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特許7160319照明装置群、照明装置、および発光ユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】照明装置群、照明装置、および発光ユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20221018BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20221018BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221018BHJP
【FI】
F21S2/00 230
F21S2/00 110
F21Y103:10
F21Y115:10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018151862
(22)【出願日】2018-08-10
(65)【公開番号】P2020027740
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】505326863
【氏名又は名称】株式会社Kasaikan
(74)【代理人】
【識別番号】100117673
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 了
(72)【発明者】
【氏名】今西 敬信
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-041696(JP,A)
【文献】特開2014-103097(JP,A)
【文献】特開2014-035826(JP,A)
【文献】特開2013-186982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の複数の照明器具である複数の既設装置の一部をそれぞれ利用して構成される複数の照明装置を備える照明装置群であって、
第1の照明装置と、
第2の照明装置と、
第3の照明装置と、
を備え、
前記複数の照明装置は、それぞれ、
長手方向における長さが互いに異なる複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される1又は複数の発光素子モジュールを、既設の照明器具である既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、
を有し、
前記第1の照明装置は、前記複数の既設装置のうちの第1の既設装置に代えて設置される装置であり、
前記第2の照明装置は、前記複数の既設装置のうち、前記第1の既設装置の蛍光灯である第1蛍光灯よりも長い第2蛍光灯を有する第2の既設装置に代えて設置される装置であり、
前記第3の照明装置は、前記複数の既設装置のうち、前記第2蛍光灯よりも長い第3蛍光灯を有する第3の既設装置に代えて設置される装置であり、
前記第1の照明装置の前記発光部である第1発光部は、1列または2列以上の発光素子列を有しており、
前記第1発光部の前記1列の発光素子列または前記2列以上の発光素子列のそれぞれは、前記第1蛍光灯に代えて設けられる発光素子列であって、前記複数の種類の発光素子モジュールのうち最も長い第1種類の発光素子モジュールを1個配置することによって形成される発光素子列であり、
前記第2の照明装置の前記発光部である第2発光部は、1列または2列以上の発光素子列を有しており、
前記第2発光部の前記1列の発光素子列または前記2列以上の発光素子列のそれぞれは、前記第2蛍光灯に代えて設けられる発光素子列であって、前記第1種類の発光素子モジュールと前記第1種類の発光素子モジュールよりも短い第2種類の発光素子モジュールとを1個ずつ直線状に配列することによって形成される発光素子列であり、
前記第3の照明装置の前記発光部である第3発光部は、1列または2列以上の発光素子列を有しており、
前記第3発光部の前記1列の発光素子列または前記2列以上の発光素子列のそれぞれは、前記第3蛍光灯に代えて設けられる発光素子列であって、前記第1種類の発光素子モジュールを複数個直線状に配列することによって形成される発光素子列であることを特徴とする照明装置群。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置群において、
前記第1蛍光灯は、10W型の蛍光灯であり、
前記第2蛍光灯は、15W型あるいは20W型の蛍光灯であり、
前記第3蛍光灯は、40W型の蛍光灯であることを特徴とする照明装置群。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明装置群において、
前記発光部は、前記既設装置から蛍光灯および蛍光灯ソケットが取り外された上で、前記複数の発光素子モジュールが前記蛍光灯ソケットを介さずに前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置されて形成されることを特徴とする照明装置群。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の照明装置群において、
前記第1種類の発光素子モジュールは、所定数のN倍(ただし、Nは自然数)の個数の発光素子を有し、
前記第2種類の発光素子モジュールは、前記所定数のM倍(ただし、Mは自然数、且つ、M<N)の個数の発光素子を有し、
前記第1種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、N個のグループのそれぞれに対して所定電圧が印加されることによって発光し、
前記第2種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、M個のグループのそれぞれに対して前記所定電圧が印加されることによって発光することを特徴とする照明装置群。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の照明装置群において、
前記第1種類の発光素子モジュールは、所定数の3倍の個数の発光素子を有し、
前記第2種類の発光素子モジュールは、前記所定数の1倍あるいは2倍の個数の発光素子を有し、
前記第1種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、3つのグループのそれぞれに対して所定電圧が印加されることによって発光し、
前記第2種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、1つのグループまたは2つのグループのそれぞれに対して前記所定電圧が印加されることによって発光することを特徴とする照明装置群。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の照明装置群において、
第4の照明装置、
をさらに備え、
前記第4の照明装置は、前記複数の既設装置のうち、前記第2蛍光灯よりも長い第4蛍光灯を有する第4の既設装置に代えて設置される装置であり、
前記第4の照明装置の前記発光部である第4発光部は、1列または2列以上の発光素子列を有しており、
前記第4発光部の前記1列の発光素子列または前記2列以上の発光素子列のそれぞれは、前記第4蛍光灯に代えて設けられる発光素子列であって、前記第1種類の発光素子モジュールと、前記第1種類の発光素子モジュールよりも短く且つ前記第2種類の発光素子モジュールよりも長い第3種類の発光素子モジュールとを1個ずつ直線状に配列することによって形成される発光素子列であることを特徴とする照明装置群。
【請求項7】
既設の複数の照明器具である複数の既設装置の一部をそれぞれ利用して構成される複数の照明装置を備える照明装置群であって、
第1の照明装置と、
第2の照明装置と、
第3の照明装置と、
第4の照明装置と、
を備え、
前記複数の照明装置は、それぞれ、
長手方向における長さが互いに異なる複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される1又は複数の発光素子モジュールを、既設の照明器具である既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、
を有し、
前記第1の照明装置は、前記複数の既設装置のうちの第1の既設装置に代えて設置される装置であり、
前記第2の照明装置は、前記複数の既設装置のうち前記第1の既設装置の蛍光灯よりも長い蛍光灯を有する第2の既設装置に代えて設置される装置であり、
前記第3の照明装置は、前記複数の既設装置のうち前記第1の既設装置の蛍光灯よりも長く且つ前記第2の既設装置の蛍光灯よりも短い蛍光灯を有する第3の既設装置に代えて設置される装置であり、
前記第4の照明装置は、略円形形状のベースユニットを有する第4の既設装置に代えて設置される装置であり、
前記第1の照明装置の前記発光部である第1の発光部は、前記複数の種類の発光素子モジュールのうち最も長い第1種類の発光素子モジュールを1個備えることによって形成され、
前記第2の照明装置の前記発光部である第2の発光部は、前記第1種類の発光素子モジュールを複数個直線状に配列することによって形成され、
前記第3の照明装置の前記発光部である第3の発光部は、前記第1種類の発光素子モジュールと、当該第1種類の発光素子モジュールよりも短い別の種類の発光素子モジュールとを直線状に配列することによって形成され、
前記第4の照明装置の前記発光部である第4の発光部は、前記第1種類の発光素子モジュールと、当該第1種類の発光素子モジュールよりも短い第2種類の発光素子モジュールと、当該第2種類の発光素子モジュールよりも短い第3種類の発光素子モジュールとが前記略円形形状の前記ベースユニットに並列的に配列されることによって、形成されることを特徴とする照明装置群。
【請求項8】
既設の複数の照明器具である複数の既設装置の一部をそれぞれ利用して構成される複数の照明装置を備える照明装置群のうちの一の照明装置であって、
前記複数の照明装置は、それぞれ、
長手方向における長さが互いに異なる複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される1又は複数の発光素子モジュールを、既設の照明器具である既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、
を有し、
前記一の照明装置は、略円形形状のベースユニットを有する既設装置に代えて設置される装置であり、
前記一の照明装置の前記発光部は、第1種類の発光素子モジュールと、当該第1種類の発光素子モジュールよりも短い第2種類の発光素子モジュールと、当該第2種類の発光素子モジュールよりも短い第3種類の発光素子モジュールとが前記略円形形状の前記ベースユニットに並列的に配列されることによって、形成されることを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の照明装置群を構成する前記複数の照明装置のうち、前記第1の照明装置と前記第2の照明装置と前記第3の照明装置とのいずれかであることを特徴とする照明装置。
【請求項10】
請求項6に記載の照明装置群を構成する前記複数の照明装置のうち、前記第1の照明装置と前記第2の照明装置と前記第3の照明装置と前記第4の照明装置とのいずれかであることを特徴とする照明装置。
【請求項11】
請求項7に記載の照明装置群を構成する前記複数の照明装置のうち、前記第1の照明装置と前記第2の照明装置と前記第3の照明装置と前記第4の照明装置とのいずれかであることを特徴とする照明装置。
【請求項12】
既設の照明器具である既設装置の一部を利用して構成される照明装置であって、
長手方向において互いに異なる長さを有し且つ互いに異なる個数の発光素子を有する複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される複数の発光素子モジュールを、前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、
を備え
前記発光部は、前記既設装置から蛍光灯ソケットが取り外された上で、前記複数の発光素子モジュールが前記蛍光灯ソケットを介さずに前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置されて形成されることを特徴とする照明装置。
【請求項13】
既設の照明器具である既設装置の一部を利用して構成される照明装置であって、
長手方向において互いに異なる長さを有し且つ互いに異なる個数の発光素子を有する複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される複数の発光素子モジュールを、前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、
を備え、
前記複数の種類の発光素子モジュールは、
第1種類の発光素子モジュールと、
前記長手方向において前記第1種類の発光素子モジュールよりも小さな長さを有する第2種類の発光素子モジュールと、
を有し、
前記第1種類の発光素子モジュールは、所定数のN倍(ただし、Nは自然数)の個数の発光素子を有し、
前記第2種類の発光素子モジュールは、前記所定数のM倍(ただし、Mは自然数、且つ、M<N)の個数の発光素子を有し、
前記第1種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、N個のグループのそれぞれに対して所定電圧が印加されることによって発光し、
前記第2種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、M個のグループのそれぞれに対して前記所定電圧が印加されることによって発光することを特徴とする照明装置。
【請求項14】
既設の照明器具である既設装置の一部を利用して構成される照明装置の発光ユニットであって、
長手方向において互いに異なる長さを有し且つ互いに異なる個数の発光素子を有する複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される複数の発光素子モジュール、
を備え、
前記複数の発光素子モジュールは、前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に取り付けられるものであり、
前記複数の種類の発光素子モジュールは、
第1種類の発光素子モジュールと、
前記長手方向において前記第1種類の発光素子モジュールよりも小さな長さを有する第2種類の発光素子モジュールと、
を有し、
前記第1種類の発光素子モジュールは、所定数のN倍(ただし、Nは自然数)の個数の発光素子を有し、
前記第2種類の発光素子モジュールは、前記所定数のM倍(ただし、Mは自然数、且つ、M<N)の個数の発光素子を有し、
前記第1種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、N個のグループのそれぞれに対して所定電圧が印加されることによって発光し、
前記第2種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、M個のグループのそれぞれに対して前記所定電圧が印加されることによって発光することを特徴とする発光ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置などの照明装置およびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等に設置される照明装置(照明器具とも称する)として、蛍光灯を用いた照明装置(蛍光灯照明装置とも称する)が多く用いられている。たとえば、長尺状の1本あるいは2本の蛍光灯(直管型蛍光灯)を有する照明装置が存在する。また、丸型蛍光灯を有する照明装置等も存在する。
【0003】
また近年、LED(発光ダイオード)を用いた照明装置(LED照明装置とも称する)等も市場に投入されてきている。LED照明装置は、低消費電力および長寿命などの特徴を有しており、既設の蛍光灯照明装置をLED照明装置に置き換えることも行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既設の照明装置(たとえば蛍光灯を光源とする照明装置)を新たな照明装置(たとえば、LEDを光源とする照明装置)に変更する場合には、既設の照明装置を全く新しい照明装置(たとえば、全く新しいLED照明装置)に置き換えることが考えられる。
【0005】
しかしながら、この場合、既設の照明装置の部品は、新しいLED照明装置では全く使用されず廃棄されることも多いなど、必ずしも環境への配慮が十分であるとは言えない。また、新しいLED照明装置を導入するための比較的高いコストを要する。
【0006】
これに対して、本願発明者は、既設の照明装置の一部を利用しつつ新たな照明装置を製造することを案出した。
【0007】
ただし、既設の照明装置のサイズは様々である。複数の照明装置のそれぞれに応じた発光部を逐一設計することには大きな労力を要する。
【0008】
そこで、この発明は、既設の照明装置を新たな照明装置に変更する場合において、既設の照明装置のサイズに応じた新たな照明装置を効率的に構築することが可能な技術、およびそれに関連する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、既設の複数の照明器具である複数の既設装置の一部をそれぞれ利用して構成される複数の照明装置を備える照明装置群であって、第1の照明装置と、第2の照明装置と、第3の照明装置と、を備え、前記複数の照明装置は、それぞれ、長手方向における長さが互いに異なる複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される1又は複数の発光素子モジュールを、既設の照明器具である既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、を有し、前記第1の照明装置は、前記複数の既設装置のうちの第1の既設装置に代えて設置される装置であり、前記第2の照明装置は、前記複数の既設装置のうち、前記第1の既設装置の蛍光灯である第1蛍光灯よりも長い第2蛍光灯を有する第2の既設装置に代えて設置される装置であり、前記第3の照明装置は、前記複数の既設装置のうち、前記第2蛍光灯よりも長い第3蛍光灯を有する第3の既設装置に代えて設置される装置であり、前記第1の照明装置の前記発光部である第1発光部は、1列または2列以上の発光素子列を有しており、前記第1発光部の前記1列の発光素子列または前記2列以上の発光素子列のそれぞれは、前記第1蛍光灯に代えて設けられる発光素子列であって、前記複数の種類の発光素子モジュールのうち最も長い第1種類の発光素子モジュールを1個配置することによって形成される発光素子列であり、前記第2の照明装置の前記発光部である第2発光部は、1列または2列以上の発光素子列を有しており、前記第2発光部の前記1列の発光素子列または前記2列以上の発光素子列のそれぞれは、前記第2蛍光灯に代えて設けられる発光素子列であって、前記第1種類の発光素子モジュールと前記第1種類の発光素子モジュールよりも短い第2種類の発光素子モジュールとを1個ずつ直線状に配列することによって形成される発光素子列であり、前記第3の照明装置の前記発光部である第3発光部は、1列または2列以上の発光素子列を有しており、前記第3発光部の前記1列の発光素子列または前記2列以上の発光素子列のそれぞれは、前記第3蛍光灯に代えて設けられる発光素子列であって、前記第1種類の発光素子モジュールを複数個直線状に配列することによって形成される発光素子列であることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る照明装置群において、前記第1蛍光灯は、10W型の蛍光灯であり、前記第2蛍光灯は、15W型あるいは20W型の蛍光灯であり、前記第3蛍光灯は、40W型の蛍光灯であることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る照明装置群において、前記発光部は、前記既設装置から蛍光灯および蛍光灯ソケットが取り外された上で、前記複数の発光素子モジュールが前記蛍光灯ソケットを介さずに前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置されて形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る照明装置群において、前記第1種類の発光素子モジュールは、所定数のN倍(ただし、Nは自然数)の個数の発光素子を有し、前記第2種類の発光素子モジュールは、前記所定数のM倍(ただし、Mは自然数、且つ、M<N)の個数の発光素子を有し、前記第1種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、N個のグループのそれぞれに対して所定電圧が印加されることによって発光し、前記第2種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、M個のグループのそれぞれに対して前記所定電圧が印加されることによって発光することを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る照明装置群において、前記第1種類の発光素子モジュールは、所定数の3倍の個数の発光素子を有し、前記第2種類の発光素子モジュールは、前記所定数の1倍あるいは2倍の個数の発光素子を有し、前記第1種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、3つのグループのそれぞれに対して所定電圧が印加されることによって発光し、前記第2種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、1つのグループまたは2つのグループのそれぞれに対して前記所定電圧が印加されることによって発光することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係る照明装置群において、第4の照明装置、をさらに備え、前記第4の照明装置は、前記複数の既設装置のうち、前記第2蛍光灯よりも長い第4蛍光灯を有する第4の既設装置に代えて設置される装置であり、前記第4の照明装置の前記発光部である第4発光部は、1列または2列以上の発光素子列を有しており、前記第4発光部の前記1列の発光素子列または前記2列以上の発光素子列のそれぞれは、前記第4蛍光灯に代えて設けられる発光素子列であって、前記第1種類の発光素子モジュールと、前記第1種類の発光素子モジュールよりも短く且つ前記第2種類の発光素子モジュールよりも長い第3種類の発光素子モジュールとを1個ずつ直線状に配列することによって形成される発光素子列であることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、既設の複数の照明器具である複数の既設装置の一部をそれぞれ利用して構成される複数の照明装置を備える照明装置群であって、第1の照明装置と、第2の照明装置と、第3の照明装置と、第4の照明装置と、を備え、前記複数の照明装置は、それぞれ、長手方向における長さが互いに異なる複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される1又は複数の発光素子モジュールを、既設の照明器具である既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、を有し、前記第1の照明装置は、前記複数の既設装置のうちの第1の既設装置に代えて設置される装置であり、前記第2の照明装置は、前記複数の既設装置のうち前記第1の既設装置の蛍光灯よりも長い蛍光灯を有する第2の既設装置に代えて設置される装置であり、前記第3の照明装置は、前記複数の既設装置のうち前記第1の既設装置の蛍光灯よりも長く且つ前記第2の既設装置の蛍光灯よりも短い蛍光灯を有する第3の既設装置に代えて設置される装置であり、前記第4の照明装置は、略円形形状のベースユニットを有する第4の既設装置に代えて設置される装置であり、前記第1の照明装置の前記発光部である第1の発光部は、前記複数の種類の発光素子モジュールのうち最も長い第1種類の発光素子モジュールを1個備えることによって形成され、前記第2の照明装置の前記発光部である第2の発光部は、前記第1種類の発光素子モジュールを複数個直線状に配列することによって形成され、前記第3の照明装置の前記発光部である第3の発光部は、前記第1種類の発光素子モジュールと、当該第1種類の発光素子モジュールよりも短い別の種類の発光素子モジュールとを直線状に配列することによって形成され、前記第4の照明装置の前記発光部である第4の発光部は、前記第1種類の発光素子モジュールと、当該第1種類の発光素子モジュールよりも短い第2種類の発光素子モジュールと、当該第2種類の発光素子モジュールよりも短い第3種類の発光素子モジュールとが前記略円形形状の前記ベースユニットに並列的に配列されることによって、形成されることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、既設の複数の照明器具である複数の既設装置の一部をそれぞれ利用して構成される複数の照明装置を備える照明装置群のうちの一の照明装置であって、前記複数の照明装置は、それぞれ、長手方向における長さが互いに異なる複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される1又は複数の発光素子モジュールを、既設の照明器具である既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、を有し、前記一の照明装置は、略円形形状のベースユニットを有する既設装置に代えて設置される装置であり、前記一の照明装置の前記発光部は、第1種類の発光素子モジュールと、当該第1種類の発光素子モジュールよりも短い第2種類の発光素子モジュールと、当該第2種類の発光素子モジュールよりも短い第3種類の発光素子モジュールとが前記略円形形状の前記ベースユニットに並列的に配列されることによって、形成される、照明装置であることを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係る照明装置群を構成する前記複数の照明装置のうち、前記第1の照明装置と前記第2の照明装置と前記第3の照明装置とのいずれかの照明装置であることを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明は、請求項6の発明に係る照明装置群を構成する前記複数の照明装置のうち、前記第1の照明装置と前記第2の照明装置と前記第3の照明装置と前記第4の照明装置とのいずれかの照明装置であることを特徴とする。
【0019】
請求項11の発明は、請求項7の発明に係る照明装置群を構成する前記複数の照明装置のうち、前記第1の照明装置と前記第2の照明装置と前記第3の照明装置と前記第4の照明装置とのいずれかの照明装置であることを特徴とする。
【0020】
請求項12の発明は、既設の照明器具である既設装置の一部を利用して構成される照明装置であって、長手方向において互いに異なる長さを有し且つ互いに異なる個数の発光素子を有する複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される複数の発光素子モジュールを、前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、を備え、前記発光部は、前記既設装置から蛍光灯ソケットが取り外された上で、前記複数の発光素子モジュールが前記蛍光灯ソケットを介さずに前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置されて形成されることを特徴とする。
【0021】
請求項13の発明は、既設の照明器具である既設装置の一部を利用して構成される照明装置であって、長手方向において互いに異なる長さを有し且つ互いに異なる個数の発光素子を有する複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される複数の発光素子モジュールを、前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に配置して形成される発光部、を備え、前記複数の種類の発光素子モジュールは、第1種類の発光素子モジュールと、前記長手方向において前記第1種類の発光素子モジュールよりも小さな長さを有する第2種類の発光素子モジュールと、を有し、前記第1種類の発光素子モジュールは、所定数のN倍(ただし、Nは自然数)の個数の発光素子を有し、前記第2種類の発光素子モジュールは、前記所定数のM倍(ただし、Mは自然数、且つ、M<N)の個数の発光素子を有し、前記第1種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、N個のグループのそれぞれに対して所定電圧が印加されることによって発光し、前記第2種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、M個のグループのそれぞれに対して前記所定電圧が印加されることによって発光することを特徴とする。
【0022】
請求項14の発明は、既設の照明器具である既設装置の一部を利用して構成される照明装置の発光ユニットであって、長手方向において互いに異なる長さを有し且つ互いに異なる個数の発光素子を有する複数の種類の発光素子モジュールのうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される複数の発光素子モジュール、を備え、前記複数の発光素子モジュールは、前記既設装置のベースユニットと前記既設装置の反射板との少なくとも一方に取り付けられるものであり、前記複数の種類の発光素子モジュールは、第1種類の発光素子モジュールと、前記長手方向において前記第1種類の発光素子モジュールよりも小さな長さを有する第2種類の発光素子モジュールと、を有し、前記第1種類の発光素子モジュールは、所定数のN倍(ただし、Nは自然数)の個数の発光素子を有し、前記第2種類の発光素子モジュールは、前記所定数のM倍(ただし、Mは自然数、且つ、M<N)の個数の発光素子を有し、前記第1種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、N個のグループのそれぞれに対して所定電圧が印加されることによって発光し、前記第2種類の発光素子モジュールの発光素子は、前記所定数ごとにグループに区分されてグループ単位で直列接続されており、M個のグループのそれぞれに対して前記所定電圧が印加されることによって発光することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1から請求項14に記載の発明によれば、既設の照明装置を新たな照明装置に変更する場合において、既設の照明装置のサイズに応じた新たな照明装置を効率的に構築することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】リプレース後の一の照明装置を示す斜視図である。
図2】リプレース後の別の照明装置を示す斜視図である。
図3図2の照明装置の分解斜視図である。
図4】発光ユニットを示す斜視図である。
図5】発光ユニットの断面図である。
図6】カバーユニットを外した状態の発光ユニットを示す斜視図である。
図7】発光ユニットの分解斜視図である。
図8】大サイズのLEDモジュールを示す図である。
図9】中サイズのLEDモジュールを示す図である。
図10】小サイズのLEDモジュールを示す図である。
図11】3つの大サイズのLEDモジュールが直列的に配列されて発光部が形成される様子を示す図である。
図12】大サイズのLEDモジュールと小サイズのLEDモジュールとが直列的に配列されて発光部が形成される様子を示す図である。
図13】大サイズのLEDモジュールと中サイズのLEDモジュールとが直列的に配列されて発光部が形成される様子を示す図である。
図14】既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図15】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図16】他の既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図17】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図18】他の既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図19】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図20】他の既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図21】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図22】他の既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図23】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図24】他の既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図25】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図26】他の既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図27】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図28】他の既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図29】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図30】他の既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図31】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図32】他の既設装置が新たな照明装置にリプレースされる様子を示す図である。
図33】リプレース後の照明装置を下側から見た図である。
図34】各照明装置を構成するLEDモジュールの組合せを示す図である。
図35】既設装置を示す図である。
図36】既設装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
<1.リプレース概略>
この実施形態では、或る建造物において既に設置されている複数の照明装置9(既設装置群とも称する)を複数の新たな照明装置1(新規装置群とも称する)に変更(リプレース)する状況を想定する。そして、このような状況において、既設の複数の照明装置(既設装置とも称する)9(図35および図36等参照)のそれぞれの一部(ベースユニット11等)を利用して複数の照明装置1(図1および図2等参照)のそれぞれが構成される。換言すれば、新たな各照明装置1が、各既設装置9の一部を利用してそれぞれ構成される。以下、このような態様について詳細に説明する。
【0028】
ここでは、10種類の既設装置9(9A~9J)がそれぞれ新たな10種類の照明装置1(1A~1J)へと変更される(図14図33等参照)。なお、新旧の両照明装置1,9を互いに区別するため、既設の照明装置9を照明器具あるいは既設装置などとも称する。また、基本的には、既設の照明器具(照明装置)9を既設装置と称し、新たな照明装置1を単に照明装置と称して両者を区別するものとする。
【0029】
図35は、或る建造物において既に設置されている照明器具(既設装置)9(9B)を示す図である。また、図36は、当該建造物内の別の場所(あるいは別の建造物)において既に設置されている別の種類の照明器具9(9G)を示す図である。後述するように、当該建造物においては、さらに別の種類の照明器具9(9A,9C,9D,9E、9F,9H,9I,9J等)(図14図15図18図25図28図33等参照)も既に設置されている。
【0030】
既設装置9は、蛍光灯を照明光源とする照明装置であり、照明装置1はLED(発光ダイオード)を照明光源とする照明装置である。
【0031】
新たな各照明装置1は、各既設装置9の一部(ベースユニット11等)を利用して構成される。具体的には、既設装置9の蛍光灯90と当該蛍光灯を固定するための蛍光灯固定具(蛍光灯ソケット(給電用ソケットとも称される)93等)とが既設装置9から取り外された上で、既設装置9のベースユニット11と反射板12との少なくとも一方にLEDモジュール30等が取り付けられて新たな照明装置1が構成される。換言すれば、1又は複数のLEDモジュール30(発光素子モジュール)が、既設装置9の蛍光灯90および既設装置の蛍光灯固定具(蛍光灯ソケット93あるいは固定用リング等)に代えて、既設装置9のベースユニット11と既設装置9の反射板12との少なくとも一方に取り付けられる。また、既設装置9の外観構成要素(ベースユニット11、反射板12、半透明カバー部材14および枠部材15(図24参照)等)の全部または一部を利用して、照明装置1の外観構成要素が構成される。端的に言えば、既設装置9の外観を概ね維持した状態で、既設装置9の発光部(蛍光灯90および蛍光灯固定具(蛍光灯ソケット93等)を含む)が新たな発光部(発光ユニット60等)へと変更されることによって、新たな照明装置1が形成される。
【0032】
たとえば、既設装置9B(図35)は、照明装置1B(図1)へとリプレースされる。詳細には、既設装置9Bの蛍光灯90Bと1組の蛍光灯ソケット93Bと安定器94Bとが既設装置9Bから取り外された上で、既設装置9Bのベースユニット11BにDC電源(AC-DCコンバータを含む)70B等が取り付けられ且つ発光ユニット60B(LEDモジュール30B、モジュールベース40Bおよびカバーユニット50Bを含む)が反射板12Bに取り付けられて新たな照明装置1Bが構成される。また、既設装置9Bの外観構成要素(ベースユニット11および反射板12)を利用して、照明装置1Bの外観構成要素が構成される。なお、図1は、リプレース後の照明装置1Bを示す斜視図である。
【0033】
また、既設装置9G(図36)は、照明装置1G(図2および図3参照)へとリプレースされる。詳細には、既設装置9Gの4本の蛍光灯90Gと4組の蛍光灯ソケット93Gと安定器94Gとが既設装置9Gから取り外された上で、既設装置9Gのベースユニット11G(図2および図3参照)に4個の発光ユニット60G(LEDモジュール30G、モジュールベース40G、カバーユニット50Gを含む)およびDC電源70G等が取り付けられて新たな照明装置1Gが構成される。また、既設装置9Gの外観構成要素(ベースユニット11、枠部材15、半透明カバー部材14)を利用して、照明装置1Gの外観構成要素が構成される。なお、図2は、照明装置1Gの組立斜視図であり、図3は、照明装置1Gの分解斜視図である。
【0034】
他の既設装置9についても同様である。
【0035】
これによれば、各既設装置9の構成要素(ベースユニット11等)を利用して各照明装置1が構成されるので、各照明装置1を低コストで構築することが可能である。また、廃棄部品を低減することができるので、環境にも優しい。
【0036】
<2.発光ユニット60およびDC電源70等>
上述のように、新たな各照明装置1では、各既設装置9の蛍光灯90に代えて発光ユニット60が設けられる。
【0037】
図4図8等に示されるように、発光ユニット60は、LEDモジュール30(30a,30b,30c)とモジュールベース(ランプベースとも称する)40とカバーユニット50とを備えて構成される。
【0038】
図4は、発光ユニット60を示す斜視図であり、図5は、発光ユニット60の断面図である。図4においては、図示の都合上、カバー51の一部が切り取られて、発光ユニット60の内部の様子が示されている。また、図6は、カバーユニット50を外した状態の発光ユニット60を示す斜視図(組立斜視図)であり、図7は、当該発光ユニット60の分解斜視図である。換言すれば、図6および図7では、カバーユニット50の図示が省略されている。さらに、図8図10は、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cをそれぞれ示す図である。
【0039】
各照明装置1の発光ユニット(発光部)60は、長尺状のLEDモジュール30(発光素子モジュールとも称する)等を用いて構成される。詳細には、発光ユニット60は、複数の種類(ここでは3種類)の発光素子モジュール30(30a,30b,30c)のうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される1又は複数の発光素子モジュールを用いて構成される。より具体的には、当該1又は複数の発光素子モジュールが既設装置9のベースユニット11と既設装置9の反射板12との少なくとも一方に(一次元状に或いは二次元状に)配置される(取り付けられる)ことによって、発光ユニット60が形成される。
【0040】
3種類のLEDモジュール30a,30b,30c(図8図10参照)は、それぞれ、長手方向において互いに異なる長さを有し且つ互いに異なる個数の発光素子を有する(後述)。
【0041】
複数の種類の照明装置1(1A~1J)(照明装置群とも称する)の発光部(発光ユニット60(60A~60J)を含む)は、それぞれ、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうちの少なくとも1種類のLEDモジュールを用いて構築される。詳細には、当該少なくとも1種類のLEDモジュールで構成される1又は複数のLEDモジュール30が用いられる。各照明装置1における各LEDモジュール30の具体的構成について後に詳述する。
【0042】
また、各照明装置1においては、当該1又は複数のLEDモジュール30が、少なくとも1つのモジュールベース(ランプベース)40(図5および図7等参照)に固定される。換言すれば、各照明装置1は、当該各照明装置1に設けられる1又は複数のLEDモジュール30のうちの1又は2以上のモジュールをそれぞれ固定する少なくとも1つのモジュールベース40を備える。たとえば、照明装置1Bは、3個のLEDモジュール30aを固定するモジュールベース40B(図1および図17参照)を備え、照明装置1Dは、LEDモジュール30a,30cを固定するモジュールベース40B(図2および図21参照)を備える。また、照明装置1J(図33参照)は、LEDモジュール30aを固定する1個のモジュールベース40Jaと、LEDモジュール30bを固定する1個のモジュールベース40Jbと、LEDモジュール30cを固定する4個のモジュールベース40Jcとを備える。
【0043】
モジュールベース40は、たとえばアルミ成形品として形成される。より詳細には、モジュールベース40は、長尺方向における何れの位置の断面においても同じ断面形状(図5参照)を有する非常に長い長尺状部材から、切り出されて形成される。モジュールベース40は、既設装置9のベースユニット11(あるいは蛍光灯90)の大きさ(長さ)に応じた長さを有するように切り出される。
【0044】
モジュールベース40は、LEDモジュール30内のLED31の点灯による熱を外部へと放出する放熱部材としても機能する。
【0045】
モジュールベース40は、図5の断面図に示されるように、モジュール載置部41とモジュールガイド42とネジ止め用スリット43とカバー用スリット44とカバーガイド45と突出部46とを有している。LEDモジュール30(詳細には、複数のLED31が固定された基板(電子基板)32)は、長尺方向に伸びる2本のモジュールガイド42に案内されて長尺方向に垂直な方向の位置決めがなされた状態でモジュール載置部41に載置される。そして、基板32がネジ49(タッピングビス等)によってモジュールベース40に固定される。具体的には、その軸部のみが基板32のネジ孔を貫通するネジ49が、当該ネジの軸径よりも若干小さなスリット幅を有するネジ止め用スリット43に進入して締結されることによって、LEDモジュール30がモジュールベース40に対して固定される。
【0046】
また、モジュールベース40にはカバーユニット50がさらに取り付けられる。カバーユニット50は、半透明のカバー(透光性を有するカバー)51と、長尺状の当該カバー51をその伸延方向(長尺方向)の両端部で固定する端側部材(エンドカバー)52(図4参照)とを備えている。具体的には、可撓性を有する薄板形状の半透明のカバー(アクリルカバー)51が略半円柱状(半円筒状)に変形された状態で、断面視における半円の円弧の両端部がカバー用スリット44に挿入される(図5参照)。換言すれば、長尺方向に垂直な方向におけるカバー51の移動がカバーガイド45(およびカバー用スリット44)によって制限された状態でカバー51がモジュールベース40に対して配置される。そして、当該半円柱状のカバー51の長尺方向における両端部が端側部材(エンドカバー)52によって固定されることによって、カバー51の長尺方向における移動が規制されるとともに、当該カバー51がモジュールベース40に対して固定される。
【0047】
そして、LEDモジュール30を含む発光ユニット60は、モジュールベース40の突出部46(モジュールベース40の取付面(図5における底面)における両側方への突出部46)の取付面が固定対象物(ベースユニット11および/または反射板12等)に接する状態で、ネジ48(タッピングビス等)によって当該固定対象物に対して固定される。
【0048】
このように、各照明装置1においては、1又は複数のLEDモジュール30が少なくとも1つのモジュールベース40を介して、既設装置9のベースユニット11と反射板12との少なくとも一方に取り付けられる。また、1つ以上のLEDモジュール30が固定されたモジュールベース40に対してカバーユニット50が設けられて、発光ユニット60が構成される。なお、カバーユニット50が設けられた各発光ユニット60は、それぞれ、1本の蛍光灯に類似した外観を有している。
【0049】
また、新たな各照明装置1には、それぞれ、発光ユニット60に対して電力を供給するDC電源(直流電源)70等もが新たに設けられる。より詳細には、各照明装置1においては、それぞれ、DC電源70と端子台75(図1等参照)とがベースユニット11に固定され、DC電源70と端子台75とが互いに電気的に接続される。また、照明装置1の設置工事(特に電気工事)の際に、AC電源(交流電源)からの電力線が端子台75の接続端子に接続される。これにより、AC電源からの電力が直流に変換されてLED31に供給される。なお、各DC電源70等は、既設装置9の蛍光灯90用の安定器等が配置されていた場所(ベースユニット11内の所定位置)等に(当該安定器等に代えて)取り付けられればよい。
【0050】
<3.LEDモジュール30の詳細構成等>
上述のように、複数の種類の照明装置1(1A~1J)の発光部(発光ユニット60(60A~60J))は、それぞれ、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうちの少なくとも1種類のLEDモジュールを用いて構築される。
【0051】
当該3種類のLEDモジュール(発光素子モジュールとも称する)30a,30b,30cは、長手方向において互いに異なる長さを有し且つ互いに異なる個数の発光素子を有している。また、当該複数の種類の発光素子モジュールのそれぞれにおける複数の発光素子の配置間隔は、当該複数の種類の発光素子モジュールのいずれにおいても同じ値(ΔL)である。
【0052】
図8に示されるように、LEDモジュール30aは、24個のLED31と薄板状の矩形形状(細長形状)を有する基板32aとを備えている。
【0053】
具体的には、24個のLED31が基板32aの表面に配置(固定)されて、LEDモジュール30aが構成されている。詳細には、24個のLED31が当該基板32aの長手方向に沿って直線状に(より詳細には、一列に)配置されている。当該24個のLED31は、LEDモジュール30a内において、当該長手方向に沿って等間隔(所定間隔ΔL)で配置されている。また、LEDモジュール30aの両端部のそれぞれにおいて、最も端部側のLED31(LEDモジュール30aの端部の最も近くに配置される発光素子)から当該端部までの間隔は、所定間隔ΔLの半分(ΔL/2)である。
【0054】
このLEDモジュール30aの長手方向における長さLaは、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cの長手方向における長さの中で最も大きい。LEDモジュール30aは、「大」サイズのLEDモジュール30とも称される。
【0055】
図9に示されるように、LEDモジュール30bは、16個のLED31と薄板状の矩形形状(細長形状)を有する基板32bとを備えている。具体的には、16個のLED31が基板32bの表面に配置(固定)されて、LEDモジュール30bが構成されている。より詳細には、16個のLED31が当該基板32bの長手方向に沿って直線状に(一列に)且つ所定間隔ΔLで配置されている。さらに、LEDモジュール30bの両端部のそれぞれにおいて、最も端部側のLED31から当該端部までの間隔は、ΔL/2である。
【0056】
このLEDモジュール30bの長手方向における長さは、値Lb(<La)である。LEDモジュール30bは、「中」サイズのLEDモジュール30とも称される。
【0057】
図10に示されるように、LEDモジュール30cは、8個のLED31と薄板状の矩形形状(細長形状)を有する基板32cとを備えている。具体的には、8個のLED31が基板32cの表面に配置(固定)されて、LEDモジュール30cが構成されている。より詳細には、8個のLED31が当該基板32cの長手方向に沿って直線状に(一列に)且つ所定間隔ΔLで配置されている。さらに、LEDモジュール30cの両端部のそれぞれにおいて、最も端部側のLED31から当該端部までの間隔は、ΔL/2である。
【0058】
このLEDモジュール30cの長手方向における長さは、値Lc(<Lb)である。LEDモジュール30cは、「小」サイズのLEDモジュール30とも称される。
【0059】
ここで、複数の種類の発光素子モジュール(LEDモジュール30c,30b,30a)は、所定の単位数(ここでは8個)の整数倍の個数のLED31をそれぞれ有している。具体的には、LEDモジュール30cは8個のLED31を有しており、LEDモジュール30bは16個(=8個*2)のLED31を有しており、LEDモジュール30aは24個(=8個*3)のLED31を有している。
【0060】
たとえば、LEDモジュール30cでは、8個のLED31が直列接続されて24V電源に接続され、各LED31に約3(=24/8)ボルト(V)がそれぞれ印加されて各LED31が点灯する。8個のLEDの直列接続のうち、最も+側(の端子)が端子33に接続され、最も-側(の端子)が端子34に接続される。
【0061】
また、LEDモジュール30bでは、16個のLED31が(8個ずつ)2つのユニットに分けられて配線されている。各ユニットにおける8個のLEDの直列接続のうち、最も+側が端子33に接続されており、最も-側が端子34に接続されている。各ユニットにおいては8個のLED31が直列接続され、各LED31に約3(=24/8)ボルト(V)がそれぞれ印加されて各LED31が点灯する。
【0062】
また、LEDモジュール30aでは、24個のLED31が(8個ずつ)3つのユニットに分けられて配線されている。各ユニットにおける8個のLEDの直列接続のうち、最も+側が端子33に接続されており、最も-側が端子34に接続されている。各ユニットにおいては8個のLED31が直列接続され、各LED31に約3(=24/8)ボルト(V)がそれぞれ印加されて各LED31が点灯する。
【0063】
また、複数の種類の発光素子モジュール(LEDモジュール30c,30b,30a)は、互いに異なる長さを有している。3種類のLEDモジュール30c,30b,30aのうち、LEDモジュール30aが最も長く、LEDモジュール30cが最も短い。
【0064】
より具体的には、複数の種類の発光素子モジュール(LEDモジュール30c,30b,30a)は、所定の単位長Lu(たとえば、136.5mm)の整数倍の長さをそれぞれ有している。具体的には、LEDモジュール30cは単位長Luの1倍の長さ(Lc=1*Lu)を有しており、LEDモジュール30bは単位長Luの2倍の長さ(Lb=2*Lu)を有しており、LEDモジュール30aは単位長Luの3倍の長さ(La=3*Lu)を有している。たとえば、LEDモジュール30aの長さは、約408mmであり、LEDモジュール30bの長さは、約271mmであり、LEDモジュール30cの長さは、約137mmである。なお、このように、単位長LuのN倍の長さは、必ずしも(単位長Luの)「厳密にN倍の値」であることを要さず、たとえば数mm程度(あるいは数パーセント程度)の相違を有するものであってもよい。
【0065】
このような3種類(大サイズ、中サイズ、小サイズ)のLEDモジュール30a,30b,30cが予め構築されて準備されている。
【0066】
そして、上述のように、当該複数の種類の照明装置1(1A~1J)の発光部(発光ユニット60(60A~60J))は、それぞれ、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうちの少なくとも1種類のLEDモジュールによって構築される。
【0067】
たとえば、照明装置1Aの発光ユニット60A(図15参照)は、1個のLEDモジュール30aを用いて構築される。
【0068】
また、照明装置1Bの発光ユニット60B(図17参照)は、3個のLEDモジュール30aがそれぞれの長手方向を所定方向(図17の縦方向)に沿わせて直列的に配置されることによって、構成される(図11も参照)。より詳細には、図11の最も上側のLEDモジュール30aと中央のLEDモジュール30aとが直列的に配置され、且つ更に最も下側のLEDモジュール30aもが直列的に配置される。
【0069】
照明装置1Bでは、互いに隣接するLEDモジュール30aの相互間において、隣接する端子33同士が接続され(たとえば端子332と端子333とが接続され且つ端子334と端子335とが接続され)、隣接する端子34同士が接続される(たとえば端子342と端子343とが接続され且つ端子344と端子345とが接続される)。また、3個のLEDモジュール30aのうちの1つ(DC電源70に最も近い側のLEDモジュール30a)の他方端の接続端子(未接続端子)33(たとえば端子331)に対して、(DC電源70との)接続ケーブルの一端がハンダ付けされる。接続端子34(たとえば端子341)に関しても同様である。当該各接続ケーブルの他端は、モジュールベース40のカバー用スリット44とモジュールベース40に設けられた孔(カバー用スリット44の(図5における)下側に設けられた孔(不図示))とを通過して、モジュールベース40の取付面側(図5の下側)に到達している。当該接続ケーブルの当該他端には、コネクタが取り付けられている。
【0070】
そして、発光ユニット60Bを反射板12に取り付ける際に当該コネクタが(反射板12に設けられた孔(不図示)を通過して)ベースユニット11内のDC電源70(24ボルト)に取り付けられることによって、DC電源70とLEDモジュール30とが電気的に接続される。具体的には、当該コネクタを介して、端子33がDC電源70の+側の出力端子に接続され、端子34がDC電源70の-側の出力端子に接続される。
【0071】
また、照明装置1Dでは、複数の種類の発光素子モジュール30a,30b,30cのうち、照明装置1Bで採用された組合せ(LEDモジュール30aのみ)とは異なる組合せに係る少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される複数の発光素子モジュールが利用される。
【0072】
具体的には、照明装置1Dの発光ユニット60D(図21参照)は、1個のLEDモジュール30a(大サイズモジュール)と1個のLEDモジュール30c(小サイズモジュール)とがそれぞれの長手方向を所定方向に沿わせて直列的に配置されることによって、構成される(図12も参照)。より詳細には、図12(および図21)に示されるように、LEDモジュール30aとLEDモジュール30cとが直列的に配列される。より詳細には、(上側の)LEDモジュール30aと(下側の)LEDモジュール30cとが直列的に配置される。
【0073】
照明装置1Dでは、互いに隣接するLEDモジュール30aとLEDモジュール30cとの相互間において、隣接する端子33同士が接続(端子332と端子337とが接続)され、隣接する端子34同士が接続(端子342と端子347とが接続)される。そして、LEDモジュール30a,30bのいずれか(たとえば、DC電源70に最も近い側のLEDモジュール30a)の他方端の接続端子(未接続端子)33,34(たとえば、端子331,341)が、接続ケーブル(およびそのコネクタ等)を介して、DC電源70(不図示)の+側の出力端子、-側の出力端子にそれぞれ接続される。
【0074】
他の照明装置1においても同様であり、各照明装置1においては、複数の照明装置に対して共通に予め準備された3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうち少なくとも1種類のLEDモジュールで構成される1又は複数のLEDモジュールを用いて、当該各照明装置1の発光ユニット60が構築される。
【0075】
以上のように、各照明装置1においては、複数の照明装置に対して共通に予め準備された3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうち少なくとも1種類のLEDモジュールで構成される1又は複数のLEDモジュールを用いて、当該各照明装置1の発光ユニット60が構築される。
【0076】
ここにおいて、上述のように、一般に、様々なサイズを有する複数の既設装置9のそれぞれに応じた発光部を逐一設計することは大きな労力を要する。これに対して、この実施形態においては、複数の照明装置に対して共通に予め準備された3種類のLEDモジュール30a,30b,30cの中から決定された少なくとも1種類のLEDモジュール30が用いられて、照明装置1の発光ユニット(発光部)60が形成される。したがって、各既設装置9の大きさに応じて発光部を逐一設計する場合に比べて、既設装置9のサイズに応じた新たな照明装置1を効率的に構築することが可能である。
【0077】
<4.発光ユニット60内での明るさ均一化等>
この実施形態では、複数の照明装置1のうちの幾つかの照明装置1(たとえば、1B,1D等)においては、複数のLEDモジュール30が、それぞれの長手方向を所定方向(たとえば図17の縦方向)に沿って直列的に配置される。また、各LEDモジュール30における複数のLED31は、互いに所定間隔(一定間隔ΔL)で配列される。さらに、各LEDモジュール30における各端部の最も近くに配置されるLED31から当該各端部までの間隔は、当該所定間隔ΔLの半分(ΔL/2)である。
【0078】
たとえば、照明装置1Bでは、図11に示されるように、各LEDモジュール30aに含まれる24個のLED31が、所定間隔ΔLで一列に配置される。また、最も上側のLEDモジュール30aにて、当該LEDモジュール30aの複数のLED31のうち最も下側(中央のLEDモジュール30a側)に配置されたLED31(下端側LED311)から、当該LEDモジュール30a(最も上側のLEDモジュール30a)の下端までの間隔は、上記所定間隔ΔLの半分(ΔL/2)である(図8も参照)。同様に、中央のLEDモジュール30aにおいて、当該LEDモジュール30aの複数のLEDのうち、最も上側(最も上のLEDモジュール30a側)に配置されたLED31(上端側LED312)から、当該LEDモジュール30a(中央のLEDモジュール30a)の上端までの間隔は、当該所定間隔ΔLの半分(ΔL/2)である。その結果、両LEDモジュール30a,30aの境界部分で互いに隣接する2つのLED311,312の間隔は、上記所定間隔ΔLに等しい。したがって、最も上側のLEDモジュール30aと中央のLEDモジュール30aとに設けられた合計48個のLED31は、所定方向においていずれも均一な間隔ΔLで配置される。これによれば、48個の点光源が均一に配置されるので、所定方向における明るさの均一化を図ることが可能である。特に、2つのLED311,312の間隔も上記所定間隔ΔLに等しいので、複数のLEDモジュール30の相互間の接続部分における明るさの不均一の発生を回避することが可能である。
【0079】
同様に、中央のLEDモジュール30aと最も下側のLEDモジュール30aとに設けられた合計48個のLED31も、所定方向においていずれも均一な間隔ΔLで配置される。
【0080】
この結果、直列に配置された3本のLEDモジュール30aに設けられた合計72個のLED31が、所定方向(発光ユニット60Bの伸延方向)においていずれも均一な間隔ΔLで配置される。したがって、発光ユニット60Bの伸延方向における明るさの均一化を図ることが可能である。
【0081】
また、照明装置1Dでは、図12(および図21)に示されるように、LEDモジュール30aに含まれる24個のLED31が所定間隔ΔLで一列に配置されるとともに、LEDモジュール30cに含まれる8個のLED31が所定間隔ΔLで一列に配置される。さらに、LEDモジュール30aにおいては、当該LEDモジュール30aの複数のLED31のうち最も下側(隣接するLEDモジュール30c側)に配置されたLED31(下端側LED311)から、当該LEDモジュール30aの下端までの間隔は、上記所定間隔ΔLの半分(ΔL/2)である。同様に、(下側の)LEDモジュール30cにおいては、当該LEDモジュール30cの複数のLED31のうち、最も上側(LEDモジュール30a側)に配置されたLED31(上端側LED317)から、当該LEDモジュール30cの上端までの間隔は、当該所定間隔ΔLの半分(ΔL/2)である。その結果、両LEDモジュール30a,30cの境界部分で互いに隣接する2つのLED311,317の間隔は、当該所定間隔ΔLと同じである。したがって、LEDモジュール30aとLEDモジュール30cとに設けられた合計32(=24+8)個のLED31は、所定方向(発光ユニット60Dの伸延方向)においていずれも均一な間隔ΔLで配置される。これによれば、32個の点光源が均一に配置されるので、発光ユニット60Dの伸延方向における明るさの均一化を図ることが可能である。
【0082】
また、照明装置1Gでは、図13(および図27)に示されるように、LEDモジュール30aに含まれる24個のLED31が所定間隔ΔLで一列に配置されるとともに、LEDモジュール30bに含まれる8個のLED31が所定間隔ΔLで一列に配置される。さらに、(下側の)LEDモジュール30bにおいては、当該LEDモジュール30bの複数のLED31のうち、最も上側(LEDモジュール30a側)に配置されたLED31(上端側LED315)から、当該LEDモジュール30bの上端までの間隔は、当該所定間隔ΔLの半分(ΔL/2)である。LEDモジュール30aの下端側LED311から、当該LEDモジュール30aの下端までの間隔は、上記所定間隔ΔLの半分(ΔL/2)であるので、両LEDモジュール30a,30bの境界部分で互いに隣接する2つのLED311,315の間隔は、当該所定間隔ΔLと同じである。したがって、LEDモジュール30aとLEDモジュール30bとに設けられた合計40(=24+16)個のLED31は、所定方向(発光ユニット60Gの伸延方向)においていずれも均一な間隔ΔLで配置される。これによれば、発光ユニット60Gの40個の点光源が均一に配置されるので、発光ユニット60Gの伸延方向における明るさの均一化を図ることが可能である。
【0083】
<5.各照明装置>
つぎに、各照明装置1(1A~1J)の詳細構成について説明する。なお、図34は、各照明装置1(1A~1J)に設けられるLEDモジュール30の種類(30a(「大」サイズ),30b(「中」サイズ),30c(「小」サイズ))および個数等を表形式でまとめて示す図である。
【0084】
<照明装置1A>
図14の上段は、既設装置9Aの構成(内部構成)等を示す側面図であり、図14の下段は、照明装置1Aの構成等を示す側面図である。図15は、照明装置1Aの概略構成を示す図であり、照明装置1Aを下側から見た図である。なお、図14等においては、図示の簡略化のため、各部材の厚みを捨象して各部材が示されている。また、図15においては、カバーユニット50の図示を省略している。他の照明装置1に関する各図においても同様である。
【0085】
既設装置9Aは、10W(ワット)の直管型の蛍光灯90Aを有している。また、既設装置9Aは、当該既設装置9Aを取付箇所(天井等)に取り付けるためのベースユニット11Aと、蛍光灯90Aを固定する蛍光灯ソケット93Aと、蛍光灯90Aを覆う半透明カバー部材14Aとをも有している。
【0086】
照明装置1Aは、既設装置9A(図14の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0087】
照明装置1A(図14の下段および図15参照)が構築される際には、既設装置9Aの蛍光灯90Aおよび1組の蛍光灯ソケット93A等が既設装置9のベースユニット11Aから取り外され、当該蛍光灯90A等の代わりに発光ユニット60Aが当該ベースユニット11Aに取り付けられる。発光ユニット60Aは、1個のLEDモジュール30aとモジュールベース40Aとカバーユニット50Aとを含む。新たな照明装置1Bの発光ユニット60Aは、既設装置9Aの蛍光灯90Aと同等以上の明るさを有している。
【0088】
モジュールベース40Aの長さは、LEDモジュール30aの長さよりも大きく、ベースユニット11Aの長さよりも小さい。モジュールベース40Aがベースユニット11Aに対して(ネジ(タッピングビス等)および/または接着剤等で)固定されることによって、発光ユニット60A(LEDモジュール30を含む)がベースユニット11Aに固定される。また、既設装置9Aの外観構成要素(半透明カバー部材14A、ベースユニット11A)を利用して、照明装置1Aの外観構成要素が構成される。特に、既設装置9Aの半透明カバー部材14Aおよびベースユニット11Aが、照明装置1Aにおいても利用される。
【0089】
<照明装置1B>
図16の上段は、既設装置9Bの構成等を示す側面図であり、図16の下段は、照明装置1Bの構成等を示す側面図である。図17は、照明装置1Bの概略構成を示す図であり、当該照明装置1Bを下側から見た図である。
【0090】
既設装置9Bは、40W(ワット)の直管型の蛍光灯90Bを有している。また、既設装置9Bは、ベースユニット11Bと反射板12Bと蛍光灯ソケット93Bとをも備えている。
【0091】
照明装置1Bは、既設装置9B(図16の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0092】
照明装置1B(図16の下段および図17参照)が構築される際には、既設装置9Bの1本の蛍光灯90Bおよび1組の蛍光灯ソケット93B等が既設装置9(詳細にはベースユニット11B等)から取り外され、当該1本の蛍光灯90B等の代わりに1個の発光ユニット60Bが、既設装置9Bで使われていた反射板12Bに取り付けられる。発光ユニット60Bは、3個のLEDモジュール30aとモジュールベース40Bとカバーユニット50Bとを含む。照明装置1Bの発光ユニット60Bは、既設装置9Bの蛍光灯90Bと同等以上の明るさを有している。モジュールベース40Bの長さは、3個のLEDモジュール30aの合計長さよりも大きく、ベースユニット11Bの長さよりも小さい。モジュールベース40B(発光ユニット60B)は、蛍光灯90Bと同等の長さを有している。モジュールベース40Bが反射板12Bに対して(ネジおよび/または接着剤等で)固定され且つ反射板12Bがベースユニット11Bに対して固定されることによって、発光ユニット60Bがベースユニット11Bおよび反射板12Bに取り付けられる。
【0093】
また、照明装置1Bの発光ユニット60B(図17参照)は、3個のLEDモジュール30aがそれぞれの長手方向を所定方向に沿わせて直列的に配置されることによって、構成される。3個の基本モジュール30aを組み合わせることによって、蛍光灯90Bと同等以上の明るさを有する照明光源を構築することができるので、適切な明るさを有する発光ユニット60を効率的に構築することが可能である。
【0094】
さらに、また、既設装置9Bの外観構成要素(ベースユニット11Bおよび反射板12B等)を利用して、照明装置1Bの外観構成要素が構成される。
【0095】
なお、ここでは、発光ユニット60Bが反射板12Bに対して固定されているが、これに限定されず、発光ユニット60Bがベースユニット11Bに対して固定されてもよい。たとえば、既設装置9Bにて、ベースユニット11Bの下面の左右両側に各1枚ずつ(合計2枚)の反射板12が取り付けられている場合(反射板12がベースユニット11Bの左右に分離されて設けられている場合)等においては、反射板12に対してではなくベースユニット11に対して発光ユニット60Bが固定されること等によって照明装置1Bが構成されてもよい。他の新たな照明装置1についても同様である。
【0096】
<照明装置1C>
図18の上段は、既設装置9Cの構成等を示す側面図であり、図18の下段は、照明装置1Cの構成等を示す側面図である。図19は、照明装置1Cの概略構成を示す図であり、当該照明装置1Cを下側から見た図である。
【0097】
既設装置9Cは、2本の40W(ワット)の直管型の蛍光灯90Cを有している。また、既設装置9Cは、ベースユニット11Cと反射板12Cと2組の蛍光灯ソケット93Cとをも備えている。
【0098】
照明装置1Cは、既設装置9C(図18の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0099】
照明装置1C(図18の下段および図19参照)が構築される際には、既設装置9Cの2本の蛍光灯90Cおよび2組の蛍光灯ソケット93C等が既設装置9(詳細にはベースユニット11C等)から取り外され、当該2本の蛍光灯90C等の代わりに2個の発光ユニット60Cが反射板12Cに取り付けられる。当該2個の発光ユニット60Cは、2列に(並列的に)配置される。各発光ユニット60Cは、3個のLEDモジュール30aとモジュールベース40Cとカバーユニット50Cとをそれぞれ含む。各発光ユニット60Cは、各蛍光灯90Cと同等以上の明るさを有している。
【0100】
各モジュールベース40Cの長さは、モジュールベース40Bの長さと同じである。各モジュールベース40Cは、3個のLEDモジュール30aの合計長さよりも長く、ベースユニット11Cよりも短い。2つのモジュールベース40Cが反射板12Cに対して(ネジおよび/または接着剤等で)固定され且つ反射板12Cがベースユニット11Cに対して固定されることによって、2つの発光ユニット60Cがベースユニット11Cおよび反射板12Cに固定される。また、既設装置9Cの外観構成要素(ベースユニット11Cおよび反射板12C等)を利用して、照明装置1Cの外観構成要素が構成される。
【0101】
<照明装置1D>
図20の上段は、既設装置9Dの構成(内部構成)等を示す側面図であり、図20の下段は、照明装置1Dの構成等を示す側面図である。図21は、照明装置1Dの概略構成を示す図であり、当該照明装置1Dを上側から見た図である。なお、照明装置1Dは、天井面を照明する間接照明用の照明装置である。
【0102】
既設装置9Dは、1本の15W(ワット)の直管型の蛍光灯90Dを有している。また、既設装置9Dは、ベースユニット11Dと反射板12Dと1組の蛍光灯ソケット93Dとをも備えている。
【0103】
照明装置1Dは、既設装置9D(図20の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0104】
照明装置1D(図20の下段および図21参照)が構築される際には、既設装置9Dの1本の蛍光灯90Dおよび1組の蛍光灯ソケット93D等が既設装置9D(詳細にはベースユニット11D等)から取り外され、当該1本の蛍光灯90D等の代わりに1個の発光ユニット60Dがベースユニット11Dに取り付けられる。発光ユニット60Dは、1個のLEDモジュール30aと1個のLEDモジュール30cとモジュールベース40Dとカバーユニット50Dとを含む。発光ユニット60Dは、蛍光灯90Dと同等以上の明るさを有している。
【0105】
モジュールベース40Dは、1個のLEDモジュール30aと1個のLEDモジュール30cとの合計長さよりも長く、ベースユニット11Dよりも短い。モジュールベース40Dが反射板12Dに対して(ネジおよび/または接着剤等で)固定され且つ反射板12Dがベースユニット11Dに対して固定されることによって、発光ユニット60Dがベースユニット11Dおよび反射板12Dに固定される。また、既設装置9Dの外観構成要素(ベースユニット11D等)を利用して、照明装置1Dの外観構成要素が構成される。
【0106】
なお、ここでは、既設装置9Dおよび照明装置1Dが、上方(天井等)に光を照射しその照射面からの反射光で照明する間接照明用の照明装置であるとして説明しているが、これに限定されない。たとえば、既設装置9Dが、既設装置9A~9C等と同様に、下方に向けて(人および床に向けて)直接光を照射して下方を照明する直接照明用の照明装置である場合に本発明を適用してもよい。
【0107】
<照明装置1E>
図22の上段は、既設装置9Eの構成等を示す側面図であり、図22の下段は、照明装置1Eの構成等を示す側面図である。図23は、照明装置1Eの概略構成を示す図であり、当該照明装置1Eを下側から見た図である。
【0108】
既設装置9Eは、2本の20W(ワット)の直管型の蛍光灯90Eを有している。また、既設装置9Eは、ベースユニット11Eと反射板12Eと2組の蛍光灯ソケット93Eとをも備えている。
【0109】
照明装置1Eは、既設装置9E(図22の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0110】
照明装置1E(図22の下段および図23参照)が構築される際には、既設装置9Eの2本の蛍光灯90Eおよび2組の蛍光灯ソケット93E等が既設装置9E(詳細には反射板12E等)から取り外され、2本の蛍光灯90E等の代わりに2個の発光ユニット60Eが反射板12Eに取り付けられる。当該2個の発光ユニット60Eは、2列に(並列的に)配置される。各発光ユニット60Eは、1個のLEDモジュール30aと1個のLEDモジュール30cとモジュールベース40Eとカバーユニット50Eとをそれぞれ含む。各発光ユニット60Eは、各蛍光灯90Eと同等以上の明るさを有している。
【0111】
各モジュールベース40Eの長さは、モジュールベース40Dの長さと同じである。各モジュールベース40Eの長さは、1個のLEDモジュール30aと1個のLEDモジュール30cとの合計長さよりも大きく、ベースユニット11Eの長さよりも小さい。2個のモジュールベース40Eが反射板12Eに対して(ネジおよび/または接着剤等で)固定され且つ反射板12Eがベースユニット11Eに対して固定されることによって、2個の発光ユニット60Eがベースユニット11Eおよび反射板12Eに固定される。また、既設装置9Eの外観構成要素(ベースユニット11Eおよび反射板12E等)を利用して、照明装置1Eの外観構成要素が構成される。
【0112】
<照明装置1F>
図24の上段は、既設装置9Fの構成(内部構成)等を示す側面図であり、図24の下段は、照明装置1Fの構成等を示す側面図である。図25は、照明装置1Fの概略構成を示す図であり、当該照明装置1Fを下側から見た図である。なお、図25では、図示の都合上、半透明カバー部材14Fを外した状態が示されている。
【0113】
既設装置9Fは、4本の20W(ワット)の直管型の蛍光灯90Fを有している。また、既設装置9Fは、ベースユニット11Fと4組の蛍光灯ソケット93Fと枠部材15Fと半透明カバー(半透明パネルとも称する)14Fとをも備えている。
【0114】
照明装置1Fは、既設装置9F(図24の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0115】
照明装置1F(図24の下段および図25参照)が構築される際には、既設装置9Fの4本の蛍光灯90Fおよび4組の蛍光灯ソケット93F等が既設装置9F(詳細にはベースユニット11F等)から取り外され、当該4本の蛍光灯90F等の代わりに4個の発光ユニット60Fがベースユニット11Fに取り付けられる。当該4個の発光ユニット60Fは、4列に(並列的に)配置される。各発光ユニット60Fは、1個のLEDモジュール30aと1個のLEDモジュール30cとモジュールベース40Fとカバーユニット50Fとを含む。各発光ユニット60Fは、各蛍光灯90Fと同等以上の明るさを有している。
【0116】
各モジュールベース40Fの長さは、モジュールベース40D(,40E)の長さと同じである。各モジュールベース40Fの長さは、1個のLEDモジュール30aと1個のLEDモジュール30cとの合計長さよりも大きく、モジュールベース40Fの伸長方向におけるベースユニット11Fの長さよりも小さい。4個のモジュールベース40Fがベースユニット11Fに対して固定されることによって、4個の発光ユニット60Fがベースユニット11Fに固定される。また、既設装置9Fの外観構成要素(ベースユニット11F、枠部材15F、半透明カバー部材14F等)を利用して、照明装置1Fの外観構成要素が構成される。
【0117】
<照明装置1G>
図26の上段は、既設装置9G(図2も参照)の構成(内部構成)等を示す側面図であり、図26の下段は、照明装置1Gの構成等を示す側面図である。図27は、照明装置1Gの概略構成を示す図であり、当該照明装置1Gを下側から見た図である。なお、図27では、図示の都合上、半透明カバー部材14Gを外した状態が示されている。
【0118】
既設装置9Gは、4本の20W(ワット)の直管型の蛍光灯90Gを有している。また、既設装置9Gは、ベースユニット11Gと4組の蛍光灯ソケット93Gと枠部材15Gと半透明カバー部材14Gとをも備えている(図36も参照)。
【0119】
照明装置1Gは、既設装置9G(図26の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0120】
照明装置1G(図26の下段および図27参照)が構築される際には、既設装置9Gの4本の蛍光灯90Gおよび4組の蛍光灯ソケット93G等が既設装置9G(詳細にはベースユニット11G等)から取り外され、当該4本の蛍光灯90G等の代わりに4個の発光ユニット60Gがベースユニット11Gに取り付けられる。当該4個の発光ユニット60Gは、4列に(並列的に)配置される。各発光ユニット60Gは、1個のLEDモジュール30a(大サイズモジュール)と1個のLEDモジュール30b(中サイズモジュール)とモジュールベース40Gとカバーユニット50Gとを含む。各発光ユニット60Gは、各蛍光灯90Gと同等以上の明るさを有している。
【0121】
既設装置9Gの所定方向(図中における縦方向)の長さは、既設装置9Fの所定方向(図中における縦方向)の長さよりも大きいことに対応して、照明装置1Gの各モジュールベース40G(図27参照)の長さは、モジュールベース40F(図25参照)の長さよりも大きい。また、照明装置1Gにおいては、照明装置1Fとは異なり、LEDモジュール30cに代えてLEDモジュール30bが採用されている。
【0122】
また、各モジュールベース40Gの長さは、1個のLEDモジュール30aと1個の(中サイズの)LEDモジュール30bとの合計長さよりも大きく、モジュールベース40Gの伸長方向におけるベースユニット11Gの長さよりも小さい。4個のモジュールベース40Gがベースユニット11Gに対して固定されることによって、4個の発光ユニット60Gがベースユニット11Gに固定される。また、既設装置9Gの外観構成要素(ベースユニット11G、枠部材15G、半透明カバー部材14G等)を利用して、照明装置1Gの外観構成要素が構成される。
【0123】
<照明装置1H>
図28の上段は、既設装置9Hの構成(内部構成)等を示す側面図であり、図28の下段は、照明装置1Hの構成等を示す側面図である。図29は、照明装置1Hの概略構成を示す図であり、当該照明装置1Hを下側から見た図である。なお、図29では、図示の都合上、半透明カバー部材14Hを外した状態が示されている。また、図29では、大きさの対比のため、実際には設けられていない蛍光灯90H(2点鎖線参照)が仮想的に示されている。
【0124】
既設装置9Hは、40W(ワット)の丸型の蛍光灯90Hを有している。また、既設装置9Hは、ベースユニット11Hと蛍光灯固定用モジュール93H(給電部を含む)と枠部材15Hと半透明カバー部材14Hとをも備えている。
【0125】
照明装置1Hは、既設装置9H(図28の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0126】
照明装置1H(図28の下段および図29参照)が構築される際には、既設装置9Hの1個の丸形蛍光灯90Hおよび蛍光灯固定用モジュール93H等が既設装置9H(詳細にはベースユニット11H等)から取り外され、蛍光灯90H等の代わりに4個の発光ユニット60Hがベースユニット11Hに取り付けられる。当該4個の発光ユニット60Hは、4列に(並列的に)配置される。各発光ユニット60Hは、照明装置1Aの発光ユニット60A(図15参照)と同様の構成を有する。具体的には、各発光ユニット60Hは、1個のLEDモジュール30a(大サイズモジュール)と1個のLEDモジュール30c(小サイズモジュール)とモジュールベース40Hとカバーユニット50Hとを含む。4個の発光ユニット60Hは、蛍光灯90Hと同等以上の明るさを実現できる。
【0127】
各モジュールベース40Hの長さは、1個のLEDモジュール30aの長さよりも大きく、モジュールベース40Hの伸長方向におけるベースユニット11Hの長さよりも小さい。4個のモジュールベース40Hがベースユニット11Hに対して固定されることによって、4個の発光ユニット60Hがベースユニット11Hに固定される。また、既設装置9Hの外観構成要素(ベースユニット11H、枠部材15H、半透明カバー部材14H等)を利用して、照明装置1Hの外観構成要素が構成される。
【0128】
<照明装置1I>
図30の上段は、既設装置9Iの構成(内部構成)等を示す側面図であり、図30の下段は、照明装置1Iの構成等を示す側面図である。図31は、照明装置1Iの概略構成を示す図であり、当該照明装置1Iを下側から見た図である。なお、図31では、図示の都合上、半透明カバー部材14Iを外した状態が示されている。また、図31では、大きさの対比のため、実際には設けられていない蛍光灯90I(2点鎖線参照)が仮想的に示されている。
【0129】
既設装置9Iは、30W(ワット)の丸型の蛍光灯90Iを有している。既設装置9Iは、ベースユニット11Iと蛍光灯固定用モジュール93I(給電部を含む)と枠部材15Iと半透明カバー部材14Iとをも備えている。
【0130】
照明装置1Iは、既設装置9I(図30の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0131】
照明装置1I(図30の下段および図31参照)が構築される際には、既設装置9Iの1個の丸形蛍光灯90Iおよび蛍光灯固定用モジュール93I等が既設装置9I(詳細にはベースユニット11I等)から取り外され、蛍光灯90I等の代わりに4個の発光ユニット60Iがベースユニット11Iに取り付けられる。当該4個の発光ユニット60Iは、4列に(並列的に)配列される。各発光ユニット60Iは、1個のLEDモジュール30b(中サイズモジュール)とモジュールベース40Iとカバーユニット50Iとを含む。4個の発光ユニット60Iは、蛍光灯90Iと同等以上の明るさを実現できる。
【0132】
各モジュールベース40Iの長さは、1個のLEDモジュール30bの長さよりも大きく、モジュールベース40Iの伸長方向におけるベースユニット11Iの長さよりも小さい。4個のモジュールベース40Iがベースユニット11Iに対して固定されることによって、4個の発光ユニット60Iがベースユニット11Iに固定される。また、既設装置9Iの外観構成要素(ベースユニット11I、枠部材15I、半透明カバー部材14I等)を利用して、照明装置1Iの外観構成要素が構成される。
【0133】
<照明装置1J>
図32の上段は、既設装置9Jの構成(内部構成)等を示す側面図であり、図32の下段は、照明装置1Jの構成等を示す側面図である。図33は、照明装置1Jの概略構成を示す図であり、当該照明装置1Jを下側から見た図である。なお、図33では、図示の都合上、半透明カバー部材14Jを外した状態が示されている。また、図33では、大きさの対比のため、実際には設けられていない3個の蛍光灯90J(2点鎖線参照)が仮想的に示されている。
【0134】
既設装置9Jは、3個の30W(ワット)の丸型の蛍光灯90Jを有している。既設装置9Jは、ベースユニット11Jと3個の蛍光灯固定用モジュール93J(給電部を含む)と枠部材15Jと半透明カバー部材14Jとをも備えている。
【0135】
照明装置1J(図32の下段)は、既設装置9J(図32の上段)に代えて設置される照明装置である。
【0136】
照明装置1J(図32の下段および図33参照)が構築される際には、既設装置9Jの3個の蛍光灯90Jおよび3個の蛍光灯固定用モジュール93J等が既設装置9J(詳細にはベースユニット11J等)から取り外され、3個の蛍光灯90J等の代わりに、2個の発光ユニット60Jaと2個の発光ユニット60Jbと4個の発光ユニット60Jcとがベースユニット11Jに取り付けられる。
【0137】
各発光ユニット60Jaは、1個のLEDモジュール30a(大サイズモジュール)とモジュールベース40Jaとカバーユニット50Jaとを含む。各発光ユニット60Jbは、1個のLEDモジュール30b(中サイズモジュール)とモジュールベース40Jbとカバーユニット50Jbとを含む。各発光ユニット60Jcは、1個のLEDモジュール30c(小サイズモジュール)とモジュールベース40Jcとカバーユニット50Jcとを含む。これら合計8個の発光ユニット60J(60Ja,60Jb,60Jc)は、3個の蛍光灯90Jと同等以上の明るさを実現できる。
【0138】
合計8個の発光ユニット60は、略円形状のベースユニット11Jの表面をなるべく均一に埋めるように配置される。具体的には、合計8個の発光ユニット60は、略円形状の照明装置1Jの中心を通る直線CLに対して線対称に配置される。2個の発光ユニット60Jaは直線CLに対して線対称に配置され、2個の発光ユニット60Jbも直線CLに対して線対称に配置される。これら6個の発光ユニット60Jは、等間隔で6列に配置さえる。また、2個の発光ユニット60Jcがさらに設けられ、合計4個の発光ユニット60Jcは、当該中心Cに対して点対称配置される。特に、4個の発光ユニット60Jcのうち、2個の発光ユニット60Jcは直線CLに対して線対称に且つ直線CLに対して平行に配置される。
【0139】
また、略円形形状を有するベースユニット11のうちの半円領域において、大、中、小の3種類のサイズのLEDモジュール30を用いることによって、当該半円領域において円の中心からの距離が互いに異なる3つの位置に、互いに異なる長さのLEDモジュール30a,30b,30cがそれぞれ配置されている。3種類のサイズのLEDモジュール30を用いることによれば、2種類のサイズのLEDモジュール30のみを用いる場合に比べて、より少ない個数のLEDモジュール30で、同等の明るさを有し且つなるべく均等配置された発光部を形成することが可能である。
【0140】
また、既設装置9Jの外観構成要素(ベースユニット11J、枠部材15J、半透明カバー部材14J等)を利用して、照明装置1Jの外観構成要素が構成される。
【0141】
<6.各照明装置1の製造方法等>
たとえば、照明装置1Bは、次のようにして製造され設置される。
【0142】
まず、リプレース対象の既設装置9Bの大きさに応じた発光ユニット60B(LEDモジュール30Bおよびモジュールベース40B等を含む)が、予め製造される。
【0143】
具体的には、複数の種類且つ複数本のLEDモジュール30a,30b,30cが予め製造されており、当該複数の種類のLEDモジュール30a,30b,30cの中から、発光ユニット60Bを構成するためのLEDモジュールの種類と本数(種類ごとの本数)とが、既設装置9の大きさ等に基づいて決定される。詳細には、発光ユニット60Bを構成するためのLEDモジュールとして、既設装置9B(詳細には反射板12)の長さに基づき、3本のLEDモジュール30aが決定される。
【0144】
また、既設装置9Bの反射板12の大きさに応じた長さを有するモジュールベース40が、非常に長い長尺状部材から切り出される。そして、当該モジュールベース40に対して3本のLEDモジュール30aが固定される。この際、3本のLEDモジュール30aのうち中央のLEDモジュール30aと上側のLEDモジュール30aとが電気的に接続され、当該中央のLEDモジュール30aと下側(反対側)のLEDモジュール30aとが電気的に接続される。また、DC電源70との接続ケーブルが端子33,34にハンダ付けされる。さらに、カバーユニット50(カバー51および端側部材52等)がモジュールベース40に対して固定される。このようにして、発光ユニット60Bが形成される。
【0145】
次に、リプレース対象の既設装置9Bが設置場所から取り外される。この際、蛍光灯90Bが既設装置9から取り外される。なお、既設装置9Bからの蛍光灯90Bの取り外しは、設置場所からの既設装置9の取り外し前などに行われることが好ましい。
【0146】
また、既設装置9から、蛍光灯固定用モジュール(あるいは蛍光灯ソケット)93B、安定器94Bおよびそれに付随する配線等が更に取り外される。
【0147】
そして、既設装置9Bの電気部品(蛍光灯ソケット93B等)に代えて、照明装置1Bの電気部品等がベースユニット11B等に装着される。具体的には、新たな照明装置1用のDC電源70B、端子台75Bおよびそれに付随する配線等が、ベースユニット11Bに対して取り付けられる。なお、この時点では、ベースユニット11Bは設置場所から取り外されており、反射板12Bはベースユニット11Bから取り外されているものとする。
【0148】
その後、ベースユニット11Bが再び設置場所(既設装置9の設置場所と同じ設置場所等)に設置される。
【0149】
さらに、既設装置9の大きさに合わせた新たな照明装置1の発光ユニット60B(LEDモジュール30Bおよびモジュールベース40B等を含む)が、反射板12Bに取り付けられる。そして、反射板12Bがベースユニット11Bに再び固定される。この際、発光ユニット60のLEDモジュール30(たとえば、DC電源70に最も近い側のLEDモジュール30a)の端子33,34に接続されている接続ケーブルを用いて、発光ユニット60BとDC電源70Bとが(電気的に)接続される。
【0150】
このようにして、照明装置1Bが製造され設置される。
【0151】
他の照明装置1も同様にして製造され設置される。なお、発光ユニット60が反射板12ではなくベースユニット11に取り付けられる場合にも、ベースユニット11が設置場所から取り外されている状態で、発光ユニット60がベースユニット11に対して取り付けられることが好ましい。
【0152】
<7.実施形態における効果等>
上述のように、上記実施形態の各照明装置1(1A~1J)は、各既設装置9(9A~9J)の一部(具体的には、ベースユニット11および/または反射板12等)を利用して構成されるので、部品の再利用による効果(コスト低減効果、および/または廃棄部品の削減効果等)を得ることができる。
【0153】
また、各照明装置1(1A~1J)の発光ユニット(発光部)60(60A~60J)は、それぞれ、複数の種類の発光素子モジュール30a,30b,30c(互いに異なる長さを有し且つ互いに異なる個数の発光素子を有する)のうちの少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される1又は複数の発光素子モジュールを、既設装置9のベースユニット11と既設装置9の反射板12との少なくとも一方に配置すること(取り付けること)によって、形成される。端的に言えば、リプレース対象の既設装置9のベースユニット11等の大きさに応じた組合せに係る少なくとも1つの種類の発光素子モジュールが、複数の照明装置1A~1Jに対して共通に予め準備された3種類の発光素子モジュール30a,30b,30cの中から選択され決定される。換言すれば、既設装置9の大きさに応じた組合せに係る1又は複数の発光素子モジュールが決定される。そして、当該少なくとも1つの種類の発光素子モジュールで構成される当該1又は複数の発光素子モジュールを用いて、リプレース後の照明装置1における新たな発光部が形成される。
【0154】
これによれば、各既設装置9の大きさに応じて新たな発光部を逐一設計する場合に比べて、既設装置9のサイズに応じた新たな照明装置1を効率的に構築することが可能である。特に、複数の既設装置9を複数の新たな照明装置1に変更する場合、当該複数の新たな照明装置1を効率的に構築することが可能である。
【0155】
より詳細には、大、中、小の3種類のサイズのLEDモジュール30のうちの少なくとも1種類のLEDモジュール30を用いることによって、様々なサイズの照明装置1が効率的に形成される。
【0156】
たとえば、直管型蛍光灯を有する長尺状の既設装置9(9A~9E)に関しては、その発光素子の個数とその長手方向の長さとが互いに異なる3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうち、当該直管型蛍光灯の長手方向の長さと同程度の長さを有し且つ当該直管型蛍光灯の明るさと同程度以上の明るさを有するような組合せに係る少なくとも1つ種類のLEDモジュール30を用いて、新たな照明装置1の発光部が形成される。詳細には、約410mm~約1250mmの様々な長さを有する直管型蛍光灯(特に、その採用頻度が高い長さを有する直管型蛍光灯(10W(ワット)型,15W型,20W型,40W型))を用いた各既設装置9に対応する新たな照明装置1を、3種類のサイズのLEDモジュール30a,30b,30cのいずれか1つ以上を用いることによって構成することが可能である。換言すれば、予め準備しておくLEDモジュール30の種類数を一定程度(ここでは3種類)に抑えた上で、様々なサイズの既設装置9を、それぞれ同等の大きさ(様々な大きさ)を有する新たな照明装置1にリプレースすることが可能である。また、各既設装置9を、当該各既設装置9と同等以上の明るさを有する新たな照明装置1にリプレースすることも可能である。
【0157】
具体的には、40Wの直管型蛍光灯90(90B,90C等)と蛍光灯ソケット93(93B,93C等)とを用いた蛍光灯式発光部(長さ約1230mm)は、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうち、一の種類のLEDモジュール30a(長さ約408mm)を3個直列的に配置して形成される新たな発光部(発光ユニット60B,60C等)によって置き換えられる。発光ユニット60Bは、40Wの直管型蛍光灯90Bと同等以上の明るさを有する。
【0158】
また、10W(あるいは15W)の直管型蛍光灯90(90A等)と蛍光灯ソケット93(93A等)とを用いた蛍光灯式発光部(長さ約350mm~約460mm)は、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうち、一の種類のLEDモジュール30a(長さ約408mm)を1個配置して形成される新たな発光部(発光ユニット60A等)によって置き換えられる。
【0159】
なお、LEDモジュール30aの長さは、次のようにして定められている。まず、ここでは、一定程度以上の採用頻度を有する直管型蛍光灯(10W(ワット)型,15W型,20W型,40W型)を有する既設装置9が主なリプレース対象装置として設置されている。そして、LEDモジュール30aの長さは、当該主なリプレース対象の様々な既設装置9のうち、最も短いサイズの既設装置9A(10Wの直管型蛍光灯を用いた照明装置)の長さと、最も長いサイズの既設装置9B(40Wの直管型蛍光灯を用いた照明装置)の長さとに基づいて、定められている。具体的には、LEDモジュール30aの長さ(約408mm)は、最短サイズの既設装置9Aの長さ(約430mm)よりも小さく、且つ、整数倍(N倍;ここではN=3)すると既設装置9Bと同程度の長さ(約1240mm)(換言すれば、40Wの直管型蛍光灯90と同程度の長さ(約1230mm))になるように、定められている。値Nは、なるべく小さな値になるように定められることが好ましく、ここでは、N=3である。より詳細には、LEDモジュール30aの長さ(約408mm)は、40Wの直管型蛍光灯90の長さ(約1230mm)のちょうど1/3(約410mm)よりも若干(約2mm)短く設定されている。
【0160】
また、15W(あるいは20W)の直管型蛍光灯90(90D,90E等)と蛍光灯ソケット93(93D,93E等)とを用いた蛍光灯式発光部(長さ約460mm~約600mm)は、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうち、LEDモジュール30a(長さ約408mm)とLEDモジュール30c(長さ約135mm)との2種類のLEDモジュールを1個ずつ当該長手方向に直列的に配置して形成される新たな発光部(発光ユニット60D,60E等)によって置き換えられる。発光ユニット60Dは、15Wの直管型蛍光灯90Aと同等以上の明るさを有する。
【0161】
なお、上記実施形態では例示されていないが、20Wの直管型蛍光灯90と蛍光灯ソケット93とを用いた蛍光灯式発光部(長さ約600mm)は、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cのうち、LEDモジュール30a(長さ約408mm)とLEDモジュール30b(長さ約271mm)との2種類のLEDモジュールを1個ずつ当該長手方向に直列的に配置して形成される新たな発光部によって置き換えられてもよい。
【0162】
このように、3つの種類のLEDモジュール30a,30b,30cを適宜組み合わせて利用することによって、直管型蛍光灯を有する様々なサイズの矩形形状の既設装置9(9A~9E)を新たな照明装置1(1A~1E)に置き換えることが可能である。特に、互いに異なる長さの蛍光灯90(90A,90B,90D)を有する既設装置9(9A,9B,9D)を、新たな照明装置1(1A,1B,1D)に置き換えることが可能である。
【0163】
また、正方形形状あるいは正方形に近い矩形形状(平面視による形状)を有する既設装置9(9F,9G,9H,9I)に関しては、その一の方向において、当該一の方向における既設装置9の大きさに応じた組合せに係るLEDモジュール30が(直列的に)配置されて、1本の発光ユニット60が構築される。また、当該一の方向に垂直な方向においては、複数本の当該発光ユニット60が一定程度の間隔を空けて並べられて配置される。端的に言えば、既設装置9の大きさに応じた組合せに係るLEDモジュール30を用いて構成された複数本の発光ユニット60が、並列的に配列される。
【0164】
たとえば、略正方形形状を有する既設装置9Hに関しては、LEDモジュール30aをそれぞれ有する4本の発光ユニット60Hが4列に(並列的に)配列される。
【0165】
また、略正方形形状を有する既設装置9Iに関しては、LEDモジュール30bをそれぞれ有する4個の発光ユニット60Iが4列に(並列的に)配列されている。
【0166】
また、略正方形形状を有する既設装置9Fに関しては、LEDモジュール30aとLEDモジュール30cとをそれぞれ有する4個の発光ユニット60Fが4列に(並列的に)配列されている。
【0167】
また、若干細長い矩形形状を有する既設装置9Gに関しては、LEDモジュール30aとLEDモジュール30bとをそれぞれ有する4個の発光ユニット60Gが4列に(並列的に)配列されている。
【0168】
さらに、円形に近い形状(平面視による形状)を有する既設装置9(9J)に関しては、一の方向において、既設装置9の大きさ(詳細には、円の中心からの各オフセット位置における弦の長さ)に応じたLEDモジュール30が配置されて、各発光ユニット60が構築される。また、当該一の方向に垂直な方向においては、その配置位置に応じた大きさを有する複数本の当該発光ユニット60(60Ja,60Jb,60Jc)が一定程度の間隔を空けて並べられて配置される。換言すれば、平面視において略円形形状を有するベースユニット11J内に収まるように、複数のLEDモジュール30が並列的に配置されて照明装置1の発光部が形成されている。
【0169】
このように、3つの種類のLEDモジュール30a,30b,30cを適宜組み合わせて利用することによって、直管型蛍光灯を有する矩形形状の既設装置9(9A~9G)とと、丸形蛍光灯を有する矩形形状の既設装置9H,9Iと、丸形蛍光灯を有する円形形状の既設装置9Jとのいずれをも置き換えることが可能である。すなわち、様々な形状の既設装置9を3つの種類のLEDモジュール30a,30b,30cを用いた照明装置1(1A~1J)によって置き換えることが可能である。
【0170】
また、特に各照明装置1(1D,1E,1F,1G,1J)の発光ユニット60(60D,60E,60F,60G,60J)は、それぞれ、複数の種類の発光素子モジュール30a,30b,30cのうちの2種類以上の発光素子モジュールを用いて構成されている(図34等参照)。これによれば、異なるサイズ(長さ)の発光素子モジュール30を用いることによって、より多様なサイズの照明装置を効率的に構築することが可能である。
【0171】
ここにおいて、比較的小さなサイズの単一種類(特定サイズ)の発光素子モジュールのみを用いて様々なサイズの発光部を構築することも可能である。たとえば、1種類の発光素子モジュール(小サイズのLEDモジュール)30cのみを1個あるいは複数個用いることによって、上記10種類の各照明装置1(1A~1J)における各発光部を形成することも可能である。しかしながら、この場合、当該単一種類の発光素子モジュール30cのサイズが(大サイズのLEDモジュール30a等に比べて)小さいため、当該単一種類の発光素子モジュール(小サイズのLEDモジュール)30cの合計使用個数が増大する。たとえば、照明装置1D(発光ユニット60D)を構築するためには4つの発光素子モジュール30cを利用することを要する。発光素子モジュール30の合計使用個数が多くなると、配線接続の手間が大きくなり、製造コストが大きくなる。
【0172】
これに対して、上述のように互いにサイズが異なる2種類以上の発光素子モジュールを用いることによれば、各照明装置1の大きさに応じた発光部を比較的少ない個数の発光素子モジュール30で実現することが可能である。したがって、配線接続の手間を低減すること、ひいては製造コストを低減することが可能である。
【0173】
さらに、上記実施形態においては、複数の種類の発光素子モジュール30の合計使用個数(照明装置1での合計使用個数)が最も少なくなるように(換言すれば、比較的長い発光素子モジュール(最も長い発光素子モジュール30a等)が優先的に使用されるように)、2種類以上(あるいは1種類)の発光素子モジュールが複数の種類の発光素子モジュール30a,30b,30cの中から決定される。たとえば、当該2種類以上の発光素子モジュールは、最も長いLEDモジュール30a(大サイズモジュール)を含み、且つ、LEDモジュール30b(中サイズモジュール)とLEDモジュール30c(小サイズモジュール)との少なくとも一方をも含むように決定される。したがって、LEDモジュール30間の接続箇所をなるべく低減し、ひいては照明装置1を容易に製造することが可能である。
【0174】
なお、上記実施形態では、発光ユニット60Dは、大サイズのLEDモジュール30a(24個のLED31を有するモジュール)と小サイズのLEDモジュール30c(8個のLED31を有するモジュール)とが組み合わせられて構築されているが、これに限定されない。たとえば、発光ユニット60Dは、2本の中サイズのLEDモジュール30b(16個のLED31を有するモジュール)が直列的に配置されて構築されてもよい。あるいは、発光ユニット60Dは、小サイズのLEDモジュール30cが4本直列的に配置されて構築されてもよい。ただし、この場合、発光素子モジュール30の合計使用個数が4本に増加してしまう。製造容易性等の観点からは、上記実施形態等のように比較的少ない本数(2本)のLEDモジュール30のみを用いて発光ユニット60が構成されることが好ましい。
【0175】
また、各照明装置1の外観構成要素は、各既設装置9の外観構成要素の少なくとも一部(ベースユニット11、反射板12、半透明カバー部材14、枠部材15等のうちの1つ以上)を依然として有している。したがって、既設装置9の外観をなるべく維持しつつ(大きな外観変更を伴わずに)、既設装置9から新たな照明装置1への変更を行うことが可能である。
【0176】
また、各発光ユニット60は、既設装置9のベースユニット11内に収まるように形成される。換言すれば、発光ユニット60の長さは、ベースユニット11の長さよりも小さい(短い)。したがって、新たな照明装置1が既設装置9のベースユニット11を利用して形成される場合において、発光ユニット60がベースユニット11よりも長い場合に比べて、外観上の違和感が発生する可能性が低減される。
【0177】
<8.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0178】
たとえば、上記実施形態においては、端子33,34にハンダ付けされた接続ケーブルを介して、LEDモジュール30とDC電源70との接続(およびLEDモジュール30同士の接続)が行われているが、これに限定されない。たとえば、端子33,34の位置等に端子33,34に代えてそれぞれ設けられた各コネクタと当該各コネクタに接続される接続ケーブルとを介して、LEDモジュール30とDC電源70との接続(およびLEDモジュール30同士の接続)が行われてもよい。
【0179】
また、上記実施形態では、カバーユニット50が常に設けられているが、これに限定されず、カバーユニット50が設けられなくてもよい。たとえば、既設装置9の半透明カバー部材14が発光ユニット60(LEDモジュール30a)を覆うように設けられる場合には、カバーユニット50を設けないようにしてもよい。
【0180】
また、上記実施形態においては、LEDモジュール30がモジュールベース40を介して(間接的に)ベースユニット11と反射板12との少なくとも一方に取り付けられているが、これに限定されず、LEDモジュール30はベースユニット11と反射板12との少なくとも一方に対して直接的に取り付けられてもよい。
【0181】
また、上記実施形態においては、10種類の照明装置1A~1Jが例示されているが、これに限定されず、その他の各種の照明装置1が3種類のLEDモジュール30a,30b,30cを用いて実現されてもよい。
【0182】
たとえば、図34の空白欄に対応する照明装置1がさらに実現されるようにしてもよい。より具体的には、1個の大サイズのLEDモジュール30aで構成される発光ユニット60を2列に配列した照明装置1がさらに実現されてもよい。あるいは、3個の大サイズのLEDモジュール30aで構成される発光ユニット60を4列に配列した照明装置1がさらに実現されてもよい。あるいは、中サイズのLEDモジュール30bで構成される発光ユニット60を2列に配列した照明装置1がさらに実現されてもよい。
【0183】
あるいは、3種類のLEDモジュール30a,30b,30cを利用した更に別の組合せに係る複数のLEDモジュールで構成される発光ユニット60(4本のLEDモジュール30aを直列に接続した発光ユニット60等)を用いて照明装置1が実現されてもよい。
【0184】
また、上記実施形態においては、同一の建造物に設置されている複数の既設装置9が新たな照明装置1にリプレースされる態様について説明したが、これに限定されない。たとえば、互いに異なる建造物に設置されている複数の既設装置9がそれぞれ新たな照明装置1にリプレースされる場合に上記の発明が適用されてもよい。
【0185】
また、上記実施形態においては、天井付近に取り付ける照明装置について主に説明したが、これに限定されない。たとえば、壁面等に取り付ける照明装置に本発明を適用してもよい。また、居住空間向けの通常の照明装置のみならず、非常灯および/または広告用照明装置(サイン照明装置)等にも本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0186】
1 照明装置
9 既設装置
11 ベースユニット
12 反射板
14 半透明カバー部材
15 枠部材
30,30a,30b,30c 発光素子モジュール
31 LED
32 基板
33,34 端子
40 モジュールベース
50 カバーユニット
60 発光ユニット
70 電源
75 端子台
90 蛍光灯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36