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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】クリーナヘッド
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/00 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
B08B5/00 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020181104
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022071955
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】500469109
【氏名又は名称】有限会社タクショー
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】添本 和彦
(72)【発明者】
【氏名】宇澤 啓
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特許第4940323(JP,B2)
【文献】特開2000-334334(JP,A)
【文献】実開平03-079852(JP,U)
【文献】特開2004-188321(JP,A)
【文献】特開平09-136046(JP,A)
【文献】特開2003-260386(JP,A)
【文献】登録実用新案第3158301(JP,U)
【文献】特開2014-064987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包囲外壁部(1)と、該包囲外壁部(1)の内部空間(1M)をバキューム空間(10)とプレッシャ空間(15)とバキューム空間(10)に区画形成する一対の区画内壁部(3
)(3)とを、一体に有する押出型材から作成されたクリーナヘッド本体(5)を備え、
上記包囲外壁部(1)は、横断面において、被除塵面(9)に対向して配設される一辺(1A)を有し、
一対の上記区画内壁部(3)(3)の間に形成された上記プレッシャ空間(15)内の高圧エアーを噴出する微小間隙寸法(ε)の吐出用スリット(2)を、上記一辺(1A)に開設したクリーナヘッドに於て、
上記区画内壁部(3)が、上記微小間隙寸法(ε)が増減するように揺動自在であって、
上記一辺(1A)に直交状の一対の側壁部(1B)(1B)の各々の外部(11)から回転操作して、押圧力(F1引張力(F2 )を、上記区画内壁部(3)(3)に対して交互に付与し、上記区画内壁部(3)を揺動させることにより上記微小間隙寸法(ε)を増減調整する押圧引張手段(Y)を、具備し、
上記押圧引張手段(Y)は、
一対の上記側壁部(1B)(1B)の各々の長手方向に沿って、所定ピッチ(P 0 )をもって大径ネジ孔(13)を配設し、
さらに、一対の上記区画内壁部(3)(3)の長手方向に沿って、上記所定ピッチ(P 0 )と同一ピッチをもって、かつ、上記大径ネジ孔(13)と同一軸心上に小径ネジ孔(14)を配設し、
押圧ボルト(21)は上記大径ネジ孔(13)に適合する大径雄ネジ(21A)を有すると共に、上記小径ネジ孔(14)に遊嵌状に挿入されて押圧ボルト(21)の先端振れを防止する位置決め用小径突部(21C)が、押圧ボルト(21)の先端面(21B)から突設され、
引張ボルト(22)は、先端に上記小径ネジ孔(14)に適合する小径雄ネジ(22A)を有すると共に、基端(23)には、上記大径ネジ孔(13)に遊挿自在な中径雄ネジ(24)を有し、さらに、該中径雄ネジ(24)が上記側壁部(1B)から突出した部位(24E)に螺合する引張用調整ナット(25)を設け、
一対の上記側壁部(1B)(1B)の各々の長手方向に沿って、上記所定ピッチ(P 0 )をもって、上記押圧ボルト(21)と引張ボルト(22)を、交互に配設したことを特徴とするクリーナヘッド
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーナヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図7又は図8に示すような断面形状のクリーナヘッドが公知である(特許文献1参照)。
即ち、断面矩形状の包囲外壁部51と、この包囲外壁部51の内部を、バキューム空間52とプレッシャ空間53と、バキューム空間52に区画形成する一対の区画内壁部54,54とを、一体に有する押出型材から作成されたクリーナヘッド本体55を、備えている。
【0003】
中央のプレッシャ空間53内の高圧エアーは、矢印56のように噴出されて、ワーク(被除塵面)57に当たって、直ちに矢印58,58のようにバキューム空間52に吸引される。
図7に示すように、ワーク(被除塵面)57に対向する一辺59を有するが、図8図9に於て、この一辺59の拡大図を示し、一対の区画内壁部54の下端を連結する部位の中間には、微小間隙寸法εの吐出用スリット60が設けられている。さらに、一対の吸込用スリット61,61が一辺59に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4940323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、吐出用スリット60の間隙寸法εは、吸込用スリット61,61の各間隙寸法よりも十分に小さく、この吐出用スリット60の微小間隙寸法εが規定値よりも僅かに大きい場合には、エアー噴出速度が小さくなり、安定した十分な除塵作用効果が得られない。逆に、この吐出用スリット60の微小間隙寸法εが規定値よりも僅かに小さい場合には、エアー噴出時の圧力損失が増加するので、エアー噴出速度が増加せず、十分な除塵効果が得られない。
【0006】
そこで、図8図9に示したような、吐出用スリット60の間隙寸法εを増減調整するための間隙調整機構65が設けられていた。
この間隙調整機構65は、ネジ孔62,62付の帯板63と、各ネジ孔62に螺着されるボルト64,64と、一辺59の外部から座ぐり形成された大径座ぐり孔66と(内径D67の)中径孔67とを、備える。しかも、帯板63は、吐出用スリット60に連通すると共に浅い凹溝68を有すると共に、凹溝68とプレッシャ空間53とを連通する貫孔69を有している。
【0007】
上記間隙調整機構65によって、吐出用スリット60の微小間隙寸法εを調整する方法を説明すると、以下の通りである。
即ち、図9に於て、下方(外部)から六角レンチ等の作業工具にて(多数本の)ボルト64を緩め、薄い帯片状の計測ゲージにて間隙寸法εを何度も計測しつつ、区画内壁部54,54が相互に接近(又は分離)するように(断面において)揺動変形させつつ、間隙寸法εを規定値に保持し、直ちにボルト64を締付けて、間隙寸法εを規定値に設定できる。
【0008】
しかしながら、図8図9をもって説明した間隙調整機構65による吐出用スリット60の微小間隙寸法εの調整作業は次のような欠点があった。
つまり、(i)多数のボルト64の螺進・螺退の作業と、区画内壁部54,54を相互に接近・分離させて間隙寸法εを減少・増加させる作業とを同時又は交互に行うことは、熟練を要し、極めて難しい作業である点、(ii)一辺59の外部から前述の区画内壁部54,54を相互に接近させる作業は、微小な寸法の吸込用スリット61,61にバイス等を引掛ける必要があり、作業が難しいと共に、吸込用スリット61に傷を付ける虞れがある点、(iii) 印刷ローラ,延伸ローラ,プラスチックフィルム等の除塵作業中に、万一、ボルト64が緩んでくると、落下し易く、直ちに上記印刷ローラ等の被除塵面に接触して、損傷を与える重大事故の虞れがある点。
従来のクリーナヘッドの吐出用スリット60の間隙調整機構65には、上述したような欠点(i)(ii)(iii) があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、包囲外壁部と、該包囲外壁部の内部空間をバキューム空間とプレッシャ空間とバキューム空間に区画形成する一対の区画内壁部とを、一体に有する押出型材から作成されたクリーナヘッド本体を備え;上記包囲外壁部は、横断面において、被除塵面に対向して配設される一辺を有し;一対の上記区画内壁部の間に形成された上記プレッシャ空間内の高圧エアーを噴出する微小間隙寸法の吐出用スリットを、上記一辺に開設したクリーナヘッドに於て;上記区画内壁部が、上記微小間隙寸法が増減するように揺動自在であって、上記一辺に直交状の一対の側壁部の各々の外部から回転操作して、押圧力引張力を、上記区画内壁部に対して交互に付与し、上記区画内壁部を揺動させることにより上記微小間隙寸法を増減調整する押圧引張手段を、具備し;上記押圧引張手段は;一対の上記側壁部の各々の長手方向に沿って、所定ピッチをもって大径ネジ孔を配設し;さらに、一対の上記区画内壁部の長手方向に沿って、上記所定ピッチと同一ピッチをもって、かつ、上記大径ネジ孔と同一軸心上に小径ネジ孔を配設し;押圧ボルトは上記大径ネジ孔に適合する大径雄ネジを有すると共に、上記小径ネジ孔に遊嵌状に挿入されて押圧ボルトの先端振れを防止する位置決め用小径突部が、押圧ボルトの先端面から突設され;引張ボルトは、先端に上記小径ネジ孔に適合する小径雄ネジを有すると共に、基端には、上記大径ネジ孔に遊挿自在な中径雄ネジを有し、さらに、該中径雄ネジが上記側壁部から突出した部位に螺合する引張用調整ナットを設け;一対の上記側壁部の各々の長手方向に沿って、上記所定ピッチをもって、上記押圧ボルトと引張ボルトを、交互に配設した。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吐出用スリットの微小間隙寸法の調整を、側壁部の外部から容易に、かつ、確実に行うことが可能となる。しかも、吸込用スリット等に傷を付けることなく容易・迅速に作業を行い得る。また、吐出用スリットの微小間隙寸法の計測作業位置と、押圧引張手段の作業位置が、90°相違することとなり、両作業を、相互に干渉せずに迅速かつ正確に、行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の一形態を示したクリーナヘッド本体の横断面図である。
図2】本発明の要部構成を説明するための図であって、(A)は図1の要部拡大図、(B)は(A)の右側方から見た要部構成説明図、(C)はクリーナヘッドの外観斜視説明図である。
図3】本発明の要部構成を説明するための図であって、(A)は要部断面正面図、(B)は一部断面正面図、(C)は(A)の部分拡大図である。
図4】要部構成を説明するための図であって、(A)は要部断面正面図、(B)は(A)の要部拡大図である。
図5】他の実施形態を示す断面正面図である。
図6図5の要部拡大図である。
図7】従来例を示す断面正面図である。
図8】従来の間隙調整機構を説明する断面正面図である。
図9図8の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1図4に於て、本発明のクリーナヘッドは、断面矩形状の包囲外壁部1と、この包囲外壁部1の内部空間1Mを、バキューム空間10とプレッシャ空間15とバキューム空間10に、区画形成する一対の区画内壁部3,3とを、一体に有する押出型材から作成されたクリーナヘッド本体5を、備えている。
【0013】
このクリーナヘッド本体5は、図2(C)に、その一部を斜視図をもって示すように、比較的長手方向寸法が大きい長尺体である。即ち、外観は長尺の角筒であるといえる。また、図2(C)に示すように、クリーナヘッド本体5の左右各端の開口部は、矩形板6にて閉鎖され、一方の矩形板6には、高圧エアー供給管7と、エアー吸出管8,8が付設されている。本発明の説明に於て、クリーナヘッド本体5とは、矩形板6や高圧エアー供給管7・エアー吸出管8,8等の付属部材を除いた長尺体を指すものと定義する。
【0014】
そして、上記包囲外壁部1は、横断面において、被除塵面9に対向して(平行状に)配設される一辺1Aを有している。
一対の区画内壁部3,3の間に形成されたプレッシャ空間15内の高圧エアーを噴出する微小間隙寸法εの吐出用スリット2が、上記一辺1Aの中央位置に開設されている。
上記一辺1Aに直交状の(左右一対の)側壁部1B,1Bの各々の外部11から、回転操作して、押圧力F1 ・引張力F2 を、上記区画内壁部3に対して付与し、上記微小間隙寸法εを、増減調整する押圧引張手段Yを、具備している。
【0015】
図1及び図2に於ては、この押圧引張手段Yを構成している部材の大半は図示省略しており、クリーナヘッド本体5のみを主として示しているのであるが、一点鎖線12は、押圧引張手段Yが配設される高さ位置及び配設方向を示している。
具体的には、この押圧引張手段Yは、一対の側壁部1B,1Bの各々の長手方向に沿って、所定ピッチP0図2(C)参照)をもって配設した押圧ボルト21(図3参照)と引張ボルト22(図4参照)を、備えている。
【0016】
さらに、詳しく押圧引張手段Yについて説明すると、図1図4に示すように、一対の側壁部1B,1Bの各々の長手方向に沿って、所定ピッチP0 をもって大径ネジ孔13を配設する。さらに、一対の上記区画内壁部3,3の長手方向に沿って、上記所定ピッチP0 と同一ピッチをもって、小径ネジ孔14を配設する。
【0017】
しかも、この小径ネジ孔14の軸心と大径ネジ孔13の軸心は、同一軸心とする。言い換えると、図2(A)に示す如く、大径ネジ孔13と同一軸心(一点鎖線12)上に小径ネジ孔14を配設する。
つまり、図2(A)に示した側壁部1Bに直交する方向から目視すれば、図2(B)に示すように、大径ネジ孔13の内部に、小径ネジ孔14が、(同心状に)見える。
【0018】
そして、図3に示すように、押圧ボルト21は、側壁部1Bの大径ネジ孔13に適合(螺合)する大径雄ネジ21Aを有する。さらに、押圧ボルト21の先端面21Bから位置決め用短寸小径突部21Cが突設され、この小径突部21Cは、図3(C)に示すように、小径ネジ孔14に遊嵌状に挿入されて、押圧ボルト21の先端振れを防止する。
また、図3に示すように、ナット27を付設するのが望ましい。そして、押圧ボルト21は、その外端に六角孔付頭部21Eを有する(なお、六角形頭部とすることも可能である。)
【0019】
また、図4に示すように、引張ボルト22は、先端に、区画内壁部3の小径ネジ孔14に適合(螺合)する小径雄ネジ22Aを有する。さらに、引張ボルト22の基端23には、中径雄ネジ24を有し、この中径雄ネジ24は、側壁部1Bの大径ネジ孔13に遊挿自在に、ネジ外径が設定されている(図4(B)参照)。
【0020】
そして、引張ボルト22の中径雄ネジ24が側壁部1Bから突出した部位24Eに螺合する引張用調整ナット25を有している。また、引張ボルト22の外端には、マイナスドライバ等の回転トルク付与工具を差込むスリット26が形成されている。
このような形状と構成の押圧ボルト21と引張ボルト22を、交互に、側壁部1Bの長手方向に沿って、一直線状に、配設されている。このようにして、図2(C)に示した如く、側壁部1Bの外面の長手方向に沿って、所定ピッチP0 をもって、押圧力F1 と引張力F2 を交互に付与し、区画内壁部3を揺動させることにより(図3又は図4の矢印M3 参照)、吐出用スリット2の微小間隙寸法εを調整することができる。
【0021】
ところで、上記大径ネジ13及び大径雄ネジ21AをM6とし、中径雄ネジ24をM4とし、上記小ネジ孔14及び小径雄ネジ22AをM3とし、突部21Cの外径寸法を2.6mm等とするのが、望ましい。
このような寸法に設定すれば、寸法と形状と機能が大幅に相違した、押圧ボルト21及びその付属部品と、引張ボルト22及びその付属部品を、全く同じ寸法と形状の大径ネジ孔13・小径ネジ孔14に対して、使用可能である。
【0022】
次に、図5図6に示す他の実施形態について、以下説明する。
クリーナヘッド本体5の基本的形状と構造は、図1図4の既説のものと同様である。即ち、図5図6に示すように、包囲外壁部1と、該包囲外壁部1の内部空間1Mをバキューム空間10とプレッシャ空間15とバキューム空間10に区画形成する一対の区画内壁部3,3とを、一体に有する押出型材から作成されたクリーナヘッド本体5を備え、上記包囲外壁部1は、横断面において、被除塵面9に対向して配設される一辺1Aを有し、一対の上記区画内壁部3,3の間に形成された上記プレッシャ空間15内の高圧エアーを噴出する微小間隙寸法εの吐出用スリット2を、上記一辺1Aに開設した構成である。
【0023】
しかしながら、以下の構成(形状・構造)が相違する。つまり、一辺1Aに直交状の一対の側壁部1B,1Bには、長手方向に所定ピッチにて、押圧規制ボルト30が、複数本、配設される。
即ち、前述の実施形態(図1図4参照)では、押圧ボルト21と引張ボルト22の2種類のボルトが使用されていたのに対し、図5図6に示した他の実施形態では、押圧規制ボルト30のみが、複数本、図5図6における紙面と直交方向───クリーナヘッド本体5の長手方向───に配設される。
【0024】
そして、プレッシャ空間15の圧力が零の状態(大気圧状態)では、図6(A)に示す如く、吐出用スリット2の間隙寸法ε′が、正規寸法よりも小さい場合がある。そこで、押圧規制ボルト30の先端面30Aと区画内壁部3との間に、所定の小間隙ΔGを設ける。
【0025】
その後、プレッシャ空間15内の圧力P15を所定値まで上昇させた所定加圧状態下で、押圧規制ボルト30の先端面30Aが、図6(B)に示す如く、区画内壁部3に当接するように、側壁部1Bの外部11から、押圧規制ボルト30を螺進・螺退し、吐出用スリット2の微小間隙寸法εを増減調整する構成である。
なお、本クリーナヘッドが除塵を必要とする設備に使用される際、プレッシャ空間15に供給(使用)されるエアー圧力と同じ値に、(図6(B)にて説明した)圧力P15を設定するのが、望ましい。
【0026】
なお、図1図4、又は、図5図6に示した各実施形態において、吐出用スリット2の微小間隙寸法εを、スリットゲージ等の精密測定器具をもって、計測しつつ、ボルト21,22,30を螺進・螺退させる作業を、正確かつ容易・迅速に行うために、(図示省略したが)図1図4図5図6とは天地逆に、床面等に設置して、行うのが望ましい。
また、エアを吸込む吸入スリット4の間隙寸法は、吐出用スリット2の間隙寸法εよりも、十分に大であるため、本発明に於て、微小間隙寸法εの調整変化量による、吸入スリット4からの吸込エアー流量の変化は微小である。
【0027】
なお、本発明は上述の実施形態に限らず、設計変更自由であって、各区画内壁部3が、側壁部1Bから一辺1Aに連結状な場合を図示したが、これを、上壁部1Cから一辺1Aに連結状とすることも自由である。
【0028】
本発明は、以上詳述したように、包囲外壁部1と、該包囲外壁部1の内部空間1Mをバキューム空間10とプレッシャ空間15とバキューム空間10に区画形成する一対の区画内壁部3,3とを、一体に有する押出型材から作成されたクリーナヘッド本体5を備え;上記包囲外壁部1は、横断面において、被除塵面9に対向して配設される一辺1Aを有し;一対の上記区画内壁部3,3の間に形成された上記プレッシャ空間15内の高圧エアーを噴出する微小間隙寸法εの吐出用スリット2を、上記一辺1Aに開設したクリーナヘッドに於て;上記一辺1Aに直交状の一対の側壁部1B,1Bの各々の外部11から回転操作して、押圧力F1 ・引張力F2 を、上記区画内壁部3,3に対して付与し、上記微小間隙寸法εを増減調整する押圧引張手段Yを、具備する構成であるので、側壁部1Bの外部11(の広い作業空間)から容易に押圧力F1 ・引張力F2 を順次付与しつつ、容易かつ迅速に、正確な微小間隙寸法εの調整を行うことができる。また、側壁部1B,1Bに直接的に外力を付与する構造であるので、スムーズかつ容易に、微小間隙寸法εを増減調整できる。
【0029】
また、上記押圧引張手段Yは、一対の上記側壁部1B,1Bの各々の長手方向に沿って、所定ピッチをもって、押圧ボルト21と引張ボルト22を、交互に配設している構成であるので、間隙寸法εが過大であれば、押圧ボルト21を螺進させることで簡単に微妙な減少調整を行い得る。逆に、間隙寸法εが過小であれば、引張ボルト22を回転させて、簡単に微妙な増加調整を行い得る。
【0030】
また、上記押圧引張手段Yは;一対の上記側壁部1B,1Bの各々の長手方向に沿って、上記所定ピッチP0 をもって大径ネジ孔13を配設し;さらに、一対の上記区画内壁部3,3の長手方向に沿って、所定ピッチP0 と同一ピッチをもって、かつ、上記大径ネジ孔13と同一軸心上に小径ネジ孔14を配設し;押圧ボルト21は上記大径ネジ孔13に適合する大径雄ネジ21Aを有し;引張ボルト22は、先端に上記小径ネジ孔14に適合する小径雄ネジ22Aを有すると共に、基端23には、上記大径ネジ孔13に遊挿自在な中径雄ネジ24を有し、該中径雄ネジ24が上記側壁部1Bから突出した部位24Eに螺合する引張用調整ナット25を有し;一対の上記側壁部1B,1Bの各々の長手方向に沿って、上記押圧ボルト21と引張ボルト22を、交互に配設するよう構成したので、側壁部1Bには全く同じ大径ネジ孔13を所定ピッチで列設すれば良いので、加工作業が容易である。かつ、区画内壁部3には全く同じ小径ネジ孔14を所定ピッチで列設すれば良く、加工作業が容易である。そして、同一軸心上の大径ネジ孔13と小径ネジ孔14が一セットとして、列設された状態下で、側壁部1Bの長手方向に、押圧ボルト21と引張ボルト22を、交互に螺合して配設できる構造であるので、長い寸法を有する吐出用スリット2の長手方向の各位置にて、高精度の間隙寸法εを増減する調整作業を、熟練を要さずに容易かつ正確に、行うことを可能とした。
【0031】
また、包囲外壁部1と、該包囲外壁部1の内部空間1Mをバキューム空間10とプレッシャ空間15とバキューム空間10に区画形成する一対の区画内壁部3,3とを、一体に有する押出型材から作成されたクリーナヘッド本体5を備え;上記包囲外壁部1は、横断面において、被除塵面9に対向して配設される一辺1Aを有し;一対の上記区画内壁部3,3の間に形成された上記プレッシャ空間15内の高圧エアーを噴出する微小間隙寸法εの吐出用スリット2を、上記一辺1Aに開設したクリーナヘッドに於て;上記一辺1Aに対し、横断面直交状の一対の側壁部1B,1Bは、各々、長手方向に沿って所定ピッチP0 にて押圧規制ボルト30が、配設され;上記プレッシャ空間15が、所定加圧状態下で、上記押圧規制ボルト30の先端面30Aが上記区画内壁部3に当接するように、上記側壁部1Bの外部11から上記押圧規制ボルト30を螺進・螺退させ;上記微小間隙寸法εを増減調整するよう構成したので、引張ボルトが省略できて、押圧規制ボルト30のみで済み、構成部品の簡素化を図り得る。しかも、プレッシャ空間15の加圧状態下の圧力P15を、実際に稼動する設備に於て使用されるエアー圧力と、同一に設定することも可能であり、そのような同一圧力にて調整した間隙寸法εは、実際に稼動したときに、最適のエアー噴出速度をもって確実に優れた除塵性能を発揮する。
【符号の説明】
【0032】
1 包囲外壁部
1A 一辺
1B 側壁部
1M 内部空間
2 吐出用スリット
3 区画内壁部
5 クリーナヘッド本体
9 被除塵面
10 バキューム空間
11 外部
13 大径ネジ孔
14 小径ネジ孔
15 プレッシャ空間
21 押圧ボルト
21A 大径雄ネジ
22 引張ボルト
22A 小径雄ネジ
23 基端
24 中径雄ネジ
24E 突出した部位
25 引張用調整ナット
30 押圧規制ボルト
30A 先端面
1 押圧力
2 引張力
o 所定ピッチ
Y 押圧引張手段
ε 微小間隙寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9