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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/14 20060101AFI20221018BHJP
   B60N 2/02 20060101ALI20221018BHJP
   B60N 2/64 20060101ALI20221018BHJP
   B60N 2/68 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
A47C7/14 Z
B60N2/02
B60N2/64
B60N2/68
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018190656
(22)【出願日】2018-10-09
(65)【公開番号】P2020058495
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】金 東鉉
(72)【発明者】
【氏名】野上 裕生
(72)【発明者】
【氏名】今成 勝利
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-114851(JP,A)
【文献】実開平01-143954(JP,U)
【文献】特開2006-204887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0060485(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00-74
B60N 2/00-90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座乗員の臀部及び大腿部を支持するパッド本体部を含んで構成されたシートクッションの骨格を構成するクッションフレームと、
前記シートクッションのシート後端側から立設されると共に、前記クッションフレームとの接続部側を回転中心とされてシート前後方向に傾倒可能に支持され、前記着座乗員の背部を支持するバックパッド本体部を含んで構成されたシートバックの骨格を構成するシートバックフレームと、
前記シートクッションの後部の内部において前記パッド本体部のシート幅方向全体に亘って均一に設けられ、前記シートクッションの後部をシート上方側へ押し上げる押上部及び前記着座乗員の仙骨部と対向する部位を含む前記シートバックの下部の内部において前記バックパッド本体部のシート幅方向全体に亘って均一に設けられ、前記シートバックの下部をシート前方側へ押し出す押出部の少なくとも一方と、
を備え
前記押上部及び前記押出部には、フォームドワイヤが用いられている、
車両用シート。
【請求項2】
前記シートクッションの後部は、シート後方側へ向かうに従ってシート上方側へ傾斜するように押上可能とされた請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記シートバックの下部は、シート下方側へ向かうに従ってシート前方側へ傾斜するように押出可能とされた請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記シートクッションは、
前記パッド本体部と、
前記パッド本体部のシート幅方向両端側に設けられた左右一対のパッドサイド部と、
前記シートクッションの後部の前記パッド本体部と前記左右一対のパッドサイド部との境目に沿って設けられた左右一対の第1スリット部と、
前記パッド本体部の後端部に、シート幅方向に沿って設けられた第2スリット部と、
を含んで構成されたクッションパッドを備える請求項1~3の何れか1項に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記シートバックは、
前記バックパッド本体部と、
前記バックパッド本体部のシート幅方向両端側に設けられた左右一対のバックパッドサイド部と、
前記シートバックの下部の前記バックパッド本体部と前記左右一対のバックパッドサイド部との境目に沿って設けられた左右一対のバックスリット部と、
を含んで構成されたバックパッドを備える請求項1~4の何れか1項に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記押上部と、前記シートクッションに設けられ、前記押上部を駆動して前記押上部を上下動させる押上駆動部とを備えたシートクッション押上機構
を含んで構成された請求項1~5の何れか1項に記載の車両用シート。
【請求項7】
前記押出部と、前記シートバックに設けられ、前記押出部を駆動して前記押出部を前後動させる押出駆動部とを備えたシートバック押出機構
を含んで構成された請求項1~6の何れか1項に記載の車両用シート。
【請求項8】
前記シートクッションは、一端部が前記クッションフレームに接続されたケーブルワイヤを備え、
前記押上駆動部は、前記ケーブルワイヤの他端部を引き込み可能なモータを備え、
前記押上部は、前記ケーブルワイヤの中間部に接続され、前記ケーブルワイヤの引き込みによりシート上方側へ移動可能に構成されている、
請求項6に記載の車両用シート
【請求項9】
前記シートバックは、一端部が前記シートバックフレームに接続されたケーブルワイヤを備え、
前記押出駆動部は、前記ケーブルワイヤの他端部を引き込み可能なモータを備え、
前記押出部は、前記ケーブルワイヤの中間部に接続され、前記ケーブルワイヤの引き込みによりシート前方側へ移動可能に構成されている、
請求項7に記載の車両用シート
【請求項10】
前記押上部は、前記フォームドワイヤにより構成された押上ワイヤを備えており、
前記押上駆動部は、前記ケーブルワイヤが挿入されかつ前記押上ワイヤに取り付けられたケーブルワイヤ取付金具をさらに備えている、
請求項8に記載の車両用シート。
【請求項11】
前記押出部は、前記フォームドワイヤにより構成された押出ワイヤを備えており、
前記押出駆動部は、前記ケーブルワイヤが挿入されかつ前記押出ワイヤに取り付けられたケーブルワイヤ取付金具をさらに備えている、
請求項9に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、シートクッションとシートバックの接合部に圧縮空気が封入された袋体が設けられ、当該袋体が着座乗員の仙骨部を支持する車両用シートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平7-34761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された車両用シートのように、シートクッションとシートバックの接合部に外側から設けられた袋体では、着座乗員の体型によっては、仙骨下部を支持できても仙骨上部を支持できないため、仙骨部の支持が安定しない場合がある。そこで、仙骨上部を支持するために袋体を大きく形成すると、シートクッションと乗員の臀部との隙間又はシートバックと乗員の腰部との隙間を大きくしてしまう場合がある。このため、シートクッション又はシートバックにおける着座乗員の体圧は特定の部位に集中し、着座乗員は、このような状態が長時間続くと圧迫感や痛みを感じたりする場合がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、長時間運転における着座乗員の圧迫感や痛みを軽減することができる車両用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用シートは、着座乗員の臀部及び大腿部を支持するパッド本体部を含んで構成されたシートクッションの骨格を構成するクッションフレームと、前記シートクッションのシート後端側から立設されると共に、前記クッションフレームとの接続部側を回転中心とされてシート前後方向に傾倒可能に支持され、前記着座乗員の背部を支持するバックパッド本体部を含んで構成されたシートバックの骨格を構成するシートバックフレームと、前記シートクッションの後部の内部において前記パッド本体部のシート幅方向全体に亘って均一に設けられ、前記シートクッションの後部をシート上方側へ押し上げる押上部及び前記着座乗員の仙骨部と対向する部位を含む前記シートバックの下部の内部において前記バックパッド本体部のシート幅方向全体に亘って均一に設けられ、前記シートバックの下部をシート前方側へ押し出す押出部の少なくとも一方と、を備え、前記押上部及び前記押出部には、フォームドワイヤが用いられている
【0007】
請求項1に記載の車両用シートによれば、押上部によりシートクッションの後部がシート上方側へ押し上げられ、又は、押出部により着座乗員の仙骨部と対向する部位を含むシートバックの下部がシート前方側へ押し出される。このため、シートクッションとシートバックの接合部と着座乗員の臀部との間に生じる隙間を小さくでき、着座乗員の臀部を車両用シートに密着させることができる。また、押上部押出部は、パッド本体部とバックパッド本体部のシート幅方向全体に亘って均一に設けられている。このため、着座乗員は体型に関係なく車両用シートに安定して支持される。これにより、着座乗員は、その仙骨部が車両用シートに安定して支持されるため、長時間運転における着座乗員の圧迫感や痛みを低減することができる。
【0008】
請求項2に記載の車両用シートは、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記シートクッションの後部は、シート後方側へ向かうに従ってシート上方側へ傾斜するように押上可能とされている。
【0009】
請求項2に記載の車両用シートによれば、シートクッションの後部は、シート後方側へ向かうに従ってシート上方側へ傾斜するようにシートクッション押上機構に押し上げられる。このため、シートクッションとシートバックの接合部と着座乗員の臀部との間に生じる隙間を小さくでき、着座乗員の臀部を車両用シートに密着させることができる。これにより、着座乗員は、その仙骨部が車両用シートに安定して支持されるため、長時間運転における着座乗員の圧迫感や痛みを軽減することができる。
【0010】
請求項3に記載の車両用シートは、請求項1又は請求項2に記載の車両用シートにおいて、前記シートバックの下部は、シート下方側へ向かうに従ってシート前方側へ傾斜するように押出可能とされている
【0011】
請求項3に記載の車両用シートによれば、シートバックの下部は、シート下方側へ向かうに従ってシート前方側へ傾斜するようにシートバック押出機構に押し出される。このため、シートクッションとシートバックの接合部と着座乗員の臀部との間に生じる隙間を小さくでき、着座乗員の臀部を車両用シートに密着させることができる。これにより、着座乗員は、その仙骨部が車両用シートに安定して支持されるため、長時間運転における着座乗員の圧迫感や痛みを軽減することができる。
【0012】
請求項4に記載の車両用シートは、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記シートクッションは、前記着座乗員の前記臀部及び前記大腿部を支持するパッド本体部と、前記パッド本体部のシート幅方向両端側に設けられた左右一対のパッドサイド部と、前記シートクッションの後部の前記パッド本体部と前記左右一対のパッドサイド部との境目に沿って設けられた左右一対の第1スリット部と、前記パッド本体部の後端部に、シート幅方向に沿って設けられた第2スリット部と、を含んで構成されたクッションパッドを備える。
【0013】
請求項4に記載の車両用シートによれば、クッションパッドには、第1スリット部と第2スリット部が設けられている。このため、シートクッション押上機構によりシートクッションの後部がシート上方側へ押し上げられる際に、クッションパッドに生じる張力を低減することができ、シートクッションを着座乗員の臀部により効果的に密着させることができる。これにより、着座乗員は、その仙骨部が車両用シートに安定して支持されるため、長時間運転における着座乗員の圧迫感や痛みを軽減することができる。
【0014】
請求項5に記載の車両用シートは、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記シートバックは、前記着座乗員の前記背部を支持するバックパッド本体部と、前記バックパッド本体部のシート幅方向両端側に設けられた左右一対のバックパッドサイド部と、前記シートバックの下部の前記バックパッド本体部と前記左右一対のバックパッドサイド部との境目に沿って設けられた左右一対のバックスリット部と、を含んで構成されたバックパッドを備える。
【0015】
請求項5に記載の車両用シートによれば、バックパッドには、バックスリット部が設けられている。このため、シートバック押出機構によりシートバックの下部がシート前方側へ押し出される際に、シートバックに生じる張力を低減することができ、シートバックを着座乗員の臀部により効果的に密着させることができる。これにより、着座乗員は、その仙骨部が車両用シートに安定して支持されるため、長時間運転における着座乗員の圧迫感や痛みを軽減することができる。
【0016】
請求項6に記載の車両用シートは、請求項1~5のいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記押上部と、前記シートクッションに設けられ、前記押上部を駆動して前記押上部を上下動させる押上駆動部とを備えたシートクッション押上機構を含んで構成されている。
【0017】
請求項6に記載の車両用シートによれば、押上駆動部が押上部を駆動することにより、シートクッションの後部をシート上方側へ押し上げることができる。このため、シートクッションを着座乗員の臀部に確実に密着させることができる。これにより、着座乗員は、その仙骨部が車両用シートに安定して支持されるため、長時間運転における着座乗員の圧迫感や痛みを軽減することができる。
【0018】
請求項7に記載の車両用シートは、請求項1~6のいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記押出部と、前記シートバックに設けられ、前記押出部を駆動して前記押出部を前後動させる押出駆動部とを備えたシートバック押出機構を含んで構成されている。
【0019】
請求項7に記載の車両用シートによれば、押出駆動部が押出部を駆動することにより、シートバックの下部をシート前方側へ押し出すことができる。このため、シートバックを着座乗員の臀部に確実に密着させることができる。これにより、着座乗員は、その仙骨部が車両用シートに安定して支持されるため、長時間運転における着座乗員の圧迫感や痛みを軽減することができる。
請求項8に記載の車両用シートは、請求項6に記載の車両用シートにおいて、前記シートクッションは、一端部が前記クッションフレームに接続されたケーブルワイヤを備え、前記押上駆動部は、前記ケーブルワイヤの他端部を引き込み可能なモータを備え、前記押上部は、前記ケーブルワイヤの中間部に接続され、前記ケーブルワイヤの引き込みによりシート上方側へ移動可能に構成されている。
請求項9に記載の車両用シートは、請求項7に記載の車両用シートにおいて、前記シートバックは、一端部が前記シートバックフレームに接続されたケーブルワイヤを備え、前記押出駆動部は、前記ケーブルワイヤの他端部を引き込み可能なモータを備え、前記押出部は、前記ケーブルワイヤの中間部に接続され、前記ケーブルワイヤの引き込みによりシート前方側へ移動可能に構成されている。
請求項10に記載の車両用シートは、請求項8に記載の車両用シートにおいて、前記押上部は、前記フォームドワイヤにより構成された押上ワイヤを備えており、前記押上駆動部は、前記ケーブルワイヤが挿入されかつ前記押上ワイヤに取り付けられたケーブルワイヤ取付金具をさらに備えている。
請求項11に記載の車両用シートは、請求項9に記載の車両用シートにおいて、前記押出部は、前記フォームドワイヤにより構成された押出ワイヤを備えており、前記押出駆動部は、前記ケーブルワイヤが挿入されかつ前記押出ワイヤに取り付けられたケーブルワイヤ取付金具をさらに備えている。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明に係る車両用シートは、長時間運転における着座乗員の圧迫感や痛みを軽減することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係る車両用シートの斜視図である。
図2】本実施形態に係る車両用シートのフレーム部分の斜視図である。
図3】本実施形態に係るシートクッション押上機構の平面図である。
図4】本実施形態に係るシートバック押出機構をシート前方側から見た斜視図である。
図5】本実施形態に係るシートクッションをシート前方側から見た正面図である。
図6】本実施形態に係るシートバックの平面図である。
図7】本実施形態に係るシートクッションのシート後部が押し上げられ、シートバックのシート下部が押し出された状態を示す斜視図である。
図8図7に示される車両用シートを図7の8-8線に沿って切断した状態を示す車両用シートの縦断面図である。
図9図7に示されるシートクッションを図7の9-9線に沿って切断した状態を示す断面図である。
図10図7に示されるシートバックを図7の10-10線に沿って切断した状態を示す断面図である。
図11】本実施形態に係るシートクッションのシート後部が押し上げられる前の着座乗員のシートクッションにおける体圧分布を示した等値線図である。
図12】本実施形態に係るシートクッションのシート後部が押し上げられた後の着座乗員のシートクッションにおける体圧分布を示した等値線図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図1図12を用いて、本発明の実施形態の一例である車両用シート10について説明する。以下の図において、矢印FRはシート前方側を示し、矢印UPはシート上方側を示し、矢印Wはシート幅方向を示している。なお、ここでは、シート前方側を向いた場合の右手方向を「シート右側」、左手方向を「シート左側」と定義する。また、本実施形態では、車両用シート10の前方側、上方側及び幅方向は、車両の前方側、上方側及び幅方向と一致している。
【0023】
図1には、車両用シート10の外観が斜視図にて示されている。車両用シート10は、乗員の臀部及び大腿部を支持するためのシートクッション12と、乗員の背部を支持するためのシートバック14と、乗員の頭部を支持するためのヘッドレスト16と、を含んで構成されている。シートバック14は、シートクッション12のシート後端側から立設されると共にクッションフレームとの接続部側を回転中心とされてシート前後方向に傾倒可能に支持されている。
【0024】
図1及び図2に示されるように、シートクッション12は、その骨格を構成するクッションフレーム20に、クッションパッド22が取り付けられて構成されている。図2に示されるように、クッションフレーム20は、前部を構成するクッションフレーム前部24と、後部を構成するクッションフレーム後部26とが、左右一対の段付ボルト28を介して回転可能に連結されることにより構成されている。左右一対の段付ボルト28は、シート幅方向を軸線方向とされ、同軸的に配置されている。
【0025】
クッションフレーム20のシート幅方向の両端部の左右一対のクッションサイドフレーム30は、クッションフレーム前部24を構成する左右一対の前側サイドフレーム部32と、クッションフレーム後部26を構成する左右一対の後側サイドフレーム部34と、を含んで構成されている。具体的には、クッションサイドフレーム30は、前側サイドフレーム部32と後側サイドフレーム部34とが左右の段付ボルト28を介して回転可能に連結されることにより構成されている。
【0026】
クッションフレーム前部24は、左右一対の前側サイドフレーム部32と、左右一対の前側サイドフレーム部32の前部の上端部間に架け渡されたフロントフレーム36と、左右の前側サイドフレーム部32の後端部間に架け渡されたパイプフレーム38と、を含んで構成されている。左右一対の前側サイドフレーム部32及びフロントフレーム36は、例えば板金により構成されており、パイプフレーム38は、例えば金属製のパイプにより構成されている。
【0027】
クッションフレーム後部26は、左右一対の後側サイドフレーム部34と、シート後方側で左右の後側サイドフレーム部34間に架け渡されたリヤフレーム40と、を含んで構成されている。左右一対の後側サイドフレーム部34は、例えば板金によって構成されており、リヤフレーム40は、例えば金属製のパイプにより構成されている。
【0028】
パイプフレーム38及びリヤフレーム40のシート上方側には、シートクッションスプリング50が架け渡されている。ここでは、シートクッションスプリング50は、複数(4本)のフォームドワイヤ52により構成されており、フォームドワイヤ52は、樹脂がコーティングされたSバネにより構成されている。
【0029】
左右一対のクッションサイドフレーム30のシート下方側には、シートスライド機構42が設けられている。シートスライド機構42は、シートクッション12のシート幅方向両端部の車両下方側に設けられた固定側レールである左右一対のロアレール44と、可動側レールである左右一対のアッパレール46と、を含んで構成されている。また、シートスライド機構42は、手動又は電動により車両用シート10の位置を調整可能に構成されている。
【0030】
図3に示されるように、シートクッションスプリング50のシート前後方向略中間部のシート下方側には、金属製の取付ブラケット54が取り付けられている。取付ブラケット54は、丸棒状に形成され、シートクッションスプリング50のシート下方側をシート幅方向に沿って延在されている。取付ブラケット54のシート幅方向両端部には、シート幅方向を板厚方向とする金属板で構成された左右一対のヒンジ部56が設けられている。ヒンジ部56のシート上方側には、板厚方向に貫通して形成された左右一対の差込孔58が形成されている。左右一対の差込孔58は、シート幅方向を軸線方向とされ、同軸的に配置されている。
【0031】
取付ブラケット54のヒンジ部56のシート幅方向内側には、シートクッションスプリング50への取付金具76が設けられている。取付金具76は、シート前端及び後端に形成された取付部76A、76Bがフォームドワイヤ52に圧着されることにより、シートクッションスプリング50に取り付けられている。
【0032】
シートクッションスプリング50のシート後方側かつシート上方側には、シートクッション押上機構80が設けられている。シートクッション押上機構80は、後述するパッド本体部164(図1参照)のシート幅方向全体に亘って均一に配置された押上部82と、押上部82を駆動するための押上駆動部90を含んで構成されている。
【0033】
押上部82は、シートクッション12の後部をシート上方側へ押し上げる押上ワイヤ84と、押上ワイヤ84の撓みを防ぐための第1支持ワイヤ88と、を含んで構成されている。押上部82は、フォームドワイヤ52により構成されており、平面視でシート前方側が開放された略U字状に形成されている。押上ワイヤ84のシート後方側は、リヤフレーム40に沿ってシート幅方向に延在され、車両用シート10の前方からの正面視でシート上方側へ凸とされた略台形状に形成されている。
【0034】
押上ワイヤ84のシート幅方向両側の前端は、シート幅方向内側へ折り曲げられてヒンジ部56の差込孔58に回動可能に挿入されている。また、押上ワイヤ84のシート前方側には、押上ワイヤ84のシート幅方向両側に亘って第1支持ワイヤ88が架け渡されている。
【0035】
押上部82のシート前方側かつシートクッションスプリング50のシート下方側には、押上駆動部90を構成する第1モータ94が取り付けられている。押上駆動部90は、押上ワイヤ84のシート前後方向略中間部に取り付けられた左右一対の第1ケーブルワイヤ取付金具78と、第1ケーブルワイヤ取付金具78に取り付けられたケーブルワイヤ92を引き込むための第1モータ94と、を含んで構成されている。第1モータ94には、その出力軸の回転位置を検出するために、例えば、エンコーダが設けられている。
【0036】
左右一対の第1ケーブルワイヤ取付金具78は、略筒状に形成され、押上ワイヤ84に回動可能に取り付けられた上端部78Aと、上端部78Aからシート下方側へ向けて形成された端部78Bと、端部78Bからシート幅方向内側へ向けて形成された内側部78Cと、を含んで構成されている。左右一対の第1ケーブルワイヤ取付金具78は、端部78Bと内側部78Cにより、車両用シート10の前方からの正面視で略L字状及び略逆L字状に形成されている。
【0037】
内側部78Cのシート前後方向略中間部の下面側(シート下方側)には、シート幅方向に沿って筒状に形成された筒部78Dが設けられている。第1ケーブルワイヤ取付金具78は、左右一対の筒部78Dにケーブルワイヤ92が挿入された状態で押上ワイヤ84に取り付けられている。
【0038】
ケーブルワイヤ92のシート右側の端部には、リング状に形成された右側端子96が圧着されている。右側端子96は、シート右側のクッションサイドフレーム30に設けられた右側引掛部98に掛けられている。ケーブルワイヤ92は、シート左側の第1ケーブルワイヤ取付金具78の筒部78Dのシート左側において、第1モータ94からシート左側へ向けて延在された略筒形状の被覆部94Aに挿入され、第1モータ94の内部に接続されている。被覆部94Aの先端部(シート左側端部)には、リング状に形成された左側端子100が圧着されている。左側端子100は、シート左側のクッションサイドフレーム30に設けられた左側引掛部102に掛けられている。
【0039】
図1及び図2に示されるように、シートクッション12のシート後端側から立設されたシートバック14は、その骨格を構成するシートバックフレーム110に、バックパッド112が取り付けられて構成されている。
【0040】
図2に示されるように、シートバックフレーム110は、シート幅方向両端に設けられた左右一対のバックサイドフレーム114と、シート上方側に設けられたアッパパイプ116と、を含んで構成されている。
【0041】
バックサイドフレーム114は、シート幅方向を板厚方向とする鋼板により構成され、シート上下方向に延在されている。また、バックサイドフレーム114は、シート前方側端部及びシート後方側端部が、それぞれシート幅方向中央へ向けて折り曲げて形成されている。
【0042】
アッパパイプ116は、金属材料により筒状に形成されている。アッパパイプ116は、シート上方側においてシート幅方向に延在され、シート上方側のシート幅方向両端部からシート下方側へ延在されている。また、シート下方側に延在されたアッパパイプ116両下端部は、左右一対のバックサイドフレーム114の上端部にそれぞれ連結されている。アッパパイプ116には、ヘッドレスト16の骨格を構成するヘッドレストフレーム118が連結されている。
【0043】
ヘッドレストフレーム118のシート下方側には、シートバックスプリング120が設けられている。シートバックスプリング120は、シート下方側に延在された左右一対のワイヤ部122の間に複数(6本)のバックフォームドワイヤ52が架け渡されて構成されている。シートバックスプリング120のシート下方側には、下部フレーム124が左右一対のバックサイドフレーム114の間に架け渡されている。
【0044】
図4に示されるように、着座乗員Pの仙骨部S(図8参照)と対向する部位を含む左右一対のバックサイドフレーム114の下部には、シートバック押出機構130が設けられている。シートバック押出機構130は、後述するバックパッド本体部172(図1参照)のシート幅方向全体に亘って均一に配置された押出部132と、押出部132を駆動するための押出駆動部134と、を含んで構成されている。
【0045】
押出部132は、左右一対のバックサイドフレーム114に取り付けられた押出ワイヤ138と、押出ワイヤ138の撓みを防ぐための複数(2本)の第2支持ワイヤ144と、を含んで構成されている。押出ワイヤ138は、フォームドワイヤ52により構成されており、シート前方側からの正面視でシート上方側が開放された略U字状に形成されている。押出ワイヤ138のシート下方側は、シート下方側へ向かうにつれてシート前方側へ傾斜するように曲げて形成されている。また、押出ワイヤ138のシート上方側には、複数(2本)の第2支持ワイヤ144が押出ワイヤ138のシート幅方向両端に亘って架け渡されている。
【0046】
左右一対のバックサイドフレーム114のシート幅方向内側には、シート幅方向に貫通形成された内側差込孔62を有する板状の内側取付金具64が取り付けられている。内側差込孔62は、シート幅方向を軸線方向とされ、同軸的に配置されている。押出ワイヤ138のシート幅方向両側の上端は、シート幅方向外側へ折り曲げられ、内側取付金具64の内側差込孔62へ回動可能に挿入されている。
【0047】
図2に示されるように、シートバックスプリング120のシート後方側には、押出駆動部134を構成する第2モータ146が取り付けられている。第2モータ146には、その出力軸の回転位置を検出するために、例えば、エンコーダが設けられている。図4に示されるように、押出駆動部134は、第2モータ146と、押出ワイヤ138のシート幅方向両側部に取り付けられた左右一対の第2ケーブルワイヤ取付金具148と、を含んで構成されている。
【0048】
左右一対の第2ケーブルワイヤ取付金具148は、略筒状に形成され、押出ワイヤ138に回動可能に取り付けられた前端部148Aと、前端部148Aからシート後方側へ向けて形成された端部148Bと、端部148Bのシート後方側の端部からシート幅方向内側へ向けて形成された内側部148Cと、を含んで構成されている。左右一対の第2ケーブルワイヤ取付金具148は、端部148Bと内側部148Cにより、平面視で略L字状及び略逆L字状に形成されている。
【0049】
内側部148Cのシート上下方向略中間部の後面側(シート後方側)には、シート幅方向に沿って筒状に形成された筒部148Dが設けられている。第2ケーブルワイヤ取付金具148は、左右一対の筒部148Dにケーブルワイヤ92が挿入された状態で押出ワイヤ138に取り付けられている。
【0050】
ケーブルワイヤ92のシート左側の端部には、リング状に形成された左側端子126が圧着されている。左側端子126は、シート左側のバックサイドフレーム114に設けられた左側引掛部128に掛けられている。ケーブルワイヤ92は、シート右側の第2ケーブルワイヤ取付金具148の筒部148Dのシート右側において、第2モータ146からシート下方側へ向けて延在された略筒形状の被覆部146Aに挿入され、第2モータ146の内部に接続されている。被覆部146Aの先端部(シート下方側端部)には、リング状に形成された右側端子140が圧着されている。右側端子140は、シート右側のクッションサイドフレーム114に設けられた右側引掛部142に掛けられている。
【0051】
図5に示されるように、クッションフレーム20に取り付けられるクッションパッド22は、シート幅方向の中央部分に設けられたパッド本体部164と、パッド本体部164のシート幅方向両端側に設けられた左右一対のパッドサイド部166と、を含んで構成されている。
【0052】
クッションパッド22には、シートクッション12の後部のパッド本体部164と左右一対のパッドサイド部166との境目に沿って左右一対の第1スリット部168が設けられている。また、パッド本体部164の後端部に、シート幅方向に沿って第2スリット部170が設けられている。
【0053】
図6に示されるように、シートバックフレーム110に取り付けられるバックパッド112は、シート幅方向の中央部分に設けられたバックパッド本体部172と、バックパッド本体部172のシート幅方向両端側に設けられた左右一対のバックパッドサイド部174と、を含んで構成されている。
【0054】
バックパッド112には、シートバック14の下部のバックパッド本体部172と左右一対のバックパッドサイド部174との境目に沿って左右一対のバックスリット部176が設けられている。
【0055】
図7に示されるように、シートクッション12の後部において着座乗員Pの臀部及び大腿部により押圧される部位に、クッションパッド22の内側に、複数の圧力センサ178が配置されている。これにより、着座乗員Pの臀部及び大腿部における体圧を測定することができる。また、シートバック14の下部において、クッションパッド22の内側に、複数の圧力センサ178が配置されている。これにより、着座乗員Pの臀部及び仙骨部S周辺(図8参照)における体圧を測定することができる。
【0056】
(ECU)
図2に示されるように、第1モータ94、第2モータ146及び圧力センサ178は、車両用シート10が設けられた車両のECU(Electronic Control Unit)180に電気的に接続されている。ECU180は、CPU、ROM、RAM、及びI/O(入出力インターフェース)がバスに接続されたマイクロコンピュータで構成されている。具体的には、第1モータ94、第2モータ146及び圧力センサ178は、ECU180のI/Oに電気的に接続されている。また、シートスライド機構42を駆動するためのモータ等もECU180のI/Oに電気的に接続されている。
【0057】
ECU180のI/Oには、例えば、シートクッション12の側面等に設けられた操作部182が電気的に接続されている。操作部182には、第1モータ94及び第2モータ146の作動及び停止のためのスイッチが設けられている。また、シートスライド、リクライニング等のためのスイッチも設けられている。着座乗員Pによる操作部182のスイッチの操作に応じてECU180が第1モータ94、第2モータ146等の作動を制御する構成になっている。
【0058】
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0059】
本実施形態に係る車両用シート10によれば、操作部182に設けられたスイッチが操作されると、ECU180は、第1モータ94を作動させる。作動した第1モータ94は、ケーブルワイヤ92を第1モータ94内部に引き込む。このため、ケーブルワイヤ92に張力が発生し、左右一対の第1ケーブルワイヤ取付金具78がシート上方側へ押し上げられる。これにより、押上部82は、左右一対の押上ワイヤ84の差込孔58に挿入された部分を回転中心としてシート上方側へ向けて回動され、図7に示されるように、初期位置I(図7中の実線)からシート上方側の押上げ位置U(図7中の二点鎖線)へ押し上げられる。
【0060】
また、ECU180は、操作部182に設けられたスイッチが操作されると、第2モータ146を作動させる。作動した第2モータ146は、ケーブルワイヤ92を第2モータ146内部に引き込む。このため、ケーブルワイヤ92に張力が発生し、左右一対の第2ケーブルワイヤ取付金具148がシート前方側へ押し出される。これにより、押出部132は、押出ワイヤ138の内側差込孔62に挿入された部分を回転中心として回動され、図7に示されるように、初期位置I(図7中の実線)からシート前方側の押出し位置F(図7中の二点鎖線)へ押し出される。
【0061】
本実施形態に係る車両用シート10によれば、図8に示されるように、シート上方側へ向けて押し上げられたシートクッション12の後部により、シートクッション12と着座乗員Pの臀部との間に生じる隙間Cを小さくすることができる。また、シート前方側へ向けて押し出されたシートバック14の下部により、シートバック14と着座乗員Pの臀部との間に生じる隙間Cを小さくすることができる。これにより、着座乗員Pの臀部を車両用シート10に密着させることができる。
【0062】
図9に示されるように、押上部82は、シート幅方向全体に亘って設けられているため、シートクッション12の後部の座面をシート幅方向に均等に押し上げることができる。また、図10に示されるように、押出部132は、シート幅方向全体に亘って設けられているため、シートバック14の下部の座面をシート幅方向に均等に押し出すことができる。これにより、着座乗員Pの臀部と車両用シート10との密着性が向上し、着座乗員Pの体圧が分散され、車両用シート10は、着座乗員Pの仙骨部Sを着座乗員Pの体型に関係なく安定して支持することができる。
【0063】
図11には、シートクッション12とシートバック14との接合部と着座乗員Pとの隙間C(図8参照)が大きい場合の着座乗員Pの臀部の体圧分布が示されている。図11の縦軸は、シート前後方向、横軸はシート幅方向を示す。また、図中の黒色部分(色の濃い部分)は、圧力が高い状態を表す。シートクッション12とシートバック14との接合部と着座乗員Pとの隙間Cが大きい場合は、着座乗員Pの臀部及び仙骨部Sが安定して支持されないため、着座乗員Pの体圧は局所的に(特定の部位に)集中する(左右2点集中分布)。これに対して、図12に示されるように、シートクッション12とシートバック14との接合部と着座乗員Pとの隙間Cが小さい場合には、着座乗員Pの臀部及び仙骨部Sが安定して支持される。図12の縦軸は、シート前後方向、横軸はシート幅方向を示す。また、図中の黒色部分(色の濃い部分)は、圧力が高い状態を表す。このため、着座乗員Pの体圧は分散されたU字分布となり、着座乗員Pの圧迫感や痛みを軽減することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る車両用シート10によれば、図9に示されるように、クッションパッド22には、第1スリット部168と第2スリット部170(図5参照)が設けられている。このため、シートクッション押上機構80によりシートクッション12の後部がシート上方側へ押し上げられる際に、クッションパッド22に生じる張力を低減でき、シートクッション12を着座乗員Pの臀部により効果的に密着させることができる。また、図10に示されるように、バックパッド112には、バックスリット部176が設けられている。このため、シートクッション押出機構130によりシートバック14の下部がシート前方側へ押し出される際に、シートバック14に生じる張力を低減でき、シートバック14を着座乗員Pの臀部により効果的に密着させることができる。
【0065】
さらに、本実施形態に係る車両用シート10によれば、押上部82は、シートクッション押上機構80を構成する押上駆動部90に駆動され、上下動される。具体的には、シートクッション12の後部をシート上方側へ押し上げることができ、押し上げたシートクッション12の後部を引き下げることができる。また、押出部132は、シートバック押出機構130を構成する押出駆動部134に駆動され、前後動される。具体的には、シートバック14の下部をシート前方側へ押し出すことができ、押し出したシートバック14の下部を引き戻すことができる。これにより、シートバック14を着座乗員Pの臀部に確実に密着させることができる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る車両用シート10は、長時間運転における着座乗員Pの圧迫感や痛みを軽減することができる。
【0067】
さらに、本実施形態に係る車両用シート10によれば、例えば、ECU180を構成するCPUに内蔵されているタイマ機能を利用して、シートクッション押上機構80やシートクッション押出機構130を周期的に可動させることができる。具体的には、CPUに内蔵されているタイマ機能を利用してECU180は、第1モータ94及び第2モータ146を周期的に作動させる。このため、シートクッション押上機構80の押上部82は、周期的に押上げと引き下げが繰り返される。また、シートクッション押出機構130の押出部132は、周期的に押出しと引き戻しが繰り返される。これにより、着座乗員Pの体圧を周期的に変化させることができるため、長時間運転における着座乗員Pの圧迫感や痛みを更に効果的に低減することができる。
【0068】
ECU180は、電気的に接続されている圧力センサ178から得られた着座乗員Pの体圧分布をモニタして、特定の体圧分布が所定時間継続する場合に、第1モータ94及び第2モータ146を作動させることができる。これにより、着座乗員Pの体圧分布を変化させることができる。
【0069】
また、本実施形態に係る車両用シート10によれば、押上部82及び押出部132を構成する押上ワイヤ84や押出ワイヤ138には、フォームドワイヤ52が用いられている。このため、シートクッション押上機構80やシートバック押出機構130を容易に構成することができると共に製造コストの増加を抑制することができる。
【0070】
なお、ここでは、押上部82は、フォームドワイヤ52を用いた押上ワイヤ84により構成されているとして説明したが、これに限らず、押上部として、押上駆動部に回動可能に取り付けられた板材が用いられてもよい。
【0071】
また、ここでは、押出部132は、フォームドワイヤ52を用いた押出ワイヤ138により構成されているとして説明したが、これに限らず、押出部として、押出駆動部に回動可能に取り付けられた板材が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
20 クッションフレーム
22 クッションパッド
80 シートクッション押上機構
82 押上部
90 押上駆動部
110 シートバックフレーム
112 バックパッド
130 シートバック押出機構
132 押出部
134 押出駆動部
164 パッド本体部
166 パッドサイド部
168 第1スリット部
170 第2スリット部
172 バックパッド本体部
174 バックパッドサイド部
176 バックスリット部
P 着座乗員
S 仙骨部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12