IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コクヨ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-シート積層体 図1
  • 特許-シート積層体 図2
  • 特許-シート積層体 図3
  • 特許-シート積層体 図4
  • 特許-シート積層体 図5
  • 特許-シート積層体 図6
  • 特許-シート積層体 図7
  • 特許-シート積層体 図8
  • 特許-シート積層体 図9
  • 特許-シート積層体 図10
  • 特許-シート積層体 図11
  • 特許-シート積層体 図12
  • 特許-シート積層体 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】シート積層体
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/40 20180101AFI20221018BHJP
   C09J 7/21 20180101ALI20221018BHJP
【FI】
C09J7/40
C09J7/21
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018049660
(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公開番号】P2019157075
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(72)【発明者】
【氏名】荒木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 啓二
(72)【発明者】
【氏名】小林 彰吾
【審査官】藤田 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-152267(JP,A)
【文献】特開2014-237055(JP,A)
【文献】特開2007-328366(JP,A)
【文献】特表2006-514335(JP,A)
【文献】登録実用新案第3050821(JP,U)
【文献】特開2001-212171(JP,A)
【文献】特開昭63-19358(JP,A)
【文献】特開2009-28137(JP,A)
【文献】特開昭55-116780(JP,A)
【文献】特開2018-105933(JP,A)
【文献】国際公開第2010/071104(WO,A1)
【文献】特開2007-298752(JP,A)
【文献】登録実用新案第3176046(JP,U)
【文献】実開平1-87141(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00- 43/00
C09J 7/00- 7/50
G09F 1/00- 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の幅方向と交わる方向に延びており切断可能に構成されているまたは切断されている中間分離線を有する剥離シートと、
前記中間分離線を跨いでおり、剥がすことが可能となるように前記剥離シートに貼付されている接着シートと、
を備え、
前記幅方向の一方である第1側の前記接着シートの端部から前記第1側の前記剥離シートの端部までの第1余白部分の前記幅方向の平均長さは、前記幅方向の他方である第2側の前記接着シートの端部から前記第2側の前記剥離シートの端部までの第2余白部分の前記幅方向の平均長さよりも短く、
前記第1余白部分と前記第2余白部分の面積比(前記第1余白部分の面積/前記第2余白部分の面積)は、1/3以上2/3以下である、
シート積層体。
【請求項2】
所定の幅方向と交わる方向に延びており切断可能に構成されているまたは切断されている中間分離線を有する剥離シートと、
前記中間分離線を跨いでおり、剥がすことが可能となるように前記剥離シートに貼付されている接着シートと、
を備え、
前記幅方向の一方である第1側の前記接着シートの端部から前記第1側の前記剥離シートの端部までの第1余白部分の前記幅方向の平均長さは、前記幅方向の他方である第2側の前記接着シートの端部から前記第2側の前記剥離シートの端部までの第2余白部分の前記幅方向の平均長さよりも短く、
前記剥離シートにおける前記中間分離線は、前記接着シートの前記幅方向における中央を通過している、
シート積層体。
【請求項3】
所定の幅方向と交わる方向に延びており切断可能に構成されているまたは切断されている中間分離線を有する剥離シートと、
前記中間分離線を跨いでおり、剥がすことが可能となるように前記剥離シートに貼付されている接着シートと、
を備え、
前記幅方向の一方である第1側の前記接着シートの端部から前記第1側の前記剥離シートの端部までの第1余白部分の前記幅方向の平均長さは、前記幅方向の他方である第2側の前記接着シートの端部から前記第2側の前記剥離シートの端部までの第2余白部分の前記幅方向の平均長さよりも短く、
前記剥離シートの前記中間分離線に沿うように並んだ前記接着シートを複数備えており、
前記剥離シートは、前記中間分離線が延びる方向において前記接着シートと交互に並ぶように設けられた複数の第1横分離線を有し、
複数の前記第1横分離線は、少なくとも前記第1側の端部から前記中間分離線まで延びており、
前記第1横分離線は、切断可能に構成されているかまたは切断されており、
前記第1横分離線は、切断されている、
シート積層体。
【請求項4】
所定の幅方向と交わる方向に延びており切断可能に構成されているまたは切断されている中間分離線を有する剥離シートと、
前記中間分離線を跨いでおり、剥がすことが可能となるように前記剥離シートに貼付されている接着シートと、
を備え、
前記幅方向の一方である第1側の前記接着シートの端部から前記第1側の前記剥離シートの端部までの第1余白部分の前記幅方向の平均長さは、前記幅方向の他方である第2側の前記接着シートの端部から前記第2側の前記剥離シートの端部までの第2余白部分の前記幅方向の平均長さよりも短く、
前記剥離シートの前記中間分離線に沿うように並んだ前記接着シートを複数備えており、
前記剥離シートは、前記中間分離線が延びる方向において前記接着シートと交互に並ぶように設けられた複数の第1横分離線を有し、
複数の前記第1横分離線は、少なくとも前記第1側の端部から前記中間分離線まで延びており、
前記第1横分離線は、切断可能に構成されているかまたは切断されており、
前記剥離シートの前記中間分離線は、切断可能に構成されており、
前記剥離シートは、前記接着シート同士の間の少なくとも一部に設けられており、少なくとも前記第2側の端部から前記中間分離線まで延びている第2横分離線を有しており、
前記第2横分離線は、切断可能に構成されており、
前記中間分離線は、前記第2横分離線よりも少ない力で切断可能となるように構成されている、
シート積層体。
【請求項5】
所定の幅方向と交わる方向に延びており切断可能に構成されているまたは切断されている中間分離線を有する剥離シートと、
前記中間分離線を跨いでおり、剥がすことが可能となるように前記剥離シートに貼付されている接着シートと、
を備え、
前記幅方向の一方である第1側の前記接着シートの端部から前記第1側の前記剥離シートの端部までの第1余白部分の前記幅方向の平均長さは、前記幅方向の他方である第2側の前記接着シートの端部から前記第2側の前記剥離シートの端部までの第2余白部分の前記幅方向の平均長さよりも短く、
前記剥離シートは、前記接着シートよりも分厚い、
シート積層体。
【請求項6】
所定の幅方向と交わる方向に延びており切断可能に構成されているまたは切断されている中間分離線を有する剥離シートと、
前記中間分離線を跨いでおり、剥がすことが可能となるように前記剥離シートに貼付されている接着シートと、
を備え、
前記幅方向の一方である第1側の前記接着シートの端部から前記第1側の前記剥離シートの端部までの第1余白部分の前記幅方向の平均長さは、前記幅方向の他方である第2側の前記接着シートの端部から前記第2側の前記剥離シートの端部までの第2余白部分の前記幅方向の平均長さよりも短く、
前記接着シートは、和紙を含んで構成されている、
シート積層体。
【請求項7】
所定の幅方向と交わる方向に延びており切断可能に構成されているまたは切断されている中間分離線を有する剥離シートと、
前記中間分離線を跨いでおり、剥がすことが可能となるように前記剥離シートに貼付されている接着シートと、
を備え、
前記幅方向の一方である第1側の前記接着シートの端部から前記第1側の前記剥離シートの端部までの第1余白部分の前記幅方向の平均長さは、前記幅方向の他方である第2側の前記接着シートの端部から前記第2側の前記剥離シートの端部までの第2余白部分の前記幅方向の平均長さよりも短く、
前記接着シートは、前記第1側と前記第2側とをつなぐことを示す図形が示されており、複数の被着体同士をつなぐシールとして用いられる、
シート積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、剥離シートに貼付された状態の接着シートを、使用時に剥がして用いるものがある。
例えば、特許文献1(登録実用新案第3050821号公報)に記載の透明フィルムラベルシートのように、剥離シートに設けられた中央ミシン目の両側にまたがるように接着シートが貼付されており、当該中央ミシン目から剥離シート一側縁に向けて延びるように設けられた横ミシン目が接着シート毎に設けられたものが提案されている。
【0003】
この接着シートを使用する際には、接着シートを挟むように位置する両方の横ミシン目を切断し、中央ミシン目のうち当該横ミシン目の間の部分を切断しつつ、剥離シートのうちの切断した隣り合う横ミシン目の間の部分と当該部分に貼付されている接着シートとを一体として、剥離シートの残りの部分から接着シートを剥がしながら分離する。そして、接着シートのうち剥離シートに貼付されていない部分を被着体に貼り付け、最後に接着シートから全ての剥離シートを剥がしながら、接着シートの全体を被着体に貼り付ける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述の特許文献1に記載の透明フィルムラベルシートでは、剥離シートにおいて、中央ミシン目に垂直である幅方向における接着シートの両側部分に余白が設けられているが、当該幅方向における各余白の幅が同程度となっている。
【0005】
このため、剥離シートのうちの隣り合う横ミシン目の間の部分と当該部分に貼付されている接着シートとを一体として剥離シートの残りの部分から接着シートを剥がしながら分離して用いるという使用方法をユーザに理解させようとする場合に、当該一体とした部分を一方の腕の指で摘まみ、剥離シートの残りの部分のうち接着シートの無い余白部分を他の腕の指で摘まみながら分離するという操作を把握させにくい。
【0006】
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、剥離シートの一部と当該一部に貼付されている接着シートとを一体として剥離シートの残りの部分から接着シートを剥がしながら分離させる際の操作をユーザに促しやすいシート積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1観点に係るシート積層体は、剥離シートと、接着シートと、を備えている。剥離シートは、中間分離線を有している。中間分離線は、剥離シートの所定の幅方向と交わる方向に延びており、剥離シートを当該箇所において切断可能に構成されているまたは切断されている。接着シートは、中間分離線を跨いでおり、剥がすことが可能となるように剥離シートに貼付されている。第1余白部分の幅方向の長さは、第2余白部分の幅方向の長さよりも短い。第1余白部分は、剥離シートのうち、幅方向の一方である第1側の接着シートの端部から第1側の剥離シートの端部までをいう。第2余白部分は、剥離シートのうち、幅方向の他方である第2側の接着シートの端部から第2側の剥離シートの端部までをいう。
【0008】
なお、第1余白部分の幅方向の長さが一様ではない場合には、平均長さを意味する。第2余白部分の幅方向の長さについても同様である。
また、剥離シートが中間分離線において切断されている態様の場合には、剥離シートの中間分離線から第1側の部分と、剥離シートの中間分離線から第2側の部分とは、接着シートを介して一体となっていてもよい。
【0009】
このシート積層体では、剥離シートのうちの幅方向の一方である第1側の接着シートの端部から第1側の剥離シートの端部まで第1余白部分の幅方向の長さが、剥離シートのうちの幅方向の他方である第2側の接着シートの端部から第2側の剥離シートの端部まで第2余白部分の幅方向の長さよりも短い。このように、第1余白部分の幅方向の長さが比較的短いため、接着シートを剥離シートの第1側の部分と一体として中間分離線を介して分離させる際に、ユーザは、一方の腕の指で接着シートの第1側の部分と剥離シートの第1側の部分とを保持することになりやすい。また、第2余白部分の幅方向の長さが比較的長いため、ユーザは、接着シートの第2側の部分を避けて他方の腕の指で剥離シートの第2側の部分のうちの第2余白部分のみを保持することが容易になる。このため、剥離シートの一部と当該一部に貼付されている接着シートとを一体として剥離シートの残りの部分から接着シートを剥がしながら分離させる際の操作をユーザに促しやすい。
【0010】
第2観点に係るシート積層体は、第1観点に係るシート積層体であって、第1余白部分と第2余白部分の面積比(第1余白部分の面積/第2余白部分の面積)は、1/3以上2/3以下である。
【0011】
このシート積層体では、第2余白部分の面積を十分に確保しやすく、剥離シートの第1側の部分と当該部分に貼付されている接着シートとを一体として剥離シートの第2側の部分から接着シートに第2側の部分を剥がしながら分離させる際の操作性を向上させることができる。
【0012】
第3観点に係るシート積層体は、第1観点または第2観点に係るシート積層体であって、剥離シートにおける中間分離線は、接着シートの幅方向における中央を通過している。
ここで、接着シートの幅方向における中央とは、接着シートの幅方向おける一端から他端までの距離の35%以上65%以下の部分をいう。
【0013】
このシート積層体では、剥離シートの幅方向における中間分離線の第1側と第2側の大きさは非対象となる場合であっても、接着シートは中間分離線に対して対象的に設けることが可能になる。これにより、剥離シートの第1側の部分と当該部分に貼付されている接着シートの部分とを一体として分離した状態でも、接着シートの第2側の部分に十分な接着面積を確保させやすい。
【0014】
第4観点に係るシート積層体は、第1観点から第3観点のいずれかに係るシート積層体であって、剥離シートの中間分離線に沿うように並んだ接着シートを複数備えている。剥離シートは、中間分離線が延びる方向において接着シートと交互に並ぶように設けられた複数の第1横分離線を有している。複数の第1横分離線は、少なくとも第1側の端部から中間分離線まで延びている。第1横分離線は、切断可能に構成されているかまたは切断されている。
【0015】
このシート積層体では、剥離シートに設けられた中間分離線を、各接着シートを分離する線として共用することが可能になる。
第5観点に係るシート積層体は、第4観点に係るシート積層体であって、第1横分離線は、切断されている。
【0016】
このシート積層体では、第1横分離線が切断された状態であるため、剥離シートの第1側の部分と当該部分に貼付されている接着シートの部分とを一体として分離する作業をユーザに想起させやすい。
【0017】
第6観点に係るシート積層体は、第4観点または第5観点に係るシート積層体であって、剥離シートの中間分離線は、切断可能に構成されている。剥離シートは、接着シート同士の間の少なくとも一部に設けられており、少なくとも第2側の端部から中間分離線まで延びている第2横分離線を有している。第2横分離線は、切断可能に構成されている。中間分離線は、第2横分離線よりも少ない力で切断可能となるように構成されている。
【0018】
このシート積層体では、接着シートが破れやすい素材であったとしても、中間分離線を切断するのに必要な力を小さく抑えることが可能になるため、接着シートに過度な力が作用することを抑えて、接着シートの破断を抑制することが可能になる。このため、接着シートを構成する材料として選択可能な材料の種類を広げることが可能になる。また、第2横分離線の分離には、中間分離線において剥離シートを分離するよりも比較的大きな力が必要となるため、製造時に剥離シートが第2横分離線において破断することを抑制することが可能になる。
【0019】
第7観点に係るシート積層体は、第1観点から第6観点のいずれかに係るシート積層体であって、剥離シートは、接着シートよりも分厚い。
このシート積層体では、剥離シートの第1側の部分と当該部分に貼付されている接着シートの部分とを一体として、剥離シートの第2側の部分から接着シートの第2側の部分を剥がしながら分離させた後、剥離シートの第1側の部分と接着シートとの一体化物を用いて接着シートの第2側の部分をシート状の被着体に貼り付ける際に、剥離シートの第1側の部分の第2側端部を被着体の一部にあてた状態で貼り付けやすい。
【0020】
第8観点に係るシート積層体は、第1観点から第7観点のいずれかに係るシート積層体であって、接着シートは、和紙を含んで構成されている。
このシート積層体では、接着シートの折り曲げが容易になるとともに、接着シートの破断を抑制することが可能になる。
【0021】
第9観点に係るシート積層体は、第1観点から第8観点のいずれかにシート積層体であって、接着シートは、第1側と第2側とをつなぐことを示す図形が示されており、複数の被着体同士をつなぐシールとして用いられる。
【0022】
このシート積層体では、接着シートの第1側をある被着体に貼り付け、接着シートの第2側を他の被着体に貼り付けることで、複数の被着体同士を繋ぐことが可能になるとともに、接着シートをそのように用いることをユーザに理解させやすい。
【0023】
付記1に係るシート積層体は、剥離シートと、複数の接着シートと、を備えている。剥離シートは、中間分離線を有している。中間分離線は、剥離シートの所定の幅方向と交わる方向に延びており、切断可能に構成されているまたは切断されている。複数の接着シートは、剥がすことが可能となるように剥離シートに貼付されている。複数の接着シートは、中間分離線に沿うように並んでいる。複数の接着シートは、それぞれ中間分離線を跨ぐように剥離シートに設けられている。剥離シートは、複数の第1横分離線を有している。複数の第1横分離線は、中間分離線が延びる方向において接着シートと交互に並ぶように設けられている。複数の第1横分離線は、少なくとも幅方向の一方である第1側の端部から中間分離線まで延びている。第1横分離線は、切断可能に構成されているかまたは切断されている。
【0024】
このシート積層体では、接着シートを剥離シートの第1側の部分と一体として、中間分離線を介して、剥離シートの第1側とは反対側の部分から分離させる作業を容易に行うことが可能になる。
【0025】
付記2に係るシート積層体は、所定の幅方向と交わる方向に延びている中間分離線を有する剥離シートと、中間分離線を跨いでおり、剥がすことが可能となるように剥離シートに貼付されている複数の接着シートと、を備えている。複数の接着シートは、剥離シートの中間分離線に沿うように並んで設けられている。剥離シートは、接着シート同士の間毎に設けられており、少なくとも第1側の端部から中間分離線まで延びている複数の第1横分離線を有している。第1側は、幅方向の一方である。第1横分離線は、切断可能に構成されているかまたは切断されている。剥離シートは、接着シート同士の間の少なくとも一部に設けられており、少なくとも第2側の端部から中間分離線まで延びている第2横分離線を有している。第2側は、幅方向の他方であり、第1側とは反対側である。第2横分離線は、切断可能に構成されている。中間分離線は、第2横分離線よりも少ない力で切断可能となるように構成されているか切断されている。
【0026】
このシート積層体は、接着シートが破れやすい素材であったとしても、剥離シートの中間分離線に対する第1側と第2側とを容易に分離できるため、接着シートに過度な力が作用することを抑えて、接着シートの破断を抑制することが可能になる。このため、接着シートを構成する材料として選択可能な材料の種類を広げることが可能になる。また、第2横分離線の分離には、中間分離線において剥離シートを分離するよりも比較的大きな力が必要となるため、製造時に剥離シートが第2横分離線において破断することを抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0027】
本願発明に係るシート積層体では、剥離シートの一部と当該一部に貼付されている接着シートとを一体として剥離シートの残りの部分から接着シートを剥がしながら分離させる際の操作をユーザに促しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】シート積層体(折り曲げられていない状態)の概略平面図である。
図2】シート積層体(折り曲げられた状態)の幅方向視の概略側面図である。
図3】シート積層体の長手方向視の概略側面図である。
図4】接着シートを剥がし取る様子を示すシート積層体の長手方向視の概略側面図である。
図5】剥がし取られた接着シートと第1剥離部分との一体物の平面図である。
図6】剥がし取られた接着シートと第1剥離部分との一体物をプリントに貼り付ける際の位置決めの様子を説明する断面図である。
図7】複数のプリントが接着シートによってつながれた様子を示す断面図である。
図8】複数のプリントが接着シートによってつながれた様子を示す平面図である。
図9】プリントが接着シートによってノートにつながれた様子を示す平面図である。ある。
図10】変形例Aに係るつなげることを示す絵柄が示された接着シートを用いて複数のプリントをつないだ様子を示す平面図である。
図11】変形例Bに係るシート積層体の概略平面図である。
図12】変形例Cに係るシート積層体の概略平面図である。
図13】接着シートをインデックスとして用いた場合の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係るシート積層体の実施形態およびその変形例について、図面に基づいて説明する。なお、本発明に係るシート積層体の具体的な構成は、下記の実施形態およびその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0030】
(1)シート積層体10
図1は、シート積層体10(折り曲げられていない状態)の概略平面図である。図2は、シート積層体10(折り曲げられた状態)の幅方向視の概略側面図である。図3は、シート積層体10の長手方向視の概略側面図である。
【0031】
シート積層体10は、剥離シート20と、複数の接着シート30と、を備えている。接着シート30は、剥離シート20から剥がしとることで、被着体に貼り付けて用いられる。
【0032】
本実施形態のシート積層体10は、剥離シート20を所定の間隔で山折りおよび谷折することにより、図2に示すように折り込むように畳むことができ、シート積層体10をコンパクト化させることが可能になっている。
【0033】
本実施形態のシート積層体10の製造方法は、特に限定されないが、例えば、剥離シート20の全面が接着層付きシートで覆われたものを用意し、接着層付きシートにおける接着シート30の輪郭を構成する箇所に切れ込みを入れ、接着層付きシートのうち接着シート30を構成する部分以外の廃棄部分を剥離シート20から剥がして取り除くようにして製造してもよい。
【0034】
なお、以下の説明において、折り返されていない状態のシート積層体10または剥離シート20の長手方向(図1に示す上下方向)に垂直な方向を幅方向として説明する。ここで、幅方向のうち、図1において矢印で示す右側を第1側とし、図1において矢印で示す左側を第2側として説明する。
【0035】
(2)接着シート30
接着シート30は、基材層と、剥離シート20側に設けられた接着層と、を有して構成されている。基材層としては、接着シート30の破断を抑制できる観点から、和紙を含んでいることが好ましい。本実施形態の接着シート30は、接着層が剥離シート20側の全面にわたって設けられている。特に限定されないが、本実施形態の接着シート30は、平面視において略矩形の形状を有している。接着シート30の厚みは、例えば、30ミクロン以上90ミクロン以下である。
【0036】
接着シート30は、剥離シート20の長手方向に沿うように並んで剥離シート20に貼り付けられている。具体的には、接着シート30の幅方向の両端が、剥離シート20の幅方向の両端と並行となる姿勢で設けられている。
【0037】
接着シート30は、剥離シート20に貼り付けられた状態で、後述する剥離シート20の中間分離線27に対する第1側を構成する第1接着部分31と、中間分離線27に対する第2側を構成する第2接着部分32と、を有している。
【0038】
なお、本実施形態では、接着シート30にはミシン目等の分離可能な線は設けられていない。
(3)剥離シート20
剥離シート20は、紙に対して、接着シート30が貼り付けられる側において接着シート30を容易に剥がすことが可能となるようにコーティングが施されることで構成されている。剥離シート20は、一定の幅を保って長手方向に延びた形状を有している。剥離シート20の厚みは、接着シート30の厚みよりも分厚いことが好ましく、例えば、接着シート30の厚みの120%以上300%以下が好ましい。剥離シート20の厚みは、例えば、100ミクロン以上130ミクロン以下である。
【0039】
剥離シート20は、中間分離線27、第1剥離部分21、第2剥離部分22、第1横分離線28、第2横分離線29等を有している。
中間分離線27は、剥離シート20の幅方向における中心から第1側に偏った位置において、剥離シート20の長手方向に沿うように延びたマイクロミシン目である。この中間分離線27は、接着シート30が貼付されている箇所においても連なるように設けられている。なお、本実施形態では、中間分離線27は、接着シート30の幅方向における中心を通過している(すなわち、図1における長さxは長さyと等しい)。なお、中間分離線27上には、複数の接着シート30が並んで設けられているため、1つの中間分離線27を複数の接着シート30の分離に共用することが可能になっている。
【0040】
第1剥離部分21は、中間分離線27に対して第1側の部分を構成しており、剥離シート20の長手方向に沿って並ぶように複数設けられている。本実施形態では、1つの第1剥離部分21は、1つの接着シート30と1対1に対応するように設けられている。第1剥離部分21には、接着シート30のうちの第1接着部分31が積層されている。第1剥離部分21は、接着シート30のうちの第1接着部分31よりも第1側において、接着シート30が位置していない第1余白部分21aを有している。
【0041】
第1横分離線28は、剥離シート20の長手方向に並ぶ複数の第1剥離部分21同士の間において幅方向に延びるように設けられている。具体的には、第1横分離線28は、互いに隣り合う第1剥離部分21同士の間において剥離シート20の第1側端部から中間分離線27に至るまで幅方向に延びている。本実施形態では、第1横分離線28は、切断箇所として構成されている。すなわち、剥離シート20の長手方向において互いに隣り合う第1剥離部分21同士は、第1横分離線28において互いに分離されている。
【0042】
第2剥離部分22は、中間分離線27に対して第2側の部分を構成しており、剥離シート20の長手方向に沿って並ぶように複数設けられている。本実施形態では、1つの第2剥離部分22は、3つの接着シート30に対応するように設けられている。すなわち、第2剥離部分22は、剥離シート20の長手方向において、複数枚(ここでは3枚)の接着シート30に対応するように設けられている。第2剥離部分22には、接着シート30のうちの第2接着部分32が積層されている。第2剥離部分22は、接着シート30のうちの第2接着部分32よりも第2側において、接着シート30が位置していない第2余白部分22aを有している。
【0043】
第2横分離線29は、剥離シート20の長手方向に並ぶ複数の第2剥離部分22同士の間において幅方向に延びるように設けられている。具体的には、第2横分離線29は、互いに隣り合う第2剥離部分22同士の間において剥離シート20の第2側端部から中間分離線27に至るまで幅方向に延びている。本実施形態では、第2横分離線29は、中間分離線27を構成するマイクロミシン目よりも分離に力を要するミシン目によって構成されている。なお、本実施形態では、第2横分離線29は、剥離シート20の長手方向において第1横分離線28が設けられている位置に設けられており、第1横分離線28と幅方向において連なっている。このため、第1横分離線28と第2横分離線29とが連なっている箇所を交互に山折り谷折することで、図2に示すような形態に容易に折り畳むことが可能になっている。
【0044】
ここで、第1剥離部分21に設けられた第1余白部分21aの幅方向の長さA(図1参照)は、第2剥離部分22に設けられた第2余白部分22aの幅方向の長さB(図1参照)よりも短い。また、剥離シート20の長手方向における接着シート30が位置している部分に対応する部分の第1余白部分21aの面積と第2余白部分の面積との面積比(第1余白部分の面積/第2余白部分の面積)は、1/3以上2/3以下であることが好ましい。
【0045】
(4)接着シート30と第1剥離部分21との一体物の分離操作
図4に、接着シート30を剥がし取る様子を示すシート積層体10の長手方向視の概略側面図を示す。
【0046】
シート積層体10は、図3に示す状態から、図4に示す状態を介して、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30の第1接着部分31との一体物が、剥離シート20の第2剥離部分22から分離される。
【0047】
具体的には、ユーザは、例えば、一方の腕の指(例えば、図3、4に点線で示す親指と人差し指)によって剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30の第1接着部分31と厚み方向から摘まみ、他方の腕の指(例えば、図3、4に点線で示す親指と人差し指)によって剥離シート20の第2剥離部分22の第2余白部分22aのみを厚み方向から摘まみ、剥離シート20の中間分離線27を切断することができる。このように中間分離線27を切断し、接着シート30の第2接着部分32を剥離シート20の第2剥離部分22から剥がし取ることで、図5に示すような、剥離シート20のうちの第1剥離部分21と接着シート30との一体物が得られる。なお、図4では、剥離シート20の第2剥離部分22に接着シート30の第2接着部分32が接着したままの状態で剥離シート20の中間分離線27が完全に切断された剥がし取り方を示しているが、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30の第1接着部分31との一体物を、剥離シート20の第2剥離部分22に対してねじるようにして、剥離シート20の中間分離線27を一端側から順に切断しながら剥がし取るようにしてもよい。
【0048】
なお、剥離シート20の中間分離線27を切断する際には、中間分離線27の長手方向における一方側から他方側にかけて切断しつつ、接着シート30の第2接着部分32を剥離シート20の第2剥離部分22からめくり上げるようにすることで、接着シート30が中間分離線27に対応する箇所で破断してしまうことを防ぐことができる。
【0049】
(5)接着シート30と第1剥離部分21の一体物の貼り付け操作
図6に、剥がし取られた接着シート30と第1剥離部分21との一体物をプリントPに貼り付ける際の位置決めの様子を説明する断面図を示す。
【0050】
剥離シート20のうちの第1剥離部分21と接着シート30との一体物を、プリントPの一端に貼り付ける際には、図6の矢印に示すように、プリントPの端部Paに対して、剥離シート20の第1剥離部分21の中間分離線27が存在していた部分をあてがうようにすることで、接着シート30の幅方向における真ん中部分がプリントPの端部Pa真上に位置するようにして、プリントP上に接着シート30の第1接着部分31を貼り付けることが容易になる。ここで、剥離シート20の厚みが接着シート30の厚みよりも分厚く構成されていることで、接着シート30の第2接着部分32の接着層がプリントPに接してしまう前に、プリントPの端部Paに対して、剥離シート20の第1剥離部分21の中間分離線27が存在していた部分をあてがうことが容易になる。
【0051】
(6)接着シート30による被着体同士のつなぎ方
図7に、複数のプリントが接着シートによってつながれた様子を示す断面図を示す。
図6に示すように接着シート30の第1接着部分31が貼り付けられた後に、接着シート30から剥離シート20の第1剥離部分21を剥がし取ることで、接着シート30の第2接着部分32の接着面を露出させる。そして、図7に示すように、当該露出した接着シート30の第2接着部分32の接着面に、別の被着体(ここではプリントP)を接着させることで、被着体同士(ここではプリントP同士)をつなぐことが可能になる。
【0052】
なお、プリントP同士のつなぎ箇所が長い場合には、例えば、図8に示すように、複数個所に接着シート30を貼り付けてつなぐようにしてもよい。
また、接着シート30は、プリントP同士をつなぐ用途に限られず、図9に示すように、ノートNの一部に対してプリントPをつなぐ用途で用いてもよい。
【0053】
(7)本実施形態の特徴
本実施形態のシート積層体10では、剥離シート20のうちの第1余白部分21aの幅方向の長さAが、剥離シート20のうちの第2余白部分22aの幅方向の長さBよりも短く構成されている。このため、ユーザは、例えば、一方の腕の指(例えば、親指と人差し指)によって剥離シート20の第1剥離部分21を摘まみ、他方の腕の指(例えば、親指と人差し指)によって剥離シート20の第2剥離部分22を摘まもうとすると、第1剥離部分21に設けられた第1余白部分21aの幅が短いことから、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30の第1接着部分31とを同時に摘まむことになりやすく、第2剥離部分22に設けられた第2余白部分22aの幅が長いことから、剥離シート20の第2剥離部分22のみを(接着シート30の第2接着部分32を避けて)に摘まむことになりやすい。このため、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30とを一体として剥離シート20の残りの部分である第2剥離部分22から接着シートを剥がしながら分離させるという操作を、ユーザに促しやすい。これにより、例えば、ユーザが別異の手法により接着シート30を剥がしとってしまうことで、接着シート30が折れてしまうことや指紋が付着してしまうことも抑制可能となる。特に、第1余白部分21aの面積と第2余白部分の面積との面積比(第1余白部分の面積/第2余白部分の面積)を2/3以下とすることで、上述した操作をより促しやすくするとともに、1/3以上とすることで、第2余白部分22aの大きさが指で摘まむのに必要な大きさを超える不要な大きさとなることを防ぐことができる。
【0054】
また、本実施形態のシート積層体10では、剥離シート20に設けられた第2横分離線29を、中間分離線27を構成するマイクロミシン目よりも分離に大きな力を要するミシン目で構成している。このため、製造時や使用時において、剥離シート20の長手方向に張力が作用することがあっても、剥離シート20の第2横分離線29が破断しにくく、シート積層体10がばらばらになってしまうことを防ぐことが可能になっている。また、中間分離線27は、比較的切断しやすいマイクロミシン目によって構成されているため、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30とを一体化させて剥離シート20の第2剥離部分22から分離する際に、接着シート30に過度の力が作用しにくく、接着シート30の破断を抑制することが可能になっている。このため、本実施形態のシート積層体10によれば、接着シート30を構成する材料として選択可能な材料の種類を比較的破断しやすい材料まで広げることが可能になる。
【0055】
また、本実施形態のシート積層体10では、剥離シート20において既に切断された第1横分離線28が設けられている。このため、ユーザが剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30とを一体物として分離する際に、互いに隣り合う第1剥離部分21同士を分離する作業が不要となる。また、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30との一体物が、剥離シート20の第2剥離部分22から分離されやすい状態とすることができているため、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30との一体物を剥離シート20の第2剥離部分22から分離させて用いることをユーザに想起させやすい。
【0056】
また、本実施形態のシート積層体10では、接着シート30の幅方向における中央に剥離シート20の中間分離線27が位置している。このため、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30との一体物では、接着シート30の第1接着部分31のみが露出しているため、被着体同士をつなごうとする場合に接着シート30の面積を半分ずつバランス良く用いることが可能になる。
【0057】
(8)変形例
上記実施形態では、本発明の実施形態の一例を説明したが、上記実施形態はなんら本願発明を限定する趣旨ではなく、上記実施形態には限られない。本願発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で以下に述べるように適宜変更した態様についても含まれる。
【0058】
(8-1)変形例A
上記実施形態では、接着シート30の接着層とは反対側の面に特に絵柄や図形等が示されていることを不問とする場合を例に挙げて説明した。
【0059】
これに対して、例えば、図10に示すように、接着シート30において、プリントP同士がつなげられていることを示す絵柄や図形が示されていても良い。当該図10では、バインダを模したイラストを接着シート30に施した場合を例に挙げている。このような絵柄や図形としては、接着シート30の第1接着部分31に接着した被着物と、接着シート30の第2接着部分32に接着した被着物と、をつないでいることを示す絵柄や図形であることが好ましい。
【0060】
このように絵柄や図形が施されていることにより、ユーザに対して、シート積層体10の意図した用い方をより確実に促すことが可能になる。
(8-2)変形例B
上記実施形態では、剥離シート20の第1横分離線28が予め切断されており、第2横分離線29が複数の接着シート30に対して1つ設けられている構成のシート積層体10を例に挙げて説明した。
【0061】
これに対して、図11に示すシート積層体210のように、剥離シート20の第1横分離線28xを、切断されていないマイクロミシン目によって構成するようにしてもよい。この場合には、各接着シート30を分離する際に、第1横分離線28xのマイクロミシン目を切断する必要が生じるものの、剥離シート20の長手方向における強度を高めることが可能になる。
【0062】
また、図11に示すシート積層体210のように、第2横分離線29xがそれぞれの接着シート30に対応するように設けられていてもよい。この場合には、接着シート30を1つ使用する度に、剥離シート20のうち不要となった部分を分離して廃棄することが可能になる。
【0063】
(8-3)変形例C
上記実施形態では、接着シート30の幅方向における中央に剥離シート20の中間分離線27を通過させるように構成されたシート積層体10を例に挙げて説明した。
【0064】
これに対して、例えば、図12に示すシート積層体310のように、接着シート30の幅方向における中央ではない位置に剥離シート20の中間分離線27xを通過させるように構成してもよい。ここでは、接着シート30の第2側に剥離シート20の中間分離線27xが偏在している例を示している(すなわち、図12における長さxは長さyよりも長い)。当該例によれば、剥離シート20の中間分離線27xを、剥離シート20の幅方向における中央または中央近傍に位置させた場合であっても、第1余白部分21aの長さAを第2余白部分22aの長さBよりも短くすることが可能になる。
【0065】
また、このように接着シート30の第2側に剥離シート20の中間分離線27xを偏在させた場合には、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30との一体物を用いて被着体に接着シート30を貼り付ける場合に、第2接着部分32の幅方向の長さを半分以下に短く抑えることができる。このため、図13に示すように、ノートN等の被着物に対して接着シート30の第2接着部分32のみを貼り付けた後、接着シート30の幅方向の中央部分で折り曲げることで、接着シート30をインデックスとしても用いることが可能になる。
【0066】
(8-4)変形例D
上記実施形態では、剥離シート20の中間分離線27が切断可能なマイクロミシン目によって構成されている場合を例に挙げて説明した。
【0067】
これに対して、剥離シート20の中間分離線27が予め切断されている構成としてもよい。この場合には、剥離シート20の第1剥離部分21と第2剥離部分22とは接着シート30を介してつながっていることになるが、剥離シート20の第1剥離部分21と接着シート30との一体物を剥離シート20の第2剥離部分22から分離する作業がより容易になると共に、接着シート30に作用する力を小さくできるため接着シート30の破断を抑制することが可能になる。
【0068】
(8-5)変形例E
上記実施形態のシート積層体10は、接着層付きシートのうち接着シート30を構成する部分以外の廃棄部分を剥離シート20から剥がして取り除いた形態のものを例に挙げて説明した。
【0069】
これに対して、例えば、接着層付きシートのうち接着シート30を構成する部分以外の廃棄部分を剥離シート20から剥がし取ることなく、接着層付きシートにおける接着シート30の輪郭を構成する切れ込みが入った状態で、剥離シート20の全面が接着シート30を含む接着層付きシートで覆われた形態のものとしてもよい。なお、この場合には、接着層付きシートのうち接着シート30以外の部分について、剥離シート20の中間分離線27上と第1横分離線28上と第2横分離線29上に切れ込みが入っていることが好ましい。
【符号の説明】
【0070】
10 シート積層体
20 剥離シート
21 第1剥離部分
21a 第1余白部分
22 第2剥離部分
22a 第2余白部分
27 中間分離線
28 第1横分離線
29 第2横分離線
30 接着シート
31 第1接着部分
32 第2接着部分
210 シート積層体
310 シート積層体
N ノート(被着体)
P プリント(被着体)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
特許文献1:登録実用新案第3050821号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13