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特許7160460脈拍数算出方法、脈拍数算出装置、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】脈拍数算出方法、脈拍数算出装置、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0245 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
A61B5/0245 A
A61B5/0245 100B
A61B5/0245 200
A61B5/0245 ZDM
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021524805
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 JP2020021210
(87)【国際公開番号】W WO2020246370
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】P 2019104970
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】金井 重樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀一
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-189562(JP,A)
【文献】特開2006-271731(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066342(WO,A1)
【文献】特開2017-213123(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0324477(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置が行う脈拍数算出方法であって、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、複数種類のローパスフィルタを適用した結果に基づいて検出した脈拍のピークに基づいて脈拍数を算出し、
脈拍のピークを検出する際は、基準となる値に基づいて推定範囲を設定し、前回のピークから前記推定範囲内にある脈拍のピークを検出し、
前記基準となる値は、脈拍数の算出結果に基づいて変更される値である
脈拍数算出方法。
【請求項2】
請求項に記載の脈拍数算出方法であって、
前記基準となる値に所定の値を加算した場合のピーク間隔と、前記基準となる値から所定の値を減算した場合のピーク間隔と、を算出し、算出した結果に基づいて前記推定範囲を設定する
脈拍数算出方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の脈拍数算出方法であって、
あるローパスフィルタを適用した結果において前記推定範囲内に脈拍のピークが存在しない場合、他のローパスフィルタを適用した結果において前記推定範囲内に脈拍のピークが存在するか確認する
脈拍数算出方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の脈拍数算出方法であって、
検出した脈拍のピークと、前回の脈拍のピークと、の間のピーク間隔に基づいて脈拍数を算出する
脈拍数算出方法。
【請求項5】
請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の脈拍数算出方法であって、
前記脈波信号に所定のハイパスフィルタを適用した後、減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを適用する
脈拍数算出方法。
【請求項6】
取得した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置であって、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、複数種類のローパスフィルタを適用した結果に基づいて検出した脈拍のピークに基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部を有し、
前記脈拍数算出部は、脈拍のピークを検出する際は、基準となる値に基づいて推定範囲を設定し、前回のピークから前記推定範囲内にある脈拍のピークを検出し、前記基準となる値は、脈拍数の算出結果に基づいて変更される値である
脈拍数算出装置。
【請求項7】
取得した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置に、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、複数種類のローパスフィルタを適用した結果に基づいて検出した脈拍のピークに基づいて脈拍数を算出し、
脈拍のピークを検出する際は、基準となる値に基づいて推定範囲を設定し、前回のピークから前記推定範囲内にある脈拍のピークを検出し、
前記基準となる値は、脈拍数の算出結果に基づいて変更される値である
処理を実現するためのプログラム
【請求項8】
取得した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置が行う脈拍数算出方法であって、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、複数種類のローパスフィルタを適用した結果に基づいて検出した脈拍のピークに基づいて脈拍数を算出し、
脈拍のピークを検出する際は、基準となる値に基づいて推定範囲を設定し、前回のピークから前記推定範囲内にある脈拍のピークを検出し、
複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用した結果に基づいて脈拍のピークを検出する際は、あるローパスフィルタを適用した結果において前記推定範囲内に脈拍のピークが存在しない場合に、他のローパスフィルタを適用した結果において前記推定範囲内に脈拍のピークが存在するか確認する
脈拍数算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈拍数算出方法、脈拍数算出装置、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
身体に装着したウェアラブルデバイスを用いて脈拍を測定することにより脈拍数を算出することがある。このようなウェアラブルデバイスを用いた測定を行う場合、体動などによる外乱ノイズが問題となることが知られている。
【0003】
上記のようなノイズに対する技術として、例えば、特許文献1がある。特許文献1には、脈波センサと体動センサと脈波信号フィルタリング部とフィルタ係数設定部とを有する拍動検出装置が記載されている。特許文献1によると、フィルタ係数設定部は、体動信号に基づいて体動変化が所定の閾値を超えて増大したことを検出すると、適応フィルタの係数を所定値に設定する。また、脈波信号フィルタリング部は、体動信号に基づいて適応フィルタを生成して脈波信号中のノイズ信号を抽出するとともに、脈波信号からノイズを除去した拍動信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-172645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている技術の場合、ノイズを除去するためには、脈波センサの他に体動センサを有することが必要になる。そのため、体動センサを有さない場合にノイズを除去することができず、容易な構成でノイズの影響を低減させることが難しい、という課題が生じていた。
【0006】
また、体動等の外乱ノイズを含んだ脈波信号から脈拍数を推定する方法としては、高速フーリエ変換等による周波数領域でノイズ除去する方法などもある。しかしながら、フーリエ変換において時間分解能と周波数分解能はトレードオフである。そのため、フーリエ変換を行う場合、心拍変動解析に必要な時間分解能を保持しつつ、精度よく脈拍数を推定するための周波数分解能を得ることは難しかった。なお、自律神経機能の評価等に用いられる心拍変動解析には、例えば、脈波信号のサンプリングレートが約25Hz程度必要だという報告がある。
【0007】
このように、ウェアラブルデバイスを用いて脈拍数を算出する際に、フーリエ変換に依らず、容易な構成でノイズの影響を低減させることが難しい、という課題が生じていた。そこで、本発明は、ウェアラブルデバイスを用いて脈拍数を算出する際に、フーリエ変換に依らず、容易な構成でノイズの影響を低減させることが難しい、という課題を解決する脈拍数算出方法、脈拍数算出装置、記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である脈拍数算出方法は、
測定した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置が行う脈拍数算出方法であって、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、適用した結果に基づいて脈拍数を算出する
という構成をとる。
【0009】
また、本発明の他の形態である脈拍数算出装置は、
測定した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置であって、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、適用した結果に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部を有する
という構成をとる。
【0010】
また、本発明の他の形態である記録媒体は、
測定した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置に、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、適用した結果に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部を実現するためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上のように構成されることにより、ウェアラブルデバイスを用いて脈拍数を算出する際に、フーリエ変換に依らず、容易な構成でノイズの影響を低減させることが難しい、という課題を解決する脈拍数算出方法、脈拍数算出装置、記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態におけるウェアラブルデバイスの構成の一例を示すブロック図である。
図2】脈波センサの処理の一例を説明するための図である。
図3図1で示す処理部の構成の一例を示すブロック図である。
図4】基線変動を除去する処理の一例を説明するための図である。
図5】基線変動を除去する処理の一例を説明するための図である。
図6】ピーク値を検出する処理の一例を説明するための図である。
図7】ピーク値を検出する際に用いるピーク間隔の一例を説明するための図である。
図8】フィードバック処理の一例を説明するための図である。
図9】本発明の第1の実施形態における処理部の動作の一例を示すフローチャートである。
図10】ピーク値を検出する処理を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。
図11】脈拍数を算出する処理を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。
図12】フィードバック処理を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の第2の実施形態における脈拍数算出装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1から図12までを参照して説明する。図1は、ウェアラブルデバイス100の構成の一例を示すブロック図である。図2は、脈波センサ210の処理の一例を説明するための図である。図3は、処理部220の構成の一例を示すブロック図である。図4図5は、基線変動を除去する処理の一例を説明するための図である。図6は、ピーク値を検出する処理の一例を説明するための図である。図7は、ピーク値を検出する際に用いるピーク間隔の一例を説明するための図である。図8は、フィードバック処理の一例を説明するための図である。図9は、処理部220の動作の一例を示すフローチャートである。図10は、ピーク値を検出する処理を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。図11は、脈拍数を算出する処理を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。図12は、フィードバック処理を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。
【0014】
本発明の第1の実施形態においては、脈波センサ210により取得した脈波信号を用いて、1分あたりの脈拍の数である脈拍数を算出するウェアラブルデバイス100について説明する。後述するように、本実施形態におけるウェアラブルデバイス100では、取得した脈波信号にハイパスフィルタ(HPF:High-pass filter)を適用して基線変動を除去した後、減衰させる周波数の異なる2種類のローパスフィルタ(LPS:Low-pass filter)を適用する。そして、ウェアラブルデバイス100は、2種類のローパスフィルタを適用した結果に基づいて脈拍のピークを検出する。その後、ウェアラブルデバイス100は、ピークの検出結果に基づいて求められるピーク間隔から脈拍数を算出する。
【0015】
ウェアラブルデバイス100は、身体に装着して脈波信号を測定する、腕時計型などの情報処理装置である。図1は、ウェアラブルデバイス100の構成の一例を示している。図1を参照すると、ウェアラブルデバイス100には、脈波センサ210と処理部220とを含むセンサボード200が内蔵されている。
【0016】
脈波センサ210は、例えば、光電式のセンサである。図2は、脈波センサ210による測定の一例を示している。図2で示すように、例えば、脈波センサ210は、緑色のLEDの光を身体に向けて照射する。そして、脈波センサ210は、ウェアラブルデバイス100を装着した身体から反射した光を計測することで、脈波信号を測定する。例えば、以上のように、脈波センサ210は、光電容量脈波方式(PPG:Photoplethysmography)を用いて脈波信号を測定可能なよう構成されている。
【0017】
なお、自律神経機能評価などに用いられる心拍変動解析には、1秒当たりの測定回数を示す脈波信号のサンプリングレートが約25Hz程度必要であるという報告がある。そのため、本実施形態における脈波信号のサンプリングレートは、25Hz以上あることが望ましい。
【0018】
処理部220は、脈波センサ210が測定した脈波信号に基づいて脈拍数を算出するマイコンなどの情報処理部(脈拍数算出装置)である。図3は、処理部220の構成の一例を示している。図3を参照すると、処理部220は、例えば、基線変動除去部221とピーク検出部222と脈拍数算出部223とフィードバック部224とを有している。
【0019】
例えば、上述した各処理部は、ピーク検出を行うピーク検出回路や脈拍数を算出してフィードバックを行う脈拍数推定回路などの各種論理回路、ハードウェアにより実現することが出来る。上述した各処理部は、例えば、記憶装置に格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)などの演算装置が実行することにより実現されても構わない。
【0020】
基線変動除去部221は、脈波センサ210が測定した脈波信号にハイパスフィルタを適用する。これにより、基線変動除去部221は、脈波センサ210が測定した脈波信号から基線変動を除去する。
【0021】
例えば、図4で示すように、脈波センサ210が測定した脈波信号では、ウェアラブルデバイス100を装着した装着者が動いていることなどにより、基線が揺らいでいることがある。そこで、基線変動除去部221は、例えば、予め定められた0.5Hzなどのハイパスフィルタを適用する。これにより、図5で示すように、脈波信号の基線を0に揃えたフラットな状態にすることが出来る。
【0022】
なお、基線変動除去部221が減衰させる周波数の値は、信号の種類などに応じて適宜変更可能なよう構成して構わない。つまり、基線変動除去部221が用いるハイパスフィルタは、0.5Hzのハイパスフィルタに限定されない。
【0023】
ピーク検出部222は、減衰させる周波数の異なる2種類のローパスフィルタを適用した後、適用した結果に基づいて脈拍のピークを検出する。
【0024】
例えば、ピーク検出部222は、基線変動除去部221により基線変動を除去した脈波信号を2つにコピーする。そして、ピーク検出部222は、コピーした2つのうちの一方に3Hzのローパスフィルタを適用するとともに、コピーした2つのうちの他方に10Hzのローパスフィルタを適用する。
【0025】
ピーク検出部222は、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号から後述する推定範囲内に存在するピークを検出する。また、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号において推定範囲内にピークが存在しない場合、ピーク検出部222は、10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号から、同様の推定範囲内に存在するピークを検出する。このように、ピーク検出部222は、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号と10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号とを用いて、ピークを検出する。なお、ピーク検出部222によるピークの検出は、脈波信号の接線の傾きの変化を検出するなど既知の方法を用いて行って構わない。
【0026】
ここで、図6を参照して、推定範囲について詳細に説明する。図6は、推定範囲について説明するための図である。図6を参照すると、ピーク検出部222は、基準となる値である脈拍数(推定用)に基づいて、次のピークを推定する範囲となる推定範囲を設定する。例えば、ピーク検出部222は、脈拍数(推定用)に所定の値を加算した場合の、前回のピークから次のピークまでのピーク間隔を算出する。また、ピーク検出部222は、脈拍数(推定用)から所定の値を減算した場合のピーク間隔を算出する。そして、ピーク検出部222は、脈拍数(推定用)に所定の値を加算した場合のピーク間隔と脈拍数(推定用)から所定の値を減算した場合のピーク間隔との間を推定範囲として設定する。
【0027】
また、ピーク検出部222は、脈拍数(推定用)から基準値を算出することが出来る。基準値は、脈拍数(推定用)である場合のピーク間隔を示す値である。
【0028】
例えば、ピーク間隔をサンプリングしたデータの数で表すものとすると、ピーク間隔は、(サンプリングレート[Hz])/(脈拍数(推定用)に必要に応じて加算、または、減算した値)×60[秒]で求めることが出来る。例えば、加算する値が30bpm、減算する値が25bpmとして予め定められており、脈拍数(推定用)として初期値である80bpmを用いるとする。また、サンプリングレートが110Hzであるとする。この場合、ピーク検出部222は、110/(80+30)×60=60を算出するとともに、110/(80-25)×60=120を算出する。そして、ピーク検出部222は、前回のピークからサンプルデータの数が60~120の間を推定範囲として設定する。また、ピーク検出部222は、基準値として、110/80×60=82.5を算出することが出来る。
【0029】
なお、ノイズなどの影響により、推定範囲内に複数のピークが検出される場合がある。この場合、ピーク検出部222は、検出された複数のピークのうち、上述した基準値により近いピークを採用するよう構成することが出来る。
【0030】
また、10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号において、推定範囲内にピークが存在しない場合もある。この場合、ピーク検出部222は、ピーク検出不可と判断する。そして、ピーク検出部222は、例えば、基準値の位置にピークが存在するものとして扱うことが出来る。
【0031】
以上をまとめると、例えば、図7で示すようになる。図7は、ピーク検出部222によるピーク検出処理の一例を示している。図7を参照すると、ピーク検出部222は、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号を用いて、前回のピークから推定範囲内に存在するピークを検出する。3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号において、推定範囲内にピークが存在する場合、ピーク検出部222は、10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号の確認を行わない。また、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号において推定範囲内にピークを検出できない場合、ピーク検出部222は、10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号を用いて、同様の推定範囲内のピークを検出する。また、10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号においても推定範囲内にピークが存在しない場合、ピーク検出部222は、基準値の位置にピークが存在するものとして扱う。例えば、以上のような処理を繰り返すことにより、ピーク検出部222は、図7で示すように、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号と10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号とに基づくピークの検出を行う。
【0032】
なお、脈拍数(推定用)の初期値、加算する値、減算する値は、それぞれ例示した以外の値であっても構わない。また、脈拍数(推定用)は後述するフィードバック処理により適宜変更されることになる。つまり、基準となる値である脈拍数(推定用)は、脈拍数の算出結果に基づいて適宜変更される。
【0033】
また、ピーク検出部222が減衰させる周波数の値は、信号の種類などに応じて適宜変更可能なよう構成して構わない。つまり、ピーク検出部222が用いるローパスフィルタは、3Hzや10Hzのローパスフィルタに限定されない。
【0034】
脈拍数算出部223は、ピーク検出部222が検出したピークに基づいて脈拍数を算出する。例えば、脈拍数算出部223は、前回のピークとピーク検出部222が検出したピークとの間のピーク間隔から、脈拍数を算出する。
【0035】
例えば、脈拍数算出部223は、前回のピークとピーク検出部222が検出したピークとの間のサンプリングデータの個数を計測することで、ピーク間隔を算出する。そして、脈拍数算出部223は、算出したピーク間隔に基づいて脈拍数を算出する。具体的には、例えば、脈拍数算出部223は、(サンプリングレート[Hz])/(ピーク間隔)×60[秒]を計算することで、脈拍数を算出する。例えば、サンプリングレートが110Hz、ピーク間隔が110であるとすると、脈拍数算出部223は、110/110×60=60を脈拍数として算出する。
【0036】
なお、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号と10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号のいずれにおいても推定範囲内にピークが存在しない場合、脈拍数算出部223は、新たな脈拍数の算出を行わず、前回算出した脈拍数を採用するよう構成しても構わない。
【0037】
フィードバック部224は、脈拍数算出部223が算出した脈拍数に基づくフィードバック処理を行う。例えば、フィードバック部224は、脈拍数算出部223が算出した脈拍数に基づいて、推定範囲を設定する際に用いた脈拍数(推定用)の変更を行う。
【0038】
例えば、フィードバック部224は、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数に所定値を加算した値より大きいか、又は、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数から所定値を減算した値より小さいか、確認する。そして、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数に所定値を加算した値より大きい場合、フィードバック部224は、脈拍数(推定用)に予め定められた値を加算して新たな脈拍数(推定用)とする。また、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数から所定値を減算した値より小さい場合、フィードバック部224は、脈拍数(推定用)から予め定められた値を減算して新たな脈拍数(推定用)とする。
【0039】
図8は、上述したフィードバック部224によるフィードバック処理の一例を示している。図8を参照すると、例えば、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数に所定値である5bpmを加算した値より大きい場合、フィードバック部224は、脈拍数(推定用)に予め定められた値である3bpmを加算して新たな脈拍数(推定用)とする。また、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数から所定値である5bpmを減算した値より小さい場合、フィードバック部224は、脈拍数(推定用)から予め定められた値である3bpmを減算して新たな脈拍数(推定用)とする。なお、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数から所定値である5bpmを減算した値以上前回算出した脈拍数に所定値である5bpmを加算した値以下である場合、フィードバック部224は、前回の脈拍数(推定用)をそのまま新たな脈拍数(推定用)とすることが出来る。
【0040】
例えば、以上のように、フィードバック部224は、脈拍数算出部223が算出した脈拍数に基づいて、推定範囲を設定する際に用いる脈拍数(推定用)に対するフィードバック処理を行う。なお、フィードバック部224は、脈拍数算出部223が算出した脈拍数を脈拍数(推定用)とするなど、上記例示した以外の方法でフィードバック処理を行うよう構成しても構わない。
【0041】
なお、上述した各種所定値、予め定められた値は、それぞれ例示である。フィードバック部224がフィードバック処理を行う際に用いる値は、例示した以外のものであっても構わない。
【0042】
以上が、処理部220の構成の一例である。続いて、図9から図12までを参照して、処理部220の動作の一例について説明する。まず、図9を参照して、処理部220が脈拍数を算出する際の全体の動作の流れについて説明する。
【0043】
図9を参照すると、基線変動除去部221は、脈波センサ210が測定した脈波信号にハイパスフィルタを適用する。これにより、基線変動除去部221は、脈波センサ210が測定した脈波信号から基線変動を除去する(ステップS101)。
【0044】
ピーク検出部222は、減衰させる周波数の異なる2種類のローパスフィルタを適用する(ステップS202)。例えば、ピーク検出部222は、基線変動除去部221により基線変動を除去した脈波信号を2つにコピーする。そして、ピーク検出部222は、コピーした2つのうちの一方に3Hzのローパスフィルタを適用するとともに、コピーした2つのうちの他方に10Hzのローパスフィルタを適用する。
【0045】
ピーク検出部222は、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号と10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号とを用いて、ピークを検出する(ステップS103)。例えば、ピーク検出部222は、まず、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号を用いて、前回のピークから推定範囲内に存在するピークを検出しようとする。また、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号において、前回のピークから推定範囲内に次のピークが存在しない場合、ピーク検出部222は、10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号を用いて、前回のピークから推定範囲内に存在するピークを検出しようとする。
【0046】
脈拍数算出部223は、前回のピークとピーク検出部222が検出したピークとの間のピーク間隔から、脈拍数を算出する(ステップS104)。例えば、脈拍数算出部223は、(サンプリングレート[Hz])/(ピーク間隔)×60[秒]を計算することで、脈拍数を算出する。
【0047】
フィードバック部224は、脈拍数算出部223が算出した脈拍数に基づくフィードバック処理を行う(ステップS105)。例えば、フィードバック部224は、脈拍数算出部223が算出した脈拍数に基づいて、推定範囲を設定する際に用いた脈拍数(推定用)の変更を行う。
【0048】
処理部220は、推定範囲を用いたピークの検出、ピーク間隔に応じた脈拍数の算出、脈拍数(推定用)を変更するフィードバック処理、の各処理を繰り返すことで、リアルタイムで脈拍数の算出処理を行う。続いて、図10を参照して、ステップS103の処理についてより詳細に説明する。
【0049】
図10を参照すると、ピーク検出部222は、3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号から推定範囲内に存在するピークを検出する(ステップS201)。
【0050】
3Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号において、推定範囲内にピークが存在する場合(ステップS202、Yes)、ピーク検出部222は、ピークの検出を終了する。一方、推定範囲内にピークが存在しない場合(ステップS202、No)、ピーク検出部222は、10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号から、同様の推定範囲内に存在するピークを検出する(ステップS203)。
【0051】
10Hzのローパスフィルタを適用した脈波信号において推定範囲内にピークが存在する場合(ステップS204、Yes)、ピーク検出部222は、ピークの検出を終了する。一方、推定範囲内にピークが存在しない場合(ステップS204、No)、ピーク検出部222は、ピーク検出不可と判断する(ステップS205)。この場合、ピーク検出部222は、例えば、基準値の位置にピークが存在するものとして扱うよう構成することが出来る。
【0052】
続いて、図11を参照して、ステップS104の処理についてより詳細に説明する。
【0053】
図11を参照すると、ピーク検出部222によりピークの検出が出来ていた場合(ステップS301、Yes)、脈拍数算出部223は、前回のピークとピーク検出部222が検出したピークとの間のピーク間隔を算出する(ステップS302)。例えば、脈拍数算出部223は、ピーク間のサンプリングデータの個数を計測することで、ピーク間隔を算出する。
【0054】
脈拍数算出部223は、算出したピーク間隔を用いて、脈拍数を算出する。例えば、脈拍数算出部223は、(サンプリングレート[Hz])/(ピーク間隔)×60[秒]を計算することで、脈拍数を算出する(ステップS303)。
【0055】
一方、ピーク検出部222によるピークの検出が出来ていなかった場合(ステップS301、No)、脈拍数算出部223は、前回算出した脈拍数を採用する(ステップS304)。
【0056】
続いて、図12を参照して、ステップS105の処理についてより詳細に説明する。
【0057】
図12を参照すると、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数に所定値である5bpmを加算した値より大きい場合(ステップS401、Yes)、フィードバック部224は、脈拍数(推定用)に予め定められた値である3bpmを加算する(ステップS402)。そして、フィードバック部204は、脈拍数(推定用)に予め定められた値である3bpmを加算した値を、新たな脈拍数(推定用)として設定する(ステップS406)。
【0058】
脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数に所定値である5bpmを加算した値以下である場合(ステップS401、No)、フィードバック部224は、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数から所定値である5bpmを減算した値より小さいか否か確認する。
【0059】
脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数から所定値である5bpmを減算した値より小さい場合(ステップS403、Yes)、フィードバック部224は、脈拍数(推定用)から予め定められた値である3bpmを減算する(ステップS404)。そして、フィードバック部204は、脈拍数(推定用)から予め定められた値である3bpmを減算した値を、新たな脈拍数(推定用)として設定する(ステップS406)。一方、脈拍数算出部223が算出した脈拍数が前回算出した脈拍数から所定値である5bpmを減算した値以上である場合(ステップS403、No)、フィードバック部224は、前回の脈拍数(推定用)をそのまま新たな脈拍数(推定用)として(ステップS405)設定する(ステップS406)。
【0060】
このように、処理部220は、ピーク検出部222と脈拍数算出部223とを有している。このような構成により、ピーク検出部222は、2種類のローパスフィルタを適用した結果に基づいて脈拍のピークを検出することが出来る。また、脈拍数算出部223は、ピーク検出部222が2種類のローパスフィルタを用いて検出したピークに基づいて、脈拍数を算出することが出来る。その結果、より確実にピークを検出することが可能となり、より精度よく脈拍数を算出することが可能となる。つまり、上記構成によると、体動センサなどを有さなくても、また、フーリエ変換を用いることなく、容易な構成によりノイズの影響を低減させて精度よく脈拍数を算出することが可能となる。
【0061】
また、ピーク検出部222は、推定範囲に基づいてピークを検出するよう構成されている。このような構成により、より精度よくピークを検出することが可能となる。また、推定範囲は、フィードバック部224によるフィードバック処理により更新される脈拍数(推定用)に基づいて設定されるよう構成されている。このような構成により、より精度よくピークを検出することが可能となる。
【0062】
なお、本実施形態においては、ピーク検出部222が2種類のローパスフィルタを適用する場合について例示した。しかしながら、ピーク検出部222が適用するローパスフィルタの数は、2種類に限定されない。例えば、ピーク検出部222は、3種類以上の複数のローパスフィルタを適用して、ピークを検出するよう構成しても構わない。
【0063】
また、本実施形態においては、脈拍数算出部223が脈拍数を算出するごとにフィードバック部224によりフィードバック処理が行われる場合について例示した。しかしながら、フィードバック部224によるフィードバック処理は、必ずしも毎回行うよう構成しなくても構わない。
【0064】
[第2の実施形態]
次に、図13を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、脈拍数算出装置30の構成の概要について説明する。
【0065】
脈拍数算出装置30は、測定した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する情報処理装置(または、回路装置)である。図13を参照すると、脈拍数算出装置30は、例えば、脈拍数算出部31を有している。
【0066】
上述した処理部は、例えば、論理回路などのハードウェアにより実現することが出来る。上述した処理部は、例えば、記憶装置に格納されたプログラムをCPUなどの演算装置が実行することにより実現されても構わない。
【0067】
脈拍数算出部31は、脈波信号を取得すると、減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを取得した脈波信号に適用する。そして、脈拍数算出部31は、適用した結果に基づいて、脈拍数を算出する。
【0068】
このように、脈拍数算出装置30は、脈拍数算出部31を有している。このような構成により、脈拍数算出部31は、減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを脈波信号に適用した結果に基づいて、脈拍数を算出することが出来る。その結果、より確実にピークを検出することが可能となり、より精度よく脈拍数を算出することが可能となる。これにより、フーリエ変換を用いることなく、容易な構成によりノイズの影響を低減させて精度よく脈拍数を算出することが可能となる。
【0069】
また、上述した脈拍数算出装置30は、当該脈拍数算出装置30に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、取得した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置30に、減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを脈波信号に適用して、適用した結果に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部31を実現するためのプログラムである。
【0070】
また、上述した脈拍数算出装置30により実行される脈拍数算出方法は、取得した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置が行う脈拍数算出方法であって、減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを脈波信号に適用して、適用した結果に基づいて脈拍数を算出する、という方法である。
【0071】
上述した構成を有する、プログラム、又は、脈拍数算出方法、の発明であっても、上記脈拍数算出装置30と同様の作用・効果を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0072】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における脈拍数算出方法などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0073】
(付記1)
取得した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置が行う脈拍数算出方法であって、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、適用した結果に基づいて脈拍数を算出する
脈拍数算出方法。
(付記2)
付記1に記載の脈拍数算出方法であって、
複数種類のローパスフィルタを適用した結果に基づいて検出した脈拍のピークに基づいて脈拍数を算出する
脈拍数算出方法。
(付記3)
付記2に記載の脈拍数算出方法であって、
基準となる値に基づいて推定範囲を設定し、前回のピークから前記推定範囲内にある脈拍のピークを検出する
脈拍数算出方法。
(付記4)
付記3に記載の脈拍数算出方法であって、
前記基準となる値に所定の値を加算した場合のピーク間隔と、前記基準となる値から所定の値を減算した場合のピーク間隔と、を算出し、算出した結果に基づいて前記推定範囲を設定する
脈拍数算出方法。
(付記5)
付記3又は付記4に記載の脈拍数算出方法であって、
前記基準となる値は、脈拍数の算出結果に基づいて変更される値である
脈拍数算出方法。
(付記6)
付記3から付記5までのいずれか1項に記載の脈拍数算出方法であって、
あるローパスフィルタを適用した結果において前記推定範囲内に脈拍のピークが存在しない場合、他のローパスフィルタを適用した結果において前記推定範囲内に脈拍のピークが存在するか確認する
脈拍数算出方法。
(付記7)
付記2から付記6までのいずれか1項に記載の脈拍数算出方法であって、
検出した脈拍のピークと、前回の脈拍のピークと、の間のピーク間隔に基づいて脈拍数を算出する
脈拍数算出方法。
(付記8)
付記1から付記7までのいずれか1項に記載の脈拍数算出方法であって、
前記脈波信号に所定のハイパスフィルタを適用した後、減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを適用する
脈拍数算出方法。
(付記9)
取得した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置であって、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、適用した結果に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部を有する
脈拍数算出装置。
(付記10)
取得した脈波信号に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出装置に、
減衰させる周波数の異なる複数種類のローパスフィルタを前記脈波信号に適用して、適用した結果に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部を実現するためのプログラム。
【0074】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0075】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【0076】
なお、本発明は、日本国にて2019年6月5日に特許出願された特願2019-104970の特許出願に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願に記載された内容は、全て本明細書に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0077】
100 ウェアラブルデバイス
200 センサボード
210 脈波センサ
220 処理部
221 基線変動除去部
222 ピーク検出部
223 脈拍数算出部
224 フィードバック部
30 脈拍数算出装置
31 脈拍数算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13