(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】半導体パッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/10 20060101AFI20221018BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20221018BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20221018BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20221018BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
H01L25/10 Z
H01L21/56 R
H01L23/12 501B
H01L23/02 C
(21)【出願番号】P 2018133953
(22)【出願日】2018-07-17
【審査請求日】2021-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2017-0090453
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(32)【優先日】2018-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 相 ウク
(72)【発明者】
【氏名】金 宣 チョル
(72)【発明者】
【氏名】薛 珍 キョン
(72)【発明者】
【氏名】張 炳 旭
【審査官】高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-112325(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0117506(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0379910(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0261820(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
H01L 23/00-23/66
H01L 25/00-25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板の上部面に形成された複数の第1導電パッドに複数の第1導電バンプをそれぞれ付着する段階と、
下部面の複数の第2導電パッドにそれぞれ付着された複数の第2導電バンプを有するインターポーザを準備する段階と、
前記第1基板に第1半導体チップをフリップチップ実装して前記第1基板の上部面に形成された第3導電パッドに前記第1半導体チップを連結する段階と、
前記第1基板の上部面上に前記第1半導体チップの上部面と少なくとも同一高さの上部面を有するように前記第1半導体チップの側壁に沿って延長される絶縁モールド膜を形成して前記第1導電バンプを覆って囲む段階と、
前記絶縁モールド膜をエッチングして前記絶縁モールド膜内にリセスを形成し、前記エッチングされた絶縁モールド膜に形成されて上方に延長される突出部を定義し、
前記リセスの底面に複数の分離されたホールを形成して前記第1導電バンプを露出させる段階と、
前記第1基板上に前記インターポーザを位置させ、前記突出部の上部面に接する前記インターポーザの下部面の複数の第2導電バンプの各々が前記複数の第1導電バンプの中の対応する第1導電バンプに接して前記第1導電バンプと前記第2導電バンプとの複数の接
触対を形成する段階と、
リフロー工程を進行し、前記第1導電バンプと前記第2導電バンプとの複数の接
触対をそれぞれ統合して、各々が前記第1基板の上部面上の対応する第1導電パッドと前記インターポーザの下部面の対応する第2導電パッドとの間に延長される複数の導電連結部材を形成する段階と、
前記インターポーザと前記第1基板との間の空間にアンダーフィル樹脂を流動させて前記導電連結部材を囲んでカプセル化する段階と、
前記第1基板を切断して、前記第1半導体チップと前記インターポーザに接する前記突出部の少なくとも一部とを含む半導体パッケージを形成する段階と、を有することを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
【請求項2】
前記突出部は、
前記第1半導体チップの側壁の中の少なくとも1つに沿って延長される第1突出部と、
前記第1基板を切断する時に切断されて前記半導体パッケージの側壁の部分を形成する側壁を有する第2突出部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項3】
前記半導体パッケージの縦端面において、前記リセスは、前記第1突出部と前記第2突出部との間に連続的に延長される部分を含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項4】
前記半導体パッケージの縦端面において、前記複数の導電連結部材の中の第1導電連結部材は、前記第2突出部に隣接し、前記第1導電連結部材の最大水平幅の50%以下で前記第2突出部から水平方向に離隔されることを特徴とする請求項3に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項5】
前記半導体パッケージの縦端面において、前記複数の導電連結部材の中の第2導電連結部材は、前記第1突出部に隣接し、前記第2導電連結部材と前記第1突出部との間に他の導電連結部材が位置せず、前記第1突出部から少なくとも前記第2導電連結部材の最大水平幅で水平方向に離隔されることを特徴とする請求項4に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項6】
前記複数の導電連結部材の各々は、前記複数の分離されたホールの対応するホール内に位置して前記対応するホールの側壁から離隔されることを特徴とする請求項
1に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項7】
前記半導体パッケージの上部平面において、前記複数の分離されたホールの各々は、前記ホール内に位置する対応する前記導電連結部材の模様に適合する形状を有することを特徴とする請求項
6に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項8】
前記複数の分離されたホールを形成する段階の後に、及び前記リフロー工程を進行する段階の前に、前記複数の分離されたホールの中の少なくとも1つのホールの側壁は、前記ホール内に形成された第1導電バンプの最上部表面よりも高く延長されることを特徴とする請求項
7に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項9】
前記半導体パッケージの上部平面において、前記リセスは、前記第1半導体チップを囲むことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項10】
前記半導体パッケージの縦端面において、
前記突出部は、
前記第1半導体チップの両側壁に沿って延長される2つの第1突出部と、
前記半導体パッケージの両側壁に形成される2つの第2突出部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項11】
前記半導体パッケージの縦端面において、前記第2突出部の各々は、前記複数の導電連結部材の中の対応する導電連結部材から前記対応する導電連結部材の最大水平幅の50%以下で水平方向に離隔されることを特徴とする請求項
10に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項12】
前記第2突出部の中の1つの突出部は、第1方向に延長される水平幅を有する第1部分と前記第1方向に直交する第2方向に延長される水平幅を有する第2部分とを有し、
前記1つの突出部の前記第1部分と前記第2部分とは、前記半導体パッケージの角で統合される(merge)ことを特徴とする請求項
10に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項13】
前記1つの突出部の前記第1部分及び前記第2部分の外部対向側壁は、前記半導体パッケージの対応する側壁の部分を形成することを特徴とする請求項
12に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項14】
前記半導体パッケージの上部平面において、前記1つの突出部は、前記第1部分及び第2部分の外部対向側壁にそれぞれ対向する前記第1部分及び第2部分の内部対向側壁によって形成される内部角を有する‘L’字形状を有することを特徴とする請求項
13に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項15】
前記半導体パッケージの上部平面において、前記複数の導電連結部材は、前記‘L’字形状の1つの突出部の内部角に隣接するように位置する角を含む配列の境界から2次元的に規則的に離隔されることを特徴とする請求項
14に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項16】
前記配列の境界は、前記1つの突出部の前記第1部分の内部対向側壁から前記配列の境界が離隔される距離で前記1つの突出部の前記第1部分の内部対向側壁から離隔されることを特徴とする請求項
15に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項17】
前記半導体パッケージの上部平面において、前記内部対向側壁は、1つ以上の凹んだ部分を含み、前記凹んだ部分の各々は、対応する導電連結部材に隣接するように位置することを特徴とする請求項
14に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項18】
前記半導体パッケージの上部平面において、前記凹んだ部分の各々は、対応する導電連結部材から離隔されて前記対応する導電連結部材に対してコンフォーマルに形成された空間を提供することを特徴とする請求項
17に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項19】
前記半導体パッケージの上部平面において、前記内部対向側壁は、波動模様のプロフィールを有する側壁を含むことを特徴とする請求項
14に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項20】
前記波動模様のプロフィールの溝は、対応する導電連結部材の位置に対応し、
前記波動模様のプロフィールの頂点は、対応する導電連結部材の間の位置に対応することを特徴とする請求項
19に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項21】
前記半導体パッケージの縦端面において、
前記突出部は、互いに第1距離で離隔された2つの第2突出部を含み、
前記複数の第2導電バンプは、前記2つの第2突出部の中の1つに隣接して位置する1つの第2導電バンプと、前記2つの第2突出部の中の残りの1つに隣接して位置する他の第2導電バンプを含み、
前記1つの第2導電バンプは、前記他の第2導電バンプから第2距離で離隔され、
前記第1距離と前記第2距離との差は、前記第2導電バンプの最大水平幅の2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項22】
前記1つの第2導電バンプと前記他の第2導電バンプとは、前記2つの第2突出部の間に位置することを特徴とする請求項
21に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項23】
前記2つの第2突出部は、前記他の第2導電バンプと前記1つの第2導電バンプとの間に位置することを特徴とする請求項
22に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項24】
前記突出部の中の1対の突出部は、前記1対の突出部の間に介在する2つの前記第2導電バンプの間の距離に関連する第1距離で第1水平方向に離隔されて前記インターポーザが前記第1基板上に位置される時、前記第1水平方向に前記第2導電バンプが不正確に位置されることを防止することを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業の発達に伴い、電子部品の高機能化、高速化、及び小型化の要求が増大している。このような趨勢に対応して、現在の半導体実装技術は、1つのパッケージ基板に様々な半導体チップを積層して実装するか、或いはパッケージ上にパッケージを積層する方法が開発されている。パッケージ上にパッケージを積層する構造をパッケージオンパッケージ(Package on package:PoP)と称する。また、インターポーザをパッケージ上に実装するインターポーザPoP構造もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8,076,765号明細書
【文献】米国特許第8,217,502号明細書
【文献】米国特許第8,247,894号明細書
【文献】米国特許第8,541,261号明細書
【文献】米国特許第8,793,868号明細書
【文献】米国特許第8,810,024号明細書
【文献】米国特許第9,343,386号明細書
【文献】米国特許第9,570,382号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0017968号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0287681号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、信頼性を向上させた半導体パッケージの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による半導体パッケージの製造方法は、第1基板の上部面に形成された複数の第1導電パッドに複数の第1導電バンプをそれぞれ付着する段階と、下部面の複数の第2導電パッドにそれぞれ付着された複数の第2導電バンプを有するインターポーザを準備する段階と、前記第1基板に第1半導体チップをフリップチップ実装して前記第1基板の上部面に形成された第3導電パッドに前記第1半導体チップを連結する段階と、前記第1基板の上部面上に前記第1半導体チップの上部面と少なくとも同一高さの上部面を有するように前記半導体チップの側壁に沿って延長される絶縁モールド膜を形成して前記第1導電バンプを覆って囲む段階と、前記絶縁モールド膜をエッチングして前記絶縁モールド膜内にリセスを形成し、前記エッチングされた絶縁モールド膜に形成されて上方に延長される突出部を定義し、前記第1導電バンプを露出させる段階と、前記第1基板上に前記インターポーザを位置させ、前記突出部の上部面に接する前記インターポーザの下部面の前記複数の第2導電バンプの各々が前記複数の第1導電バンプの中の対応する第1導電バンプに接して前記第1導電バンプと前記第2導電バンプとの複数の接合対を形成する段階と、リフロー工程を進行し、前記第1導電バンプと前記第2導電バンプとの複数の接合対をそれぞれ統合(merge)して、各々が前記第1基板の上部面上の対応する第1導電パッドと前記インターポーザの下部面の対応する第2導電パッドとの間に延長される複数の導電連結部材を形成する段階と、前記インターポーザと前記第1基板との間の空間にアンダーフィル樹脂を流動させて前記導電連結部材を囲んでカプセル化する段階と、前記第1基板を切断して、前記第1半導体チップと前記インターポーザに接する前記突出部の少なくとも一部とを含む前記半導体パッケージを形成する段階と、を有する。
【0006】
一実施形態による半導体パッケージは、上部面に第1導電パッド及び第3導電パッドを含む第1基板と、下部面に第2導電パッドを有するインターポーザと、前記第1基板の上部面にフリップチップ実装されて前記第1基板の上部面の前記第3導電パッドに電気的に連結される第1半導体チップと、前記インターポーザの下部面と前記第1基板の上部面との間に延長され、前記第1半導体チップの上部面と少なくとも同一高さの上部面を有して前記第1半導体チップの側壁に沿って延長された部分を含む絶縁モールド膜と、を有し、、前記絶縁モールド膜は、下部面に複数のホールを含むリセスを含んで前記絶縁モールド膜内に前記インターポーザの下部面に接して上方に延長される突出部を定義し、前記対応するホール内に位置する複数の導電連結部材の各々は、前記第1基板の上部面の対応する第1導電パッドと前記インターポーザの下部面の対応する第2導電パッドとの間に延長され、前記第1基板と前記インターポーザとの間の前記リセスを満たして前記第1導電パッドと前記第2導電パッドとを電気的に連結する前記導電連結部材を囲むアンダーフィル樹脂を有する。
【0007】
前記突出部は、前記インターポーザの下部面の前記第2導電バンプの間隔に相関する間隔を有し、前記インターポーザを前記第1基板に連結する際に、前記インターポーザをガイドする。
前記導電連結部材は、前記突出部の間隔に相関して同様に位置する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アンダーフィル樹脂膜内のボイドの発生が低く、隣接する連結部材の間の接触を防止して信頼性を向上させた半導体パッケージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態による半導体パッケージの平面図である。
【
図2】
図1のI-I’線に沿って切断した断面図である。
【
図3】
図1のII-II’線に沿って切断した断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による半導体パッケージの断面図である。
【
図9】
図1の半導体パッケージの製造工程を順次的に示す断面図である。
【
図10】
図1の半導体パッケージの製造工程を順次的に示す断面図である。
【
図11】
図1の半導体パッケージの製造工程を順次的に示す断面図である。
【
図12】
図1の半導体パッケージの製造工程を順次的に示す断面図である。
【
図13】
図1の半導体パッケージの製造工程を順次的に示す断面図である。
【
図14】
図1の半導体パッケージの製造工程を順次的に示す断面図である。
【
図15】
図1の半導体パッケージの製造工程を順次的に示す断面図である。
【
図16】本発明の第2実施形態による半導体パッケージの平面図である。
【
図18】本発明の第3実施形態による半導体パッケージの平面図である。
【
図19】
図18のIII-III’線に沿って切断した断面図である。
【
図20】本発明の第4実施形態による半導体パッケージの平面図である。
【
図21】本発明の第5実施形態による半導体パッケージの平面図である。
【
図22】本発明の第6実施形態による半導体パッケージの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の具体的例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
本明細書で、1つの構成要素が他の構成要素に連結されるか、結合されるか、又は上にあると言及する場合、これは直接連結されるか、結合されるか、上にあるか、又はその間に他の構成要素が介在することを意味する。反対に、1つの構成要素が他の構成要素に接する(又は直接連結されるか、又は直接結合される)と言及する場合、これはそれらの間に介在する構成要素がないことを意味する。
【0012】
本明細書で使用する“同じである”、“同一である”、“平坦である”、又は“共面をなす”という用語は、例えば製造工程によって発生する変動を含んで概ね同一であることを含むことを理解すべきである。本明細書で“実質的に”という用語は、文脈又は他の説明が異なることを示さない限り、この意味を強調するために本明細書で使用される。
【0013】
文脈で異なって指示されない限り、本明細書で使用する“幅”は典型的に横方向に要素の最大寸法を指称する(例えば、円錐の幅は異なって明示されない限り、円錐の直径を示す)。また、文脈で異なって明示されない限り、2つの要素間の間隔は通常的に2つの要素間の最小間隔を意味する(例えば、平面上で基底部を有する2つの円錐間の間隔は円錐基底部間の最小距離を意味し、(異なって明示された文脈を除いては)円錐頂点間の間隔を意味しない。
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態による半導体パッケージの平面図であり、
図2は、
図1のI-I’線に沿って切断した断面図、
図3は、
図1のII-II’線に沿って切断した断面図、
図4は、
図1の半導体パッケージの斜視図、
図5は、
図4の部分斜視図である。特に、
図5はモールド膜18の立体構造を示す。
【0015】
図1~
図5を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ100は下部パッケージLP上にインターポーザIPが積層された構造を有する。下部パッケージLPは第1基板10及び第1基板10上に実装された半導体チップ30を含む。第1基板10は、例えばエポキシ樹脂やポリイミドのような複数層の絶縁物質で形成される基板コア10a及びこれらの間に介在する複数の配線層を含んで半導体パッケージ100の外部にある装置と半導体チップ30との間の電気的連結を提供する。
【0016】
第1基板10は第1下部導電パッド12を含む。第1基板10は下部面に配置された第1下部絶縁膜11aを含む。第1基板10の上部面には互いに離隔された第1上部導電パッド14aと第2上部導電パッド14bとが配置される。第1基板10の上部面は第1上部絶縁膜11bを含む。図示していないが、基板コア10aの配線層及び基板コア10aの隣接する配線層を連結する導電ビアは、第1下部導電パッド12と第1上部導電パッド14a及び第2上部導電パッド14bとを互いに電気的に連結するための回路連結ラインを形成する。第1下部導電パッド12にはソルダボールのような外部端子22が付着される。外部端子22は、錫(Sn)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、又はビスマス(Bi)の中の少なくとも1つの金属を含む。
【0017】
半導体チップ30は第1上部導電パッド14aに半導体チップ30のチップパッド(図示せず)に連結された内部端子53(例えば、ソルダボールや端子のような導電バンプ)を利用してフリップチップボンディング方式で実装される。内部端子53は、錫(Sn)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、又はビスマス(Bi)の中の少なくとも1つの金属を含む。第1基板10はモールド膜18で覆われる。モールド膜18は、例えばエポキシ系物質で形成される。モールド膜18は内部端子53の間及び半導体チップ30と第1上部絶縁膜11bとの間の空間を満たす。モールド膜18は、第1基板10を覆う主要部18m、主要部18mから突出する第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)を含む。少なくとも第2及び第3突出部(18p2、18p3)はインターポーザIPに接する。
【0018】
第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面は同じ高さを有する。第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面は半導体チップ30の上部面と同じ高さを有する。第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面は主要部18mの上部面よりも突出する。第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の側面と主要部18mの上部面はリセスされた領域の内面をなす。また、モールド膜18は第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面及び側面と主要部18mの上部面によって階段状の表面を有する。
【0019】
第1突出部18p1は、半導体チップ30の上部側面に接し、半導体チップ30を囲む。第2突出部18p2は平面的に‘L’字形状を有する。第2突出部18p2は各々第1基板10の角に隣接するように配置される。第3突出部18p3は柱形状である。第3突出部18p3は第1基板10側壁の中心部分に隣接するように配置される。
【0020】
主要部18mには複数のホール18hが形成される。ホール18hは第2上部導電パッド14bを露出させる。ホール18hの間には主要部18mの一部であるホール分離部18fが配置される。ホール分離部18fはモールド膜18dの一部で形成される。ホール18h内には各々第1基板10とインターポーザIPとを電気的に連結させる導電連結部材59が配置される。導電連結部材59は、電気的に導電性であり、錫(Sn)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、又はビスマス(Bi)の中の少なくとも1つの金属を含む。
【0021】
インターポーザIPは第2基板50を含む。第2基板50は、例えばエポキシ樹脂やポリイミドのような絶縁物質を含む。第2基板50の下部面には導電連結部材59に接する第2下部導電パッド52が配置される。第2基板50の上部面には第3上部導電パッド54が配置される。第2基板50の下部面は第2下部絶縁膜51aで覆われる。第2基板50の上部面は第2上部絶縁膜51bで覆われる。インターポーザIPは第1基板10と類似な構造を有する。例えば、第2基板50の内部には回路連結ライン(インターポーザIPの隣接する絶縁膜(例えば、ポリイミド膜)の間に介在する)及び複数の配線を形成するビアが配置されて第2下部導電パッド52と第3上部導電パッド54との各対を電気的に連結する。絶縁膜(11a、11b、51a、51b)は、例えばポリイミドで形成される。
【0022】
モールド膜18の主要部18mの上部面と第2下部絶縁膜51aとの間の空間はアンダーフィル樹脂膜20で満たされる。アンダーフィル樹脂膜20はエポキシ系物質で形成される。アンダーフィル樹脂膜20はホール18hの内側壁と導電連結部材59との間の空間も満たす。アンダーフィル樹脂膜20は導電連結部材59の間の空間も満たす。アンダーフィル樹脂膜20は導電連結部材59と第2及び第3突出部18(p2、18p3)との間の空間も満たす。
【0023】
第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)はインターポーザIPを支持する支持台の役割をする。第1突出部18p1は半導体チップ30の側面を囲み、半導体パッケージ100の製造工程中の半導体チップ30の側面を保護する役割をする。第2突出部18p2は、第1基板10の角に隣接するように配置される導電連結部材59に隣接して、半導体パッケージ100の製造工程中のインターポーザIPの第1方向D1及び第1方向D1に直交する第2方向D2への摺動を防止して半導体パッケージ100の信頼性を向上させる。第3突出部18p3は第2方向D2に対向する第1基板10の側壁に隣接するように配置されて半導体パッケージ100の製造工程中のインターポーザIPの第2方向D2への摺動を防止して半導体パッケージ100の信頼性を向上させる。
【0024】
図6は、本発明の一実施形態による半導体パッケージの断面図であり、
図7及び
図8は、それぞれ
図6の‘P1’と‘P2’部分を拡大した図である。
【0025】
図2及び
図3で、インターポーザIPは曲がり(warpage)現象無しで半導体チップ30及び第1突出部18p1に接する。しかし、インターポーザIPは
図6~
図8に示すように微細に曲がる。従って、アンダーフィル樹脂膜20は第1突出部18p1とインターポーザIPとの間及び半導体チップ30とインターポーザIPとの間(例えば、インターポーザIPの曲がりによる半導体チップ30上のインターポーザIPの隆起部分)に介在する。この場合、半導体チップ30とインターポーザIPとの間のアンダーフィル樹脂膜20の第1厚さT1は望ましくは約10μm以下である。例えば第1厚さT1は約5~10μmである。
【0026】
モールド膜18は位置によって異なる表面粗さを有する。具体的に、第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面(18p1u、18p2u、18p3u)はモールド膜18の他の部分よりも小さい表面粗さを有する。即ち、第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面(18p1u、18p2u、18p3u)は第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の側壁(18p1s、18p2s、18p3s)よりも小さい表面粗さを有する。また、第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面(18p1u、18p2u、18p3u)は、主要部18mの上部面18muと側壁18ms、ホール分離部18fの上部面18fu、及びホール分離部18fの側壁18fsよりも小さい表面粗さを有する。反面、第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面(18p1u、18p2u、18p3u)を除外したモールド膜18の他の部分は同一又は類似の表面粗さを有する。即ち、第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の側壁(18p1s、18p2s、18p3s)、主要部18mの上部面18mu及び側壁18ms、ホール分離部18fの上部面18fu、並びにホール分離部18fの側壁18fsは互いに同一又は類似の表面粗さを有する。
【0027】
これとは異なり、モールド膜18は位置に応じて同一又は類似の表面粗さを有してもよい。
【0028】
ホール18hの内側壁は、ホール分離部18fの側壁18fsからなるか、又はホール分離部18fの側壁18fsと主要部18mの側壁18msとからなる。主要部18mの側壁18msと第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の側壁(18p1s、18p2s、18p3s)の中の少なくとも1つは共面をなす。
【0029】
図示していないが、半導体パッケージ100で、半導体チップ30とインターポーザIPとの間に熱境界物質膜(Thermal Interface material)が介在し得る。この場合、第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面(18p1u、18p2u、18p3u)が熱境界物質膜の上部面と同一の高さを有する。或いは、熱境界物質膜は第1突出部18p1とインターポーザIPとの間に介在する。この場合、アンダーフィル樹脂膜20の上部面が熱境界物質膜の上部面と同一の高さを有する。熱境界物質膜は、例えばシリコン系列の物質を含み、アンダーフィル樹脂膜20及びモールド膜18よりも更に速い速度で熱を伝導する。
【0030】
次に、本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法について説明する。
【0031】
【0032】
図9を参照すると、複数のチップ領域(
図15の領域A参照)を含む第1基板10を準備する。但し、2つのチップ領域の2つのチップを図面に示したが、追加的なチップ領域が形成される。また、チップ領域は、2次元行列(例えば、平面斜視図で列方向及び行方向に延びる)に配列され、(例えば、水平方向に互いに隣接する)領域毎に多数のチップを含む。第1基板10の第1上部導電パッド14a上にソルダボールのような内部端子53を利用して半導体チップ30をフリップチップボンディング方式で実装する。一例として、(例えば、半導体チップのスタックを含む)半導体パッケージの形態で、半導体装置が各半導体チップ30の代わりに実装される。第1基板10の第2上部導電パッド14b上にソルダボールやピラーのような第1導電バンプ17をボンディングする。第1導電バンプ17の上端の高さは半導体チップ30の上部面より低く形成する。内部端子53及び第1導電バンプ17は、両方共に錫(Sn)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、又はビスマス(Bi)の中の少なくとも1つの金属を含むように形成される。金型枠(図示せず)内に半導体チップ30及び第1導電バンプ17がボンディングされた第1基板10をローディングする。そして、金型枠(図示せず)内にモールド膜形成用流動性樹脂液を供給した後、硬化させてモールド膜18を形成する。この時、半導体チップ30の上部面が金型枠と接するようにしてモールド膜18が第1基板10と半導体チップ30との側面を覆い、半導体チップ30の上部面を露出させるように形成する。モールド膜18の上部面は半導体チップ30の上部面と共面をなす。
【0033】
図10を参照すると、金型枠から第1基板10をアンローディングする。レーザーを利用してモールド膜18を一部除去して上部に複数の第1及び第2リセス領域(18r1、18r2)を形成すると同時に(
図5参照)第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)及びチップ分離突出部18iを形成する。第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面は半導体チップ30の上部面と共面をなす。第1リセス領域18r1は第1~第3突出部(18p1、18p2、
図5の18p3)の間に形成される。第1リセス領域18r1が垂直断面図で分離されるように示したが、このような第1リセス領域18r1は最も大きい単一リセス(例えば、
図1に示したように実質的に環形状の部分のように)の一部である。第2リセス領域18r2は隣接する第2突出部18p2の間に形成される。従って、モールド膜18の第1及び第2リセス領域(18r1、18r2)の各表面はモールド膜18の上部面よりも表面粗さが粗くなる。第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)は
図1~
図5を参照して説明したものと同様に形成される。第2及び第3突出部(18p2、18p3)は隣接して形成される第1導電バンプ17(その後に形成される導電連結部材59)の形状に沿う側壁を有するように形成される(
図1及び
図5参照)。
図1に示したように、インターポーザIPを第1基板10上に置く際に、インターポーザIPを位置させるために助けとなる第2及び第3突出部(18p2、18p3)に隣接する導電連結部材59に関して、第2及び第3突出部(18p2、18p3)に隣接する導電連結部材59と第2及び第3突出部(18p2、18p3)の側壁との間の空間は一定に形成される。第1導電バンプ17の一列に隣接するように形成される際(及び、後に導電連結部材59に隣接する)、第2突出部18p2の側壁は、(上部平面図において)隣接する第1導電バンプ17の位置に対応する波の谷と、列の第1導電バンプ17(後の導電連結部材59)の間の位置に対応する波の頂点とを有する波形状を有する。第1突出部18p1は半導体チップ30の側面を保護する。即ち、レーザーでモールド膜18の一部を除去する際に、仮に半導体チップ30の側面が露出されると、レーザーによって半導体チップ30の側面も損傷する可能性があるが、半導体チップ30の側面から第1突出部18p1で離隔されてモールド膜18の除去工程が進行されるため、半導体チップ30の側面の損傷を防止することができる。
【0034】
図11を参照すると、レーザーを利用して(
図10の構造に対して)第1リセス領域18r1の底下のモールド膜18を一部除去して対応する第1導電バンプ17を各々露出させる複数のホール18hを形成する。また、ホール分離部18fもホール18hの間に形成される。ホール18hもレーザーを利用して形成されるため、第1及び第2リセス領域(18r1、18r2)の表面と実質的に同一の表面の粗さを有するように形成される。
【0035】
製造方法の変形例として、モールド膜18は(モールド膜18に対応する形態を有する)モールドフレームを使用して形成される。(例えば、
図1~
図5に示した)モールド膜18の構造がレーザーを利用して形成されずに金型枠によって形成される場合、モールド膜18の全ての表面の粗さは位置に関係なく同一又は類似である。この変形例では、流動性樹脂をモールドフレーム内に注入して樹脂を硬化させた後、第1導電バンプが第1下部導電パッド上に形成される。
【0036】
ホール18hが形成されて(ホール18hの側壁を形成する)ホール分離部18fの側壁18fsは第1導電バンプ17の上部面上に延長される。ホール分離部18fの上部面18fuは第1導電バンプ17の上部面よりも高い。このようにした上、リフロー工程を後続的に進行させて第1導電バンプ17と第2導電バンプ57(例えば、以下で説明するように)との接触対を統合する(merge)。意図しない隣接する第1導電バンプ17又は第2導電バンプ57との接触を回避するためにこのようなリフロー工程が行われる。従って、導電連結部材59の間の間隔が小さいため、半導体パッケージ100の大きさを減少させることの助けとなり、より多くの外部端子22が半導体パッケージ100に具現される。例えば、一定間隔に離隔された導電連結部材59のピッチ(pitch)は導電連結部材59の水平幅(Wcm)の1.5倍以下である。
【0037】
このような小さいピッチは垂直に延長された(例えば、その水平幅Wcmと同一であるか、又はより大きい高さを有する)導電連結部材59としても具現される。一部の例で、第1リセス領域18r1はインターポーザIPの下部面と第1基板10の上部面との間の距離の1/2より小さい(後続で形成される導電連結部材59の高さに対応する)深さに形成されてホール分離部18fのそのような側壁18fsを形成する。
【0038】
図12、
図13(A)、
図13(B)、及び
図14を参照すると、インターポーザIPを準備する。インターポーザIPの第2下部導電パッド52には各々第2導電バンプ57がボンディングされる。第2導電バンプ57は、規則的な間隔をおいて配列され、第1導電バンプ17の配列に対応する(例えば、ミラー対称配列を有する)。各々のインターポーザIPは各々の半導体チップ30に重畳する位置で第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)に接するように位置させる。この際、第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)はインターポーザIPを支持する支持台の役割をする。例えば、第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3は)対応するインターポーザIP(例えば、
図13(A)参照)の下部面に接触して各々のインターポーザIPを支持する。一部の例で、単一の連続インターポーザ(例えば、
図12及び
図13(A)に示す個別インターポーザIPを連結する連結部を含む単一の連続インターポーザ)は、第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)に接触し(例えば、ここで説明するように、基板10をカッティングしてチップ領域を分離させる部分に)、その後にカッティングされて、
図12及び
図13(A)に示すように分離された個別のインターポーザIPが提供される。第2導電バンプ57は対応する第1導電バンプ17に接触する。その後、熱を加えてリフロー工程を進行し、第1導電バンプ17と第2導電バンプ57とを単一構造に統合して(merge)導電連結部材59を形成する(
図14参照)。この際、インターポーザIPの曲がりを防止するために治具(jig)70を使用してインターポーザIPを下に押した状態で(
図13(A)参照)リフロー工程を進行する。
【0039】
図13(B)は第2及び第3突出部(18p2、18p3)が無い比較例である。
【0040】
リフロー工程を進行する前に、第1及び第2導電バンプ(17、57)の表面が丸いため、治具70の力によって、
図13(B)のようにインターポーザIPが横に(例えば、第1方向D1)摺動する。仮に第2及び第3突出部(18p2、18p3)が無いと、インターポーザIPが定位置から逸脱して、導電バンプ17が望まない第2導電バンプ57に接することになって(又は、リフロー工程の間に連結されて)(例えば、意図した第2導電バンプ57に隣接する第2導電バンプ57が接する)不良が発生する。第2及び第3突出部(18p2、18p3)は、インターポーザIPの前後左右の複数の水平方向、例えば第1方向D1(
図13(A)の左側又は右側)及び第2方向D2(
図13(A)の手前側と向こう側、
図1参照)の前後左右への摺動を防止し、半導体パッケージを形成する際に、半導体パッケージの不良率を減らして収率を向上させる。幾つかの例において(例えば、
図1及び
図2参照)、1つ以上の第2突出部18p2は平面的に‘L’字形状を有し、第1基板10の4つの角(コーナー)部分に隣接するように(例えば、
図15の領域(A)参照)配置されてインターポーザIPの第1方向D1及び第2方向D2への摺動を防止する。導電連結部材59は1つ以上の“L”字形状の突出部18p2の内角に隣接して位置するコーナーを含むアレイの境界を有する2次元アレイに形成される。導電連結部材の規則的な間隔は、アレイの境界内の全体領域を通じて連続する必要は無く、(例えば、半導体チップ30の配置のために)より大きい間隔を提供するために中断される。第3突出部18p3は第2方向D2に互いに対向する第1基板10のチップ領域の縁に沿って配置されてインターポーザIPの第2方向D2への摺動を防止する。
【0041】
例えば、インターポーザが第1基板上に配置される際、第2突出部18p2(及び/又は第3突出部18p3)は第2導電バンプ57の中の最も外側方の2つの第2導電バンプ57の間の距離に相関するこれらの間の水平間隔を有するように形成されて第2導電バンプ57が水平方向に不正確に位置することを防止する。例えば、
図13(A)を参照すると、第2突出部18p2(及び/又は第3突出部18p3)の間の距離は第1距離S1である。第2導電バンプ57の中の最も外側方の2つの導電バンプの間(中心から中心まで)の距離は第2距離S2で離隔される。そして、第1距離S1と第2距離S2との間の差は第2導電バンプ57の幅(
図13(A)で、球形で提供される場合に第2導電バンプ57の直径W
Bに相応する水平幅)の3倍よりも小さい(例えば、最外郭の第2導電バンプ57に隣接する第2又は第3突出部(18p2、18p3)の間の第2導電バンプ57の幅以下の空間を残す)。第1距離S1と第2距離S2との差は第2導電バンプ57の幅の50%以下の空間を残すように第2導電バンプ57の水平幅の2倍よりも小さい。突出部(18p1、18p2、18p3)によって定義された第1リセス領域18r1内に第2導電バンプ57のアレイの突出部を嵌め込むことによって、インターポーザIPのより良好な位置設定を提供するように小さい間隔が具現される。例えば、第2又は第3突出部(18p2、18p3)に隣接するように位置する第2導電バンプ57の中の最も外側方の第2導電バンプ57の間の間隔は第2導電バンプ57の幅の20%以下である。第2及び/又は第3突出部(18p2及び/又は18p3)の多様な対は、ここに言及する通り、第1方向D1及び第2方向D2に離隔されてそれらの間に位置する第2導電バンプ57の中の最も外側方の第2導電バンプ57の間隔に関連する水平間隔を有する。
【0042】
図14を参照して説明するリフロー工程を遂行した後、その間に位置する最も外側方の第2導電バンプ57の位置に対する一対の突出部(18p2及び/又は18p3)の間の間隔及び幅は、導電連結部材59の位置設定に対する間隔及び導電連結部材59の幅と実質的に同一であり、これは本発明の多様な実施形態の範囲内にあるものと理解されなければならない。
図8及び
図14を参照すると、例えば
図1の第2突出部18p2に隣接して位置する導電連結部材59は第2突出部18p2からS3距離で離隔され(
図8参照)、これは導電連結部材59の幅Wcmよりも小さく、望ましくは幅Wcmの50%以下であり、より望ましくは幅Wcmの20%以下である。
【0043】
このような対の第2導電バンプ57の間に位置する隣接する対の突出部である第2導電バンプ57の対の間隔の間の類似な関係で類似な結果が達成されることを理解すべきである。第2導電バンプ57、導電連結部材59、及び突出部に関する位置及び間隔の細部事項を含むこれらに対する代案は同様に適用可能であるが、導電連結部材59に隣接する突出部が更に第3突出部18p3を含む場合、第2距離S2は第1距離S1を超過する。
【0044】
図14を参照すると、モールド膜18の主要部18mとインターポーザIPとの間の空間にアンダーフィル樹脂膜20用樹脂液を供給して満たし、硬化してアンダーフィル樹脂膜20を形成する。アンダーフィル樹脂膜20用樹脂液は毛細管現象によってモールド膜18の主要部18mとインターポーザIPとの間の空間及びホール18h内に浸透する。モールド膜18の主要部18mの上部面の高さが第1~第3突出部(18p1、18p2、18p3)の上部面と高さが同一であるため、仮にモールド膜18の主要部18mとインターポーザIPとの間の空間が無いと、アンダーフィル樹脂膜20用樹脂液の流れが困難になり、樹脂液がホール18hを満たすことが困難になる。従って、ホール18h内及び半導体パッケージ100内にボイドが発生する確率が増加する。このようなボイドが発生すると、ここに湿気や工程の副産物が残留するため、半導体パッケージの信頼性を低下させる。しかし、本実施形態ではモールド膜18の主要部18mとインターポーザIPとの間の空間(又は第1リセス領域18r1)によってアンダーフィル樹脂膜20用樹脂液の流れが円滑になってボイドの発生する確率を顕著に減少させることができる。高さが減少した主要部18mの大きさ及び位置は、樹脂溶液の流れを容易にして、アンダーフィル樹脂膜20を形成する時に樹脂溶液の流れのための流動チャンネルを提供する。例えば、主要部18mは半導体パッケージ100の中間付近の位置に形成されて半導体チップ30に隣接する。導電連結部材59が形成されない主要部18m上に形成されたリセス領域18r1の部分の大きさは、少なくとも導電連結部材59の幅であり、例えば導電連結部材59の幅の1.5倍又はそれ以上である。導電連結部材59が形成されない主要部18m上に形成されたリセス領域18r1の部分の大きさは、隣接する導電連結部材59の間の最小間隔よりも相当に大きく、例えばその間隔の2倍又は3倍以上大きい。同様に、ホール分離部18fの高さをインターポーザIPの底より低くすると、ホール分離部18fとインターポーザIPとの間隔によって樹脂溶液が十分に流れるようになって(例えば、ホール分離部18fの上部上に)アンダーフィル樹脂膜20を形成する時にボイドが生成される可能性を低下させるが、本明細書で言及するように、第1導電バンプ17の高さよりも高く分離部18fの高さを維持することは導電連結部材59の密集する配列を提供するために望ましい。従って、分離部18fの高さ(及び分離部18fの上面18fuに対応する高さ)は、低く形成されるが、導電連結部材59の高さの1/2以上、望ましくは導電連結部材59の高さの50%から75%の間、より望ましくは導電連結部材59の高さの55%から65%の間になる。これにより、半導体パッケージの信頼性が向上する。
【0045】
後続的に、
図15及び
図2を参照すると、第1下部導電パッド12にソルダボールのような外部端子22をボンディングする。その後、シンギュレーション工程を進行してチップ領域Aを除外した縁領域Bをレーザー等により除去して個別の半導体パッケージ100を形成する。この時、チップ分離突出部18iも除去される。
【0046】
図16は、本発明の第2実施形態による半導体パッケージの平面図であり、
図17は、
図16の半導体パッケージの上部斜視図である。
【0047】
図16及び
図17を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ101では第2突出部18p2が互いに離隔された第1サブ突出部18p2a、第2サブ突出部18p2b、及び第3サブ突出部18p2cを含む。第1サブ突出部18p2aは第1基板10の各角部分に隣接するように配置される。第2サブ突出部18p2bは各々第1サブ突出部18p2aの両横に隣接するように配置される。第3サブ突出部18p2cは各々第2サブ突出部18p2bに隣接するように配置される。第1~第3サブ突出部(18p2a、18p2b、18p2c)を連結すると、平面的に‘L’字形状を有する。第1サブ突出部18p2aと第2サブ突出部18p2bとの間の空間は第1ベント(vent)領域18v1に対応する。第2サブ突出部18p2bと第3サブ突出部18p2cとの間の空間は第2ベント領域18v2に対応する。このような第1及び第2ベント領域(18v1、18v2)は
図14のアンダーフィル樹脂膜20を形成する工程でアンダーフィル樹脂膜20用樹脂液の流れをより円滑にして第2突出部18p2に隣接する領域にボイドが形成されることを防止する。従って、半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。アンダーフィル樹脂膜20用樹脂液の円滑な流れのために第1及び第2ベント領域(18v1、18v2)の第1幅W1は望ましくは約15μm以上である。例えば第1幅W1は約15μm~80μmである。
【0048】
図18は、本発明の第3実施形態による半導体パッケージの平面図であり、
図19は、
図18のIII-III’線に沿って切断した断面図である。
【0049】
図18及び
図19を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ102では4つの導電連結部材59が各々第1基板10の4つの側壁の中心部分に隣接するように配置される。説明の簡易化のために4つの導電連結部材59のみを図示したが、追加的な導電連結部材59が他の実施形態に関連して提供され得る。モールド膜18は、主要部18m、ホール18h、及び第2突出部18p2を含む。本実施形態で第2突出部18p2は平面的に‘C’形状を有する。第2突出部18p2は導電連結部材59に隣接して半導体パッケージ102の製造工程でインターポーザIPの第1方向D1及び第2方向D2への摺動を防止する。また、半導体チップ30の上部面はインターポーザIPに接せずに離隔される。半導体チップ30の上部面の高さは主要部18mの上部面の高さと同一である。主要部18mは半導体チップ30の側面を保護する。アンダーフィル樹脂膜20は半導体チップ30とインターポーザIPとの間に介在する。それ以外の構造及び製造方法は
図1~
図15を参照して説明したものと同一又は類似である。
【0050】
図20は、本発明の第4実施形態による半導体パッケージの平面図である。
【0051】
図20を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ103では4つの連結部材59が各々第1基板10の4つの角に隣接するように配置される。モールド膜18は主要部18m、ホール18h、及び第2突出部18p2を含む。説明の簡易化のために4つの導電連結部材59のみを図示したが、追加的な導電連結部材59が他の実施形態に関連して提供され得る。本実施形態で第2突出部18p2は平面的に‘L’字形状を有する。第2突出部18p2は導電連結部材59に隣接して半導体パッケージ102の製造工程でインターポーザIPの第1方向D1及び第2方向D2への摺動を防止する。それ以外の構造は
図18及び
図19を参照して説明したものと同一又は類似する。
【0052】
図21は、本発明の第5実施形態による半導体パッケージの平面図である。
【0053】
図21を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ104ではSiP(System in Package)構造のように、第1基板10上に複数の半導体チップ(30a、30b)が実装され、同じ半導体パッケージ104内に共にパッケージされる。半導体チップ(30a、30b)は互いに異なる種類であってもよい(例えば、メモリチップとメモリコントローラチップ、又は揮発性メモリチップと不揮発性メモリチップのような異なる種類のメモリチップ)。第1基板10の4つの側壁に沿って複数の連結部材59が一列に配置される。第2突出部18p2は第1基板10の4つの角に各々隣接するように配置される連結部材に隣接するように配置される。第2突出部18p2は平面的に‘L’字形状を有する。本実施形態によるモールド膜18は主要部18m、ホール18h、第1突出部18p1、及び第2突出部18p2を含む。本実施形態で第1基板10上に2つの半導体チップ(30a、30b)が実装されたが、半導体チップ(30a、30b)の実装数はこれに限定されず、3つ以上であってもよい。それ以外の構成は
図1~
図5を参照して説明したものと同一又は類似である。
【0054】
図22は、本発明の第6実施形態による半導体パッケージの断面図である。
【0055】
図22を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ105は下部パッケージLP上に上部パッケージUPが実装されたパッケージオンパッケージ(Package on Package)構造を有する。上部パッケージUPでは第2基板50の第3上部導電パッド54上に上部半導体チップ80がフリップチップボンディング方式で実装される。第2基板50は上部モールド膜82で覆われる。それ以外の構成は
図1~
図5を参照して説明したものと同一又は類似である。
【0056】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 第1基板
10a 基板コア
11a 第1下部絶縁膜
11b 第1上部絶縁膜
12 第1下部導電パッド
14a 第1上部導電パッド
14b 第2上部導電パッド
17、57 第1、第2導電バンプ
18 モールド膜
18f ホール分離部
18fs ホール分離部の側壁
18fu ホール分離部の上部面
18h ホール
18i チップ分離突出部
18m 主要部
18ms 主要部の側壁
18mu 主要部の上部面
18p1、18p2、18p3 第1~第3突出部
18p1s、18p2s、18p3s 第1~第3突出部の側壁
18p1u、18p2u、18p3u 第1~第3突出部の上部面
18p2a、18p2b、18p2c 第1~第3サブ突出部
18r1、18r2 第1、第2リセス領域 18v1、18v2 第1、第2ベント領域
20 アンダーフィル樹脂膜
22 外部端子
30、30a、30b 半導体チップ
50 第2基板
51a 第2下部絶縁膜
51b 第2上部絶縁膜
52 第2下部導電パッド
53 内部端子(導電バンプ)
54 第3上部導電パッド
59 導電連結部材
70 治具
80 上部半導体チップ
82 上部モールド膜
100、101、102、103、104、105 半導体パッケージ
IP インターポーザ
LP 下部パッケージ
UP 上部パッケージ