(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】運動を補助する運動器具
(51)【国際特許分類】
A63B 23/035 20060101AFI20221018BHJP
A63B 21/04 20060101ALI20221018BHJP
A63B 21/055 20060101ALI20221018BHJP
A63B 23/00 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
A63B23/035 A
A63B21/04
A63B21/055
A63B23/00 F
(21)【出願番号】P 2022072199
(22)【出願日】2022-04-26
【審査請求日】2022-04-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506321584
【氏名又は名称】河村 光廣
(74)【代理人】
【識別番号】100210804
【氏名又は名称】榎 一
(74)【代理人】
【識別番号】100198498
【氏名又は名称】高橋 靖
(72)【発明者】
【氏名】河村 光廣
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0157820(US,A1)
【文献】登録実用新案第3219699(JP,U)
【文献】中国実用新案第209752072(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動を行うユーザを補助するための運動器具であって、
前記ユーザが把持するためのグリップ部と、
前記運動における前記ユーザの上半身の往復範囲をカバーして、前記ユーザが把持する前記グリップ部のスライド移動を軸方向に案内するガイド軸部と、
前記ガイド軸部の基部を支持して、前記ガイド軸部の軸方向を傾斜させる支持基台と、
前記ガイド軸部の頂部に向けて前記グリップ部を前記軸方向に付勢する付勢部と
を備え、
前記ガイド軸部は、複数本の支柱を並列させた構造であって、
複数本の前記支柱で前記グリップ部のスライド移動を案内することによって、上昇下降する前記グリップ部の回動捻じれを抑制する
ことを特徴とする運動器具。
【請求項2】
運動を行うユーザを補助するための運動器具であって、
前記ユーザが把持するためのグリップ部と、
前記運動における前記ユーザの上半身の往復範囲をカバーして、前記ユーザが把持する前記グリップ部のスライド移動を軸方向に案内するガイド軸部と、
前記ガイド軸部の基部を支持して、前記ガイド軸部の軸方向を傾斜させる支持基台と、
前記ガイド軸部の頂部に向けて前記グリップ部を前記軸方向に付勢する付勢部と
を備え、
前記運動における前記ユーザの臀部の往復方向に沿って前記ガイド軸部をスライド移動する座部と、
前記ガイド軸部の頂部に向けて前記座部を付勢する座部付勢部とを有する
ことを特徴とする運動器具。
【請求項3】
運動を行うユーザを補助するための運動器具であって、
前記ユーザが把持するためのグリップ部と、
前記運動における前記ユーザの上半身の往復範囲をカバーして、前記ユーザが把持する前記グリップ部のスライド移動を軸方向に案内するガイド軸部と、
前記ガイド軸部の基部
の下を支持して、前記ガイド軸部の軸方向を傾斜させる支持基台と、
前記ガイド軸部の頂部に向けて前記グリップ部を前記軸方向に付勢する付勢部と
を備え、
前記ガイド軸部の基部は、前記支持基台の長手方向の中心から外れた非対称位置に位置し、
前記支持基台は前記長手方向に対向して2つの側部を備え、2つの前記側部は前記支持基台を壁面に立てかける際に床面に接地する場所として選択的に使用されることによって、前記非対称位置に位置する前記基部に対する高さ調整を実現する
ことを特徴とする運動器具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の運動器具であって、
前記支持基台は、前記運動を行う前記ユーザの姿勢に応じて、前記ガイド軸部の前記軸方向を可変するための角度可変機構を備える
ことを特徴とする運動器具。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の運動器具であって、
前記グリップ部は、多角形ハンドルを備え、
前記多角形ハンドルは、握り辺をユーザ選択可能にする多角形の環状をなす
ことを特徴とする運動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動を補助する運動器具に関する。
【背景技術】
【0002】
スクワット運動のように、なるべく膝先が足のつま先よりも前に出ないように腰を落として、膝を90度付近または鋭角まで屈曲させる運動が知られている。
【0003】
このようなスクワット運動を反復することにより、運動者の下肢の筋肉や、背筋および腹筋の一部を効率よく鍛えることが可能になる。
【0004】
一方、スクワット運動では上半身を上昇下降させるために、身体の重心バランスが前後左右に動きやすく、運動中に体勢を崩しやすいという問題があった。
【0005】
そのため、スクワット運動を補助するための運動器具が従来から知られている。
【0006】
例えば、特許文献1の
図15には、「下端を中心に回動するアーム102を設け、アーム102の先端グリップの円弧軌跡によってスクワット運動を補助する折畳み型運動装置」が開示される。
【0007】
また例えば、特許文献2の
図4および
図5には、「メインフレーム10の中段部を中心に回動する支持ユニット20と、メインフレーム10の前端に配置された握り部ユニット30とを備え、支持ユニット20の円弧軌跡によってユーザの股部を支える多機能スクワットトレーニングマシン」が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特表2005-514993号公報
【文献】特開2018-023678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、スクワット運動では、運動者の下肢の筋肉や、背筋および腹筋の一部を効率よく鍛えることができる。しかしながら、スクワット運動では、運動者の上半身(腕部や胸部など)の筋肉に対して大きな負荷はかからない。そのため、全身をバランス良く鍛えるためには、スクワット運動とは別に、上半身の運動メニューを追加しなければならないという課題があった。
【0010】
特許文献1、2の技術においても、このような課題や解決手段について記載は見当たらない。
【0011】
そこで、本発明は、運動中のユーザの体勢崩れを軽減しつつ、下半身の運動と同時に上半身の筋肉も鍛えることが可能な運動器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の代表的な運動器具の一つは、運動を行うユーザを補助するための運動器具であって、グリップ部、ガイド軸部、支持基台、および付勢部を備える。
前記グリップ部は、前記ユーザが把持するために設けられる。
前記ガイド軸部は、前記運動における前記ユーザの上半身の往復範囲をカバーして、前記ユーザが把持する前記グリップ部のスライド移動を軸方向に案内する。
前記支持基台は、前記ガイド軸部の基部を支持して、前記ガイド軸部の軸方向を傾斜させる。
前記付勢部は、前記ガイド軸部の頂部に向けて前記グリップ部を前記軸方向に付勢する。
【発明の効果】
【0013】
ガイド軸部は、ユーザが把持するグリップ部の上下動を、軸方向に沿って案内(規制)する。そのため、下半身の運動によって上半身を上下させても、グリップ部の前後左右のブレは軸方向に規制されて少なく、身体の重心バランスを両足の接地範囲の中央付近に維持することが可能になる。したがって、運動中に体勢を崩しやすいという問題を解決することが可能になる。
【0014】
さらに、付勢部は、ガイド軸部の頂部に向けてグリップ部を軸方向に付勢する。そのため、運動の下降から上昇までの一連の往復においてユーザの下肢にかかる負荷を付勢力によって軽減することができる。その結果、下肢の筋力不足に伴う震えによる体勢の崩れを防止することが可能になる。
【0015】
また、付勢部の付勢力は、グリップ部を介してユーザの上半身に負荷をかける。そのため、ユーザは下半身の運動と同時に上半身の筋肉を鍛えることが可能になる。
【0016】
したがって、本発明によって、ユーザは、運動中の体勢崩れを総合的に軽減しつつ、下半身の運動と同時に上半身の筋肉もバランス良く鍛えることが可能になる。
【0017】
上述した以外の課題、構成および効果については、以下の実施形態の説明において詳しく明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1[A]は、実施例1の運動器具100の正面図である。
図1[B]は、運動器具100の側面図である。
【
図2】
図2は、ガイド軸部120の傾斜角度を可変する様子を示す図である。
【
図3】
図3[A]は、ユーザの伸身状態を示す図である。
図3[B]は、ユーザの運動途中の姿勢を示す図である。
図3[C]は、ユーザの屈曲状態を示す図である。
【
図4】
図4[A]は、基部121を低く設置した状態を示す図である。
図4[B]は、基部121を高く設置した状態を示す図である。
【
図5】
図5は、実施例2の運動器具200を示す図である。
【
図6】
図6は、実施例3の運動器具300を示す図である。
図6[A]は、ユーザの伸身状態を示す図である。
図6[B]は、ユーザの屈曲状態を示す図である。
【
図7】
図7は、実施例4の運動器具400を示す図である。
図7[A]は、ユーザの伸身状態を示す図である。
図7[B]は、ユーザの屈曲状態を示す図である。
【
図8】
図8[A]は、実施例5の運動器具700の正面図である。
図8[B]は、運動器具700の側面図である。
【
図9】
図9は、実施例5の多角形ハンドル712、713の握り方を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0020】
《実施例1の構成》
図1は、実施例1の運動器具100について正面図および側面図を示す図である。
同図において、運動器具100は、グリップ部110、ガイド軸部120、支持基台130、および付勢部140を備えて概略構成される。
【0021】
グリップ部110は、スクワット運動を行うユーザが把持するために設けられる。例えば、このようなグリップ部110は、円筒パイプ111を中央にして、左右にT字パイプ112、113を金属バンドなどで固定して構成される。
【0022】
ガイド軸部120は、スクワット運動におけるユーザの上半身の往復範囲をカバーして、ユーザが把持するグリップ部110のスライド移動を軸方向に案内する。例えば、このような機構は、グリップ部110の円筒パイプ111に対して、一回り小径のガイド軸部120を挿管することによって構成される。
【0023】
支持基台130は、ガイド軸部120の基部121を支持して、ガイド軸部120の軸方向を傾斜させる。この基部121の支持位置は、支持基台130の長手方向の中心から外れた非対称位置である。さらに、支持基台130は、スクワット運動を行うユーザの上半身の姿勢に応じて、ガイド軸部120の軸方向を可変するための角度可変機構131を備える。例えば、このような角度可変機構131は、ガイド軸部120を垂直に固定するための垂直パイプ132と、ガイド軸部120を斜め向きに固定するための傾斜パイプ133とを選択可能に備えて構成される。
【0024】
付勢部140は、ガイド軸部120の頂部122に向けてグリップ部110を軸方向に付勢する。例えば、このような付勢部140は、頂部122とグリップ部110との間に懸架されたゴムなどの弾性手段である。なお、付勢部140には、グリップ部110の速度や加速度を抑制するために、付勢による速度や加速度に対して抵抗力を生じる摩擦機構や油圧機構などのダンパー手段を付加してもよい。
【0025】
図2は、角度可変機構131を用いて、ガイド軸部120の軸方向を可変した様子を示す図である。
【0026】
同図において、ガイド軸部120の基部121を垂直パイプ132から傾斜パイプ133に差し替えることにより、ガイド軸部120の軸方向を支持基台130に対して傾斜させる。支持基台130には、傾斜したガイド軸部120を安定に支えるため、床面に対して必要な重量や摩擦力を付与してもよい。ユーザは、この傾斜状態の運動器具100をスクワット運動の補助に使用する。
【0027】
垂直パイプ132によってガイド軸部120を支持基台130に対して垂直に保持した状態(
図1の状態)は、支持基台130の接地範囲に運動器具100の重心が収まるので、運動器具100を支持基台130の接地範囲に自立させることが可能になる。この状態で運動器具100を省スペースに収容することが可能になる。
【0028】
なお、このような角度可変機構131としては、ガイド軸部120の傾斜角度を連続的または段階的に自在可変する軸支機構や、ガイド軸部120の傾斜角度を前後方向のみに規制して自在可変する軸支機構や、調整された傾斜角度を固定するロック機構や、支持基台130に対して所望の方角にガイド軸部120を水平回転して固定する水平回転機構を備えてもよい。
【0029】
図3は、運動器具100をスクワット運動に使用する様子を示す図である。
図3[A]では、ユーザが伸身状態で直立する。ユーザは、この伸身状態で腕をほぼ真っ直ぐに伸ばし、両手でグリップ部110を把持する。
【0030】
図3[B]では、ユーザがスクワット運動(伸身状態から屈曲状態への移行)を行い、グリップ部110をガイド軸部120の軸方向にスライドさせる。この移行状態において、ユーザには屈曲姿勢に徐々に移行するために下肢の筋肉や背筋や腹筋に適度な負荷がかかる。さらに、付勢部140のゴムが自然長から延伸することにより、ガイド軸部120の頂部122に向けてグリップ部110を軸方向に付勢する付勢力が生じる。この付勢力に抗するため、ユーザの前腕部は、ほぼ真っ直ぐの略水平の角度からガイド軸部120の軸方向へ徐々に角度を変える。このとき、ユーザの腕部と胸部などには、付勢部140の付勢力が負荷として作用する。
【0031】
図3[C]では、ユーザが、空気イスの姿勢まで腰を落とし、下肢を屈曲させた状態を維持する。この屈曲状態において、ユーザには空気イスの姿勢を維持するために下肢の筋肉や背筋や腹筋に適度な負荷がかかる。さらに、ユーザの前腕部は、付勢部140の付勢力に自然に抗するため、ガイド軸部120の軸方向に近い角度まで曲がる。この姿勢を維持することによって、ユーザの腕部と胸部などには、付勢部140の付勢力が負荷として作用する。
【0032】
ユーザのスクワット運動は、
図3に示す[A]→[B]→[C]→[B]→[A]・・・・の状態を反復して行われる。
【0033】
このとき、
図3[A]~[C]におけるグリップ部110のスライド位置を近似的に結んだ角度が、スクワット運動を行うユーザの上半身の姿勢に応じて前傾するガイド軸部120の傾斜角度になる。
【0034】
このガイド軸部120の傾斜角度を維持するように、角度可変機構131の設置角度と、支持基台130の設置位置とが近似的に決定される。
【0035】
なお、
図3では、支持基台130を後方の壁面に押し当てることにより、支持基台130の後方への逃げをなくして設置位置を固定する。
【0036】
図4は、壁面に支持基台130を立てかけることによって、基部121の高さを調整する様子を示す図である。
【0037】
この基部121の支持位置は、支持基台130の長手方向の中心から外れた非対称位置にある。そのため、支持基台130を壁面に立てかける向きを変えることによって、基部121の高さを変更することが可能になる。
【0038】
例えば、
図4[A]は、基部121の支持位置が支持基台130の長手方向の中心(図中の星印)よりも低くなるように、支持基台130を壁面に立てかけた状態である。
【0039】
また例えば、
図4[B]は、基部121の支持位置が支持基台130の長手方向の中心(図中の星印)よりも高くなるように、支持基台130を壁面に立てかけた状態である。
【0040】
このように基部121の高さを切り替えることにより、運動器具100をユーザの身長の高低に合わせることが可能になる。
【0041】
《実施例1の効果》
【0042】
(1)本実施例1では、
図3に示したように、ユーザが把持するグリップ部110が、ガイド軸部120の軸方向に沿ってスライドする。そのため、スクワット運動に際して上半身を上下させても、グリップ部110の前後左右のブレはガイド軸部120に規制されるため少ない。その結果、グリップ部110によって上半身は支えられ、身体の重心バランスを両足の接地範囲の中央付近に維持することが可能になる。
そのため、本実施例1は、スクワット運動中に身体の重心バランスを崩すことが少なくなり、ユーザのスクワット運動中の姿勢を安定に補助することが可能になるという点で優れている。
【0043】
(2)通常、体重の重いユーザは、スクワット運動の上昇下降の往復時に下肢に過大な負荷がかかる。このような負荷に対して下肢の筋力が不足する場合、筋力不足に伴う下肢の震えによって、スクワット運動の体勢が崩れる。
しかしながら、本実施例1では、付勢部140によって、ガイド軸部120の頂部122に向けて付勢力がかかる。この付勢力によって下肢にかかる負荷は軽減される。
したがって、本実施例1は、下肢の筋力不足を補うという別の面においても、筋肉の震えによる体勢の崩れを防止することが可能になるという点で優れている。
【0044】
(3)本実施例1では、ユーザがグリップ部110を引き下げる際に、ユーザの上半身(特に腕部や胸部)に付勢部140の付勢力に抗するための負荷がかかる。したがって、本実施例1は、ユーザはスクワット運動を行いながら、同時に上半身(特に腕部および胸部)の筋肉もバランス良く鍛えることが可能になるという点で優れている。
【0045】
(4)ユーザがグリップ部110を引き下げるに従って、ガイド軸部120の軸方向にかかる付勢力に抗するために、ユーザの前腕部は軸方向に沿って自然に曲がる(
図3参照)。このようなユーザの腕を伸ばす長さの変化に合わせて、ガイド軸部120は
図3に示すように自然に前傾する傾斜角度を保つ。本実施例1では、角度可変機構131を用いて、ガイド軸部120の軸方向をこの自然な傾斜角度に保つことが可能になる。したがって、本実施例1は、角度可変機構131がガイド軸部120を前傾した角度にすることによって、ユーザはスムーズな体勢移行によってスクワット運動を行うことが可能になるという点で優れている。
【0046】
(5)さらに、本実施例1の角度可変機構131は、ガイド軸部120の軸方向を支持基台130に対して直角に保持することもできる。この状態では、ユーザが支えなくても、運動器具100の重心は支持基台130の接地範囲に収まって自立する。
したがって、実施例1は、ガイド軸部120の軸方向を支持基台130に対して直角に保持する状態によって、運動器具100を省スペースに収納することが可能になるという点で優れている。
【0047】
(6)本実施例1では、ガイド軸部120の基部121は、支持基台130の長手方向の中心から外れた非対称位置に位置する。そのため、
図4に示すように、支持基台130の壁面への立てかけ方を調整することにより、ガイド軸部120の基部121の高さを調整することが可能になる。
その結果、ユーザの身長の高さに応じて、基部121の高さを調整することが可能になる。したがって、本実施例1は、ユーザの身長の高低に対応可能な運動器具100が実現するという点で優れている。
【実施例2】
【0048】
続いて、構造強化型の実施例2について説明する。
【0049】
《実施例2の構成》
図5は、実施例2の運動器具200を示す図である。
同図において、運動器具200は、グリップ部210、ガイド軸部220、支持基台230、および付勢部240を備えて概略構成される。
【0050】
ガイド軸部220は、2本以上(
図5では2本)の支柱223A、223Bを並列させて構成される。このガイド軸部220の横幅は、
図3と同様にユーザが両脚で跨ぐことが可能な幅である。なお、3本以上の支柱を束ねる場合の配列方向については、左右や前後や斜めの一次元方向に限らず、前後・左右・斜めを組み合わせた二次元方向でもよい。
【0051】
グリップ部210は、スクワット運動を行うユーザが把持するために設けられる。ガイド軸部220の複数本の支柱223A、223Bは、スクワット運動におけるユーザの上半身の往復範囲をカバーして、ユーザが把持するグリップ部210のスライド移動を軸方向に案内する。このような機構は、例えば、グリップ部210の扁平または「8の字」型の孔断面からなる摺動筒部に対して、複数本の支柱223A、223Bを並列に挿管することによって構成される。
【0052】
支持基台230は、複数本の支柱223A、223Bそれぞれの基部221A、221Bを支持する。この基部221A、221Bの支持位置は、支持基台230の長手方向の中心から外れた非対称位置である。さらに、支持基台230は、スクワット運動を行うユーザの上半身の姿勢に応じて、ガイド軸部220の軸方向を可変するための角度可変機構231A、231Bを備える。
【0053】
付勢部240は、ガイド軸部220の頂部222に向けてグリップ部210を軸方向に付勢する。
【0054】
なお、運動器具200の各部の詳細な構造や使用形態については、実施例1(例えば
図1~
図4)と同様であるため、ここでの重複説明を省略する。
【0055】
《実施例2の効果》
本実施例2は、実施例1と同様に奏する効果に加えて、さらに次の効果を奏する。
【0056】
(1)本実施例2では、複数本の支柱223A、223Bを束ねることにより、ガイド軸部220それ自体の強度を高めることが可能になる。また、実施例2では、支持基台230がガイド軸部220の基部221A、221Bを複数箇所で支持するため、ガイド軸部220を支持する強度(垂直方向や捻れ方向などに対する強度)を高めることも可能になる。
したがって、本実施例2は、ガイド軸部220を複数本の支柱223A、223Bの並列構造とすることによって運動器具200の機構を丈夫にしたことで、体重の重いユーザによる過大な荷重にも耐えやすいという点で優れている。
【0057】
(2)本実施例2では、
図5に示すように、複数本の支柱223A、223Bそれぞれに対してグリップ部210が同時にスライドする。このようなスライド機構の多重化により、グリップ部210のスライド時に生じる回動捻れを防止することが可能になる。
したがって、本実施例2は、上昇下降するグリップ部210の回動捻れを抑制する構造によって、グリップ部210を把持するユーザの身体の捻れを抑制し、スクワット運動中の捻れによるバランス崩れを軽減できるという点で特に優れている。
【実施例3】
【0058】
続いて、腰の補助を加えた実施例3について説明する。
【0059】
《実施例3の構成》
図6は、実施例3の運動器具300を示す図である。
同図において、運動器具300は、グリップ部310、ガイド軸部320、支持基台330、座部340、および付勢部350を備えて概略構成される。
【0060】
グリップ部310は、スクワット運動を行うユーザが把持するために設けられる。
【0061】
ガイド軸部320は、スクワット運動におけるユーザの上半身の往復範囲をカバーして、ユーザが把持するグリップ部310のスライド移動を軸方向に案内する。
【0062】
支持基台330は、ガイド軸部320の基部321を支持する。この基部321の支持位置は、支持基台330の長手方向の中心から外れた非対称位置である。さらに、支持基台330は、スクワット運動を行うユーザの上半身の姿勢に応じて、ガイド軸部320の軸方向を可変するための角度可変機構331を備える。
【0063】
座部340の座面は、支持基台330に対して平行するように水平向きに配置される。座部340は、この水平向きを保ったまま、ユーザの臀部の往復運動によってガイド軸部320の軸方向にスライド移動する。この座部340の座面には低反発または高反発などのクッション材が設けられる。
【0064】
グリップ部310と座部340は、お互いに独立してスライドする。なお、グリップ部310と座部340とのスライドを連携させる機構を設けることによって、どちらか一方のスライドによって他方が連動してスライドするようにしてもよい。
【0065】
座部340とガイド軸部320との支持部分には、座部340の座面角度をユーザの体型に応じて調整可能にする座面角度の調整機構が設けられる。
【0066】
付勢部350は、グリップ付勢部351の他に、さらに座部付勢部352を備える。グリップ付勢部351は、ガイド軸部320の頂部322に向けてグリップ部310を付勢する。座部付勢部352は、ガイド軸部320の頂部322に向けて座部340を付勢する。
【0067】
図6では、この付勢部350としてバネなどの弾性手段を例示する。なお、付勢部350には、グリップ部310や座部340の速度や加速度を抑制するために、付勢による速度や加速度に対して抵抗力を生じる摩擦機構や油圧機構などのダンパー手段を付加してもよい。
【0068】
図6[A]では、ユーザが伸身状態で直立する。ユーザは、この伸身状態で腕をほぼ真っ直ぐに伸ばし、両手でグリップ部310を把持する。この伸身状態では、ユーザの臀部は座部340から若干浮いた高さに位置する。
【0069】
図6[B]では、ユーザが、腰を落として座部340を臀部で押し下げ、下肢を屈曲させた屈曲姿勢を維持する。この屈曲姿勢において、ユーザの下肢の筋肉や背筋や腹筋に適度な負荷がかかる。さらに、ユーザの前腕部は、グリップ付勢部351の付勢力に自然に抗するため、ガイド軸部320の軸方向に近い角度まで曲がる。この姿勢に移行することによって、ユーザの上半身(特に腕部と胸部)には、付勢部350の付勢力が負荷として作用する。
【0070】
ユーザのスクワット運動は、
図6に示す[A]→[B]→[A]・・・・の状態を反復して繰り返される。
【0071】
このとき、
図6[A]~[B]におけるグリップ部310のスライド位置を近似的に結んだ角度が、スクワット運動を行うユーザの上半身の自然な姿勢に応じて決定されるガイド軸部320の傾斜角度(前傾)になる。角度可変機構331は、この傾斜角度に合わせてガイド軸部320の角度を合わせる。
【0072】
なお、運動器具300の各部の詳細な構造やその他の使用形態については、実施例1や実施例2と同様であるため、ここでの重複説明を省略する。
【0073】
《実施例3の効果》
本実施例3は、実施例1、2と同様に奏する効果に加えて、さらに次の効果を奏する。
【0074】
(1)本実施例3では、
図6に示したように、ユーザが腰掛けた座部340が、ガイド軸部320に沿ってスライドする。そのため、スクワット運動に際して腰を落としても、ユーザの臀部の前後左右のブレは座部340によって規制される。
したがって、本実施例3は、スクワット運動中に腰位置のバランスを崩すことが少なくなり、ユーザのスクワット運動を腕部と腰部の両方で安定に補助することが可能になるという点で優れている。
【0075】
(2)通常、体重の重いユーザは、スクワット運動の上昇時および下降時に下肢に過大な負荷がかかる。このような負荷に対して下肢の筋力が不足する場合、筋力不足に伴う下肢の震えによって、スクワット運動の体勢が崩れる。
しかしながら、本実施例3では、座部付勢部352によって、ガイド軸部320の頂部322に向けてユーザの腰には付勢力がかかる。そのため、グリップ部310の付勢力に加えて、座部340の付勢力によって下肢にかかる負荷が軽減される。
したがって、本実施例3は、下肢の筋力不足をグリップ部310および座部340にかかる付勢力によって補い、筋肉の震えによる体勢の崩れを防止することが可能になるという点で優れている。
【0076】
(3)特に、本実施例3の特徴は、グリップ部310のスライド機構と、座部340のスライド機構とを、一つのガイド軸部320に対して同軸に設けた点である。このように2つのスライド機構を同軸配置したことによって、本実施例3は、運動器具300の機構全体を省スペースにまとめられるという点で優れている。
【0077】
(4)さらに、この構造によって、グリップ部310がスライドする方向と、座部340がスライドする方向とは、ガイド軸部320に対して同軸に一直線に揃う。そのため、2つのスライド機構がそれぞれ運動しても横向きの合成力は殆ど発生せず、ガイド軸部320は前後左右に殆どぶれない。したがって、本実施例3は、グリップ部310および座部340が独自にスライドするという複雑な運動でありながら、ガイド軸部320の軸方向に沿ってユーザの姿勢を安定に保つことができるという点で優れている。
【0078】
(5)また、本実施例3では、座部340の座面がほぼ水平に維持される。そのため、臀部を下方に押し下げた状態において、
図6Bの屈曲状態に示すように、臀部と座面との接触面積が広くなって、安定した座りの状態になる。そのため、ユーザは、
図6Bの屈曲状態を安定に保つことが可能になる。したがって、本実施例3は、座部340の座面をほぼ水平にしたことによって、ユーザは、体勢が不安定になりやすい屈曲状態において、ふらつくことが少ないという点で優れている。
【0079】
(6)本実施例3では、座部340とガイド軸部320との支持部分に、座部340の座面角度を可変する座面角度の調節機構を設ける。したがって、本実施例3は、座部340の座面角度をユーザが適宜に変更することによって、ユーザの体型に合わせた好適な座面角度に変更できる点で優れている。
【実施例4】
【0080】
続いて、座部用の運動器具を別体に分離した実施例4について説明する。
【0081】
《実施例4の構成》
図7は、実施例4の運動器具400を示す図である。
【0082】
同図において、運動器具400は、上半身用運動器具500と、座部用運動器具600とのセットとして概略構成される。
【0083】
上半身用運動器具500としては、実施例1の運動器具100や、実施例2の運動器具200をそのまま使用可能である。また、実施例3の運動器具300から座部340を取り外したものを、上半身用運動器具500として使用することも可能である。
【0084】
座部用運動器具600は、座部610、座部ガイド軸部620、座部付勢部630、および座部支持基台640を備えて概略構成される。
【0085】
座部610は、スクワット運動を行うユーザの臀部を支えるために設けられる。
【0086】
座部ガイド軸部620は、スクワット運動におけるユーザの臀部の往復方向に沿って、座部610のスライド移動を軸方向に案内する。
【0087】
座部付勢部630は、座部ガイド軸部620の頂部622に向けて座部610を付勢する。
【0088】
座部支持基台640は、座部ガイド軸部620の基部621を支持して床に固定するために設けられる。この基部621の支持位置は、座部支持基台640の長手方向の中心から外れた非対称位置である。さらに、座部支持基台640は、スクワット運動を行うユーザの臀部の移動軌跡に応じて、座部ガイド軸部620の軸方向を可変するための角度可変機構641を備える。
【0089】
図7では、この座部付勢部630としてバネなどの弾性手段を例示する。なお、座部付勢部630には、座部610の速度や加速度を抑制するために、付勢による速度や加速度に対して抵抗力を生じる摩擦機構や油圧機構などのダンパー手段を付加してもよい。
【0090】
図7[A]では、ユーザが伸身状態で直立する。ユーザは、この伸身状態で腕をほぼ真っ直ぐに伸ばし、両手で上半身用運動器具500のグリップ部510を把持する。この伸身状態では、ユーザの臀部は座部610から若干浮いた高さに位置する。
【0091】
図7[B]では、ユーザが、腰を落として座部610を臀部で押し下げ、下肢を屈曲させた屈曲状態を維持する。この屈曲状態への移行において、ユーザには下肢の筋肉や背筋や腹筋に適度な負荷がかかる。さらに、ユーザの前腕部は、上半身用運動器具500のグリップ部510にかかる付勢力に自然に抗するため、上半身用運動器具500の軸方向に近い角度まで曲がる。この姿勢に移行することによって、ユーザの上半身(特に腕部と胸部)には、上半身用運動器具500の付勢力が負荷として作用する。
【0092】
ユーザのスクワット運動は、
図7に示す[A]→[B]→[A]・・・・の状態を反復して繰り返される。
【0093】
このとき、
図7[A]~[B]における座部610のスライド位置を近似的に結んだ角度が、座部ガイド軸部620の自然な傾斜角度(前傾)になる。角度可変機構641がこの傾斜角度に調整されることにより、座部610はスクワット運動時の臀部軌跡に応じて円滑にスライド移動するようになる。
【0094】
《実施例4の効果》
本実施例4は、実施例1~3と同様に奏する効果に加えて、さらに次の効果を奏する。
【0095】
(1)本実施例4では、
図7に示したように、ユーザが腰掛けた座部610が、座部ガイド軸部620に沿ってスライドする。そのため、スクワット運動に際して腰を落としても、ユーザの臀部の前後左右のブレは座部610によって規制される。
したがって、本実施例4は、上半身用運動器具500で上半身を安定に補助し、かつ座部用運動器具600によって腰部を安定に補助することが可能になるという点で優れている。
【0096】
(2)通常、体重の重いユーザは、スクワット運動の上昇時および下降時に下肢に過大な負荷がかかる。このような負荷に対して下肢の筋力が不足する場合、筋力不足に伴う下肢の震えによって、スクワット運動の体勢が崩れる。
しかしながら、本実施例4では、座部付勢部630によって、座部ガイド軸部620の頂部622に向けてユーザの腰には付勢力がかかる。そのため、上半身用運動器具500によって上半身にかかる付勢力に加えて、腰にかかる付勢力によって下肢にかかる負荷が軽減される。
したがって、本実施例4は、下肢の筋力不足を上半身用運動器具500および座部用運動器具600それぞれの付勢力に分担して補い、筋肉の震えによる体勢の崩れを防止することが可能になるという点で優れている。
【0097】
(3)また、本実施例4では、
図7に示すように、上半身用運動器具500と座部用運動器具600とが分離独立する。そのため、ユーザの臀部の位置やサイズなどに合わせて、上半身用運動器具500と座部用運動器具600との間隔を自在に調整することが可能になる。
したがって、本実施例4は、上半身用運動器具500と座部用運動器具600との間隔を調整することによって、ユーザの多様な体型に柔軟に合わせることが可能になるという点で優れている。
【0098】
(4)さらに、本実施例4では、上半身用運動器具500と座部用運動器具600とが分離独立するため、両者のガイド軸の傾斜角度を、ユーザの腕の移動軌跡や、ユーザの腰の移動軌跡などに応じてそれぞれ最適に調整することができる。
したがって、本実施例4は、上半身用運動器具500および座部用運動器具600の傾斜角度を独立に調整することによって、ユーザの多様な体型に柔軟に合わせることが可能になるという点で優れている。
【実施例5】
【0099】
続いて、グリップ部710の工夫した形状を提案し、かつガイド軸部720を分割可能にした実施例5について説明する。
【0100】
《実施例5の構成》
図8は、実施例5の運動器具700について正面図および側面図を示す図である。
同図において、運動器具700の構成上の特徴は、グリップ部710、およびガイド軸部720を備えた点である。
【0101】
なお、運動器具700のその他の構成は、実施例1(
図1参照)と同様であるため、ここでの重複説明を省略する。
【0102】
グリップ部710は、円筒パイプ711を中央にして、多角形ハンドル712、713(
図8では四角形状を例示)を金属バンドなどで左右に固定して構成される。多角形ハンドル712、713は、握り辺をユーザ選択可能にする多角形の環状をなす。
【0103】
図9は、この多角形ハンドル712、713の握り方を説明する図である。
図9[A]に図示するように、多角形ハンドル712、713の水平な上辺(または下辺)を順手(または逆手)に握ることによって、ユーザは、グリップ部710を水平に握ることが可能になる。
また、
図9[B]に図示するように、多角形ハンドル712、713の垂直な側辺を順手(または逆手)に握ることによって、ユーザは、グリップ部710を垂直に握ることが可能になる。
【0104】
なお、多角形ハンドル712、713の形状は、上述した四角形に限定されない。例えば、多角形ハンドル712、713の形状を、三角形や六角形や八角形やそれ以外の多角形にすることによって、ユーザは水平辺や垂直辺に加えて斜め辺を握ることも可能になる。
【0105】
一方、ガイド軸部720は、複数段(
図8では三段を例示)の分解軸720α~γに分解自在に構成される。これらの分解軸720α~γの接合箇所には、分解および連結を可能にするための連結部720zが設けられる。これらの連結部720zは、螺合する機構や、横穴に棒を貫通させて連結する機構など、ガイド軸部720にかかる荷重に耐える機構であればよい。
【0106】
《実施例5の効果》
本実施例5は、実施例1~4と同様に奏する効果に加えて、さらに次の効果を奏する。
【0107】
(1)本実施例5の多角形ハンドル712、713は、多角形の環からなる。そのため、ユーザは、多角形ハンドル712、713の握る辺を変更することで、
図9に例示するような多様な握り方が実現可能になる。
したがって、本実施例5は、多角形ハンドル712、713を備えたことによって、ユーザが握り方を変更して、握り方に応じて運動中の筋肉の使用箇所や負荷量を自在にできるという点で優れている。
【0108】
(2)本実施例5のガイド軸部720は、複数段(
図8では三段を例示)の分解軸720α~γに分解できる。そのため、本実施例5は、ガイド軸部720を分解して収納することによって、狭い容積に運動器具700を収納できるという点で優れている。
【0109】
(3)また、分解軸720α~γの連結数を増減することによって、ガイド軸部720の長さを調整することもできる。そのため、本実施例5は、大人や子供などのユーザの身長に応じて、ガイド軸部720の長さを調整できるという点で優れている。
【0110】
(4)さらに、分解軸720α~γの連結数を減らすことによって、ガイド軸部720の長さを更に短くして、グリップ部710の位置を腰付近よりも低くすることが可能になる。この場合、ユーザはイスに腰掛けた状態や、床に横になった状態で、低くなった多角形ハンドル712、713の孔部分や上辺に足を掛けて、脚部を上昇下降させるなどの別の運動を行うことも可能になる。したがって、本実施例5は、分解軸720α~γの連結数を減らすことによって、ガイド軸部720を短くして脚部の運動も可能になるという点で優れている。
【0111】
《実施形態の補足事項》
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0112】
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【0113】
さらに、各実施例の構成の一部について、均等な作用を有する構成の置換や、その他構成の追加をすることが可能である。
【0114】
例えば、伸張時の付勢力を使用する弾性手段を、圧縮時の付勢力を使用する弾性手段に置換したり、その逆の置換を行ったりすることが可能である。
【0115】
また例えば、付勢力をユーザの補助作用を超えるほどに強めることによって、逆方向の負荷(押し下げる際にかかる負荷)をユーザに与えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0116】
100...運動器具、110...グリップ部、111...円筒パイプ、112...T字パイプ、113...T字パイプ、120...ガイド軸部、121...基部、122...頂部、130...支持基台、131...角度可変機構、132...垂直パイプ、133...傾斜パイプ、140...付勢部、200...運動器具、210...グリップ部、220...ガイド軸部、221A...基部、221B...基部、222...頂部、223A...支柱、223B...支柱、230...支持基台、231A...角度可変機構、231B...角度可変機構、240...付勢部、300...運動器具、310...グリップ部、320...ガイド軸部、321...基部、322...頂部、330...支持基台、331...角度可変機構、340...座部、350...付勢部、351...グリップ付勢部、352...座部付勢部、400...運動器具、500...上半身用運動器具、510...グリップ部、600...座部用運動器具、610...座部、620...座部ガイド軸部、621...基部、622...頂部、630...座部付勢部、640...座部支持基台、641...角度可変機構、700...運動器具、710...グリップ部、711...円筒パイプ、712...多角形ハンドル、713...多角形ハンドル、720...ガイド軸部、720α~γ...分解軸、720z...連結部
【要約】
【課題】運動中のユーザの体勢崩れを軽減しつつ、下半身の運動と同時に上半身の筋肉も鍛えることが可能な運動器具を提供する。
【解決手段】
本発明の代表的な運動器具の一つは、運動を行うユーザを補助するための運動器具であって、グリップ部、ガイド軸部、支持基台、および付勢部を備える。前記グリップ部は、前記ユーザが把持するために設けられる。前記ガイド軸部は、前記運動における前記ユーザの上半身の往復範囲をカバーして、前記ユーザが把持する前記グリップ部のスライド移動を軸方向に案内する。前記支持基台は、前記ガイド軸部の基部を支持して、前記ガイド軸部の軸方向を傾斜させる。前記付勢部は、前記ガイド軸部の頂部に向けて前記グリップ部を前記軸方向に付勢する。
【選択図】
図3