(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】新規の農業的な組成物
(51)【国際特許分類】
C05G 5/27 20200101AFI20221018BHJP
C05G 5/12 20200101ALI20221018BHJP
C05G 1/00 20060101ALI20221018BHJP
C05D 9/00 20060101ALI20221018BHJP
C05F 11/00 20060101ALI20221018BHJP
A01N 65/00 20090101ALI20221018BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
C05G5/27
C05G5/12
C05G1/00 Z
C05D9/00
C05F11/00
A01N65/00 Z
A01P21/00
(21)【出願番号】P 2021524486
(86)(22)【出願日】2019-07-15
(86)【国際出願番号】 IB2019056001
(87)【国際公開番号】W WO2020016730
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2018/055225
(32)【優先日】2018-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(31)【優先権主張番号】201921002743
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519392292
【氏名又は名称】サワント、アルン ヴィットハル
(73)【特許権者】
【識別番号】521017620
【氏名又は名称】プゼンヴィーティル クンジュクリシュナ メノン ラムダス
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サワント、アルン ヴィットハル
(72)【発明者】
【氏名】プゼンヴィーティル クンジュクリシュナ メノン ラムダス
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/126374(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02359693(EP,A2)
【文献】中国特許出願公開第107805141(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05B1/00-21/00
C05C1/00-13/00
C05D1/00-11/00
C05F1/00-17/993
C05G1/00-5/40
A01G2/00-24/60
A01N1/00-65/48
A01P1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌施用のための水分散性顆粒状の組成物であって:
トータルの前記組成物の20~99%w/wの範囲の元素状の硫黄;
トータルの前記組成物の0.1~70%w/wの範囲で存在する少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物;
トータルの前記組成物の1~90%w/wの濃度の少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤;
を含み、
前記組成物が0.1~20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する;
組成物。
【請求項2】
アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、シトルリン、ロイシン、リジン、イソロイシン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ギャバ-アミノ酪酸、ヒスチジン、メチオニン、オルニチン、プロリン、フェニルアラニン、セリン、セレノシステイン、バリン、タウリン、チロシン、テアニン、トレオニン、トリプトファン、ペプチド、植物および動物タンパク質、ポリグルタミン酸、タンパク質加水分解物、ソイプロテイン加水分解物、ホエイプロテイン加水分解物、魚類タンパク質加水分解物から選択されるアミノ酸の1つ以上を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項3】
さらに、トータルの前記組成物の0.1%~70重量%の濃度で存在する少なくとも1つの微量栄養素、それらの塩、誘導体、またはそれらの混合物を含み、
前記微量栄養素が亜鉛、鉄、銅、ホウ素、マンガン、マグネシウム、ケイ素、コバルト、セレン、モリブデン、リチウム、カルシウム、それらの塩もしくは誘導体、またはそれらの混合物から選択される、請求項
1に記載の組成物。
【請求項4】
前記微量栄養素が少なくとも1つの水可溶性の微量栄養素を含み、
前記アミノ酸対前記水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比が2:1から38:1である、請求項
3に記載の組成物。
【請求項5】
前記硫黄対前記アミノ酸の比が990:1から3.5:1である、請求項1に記載の水分散性顆粒状の組成物。
【請求項6】
さらに、少なくとも1つの植物成長促進剤または肥料または殺虫剤活性成分を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項7】
前記植物成長促進剤が、トータルの前記組成物の0.1~60%w/wの濃度で存在するフミン酸、フルボ酸、トリアコンタノール、アスコルビン酸、乳酸、シュウ酸、クエン酸、N-アセチルチアゾリジン-4カルボン酸、パクロブトラゾール、フィチン酸、フマル酸、ジベレリン酸、オーキシン、またはそれらの混合物から選択される、請求項
6に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤が、フィラーまたは担体または希釈剤、展着剤、着色料、バインダ、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤または破泡剤、沈降防止剤、浸透剤、保存料、疎水剤、紫外吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、およびそれらの混合物の1つ以上から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物の顆粒サイズが0.1~5mmの範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の、水分散性顆粒状の農業的な組成物の調製のプロセスであって、
前記プロセスが:
a.元素状の硫黄、少なくとも1つのアミノ酸、それらの塩または誘導体、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤のブレンドをミリングして、スラリーまたはウェットミックスを得ること;
b.前記ウェットミックスを乾燥して、水分散性顆粒状の前記組成物を得ること;
を含み、
前記組成物の顆粒が0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子からなる、
調製のプロセス。
【請求項11】
前記組成物が肥料組成物、栄養素組成物、作物活性化剤組成物、土壌改良剤組成物、収量増強剤組成物の少なくとも1つである、請求項
1に記載の組成物。
【請求項12】
植物の健康または収量を改善する方法であって、
前記の方法が、植物、植物増殖材料、場所、もしくはそれらの一部、種子、苗、または周囲の土壌の少なくとも1つを請求項
1に記載の組成物によって処理することを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の成長、活性、健康、および作物の栄養価を改善するための土壌施用のための新規の農業的な組成物に関する。本発明は、有効量の元素状硫黄および少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、それらの塩、誘導体、またはそれらの混合物を少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤と共に含む土壌施用のための農業的な組成物に関し、組成物は0.1~20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。さらにその上、本発明は、元素状硫黄を少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、それらの塩、誘導体、またはそれらの混合物、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤との組み合わせで含む土壌施用のための水分散性顆粒状組成物に関する。本発明は、さらに、土壌施用のための液体懸濁液の形態の農業的な組成物に関し、これは、元素状硫黄を少なくとも1つのアミノ酸、それらの塩、それらのポリマー、もしくは誘導体、またはそれらの混合物、少なくとも1つの構造形成剤、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤との組み合わせで含む。水分散性顆粒状組成物および液体懸濁液組成物は、さらに、少なくとも1つの微量栄養素、それらの塩、誘導体、またはそれらの混合物を包含し得る。本発明は、農業的な組成物を調製するプロセスに、および植物、種子、作物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または土壌を農業的な組成物によって処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
栄養および植物防御は作物の成長および発生の鍵の要素である。植物にとっての肥料または栄養素の不良な利用性は、適切な成長の欠如をもたらし、植物は害虫による攻撃に対してより弱くなる。農業に関連する他の問題は干魃などの土壌条件、生物的および非生物的ストレスであり、これらは低くて不確実な収量を作り出す傾向がある。いくつかの作物栄養素または肥料または植物成長促進製品の大きい問題は、土壌中におけるそれらの急速な移動性またはそれらの物理的形態および特徴どちらかを原因として、施用されるときに、それが利用不可能な形態のままであり、植物によって充分には吸収されないか、またはそれが土壌から急速にリーチングし得るかどちらかであることである。それゆえに、より少ない量の栄養が植物にとって利用可能になり、ゆえに、これらの製品はより少ない栄養素使用効力を有するであろう。加えて、栄養素のリーチングは集約農業の地域における地下水コンタミネーションにもまた寄与し得る。それゆえに、環境条件に該当する作物の保護と併せて、植物による栄養素の最大の取り込みがあるような様式で充分な栄養を提供することは、多大な課題のままである。経済的な結果を農家に提供し、環境に対する負荷をもまた縮減するために、肥料および微量栄養素組成物の使用は最適化されることを必要とし、施用時の作物によるそれらの取り込みは改善されることを必要とする。
【0003】
必須のかつ成長を促進する栄養素としてのおよび農業の肥料としての硫黄の役割は長く公知である。硫黄はタンパク質の合成および酵素の機能にとって多大な重要性があり、それはストレスおよび害虫に対する植物の防御に重要な役割を演ずる。硫黄は葉緑素の形成にとってもまた必要であり、それゆえに、全ての植物は植物の適切な発生のために出芽から作物成熟まで硫黄の連続的な供給を必要とする。しかしながら、硫黄は植物にとって難なく利用可能ではなく、それを利用可能にし、植物内において移行させられるようにするためには、それは土壌微生物による酸化を要求する。不充分な微生物集団しか土壌中にない場合には、植物にとっての硫黄利用性は縮減される。これは作物のいずれかの成長ステージにおける硫黄欠乏につながり、最終的には縮減された作物成長および収量をもたらし得る。
【0004】
土壌中の硫黄の不足は利用可能な土壌窒素の利用を低め、それによって硝酸リーチングを増大させるということもまた公知である(非特許文献1)。窒素栄養素との硫黄の相互作用は、作物の生理学的および生化学的応答の変化に直接的に関係している。窒素が欠乏した土壌で成長した作物は、非常に際立った窒素欠乏症状、例えば不良な成長、クロロシス、枯死を見せ、植物の多くの生理学的/生化学的特徴の障害を引き起こすということが広く受け入れられている。
【0005】
アミノ酸は植物において鍵の生理学的役割を演ずることが公知であり、重要な窒素源として作用する。植物はアミノ酸を無機窒素よりも急速に取り込み得る。さらにその上、アミノ酸は、それらは植物代謝において多岐に渡る機能を行使するタンパク質のビルディングブロックであるので作物の生産および品質を改善するために、ならびにそれらが植物防御、ストレス管理、ビタミン、酵素、ヌクレオチド、およびホルモンの生合成に関わる代謝物および前駆体として、ならびに莫大な種々の二次化合物の前駆体として、非常に有用である。しかしながら、取り込みにとって正しいステージにおいて植物にこれらの栄養素を提供することが重要であり、施用後の栄養素のリーチングをもまた防止または縮減しながら、作物ライフサイクル全体に渡って栄養素を作物または植物にとって利用可能にすることはなおさらである。
【0006】
普及した生産工程は、硫黄およびアミノ酸が個別にかつ異なる植物の場所に施用されることである。これによると、硫黄は土壌に施用され、アミノ酸は葉面施用によって施用される。しかしながら、異なる時間および異なる植物の場所における硫黄およびアミノ酸のこの個別の施用は農家にとって不経済で時間がかかるアプローチであるのみならず、作物の有効な栄養素要求量を満たすことをもまた叶えない。
【0007】
植物による硫黄および他の栄養素の吸収は、アミノ酸と併せて施用されるときに最も良好に起こるということが本発明者によって指摘された。アミノ酸の存在が土壌中の微生物集団を増大させ、これは硫黄から硫酸への変換を補助し、それゆえにこれまでは利用可能ではなかった硫黄を植物にとって難なく利用可能にするということが本発明者によって注目された。さらに、組み合わせでの硫黄およびアミノ酸の施用が土壌pHの縮減をもたらし、それゆえに、植物の根によるアミノ酸ならびに他の多量および微量栄養素のより良好な取り込みのための環境を作り出すということが注目された。組成物のこの相乗性は、根圏におけるアミノ酸および栄養素の間の正の相互作用によって硫黄およびアミノ酸両方が根から急速に吸収されてくることをもたらす、ということが指摘された。
【0008】
従って、本発明者は、驚くべきことに、元素状硫黄およびアミノ酸を含む組成物が本質的に相乗的であり、作物の成長および発生にとって望ましいということを見いだした。それゆえに、かかる組み合わせは、元素状硫黄、アミノ酸を含む栄養素使用が効率的な組成物を提供し、単一の施用によって作物による改善された取り込みを有する多栄養解決策を提供することによって作物の必要を満たす。
【0009】
元素状硫黄およびアミノ酸の混合物を含む公知の製剤はないが、特許文献1は、微量栄養素、高分子電解質、およびアミノ酸を含有する混合物を開示している。特許文献1は、組成物中のアルギン酸ナトリウムのようなかかる高分子電解質ポリマーの存在が過剰の水の吸収をもたらし、それゆえに粘稠なペーストを形成するということを開示している。特許文献1は元素状硫黄およびアミノ酸の水分散性顆粒または液体懸濁液組成物を開示していない。
【0010】
特許文献2は、硫黄、重炭酸カリウム、ならびにアミノ酸および/またはペプチドの混合物からなる殺真菌剤組成物を開示している。それらは、強く、より安全でより良好な有機殺真菌剤の解決策を提供することを主張し、炭酸カリウムを組成物に追加することによって銅のドーズを置き換えるかまたは縮減している。特許文献2は水和性粉末または流体ペーストの形態の殺真菌剤組成物を開示しており、元素状硫黄およびアミノ酸の水分散性顆粒または液体懸濁液組成物を開示していない。
【0011】
水和性粉末または流体ペーストの形態の組成物は、非注加性であることおよびダストの生成のような実地の施用についての問題を有するのみならず、主として眼の刺激、吸入リスク、および皮膚の刺激ゆえのユーザーにとってのリスクをもまた呈することが指摘され得る。また、かかる製剤は容易には分散性ではなく、点滴によって施用されるときにはノズルを詰まらせる傾向があり、それを灌漑系への使用にとって不適にする。さらに、かかる組成物は不良な懸濁性を有することもまた見いだされており、これは標的区域における活性成分のランダムな分布につながる。かかるランダムに分布した活性成分は望ましくない効果を引き起こし、かつ植物または作物への栄養素の有効な送達において問題を呈し、かつ大量に用いられることをもまた要求されるであろう。
【0012】
植物の要求量を満たすかまたは栄養素使用効率もしくは栄養素取り込みを増強するために有効に用いられ得、上で論じられている欠点に対処し得る、水分散性顆粒または液体懸濁液の形態のアミノ酸との組み合わせで元素状硫黄を含む特定の組成物を対象とする当分野の開示は存在していない。
【0013】
その上、有効で安定な水分散性顆粒を調製することは、微粒化された硫黄およびアミノ酸からなる硫黄組成物の高度に爆発性の性質が理由で、主要な課題であることが見いだされた。本質的に親水性であるアミノ酸は、乾燥組成物を調製するためにはより高温の条件を要求した。高濃度の元素状硫黄およびアミノ酸を含有する微粒化された組成物を製剤することは、より高温の条件における乾燥を要求したので、それは硫黄爆発および火災のハザードの増強されたリスクを伴った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】米国特許出願公開第2017/0283334号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2359693号明細書
【非特許文献】
【0015】
【文献】ラッキネニ(Lakkineni)およびアブロール(Abrol)著(1994年)「作物植物の硫黄要求量:生理学的分析(Sulfur requirement of crop plants: Physiological Analysis)」ファティライザー・ニュース(Fertilizer News)第39巻:p.11-18
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の発明者は、関連するリスクを克服することに成功し、元素状硫黄およびアミノ酸の水分散性の顆粒状のおよび安定な液体懸濁液の組成物を製剤し、これらの欠点を克服し、縮減された粒子サイズを有する濃縮されたなお分散性の組成物を調製することができた。
【0017】
加えて、驚くべきことに、本発明の組成物は、0.1~20ミクロンの特定の粒子サイズで製剤されるときに、硫黄、栄養素、およびアミノ酸を植物による取り込みにとって難なく利用可能にしており、総体的な収量を増大させるということが指摘された。本発明の組成物は優れた物理的特徴、例えば懸濁性、分散性、流動性、濡れ性、安定性、および改善された粘度をもまた見せ、より良好な注加性をもたらす。また、本発明の組成物は加速保存条件下における優れた性能、および点滴灌漑における有効な使用法をもまた実証した。
【0018】
まとめると、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の元素状硫黄およびアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物ならびにさらなる微量栄養素の施用は、土壌条件を変化させることおよびその後に作物の栄養素の取り込みを改善することを助け、縮減された用量で優良な圃場効力を実証する。さらにその上、本組成物の形態の硫黄およびアミノ酸の施用は、栄養素のリーチングを防止し、用量を縮減し、作物の収量、タンパク質合成、品質、バイタリティ、および活性を改善し、エネルギー代謝をブーストし、植物ホルモンを刺激し、作物の栄養素含量を改善し、病気抵抗性を管理することおよびストレス管理を助け、より強くて栄養に富む作物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、有効量の元素状硫黄、少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマーもしくは塩もしくは誘導体またはそれらの混合物、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む土壌施用のための水分散性の顆粒状の農業的な組成物が、種々の作物のより高い収量を提供し、かつ植物生理学的パラメータ、植物の防御メカニズムを改善し、かつマイクロ灌漑系への直接的な使用をもまた見いだすということを決定した。水分散性顆粒は、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度範囲の1つ以上のアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物、トータルの組成物の20重量%から99重量%の濃度範囲の元素状硫黄、トータルの組成物の0.1重量%~60重量%の範囲の少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤を含む。さらに、水分散性の顆粒状の農業的な組成物は、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子へと分散する0.1~5mmのサイズ範囲の顆粒を含む。
【0020】
さらにその上、本願の発明者は、有効量の元素状硫黄、少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物;少なくとも1つの構造形成剤、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む土壌施用のための液体懸濁液の形態の農業的な組成物が、ある種の作物において高い収量を実証しており、かつマイクロ灌漑系への直接的な使用をもまた見いだすということをもまた見いだした。液体懸濁液は、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度範囲のアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物、トータルの組成物の1重量%から65重量%の範囲の元素状硫黄、トータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の少なくとも1つの構造形成剤、および少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤を含み;組成物は0.1~20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。
【0021】
土壌施用のための水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の農業的な組成物は、さらに、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度の少なくとも1つの微量栄養素を包含する。
【0022】
さらにその上、本発明は、有効量の少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物を元素状硫黄および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤と共に含む農業的な組成物を調製するプロセスに関し;組成物は0.1~20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する。
【0023】
本発明は、植物、種子、作物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または土壌を、有効量の元素状硫黄および少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物;ならびに少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む農業的な組成物によって処理する方法にもまた関する。
【0024】
極めて有利には、組成物は、散布もしくはバンド/側条施肥、養液土耕、ドリル播きによって、または点滴もしくはトリクル灌漑などのマイクロ灌漑によって土壌に施用される。点滴またはトリクル灌漑の後者のケースは、増大していく労働力および水不足によって多大に挑戦される農場生産工程をさらに最適化する。それゆえに、本発明の組成物はユーザーの便宜に従って全ての可能な施用のやり方で用いられる。
【0025】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、作物の健康を改善する、作物の栄養を改善する、作物を強化または活性化する、作物を保護する、作物収量を増強するかまたは土壌を改良する、種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または周囲の土壌の少なくとも1つを、有効量の元素状硫黄および少なくとも1つのアミノ酸、それらの塩、ポリマー、誘導体、またはそれらの混合物、少なくとも1つの微量栄養素、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む農業的な組成物によって処理する方法に関する。
【0026】
組成物は本質的に相乗的であり、植物による硫黄および他の栄養素の取り込みを改善し、土壌微生物特性を改善し、良好な物理的および化学的特性を見せることが観察された。さらに、組成物は容易に分散性の良好な懸濁であり、非粘性、容易に注加性、かつ長引く保存およびより高温下でさえも安定であることが指摘された。
【0027】
本発明のより完全な理解のために、ここで、付随する図面により詳細に例解されかつ本発明の実施形態によって記載される実施形態の参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】植物の葉によるタンパク質取り込みに対して、異なる粒子サイズの微量栄養素と共に元素状硫黄およびアミノ酸の水分散性顆粒状組成物の効果を示す、グラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態を記載する際には、明瞭性のために特定の術語が選ばれる。しかしながら、本発明がそのように選択された特定の用語に限定されるということは意図されず、かかる特定の用語は類似の目的を達成するために類似の様式で働く全ての技術的同等物を包含するということは理解されるはずである。本明細書に記載されるいずれかの数的範囲は、含められる全ての部分範囲を包含することが意図されるということは理解される。また、別様に指示されない限り、組成物中の構成成分のパーセンテージは重量パーセントとして提示される。
【0030】
水分散性顆粒は、水中における崩壊および分散の後に施用されるべき顆粒からなる製剤として定められる。本明細書に記載される「WG」または「WDG」は水分散性顆粒を指す。
【0031】
本発明に従うと、用語の液体懸濁液は、「水系懸濁液」または「水系分散液」または「懸濁液濃縮物」または「サスポエマルション」またはSC組成物を包摂する。液体懸濁液は固体粒子が液体中に分散または懸濁されている組成物として定められ得る。基剤としての液体は水および/または水混和性溶媒であり得る。
【0032】
栄養素使用効率(NUE)は、植物が利用可能なミネラル栄養素をどれくらい良く用いるかの尺度として定められる。NUEの改善は、低い栄養素利用性を有する限界地への作物生産の拡大にとって必須の前提条件であるが、無機肥料の使用を縮減するためのやり方でもまたある。
【0033】
本発明は、0.1%~70重量%の少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物、および20重量%から99重量%の元素状硫黄;少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む水分散性顆粒の形態の土壌施用のための農業的な組成物に関する。本発明は、0.1重量%から70重量%の少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物、および1重量%から65重量%の元素状硫黄;少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を包含する土壌施用のための液体懸濁液の形態の農業的な組成物にもまた関する。農業的な組成物は0.1から20ミクロンの範囲の粒子サイズを有し、改善された分散性および懸濁性を見せる。
【0034】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物は固体形態または液体形態である。例えば、農業的な組成物は、水系懸濁液、サスポエマルション、懸濁液濃縮物、水系分散液、水分散性顆粒、種子ドレッシング、または種子処理のためのエマルション、およびそれらの組み合わせの形態であり得る。
【0035】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物は元素状硫黄を含む。
【0036】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒はトータルの組成物の20重量%から99重量%の範囲の元素状硫黄を含む。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒はトータルの組成物の40重量%から99重量%の範囲の元素状硫黄を含む。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒はトータルの組成物の20重量%から80重量%の範囲の元素状硫黄を含む。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒はトータルの組成物の20重量%から50重量%の範囲の元素状硫黄を含む。
【0037】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物はトータルの組成物の1重量%から65重量%の範囲の元素状硫黄を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物はトータルの組成物の1重量%から50重量%の範囲の元素状硫黄を含む。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物はトータルの組成物の1重量%から40重量%の範囲の元素状硫黄を含む。
【0038】
組成物中の元素状硫黄およびアミノ酸は肥料として作用するのみならず、土壌pHを縮減することならびにアミノ酸および他の栄養素のより良好な取り込みを助長することをもまた助ける。驚くべきことに、0.1~20ミクロンの粒子サイズ範囲の水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の元素状硫黄およびアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物の組み合わせの効果は相乗的であり、作物の成長および発生の点で優れた圃場効力を示すということが観察された。この優れた効力は硫黄およびアミノ酸の個々の施用では観察されなかった。
【0039】
ある実施形態に従うと、組成物はアミノ酸の少なくとも1つ以上を含む。ある実施形態に従うと、アミノ酸は、必須、非必須アミノ酸、非タンパク質構成アミノ酸、アミノ酸のオリゴマー、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ペプチド、植物および動物タンパク質、加水分解されたタンパク質、ポリアミノ酸、それらの塩もしくは誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上を包含し得る。アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、シトルリン、ロイシン、リジン、イソロイシン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ギャバ-アミノ酪酸、ヒスチジン、メチオニン、オルニチン、プロリン、フェニルアラニン、セリン、セレノシステイン、バリン、タウリン、チロシン、テアニン、トレオニン、トリプトファン、チラミン、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を含むが、これらに限定されない。加水分解されたタンパク質は、ソイプロテイン、ホエイプロテイン、イチジクタンパク質、魚類タンパク質、エンドウ豆タンパク質、トウモロコシタンパク質、カゼインタンパク質、ヒマワリタンパク質、大麦タンパク質、鶏卵タンパク質、ナタネタンパク質、米タンパク質、ゼラチン、鶏肉タンパク質、またはそれらの混合物の1つ以上を含むが、これらに限定されない。タンパク質加水分解物は野菜、動物、または微生物源からであり得る。アミノ酸のポリマーは、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、ポリラクチド、ポリトレオニン、ポリプロリン、ポリヒスチジン、ポリチロシンの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他のアミノ酸を利用することが可能であるということを了解するであろう。アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはペプチドもしくはタンパク質加水分解物は商業的に製造されており、種々の会社から入手される。
【0040】
さらなる実施形態に従うと、組成物は、好ましくは、グリシン、プロリン、アルギニン、リジン、グルタミン、ヒスチジン、トリプトファン、グルタミン酸、メチオニン、システイン、ポリグルタミン酸、植物および動物タンパク質、ソイプロテイン加水分解物、ホエイプロテイン加水分解物、魚類タンパク質加水分解物、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物から選択されるアミノ酸を含む。
【0041】
ある実施形態に従うと、アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物はトータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物はトータルの組成物の0.1重量%から60重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物はトータルの組成物の0.1重量%から50重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物はトータルの組成物の0.1重量%から40重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物はトータルの組成物の0.1重量%から20重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物はトータルの組成物の0.1重量%から10重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物はトータルの組成物の0.1重量%から5重量%の濃度範囲で存在する。
【0042】
ある実施形態に従うと、微量栄養素は水可溶性のまたは水不溶性の微量栄養素を含む。ある実施形態に従うと、微量栄養素は、それらの元素形態の亜鉛、ホウ素、カルシウム、鉄、マグネシウム、銅、マンガン、ケイ素、コバルト、モリブデン、クロム、バナジウム、セレン、ニッケル、ヨウ素、またはそれらの塩、錯体、誘導体、もしくは混合物の1つ以上を含む。さらなる実施形態に従うと、微量栄養素は、好ましくは、それらの元素形態の亜鉛、鉄、銅、モリブデン、マンガン、マグネシウム、またはそれらの塩、錯体、誘導体、もしくは混合物の1つ以上を包含する。しかしながら、微量栄養素の上のリストは例示的であり、本発明の範囲を限定することを意味されない。
【0043】
ある実施形態に従うと、微量栄養素はトータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、微量栄養素はトータルの組成物の0.1重量%から40重量%の範囲で存在する。ある実施形態に従うと、微量栄養素はトータルの組成物の0.1重量%から20重量%の範囲で存在する。
【0044】
ある実施形態に従うと、アミノ酸および水可溶性の微量栄養素の金属イオンのモル比は2:1である。
【0045】
ある実施形態に従うと、アミノ酸および水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比は、トータルの組成物の重量で2:1から38:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸および水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で2:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸および水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で3:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸および水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で4:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸および水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で5:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸および水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で6:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸および水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で7:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸および水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で8:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で10:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で12:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で14:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で15:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で比16:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で17:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で19:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で20:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で21:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で22:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で23:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で25:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で28:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で30:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で32:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で34:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比はトータルの組成物の重量で35:1であり得る。ある実施形態に従うと、アミノ酸対水可溶性の微量栄養素の金属イオンの重量比は37:1であり得る。
【0046】
組成物は、さらに、植物成長促進剤、つまりビタミン、バイオスティミュラント、有機酸もしくは塩、植物成長制御因子、それらの錯体もしくは誘導体、または混合物の1つ以上を含み得る。植物成長促進剤は、フミン酸、アスコルビン酸、フルボ酸、乳酸、シュウ酸、フィチン酸、フマル酸、ジベレリン酸、オーキシン、クエン酸、N-アセチルチアゾリジン-4カルボン酸、パクロブトラゾール、トリアコンタノール、またはそれらの混合物を包含する。ある実施形態に従うと、植物成長促進剤はトータルの組成物の0.1~60%、好ましくは0.1~20%w/wの濃度で存在する。しかしながら、植物成長促進剤の上のリストは例示的であり、本発明の範囲を限定することを意味されない。植物成長促進剤は商業的に製造されており、これらの製品を商業スケールで製造および販売する種々のベンダから入手される。
【0047】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物は水分散性顆粒の形態である。
【0048】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲のアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物の少なくとも1つ、ならびにトータルの組成物の20重量%から99重量%の範囲の元素状硫黄、トータルの組成物の0.1重量%から60重量%の範囲の1つ以上の界面活性剤、および少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む。農業的な組成物は任意に少なくとも1つの微量栄養素を含み得る。
【0049】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物、およびトータルの組成物の20重量%から99重量%の範囲の元素状硫黄を、トータルの組成物の0.1から70重量%の濃度の少なくとも1つの微量栄養素と併せて含む。組成物は、トータルの組成物の0.1重量%から60重量%の範囲の1つ以上の界面活性剤および少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤をもまた含む。
【0050】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の20重量%から99重量%の範囲の元素状硫黄を、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲のアラニン、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン、グリシン、リジン、トリプトファン、プロリンから選択される少なくとも1つのアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物、およびトータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度で存在する亜鉛、鉄、マンガン、マグネシウム、銅、ホウ素、モリブデン、それらの塩もしくは誘導体、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの微量栄養素との組み合わせで、トータルの組成物の0.1重量%から30重量%の範囲の1つ以上の界面活性剤および少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共に含む。
【0051】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の20重量%から99重量%の範囲の元素状硫黄を、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の少なくとも1つのタンパク質加水分解物、およびトータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度で存在する亜鉛、鉄、マンガン、マグネシウム、銅、ホウ素、モリブデン、それらの塩もしくは誘導体、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの微量栄養素との組み合わせで、トータルの組成物の0.1重量%から30重量%の範囲の1つ以上の界面活性剤および少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共に含む。
【0052】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の20重量%から99重量%の範囲の元素状硫黄を、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の少なくとも1つのタンパク質加水分解物、およびトータルの組成物の0.1重量%から20重量%の濃度で存在するフミン酸またはフルボ酸またはトリアコンタノールから選択される少なくとも1つの植物成長促進剤との組み合わせで、トータルの組成物の0.1重量%から30重量%の範囲の1つ以上の界面活性剤および少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共に含む。農業的な組成物は任意に少なくとも1つの微量栄養素を含み得る。
【0053】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は990:1から1:3.5である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は500:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は100:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は50:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は10:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は9:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は8:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は7:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は6:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は5:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は4:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は3:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は2.5:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は2.2:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は2:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は1.5:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は1:1である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は1:3である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状形態の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は1:2である。
【0054】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物は液体懸濁液の形態である。
【0055】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の少なくとも1つのアミノ酸、それらの塩、誘導体、またはそれらの混合物、およびトータルの組成物の1重量%から65重量%の範囲の元素状硫黄、およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の1つ以上の構造形成剤、および1つ以上の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む。農業的な組成物は任意に少なくとも1つの微量栄養素を含み得る。
【0056】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲のアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物の少なくとも1つおよびトータルの組成物の1重量%から65重量%の範囲の元素状硫黄を、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の少なくとも1つの微量栄養素と併せて含む。組成物は、トータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の1つ以上の構造形成剤および農芸化学的に受け入れられる賦形剤の1つ以上をもまた包含する。
【0057】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の1重量%から65重量%の範囲の元素状硫黄を、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲のアラニン、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン、グリシン、リジン、トリプトファン、プロリンから選択される少なくとも1つのアミノ酸、それらの塩、もしくは誘導体、または混合物、およびトータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度で存在する亜鉛、鉄、マンガン、マグネシウム、銅、ホウ素、モリブデン、それらの塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの微量栄養素、およびトータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の1つ以上の構造形成剤との組み合わせで含む。
【0058】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の1重量%から65重量%の範囲の元素状硫黄を、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の少なくとも1つのタンパク質加水分解物、およびトータルの組成物の0.1重量%から70重量%の濃度で存在する亜鉛、鉄、マンガン、マグネシウム、銅、ホウ素、モリブデン、それらの塩もしくは誘導体、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの微量栄養素との組み合わせで、トータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の構造形成剤の1つ以上と共に含む。
【0059】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の農業的な組成物は、トータルの組成物の1重量%から65重量%の範囲の元素状硫黄を、トータルの組成物の0.1重量%から70重量%の範囲の少なくとも1つのタンパク質加水分解物、およびトータルの組成物の0.1重量%から20重量%の濃度で存在するフミン酸、フルボ酸、トリアコンタノールから選択される少なくとも1つの植物成長促進剤との組み合わせで、トータルの組成物の0.01重量%から5重量%の範囲の構造形成剤の1つ以上と共に含む。農業的な組成物は任意に少なくとも1つの微量栄養素を含み得る。
【0060】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上の重量比は650:1から1:70である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上の重量比は100:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は50:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は10:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は9:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は8:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は7:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は6:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は5:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は4:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は3:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は2.5:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は2.2:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は2:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は1.5:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は1:1である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は1:14である。ある実施形態に従うと、液体懸濁液中の元素状硫黄対アミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、または混合物の1つ以上の重量比は1:7である。
【0061】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は、0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子、好ましくは0.1ミクロンから15ミクロンのサイズ範囲の、最も好ましくは0.1から10ミクロンの範囲の粒子を含む。アミノ酸および硫黄のより良好な取り込みが、約0.1から20ミクロンの粒子サイズ範囲において作物にとって利用可能にされる。それゆえに、農業的な組成物の0.1から20ミクロンの粒子サイズ範囲は施用の容易さの点でのみならず効力の点でもまた重要であることが見いだされた。
【0062】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物は水分散性顆粒の形態であり、顆粒は0.1から5mmのサイズ範囲である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は0.1から4mmのサイズ範囲である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は0.1から3mmのサイズ範囲である。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は0.1から2.5mmのサイズ範囲である。ある実施形態に従うと、好ましくは水分散性顆粒は0.1から2mmのサイズ範囲である。好ましくは、水分散性顆粒は0.1から1.5mmのサイズ範囲である。好ましくは、水分散性顆粒は0.1から1mmのサイズ範囲である。最も好ましくは、水分散性顆粒は0.1から0.5mmのサイズ範囲である。ある実施形態に従うと、水分散性の顆粒状の農業的な組成物において、組成物はマイクロ顆粒の形態である。顆粒は0.1から20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。
【0063】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物は任意に少なくとも1つの肥料を含み得る。肥料は、土壌中に天然に見いだされる要求される要素を補足するために単純に農業的な圃場に施用される作物栄養素である。作物による連続的な栄養素取り込み、栄養素の水による流出損失、リーチング、揮散、および土壌の侵食を原因として、土壌はその肥沃度を失う傾向がある。これらの結果として、作物の要求量は満たされない。肥料の施用は、収量を増大させることおよび健康な作物を促進することを補助するのみならず、害虫および病気の攻撃に対する防御の発生をもまた助ける。それゆえに、作物への最適な量および型の肥料の施用は作物の栄養素要求量を満たす上で重大である。
【0064】
別の実施形態に従うと、肥料は単一栄養素肥料、多栄養素肥料、二元素肥料、複合肥料、有機肥料、またはそれらの混合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、当分野において公知の他の肥料を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0065】
なお別の実施形態に従うと、肥料は、水可溶性の肥料もしくは水不溶性の肥料、あるいはそれらの塩もしくは錯体もしくは誘導体または混合物の1つ以上を含む。
【0066】
さらなる実施形態に従うと、肥料は、窒素、リン酸、カリ、アンモニア、硝酸アンモニウム、尿素、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、過リン酸、リン酸石膏、三重過リン酸、NPK肥料、あるいはそれらの塩もしくは錯体もしくは誘導体または混合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の肥料を用いることが可能であるということを了解するであろう。肥料は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0067】
ある実施形態に従うと、肥料はトータルの組成物の1重量%から90重量%の範囲で存在する。好ましくは、肥料はトータルの組成物の1重量%から40重量%の範囲で存在する。
【0068】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物はさらに任意に殺虫剤活性成分の1つ以上を含む。ある実施形態に従うと、殺虫剤活性成分は組成物の0.1重量%から90重量%の量で存在する。さらなる実施形態に従うと、殺虫剤活性成分は組成物の0.1重量%から60重量%の量で存在する。さらなる実施形態に従うと、殺虫剤活性成分は組成物の0.1重量%から40重量%の量で存在する。
【0069】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物はさらに少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む。さらなる実施形態に従うと、農芸化学的に受け入れられる賦形剤は、界面活性剤、分散剤、濡れ剤、バインダまたは結合剤、崩壊剤、フィラーまたは担体または希釈剤、乳化剤、疎水剤、溶媒、展着剤、コーティング剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤または破泡剤、浸透剤、保存料、紫外吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、色素、着色料、構造形成剤、懸濁剤または懸濁助剤薬剤、保水剤、付着剤、凍結防止剤または凝固点降下剤、およびそれらの混合物の1つ以上を含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。農芸化学的に受け入れられる賦形剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手される。
【0070】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の農業的な組成物はさらに少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤を含む。さらなる実施形態に従うと、水分散性顆粒状製剤に用いられる農芸化学的に受け入れられる賦形剤は少なくとも1つの崩壊剤、濡れ剤、バインダまたはフィラーまたは担体または希釈剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤、固化防止剤、疎水剤、展着剤、浸透剤、付着剤を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0071】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の農業的な組成物はさらに少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤を含む。さらなる実施形態に従うと、懸濁液濃縮物または液体懸濁液または水系懸濁液製剤に用いられる農芸化学的に受け入れられる賦形剤は、少なくとも1つの界面活性剤、分散剤、濡れ剤、保水剤、溶媒、展着剤、懸濁剤または懸濁助剤、浸透剤、付着剤、紫外吸収剤、UV線散乱剤、保存料、安定剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、凍結防止剤または凝固点降下剤、抑泡剤、固化防止剤を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0072】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1重量%から90重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1重量%から70重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1重量%から50重量%の濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1重量%から30重量%の濃度範囲で存在する。
【0073】
ある実施形態に従うと、界面活性剤は乳化剤、濡れ剤、および分散剤の1つ以上を包含する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、およびポリマー性界面活性剤の1つ以上を包含する。
【0074】
アニオン性界面活性剤は、脂肪酸の塩、安息香酸、ポリカルボン酸、アルキル硫酸エステルの塩、アルキルエーテル硫酸、アルキル硫酸、アルキルアリール硫酸、アルキルジグリコールエーテル硫酸、アルコール硫酸エステルの塩、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アリールスルホン酸、リグニンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、アルキルリン酸エステルの塩、アルキルアリールリン酸、スチリルアリールリン酸、スルホン酸ドクサート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸、アルキルサルコシン酸、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、スルホコハク酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸遊離酸およびナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステルの塩、スルホコハク酸-モノおよび他のジエステル、リン酸エステル、アルキルナフタレンスルホン酸イソプロピルおよびブチル誘導体、アルキルエーテル硫酸ナトリウムおよびアンモニウム塩;アルキルアリールエーテルリン酸、エチレンオキシドおよびその誘導体、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸エステルの塩、モノアルキルスルホコハク酸、芳香族炭化水素スルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ペルフルオロノナン酸アンモニウム、ドクサート、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロノナン酸、カルボキシレート、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタン酸、リン脂質、ラウリル硫酸カリウム、石鹸、石鹸代替物、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルカルボン酸、ステアリン酸ナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸縮合物ナトリウム塩、フルオロカルボン酸、脂肪族アルコールサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸縮合物ナトリウム塩、ホルムアルデヒドと縮合したナフタレンスルホン酸、もしくはホルムアルデヒドと縮合したアルキルナフタレンスルホン酸の塩;またはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0075】
カチオン性界面活性剤は、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルメチルエトキシル化アンモニウムクロリドまたは塩、ドデシル、ココ、ヘキサデシル、オクタデシル、オクタデシル/ベヘニル、ベヘニル、コカミドプロピル、トリメチルアンモニウムクロリド;ココ、ステアリル、ビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、アルキル、テトラデシル、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクチル、ジ(オクチルデシル)、ジデシル、ジヘキサデシルジステアリル、ジ(水添牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水添牛脂)ベンジル、トリオクチル、トリ(オクチルデシル)、トリドデシル、トリヘキサデシルメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチル、ドデシルジメチルベンジル、ジ(オクチルデシル)ジメチル、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド、第四級化アミンエトキシレート、塩化ベヘントリモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化ベンゾドデシニウム、ブロニドックス、第四級アンモニウム塩、カルベトペンデシニウムブロミド、塩化セタルコニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、臭化ドミフェン、ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド、オクテニジン二塩酸塩、Olaflur、N-オレイル-1,3-プロパンジアミン、パフトキシン、ステアラルコニウムクロリド、水酸化テトラメチルアンモニウム、臭化トンゾニウム;それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0076】
非イオン性界面活性剤は、ポリオールエステル、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシル化エステル、ポリエトキシル化アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化アルコール、EO/POコポリマー;EOおよびPOブロックコポリマー、ジ、トリブロックコポリマー;ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポロキサマー、ポリソルベート、アルキル多糖、例えばアルキルポリグリコシドおよびそれらのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステル、グリコールおよびグリセロールエステル、グルコシジルアルキルエーテル、牛脂脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレングリコール、ソルビタンアルキルエステル、ソルビタン誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル(Span)、およびそれらのエトキシル化誘導体(Tween)、および脂肪酸のスクロースエステル、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コカミドDEA、コカミドMEA、デシルグルコシド、デシルポリグルコース、モノステアリン酸グリセロール、ラウリルグルコシド、マルトシド、モノラウリン、ナローレンジエトキシレート、ノニデットP-40、ノノキシノール-9、ノノキシノール、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、N-オクチルベータ-D-チオグルコピラノシド、オクチルグルコシド、オレイルアルコール、PEG-10ヒマワリグリセリド、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリドカノール、ポロキサマー、ポロキサマー407、ポリエトキシル化タローアミン、ポリリシノール酸ポリグリセロール、ポリソルベート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、サーファクチン、ラウリン酸グリセリル、ラウリルグルコシド、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、ノニルフェノールポリグリコールエーテル、ヒマシ油エトキシレート、ポリグリコールエーテル、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのポリアダクト、ポリアルキレングリコールエーテルおよびヒドロキシステアリン酸のブロックコポリマー、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、エトプロポキシル化トリスチリルフェノール、エトキシル化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸ポリグリセリド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、アルコールエトキシレート-C6からC16/18アルコール、直鎖および分岐、アルコールアルコキシレート-種々の疎水基ならびにEO/PO含量および比、脂肪酸エステル-モノおよびジエステル;ラウリン、ステアリン、およびオレイン;グリセロールエステル-EOありおよびなし;ラウリン、ステアリン、ココア、およびトール油由来、エトキシル化グリセリン、ソルビタンエステル-EOありおよびなし;ラウリン、ステアリン、およびオレイン系;モノおよびトリエステル、ヒマシ油エトキシレート-5から200モルEO;非水添および水添、ブロックポリマー、アミンオキシド-エトキシル化および非エトキシル化;アルキルジメチル、脂肪族アミンエトキシレート-ココ、タロー、ステアリル、オレイルアミン、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、もしくはポリオキシプロピレン脂肪酸エステル;それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0077】
両性または双性イオン性界面活性剤は、ベタイン、ココおよびラウリルアミドプロピルベタイン、ココアルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルベタイン;C8からC18、アルキルジプロピオン酸-ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、コカミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、イミダゾリン、リン脂質、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、およびスフィンゴミエリン、ラウリルジメチルアミンオキシド、アルキルアンホ酢酸およびプロピオン酸、アルキルアンホ(ジ)酢酸およびジプロピオン酸、レシチンおよびエタノールアミン脂肪族アミド;またはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらの1つ以上に限定されない。
【0078】
商標によって商業的に入手可能である界面活性剤は、Atlas-G5000、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer-8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor-7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26、Cetomacrogol1000、CHEMONIC-OE-20、Triton-N-101、Triton-X-100、Tween20、40、60、65、80、Span20、40、60、80、83、85、120、Brij(登録商標)、Atlox4912、Atlas-G5000、TERMUL3512、TERMUL3015、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、ECOTERIC(登録商標)T85、ECOTERIC(登録商標)T20、TERIC12A4、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor-7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26、CHEMONIC-OE-20、Triton(商標)N-101、IGEPAL-CA-630、およびIsoceteth-20の1つ以上に限定されない。
しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の界面活性剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。界面活性剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0079】
ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0080】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる溶媒は水混和性溶媒を包含する。水混和性溶媒は、1,4-ジオキサン、エチレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルオクタンアミド、ジメチルデカンアミドを包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の水混和性溶媒を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0081】
ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1%から95%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。
【0082】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる崩壊剤は、無機の水可溶性塩、例えば塩化ナトリウム、硝酸塩;水可溶性有機化合物、例えば寒天、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプンエーテル、トラガカント、ゼラチン、カゼイン、微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、金属ステアリン酸塩、セルロース粉末、デキストリン、メタクリレートコポリマー、Polyplasdone(登録商標)XL-10(架橋ポリビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピロリドン)、スルホン酸化スチレン-イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、メタクリレートのポリアクリレートの塩、デンプン-ポリアクリロニトリルグラフトコポリマー、重炭酸/炭酸ナトリウムもしくはカリウムまたはそれらの混合物もしくは酸、例えばクエン酸およびフマル酸との塩、あるいはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる崩壊剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。崩壊剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0083】
ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から50%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0084】
ある実施形態に従うと、疎水剤は、加工デンプン、疎水化ケイ酸塩、ベントナイト、アタパルジャイト、タルク、金属ステアリン酸塩、およびフッ化シランの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる疎水剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。ある実施形態に従うと、疎水剤はトータルの組成物の0.1%から50%w/wの濃度で存在する。
【0085】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる結合剤またはバインダは、タンパク質、リポタンパク質、脂質、糖脂質、糖タンパク質、炭水化物、例えば単糖、二糖、オリゴ糖、および多糖、複雑な有機物質、合成有機ポリマー、またはそれらの誘導体および組み合わせの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる結合剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。結合剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0086】
ある実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から50%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0087】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる担体は、固体担体またはフィラーまたは希釈剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。別の実施形態に従うと、担体は鉱物担体、植物担体、合成担体、水可溶性の担体を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる担体を利用することが可能であるということを了解するであろう。担体は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0088】
固体担体は、粘土のような天然鉱物、例えば陶土、酸性粘土、カオリン、例えばカオリナイト、ディッカイト、ナクライト、およびハロイサイト、蛇紋石、例えばクリソタイル、リザーダイト、アンチゴライト、およびアメサイト、合成および珪藻シリカ、モンモリロナイト鉱物、例えばナトリウムモンモリロナイト、スメクタイト、例えばサポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、およびハイデライト、雲母、例えばパイロフィライト、タルク、アガルマトライト、マスコバイト、フェンジャイト、セリサイト、およびイライト、シリカ、例えばクリストバライトおよび石英、例えばアタパルジャイトおよびセピオライト;バーミキュライト、ラポナイト、軽石、ボーキサイト、水和アルミナ、パーライト、重炭酸ナトリウム、火山灰、バーミキュライト、石灰岩、天然および合成ケイ酸塩、木炭、シリカ、湿式シリカ、乾式シリカ、湿式シリカのか焼生成物、表面改質シリカ、雲母、ゼオライト、珪藻土、それらの誘導体;チョーク(Omya(登録商標))、フラー土、レス、ミラビライト、ホワイトカーボン、消石灰、合成ケイ酸、デンプン、加工デンプン(松谷化学工業株式会社から入手可能なパインフロー)、セルロース、植物担体、例えばセルロース、籾殻、小麦粉、木粉、デンプン、米糠、小麦ふすま、および大豆粉、タバコ粉、野菜粉、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニリデン)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カゼインナトリウム、スクロース、芒硝、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、マレイン酸、フマル酸、およびリンゴ酸、またはそれらの誘導体もしくは混合物を包含する。商業的に入手可能なケイ酸塩はAerosilブランド、Sipernat(登録商標)50SとしてSipernatブランド、およびCALFLO-E、およびカオリン1777である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる固体担体を利用することが可能であるということを了解するであろう。固体担体は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0089】
ある実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から98%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から80%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。
【0090】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる固化防止剤は、多糖、例えばデンプン、マンノース、ガラクトース、ポリ(ビニルピロリドン)、フュームドシリカ(ホワイトカーボン)、エステルガム、石油樹脂、Foammaster(登録商標)Soap-Lステアリン酸ナトリウム、Brij(登録商標)700ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル、Aerosol(登録商標)OT-Bジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、Silwet(登録商標)L-77シリコーン-ポリエーテルコポリマー、酢酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる固化防止剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。固化防止剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。ある実施形態に従うと、固化防止剤はトータルの組成物の0.01%から20%w/wの量で存在する。
【0091】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる抑泡剤または破泡剤は、シリカ、シロキサン、シリコンジオキシド、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリル酸アルキル、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ポリエチレングリコール、シリコンオイル、およびステアリン酸マグネシウム、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。好ましい抑泡剤は、シリコンエマルション(例えば、例えばSilikon(登録商標)SRE、ワッカー、またはローディアからのRhodorsil(登録商標))、長鎖アルコール、脂肪酸、フッ素有機化合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の抑泡剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。抑泡剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から20%w/wの量で存在する。
【0092】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられるpH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機または無機型の酸および塩基両方ならびにそれらの混合物を包含する。さらなる実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機酸、無機酸、およびアルカリ金属化合物、またはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。ある実施形態に従うと、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、および酒石酸、もしくはそれらの塩、誘導体;ならびにこれらの酸の一、二、もしくは三塩基性塩、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。アルカリ金属化合物は、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、アルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、アルカリ金属の炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウム、ならびにアルカリ金属リン酸塩、例えばリン酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。ある実施形態に従うと、無機酸の塩は、アルカリ金属塩、例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、および同類の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。pH調整剤または緩衝剤または中和剤を作り出すためには、混合物もまた用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知のpH調整剤または緩衝剤または中和剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。pH調整剤または緩衝剤または中和剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0093】
ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。
【0094】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる展着剤は、セルロース粉末、デキストリン、加工デンプン、架橋ポリ(ビニルピロリドン)、スチレン化合物とのマレイン酸のコポリマー、(メタ)アクリル酸コポリマー、ジカルボン酸無水物との多価アルコールからなるポリマーの半エステル、ポリスチレンスルホン酸の水可溶性塩、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、野菜油、例えば綿実、または無機油、石油蒸留物、修飾トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレート、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の展着剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。展着剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0095】
ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。
【0096】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる付着剤は、パラフィン、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン、ワックス、ポリビニルアルキルエーテル、アルキルフェノール-ホルマリン縮合物、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、野菜油、例えば綿実、または無機油、石油蒸留物、修飾トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレート、合成樹脂エマルション、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の付着剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。付着剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0097】
ある実施形態に従うと、付着剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在し得る。ある実施形態に従うと、付着剤はトータルの組成物の0.1%から15%w/wの量で存在する。
【0098】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる安定剤は、過酸化化合物、例えば過酸化水素および有機過酸化物、亜硝酸アルキル、例えば亜硝酸エチル、およびグリオキシル酸アルキル、例えばグリオキシル酸エチル、ゼオライト、抗酸化剤、例えばフェノール化合物、リン酸化合物、および同類の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の安定剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。安定剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0099】
ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0100】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる保存料は、殺細菌剤、抗真菌剤、殺生物剤、抗微生物剤、および抗酸化剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。保存料の限定しない例は、パラベン、そのエステルおよび塩、プロピオン酸およびその塩、2,4-ヘキサジエン酸(ソルビン酸)およびその塩、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒド、2-ヒドロキシビフェニルエーテルおよびその塩、無機亜硫酸塩および重亜硫酸塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノール、デヒドロ酢酸、ギ酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、4-クロロ-m-クレゾール、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジオキシイミダゾリジン-5-イル)尿素)、ポリ(ヘキサメチレンジグアニド)塩酸塩、2-フェノキシエタノール、ヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニア-アダマンタンクロリド、1(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、ベンジルアルコール、オクトピロックス、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2’-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、ジクロロフェン、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2-クロロアセトアミド、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、1-フェノキシプロパン-2-オール、N-アルキル(C12-C22)トリメチルアンモニウムブロミドおよびクロリド、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-ヒドロキシメチル尿素、1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)プロパン-1,2-ジオール、Hyamine、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムサッカリン酸塩、ベンジルヘミホルマール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、および2Hイソチアゾール-3-オンの誘導体(いわゆるイソチアゾロン誘導体)、例えばアルキルイソチアゾロン(例えば2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、MIT;クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、CIT)、ベンゾイソチアゾロン(例えば1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン、BIT、ICIからProxel(登録商標)型として商業的に入手可能)または2-メチル-4,5-トリメチレン-2H-イソチアゾール-3-オン(MTIT)、C1-C4アルキルパラヒドロキシ安息香酸、ジクロロフェン、ICIからのProxel(登録商標)またはThor-ChemieからのActicide(登録商標)RSおよびRohm&HaasからのKathon(登録商標)MK、Bacto-100、チメロサール、プロピオン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸カリウム、硝酸フェニル水銀、フェニルエチルアルコール、ナトリウム、エチルパラベン、メチルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルアルコール、塩化ベンゾトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、1,2-ベンゾチアゾール-3-オン、プリベントール(登録商標)(ランクセス(登録商標))、ブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸カリウム、ヨウ素含有有機化合物、例えば3-ブロモ-2,3-ジヨード-2-プロペニルエチルカーボネート、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、2,3,3-トリヨードアリルアルコール、およびパラクロロフェニル-3-ヨードプロパルギルホルマール;ベンゾイミダゾール化合物およびベンゾチアゾール化合物、例えば2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾールおよび2-チオシアノメチルチオベンゾチアゾール;トリアゾール化合物、例えば1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-4-プロピル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、およびα-(2-(4-クロロフェニル)エチル)-α-(1,1-ジメチルエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール;ならびに天然に存在する化合物、例えば4-イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)、およびボラックス、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含する。抗酸化剤は、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体(例えばウロカニン酸)、4,4’-チオビス-6-t-ブチル-3-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、およびペンタエリスリチルテトラキス[3-(3,5,-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピオネート;アミン抗酸化剤、例えばN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン;ヒドロキノリン抗酸化剤、例えば2,5-ジ(t-アミル)ヒドロキノリン;リン含有抗酸化剤、例えばリン酸トリフェニル、カロテノイド、カロテン(例えばαカロテン、βカロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、リポ酸およびそれらの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、およびさらなるチオ化合物(例えばチオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸、チオレドキシン、それらのN-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、およびグリセリルエステル)、およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、ならびにスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ、ヘキサ、ヘプタチオニンスルホキシイミン)を非常に低い忍容ドーズ(例えばpmol/kgからpmol/kg)で、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸エステル(例えば没食子酸プロピル、オクチル、およびドデシル)、不飽和脂肪酸および誘導体、ヒドロキノンおよびその誘導体(例えばアルブチン)、ユビキノンおよびユビキノール、およびそれらの誘導体、パルミチン酸、ステアリン酸、ジパルミチン酸、酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、リン酸および硫酸アスコルビル二ナトリウム、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、イソアスコルビン酸およびその誘導体、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン、ルチン酸およびその誘導体、ルチニル二硫酸二ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、4,4-チオビス-6-tert-ブチル-3-メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、p-オクチルフェノール、モノ(ジまたはトリ)メチルベンジルフェノール、2,6-tert-ブチル-4-メチルフェノール、ペンタエリスリトール-テトラキス3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤチック酸、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、セレンおよびセレン誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびスチルベン誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の保存料を利用することが可能であるということを了解するであろう。保存料は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0101】
ある実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤はトータルの組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤はトータルの組成物の0.1%から1%w/wの量で存在する。
【0102】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物に用いられる構造形成剤は、増粘剤、粘度調整剤、タッキファイヤ、懸濁助剤、レオロジー調整剤、または沈降防止剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。構造形成剤は長引く保存後の活性成分粒子の沈殿を防止する。
【0103】
ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物に用いられる構造形成剤は、1つ以上のポリマー、例えばポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、多糖、疎水化セルロース誘導体、セルロース誘導体のコポリマー、カルボキシビニルまたはポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールおよび誘導体;粘土、例えばベントナイト粘土、カオリン、スメクタイト、アタパルジャイト、高表面積シリカによるアタクレイ、および天然ガム、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェランガム、ビーガム、ゼラチン、デキストリン、コラーゲン;ポリアクリル酸およびそれらのナトリウム塩;脂肪族アルコールのポリグリコールエーテル、およびポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド縮合生成物、ならびにそれらの混合物を包含するが、これらに限定されず、エトキシル化アルキルフェノール(当分野においては、アルキルアリールポリエーテルアルコールともまた称される);エトキシル化脂肪族アルコール(またはアルキルポリエーテルアルコール);エトキシル化脂肪酸(またはポリオキシエチレン脂肪酸エステル);エトキシル化アンヒドロソルビトールエステル(またはポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、塩基性溶液中において非イオン性である長鎖アミンおよび環状アミンオキシド;長鎖第三級ホスフィンオキシド;ならびに長鎖ジアルキルスルホキシド、フュームドシリカ、フュームドシリカおよびフュームド酸化アルミニウムの混合物、膨潤性ポリマー、ポリアミド、またはその誘導体;ポリオール、例えばグリセリン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、リン脂質(例えばセファリンおよび同類);スタキオース、フラクトオリゴ糖、アミロース、ペクチン、アルギン酸、ハイドロコロイド、ならびにそれらの混合物を包含する。また、セルロース、例えばヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシルエチルプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース;デンプン、例えば酢酸デンプン、デンプンヒドロキシエチルエーテル、イオン性デンプン、長鎖アルキルデンプン、デキストリン、マルトデキストリン、コーンスターチ、アミンデンプン、リン酸デンプン、およびジアルデヒドデンプン;植物デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;他の炭水化物、例えばペクチン、デキストリン、アミロペクチン、キシラン、グリコーゲン、寒天、グルテン、アルギン酸、フィココロイド、またはそれらの誘導体である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の構造形成剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0104】
好ましい構造形成剤は、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、メチルセルロース、多糖、アルカリ土類金属ケイ酸塩、ゼラチン、およびポリビニルアルコールの1つ以上を包含する。構造形成剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0105】
ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から4%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から3%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から2%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から0.1%w/wの量で存在する。
【0106】
ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物に用いられる凍結防止剤または凝固点降下剤は、多価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、グリセロール、一価または多価アルコール、グリコールエーテル、グリコールエーテル、グリコールモノエーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、およびジプロピレングリコールのメチル、エチル、プロピル、およびブチルエーテル、グリコールジエーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコールのメチルおよびエチルジエーテル、または尿素、グリセロール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジまたはトリプロピレングリコールモノメチルエーテル、またはシクロヘキサノール、炭水化物、例えばグルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、キシロース、アラビノース、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる凍結防止剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。凍結防止剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。ある実施形態に従うと、凍結防止剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。
【0107】
ある実施形態に従うと、水系懸濁液組成物に用いられる浸透剤は、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、エステル、アミン、アルカノールアミン、アミンオキシド、第四級アンモニウム化合物、トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシド、モノオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ジオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、トリオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヘキサオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる浸透剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。浸透剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0108】
ある実施形態に従うと、紫外吸収剤は、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-エトキシ-2’-エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ベンゾトリアゾール化合物、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;ベンゾフェノン化合物、例えば2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンおよび2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン;サリチル酸化合物、例えばサリチル酸フェニルおよびサリチル酸p-t-ブチルフェニル;2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-エトキシ-2’-エチルシュウ酸ビスアニリド、およびコハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、もしくは誘導体、または同類の1つ以上から選択されるが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる紫外吸収剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。かかる紫外吸収剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0109】
ある実施形態に従うと、UV線散乱剤は二酸化チタンを包含するが、これに限定されず、または同類が用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なるUV線散乱剤またはそれらの混合物を利用することが可能であるということを了解するであろう。かかるUV線散乱剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0110】
ある実施形態に従うと、保水剤は、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、特にブロックコポリマー、例えばUniqemaから入手可能なコポリマーのSynperonic-PEシリーズまたはそれらの塩、誘導体の1つ以上から選択されるが、これらに限定されない。他の保水剤は、プロピレングリコール、モノエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、グリセロールおよび同類;多価アルコール化合物、例えばプロピレングリコールエーテル、それらの誘導体である。また、他の保水剤は、アロエベラゲル、アルファヒドロキシ酸、例えば乳酸、三酢酸グリセリル、ハチミツ、塩化リチウムなどを包含する。上で言及されている非イオン性界面活性剤は保水剤としてもまた作用する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の保水剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。保水剤は商業的に製造されており、種々の会社から入手可能である。
【0111】
ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から90%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から70%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から50%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの範囲で存在する。
【0112】
本発明者は、さらに、本発明の組成物が、驚くべきことに、分散性、懸濁性、濡れ性、より少ない粘度、注加性の増強された物理的特性を有し、取り扱いの容易さを提供し、かつパッケージング時におよび圃場施用中に製品を取り扱う間の材料の損失をもまた縮減するということを決定した。驚くべきことに、本発明者は、より高濃度の組成物が圃場に用いられるときでさえも、液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の農業的な組成物が優れた分散および結果的に効力を発揮するということをもまた決定した。
【0113】
水分散性の顆粒状の農業的な組成物の分散性は、パーセント分散の尺度である。分散性は最小のパーセント分散によって計算される。分散性は、水または溶媒などの液体への追加の際に顆粒が分散する能力として定められる。CIPAC規格MT174試験に従って顆粒状組成物の分散性を決定するためには、既知量の顆粒状組成物が定められた体積の水に追加され、撹拌によって混合されて、懸濁液を形成した。短時間の静置後に、上の10分の9が抜かれ、残りの10分の1が乾燥され、重力測定的に決定される。方法は実質的に懸濁性の省略型試験であり、顆粒状組成物が水中に一様に分散した容易さを確定することにとって適当である。
【0114】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも30%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも40%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも50%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも60%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも70%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも80%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも90%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は少なくとも99%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒は100%の分散性を有する。
【0115】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物は良好な懸濁性を見せる。懸濁性は、決まった高さの液柱中における所与の時間後に懸濁された活性成分の量として定められ、元の懸濁液中の活性成分の量のパーセンテージとして表される。水分散性顆粒はCIPACハンドブック「MT184懸濁性試験」に従って懸濁性について試験され得る。これによると、CIPAC標準水中の顆粒状組成物の既知濃度の懸濁液が調製され、一定温度で所定のメスシリンダー中に置かれ、規定の時間に渡って乱されないままであることを許された。上の9/10が抜かれ、それから、残りの1/10が化学的に、重力測定的に、または溶媒抽出によっていずれかでアッセイされ、懸濁性が計算された。
【0116】
液体懸濁液の懸濁性は、決まった高さの液柱中における所与の時間後に懸濁された活性成分の量であり、元の懸濁液中の活性成分の量のパーセンテージとして表される。液体懸濁液濃縮物の懸濁性はCIPAC-MT161に従って決定され、250mlの希釈された懸濁液を調製すること、それを定められた条件下のメスシリンダー中において静置することを許すこと、および上の10分の9を除去することによる。それから、残りの10分の1が化学的に、重力測定的に、または溶媒抽出によってアッセイされ、懸濁性が計算される。
【0117】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒または液体懸濁液の形態の農業的な組成物は少なくとも30%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の農業的な組成物は少なくとも40%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は少なくとも50%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は少なくとも60%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は少なくとも70%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は少なくとも80%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は少なくとも90%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は少なくとも99%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は100%の懸濁性を有する。
【0118】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の農業的な組成物は、熱、光、温度、および固化への優れた安定性を実証する。さらなる実施形態に従うと、農業的な組成物が見せる安定性は3年超である。さらなる実施形態に従うと、農業的な組成物が見せる安定性は2年超である。さらなる実施形態に従うと、農業的な組成物が見せる安定性は1年超である。さらなる実施形態に従うと、農業的な組成物が見せる安定性は10ヶ月超である。さらなる実施形態に従うと、農業的な組成物が見せる安定性は8ヶ月超である。さらなる実施形態に従うと、農業的な組成物が見せる安定性は6ヶ月超である。
【0119】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は優れた濡れ性を見せる。濡れ性は、濡れ性である条件または状態であり、固体が液体によって濡らされる度合いとして定められ得、固体および液体相の間の付着力によって測定される。顆粒状組成物の濡れ性は、水和性製剤の完全な濡れの時間の決定のための手続きを記載するCIPAC規格MT53試験を用いて測定される。秤量された量の顆粒状組成物が規定の高さからビーカー中の水面に投入され、完全な濡れの時間が決定された。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物は2分未満の濡れ性を有する。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物は1分未満の濡れ性を有する。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物は30秒未満の濡れ性を有する。
【0120】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は湿式ふるい残分試験に合格する。試験は、水中の分散液として施用される製剤中の非分散性材料の量を決定するために用いられる。液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の農業的な組成物の湿式ふるい残分値は、ふるい上に保持された材料の量を測定することのための手続きを記載するCIPAC規格MT185試験を用いることによって測定される。製剤のサンプルが水中に分散され、形成された懸濁液はふるいに移され、洗浄される。ふるい上に保持された材料の量が乾燥および秤量によって決定される。
【0121】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物は10%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は7%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は5%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物は2%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。
【0122】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の形態の農業的な組成物は非粘性であり、容易に注加性である。流体の粘度はせん断応力または引張応力による漸次的な変形に対するその抵抗性の尺度である。
【0123】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液の粘度はCIPAC-MT192に従って決定される。サンプルが標準的な測定系に移される。測定は異なるせん断条件下において実施され、見かけ上の粘度が決定される。試験中は、液体の温度は一定に保たれる。
【0124】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物の形態の農業的な組成物は約10cpsから約2000cpsの25℃における粘度を有し、これはそれを注加性にする。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物の形態の農業的な組成物は約10cpsから約1200cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物は約10cpsから約500cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物は約500cps未満の25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物は約10cpsから約400cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物は約10cpsから約300cpsの25℃における粘度を有する。あまりに粘性の組成物は固化物を形成する傾向があり、それを非注加性にし、それゆえに望ましくない。
【0125】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒および液体懸濁液の形態の農業的な組成物は、加速保存条件(ATS)下における懸濁性、分散性の点で優れた安定性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における90%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における80%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における70%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における60%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における50%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における40%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における30%超の懸濁性を実証する。
【0126】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における90%超の分散性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における80%超の分散性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における70%超の分散性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における60%超の分散性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における50%超の分散性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における40%超の分散性を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における30%超の分散性を実証する。
【0127】
ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における2000cps未満の粘度を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における1500cps未満の粘度を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における1200cps未満の粘度を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における1000cps未満の粘度を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における800cps未満の粘度を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における500cps未満の粘度を実証する。ある実施形態に従うと、農業的な組成物はATS下における300cps未満の粘度を実証する。
【0128】
ある実施形態に従うと、本発明はさらに農業的な組成物の調製のプロセスに関し得る。
【0129】
ある実施形態に従うと、本発明は、アミノ酸、それらのポリマー、塩、誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上、元素状硫黄、および少なくとも1つの界面活性剤を水分散性顆粒の形態で含む農業的な組成物を調製するためのプロセスに関する。組成物はさらに少なくとも1つの微量栄養素を包含し得る。水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は、種々の技術、例えば噴霧乾燥、流動層造粒、押出成形、フリーズドライなどによって作られる。
【0130】
ある実施形態に従うと、水分散性顆粒状組成物を調製するプロセスには、元素状硫黄と共に、アミノ酸、それらのポリマー、塩、誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上;および少なくとも1つの界面活性剤のブレンドをミリングして、スラリーまたはウェットミックスを得ることが関わる。組成物は、さらに、少なくとも1つの肥料、微量栄養素、植物成長促進剤、殺虫剤活性成分、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの追加の活性成分を包含する。それから、得られたウェットミックスは例えば噴霧乾燥機、流動層乾燥機、またはいずれかの好適な造粒装置によって乾燥され、次にふるい分けをされて、アンダーサイズのおよびオーバーサイズの顆粒を除去して、所望のサイズのマイクロ顆粒を得る。
【0131】
別の実施形態に従うと、水分散性顆粒の形態の農業的な組成物は、アミノ酸、それらのポリマー、塩、または混合物の1つ以上を、元素状硫黄および任意に少なくとも微量栄養素と共に、少なくとも1つの界面活性剤および少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤の存在下において空気粉砕機またはジェットミルによって乾式ミリングして、0.1から20ミクロン、好ましくは0.1から10ミクロンの範囲の所望の粒子サイズを得ることによってもまた作られる。水が乾燥粉末に追加され、混合物がブレンドされてドウまたはペーストを得る。それから、これが押出機によって押出成形されて、所望のサイズの顆粒を得る。
【0132】
別の実施形態に従うと、本発明は液体懸濁液の形態の農業的な組成物を調製するためのプロセスに関する。さらなる実施形態に従うと、本発明は、アミノ酸、それらのポリマー、塩、誘導体、またはそれらの混合物の1つ以上;および元素状硫黄、少なくとも1つの構造形成剤を、少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤と共に含む液体懸濁液組成物を調製するためのプロセスに関する。組成物は、さらに、少なくとも1つの肥料、微量栄養素、植物成長促進剤、殺虫剤活性成分、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの追加の活性成分を包含する。
【0133】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液組成物を調製するプロセスには、撹拌機能を備えたベッセルにそれらをフィードすることによる賦形剤の1つ以上のホモジナイゼーションが関わる。元素状硫黄およびアミノ酸、それらのポリマー、塩、もしくは誘導体、またはそれらの混合物は任意に微量栄養素を包含し、さらに、ホモジナイゼーションされたブレンドに追加され、トータルの混合物が均質になるまで約5から10分に渡って連続的に撹拌される。その後に、得られた懸濁液は湿式ミルに通されて、0.1から20ミクロン、好ましくは0.1から10ミクロンの範囲の粒子サイズを得る。それから、要求される数量の構造形成剤が、連続的なホモジナイゼーション下において得られた懸濁液に追加される。
【0134】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、栄養素組成物、作物活性化組成物、土壌改良剤組成物、作物強化、および収量増強剤組成物の少なくとも1つとしての農業的な組成物の使用に関する。
【0135】
さらなる実施形態に従うと、本発明は有効量の農業的な組成物の施用の方法にもまた関し、組成物は種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部に、または周囲の土壌に施用される。
【0136】
組成物は種々の方法によって施用される。土壌に施用する方法は、組成物が土壌に浸透することを保証するいずれかの好適な方法、例えば、育苗トレイ施用、溝施用、点滴灌漑、スプリンクラー灌漑、土壌灌注、土壌注入、または土壌への組み込み、およびかかる他の方法を包含する。
【0137】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、必須栄養素の取り込みを容易化することによって、作物健康を改善、作物栄養を改善、作物を保護、作物収量を増強、植物を活性化または土壌を改良、土壌微生物特性を改善する方法に関し、方法は、種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または周囲の土壌の少なくとも1つを、有効量の農業的な組成物によって処理することを含む。
【0138】
本発明の組成物は、肥料、アミノ酸、および任意に微量栄養素を含む組成物の縮減された施用において、作物収量、作物栄養素取り込み、出芽、植物活性、より大きな葉身、より強くてより生産的な分げつ、色素含量、タンパク質含量、光合成活性、より早い開花、早い種子発芽、早い穀粒成熟、増大した新芽成長、改善された水ストレス耐性、および増大した植物非倒伏などの作物の特徴を、改善するか、増強するか、または増大させるためにもまた有用であり得る。また、本発明の組成物は、作物植物の塩分ストレス、干魃ストレス、熱ストレス、低温ストレス、塩ストレス、微量栄養素ストレス、ならびにいずれかの他の生物的および非生物的ストレスのような植物ストレスを緩和するために有用であり得る。
【0139】
ある実施形態に従うと、農業的な植物の言い回し「増大した収量」は、それぞれの植物の産物の収量が、同じ条件下だが本発明の農業的な組成物の施用なしに生産される植物の同じ産物の収量と比べて有意な量だけ増大しているということを意味する。ある実施形態に従うと、言い回し「増大した栄養素取り込み」は改善されたイオン輸送、植物代謝を意味し、これは翻って果実または野菜の栄養価を増大させる。野菜または果実は、栄養要素、例えばミネラル、タンパク質、ビタミン、炭水化物などに富む。ある実施形態に従うと、「改善された植物活性」は、作物または植物のある種の特徴の改善、例えば遅延した老化、根の成長、より長い穂、改善された植物非倒伏、植物重量および高さ、改善された外見、植物の改善されたバイタリティ、植物の改善された品質、果実または野菜(または植物によって生産される他の産物)の改善された品質、植物の改善された防御メカニズム、例えば真菌、細菌、ウイルス、および/または昆虫に対する誘導された耐性を意味する。
【0140】
組成物の施用速度または用量は、使用の型、作物の型、標的収量、または組成物中の特定の活性成分に依存するが、農芸化学的な活性成分が所望の作用(例えば栄養素取り込み、植物活性、作物収量)を提供するための有効量であるようにする。
【実施例】
【0141】
[A.調製例]
次の実施例は本発明の組成物の基本的な方法論および多用途性を例解している。調製例においては、アミノ酸、それらのポリマー、または誘導体もしくは塩が例示されており、いずれかの他のアミノ酸、それらのポリマー、塩、錯体、またはそれらの誘導体によって置き換えられ得る。本発明はこれらの例示に限定されないということは指摘されるべきである。
【0142】
A.元素状硫黄およびアミノ酸、それらのポリマー、塩、誘導体、またはそれらの混合物の水分散性顆粒状組成物
【0143】
実施例1:25%グリシンおよび55%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:55部の元素状硫黄、25部のグリシン、5部のナフタレンスルホン酸縮合物、9部のマルトデキストリン、3部のカオリン、および3部のシリカをブレンドしてブレンドを得ることによって、水分散性顆粒状組成物を調製した。得られたブレンドを好適な混合装置によって水と混合し、ミリングして、スラリーまたはウェットミックスを形成した。
【0144】
得られた湿式ミリングされたスラリーを175℃未満の入口温度および90℃未満の出口温度で噴霧乾燥して、顆粒状の粉末を手に入れた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:2ミクロン未満のD10;4ミクロン未満のD50、および9.5ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~1.5mmの範囲であった。組成物は85%の分散性、90%の懸濁性、0.8%の湿式ふるい残分値、30sec未満の濡れ性を有した。組成物は、さらに、加速保存条件下において80%の分散性および約86%の懸濁性を実証した。
【0145】
実施例2:60%リジンおよび20%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は実施例1と類似に調製し、60部のリジン、20部の元素状硫黄、4部のナフタレンスルホン酸、8部のデンプン、および3部のシリカ、および5部のベントナイトを用いた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:9ミクロン未満のD10;11ミクロン未満のD50、および20ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~2.5mmの範囲であった。組成物は90%の分散性、95%の懸濁性、1.5%の湿式ふるい残分値、および100sec未満の濡れ性を有した。組成物はさらに加速保存条件下において約80%の懸濁性、85%の分散性を実証した。
【0146】
実施例3:10%ヒスチジンおよび72%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は実施例1と類似に調製し、10部のヒスチジン、72部の元素状硫黄、8部のナフタレンスルホン酸縮合物、4部のデンプン、および2部のシリカ、および4部の金属ステアリン酸塩を用いた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:3ミクロン未満のD10;5ミクロン未満のD50、および11ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~4mmの範囲であった。組成物は65%の分散性、70%の懸濁性、1.5%の湿式ふるい残分値、および140sec未満の濡れ性を有した。組成物はさらに加速保存条件下において約70%の懸濁性および約60%の分散性を実証した。
【0147】
実施例4:5.4%プロリンおよび90%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は実施例1と類似に調製し、5.4部のプロリン、90部の元素状硫黄、2.3部のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、および2部のシリカ、および0.3部の金属ステアリン酸塩を用いた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:6ミクロン未満のD10;10ミクロン未満のD50、および16ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~2.5mmの範囲であった。組成物は69%の分散性、75%の懸濁性、1.5%の湿式ふるい残分値、および80sec未満の濡れ性を有した。組成物はさらに加速保存条件下において約70%の懸濁性および約65%の分散性を実証した。
【0148】
実施例5:10%ソイプロテイン加水分解物および82%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は実施例1と類似に調製し、10部のソイプロテイン加水分解物、82部の元素状硫黄、5のマルトデキストリン、3部のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを用いた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:4ミクロン未満のD10;6.5ミクロン未満のD50、および14ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~3mmの範囲であった。組成物は60%の分散性、65%の懸濁性、1.5%の湿式ふるい残分値、および50sec未満の濡れ性を有した。組成物はさらに加速保存条件下において約55%の懸濁性および約60%の分散性を実証した。
【0149】
実施例6:微量栄養素を有する20%ポリリジンおよび40%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は実施例1と類似に調製し、20部のポリリジン、20部の元素状硫黄、6部の鉄、各0.5部の銅およびモリブデン、2部のマンガン、1部のホウ素、6部の亜鉛、15のポリカルボン酸、9部のベンゼンスルホン酸、10部のリグニンスルホン酸、10部のベントナイトを用いた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:4ミクロン未満のD10;6.5ミクロン未満のD50、および14ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~2.5mmの範囲であった。組成物は90%の分散性、85%の懸濁性、1.5%の湿式ふるい残分値、および50sec未満の濡れ性を有した。組成物はさらに加速保存条件下において約80%の懸濁性および約85%の分散性を実証した。
【0150】
実施例7:10%魚類タンパク質加水分解物および70%元素状硫黄の水分散性顆粒状組成物:この組成物は実施例1と類似に調製し、10部の魚類タンパク質加水分解物、70部の元素状硫黄、9のポリカルボン酸、6部のリグニンスルホン酸、3部の疎水化シリカ、および2部のカオリンを用いた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:2.5ミクロン未満のD10;5.5ミクロン未満のD50、および10ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~1.0mmの範囲であった。組成物は70%の分散性、65%の懸濁性、1.5%の湿式ふるい残分値、および60sec未満の濡れ性を有した。組成物はさらに加速保存条件下において約65%の懸濁性および約60%の分散性を実証した。
【0151】
実施例8:10%ソイプロテイン加水分解物および62.5%元素状硫黄および6%フミン酸の水分散性顆粒状組成物:この組成物は実施例1と類似に調製し、10部のソイプロテイン加水分解物、62.5部の元素状硫黄、6部のフミン酸、8のポリカルボン酸、4部のベンゼンスルホン酸、5.5部の疎水化シリカ、および4部のカオリンを用いた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:1.5ミクロン未満のD10;3.5ミクロン未満のD50、および6ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~1.0mmの範囲であった。組成物は75%の分散性、75%の懸濁性、1.1%の湿式ふるい残分値、および45sec未満の濡れ性を有した。組成物はさらに加速保存条件下において約70%の懸濁性および約70%の分散性を実証した。
【0152】
B.アミノ酸、それらの塩、ポリマー、もしくは誘導体、またはそれらの混合物および元素状硫黄の液体懸濁液組成物
【0153】
実施例9:10%ソイプロテイン加水分解物および50%元素状硫黄の液体懸濁液組成物.10部のソイプロテイン加水分解物、50部の元素状硫黄、6部のナフタレンスルホン酸縮合物、4部のモノラウリン酸ソルビタン、3部のエチレングリコール、24部の水を混合することによって、液体懸濁液組成物を調製し、撹拌機能を備えたベッセルにそれらをフィードすることによって、トータルの混合物が均質であるまでホモジナイゼーションした。その後に、得られた懸濁液を湿式ミルに通して、20ミクロン未満の粒子サイズを有する懸濁液を得た。それから、3部のグアーガム(3%)を連続的なホモジナイゼーション下において追加して、懸濁液濃縮物を得た。組成物は約2.0ミクロン未満のD10;3.5ミクロン未満のD50、および8ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。サンプルは約85%の懸濁性、約550cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約79%の懸濁性および約600cpsの粘度を有した。
【0154】
実施例10:3%トリプトファンおよび60%元素状硫黄の液体懸濁液組成物:この組成物は実施例9と類似に調製し、3部のトリプトファン、60部の元素状硫黄、9部の疎水化デンプン、4部のポリエチレングリコール、2部のキサンタンガムの3%溶液、および22部の水を用いた。組成物は約4ミクロン未満のD10;7.5ミクロン未満のD50、および14ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。サンプルは約60%の懸濁性、約1100cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約53%の懸濁性および約1200cpsの粘度を有した。
【0155】
実施例11:60%アラニンおよび10%元素状硫黄の液体懸濁液組成物:この組成物は実施例9と類似に調製し、60部のアラニン、10部の元素状硫黄、5部のナフタレンスルホン酸、2部のポリエチレングリコール、2部のモノラウリン酸グリセロール、1部のアラビアガムの3%溶液、および20部の水を用いた。組成物は約1.5ミクロン未満のD10;4ミクロン未満のD50、および7ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。サンプルは約95%の懸濁性、約450cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約90%の懸濁性および約500cpsの粘度を有した。
【0156】
実施例12:5%プロリンおよび55%元素状硫黄の液体懸濁液組成物:この組成物は実施例9と類似に調製し、5部のプロリン、55部の元素状硫黄、10部のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、2部のポリエチレングリコール、3部のモノラウリン酸グリセロール、2部のキサンタンガムの3%溶液、および23部の水を用いた。組成物は約5ミクロン未満のD10;7.5ミクロン未満のD50、および10ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。サンプルは約79%の懸濁性、約850cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約72%の懸濁性および約950cpsの粘度を有した。
【0157】
実施例13:微量栄養素と併せての15%グリシンおよび30%元素状硫黄の液体懸濁液組成物:この組成物は実施例9と類似に調製し、15部のグリシン、30部の元素状硫黄、3部の鉄、3部の亜鉛、各0.5部のモリブデンおよび銅、ならびに各1部のホウ素およびマンガン、8部のマルトデキストリン、7部のリグノスルホン酸、3部のトラガカントガムの3%溶液、および28部の水を用いた。組成物は約2.5ミクロン未満のD10;4ミクロン未満のD50、および9ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。サンプルは約90%の懸濁性、約350cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約86%の懸濁性および約420cpsの粘度を有した。
【0158】
実施例13:5%微量栄養素と併せての5%ポリグルタミン酸および20%元素状硫黄の液体懸濁液組成物:この組成物は実施例9と類似に調製し、5部のポリグルタミン酸、20部の元素状硫黄、1部の鉄、2部の亜鉛、各0.5部のモリブデンおよび銅、各0.5部のホウ素およびマンガン、20部のフェノールスルホン酸縮合物のナトリウム塩、9部のリグニンスルホン酸、6部のベントナイト、5部のモノエチレングリコール、および30部の水を用いた。組成物は約5ミクロン未満のD10;12ミクロン未満のD50、および16ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。サンプルは約55%の懸濁性、約1200cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約48%の懸濁性および約1250cpsの粘度を有した。
【0159】
[圃場研究]
実験1:トマトに対して、元素状硫黄およびアミノ酸の異なる組み合わせの相乗効果を評価する。
【0160】
ナーシクにおいて、圃場試験を実施して、商業栽培トマトの葉緑素含量および収量パラメータに対する元素状硫黄およびアミノ酸の異なる製剤の効果を見た。試験は乱塊法(RBD)によってラビ季に計画し、無処理コントロールを包含する下に記載されている通りの10個の処理を含み、3回反復した。各処理について、35sq.m(7m×5m)の区画サイズを維持した。下で与えられている詳細に従う処理を、トマト作物の作付け後の20日に点滴灌漑によって施用した。試験圃場のトマト作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。トマト品種ヘームソーナの苗を研究に用い、120cmの列間および45cmの植物間の間隔で作付けした。
【0161】
実験の詳細
a)試験場:ナーシク(マハーラーシュトラ)
b)作物:トマト(ヘームソーナ)
c)実験季節:2018~19年ラビ(11月から3月)
d)試験設計:乱塊法
e)反復:3
f)処理:10
g)区画サイズ:7m×5m=35sq.m
h)播種日:10.11.2018
i)施用日:30.11.2018
j)施用の方法:施肥灌水(点滴)
【0162】
異なるパラメータ、つまり葉のトータルの葉緑素含量、%果実結実の観察を、施用後の30日に記録し、果実収量を収穫時に記録し、トマト果実収量に対して、元素状硫黄およびアミノ酸による単独処理と比べて元素状硫黄およびアミノ酸からなる組み合わせの相乗的なインパクトを算定するために、平均データを表1に提示している。
【0163】
【0164】
用語「相乗性」は、ウィーズ(Weeds),1967年,第15巻,p.20-22に発表された「除草剤の組み合わせの相乗的および拮抗的応答の計算(Calculation of the synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations)」と題する記事においてコルビーS.R.によって定められているということは多くの場合に理解される。2つの活性な構成成分の所与の組み合わせについて期待される作用は、次の通り計算され得る:
E=X+Y-XY/100
ここで、
E=定められたドーズの2つの製品XおよびYの混合物による期待される%効果
X=製品Aによる観察される%効果
Y=製品Bによる観察される%効果
相乗性係数(SF)はアボットの式によって計算される(Eq.(2)(アボット,1925年)。
SF=観察される効果/期待される効果
ここで、相乗的反応ではSF>1;拮抗的反応ではSF<1;相加的反応ではSF=1。
【0165】
組み合わせについて観察される収量効果のパーセンテージ(E)が期待されるパーセンテージよりも多大であるときには、組み合わせの相乗効果が推量され得る。組み合わせについて観察される収量効果のパーセンテージが期待されるパーセンテージに等しいときには、単に相加的効果が推量され得る。そして、組み合わせについて観察される収量効果のパーセンテージが期待されるパーセンテージよりも低いときには、組み合わせの拮抗的効果が推量され得る。
【0166】
水分散性顆粒の形態の元素状硫黄およびアミノ酸の組み合わせは本質的に相乗的であるということが観察された。表1に提示されているデータからは、処理T1~T5(単独)および処理T10(無処理)と比較して、処理T6~T9(元素状硫黄およびアミノ酸の水分散性顆粒)が本質的に相乗的であるということが観察され得る。処理T6~T9のこの相乗的性質はトマト作物の果実収量から観察され得る。例えば、処理T9(元素状硫黄62.5%+ソイプロテイン加水分解物10%WDG)は約19.4%の収量増大を有したが、処理T1(元素状硫黄90%WDG)および処理T5(ソイプロテイン加水分解物50%WP)はそれぞれ約9%および10.3%の収量増大を有した。類似に、処理T7(元素状硫黄90%+プロリン4.5%WDG)は約16.4%の収量増大を有したが、処理T1(元素状硫黄90%WDG)および処理T3(プロリン40%WP)はそれぞれ約9%および6.4%の収量増大を有した。また、処理T6、T7、およびT8について期待される収量はそれぞれ約13.7%、14.8%、および16.1%であったが、実際の収量はそれぞれ約17.8%、16.4%、および17.3%であったということが観察され得る。それゆえに、本発明の実施形態に従うWDG形態の元素状硫黄およびアミノ酸の組み合わせは相乗的であり、個々の構成成分と比較してより高い作物収量を提供する。
【0167】
実験No2:大豆の生理学的および収量関連パラメータに対する元素状硫黄およびソイプロテイン加水分解物の異なる型の製剤のインパクトを評価する。
【0168】
圃場試験を実施して、大豆の植物生理学的および収量関連パラメータに対する元素状硫黄およびソイプロテイン加水分解物の組み合わせの異なる製剤の効果を研究した。
【0169】
試験は乱塊法(RBD)によってカリフ季に計画し、無処理コントロールを包含する6つの処理を4回反復した。各処理について、40sq.m(8m×5m)の区画サイズを維持した。下で与えられている処理詳細に従う処理サンプルを大豆作物の播種時に基肥施用として施用した。試験圃場の大豆作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。大豆の実の品種JS95-60の種子を研究に用い、30cmの列間および10cmの植物間の間隔で作付けした。
【0170】
実験の詳細
a)試験場:ハトッド,インドール(MP)
b)作物:大豆(品種:JS95-60)
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:4
f)処理:6
g)区画サイズ:8m×5m=40sq.m
h)R×P間隔:30cm×10cm
h)播種日:23.06.2018
i)施用日:23.06.2018
j)施用の方法:基肥
k)収穫日:29.9.2018
【0171】
葉の窒素(N)含量、葉の葉緑素含量、ならびに植物あたりの莢数、試験重量、穀粒収量、穀粒のタンパク質含量および油含量を包含する収穫データを、作付けの60日後に評価し、生理学的および収量関連パラメータに対する元素状硫黄およびソイプロテイン加水分解物の異なる製剤型のインパクトを算定するために、平均データを表2に提示している。
【0172】
【0173】
【0174】
水分散性顆粒(WDG)および懸濁液濃縮物(SC)の形態の元素状硫黄およびアミノ酸の組み合わせは本質的に相乗的である。本発明の実施形態に従うWDGおよびSCの形態の元素状硫黄+アミノ酸のこの相乗的挙動は、大豆作物の穀粒収量から観察され得る。3つの処理、つまりT4(元素状硫黄62.5%+ソイプロテイン加水分解物10%WDG)、T5(元素状硫黄62.5%+ソイプロテイン加水分解物10%WP)、およびT6(元素状硫黄50%+ソイプロテイン加水分解物8%SC)を、同じ活性成分用量、すなわち2500gm/エーカの硫黄および400gm/エーカのソイプロテイン加水分解物で施用した。1088.6kg/エーカの穀粒収量を有する処理T5と比較されるときに、ならびに単独処理、すなわち1068.4kg/エーカの穀粒収量を有するT3(ソイプロテイン加水分解物50%WP)および1102.3kg/エーカの穀粒収量を有するT2(元素状硫黄90%WDG)と比較して、処理T4およびT6はそれぞれ約1235.7kg/エーカおよび1229.1kg/エーカという最も高い穀粒収量を見せる。表2から分かる通り、処理T4、T5、およびT6について期待される収量は31.2%であるが、処理T4、T5、T6はそれぞれ約33.2%、17.4%、および32.5%の収量増大を実証した。処理T4およびT6による葉の窒素含量はそれぞれ約38.1g/kg乾燥質量および38.4g/kg乾燥質量であるということもまた観察されたが、処理T5では、それは約33.9g/kg乾燥質量であった。他方で、処理T1、T2、およびT3はそれぞれ約31.5g/kg、35.3g/kg、および36.7g/kg乾燥質量の窒素含量を有した。
【0175】
それゆえに、本発明の実施形態に従うWDGおよびSC形態の元素状硫黄およびソイプロテイン加水分解物の組み合わせは本質的に相乗的であり、水和性粉末の形態の元素状硫黄およびソイプロテイン加水分解物の組み合わせならびに個々の処理と比較して、より高い作物収量を提供する。
【0176】
実験3:稲の成長および収量に対する元素状硫黄およびアミノ酸の効果を評価する。
【0177】
ハリヤーナーのカルナールにおける稲成長区域の商業栽培圃場において圃場試験を実施して、稲の収量関連パラメータに対する元素状硫黄およびアミノ酸ならびに栄養素混合物の異なる混合物の効果を研究した。試験は乱塊法(RBD)によってカリフ季に計画し、無処理コントロールを包含する9つの処理を3回反復した。
【0178】
処理:
T1 無処理
T2 4000g/エーカのES62.5+SPH10%WDG
T3 4000g/エーカのES35+グリシン25%+MN混合物10%WDG
T4 4000g/エーカのES40%+ポリグルタミン酸8%+MN混合物10%W DG
T5 4000g/エーカのES20%+ポリグルタミン酸5%+MN混合物5%SC
T6 4000g/エーカのES62.5%+SPH10%+MN混合物10%WDG
T7 4000g/エーカのES62.5%+FPH10%WDG
(MN混合物 - Fe3%+Zn4%+Mn1%+Bo1%+Cu0.5%+Mo0.5%、ES=元素状硫黄;SPH=ソイプロテイン加水分解物;FPH=魚類タンパク質加水分解物)
【0179】
各処理について、40sq.m(8m×5m)の区画サイズを維持した。上で言及されている処理詳細に従う試験処理サンプルを、稲移植の10日後に散布施用によって施用した。試験圃場の稲作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。稲苗品種PR121を試験圃場における作付けに用い、45cmの列間および30cmの植物間の間隔で作付けした。
【0180】
実験の詳細
a)試験場:カルナール(ハリヤーナー)
b)作物:稲-品種PR121
c)実験季節:2018年カリフ
d)試験設計:乱塊法
e)反復:3
f)処理:7
g)区画サイズ:8m×5m=40sq.m
h)R×P間隔:45cm×30cm
h)作付け日:18.06.2018
i)施用日:28.06.2018
j)施用の方法:トップドレッシングとして土壌施用
k)収穫日:05.10.2018
【0181】
異なる生理学的および収量関連パラメータ、つまり分げつおよび有穂分げつ数、穂長、穀粒数/穂、1000粒重量、ならびに穀粒収量の観察を収穫時に評価し、稲についての収量および収量関連パラメータに対する異なる処理のインパクトを算定するために、平均データを表3に提示している。
【0182】
【0183】
表3からは、元素状硫黄、アミノ酸、および微量栄養素を含む組み合わせが作物の発生および成長に寄与するということが観察された。表3からは、本発明の実施形態に従う処理T2~T7は約24.3q/エーカから25.7q/エーカの範囲の穀粒収量を現すことが見いだされたが、処理T1(無処理)では、穀粒収量は21.3q/エーカであった。例えば、処理T6、T2はそれぞれ25.7q/エーカおよび24.3q/エーカの穀粒収量を有したが、処理T1は約21.3q/エーカの穀粒収量を有した。それゆえに、T1(無処理)と比較して、混合物は、定性的パラメータ、例えば分げつ数、穂長などのみならず、収量などの作物の定量的特徴をもまた改善することを助けるということが指摘された。
【0184】
実験4:土壌pHに対する元素状硫黄+アミノ酸または混合物の効果およびトマト植物の栄養素取り込みに対するその効果を評価する。
【0185】
マハーラーシュトラのナーシクにおける商業的なポリハウス栽培トマト圃場において圃場試験を実施して、土壌pHに対する微量栄養素混合物と併せての元素状硫黄およびアミノ酸の異なる混合物の効果を研究し、かつトマトの葉の栄養素含量に対するそのインパクトを研究した。試験は乱塊法(RBD)によって2019年春季の1月から5月に計画し、無処理コントロールを包含する7つの処理を3回反復した。20個のトマト植物を各処理について選択し、反復した。本発明の組成物を、作付け後の20日に点滴灌漑によって施用した。試験圃場のトマト作物は農業生産工程管理を踏襲して栽培した。品種アビナッシュのトマト苗を試験圃場における作付けに用い、120cmの列間および45cmの植物間の間隔で作付けした。
【0186】
実験の詳細
a)試験場:ナーシク(MH)
b)作物:トマト-品種「アビナッシュ」
c)実験季節:春季(2019年1月から5月)
d)試験設計:乱塊法
e)反復:3
f)処理:7
g)区画サイズ:8m×5m=40sq.m
h)作付け日:09.01.2019
i)施用日:30.01.2019
j)施用の方法:点滴系による土壌施用
【0187】
処理前におよび処理の30日後にトマト植物の周りの10cmおよび5cm深さから取られた土壌から、土壌pHを測定した。処理後の30日に各処理から三葉の第3葉を収集することによってトマトの葉の栄養素含量を測定し、3つの反復の平均を表4に提示している。
【0188】
【0189】
表4から、元素状硫黄およびアミノ酸の組み合わせは肥料または栄養素として重要な役割を演ずるのみならず、土壌条件を変化させるための調節剤としてもまた作用し、栄養素およびアミノ酸の取り込みを助けるということが指摘された。これはトマト植物の葉のより良好なタンパク質含量に寄与する。個々の化合物はいずれかの有意な植物成長促進活性を示さなかったが、元素状硫黄およびアミノ酸からなる組み合わせは驚くべきことにトマトのより良好な栄養素取り込みおよびタンパク質含量をもたらした。例えば、処理2(元素状硫黄60%+ソイプロテイン加水分解物10%WDG)および処理4(元素状硫黄60%+ソイプロテイン加水分解物10%+ Fe3%+Zn4%+Mn1%+Bo1%+Cu0.5%+Mo0.5%)WDG)はそれぞれ約5.89%および5.92%のタンパク質含量を有することが観察されたが、元素状硫黄WDGおよびソイプロテイン加水分解物50%WPはそれぞれ5.43%および5.22%のタンパク質含量を有した。処理T2、T4による収量はそれぞれ2.62および2.84kg/植物であったが、元素状硫黄WDG、ソイプロテイン加水分解物50%WPでは、それぞれ約2.36kg/植物、2.35kg/植物であった。T3、T4、および微量栄養素混合物10%WP処理による微量栄養素取り込みを比較すると、T3およびT4処理はより良好な栄養素取り込みを有するということが指摘された。これは、WDGの形態のT3およびT4処理が土壌pHを最適化することおよび栄養素取り込みを改善することを助け、高度に栄養がある果実をユーザーに提供するという事実によるものである。例えば、T3、T4による鉄取り込みはそれぞれ約144.2ppmおよび148.1ppmであったが、元素状硫黄WDG、グリシン50%WP、ソイプロテイン加水分解物50%WP、および微量栄養素混合物10%WPでは、鉄取り込みはそれぞれ約105.3ppm、116.9ppm、110.1ppm、および130.1ppmであった。それゆえに、表4からは、単独処理(元素状硫黄、アミノ酸、および微量栄養素)と比較して、水分散性顆粒の形態の元素状硫黄、アミノ酸からなりかつ任意に微量栄養素を包含する組成物が、土壌pHを縮減し、栄養素のより良好な取り込みを補助する環境を作り出し、植物のタンパク質含量および収量を改善するということが指摘され得る。それゆえに、組み合わせは、単一の解決策として、作物の栄養素効力を満たし、硫黄、栄養素、およびアミノ酸を植物に提供する。
【0190】
実験5:ある期間に渡って、植物の葉によるタンパク質合成に対する元素状硫黄+アミノ酸+微量栄養素混合物を含む組み合わせの粒子サイズの効果を研究する。
【0191】
ある期間に渡って、大豆のタンパク質合成に対する異なる粒子サイズの微量栄養素と併せての元素状硫黄およびアミノ酸の異なる製剤の効果を研究するために、ポット試験実験を実施した。陶製のポットに2キログラムの砂質ローム土壌を詰め、各処理の4つの反復を維持するような様式で保った。2つの大豆種子を各ポットに作付けし、適切な植物成長にとって十分な土壌水分を維持した。
【0192】
処理詳細は下に記載されている通りである:
T1 - 100mg/ポットのES62.5%+SPH10%+MN混合物10%WDG(0.1から20ミクロン)
T2 - 100mg/ポットのES62.5%+SPH10%+MN混合物10%WDG(0.1から50ミクロン)
T3 - 100mg/ポットのES62.5%+SPH10%+MN混合物10%WDG(20から50ミクロン)
T4 - 100mg/ポットのES62.5%+SPH10%+MN混合物10%WDG(50から100ミクロン)
MN混合物 - Fe3%+Zn4%+Mn1%+Bo1%+Cu0.5%+Mo0.5%
ES=元素状硫黄
SPH=ソイプロテイン加水分解物
【0193】
実験ポットは28±2℃の温度に保ち、十分な水分を実験全体に渡って維持した。上で言及されている処理を大豆種子発芽の20日後に各ポットの土壌に施用した。一番上の3つの三葉からの大豆葉を、処理後の7、14、21、28、および35日にトータルのタンパク質の評価のために摘み取り、
図1に提示している。
【0194】
図1において表されているデータからは、本発明の実施形態に従って調製された処理T1(0.1から20ミクロンの範囲の粒子サイズ分布を有する元素状硫黄62.5%+ソイプロテイン加水分解物10%+微量栄養素混合物10%WDGの水分散性顆粒状組成物)が、処理T2(0.1から50ミクロンの範囲の粒子サイズ分布を有する元素状硫黄62.5%+ソイプロテイン加水分解物10%+微量栄養素混合物10%WDGの水分散性顆粒状組成物)、T3(20から50ミクロンの範囲の粒子サイズ分布を有する元素状硫黄62.5%+ソイプロテイン加水分解物10%+微量栄養素混合物10%WDGの水分散性顆粒状組成物)、およびT4(50から100ミクロンの範囲の粒子サイズ分布を有する元素状硫黄62.5%+ソイプロテイン加水分解物10%+微量栄養素混合物10%WDGの水分散性顆粒状組成物)によるものよりも、タンパク質の有意な取り込みを実証するということが観察され得る。例えば、施用の7日後に、T1によるタンパク質含量は約3.5gm/100g新鮮重量であるということが観察されたが、T2、T3、およびT4では、それはそれぞれ約3.2gm/100g、3.1gm/100g、および3g/100g新鮮重量であった。これは、0.1から20ミクロンの範囲の粒子サイズを有する元素状硫黄62.5%+ソイプロテイン加水分解物10%+微量栄養素混合物10%WDGの水分散性顆粒状組成物が、栄養素を植物による即座の取り込みにとって利用可能にするということを示している。タンパク質含量の類似の傾向は処理T1~T4の施用の21日後でさえ観察された。
【0195】
T1、T2、T3、およびT4は同じ濃度の活性成分を有するWDG製剤の形態であり、かつまた同じ用量で施用されるが、本発明の実施形態に従って調製された0.1~20ミクロンの特定の粒子サイズを有するT1は、異なる粒子サイズによる処理T2、T3、およびT4と比較してより高いタンパク質含量を実証したということが指摘され得る。それゆえに、驚くべきことに、WDG製剤の中でさえ、0.1~20ミクロンの特定の粒子サイズを有するWDG製剤では、異なる粒子サイズを有するWDG製剤と比較して優れた効力が観察されるということが指摘された。
【0196】
さらに、本発明の発明者は、稲、トマト作物のようなある種の作物について、植物成長促進剤との元素状硫黄、アミノ酸の組み合わせをもまた試験した。本発明の組み合わせへのフミン酸、フルボ酸、トリアコンタノールなどの植物成長促進剤の追加は、穂長、植物高さ、穀粒または果実収量のような作物の特徴をさらに増強し、作物の栄養価を増し得るということが観察された。
【0197】
それゆえに、本発明の組成物は、圃場における増強された効力あるかつ優れた挙動を実証することが観察された。事実、本発明に従う組成物に関連する種々の特性は、改善された安定性、改善された毒性学的および/または生態毒性学的挙動、作物収量を包含する改善された作物の特徴、改善された栄養素含量などの作物品質、より成長した根系、作物高さの増大、より大きな葉身、より少ない死んだ根生葉、より強い分げつ、より緑色の葉色、必要とされるより少ない肥料、分げつ増大、増大した新芽成長、改善された植物または作物活性、より早い開花、より生産的な分げつ、より少ない植物ヴェルス(倒伏)、葉の改善された葉緑素含量、光合成活性、タンパク質含量、ストレス管理、早い種子発芽、早い穀粒成熟、農産物の改善された品質、作物の改善された強化、土壌を改良すること、病気抵抗性、および当業者に熟知される他の利点を包含するが、これらに限定されない。また、本発明の組成物は農業的な組成物の他の施用方法に加えて点滴灌漑またはスプリンクラー灌漑にとってもまた好適であり、これは商業的な製品および従来技術の製品のほとんどが叶えない。
【0198】
本発明の組成物によると、栄養素、肥料、または殺虫剤の施用数または量が最小化される。組成物はユーザーおよび環境にとって高度に安全である。
【0199】
上述から、本発明の新規概念の真の趣旨および範囲から逸脱することなしに、数々の改変および変形が成し遂げられ得るということに気づかれるであろう。例解された特定の実施形態についての限定は意図されていないということは理解されるはずであるか、または推量されるはずである。