(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】無線LAN装置、チャネル制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20221018BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221018BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20221018BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W72/04 132
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2021064016
(22)【出願日】2021-04-05
【審査請求日】2021-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】多田 健一
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-182129(JP,A)
【文献】特表2020-516176(JP,A)
【文献】特開2010-278825(JP,A)
【文献】特開2013-168904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末と無線通信を行う通信部と、
前記通信部において用いられている第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを用いたレーダー波の
受信を可能とし、前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を行う
受信部と、
前記通信部において前記第1のチャネルを用いたレーダー波が検出されたタイミングに、前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視が所定期間経過していない場合に、前記通信部が使用するチャネルを、レーダー波の監視を要求されていない第3のチャネルへ切り替え
て前記無線端末との無線通信を継続させるとともに、前記
受信部における前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を継続させる制御部と、を備え、
前記受信部は、前記通信部を構成する回路とは異なる回路によって構成され、
前記制御部は、
前記
受信部が前記第2のチャネルを用いたレーダー波を前記所定期間検出しなかった場合、前記通信部が使用するチャネルを前記第3のチャネルから前記第2のチャネルへ切り替え、前記通信部が使用するチャネルを前記第3のチャネルから前記第2のチャネルへ切り替えたタイミングに、前記
受信部に対してレーダー波の監視を要求される第4のチャネルを用いたレーダー波の監視を開始させる、無線LAN装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記通信部が使用するチャネルを、前記
受信部においてレーダー波を前記所定期間検出しなかった前記第1のチャネルへ切り替えたタイミングに前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を開始させる、請求項1に記載の無線LAN装置。
【請求項3】
前記制御部は、
レーダー波を前記所定期間検出しなかったチャネルに関連付けられるフラグの値を第1の値に設定し、監視が前記所定期間経過していないチャネルに関連付けられるフラグの値を第2の値に設定し、チャネルの管理を行う、請求項1又は2に記載の無線LAN装置。
【請求項4】
前記レーダー波の監視を要求されるチャネルは、5GHz帯のW53帯及びW56帯のチャネルであり、前記レーダー波の監視を要求されないチャネルは、5GHz帯のW52帯である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無線LAN装置。
【請求項5】
前記
受信部は、
前記通信部において用いられている前記第1のチャネルと、前記通信部が用いる周波数帯域以上離れた前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を行う、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無線LAN装置。
【請求項6】
無線端末と無線通信を行う通信部と、前記通信部において用いられている第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを用いたレーダー波の
受信を可能とし、前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を行う
受信部とを有する無線LAN装置
であって、前記通信部と前記受信部とが異なる回路によって構成される前記無線LAN装置において実行されるチャネル制御方法であって、
前記通信部において前記第1のチャネルを用いたレーダー波が検出されたタイミングに、前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視が所定期間経過していない場合に、前記通信部が使用するチャネルを、レーダー波の監視を要求されていない第3のチャネルへ切り替え
て前記無線端末との無線通信を継続させるとともに、前記
受信部における前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を継続させ、
前記
受信部が前記第2のチャネルを用いたレーダー波を前記所定期間検出しなかった場合、前記通信部が使用するチャネルを前記第3のチャネルから前記第2のチャネルへ切り替え、前記通信部が使用するチャネルを前記第3のチャネルから前記第2のチャネルへ切り替えたタイミングに、前記
受信部に対してレーダー波の監視を要求される第4のチャネルを用いたレーダー波の監視を開始させる、チャネル制御方法。
【請求項7】
無線端末と無線通信を行う通信部と、前記通信部において用いられている第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを用いたレーダー波の
受信を可能とし、前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を行う
受信部とを有する無線LAN装置
であって、前記通信部と前記受信部とが異なる回路によって構成される前記無線LAN装置であるコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記通信部において前記第1のチャネルを用いたレーダー波が検出されたタイミングに、前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視が所定期間経過していない場合に、前記通信部が使用するチャネルを、レーダー波の監視を要求されていない第3のチャネルへ切り替え
て前記無線端末との無線通信を継続させるとともに、前記
受信部における前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を継続させ、
前記
受信部が前記第2のチャネルを用いたレーダー波を前記所定期間検出しなかった場合、前記通信部が使用するチャネルを前記第3のチャネルから前記第2のチャネルへ切り替え、前記通信部が使用するチャネルを前記第3のチャネルから前記第2のチャネルへ切り替えたタイミングに、前記
受信部に対してレーダー波の監視を要求される第4のチャネルを用いたレーダー波の監視を開始させることをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は無線LAN装置、チャネル制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、5GHz帯の周波数を用いた通信を可能とする無線LANアクセスポイントが普及している。5GHz帯の周波数とは、例えばW52、W53、及びW56帯の通信チャネルにおいて用いられる周波数である。一般的に、W53及びW56帯の通信チャネルを用いる場合には、レーダー波を検知した際に、他の通信チャネルへ変更するDFS機能を用いることが法律において義務付けられている。
【0003】
特許文献1には、複数の無線通信回路を有する画像送信装置の構成が開示されている。画像送信装置は、第1の無線回路において画像受信装置と無線通信を行い、第2の無線回路において、W53もしくはW56に属する通信チャネルの監視を行い、第3の無線回路において、W52に属する通信チャネルの監視を行う。特許文献1の画像送信装置においては第1の無線回路においてレーダー波を検知した場合に、W52に属する通信チャネルと、W53もしくはW56に属する通信チャネルと、のうち品質の良い通信チャネルを選択して画像受信装置と無線通信を行う。特許文献1においては、画像送信装置は、第2の無線回路におけるW52に属する通信チャネルを選択した場合、第1の無線回路及び第2の無線回路において、W53もしくはW56に属する新たな通信チャネルの監視を開始する。ここで、画像送信装置は、第1の無線回路及び第2の無線回路において、60秒間W53もしくはW56に属する通信チャネルにおいてレーダー波を検知しなかったとする。この場合、画像送信装置は、W52に属する通信チャネルを使用している第3の無線回路から、第1もしくは第2の無線回路へ切り替えて無線通信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている画像送信装置は、W52に属する通信チャネルから、W53もしくはW56に属する通信チャネルへ切り替えるまでに、最短でも60秒を有する。しかし、W52に属する通信チャネルを使用する場合、DFS機能を用いる必要が無いことから、多くの無線通信装置がW52に属する通信チャネルを用いる。そのため、W52に属する通信チャネルを使用し続ける場合、他の無線通信装置との干渉が発生し、通信品質が劣化する可能性があるという問題がある。そのため、W52に属する通信チャネルから、W53もしくはW56に属する通信チャネルへ切り替えるまでの時間を短くすることが求められている。
【0006】
本開示の目的は、W52に属する通信チャネルから、W53もしくはW56に属する通信チャネルへ切り替えるまでの時間を短くすることができる無線LAN装置、チャネル制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかる無線LAN装置は、無線端末と無線通信を行う通信部と、前記通信部において用いられている第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を行う監視部と、前記通信部において前記第1のチャネルを用いたレーダー波が検出されたタイミングに、前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視が所定期間経過していない場合に、前記通信部が使用するチャネルを、レーダー波の監視を要求されていない第3のチャネルへ切り替えるとともに、前記監視部における前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を継続させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記監視部が前記第2のチャネルを用いたレーダー波を前記所定期間検出しなかった場合、前記通信部が使用するチャネルを前記第3のチャネルから前記第2のチャネルへ切り替える。
【0008】
本開示の第2の態様にかかるチャネル制御方法は、無線端末と無線通信を行う通信部と、前記通信部において用いられている第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を行う監視部とを有する無線LAN装置において実行されるチャネル制御方法であって、前記通信部において前記第1のチャネルを用いたレーダー波が検出されたタイミングに、前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視が所定期間経過していない場合に、前記通信部が使用するチャネルを、レーダー波の監視を要求されていない第3のチャネルへ切り替えるとともに、前記監視部における前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を継続させ、前記監視部が前記第2のチャネルを用いたレーダー波を前記所定期間検出しなかった場合、前記通信部が使用するチャネルを前記第3のチャネルから前記第2のチャネルへ切り替える。
【0009】
本開示の第3の態様にかかるプログラムは、無線端末と無線通信を行う通信部と、前記通信部において用いられている第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を行う監視部とを有する無線LAN装置であるコンピュータに実行させるプログラムであって、前記通信部において前記第1のチャネルを用いたレーダー波が検出されたタイミングに、前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視が所定期間経過していない場合に、前記通信部が使用するチャネルを、レーダー波の監視を要求されていない第3のチャネルへ切り替えるとともに、前記監視部における前記第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を継続させ、前記監視部が前記第2のチャネルを用いたレーダー波を前記所定期間検出しなかった場合、前記通信部が使用するチャネルを前記第3のチャネルから前記第2のチャネルへ切り替えることをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、W52に属する通信チャネルから、W53もしくはW56に属する通信チャネルへ切り替えるまでの時間を短くすることができる無線LAN装置、チャネル制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1にかかる無線LAN装置の構成図である。
【
図2】実施の形態2にかかる通信システムの構成図である。
【
図3】実施の形態2にかかる無線LAN装置の構成図である。
【
図4】実施の形態2にかかる5GHz帯のチャネル構成を説明する図である。
【
図5】実施の形態2にかかる通信チャネルの切替制御を説明する図である。
【
図6】実施の形態2にかかる送受信回路における通信チャネルの切替処理の流れを示す図である。
【
図7】実施の形態2にかかる送受信回路における通信チャネルの切替処理の流れを示す図である。
【
図8】実施の形態2にかかる受信回路における通信チャネルの切替処理の流れを示す図である。
【
図9】実施の形態2にかかる受信回路における通信チャネルの切替処理の流れを示す図である。
【
図10】それぞれの実施の形態1にかかる無線LAN装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1を用いて実施の形態1にかかる無線LAN(Local Area Network)装置10の構成例について説明する。無線LAN装置10は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実施することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。無線LAN装置10は、例えば、アクセスポイントもしくは無線LAN親機であってもよい。
【0013】
無線LAN装置10は、通信部11、監視部12、及び制御部13を有している。通信部11、監視部12、及び制御部13は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実施することによって処理が実施されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、通信部11、監視部12、及び制御部13は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0014】
通信部11は、無線端末と無線通信を行う。無線端末は、例えば、無線LAN端末であってもよい。無線LAN端末は、無線LAN子機と称されてもよい。通信部11は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.11において規定された通信規格を用いて無線端末と無線通信を行う。具体的には、通信部11は、無線端末と、5GHz帯の周波数を用いて無線通信を行う。5GHz帯の周波数とは、例えばW52、W53、及びW56帯の通信チャネルにおいて用いられる周波数である。
【0015】
通信部11は、無線端末との間において、テキストデータ、音声データ、画像データ、もしくは動画データ等を送信もしくは受信する。さらに、通信部11は、無線端末との間において、無線LAN通信を行うための制御データを送信もしくは受信する。
【0016】
監視部12は、通信部11において用いられている第1のチャネルとは異なる第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を行う。レーダー波は、例えば、気象レーダーもしくは航空レーダーから出力されるレーダー波であってもよい。チャネルは、データの送信もしくは受信を行う際に利用する周波数帯を示している。無線LAN通信規格に応じて、利用可能なチャネル数が定められている。監視部12は、第2のチャネルを用いて送信されるデータを受信可能とする。レーダー波の監視とは、第2のチャネルを用いたレーダー波を受信したか否かを判定することであってもよい。第2のチャネルは、例えば、レーダー波の監視を要求されるW53及びW56帯のいずれかの通信チャネルとする。
【0017】
制御部13は、監視部12において第2のチャネルを用いたレーダー波の監視が所定期間経過していないタイミングに、第1のチャネルを用いたレーダー波を検出する場合がある。この場合、制御部13は、通信部11において第1のチャネルを用いたレーダー波が検出されたタイミングに、通信部11が使用するチャネルを、レーダー波の監視を要求されていない第3のチャネルへ切り替える。さらに、制御部13は、監視部12における第2のチャネルを用いたレーダー波の監視を継続させる。
【0018】
通信部11は、第1のチャネルを用いて無線端末と無線通信を行っているため、第1のチャネルを用いたレーダー波を検出することがある。ここで、第1のチャネルは、レーダー波の監視を要求されるW53及びW56帯のいずれかの通信チャネルとする。制御部13は、通信部11において第1のチャネルを用いたレーダー波を検出した場合、第1のチャネルを他の通信チャネルへ変更する必要がある。この時、他の通信チャネルとしてW53もしくはW56帯の通信チャネルを用いる場合、他の通信チャネルは、1分間レーダー波を検出しない通信チャネルである必要がある。ここでは、レーダー波を検出しない期間である1分間を所定期間とする。そのため、制御部13は、第1のチャネルを、監視が所定期間経過していない第2のチャネルへ切り替えることはできない。そこで、制御部13は、第1のチャネルを、レーダー波の監視を要求されていない第3のチャネルへ切り替える。第3のチャネルは、例えば、W52帯の通信チャネルであるとする。
【0019】
さらに、制御部13は、通信部11が用いる通信チャネルを第1のチャネルから第3のチャネルへ切り替えた場合であっても、監視部12が監視する通信チャネルは、第2のチャネルのままとする。
【0020】
制御部13は、監視部12が、第2のチャネルを用いたレーダー波を所定期間検出しなかった場合、通信部11が使用する通信チャネルを、第3のチャネルから第2のチャネルへ切り替える。つまり、制御部13は、監視部12が、第2のチャネルを用いたレーダー波を1分間検出しなかった場合、通信部11が使用する通信チャネルを、第3のチャネルから第2のチャネルへ切り替える。
【0021】
以上説明したように、無線LAN装置10は、通信部11においてレーダー波を検出した際に、監視部12が監視している通信チャネルが、所定期間である1分を経過していない場合、通信部11が使用する通信チャネルをW52帯の通信チャネルへ切り替える。この時、制御部13は、通信部11が使用する通信チャネルを切り替えたとしても、監視部12に、通信チャネルの監視を継続させる。そのため、制御部13が、通信部11において使用される通信チャネルをW52帯の通信チャネルに切り替えた時点において、監視部12におけるW53もしくはW56帯の通信チャネルの監視時間は、数秒から数十秒経過している。つまり、通信部11において使用される通信チャネルをW52帯の通信チャネルに切り替えた時点において、監視部12におけるレーダー波の監視が1分間経過するまでの残り時間は、60秒より短い。そのため、通信部11が、W52帯の通信チャネルから、監視部12における1分間の監視が完了したW53もしくはW56帯の通信チャネルへ切り替えるまでの時間は60秒よりも短縮される。
【0022】
そのため、無線LAN装置10を用いることによって、W52帯の通信チャネルを60秒使用する場合と比較して、通信部11がW52帯の通信チャネルを用いている間に干渉を引き起こす可能性を低減することができる。さらに、無線LAN装置10は、通信部11がレーダー波を検出した際に、通信部11の通信チャネルを監視部12において監視されている通信チャネルへ変更できない場合、W52帯の通信チャネルへ変更する。そのため、無線LAN装置10を用いることによって、5GHz帯のレーダー波を検出した場合の通信の中断を回避することができる。
【0023】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。
図2の通信システムは、無線LAN装置20、無線LAN端末30、管理端末40、レーダー50及びインターネット60を有している。
【0024】
無線LAN装置20は、無線LAN装置10に相当する。無線LAN装置20、無線LAN端末30、及び管理端末40は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実施することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
【0025】
無線LAN端末30は、無線LAN子機と称されてもよく、無線LAN親機である無線LAN装置10と無線通信を行う。
図2においては、一台の無線LAN端末30が無線LAN装置20と無線通信を行う例を示しているが、複数台の無線LAN端末30が無線LAN装置20と無線通信を行ってもよい。
【0026】
管理端末40は、無線LAN装置20を管理する端末であり、無線LAN装置20に設定されるパラメータ値の入力もしくは変更等を行ってもよい。さらに、管理端末40は、無線LAN装置20に搭載されるソフトウェアもしくはミドルウェアのバージョンアップ等を行ってもよい。管理端末40は、例えば、LAN(Local Area Network)を介して無線LAN装置20と通信を行ってもよい。
【0027】
レーダー50は、レーダー波を送出する装置であり、例えば、気象レーダーもしくは航空レーダー等であってもよい。レーダー50は、5GHz帯の周波数を有するレーダーを送出する。具体的には、レーダー50は、W53もしくはW56帯の通信チャネルを用いたレーダー波を送出する。
【0028】
無線LAN装置20は、インターネット60を介して、サーバ装置等と通信を行い、無線LAN端末30とインターネット60との間の通信を中継する。
【0029】
続いて、
図3を用いて実施の形態2にかかる無線LAN装置20の構成例について説明する。無線LAN装置20は、送受信回路21_1~21_4、受信回路21_5、アンテナ22_1~22_5、制御部23、メモリ24、WANインタフェース25、及びLANインタフェース26を有している。送受信回路21_1~21_4及びアンテナ22_1~22_4は、
図1の無線LAN装置10における通信部11に相当する。受信回路21_5及びアンテナ22_5は、
図1の無線LAN装置10における監視部12に相当する。制御部23は、
図1の無線LAN装置10における制御部13に相当する。
【0030】
WANインタフェース25は、インターネット60に接続し、インターネット60を介してデータを送信及び受信する。LANインタフェース26は、LANに接続し、LANを介して管理端末40との間においてデータを送信及び受信する。
【0031】
送受信回路21_1~21_4及びアンテナ22_1~22_4は、無線LAN端末30と無線通信を行う。送受信回路21_1は、例えば、データの変調を行い、変調したデータを、アンテナ22_1を介して無線LAN端末30へ送信する。また、送受信回路21_1は、アンテナ22_1を介して受信したデータを復調する。送受信回路21_2~21_4も、送受信回路21_1と同様にデータの変調及び復調を行い、アンテナ22_2~22_4も、アンテナ22_1と同様に、データの送受信を行う。
【0032】
さらに、送受信回路21_1~21_4及びアンテナ22_1~22_4は、送受信回路21_1~21_4に設定される通信チャネルと、レーダー波に用いられる通信チャネルとが同じ場合に、レーダー50から送出されるレーダー波を受信する。レーダー波を受信するとは、レーダー波を検出すると言い換えられてもよい。
【0033】
受信回路21_5及びアンテナ22_5は、受信回路21_5に設定される通信チャネルと、レーダー波に用いられる通信チャネルとが同じ場合に、レーダー50から送出されるレーダー波を受信する。受信回路21_5及びアンテナ22_5は、送受信回路21_1~21_4及びアンテナ22_1~22_4が使用する通信チャネルと異なる通信チャネルを使用する。
【0034】
制御部23は、送受信回路21_1~21_5に設定する通信チャネルを決定する。さらに、制御部23は、送受信回路21_1~21_5に設定されている通信チャネルを変更する。例えば、制御部23は、W53もしくはW56帯の通信チャネルを使用して無線LAN端末30と通信することを決定した場合、送受信回路21_1~21_4に、W53もしくはW56帯の通信チャネル情報を設定する。以下においては、送受信回路21_1~21_4に設定されるチャネルを、ユーザデータ用通信チャネルと称する。
【0035】
制御部23は、送受信回路21_1~21_4にユーザデータ用通信チャネルを設定した後、60秒間のCAC(Channel Availability Check)を実行し、レーダー50から送出されるレーダー波の検出を行う。言い換えると、送受信回路21_1~21_4は、ユーザデータ用通信チャネルと同じ通信チャネルを用いたレーダー波を受信したか否かを60秒間監視する。送受信回路21_1~21_4は、レーダー波を受信した場合、受信結果を制御部23へ出力する。制御部23は、受信したレーダー波と同じ通信チャネルを用いないように、送受信回路21_1~21_4に設定するユーザデータ用通信チャネルを変更する。送受信回路21_1~21_4が60秒間レーダー波を受信しなかった場合、制御部23は、ユーザデータ用通信チャネルを用いて、無線LAN端末30と無線通信を行う。制御部23は、ユーザデータ用通信チャネルを用いて無線LAN端末30と無線通信を行う際に、ISM(In-Service Monitoring)を実行し、ユーザデータ用通信チャネルにおけるレーダー波の検出を行う。例えば、制御部23は、ユーザデータ用通信チャネルとして、W56帯の100ch(chはチャネルを示す)を設定する。
【0036】
ここで、
図4を用いて、5GHz帯のチャネル構成について説明する。
図4は、5GHz帯に含まれるW52、W53、及びW56帯の通信チャネルを示している。
図4は、W52帯は、36ch、40ch、44ch、及び48chを含み、W53帯は、52ch、56ch、60ch、及び64chを含むことを示している。さらに、W56帯は、100ch、104ch、108ch、112ch、116ch、120ch、124ch、128ch、132ch、136ch、140ch、及び144chを含むことを示している。また、
図4は、それぞれの通信チャネルが、20MHzの帯域幅を有することを示している。そのため、制御部23は、それぞれの送受信回路もしくは受信回路に40MHzの帯域幅を設定する場合には、2つの通信チャネルを設定する必要がある。同様に、制御部23は、80MHzの帯域幅を設定する場合には、4つの通信チャネルを設定し、160MHzの帯域幅を設定する場合には、8つの通信チャネルを設定する。
【0037】
図3に戻り、さらに、制御部23は、ユーザデータ用通信チャネルが通信中に新たにレーダー波を検出した時に備えて、ユーザデータ用通信チャネルとは異なる通信チャネルを受信回路21_5に設定する。受信回路21_5に設定する通信チャネルを、監視用通信チャネルと称する。制御部23は、W53もしくはW56帯の通信チャネル情報を受信回路21_5に設定する。例えば、制御部23は、ユーザデータ用通信チャネルとして、W56帯の100chを設定した場合、監視用通信チャネルとして、W56帯の116chを設定してもよい。ユーザデータ用通信チャネルに用いられる通信チャネルと、監視用通信チャネルに用いられる通信チャネルとをどの程度離して設定するかについては、予め定められていてもよい。例えば、監視用通信チャネルには、ユーザデータ用通信チャネルに用いられる通信チャネルから、無線LAN端末30との無線通信に用いられる周波数帯域以上離れた通信チャネルが設定されてもよい。
【0038】
制御部23は、受信回路21_5に監視用通信チャネルを設定した後、60秒間のCAC(Channel Availability Check)を実行し、レーダー50から送出されるレーダー波の検出を行う。制御部23は、送受信回路21_1~21_4におけるCACの開始タイミングと実質的に同じタイミングに受信回路21_5のCACを開始する。さらに、制御部23は、60秒経過した後であっても、受信回路21_5のCACを継続する。つまり、制御部23は、60秒間レーダー波を検出しなかった場合に、CACを継続し、引き続きレーダー波の検出を行う。
【0039】
これにより、制御部23は、送受信回路21_1~21_4においてレーダー波を検出した場合に、監視用通信チャネルを用いたCACは既に60秒を経過している。そのため、制御部23は、送受信回路21_1~21_4においてレーダー波を検出した場合に、実質的な中断を伴うことなく、ユーザデータ用通信チャネルの通信チャネルを、監視用通信チャネルとして用いていた通信チャネルへ切り替えることができる。この場合、制御部23は、監視用通信チャネルとして受信回路21_5に新たな通信チャネルを設定して、CACを開始する。制御部23は、ユーザデータ用通信チャネルの通信チャネルを切り替えた直後に、受信回路21_5における監視用通信チャネルのCACを開始する。
【0040】
制御部23は、送受信回路21_1~21_4のユーザデータ用通信チャネルを切り替えた直後の60秒以内に、再度レーダー波を検出することがある。この場合、監視用通信チャネルのCACは、60秒間経過していない。そのため、制御部23は、送受信回路21_1~21_4に設定するユーザデータ用通信チャネルの通信チャネルを、CACが60秒経過前の監視用通信チャネルの通信チャネルに切り替えることができない。この場合、制御部23は、送受信回路21_1~21_4に、ユーザデータ用通信チャネルとして、W52帯の通信チャネルを設定する。つまり、制御部23は、送受信回路21_1~21_4のユーザデータ用通信チャネルをW52帯の通信チャネルに切り替える。ここで、制御部23は、受信回路21_5の監視用通信チャネルについては変更することなく、CACを継続させる。
【0041】
送受信回路21_1~21_4のユーザデータ用通信チャネルをW52帯の通信チャネルに切り替えた後に、受信回路21_5におけるCACが60秒経過したとする。この場合、制御部23は、再度、送受信回路21_1~21_4のユーザデータ用通信チャネルを、監視用通信チャネルとして用いられていた通信チャネルに切り替える。つまり、制御部23は、送受信回路21_1~21_4に設定する通信チャネルを、W52帯の通信チャネルから、W53もしくはW56帯の通信チャネルへ切り替える。
【0042】
メモリ24は、送受信回路21_1~21_4が使用する通信チャネルを指定するレジスタA及び受信回路21_5が使用する通信チャネルを指定するレジスタBを格納している。さらに、メモリ24は、レジスタBにおいて指定された通信チャネルが60秒のCACを完了しているか否かを示すフラグを格納している。レジスタ及びフラグの使用方法については、後に詳述する。
【0043】
ここで、
図5を用いて制御部23における通信チャネルの切替制御について説明する。
図5は、送受信回路21_1~21_4及び受信回路21_5に設定される通信チャネルの切り替わりを時系列に沿って示している。無線LAN装置20のスイッチがONに切り替わる等して、無線動作を開始すると、制御部23は、無線LAN装置20の管理者等が選択した、例えば、W56帯の100chを送受信回路21_1~21_4に設定し、CACを開始する。制御部23は、送受信回路21_1~21_4においてCACを実行している間、受信のみ可能とするように送受信回路21_1~21_4を制御する。
【0044】
制御部23は、送受信回路21_1~21_4のCACを開始すると同時に、受信回路21_5に、例えば、W56帯の116chを設定し、CACを開始する。制御部23は、受信回路21_5においてCACを実行している間、受信のみ可能とするように受信回路21_5を制御する。
【0045】
制御部23は、送受信回路21_1~21_4がCACを開始してから時刻t1までの60秒間に、レーダー波を検出しなかった場合、送受信回路21_1~21_4において、送信及び受信を開始する。この時、制御部23は、受信回路21_5におけるCACを停止することなく継続してCACを実行させる。
【0046】
その後、レーダー50もしくは他のレーダーから100chの周波数のレーダー波が送出されると、送受信回路21_1~21_4は、時刻t2においてレーダー波を検出する。この場合、制御部23は、送受信回路21_1~21_4における通信を停止し、送受信回路21_1~21_4において使用するユーザデータ用通信チャネルを即座に116chへ切り替える。116chは、時刻t1以降もCACが継続して実行されており、CACを開始してから60秒以上経過している。そのため、制御部23は、送受信回路21_1~21_4において使用するユーザデータ用通信チャネルを即座に116chへ切り替えることができる。
【0047】
制御部23は、時刻t2に受信回路21_5において使用する監視用通信チャネルを、例えば、W53帯の52chに切り替えてCACを開始する。制御部23は、受信回路21_5においてCACを実行している間、受信のみ可能とするように受信回路21_5を制御する。
【0048】
その後、レーダー50もしくは他のレーダーから116chの周波数のレーダー波が送出されると、送受信回路21_1~21_4は、時刻t3においてレーダー波を検出する。ここで、時刻t2にレーダー波を送出したレーダーと、時刻t3にレーダー波を送出したレーダーとは異なるレーダーであるとする。
図2の通信システムにおいては、レーダーが地上に固定された建築物から送出されているイメージを示しているが、実際には、移動体からもレーダーが送出される。例えば、レーダーの種類としては、「海上無線航行」、「移動(航空移動を除く)」、「地球探査衛星(能動)」、「宇宙研究(能動)」、「無線標定」等がある。そのため、無線LAN装置20は、いつ、どこからレーダー波を受信するかを事前に判定することは困難である。つまり、無線LAN装置20は、いつでもレーダー波を受信する可能性がある。
【0049】
時刻t3は、時刻t2から60秒経過する前の時刻であり、例えば、時刻t2から30秒が経過した時刻とする。この場合、制御部23は、送受信回路21_1~21_4における116chの使用を停止し、送受信回路21_1~21_4において使用するユーザデータ用通信チャネルを即座に、DFSが必要ない例えばW52帯の36chへへ切り替える。時刻t3においては、受信回路21_5においてCACが実行されている52chは、まだ60秒経過していない。そのため、制御部23は、時刻t3において、送受信回路21_1~21_4のユーザデータ用通信チャネルを52chに切り替えることはできない。
【0050】
制御部23は、時刻t3以降も、受信回路21_5における52chのCACを継続させる。
【0051】
その後、時刻t3から30秒経過後の時刻t4に、受信回路21_5において52chのCACを開始してから60秒が経過する。時刻t4において、受信回路21_5における52chのCACが60秒経過する。制御部23は、時刻t4に、送受信回路21_1~21_4において使用するユーザデータ用通信チャネルを、受信回路21_5において用いられていた52chへ切り替える。制御部23は、受信回路21_5における監視用通信チャネルを、100ch、116ch、及び52ch以外のW53帯もしくはW56帯の任意の通信チャネルに切り替えてCACを開始する。
【0052】
続いて、
図6及び
図7を用いて、送受信回路21_1~21_4における通信チャネルの切替処理の流れについて説明する。はじめに、制御部23は、メモリ24に格納されているレジスタAに例えば100chを設定し、送受信回路21_1~21_4におけるデータの受信を許可して、CACを開始する(S11)。制御部23は、例えば、無線LAN装置20の電源がONに切り替えられた際に、ステップS11の処理を実行する。
【0053】
次に、制御部23は、送受信回路21_1~21_4におけるCACが60秒経過したか否かを判定する(S12)。制御部23は、CACが60秒経過していないと判定した場合、ステップS12の処理を繰り返す。
【0054】
制御部23は、CACが60秒経過したと判定した場合、送受信回路21_1~21_4がレジスタAの100chを用いたデータの送受信を許可する(S13)。次に、制御部23は、レジスタAに設定された通信チャネルである100chが用いられたレーダー波が送受信回路21_1~21_4において検出されたか否かを判定する(S14)。制御部23は、100chが用いられたレーダー波が検出されていないと判定した場合、ステップS14の処理を繰り返す。
【0055】
制御部23は、100chが用いられたレーダー波が検出されていると判定した場合、レジスタBに設定された116chをレジスタAに設定して、送受信回路21_1~21_4における116chを用いたデータの送受信を許可する(S15)。
【0056】
次に、制御部23は、レジスタAに設定された通信チャネルである116chが用いられたレーダー波が送受信回路21_1~21_4において検出されたか否かを判定する(S16)。制御部23は、116chが用いられたレーダー波が送受信回路21_1~21_4において検出されていないと判定した場合、ステップS16の処理を繰り返す。
【0057】
制御部23は、116chが用いられたレーダー波が送受信回路21_1~21_4において検出されたと判定した場合、メモリ24に格納されたフラグが1に設定されているか否かを判定する(S17)。フラグに1が設定されていることは、レジスタBにおいて指定された通信チャネルが60秒のCACを完了していることを示す。フラグに1以外の値、例えば、0が設定されている場合、レジスタBにおいて指定された通信チャネルが60秒のCACを完了していないことを示す。
【0058】
制御部23は、フラグに1が設定されていないと判定した場合、レジスタAにW52帯の通信チャネルである、例えば、36chを設定して、送受信回路21_1~21_4における36chを用いたデータの送受信を許可する(S18)。次に、制御部23は、メモリ24に格納されたフラグが1に設定されているか否かを判定する(S19)。制御部23は、フラグが1に設定されていないと判定した場合、ステップS19の処理を繰り返す。
【0059】
制御部23は、ステップS17もしくはS19において、フラグが1に設定されていると判定した場合、レジスタBに設定された通信チャネルをレジスタAに設定する。さらに、制御部23は、設定された通信チャネルを使用した、送受信回路21_1~21_4におけるデータの送受信を許可する(S20)。制御部23は、ステップS20の処理を実行した後、ステップS16以降の処理を繰り返す。
【0060】
続いて、
図8及び
図9を用いて、受信回路21_5における通信チャネルの切替処理の流れについて説明する。はじめに、制御部23は、無線LAN装置20の電源がONに切り替えられた際に、フラグを0にリセットする(S31)。次に、制御部23は、レジスタBに例えば116chを設定し、受信回路21_5におけるデータの受信を許可して、CACを開始する(S32)。
【0061】
次に、制御部23は、受信回路21_5におけるCACが60秒経過したか否かを判定する(S33)。制御部23は、CACが60秒経過していないと判定した場合、ステップS33の処理を繰り返す。
【0062】
制御部23は、CACが60秒経過していると判定した場合、フラグの値を1に設定もしくは変更する(S34)。
【0063】
次に、制御部23は、受信回路21_5における116chのCACを継続する(S35)。
【0064】
次に、制御部23は、レジスタBに設定された116chがレジスタAに設定されたか否かを判定する(S36)。つまり、制御部23は、レジスタAの通信チャネルが、レジスタBの通信チャネルに書き変わったか否かを判定する。制御部23は、レジスタAの通信チャネルがレジスタBの通信チャネルに書き変わっていないと判定した場合、ステップS35の処理を繰り返す。制御部23は、レジスタAの通信チャネルがレジスタBの通信チャネルに書き変わっていると判定した場合、フラグの値を0にリセットする(S37)。
【0065】
次に、制御部23は、レジスタBに例えばW53帯の52chを設定して、受信回路21_5における52chを用いたデータの受信を許可する(S38)。
【0066】
次に、制御部23は、受信回路21_5におけるCACが60秒経過したか否かを判定する(S39)。制御部23は、CACが60秒経過していないと判定した場合、ステップS39の処理を繰り返す。
【0067】
制御部23は、CACが60秒経過していると判定した場合、フラグの値を1に設定もしくは変更する(S40)。
【0068】
次に、制御部23は、受信回路21_5における52chのCACを継続する(S41)。
【0069】
次に、制御部23は、レジスタBに設定された52chがレジスタAに設定されたか否かを判定する(S42)。つまり、制御部23は、レジスタAの通信チャネルが、レジスタBの通信チャネルに書き変わったか否かを判定する。制御部23は、レジスタAの通信チャネルがレジスタBの通信チャネルに書き変わっていないと判定した場合、ステップS41の処理を繰り返す。制御部23は、レジスタAの通信チャネルがレジスタBの通信チャネルに書き変わっていると判定した場合、フラグの値を0にリセットする(S43)。次に、制御部23は、レジスタBに新たな通信チャネルを設定して、受信回路21_5における新たな通信チャネルを用いたデータの受信を許可する(S44)。以降、ステップS39以降の処理を繰り返す。
【0070】
以上説明したように、実施の形態2にかかる無線LAN装置20は、メモリ24に格納されたレジスタ及びフラグの値を変更することによって、送受信回路21_1~21_4及び受信回路21_5に設定する通信チャネルを制御することができる。さらに、無線LAN装置20は、送受信回路21_1~21_4に設定する通信チャネルをW52帯の通信チャネルに切り替えた後においても、受信回路21_5におけるCACを継続する。さらに、無線LAN装置20は、受信回路21_5におけるCACが60秒経過した際に、送受信回路21_1~21_4に設定する通信チャネルを、W52帯の通信チャネルから、CACが60秒経過した通信チャネルへ変更する。この場合、無線LAN装置20は、送受信回路21_1~21_4におけるW52帯の通信チャネルの使用を、60秒未満に短縮することができる。その結果、無線LAN装置20は、送受信回路21_1~21_4において、他の装置がW52帯の通信チャネルを使用した場合に発生し得る干渉を低減することができる。
【0071】
図10は、無線LAN装置10及び無線LAN装置20(以下、無線LAN装置10等とする)の構成例を示すブロック図である。
図10を参照すると、無線LAN装置10等は、ネットワークインタフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワークインタフェース1201は、他のネットワークノードと通信するために使用されてもよい。ネットワークインタフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0072】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された無線LAN装置10等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0073】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/O(Input/Output)インタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0074】
図10の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された無線LAN装置10等の処理を行うことができる。
【0075】
図10を用いて説明したように、上述の実施形態における無線LAN装置10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0076】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0077】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
10 無線LAN装置
11 通信部
12 監視部
13 制御部
20 無線LAN装置
21_1 送受信回路
21_2 送受信回路
21_3 送受信回路
21_4 送受信回路
21_5 受信回路
22_1 アンテナ
22_2 アンテナ
22_3 アンテナ
22_4 アンテナ
22_5 アンテナ
23 制御部
24 メモリ
25 WANインタフェース
26 LANインタフェース
30 無線LAN端末
40 管理端末
50 レーダー
60 インターネット