(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】剥離方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/42 20060101AFI20221018BHJP
G03F 7/26 20060101ALI20221018BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
G03F7/42
G03F7/26 511
H01L21/30 573
H01L21/30 572B
(21)【出願番号】P 2019526504
(86)(22)【出願日】2017-11-15
(86)【国際出願番号】 US2017061692
(87)【国際公開番号】W WO2018093827
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-11-13
(32)【優先日】2016-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514251329
【氏名又は名称】フジフイルム エレクトロニック マテリアルズ ユー.エス.エー., インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】サカムリ、ラジ
(72)【発明者】
【氏名】マリク、サンジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ディモフ、オグニアン
【審査官】倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-119996(JP,A)
【文献】特開2009-063649(JP,A)
【文献】特開2007-208010(JP,A)
【文献】特開平07-219241(JP,A)
【文献】特開2006-317864(JP,A)
【文献】特開2015-014791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/42
G03F 7/26
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターニングされた半導体基板上の有機膜を剥離する方法であって:
有機膜を水性剥離組成物で処理して、前記有機膜を一工程で除去することを含み;
前記有機膜は少なくとも第1の層及び第2の層を有し、
前記第1の層は、現像液中の25℃での溶解速度が0.01μm/分以下であり
、前記第1の層は架橋されており、
前記第2の層は、前記現像液中の25℃での溶解速度が0.01μm/分超である、
方法。
【請求項2】
前記パターニングされた半導体基板は、5ミクロン以下のフィーチャサイズを有する少なくとも1つの要素を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターニングされた半導体基板は、200ミクロン以下の距離互いに離れた2つのパターンを有する、請求項1
又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パターニングされた半導体基板は2つのパターン群を含み、前記2つの群は100ミリメートル以下の距離互いに離れている、請求項1~請求項
3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記処理工程の後、前記有機膜の残留物が残らない、請求項1~請求項
4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記処理工程の後、前記有機膜の残留物の厚みが元の膜厚の5%未満である、請求項1~請求項
5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記処理工程の後、前記パターニングされた半導体基板にプラズマ処理を行うことを更に含む、請求項1~請求項
6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記処理工程の後、前記パターニングされた半導体基板をリンス溶媒でリンスすることを更に含む、請求項1~請求項
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記リンス工程の後に、前記パターニングされた半導体基板を乾燥させることを更に含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記パターニングされた半導体基板は金属を含む、請求項1~請求項
9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記水性剥離組成物は:
前記組成物の0.5~25重量%の量のアルカリ性化合物;
前記組成物の65~95重量%の量の水;
前記組成物の0.1~5重量%の量の腐食防止剤化合物;及び
前記組成物の0~5重量%の量の界面活性剤、
を含む、請求項1~請求項
10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記アルカリ性化合物は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化2-ヒドロキシルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記腐食防止剤は、テトラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、置換トリアゾール、又は置換ベンゾトリアゾールである、請求項
11又は請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記腐食防止剤は、下記構造(I)で表される化合物である、請求項
11~請求項
13のいずれか1項に記載の方法:
【化1】
ここで:
R
1は、水素、置換又は非置換のC
1~C
12の直鎖状又は分岐状アルキル、置換又は非置換のC
5~C
12のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、及び置換又は非置換のC
5~C
12のアリール又はヘテロアリールからなる群より選択され;
R
2~R
5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換又は非置換のC
1~C
12の直鎖状又は分岐状アルキル、置換又は非置換のC
5~C
12のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、及び置換又は非置換のC
5~C
12のアリール又はヘテロアリールからなる群より選択されるか、R
2~R
5のうち隣接する2つの基が、それらが結合する環中の炭素原子と共に6員環を形成する。
【請求項15】
前記腐食防止剤は、
【化2】
を含む、請求項
11~請求項
14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1~請求項
15のいずれか1項に記載の方法により形成された、三次元物体。
【請求項17】
請求項
16に記載の前記三次元物体を含む、半導体デバイス。
【請求項18】
集積回路、発光ダイオード、太陽電池、又はトランジスタである、請求項
17に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は2016年11月17日に出願された米国仮特許出願第62/423,323号に基づく優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0002】
モバイルコンピューティング用途が拡大を続けていることに伴い、依然として高まり続ける演算能力をより小さいデバイスフットプリントに格納することが要求されている。半導体デバイスの設計者は、種々の新しいチップアーキテクチャ(chip architectures)の使用に頼ることにより、新たなデバイスに対する要求を満たしている。これらの新しいアーキテクチャは、銅ピラーを用いるフリップチップウェハバンピング、及びウェハが薄くされた三次元集積回路(3D IC)などのSi貫通電極(TSV)を用いる手法を含み、得られるダイは積み重ねられ、次いでTSV及び2.5Dインターポーザ実装により接続される。これらのアプローチは、上記新しいICアーキテクチャの設計者に対してだけでなく、これらのデバイスに使用されるパッケージング材料の設計者に対しても重大な課題を提起する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの新しいICアーキテクチャを構築する際、多くの場合、2以上のポリマーレジスト層を同時に除去することが必要になる。多くの場合、これらのポリマー層は、溶解度特性が大きく異なる材料で構成される。各層を、下にある基板の品質(integrity)を損なうことなく除去する場合、各ポリマー層の特性を完全に理解することが求められる。半導体産業で使用される従来の化学的剥離剤の多くは極めて作用が強く(extremely harsh)、単一の剥離剤を用いて、下にある基板を損傷させることなく全ての層を除去することはしばしば不可能である。したがって新しい複雑なICアーキテクチャの製造における、従来の化学的剥離剤及びそれに伴うプロセスの使用が妨げられている。半導体パッケージング用の新しい先進的な材料の設計者は、作用が強力且つ選択的な剥離剤を必要とする。
【0004】
予期せぬことに、本開示の組成物により、パターニングされた半導体基板上の有機膜中の溶解又は溶解度特性が異なる複数の層を、基板又はその構造を損傷させることなく、一工程で除去することができることがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示はパターニングされた半導体基板(例えば、パターニングされた金属含有半導体基板)上の有機膜を剥離する方法を特徴とする。この方法は、有機膜を水性剥離組成物で処理して、有機膜を一工程で除去することを含む。有機膜は少なくとも第1の層及び第2の層を有し、第1の層は、現像液中の25℃での溶解速度が約0.01μm/分以下であり、第2の層は、前記現像液中の25℃での溶解速度が約0.01μm/分超である。
【0006】
本開示は、ある実施形態では、上述のプロセスにより形成された三次元物体を特徴とする。本開示は、ある実施形態では、三次元物体を含む半導体デバイスを特徴とする。ある実施形態では、半導体デバイスは、集積回路、発光ダイオード、太陽電池、又はトランジスタである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示のある実施形態における、水性剥離組成物を使用することによって、パターニングされた半導体基板(例えば、パターニングされた金属含有半導体基板)上の異なる溶解又は溶解度特性(dissolution or solubility properties)を有する有機膜(例えば、多層又は多重積層有機膜)を一工程で除去するプロセスについて説明する。有機膜は、少なくとも第1の層及び第2の層を有していてもよい。第1の層(例えば、高度に架橋されている層)は現像液に25℃で不溶であってもよい。第2の層(例えば、少し架橋されている層又は架橋されていない層)は、現像液中の25℃での溶解度が第1の層より高くてもよい。ある実施形態では、第2の層は現像液に25℃で可溶であってもよい。ある実施形態では、有機膜は2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、又は7つ)の層を有していてもよく、それらの層には第1の層と同様の溶解/溶解度特性を有するものと、第2の層と同様の溶解/溶解度特性を有するものがある。
【0008】
ある実施形態では、第1の層は現像液に25℃で不溶である。例えば、第1の層は、現像液中の25℃での溶解速度が約0.01μm/分以下(例えば、約0.005μm/分以下、約0.001μm/分以下、約0.0005μm/分以下、又は約0.0001μm/分以下)であってもよい。現像液は少なくとも1種の有機溶媒、少なくとも1種の水溶液(例えば、pH範囲が2~14の溶液)、又はそれらの混合物を含んでいてもよい。好適な現像液として使用され得る有機溶媒としては、ガンマ-ブチロラクトン(GBL)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタム、N-メチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2-ヘプタノン、シクロペンタノン(CP)、シクロヘキサノン、n-ブチルアセテート(nBA)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、乳酸プロピル、3-メチル-3-メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチル-3-メトキシプロピオン酸、エチル-3-エトキシプロピオン酸、ジエチルマロン酸、エチレングリコール-1,4:3,6-ジアンヒドロソルビトール、2,5-ジメチルエーテル(2,5-ジメチルイソソルビド)、1,4:3,6-ジアンヒドロソルビトール2,5-ジエチルエーテル(2,5-ジエチルイソソルビド)、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、現像液として使用され得る有機溶媒としては、n-ブチルアセテート(nBA)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、乳酸プロピル、3-メチル-3-メトキシブタン、及びそれらの混合物が挙げられる。現像液として使用され得る水溶液としては、アルカリ性水溶液(例えば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)及び酸性水溶液が挙げられる。ある実施形態では、現像液は、本明細書に記載の水性剥離組成物であってもよい。ある実施形態では、第1の層は、約20,000g/モル以上(例えば、約30,000g/モル以上、約40,000g/モル以上、約50,000g/モル以上、約60,000g/モル以上、約70,000g/モル以上、約80,000g/モル以上、約90,000g/モル以上、又は約100,000g/モル以上)の重量平均分子量を有する。
【0009】
ある実施形態では、第1の層は、1000gの上記現像液中の25℃での溶解度が約1g未満(例えば、約0.5g未満、約0.1g未満、約0.05g未満、又は約0.01g未満)であってもよい。
【0010】
ある実施形態では、第2の層は、上記と同じ現像液中の25℃での溶解度が第1の層よりも高い。例えば、第2の層は、現像液中の25℃での溶解速度が約0.01μm/分超(例えば、約0.05μm/分超、約0.1μm/分超、約0.5μm/分超、又は約1μm/分超)であってもよい。ある実施形態では、第2の層は、1000gの上記現像液中の25℃での溶解度が約1g超(例えば、約5g超、約10g超、約50g超、又は約100g超)であってもよい。ある実施形態では、第2の層は、現像液に25℃で可溶であってもよい(例えば、溶解速度が1μm/分超であるか、1000gの現像液中での溶解度が50g超である)。ある実施形態では、第2の層は、約200,000g/モル以下(例えば、約150,000g/モル以下、約100,000g/モル以下、約50,000g/モル以下、約25,000g/モル以下、約10,000g/モル以下、約5,000g/モル以下、又は約3,000g/モル以下)の重量平均分子量を有する。
【0011】
半導体基板はウェハのような円形の形状であってもよいし、パネル状であってもよい。ある実施形態では、半導体基板は、シリコン基板、銅基板、アルミニウム基板、酸化シリコン基板、窒化シリコン基板、ガラス基板、有機ラミネート基板、又は誘電材料基板であってもよい。上記基板は、長さ又はサイズが異なるライン状、ピラー状、パッド状、又は他の形状の金属パターンを有していてもよい。金属パターンに使用される金属としては、銅、アルミニウム、タングステン、及びそれらの合金が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
ある実施形態では、パターニングされた半導体基板は、約5ミクロン以下(例えば、約4ミクロン以下、約3ミクロン以下、約2ミクロン以下、又は約1ミクロン以下)のフィーチャサイズを有する少なくとも1つの要素を含んでいてもよい。
【0013】
ある実施形態では、パターニングされた半導体基板は、複数のパターンを含んでいてもよい。ある実施形態では、パターンのうちの2つ(例えば、あるパターン群内のパターン)は約200ミクロン以下(例えば、約175ミクロン以下、約150ミクロン以下、約125ミクロン以下、約100ミクロン以下、約75ミクロン以下、約50ミクロン以下、約25ミクロン以下、約10ミクロン以下、約4ミクロン以下、又は約2ミクロン以下)の距離互いに離れていてもよい。
【0014】
ある実施形態では、パターニングされた半導体基板は、複数のパターン群を含んでいてもよい。ある実施形態では、2つのパターン群が、約100ミリメートル以下(例えば、約75ミリメートル以下、約50ミリメートル以下、100ミリメートル以下、50ミリメートル以下、約10ミリメートル以下、約5ミリメートル以下、約1000ミクロン(1ミリメートル)以下、約500ミクロン以下、約250ミクロン以下、又は約100ミクロン以下)の距離互いに離れていてもよい。
【0015】
ある実施形態では、有機膜中の第1の層、第2の層、又は任意の他の層の厚さは、それぞれ独立して、約2ミクロン以上(例えば、約3ミクロン以上、約4ミクロン以上、約5ミクロン以上、又は約10ミクロン以上)約40μm以下(例えば、約35ミクロン以下、約30ミクロン以下、約25ミクロン以下、又は約20ミクロン以下)であってもよい。使用される好適な膜厚は、用途により決定することができる。
【0016】
ある実施形態では、パターニングされた半導体上に形成される有機膜の全厚は、好ましくは、約20ミクロン以上(例えば、約25ミクロン以上、約30ミクロン以上、約35ミクロン以上、又は約40ミクロン以上)約100ミクロン以下(例えば、約90ミクロン以下、約80ミクロン以下、約70ミクロン以下、又は約60ミクロン以下)である。使用される好適な膜厚は、用途により決定することができる。
【0017】
ある実施形態では、本明細書に記載の剥離方法に使用され得る水性剥離組成物は、(a)上記組成物の約0.5~約25重量%の量のアルカリ性化合物、(b)上記組成物の約65~95重量%の量の水、(c)上記組成物の約0.1~約5重量%の量の腐食防止剤化合物、及び(d)上記組成物の0~約5重量%の量の界面活性剤を含む。
【0018】
本明細書に記載の剥離組成物に使用され得るアルカリ性化合物(a)は、当業者に周知のものであり、特に限定されない。アルカリ性化合物は、例えば:水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び重炭酸カリウムなどの無機塩基;並びに、第四級アンモニウム塩などの有機塩基を含んでいてもよい。ある実施形態では、アルカリ性化合物は、第四級アンモニウム塩である。第四級アンモニウム塩としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化2-ヒドロキシルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、及びそれらの混合物からなる群より選択され得る第四級アンモニウム水酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、第四級アンモニウム水酸化物は、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水酸化2-ヒドロキシルトリメチルアンモニウムである。ある実施形態では、第四級アンモニウム水酸化物は、水酸化テトラメチルアンモニウムである。
【0019】
剥離組成物に使用され得るアルカリ性化合物(a)は、本開示の組成物の全量に対して、約0.5重量%以上(例えば、約1重量%以上、約1.5重量%以上、約2重量%以上、約2.5重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、又は約5重量%以上)約25重量%以下(例えば、約20重量%以下、約15重量%以下、又は約10重量%以下)の量で存在していてもよい。
【0020】
剥離組成物に使用される腐食防止剤化合物は、剥離組成物中で適切な溶解度を有する限り、芳香族ヒドロキシル化合物、アセチレンアルコール、カルボキシル基を有する有機化合物及びそれらの無水物、テトラゾール化合物、及びトリアゾール化合物を含んでいてもよいが、これらに限定されない。
【0021】
芳香族ヒドロキシル化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、1,2,4-ベンゼントリオール、サリチルアルコール、p-ヒドロキシベンジルアルコール、o-ヒドロキシベンジルアルコール、p-ヒドロキシフェネチルアルコール、p-アミノフェノール、m-アミノフェノール、ジアミノフェノール、アミノレゾルシノール、p-ヒドロキシ安息香酸、o-ヒドロキシ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、及び3,5-ジヒドロキシ安息香酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
アセチレンアルコールとしては、2-ブチン-1,4-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、及び2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
カルボキシル基を有する有機化合物及びそれらの無水物としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸、及びそれらの無水物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
トリアゾール化合物としては:1,2,4-トリアゾール;又は、所望によりC1~C8のアルキル、アミノ、チオール、メルカプト、イミノ、カルボキシ、及びニトロ基などの置換基で置換されたトリアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。トリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5-フェニルベンゾトリアゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、1-アミノ-1,2,4-トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、2-(5-アミノペンチル)ベンゾトリアゾール、1-アミノ-1,2,3-トリアゾール、1-アミノ-5-メチル-1,2,3-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、3-イソプロピル-1,2,4-トリアゾール、5-フェニルチオールベンゾトリアゾール、ハロベンゾトリアゾール(ハロ=F、Cl、Br、又はI)、ナフトトリアゾールなどが挙げられる。
【0025】
ある実施形態では、腐食防止剤化合物は、下記構造(I)で表されるオキシム化合物である:
【0026】
【0027】
ここで:
R1は、水素、置換又は非置換のC1~C12の直鎖状又は分岐状アルキル、置換又は非置換のC5~C12のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、及び置換又は非置換のC5~C12のアリール又はヘテロアリールからなる群より選択され;
R2~R5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1~C12の直鎖状又は分岐状アルキル、置換又は非置換のC5~C12のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、及び置換又は非置換のC5~C12のアリール又はヘテロアリールからなる群より選択されるか、R2~R5のうち隣接する2つの基(例えば、R2とR3、R3とR4、若しくはR4とR5)が、それらが結合する環中の炭素原子と共に6員環を形成する。
【0028】
ある実施形態では、R1は水素、置換若しくは非置換のC1~C12の直鎖状若しくは分岐状アルキル、又は置換若しくは非置換のC6~C12のアリールである。R1としては、水素、メチル、及びフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、R2~R5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1~C12の直鎖状若しくは分岐状アルキル、置換若しくは非置換のC5~C10のシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキル、又は置換若しくは非置換のC6~C12のアリール若しくはヘテロアリールである。R2~R5としては、水素、ハロゲン、ノニル、ドデシル、フェニル、イソプロピル、t-ブチル、シクロペンチル、1,3-ジメチルシクロヘキシル、及びトリルが挙げられるが、これらに限定されない。上記構造(I)で表される化合物が有する置換基は、得られる組成物中のオキシム化合物の溶解度及び活性、並びに組成物の貯蔵安定性を含む種々のパラメータを最適化するように選択されるが、考慮されるパラメータとしてはこれらに限定されない。
【0029】
好適な構造(I)で表される化合物としては:
【0030】
【0031】
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
剥離組成物に使用される腐食防止剤化合物は、洗浄/剥離組成物の全量に対して、約0.1重量%以上(例えば、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、又は約1重量%以上)約5重量%以下(例えば、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、又は約1.5重量%以下)の量で存在していてもよい。ある実施形態では、腐食防止剤化合物の量は、洗浄/剥離組成物の全量に対して、0.2重量%~0.4重量%である。
【0033】
剥離組成物に使用される水(例えば脱イオン水、純水、超純水など)の量は、洗浄/剥離組成物の全量に対して、約65重量%以上(例えば、約70重量%以上、約75重量%以上、又は約78重量%以上)約95重量%以下(例えば、約90重量%以下、約85重量%以下、又は約82重量%以下)であってもよい。
【0034】
剥離組成物に使用され得る好適な界面活性剤としては:フルオロアルキル界面活性剤;ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコールエーテル;ポリプロピレングリコールエーテル;カルボン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸及びその塩;ポリアクリレートポリマー;ジノニルフェニルポリオキシエチレン;シリコーンポリマー;変性シリコーンポリマー;アセチレンジオール;変性アセチレンジオール;アルキルアンモニウム塩;変性アルキルアンモニウム塩;アルキルアンモニウムスルホン酸内部塩、並びにそれらの2種以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な界面活性剤としては、特開昭62-36663号公報、特開昭61-226746号公報、特開昭61-226745号公報、特開昭62-170950号公報、特開昭63-34540号公報、特開昭7-230165号公報、特開昭8-62834号公報、特開昭9-54432号公報、及び特開昭9-5988号公報に記載の界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
剥離組成物に使用される界面活性剤の量は、剥離組成物の全量に対して、約0.001重量%以上(例えば、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.03重量%以上、約0.04重量%以上、又は約0.05重量%以上)約5重量%以下(例えば、約2.5重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.25重量%以下、又は約0.1重量%以下)であってもよい。ある実施形態では、剥離組成物は、界面活性剤を含まない。
【0036】
本明細書に記載の剥離組成物は、当該組成物の剥離性能に悪影響を及ぼさず、下にある基板表面に損傷を与えないのであれば、キレート剤、カップリング剤、化学変性剤、染料、殺生物剤、及び/又は他の添加剤のうち1種以上を含んでいてもよく、これらはそれぞれ、上記組成物の総重量に対して5重量%までの量とすることができる。
【0037】
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ペニシラミン、2,3-ジメルカプト-1-プロパンスルホン酸(DMPS)、ジメルカプトコハク酸(DMSA)、グルコン酸、アクリル酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、グルタミン酸、二酢酸、イミノジコハク酸四ナトリウム、イミノコハク酸、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、及びポリアスパラギン酸が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、キレート剤はEDTAであってもよい。
【0038】
剥離組成物は、カップリング剤を更に含んでいてもよい。カップリング剤により、貯蔵寿命の維持など、組成物の安定化を促進することができる。カップリング剤としては、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、クメンスルホン酸ナトリウム(SCS)、及びヘキシルスルホン酸エチル(EHS)が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、カップリング剤は、キシレンスルホン酸ナトリウムである。
【0039】
ある実施形態では、本開示の組成物は:加水分解してフッ素を放出するフッ素含有化合物(例えば、フッ化カルボキシルなどの潜在的HF源);フッ化アンモニウム又は第四級アンモニウムなどのフッ化物塩;過酸化物及び無機酸化剤などの酸化試薬;グアニジニウム塩、アセトアミジニウム塩、及びホルムアミジニウム塩などのアミジン塩;尿素及び尿素誘導体;並びにフェノール化合物のうちの1種又は複数を含まなくてもよい。
【0040】
ある実施形態では、剥離組成物は、pHが塩基性側であってもよい。例えば、pHは、約12以上(例えば、約12.2以上、約12.4以上、約12.6以上、約12.8以上、約13以上、約13.2以上、約13.4以上、約13.6以上、約13.8以上、若しくは約14以上)、又は約16.0以下(例えば、約15.8以下、約15.6以下、約15.4以下、約15.2以下、約15.0以下、約14.8以下、約14.6以下、約14.4以下、若しくは約14以下)であってもよい。ある実施形態では、pH範囲は13.5~15.5(例えば、14~15.3)である。
【0041】
剥離組成物は、従来の混合方法を用いて、種々の成分を任意の順序で混合することにより調製することができる。これらの成分は、熱を加えずに、低温で混合してもよい。
【0042】
ある実施形態では、本開示の剥離組成物は、本明細書に記載の異なる溶解又は溶解度特性を有する少なくとも2つの層を有する有機膜を除去するプロセスに使用することができる。
【0043】
除去(剥離)プロセスは、浸漬、スプレー、及び超音波/メガソニック浴などの既知の技術を用いて、本明細書に記載の有機膜を1種以上の剥離組成物で処理することにより実行してもよい。この方法の1つの利点は、本開示の水性剥離組成物が、剥離組成物に不溶性であり得る第1の層を溶解することなく、第1及び第2の層を含む有機膜の全層を一工程で剥離することができる点である。ある実施形態では、剥離組成物が第1の層を溶解することなくパターニングされた半導体基板から有機膜全体を持ち上げて、これにより、一工程で基板から有機膜を剥離することができるものと考えられるが、理論に束縛されることを望むものではない。
【0044】
ある実施形態では、剥離プロセスの完了後、有機膜の残留物が実質的に残らない。ある実施形態では、膜残留物の厚みが元の膜厚の約5%未満(例えば、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満)である。パターニングされた半導体基板の上部に少量の膜残留物が残っている場合、膜残留物は、当業者に既知のプラズマエッチング工程により完全に除去してもよい。
【0045】
剥離プロセスにおける温度は約25℃以上(例えば、約30℃以上、約35℃以上、約40℃以上、又は約45℃以上)約85℃以下(例えば、約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約65℃以下、約60℃以下、又は約55℃以下)であってもよい。剥離時間は約15分以上(例えば、約30分以上、約45分以上、又は約60分以上)約120分以下(例えば、約105分以下、約90分以下、又は約75分以下)であってもよい。
【0046】
所望により剥離プロセスに含まれていてもよい工程としては、リンス工程、乾燥工程、及びプラズマエッチング工程が挙げられ、これらは、半導体基板を剥離組成物により処理した後に実行することができる。例えば、剥離組成物で処理した後、半導体基板をリンス溶媒(例えば、水又は水溶液)でリンスしてもよい。このプロセスで使用することができる水溶液は、剥離組成物及び他の残留物を除去する、DI(deionized)-水と界面活性剤との混合物、界面活性剤を含むわずかに塩基性の水溶液、又は直鎖状若しくは分岐状のC1~C4アルコールを含む水溶液であってもよい。この工程は、浸漬、遠心スプレー、メガソニック洗浄、及び超音波洗浄などの既知の技術を使用することにより実行してもよい。リンスされた半導体基板は続いて、当業者に既知の乾燥手段を用いて乾燥させてもよい。
【0047】
【実施例】
【0048】
合成例1
ポリマー(Poly-1)
NMP(2206g)中の5(6)-アミノ-1-(4-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン(DAPI)(218.4g)溶液に、固体の4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)無水ジフタル酸(6FDA)(334.0g)を室温で加えた。更にNMP(816g)を用いて、二無水物をリンスして溶液とした。反応温度を60℃に上昇させ、混合物を3.5時間反応させた。次に、無水酢酸(125.7g)及びピリジン(49.5g)を加えた。反応温度を100℃に上昇させた後、混合物を12時間反応させた。次いで、反応混合物を室温に冷却し、等体積のTHFで希釈した。希釈溶液をゆっくりと水(10×)に加えて、粗ポリマーを沈殿させた。粗ポリマーを真空濾過により単離し、水で洗浄した。粗湿潤ポリマーをメタノールでスラリー化させ、真空濾過により回収し、45℃で終夜真空乾燥させた。
【0049】
組成物実施例1a
第1の層にコーティングするための調合物(F-1)
機械的撹拌器を備えた3首丸底フラスコに、PGMEAを20部、PGMEを8部、Lucite International製のポリマー(Elvacite4412-ポリ(メタクリル酸メチル-co-ヒドロキシプロピルメタクリレート))を16部、King Industries製のTAG-2168Eを2.4部(PGME中25%)、powderlink 1174を3部、Arch Chemical製のポリT-305を4部加えた。組成物を18時間機械的に撹拌した。次いでこの組成物を、5μmフィルターを用いて濾過した。
【0050】
組成物実施例1b
乾燥膜を形成するための調合物(F-2)
機械的撹拌器を備えた3首丸底フラスコに、シクロペンタノンを300部、合成例1で得られたポリマー(Poly-1)を100部、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランを5部、NCI-831(ADEKA corporationから入手可能)を3部、テトラエチレングリコールジアクリレートを31.75部、ペンタエリスリトールトリクリレートを11.25部加えた。組成物を18時間機械的に撹拌した。次いでこの組成物を、0.2μmフィルター(Meissner Filtration Product,Inc.製、Ultradyne)を用いて濾過した。
【0051】
乾燥膜(DF-1)の作製
濾過した感光性溶液(F-2)を、Frontier Industrial Technologies(Towanda、PA)製のスロットダイコーターを用いて5フィート/分(150cm/分)のライン速度で、キャリア基板としての厚み36μmのポリエチレンテレフタレート(PET)膜TA 30(Toray Plastics America,Inc.製)上に塗布し、華氏180~200度で乾燥させて厚み15ミクロンのポリマー層(DF-1)を得た。このポリマー層上に、ロール圧縮により二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)膜(IMPEX GLOBAL LLC製、商品名80ga BOPP)を積層し保護層とした。
【0052】
高度架橋層(HCL-1)の形成
銅構造物を含む4インチウェハに調合物(F-1)をコーティングし、続いて2段階ソフトベークプロセス(90℃で3分間、130℃で3分間)を行って20μmの膜を得る。次いで、膜を30分間、160℃で熱硬化させて、高度に架橋された層を形成する。
【0053】
乾燥膜の積層例(L-1)
剥離によりDF-1の保護層を除去した後、乾燥膜構造物(6インチ×6インチ)であるポリマー層を、高度架橋層(HCL-1)を含む4インチウェハ上に配置する。高度架橋層(HCL-1)上に、80℃で減圧積層によりポリマー層を積層し、続いて25psiの圧力をかける。積層プロセスは、OPTEK,NJ製のDPL-24A差圧ラミネーターを使用することにより行われる。
【0054】
乾燥膜の画像形成例(I-1)
積層乾燥膜(L-1)を、マスクを用いて150 mJ/cm2の線量で365nm(i線源)に露光し、種々のライン/スペース及びコンタクトホールフィーチャをプリントする。続いてこれを、シクロペンタノンを用いて現像する。続いて膜を120℃で30分間、真空下でベークする。
【0055】
ポリマー膜の剥離例(S-1)
上記の2層からなる膜スタックを有するウェハを、1インチ×2インチに裁断し、4.78%のTMAH、94.87%の脱イオン水、及び0.35%の1H-テトラゾールを含有する300mlの水性剥離溶液が入った600mlビーカー中に垂直に配置する。ビーカーの内容物を、マグネチックバーを用いて75℃で撹拌する。温度は、温度コントローラを用いることにより一定に維持する。30分後、ウェハ片を取り出し、直ちに水でリンスし、窒素パージにより乾燥させる。剥離の有効性は金スパッタリング後に、光学顕微鏡及びSEM(Scanning Electron Microscope)を用いることにより決定する。膜厚減少の程度は、残った膜の厚みを、Dektakプロファイリングメーターを用いて測定することにより決定する。
[付記]
本開示は下記の態様<1>~<19>も含む。
<1>
パターニングされた半導体基板上の有機膜を剥離する方法であって:
有機膜を水性剥離組成物で処理して、前記有機膜を一工程で除去することを含み;
前記有機膜は少なくとも第1の層及び第2の層を有し、
前記第1の層は、現像液中の25℃での溶解速度が約0.01μm/分以下であり、
前記第2の層は、前記現像液中の25℃での溶解速度が約0.01μm/分超である、
方法。
<2>
前記第1の層は架橋されている、<1>に記載の方法。
<3>
前記パターニングされた半導体基板は、約5ミクロン以下のフィーチャサイズを有する少なくとも1つの要素を含む、<1>に記載の方法。
<4>
前記パターニングされた半導体基板は、約200ミクロン以下の距離互いに離れた2つのパターンを有する、<1>に記載の方法。
<5>
前記パターニングされた半導体基板は2つのパターン群を含み、前記2つの群は約100ミリメートル以下の距離互いに離れている、<1>に記載の方法。
<6>
前記処理工程の後、前記有機膜の残留物が実質的に残らない、<1>に記載の方法。
<7>
前記処理工程の後、前記有機膜の残留物の厚みが元の膜厚の約5%未満である、<1>に記載の方法。
<8>
前記処理工程の後、前記パターニングされた半導体基板にプラズマ処理を行うことを更に含む、<1>に記載の方法。
<9>
前記処理工程の後、前記パターニングされた半導体基板をリンス溶媒でリンスすることを更に含む、<1>に記載の方法。
<10>
前記リンス工程の後に、前記パターニングされた半導体基板を乾燥させることを更に含む、<9>に記載の方法。
<11>
前記パターニングされた半導体基板は金属を含む、<1>に記載の方法。
<12>
前記水性剥離組成物は:
前記組成物の約0.5~約25重量%の量のアルカリ性化合物;
前記組成物の約65~95重量%の量の水;
前記組成物の約0.1~約5重量%の量の腐食防止剤化合物;及び
前記組成物の0~約5重量%の量の界面活性剤、
を含む、<1>に記載の方法。
<13>
前記アルカリ性化合物は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化2-ヒドロキシルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、及びそれらの混合物からなる群より選択される、<12>に記載の方法。
<14>
前記腐食防止剤は、テトラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、置換トリアゾール、又は置換ベンゾトリアゾールである、<12>に記載の方法。
<15>
前記腐食防止剤は、下記構造(I)で表される化合物である、<12>に記載の方法:
【化3】
ここで:
R
1
は、水素、置換又は非置換のC
1
~C
12
の直鎖状又は分岐状アルキル、置換又は非置換のC
5
~C
12
のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、及び置換又は非置換のC
5
~C
12
のアリール又はヘテロアリールからなる群より選択され;
R
2
~R
5
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換又は非置換のC
1
~C
12
の直鎖状又は分岐状アルキル、置換又は非置換のC
5
~C
12
のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、及び置換又は非置換のC
5
~C
12
のアリール又はヘテロアリールからなる群より選択されるか、R
2
~R
5
のうち隣接する2つの基が、それらが結合する環中の炭素原子と共に6員環を形成する。
<16>
前記腐食防止剤は、
【化4】
を含む、<12>に記載の方法。
<17>
<1>~<16>のいずれか1つに記載の方法により形成された、三次元物体。
<18>
<17>に記載の前記三次元物体を含む、半導体デバイス。
<19>
集積回路、発光ダイオード、太陽電池、又はトランジスタである、<18>に記載の半導体デバイス。