(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】毛髪化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20221018BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20221018BHJP
A61K 8/98 20060101ALI20221018BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/81
A61K8/98
A61Q5/12
(21)【出願番号】P 2018227947
(22)【出願日】2018-12-05
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 可奈子
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-347955(JP,A)
【文献】特開2018-123129(JP,A)
【文献】特開2017-081898(JP,A)
【文献】特開2009-107935(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0243204(US,A1)
【文献】特開2015-209391(JP,A)
【文献】特開2011-162461(JP,A)
【文献】Pliable Control Paste(ID: 1145101),Mintel GNPD [online],2009年07月,[検索日;2022年5月20日], https://www.gnpd.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)~(C)を含有することを特徴とするうねり抑制用
ヘアコンディショナー又はヘアトリートメント。
(A)ミツロウ
全体質量中1~5質量%
(B)下記一般式(1)で表されるホスホリルコリン基含有重合体から選択される化合
物
全体質量中1~10質量%
【化1】
(C)
ネオペンタン酸イソデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、およびエチルヘキサン酸セチルから選ばれる1種または2種以上 全体質量中1~10質量%
【請求項2】
コーミングによる、うねりの再発を低減し、かつ髪の指通り、まとまり、つやを向上させるための請求項1に記載のうねり抑制用ヘアコンディショナー又はヘアトリートメント。
【請求項3】
洗髪後の毛髪に、下記成分(A)~(C)を含有するヘアコンディショナー又はヘアトリートメントを塗布し、洗い流し、乾燥させることを特徴とするコーミングによる毛髪うねり低減方法。
(A)ミツロウ
全体質量中1~5質量%
(B)下記一般式(1)で表されるホスホリルコリン基含有重合体から選択される化合
物
全体質量中1~10質量%
【化1】
(C)
ネオペンタン酸イソデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、およびエチルヘキサン酸セチルから選ばれる1種または2種以上 全体質量中1~10質量%
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪のうねりを低減し、さらにコーミングによるうねりの再発を低減する、髪の指通り、まとまり、つやの効果に優れる毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
染毛やパーマ、縮毛矯正などによる化学的なダメージや、加齢によって生じる髪質そのものの変化などにより、毛髪には様々なトラブルが発生する。 例えば、加齢に伴い、ウェーブ・くせ・ぱさつきのあるうねり毛が増加することで、髪のまとまりや髪全体の艶が悪化したり、また毛髪に対する染色や脱色などの化学的なダメージや熱や摩擦などによる物理的なダメージなどによって、うねり毛が増加すること等はよく知られている。
【0003】
これらを改善する技術として、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント等の洗い流して使用するタイプの毛髪化粧料においては、カチオン性ポリマーやシリコーン、油剤、糖類等を配合し、毛髪の硬さや重さを出すことによって、髪に生じたうねりを矯正することが試みられている。しかし、これらの技術では毛髪への硬さや重さは付与されるものの、うねりを充分に抑制するといえるものではなく、またコーミングなどによる摩擦のダメージによるうねりの発生抑制への効果も十分とはいえない。
【0004】
この課題を解決する方法として、例えば、特定のアミドアミンにより毛髪のうねりを改善してまとまりが持続する毛髪化粧料(例えば、特許文献1参照)や、レシチンと両性界面活性剤と皮膜形成ポリマーとカチオンポリマーを配合した毛髪化粧料(例えば、特許文献2参照)が開示されているが、うねり発生抑制効果としては満足といえるものではなかった。
【0005】
上記課題を解決すべく、本願発明者は、ヒドロキシプロピルセルロースとポリエチレングリコール、多価アルコール、およびショウキョウチンキを含有し、かつ水の含有量が1%質量以下の毛髪化粧料(特許文献3参照)を提案している。 しかしながら、上記毛髪化粧料においても、コーミングによる繰り返し摩擦によって生じるうねりや広がりに対し、十分なうねり発生抑制効果を奏しているとはいえず、更なる技術の向上が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-174831号公報
【文献】特開2004-203887号公報
【文献】特願2017-170314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、毛髪のうねりを低減し、さらにコーミングによるうねりの再発を低減する、髪の指通り、まとまり、つやの効果に優れる毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意研究した結果、ミツロウ、特定の構造を有するホスホリルコリン基含有重合体から選択される化合物およびカチオン化多糖類から選ばれる1種または2種以上、および20℃で液状のエステル油を含有する毛髪化粧料が、
上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本願第一の発明は、下記成分(A)~(C)を含有することを特徴とするうねり抑制用毛髪化粧料である。
(A)ミツロウ
(B)下記一般式(1)で表されるホスホリルコリン基含有重合体から選択される化合物およびカチオン化多糖類から選ばれる1種または2種以上
【化1】
(C)20℃で液状のエステル油
【0010】
本願第二の発明は、成分(B)が、ポリクオタニウム-107、ポリクオタニウム-10、およびヒドロキシエチルセルロースから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする本願第一の発明に記載のうねり抑制用毛髪化粧料である。
【0011】
本願第三の発明は、成分(C)が、ネオペンタン酸イソデシル、パルミチン酸ジエチルヘキシル、およびエチルヘキサン酸セチルから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする本願第一の発明または本願第二の発明に記載のうねり抑制用毛髪化粧料である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、毛髪のうねりを低減し、さらにコーミングによるうねりの再発を低減する、髪の指通り、まとまり、つやの効果に優れる毛髪化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の毛髪化粧料について詳細に説明する。
【0014】
本発明の毛髪化粧料に配合される(A)ミツロウはミツバチの巣から蜂蜜をとった残渣より、加温圧搾法あるいは溶剤抽出法によって得られるロウである。本発明では、その配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01~5.0質量%(以下、特に記載のあるもの以外は、質量%を単に「%」で示す。)の範囲である。この配合量の範囲であれば、毛髪に対して、べたつきや硬さを感じることなく、うねりを低減し、さらにコーミングによるうねりの再発を低減し、さらにコーミングによるうねりの再発を低減し、髪の指通り、まとまり、つやが出るという本発明の効果を十分に発揮することができるが、配合量が0.01質量%未満である場合には、充分なうねり抑制効果が得られなくなると共に、コーミングによる見た目の広がりが生じ、手で扱いた時のまとまりも低下し、一方 配合量が5質量%を超えると、毛髪化粧料塗布後の毛髪に過度なべたつきが生じ指通りが悪くなる。
【0015】
本発明の毛髪化粧料で用いられる成分(B)は、下記一般式(1)で表されるホスホリル
コリン基含有重合体から選択される化合物およびカチオン化多糖類から選ばれる1種または2種以上である。
【化1】
【0016】
一般式(1)で表されるホスホリルコリン基含有重合体から選択される化合物はポリクオタニウム-107(例えばAlfeel-SD(日油社製)であることが好ましく、カチオン化多糖類は、多糖類をカチオン化したものであれば、特に限定されないが、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タラガム、およびそれらの誘導体などが望ましい。本発明の毛髪化粧料には、上記化合物を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
成分(B)の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.001~10.0%の範囲である。この配合量の範囲であれば、毛髪に対して、べたつきや重さを感じることなく、うねりを抑制するという本発明の効果を十分に発揮することができる。 配合量が0.001%未満では十分なうねり抑制効果を得られず、髪がまとまらない場合があり、10.0%を超えると髪にべたつき感が残り、指通りが悪くなる場合がある。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分(C)は、20℃で液状のエステル油から選ばれる1種または2種以上である。 成分(C)は、20℃で液状のエステル油であれば、特に限定されないが、ネオペンタン酸イソデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチルなどが好ましい。本発明の毛髪化粧料には、上記化合物を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
成分(C)の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.001~10.0%の範囲である。この配合量の範囲であれば、毛髪に対して、べたつきや重さを感じることなく、うねりを抑制するという本発明の効果を十分に発揮することができる。 配合量が0.001%未満では十分なうねり抑制効果を得られず、髪がまとまらない場合があり、10.0%を超えると髪にべたつき感が残り、指通りが悪くなる場合がある。
【0020】
また、本発明の毛髪化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で公知の成分を適宜配合することができる。公知の成分としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ベヘンジモニウムエチルリン酸ステアリル等のカチオン性界面活性剤;ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素;ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、ジメチコン、アモジメチコン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン類;乳酸、クエン酸等のpH調整剤;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ成分;エタノール、メタノ
ール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;L-アスパラギン酸、L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニン、L-アルギニン、グリシン、L-グルタミン酸、L-システイン、Lスレオニン等のアミノ酸;フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、メチルクロロイソチアゾリノン等の防腐剤;その他紫外線吸収剤、香料、色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、各種薬剤等が挙げられる。
【実施例】
【0021】
次に本発明の毛髪化粧料について実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0022】
(1)評価用うねり毛束の調整
ビューラックス社製アジア人同一人毛(長さ30cm、重さ10g)の毛束を10%濃度のラウレス硫酸ナトリウム溶液にて洗浄してタオルドライを行い、リングコームにてコーミングをして吊るした状態で自然乾燥を行う。自然乾燥後の毛束を、うねりの度合いの強さを4段階に選別し、一番うねりの強いグループを評価用毛束として選択し、長さ25cm、毛量を同一に調整し、ヘアブリーチ処理することにより、うねりを増強させたものを評価用うねり毛束として用いる。
【0023】
(2)コーミング前のうねり抑制効果の評価方法
評価用うねり毛束を、10%のラウレス硫酸ナトリウム溶液3gを用いて洗浄した後、タオルドライを行い、リングコームにてコーミングをして吊るした状態で22℃、湿度50%の恒温恒湿室にて自然乾燥させてから処理前の状態として画像で記録する。 記録した後、再び評価用うねり毛束を、10%のラウレス硫酸ナトリウム溶液3gを用いて洗浄した後、本発明の実施例及び比較例の組成物3gを各毛束に塗布し、40℃のお湯で洗い流す。 その後、タオルドライを行い、評価用うねり毛束を吊るした状態で22℃、湿度50%の恒温恒湿室にて自然乾燥させてから処理後の状態として画像で記録する。5名の訓練された評価者が、各毛束の処理前の状態を記録した画像と、各毛束の処理後の状態を記録した画像を見比べ、うねり抑制効果、下記評価基準に従って観察評価し、5人のスコアの合計の平均値を算出する。 当該平均値を下記スコア基準に基づき判定した。
【0024】
<コーミング前のうねり抑制効果 評価基準>
5点:毛束にうねりは全くない
4点:毛束の一部に僅かにうねりがある
3点:毛束の一部にうねりがある
2点:毛束全体にうねりがある
1点:毛束全体に大きなうねりがある
【0025】
<コーミング前のうねり抑制効果 スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・1.5点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・1.5点未満
【0026】
(3)コーミング後うねり発生程度(30回、300回)評価方法
コーミング前のうねり抑制効果を評価した後の各毛束に対し、リングコームにて30回コーミングした時の評価用毛束の状態、それからリングコームにて270回(トータル300回)コーミングした時の評価用毛束の状態を、変化後の状態として画像で記録する。 5名の訓練された評価者が、各毛束のコーミング前の状態を記録した画像と、各毛束をコ
ーミングした変化後の状態を記録した画像を見比べ、コーミング30回後、および300回後のうねり発生程度を、下記評価基準に従って観察評価し、5人のスコアの合計の平均値を算出する。当該平均値を下記スコア基準に基づき判定した。
【0027】
<コーミング後うねり発生程度 評価基準(30回、300回)>
5点:コーミング後の毛束にうねりは発生していない
4点:コーミング後の毛束の一部に僅かにうねりが発生している
3点:コーミング後の毛束の一部にうねりが発生している
2点:コーミング後の毛束全体にうねりがある
1点:コーミング後の毛束全体に大きなうねりがある
【0028】
<コーミング後うねり発生程度 スコア基準(30回、300回)>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・1.5点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・1.5点未満
【0029】
(4)300回コーミング後のキューティクル剥離抑制効果の評価方法
前述の300回コーミングした評価用うねり毛束から無作為に毛髪10本をピックアップし、レーザー顕微鏡(KEYENCE社製、VK-8700)でキューティクルの状態を下記評価基準に従って観察評価し、、5人のスコアの合計の平均値を算出する。当該平均値を下記スコア基準に基づき判定した。
【0030】
<300回コーミング後のキューティクル剥離抑制効果 評価基準>
5点:毛髪のキューティクル剥離が認められない
4点:毛髪のキューティクル剥離が僅かに認められる
3点:毛髪のキューティクル剥離が毛髪の一部に認められる
2点:毛髪のキューティクル剥離が毛髪の全体に認められるが、剥離部分は連続的でない1点:毛髪のキューティクル剥離が毛髪の全体に認められ、剥離部分が連続的である
【0031】
<300回コーミング後のキューティクル剥離抑制効果 スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・1.5点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・1.5点未満
【0032】
(5)300回コーミング後の指通りの評価方法
5名の訓練された評価者が、コーミング300回後の評価用うねり毛束の指通りを、下記評価基準に従って官能評価し、5人のスコアの合計の平均値を算出する。当該平均値を下記スコア基準に基づき判定した。
【0033】
<300回コーミング後の指通り 評価基準>
4点:毛束の指通りが良い
3点:毛束の指通りがやや良い
2点:毛束の指通りがやや悪い
1点:毛束の指通りが悪い
【0034】
<300回コーミング後の指通り スコア基準>
◎:大変優れている・・・3.5点以上
○:優れている・・・・・3.0点以上、3.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0035】
(6)300回コーミング後の手で扱いた後のまとまりの評価方法
5名の訓練された評価者が、コーミング300回後の評価用うねり毛束を手で扱いて、手で扱いた後のまとまり状態について、下記評価基準に従って観察評価し、5人のスコアの合計の平均値を算出する。当該平均値を下記スコア基準に基づき判定した。
【0036】
<300回コーミング後のまとまり 評価基準>
5点:手で扱いた後の毛束が全体的にまとまる
4点:手で扱いた後の毛束が全体的にまとまっているものの、僅かに広がりがみられる
3点:手で扱いた後の毛束が全体的にまとまっているものの、広がりがみられる
2点:手で扱いた後の毛束のまとまりが悪く、広がっている
1点:手で扱いた後の毛束が全くまとまらない
【0037】
<300回コーミング後のまとまり スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・1.5点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・1.5点未満
【0038】
(7)300回コーミング後のつやの評価方法
5名の訓練された評価者が、コーミング300回後の評価用うねり毛束の見た目のつやを、下記評価基準に従って観察評価し、5人のスコアの合計の平均値を算出する。当該平均値を下記スコア基準に基づき判定した。
【0039】
<300回コーミング後のつや 評価基準>
4点:毛束の面が整い、つやがある
3点:毛束の面がやや乱れているが、つやがある
2点:毛束の面がやや乱れていて、つやがない
1点:毛束の面が大きく乱れていて、つやがない
【0040】
<300回コーミング後のつや スコア基準>
◎:大変優れている・・・3.5点以上
○:優れている・・・・・3.0点以上、3.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0041】
実施例1~13及び比較例1~6
表1に示す組成の毛髪化粧料を常法に準じて調製し、コーミング前のうねり抑制効果、コーミング後うねり発生程度(30回、300回)、300回コーミング後のキューティクル剥離抑制効果、指通り、まとまり、つやについて評価を行い、その結果を表1に示した。
【0042】
【0043】
表1から明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~13の毛髪化粧料は、比較例1~6の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0044】
以下、本発明の毛髪化粧料のその他の処方例を実施例14、15として挙げる。なお、こ
れらの実施例の毛髪化粧料についても、上記のコーミング前のうねり抑制効果、コーミング後うねり発生程度(30回、300回)、300回コーミング後のキューティクル剥離抑制効果、指通り、まとまり、つやの各項目について評価したところ、いずれの実施例においても優れた特性を有しており良好であった。
【0045】
実施例14 ヘアコンディショナー
配合量(質量%)
(1)ネオペンタン酸イソデシル 1.0
(2)ハチミツ 1.5
(3)PPG-1/PEG-1ステアラミン 2.0
(4)ステアリルPGトリモニウムクロリド 0.5
(5)ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド 1.0
(6)ミツロウ 1.0
(7)セトステアリルアルコール 6.5
(8)ベヘニルアルコール 0.5
(9)コメヌカ油脂肪酸フィトステリル 2.0
(10)ジメチコン(300mm2/s) 0.5
(11)アモジメチコン 1.0
(12)パラフィン 1.0
(13)プロピレングリコール 0.5
(14)ソルビトール 3.0
(15)グリセリン 0.5
(16)ひまわり油 1.0
(17)ヒドロキシエチルセルロース 0.4
(18)ひまわり芽エキス 1.0
(19)ポリクオタニウム-107 1.5
(20)フェノキシエタノール 0.2
(21)香料 0.5
(22)精製水 残余
【0046】
(製法)(1)、(3)~(9)、(12)(13)(16)を80℃にて均一に混合溶解し、80℃に加温した(22)に(14)(15)(17)を分散したものをプロペラで攪拌しながら加え、乳化を行う。徐々に冷却を行い、60℃にて(2)、(10)(11)、(18)~(21)を添加し、室温まで冷却して、ヘアコンディショナーを調製した。
【0047】
実施例15 ヘアトリートメント
配合量(質量%)
(1)ネオペンタン酸イソデシル 2.0
(2)ハチミツ 2.0
(3)PPG-1/PEG-1ステアラミン 3.0
(4)ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド 1.0
(5)ミツロウ 2.0
(6)16-メチルオクタデカン酸 0.5
(7)セトステアリルアルコール 6.0
(8)ベヘニルアルコール 3.0
(9)オレイン酸フィトステリル 0.5
(10)ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5
(11)パラフィン 2.0
(12)セレブロシド 0.01
(13)ジメチコン(100mm2/s) 2.0
(14)ジメチコン(10万mm2/s) 1.0
(15)アモジメチコン 1.0
(16)ヒドロキシエチルセルロース 0.4
(17)ひまわり油 1.0
(18)1,3-ブチレングリコール 3.0
(19)プロピレングリコール 0.5
(20)ヒオウギエキス 0.5
(21)ひまわり芽エキス 1.0
(22)Plandool-SUN 1.0
(23)LIPIDURE-C(日本油脂社製) 1.0
(24)ポリクオタニウム-107 3.0
(25)フェノキシエタノール 0.2
(26)防腐剤(ケーソンCG) 0.1
(27)香料 0.5
(28)精製水 残余
【0048】
(製法)(1)、(3)~(12)、(17)、(22)、(23)を70℃にて均一に混合溶解し油相とする。(16)、(18)、(19)及び(28)を60℃にて均一に混合攪拌し水相とする。水相に油相を加えて乳化したのち、(2)、(13)~(15)、(20)、(21)、(24)~(27)を加えて、ホモミキサーを用いて均一に混合する。混合しながら徐々に冷却を行い、室温まで冷却してヘアトリートメントを調製した。