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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】三次元造形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/371 20170101AFI20221018BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20221018BHJP
   B29C 64/165 20170101ALI20221018BHJP
   B29C 64/245 20170101ALI20221018BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20221018BHJP
   B22F 10/14 20210101ALI20221018BHJP
   B22F 12/70 20210101ALI20221018BHJP
   B22F 12/30 20210101ALI20221018BHJP
【FI】
B29C64/371
B33Y30/00
B29C64/165
B29C64/245
B28B1/30
B22F10/14
B22F12/70
B22F12/30
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018126180
(22)【出願日】2018-07-02
(65)【公開番号】P2020001363
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 文良
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-193035(JP,A)
【文献】特開2010-036583(JP,A)
【文献】特開2002-205338(JP,A)
【文献】特表2015-536838(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0203514(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
B22F 10/00-12/90
B28B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形槽と、
前記造形槽を収容する外装体と、
前記造形槽内に粉末材料を供給する材料供給装置と、
前記造形槽内の前記粉末材料に対して、硬化ガスによって硬化する硬化液を吐出する吐出ヘッドと、
前記造形槽内に前記硬化ガスを送出する送出装置と、
前記硬化ガスを排出する排出経路と、
を備え、
前記造形槽は、
上下方向に延びる筒状部と、
通気部を備え、前記筒状部に挿入された造形テーブルと、
を備え、
前記材料供給装置は、前記造形テーブル上に前記粉末材料を供給し、
前記通気部は、前記粉末材料が通過不能かつ前記硬化ガスが通過可能であって、前記粉末材料が載置され、かつ、前記送出装置によって前記硬化ガスが前記造形槽内に送出されると、前記硬化ガスを前記造形槽内から排出するように構成され、
前記造形テーブルは、前記筒状部の上部空間と下部空間とを区画しており、
前記筒状部は、前記下部空間に開口するようにあけられた孔を有し、
前記排出経路は、
前記下部空間と、
前記外装体に接続される排出管と、を含み、
前記外装体の前記排出管との接続部は、前記筒状部の前記孔を介して前記下部空間と連通し、さらに、前記通気部を介して前記造形槽の内部と連通している、
三次元造形装置。
【請求項2】
前記通気部は、多孔質の材料で形成されている、
請求項1に記載の三次元造形装置。
【請求項3】
前記造形槽は、開口を有し、
前記送出装置は、前記造形槽に着脱可能なアタッチメントを備え、
前記アタッチメントは、前記開口を覆うように前記造形槽に装着される、
請求項1または2に記載の三次元造形装置。
【請求項4】
前記吐出ヘッドの下方と、前記吐出ヘッドの下方から退避した位置とに前記造形槽を移動させる移動装置をさらに備え、
前記開口は、前記筒状部の上端に設けられ、
前記アタッチメントは、前記造形槽が前記吐出ヘッドの下方から退避した位置に位置しているときに前記開口に着脱可能なように構成され、
前記接続部は、前記造形槽が前記吐出ヘッドの下方から退避した位置に位置しているときに前記下部空間と連通する
請求項に記載の三次元造形装置。
【請求項5】
前記排出管は、前記外装体に着脱可能に構成されている、
請求項1~4のいずれか一つに記載の三次元造形装置。
【請求項6】
前記排出経路に接続され、前記硬化ガスを吸引する吸引ポンプを備えている、
請求項1~5のいずれか一つに記載の三次元造形装置。
【請求項7】
前記送出装置は、前記硬化ガスの送出量を測定可能な流量計を備えている、
請求項1~6のいずれか一つに記載の三次元造形装置。
【請求項8】
前記送出装置は、前記硬化ガスの送出量を調整可能なバルブを備えている、
請求項7に記載の三次元造形装置。
【請求項9】
前記排出経路は、前記硬化ガスの排出量を測定可能な流量計を備えている、
請求項1~8のいずれか一つに記載の三次元造形装置。
【請求項10】
前記排出経路は、前記硬化ガスの排出量を調整可能なバルブを備えている、
請求項9に記載の三次元造形装置。
【請求項11】
前記硬化液は、珪酸ソーダを含み、
前記硬化ガスは、二酸化炭素を含んでいる、
請求項1~10のいずれか一つに記載の三次元造形装置。
【請求項12】
前記硬化液は、アルカリフェノール樹脂を含み、
前記硬化ガスは、二酸化炭素を含んでいる、
請求項1~10のいずれか一つに記載の三次元造形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に開示されているように、粉末材料にバインダを吐出し、粉末材料を硬化させることによって所望の三次元造形物を造形する粉末積層法が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された三次元造形装置は、粉末が収容される造形部と、造形部に供給される粉末が収納される粉末供給部と、造形部より上方に配置されたインクジェットヘッドとを備えている。インクジェットヘッドは、造形部に収容された粉末に水性インクを吐出する。即ち、インクジェットヘッドは、造形部に収容された粉末のうち三次元造形物の断面形状に対応する部分に水性インクを吐出する。造形部に収容された粉末のうち水性インクが吐出された部分は硬化し、断面形状に対応した硬化層が形成される。そして、硬化層を順次積層することで、所望の三次元造形物が造形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5400042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの場合、三次元造形装置では、乾燥によって硬化する硬化液が使用されている。しかしながら、乾燥によって硬化する硬化液を使用する場合は、造形完了後に造形槽内の粉末材料の中から三次元造形物を取り出すまでに、ある程度硬化液の乾燥を待つ必要があった。そして、そのことにより生産性の低下を招くことがあった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、三次元造形物を短時間で硬化させることができる三次元造形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示する三次元造形装置は、造形槽と、前記造形槽内に粉末材料を供給する材料供給装置と、前記造形槽内の前記粉末材料に対して、硬化ガスによって硬化する硬化液を吐出する吐出ヘッドと、前記造形槽内に前記硬化ガスを送出する送出装置と、前記硬化ガスを排出する排出経路とを備える。前記造形槽は、前記粉末材料が通過不能かつ前記硬化ガスが通過可能な通気部を備えている。前記排出経路は、前記通気部を介して前記造形槽の内部と連通している。
【0008】
上記三次元造形装置によれば、送出装置から送出された硬化ガスは、造形槽の通気部を通って排出経路に流れる。造形槽内に流れる硬化ガスによって、造形槽内の三次元造形物を短時間で硬化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】三次元造形装置を模式的に示した断面図である。
図2】三次元造形装置を模式的に示した平面図である。
図3】送出装置と排出装置を取り付けた状態の三次元造形装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る三次元造形装置について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化される。
【0011】
図1は、一実施形態に係る三次元造形装置10を模式的に示した断面図である。図2は、三次元造形装置10の平面図である。図1は、図2のI-I断面である。図面中の符号Fは、前方を示し、符号Rrは、後方を示している。ここでは、符号Fの方向から三次元造形装置10を見たときの左、右、上、下が、それぞれ三次元造形装置10の左、右、上、下である。図面中の符号L、R、U、Dは、それぞれ左、右、上、下を意味するものとする。符号X、Y、Zは、それぞれ前後方向、左右方向、上下方向を示している。左右方向Yは、三次元造形装置10の主走査方向である。前後方向Xは、三次元造形装置10の副走査方向である。また、上下方向Zは、三次元造形における積層方向である。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、三次元造形装置10の設置態様を何ら限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、三次元造形装置10は、本体11と、敷詰ローラ30と、造形槽ユニット40と、ヘッドユニット60と、副走査方向移動機構20と、主走査方向移動機構70と、制御装置100とを備えている。造形槽ユニット40は、供給槽41と、余剰粉末収容槽44と、造形槽50とを搭載している。
【0013】
また、図3は、送出装置80と排出装置90を取り付けた状態の三次元造形装置10を示す模式図である。送出装置80は、三次元造形装置10の一部であるが、造形槽50に着脱可能に構成されている。排出装置90も、三次元造形装置10の一部であるが、本体11に着脱可能に構成されている。
【0014】
図2に示すように、本体11は、副走査方向Xに長い形状を有する三次元造形装置10の外装体である。本体11は、上方に向けて開口する箱型形状に形成されている。本体11は、副走査方向移動機構20と、造形槽ユニット40と、制御装置100とを収容する。また、図1に示されるように、本体11は、敷詰ローラ30と主走査方向移動機構70とを支持する支持台でもある。
【0015】
図1に示すように、造形槽ユニット40は、本体11に収容されている。造形槽ユニット40の上面40aは平坦であって、この上面40aから凹むように造形槽50と供給槽41と余剰粉末収容槽44とが独立に並んで設けられている。
【0016】
図1に示すように、造形槽50は、造形槽ユニット40に設けられている。造形槽50は、その内部で三次元造形物200が造形される槽である。造形槽50は、開口50aを有している。粉末材料Pは、開口50aから造形槽50内に供給される。また、完成した三次元造形物200は、開口50aから取り出される。造形槽50は、筒状部51と、造形テーブル52と、テーブル昇降機構53とを備えている。
【0017】
筒状部51は、上下方向に延びた筒状の部材である。造形槽50の開口50aは、筒状部51の上端に設けられている。図2に示すように、開口50aは、平面視において矩形の形状を有している。ただし、開口50aは、平面視において矩形である必要は必ずしもない。
【0018】
造形テーブル52は、筒状部51に挿入されている。図2に示すように、造形テーブル52は、平面視において、開口50aと同じ形をしている。造形テーブル52は、その上に粉末材料Pが供給され、造形が行われる部材である。図1に示すように、造形テーブル52は、平板上の形状を有している。造形テーブル52は、略水平に筒状部51に挿入されている。造形テーブル52は、筒状部51の内部において上下方向に摺動可能である。
【0019】
図1に示すように、造形テーブル52には、通気部52aが設けられている。通気部52aは、粉末材料Pが通過不能で、かつ、後述する硬化ガスが通過可能に構成されている。通気部52aは、粉体が通過できず、気体が通過できる材料によって構成されている。通気部52aには、種々の公知の材料が使用できる。通気部52aは、例えば、多孔質の材料によって構成されている。多孔質の材料は、粉体は通過できないが、気体は通過可能な微細な孔を有している。粉末材料Pは、通気部52aを通過しないため、通気部52a上にも載置されている。
【0020】
テーブル昇降機構53は、造形テーブル52を下方から支持している。テーブル昇降機構53は、造形テーブル52を上下方向に移動させる。テーブル昇降機構53の構成は特に限定されないが、例えば、図示しないサーボモータとボールねじなどを備えている。造形テーブル52は、テーブル昇降機構53のサーボモータが駆動することによって上下方向に移動する。テーブル昇降機構53は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100によって制御されている。
【0021】
テーブル昇降機構53は、造形テーブル52の下部空間50bに設けられている。下部空間50bは、テーブル昇降機構53を配置する空間であると同時に、通気部52aを通過した硬化ガスが流入してくる空間でもある。下部空間50bは、後述する排出経路E1(図3参照)の一部を構成している。
【0022】
造形槽50の開口50aの周囲は、アタッチメント取付部54となっている。アタッチメント取付部54は、送出装置80のアタッチメント83(後述)が取り付けられる部位である。ここでは、アタッチメント取付部54は、特に造形されたものではなく、アタッチメント83が置かれる平坦な場所である。ただし、アタッチメント取付部の構成は特に限定されず、例えば、アタッチメント83が嵌る溝を備えていてもよい。
【0023】
供給槽41には、造形槽50に供給される前の粉末材料Pが貯留されている。図2に示されるように、供給槽41の形状は、平面視において矩形状である。ただし、供給槽41の平面形状は矩形に限定されるわけではない。供給槽41の内部には、平面視において供給槽41と同じ形の底部材42が収納されている。供給槽41は、造形槽50の後方に配置されている。供給槽41は、主走査方向Yに関して造形槽50と揃った位置に配置されている。図2に示すように、平面視において、造形槽50の主走査方向Yの長さは、供給槽41の主走査方向Yの長さと同じである。しかしながら、供給槽41の主走査方向Yの長さは、造形槽50の主走査方向Yの長さより長くてもよい。
【0024】
底部材42は、供給槽41内部において、上下方向Zに移動可能に構成されている。底部材42の下部には、供給槽昇降機構43が連結されている。供給槽昇降機構43は、底部材42を上下方向Zに移動させる機構である。供給槽昇降機構43の構成は、特に限定されないが、例えば、テーブル昇降機構53と同様に、サーボモータとボールねじなどを備えている。供給槽昇降機構43のサーボモータが駆動することで、底部材42は上下方向Zに移動する。供給槽昇降機構43は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100によって制御されている。
【0025】
余剰粉末収容槽44は、粉末材料Pが敷詰ローラ30によって造形槽50に敷き詰められた際に、造形槽50に収容しきれなかった粉末材料Pを回収する槽である。余剰粉末収容槽44は、造形槽50の前方に配置されている。余剰粉末収容槽44は、主走査方向Yに関して造形槽50と揃った位置に配置されている。図2に示すように、平面視において、造形槽50の主走査方向Yの長さと、余剰粉末収容槽44の主走査方向Yの長さとは同じである。しかしながら、余剰粉末収容槽44の主走査方向Yの長さは、造形槽50の主走査方向Yの長さより長くてもよい。
【0026】
粉末材料Pは、例えば、珪砂(石英粒を中心とする粉末)である。珪砂は、例えば、鋳物の型などに利用される材料である。ただし、粉末材料Pの組成や形態等は特に制限されるわけではなく、樹脂材料、金属材料および無機材料等の各種の材料から構成された粉体を使用することができる。粉末材料Pは、例えば、アルミナ、チタニア、ジルコニア等のセラミック材料や、鉄、アルミニウム、チタンおよびこれらの合金(典型的にはステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金)、半水石膏(α型焼石膏、β型焼石膏)、アパタイト、食塩、プラスチック等であってもよい。これらはいずれか1種の材料から構成されていてもよいし、2種以上が組み合わされていてもよい。
【0027】
図1に示すように、副走査方向移動機構20は、ヘッドユニット60、敷詰ローラ30に対して造形槽ユニット40を副走査方向Xに移動させる機構である。本実施形態では、副走査方向移動機構20は、一対のガイドレール21と、フィードモータ22とを備えている。
【0028】
図1に示すように、ガイドレール21は、造形槽ユニット40の副走査方向Xへの移動をガイドする。ガイドレール21は、本体11内に設けられている。ガイドレール21は、副走査方向Xに延びている。造形槽ユニット40は、ガイドレール21に摺動可能に係合している。ただし、ガイドレール21の設置位置および数は特に限定されない。フィードモータ22は、例えば、ボールねじ等を介して造形槽ユニット40に接続されている。フィードモータ22は、制御装置100に電気的に接続されている。フィードモータ22が回転駆動することによって、造形槽ユニット40は、ガイドレール21上を副走査方向Xに移動される。
【0029】
敷詰ローラ30は、供給槽41に貯留されている粉末材料Pを造形槽50に敷き詰める部材である。敷詰ローラ30は、粉末材料Pの表面を平らにならして粉末層を形成する。敷詰ローラ30は、本体11の上方に配置されている。敷詰ローラ30は、ヘッドユニット60より前方に配置されている。敷詰ローラ30は、長尺の円筒形状を有している。敷詰ローラ30は、円筒軸が主走査方向Yに沿うように配置されている。敷詰ローラ30は、主走査方向Yの長さが造形槽50よりも長い。敷詰ローラ30の下端は、造形槽ユニット40の上面40aとの間に所定のクリアランス(間隙)が形成されるように、造形槽ユニット40の僅かに上方に設置されている。敷詰ローラ30は、本体11の上面11aに設けられた一対の支持部材31に回転可能に支持されている。敷詰ローラ30は、例えば接続されたモータなどによって回転するように構成されていてもよい。この敷詰ローラ30と、副走査方向移動機構20と、供給槽41に係る各部材(供給槽41、底部材42、供給槽昇降機構43)とは、造形槽50に粉末材料Pを供給する材料供給装置を構成している。
【0030】
図2に示すように、ヘッドユニット60は、キャリッジ61と、キャリッジ61に搭載された複数の吐出ヘッド62とを備えている。複数の吐出ヘッド62は、キャリッジ61の下面に配置されている。吐出ヘッド62は、造形槽50内の粉末材料Pに対して、硬化液を吐出する。図2に示すように、複数の吐出ヘッド62は、主走査方向Yに並んでいる。吐出ヘッド62は、硬化液を吐出する複数のノズル63を有している。複数のノズル63は、副走査方向Xに直線状に並んでいる。吐出ヘッド62における硬化液の吐出機構は特に制限されず、例えばインクジェット方式などが好適に利用できる。吐出ヘッド62は、制御装置100に電気的に接続されている。吐出ヘッド62のノズル63からの硬化液の吐出は、制御装置100によって制御される。
【0031】
本実施形態では、硬化液は、珪酸ソーダ(珪酸ナトリウム)を含んでいる。ここでは、硬化液は、珪酸ソーダの水溶液(水ガラス)を中心とする液である。硬化液には、吐出ヘッド62から吐出できるように表面張力を調整する界面活性剤などが添加されていてもよい。硬化液は、後述する硬化ガスによって硬化する。
【0032】
主走査方向移動機構70は、キャリッジ61を主走査方向Yに移動させる機構である。図2に示されるように、主走査方向移動機構70は、ガイドレール71を備えている。ガイドレール71は、主走査方向Yに延びている。ガイドレール71には、キャリッジ61が摺動自在に係合している。キャリッジ61には、例えば、無端状のベルトとプーリなどを介してキャリッジモータ72が接続されている。キャリッジモータ72が駆動することによって、キャリッジ61は、ガイドレール71に沿って主走査方向Yに移動する。キャリッジモータ72は、制御装置100と電気的に接続されている。キャリッジモータ72は、制御装置100によって制御される。キャリッジ61が主走査方向Yに移動することによって、複数の吐出ヘッド62も主走査方向Yに移動する。
【0033】
送出装置80は、造形槽50内に硬化ガスを送出する。硬化ガスは、硬化液を硬化させるガスである。図3に示すように、送出装置80は、ガスボンベ81と、送出管82と、アタッチメント83とを備えている。
【0034】
ガスボンベ81は、硬化ガスを貯留している。ガスボンベ81には、公知の種々のガス用容器を利用することができる。ガスボンベ81には、送出管82の一端が接続されている。送出管82は、例えば、硬化ガスを流すホースである。送出管82の他端には、アタッチメント83が接続されている。硬化ガスは、送出管82を通って、ガスボンベ81からアタッチメント83に送られる。
【0035】
硬化ガスは、ここでは、二酸化炭素ガスである。本実施形態では、硬化液は珪酸ソーダを中心とする液であり、二酸化炭素と接触することにより硬化する。
【0036】
アタッチメント83は、送出装置80と造形槽50とを接続する。アタッチメント83は、造形槽50に着脱可能に構成されている。アタッチメント83は、一端が開放された蓋状の形状を有している。図3に示すように、造形槽50に装着される姿勢では、アタッチメント83は、天板83aと、天板83aから下方に伸びる側板83bとを備えている。天板83aに対向する面は開放されている。アタッチメント83は、造形槽50の開口50aを覆うように造形槽50に装着される。アタッチメント83は、平面視において、造形槽50のアタッチメント取付部54(図2参照)に対応する形状を有している。側板83bの下端には、例えば、気密用のゴム等が貼付されていてもよい。天板83aには、送出管82の、ガスボンベ81に接続されているのとは逆側の端部が接続されている。
【0037】
アタッチメント83は、造形槽50のアタッチメント取付部54上に載置されることによって造形槽50に装着される。アタッチメント83は、自重によって、側板83bの下端をアタッチメント取付部54に密着させる。アタッチメント83が造形槽50に装着された状態で、アタッチメント83の内部空間は、おおむね外部と遮断された密閉空間83cを構成する。ただし、密閉空間83cと外部との遮断は、厳密なものである必要はない。また、かかるアタッチメント83の構成は一例に過ぎず、アタッチメント83は、他の形状を備え、他の方法で造形槽50に装着されてもよい。
【0038】
送出装置80は、さらに、減圧弁84と、送出側流量計85と、送出側バルブ86とを備えている。図3に示すように、ガスボンベ81と送出管82との接続部には、減圧弁84が設けられている。また、送出管82の途中には、送出側流量計85と、送出側バルブ86とが設けられている。
【0039】
減圧弁84は、ガスボンベ81内の硬化ガスの圧力を所望の圧力まで減圧している。減圧弁84は、例えば、ユーザーの操作によって放出側の圧力を調整できるように構成されている。
【0040】
送出側流量計85は、硬化ガスの送出量を測定する。送出側流量計85は、ユーザーが送出側バルブ86で硬化ガスの送出量を調整する際に、硬化ガスの送出量を目視するインジケータを備えている。送出側流量計85の構成は、特に限定されない。例えば、送出側流量計85は、測定した硬化ガスの流量を電気信号として出力する機構を備えていてもよい。出力は、制御装置100等に取り込まれ、制御や監視に利用されてもよい。
【0041】
送出側バルブ86は、硬化ガスの送出量を調整可能に構成されている。ユーザーは、送出側流量計85のインジケータを見ながら硬化ガスの送出量を調整する。送出側バルブ86の構成は特に限定されない。送出側バルブ86には、公知の種々の流量調整バルブが使用できる。
【0042】
排出装置90は、本体11に着脱可能に構成されている。ただし、排出装置90は、本体11に着脱不能に接続されていてもよい。排出装置90は、送出装置80から造形槽50に送出された硬化ガスを排出する装置である。排出装置90は、排出管91と、吸引ポンプ92とを備えている。
【0043】
排出管91は、例えば、ガスが内部を流れるホースである。排出管91は、一端が本体11に接続されている。排出管91と本体11との接続部11bは、造形槽50の下部空間50bと連通している。接続部11bと下部空間50bとは、例えば、造形槽ユニット40が最も前方に位置しているときに、下部空間50bに設けられた開口50b1を介して連通される。しかし、接続部11bと下部空間50bとの連通方法は特に限定されない。造形槽50の下部空間50bから接続部11bを経由して排出管91に至る経路、および排出管91は、硬化ガスを排出する排出経路E1を構成している。排出経路E1は、造形槽50の通気部52aを介して、造形槽50の内部と連通している。
【0044】
吸引ポンプ92は、排出管91に接続されている。吸引ポンプ92は、硬化ガスを吸引する装置である。吸引ポンプ92は、例えば、真空ポンプである。送出装置80から硬化ガスが送出され、吸引ポンプ92が硬化ガスを吸引することにより、造形槽50内を通る硬化ガスの流れが発生する。
【0045】
排出装置90は、さらに、排出側流量計93と、排出側バルブ94とを備えている。図3に示すように、排出側流量計93および排出側バルブ94は、排出管91の途中に設けられている。
【0046】
排出側流量計93は、硬化ガスの排出量を測定する。排出側流量計93は、ユーザーが排出側バルブ94で硬化ガスの排出量を調整する際に、硬化ガスの排出量を目視するインジケータを備えている。送出側流量計85と同様、排出側流量計93の構成も、特に限定されない。
【0047】
排出側バルブ94は、硬化ガスの排出量を調整可能に構成されている。ユーザーは、排出側流量計93のインジケータを見ながら硬化ガスの排出量を調整する。
【0048】
本実施形態では、アタッチメント83や下部空間50bの隙間からの流出などによって、硬化ガスの送出量と排出量とが必ずしも一致しない場合を想定して、送出装置80と排出装置90の両者に流量計と流量調整バルブを設けている。しかし、硬化ガスの送出量と排出量がおおむね一致すると考えられる場合には、送出側と排出側の一方にだけ、流量計と流量調整バルブを設けてもよい。
【0049】
図1に示すように、本体11の前面には、操作パネル110が設けられている。操作パネル110には、機器状態を表示する表示部と、ユーザーによって操作される入力キー等が設けられている。操作パネル110は、三次元造形装置10の各種の動作を制御する制御装置100と接続されている。制御装置100は、フィードモータ22、テーブル昇降機構53、供給槽昇降機構43、吐出ヘッド62、およびキャリッジモータ72とそれぞれ電気的に接続されており、それらを制御している。本実施形態では、制御装置100は、送出装置80および排出装置90に接続されていないが、送出装置80および排出装置90に接続され、それらの動作を制御してもよい。
【0050】
制御装置100の構成は特に限定されない。制御装置100は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器から造形データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリ等の記憶装置とを備えている。なお、制御装置100は必ずしも三次元造形装置10の内部に設けられている必要はなく、例えば、三次元造形装置10の外部に設置され、有線または無線を介して三次元造形装置10と通信可能に接続されたコンピュータ等であってもよい。
【0051】
以下では、三次元造形物200の造形プロセスについて簡単に説明した後、三次元造形物200の硬化プロセスについて説明する。ただし、以下に説明する各プロセスは、それぞれ1つの好適な例に過ぎず、各プロセスはそれに限定されるわけではない。
【0052】
三次元造形物200の造形プロセスにおいては、造形槽50内への粉末材料Pの供給、吐出液の吐出による未硬化層210の形成、造形テーブル52の下降が繰り返される。未硬化層210は、硬化液の粘着力または表面張力によって結合しているものの、まだ硬化液が硬化していない層である。三次元造形物200は、未硬化層210が上下方向に多数積層されて形成される。複数の未硬化層210は、それぞれ、その高さにおける三次元造形物200の断面形状に対応している。
【0053】
三次元造形物200の造形プロセスでは、1つの未硬化層210の形成が終了すると、制御装置100はテーブル昇降機構53を制御して次の未硬化層210の厚み分だけ造形テーブル52を下降させる。造形テーブル52が下降される距離は、例えば、0.1mm程度である。同時に、制御装置100は、供給槽昇降機構43を制御して、供給槽41に挿入された底部材42を上昇させる。底部材42の上昇により、供給槽41上には粉末材料Pが溢れる。この溢れた粉末材料Pは、敷詰ローラ30により造形槽50の方に押しやられ、一部が造形テーブル52上に敷き詰められる。このとき、造形槽ユニット40は、副走査方向移動機構20によって、後方に移動される。そのため、敷詰ローラ30は、造形槽ユニット40に対して相対的に前方に移動される。敷き詰められなかった残りの粉末材料Pは、余剰粉末収容槽44に収容される。こうして未硬化層210の上に新たな粉末層が形成される。その後に、制御装置100は、フィードモータ22、吐出ヘッド62、およびキャリッジモータ72を制御して造形槽50上の所定の場所に硬化液を吐出させ、新たな未硬化層210を形成する。
【0054】
上記プロセスを繰り返し、三次元造形装置10は三次元造形物200の造形を完了する。このとき、まだ硬化液は硬化していない。そこで、三次元造形物200は、周囲の粉末材料Pにサポートされつつ、硬化液の粘着力または表面張力によって形状を保っている状態である。
【0055】
従来の三次元造形装置では、硬化液には、乾燥によって硬化するものが使用されていた。硬化液は、例えば、水、ワックス、バインダ等を含んでいた。あるいは、粉末材料が副材として水溶性樹脂を有している場合には、硬化液として、水溶性樹脂を溶解可能な液体、例えば水を用いることもできた。水溶性樹脂としては、例えば、澱粉、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ポリアミド等が知られている。しかしながら、上記したような乾燥によって硬化する硬化液を使用する場合は、造形完了後に造形槽50内の粉末材料Pの中から三次元造形物200を掘り出す(以下、デパウダとも称する。)までに、ある程度硬化液の乾燥を待つ必要があった。また、デパウダ可能な程度に硬化しても、完全硬化していない場合には、三次元造形物200を損壊しないよう慎重にデパウダする必要があった。
【0056】
また、粉末材料に硬化剤を混入させる場合には、粉末材料に硬化剤を混入する手間が生じ、さらに、多い場合には造形の度に粉末材料を再攪拌する必要があった。
【0057】
本実施形態に係る三次元造形装置10は、かかる点に鑑み、硬化液を短時間で硬化させることができるように構成されている。本実施形態では、硬化ガスによって短時間で硬化する硬化液を使用し、三次元造形装置10は、造形後の三次元造形物200を硬化ガスに晒すことができるように構成されている。
【0058】
以下に、硬化ガスによる未硬化層210の硬化プロセスについて説明する。本実施形態では、三次元造形物200の造形が終了すると、ユーザーは、送出装置80のアタッチメント83を造形槽50に装着する。また、ユーザーは、排出装置90の排出管91を本体11の接続部11bに接続する。
【0059】
続いて、ユーザーは、排出装置90の吸引ポンプ92を作動させ、排出側バルブ94を開く。これにより、排出経路E1が構成される。送出装置80の側では、送出側バルブ86が開かれ、造形槽50に硬化ガスが供給される。ユーザーは、送出側バルブ86および排出側バルブ94の一方または両方の開度を調整して、所望の量の硬化ガスを流す。
【0060】
ガスボンベ81から流出した硬化ガスは、送出管82を通って、密閉空間83cに流入する。硬化ガスは、密閉空間83cから、造形槽50内の粉末材料Pの隙間に流入する。ここで、造形槽50の底部をなす造形テーブル52の一部は、通気部52aとなっている。通気部52aは、粉末材料Pを載置可能であるが、硬化ガスを通過させる。そこで、硬化ガスは、通気部52aを通過して、造形槽50の下部空間50bに流入する。下部空間50bに流入した硬化ガスは、吸引ポンプ92に吸引され、排出装置90の方に向かって流れてゆく。このように、送出装置80、造形槽50、および排出装置90により、硬化ガスの流れが作り出される。
【0061】
かかる構成により、造形槽50内では、硬化ガスは、上方から下方に向かって流れる。この流れによって、三次元造形物200は、確実に硬化ガスに晒される。また、硬化ガスによる粉末材料Pの巻き上げも抑えることができる。
【0062】
本実施形態では、硬化ガスに晒された硬化液は、極めて短時間で硬化する。ここでは、硬化液は、珪酸ソーダの水溶液(水ガラス)を中心とする液であり、硬化ガスは二酸化炭素ガスである。珪酸ソーダは、二酸化炭素と接触すると極めて短時間で硬化する。そこで、三次元造形物200の硬化も、硬化ガスの投入後すぐに終了する。この時点で、三次元造形物200は、完全硬化している。そのため、デパウダに特別の慎重さは要求されない。
【0063】
このように、本実施形態に係る三次元造形装置10は、硬化液を硬化させる硬化ガスを造形槽50内に送出する送出装置80と、硬化ガスを排出する排出経路E1とを備えている。排出経路E1は、粉末材料Pが通過不能かつ硬化ガスが通過可能な通気部52aを介して造形槽50の内部と連通している。かかる構成によれば、三次元造形物200を造形槽50内部に収容したまま短時間で硬化させることができる。よって、三次元造形物200を製作する際の生産性を向上させることができる。また、デパウダ時の手間や三次元造形物200を破損するリスクを低減することができる。このような通気部52aの材料としては、多孔質の材料を好適に利用することができる。
【0064】
また、粉末材料Pには硬化剤を添加する必要がないため、硬化剤を混入する工程や、使用前に再攪拌する工程が不要である。
【0065】
さらに、本実施形態では、送出装置80は、造形槽50に着脱可能なアタッチメント83を備え、アタッチメント83は、開口50aを覆うように造形槽50に装着される。このアタッチメント83により、硬化ガスの供給側に一定の密閉性が確保され、硬化ガスを効率よく造形槽50内に送出することができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、造形槽50は、上下方向に延びる筒状部51と、筒状部51に挿入された造形テーブル52とを備えており、開口50aは、筒状部51の上端に設けられている。通気部52aは造形テーブル52に設けられている。三次元造形物200の造形は、造形テーブル52上で行われる。かかる構成によれば、造形槽50内において上方から下方に向かって流れる硬化ガスの流れを作ることができる。そこで、三次元造形物200は、確実に硬化ガスに晒され、また、硬化ガスによる粉末材料Pの巻き上げも抑えることができる。
【0067】
本実施形態では、送出装置80および排出経路E1に、それぞれ送出側流量計85および排出側流量計93を備えている。送出側流量計85および排出側流量計93により、それぞれ、造形槽50に供給する硬化ガスの流量と、造形槽50から出てゆく硬化ガスの流量を知ることができる。さらに、本実施形態では、送出装置80および排出経路E1に、それぞれ送出側バルブ86および排出側バルブ94を備えている。送出側バルブ86および排出側バルブ94により、それぞれ、造形槽50に供給する硬化ガスの流量と、造形槽50から出てゆく硬化ガスの流量を所望の流量に調整することができる。
【0068】
なお、本実施形態では、硬化液には珪酸ソーダが含まれていたが、例えば、アルカリフェノール樹脂が含まれていてもよい。アルカリフェノール樹脂も、二酸化炭素との接触により短時間で硬化する。また、硬化ガスも二酸化炭素ガスである必要は必ずしもない。硬化ガスと硬化液の組み合わせは、接触によって硬化液が短時間で硬化する組み合わせであれば、他の組み合わせであってもよい。硬化ガスと硬化液は、その限りにおいて、特に限定されない。
【0069】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上記した実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0070】
例えば、上記した実施形態では、例えば、アタッチメント83の装着や硬化ガスの供給開始、停止などの作業は、ユーザーが行っていた。しかし、これらの作業は、三次元造形装置10が自動で行ってもよい。三次元造形装置10は、そのための構成をさらに備えていてもよい。
【0071】
また、上記した実施形態では、送出装置と排出装置とに、それぞれ流量計および流量調節バルブが設けられていた。しかし、それら流量計および流量調節バルブは必ずしも全て必要ではなく、一部または全部が省略されてもよい。
【0072】
上記した実施形態では、材料供給装置は、敷詰ローラ30と、副走査方向移動機構20と、供給槽41に係る各部材(供給槽41、底部材42、供給槽昇降機構43)とによって構成されていたが、材料供給装置の構成はそのようなものに限られない。例えば、材料供給装置は、上方から粉末材料Pを落下させて供給するような部材を備えていてもよい。粉末材料Pをならして粉末層を形成する部材は、敷詰ローラ30でなくともよく、例えば、スキージなどでもよい。また、上記した実施形態では、造形槽50と敷詰ローラ30との相対移動は、造形槽ユニット40の移動によってなされたが、それに限定されない。例えば、造形槽ユニット40は本体11に固定され、造形槽ユニット40に対して敷詰ローラ30が副走査方向Xに移動される構成であってもよい。その他、本発明に係る移動は全て相対的なものであって、どの部材が実際に移動されるかは任意に選択されてよい。
【符号の説明】
【0073】
10 三次元造形装置
50 造形槽
50a 開口
51 筒状部
52 造形テーブル
52a 通気部
62 吐出ヘッド
80 送出装置
83 アタッチメント
85 送出側流量計
86 送出側バルブ
90 排出装置
92 吸引ポンプ
93 排出側流量計
94 排出側バルブ
200 三次元造形物
E1 排出経路
P 粉末材料
図1
図2
図3