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特許7160115診断画像システムおよび診断画像管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】診断画像システムおよび診断画像管理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
A61B6/00 360Z
A61B6/00 360B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020559736
(86)(22)【出願日】2019-09-13
(86)【国際出願番号】 JP2019036108
(87)【国際公開番号】W WO2020121617
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-05-31
(31)【優先権主張番号】P 2018233466
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】加治木 駿介
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/175494(WO,A1)
【文献】特開2001-120498(JP,A)
【文献】特表2017-528289(JP,A)
【文献】特開2002-304467(JP,A)
【文献】特開2010-057902(JP,A)
【文献】国際公開第2010/117025(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
臓器から採取される複数の検体試料の採取位置が判別可能な被検体の放射線画像を複数枚撮影する放射線撮影装置と、
少なくとも、第1表示領域と、第2表示領域と、第3表示領域とを含む表示部と、
前記放射線画像と前記複数の検体試料の採取位置情報とを取得し、前記検体試料の採取位置を識別可能な前記放射線画像と前記複数の検体試料の採取位置情報とを前記第1表示領域に表示する制御を行前記複数の検体試料のそれぞれを識別可能な情報を含む試料データを前記第2表示領域に表示する制御を行い、複数の前記放射線画像のそれぞれに対応する複数のサムネイル画像を前記第3表示領域に表示する制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記試料データをリスト形式によって表示するとともに、前記試料データと、前記放射線画像と、前記サムネイル画像とに、前記複数の検体試料のそれぞれの前記採取位置が特定可能な共通の識別用目印を表示するように構成されており、
前記制御部は、前記第1表示領域において前記検体試料の採取位置が選択された場合、または、前記第2表示領域において前記試料データが選択された場合に、前記第1表示領域前記第2表示領域、および、前記第3表示領域のそれぞれにおいて、前記識別用目印の表示態様を変化させることにより、選択により特定される前記検体試料に対応する前記検体試料の採取位置情報前記試料データ、および、前記検体試料の採取位置が写る前記サムネイル画像を強調表示するように構成されている、診断画像システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記識別用目印に加えて、前記試料データの行を、少なくとも、表示色の変更、字体の変更、文字の点滅、および拡大表示のいずれかによって、選択された前記検体試料を強調表示するように構成されている、請求項1に記載の診断画像システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記サムネイル画像において、前記放射線画像とは表示態様を異ならせ、かつ、視認可能に、前記識別用目印を表示するように構成されている、請求項1に記載の診断画像システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される前記複数の検体試料に対応する前記検体試料の前記放射線画像における前記採取位置情報および前記検体試料の前記試料データを、それぞれ強調表示するように構成されている、請求項1に記載の診断画像システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される前記複数の検体試料に対応する前記検体試料の前記放射線画像における前記採取位置情報および前記検体試料の前記試料データを、それぞれ互いに視覚的に識別可能に表示態様を異ならせて強調表示するように構成されている、請求項4に記載の診断画像システム。
【請求項6】
前記複数の検体試料を分析して複数の分析結果を生成する検体分析装置をさらに含み、
前記制御部は、前記複数の分析結果を取得するとともに、取得した前記複数の分析結果をさらに含む前記試料データを前記第2表示領域に表示するように構成されている、請求項1に記載の診断画像システム。
【請求項7】
臓器から採取される複数の検体試料の採取位置が判別可能な被検体の放射線画像を複数枚取得するステップと、
前記放射線画像と前記複数の検体試料の採取位置情報とを取得するステップと、
前記検体試料の採取位置を識別可能な前記放射線画像と前記複数の検体試料の採取位置情報を第1表示領域に表示前記複数の検体試料それぞれを識別可能な情報を含む試料データを第2表示領域に表示し、複数の前記放射線画像のそれぞれに対応する複数のサムネイル画像を第3表示領域に表示するステップと、
前記試料データをリスト形式によって表示するとともに、前記試料データと、前記放射線画像と、前記サムネイル画像とに、前記複数の検体試料のそれぞれの前記採取位置が特定可能な共通の識別用目印を表示するステップと、
前記第1表示領域において前記検体試料の採取位置が選択された場合、または、前記第2表示領域において前記試料データが選択された場合に、前記第1表示領域前記第2表示領域、および、前記第3表示領域のそれぞれにおいて、前記識別用目印の表示態様を変化させることにより、選択により特定される前記検体試料に対応する前記検体試料の採取位置前記検体試料の前記試料データ、および、前記検体試料の採取位置が写る前記サムネイル画像を強調表示するステップと、を、診断画像管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断画像システムおよび診断画像管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体(患者)の体内から血液や組織片などの検体試料を採取することにより、体内、臓器内における腫瘍などにより引き起こされる疾患の診断を行うことが知られている。ここで、従来、医師などが放射線画像診断装置によって被検体の透視画像を確認しながら、検体試料を採取するための採取デバイスを被検体内の採取位置まで送り込み、検体試料が採取されることが知られている。このような診断画像システムは、たとえば、牧田幸三、「原発性アルドステロン症における副腎静脈採血-副腎静脈サンプリング手技を成功させるためのコツ-」、日本インターベンショナルラジオロジー学会雑誌、2013年、Vol.28、No.2、p.204-210(以下、非特許文献1という)に開示されている。
【0003】
上記非特許文献1には、原発性アルドステロン症の診断のため、放射線画像診断装置による被検体のX線透視画像をリアルタイムで確認しながら、副腎の様々な部位の静脈から血液サンプリングを行うことが開示されている。上記非特許文献1に開示されている方法では、血液サンプルと採取位置との関連付けを行うために、カルテに副腎静脈のスケッチし、採取位置を記入しておく必要があるので、医師や作業者の負担が大きくなるという不都合がある。
【0004】
また、従来、表示部を備える診断画像システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、X線診断装置によって放射線画像(造影血管像)を取得し表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】牧田幸三、「原発性アルドステロン症における副腎静脈採血-副腎静脈サンプリング手技を成功させるためのコツ-」、日本インターベンショナルラジオロジー学会雑誌、2013年、Vol.28、No.2、p.204-210
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-12133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、医師などは、放射線画像と検体試料を識別可能な情報を含む試料データとを並べて表示し、放射線画像における検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料の情報とを確認したい場合がある。採取した検体試料の数が多い場合、試料データと放射線画像とを並べて表示するだけでは、放射線画像における検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料とを一見して把握することが困難であるという問題点が生じる。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、放射線画像における検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料とを、一見して容易に把握することが可能な診断画像システムおよび診断画像管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における診断画像システムは、臓器から採取される複数の検体試料の採取位置が判別可能な被検体の放射線画像を複数枚撮影する放射線撮影装置と、少なくとも、第1表示領域と、第2表示領域と、第3表示領域とを含む表示部と、放射線画像と複数の検体試料の採取位置情報とを取得し、検体試料の採取位置を識別可能な放射線画像と複数の検体試料の採取位置情報とを第1表示領域に表示する制御を行、複数の検体試料のそれぞれを識別可能な情報を含む試料データを第2表示領域に表示する制御を行い、複数の放射線画像のそれぞれに対応する複数のサムネイル画像を第3表示領域に表示する制御を行う制御部とを備え、制御部は、試料データをリスト形式によって表示するとともに、試料データと、放射線画像と、サムネイル画像とに、複数の検体試料のそれぞれの採取位置が特定可能な共通の識別用目印を表示するように構成されており、制御部は、第1表示領域において検体試料の採取位置が選択された場合、または、第2表示領域において試料データが選択された場合に、第1表示領域第2表示領域、および、第3表示領域のそれぞれにおいて、識別用目印の表示態様を変化させることにより、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報試料データ、および、検体試料の採取位置が写るサムネイル画像を強調表示するように構成されている。
【0010】
この発明の第1の局面による診断画像システムでは、上記のように、放射線画像を複数枚撮影する放射線撮影装置と、少なくとも、第1表示領域と、第2表示領域と、第3表示領域とを含む表示部と、第1表示領域第2表示領域、および、第3表示領域のそれぞれにおいて、識別用目印の表示態様を変化させることにより、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報試料データ、および、検体試料の採取位置が写るサムネイル画像を強調表示する制御を行う制御部を備え、制御部は、試料データをリスト形式によって表示するとともに、試料データと、放射線画像と、サムネイル画像とに、複数の検体試料のそれぞれの採取位置が特定可能な共通の識別用目印を表示するように構成されており、制御部は、識別用目印の表示態様を変化させることにより、第1表示領域第2表示領域、および、第3表示領域のそれぞれにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報試料データ、および、検体試料の採取位置が写るサムネイル画像を強調表示するように構成されている。これにより、第1表示領域および第2表示領域のそれぞれにおいて、選択された検体試料と、選択されていない検体試料とを視覚的に識別可能に表示することができる。その結果、選択された検体試料に対応する採取位置情報および試料データが強調表示されるので、医師などは、放射線画像における検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料とを、一見して容易に把握することができる。なお、本明細書において、「表示領域」とは、画面上において、X線画像および試料データなどを表示する領域のことである。また、本明細書において「採取位置情報」とは、放射線画像上における検体試料を採取した位置の座標値、検体試料を採取した位置に付した標識および、採取位置を指し示す矢印など、放射線画像上において検体試料の採取位置を特定することが可能な情報を含む。また、識別用目印によって、放射線画像における検体試料の採取位置と、試料データ中の検体試料とを、1対1の関係で対応付けることができる。また、識別用目印を強調表示することにより、選択された検体試料と、選択されていない検体試料とを視覚的に識別可能な状態にすることができる。これらの結果、医師などは、強調表示された識別用目印を確認することにより、放射線画像上における検体試料の採取位置および試料データ中の検体試料をより容易に視覚的に把握することができる。また、サムネイル画像においても選択された検体試料を確認することができる。したがって、たとえば、リスト形式で表示された試料データにおいて、第1表示領域に表示されていない放射線画像に映る検体試料が選択された場合でも、選択された検体試料が映るサムネイル画像を容易に把握することができる。その結果、リスト形式で表示された試料データにおいて選択された検体試料が映る放射線画像を第1表示領域に表示したい場合に、選択された検体試料が映る放射線画像を容易に第1表示領域に表示することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、制御部は、識別用目印に加えて、試料データの行を、少なくとも、表示色の変更、字体の変更、文字の点滅、および拡大表示のいずれかによって、選択された検体試料を強調表示するように構成されている。このように構成すれば、リスト表示された試料データにおいて、選択された検体試料が表示されている行をより一層強調して表示することができる。その結果、識別用目印のみを強調表示する場合と比較して、選択された検体試料が表示されている行の強調効果を向上させることが可能となるので、放射線画像における検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料とを、より一層容易に視覚的に把握することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、制御部は、サムネイル画像において、放射線画像とは表示態様を異ならせ、かつ、視認可能に、識別用目印を表示するように構成されている。このように構成すれば、識別用目印が映る放射線画像をそのまま縮小した画像をサムネイル画像として第3表示領域に表示する場合と異なり、たとえば、識別用目印のみを拡大するなどすることにより、サムネイル画像における識別用目印の視認性を向上させることができる。その結果、選択された検体試料が映るサムネイル画像を、容易に視覚的に把握することができる。
【0015】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、制御部は、複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される複数の検体試料に対応する検体試料の放射線画像における採取位置情報および検体試料の試料データを、それぞれ強調表示するように構成されている。このように構成すれば、医師などが複数の検体試料を選択した場合でも、各表示領域において対応する検体試料を一見して把握することができる。その結果、1つの検体試料のみを強調表示する場合と比較して、一度に複数の検体試料を選択することが可能となるので、ユーザビリティ(ユーザの利便性)を向上させることができる。
【0016】
この場合、好ましくは、制御部は、複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される複数の検体試料に対応する検体試料の放射線画像における採取位置情報および検体試料の試料データを、それぞれ互いに視覚的に識別可能に表示態様を異ならせて強調表示するように構成されている。このように構成すれば、医師などが複数の検体試料を選択した場合でも、各表示領域における検体試料を1対1の関係で対応付けることができる。その結果、複数の検体試料が選択された場合でも、検体試料毎に、対応する放射線画像上の採取位置情報および試料データの行を容易に把握することができる。
【0017】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、複数の検体試料を分析して複数の分析結果を生成する検体分析装置をさらに含み、制御部は、複数の分析結果を取得するとともに、取得した複数の分析結果をさらに含む試料データを第2表示領域に表示するように構成されている。このように構成すれば、放射線画像上における検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料の分析結果とを一見して把握することができる。その結果、医師などは、検体試料の採取位置と検体試料の分析結果とに基づいて、疾患の有無(疾患の部位)を適切に判定することができる。
【0018】
この発明の第2の局面における診断画像管理方法は、臓器から採取される複数の検体試料の採取位置が判別可能な被検体の放射線画像を複数枚取得するステップと、放射線画像と複数の検体試料の採取位置情報とを取得するステップと、検体試料の採取位置を識別可能な放射線画像と複数の検体試料の採取位置情報を第1表示領域に表示、複数の検体試料のそれぞれを識別可能な情報を含む試料データを第2表示領域に表示し、複数の放射線画像のそれぞれに対応する複数のサムネイル画像を第3表示領域に表示するステップと、試料データをリスト形式によって表示するとともに、試料データと、放射線画像と、サムネイル画像とに、複数の検体試料のそれぞれの採取位置が特定可能な共通の識別用目印を表示するステップと、第1表示領域において検体試料の採取位置が選択された場合、または、第2表示領域において試料データが選択された場合に、第1表示領域第2表示領域、および、第3表示領域のそれぞれにおいて、識別用目印の表示態様を変化させることにより、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置検体試料の試料データ、および、検体試料の採取位置が写るサムネイル画像を強調表示するステップと、を
【0019】
この発明の第2の局面による診断画像管理方法では、上記のように、複数の放射線画像を複数枚取得するステップと、試料データをリスト形式によって表示するとともに、試料データと、放射線画像と、サムネイル画像とに、複数の検体試料のそれぞれの採取位置が特定可能な共通の識別用目印を表示するステップと、第1表示領域第2表示領域、および、第3表示領域のそれぞれにおいて、識別用目印の表示態様を変化させることにより、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置検体試料の試料データ、および、検体試料の採取位置が写るサムネイル画像を強調表示するステップと、を。これにより、上記第1の局面における診断画像システムと同様に、放射線画像における検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料とを、一見して容易に把握することが可能な診断画像管理方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、手放射線画像における検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料とを、一見して容易に把握することが可能な診断画像システムおよび診断画像管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態による診断画像システムの全体構成を示したブロック図である。
図2】第1実施形態による診断画像システムのX線撮影装置の構成例を示したブロック図である。
図3】第1実施形態による診断画像システムの検体分析装置の構成例を示したブロック図である。
図4】第1実施形態による診断画像システムにおける、X線画像と分析情報との関連付けを説明するための概念図である。
図5】第1実施形態による診断画像システムにおいて、表示部に表示される第1表示領域、第2表示領域および第3表示領域を示した模式図である。
図6】第1実施形態による診断画像システムが、検体試料の採取位置情報の登録状況を表示する処理を説明するためのフローチャートである。
図7】第1実施形態による診断画像システムにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報および試料データを強調表示した模式図である。
図8】第1実施形態による診断画像システムが、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報および試料データを強調表示する処理を説明するためのフローチャートである。
図9】第2実施形態による診断画像システムにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報および試料データを強調表示した模式図である。
図10】第3実施形態による診断画像システムにおいて、選択により特定される複数の検体試料に対応する複数の検体試料の採取位置情報および複数の試料データを強調表示した模式図である。
図11】第4実施形態による診断画像システムにおいて、採取位置情報が未登録の検体試料が存在することを示した模式図である。
図12】第4実施形態による診断画像システムにおいて、採取位置情報が未登録の検体試料が存在することを生じする処理を説明するための示した模式図である。
図13】第5実施形態による診断画像システムにおいて、検体試料の分析状況を表示した模式図である。
図14】第6実施形態による診断画像システムにおいて、検体試料の分析状況を表示した模式図である。
図15】第1実施形態の第1変形例による診断画像システムにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報および試料データを強調表示した模式図である。
図16】第1実施形態の第2変形例による診断画像システムの全体構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
[第1実施形態]
図1図5を参照して、第1実施形態による診断画像システム1の構成について説明する。
【0024】
(診断画像システム)
第1実施形態では、診断画像システム1が、原発性アルドステロン症の診断のための副腎静脈サンプリングに用いられる例を示す。
【0025】
図1に示すように、診断画像システム1は、被検体TのX線画像G(図2参照)を撮影するX線撮影装置2と、被検体Tから採取される検体試料の分析を行う検体分析装置3とを備えている。ここで、X線撮影装置2および検体分析装置3のそれぞれは、手術室R1および分析室R2に別々に設置されている。また、診断画像システム1は、ワークステーション4を備えている。ワークステーション4は、X線撮影装置2とともに、手術室R1に設置されている。ワークステーション4は、制御部41と、表示部42とを備えている。表示部42は、第1表示領域F1(図5参照)および第2表示領域F2(図5参照)を含んでいる。
【0026】
制御部41は、X線画像Gと複数の検体試料の採取位置情報C(図5参照)とを、第1表示領域F1に表示する制御を行うとともに、複数の検体試料のそれぞれを識別可能な情報を含む試料データSD(図5参照)を第2表示領域F2に表示する制御を行うように構成されている。なお、X線撮影装置2は、請求の範囲の「放射線撮影装置」の一例である。また、X線画像Gは、請求の範囲の「放射線画像」の一例である。
【0027】
診断画像システム1は、被検体T内の検体試料を採取するために、X線撮影装置2によって被検体Tの外部からX線画像Gを撮影する。検体試料を採取する際、検体採取デバイス10が被検体Tの内部に導入され、撮影されたX線画像Gを手がかりに、検体採取を担当する医師が検体採取デバイス10を検体試料の採取位置(図5参照)まで進入させ、検体試料を採取する。なお、副腎静脈サンプリングでは、検体採取デバイス10にカテーテルが用いられる。
【0028】
第1実施形態では、検体試料は、臓器から取得される。具体的には、臓器は、ホルモンを分泌する副腎AG(図5参照)である。検体試料は、副腎AGの副腎静脈から取得される、副腎静脈血である。なお、副腎AGは、請求の範囲の「臓器」の一例である。
【0029】
採取された検体試料は、検体採取デバイス10に取り込まれ、検体試料を収容するための検体容器Bに収容された後、検体容器Bが検体分析装置3に移送される。検査技師などの操作者が検体容器Bを検体分析装置3にセットすることにより、検体分析装置3が検体試料を受け付ける。検体容器Bは、たとえば採血管である。検体分析装置3は、取得した検体試料の分析を行う。
【0030】
ここで、検体容器Bには、検体試料を特定するための試料特定情報が付されている。試料特定情報は、採取された検体試料を収容するための検体容器Bに付される識別情報Uである。識別情報Uは、たとえば検体容器Bにバーコードや2次元コードの形式で付される検体IDである。識別情報Uは、たとえばバーコードが印字されたラベルの形態で用意され、検体試料が採取される際に、操作者によって検体容器Bに貼付される。なお、識別情報Uは、請求の範囲の「複数の検体試料のそれぞれを識別可能な情報」の一例である。
【0031】
(X線撮影装置)
図2に示すように、X線撮影装置2は、被検体Tの外側から放射線を照射することによって、X線画像Gを撮影する装置である。なお、第1実施形態では、X線撮影装置2は、副腎AG(図5参照)から採取される検体試料の採取位置が判別可能な被検体TのX線画像Gを撮影するように構成されている。なお、「検体試料の採取位置が判別可能な被検体TのX線画像G」とは、検体試料を採取する位置に検体採取デバイス10を配置した状態で撮影された画像である。たとえば、検体採取デバイス10として、カテーテルを用いる場合、カテーテルの先端を検体試料の採取位置に配置した状態で撮影することにより、検体試料の採取位置が判別可能な被検体TのX線画像Gを取得する。
【0032】
X線撮影装置2は、被検体Tに放射線(X線)を照射する照射部21と、被検体Tを透過した放射線を検出する検出部22とを備えている。照射部21と検出部22とは、それぞれ、被検体Tが載置される天板23を挟んで対向するように配置されている。照射部21および検出部22は、移動機構24に移動可能に支持されている。天板23は、天板駆動部25により水平方向に移動可能である。被検体Tの関心領域を撮影できるように、移動機構24および天板駆動部25を介して照射部21、検出部22および天板23が移動される。関心領域は、被検体Tのうちで、検体試料の採取位置を含む領域である。X線撮影装置2は、移動機構24および天板駆動部25を制御する制御部26を備えている。
【0033】
照射部21は、放射線源21aを含んでいる。放射線源21aは、たとえば、所定の高電圧が印加されることによりX線を発生させるX線管である。照射部21は、制御部26に接続されている。制御部26は、予め設定された撮影条件に従って照射部21を制御し、放射線源21aからX線を発生させる。
【0034】
検出部22は、照射部21から照射され、被検体Tを透過したX線を検出し、検出したX線強度に応じた検出信号を出力する。検出部22は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)により構成されている。また、X線撮影装置2は、検出部22からX線検出信号を取得して、検出部22の検出信号に基づきX線画像Gを生成する画像処理部27を備えている。検出部22は、X線検出信号を画像処理部27に出力する。
【0035】
画像処理部27は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ(図示せず)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶部(図示せず)とを含んで構成されるコンピュータであり、画像処理プログラムをプロセッサに実行させることにより画像処理部27として機能する。画像処理部27は、X線画像Gを生成するほか、X線画像Gの視認性を向上するための補正処理や、複数のX線画像Gを合成する合成処理などを行う機能を有している。また、画像処理部27は、生成したX線画像Gのサムネイル画像TH(図5参照)を生成する処理を行う。具体的には、画像処理部27は、生成したX線画像Gを縮小することにより、サムネイル画像THを生成する。
【0036】
制御部26は、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)およびRAM(図示せず)などを含んで構成されたコンピュータである。制御部26は、CPUが所定の制御プログラムを実行することにより、X線撮影装置2の各部を制御する制御部26として機能する。制御部26は、照射部21および画像処理部27の制御や、移動機構24および天板駆動部25の駆動制御を行う。
【0037】
X線撮影装置2は、表示部26a、操作部26bおよび記憶部26cを備える。また、X線撮影装置2は、ネットワークN(図1参照)と接続するための通信部26dを備える。また、X線撮影装置2は、ワークステーション4と接続するための接続部26eを備える。表示部26aは、たとえば、液晶ディスプレイなどのモニタである。操作部26bは、たとえばキーボードおよびマウス、タッチパネルまたは他のコントローラーなどを含んで構成される。記憶部26cは、たとえばハードディスクドライブなどの記憶装置により構成される。制御部26は、画像処理部27により生成された画像を表示部26aに表示させる制御を行うように構成されている。
【0038】
また、制御部26は、操作部26bを介した入力操作を受け付けるように構成されている。記憶部26cは、X線画像Gのデータ、識別情報Uのデータおよびサムネイル画像THのデータなどを記憶するように構成されている。接続部26eは、ワークステーション4と接続するように構成されている。接続部26eによってワークステーション4と接続されることにより、X線画像Gのデータ、識別情報Uのデータおよびサムネイル画像THのデータなどをワークステーション4に送信することができる。接続部26eは、たとえば、シリアル通信ポートを含む。
【0039】
X線撮影装置2は、図1に示すように、採取された検体試料を収容するための検体容器Bに付される識別情報Uを読み取るための読取部28を備える。読取部28は、たとえば識別情報Uに応じたバーコードリーダー(または、2次元コードリーダー)であり、それぞれ検体容器Bに付される識別情報Uを読み取ることが可能である。制御部26は、検体試料が採取される際に、読取部28により読み出された識別情報UをX線画像Gに付与するように構成されている。たとえば、制御部26は、DICOM規格に準拠した形式の画像連結データ(DICOMファイル)にX線画像Gと識別情報Uとを記録することにより、X線画像Gに識別情報Uを付与する。
【0040】
(検体分析装置)
検体分析装置3は、被検体Tから採取された検体試料を取得して、診断に必要な成分の測定や細胞の検出などを行う装置である。第1実施形態では、図3において、検体分析装置3は、液体クロマトグラフ質量分析計である。検体分析装置3は、検体試料に含まれる目的成分の分離を行う液体クロマトグラフ部31(以下、LC部31という)と、分離された目的成分をイオン化し、目的イオンを質量数に応じて分離検出する質量分析部32(以下、MS部32という)とを備える。
【0041】
LC部31は、搬送液を収容する搬送液リザーバ(図示せず)と、搬送液を検体試料とともに送り出す送液ポンプ(図示せず)と、検体試料を導入する試料導入部(図示せず)と、搬送液中の検体試料を成分毎に分離する分離カラム(図示せず)とを主として含む。
【0042】
MS部32は、LC部31の後段に設けられ、LC部31で分離された試料成分をイオン化するイオン化部(図示せず)と、生成されたイオンを質量分離して特定イオンを通過するための質量分離器(図示せず)と、質量分離器を通過したイオンを検出するイオン検出器(図示せず)とを主として含む。MS部32により、LC部31から順次溶出する試料成分について、質量毎の検出信号が出力される。
【0043】
データ処理部33は、質量毎の検出信号からマススペクトルを作成し、検量線と対比することにより、検体試料中の所定成分の定量分析を行う。第1実施形態では、原発性アルドステロン症の診断のための副腎静脈サンプリングを行うため、検体分析装置3が分析する所定成分は、コルチゾールおよびアルドステロンである。
【0044】
検体分析装置3は、図3に示すように、表示部33a、操作部33b、記憶部33cおよび通信部33dを備える。検体分析装置3は、さらに読取部34(図1参照)を備える。データ処理部33は、検体試料が分析される際に、読取部34により読み出された識別情報Uを分析結果RAに付与するように構成されている。第1実施形態では、分析結果RAは、被検体Tの副腎AGから取得した検体試料に含まれる検査対象物質の存在量である。具体的には、副腎AGから分泌されるホルモンの存在量である。副腎AGから分泌されるホルモンには、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールと、副腎皮質の球状体から分泌されるアルドステロンとが含まれる。第1実施形態では、分析結果RAは、コルチゾール濃度(図5のData1:xx)と、アルドステロン濃度(図5のData2:xx)とを含む。
【0045】
図4に示すように、分析結果RAとX線画像Gとが、共通の識別情報Uを介して相互に対応付けられる。なお、相互に対応付けられるとは、分析結果RAとX線画像Gとが、共通の識別情報Uを介して一対一の関係に対応付けられることを意味する。なお、図4に示す例では、便宜上、1枚のX線画像Gに対して、1つの分析結果RAおよび分析の進捗状況PAを対応付ける例を示している。しかし、X線画像Gにおいて、複数の検体試料の採取位置が写っている場合、複数の検体試料の分析結果RAおよび分析の進捗状況PAが、X線画像Gに対して対応付けられる。
【0046】
(ワークステーション)
図1に示すように、ワークステーション4は、制御部41、表示部42、操作部43、記憶部44および接続部45を備える。ワークステーション4は、たとえば、パーソナルコンピュータ(PC)を含む。
【0047】
採取位置情報C(図5参照)は、ワークステーション4において、操作者により手動で登録される。具体的には、操作者は、第2表示領域F2(図5参照)において、編集開始ボタン(図示せず)を押下することにより、採取位置情報Cの登録を開始する。操作者は、編集開始ボタンの押下後、採取位置情報Cを登録したい検体試料を試料データSDから選択するとともに、X線画像G上の採取位置を選択することにより、検体試料の採取位置情報Cの登録を行う。また、操作者は、採取位置情報Cの登録が完了した場合には、編集終了ボタン(図示せず)を押下することにより、採取位置情報Cの登録を終了する。
【0048】
第1実施形態では、制御部41は、X線画像Gと検体試料の採取位置情報Cとを取得するように構成されている。また、制御部41は、X線撮影装置2から複数のX線画像Gのそれぞれに対応する複数のサムネイル画像THを取得するように構成されている。また、制御部41は、検体試料の分析結果RAを取得するように構成されている。なお、採取位置情報Cとは、操作者によって登録されたX線画像G上における検体試料の採取位置の座標情報を含む情報である。
【0049】
また、制御部41は、X線画像Gへの検体試料の採取位置情報Cの登録状況を表示するように構成されている。制御部41がX線画像Gへの検体試料の採取位置情報Cの登録状況を表示する構成の詳細については後述する。
【0050】
また、制御部41は、操作者によって検体試料が選択された場合、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示するように構成されている。制御部41が選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示する構成の詳細については後述する。
【0051】
また、制御部41は、操作部43を介した入力操作を受け付けるように構成されている。制御部41は、たとえば、CPU、ROMおよびRAMなどを含んで構成されたコンピュータである。
【0052】
表示部42は、第1表示領域F1と、第2表示領域F2と、第3表示領域F3とを含む。表示部42は、たとえば、液晶モニタを含む。
【0053】
操作部43は、操作者の入力操作を受け付けるように構成されている。操作部43は、たとえば、マウスやキーボードなどを含む。
【0054】
記憶部44は、X線画像Gのデータ、識別情報Uのデータ、検体試料の分析結果RAのデータ、X線画像Gへの採取位置情報Cの登録の状況、検体試料分析の進捗状況PAのデータなどを記憶するように構成されている。記憶部44は、たとえば、SSDまたはHDDなどを含む。
【0055】
接続部45は、X線撮影装置2と接続されている。また、接続部45は、ネットワークNを介して検体分析装置3と接続されている。
【0056】
また、ワークステーション4は、採取された検体試料を収容するための検体容器Bに付された識別情報Uを読み取るための読取部46を備える。制御部41は、読取部46により識別情報Uを読み取ったことに基づいて、識別情報Uに対応付けられたX線画像GをX線撮影装置2から取得するとともに、識別情報Uに対応付けられた分析結果RAおよび分析の進捗状況PAを検体分析装置3から取得するように構成されている。
【0057】
(第1表示領域、第2表示領域および第3表示領域)
図5を参照して、第1実施形態における制御部41が、X線画像G、試料データSD、サムネイル画像THなどを、表示部42に表示する構成について説明する。
【0058】
図5に示すように、第1実施形態では、表示部42は、第1表示領域F1と、第2表示領域F2と、第3表示領域F3とを含む。制御部41は、副腎AGから採取される検体試料の採取位置情報Cが判別可能な被検体TのX線画像Gを第1表示領域F1に表示する。具体的には、制御部41は、取得したX線画像Gと、複数の検体試料の採取位置情報Cとを、第1表示領域F1に表示する制御を行うように構成されている。なお、図5に示す例では、検体試料を採取した位置に丸印C1を、採取位置情報Cとして図示している。
【0059】
また、制御部41は、識別情報Uを含む試料データSDを第2表示領域F2に表示するように構成されている。具体的には、制御部41は、第2表示領域F2において、試料データSDをリスト形式によって表示するように構成されている。また、制御部41は、第2表示領域F2において、検査情報Eを表示するように構成されている。なお、制御部41は、読取部46により識別情報Uを読み取ったことに基づいて、識別情報Uに対応付けられた試料データSDおよび検査情報Eを取得するよう様に構成されている。
【0060】
検査情報Eは、検体試料が採取された被検体Tおよび被検体Tに対して実施された検査を識別可能な情報を有している。具体的には、検査情報Eは、検査ID、検査日時、患者名、患者ID、年齢および性別といった複数の項目を有している。検査IDは、行われている検査特有のIDが登録される項目である。検査日時は、検査が行われた日時が登録される項目である。患者名は、検査を受診した患者の名前が登録される項目である。患者IDは、患者名に対応するIDが登録される項目である。年齢および性別は、患者の年齢および性別のそれぞれが登録される項目である。ここで、検査ID、検査日時、患者名、患者ID、年齢および性別といった項目は、病院情報システム(Hospital Information Systems:HIS)に基づいたX線画像Gのタグ(たとえば、DICOMタグ)を読み込むことにより取得される。
【0061】
試料データSDは、採取位置情報C、識別情報U、血管名(BV1、BV2・・・など)、分析結果RA(Data1:xx、Data2:xx)およびステータス(採取位置および分析)といった複数の項目を有している。試料データSDには、複数の検体試料のうちの任意の検体試料における、採取位置情報C、識別情報U、血管名、分析結果RAおよびステータスといった項目に関する情報が登録される。以下、複数の検体試料のうちの任意の検体試料を、たとえば、1番の数字が付された第1検体試料として、試料データSDの複数の項目を説明する。なお、第1検体試料は、X線画像Gにおいて1番の数字で示された場所から採取された検体試料である。
【0062】
採取位置項目は、第1検体試料の採取位置情報Cの番号(1番)が登録される項目である。第1実施形態では、採取位置項目には、後述する識別用目印IMが表示されている。識別情報項目は、第1検体試料が保存されている検体容器Bに付された識別情報Uが登録される項目である。血管名項目は、第1検体試料の採取位置情報Cの血管名が登録される項目である。分析結果項目は、第1検体試料を検体分析装置3において分析したことにより取得された分析結果RAが登録される項目である。ステータス項目は、第1表示領域F1中のX線画像Gに対する検体試料の採取位置情報Cの登録状況および検体試料の分析の進捗状況PAが登録される項目である。
【0063】
識別情報U、分析結果RA、採取位置情報Cの登録状況および分析の進捗状況PAといった項目は、ワークステーション4により、読取部46により識別情報Uを読み取ったことに基づいて取得される分析結果RAに基づいて、検体試料ごとに自動で登録される。採取位置情報Cの登録状況および分析の進捗状況PAの項目は、登録が行われたり分析が完了したりした場合など、状況が変化する度に自動的に更新される。
【0064】
また、制御部41は、複数のX線画像Gのそれぞれに対応する複数のサムネイル画像THを、第3表示領域F3に表示するように構成されている。
【0065】
第1実施形態では、制御部41は、試料データSDと、X線画像Gとに、複数の検体試料のそれぞれの採取位置が特定可能な共通の識別用目印IMを表示するように構成されている。第1実施形態では、制御部41は、円で囲まれた数字を、識別用目印IMとして表示する。また、制御部41は、サムネイル画像THにおいても、識別用目印IMを表示するように構成されている。具体的には、制御部41は、サムネイル画像THにおいて、X線画像Gとは表示態様を異ならせ、かつ、視認可能に、識別用目印IMを表示するように構成されている。
【0066】
ここで、複数の検体試料をリスト形式で表示する際に、図5の第2表示領域F2に含まれるステータス(採取位置)の項目を設けていない場合、検体試料の採取位置情報CがX線画像Gに登録されているか否かを一見して把握することが困難になっている。
【0067】
(登録状況の表示)
そこで、第1実施形態では、制御部41は、検体試料に対応する採取位置情報Cが取得されたか否かに基づいて、操作者によって行われるX線画像Gへの検体試料の採取位置情報Cの登録状況を表示するように構成されている。具体的には、図5の第2表示領域F2に示すように、制御部41は、試料データSDをリスト形式によって表示するとともに、リスト形式によって表示した試料データSDの各行において、検体試料ごとに、採取位置情報Cの登録状況を表示するように構成されている。
【0068】
また、制御部41は、リスト形式によって表示した試料データSDにおいて、採取位置情報Cの登録状況を示す標識MSを表示するとともに、標識MSおよび標識MSの表示領域DAMの表示態様を、採取位置情報Cの登録状況に応じて異ならせて表示するように構成されている。図5に示す例では、X線画像Gへの採取位置情報Cの登録が完了している検体試料は、標識MSの表示領域DAMにおいて、「○」を表示している。また、図5に示す例では、X線画像Gへの採取位置情報Cの登録が完了していない検体試料は、標識MSの表示領域DAMにおいて、「-」を表示している。制御部41は、X線画像Gに対して検体試料の採取位置情報Cが登録された際に、表示する標識MSを「-」から「○」へと変更する。また、図5に示す例では、X線画像Gへの採取位置情報Cの登録が完了していない検体試料の標識MSの表示領域DAMの背景色を、登録が完了している検体試料の標識MSの表示領域DAMの背景色と異ならせて表示している。なお、図5に示す例では、便宜上、標識MSの表示領域DAMの背景色の相違を、ハッチングの有無によって示している。
【0069】
また、第1実施形態では、制御部41は、複数の検体試料のそれぞれについて、分析の進捗状況PAを表示するように構成されている。具体的には、制御部41は、複数の検体試料のそれぞれについて、分析の進捗状況PAとして、少なくとも分析が完了しているか否かを識別可能に表示するように構成されている。図5に示す例では、分析が完了している検体試料は、分析の進捗状況PAの表示領域DASにおいて、「○」を表示している。また、図5に示す例では、分析が完了していない検体試料は、分析の進捗状況PAの表示領域DASにおいて、「―」を表示している。制御部41は、検体試料の分析が完了した際に、表示領域DASにおける分析の進捗状況PAの表示を「―」から「○」へと変更する。
【0070】
次に、図6を参照して、第1実施形態における検体試料の採取位置情報Cの登録状況を表示する処理について説明する。
【0071】
ステップS1において、X線撮影装置2は、副腎AGから採取される複数の検体試料の採取位置が判別可能なX線画像Gを取得する。次に、ステップS2において、制御部41は、X線画像Gと複数の検体試料の採取位置情報Cとを取得する。その後、処理は、ステップS3へ進む。なお、選択された検体試料の強調表示を行うために、後述する図8のステップS5およびステップS6の処理がすでに行われている場合、制御部41は、ステップS1およびステップS2の処理を行わず、ステップS3から処理を開始する。
【0072】
ステップS3において、制御部41は、取得した検体試料の採取位置情報Cに基づいて、検体試料の採取位置を判別可能なようにX線画像Gを第1表示領域F1に表示するとともに、識別情報Uを含む試料データSDを第2表示領域F2に表示する。次に、ステップS4において、制御部41は、検体試料に対応する採取位置情報Cが取得されたか否かに基づいて、操作者によって行われるX線画像Gへの検体試料の採取位置情報Cの登録状況を表示し、処理を終了する。
【0073】
(強調表示)
次に、図5および図7を参照して、制御部41が選択された検体試料を強調表示する構成について説明する。
【0074】
医師などは、採取した検体試料の分析結果RAに基づいて、副腎AGにおける疾患の有無や、検体試料のサンプリングの成否を判定する。複数の検体試料を採取した場合、複数の検体試料の試料データSDをリスト形式で表示することが考えられる。しかしながら、試料データSDを単純にリスト形式で表示するだけでは、採取した検体試料の数が多い場合に、X線画像G上における医師などが確認したい検体試料に対応する検体試料の情報を、試料データSDから一見して把握することが難しい。
【0075】
そこで、第1実施形態では、制御部41は、第1表示領域F1において検体試料の採取位置情報Cが選択された場合、第1表示領域F1および第2表示領域F2のそれぞれにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示するように構成されている。なお、検体試料の選択は、操作部43を介して医師などによって行われる。たとえば、検体試料の選択は、医師などがマウスを用いて検体試料の採取位置情報Cをクリックすることにより、検体試料が選択される。
【0076】
図7に示すように、第1実施形態では、制御部41は、識別用目印IMの表示態様を変化させることにより、第1表示領域F1および第2表示領域F2のそれぞれにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示するように構成されている。なお、図7に示す例は、医師などにより、一番の採取位置情報Cにおける検体試料が選択された場合の模式図である。
【0077】
図7に示す例では、制御部41は、識別用目印IMを太線で表示することにより、選択された検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示している。図7に示す例では、試料データSDのうち、識別用目印IMのみを強調表示することにより、選択された検体試料に対応する試料データSDを強調して表示している。また、図7に示す例では、採取位置情報Cは、検体試料の採取位置を指し示す矢印C2を含み、制御部41は、検体試料の採取位置情報Cとして、採取位置を指し示す矢印C2についても、強調表示するように構成されている。
【0078】
また、制御部41は、検体試料が選択された場合に、第1表示領域F1および第2表示領域F2に加えて、第3表示領域F3においても選択された識別用目印IMを強調表示するように構成されている。すなわち、制御部41は、検体試料が選択された場合に、第1表示領域F1、第2表示領域F2、および、第3表示領域F3のそれぞれにおいて、選択された識別用目印IMを連動して強調表示するように構成されている。
【0079】
次に、図8を参照して、制御部41による選択された検体試料の強調表示処理について説明する。
【0080】
ステップS5において、X線撮影装置2は、副腎AGから取得される複数の検体試料の採取位置情報Cが判別可能なX線画像Gを取得する。次に、ステップS6において、制御部41は、X線画像Gと複数の検体試料の採取位置情報Cとを取得する。その後、処理は、ステップS7へ進む。なお、検体試料の採取位置情報Cの登録状況を表示するために、図6に示すステップS1およびステップS2の処理がすでに行われている場合、制御部41は、ステップS5およびステップS6の処理を行わず、ステップS7から処理を開始する。
【0081】
ステップS7において、制御部41は、検体試料の採取位置を識別可能なX線画像Gと複数の検体試料の採取位置情報Cを第1表示領域F1に表示するとともに、識別情報Uを含む試料データSDを第2表示領域F2に表示する。次に、ステップS8において、制御部41は、複数のX線画像Gのそれぞれに対応する複数のサムネイル画像THを取得するとともに、取得した複数のサムネイル画像THを第3表示領域F3に表示する。その後、処理は、ステップS9へ進む。
【0082】
ステップS9において、制御部41は、第1表示領域F1において検体試料の採取位置が選択された場合、第1表示領域F1および第2表示領域F2のそれぞれにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置および検体試料の試料データSDを強調表示する。次に、ステップS10において、制御部41は、第1表示領域F1において検体試料の採取位置が選択された場合に、第3表示領域F3において、選択により特定される検体試料を強調表示する。なお、上記ステップS7とステップS8との処理は、同一のステップにおいて処理されてもよい。また、ステップS9とステップS10との処理は、同一のステップにおいて処理されてもよい。
【0083】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0084】
第1実施形態では、上記のように、診断画像システム1は、副腎AGから採取される検体試料の採取位置情報Cが判別可能な被検体TのX線画像Gを撮影するX線撮影装置2と、少なくとも、第1表示領域F1および第2表示領域F2を含む表示部42と、X線画像Gと複数の検体試料の採取位置情報Cとを取得し、検体試料の採取位置を識別可能なX線画像Gと複数の検体試料の採取位置情報Cとを第1表示領域F1に表示する制御を行うとともに、識別情報Uを含む試料データSDを第2表示領域F2に表示する制御を行う制御部41とを備え、制御部41は、第1表示領域F1において検体試料の採取位置が選択された場合、第1表示領域F1および第2表示領域F2のそれぞれにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示するように構成されている。これにより、第1表示領域F1および第2表示領域F2のそれぞれにおいて、選択された検体試料と、選択されていない検体試料とを視覚的に識別可能に表示することができる。その結果、選択された検体試料に対応する採取位置情報Cおよび試料データSDが強調表示されるので、医師などは、X線画像Gにおける検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料とを、一見して容易に把握することができる。
【0085】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部41は、試料データSDをリスト形式によって表示するとともに、試料データSDと、X線画像Gとに、複数の検体試料のそれぞれの採取位置が特定可能な共通の識別用目印IMを表示するように構成されており、制御部41は、識別用目印IMの表示態様を変化させることにより、第1表示領域F1および第2表示領域F2のそれぞれにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示するように構成されている。これにより、識別用目印IMによって、X線画像Gにおける検体試料の採取位置と、試料データSD中の検体試料とを、1対1の関係で対応付けることができる。また、識別用目印IMを強調表示することにより、選択された検体試料と、選択されていない検体試料とを視覚的に識別可能な状態にすることができる。これらの結果、医師などは、強調表示された識別用目印IMを確認することにより、X線画像G上における検体試料の採取位置および試料データSD中の検体試料をより容易に視覚的に把握することができる。
【0086】
また、第1実施形態では、上記のように、X線撮影装置2は、複数のX線画像Gを撮影するように構成されており、表示部42は、第3表示領域F3をさらに含み、制御部41は、複数のX線画像Gのそれぞれに対応する複数のサムネイル画像THを第3表示領域F3に表示するととともに、検体試料が選択された場合に、第1表示領域F1および第2表示領域F2に加えて、第3表示領域F3においても選択された識別用目印IMを強調表示するように構成されている。これにより、サムネイル画像THにおいても選択された検体試料を確認することができる。したがって、たとえば、リスト形式で表示された試料データSDにおいて、第1表示領域F1に表示されていないX線画像Gに映る検体試料が選択された場合でも、選択された検体試料が映るサムネイル画像THを容易に把握することができる。その結果、リスト形式で表示された試料データSDにおいて選択された検体試料が映る放射線画像を第1表示領域F1に表示したい場合に、選択された検体試料が映るX線画像Gを容易に第1表示領域F1に表示することができる。
【0087】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部41は、サムネイル画像THにおいて、X線画像Gとは表示態様を異ならせ、かつ、視認可能に、識別用目印IMを表示するように構成されている。これにより、識別用目印IMが映るX線画像Gをそのまま縮小した画像をサムネイル画像THとして第3表示領域F3に表示する場合と異なり、たとえば、識別用目印IMのみを拡大するなどすることにより、サムネイル画像THにおける識別用目印IMの視認性を向上させることができる。その結果、選択された検体試料が映るサムネイル画像THを、容易に視覚的に把握することができる。
【0088】
また、第1実施形態では、上記のように、複数の検体試料を分析して複数の分析結果RAを生成する検体分析装置3をさらに含み、制御部41は、複数の分析結果RAを取得するとともに、取得した複数の分析結果RAをさらに含む試料データSDを第2表示領域F2に表示するように構成されている。これにより、X線画像G上における検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料の分析結果RAとを一見して把握することができる。その結果、医師などは、検体試料の採取位置と検体試料の分析結果RAとに基づいて、疾患の有無(疾患の部位)を適切に判定することができる。
【0089】
また、第1実施形態では、上記のように、診断画像管理方法は、副腎AGから採取される検体試料の採取位置情報Cが判別可能な被検体TのX線画像Gを撮影するステップS5と、X線画像Gと複数の検体試料の採取位置情報Cとを取得するステップS6と、検体試料の採取位置を識別可能なX線画像Gと複数の検体試料の採取位置情報Cを第1表示領域F1に表示するとともに、識別情報Uを含む試料データSDを第2表示領域F2に表示するステップS7と、第1表示領域F1において検体試料の採取位置が選択された場合、第1表示領域F1および第2表示領域F2のそれぞれにおいて、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置および検体試料の試料データSDを強調表示するステップS9とを含む。これにより、診断画像システム1と同様に、X線画像Gにおける検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料とを、一見して容易に把握することが可能な診断画像管理方法を提供することができる。
【0090】
[第2実施形態]
次に、図1および図9を参照して、第2実施形態による診断画像システム100(図1参照)について説明する。制御部41が識別用目印IMの表示態様を異ならせることにより選択された検体試料を強調表示する上記第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、診断画像システム100の制御部51は、識別用目印IMに加えて、試料データSDの行を、少なくとも、表示色の変更、字体の変更、文字の点滅、および拡大表示のいずれかによって、選択された検体試料を強調表示するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0091】
図9に示すように、第2実施形態では、制御部51は、識別用目印IMに加えて、試料データSDの行を、少なくとも、表示色の変更、字体の変更、文字の点滅、および拡大表示のいずれかによって、選択された検体試料を強調表示するように構成されている。なお、図9に示す例は、試料データSDの行の表示色を変更することにより、選択された検体試料を強調表示している。また、図9に示す例は、便宜上、選択された検体試料の行にハッチングを付与することにより、表示色が変更されていることを図示している。
【0092】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0093】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0094】
第2実施形態では、上記のように、制御部51は、識別用目印IMに加えて、試料データSDの行を、表示色の変更によって、選択された検体試料を強調表示するように構成されている。これにより、リスト表示された試料データSDにおいて、選択された検体試料が表示されている行をより一層強調して表示することができる。その結果、識別用目印IMのみを強調表示する場合と比較して、選択された検体試料が表示されている行の強調効果を向上させることが可能となるので、X線画像Gにおける検体試料の採取位置と、採取位置に対応する検体試料とを、より一層容易に視覚的に把握することができる。
【0095】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0096】
[第3実施形態]
次に、図1および図10を参照して、第3実施形態における診断画像システム110(図1参照)について説明する。制御部41が、選択により特定される1つの検体試料に対応する検体試料のX線画像Gにおける採取位置情報Cおよび検体試料の試料データSDを強調表示する上記第1実施形態とは異なり、第3実施形態における診断画像システム110の制御部61は、複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される複数の検体試料に対応する検体試料のX線画像Gにおける採取位置情報Cおよび検体試料の試料データSDを強調表示するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0097】
図10に示すように、第3実施形態では、制御部61は、複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される複数の検体試料に対応する検体試料のX線画像Gにおける採取位置情報Cおよび検体試料の試料データSDを、それぞれ強調表示するように構成されている。また、制御部61は、複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される複数の検体試料に対応する検体試料のX線画像Gにおける採取位置情報Cおよび検体試料の試料データSDを、それぞれ互いに視覚的に識別可能に表示態様を異ならせて強調表示するように構成されている。
【0098】
図10に示す例では、選択された複数の検体試料に対応する識別用目印IMを太線で表示するとともに、それぞれの識別用目印IMの表示色を異ならせて表示している。なお、図10に示す例では、便宜上、識別用目印IMの表示色の相違を、識別用目印IMを太線で図示すること、および、識別用目印IMにハッチングを付すことにより表している。また、図10に示す例では、採取位置情報Cは、検体試料の採取位置を指し示す矢印C2および矢印C3を含み、制御部61は、検体試料の採取位置を指し示す矢印C2および矢印C3をそれぞれ識別可能に強調表示している。また、制御部61は、サムネイル画像THに表示した識別用目印IMについても、それぞれ識別可能に強調表示している。
【0099】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0100】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0101】
第3実施形態では、上記のように、制御部61は、複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される複数の検体試料に対応する検体試料のX線画像Gにおける採取位置情報Cおよび検体試料の試料データSDを、それぞれ強調表示するように構成されている。これにより、医師などが複数の検体試料を選択した場合でも、各表示領域(第1表示領域F1、第2表示領域F2、および第3表示領域F3)において対応する検体試料を一見して把握することができる。その結果、1つの検体試料のみを強調表示する場合と比較して、一度に複数の検体試料を選択することが可能となるので、ユーザビリティ(ユーザの利便性)を向上させることができる。
【0102】
また、第3実施形態では、上記のように、制御部61は、複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される複数の検体試料に対応する検体試料のX線画像Gにおける採取位置情報Cおよび検体試料の試料データSDを、それぞれ互いに視覚的に識別可能に表示態様を異ならせて強調表示するように構成されている。これにより、医師などが複数の検体試料を選択した場合でも、各表示領域(第1表示領域F1、第2表示領域F2、および第3表示領域F3)における検体試料を1対1の関係で対応付けることができる。その結果、複数の検体試料が選択された場合でも、検体試料毎に、対応するX線画像G上の採取位置情報Cおよび試料データSDの行を容易に把握することができる。
【0103】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0104】
[第4実施形態]
次に、図1図5および図11を参照して、第4実施形態における診断画像システム120(図1参照)について説明する。制御部41が、検体試料に対応する採取位置情報Cが取得されたか否かに基づいて、操作者によって行われるX線画像Gへの検体試料の採取位置情報Cの登録状況を表示する上記第1実施形態とは異なり、第4実施形態における診断画像システム120の制御部71は、操作者の入力によってX線画像Gに対する採取位置情報Cの登録を行うとともに、X線画像Gに採取位置情報Cが登録されていない検体試料がある場合に、未登録の検体試料が存在することを表示するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0105】
第4実施形態では、制御部71は、操作者の入力によってX線画像Gに対する採取位置情報Cの登録を行うとともに、X線画像Gに採取位置情報Cが登録されていない検体試料がある場合に、未登録の検体試料が存在することを表示するように構成されている。
【0106】
具体的には、制御部71は、操作者による入力操作を受け付けるように構成されている。制御部71は、操作者の選択操作による入力に基づいて、X線画像Gに対して、検体試料の採取位置情報Cの登録を行う。また、制御部71は、操作者によって編集終了ボタンが押下されたことにより、採取位置情報Cの登録を終了する。
【0107】
ここで、図5に示すように、X線画像Gに対して採取位置情報Cが登録されていない検体試料がある状態において、操作者が登録作業を完了(編集終了ボタンを押下)した場合、制御部71は、図11に示すようなメッセージを表示するように構成されている。なお、図11に示すメッセージは、単なる例示であり、採取位置情報Cが未登録の検体試料が存在することを操作者が把握することができれば、どのようなメッセージを表示してもよい。
【0108】
次に、図12を参照して、制御部71による採取位置情報Cが未登録の検体試料が存在すること表示する処理について説明する。
【0109】
ステップS11において、制御部71は、操作者による登録完了の操作を受け付ける。次にステップS12において、制御部71は、X線画像Gに対して採取位置情報Cが登録されていない検体試料があるか否かを判定する。X線画像Gに対して採取位置情報Cが登録されていない検体試料がある場合、処理は、ステップS12へ進む。X線画像Gに対して採取位置情報Cが登録されていない検体試料がない場合、処理は終了する。
【0110】
ステップS12において、制御部71は、採取位置情報Cが未登録の検体試料が存在することを表示し、処理を終了する。
【0111】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0112】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0113】
第4実施形態では、上記のように、制御部71は、操作者の入力によってX線画像Gに対する採取位置情報Cの登録を行うとともに、X線画像Gに採取位置情報Cが登録されていない検体試料がある場合に、未登録の検体試料が存在することを表示するように構成されている。これにより、医師などは、X線画像Gに対する採取位置情報Cの登録漏れがあることを、登録操作を完了する前に把握することができる。したがって、X線画像Gに対する採取位置情報Cの登録漏れが生じることを抑制することができる。その結果、検体試料の採取位置が特定できなくなり、X線画像Gに対して採取位置情報Cを登録できなくなることを抑制することができる。
【0114】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0115】
[第5実施形態]
次に、図1および図13を参照して、第5実施形態における診断画像システム130(図1参照)について説明する。制御部41が、検体試料の分析の進捗状況PAとして、少なくとも分析が完了しているか否かを識別可能に表示する上記第1実施形態とは異なり、第5実施形態における診断画像システム130の制御部81は、複数の検体試料のそれぞれについて、分析の進捗状況PAとして、検体試料の分析前、検体試料の分析中、検体試料の分析完了のいずれかを表示するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0116】
図13に示すように、第5実施形態では、制御部81は、複数の検体試料のそれぞれについて、分析の進捗状況PAとして、検体試料の分析前、検体試料の分析中、検体試料の分析完了のいずれかを表示するように構成されている。分析状況の進捗状況PAは、検体試料の分析が進むにつれて変化する。制御部81は、検体分析装置3による検体試料の分析の状況を監視しており、分析状況の進捗状況PAが変化する度に、表示領域DASに表示する内容を変更する。すなわち、制御部81は、検体試料の分析が開始される前の状態では、表示領域DASに「分析前」と表示する。また、制御部81は、検体試料の分析が開始された際に、表示領域DASの表示を「分析前」から「分析中」に変更する。また、制御部81は、検体試料の分析が完了した際に、表示領域DASの表示を「分析中」から「分析完了」に変更する。
【0117】
なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0118】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0119】
第5実施形態では、上記のように、制御部81は複数の検体試料のそれぞれについて、分析の進捗状況PAとして、検体試料の分析前、検体試料の分析中、検体試料の分析完了のいずれかを表示するように構成されている。このように構成すれば、医師などは、分析が完了していない検体試料について、分析前であるか分析中であるかを把握することができる。
【0120】
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0121】
[第6実施形態]
次に、図1および図14を参照して、第6実施形態における診断画像システム140(図1参照)について説明する。制御部41が、検体試料の分析の進捗状況PAとして、少なくとも分析が完了しているか否かを識別可能に表示する上記第1実施形態とは異なり、第6実施形態における診断画像システム140の制御部91は、複数の検体試料のそれぞれについて、検体分析装置3による各分析工程のうち、進行中の分析工程を分析の進捗状況PAとして表示するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0122】
第6実施形態では、制御部91は、複数の検体試料のそれぞれについて、検体分析装置3による各分析工程のうち、進行中の分析工程を分析の進捗状況PAとして表示するように構成されている。
【0123】
具体的には、図13に示すように、制御部91は、分析の進捗状況PAとして、登録前、前処理中、LC分析中、MS分析中、承認前、分析完了の分析工程のうち、対応する工程を、進行中の分析工程を分析の進捗状況PAとして表示するように構成されている。なお、「登録前」とは、検体分析装置3において、識別情報Uが読み込まれる前の状態である。また、「前処理中」とは、検体試料を分析するために必要な処理を行う工程が進行している状態である。また、「LC分析中」とは、検体試料を、LC部31において分離する工程が進行している状態である。また、「MS分析中」とは、MS部32における分析が進行している状態である。また、「承認前」とは、分析が終了し、得られた分析結果RAが承認される前の状態である。また、「分析完了」とは、分析が終了するとともに、得られた分析結果RAが承認された状態である。
【0124】
なお、検体分析装置3は、LC部31およびMS部32を備えていない場合もある。検体分析装置3がLC部31およびMS部32を備えていない場合、制御部81は、検体分析装置3によって実施される各工程を表示すればよい。
【0125】
なお、第6実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0126】
(第6実施形態の効果)
第6実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0127】
第6実施形態では、上記のように、制御部81は、複数の検体試料のそれぞれについて、検体分析装置3による各分析工程のうち、進行中の分析工程を分析の進捗状況PAとして表示するように構成されている。これにより、医師などは、検体試料の分析状況を、詳細に把握することができる。
【0128】
なお、第6実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0129】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0130】
たとえば、上記第1~第6実施形態では、操作者によって、第1表示領域F1において、検体試料が選択された場合に、制御部41(51、61、71、81、91)が、第1表示領域F1、第2表示領域F2および第3表示領域F3において、選択により特定される検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSD中の検体試料を強調表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部41(51、61、71、81、91)は、第2表示領域F2において、試料データSDが選択された場合に、第1表示領域F1、第2表示領域F2のそれぞれにおいて、選択により特定される検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSD中の検体試料を強調表示するように構成されていてもよい。また、第2表示領域F2において、試料データSDが選択された場合に、制御部41(51、61、71、81、91)は、第3表示領域F3において、選択により特定される検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSD中の検体試料を強調表示するように構成されていてもよい。
【0131】
また、操作者によって、第3表示領域F3において、検体試料が選択された場合に、制御部41(51、61、71、81、91)は、第1表示領域F1、第2表示領域F2および第3表示領域F3において、選択により特定される検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSD中の検体試料を強調表示するように構成されていてもよい。すなわち、第1表示領域F1、第2表示領域F2および第3表示領域F3のいずれの表示領域において検体試料が選択された場合でも、制御部41(51、61、71、81、91)は、第1表示領域F1、第2表示領域F2および第3表示領域F3において、選択により特定される検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSD中の検体試料を強調表示するように構成すればよい。
【0132】
また、上記第1~第6実施形態では、制御部41(51、61、71、81、91)が、サムネイル画像THにおいて、X線画像Gとは表示態様を異ならせ、かつ、視認可能に、識別用目印IMを表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部41(51、61、71、81、91)は、第1表示領域F1に表示するX線画像Gを単純に縮小した画像を、サムネイル画像THとして第3表示領域F3に表示するように構成されていてもよい。
【0133】
また、上記第1~第6実施形態では、制御部41(51、61、71、81、91)が、第3表示領域F3において、サムネイル画像THを表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部41(51、61、71、81、91)は、第3表示領域F3において、サムネイル画像THを表示しなくてもよい。また、表示部42は、第3表示領域F3を含んでいなくてもよい。
【0134】
また、上記第2実施形態では、制御部51が、識別用目印IMに加えて、試料データSDの行を、少なくとも、表示色の変更、字体の変更、文字の点滅、および拡大表示のいずれかによって、選択された検体試料を強調表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部51は、試料データSDの行の周囲を囲む枠線を表示することにより、選択された検体試料を強調表示するように構成されていてもよい。制御部51は、試料データSDにおいて、選択された検体試料が表示されている行を強調表示することが可能であれば、選択された検体試料が表示されている行をどのように強調表示してもよい。
【0135】
また、上記第3実施形態では、制御部61が、複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される複数の検体試料に対応する検体試料のX線画像Gにおける採取位置情報Cおよび検体試料の試料データSDを、それぞれ互いに識別可能に表示態様を異ならせて強調表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部61は、複数の検体試料が選択された場合に、選択により特定される複数の検体試料に対応する検体試料のX線画像Gにおける採取位置情報Cおよび検体試料の試料データSDを、互いに表示態様を異ならせることなく強調表示するように構成されていてもよい。
【0136】
また、上記第1~第6実施形態では、制御部41(51、61、71、81、91)が、分析結果RAを含む試料データSDを表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。制御部41(51、61、71、81、91)は、分析結果RAを含まない試料データSDを表示するように構成されていてもよい。
【0137】
また、上記第1~第6実施形態では、制御部41(51、61、71、81、91)が、X線画像Gへの検体試料の採取位置情報Cの登録状況および検体試料の分析の進捗状況PAを含む試料データSDを表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。制御部41(51、61、71、81、91)は、X線画像Gへの検体試料の採取位置情報Cの登録状況および検体試料の分析の進捗状況PAを含まない試料データSDを表示するように構成されていてもよい。試料データSDには、少なくとも、検体試料の識別情報Uと、採取位置情報Cの登録状況とが含まれていればよい。
【0138】
また、上記第1~第6実施形態では、1つの識別用目印IMが、1つのサムネイル画像THに表示される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図15に示すように、同一の数字が記された識別用目印IMが、複数のサムネイル画像THに表示されていてもよい。同一の数字が記された識別用目印IMが、複数のサムネイル画像THに表示されている検体試料が選択された場合、制御部41(51、61、71、81、91)は、複数のサムネイル画像THにおいて、同一の数字が記された識別用目印IMを強調表示するように構成されればよい。
【0139】
また、上記第1~第6実施形態では、制御部41(51、61、71、81、91)が、手術室R1に設置されたワークステーション4に設けられる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16に示すように、制御部41(51、61、71、81、91)は、ネットワークNを介してX線撮影装置2および検体分析装置3と接続された診断用情報処理装置5に設けられていてもよい。診断用情報処理装置5は、制御部52と、表示部53と、操作部54と、記憶部55と、通信部56とを備えている。診断用情報処理装置5は、読取部46を備えていない点を除いては、ワークステーション4と同様に構成されている。制御部52を、制御部41(51、61、71、81、91)と同様に構成することにより、選択により特定される検体試料に対応する検体試料の採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示するように構成してもよい。このように構成すれば、医師などの診断時において、検体試料の採取位置と試料データSDとを容易に把握可能な状態で診断を行うことができる。また、患者などに説明する場合でも、検体試料の採取位置と試料データSDとを容易に把握可能な状態で説明することができる。
【0140】
また、上記第1~第6実施形態では、制御部41(51、61、71、81、91)が、丸印C1を採取位置情報Cとして、X線画像G上に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1表示領域F1において、X線画像Gとは別に、検体試料の採取位置の座標値を表示するように構成されていてもよい。採取位置情報Cとして、座標値を表示する構成の場合、制御部41(51、61、71、81、91)は、操作者によって座標値が選択されたことに基づいて、対応する採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示するように構成すればよい。また、制御部41(51、61、71、81、91)は、採取位置情報Cを第1表示領域F1に表示せず、採取位置情報Cの座標値の画素を操作者が選択することにより、採取位置情報Cおよび試料データSDを強調表示するように構成されていてもよい。
【0141】
また、上記第1~第6実施形態では、制御部41(51、61、71、81、91)が、試料データSDをリスト形式で表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。制御部41(51、61、71、81、91)は、試料データSDをリスト形式で表示しなくてもよい。
【0142】
また、上記第1~第6実施形態では、接続部26eと、接続部45とを接続することにより、X線撮影装置2とワークステーション4とを直接接続する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線撮影装置2とワークステーション4とは、ネットワークNを介して接続されていてもよい。
【0143】
また、上記第2実施形態では、制御部51が、識別用目印IMに加えて、試料データSDの行を、表示色の変更によって、選択された検体試料を強調表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部51は、識別用目印IMに加えて、試料データSDの行を、字体の変更、文字の点滅、および拡大表示のいずれかによって、選択された検体試料を強調表示するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1、100、110、120、130、140 診断画像システム
2 X線撮影装置(放射線撮影装置)
3 検体分析装置
41、51、61、71、81、91 制御部
42 表示部
AG 副腎(臓器)
C 採取位置情報
F1 第1表示領域
F2 第2表示領域
F3 第3表示領域
G X線画像(放射線画像)
RA 分析結果
T 被検体
U 識別情報(複数の検体試料のそれぞれを識別可能な情報)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16