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特許7160425海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/24 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
G01N33/24 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022099894
(22)【出願日】2022-06-21
(65)【公開番号】P2022123097
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】202110960671.2
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520328464
【氏名又は名称】中国科学院地質與地球物理研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF GEOLOGY AND GEOPHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】No.19 Beitucheng West Road,Chaoyang District,Beijing 100000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】汪文洋
(72)【発明者】
【氏名】王雅萍
(72)【発明者】
【氏名】厖雄奇
(72)【発明者】
【氏名】陳掌星
(72)【発明者】
【氏名】張旺
(72)【発明者】
【氏名】朱日祥
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106991279(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110501744(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111027780(CN,A)
【文献】特開2000-270898(JP,A)
【文献】JINLIANG Gao、他2名,Pyrolysis of coal measure source rocks at highly to over mature stage and its geological implications,Petroleum Exploration and Development,2020年,Vol.47,No.4,Page.773-780
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/24
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法であって、該方法は、以下のステップ:
高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図及び炭化水素源岩の水素指数進化断面図を構築するステップS100であって、構築方法は、具体的に、炭化水素源岩の熱分解実験により高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル指数、水素指数及び同等ビトリナイト反射率を獲得し、ビトリナイトが足りない海相地層で、前記炭化水素生成ポテンシャル指数、前記水素指数及び前記同等ビトリナイト反射率に基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図及び炭化水素源岩の水素指数進化断面図を構築することを含み、前記炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図は、前記炭化水素生成ポテンシャル指数と前記同等ビトリナイト反射率との関係図であり、前記炭化水素源岩の水素指数進化断面図は、前記水素指数と前記同等ビトリナイト反射率との関係図であり、前記炭化水素生成ポテンシャル指数は
であり、そのうち、S1,S2は、それぞれ、単位質量の炭化水素源岩試料を300℃、300℃~600℃に加熱した時に獲得した炭化水素量であり、単位がmgHC/gであり、TOCは、単位質量の炭化水素源岩における総有機炭素含有量であり、単位がmg/gであり、前記水素指数は
であり、前記同等ビトリナイト反射率はR0であり、
であり、そのうち、Tmaxは、炭化水素源岩の熱分解実験の最も高い熱分解ピーク温度である、ステップS100と、
高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界条件を確定し、炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルを逆演算するステップS200であって、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界条件の確定方法は、包有物実験により流体包有物の均一温度分布図を獲得し、前記流体包有物の均一温度分布図に基づいて第1期の包有物の均一温度メインピークを確定し、典型的坑井沈積埋蔵史及び熱進化史図に応じて前記第1期の包有物の均一温度メインピーク時に等温線において対応する最小値Rminを取得し、この値がRoeであり、即ち炭化水素排出の臨界条件に対応する炭化水素排出の臨界熟成度である、ことであり、
前記高-過熟成炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルの逆演算方法は、前記炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図に応じて炭化水素生成ポテンシャル指数の包絡線Igを取得し、
であり、そのうち、a、b、c、dのいずれも定数であり、前記炭化水素生成ポテンシャル指数の包絡線及び前記炭化水素排出の臨界熟成度に基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルIogを取得し、
であり、ことである、ステップS200と、
高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件を逆演算するステップS300であって、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件の逆演算方法は、前記炭化水素源岩の水素指数進化断面図に基づいて水素指数の包絡線HIを取得し、
であり、そのうち、e、f、g、hのいずれも定数であり、前記水素指数の包絡線、前記炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルに基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件Rogを獲得し、そのうち、Rogは、前記水素指数の包絡線と前記炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルとの交点箇所に対応する同等ビトリナイト反射率である、ことである、ステップS300と、
高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルを構築するステップS400であって、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルの構築方法は、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図、前記高-過熟成炭化水素源岩の水素指数進化断面図、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界条件、前記高-過熟成炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャル、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件に基づいて、MATLAB(登録商標)ソフトウェアを用いて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルを構築し、モデルにおいてRog、Roe、HI、Ig及びIogを標識する、ことである、ステップS400と、
高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成率、炭化水素排出率及び炭化水素残留率を確定するステップS500であって、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルに基づいて、炭化水素源岩の炭化水素生成率、炭化水素源岩の炭化水素排出率及び炭化水素源岩の炭化水素残留率を算出し、前記炭化水素源岩の炭化水素生成率はqgであり、即ち
であり、前記炭化水素源岩の炭化水素排出率はqeであり、即ち
であり、前記炭化水素源岩の炭化水素残留率はqrであり、即ち
である、ステップS500と、
高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留強度及び炭化水素残留量を算出するステップS600であって、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留強度の算出方法は、具体的に、異なる熱進化段階に対応する炭化水素排出率、有機質豊度、炭化水素源岩の厚さ及び密度の積分に応じて、炭化水素源岩の異なる熱進化段階における炭化水素残留強度Irを取得することであり、
であり、そのうち、Hは炭化水素源岩の厚さであり、
は炭化水素源岩の密度であり、Aは炭化水素源岩の分布面積であり、TOC0は炭化水素源岩の原始的総有機炭素含有量であり、
前記炭化水素残留強度に基づいて各地質時代の炭化水素残留総量Qrを取得し、
である、ステップS600と、を含む、ことを特徴とする海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法。
【請求項2】
であり、
である、ことを特徴とする請求項1に記載の海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイル・ガス採掘の技術分野に属し、具体的には海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素源岩層系には膨大なシェール(shale)オイル・ガス資源が潜んでおり、残留量の多少はシェールオイル・ガス資源ポテンシャルの大きさを決定し、残留量評価はシェールオイル・ガス資源の評価、有利な探査目標の最適化に対して重大な意味を持っている。如何に海相(marine)高-過熟成(post-to over-mature)炭化水素源岩(hydrocarbon source rock)の残留量評価モデルを構築してその炭化水素残留量を算出するか、これは地球化学界の長期にわたって解決されていない難題であり、根本的な原因は、海相高-過熟成炭化水素源岩の熟成度が一般的に非常に高く、未熟成・低熟成の炭化水素源岩が足りなくて、炭化水素源岩の完全な炭化水素生成-残留-排出の進化過程を再構築することができない。
【0003】
炭化水素源岩の残留量を評価する過程において、最も重要なパラメータには、炭化水素生成の臨界条件、炭化水素残留ポテンシャルの熱に伴う進化程度の変化という2つのパラメータの確定が含まれる。高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量を評価する時に、前任者らはこの課題を解決するために、主に以下の方法を採用する。1)経験により、人為的に炭化水素生成の臨界条件を取り、例えば、熱進化程度R0(即ちビトリナイト(vitrinite)反射率)が0.4%、0.5%、0.6%であるなど;2)同じ盆地の浅層のより新しい地層の未熟成・低熟成の海相炭化水素源岩、異なる盆地の同じ年代の地層の未熟成・低熟成の海相炭化水素源岩を用いて、研究区域の未熟成・低熟成の炭化水素源岩の試料が足りないことを補い、炭化水素生成ポテンシャル(hydrocarbon generation potential)法に基づいて炭化水素残留量を算出する。
【0004】
以上の方法は下記のような欠点が存在する。第一、異なる種類の炭化水素源岩は炭化水素排出開始の臨界条件が異なり、異なる学者によって定められた炭化水素生成の臨界条件は人によって異なるため、該方法は主観的過ぎて科学性に足りないし、広く応用されることも不可能であり;第二、代替の未熟成・低熟成の炭化水素源岩試料を探すのも困難であり、中国の下部古生界海相地層からは未熟成・低熟成の炭化水素源岩がまだ発見されておらず、古海相地層で未熟成・低熟成の炭化水素源岩が足りないことは非常に一般的な現象であり;また、同じ盆地の浅層のより新しい地層又は異なる盆地の未熟成・低熟成の試料を補充試料として使用することには、大きな問題があり、その沈積環境、有機相、有機質の種類及び有機質の濃縮条件のいずれも大いに異なる。これらは、炭化水素源岩の炭化水素生成-残留-排出の進化に影響する重要な要素である。炭化水素源岩の炭化水素残留特徴が明白に認識されなければ、シェールオイル・ガス資源ポテンシャルを原因から科学的に予測することが困難であり、最終的にはシェールオイル・ガス探査の目標選定区域の評価に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術における上記課題を解決するためには、即ち、従来の高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法は精度が低く、未熟成・低熟成の試料に依存するという課題を解決するために、本発明は、海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法を提供し、該方法は、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図及び炭化水素源岩の水素指数進化断面図を構築するステップS100と、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界条件を確定し、炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルを逆演算するステップS200と、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件を逆演算するステップS300と、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルを構築するステップS400と、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成率、炭化水素排出率及び炭化水素残留率を確定するステップS500と、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留強度及び炭化水素残留量を算出するステップS600と、を含む。
【0006】
いくつかの好ましい実施例において、ステップS100の構築方法は、具体的に、炭化水素源岩の熱分解実験により炭化水素生成ポテンシャル指数、水素指数及び同等ビトリナイト反射率を獲得することを含む。
【0007】
ビトリナイトが足りない海相地層で、前記炭化水素生成ポテンシャル指数、前記水素指数及び前記同等ビトリナイト反射率に基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図及び炭化水素源岩の水素指数進化断面図を構築し、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図は、前記炭化水素生成ポテンシャル指数と前記同等ビトリナイト反射率との関係図であり、前記高-過熟成炭化水素源岩の水素指数進化断面図は、前記水素指数と前記同等ビトリナイト反射率との関係図である。
【0008】
前記炭化水素生成ポテンシャル指数は、
であり、そのうち、S1,S2は、それぞれ、単位質量の炭化水素源岩試料を300℃、300℃~600℃に加熱して獲得した炭化水素量であり、単位がmg HC/gであり、TOCは、単位質量の炭化水素源岩における総有機炭素含有量であり、単位がmg/gである。
【0009】
前記水素指数は
である。
【0010】
前記同等(equivalent)ビトリナイト反射率はR0であり、
であり、
そのうち、Tmaxは炭化水素源岩の熱分解実験の最も高い熱分解ピーク温度である。
【0011】
いくつかの好ましい実施例において、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界条件の確定方法は、包有物実験により流体包有物の均一温度分布図を獲得し、前記流体包有物の均一温度分布図に基づいて第1期の包有物の均一温度メインピークを確定し、典型的坑井堆積埋蔵史及び熱進化史図に応じて前記第1期の包有物の均一温度メインピーク時に等温線において対応する最小値Rminを取得し、この値がRoe、即ち、炭化水素排出の臨界条件に対応する炭化水素排出の臨界熟成度である、ことである。
【0012】
いくつかの好ましい実施例において、前記高-過熟成炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルの逆演算方法は、前記炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図に応じて炭化水素生成ポテンシャル指数の包絡線Igを取得し、
であり、そのうち、a、b、c、dのいずれも定数である、ことである。
【0013】
前記炭化水素生成ポテンシャル指数の包絡線及び前記炭化水素排出の臨界熟成度に基づいて、炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルIogを取得し、
である。
【0014】
いくつかの好ましい実施例において、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件の逆演算方法は、前記炭化水素源岩の水素指数進化断面図に基づいて水素指数の包絡線HIを取得し、
であり、そのうち、e、f、g、hのいずれも定数である、ことである。
【0015】
前記高-過熟成炭化水素源岩の水素指数の包絡線、前記高-過熟成炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルに基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件Rogを獲得し、そのうち、Rogは、前記水素指数の包絡線と前記高-過熟成炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルとの交点箇所に対応する同等ビトリナイト反射率である。
【0016】
いくつかの好ましい実施例において、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルの構築方法は、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図、前記高-過熟成炭化水素源岩の水素指数進化断面図、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界条件、前記高-過熟成炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャル、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件及びMATLABソフトウェアに基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルを構築し、モデルにおいてRog、Roe、HI、Ig及びIogを標識する、ことである。
【0017】
いくつかの好ましい実施例において、ステップS500は、具体的に、前記高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルに基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成率、炭化水素排出率及び炭化水素残留率を算出することを含む。
【0018】
前記炭化水素源岩の炭化水素生成率はqgであり、
である。
【0019】
前記炭化水素源岩の炭化水素排出率はqeであり、
である。
【0020】
前記炭化水素源岩の炭化水素残留率はqrであり、
である。
【0021】
いくつかの好ましい実施例において、前記炭化水素源岩の炭化水素残留強度の算出方法は、具体的に、異なる熱進化段階に対応する炭化水素排出率、有機質豊度、炭化水素源岩の厚さ及び密度積分に応じて、炭化水素源岩の異なる熱進化段階における炭化水素残留強度Irを取得する、ことである。
【0022】
である。
【0023】
Hは炭化水素源岩の厚さであり、
は炭化水素源岩の密度であり、Aは炭化水素源岩の分布面積であり、TOC0は炭化水素源岩の原始的総有機炭素含有量である。
【0024】
いくつかの好ましい実施例において、
である。
【0025】
である。
【0026】
いくつかの好ましい実施例において、前記炭化水素残留強度に基づいて各地質時代の炭化水素残留総量Qrを取得する。
【0027】
rは、
である。
【発明の効果】
【0028】
1)本発明は高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留新モデルを構築し、該モデルは、未熟成、低熟成の試料に依存せず、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留特徴を研究することができる。
【0029】
2)本発明は、海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価の新方法及び流れを形成し、未熟成、低熟成の試料が足りない地層の海相炭化水素源岩の炭化水素残留量をより科学的に算出して、高-過熟成炭化水素源岩発育区域のシェールオイル・ガス資源の評価に科学的根拠を提供し、シェールオイル・ガス探査の目標選定区域の評価に有力な理論的指導を提供することができる。また、シェールオイル・ガスの探鉱作業の効率を改善したり、探鉱作業のコストを大幅に削減したりすることに対して重要な意義を有している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下の図面を参照した非限定的な実施例に対する詳細的な説明を閲読することにより、本願の他の特徴、目的及び利点はより明らかにされる。
【0031】
図1】本発明の1種の実施例のフロー模式図である。
図2】本発明における高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留の概念モデル図である。
図3】四川盆地の震旦系高-過熟成藻雲岩炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル、水素指数進化断面である。
図4】四川盆地の震旦系白雲岩流体包有物の均一温度分布のヒストグラムである。
図5】四川盆地の磨溪8坑井の沈積埋蔵史及び熱進化史図である。
図6】四川盆地の震旦系高-過熟成藻雲岩炭化水素源岩の生成-排出-残留モデルである。
図7】四川盆地の震旦系藻雲岩炭化水素源岩の現在炭化水素残留強度図である。
図8】本発明の1種の実施例の、本願の実施例を実現するのに適した電子設備のコンピュータシステムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明する。当業者であれば、これらの実施形態は、本発明の技術原理を解釈するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定する意図がないことを理解すべきである。
【0033】
本発明は、海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法を提供し、該方法は、以下のステップを含む。ステップS100において、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図及び炭化水素源岩の水素指数進化断面図を構築し、具体的には、炭化水素源岩の熱分解実験により炭化水素生成ポテンシャル指数
、水素指数
及び同等ビトリナイト反射率R0を獲得し、ビトリナイトが足りない海相地層で、炭化水素生成ポテンシャル指数、水素指数及び同等ビトリナイト反射率に基づいて、炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図及び炭化水素源岩の水素指数進化断面図を構築することを含み、そのうち、炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図は、炭化水素生成ポテンシャル指数と同等ビトリナイト反射率との関係図であり、炭化水素源岩の水素指数進化断面図は、水素指数と同等ビトリナイト反射率との関係図である。
【0034】
ステップS200において、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界条件を確定し、高-過熟成炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルを逆演算し、そのうち、炭化水素排出の臨界条件の確定方法は、包有物実験により流体包有物の均一温度分布図を獲得し、取得された流体包有物の均一温度分布図に基づいて第1期の包有物の均一温度メインピーク(main peak)を確定し、典型的坑井沈積埋蔵史及び熱進化史図に応じて前記第1期の包有物の均一温度のメインピーク時に等温線において対応する最小値Rminを取得し、この値がRoeであり、即ち炭化水素排出の臨界条件に対応する炭化水素排出の臨界熟成度である、ことである。炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルの逆演算方法は、炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図に応じて炭化水素生成ポテンシャル指数の包絡線Igを取得し、
であり、そのうち、a、b、c、dのいずれも定数であり、炭化水素生成ポテンシャル指数の包絡線及び炭化水素排出の臨界熟成度に基づいて、炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルIogを取得し、
である、ことである。
【0035】
ステップS300において、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件を逆演算し、具体的には、高-過熟成炭化水素源岩の水素指数進化断面図に基づいて水素指数の包絡線HIを取得し、該水素指数の包絡線、炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルに基づいて、両者の交点箇所に対応する同等ビトリナイト反射率を獲得し、即ち炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件Rogである、ことを含む。
【0036】
ステップS400において、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルを構築し、具体的には、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図、高-過熟成炭化水素源岩の水素指数進化断面図、高-過熟成炭化水素排出の臨界条件、高-過熟成炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャル、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件及びMATLABソフトウェアに基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルを構築することを含む。
【0037】
ステップS500において、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成率、炭化水素排出率及び炭化水素残留率を確定し、具体的には、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルに基づいて、炭化水素源岩の炭化水素生成率qg、炭化水素源岩の炭化水素排出率qe及び炭化水素源岩の炭化水素残留率qrを算出することを含み、そのうち、
であり、
であり、
である。
【0038】
ステップS600において、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留強度及び炭化水素残留量を算出し、具体的には、異なる熱進化段階に対応する炭化水素排出率、有機質豊度、炭化水素源岩の厚さ及び密度の積分に応じて、炭化水素源岩の異なる熱進化段階における炭化水素残留強度Irを取得し、該炭化水素残留強度に基づいて各地質時代の炭化水素残留総量Qrを取得することを含む。
【0039】
である。
【0040】
である。
【0041】
である。
【0042】
である。
【0043】
本発明は、低熟成の試料に依存せず高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留評価に適したモデルを構築し、海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法を形成し、シェールオイル・ガス資源の評価に科学的根拠を提供し、シェールオイル・ガス探査の目標選定区域の評価に有力な理論的指導及び技術的支持を提供することができる。
【0044】
以下、図面を四川盆地の実施例と併せて参照し、本発明をさらに説明する。
【0045】
四川盆地は中国の中部に位置し、盆地面積が約19×104km2であり、中国主要な天然ガスの産出区域の1つである。四川盆地は、典型的な畳合オイル・ガス含有盆地であり、多回転構造運動及び多種類盆地の重畳改造を経て、油生成層-貯留層-遮断層の組合せを複数形成し、多層系オイル・ガス含有の特徴を有する。四川盆地の震旦系の下部三畳までは総括して海相炭酸塩岩地層であり、本願の研究対象層位は震旦系上統灯影組であり、岩相及び生物的特徴に応じて灯影組は上から下まで灯4(Z24)、灯3(Z23)、灯2(Z22)及び灯1(Z21)の4つの岩相段に分けられる。そのうち、灯影組藻雲岩という四川盆地震旦系の重要な炭化水素源岩は、主に灯4(Z24)及び灯2(Z22)段に分布し、埋没深度が5000mより超え、炭化水素源岩が全て高-過熟成熱進化段階に到達しており、厚さが300m~1350mであり、四川盆地に広く分布している。
【0046】
図1ないし図7を参照し、本発明は、海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法を提出し、そのうち、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素排出概念モデルを構築することは、図2に示すように、以下のステップを含む。ステップS100において、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面及び炭化水素源岩の水素指数進化断面を構築する。四川盆地の震旦系藻雲岩炭化水素源岩の熱分解実験により獲得されたパラメータから、炭化水素生成ポテンシャル指数
、水素指数
、同等ビトリナイト反射率R0を算出して得る。
【0047】
ビトリナイトが足りない海相地層で、炭化水素生成ポテンシャル指数、水素指数及び同等ビトリナイト反射率に基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図及び炭化水素源岩の水素指数進化断面図(図3)を構築し、炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図は、炭化水素生成ポテンシャル指数が同等ビトリナイト反射率に伴って変化する関係図であり、炭化水素源岩の水素指数進化断面図は、水素指数が同等ビトリナイト反射率に伴って変化する関係図である。
【0048】
さらに、
であり、そのうち、Tmaxは、炭化水素源岩の熱分解実験の最も高い熱分解ピーク温度であり、R0の単位が%で、Tmaxの単位が℃である。
【0049】
ステップS200において、四川盆地の震旦系高-過熟成藻雲岩炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界条件を確定し、炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルを逆演算する。まず、(顕微)鏡下薄片分析及び地質分析から分かるように、四川盆地灯影組には3期の包有物が形成され、第1期の包有物は、白雲岩結晶粒の中に形成され、灯影組包有物実験の分析により流体包有物の均一温度分布図(図4)を獲得して、第1期の包有物の均一温度ピーク温度が120℃と130℃との間にあることを確定し、定量的特徴付けのために、中間値125℃(最終的なメインピークとする)を取り、この古地温下で炭化水素源岩が炭化水素を大量に排出し始めることを意味する。四川盆地典型的坑井の磨溪8坑井の沈積埋蔵史及び熱進化史図(図5)と結び付けて、灯影組藻雲岩炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界熟成度Roeを逆演算し、該図において、灯影組の125℃等温線における最も小さいR0は、灯影組藻雲岩炭化水素源岩の炭化水素排出の臨界熟成度Roeであり、そのRoeが0.92%である。これは、四川盆地の震旦系藻雲岩はR0が0.92%であると炭化水素源岩が炭化水素を大量に排出し始める、ということを意味し、即ち、炭化水素排出の臨界熟成度(Roe)は、Roe=0.92%に対応する。
【0050】
高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図に応じて炭化水素生成ポテンシャル指数の包絡線Igを取得し、
である。
【0051】
高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル指数の包絡線及び炭化水素排出の臨界熟成度に応じて、炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルIogを取得し、具体的には、炭化水素生成ポテンシャル指数の包絡線と熱進化程度との関係に応じて両者の数学的関係式をフィッティングし、炭化水素源岩の炭化水素排出の進化断面において、炭化水素排出の臨界熟成度の箇所に対応する炭化水素生成ポテンシャルは、炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルであり、算出に応じて、四川盆地の震旦系藻雲岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルは、Iog=756mg HC/g TOCである。
【0052】
さらに、四川盆地の震旦系高-過熟成藻雲岩炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件を逆演算する。
【0053】
構築された四川盆地の震旦系藻雲岩炭化水素源岩の水素指数進化断面図に応じて水素指数の包絡線HIを獲得し、
であり、獲得された四川盆地の震旦系藻雲岩の原始的炭化水素生成ポテンシャル及び該水素指数の包絡線に応じて、炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件Rog(即ち、水素指数の包絡線と炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャルとの交点箇所に対応する同等ビトリナイト反射率)を獲得し、本実施例において、
である。
【0054】
ステップS400において、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル進化断面図、炭化水素源岩の水素指数進化断面図、炭化水素排出の臨界条件、炭化水素源岩の原始的炭化水素生成ポテンシャル、炭化水素源岩の炭化水素生成の臨界条件及びMATLABソフトウェアに基づいて、高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデル(本実施例では、図6示すように、四川盆地の震旦系藻雲岩炭化水素源岩の高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルを構築する)を構築し、モデルにおいてRog、Roe、HI、Ig及びIogを標識する。該モデルでは、炭化水素源岩の炭化水素生成ポテンシャル、水素指数は、熱熟成度の増加に伴って低下する。
【0055】
ステップS500において、四川盆地の震旦系高-過熟成藻雲岩炭化水素源岩の炭化水素生成率、炭化水素排出率及び炭化水素残留率を確定する。高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素生成-排出-残留モデルに基づいて、炭化水素源岩の炭化水素生成率qg、炭化水素源岩の炭化水素排出率qe及び炭化水素源岩の炭化水素残留率qrを算出する。
【0056】
である。
【0057】
である。
【0058】
である。
【0059】
ステップS600において、四川盆地の震旦系藻雲岩炭化水素源岩の炭化水素残留強度及び炭化水素残留量を確定する。異なる熱進化段階に対応する炭化水素排出率、有機質豊度、炭化水素源岩の厚さ及び密度の積分に応じて、炭化水素源岩の異なる熱進化段階における炭化水素残留強度Irを取得し、該炭化水素残留強度に基づいて各地質時代の炭化水素残留総量Qrを取得する。
【0060】
そのうち、
であり、Hは炭化水素源岩の厚さであり、
は炭化水素源岩の密度であり、Aは炭化水素源岩の分布面積であり、TOC0は炭化水素源岩の原始的総有機炭素含有量である。
【0061】
である。
【0062】
である。
【0063】
である。
【0064】
さらに、図7を参照し、図7は四川盆地の震旦系藻雲岩炭化水素源岩の現在炭化水素残留強度分布図であり、炭化水素残留強度Irは最高で
であり、四川盆地の震旦系藻雲岩炭化水素源岩の炭化水素残留総量Qr
油相当量である。シェールガスの有利な探査目標区域は、炭化水素残留強度が最も高い区域に位置する。
【0065】
本発明は、海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価に基づくシェールガス坑井位置取得システムをさらに提供し、上記の海相高-過熟成炭化水素源岩の炭化水素残留量評価方法に基づいて炭化水素残留強度分布図を取得し、該図を第1の分布図とする炭化水素残留強度分布図生成装置と、評価待ち区域の地質地図、等高線を含む地質情報データベースと、前記炭化水素残留強度分布図に等高線を重畳させて第2の分布図を獲得し、プリセットされた第1の面積情報に基づいて選択待ちのシェールガス坑井位置区域を1つ又は複数取得し、等高線が最も低い選択待ちのシェールガス坑井位置区域を最適のシェールガス坑井位置区域として選出するように配置されるシェールガス坑井位置最適化装置と、最適のシェールガス坑井位置区域を追加した第2の分布図を表示するために用いられる表示デバイスと、を備える。
【0066】
前記プリセットされた第1の面積情報は、プリセットされたシェールガス坑井採掘に必要な地表面積情報であり、プリセットされた面積、プリセットされた高度落差を含む。プリセットされた第1の面積情報のうちのプリセットされた面積の形状は、一般的に正方形又は矩形である。
【0067】
プリセットされた第1の面積情報に基づいて選択待ちのシェールガス坑井位置区域を取得する方法は、炭化水素残留強度分布図における炭化水素残留等値線に基づいて、プリセットされた炭化水素残留強度数値より大きい炭化水素残留強度連続区域を第1の分析待ち区域として取得し、炭化水素残留強度連続区域の最も小さい外接矩形を第2の分析待ち区域として取得し、スライドウィンドウを用いて第2の分析待ち区域に行き渡らせ、第1の分析待ち区域に完全に収まりかつ前記プリセットされた第1の面積情報を満たす区域を選択待ちのシェールガス坑井位置区域として取得する、ことであり、前記スライドウィンドウは、前記プリセットされた第1の面積情報のうちのプリセットされた面積に基づいて作成される。
【0068】
選択待ちのシェールガス坑井位置区域に対して等高線比較を行う時に、選択待ちのシェールガス坑井位置区域の中心点が位置する等高線を用いて比較することができる。
【0069】
最適のシェールガス坑井位置の等高線とそれほど変わらない選択待ちのシェールガス坑井位置区域が存在する場合、この時、道路網情報を更なる最適化判定の条件とし、既存道路網に最も近い選択待ちのシェールガス坑井位置区域を最適のシェールガス坑井位置区域として更新することができる。道路網情報は、地質情報データベースに格納することができ、このステップを行う時に、道路網情報を地質情報データベースから呼び出し、第2の分布図に重畳させて、第3の分布図とする。道路網情報が追加された場合、前記表示デバイスは、最適のシェールガス坑井位置区域が追加された第3の分布図を表示するために用いられる。
【0070】
前記表示デバイスは、さらに、全ての選択待ちのシェールガス坑井位置区域を表示し、所在する等高線に応じて低から高まで最適化レベル表記を行うことに用いられることができるほか、ヒューマンインタフェースデバイス(例えばマウス、キーボード、音声制御デバイスなど)が取得した情報に基づいて、選択待ちのシェールガス坑井位置区域の最適化レベルの調整を行うこともできる。
【0071】
上記各実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、そのうち、方法の実施ステップなどはいずれも変更することができ、本発明の技術案の基に行われる等価の置換及び改良である限り、いずれも本発明の保護範囲外に除外されるべきではない。
【0072】
以下、図8を参照し、そこには、本願の方法、システム、装置の実施例を実現するのに適したサーバのコンピュータシステムの構造模式図が示されている。図8に示すサーバは、1つの例示的なものに過ぎず、本願の実施例の機能及び使用範囲にいかなる限定も与えるべきではない。
【0073】
図8に示すように、コンピュータシステムは、リードオンリーメモリー(ROM,Read Only Memory)802に格納されるプログラム、又は格納部808からランダムアクセスメモリー(RAM,Random Access Memory)803にロードされるプログラムに応じて各種適切な動作及び処理を実行可能な中央処理ユニット(CPU,Central Processing Unit)801を備える。RAM803には、システムの操作に必要な各種のプログラム及びデータがさらに格納されている。CPU801、ROM802及びRAM803は、互いにバス804を介して繋がる。入力/出力(I/O,Input/Output)インタフェース805もバス804に接続される。
【0074】
以下の部材、即ち、キーボード、マウスなどを含む入力部806と、例えば陰極線管(CRT,Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ(LCD,Liquid Crystal Display)など、及びスピーカなどを含む出力部807と、ハードディスクなどを含む格納部808と、例えばLAN(ローカルネットワーク,Local Area Network)カード、モデムなどのネットワークインタフェースカードを含む通信部809とは、I/Oインタフェース805に接続される。通信部809は、例えばインターネットのネットワークを介して通信処理を実行する。ドライバ810も必要に応じてI/Oインタフェース805に接続される。リムーバブルメディア811、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどは、必要に応じてドライバ810に取り付けられ、これにより、そこから読み取られたコンピュータプログラムは、必要に応じて格納部808にインストールされることが容易になる。
【0075】
特に、本開示の実施例によれば、上記フローチャートを参照して説明された過程は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されることができる。例えば、本開示の実施例は、コンピュータ可読媒体に載せられたコンピュータプログラムが備えられるコンピュータプログラム製品を含み、該コンピュータプログラムは、フローチャートに示す方法を実行するためのプログラムコードを備える。このような実施例において、該コンピュータプログラムは、通信部809を介して、ネットワークからダウンロード及びインストールされることができる、及び/又はリムーバブルメディア811からインストールされる。該コンピュータプログラムが中央処理ユニット(CPU801に実行されると、本願の方法で限定される上記機能が実行される。
【0076】
特に、本発明の実施例によれば、以上のフローチャートを参照して説明した過程は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されることができる。たとえば、本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能な媒体に載せられた、フローチャートに示す方法を実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムを含む、コンピュータプログラム製品を含む。このような実施例において、該コンピュータプログラムは、通信によって部分的にネットワークからダウンロードしてインストールされ、および/またはリムーバブル媒体からインストールされてもよい。該コンピュータプログラムは、中央処理装置(CPU)により実行される場合、本発明の方法において限定された上記機能を実行する。なお、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な信号媒体またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体または上記両者の任意の組合せであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、たとえば、電気、磁気、光、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置またはデバイス、または任意の以上の組合せを含んでもよいがこれらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体例は、1つまたは複数のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリー(RAM)、読み取り専用メモリー(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリー(EPROMまたはフラッシュメモリー)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリー(CD-ROM)、光ストレージコンポーネント、磁気ストレージデバイス、または上記任意の接的な組合せを含んでもよいがこれらに限定されない。本発明において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、いずれのプログラムを含むまたは記憶する有形媒体であってもよく、該プログラムは、命令実行システム、装置またはデバイスで使用されるか、またはそれと組み合わせて使用させてもよい。本発明において、コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、ベースバンドに含まれてもよいか、またはキャリアウェーブの一部として伝送する、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードが載せられたデータ信号であってもよい。このような伝送するデータ信号は、複数種の形態を利用することができ、電磁信号、光信号または上記の任意の適当な組合せを含むが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外のいずれのコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよく、該コンピュータ読み取り可能な媒体は、命令実行システム、装置またはデバイスで使用されるか、またはそれと組み合わせて使用するプログラムを送信、伝送または輸送することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるプログラムコードは、任意の適当な媒体で輸送されることができ、無線、ワイヤ、光ケーブル、RF(無線周波数)など、または上記の任意の適合な組合せを含むが、これらに限定されない。
【0077】
1種または複数種のプログラムデザイン言語またはその組合せで本発明の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードを書き、上記プログラムデザイン言語は、オブジェクト指向プログラミング言語、たとえば、Java(登録商標)、Smalltalk、C++を含み、従来の手続型プログラムデザイン言語、たとえば「C」言語または類似のプログラムデザイン言語をさらに含む。プログラムコードは、完全にユーザコンピュータで実行され、部分的にユーザコンピュータで実行され、1つの独立なソフトウェアパッケージとして実行され、部分的にユーザコンピュータで部分的にリモートコンピュータで実行され、または完全にリモートコンピュータまたはサーバで実行されてもよい。リモートコンピュータに関する状況において、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークによってユーザコンピュータに接続されることができ、或いは、外部コンピュータに接続される(たとえば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットによって接続される)ことができる。
【0078】
図面におけるフローチャートとブロック図は、本発明の各種の実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点では、フローチャートまたはブロック図における各ボックスは1つのモジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部を代表することができ、該モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部が1つまたは複数の所定のロジック機能を実現するための実行可能な命令を含む。注意すべきものとして、幾つかの切り替え可能な実現において、ボックスに表記した機能も図面に表記した順序と異なるもので発生することができる。例えば、2つの連続して示すボックスは実際に基本的に並行して実行でき、それらは関連する機能によれば、逆の順序で実行される場合がある。また、注意する必要があるものとして、ブロック図及び/またはフローチャートにおける各ボックス、及びブロック図及び/またはフローチャートにおけるボックスの組み合わせは、所定の機能または操作を実行する専用のハードウェアに基づくシステムで実現されることができるか、または専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現されることができる。
【0079】
また、用語「第1」「第2」などは、類似する対象を区分するためのものに過ぎず、特定の順序または時間的順序を説明又は表示するためのものではない。
【0080】
用語「含む」または何れの他の類似用語は、非排他的に含むを意味する。したがって、一連の要素を含む過程、方法、物または装置/デバイスには、それらの要素に加え、その他の明示しない要素を含み、或いは、これらの過程、方法、物、または装置/デバイスに固有する要素をさらに含むことができる。
【0081】
ここに至って、図面に示す好適な実施形態を結び付けて本発明の技術案について説明したが、当業者であれば、本発明の保護範囲は、これらの具体的な実施形態に限定されないことを理解すべきである。本発明の原理から逸脱しない限り、当業者が関連技術特徴に対して均等な変更または置換を行うことができ、これらの変更または置換された技術案は、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8