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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】ラックおよび収納方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20221018BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
H05K7/18 L
H05K7/18 D
G06F1/16 313Z
G06F1/16 312N
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017197801
(22)【出願日】2017-10-11
(65)【公開番号】P2019071389
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 聡
【審査官】柴垣 俊男
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-009531(JP,U)
【文献】実開昭57-133333(JP,U)
【文献】特開2011-233771(JP,A)
【文献】米国特許第05791498(US,A)
【文献】中国実用新案第202949676(CN,U)
【文献】特開2015-153849(JP,A)
【文献】特開2002-050880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/18
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の装置を垂直方向に並んだ状態で内部に保持するラックであって、
前記装置の水平方向の両端となる位置に、長手方向が垂直方向となるようにそれぞれ備えられた1組の支柱と、
複数の前記装置を、前記装置ごとに保持する治具を取り付ける穴として、前記支柱に垂直方向の位置に基づいた形状で形成され、前記支柱間において垂直方向の位置が互いに対応する位置に形成された複数の取付け穴と
を備え、
前記取付け穴は、あらかじめ設定された数を繰り返し単位として、繰り返し単位内の垂直方向の位置に基づいて設定された数の切り欠きが形成された形状を有していることを特徴とするラック。
【請求項2】
前記取付け穴は、等間隔で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラック。
【請求項3】
前記取付け穴の形状に対応する形状を有し前記装置を保持する前記治具が、前記取付け穴に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のラック。
【請求項4】
1つの前記治具が少なくとも2つの前記取付け穴に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のラック。
【請求項5】
複数の装置を垂直方向に並んだ状態でラックの内部に保持する収納方法であって、
前記装置の水平方向の両端となる位置に、長手方向が垂直方向となるようにそれぞれ備えられた1組の支柱に、
複数の前記装置を、前記装置ごとに保持する治具を取り付ける穴として、前記支柱に垂直方向の位置に基づいた形状を有し、あらかじめ設定された数を繰り返し単位として、繰り返し単位内の垂直方向の位置に基づいて設定された数の切り欠きが形成された形状を有している取付け穴を、前記支柱間において垂直方向の位置が互いに対応する位置に複数、形成し、
前記取付け穴に取り付けた前記治具で前記装置を保持することを特徴とする収納方法。
【請求項6】
前記取付け穴は、等間隔で形成されていることを特徴とする請求項5に記載の収納方法。
【請求項7】
前記取付け穴の形状に対応する形状を有し前記装置を保持する前記治具が、前記取付け穴に取り付けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の収納方法。
【請求項8】
1つの前記治具が少なくとも2つの前記取付け穴に取り付けられていることを特徴とする請求項5から7いずれかに記載の収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置や通信装置等を搭載するラックに関するものであり、特に、ラックへの部材の取付け作業の作業性を向上する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数のサーバ、ストレージおよび通品機器等のユニットを1つの筐体内に収納するラックが広く用いられている。サーバ等のユニットは、サイドレール等のマウント治具をラックに取付け、マウント治具によって保持することでラックに搭載される。また、ラックは、EIA(Electronic Industries Alliance)等の規格に基づいた寸法のユニットが搭載できるように設計されている。
【0003】
EIA規格では、1Uを単位とする寸法の規格が定められている。ラックの垂直方向の1Uの範囲内では、マウント治具を取り付ける穴が3つ形成されている。ユニットを搭載するためのマウント治具をラックに取り付ける際に、1Uを単位とする位置についてはラックに表記されていることが多い。しかし、1U内における取り付け穴の区別については明示されていない。
【0004】
サイドレール等のマウント治具をラックに取付ける際に、作業者は、サイドレールや搭載するサーバ等の設計に基づいて、何番目の取付け穴にマウント治具を取り付けるのかを確認して作業を行う必要がある。しかし、1U内における取り付け穴の区別が表示されていないので、取付け位置を確認しながらサイドレール等を取り付ける必要があるため作業性が低下する恐れや、取付け位置を間違える恐れがある。そのため、作業性の低下や取付け位置の間違いを防ぐために、ユニットを搭載するサイドレール等の取り付け位置を作業者が容易に認識できる機構をラックが有することが望ましい。また、取付け位置を容易に認識するための機構は、ラックの製造工程を複雑化することなく得られることが望ましい。そのような、装置内における取付け位置を容易に認識するための技術としては、例えば、特許文献1のような技術が開示されている。
【0005】
特許文献1は、保持する品物の大きさを規制するガイド部材を内部に装着する装置に関するものである。特許文献1では、ガイド部材の装着位置ごとに品物の大きさを示す刻印が形成されている。特許文献1は、そのような構成とすることで、ガイド部材の誤装着を惹起することなくガイド部材を容易に装着することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-93325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術は次のような点で十分ではない。特許文献1の技術では、装置内における取付け位置を示す刻印を形成することで作業者が取付け位置を認識できるようにしている。しかし、特許文献1の技術では、部材の取付け用の穴を形成し、さらに、取付け用の穴の位置を識別する刻印を形成する必要があり、製造工程が増加する。そのため、特許文献1の技術は、複雑な製造工程を必要とすることなく装置内における部材の取付け位置を容易に認識するための技術としては十分ではない。
【0008】
本発明は、製造工程を複雑化することなく部材の取付け位置を容易に認識することができるラックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明のラックは、複数の装置を垂直方向に並んだ状態で内部に保持するラックである。本発明のラックは、1組の支柱と、複数の取付け穴を備えている。支柱は、装置の水平方向の両端となる位置に、長手方向が垂直方向となるようにそれぞれ備えられている。取付け穴は、複数の装置を、装置ごとに保持する治具を取り付ける穴として、支柱に垂直方向の位置に基づいた形状で形成され、支柱間において垂直方向の位置が互いに対応する位置に形成されている。
【0010】
本発明の収納方法は、複数の装置を垂直方向に並んだ状態でラックの内部に保持する収納方法である。本発明の収納方法は、1組の支柱に、複数の装置を、装置ごとに保持する治具を取り付ける穴として、支柱に垂直方向の位置に基づいた形状を有している取付け穴を、支柱間において垂直方向の位置が互いに対応する位置に複数、形成する。1組の支柱は、装置の水平方向の両端となる位置に、長手方向が垂直方向となるようにそれぞれ備えられている。本発明の収納方法は、取付け穴に取り付けた治具で装置を保持する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、製造工程を複雑化することなくラック内における部材の取付け位置を容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態の構成の概要を示す図である。
図2】本発明の第2の実施形態のラックの構成を示す図である。
図3】本発明の第2の実施形態のラックの構成の一部を拡大して示す図である。
図4】本発明の第2の実施形態のラックにサーバを搭載した状態を模式的に示した図である。
図5A】本発明の第2の実施形態のラックに取付けられるガイドの構成を示す正面図である。
図5B】本発明の第2の実施形態のラックに取付けられるガイドの構成を示す左側面図である。
図5C】本発明の第2の実施形態のラックに取付けられるガイドの構成を示す平面図である。
図6A】本発明の第3の実施形態のガイドの構成を示す正面図である。
図6B】本発明の第3の実施形態のガイドの構成を示す左側面図である。
図6C】本発明の第3の実施形態のガイドの構成を示す平面図である。
図7】本発明の第3の実施形態のガイドを用いてラックにサーバを搭載した状態を模式的に示した図である。
図8】本発明の第4の実施形態のラックの構成を示す図である。
図9】本発明の第4の実施形態のラックの構成の一部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態のラックの構成の概要を示した図である。
【0014】
本実施形態のラックは、複数の装置を垂直方向に並んだ状態で内部に保持するラックである。本実施形態のラックは、1組の支柱1と、複数の取付け穴2を備えている。支柱1は、装置の水平方向の両端となる位置に、長手方向が垂直方向となるようにそれぞれ備えられている。取付け穴2は、複数の装置を、装置ごとに保持する治具を取り付ける穴として、支柱1に垂直方向の位置に基づいた形状で形成され、支柱1間において垂直方向の位置が互いに対応する位置に形成されている。
【0015】
本実施形態のラックは、支柱1に形成された取付け穴2が垂直方向の位置に基づいて設定された形状を有している。そのため、サーバ等の装置を保持する治具である部材を取付ける際に、取付け穴2の垂直方向の位置を容易に認識することができる。また、本実施形態のラックでは、取付け穴2の形状で垂直方向の位置を示しているため、取付け穴2を形成する際に垂直方向の位置の情報を同時に付与することができるので、製造工程が複雑化することはない。その結果、本実施形態のラックを用いることで、製造工程を複雑化することなく部材の取付け位置を容易に認識することができる。
【0016】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態のラック10の構成の概要を示したものである。また、図3は、ラック10の一部を拡大して示した図である。本実施形態のラック10は、サイドレール等の部材をマウント用の治具として用いて内部に複数のサーバ等を垂直方向に並んだ状態で搭載するラックである。
【0017】
本実施形態のラック10は、EIA(Electronic Industries Alliance)の規格に基づいた大きさのユニットが搭載できるように設計されている。垂直方向の1Uに相当する範囲内には、3つの取付け穴が形成され、搭載するユニットに応じた位置にマウント用の自具を取付けることができる。
【0018】
本実施形態のラック10は、ラック本体11と、支柱12と、取付け穴13と、マーク14を備えている。
【0019】
ラック本体11は、ラック10の構造材としての機能と、内部に搭載されているサーバ等を保護するカバーとしての機能を有する箱型の筐体である。
【0020】
支柱12は、ラック本体11の前面の両側に2本の支柱12を1組として備えられている。2本の支柱12は、ラック10にサーバ等を搭載した際に、サーバ等の水平方向の両端付近となる位置に備えられている。2本の支柱12には、それぞれ垂直方向に複数の取付け穴13が形成されている。それぞれの取付け穴13の垂直方向の位置は両側の支柱12で互いに対応している。すなわち、2本の支柱12の対応する取付け穴13にそれぞれサイドレールを取り付けた際に、サイドレールによって保持されるサーバ等が水平になるように取付け穴13が形成されている。ラック本体11および支柱12は、ステンレス等の金属によって形成されている。ラック本体11および支柱12は、金属と樹脂等の複合材によって形成されていてもよい。
【0021】
取付け穴13は、支柱12上に複数、形成されている。本実施形態の取付け穴13は、1段目取付け穴13-1、2段目取付け穴13-2および3段目取付け穴13-3の3種類の形状の穴として支柱12に形成されている。
【0022】
取付け穴13は、1Uごとの位置を示すマーク14間に、下側から1段目取付け穴13-1、2段目取付け穴13-2および3段目取付け穴13-3の順に形成されている。すなわち、取付け穴13は、1U内の3つの穴同士は形状が異なるが、3つ周期で同一形状となるように形成されている。取付け穴13は、1段目取付け穴13-1は、切り欠き部が1つ、2段目取付け穴13-2は切り欠き部が2つ、3段目取付け穴13-3は、切り欠き部が3つ形成され、1U内の位置が目視によって確認できるように形成されている。また、切り欠き部とは、取付け穴13の外形を四角形とみなした場合にその外周よりも外側に角穴として形成されている開口部のことをいう。
【0023】
本実施形態の取付け穴13は、垂直方向に対して3つ周期で同一の形状の穴が現れるように形成されているが、1Uに対応する3の倍数であれば周期は3つ以外であってもよい。例えば、繰り返し周期を6つとすることで2U分を占有するサーバ等を搭載する際にサイドレール等の治具を設置するときの作業性が向上する。また、本実施形態のラックはEIA規格に基づいて1U内の取付け穴の数および各寸法が設定されているが、各寸法や1Uに相当する範囲内の取付け穴の数は、他の規格や設計値に基づくものであってもよい。
【0024】
本実施形態の取付け穴13は、取付け穴13の垂直方向の位置を切り欠き部の位置と数で表しているが、位置を目視で認識できるものであれば位置の表示方法は、他の形式であってもよい。例えば、取付け穴13の垂直方向の位置を切り欠き部の位置を変化させて表してもよく、位置によって切り欠き部の形状を変えることで表してもよい。
【0025】
マーク14は、1Uごとの位置を示すように支柱12に形成されている。本実施形態のラック10は、1Uにつき3段の取付け部を有するので、マーク14は、3段ごとに形成されている。マーク14は、印刷や刻印によって形成されている。図2および図3では、マーク14は、○印で示されているが、目視で認識できるマークであれば他の形状であってもよい。また、マーク14は、印刷や刻印による○印に代えて、支柱12に穴を開けることで形成されていてもよい。
【0026】
本実施形態のラック10にサーバを搭載する方法について説明する。図4は、本実施形態のラック10に、ガイド20を取付け、ガイド20でサーバ100を保持することでサーバ100をラック10に搭載した例を模式的に示したものである。
【0027】
また、図5A図5Bおよび図5Cは、ガイド20の構成の例を模式的に示したものである。図5Aは、ガイド20の正面図である。図5Bは、ガイド20の左側面のうち一部を示した左側面図である。図5Cは、ガイド20の平面図である。図5A図5Bおよび図5Cは、左側の支柱12に取り付けるガイド20の例を示しているが、右側の支柱12に取付けるガイドは、左右対称になるのみで構造は左側用と同一である。
【0028】
図5A図5Bおよび図5Cのガイド20は、前面部21と、下受部22と、側面部23と、ねじ穴部24を備えている。前面部21は、支柱12と重ね合わせ、ねじ30によって支柱12に固定される部位である。下受部22は、サーバ100の下面等を保持する部位である。側面部23は、サイドレールとしての機能を有する。ねじ穴部24は、ねじ30によって前面部21を支柱12に固定する際のねじ穴である。
【0029】
始めに、ガイド20が、ラック本体11の左右の支柱12に、あらかじめ設定された取付け穴13にねじ30によって固定される。図4の例では、ガイド20が1段目取付け穴13-1および3段目取付け穴13-3にねじ30によって固定されている。ガイド20は、両側の支柱12の同じ高さにそれぞれ取付けられる。図4の例では、ガイド20の取り付けを行う際に、作業者が1段目取付け穴13-1および3段目取付け穴13-3を確認し、確認した位置に合わせてガイド20を取り付ける。
【0030】
左右の支柱へのガイド20の取付けが行われると、サーバ100がガイド20にセットされ、サーバ100のラック10への搭載が完了する。図4の例では、サーバ100が1台のみ搭載されているが、必要に応じて複数のサーバが同様にガイドを取付けることで搭載される。また、ラック10には、サーバ以外にストレージ装置、電源装置および通信装置等の情報システムや通信システムを形成する装置が同様に搭載されていてもよい。
【0031】
また、図4の例では、1Uの大きさに相当するサーバ100を、ガイド20を用いてラック10に搭載する例を示したが2U分等の他の大きさの装置を搭載してもよい。また、図4図5A図5Bおよび図5Cでは、1U内の1段目取付け穴13-1および3段目取付け穴13-3を用いてねじ30で固定しているが、ねじ30で固定する際に用いる取付け穴13は、2段目取付け穴13-2を用いてもよく、取付け穴13の他の組み合わせであってよい。
【0032】
本実施形態のラック10は、支柱12に形成された取付け穴13が1U内の垂直方向の位置に基づいた形状を有している。そのため、サーバ100等の装置を保持する治具であるサイドレール等の部材を取付ける際に、取付け穴13の垂直方向の位置を容易に認識することができる。また、本実施形態のラック10では、取付け穴13の形状で垂直方向の位置を示しているため、取付け穴13を形成する際に垂直方向の位置の情報を同時に付与することができるので、製造工程が複雑化することはない。その結果、本実施形態のラック10を用いることで、製造工程を複雑化することなく部材の取付け位置を容易に認識することができる。
【0033】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図6A図6Bおよび図6Cは、本実施形態のガイド40の構成の概要を示したものである。図6Aは、ガイド40の正面図である。図6Bは、ガイド40の左側のうち一部を示す左側面図である。また、図6Cは、ガイド40の平面図である。図6A図6Bおよび図6Cは、左側の支柱12に取り付けるガイド40の例を示しているが、右側の支柱12に取付けるガイドは、左右対称になるのみで構造は左側用と同一である。また、本実施形態のガイド40は、第2の実施形態のラック10に取付けて使用するため、図2および図3も参照して以下の説明を行う。
【0034】
第2の実施形態ではラック10の取付け穴13の形状を作業者が確認してガイドの取付けを行っているが、本実施形態のガイド40は、取付け穴13に合わせて形状が加工され、あらかじめ定められた位置以外には取付けを行えないことを特徴とする。
【0035】
本実施形態のガイド40は、前面部41と、下受部42と、側面部43と、突起部44と、ねじ穴部45を備えている。
【0036】
前面部41は、ねじを用いて支柱12にガイド40を固定する際に、支柱12と平面で重ね合わせる部位である。下受部42は、ラック10に搭載されるサーバ等の下面を保持する。側面部43は、ラック10に取り付けられた際に奥行き方向に長手方向を有し、サイドレールとしての機能を有する。
【0037】
突起部44は、取付け穴13の1U内の位置を示す切り欠き形状に合わせて形成されている。1段目取付け穴13-1は切り欠き部を1つ、2段目取付け穴13-2は切り欠き部を2つ、3段目取付け穴13-3は切り欠き部を3つ有している。そのため、突起部44は、1段目取付け穴13-1に対応する位置に1つ、2段目取付け穴13-2に対応する位置に2つ、3段目取付け穴13-3に対応する位置に3つ形成されている。そのため、本実施形態のガイド40は、突起部44と取付け穴13が対応する位置に合わせないとラック10に取付けることはできない。
【0038】
ねじ穴部45は、前面部41に形成され支柱12にガイド40を固定する際にねじを通す穴である。
【0039】
本実施形態のガイド40のラック10への取付け方法について説明する。図7は、本実施形態のガイド40をラック10に取付け、ガイド40でサーバ100を保持することでサーバ100をラック10に搭載した例を模式的に示したものである。
【0040】
ガイド40は、第2の実施形態と同様にラック10に取り付けられる。本実施形態のガイド40は、1段目取付け穴13-1、2段目取付け穴13-2および3段目取付け穴13-3の切り欠き部に合うように突起部44が形成されている。そのため、作業者は、取付け穴13の切り欠き部の形状とガイド40の突起部44の形状が合うようにガイド40をラック10の支柱12に取り付けねじ30で固定する。ガイド40のラック10への取り付けを行う際に、作業者は取付け穴13の切り欠き部と突起部44の位置を合わせることで取り付け位置の間違い等を抑制することができる。
【0041】
ラック10にガイド40が固定されると、サーバ100がガイド40にセットされ、サーバ100のラック10への搭載が完了する。図7の例では、サーバ100が1台のみ搭載されているが、必要に応じて複数のサーバが同様にガイドを取付けることで搭載される。また、ラック10には、サーバ以外にストレージ装置、電源装置および通信装置等の情報システムや通信システムを形成する装置が同様に搭載されていてもよい。また、図7の例では、1Uの大きさに相当するサーバ100を、ガイド40を用いてラック10に搭載する例を示したが2U分等の他の大きさの装置を搭載してもよい。
【0042】
本実施形態のガイド40は、ガイド40が取付けられている部分の取付け穴13すべてに対応するように突起部44が形成されている。そのような構成に代えて、突起部44は、最下段の1段目取付け穴13-1と、最上段の3段目取付け穴13-3のように一部の取付け穴13に対応するように形成されていてもよい。そのような構成とする場合には、突起部44を最下段と最上段の取付け穴13の切り欠き部に対応するように形成することで取付け間違いの防止の効果が向上する。
【0043】
本実施形態のガイド40をラック10へサーバを搭載する際の取付け治具として用いることで第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態のガイド40とラック10は、取付け位置において突起部44の配置と取付け穴13の形状が一致するように設計されているので、ガイド40の取付け時の取付け間違いの発生が防止され、作業性がより向上する。
【0044】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図8は、本実施形態のラック50の構成の概要を示した図である。また、図9は、ラック50の一部を拡大して示した図である。本実施形態のラック50は、第2実施形態のラック50と同様に、サイドレール等の部材をマウント用の治具として用いて内部に複数のサーバ等を垂直方向に並んだ状態で搭載するラックである。また、本実施形態のラック50は、第2の実施形態のラック10と同様に、EIAの規格に基づいて設計されている。
【0045】
第2の実施形態のラック10は、取付け穴13の一部の形状によって取付け穴13の1U内の垂直方向の位置を示している。そのような構成に代えて、本実施形態のラック50は、取付け穴とは独立した部分の形状で、取付け穴の1U内の垂直方向の位置を示していることを特徴とする。
【0046】
本実施形態のラック50は、ラック本体51と、支柱52と、取付け穴53と、取付け位置マーク54と、マーク55を備えている。本実施形態のラック本体51およびマーク55の構成と機能は、第2の実施形態の同名称の部位と同様である。
【0047】
支柱52は、ラック本体51の両側に備えられ、それぞれ垂直方向に複数の取付け穴53および取付け位置マーク54が形成されている。それぞれの取付け穴53および取付け位置マーク54の垂直方向の位置は両側の支柱52で互いに対応している。支柱52は、第2の実施形態の支柱12と同様の材料によって形成されている。
【0048】
取付け穴53は、支柱52上に複数、形成されている。図9では、1U内の取付け穴53を、1段目取付け穴53-1、2段目取付け穴53-2および3段目取付け穴53-3としてそれぞれ示している。本実施形態の取付け穴53は、位置によらず同一の形状となるように形成されている。すなわち、1段目取付け穴53-1、2段目取付け穴53-2および3段目取付け穴53-3は、同一の形状である。
【0049】
取付け位置マーク54は、1Uごとの位置を示すマーク55間に取付け穴53に対応するように、下側から1段目取付け位置マーク54-1、2段目取付け位置マーク54-2および3段目取付け位置マーク54-3の順に形成されている。取付け位置マーク54は、1段目取付け位置マーク54-1は、長方形の穴が1つ、2段目取付け位置マーク54-2は、長方形の穴が2つ、3段目取付け位置マーク54-3は、長方形の穴が3つ形成されている。
【0050】
取付け位置マーク54の形状は、長方形以外であってもよい。例えば、取付け位置マーク54の形状は、円や正方形などであってもよい。また、1つの取付け穴53に対応する取付け位置マーク54は、水平方向に並べられていてもよい。また、取付け穴53の垂直方向の位置に応じて取付け位置マーク54の形状を変えることで、1U内の取付け穴53の垂直方向の位置を示してもよい。
【0051】
本実施形態のラック50には、第2の実施形態と同様にガイドが取り付けられ、サーバ等が搭載される。ガイドの取り付けを行う際に、作業者は、取付け位置マーク54を確認し、あらかじめ定められた位置に合わせてガイドを取り付ける。そのため、本実施形態のラック50を用いることで取り付け位置の間違い等を抑制することができる。また、取付け位置マーク54を穴として形成することで、取付け穴53と同一工程で形成することができるため、ラック50の製造工程の複雑化を防止することができる。
【0052】
第2乃至第4の実施形態では、取付け穴が正方形の形状の例を示しているが、取付け穴は長方形や四角形以外の多角形、円形または楕円形などであってもよい。また、第4の実施形態のラック50に用いるガイドを、第3の実施形態と同様に突起部を有する形状としてもよい。そのような構成とする場合には、ガイドの前面部の全体または一部を取付け位置マークの部分まで覆うようにして突起部が形成される。そのような構成のガイドを用いることで、取付け位置の間違いを防止し、作業性をより向上することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 支柱
2 取付け穴
10 ラック
11 ラック本体
12 支柱
13 取付け穴
13-1 1段目取付け穴
13-2 2段目取付け穴
13-3 3段目取付け穴
14 マーク
20 ガイド
21 前面部
22 下受部
23 側面部
24 ねじ穴部
30 ねじ
40 ガイド
41 前面部
42 下受部
43 側面部
44 突起部
45 ねじ穴部
50 ラック
51 ラック本体
52 支柱
53 取付け穴
53-1 1段目取付け穴
53-2 2段目取付け穴
53-3 3段目取付け穴
54 取付け位置マーク
54-1 1段目取付け位置マーク
54-2 2段目取付け位置マーク
54-3 3段目取付け位置マーク
55 マーク
100 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9