(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】堆肥化装置
(51)【国際特許分類】
C05F 17/979 20200101AFI20221018BHJP
C05F 3/06 20060101ALI20221018BHJP
B09B 3/60 20220101ALI20221018BHJP
【FI】
C05F17/979
C05F3/06 D
B09B3/60
(21)【出願番号】P 2019064478
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】506310050
【氏名又は名称】株式会社アクト
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】内海 洋
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-158682(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108424195(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0003700(KR,A)
【文献】特開昭57-150378(JP,A)
【文献】中国実用新案第201292320(CN,Y)
【文献】特開2015-171992(JP,A)
【文献】実開昭59-079300(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05B 1/00-21/00
C05C 1/00-13/00
C05D 1/00-11/00
C05F 1/00-17/993
C05G 1/00- 5/40
B09B 1/00- 5/00
B09C 1/00- 1/10
C02F 11/00-11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を堆肥化処理するための堆肥化装置であって、
複数の溝部を有する床体と、
この床体上の被処理物に空気を供給する空気供給手段とを備え、
前記空気供給手段は、
前記溝部内に位置する多孔管体と、
この多孔管体に空気を供給するための送風機とを有し、
前記多孔管体は、
複数の第1孔を有する第1多孔管と、
この第1多孔管の下流端側に接続され、複数の第2孔を有し、前記第1多孔管よりも細い第2多孔管とを有する
ことを特徴とする堆肥化装置。
【請求項2】
第2多孔管の軸方向に互いに隣り合う第2孔間の距離が、第1多孔管の軸方向に互いに隣り合う第1孔間の距離よりも短い
ことを特徴とする請求項
1記載の堆肥化装置。
【請求項3】
第2多孔管の第2孔の開口寸法が、第1多孔管の第1孔の開口寸法よりも大きい
ことを特徴とする請求項
1記載の堆肥化装置。
【請求項4】
第2多孔管の軸方向に互いに隣り合う第2孔間の距離が、第1多孔管の軸方向に互いに隣り合う第1孔間の距離よりも短く、かつ、前記第2多孔管の前記第2孔の開口寸法が、前記第1多孔管の前記第1孔の開口寸法よりも大きい
ことを特徴とする請求項
1記載の堆肥化装置。
【請求項5】
床体上の被処理物を撹拌する移動可能な撹拌手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし
4のいずれか一記載の堆肥化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物を堆肥化処理するための堆肥化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された堆肥化装置(有機廃棄物の発酵処理装置)が知られている。
【0003】
この従来の堆肥化装置は、2条の溝部を有する床体と、この床体上の被処理物(有機廃棄物)に空気を供給する空気供給手段(給気手段)とを備えている。また、空気供給手段は、床体の溝部内に位置する多孔管と、この多孔管に空気を供給するための送風機とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の堆肥化装置では、上流端から下流端にわたって等径状の多孔管のうち、下流側(送風機側とは反対側)に位置する部分の孔から供給される空気の供給量は、圧力損失の影響により、上流側(送風機側)に位置する部分の孔から供給される空気の供給量よりも少なく、その結果、多孔管の下流側付近では、被処理物に対する空気の供給量が不十分となるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、被処理物に対して均一に空気を供給できる堆肥化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の堆肥化装置は、被処理物を堆肥化処理するための堆肥化装置であって、複数の溝部を有する床体と、この床体上の被処理物に空気を供給する空気供給手段とを備え、前記空気供給手段は、前記溝部内に位置する多孔管体と、この多孔管体に空気を供給するための送風機とを有し、前記多孔管体は、前記床体上の被処理物に対して均一に空気が供給されるように、管太さ、孔間距離及び孔開口寸法のうち少なくともいずれか1つが変化しているものである。
【0008】
請求項2記載の堆肥化装置は、被処理物を堆肥化処理するための堆肥化装置であって、複数の溝部を有する床体と、この床体上の被処理物に空気を供給する空気供給手段とを備え、前記空気供給手段は、前記溝部内に位置する多孔管体と、この多孔管体に空気を供給するための送風機とを有し、前記多孔管体は、複数の第1孔を有する第1多孔管と、この第1多孔管の下流端側に接続され、複数の第2孔を有し、前記第1多孔管よりも細い第2多孔管とを有するものである。
【0009】
請求項3記載の堆肥化装置は、請求項2記載の堆肥化装置において、第2多孔管の軸方向に互いに隣り合う第2孔間の距離が、第1多孔管の軸方向に互いに隣り合う第1孔間の距離よりも短いものである。
【0010】
請求項4記載の堆肥化装置は、請求項2記載の堆肥化装置において、第2多孔管の第2孔の開口寸法が、第1多孔管の第1孔の開口寸法よりも大きいものである。
【0011】
請求項5記載の堆肥化装置は、請求項2記載の堆肥化装置において、第2多孔管の軸方向に互いに隣り合う第2孔間の距離が、第1多孔管の軸方向に互いに隣り合う第1孔間の距離よりも短く、かつ、前記第2多孔管の前記第2孔の開口寸法が、前記第1多孔管の前記第1孔の開口寸法よりも大きいものである。
【0012】
請求項6記載の堆肥化装置は、請求項1ないし5のいずれか一記載の堆肥化装置において、床体上の被処理物を撹拌する移動可能な撹拌手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被処理物に対して均一に空気を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る堆肥化装置の要部の平面図である。
【
図4】同上堆肥化装置の空気供給手段の多孔管体の下面図である。
【
図6】本発明の第2の実施の形態に係る堆肥化装置における多孔管体の断面図である。
【
図7】本発明の第3の実施の形態に係る堆肥化装置における多孔管体の下面図である。
【
図8】本発明の第4の実施の形態に係る堆肥化装置の要部の概略平面図である。
【
図9】本発明の第5の実施の形態に係る堆肥化装置の要部の概略平面図である。
【
図10】排水管を前側に設けた例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の実施の形態について
図1ないし
図5を参照して説明する。なお、
図1に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として説明する。
【0016】
図中の1は堆肥化装置で、この堆肥化装置1は、被処理物Wを好気性微生物による好気性発酵により堆肥化処理するための装置(設備)である。つまり、この堆肥化装置1は、有機物を含む有機廃棄物である被処理物Wを堆肥化して堆肥(処理済み物)を得るための有機廃棄物発酵処理装置である。なお、被処理物Wは、例えば畜糞である牛糞におがくず等を加えたものである。
【0017】
堆肥化装置1は、左右方向に細長い矩形板状の床体2と、この床体2の長手方向両端部にそれぞれ立設された左壁体3及び右壁体4と、床体2の後端部に立設された後壁体5とを備えている。これら床体2、左壁体3、右壁体4及び後壁体5によって、その中で被処理物Wの堆肥化処理が行われる前面開口状のコンクリート製の発酵槽6が構成されている。なお、発酵槽6の上方部は、屋根体(図示せず)によって覆われている。
【0018】
床体2の前端部における左右方向に等間隔をおいた複数の所定箇所には、屋根体の前端部を支持する前柱体7が立設されている。互いに隣り合う両前柱体7間には、前方に向かって開口する開口部(前面開口部)9が形成されている。そして、この開口部9を介して、被処理物Wの発酵槽6への投入及び処理済み後の堆肥の発酵槽6からの取り出しが行われる。
【0019】
なお、
図1及び
図2に示されるように、発酵槽6の床体2は、前柱体7を基準として、左右方向に並ぶ複数、すなわち例えば同じ大きさの6つのゾーン(「ゾーン1」~「ゾーン6」)に分かれている。
【0020】
床体2は、上方に向かって開口する前後方向長手状の複数の溝部11を有し、これら複数の溝部11の後端部は、床体2の長手方向一端部から長手方向他端部にわたって位置する左右方向長手状の1本の共通溝部12に連通している。細長い複数本の溝部11は、互いに間隔をおいて床体2の全体にわたって左右方向に並設されている。
【0021】
図1及び
図3の矢印で示すように、被処理物Wからでた水は、各溝部11内を流れた後、共通溝部12の下方の排水管10内を流れて排水桝13に流入するようになっている。つまり、各溝部11の内底面(溝底面)11aは、下流側(後壁体5側である後側)が低くなるように、水平方向に対して所定の傾斜角度(水勾配)をもって若干傾斜している。また、共通溝部12の内底面(溝底面)12aには孔部15が形成されており、各溝部11から流れてきた水は、その孔部15を通って排水管10内に流れ込み、その後排水桝13に流入する。なお図示しないが、排水管10の上部のうち孔部15に対応する部分には、水を排水管10内に流入するための孔部が形成されている。
【0022】
なお、各溝部11の内底面11aは、下流側である後側が低くなるように、水平方向に対して所定の傾斜角度(後方への水勾配)をもって若干傾斜した構成には限定されず、例えば下流側である前側が低くなるように、水平方向に対して所定の傾斜角度(前方への水勾配)をもって若干傾斜した構成でもよい。この場合には、例えば排水管10及び排水桝13を前側に設ける(
図10を参照)。
【0023】
また、堆肥化装置1は、発酵槽6に投入されて床体2上に堆積された被処理物Wに空気を供給する複数(例えば6つ)の同一構成の空気供給手段21を備えている。つまり、この堆肥化装置1では、6つの各ゾーンごとに、1つの空気供給手段21がそれぞれ設けられている。
【0024】
さらに、堆肥化装置1は、発酵槽6に投入されて床体2上に堆積された被処理物Wを撹拌する前後方向及び左右方向に移動可能な撹拌手段22を備えている。この撹拌手段22は、所定方向に回転しながら被処理物Wを撹拌する撹拌回転体23を有するスクリュー式のものである。なお、撹拌手段22は、スクリュー式には限定されず、例えばコンベヤ式等でもよく、その構成は任意である。
【0025】
各空気供給手段21は、床体2の溝部11内に配置され、被処理物Wに空気を供給する空気供給用の複数の多孔管体26と、これら複数の多孔管体26に空気を供給するための送風機27と、これら多孔管体26と送風機27とを接続する接続管体28とを有している。送風機27は、発酵槽6外の空気(大気中の外気)を取り入れることができるように、発酵槽6の後壁体5の後方側に設けられている。
【0026】
ここで、多孔管体26の具体的な構成について
図4及び
図5を参照して説明する。
【0027】
図4に示すように、多孔管体26は、複数の第1孔31aを有する等径状の第1多孔管(例えばVPパイプ100)31と、この第1多孔管31の下流端部に管継手(例えばVPソケット100×75)34を介して接続され、複数の第2孔32aを有し、第1多孔管31よりも細い等径状の第2多孔管(例えばVPパイプ75)32と、この第2多孔管32の下流端部に管継手(例えばVPソケット75×50)35を介して接続され、複数の第3孔33aを有し、第2多孔管32よりも細い等径状の第3多孔管(例えばVPパイプ50)33とを有している。
【0028】
第3多孔管33の下流端部には、この第3多孔管33の下流端側の開口を閉鎖する閉鎖部材であるキャップ36が取り付けられている。このキャップ36の下端部は、床体2の溝部11の内底面11aに当接している。そして、前後方向長手状の多孔管体26と溝部11の内底面11aとの間には、所定の大きさの隙間40が存在している(
図3参照)。なお、3本の多孔管31,32,33を有する多孔管体26は、水平方向に対して所定角度をもって前低後高の傾斜状に若干傾斜している。
【0029】
そして、上述のように、各多孔管体26では、第2多孔管32は第1多孔管31よりも細く、かつ、第3多孔管33は第2多孔管32よりも細い。なお、これらパイプ径が異なる3本の多孔管(送風パイプ)31,32,33は、いずれも同じ肉厚の円筒状のパイプである。
【0030】
また、第2多孔管32の軸方向に互いに隣り合う両第2孔32a間の距離(
図4中のP2)は、第1多孔管31の軸方向に互いに隣り合う両第1孔31a間の距離(
図4中のP1)よりも短く、かつ、第3多孔管33の軸方向に互いに隣り合う両第3孔33a間の距離(
図4中のP3)は、第2多孔管32の軸方向に互いに隣り合う両第2孔32a間の距離(図中のP2)よりも短い(P1>P2>P3)。なお、ピッチである孔間距離(P1、P2、P3)は、各多孔管31,32,33において、図示した如く一定でもよく、また、下流側に向かって減少変化してもよい。
【0031】
そして、この
図4に図示した例では、被処理物Wに向けて空気を噴射する円形状の空気供給孔である各孔31a,32a,33aの開口寸法(開口径)は、すべて同じである。それゆえ、この
図4に示す多孔管体26は、床体2上の被処理物Wに対して均一に空気が供給されるように、軸方向の位置に応じて、管太さ、孔間距離及び孔開口寸法のうち少なくともいずれか1つ、すなわち例えば管太さ及び孔間距離の2つが段階的に変化している。
【0032】
また、
図5から明かなように、各多孔管31,32,33で2列状をなす孔31a,32a,33aは、多孔管31,32,33の下部に左右対をなすように形成されている。多孔管31,32,33の中心Oを通る鉛直線aと、その中心Oと孔31a,32a,33aとを通る傾斜線bとがなす角度αは、例えば45°である。
【0033】
他方、接続管体28は、
図4に示すように、床体2の共通溝部12内に位置する接続管(例えば第1多孔管よりも太いパイプであるVPパイプ200)41を有し、この接続管41は、管継手(例えばVPチーズ200×100)42を介して第1多孔管31の上流端部に接続されている。
【0034】
また、接続管体28は、発酵槽6外に位置する縦管(例えばVPパイプ200)45を有し、この縦管45の下流端部は、管継手(例えばVPエルボ200)46、横管(例えばVPパイプ200)47及び管継手(例えばVPチーズ200)48を介して接続管41に接続されている。縦管45の上流端部は、接続ホース49を介して送風機27に接続されている。なお、送風機27には、この送風機27を制御する制御手段(図示せず)が電気的に接続されている。
【0035】
次に、上記堆肥化装置1の作用等を説明する。
【0036】
堆肥化装置1の発酵槽6に投入されて床体2上に堆積された被処理物Wは、空気供給手段21による空気供給と、撹拌手段22による撹拌とに基づき、堆肥化処理されて低水分の粉状の堆肥となる。この低水分(例えば水分約30%)の粉状の堆肥は、発酵槽6から取り出されて有効利用される。
【0037】
そして、この堆肥化装置1によれば、空気供給手段21の各多孔管体26は、床体2上の被処理物Wに対して均一に空気が供給されるように、軸方向(長手方向)の位置に応じて、管太さ、孔間距離及び孔開口寸法のうち少なくともいずれか1つ、すなわち例えば管太さ及び孔間距離の2つが変化しているため、発酵槽6の床体2上に堆積された被処理物Wに対して全体的に均一かつ十分に空気を供給でき、よって、被処理物Wを効率良く堆肥化処理できる。
【0038】
すなわち、多孔管体26の上流端側(送風機側である基端側)と下流端側(送風機側とは反対側である先端側)とで、空気の供給量のばらつきがなく、全体にわたって一定となり、その結果、被処理物Wの全体にわたって適正な発酵条件が維持され、被処理物W中の好気性微生物が活発に増殖及び活動を繰り返すこととなり、よって、被処理物Wを効率良く堆肥化できる。
【0039】
また、多孔管体26の空気供給用の孔31a,32a,33aは、多孔管31,32,33の下部に形成されているため、被処理物Wが孔31a,32a,33aに詰まってしまうのを防止でき、各孔31a,32a,33aから被処理物W内に空気を適切に供給できる。
【0040】
さらに、水平方向に対して傾斜状の多孔管体26と溝部11の水平な内底面11aとの間に隙間40が存在することから、孔31a,32a,33aから噴出された空気が、隙間40を経て溝部11内を上方へ流動するため、一定量の空気を被処理物W内に適切に供給できる。
【0041】
なお、上記第1の実施の形態では、孔31a,32a,33aが多孔管31,32,33の下部の形成された構成について説明したが、例えば
図6に示す第2の実施の形態の如く、孔31a,32a,33aが多孔管31,32,33の上部に形成された構成でもよい。また、例えば図示しないが、孔が多孔管の上部及び下部の両方にそれぞれ形成された構成でもよい。
【0042】
また、例えば
図7に示す第3の実施の形態の如く、多孔管体26は、床体2上の被処理物Wに対して均一に空気が供給されるように、軸方向の位置に応じて、管太さ、孔間距離及び孔開口寸法の3つのすべてが徐々に変化する構成でもよい。
【0043】
この
図7に図示した例では、多孔管体26の管太さ(パイプ径)が上流側から下流側に向かって細く変化し、多孔管体26の孔間距離(ピッチ)が上流側から下流側に向かって短く変化し、多孔管体26の孔開口寸法(孔径)が上流側から下流側に向かって大きく変化している。なお、これら管太さの変化、孔間距離の変化及び孔開口寸法の変化は、段階的でもよく、連続的でもよい。
【0044】
また、例えば図示しないが、管太さのみが下流側に向かって細く変化する構成、孔間距離のみが下流側に向かって短く変化する構成、孔開口寸法のみが下流側に向かって大きく変化する構成、孔間距離が一定で管太さ及び孔開口寸法の2つが変化する構成、管太さが一定で孔間距離及び孔開口寸法の2つが変化する構成等でもよい。
【0045】
また、例えば
図8に示す第4の実施の形態の如く、隣接する2つのゾーンごとに1つの空気供給手段21が設けられた構成でもよく、この堆肥化装置1は、3つの同一構成の空気供給手段21を備えている。
【0046】
さらに、例えば
図9に示す第5の実施の形態の如く、発酵槽6が床体2、前壁体8及び後壁体5によって構成され、発酵槽6の左端の開口部9aを介して被処理物Wの発酵槽6への投入が行われ、発酵槽6の右端の開口部9bを介して処理後の堆肥の発酵槽6からの取り出しが行われる構成等でもよい。
【0047】
なお、上記いずれの実施の形態においても、互いに平行な複数本の直線状の多孔管体は、前後方向長手状の溝部内に位置する前後方向に延びる構成として説明したが、例えば図示しないが、左右方向長手状の複数の溝部が床体に形成され、この各溝部内に多孔管体が位置する構成としてもよい。
【0048】
また、各多孔管体が有するパイプの本数は、3本には限定されず、例えば2本でもよく、4本以上でもよい。
【0049】
さらに、堆肥化処理される被処理物(堆肥原料)Wは、牛糞には限定されず、例えば豚糞、鶏糞等でもよく、或いは、家庭からでる生ごみ等でもよい。
【0050】
本発明のいくつかの実施の形態及びその変形例等について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、前記各実施の形態及び各変形例等を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 堆肥化装置
2 床体
11 溝部
21 空気供給手段
22 撹拌手段
26 多孔管体
27 送風機
31 第1多孔管
31a 第1孔
32 第2多孔管
32a 第2孔
W 被処理物