(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20221018BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2019011450
(22)【出願日】2019-01-25
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 健
(72)【発明者】
【氏名】坪田 利幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 里奈
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0308074(US,A1)
【文献】国際公開第2014/046026(WO,A1)
【文献】特開2006-010789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0180929(US,A1)
【文献】特開2015-176752(JP,A)
【文献】特開2003-295182(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0153488(US,A1)
【文献】国際公開第2018/051855(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333,1/13357
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーパネルとバックライト装置との間に液晶パネルが設けられ、該液晶パネルとバックライト装置が収容ケースに収容され、当該収容ケースがカバーパネルに固定されており、
前記収容ケースは、前記液晶パネルの背面に間隔を置いて対向する底板と、前記底板の側縁に沿って立設される複数の側板とを有し、前記側板の端縁が前記カバーパネルに固定されており、
前記バックライト装置は、前記収容ケース内で前記底板上に載置された導光板と、前記導光板上に載置され前記液晶パネルに隙間を置いて対向する光学シートと、
前記導光板の入射面と1つの前記側板との間で前記底板上に設けられた配線基板と前記配線基板上に実装され前記入射面に対向する複数の発光素子とを備え、前記入射面に入射する光を供給する光源装置と、を具備し、
前記側板は、前記入射面に対向する第1側板と、前記第1側板に対向する第2側板とを含み、
前記収容ケース内には、さらに、前記
第2側板に設けられ、前記光学シートの周縁部と前記液晶パネルとの間に介在し、前記光学シートの周縁部に対向する第1押え部材と、
前記第1側板に取付けられた固定部と、前記光学シートと前記液晶パネルの背面との間に介在し前記光源装置および前記光学シートの前記光源装置側の端部を覆う第2押え部と、を有する第2押え部材と、が設け
られ、
前記第1側板と前記導光板の入射面との間に、前記光源装置に重ねて配置されたスペーサ板を備え、前記スペーサ板は、位置決め部が設けられた上面と、前記第1側板に対向する側面とを有し、
前記光学シートは、前記位置決め部に係合され前記光学シートの面方向の位置決めをする位置決め凸部を一体に有している、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1押え部材は、金属板により形成され、前記
第2側板の内面に固定された固定部と、前記固定部から前記光学シートと前記液晶パネルとの間に延出した第1押え部とを有している請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第2押え部材は、金属板により形成され、前記
第1側板の内面に固定された第1固定部と、前記
第1側板の外面に固定された第2固定部と、前記第1固定部および第2固定部から前記光学シートと前記液晶パネルとの間に延出した前記第2押え部とを有している請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記スペーサ板の上面に形成された凹部と、前記凹部の底面に突設された位置決めピンと、を有し、
前記光学シートの位置決め凸部は、前記凹部に装着され、前記位置決め凸部に形成された孔に前記位置決めピンが挿通されている請求項
1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記液晶パネルは、表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する額縁領域と、を有し、
前記第1押え部材および前記第2押え部材は、前記額縁領域と重畳する位置に配置されている請求項
2に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1押え部材の第1押え部は、隙間を置いて前記液晶パネルの額縁領域に対向し、前記液晶パネルが撓んだ際に前記液晶パネルを支持可能であり、
前記第2押え部材の第2押え部は、隙間を置いて前記液晶パネルの額縁領域に対向し、弾性材層を介して前記液晶パネルに当接している請求項
5に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置は、カーナビゲーションシステムの表示装置、あるいは、操作パネルの表示装置など、車載向け表示装置として広く用いられている。
一般に、車載向け液晶表示装置は、比較的広い設置空間に配置されることを前提としているため、剛性と信頼性への適合を重視した構造が主流となっている。例えば、液晶表示装置の厚みを比較的厚くし、また、額縁領域を広く確保した構造を採用することが可能である。しかしながら、近年、自動車室内空間の多様性が見込まれ、液晶表示装置の薄型化や狭額縁化が求められるようになってきている。同時に、車載用途の表示装置では、広い温度保証領域の中で長期間の衝撃や振動に耐久する剛性、強度が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで述べる実施形態の課題は、剛性、強度を維持しながら、薄型化および狭額縁化を図ることが可能な液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る液晶表示装置は、カバーパネルとバックライト装置との間に液晶パネルが設けられ、該液晶パネルとバックライト装置が収容ケースに収容され、当該収容ケースがカバーパネルに固定されており、前記収容ケースは、前記液晶パネルの背面に間隔を置いて対向する底板と、前記底板の側縁に沿って立設される複数の側板とを有し、前記側板の端縁が前記カバーパネルに固定されており、前記バックライト装置は、前記収容ケース内で前記底板上に載置された導光板と、前記導光板上に載置され前記液晶パネルに隙間を置いて対向する光学シートと、前記導光板の入射面と1つの前記側板との間で前記底板上に設けられた配線基板と前記配線基板上に実装され前記入射面に対向する複数の発光素子とを備え、前記入射面に入射する光を供給する光源装置と、を具備し、前記側板は、前記入射面に対向する第1側板と、前記第1側板に対向する第2側板とを含み、前記収容ケース内には、さらに、前記第2側板に設けられ、前記光学シートの周縁部と前記液晶パネルとの間に介在し、前記光学シートの周縁部に対向する第1押え部材と、前記第1側板に取付けられた固定部と、前記光学シートと前記液晶パネルの背面との間に介在し前記光源装置および前記光学シートの前記光源装置側の端部を覆う第2押え部と、を有する第2押え部材と、が設けられている。前記第1側板と前記導光板の入射面との間に、前記光源装置に重ねて配置されたスペーサ板を備え、前記スペーサ板は、位置決め部が設けられた上面と、前記第1側板に対向する側面とを有し、前記光学シートは、前記位置決め部に係合され前記光学シートの面方向の位置決めをする位置決め凸部を一体に有している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る液晶表示装置の表示面側を示す平面図。
【
図3】
図3は、前記液晶表示装置のバックライト装置の分解斜視図。
【
図4】
図4は、前記バックライト装置のケースおよび第1押え部材を示す斜視図。
【
図5】
図5は、前記バックライト装置の第2押え部材を斜視図。
【
図6】
図6は、前記第2押え部材が装着された状態の前記ケースの光源側端部を一部破断して示す平面図。
【
図7】
図7は、前記ケースの光源側端部を示す斜視図。
【
図8】
図8は、光学シートを設置した状態を示す前記ケースの光源側の斜視図。
【
図9】
図9は、
図1の線A-Aに沿った第1押え部分の前記液晶表示装置の断面図。
【
図10】
図10は、
図1の線B-Bに沿った前記液晶表示装置の長辺側端部の断面図。
【
図11】
図11は、
図1の線C-Cに沿った前記液晶表示装置の短辺側端部の断面図。
【
図12】
図12は、
図1の線D-Dに沿った前記液晶表示装置の短辺側端部の断面図。
【
図13】
図13は、
図1の線E-Eに沿った前記液晶表示装置の光源側長辺部の断面図。
【
図14】
図14は、
図1の線F-Fに沿った前記液晶表示装置の光源側長辺部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る液晶表示装置の表示面側を示す平面図、
図2は、液晶表示装置の分解斜視図である。
液晶表示装置10は、例えば、カーナビゲーションシステム、操作パネル、メータパネルなどの種々の車載機器に組み込んで使用することができる。
図1および
図2に示すように、液晶表示装置10は、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル(液晶パネル)12と、液晶パネル12の一方の表面である表示面12aに重ねて配置され、表示面12a全体を覆うカバーパネル14と、液晶パネル12の他方の表面である背面に対向配置されたバックライト装置(バックライトユニット)20と、を備えている。液晶パネル12およびバックライト装置20は、上部が開放した収容ケース(バックライトカバー)(以下、ケースと称する)16に収容されている。収容ケース16はカバーパネル14によって覆われ、該カバーパネル14は収容ケース16に固定されている。また、液晶表示装置10は、制御回路基板19を備えている。制御回路基板19は、ケース16の外部に配置され、フレキシブルプリント配線基板(FPC)22a、22bを介して液晶パネル12に電気的に接続されている。
【0009】
図9は、
図1の線A-Aに沿った液晶表示装置の反光源側の断面図である。
図2および
図9に示すように、液晶パネル12は、矩形状の第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向配置された矩形状の第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に設けられた液晶層LQと、を備えている。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、それぞれガラス板あるいは樹脂板等の透明な絶縁基板により形成されている。第2基板SUB2の周縁部は、シール材SEにより第1基板SUB1に貼り合わされている。一例では、第2基板SUB2は、一対の長辺および一対の短辺を有し、一対の長辺は、第1基板SUB1の一対の長辺とほぼ同一の長さに形成されている。第2基板SUB2の一対の短辺は、第1基板SUB1の一対の短辺よりもそれぞれ僅かに短い長さに形成されている。第2基板SUB2を第1基板SUB1に貼り合わせた状態において、第1基板SUB1の一方の長辺側端部EA1は、第2基板SUB2と重ならない。第2基板SUB2の表面に偏光板PL2が貼付され、液晶パネル12の表示面12aを形成している。第1基板SUB1の表面(液晶パネル12の背面)に偏光板PL1が貼付されている。
【0010】
液晶パネル12では、表示面12aを平面視(液晶パネルの表面の法線方向から当該液晶パネルを視認する状態をいう。以下同様である)した状態で、シール材SEの内側となる領域に矩形状の表示領域(アクティブ領域)DAが設けられている。表示領域DAの周囲に、矩形枠状の額縁領域(非表示領域)EDが設けられている。バックライトユニット20からの光は表示領域DAによって画素単位で選択的に透過され、これによって表示領域DAに画像が表示される。
【0011】
2本のFPC22a、22bの一端が第1基板SUB1の長辺側端部EA1に接合され、液晶パネル12に電気的に接続されている。FPC22a、22bは、液晶パネル12から外方に延出し、制御回路基板19に接続されている。制御回路基板19には、液晶パネル12を駆動するのに必要な信号を供給する信号供給源として、図示しない駆動ICチップ等の半導体素子が複数実装されている。
【0012】
図1、
図2、
図9に示すように、カバーパネル14は、例えば、ガラス板あるいはアクリル系の透明樹脂等により、矩形平板状に形成されている。カバーパネル14は、液晶パネル12の寸法(幅、長さ)よりも大きな幅および長さを有し、平面視で液晶パネル12よりも大きな面積を有している。カバーパネル14の背面(裏面、液晶表示パネル側の面)は、例えば、透明な接着剤からなる粘着層ADにより、液晶パネル12の表示面12aに貼付され、液晶パネル12の表示面12aを全面に亘って覆っている。粘着層ADは、偏光板PL2とほぼ同一の寸法(幅、長さ)に形成され、偏光板PL2の全面に貼付されている。カバーパネル14を液晶パネル12に貼り付けた状態を平面視した場合、カバーパネル14の周縁部は、液晶パネル12の外周縁よりも外側に突出している。
【0013】
次に、ケース16およびバックライトユニット20について説明する。
図3は、ケースおよびバックライトユニットの分解斜視図である。
図2および
図3に示のように、バックライトユニット20を覆うケース16は、薄い板材により構成されている。ケース16は、例えば、0.2mm厚のステンレス板材を折曲げ加工やプレス成形等することにより、上部を開放した偏平な矩形箱状に形成されている。ケース16の板厚が薄いほど額縁を狭くでき、表示装置全体の厚さも薄くできる。
ケース16は、矩形状の底板17aと、底板17aの各側縁に立設された一対の長辺側の側板17b、17cおよび一対の短辺側の側板17d、17eと、を有している。平面視で、底板17aは、液晶パネル12の寸法よりも大きく、かつ、カバーパネル14の寸法よりも小さい。本実施形態において、側板(第1側板、第2側板)17b、17cは、底板17aに対してほぼ垂直に立設し、底板17aの各長辺の全長に亘って延在している。側板17d、17eは、底板17aに対してほぼ垂直に立設し、底板17aの各短辺の全長に亘って延びている。これら側板17b~17eの底板17aからの高さH1は、液晶パネル12の厚さと、後述するバックライトユニット20の厚さとの合計と同じかそれよりも大きく形成されている。
【0014】
光源側に位置する側板(第1側板)17bは、側板17bの上端縁に形成された2つの凹部18を有している。凹部18は、それぞれ矩形状に形成され、側板17bの長手方向に沿って延在している。2つの凹部18は、側板17bの長手方向に間隔を置いて設けられている。凹部18が形成されている部分の側板17bの高さH2は、他の部分の高さH1の60%程度であり、バックライトユニット20の厚さとほぼ等しく設定されている。後述するように、液晶パネル12から延出する2つのFPC22a、22bは、それぞれ凹部18を通して、ケース16の外部に引き出される。
側板17bにおいて、凹部18が形成された部分の壁部に、ケース16の外方に僅かに突出する第2係止爪21bが設けられている。側板17bの他の部分の壁部に、ケース16の内方に僅かに突出する複数の第1係止爪21aが設けられている。各側板17d、17eの側板17b側の端部に、ケース16の内方に僅かに突出する第3係止爪21cが設けられている。第1、第2、第3係止爪21a、21b、21cは、例えば、側板の一部を切り起こした切起し片により形成される。
【0015】
図4は、ケースの反光源側の端部を示す斜視図である。
図3および
図4に示すように、側板(第2側板)17cの長手方向の両端部に、第1押え部材24がそれぞれ設けられている。第1押え部材24は、例えば、金属板材をL形状に折り曲げて形成され、平坦な矩形状の第1押え部24aと第1押え部24aに直交する平坦な矩形状の固定部24bとを一体に有している。
図4および
図9に示すように、固定部24bは、例えば、両面テープTP1により、側板17cの内面に貼付、固定されている。第1押え部24aは、側板17cからケース16内に突出し、底板17aとほぼ平行に対向している。底板17aから第1押え部24aまでの高さH3は、バックライトユニット20の厚さよりも僅かに大きく設定している。
なお、第1押え部材24は、2つに限らず、3つ以上、設けるようにしてもよい。また、設置位置は、側板17cの長手方向両端部に限らず、側板17d、17eの側板17c側の端部に設けるようにしてもよい。更に、第1押え部材24は、独立した板材に限らず、側板17cあるいは側板17d、17eの一部をケース16の内側に切り起こした切起し片により押え部を形成することも可能である。
【0016】
図10は、
図1の線B-Bに沿った液晶表示装置の反光源側の断面図、
図11および
図12は、それぞれ
図1の線C-C、線D-Dに沿った液晶表示装置の短辺側端部の断面図、
図13および
図14は、それぞれ
図1の線E-E、線F-Fに沿った液晶表示装置の光源側の断面図である。
図2および
図9乃至
図14に示すように、上記のように構成されたケース16は、バックライトユニット20および液晶パネル12に被せて配置されている。また、ケース16の側板17b、17cの端縁および側板17d、17eの上端縁を接着剤ALでカバーパネル14の下面に貼付することにより、カバーパネル14に固定されている。一例では、接着剤ALとして熱硬化接着剤を用いている。ケース16の底板17aは、液晶パネル12の背面に間隔を置いてほぼ平行に対向している。一対の側板17b、17cおよび一対の側板17d、17eは、液晶パネル12の対応する側縁と僅かな隙間(例えば、0.1~0.5mm)を介して対向している。これらの側板17b、17c、17d、17eの上端縁は、接着剤ALに差し込まれ、上端縁とカバーパネル14の内面との間に接着剤ALが介在した状態で、接着剤ALによりカバーパネル14に貼付および固定されている。このように接着剤ALを介在させることにより、側板の上端縁がカバーパネル14の内面に直接的に接触して傷付けることを防止できる。また、接着剤AL自体の弾性により、ケース16の歪をカバーパネル14および液晶パネル12に伝え難くし、液晶パネル12のギャップムラの発生等を回避することができる。
なお、各側板の上端縁にケース外側に延出するフランジを設け、このフランジを両面テープあるいは接着層によりカバーパネル14に貼付および固定するようにしてもよい。フランジを設けた場合、接着面積が拡大し、ケース16をカバーパネル14に強固に固定することができる。
【0017】
図14に示すように、ケース16をカバーパネル14に取付けた状態において、液晶パネル12から延出するFPC22a、22bは、側板17bの凹部18を挿通してケース16の外方へ延出している。
【0018】
バックライトユニット20について説明する。
図2および
図3に示すように、バックライトユニット20は、ケース16内に載置された複数の光学部材、および、光学部材に光を供給する光源装置(光源ユニット)30を有している。光学部材は、底板17a上に敷設された後述の反射シートREと、反射シートRE上に配置される矩形状の導光板LGと、導光板LG上に配置される複数枚、例えば、ほぼ矩形状の3枚の光学シートOS1、OS2、OS3と、を含んでいる。
【0019】
光源ユニット30は、ケース16の長辺とほぼ等しい長さを有する細長い帯状のプリント配線基板(FPC、以下、配線基板と称する)31と、配線基板31上に実装された複数の光源、例えば、発光ダイオード(LED)32とを有している。光源ユニット30は、底板17a上で、側板17bの近傍に配置され、側板17bの全長に沿って延在している。複数のLED32は、配線基板31の長手方向(側板17bと平行な方向)に所定のピッチで並んで設けられている。なお、配線基板31は、一側縁から延出した図示しない接続端部を有し、この接続端部をFPC22a又は22b、あるいは、制御回路基板19に接続することにより電源に接続可能となっている。
【0020】
バックライトユニット20あるいはケース16は、光源ユニット30に重ねて配置される細長い角柱形状のスペーサ板34と、側板17bに装着され光学シートOS1~OS3を押える第2押え部材40と、を更に備えている。
スペーサ板34は、例えば、合成樹脂で形成されている。スペーサ板34は、側板17bの長さとほぼ等しい長さを有する上面34aと、側板17bに対向する側面34bと、光源ユニット30に対向する底面34dと、導光板LGに対向する側面34cを有している。上面34aの2か所に、位置決め用の凹部35が設けられ、更に、凹部35の底面に位置決めピン33が突設されている。また、スペーサ板34の側面34bは、側板17bに当接可能な2つの凸部36a、36bと、側板17bに隙間を置いて対向する3つの凹部37a、37b、37cと、を有している。2つの凸部36a、36bは、それぞれ側板17bの凹部18が設けられた部分に当接する位置に設けられ、凹部37a、37b、37cは各凸部36a、36bの長手方向の両側に設けられている。また、スペーサ板34の底面34dおよび側面34cには、それぞれLED32を収容するための多数の凹部38が形成されている。
【0021】
図5は、第2押え部材および第2押え部材の一部を拡大して示す斜視図である。
図示のように、第2押え部材40は、例えば、金属板材をL形状に折り曲げて形成され、細長い矩形状の第2押え部40aと、それぞれ第2押え部40aの一側縁と直交する複数、例えば、3つの第1固定部40bと、それぞれ第2押え部40aの上記一側縁と直交する2つの第2固定部40cと、第1押え部40aの長手方向の両端縁と直交する2つの矩形状の第3固定部40dと、を一体に有している。
【0022】
第2押え部40aは、側板17bとほぼ等しい長さ、およびスペーサ板34の上面34aの幅よりも大きい所定の幅を有している。第1固定部40bと第2固定部40cは第2押え部40aの長手方向に交互に並んで設けられている。本実施形態では、第1固定部40bは、第2押え部材40の長手方向の両端部および中央部に設けられ、第2固定部40cはそれぞれ2つの第1固定部40bの間に設けられている。3つの第1固定部40bは第2押え部40aと直交する第1平面上に並んで配置され、2つの第2固定部40cは、第2押え部40aと直交する第2平面上に並んで配置されている。第1平面と第2平面とは、所定の間隔、例えば、側板17bの板厚とほぼ等しい間隔を置いて対向している。すなわち、各第2固定部40cは、第1固定部40bに対して、第2押え部40aから離間する方向に、側板17bの板厚分だけずれた位置に、かつ、第1固定部40bとほぼ平行に設けられている。
【0023】
第1固定部40b、第2固定部40c、および第3固定部40dの高さ(幅)H4(
図13参照)は、バックライトユニット20の厚さよりも大きく形成されている。
各第1固定部40bには、ケース16の外方側に僅かに突出する1つあるいは複数の第1係止爪42aが設けられている。各第2固定部40cには、ケース16の内方側に僅かに突出する第2係止爪42bが設けられている。各第3固定部40dには、ケース16の外方側に僅かに突出する1つあるいは複数の第3係止爪42cが設けられている。第1、第2、第3係止爪42a、42b、42cは、例えば、各固定部を構成している板材の一部を切り起こした切起し片により形成される。
【0024】
図2、
図3、および
図9乃至
図14に示すように、バックライトユニット20の反射シートREは、ケース16の底板17a上に載置され、光源側の端部を除いて底板17aのほぼ全面と対向している。本実施形態では、反射シートREは、両面テープTP2を介して底板17aに貼付されている。
導光板LGは、透光性を有する樹脂、例えば、アクリル系あるいはシリコン系の樹脂、を矩形状に形成してなり、直方体状を成している。導光板LGは、出射面となる第1主面S1と、この第1主面S1の反対側の第2主面S2と、第1主面S1の端部と第2主面S2の端部の間に設けられる入射面EFと、を有している。本実施形態では、導光板LGの長辺側の一側面を入射面EFとしている。導光板LGは、平面視でケース16の内法寸法よりも僅かに小さい寸法(長さ、幅)、かつ、液晶パネル12の表示領域DAよりも僅かに大きな寸法に形成されている。導光板LGは、第2主面S2が反射シートREに対向した状態で、反射シートRE上に重ねて載置されている。導光板LGの入射面EFは、ケース16の側板17bと隙間をおいて対向している。導光板LGの他の側面は、それぞれ僅かな隙間(例えば、0.1~0.5mm程度)を置いてケース16の側板17c、側板17d、17eに対向している。
【0025】
図3、
図13、
図14に示すように、光源ユニット30は、底板17a上で側板17bの近傍に配置され、側板17bに全長に沿って設けられている。配線基板31は、両面テープTP3により底板17aに貼付されている。配線基板31は、反射シートREと側板17bとの間に配置されている。導光板LGの光源側の端部は、配線基板31の側縁部上に位置し、両面テープ等により配線基板31に貼付されている。配線基板31上に実装された複数のLED32は、それぞれ出射面が導光板LGの入射面EFに隣接対向し、あるいは、入射面EFに当接している。
スペーサ板34は、導光板LGの入射面EFと側板17bとの間に配置され、配線基板上31上に重ねて載置されている。スペーサ板34の底面34dの少なくとも一部は、両面テープあるいは接着層により配線基板31に貼付されている。スペーサ板34の一側面は入射面EFに当接し、他側面側の凸部36a、36bは側板17bに当接し、あるいは、わずかな隙間を置いて側板17bに対向している。スペーサ板34により、導光板LGと側板17bとの間隔が一定に維持されている。
図7は、ケース16に装着されたスペーサ板34の一部を示す斜視図である。
図7、
図13、
図14に示すように、スペーサ板34を装着した状態において、各LED32は、スペーサ板34の対応する凹部38内に隙間を持って収容されている。また、導光板LGの第1主面S1は、スペーサ板34の凹部35の底面とほぼ面一に位置している。
【0026】
図3に示すように、光学シートOS1~OS3は、それぞれ矩形状に形成され、導光板LGの長さとほぼ等しい長さ、および導光板LGの幅よりも僅かに大きな幅に形成されている。光学シートOS1は、光源側となる一方の長辺から突出した位置決め用の2つの凸部PP1を有している。各凸部PP1の中央に位置決めピンを挿通するための孔THが形成されている。同様に、光学シートOS2、OS3は、長辺から突出した位置決め用の2つの凸部PP2、PP3をそれぞれ有し、各凸部に孔THが形成されている。また、少なくとも1枚の光学シートに、例えば、最下層の光学シートOS1の光源側端部および凸部PP1上に、黒色印刷層等からなる遮光層BLが設けられている。
本実施形態においては、光学シートOS1、OS2、OS3として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂で形成された拡散シートOS1、OS2およびプリズムシートOS3を用いている。
【0027】
図3および
図9乃至
図14に示すように、光学シートOS1、OS2、OS3は、導光板LGの第1主面S1上に順に重ねて載置されている。また、
図8および
図13に示すように、光学シートOS1~OS3の凸部PP1、PP2、PP3は、スペーサ板34の凹部35に順に積層して配置され、更に、孔THに位置決めピン33が挿通されている。凸部PP1に両面テープTP5を介して凸部PP2が貼付され、凸部PP2に両面テープTP6を介して凸部PP3が貼付されている。更に、凸部PP3およびスペーサ板34の上面34aに両面テープTP7が貼付され、凸部PP3はスペーサ板34に固定されている。これにより、光学シートOS1、OS2、OS3は、凸部PP1、PP2、PP3により、面方向の位置が位置決めされている。従って、
図9乃至
図14に示すように、光学シートOS1、OS2、OS3の光源側の側縁を除く、少なくとも3つの側縁は、それぞれ僅かな隙間(例えば、0.1~0.5mm程度)を介してケース16の側板17c、側板17d、17eに対向している。そして、最上層の光学シートOS3は、所定の隙間を介して、液晶パネル12の背面のほぼ全面に対向している。
【0028】
図2および
図9に示すように、光学シートOS1~OS2を導光板LG上に敷設した状態において、第1押え部材24の第1押え部24aは、光学シートOS3と液晶パネル12との間に介在し、光学シートOS3の反光源側端部に僅かな隙間を置いて対向している。第1押え部24aは、液晶パネル12の額縁領域EDと重畳する位置に設けられ、僅かな隙間(例えば、0.5~2.0mm)を置いて液晶パネル12に対向している。第1押え部24aは、光学シートOS1~OS2の反光源側の端部に対向し、これら光学シートの厚さ方向における位置ずれを規制している。更に、カバーパネル14および液晶パネル12に負荷が作用し液晶パネル12が僅かに撓んだ場合、液晶パネル12は第1押え部24aに当接し、この第1押え部24aにより支持される。
【0029】
図6は、ケースの側板およびこの側板に装着された第2押え部材の断面を含むバックライトユニットの光源側端部を示す平面図である。
図3、
図6、および
図12~
図14に示すように、第2押え部材40は、第1固定部40bおよび第2固定部40cをケース16の側板17bに装着することにより、ケース16に固定される。3つの第1固定部40bは、それぞれ側板17bの内面とスペーサ板34との間に配置され、第1固定部40bの第1係止爪42aが側板17bの第1係止爪21aと係合することにより、側板17bに取付けられている。2つの第2固定部40cは、2つの凹部18が設けられた位置で側板17bの外面側に配置され、第2固定部40cの第2係止爪42bが側板17bの第2係止爪21bとそれぞれ係合することにより、側板17bに取付けられている。更に、一対の第3固定部40dは、それぞれ対応する側板17d、17eの内面に当接し、第3固定部40dの第3係止爪42cが側板17d、17eの第3係止爪21cと係合することで、側板17d、17eに取付けられている。このように、第2押え部材40は、複数の第1固定部40aと複数の第2固定部40cとにより側板17bを両面側から挟み込んだ状態で、側板17に固定されている。
【0030】
図12乃至
図14に示すように、第2押え部材40の第2押え部40aは、側板17bからケース16の内方に向かってほぼ垂直に延出し、光学シートOS3の光源側端部と液晶パネル12との間に介在している。第2押え部40aは、側板17bの全長に亘って延在し、光源ユニット30、スペーサ板43、導光板LGの光源側端部、および光学シートOS1~OS3の光源側端部を覆っている。第2押え部40aは、液晶パネル12の額縁領域EDと重畳する位置に設けられ、僅かな隙間(例えば、0.5~2.0mm)を置いて液晶パネル12に対向している。第2押え部40aは、僅かな隙間を介して、光学シートOS3の光源側端部に対向している。本実施形態において、第2押え部40aの延出端部と液晶パネル12の背面との間に弾性材層として機能するクッションシートCHあるいは接着剤層が設けられている。第2押え部40aの延出端部は、クッションシートCHを介して液晶パネル12の背面に当接し液晶パネル12を支持可能となっている。
【0031】
上記のように構成された第2押え部材40は、光学シートOS1~OS2の熱膨張を許容しつつ、光学シートの位置ずれを規制している。第1固定部40bおよび第2固定部40cによって側板17bを両面から挟み込む構造とすることにより、側板17bおよびケース16の機械的強度を上げることが可能となる。また、第2押え部40aは、対向する側板17dから側板17eに亘って延在し、両側板17d、17eおよび側板17bに連結されていることから、第2押え部40aは梁材として機能し、ケース16の光源側端部の機械的強度を上げている。更に、第2押え部40aは、光源ユニット30を覆うように配置されていることから、光源ユニット30からの漏れ光を遮光する遮光部材として機能している。
上記のように構成されたバックライトユニット20は、カバーパネル14に固定されたケース16内に収容され、このケース16を介してカバーパネル14に支持されている。バックライトユニット20は、隙間を介して液晶パネル12に対向し、液晶パネルに直接的に接触していない。
【0032】
以上のように構成された本実施形態の液晶表示装置によれば、液晶パネル12にカバーパネル14を固定し、更に、バックライトユニット20を収容したケース16をカバーパネル14に直接固定した構造とすることにより、従来用いていたフロントフレーム、樹脂フレーム等を削除でき、薄型、狭額縁の液晶表示装置を実現することができる。また、ケース16の反光源側に第1押え部材24を設け、この第1押え部材24により、光学シートOS、導光板LG等の光学部材の厚さ方向の位置ずれ、脱落を防止している。
ケース16の光源側の側板に金属板からなる第2押え部材を設け、この第2押え部材40で光源ユニットおよび導光板および光学シートの光源側端部を覆うことにより、光学シートOSおよび導光板LGの厚さ方向の位置ずれおよび脱落を防止している。第2押え部材40で覆うことにより、光学シート端や導光板の端の見えやLED配置側の見栄え分布の改善を図ることができる。同時に、第2押え部材40により光源ユニット30からの漏れ光を遮光することができ、光源側端部の見栄えおよび表示品位を向上することができる。更に、第2押え部材40をケース16の側板17bおよび一対の側板17d、17eに固定することにより、第2押え部材40を梁として機能させ、ケース16の光源側端部の剛性および機械的強度を上げることができる。
【0033】
前述したように、バックライトユニット20を収容したケース16、すなわち、バックライトユニット20を支持しているケース16をカバーパネル14に固定し、バックライトユニット20をケース16を介してカバーパネル14で支持する構成とすることにより、バックライトユニット20と液晶パネル12の背面との間に隙間を置いた状態でバックライトユニット20および液晶パネル12をケース16内に配置することが可能となる。そして、このような隙間を設けることにより、バックライトユニット20の歪、振動等が液晶パネルに影響を与えることがなく、液晶パネルの表示異常の発生を回避することが可能となる。
以上のことから、本実施形態によれば、剛性、強度を維持しつつ薄型化、狭額縁化が可能な液晶表示装置が得られる。
【0034】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0035】
本発明の実施形態として上述した各構成を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての構成も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。例えば、液晶パネル、バックライトユニットの構成部材、およびケースの外形状および内形状は、矩形状に限定されることなく、外形あるいは内形のいずれか一方あるいは両方を平面視で多角形状や円形、楕円形、およびこれらを組み合わせた形状等の他の形状としてもよい。液晶表示装置およびバックライト装置は、平坦な形状に限らず、一部あるいは全部が湾曲あるいは傾斜した形状としてもよい。構成部材の材料は、上述した例に限らず、種々選択可能である。
上述した実施形態によりもたらされる他の作用効果について本明細書の記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものついては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0036】
10…液晶表示装置、12…液晶パネル、14…カバーパネル、16…ケース、
17a…底板、17b、17c…側板、17d、17e…側板、
20…バックライトユニット(バックライト装置)、24…第1押え部材、
24b…第1押え部、30…光源ユニット(光源装置)、32…LED、
34…スペーサ板、40…第2押え部材、40a…第2押え部、40b…第1固定部、
40c…第2固定部、LG…導光板、OS1、OS2、OS3…光学シート