周波信号を通過させる第1フィルタと、
前記第1選択端子と前記第2入出力端子とを結ぶ経路であって、前記第1フィルタが配置され、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第1信号経路と、
前記第2選択端子と前記第3入出力端子とを結ぶ経路であって、フィルタが配置されないバイパス経路であり、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第2信号経路と、
前記第1入出力端子と前記第1共通端子との間に接続され、前記第1通信バンドを含む第1周波数帯域群を通過させる第2フィルタと、
前記第1スイッチ回路の切り替え動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
時分割復信方式により前記第1通信バンドの高周波信号を単独で伝送させる場合には、前記第1共通端子と前記第2選択端子とを接続させ、
時分割復信方式による前記第1通信バンドの高周波信号の伝送と、周波数分割復信方式による前記第1通信バンドと異なる他の通信バンドの高周波信号の伝送とを同時に行う場合には、前記第1共通端子と前記第1選択端子とを接続させる、
フロントエンド回路。
【請求項3】
さらに、
第2共通端子、第3選択端子および第4選択端子を有し、前記第2共通端子と前記第3選択端子との接続、および、前記第2共通端子と前記第4選択端子との接続を排他的に切り替える第2スイッチ回路を備え、
前記第2入出力端子は前記第3選択端子であり、
前記第3入出力端子は前記第4選択端子であり、
前記第2共通端子は、前記フロントエンド回路から高周波信号を出力または前記フロントエンド回路に高周波信号を入力し、
前記第2共通端子と前記第3選択端子とが接続されるとともに、前記第1共通端子と前記第1選択端子とが接続されており、
前記第2共通端子と前記第4選択端子とが接続されるとともに、前記第1共通端子と前記第2選択端子とが接続されている、
請求項1または2に記載のフロントエンド回路。
【請求項4】
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路とは、同一チップで形成されている、
請求項3に記載のフロントエンド回路。
【請求項5】
前記第1フィルタは、時分割復信方式に適用されるフィルタであり、
前記第1信号経路および前記第2信号経路には、時分割復信方式の高周波信号が伝送される、
請求項1~4のいずれか1項に記載のフロントエンド回路。
【請求項6】
前記第1フィルタは、SDL(Supplemental Downlink)方式に適用されるフィルタであり、
前記第1信号経路および前記第2信号経路には、SDL方式の高周波信号が伝送される、
請求項1~4のいずれか1項に記載のフロントエンド回路。
【請求項7】
前記第1スイッチ回路は、さらに、第5選択端子を有し、
前記フロントエンド回路は、さらに、前記フロントエンド回路に高周波信号を入力または前記フロントエンド回路から高周波信号を出力する第4入出力端子と、
第2通信バンドの高周波信号を通過させ、周波数分割復信方式に適用される第3フィルタと、
前記第5選択端子と前記第4入出力端子とを結ぶ第3信号経路と、を備え、
前記第3信号経路には、前記第3フィルタが配置されている、
請求項5または6に記載のフロントエンド回路。
【請求項8】
さらに、
前記フロントエンド回路に高周波信号を入力または前記フロントエンド回路から高周波信号を出力する第5入出力端子、第6入出力端子および第7入出力端子と、
第3共通端子、第6選択端子、第7選択端子および第8選択端子を有し、前記第3共通端子と前記第6選択端子との接続、前記第3共通端子と前記第7選択端子との接続、および前記第3共通端子と前記第8選択端子との接続が排他的に切り替わる第3スイッチ回路と、
前記第1入出力端子と前記第3共通端子との間に接続された第4フィルタと、
第3通信バンドの高周波信号を通過させる第5フィルタと、
第4通信バンドの高周波信号を通過させ、周波数分割復信方式に適用される第6フィルタと、
前記第6選択端子と前記第5入出力端子とを結ぶ第4信号経路と、
前記第7選択端子と前記第6入出力端子とを結ぶ第5信号経路と、
前記第8選択端子と前記第7入出力端子とを結ぶ第6信号経路と、を備え、
前記第1フィルタは、時分割復信方式に適用されるフィルタであり、
前記第1信号経路および前記第2信号経路には、時分割復信方式の高周波信号が伝送され、
前記第4信号経路には、前記第5フィルタが配置され、
前記第5信号経路は、フィルタが配置されないバイパス経路であり、
前記第6信号経路には、前記第6フィルタが配置されている、
請求項2に記載のフロントエンド回路。
【請求項9】
高周波信号を伝送するフロントエンド回路であって、
前記フロントエンド回路に高周波信号を入力または前記フロントエンド回路から高周波信号を出力する第1入出力端子、第2入出力端子、および第3入出力端子と、
第1共通端子、第1選択端子および第2選択端子を有し、前記第1共通端子と前記第1選択端子との接続、および、前記第1共通端子と前記第2選択端子との接続を排他的に切り替える第1スイッチ回路と、
第1通信バンドの高周波信号を通過させる第1フィルタと、
前記第1選択端子と前記第2入出力端子とを結ぶ経路であって、前記第1フィルタが配置され、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第1信号経路と、
前記第2選択端子と前記第3入出力端子とを結ぶ経路であって、フィルタが配置されないバイパス経路であり、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第2信号経路と、
前記第1入出力端子と前記第1共通端子との間に接続され、前記第1通信バンドを含む第1周波数帯域群を通過させる第2フィルタと、
前記フロントエンド回路に高周波信号を入力または前記フロントエンド回路から高周波信号を出力する第5入出力端子、第6入出力端子および第7入出力端子と、
第3共通端子、第6選択端子、第7選択端子および第8選択端子を有し、前記第3共通端子と前記第6選択端子との接続、前記第3共通端子と前記第7選択端子との接続、および前記第3共通端子と前記第8選択端子との接続が排他的に切り替わる第3スイッチ回路と、
前記第1入出力端子と前記第3共通端子との間に接続された第4フィルタと、
第3通信バンドの高周波信号を通過させる第5フィルタと、
第4通信バンドの高周波信号を通過させ、周波数分割復信方式に適用される第6フィルタと、
前記第6選択端子と前記第5入出力端子とを結ぶ第4信号経路と、
前記第7選択端子と前記第6入出力端子とを結ぶ第5信号経路と、
前記第8選択端子と前記第7入出力端子とを結ぶ第6信号経路と、
前記第1スイッチ回路および前記第3スイッチ回路の切り替え動作を制御する制御部と、を備え、
前記第1フィルタは、時分割復信方式に適用されるフィルタであり、
前記第1信号経路および前記第2信号経路には、時分割復信方式の高周波信号が伝送され、
前記第4信号経路には、前記第5フィルタが配置され、
前記第5信号経路は、フィルタが配置されないバイパス経路であり、
前記第6信号経路には、前記第6フィルタが配置されており、
前記制御部は、
時分割復信方式による前記第1通信バンドの高周波信号と時分割復信方式による前記第3通信バンドの高周波信号とを同期して伝送させる場合には、前記第1共通端子と前記第2選択端子とを接続させ、かつ、前記第3共通端子と前記第7選択端子とを接続させ、
時分割復信方式による前記第1通信バンドの高周波信号と時分割復信方式による前記第3通信バンドの高周波信号とを非同期で伝送させる場合には、前記第1共通端子と前記第1選択端子とを接続させ、かつ、前記第3共通端子と前記第6選択端子とを接続させ、
時分割復信方式による前記第1通信バンドの高周波信号の伝送と、周波数分割復信方式による前記第4通信バンドの高周波信号の伝送とを同時に行う場合には、前記第1共通端子と前記第1選択端子とを接続させ、かつ、前記第3共通端子と前記第8選択端子とを接続させる
ロントエンド回路。
【請求項10】
前記第1通信バンドは、LTE(Long Term Evolution)のバンド32、バンド34、バンド39、バンド40およびバンド41のいずれかである、
請求項1~のいずれか1項に記載のフロントエンド回路。
【請求項11】
前記第1通信バンドは、4つの異なる周波数帯域群であるミドルローバンド(MLB:1475.9-2025MHz)、ミドルバンド(MB:2110-2200MHz)、ミドルハイバンド(MHB:2300-2400MHz)、およびハイバンド(HB:2496-2690MHz)のうちのいずれかに属し、
前記第3通信バンドと前記第4通信バンドとは、前記4つの異なる周波数帯域群のうちの同じ周波数帯域群に属する、
請求項8または9に記載のフロントエンド回路。
【請求項12】
前記第1通信バンドは、GPS(登録商標)バンドおよびWi-Fi(登録商標)バンドのいずれかである、
請求項1~のいずれか1項に記載のフロントエンド回路。
【請求項13】
前記第1フィルタおよび前記第2フィルタは、弾性表面波フィルタ、弾性境界波フィルタ、または、BAW(Bulk Acoustic Wave)を用いた弾性波フィルタである、
請求項2に記載のフロントエンド回路。
【請求項14】
さらに、
前記第2入出力端子および前記第3入出力端子に直接的または間接的に接続された増幅回路と、を備える、
請求項1~13のいずれか1項に記載のフロントエンド回路。
【請求項15】
アンテナで受信される高周波信号を処理するRF信号処理回路と、
前記アンテナと前記RF信号処理回路との間で前記高周波信号を伝達する請求項1~14のいずれか1項に記載のフロントエンド回路と、を備える、
通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントエンド回路および通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話には、1つの端末で複数の周波数帯域および無線方式に対応することが要求される(マルチバンド化およびマルチモード化)。マルチバンド化およびマルチモード化に対応するフロントエンド回路では、異なる通信バンドの複数の送信信号または複数の受信信号を同時に使用する、いわゆるキャリアアグリゲーション(CA)方式を適用する場合が多くなっていることに伴い、複数の送受信信号を品質劣化させずに高速処理することが求められている。
【0003】
特許文献1には、CA方式において、複数の通信バンド間で良好なアイソレーション特性を確保できるフロントエンドモジュールの回路構成が開示されている。より具体的には、フロントエンドモジュールは、アンテナ素子と複数の信号経路との接続を切り替えるアンテナスイッチモジュールと、デュプレクサが配置されたLTE(Long Term Evolution)のBand8の信号経路に接続された第1回路と、デュプレクサが配置されたLTEのBand3の信号経路に接続され第1回路と電磁界結合する第2回路と、を備える。上記構成によれば、第1回路と第2回路との電磁界結合度を調整することにより、第1信号経路と第2信号経路との間を伝搬する信号の振幅および位相を容易に調整でき、CA方式において、複数の通信バンド間での良好なアイソレーション特性を確保することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/006866号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたフロントエンドモジュールでは、周波数分割復信方式(FDD)および時分割復信方式(TDD)などの通信方式に応じて信号経路を切り替えることも可能である。しかしながら、全ての信号経路に各通信バンドを通過帯域とするフィルタが配置されているため、上記フロントエンドモジュール内を伝搬する各通信バンドの高周波信号は、アンテナスイッチモジュールおよびフィルタを必ず通過する。このため、通信方式によらずフィルタの挿入損失に起因した高周波信号の伝搬損失が大きくなるという問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、複数の通信方式を切り替えて高周波信号を伝搬することが可能なシステムにおいて、高周波信号の伝搬損失を低減できるフロントエンド回路および通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るフロントエンド回路は、高周波信号を伝送するフロントエンド回路であって、前記フロントエンド回路に高周波信号を入力または前記フロントエンド回路から高周波信号を出力する第1入出力端子、第2入出力端子、および第3入出力端子と、前記第1入出力端子に接続された第1共通端子、ならびに、第1選択端子および第2選択端子を有し、前記第1共通端子と前記第1選択端子との接続、および、前記第1共通端子と前記第2選択端子との接続を排他的に切り替える第1スイッチ回路と、第1通信バンドの高周波信号を通過させる第1フィルタと、前記第1選択端子と前記第2入出力端子とを結ぶ経路であって、前記第1フィルタが配置され、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第1信号経路と、前記第2選択端子と前記第3入出力端子とを結ぶ経路であって、フィルタが配置されないバイパス経路であり、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第2信号経路と、を備え、前記第1信号経路を経由した前記第1入出力端子から前記第2入出力端子への前記第1通信バンドの高周波信号の伝送と、前記第2信号経路を経由した前記第1入出力端子から前記第3入出力端子への前記第1通信バンドの高周波信号の伝送とが、排他的に切り替わる、または、前記第1信号経路を経由した前記第2入出力端子から前記第1入出力端子への前記第1通信バンドの高周波信号の伝送と、前記第2信号経路を経由した前記第3入出力端子から前記第1入出力端子への前記第1通信バンドの高周波信号の伝送とが、排他的に切り替わる。
【0008】
また、本発明の一態様に係るフロントエンド回路は、高周波信号を伝送するフロントエンド回路であって、前記フロントエンド回路に高周波信号を入力または前記フロントエンド回路から高周波信号を出力する第1入出力端子、第2入出力端子、および第3入出力端子と、第1共通端子、第1選択端子および第2選択端子を有し、前記第1共通端子と前記第1選択端子との接続、および、前記第1共通端子と前記第2選択端子との接続を排他的に切り替える第1スイッチ回路と、第1通信バンドの高周波信号を通過させる第1フィルタと、前記第1選択端子と前記第2入出力端子とを結ぶ経路であって、前記第1フィルタが配置され、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第1信号経路と、前記第2選択端子と前記第3入出力端子とを結ぶ経路であって、フィルタが配置されないバイパス経路であり、前記第1通信バンドの高周波信号を伝搬する第2信号経路と、前記第1入出力端子と前記第1共通端子との間に接続され、前記第1通信バンドを含む第1周波数帯域群を通過させる第2フィルタと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の通信方式を切り替えて高周波信号を伝搬することが可能なシステムにおいて、高周波信号の伝搬損失を低減できるフロントエンド回路および通信装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、実施の形態1に係るフロントエンド回路および通信装置の回路構成図である。
図1B図1Bは、実施の形態1の変形例1に係るフロントエンド回路の回路構成図である。
図1C図1Cは、実施の形態1の変形例2に係るフロントエンド回路の回路構成図である。
図2A図2Aは、実施の形態1に係るフロントエンド回路のCA(TDD/FDD)モードにおける回路状態を示す図である。
図2B図2Bは、実施の形態1に係るフロントエンド回路のTDD単独モードにおける回路状態を示す図である。
図3A図3Aは、比較例1に係るフロントエンド回路のCA(TDD/FDD)モードにおける回路状態を示す図である。
図3B図3Bは、比較例1に係るフロントエンド回路のTDD単独モードにおける回路状態を示す図である。
図4図4は、実施の形態2に係るフロントエンド回路の回路構成図である。
図5A図5Aは、実施の形態2に係るフロントエンド回路のCA(TDD/FDD)モードにおける回路状態を示す図である。
図5B図5Bは、実施の形態2に係るフロントエンド回路のTDD単独モードにおける回路状態を示す図である。
図6図6は、比較例2に係るフロントエンド回路のTDD単独モードにおける回路状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、実施の形態およびその図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。
【0012】
(実施の形態1)
[1.1 フロントエンド回路および通信装置の回路構成]
図1Aは、実施の形態1に係るフロントエンド回路1および通信装置6の回路構成図である。なお、同図には、通信装置6と接続されるアンテナ2についても併せて図示されている。通信装置6は、フロントエンド回路1と、送信増幅器3Tと、受信増幅器3Rと、RF信号処理回路(RFIC)4と、ベースバンド信号処理回路(BBIC)5と、を備える。
【0013】
RFIC4は、アンテナ2からフロントエンド回路1および受信増幅器3Rを介して入力された高周波受信信号を、ダウンコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をBBIC5へ出力する。また、RFIC4は、BBIC5から入力された送信信号をアップコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理して生成された高周波送信信号を、送信増幅器3Tおよびフロントエンド回路1に出力する。
【0014】
BBIC5で処理された信号は、例えば、画像信号として画像表示のために、または、音声信号として通話のために使用される。RFIC4およびBBIC5は、例えば、ICとして構成されている。
【0015】
送信増幅器3Tは、BandAの高周波送信信号を優先的に増幅する増幅回路であり、例えば、パワーアンプ(電力増幅器)である。受信増幅器3Rは、スイッチ回路40の共通端子40aに接続され、BandAおよびBandBの高周波受信信号を優先的に増幅する増幅回路であり、例えば、ローノイズアンプ(低雑音増幅器)である。
【0016】
フロントエンド回路1は、マルチモード/マルチバンドに対応すべく、複数の通信バンド(周波数帯域)により無線信号を送受信するための信号経路が複数設けられた、マルチキャリア用送受信装置である。フロントエンド回路1は、スイッチ回路20および40と、信号経路61、62および63と、デュプレクサ31と、受信フィルタ32と、フィルタ10と、アンテナ接続端子100と、を備える。フロントエンド回路1は、例えば、マルチモード/マルチバンド対応の携帯電話のフロントエンドに配置される。
【0017】
スイッチ回路20は、共通端子20a(第1共通端子)、選択端子20b(第5選択端子)、選択端子20c(第1選択端子)、および選択端子20d(第2選択端子)を有し、共通端子20aと選択端子20cとの接続および共通端子20aと選択端子20dとの接続を排他的に切り替える第1スイッチ回路である。
【0018】
共通端子20aは、フィルタ10を介してアンテナ接続端子100(第1入出力端子)に接続されている。選択端子20bは信号経路61に接続され、選択端子20cは信号経路62に接続され、選択端子20dは信号経路63に接続されている。
【0019】
スイッチ回路40は、共通端子40a(第2共通端子)、選択端子40b、選択端子40c(第3選択端子)、および選択端子40d(第4選択端子)を有し、共通端子40aと選択端子40cとの接続および共通端子40aと選択端子40dとの接続を排他的に切り替える第2スイッチ回路である。なお、選択端子40bは、フロントエンド回路1からBandAの高周波信号を出力する第4入出力端子に相当し、選択端子40cは、フロントエンド回路1からBandBの高周波信号を出力する第2入出力端子に相当し、選択端子40dは、フロントエンド回路1からBandBの高周波信号を出力する第3入出力端子に相当する。
【0020】
共通端子40aは、受信増幅器3Rに接続され、フロントエンド回路1から受信増幅器3Rへ高周波信号を出力する。
【0021】
選択端子40bは信号経路61に接続され、選択端子40cは信号経路62に接続され、選択端子40dは信号経路63に接続されている。
【0022】
信号経路61は、BandA(第2通信バンド)の高周波受信信号を伝搬し、選択端子20bと選択端子40bとを結ぶ第3信号経路である。信号経路62は、BandB(第1通信バンド)の高周波受信信号を伝搬し、選択端子20cと選択端子40cとを結ぶ第1信号経路である。信号経路63は、BandB(第1通信バンド)の高周波受信信号を伝搬し、選択端子20dと選択端子40dとを結ぶ第2信号経路である。
【0023】
デュプレクサ31は、送信フィルタ31Tおよび受信フィルタ31Rで構成され、BandAの高周波信号をFDD方式で送受信するフィルタデバイスである。送信フィルタ31Tの出力端および受信フィルタ31Rの入力端が信号経路61を介して選択端子20bに接続されている。また、送信フィルタ31Tの入力端が送信増幅器3Tに接続され、受信フィルタ31Rの出力端が信号経路61を介して選択端子40bに接続されている。受信フィルタ31Rは、信号経路61に配置された第3フィルタである。
【0024】
受信フィルタ32は、信号経路62に配置され、BandB(第1通信バンド)の高周波信号を通過させる第1フィルタである。受信フィルタ32は、BandB(第1通信バンド)の高周波信号をTDD方式で受信するフィルタである。
【0025】
信号経路63は、フィルタが配置されないバイパス経路である。
【0026】
信号経路62および63には、TDD方式が適用されるBandBの高周波信号が伝送される。
【0027】
フィルタ10は、アンテナ接続端子100と共通端子20aとの間に接続され、BandBおよびBandAを含む第1周波数帯域群を通過させる第2フィルタである。
【0028】
なお、送信フィルタ31T、受信フィルタ31Rおよび32、ならびにフィルタ10は、弾性表面波フィルタ、または、BAW(Bulk Acoustic Wave)を用いた弾性波フィルタのいずれかであってもよい。さらには、送信フィルタ31T、受信フィルタ31Rおよび32、ならびにフィルタ10は、弾性波フィルタでなくてもよく、LCフィルタまたは誘電体フィルタなどであってもよく、フィルタ構造は任意である。
【0029】
上記構成を有するフロントエンド回路1において、信号経路62を経由したアンテナ接続端子100から選択端子40cへのBandBの高周波受信信号の伝送と、信号経路63を経由したアンテナ接続端子100から選択端子40dへのBandBの高周波受信信号の伝送とが、排他的に切り替わる。
【0030】
なお、BandB(第1通信バンド)は、TDD方式が適用されるLTEのバンド39(帯域:1880-1920MHz)、バンド41(帯域:2496-2690MHz)、バンド40(帯域:2300-2400MHz)、およびバンド34(帯域:2010-2025MHz)のいずれかに適用することが可能である。
【0031】
BandB(第1通信バンド)がLTEのバンド39(帯域:1880-1920MHz)である場合には、フィルタ10は、例えばミドルローバンド(MLB:1475.9-2025MHz)を通過帯域とするバンドパスフィルタ(または低域通過フィルタ)である。また、BandB(第1通信バンド)がLTEのバンド41(帯域:2496-2690MHz)である場合には、フィルタ10は、例えばハイバンド(HB:2496-2690MHz)を通過帯域とするバンドパスフィルタ(または高域通過フィルタ)である。また、BandB(第1通信バンド)がLTEのバンド40(帯域:2300-2400MHz)である場合には、フィルタ10は、例えばミドルハイバンド(MHB:2300-2400MHz)を通過帯域とするバンドパスフィルタである。
【0032】
なお、BandB(第1通信バンド)は、SDL(Supplemental Downlink)方式が適用される通信バンドであってもよく、例えば、LTEのバンド32(帯域:1452-1496MHz)であってもよい。この場合には、信号経路62および63には、SDL方式の高周波信号が伝送される。
【0033】
また、BandB(第1通信バンド)は、GPS(登録商標)バンドおよびWi-Fi(登録商標)バンドのいずれかであってもよい。この場合には、受信フィルタ32としてGPS(登録商標)バンドまたはWi-Fi(登録商標)バンドを通過帯域とするフィルタが適用され、送信フィルタ31Tおよび受信フィルタ31RとしてLTEのバンドを通過帯域とするフィルタが適用される。これにより、フロントエンド回路1は、複数の通信方式を兼用するシステムに適用される。
【0034】
また、BandB(第1通信バンド)は、セルラー帯域(1.5-2.7GHz)に属する通信バンドであってもよい。セルラー帯域に属する通信バンドとしては、LTEのバンド39、バンド41、バンド40、およびバンド34などが適用される。また、BandB(第1通信バンド)と同時に受信可能なBandA(第2通信バンド)は、Wi-Fi(2.4GHz帯)であってもよい。
【0035】
図1Bは、実施の形態1の変形例1に係るフロントエンド回路1Bの回路構成図である。同図に示されたフロントエンド回路1Bは、実施の形態1に係るフロントエンド回路1の変形例である。本変形例に係るフロントエンド回路1Bは、スイッチ回路25および45と、信号経路64、65および66と、帯域除去フィルタ35と、フィルタ36と、アンテナ接続端子100と、を備える。
【0036】
スイッチ回路25は、共通端子25a(第1共通端子)、選択端子25b(第1選択端子)、および選択端子25c(第2選択端子)を有し、共通端子25aと選択端子25bとの接続および共通端子25aと選択端子25cとの接続を排他的に切り替える第1スイッチ回路である。
【0037】
共通端子25aは、アンテナ接続端子100(第1入出力端子)に接続されている。選択端子25bは信号経路65および66に接続され、選択端子25cは信号経路64に接続されている。
【0038】
スイッチ回路45は、共通端子45a(第2共通端子)、選択端子45b(第3選択端子)、および選択端子45c(第4選択端子)を有し、共通端子45aと選択端子45bとの接続および共通端子45aと選択端子45cとの接続を排他的に切り替える第2スイッチ回路である。なお、選択端子45bは、フロントエンド回路1BからBandBの高周波信号を出力する第2入出力端子に相当し、選択端子45cは、フロントエンド回路1BからBandBの高周波信号を出力する第3入出力端子に相当する。
【0039】
共通端子45aは、受信増幅器3Rに接続され、フロントエンド回路1Bから受信増幅器3Rへ高周波信号を出力する。
【0040】
選択端子45bは信号経路65に接続され、選択端子45cは信号経路64に接続されている。
【0041】
信号経路66は、BandA(第2通信バンド)の高周波受信信号を伝搬する。信号経路65は、BandB(第1通信バンド)の高周波受信信号を伝搬し、選択端子25bと選択端子45bとを結ぶ第1信号経路である。信号経路64は、BandB(第1通信バンド)の高周波受信信号を伝搬し、選択端子25cと選択端子45cとを結ぶ第2信号経路である。
【0042】
フィルタ36は、信号経路66に配置され、BandAの高周波信号を受信するフィルタデバイスである。フィルタ36の入力端は選択端子25bに接続され、出力端はBandAの高周波信号を増幅する受信増幅器に接続されている。
【0043】
帯域除去フィルタ35は、信号経路65に配置され、BandA(第2通信バンド)の高周波信号を減衰させ、BandB(第1通信バンド)の高周波信号を通過させる第1フィルタである。帯域除去フィルタ35の入力端は選択端子25bに接続され、出力端は選択端子45bに接続されている。
【0044】
フィルタ36と帯域除去フィルタ35とは、BandA(Wi-Fi(2.4GHz帯))についてのエクストラクタを構成している。
【0045】
信号経路66は、フィルタが配置されないバイパス経路である。
【0046】
なお、アンテナ接続端子100と共通端子25aとの間に、BandBおよびBandAを含む第1周波数帯域群を通過させる第2フィルタが配置されていてもよい。
【0047】
上記構成を有するフロントエンド回路1Bにおいて、信号経路65を経由したアンテナ接続端子100から選択端子45bへのBandBの高周波受信信号の伝送と、信号経路64を経由したアンテナ接続端子100から選択端子45cへのBandBの高周波受信信号の伝送とが、排他的に切り替わる。
【0048】
図1Cは、実施の形態1の変形例2に係るフロントエンド回路1Cの回路構成図である。本変形例に係るフロントエンド回路1Cは、変形例1に係るフロントエンド回路1Bと比較して、BandA(Wi-Fi(2.4GHz帯))の高周波信号を伝送する信号経路66およびフィルタ36が配置されていない点のみが異なる。この構成であっても、信号経路65を経由したアンテナ接続端子100から選択端子45bへのBandBの高周波受信信号の伝送と、信号経路64を経由したアンテナ接続端子100から選択端子45cへのBandBの高周波受信信号の伝送とが、排他的に切り替わる。
【0049】
[1.2 フロントエンド回路の信号経路切り替え]
図2Aは、実施の形態1に係るフロントエンド回路1のCA(TDD/FDD)モードにおける回路状態を示す図である。同図に示すように、BandB(第1通信バンド)のTDD方式による高周波受信信号を、例えば、BandAのFDD方式による高周波受信信号と同時に受信する場合には、BandAのFDD方式による高周波受信信号との干渉を考慮し、信号経路62においてBandAの受信帯域を減衰させる。より具体的には、スイッチ回路20において、共通端子20aと選択端子20bとを接続し、かつ、共通端子20aと選択端子20cとを接続する。また、スイッチ回路40において、共通端子40aと選択端子40bとを接続し、かつ、共通端子40aと選択端子40cとを接続する。これにより、BandBのTDD方式による高周波受信信号を、BandAのFDD方式による高周波受信信号と同時に受信する場合には、スイッチ回路20により受信フィルタ32が配置された信号経路62が選択されることで、信号経路62を伝搬するBandBの高周波信号がBandAの高周波受信信号と相互干渉することを抑制できる。
【0050】
図2Bは、実施の形態1に係るフロントエンド回路1のTDD単独モードにおける回路状態を示す図である。同図に示すように、BandBのTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合には、他の高周波信号の送信または受信への干渉を考慮しなくてよいので、BandB以外の高周波信号を減衰させなくてもよい。より具体的には、スイッチ回路20において、共通端子20aと選択端子20dとを接続する。また、スイッチ回路40において、共通端子40aと選択端子40dとを接続する。これにより、BandBのTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合には、スイッチ回路20により、フィルタが配置されていない信号経路63を選択することで、BandBの高周波受信信号を低損失で伝送できる。
【0051】
上記構成において、スイッチ回路40の共通端子40aと選択端子40cとが接続されるとともに、スイッチ回路20の共通端子20aと選択端子20cとが接続されている。また、スイッチ回路40の共通端子40aと選択端子40dとが接続されるとともに、スイッチ20回路の共通端子20aと選択端子20dとが接続されている。これにより、選択端子40cおよび40dに接続される増幅回路を、信号経路62と信号経路63とで共用できるので、回路の簡素化および小型化を実現できる。
【0052】
なお、変形例1に係るフロントエンド回路1Bにおいて、BandB(セルラー帯域)のTDD方式による高周波受信信号を、例えば、BandA(Wi-Fi(2.4GHz帯)による高周波受信信号と同時に受信する場合には、BandAの高周波受信信号との干渉を考慮し、信号経路65においてBandA(Wi-Fi(2.4GHz帯)の受信帯域を減衰させる。より具体的には、スイッチ回路25において、共通端子25aと選択端子25bとを接続する。また、スイッチ回路45において、共通端子45aと選択端子45bとを接続する。これにより、BandB(セルラー帯域)のTDD方式による高周波受信信号を、BandA(Wi-Fi(2.4GHz帯)の高周波受信信号と同時に受信する場合には、帯域除去フィルタ35およびフィルタ36が配置された信号経路65および66が選択されることで、信号経路65を伝搬するBandBの高周波信号がBandAの高周波受信信号と相互干渉することを抑制できる。
【0053】
また、BandB(セルラー帯域)のTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合には、他の高周波信号の送信または受信への干渉を考慮しなくてよいので、BandB以外の高周波信号を減衰させなくてもよい。より具体的には、スイッチ回路25において、共通端子25aと選択端子25cとを接続する。また、スイッチ回路45において、共通端子45aと選択端子45cとを接続する。これにより、BandB(セルラー帯域)のTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合には、フィルタが配置されていない信号経路64を選択することで、BandB(セルラー帯域)の高周波受信信号を低損失で伝送できる。
【0054】
また、変形例2に係るフロントエンド回路1Cにおいて、BandB(セルラー帯域)のTDD方式による高周波受信信号を、例えば、BandA(Wi-Fi(2.4GHz帯)による高周波受信信号と同時に受信する場合には、BandAの高周波受信信号との干渉を考慮し、信号経路65においてBandA(Wi-Fi(2.4GHz帯)の受信帯域を減衰させる。より具体的には、スイッチ回路25において、共通端子25aと選択端子25bとを接続する。また、スイッチ回路45において、共通端子45aと選択端子45bとを接続する。これにより、BandB(セルラー帯域)のTDD方式による高周波受信信号を、BandA(Wi-Fi(2.4GHz帯)の高周波受信信号と同時に受信する場合には、帯域除去フィルタ35が配置された信号経路65が選択されることで、信号経路65を伝搬するBandBの高周波信号がBandAの高周波受信信号と相互干渉することを抑制できる。
【0055】
また、BandB(セルラー帯域)のTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合には、他の高周波信号の送信または受信への干渉を考慮しなくてよいので、BandB以外の高周波信号を減衰させなくてもよい。より具体的には、スイッチ回路25において、共通端子25aと選択端子25cとを接続する。また、スイッチ回路45において、共通端子45aと選択端子45cとを接続する。これにより、BandB(セルラー帯域)のTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合には、フィルタが配置されていない信号経路64を選択することで、BandB(セルラー帯域)の高周波受信信号を低損失で伝送できる。
【0056】
図3Aは、比較例1に係るフロントエンド回路500のCA(TDD/FDD)モードにおける回路状態を示す図である。比較例1に係るフロントエンド回路500は、実施の形態1に係るフロントエンド回路1と比較して、フィルタが配置されていない信号経路63を備えていない点が異なる。同図に示すように、BandBのTDD方式による高周波受信信号を、例えば、BandAのFDD方式による高周波受信信号と同時に受信する場合には、実施の形態1に係るフロントエンド回路1と同様に、BandAのFDD方式による高周波受信信号との干渉を考慮し、信号経路62においてBandAの受信帯域を減衰させる。より具体的には、スイッチ回路520において、共通端子520aと選択端子520bとを接続し、かつ、共通端子520aと選択端子520cとを接続する。また、スイッチ回路540において、共通端子540aと選択端子540bとを接続し、かつ、共通端子540aと選択端子540cとを接続する。これにより、BandBのTDD方式による高周波受信信号を、BandAのFDD方式による高周波受信信号と同時に受信する場合には、スイッチ回路520により受信フィルタ32が配置された信号経路62が選択されることで、信号経路62を伝搬するBandBの高周波信号がBandAの高周波受信信号と相互干渉することを抑制できる。
【0057】
図3Bは、比較例1に係るフロントエンド回路500のTDD単独モードにおける回路状態を示す図である。同図に示すように、BandBのTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合であっても、BandBの高周波受信信号と、BandAの高周波受信信号とを同時に受信する場合と同様に、スイッチ回路520において、共通端子520aと選択端子520bとを接続し、かつ、共通端子520aと選択端子520cとを接続する。また、スイッチ回路540において、共通端子540aと選択端子540bとを接続し、かつ、共通端子540aと選択端子540cとを接続する。つまり、BandBのTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合であっても、スイッチ回路520により、受信フィルタ32が配置された信号経路62を選択する。このため、比較例1に係るフロントエンド回路500では、BandBのTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合に、高周波受信信号が受信フィルタ32を通過するため、受信フィルタ32の挿入損失に起因した伝搬損失を低減できない。
【0058】
これに対して、本実施の形態に係るフロントエンド回路1の構成によれば、TDDおよびFDDのような複数の通信方式を切り替えて高周波信号を伝送することが可能なシステムにおいて、TDD方式の高周波信号を単独で受信する場合において、高周波信号の伝搬損失を低減できる。また、TDD方式およびFDD方式の高周波信号を同時受信する場合には、相互干渉が抑制された高品質な高周波信号を伝搬できる。
【0059】
なお、本実施の形態に係るフロントエンド回路1では、アンテナ2で受信した高周波信号の信号経路を、信号経路62と信号経路63とで切り替える構成を示したが、フロントエンド回路1を経由してアンテナ2から出力するための高周波信号を、信号経路62と信号経路63とで切り替える構成であってもよい。この場合には、受信フィルタ32は、送信フィルタとして機能する。
【0060】
この場合、BandB(第1通信バンド)のTDD方式による高周波送信信号を、BandAのFDD方式による高周波送信信号と同時に受信する場合には、BandAのFDD方式による高周波信号との干渉を考慮し、信号経路62においてBandAの送信帯域を減衰させる。より具体的には、スイッチ回路20において、共通端子20aと選択端子20bとを接続し、かつ、共通端子20aと選択端子20cとを接続する。また、スイッチ回路40において、共通端子40aと選択端子40bとを接続し、かつ、共通端子40aと選択端子40cとを接続する。これにより、BandBのTDD方式による高周波送信信号を、BandAのFDD方式による高周波送信信号と同時に送信する場合には、スイッチ回路20により、送信フィルタが配置された信号経路62を選択することで、BandAの高周波信号との相互干渉を抑制できる。
【0061】
また、BandBのTDD方式による高周波送信信号を単独で送信する場合には、他の高周波信号の送信または受信への干渉を考慮しなくてよいので、BandB以外の高周波信号を減衰させなくてもよい。より具体的には、スイッチ回路20において、共通端子20aと選択端子20dとを接続する。また、スイッチ回路40において、共通端子40aと選択端子40dとを接続する。これにより、BandBのTDD方式による高周波送信信号を単独で受信する場合には、スイッチ回路20により送信フィルタが配置されていない信号経路63を選択することで、BandBの高周波送信信号を低損失で伝送できる。
【0062】
また、本実施の形態に係るフロントエンド回路1において、フィルタ10は必須の構成要素ではない。ただし、フィルタ10の配置により、BandAおよびBandBの高周波信号の高調波が、信号経路61~63以外の経路に出力することを抑制できる。また、BandAまたはBandBの高周波信号と、第1周波数帯域群以外の周波数帯域群の高周波信号との同時通信を高品質で実現することが可能となる。
【0063】
また、スイッチ回路20とスイッチ回路40とは、同一チップで形成されていてもよい。これにより、両端がスイッチ回路20および40に接続された信号経路61~63の経路長を短縮できるので、BandAおよびBandBの高周波信号をさらに低損失にできる。
【0064】
なお、上記チップは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)で構成されていてもよい。また、上記チップには、スイッチ回路20および40の切り替え動作を制御する制御部の一部、ならびに、送信増幅器および受信増幅器などが含まれていてもよい。これにより、スイッチ回路20および40、増幅回路、ならびに制御部を1チップのCMOSで構成することで、フロントエンド回路1を安価に製造することが可能となる。また、上記チップは、GaAsで構成されていてもよい。これにより、高品質な増幅性能および雑音性能を有する高周波信号を出力することが可能となる。
【0065】
また、本実施の形態に係るフロントエンド回路1において、スイッチ回路40はなくてもよい。この場合であっても、(1)BandBのTDD方式による高周波受信信号を、BandAのFDD方式による高周波受信信号と同時に受信する場合、および(2)BandBのTDD方式による高周波受信信号を単独で受信する場合、に応じて、スイッチ回路20を切り替えることにより、BandBのTDD方式による高周波送信信号を単独で受信する場合には、スイッチ回路20により送信フィルタが配置されていない信号経路63を選択することで、BandBの高周波送信信号を低損失で伝送できる。なお、この場合、選択端子40bはフロントエンド回路1からBandAの高周波信号を出力する第4入出力端子となり、選択端子40cはフロントエンド回路1からBandBの高周波信号を出力する第2入出力端子となり、選択端子40dはフロントエンド回路1からBandBの高周波信号を出力する第3入出力端子となる。ただし、スイッチ回路40が配置されていない構成の場合、信号経路62および63のそれぞれに、受信増幅器を配置する必要がある。
【0066】
また、本実施の形態に係るフロントエンド回路1は、さらに、スイッチ回路20および40の切り替え動作を制御する制御部を備えてもよい。このとき、制御部は、TDD方式によりBandBの高周波信号を単独で伝送させる場合には、共通端子20aと選択端子20dとを接続させ、かつ、共通端子40aと選択端子40dとを接続させる。一方、TDD方式によるBandBの高周波信号の伝送と、FDD方式によるBandAの高周波信号の伝送とを同時に行う場合には、共通端子20aと選択端子20cとを接続させ、かつ、共通端子40aと選択端子40cとを接続させる。これにより、フロントエンド回路1が有する制御部が、TDD/FDDの通信方式の選択情報を外部から受けることでスイッチ回路20および40の切り替えを行うので、フロントエンド回路1の高機能化および制御信号の伝送配線の短縮化に伴う高速スイッチングが可能となる。
【0067】
なお、上記制御部は、フロントエンド回路1に含まれなくてもよく、RFIC4またはBBIC5などに含まれていてもよい。この場合には、通信装置6が上記制御部を備えることとなる。
【0068】
また、本実施の形態に係るフロントエンド回路1は、受信増幅器3Rおよび送信増幅器3Tの少なくとも1つを含んでもよい。
【0069】
[1.3 実施の形態1のまとめ]
本実施の形態に係るフロントエンド回路1は、フロントエンド回路1に高周波信号を入力またはフロントエンド回路1から高周波信号を出力する第1入出力端子(アンテナ接続端子100)、第2入出力端子(選択端子40c)、および第3入出力端子(選択端子40d)と、アンテナ接続端子100に接続された共通端子20a、ならびに、選択端子20cおよび20dを有し、共通端子20aと選択端子20cとの接続、および、共通端子20aと選択端子20dとの接続を排他的に切り替えるスイッチ回路20と、BandB(第1通信バンド)の高周波信号を通過させる受信フィルタ32と、選択端子20cと選択端子40cとを結ぶ経路であって、受信フィルタ32が配置された信号経路62と、選択端子20dと選択端子40dとを結ぶ経路であって、フィルタが配置されないバイパス経路である信号経路63と、を備える。ここで、信号経路62を経由したアンテナ接続端子100から選択端子40cへのBandBの高周波信号の伝送と、信号経路63を経由したアンテナ接続端子100から選択端子40dへのBandBの高周波信号の伝送とが、排他的に切り替わる。
【0070】
上記構成によれば、BandBの高周波信号を単独で受信する場合には、他の高周波信号の送信または受信への干渉を考慮しなくてよいので、BandB以外の高周波信号を減衰させなくてもよい。よって、この場合には、スイッチ回路20によりフィルタが配置されていない信号経路63を選択することで、BandBの高周波信号を低損失で伝送できる。一方、BandBの高周波信号を、他バンドの高周波信号と同時に受信する場合には、他バンドの高周波信号との干渉を考慮し、当該バンドを減衰させる。よって、この場合には、スイッチ回路20により受信フィルタ32が配置された信号経路62を選択することで、他バンドの高周波信号との相互干渉を抑制できる。
【0071】
また、本実施の形態に係るフロントエンド回路1は、フロントエンド回路1に高周波信号を入力またはフロントエンド回路1から高周波信号を出力する第1入出力端子(アンテナ接続端子100)、第2入出力端子(選択端子40c)、および第3入出力端子(選択端子40d)と、共通端子20a、選択端子20cおよび20dを有し、共通端子20aと選択端子20cとの接続、および、共通端子20aと選択端子20dとの接続を排他的に切り替えるスイッチ回路20と、BandBの高周波信号を通過させる受信フィルタ32と、選択端子20cと選択端子40cとを結ぶ経路であって、受信フィルタ32が配置されBandBの高周波信号を伝搬する信号経路62と、選択端子20dと選択端子40dとを結ぶ経路であって、フィルタが配置されないバイパス経路であり、BandBの高周波信号を伝搬する信号経路63と、アンテナ接続端子100と共通端子20aとの間に接続され、BandBを含む第1周波数帯域群を通過させるフィルタ10と、を備える。
【0072】
上記構成によれば、BandBの高周波信号を単独で受信する場合には、他の高周波信号の送信または受信への干渉を考慮しなくてよいので、BandB以外の高周波信号を減衰させなくてもよい。よって、この場合には、スイッチ回路20によりフィルタが配置されていない信号経路63を選択することで、BandBの高周波信号を低損失で伝送できる。一方、BandBの高周波信号を、他バンドの高周波信号と同時に受信する場合には、他バンドの高周波信号の送信または受信との干渉を考慮し、当該バンドを減衰させる。よって、この場合には、スイッチ回路20により受信フィルタ32が配置された信号経路62を選択することで、他バンドの高周波信号との相互干渉を抑制できる。また、フィルタ10により、BandBの高調波の出力を抑制でき、また、BandBの高周波信号と第1周波数帯域群以外の周波数帯域群の高周波信号との同時通信を実現することが可能となる。
【0073】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に係るフロントエンド回路1を2系統以上有し、異なる系統のフロントエンド回路の間で、CAを実行することが可能なフロントエンド回路について説明する。
【0074】
[2.1 フロントエンド回路の回路構成]
図4は、実施の形態2に係るフロントエンド回路1Aの回路構成図である。同図に示すように、フロントエンド回路1Aは、スイッチ回路21、23、24、41、43および44と、信号経路71、72、73、74、75、81、82、83、91、92、93および101と、受信フィルタ51R、52R、53R、54、55、56R、57および58Rと、フィルタ11、12、13および14と、アンテナ接続端子100と、を備える。フロントエンド回路1Aは、例えば、マルチモード/マルチバンド対応の携帯電話のフロントエンドに配置される。
【0075】
フロントエンド回路1Aは、実施の形態1に係るフロントエンド回路1に相当する回路ユニットが、アンテナ接続端子100に4系統接続された構成となっている。第1の回路ユニットは、スイッチ回路21および41と、信号経路71~75と、受信フィルタ51R、52R、53R、54および55と、フィルタ11とで構成されている。第2の回路ユニットは、信号経路101と、フィルタ12とで構成されている。第3の回路ユニットは、スイッチ回路23および43と、信号経路81~83と、受信フィルタ55および56Rと、フィルタ13とで構成されている。第4の回路ユニットは、スイッチ回路24および44と、信号経路91~93と、受信フィルタ57および58Rと、フィルタ14とで構成されている。
【0076】
スイッチ回路21は、共通端子21a(第1共通端子)、選択端子21b(第5選択端子)、選択端子21c、選択端子21d、選択端子21e(第1選択端子)、および選択端子21f(第2選択端子)を有し、共通端子21aと選択端子21eとの接続および共通端子21aと選択端子21fとの接続を排他的に切り替える第1スイッチ回路である。
【0077】
共通端子21aは、フィルタ11を介してアンテナ接続端子100(第1入出力端子)に接続されている。選択端子21bは信号経路71に接続され、選択端子21cは信号経路72に接続され、選択端子21dは信号経路73に接続され、選択端子21eは信号経路74に接続され、選択端子21fは信号経路75に接続されている。
【0078】
スイッチ回路41は、共通端子41a(第2共通端子)、選択端子41b、選択端子41c、選択端子41d、選択端子41e(第3選択端子)、および選択端子41f(第4選択端子)を有し、共通端子41aと選択端子41eとの接続および共通端子41aと選択端子41fとの接続を排他的に切り替える第2スイッチ回路である。なお、選択端子41bは、フロントエンド回路1AからBandA1の高周波信号を出力する第4入出力端子に相当し、選択端子41eは、フロントエンド回路1AからBandA4の高周波信号を出力する第2入出力端子に相当し、選択端子41fは、フロントエンド回路1AからBandA4の高周波信号を出力する第3入出力端子に相当する。
【0079】
共通端子41aは、受信増幅器3ARに接続され、フロントエンド回路1Aから受信増幅器3ARへ高周波信号を出力する。
【0080】
選択端子41bは信号経路71に接続され、選択端子41cは信号経路72に接続され、選択端子41dは信号経路73に接続され、選択端子41eは信号経路74に接続され、選択端子41fは信号経路75に接続されている。
【0081】
信号経路71は、BandA1(第2通信バンド)の高周波信号を伝搬し、選択端子21bと選択端子41bとを結ぶ第3信号経路である。信号経路72は、BandA2の高周波信号を伝搬し、選択端子21cと選択端子41cとを結ぶ第3信号経路である。信号経路73は、BandA3の高周波信号を伝搬し、選択端子21dと選択端子41dとを結ぶ第3信号経路である。信号経路74は、BandA4(第1通信バンド)の高周波信号を伝搬し、選択端子21eと選択端子41eとを結ぶ第1信号経路である。信号経路75は、BandA4(第1通信バンド)の高周波信号を伝搬し、選択端子21fと選択端子41fとを結ぶ第2信号経路である。
【0082】
受信フィルタ51Rは、BandA1の高周波信号をFDD方式で受信するためのフィルタである。受信フィルタ51Rの入力端が信号経路71を介して選択端子21bに接続され、出力端が信号経路71を介して選択端子41bに接続されている。受信フィルタ51Rは、信号経路71に配置された第3フィルタである。
【0083】
受信フィルタ52Rは、BandA2の高周波信号をFDD方式で受信するためのフィルタである。受信フィルタ52Rの入力端が信号経路72を介して選択端子21cに接続され、出力端が信号経路72を介して選択端子41cに接続されている。受信フィルタ52Rは、信号経路72に配置された第3フィルタである。
【0084】
受信フィルタ53Rは、BandA3の高周波信号をFDD方式で受信するためのフィルタである。受信フィルタ53Rの入力端が信号経路73を介して選択端子21dに接続され、出力端が信号経路73を介して選択端子41dに接続されている。受信フィルタ53Rは、信号経路73に配置された第3フィルタである。
【0085】
受信フィルタ54は、BandA4(第1通信バンド)の高周波信号を通過させ、信号経路74に配置された第1フィルタである。受信フィルタ54は、BandA4(第1通信バンド)の高周波信号をTDD方式で受信するフィルタである。
【0086】
信号経路75は、フィルタが配置されないバイパス経路である。
【0087】
信号経路74および75には、TDD方式のBandA4の高周波信号が伝送される。
【0088】
フィルタ11は、アンテナ接続端子100と共通端子21aとの間に接続され、BandA1~A4を含む第1周波数帯域群を通過させる第2フィルタである。
【0089】
上記構成において、信号経路74を経由したアンテナ接続端子100から選択端子41eへのBandA4の高周波受信信号の伝送と、信号経路75を経由したアンテナ接続端子100から選択端子41fへのBandA4の高周波受信信号の伝送とが、排他的に切り替わる。
【0090】
なお、本実施の形態に係るフロントエンド回路1Aは、信号経路71~73のうち、少なくとも1つ有していればよい。また、スイッチ回路21および41の選択端子の数は、信号経路の数に対応していればよい。
【0091】
信号経路101は、BandB1の高周波信号を伝搬し、フィルタ12と受信増幅器3BRとを結ぶ経路である。
【0092】
フィルタ12は、アンテナ接続端子100と信号経路101との間に接続され、BandB1を含む第2周波数帯域群を通過させるフィルタである。
【0093】
信号経路101には、FDD方式のBandB1の高周波信号が伝送される。
【0094】
なお、本実施の形態では、第2周波数帯域群に属する通信バンドは、BandB1のみであるため、第2周波数帯域群に属する他の通信バンドとの干渉を考慮する必要がないため、信号経路101にはフィルタが配置されていない。なお、フィルタ12および信号経路101は、本実施の形態に係るフロントエンド回路1Aに必須の構成要素ではない。
【0095】
スイッチ回路23は、共通端子23a(第3共通端子)、選択端子23b(第6選択端子)、選択端子23c(第8選択端子)、および選択端子23d(第7選択端子)を有し、共通端子23aと選択端子23bとの接続および共通端子23aと選択端子23dとの接続を排他的に切り替える第3スイッチ回路である。
【0096】
共通端子23aは、フィルタ13を介してアンテナ接続端子100(第1入出力端子)に接続されている。選択端子23bは信号経路81に接続され、選択端子23cは信号経路82に接続され、選択端子23dは信号経路83に接続されている。
【0097】
スイッチ回路43は、共通端子43a、選択端子43b、選択端子43c、および選択端子43dを有し、共通端子43aと選択端子43bとの接続および共通端子43aと選択端子43dとの接続を排他的に切り替えるスイッチ回路である。なお、選択端子43bは、フロントエンド回路1AからBandC1の高周波信号を出力する第5入出力端子に相当し、選択端子43cは、フロントエンド回路1AからBandC2の高周波信号を出力する第7入出力端子に相当し、選択端子43dは、フロントエンド回路1AからBandC1の高周波信号を出力する第6入出力端子に相当する。
【0098】
共通端子43aは、受信増幅器3CRに接続され、フロントエンド回路1Aから受信増幅器3CRへ高周波信号を出力する。
【0099】
選択端子43bは信号経路81に接続され、選択端子43cは信号経路82に接続され、選択端子43dは信号経路83に接続されている。
【0100】
信号経路81は、BandC1(第3通信バンド)の高周波信号を伝搬し、選択端子23bと選択端子43bとを結ぶ第4信号経路である。信号経路82は、BandC2(第4通信バンド)の高周波信号を伝搬し、選択端子23cと選択端子43cとを結ぶ第6信号経路である。信号経路83は、BandC1(第3通信バンド)の高周波信号を伝搬し、選択端子23dと選択端子43dとを結ぶ第5信号経路である。
【0101】
受信フィルタ55は、BandC1(第3通信バンド)の高周波信号を通過させ、信号経路81に配置された第5フィルタである。受信フィルタ55は、BandC1(第3通信バンド)の高周波信号をTDD方式で受信するフィルタである。
【0102】
受信フィルタ56Rは、BandC2の高周波信号をFDD方式で受信するためのフィルタである。受信フィルタ56Rの入力端が信号経路82を介して選択端子23cに接続され、出力端が信号経路82を介して選択端子43cに接続されている。受信フィルタ56Rは、信号経路82に配置された第6フィルタである。
【0103】
信号経路83は、フィルタが配置されないバイパス経路である。
【0104】
信号経路81および83には、TDD方式のBandC1の高周波信号が伝送される。
【0105】
フィルタ13は、アンテナ接続端子100と共通端子23aとの間に接続され、BandC1およびC2を含む第3周波数帯域群を通過させる第4フィルタである。
【0106】
上記構成において、信号経路81を経由したアンテナ接続端子100から選択端子43bへのBandC1の高周波受信信号の伝送と、信号経路83を経由したアンテナ接続端子100から選択端子43cへのBandC1の高周波受信信号の伝送とが、排他的に切り替わる。
【0107】
スイッチ回路24は、共通端子24a(第3共通端子)、選択端子24b(第6選択端子)、選択端子24c(第8選択端子)、および選択端子24d(第7選択端子)を有し、共通端子24aと選択端子24bとの接続および共通端子24aと選択端子24dとの接続を排他的に切り替える第3スイッチ回路である。
【0108】
共通端子24aは、フィルタ14を介してアンテナ接続端子100(第1入出力端子)に接続されている。選択端子24bは信号経路91に接続され、選択端子24cは信号経路92に接続され、選択端子24dは信号経路93に接続されている。
【0109】
スイッチ回路44は、共通端子44a、選択端子44b、選択端子44c、および選択端子44dを有し、共通端子44aと選択端子44bとの接続および共通端子44aと選択端子44dとの接続を排他的に切り替えるスイッチ回路である。なお、選択端子44bは、フロントエンド回路1AからBandD1の高周波信号を出力する第5入出力端子に相当し、選択端子44cは、フロントエンド回路1AからBandD2の高周波信号を出力する第7入出力端子に相当し、選択端子44dは、フロントエンド回路1AからBandD1の高周波信号を出力する第6入出力端子に相当する。
【0110】
共通端子44aは、受信増幅器3DRに接続され、フロントエンド回路1Aから受信増幅器3DRへ高周波信号を出力する。
【0111】
選択端子44bは信号経路91に接続され、選択端子44cは信号経路92に接続され、選択端子44dは信号経路93に接続されている。
【0112】
信号経路91は、BandD1(第3通信バンド)の高周波信号を伝搬し、選択端子24bと選択端子44bとを結ぶ第4信号経路である。信号経路92は、BandD2(第4通信バンド)の高周波信号を伝搬し、選択端子24cと選択端子44cとを結ぶ第6信号経路である。信号経路93は、BandD1(第3通信バンド)の高周波信号を伝搬し、選択端子24dと選択端子44dとを結ぶ第5信号経路である。
【0113】
受信フィルタ57は、BandD1(第3通信バンド)の高周波信号を通過させ、信号経路91に配置された第5フィルタである。受信フィルタ57は、BandD1(第3通信バンド)の高周波信号をTDD方式で受信するフィルタである。
【0114】
受信フィルタ58Rは、BandD2の高周波信号をFDD方式で受信するためのフィルタである。受信フィルタ58Rの入力端が信号経路92を介して選択端子24cに接続され、出力端が信号経路92を介して選択端子44cに接続されている。受信フィルタ58Rは、信号経路92に配置された第6フィルタである。
【0115】
信号経路93は、フィルタが配置されないバイパス経路である。
【0116】
信号経路91および93には、TDD方式のBandD1の高周波信号が伝送される。
【0117】
フィルタ14は、アンテナ接続端子100と共通端子24aとの間に接続され、BandD1およびD2を含む第4周波数帯域群を通過させる第4フィルタである。
【0118】
上記構成において、信号経路91を経由したアンテナ接続端子100から選択端子44bへのBandD1の高周波受信信号の伝送と、信号経路93を経由したアンテナ接続端子100から選択端子44cへのBandD1の高周波受信信号の伝送とが、排他的に切り替わる。
【0119】
フィルタ11~14の配置により、一の周波数帯域群の高周波信号の高調波が、他の周波数帯域群に対応する回路ユニットに漏洩することを抑制できる。また、異なる周波数帯域群の間での高周波信号の同時通信を高品質で実現することが可能となる。
【0120】
なお、上記の各受信フィルタおよびフィルタ11~14は、弾性表面波フィルタ、弾性境界波フィルタ、または、BAWを用いた弾性波フィルタのいずれかであってもよい。さらには、上記の各受信フィルタおよびフィルタ11~14は、弾性波フィルタでなくてもよく、LCフィルタまたは誘電体フィルタなどであってもよく、フィルタ構造は任意である。
【0121】
なお、本実施の形態に係るフロントエンド回路1において、BandC1およびC2の高周波信号を伝搬させる回路、ならびに、BandD1およびD2の高周波信号を伝搬させる回路のうち、いずれか一方の回路がなくてもよい。
【0122】
なお、BandA4(第1通信バンド)は、例えば、LTEのバンド39(帯域:1880-1920MHz)に適用され、BandC1(第3通信バンド)は、例えば、LTEのバンド40(帯域:2300-2400MHz)に適用され、BandD1(第3通信バンド)は、例えば、LTEのバンド41(帯域:2496-2690MHz)に適用される。
【0123】
この場合、フィルタ11は、例えば、ミドルローバンド(MLB:1475.9-2025MHz)を通過帯域とする低域通過フィルタである。また、フィルタ12は、例えば、ミドルバンド(MB:2110-2200MHz)を通過帯域とする帯域通過フィルタである。また、フィルタ13は、例えば、ミドルハイバンド(MHB:2300-2400MHz)を通過帯域とする帯域通過フィルタである。また、フィルタ14は、例えば、ハイバンド(HB:2496-2690MHz)を通過帯域とする帯域通過フィルタである。
【0124】
さらに、BandA1は、例えば、LTEのバンド3(受信帯域:1805-1880MHz)に適用され、BandA2は、例えば、LTEのバンド25(受信帯域:1930-1995MHz)に適用され、BandA3は、例えば、LTEのバンド34(帯域:2010-2025MHz)に適用される。また、BandB1は、例えば、LTEのバンド1/66(受信帯域:2110-2200MHz)に適用される。また、BandC2は、例えば、LTEのバンド30(受信帯域:2350-2360MHz)に適用される。また、BandD2は、例えば、LTEのバンド7(受信帯域:2620-2690MHz)に適用される。
【0125】
つまり、BandA4(第1通信バンド)とBandA1-A3(第2通信バンド)とは、4つの異なる周波数帯域群であるミドルローバンド、ミドルバンド、ミドルハイバンド、およびハイバンドのうちの同じ周波数帯域群に属してもよい。また、BandC1(第3通信バンド)とBandC2(第4通信バンド)とは、上記4つの異なる周波数帯域群のうちの同じ周波数帯域群に属してもよい。また、BandD1(第3通信バンド)とBandD2(第4通信バンド)とは、上記4つの異なる周波数帯域群のうちの同じ周波数帯域群に属してもよい。
【0126】
[2.2 フロントエンド回路の信号経路切り替え]
図5Aは、実施の形態2に係るフロントエンド回路のCA(TDD/FDD)モードにおける回路状態を示す図である。同図に示すように、BandC1(第3通信バンド)のTDD方式による高周波受信信号を、例えば、BandA1のFDD方式による高周波受信信号、BandB1のFDD方式による高周波受信信号、およびBandD2のFDD方式による高周波受信信号と同時に受信する場合には、BandA1、B1およびD2のFDD方式による高周波受信信号との干渉を考慮し、信号経路81においてBandA1、B1およびD2の受信帯域を減衰させる。より具体的には、スイッチ回路23において共通端子23aと選択端子23bとを接続し、スイッチ回路21において共通端子21aと選択端子21bとを接続し、スイッチ回路24において共通端子24aと選択端子23cとを接続する。また、スイッチ回路43において共通端子43aと選択端子43bとを接続し、スイッチ回路41において共通端子41aと選択端子41bとを接続し、スイッチ回路44において共通端子44aと選択端子43cとを接続する。さらに、受信増幅器3AR、3BR、3CRおよび3DRをオン状態にする。これにより、BandC1のTDD方式による高周波受信信号を、BandA1、B1およびD2のFDD方式による高周波受信信号と同時に受信する場合には、スイッチ回路23により、受信フィルタ55が配置された信号経路81を選択することで、BandA1、B1およびD2の高周波受信信号との相互干渉を抑制できる。
【0127】
図5Bは、実施の形態2に係るフロントエンド回路1AのTDD単独モードにおける回路状態を示す図である。同図に示すように、BandA4のTDD方式による高周波受信信号とBandD1のTDD方式による高周波受信信号とを同期させて受信する場合(TDD単独モード)には、同期しているBandA4およびD1の高周波信号以外の送信または受信との干渉を考慮しなくてよいので、BandA4およびD1以外の高周波信号を減衰させなくてもよい。より具体的には、スイッチ回路21において、共通端子21aと選択端子21fとを接続し、スイッチ回路41において、共通端子41aと選択端子41fとを接続する。また、スイッチ回路24において、共通端子24aと選択端子24dとを接続し、スイッチ回路44において、共通端子44aと選択端子44dとを接続する。さらに、受信増幅器3ARおよび3DRをオン状態にし、受信増幅器3BRおよび3CRをオフ状態にする。これにより、TDD方式による高周波受信信号をTDD単独モードで受信する場合には、スイッチ回路21および24により、フィルタが配置されていない信号経路75および93を選択することで、BandA4およびD1の高周波受信信号を低損失で伝送できる。
【0128】
なお、上述したTDD単独モードには、TDD方式に適用される単一の通信バンドの高周波信号を受信する場合に限られず、TDD方式に適用される複数の通信バンドの高周波信号が同期して受信する場合も含まれる。ただし、TDD方式に適用される複数の通信バンドの高周波信号が非同期で受信している場合は、TDD単独モードには含まれない。
【0129】
図6は、比較例2に係るフロントエンド回路500AのTDD単独モードにおける回路状態を示す図である。比較例2に係るフロントエンド回路500Aは、実施の形態2に係るフロントエンド回路1Aと比較して、フィルタが配置されていない信号経路75および93を備えていない点が異なる。同図に示すように、BandA4のTDD方式による高周波受信信号とBandD1のTDD方式による高周波受信信号とを同期させて受信する場合(TDD単独モード)であっても、BandA4およびD1のTDD方式の高周波受信信号と、その他のFDD方式の高周波受信信号とを同時に受信する場合と同様に、スイッチ回路521において共通端子521aと選択端子521eとを接続し、スイッチ回路541において共通端子541aと選択端子541eとを接続する。また、スイッチ回路524において、共通端子524aと選択端子524bとを接続し、スイッチ回路544において、共通端子544aと選択端子544bとを接続する。さらに、受信増幅器3ARおよび3DRをオン状態にし、受信増幅器3BRおよび3CRをオフ状態にする。つまり、BandA4およびD1のTDD単独モードであっても、スイッチ回路521および524により、受信フィルタ54が配置された信号経路74および受信フィルタ57が配置された信号経路91を選択する。このため、比較例2に係るフロントエンド回路500Aでは、TDD単独モードで受信する場合に、高周波受信信号が受信フィルタ54および57を通過するため、伝搬損失を低減できない。
【0130】
これに対して、本実施の形態に係るフロントエンド回路1Aの構成によれば、TDDおよびFDDのような複数の通信方式を切り替えて高周波信号を伝送することが可能なシステムにおいて、TDD単独モードで受信する場合において、高周波信号の伝搬損失を低減できる。また、異なる周波数帯域群の間において、TDD方式およびFDD方式の双方を含むCA動作が可能となり、TDD方式およびFDD方式の高周波信号を同時受信する場合であっても、相互干渉が抑制された高品質な高周波信号を伝搬できる。
【0131】
なお、本実施の形態に係るフロントエンド回路1Aでは、送信系回路が配置されていてもよい。この場合、FDD方式に適用される受信フィルタ51R~53R、56Rおよび58Rのそれぞれに対して送信フィルタが配置される。
【0132】
また、本実施の形態に係るフロントエンド回路1Aは、実施の形態1に係るフロントエンド回路1と同様に、フロントエンド回路1Aを経由してアンテナ2から出力するための高周波送信信号を、各信号経路で切り替える構成であってもよい。この場合には、各受信フィルタは、送信フィルタとして機能する。
【0133】
また、本実施の形態に係るフロントエンド回路1Aは、さらに、スイッチ回路21、23、24、41、43および44の切り替え動作を制御する制御部を備えてもよい。このとき、制御部は、TDD方式によるBandA4、C1およびD1のうちのいずれかの高周波信号を単独で、または、TDD方式によるBandA4、C1およびD1のうちの少なくとも2以上の高周波信号を同期して伝送させる場合には、(1)共通端子21aと選択端子21fとの接続かつ共通端子41aと選択端子41fとの接続、(2)共通端子23aと選択端子23dとの接続かつ共通端子43aと選択端子43dとの接続、(3)共通端子24aと選択端子24dとの接続かつ共通端子44aと選択端子44dとの接続、を適宜実行する。
【0134】
また、TDD方式によるBandA4、C1およびD1のうちの少なくとも2以上の高周波信号を非同期で伝送させる場合には、(1)共通端子21aと選択端子21eとの接続かつ共通端子41aと選択端子41eとの接続、(2)共通端子23aと選択端子23bとの接続かつ共通端子43aと選択端子43bとの接続、(3)共通端子24aと選択端子24bとの接続かつ共通端子44aと選択端子44bとの接続、を適宜実行する。
【0135】
また、TDD方式によるBandA4、C1およびD1のうちの少なくとも1つの高周波信号の伝送と、FDD方式による通信バンドの高周波信号の伝送とを同時に行う場合には、以下のような切り替え動作を実行する。例えば、TDD方式によるBandC1の高周波信号の伝送と、FDD方式によるBandA1の高周波信号の伝送と、FDD方式によるBandB1の高周波信号の伝送と、FDD方式によるBandD2の高周波信号の伝送とを同時に行う場合には、(1)共通端子21aと選択端子21bとの接続かつ共通端子41aと選択端子41bとの接続、(2)共通端子23aと選択端子23bとの接続かつ共通端子43aと選択端子43bとの接続、(3)共通端子24aと選択端子24cとの接続かつ共通端子44aと選択端子44cとの接続を実行する。
【0136】
これにより、フロントエンド回路1Aが有する制御部が、TDD/FDDの通信方式の選択情報を外部から受けることで各スイッチ回路の切り替えを行うので、フロントエンド回路1Aの高機能化および制御信号の伝送配線の短縮化に伴う高速スイッチングが可能となる。
【0137】
なお、上記制御部は、フロントエンド回路1Aに含まれなくてもよく、RFIC4またはBBIC5などに含まれていてもよい。この場合には、通信装置6が上記制御部を備えることとなる。
【0138】
(その他の実施の形態など)
以上、実施の形態1および2に係るフロントエンド回路および通信装置について説明したが、本発明のフロントエンド回路および通信装置は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態およびその変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態およびその変形例に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明のフロントエンド回路および通信装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
【0139】
なお、本発明に係る制御部は、集積回路であるIC、LSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。また、集積回路化の手法は、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
【0140】
また、上記実施の形態に係るフロントエンド回路および通信装置において、図面に開示された各回路素子および信号経路を接続する経路の間に別の高周波回路素子および配線などが挿入されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、キャリアアグリゲーション方式を採用するマルチバンド/マルチモード対応のスイッチモジュールとして、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
【符号の説明】
【0142】
1、1A、1B、1C、500、500A フロントエンド回路
2 アンテナ
3AR、3BR、3CR、3DR、3R 受信増幅器
3T 送信増幅器
4 RF信号処理回路(RFIC)
5 ベースバンド信号処理回路(BBIC)
6 通信装置
10、11、12、13、14、36 フィルタ
20、21、23、24、25、40、41、43、44、45、520、521、523、524、540、541、543、544 スイッチ回路
20a、21a、23a、24a、25a、40a、41a、43a、44a、45a、520a、521a、523a、524a、540a、541a、543a、544a 共通端子
20b、20c、20d、21b、21c、21d、21e、21f、23b、23c、23d、24b、24c、24d、25b、25c、40b、40c、40d、41b、41c、41d、41e、41f、43b、43c、43d、44b、44c、44d、45b、45c、520b、520c、521b、521c、521d、521e、523b、523c、524b、524c、540b、540c、541b、541c、541d、541e、543b、543c、544b、544c 選択端子
31 デュプレクサ
31R、32、51R、52R、53R、54、55、56R、57、58R 受信フィルタ
31T 送信フィルタ
35 帯域除去フィルタ
61、62、63、71、72、73、74、75、81、82、83、91、92、93、101 信号経路
100 アンテナ接続端子
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6