(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】端末プログラム、端末装置、および、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/238 20110101AFI20221018BHJP
H04N 21/234 20110101ALI20221018BHJP
H04N 21/472 20110101ALI20221018BHJP
【FI】
H04N21/238
H04N21/234
H04N21/472
(21)【出願番号】P 2016113067
(22)【出願日】2016-06-06
【審査請求日】2019-03-25
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 一紀
(72)【発明者】
【氏名】原田 絵美
【合議体】
【審判長】國分 直樹
【審判官】樫本 剛
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-326868(JP,A)
【文献】特開2007-135241(JP,A)
【文献】特開2013-66245(JP,A)
【文献】特表2007-516650(JP,A)
【文献】特開平8-279995(JP,A)
【文献】特開2004-166131(JP,A)
【文献】特開2001-238175(JP,A)
【文献】特開2013-222989(JP,A)
【文献】特開2003-143558(JP,A)
【文献】国際公開第2016/002496(WO,A1)
【文献】特開平11-345242(JP,A)
【文献】特開2016-19248(JP,A)
【文献】特開2008-5428(JP,A)
【文献】特開2011-2884(JP,A)
【文献】特開平2-8966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
H04N 7/14 - 7/15
G06F 13/00
H04N 5/91 - 5/95
G09F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に、
複数の動画コンテンツから生成された1つの動画コンテンツであって、当該複数の動画コンテンツが同時再生される1つの動画コンテンツを配信装置から受信する受信手順と、
前記受信手順により受信された1つの動画コンテンツに含まれる前記複数の動画コンテンツが同時再生されている状態で、同時再生されている前記複数の動画コンテンツのうち拡大表示されている動画コンテンツから、拡大表示されている当該動画コンテンツとは異なる他の動画コンテンツへと拡大表示を切り替えさせるユーザ操作に応じて、前記他の動画コンテンツとしての動画データであって、ユーザ操作が行われた時点に対応する再生位置以降の再生時間分の動画データのみが拡大表示されるよう制御する表示制御手順と
を実行させることを特徴とする端末プログラム。
【請求項2】
前記複数の動画コンテンツのうち、現在拡大表示されている動画コンテンツが選択された場合に、選択された動画コンテンツに対応するオリジナルの動画コンテンツであって、選択された際に拡大表示されていた再生位置に続く再生位置を再生の開始位置とする動画コンテンツとしてのデータのうち、当該再生位置以降の再生時間分の動画データの取得要求を送信する送信手順を前記端末装置にさらに実行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の端末プログラム。
【請求項3】
複数の動画コンテンツから生成された1つの動画コンテンツであって、当該複数の動画コンテンツが同時再生される1つの動画コンテンツを配信装置から受信する受信部と、
前記受信部により受信された1つの動画コンテンツに含まれる前記複数の動画コンテンツが同時再生されている状態で、同時再生されている前記複数の動画コンテンツのうち拡大表示されている動画コンテンツから、拡大表示されている当該動画コンテンツとは異なる他の動画コンテンツへと拡大表示を切り替えさせるユーザ操作に応じて、前記他の動画コンテンツとしての動画データであって、ユーザ操作が行われた時点に対応する再生位置以降の再生時間分の動画データのみが拡大表示されるよう制御する表示制御部と
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項4】
端末装置が実行する情報処理方法であって、
複数の動画コンテンツから生成された1つの動画コンテンツであって、当該複数の動画コンテンツが同時再生される1つの動画コンテンツを配信装置から受信する受信手順と、
前記受信手順により受信された1つの動画コンテンツに含まれる前記複数の動画コンテンツが同時再生されている状態で、同時再生されている前記複数の動画コンテンツのうち拡大表示されている動画コンテンツから、拡大表示されている当該動画コンテンツとは異なる他の動画コンテンツへと拡大表示を切り替えさせるユーザ操作に応じて、前記他の動画コンテンツとしての動画データであって、ユーザ操作が行われた時点に対応する再生位置以降の再生時間分の動画データのみが拡大表示されるよう制御する表示制御手順と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末プログラム、端末装置、および、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、様々な動画配信サービスが提供されるようになってきている。このような動画配信サービスを利用することで、ユーザは、好みの動画コンテンツ等を時間・場所を問わず容易に閲覧することができる。
【0003】
ここで、特許文献1には、ユーザの嗜好パターンに応じた番組を容易かつ迅速に提供可能とする技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、動画閲覧に関するユーザの満足度を向上させることができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、情報処理装置は、ユーザが閲覧しようと指定したコンテンツとは別の領域に、ユーザの嗜好パターンに合致した裏番組や所定の動画サイトに投稿された動画像を一覧表示する。
【0006】
このような上記の従来技術により、例えば、ユーザは視聴したい動画をより検索しやすくなる可能性があるものの、これによって必ずしも動画閲覧に関するユーザの満足度が向上するとは限らない。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、動画閲覧に関するユーザの満足度を向上させることができる配信装置、配信方法、配信プログラムおよび端末プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願にかかる端末プログラムは、端末装置に、複数の動画コンテンツから生成された1つの動画コンテンツであって、当該複数の動画コンテンツが同時再生される1つの動画コンテンツを配信装置から受信する受信手順と、前記受信手順により受信された1つの動画コンテンツに含まれる前記複数の動画コンテンツが同時再生されている状態で、同時再生されている前記複数の動画コンテンツのうち拡大表示されている動画コンテンツから、拡大表示されている当該動画コンテンツとは異なる他の動画コンテンツへと拡大表示を切り替えさせるユーザ操作に応じて、前記他の動画コンテンツとしての動画データであって、ユーザ操作が行われた時点に対応する再生位置以降の再生時間分の動画データのみが拡大表示されるよう制御する表示制御手順とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、動画閲覧に関するユーザの満足度を向上させることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる動画生成処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、端末装置による表示再生制御処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる配信処理システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる配信装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかる動画コンテンツ記憶部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる閲覧履歴記憶部の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態にかかる配信装置による動画生成処理の一例を示す概念図である。
【
図8】
図8は、実施形態にかかる端末装置の構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態にかかる配信装置による動画生成手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、動画広告の表示再生制御の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、動画コンテンツに対する動画広告の挿入例を示す図である。
【
図12】
図12は、ユーザインタフェースの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、配信装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願にかかる配信装置、配信方法、配信プログラムおよび端末プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる配信装置、配信方法、配信プログラムおよび端末プログラムが限定されるものではない。
【0012】
〔1.動画生成処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態にかかる動画生成処理について一例を用いて説明する。
図1は、実施形態にかかる動画生成処理の一例を示す図である。
図1では、配信装置100によって動画生成処理が行われる例を概念的に示す。
【0013】
配信装置100は、インターネットを介して、各種動画コンテンツを提供する動画サイト(「動画サイトY」とする)の配信を行うサーバ装置である。例えば、配信装置100は、ユーザによって利用される端末装置10から取得要求を受信した場合に、かかる端末装置10に動画サイトYを配信する。
【0014】
また、配信装置100は、複数の動画コンテンツから、当該複数の動画コンテンツが同時再生されるような1つの動画コンテンツを生成する。例えば、配信装置100は、上記のような取得要求を受信した場合に、かかる1つの動画コンテンツを生成する。そして、配信装置100は、生成した1つ動画コンテンツを端末装置10に配信する。
【0015】
端末装置10は、ユーザによって利用される端末装置であり、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。例えば、端末装置10は、ユーザ操作に応じて、動画サイトYの取得要求を配信装置100に送信する。
【0016】
また、端末装置10には、各種動画コンテンツの再生および表示を行うアプリケーション、すなわち動画再生プレイヤー(「プレイヤーPL」とする)が予めインストールされているものとする。
【0017】
さて、以下では、配信装置100によって行われる動画生成処理について具体的に説明する。実施形態にかかる配信装置100は、端末装置10に表示される動画コンテンツにおいて、テレビ番組のチャンネル切替操作(ザッピング等とよばれる)を実現するために、以下に示す動画生成処理を行う。
【0018】
上記の通り、配信装置100は、動画コンテンツを提供するサーバ装置であるため、例えば、カテゴリに対応付けて各種動画コンテンツを格納している。なお、このように格納されている時点での動画コンテンツを、制御処理が加えられていない「オリジナルの動画コンテンツ」とする。
【0019】
ここで、配信装置100は、ユーザU1によって利用される端末装置10から動画サイトYの取得要求を受信したものとする。なお、かかる取得要求は、以下に示す「1つの動画コンテンツ」の取得要求とも解することができるものとする。
【0020】
配信装置100は、取得要求を受け付けると、ユーザU1のユーザ属性に基づいて、動画コンテンツを抽出する。例えば、配信装置100は、ユーザU1が動画サイトYを利用して、これまでに閲覧した動画の閲覧履歴から、動画コンテンツに対するユーザU1の嗜好をユーザ属性として判定する。そして、配信装置100は、判定結果のユーザ属性に対応する動画コンテンツを抽出する。ここでは、配信装置100は、
図1に示す9本の動画コンテンツC1~C9を抽出したものとする。
【0021】
動画コンテンツC1~C9それぞれの動画再生時間の長さ(以下、「動画時間」と表記する)は、必ずしも同一ではなく、それぞれ異なる場合がある。そこで、配信装置100は、まず、動画コンテンツC1~C9それぞれについて、動画時間を揃えるための処理を行う(ステップS1)。例えば、配信装置100は、
図1に示すように、オリジナルの動画コンテンツC1~C9それぞれから再生時間「0分」~「3分」に対応する動画コンテンツを切り出すことにより、動画時間を「3分」に揃える。
【0022】
一般に、動画コンテンツは、動画データと音声データから形成される。したがって、オリジナルの動画コンテンツC1~C9から「3分」に相当する動画コンテンツを切り出すことは、「3分」分の動画データと音声データとを切り出すことを意味する。
【0023】
ここで、
図1では、オリジナルの動画コンテンツC1から切り出された後の動画コンテンツである短尺動画C11には、「3分」分の動画データ「VD1」と音声データ「SD1」とが含まれる例を示す。動画コンテンツC2~C9それぞれから切り出された動画コンテンツである短尺動画C21~C91についても同様であるため、これらについては説明を省略する。
【0024】
なお、配信装置100が、このように動画コンテンツを切り出すのは、時間を揃えるためだけでなく、動画コンテンツにおいて、よりザッピングを実現しやすくするためでもある。例えば、ユーザは、ザッピングしている間は1つの番組をじっくり閲覧することはなく、直ぐに次の番組へと切り替えることを繰り返す。
【0025】
動画コンテンツでザッピングすることを想定した場合も、同様のことが考えられる。したがって、例えば、オリジナルの動画コンテンツの動画時間が「2時間」等と長い場合、「2時間」と長いオリジナルの動画コンテンツをそのまま用いる必要性は薄いことが考えられる。つまり、ザッピングを実現するためには、時間の長いオリジナルの動画コンテンツよりも、短く切り出した短尺動画の方が適しているといえる。
【0026】
このようなことから、配信装置100は、上記のように、オリジナルの動画コンテンツから再生時間「3分」で揃えた短尺動画を切り出す。なお、揃える再生時間は「3分」に限定されるものではなく、例えば、「5分」等であってもよい。
【0027】
次に、配信装置100は、短尺動画C11~C91それぞれに含まれる「3分」分の動画データVD1~VD9それぞれの画質を落とす(ステップS2)。具体的には、配信装置100は、動画データVD1~VD9それぞれのビットレートを落とす。
【0028】
次に、配信装置100は、画質を落とした動画データVD1~VD9を組み合わすことにより、1つの動画データを生成する(ステップS3)。例えば、配信装置100は、
図1に示すように、動画データVD1~VD9を並べて組み合わすことにより、動画データVD1~VD9が並べられた1つの動画データを生成する。かかる1つの動画データを動画データSC1とする。動画データSC1は、9本の動画データVD1~VD9の集合体ではなく、動画データVD1~VD9が完全に組み合わせられた1つの動画データである。このため、例えば、端末装置10は、動画データVD1~VD9が並んで同時再生されるような態様で、動画データSC1を再生することとなる。
【0029】
また、配信装置100は、短尺動画C11~C91それぞれに含まれる「3分」分の音声データSD1~SD9を多重化する(ステップS4)。多重化された音声データを音声データMS1とする。
【0030】
ここで、動画データSC1と音声データMS1とで構成される動画コンテンツが、配信装置100によって短尺動画C11~C91から生成された1つの動画コンテンツである。かかる1つの動画コンテンツを動画コンテンツC11-91とする。
【0031】
そして、配信装置100は、動画データSC1と音声データMS1を所定の動画ファイル形式(例えば、MP4)のコンテナにパッケージする(ステップS5)。例えば、配信装置100は、「3分」分のオリジナルの動画コンテンツを1本格納するためのコンテナCTに、動画コンテンツC11-91をパッケージする。
【0032】
ステップS3およびS4において、配信装置100が、画質を下げたり音声を多重化させたのは、動画コンテンツC11-91をオリジナルの動画コンテンツを1本格納するためのコンテナCTにパッケージ可能にするためである。つまり、動画コンテンツC11-91の容量を、「3分」のオリジナルの動画コンテンツ1本の容量に相当するものとするためである。
【0033】
配信装置100は、複数の動画コンテンツから単純に動画コンテンツの集合体を生成するのではなく、完全に1つの動画コンテンツを生成するものである。このため、配信装置100は、見た目上だけでなく、容量的にも本来の動画コンテンツ1本に相当するものとする。
【0034】
したがって、配信装置100は、複数の動画コンテンツの組み合わせによって、1つの動画コンテンツを生成するが、例えば、組み合わせ前の各動画コンテンツと比較して極端に容量の大きい動画コンテンツが得られてしまうことを防止できる。また、これにより配信装置100は、端末装置100による動画コンテンツの表示速度が遅くなることを防止できる。
【0035】
また、配信装置100は、ステップS5において、端末装置10に対して動画データVD5を拡大表示するよう指示したメタ情報MT1も同時に格納する。
【0036】
そして、配信装置100は、コンテナCTを取得要求送信元の端末装置10に配信する(ステップS6)。
【0037】
端末装置10は、コンテナCTを受信すると、受信したコンテナCTのエンコード解析を行い動画コンテンツC11-91を展開する。そして、端末装置10は、メタ情報MT1に従い、動画コンテンツC11-91の表示再生制御を行う。
【0038】
ここで、
図2に、端末装置10による表示再生制御処理の一例を示す。例えば、端末装置10にインストールされているプレイヤーPLが、メタ情報MT1で指示される表示態様の実現に対応していないものとする。かかる場合、プレイヤーPLは、動画コンテンツC11-91に含まれる動画データVD5を拡大表示することができない。
【0039】
そこで、端末装置10は、プレイヤーPLに対して、動画データSC1そのものを画面Dに全体表示した状態で、動画データSC1を動画再生し、かつ、動画データVD1に対応する音声データSD1を音声再生するよう制御する。
【0040】
具体的には、ステップS3で説明したように、動画データSC1は、動画データVD1~VD9が並べて組み合されたものである。このため、
図2(a)に示すように、画面Dの全体には、動画データVD1~VD9が並んで一覧表示される。また、ユーザ目線では、短尺動画C11~C91が同時再生されるように見える。
【0041】
次に、プレイヤーPLが、メタ情報MT1で指示される表示態様の実現に対応している場合について説明する。かかる場合、プレイヤーPLは、動画コンテンツC11-91に含まれる動画データVD5を拡大表示することができる。
【0042】
そこで、端末装置10は、プレイヤーPLに対して、動画データSC1の動画再生を開始した状態で、動画データVD5を画面Dの全体に拡大表示し、かつ、動画データVD5に対応する音声データSD5を音声再生するよう制御する。このため、
図2(b)に示すように、画面Dの全体には、動画データVD5が拡大表示される。したがって、ユーザ目線では、短尺動画C11~C91のうち、短尺動画C51が画面Dの全体に拡大表示された状態で再生されるように見える。
【0043】
また、端末装置10により
図2(b)のように表示制御されている状態において、ユーザU1が、画面Dに対して、所定のユーザ操作(例えば、タップ操作)を行ったとする。かかる場合、端末装置10は、
図2(c)に示すように、動画データVD5から、並び順が次の動画データVD6へと拡大表示を切り替えるとともに、動画データVD6に対応する音声データSD6へと音声再生を切り替えるよう制御する。
【0044】
このように、ユーザ操作に応じて、拡大表示が切り替えられるとともに、音声再生が切替えられることがザッピングに相当する。具体的には、実施形態にかかる配信装置100は、拡大表示の切り替えを瞬時に行うことができるため、インターネットを介した動画コンテンツでのザッピングを実現することができる。
【0045】
配信装置100が、ユーザ操作に応じて、
図2に示すような拡大表示の切り替えを瞬時に行えることができる点について、具体的に説明する。
図1で説明してきたように、配信装置100は、ユーザ操作に応じて切り替えられる切替対象の複数の動画コンテンツから、1つの動画コンテンツを生成する。そして、配信装置100は、生成した1つの動画コンテンツを端末装置10に配信する。
【0046】
このため、端末装置10は、ユーザ操作が行われた場合に、切替対象の動画コンテンツを、例えば、サーバ側から取得するといった処理等を行わず、配信装置100から受信した1つの動画コンテンツであって、現在再生中のその1つの動画コンテンツの一部を拡大表示するに過ぎない。つまり、端末装置10は、切替対象の動画コンテンツの取得や、取得した動画コンテンツに対して、毎回エンコード解析等をする必要がないため、拡大表示の切替に時間を要しない。
【0047】
このようなことから、配信装置100は、端末装置10に対して、ユーザ操作に応じて、動画コンテンツの拡大表示の切り替えを瞬時に行わすことができるため、ザッピングを実現することができる。また、配信装置100は、ザッピングの実現により、動画閲覧に関するユーザの満足度を向上させることができる。また、配信装置100は、「動画を見たいが、何を見たいかは明確に決まっていない」(だからザッピングで決める)といったユーザを取り込む事ができる。
【0048】
〔2.配信処理システムの構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態にかかる配信処理システムの構成について説明する。
図3は、実施形態にかかる配信処理システム1の構成例を示す図である。
図3に示すように、配信処理システム1には、端末装置10と、配信装置100とが含まれる。端末装置10と、配信装置100とは、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図3に示した配信処理システム1には、複数台の端末装置10、複数台の配信装置100が含まれてもよい。
【0049】
〔3.配信装置の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態にかかる配信装置100について説明する。
図4は、実施形態にかかる配信装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、配信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0050】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0051】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、動画コンテンツ記憶部121と、閲覧履歴記憶部122とを有する。
【0052】
(動画コンテンツ記憶部121について)
動画コンテンツ記憶部121は、動画サイトYを介してユーザが閲覧することのできる各種動画コンテンツを記憶する。ここで、
図5に実施形態にかかる動画コンテンツ記憶部121の一例を示す。
図5の例では、動画コンテンツ記憶部121は、「カテゴリ」、「動画ID」、「動画コンテンツ」、「動画時間」といった項目を有する。
【0053】
「カテゴリ」は、動画コンテンツが属するカテゴリを示す。「動画ID」は、動画コンテンツを識別するための識別情報を示す。「動画コンテンツ」は、動画コンテンツのデータを示す。
図5の例では、「動画コンテンツ」として概念的な記号を用いているが、実際には、動画データや音楽データが記憶される。「動画時間」は、動画コンテンツの再生時間の長さを示す。
【0054】
すなわち、
図5の例では、動画ID「C1」によって識別される動画コンテンツ「AAA」は、カテゴリ「映画」に属し、動画時間が「120分」である例を示す。なお、
図1でも示したが、動画コンテンツを「動画ID」を用いて表記する。例えば、動画ID「C1」によって識別される動画コンテンツを、動画コンテンツC1と表記する。
【0055】
(閲覧履歴記憶部122について)
閲覧履歴記憶部122は、動画サイトYを利用して動画コンテンツを閲覧したユーザの閲覧履歴を記憶する。ここで、
図6に実施形態にかかる閲覧履歴記憶部122の一例を示す。
図6の例では、閲覧履歴記憶部122は、「ユーザID」、「閲覧日時」、「閲覧動画」といった項目を有する。
【0056】
「ユーザID」は、動画サイトYを利用して動画コンテンツを閲覧したユーザのユーザIDを示す。「閲覧日時」は、動画コンテンツが閲覧された日時を示す。「閲覧動画」は、閲覧された動画の識別情報を示す。
【0057】
すなわち、
図6の例では、ユーザID「U1」によって識別されるユーザが、閲覧日時「2016年5月15日」に動画コンテンツ「C20」を閲覧したことを示す。
【0058】
(制御部130について)
図4に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、配信装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0059】
図4に示すように、制御部130は、受信部131と、抽出部132と、生成部133と、配信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0060】
(受信部131について)
受信部131は、端末装置10から動画コンテンツの取得要求を受信する。例えば、受信部131は、
図1で説明した複数の動画コンテンツから生成された1つの動画コンテンツの取得要求を受信する。
【0061】
(抽出部132について)
抽出部132は、端末装置10を用いて取得要求を送信したユーザに関するユーザ属性に基づいて、動画コンテンツ記憶部121から動画コンテンツを抽出する。例えば、受信部131によって、ユーザU1からの取得要求が受信されたとする。かかる場合、抽出部132は、閲覧履歴記憶部122および動画コンテンツ記憶部121を参照し、動画コンテンツに対するユーザU1の嗜好や閲覧傾向を判定する。
【0062】
例えば、抽出部132は、これまでにユーザU1に閲覧された動画コンテンツが属するカテゴリを動画コンテンツ記憶部121から特定し、特定したカテゴリから動画コンテンツに対するユーザU1の嗜好や閲覧傾向(例えば、「映画好き」や「過去、1週間は映画をよく見ている」)を判定する。そして、抽出部132は、判定した嗜好や閲覧傾向をユーザU1のユーザ属性として、かかるユーザ属性に基づいて、動画コンテンツ記憶部121から動画コンテンツを抽出する。
【0063】
例えば、抽出部132は、ユーザU1がユーザ属性「映画好き」である場合には、動画コンテンツ記憶部121からカテゴリ「映画」が対応付けられた動画コンテンツを抽出する。抽出部132によって抽出される動画コンテンツの本数は任意であってよいが、本実施形態では、9本の動画コンテンツが抽出されるものとする。
【0064】
(生成部133について)
生成部133は、複数の動画コンテンツから、当該複数の動画コンテンツが同時再生されるような1つの動画コンテンツを生成する。具体的には、生成部133は、再生時間の長さを揃え、また、画質を下げた複数の動画コンテンツから、1つの動画コンテンツを生成する。
【0065】
例えば、生成部133は、複数の動画コンテンツの再生時間が揃うように、複数の動画コンテンツの再生速度を調整し、調整後の複数の動画コンテンツの画質を下げる。このようにして、生成部133は、再生時間の長さを揃え、また、画質を下げた複数の動画コンテンツから、1つの動画コンテンツを生成する。また、生成部133は、複数の動画コンテンツに対応する音声データそれぞれを多重化する。
【0066】
なお、生成部133は、複数の動画コンテンツの再生時間が揃うように再生速度を調整する処理の一例として、複数の動画コンテンツそれぞれから所定の再生時間に対応する範囲を抽出する処理を行う。この点について、以下で具体的に説明する。
【0067】
まず、ユーザU1からの取得要求に応じて、抽出部132が、動画コンテンツC1~C9を抽出したとする。
図5に示すように、動画コンテンツC1~C9は、それぞれ動画時間が異なる。したがって、まず、生成部133は、動画コンテンツC1~C9それぞれから共通する所定の時間分を切り出す(抽出する)ことにより、動画コンテンツC1~C9の動画時間を揃える。
【0068】
図1に示すように、例えば、生成部133は、動画コンテンツC1~C9それぞれから再生時間「0分」~「3分」に対応する動画コンテンツを切り出すことにより、動画時間を「3分」に揃える。このように、動画時間を短く揃えられた動画コンテンツC1~C9が、短尺動画C11~C91である。
【0069】
また、生成部133は、動画コンテンツC1~C9それぞれから切り出して「3分」に揃えた動画コンテンツC1~C9、すなわち短尺動画C11~C91に含まれる動画データVD1~VD9それぞれの画質を落とす。また、生成部133は、短尺動画C11~C91に含まれる音声データSD1~SD9それぞれを多重化する。
【0070】
次に、複数の動画コンテンツから1つの動画コンテンツを生成する生成処理の一例について説明する。例えば、生成部133は、複数の動画コンテンツとして同時に再生される画像を含む1つの画像が再生されるように1つの動画コンテンツのフレームを生成する。この点について、
図7を用いて説明する。
【0071】
図7は、配信装置100による動画生成処理の一例を示す概念図である。なお、ここでは、説明を簡単にするために、複数の動画コンテンツとして、動画時間「3分」に揃え、画質を下げられた4つの短尺動画C11、C21、C41、C51を用いて説明する。
【0072】
図7に示すように、各動画コンテンツは、複数の静止画像から構成されるものである。例えば、短尺動画C11は、
図7(a)に示すように、静止画像F1a~F1dから構成される。したがって、短尺動画C11に対応する動画データVD1は、静止画像F1a~F1dそれぞれの画像データの集合体といえる。短尺動画C21、C41、C51についても、
図7(a)に示す通りである。
【0073】
ここで、生成部133は、
図7(b)に示すように、各短尺動画の1枚目の静止画像である静止画像F1a、F2a、F4a、F5aを組み合わせて、
図7(c)に示すような1枚の静止画像F1-5aを生成する。同様に、生成部133は、各短尺動画の2枚目の静止画像である静止画像F1b、F2b、F4b、F5bを組み合わせて、1枚の静止画像F1-5bを生成する。また、生成部133は、各短尺動画の3枚目の静止画像である静止画像F1c、F2c、F4c、F5cを組み合わせて、1枚の静止画像F1-5cを生成する。また、生成部133は、各短尺動画の4枚目の静止画像である静止画像F1d、F2d、F4d、F5dを組み合わせて、1枚の静止画像F1-5dを生成する。
【0074】
そして、生成部133は、このように作成した一連の4枚の静止画像をエンコードした複数のフレームを生成し、
図7(d)に示すように、生成したフレームを含む1つの動画データSC1とする。すなわち、生成部133は、動画データVD1、VD2、VD4、VD5のうち、同じ再生タイミングで表示される各静止画像を含む1つの静止画像を随時生成し、生成した静止画像を含む新たな動画コンテンツを生成する。以上のようにして、生成部133は、複数の動画コンテンツから1つの動画コンテンツを生成する。
【0075】
なお、生成部133は、予測ベクトルに基づいて各静止画像を生成し、生成した静止画像を組み合わせてもよい。一例を示すと、生成部133は、静止画像F1aと、静止画像F1bに対応する予測ベクトルとから静止画像F1bを生成する。また、生成部133は、静止画像F1bと、静止画像F1cに対応する予測ベクトルとから静止画像F1cを生成する。また、生成部133は、静止画像F1cと、静止画像F1dに対応する予測ベクトルとから静止画像F1dを生成する。そして、生成部133は、短尺動画C21、C41、C51についても同様のことを行う。
【0076】
(配信部134について)
配信部134は、生成部133によって生成された1つ動画コンテンツを配信する。具体的には、配信部134は、複数の動画コンテンツのうちのいずれかの動画コンテンツが拡大表示されるように1つの動画コンテンツを配信する。
【0077】
一例を示すと、配信部134は、生成部133によって生成された1つ動画コンテンツを所定の動画ファイル形式のコンテナに格納する。そして、配信部134は、1つ動画コンテンツを格納したコンテナを取得要求送信元の端末装置10に配信する。この点について、
図1を用いて説明する。
【0078】
例えば、生成部133により、短尺動画C11~C91から、1つの動画データSC1が生成され、音声多重化により音声データMS1が得られたとする。動画データSC1と音声データMS1とで構成される動画コンテンツが、配信装置100によって短尺動画C11~C91から生成された1つの動画コンテンツ(動画コンテンツC11-91)である。
【0079】
かかる場合、配信部134は、動画データSC1と音声データMS1を所定の動画ファイル形式(例えば、MP4)のコンテナにパッケージする。例えば、配信装置100は、「3分」分のオリジナルの動画コンテンツを1本格納するためのコンテナCTに、動画コンテンツC11-91をパッケージする。
【0080】
また、配信部134は、端末装置10に対して、動画データSC1に含まれる動画データのうちのいずれかの動画データ(ここでは、動画データVD5とする)を拡大表示するよう指示したメタ情報MT1を生成する。そして、配信部134は、メタ情報MT1もコンテナCTに同封する。なお、メタ情報MT1は、生成部133によって生成されてもよい。そして、配信部134は、コンテナCTを取得要求送信元の端末装置10に配信する。
【0081】
〔4.端末装置の構成〕
次に、
図8を用いて、実施形態にかかる端末装置10について説明する。
図8は、実施形態にかかる端末装置10の構成例を示す図である。
図8に示すように、端末装置10は、通信部11と、制御部12とを有する。
【0082】
(通信部11について)
通信部11は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部11は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、配信装置100との間で情報の送受信を行う。
【0083】
(制御部12について)
制御部12は、CPUやMPU等によって、端末装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0084】
図8に示すように、制御部12は、受信部13と、アプリ制御部14とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。また、アプリ制御部14は、表示制御部14aと、送信部14bとを有する。また、アプリ制御部14は、動画再生を行うアプリケーションであるプレイヤーPLをインストールすることにより実行される処理部である。
【0085】
なお、制御部12の内部構成は、
図8に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部12が有する各処理部の接続関係は、
図8に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0086】
(受信部13について)
受信部13は、端末装置100によって配信された1つの動画コンテンツを受信する。例えば、受信部13は、配信装置100によって配信されたコンテナCTであって、1つの動画コンテンツである動画コンテンツC11-91が格納されたコンテナCTを受信する。また、受信部13は、受信したコンテナCTのエンコード解析を行うことにより、コンテナCT中の動画コンテンツC11-91を取り出すといった処理も行ってよい。
【0087】
(表示制御部14aについて)
表示制御部14aは、受信部13により受信された1つの動画コンテンツに含まれる複数の動画コンテンツのうちのいずれかの動画コンテンツと対応する範囲を拡大表示させるよう制御する。この点について、
図1および
図2を用いて説明する。
【0088】
例えば、表示制御部14aは、動画コンテンツC11-91とともに格納されていたメタ情報MT1に従い、動画コンテンツC11-91の表示再生制御を行う。ここで、例えば、端末装置10にインストールされているプレイヤーPLが、メタ情報MT1で指示される表示態様、すなわち動画データVD5の拡大表示の実現に対応していないものとする。
【0089】
かかる場合、表示制御部14aは、プレイヤーPLに対して、
図2(a)に示すように、動画データSC1そのものを画面Dに全体表示した状態で、動画データSC1を動画再生し、かつ、動画データVD1に対応する音声データSD1を音声再生するよう制御する。なお、表示制御部14aは、音声データSD1以外の音声データを再生させてもよい。
【0090】
また、プレイヤーPLが、メタ情報MT1で指示される表示態様、すなわち動画データVD5の拡大表示の実現に対応しているものとする。
【0091】
かかる場合、表示制御部14aは、プレイヤーPLに対して、動画データSC1の動画再生を開始した状態で、動画データVD5を画面Dの全体に拡大表示し、かつ、動画データVD5に対応する音声データSD5を音声再生するよう制御する。このため、
図2(b)に示すように、画面Dの全体には、動画データVD5が拡大表示される。なお、動画データSC1を再生させることは、動画データSC1に含まれる動画データVD1~VD9を同時再生させることに相当するものである。
【0092】
また、表示制御部14aは、同時再生されている複数の動画コンテンツのうちのいずれかの動画コンテンツが拡大表示されている場合に、ユーザ操作に応じて当該拡大表示されている動画コンテンツと対応する範囲から、他の動画コンテンツと対応する範囲へと拡大表示を切り替えるよう制御する。この点について、
図2を用いて説明する。
【0093】
例えば、
図2(b)のように、動画データVD5が拡大表示再生されている状態において、ユーザU1が、画面Dに対して、所定のユーザ操作(例えば、タップ操作)を行ったとする。かかる場合、表示制御部14aは、
図2(c)に示すように、動画データVD5から、並び順が次の動画データVD6へと拡大表示を切り替えるとともに、動画データVD6に対応する音声データSD6へと音声再生を切り替えるよう制御する。
【0094】
(送信部14bについて)
送信部14bは、複数の動画コンテンツのうち、現在拡大表示されている動画コンテンツが選択された場合に、選択された動画コンテンツに対応するオリジナルの動画コンテンツのうち、選択された際に再生されていた箇所よりも後の範囲の取得要求を送信する。
【0095】
例えば、表示制御部14aは、短尺動画が拡大表示されている場合において、画面Dの所定箇所に「この動画を見る」とったボタンを表示させてもよい。例えば、ユーザU1が、動画データVD6が拡大表示再生されている場合において、再生時間「2分」のときに、「この動画を見る」と表記されたボタンを押下したとする。
【0096】
かかる場合、送信部14bは、動画データVD6すなわち短尺動画V61に対するオリジナルの動画コンテンツである動画コンテンツC6の取得要求であって、再生時間「2分」以降に対応する動画コンテンツC6の取得要求を配信装置100に送信する。
【0097】
そして、例えば、配信装置100の抽出部132は、受信部131によって、かかる取得要求が受け付けられると、動画コンテンツ記憶部121から再生時間「2分」以降に対応する動画コンテンツC6を抽出する。そして、配信部134は、抽出部132により抽出された動画コンテンツC6を端末装置10に配信する。そして、端末装置10の表示制御部14aは、受信部13により受信された動画コンテンツC6が画面Dに表示されるよう表示制御する。
【0098】
このように、配信装置100は、短尺動画においてユーザが視聴していたところに続くオリジナルの動画コンテンツを見せることができる。このため、配信装置100は、例えば、オリジナルの動画コンテンツにおいて、これまで短尺動画で視聴していた部分に続く部分を探さなければならないといった作業を省略させることができる。
【0099】
〔5.処理手順〕
次に、
図9を用いて、実施形態にかかる配信装置100が実行する動画生成処理の手順について説明する。
図9は、実施形態にかかる配信装置100による動画生成手順を示すフローチャートである。
【0100】
まず、配信装置100の受信部131は、端末装置10から取得要求を受信したか否かを判定する(ステップS101)。受信部131は、取得要求を受信していないと判定した場合には(ステップS101;No)、受信するまで待機する。
【0101】
一方、受信部131によって取得要求が受信された場合には(ステップS101;Yes)、抽出部132は、取得要求送信元のユーザのユーザ属性に基づいて、動画コンテンツを抽出する(ステップS102)。例えば、抽出部132は、かかるユーザの過去の動画閲覧履歴から、かかるユーザの動画コンテンツに関するユーザ属性を特定する。そして、抽出部132は、特定したユーザ属性に基づいて、動画コンテンツを抽出する。
【0102】
生成部133は、抽出部132によって抽出された複数の動画コンテンツの動画時間を揃える(ステップS103)。例えば、生成部133は、複数の動画コンテンツそれぞれから、共通する所定の再生時間分の動画コンテンツを切り出すことにより、動画時間を揃える。
【0103】
また、生成部133は、動画時間を揃えた複数の短尺動画それぞれの画質を下げる(ステップS104)。例えば、生成部133は、短尺動画それぞれの動画データのビットレートを下げる。
【0104】
次に、生成部133は、短尺動画それぞれの音声を多重化する(ステップS105)。例えば、生成部133は、短尺動画それぞれの動画データを多重化する。そして、生成部133は、複数の短尺動画から1つの動画コンテンツを生成する(ステップS106)。例えば、生成部133は、複数の短尺動画それぞれの動画データであって、画質を落とした動画データを組み合わせることにより、1つの動画データを生成する。また、生成部133は、かかる1つの動画データと、多重化した音声データとを合わせて、1つの動画コンテンツとする。
【0105】
そして、配信部134は、生成した1つの動画コンテンツをパッケージングする(ステップS107)。そして、配信部134は、パッケージングした1つの動画コンテンツを取得要求送信元の端末装置10に配信する(ステップS108)。
【0106】
なお、ステップS104およびS105は、同時に行われてもよいし、順番が逆であってもよい。また、パッケージングは、生成部133によって行われてもよい。
【0107】
〔6.変形例〕
上記実施形態にかかる配信装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、配信装置100の他の実施形態について説明する。
【0108】
〔6-1.配信と表示制御〕
配信部134は、所定の再生時間となった場合に、複数の動画コンテンツのうちの所定の動画コンテンツと対応する範囲が拡大表示されるように1つの動画コンテンツを配信してもよい。
【0109】
一例を示すと、配信部134は、「VD5:1分30秒、VD6:2分30秒」といったメタ情報M2とともに、生成部133により生成された1つの動画コンテンツである動画コンテンツC11-91を配信する。かかるメタ情報MT2は、端末装置10に対して、動画コンテンツC11-91の再生時間が「1分30秒」となった場合に、動画データVD5を拡大表示再生させ、再生時間が「2分30秒」となった場合に、動画データVD6を拡大表示再生させるよう指示するものである。
【0110】
より具体的に説明する。例えば、端末装置10において動画コンテンツC11-91に対応する動画データSC1が動画再生されている状態で、現在、動画データVD4が拡大表示再生されているものとする。ここで、動画データSC1の再生時間が「1分30秒」になったとすると、表示制御部14aは、メタ情報MT2に従い、動画データVD4から、動画データVD5へと拡大表示再生を切り替えるとともに、動画データVD5に対応する音声データSD5へと音声再生を切り替えるよう制御する。
【0111】
また、このように動画データVD5が拡大表示再生された状態で再生時間が経過し、動画データSC1の再生時間が「2分30秒」になったとする。かかる場合、表示制御部14aは、メタ情報M2に従い、動画データVD5から、動画データVD6へと拡大表示再生を切り替えるとともに、動画データVD6に対応する音声データSD6へと音声再生を切り替えるよう制御する。
【0112】
これにより、配信装置100は、拡大表示させる短尺動画を自動で切り替えることができるため、1つの動画コンテンツに含まれる短尺動画をまんべんなくユーザに閲覧させることができる。
【0113】
〔6-2.広告配信(1)〕
動画コンテンツには、動画広告(例えば、コマーシャル)が挿入されている場合がある。ここでは、生成部133によって、動画時間が揃うように切り出された短尺動画に動画広告が挿入されていたとする。かかる場合、配信部134は、1つの動画コンテンツに含まれる複数の短尺動画のうち、広告コンテンツが挿入されている短尺動画の再生時間が当該広告コンテンツが挿入されている再生時間となった場合に、当該短尺動画と対応する範囲が拡大表示されるように制御された1つの動画コンテンツを配信する。この点について、
図10を用いて説明する。なお、説明を簡単にするために、ここでは、4つの短尺動画から1つの動画コンテンツが生成されるものとする。
【0114】
図10は、動画広告の表示再生制御の一例を示す図である。
図10(a)では、生成部133により時間が揃えられた複数の動画コンテンツである短尺動画C11、C21、C41、C51のうち、短尺動画C21、C41、C51それぞれに動画広告CM21、動画広告CM41、動画広告CM51が挿入されている例を示す。また、生成部133により、短尺動画C11、C21、C41、C51から1つの動画コンテンツC11-51が生成されているものとする。
【0115】
図10(a)の例では、短尺動画C21には、再生時間「1分~1分10秒」の間に動画広告CM21が挿入されている。また、短尺動画C41には、再生時間「2分~2分10秒」の間に動画広告CM41が挿入されている。また、短尺動画51には、再生時間「3分~3分10秒」の間に動画広告CM51が挿入されている。
【0116】
ここで、配信部134は、動画広告が挿入されている短尺動画と、動画広告が挿入されている時間位置、すなわち、短尺動画における動画広告の再生時間を示したメタ情報を生成する。上記例では、例えば、配信部134は、「C21:1分~1分10秒」、「C41:2分~2分10秒」、「C51:3分~3分10秒」を記載したメタ情報MT3を生成する。このようなメタ情報MT3は、端末装置10に対して、以下に示す表示再生制御を実行するよう指示するものである。そして、配信部134は、動画コンテンツC11-51とともに、生成したメタ情報MT3をコンテナCTにパッケージングし、端末装置10に配信する。
【0117】
端末装置10の表示制御部14aは、まず、プレイヤーPLに対して、動画コンテンツC11-51の動画データの動画再生を開始した状態で、短尺動画C11に対応する動画データVD1を画面Dの全体に拡大表示し、かつ、短尺動画C11に対応する音声データSD1を音声再生するよう制御する。したがって、この時点では、端末装置10のユーザU1は、拡大表示されている短尺動画C11を閲覧していることになる。
【0118】
そして、短尺動画C11の動画再生が進み、再生時間が、短尺動画C21に挿入される動画広告CM21の再生開始時間「1分」となった場合に、表示制御部14aは、
図10(a)に示すように、短尺動画C11から動画広告CM21へと拡大表示を自動で切り替える切替制御T1を実行する。かかる場合、ユーザU1は、
図10(b)に示すように、拡大表示再生されていた短尺動画C11から、突然、動画広告CM21の拡大表示再生へと切り替えられる。
【0119】
また、動画広告CM21の再生が進み、動画広告CM21の再生終了時間「1分10秒」となった場合に、表示制御部14aは、元々拡大表示されていた短尺動画C11へと拡大表示を切り替えるよう制御する。具体的には、表示制御部14aは、動画広告CM21から動画データVD1へと拡大表示を自動で切り替えるとともに、短尺動画C11に対応する音声データSD1へと音声再生を切り替える切替制御T2を実行する。かかる場合、ユーザU1は、
図10(b)に示すように、拡大表示再生されていた動画広告CM21から、短尺動画C11の拡大表示再生へと切り替えられる。
【0120】
そして、再生時間「1分10秒」以降、短尺動画C11の再生が進み、短尺動画C41に挿入される動画広告CM41の再生開始時間「2分」となった場合に、表示制御部14aは、
図10(a)に示すように、短尺動画C11から動画広告CM41へと拡大表示を自動で切り替える切替制御T3を実行する。かかる場合、ユーザU1は、
図10(b)に示すように、拡大表示再生されていた短尺動画C11から、突然、動画広告CM41の拡大表示再生へと切り替えられる。
【0121】
また、動画広告CM41の再生が進み、動画広告CM41の再生終了時間「2分10秒」となった場合に、表示制御部14aは、元々拡大表示されていた短尺動画C11へと拡大表示を切り替えるよう制御する。具体的には、表示制御部14aは、動画広告CM41から動画データVD1へと拡大表示を自動で切り替えるとともに、短尺動画C11に対応する音声データSD1へと音声再生を切り替える切替制御T4を実行する。かかる場合、ユーザU1は、
図10(b)に示すように、拡大表示再生されていた動画広告CM41から、短尺動画C11の拡大表示再生へと切り替えられる。
【0122】
そして、再生時間「2分10秒」以降、短尺動画C11の再生が進み、短尺動画C51に挿入される動画広告CM51の再生開始時間「3分」となった場合に、表示制御部14aは、
図10(a)に示すように、短尺動画C11から動画広告CM51へと拡大表示を自動で切り替える切替制御T5を実行する。かかる場合、ユーザU1は、
図10(b)に示すように、拡大表示再生されていた短尺動画C11から、突然、動画広告CM51の拡大表示再生へと切り替えられる。
【0123】
また、動画広告CM51の再生が進み、動画広告CM51の再生終了時間「3分10秒」となった場合に、表示制御部14aは、元々拡大表示されていた短尺動画C11へと拡大表示を切り替えるよう制御する。具体的には、表示制御部14aは、動画広告CM51から動画データVD1へと拡大表示を自動で切り替えるとともに、短尺動画C11に対応する音声データSD1へと音声再生を切り替える切替制御T6を実行する。かかる場合、ユーザU1は、
図10(b)に示すように、拡大表示再生されていた動画広告CM51から、短尺動画C11の拡大表示再生へと切り替えられる。
【0124】
このように、ユーザは、動画コンテンツを閲覧中であっても、自動で動画広告へと切り替えられるため、半強制的に動画広告を閲覧させられることになる。つまり、配信装置100は、ユーザに対し動画広告をより閲覧させることができるため、動画広告の広告効果を高めることができる。
【0125】
〔6-3.広告配信(2)〕
上記変形例では、動画広告は、各動画コンテンツに予め挿入されているものとして説明した。しかし、生成部133は、複数の動画コンテンツにそれぞれに所定の広告コンテンツを挿入し、当該所定の広告コンテンツを挿入した複数の動画コンテンツから、1つの動画コンテンツを生成してもよい。この点について、
図11を用いて説明する。
【0126】
図11は、動画コンテンツに対する動画広告の挿入例を示す図である。まず、生成部133は、
図11に示すように、短尺動画C11、C21、C41、C51を切り出すことにより動画時間を「5分」に揃えているものとする。
【0127】
ここで、生成部133は、短尺動画C11、C21、C41、C51に動画広告を挿入する。図示しないが、動画広告は、配信装置100における所定の記憶部(例えば、広告情報記憶部)に格納されているものとする。また、各短尺動画に挿入される動画広告は、生成部133によって抽出されてもよいし、抽出部132によって抽出されてもよい。
【0128】
ここでは、生成部133が、動画広告の抽出も行うものとする。例えば、生成部133は、配信先のユーザの属性情報とのマッチングにより動画広告を抽出してもよいし、短尺動画の内容(カテゴリ)とのマッチングにより動画広告を抽出してもよい。すなわち、生成部133は、既存の任意の手法を用いて動画広告を抽出することができる。
【0129】
ここでは、生成部133は、短尺動画C11に挿入する動画広告として動画広告CM11-1を抽出し、短尺動画C21に挿入する動画広告として動画広告CM21-1を抽出し、短尺動画C41に挿入する動画広告として動画広告CM41-1を抽出し、短尺動画C51に挿入する動画広告として動画広告CM51-1を抽出したとする。
【0130】
そして、生成部133は、各動画広告の再生時間をずらすように各動画広告を各短尺動画に挿入する。例えば、生成部133は、
図11に示すように、短尺動画C11において再生時間「1分~1分20秒」の間に動画広告CM11-1を挿入する。また、生成部133は、短尺動画C11の再生時間途中「1分05秒」が再生開始時間となるように、短尺動画C21において再生時間「1分05秒~1分25秒」の間に動画広告CM21-1を挿入する。
【0131】
また、生成部133は、短尺動画C21の再生時間途中「1分10秒」が再生開始時間となるように、短尺動画C41において再生時間「1分10秒~1分30秒」の間に動画広告CM41-1を挿入する。また、生成部133は、短尺動画C41の再生時間途中「1分15秒」が再生開始時間となるように、短尺動画C51において再生時間「1分15秒~1分35秒」の間に動画広告CM51-1を挿入する。
【0132】
そして、生成部133は、上記のように動画広告を挿入した各短尺動画から1つの動画コンテンツC11-51を生成する。そして、配信部134は、例えば、短尺動画C11に対応する動画データVD1を拡大表示するよう指示したメタ情報とともに、動画コンテンツC11-51をコンテナCTに格納して端末装置10に配信する。
【0133】
これにより、端末装置10のユーザU1は、初めに拡大表示再生される短尺動画C11を閲覧することになるが、再生時間が「1分」になったところで動画広告CM11-1を見せられることになる。
【0134】
ここで、例えば、ユーザは、テレビ番組を見ている最中にコマーシャルが入ると、他の番組へとチャンネルを切り替える傾向がある。かかる変形例は、このようなユーザの特性を利用して、半強制的に動画広告を見せようとするものである。
【0135】
具体的には、上記のように、再生時間が「1分」になったところで動画広告CM11-1が表示されるため、例えば、ユーザU1は、ユーザ操作を行うことにより、短尺動画C21へと拡大表示を切り替えたとする。このユーザ操作を行ったのが再生時間「1分05秒」辺りであったとすると、短尺動画C21へと拡大表示を切り替えたとしても、ユーザU1は、動画広告CM21-1を見なければならないことになる。
【0136】
このため、さらにユーザU1は、ユーザ操作を行うことにより、短尺動画C41へと拡大表示を切り替えたとする。このユーザ操作を行ったのが再生時間「1分10秒」辺りであったとすると、短尺動画C41へと拡大表示を切り替えたとしても、ユーザU1は、動画広告CM41-1を見なければならないことになる。
【0137】
そして、さらにユーザU1は、ユーザ操作を行うことにより、短尺動画C51へと拡大表示を切り替えたとする。このユーザ操作を行ったのが再生時間「1分15秒」辺りであったとすると、短尺動画C51へと拡大表示を切り替えたとしても、ユーザU1は、動画広告CM51-1を見なければならないことになる。
【0138】
結果として、ユーザU1は、どの短尺動画でも動画広告が表示されているため、短尺動画の表示が再開されるまで、いずれかの動画広告を見て待機しようとする。このように、配信装置100は、ユーザに対し動画広告を半強制的に閲覧させることができるため、動画広告の広告効果を高めることができる。
【0139】
なお、上記例では、生成部133が、各広告動画を再生時間をずらして挿入する例を示した。しかし、生成部133は、複数の動画コンテンツにおける所定の再生時刻に広告コンテンツを挿入してもよい。すなわち、生成部133は、各広告動画の再生時間を統一するように挿入してもよい。そして、配信部134は、所定の再生時刻となった場合に、複数の動画コンテンツが一覧表示されるように制御された1つの動画コンテンツを配信する。
【0140】
例えば、生成部133は、短尺動画C11において再生時間「1分~1分20秒」の間に動画広告CM11-1を挿入する。また、生成部133は、短尺動画C21においても再生時間「1分~1分20秒」の間に動画広告CM21-1を挿入する。
【0141】
また、生成部133は、短尺動画C41においても再生時間「1分~1分20秒」の間に動画広告CM41-1を挿入し、短尺動画C51においても再生時間「1分~1分20秒」の間に動画広告CM51-1を挿入する。
【0142】
また、かかる場合、端末装置10の表示制御部14aは、動画コンテンツC11-51において、いずれかの短尺動画を拡大表示再生している場合であっても、上記のように統一された再生時間「1分~1分20秒」の間は、短尺動画C11、C21、C41、C51を、例えば、
図2(a)に示すように一覧表示させる。これにより、配信装置100は、ユーザに対し同時に複数の動画広告を閲覧させることができる。
【0143】
〔6-4.広告配信(3)〕
また、生成部133は、複数の動画コンテンツにおいて、広告コンテンツを含む範囲を選択し、選択した範囲を用いて、1つの動画コンテンツを生成してもよい。例えば、生成部133は、動画時間を揃えるために、オリジナルの動画コンテンツから短尺動画を切り出す際に、オリジナルの動画コンテンツにおいて動画広告の挿入されている部分を切り出すことによって、動画広告の挿入された短尺動画とする。
【0144】
このとき、生成部133は、
図11で説明したように、各動画広告が再生開始されるタイミングをずらすように短尺動画を切り出してもよい。また、生成部133は、各動画広告の再生時間を統一するように短尺動画を切り出してもよい。そして、生成部133は、上記のように切り出した動画広告から1つの動画コンテンツを生成する。
【0145】
これにより、配信装置100は、予め複数の動画コンテンツにおいて、動画広告が含まれている場合、その動画広告を含むように1つの動画コンテンツを生成することができる。これにより、配信装置100は、動画広告がユーザに閲覧される機会を増やすことができるため、広告効果を高めることができる。
【0146】
〔6-5.表示制御〕
また、表示制御部14aは、
図2(b)に示すように、生成部133により生成された1つの動画コンテンツの一部を拡大表示する際に、拡大表示を切り替えさせるためのユーザインタフェースを画面Dに表示させてもよい。
【0147】
ここで、
図12は、ユーザインタフェースの一例を示す図である。例えば、表示制御部14aは、
図12に示すように、1~9までの番号が付された仮想的なリモコンRCをユーザインタフェースとして表示させる。
図2(a)に対応付けて説明すると、例えば、表示制御部14aは、「5」番が付された領域が押下された場合には、動画データVD5を拡大表示再生させるとともに、音声データSD5を音声再生させる。また、例えば、表示制御部14aは、「9」番が付された領域が押下された場合には、動画データVD9を拡大表示再生させるとともに、音声データSD9を音声再生させる。
【0148】
〔6-6.動画コンテンツ配信〕
上記実施形態では、生成部133が、複数の動画コンテンツから1つの動画コンテンツを生成し、配信部134が、生成部133により生成された1つの動画コンテンツを配信する例を示した。しかし、生成部133は、必ずしも複数の動画コンテンツから1つの動画コンテンツを生成しなくてもよい。かかる場合、配信部134は、複数の動画コンテンツを1つのコンテナにパッケージングして端末装置10に配信する。あるいは、配信部134は、複数の動画コンテンツを個々にパッケージングして端末装置10に配信する。
【0149】
例えば、生成部133は、複数の動画コンテンツである動画コンテンツC1~C9それぞれから所定時間分に相当する動画コンテンツを切り出すことにより、動画時間を揃えた短尺動画を得る。また、生成部133は、動画コンテンツC1~C9に対応する短尺動画C11~C91それぞれの画質を下げる。具体的には、生成部133は、短尺動画C11~C91それぞれに対応する動画データVD1~VD9それぞれのビットレートを下げる。
【0150】
そして、配信部134は、生成部133により画質が下げられた短尺動画C11~C91を1つのコンテナに格納し、かかるコンテナを端末装置10に配信する。あるいは、配信部134は、生成部133により画質が下げられた短尺動画C11~C91を個々にコンテナに格納し、各コンテナを同時に端末装置10に配信する。
【0151】
つまり、端末装置10は、配信装置100から1つの動画コンテンツではなく、短尺動画群(短尺動画C11~C91)を受信することになる。したがって、端末装置10の表示制御部14aは、例えば、配信装置100の指示に従って、短尺動画群を同時に表示させるとともに、同時に再生させる。また、表示制御部14aは、例えば、配信装置100の指示に従って、短尺動画群を同時に再生させるとともに、短尺動画群に含まれるいずれかの短尺動画を拡大表示させる。
【0152】
〔7.プログラム〕
また、上述してきた実施形態にかかる配信装置100は、例えば
図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図13は、配信装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0153】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0154】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0155】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0156】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0157】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる配信装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0158】
〔8.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0159】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0160】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0161】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0162】
1 配信処理システム
10 端末装置
12 制御部
13 受信部
14a 表示制御部
14b 送信部
100 配信装置
121 動画コンテンツ記憶部
122 閲覧履歴記憶部
130 制御部
131 受信部
132 抽出部
133 生成部
134 配信部