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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/80 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
E02F3/80 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018135634
(22)【出願日】2018-07-19
(65)【公開番号】P2020012314
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】沼 康孝
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 一気
【審査官】大塚 裕一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/164056(WO,A1)
【文献】特開平7-117709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/627-3/815
3/88-3/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に延びるアクスルフレームと、
前記アクスルフレームに連結されるシリンダと、
前記シリンダに接続され、前記シリンダに作動油を供給するための第1供給管路と、
を備え、
前記第1供給管路は、前記アクスルフレームに固定され
前記アクスルフレームは、前ビームと、前記前ビームの後方かつ前記シリンダの前方に配置される後ビームとを有し、
前記後ビームは、前記第1供給管路が挿通される挿通孔を有する、
作業車両。
【請求項2】
前記シリンダに接続され、前記シリンダに作動油を供給するための第2供給管路を備え、
前記第2供給管路は、前記挿通孔に挿通され、
前記後ビームの正面視において、前記挿通孔は、左右方向に対して傾斜する方向に延びている、
請求項に記載の作業車両。
【請求項3】
前記アクスルフレームは、前記前ビームと前記後ビームとに接続される補強部を有し、
前記第1供給管路は、前記補強部に固定される、
請求項又はに記載の作業車両。
【請求項4】
前記第1供給管路は、前記前ビームの下端部より上方に位置する、
請求項乃至のいずれかに記載の作業車両。
【請求項5】
前記第1供給管路は、前記前ビームより後方に位置する、
請求項乃至のいずれかに記載の作業車両。
【請求項6】
前記第1供給管路は、第1管部と、第2管部とを有し、
前記第1管部は、前記前ビームと前記後ビームとの間において前記第2管部に接続され、
前記第2管部は、前記前ビームと前記後ビームとの間において前記アクスルフレームに固定され、かつ、前記挿通孔に挿通される、
請求項に記載の作業車両。
【請求項7】
前記第2管部は、
前記前ビームと前記後ビームとの間において前記アクスルフレームに固定され、前記後ビームに沿って延びる第1部分と、
前記第1部分に接続され、かつ、前記挿通孔に挿通される第2部分と、
を含む、
請求項に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の作業車両は、左右の車輪のステアリング機構として、アクスルフレームと、アクスルフレームの左右両端に取り付けられる一対のブラケットと、一対のブラケットを連結するタイロッドと、一方のブラケットとアクスルフレームとに連結されるステアリングシリンダとを備えている。左右の車輪は、ステアリングシリンダの伸縮に応じて左右に旋回する。
【0003】
特許文献1に記載の作業車両は、左右の車輪のリーニング機構として、一対のブラケットを連結するリーニングロッドと、一方のブラケットとアクスルフレームとに連結されるリーニングシリンダとを備えている。左右の車輪は、リーニングシリンダの伸縮に応じて左右に傾斜する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第3783966号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ステアリングシリンダ及びリーニングシリンダ(以下、「シリンダ」と総称する。)のそれぞれには、車体に配置された油圧ポンプから送出される作動油を供給するための供給管路を接続する必要がある。
【0006】
しかしながら、シリンダの周辺には可動部材(タイロッド、リーニングロッドなど)と非可動部材(アクスルフレームなど)とが配置されているため、これらの部材と干渉しないように供給管路を引き回すのは容易ではない。
【0007】
本発明は、シリンダに接続される供給管を容易に引き回し可能な作業車両の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る作業車両は、左右方向に延びるアクスルフレームと、アクスルフレームに連結されるシリンダと、シリンダに接続され、シリンダに作動油を供給するための1供給管路とを備える。第1供給管路は、アクスルフレームに固定される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ステアリングシリンダに接続される作動油の供給管を容易に引き回し可能な作業車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】モータグレーダの側面図
図2】アクスルアセンブリの正面図
図3】アクスルアセンブルの上面図
図4】フロントアクスルフレームの斜視図
図5】後ビームの正面図
図6】アクスルアセンブリの斜視図
図7】アクスルアセンブルの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(モータグレーダ1の全体構成)
図1は、モータグレーダ1の側面図である。以下の説明において、「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、運転席に着座したオペレータから見た方向を基準とする用語である。
【0012】
モータグレーダ1は、整地作業、除雪作業、軽切削、及び材料混合などの作業を行なうための作業車両である。モータグレーダ1は、フレーム10、左右一対の前輪20a,20b、左右一対の第1後輪30a,30b、左右一対の第2後輪31a,31b、作業機40、キャブ50、エンジン60、及び油圧ポンプ70を備える。
【0013】
フレーム10は、フロントフレーム11及びリアフレーム12によって構成される。フロントフレーム11は、前後方向に延びる。フロントフレーム11の前端部は、前輪20a,20bによって支持される。フロントフレーム11の後端部は、リアフレーム12の前端部に連結される。フロントフレーム11は、リアフレーム12に対して左右に回動可能である。フロントフレーム11は、作業機40を支持する。リアフレーム12は、第1後輪30a,30b及び第2後輪31a,31bによって支持される。リアフレーム12は、キャブ50、エンジン60及び油圧ポンプ70を支持する。
【0014】
作業機40は、フロントフレーム11に取り付けられる。作業機40は、フロントフレーム11の下方に配置される。作業機40は、ドローバ41、ブレード42、ブレード旋回装置43、リフトシリンダ45、及びシフトシリンダ46を備える。ドローバ41は、フロントフレーム11の前端部に連結される。ドローバ41は、上下左右に揺動可能である。ブレード42は、ブレード旋回装置43に支持される。ブレード旋回装置43は、鉛直方向の軸を中心としてブレード42を回転させる。リフトシリンダ45は、ドローバ41とフロントフレーム11に連結される。リフトシリンダ45は、ドローバ41を上下に揺動させる。シフトシリンダ46は、ドローバ41とフロントフレーム11とに連結される。シフトシリンダ46は、ドローバ41を左右に揺動させる。
【0015】
キャブ50は、フレーム10上に載置される。キャブ50には、運転席や操作装置などが配置される。エンジン60は、リアフレーム12上に配置される。エンジン60は、図示しない後輪駆動装置を介して、第1後輪30a,30b及び第2後輪31a,31bを駆動させる。油圧ポンプ70は、エンジン60によって駆動される。油圧ポンプ70としては、例えば斜板式あるいは斜軸式の油圧ポンプを用いることができる。油圧ポンプ70は、リフトシリンダ45及びシフトシリンダ46のほか、後述するリーニングシリンダ88及び左右一対のステアリングシリンダ89a,89bに作動油を送出する。
【0016】
(前輪20a,20bのアクスルアセンブリ80)
図2は、前輪20a,20bのアクスルアセンブリ80の正面図である。図3は、前輪20a,20bのアクスルアセンブリ80の上面図である。
【0017】
アクスルアセンブリ80は、フロントフレーム11の前端部に取り付けられる。アクスルアセンブリ80は、前輪20a,20bのステアリング機構とリーニング機構とを担う。
【0018】
アクスルアセンブリ80は、左右一対のハブ81a,81b、左右一対のナックルブラケット82a,82b、左右一対のキングピン83a,83b、左右一対のキングピンブラケット84a,84b、リーニングロッド85、タイロッド86、フロントアクスルフレーム87、リーニングシリンダ88、左右一対のステアリングシリンダ89a,89b、リーニング用の供給管路(図示なし)、ステアリング用の第1及び第2供給管路91,92を備える。
【0019】
リーニングロッド85及びタイロッド86は、前輪20a,20bのリーニングおよびステアリングに応じて可動する可動部材である。フロントアクスルフレーム87は、前輪20a,20bのリーニングおよびステアリングに応じて可動しない非可動部材である。リーニング用の供給管路(図示なし)及びステアリング用の第1及び第2供給管路91,92は、可動部材と干渉しないように、可動部材の可動範囲を避けるように引き回されている。
【0020】
ハブ81a,81bには、前輪20a,20bが取り付けられる。ナックルブラケット82a,82bは、ハブ81a,81bに連結される。ナックルブラケット82a,82bは、キングピン83a,83bを介してキングピンブラケット84a,84bに連結される。キングピン83a,83bは、それぞれ略鉛直方向に沿って配置される。ナックルブラケット82a,82bは、キングピン83a,83bを中心として揺動する。ナックルブラケット82aは、フロントアクスルフレーム87の両端部に対して上下及び前後に揺動可能である。
【0021】
リーニングロッド85は、キングピンブラケット84a,84bに連結される。タイロッド86は、ナックルブラケット82a,82bに連結される。フロントアクスルフレーム87は、左右方向に延びる。フロントアクスルフレーム87は、キングピンブラケット84a,84bに連結される。フロントアクスルフレーム87は、前ビーム87aと後ビーム87bとを有する。前ビーム87aと後ビーム87bとの間には、リーニングシリンダ88が配置される。後ビーム87bは、ステアリングシリンダ89a,89bの前方に配置される。フロントアクスルフレーム87の構成については後述する。
【0022】
リーニングシリンダ88は、キングピンブラケット84bとフロントアクスルフレーム87とに連結される。リーニングシリンダ88には、リーニング用の供給管路(図示なし)を介して、油圧ポンプ70(図1参照)から送出される作動油が供給される。
【0023】
ステアリングシリンダ89aは、ナックルブラケット82aとフロントアクスルフレーム87とに連結される。ステアリングシリンダ89bは、ナックルブラケット82bとフロントアクスルフレーム87とに連結される。
【0024】
第1及び第2供給管路91,92は、油圧ポンプ70から送出される作動油をステアリングシリンダ89a,89bに供給する。図2に示すように、第1及び第2供給管路91,92は、フロントアクスルフレーム87のうち前ビーム87aの下端部より上方に位置する。第1及び第2供給管路91,92は、前ビーム87aより下方に突出していない。図3に示すように、第1及び第2供給管路91,92は、フロントアクスルフレーム87のうち前ビーム87aより後方に位置する。第1及び第2供給管路91,92は、前ビーム87aより前方に突出していない。第1及び第2供給管路91,92それぞれは、フロントアクスルフレーム87に固定される。第1及び第2供給管路91,92それぞれの構成については後述する。
【0025】
ナックルブラケット82a,82b、キングピン83a,83b、タイロッド86、及びステアリングシリンダ89a,89bは、前輪20a,20bのステアリング機構を構成する。ステアリングシリンダ89a,89bは、オペレータのステアリング操作に応じて伸縮する。右旋回の場合、第1供給管路91からステアリングシリンダ89aのキャップ側とステアリングシリンダ89bのロッド側とに作動油が供給されることによって、ステアリングシリンダ89aは伸張し、ステアリングシリンダ89bは収縮する。左旋回の場合、第2供給管路92からステアリングシリンダ89aのロッド側とステアリングシリンダ89bのキャップ側とに作動油が供給されることによって、ステアリングシリンダ89aは収縮し、ステアリングシリンダ89bは伸張する。ステアリングシリンダ89a,89bの伸縮に応じて、タイロッド85で連結されたナックルブラケット82a,82bがキングピン83a,83bを中心に連動して旋回することによって、前輪20a,20bが左右に旋回する。なお、ステアリングシリンダ89a,89bの一方だけでも前輪20a,20bを左右に旋回させることはできるが、本実施形態のように左右一対のステアリングシリンダ89a,89bを用いることによってタイロッド85をよりスムーズに移動させることができる。
【0026】
キングピンブラケット84a,84b、リーニングロッド85、及びリーニングシリンダ88は、前輪20a,20bのリーニング機構を構成する。リーニングシリンダ88は、オペレータのリーニング操作に応じて伸縮する。前輪20a,20bを直立位置から右に傾斜させる場合、リーニング用の供給管路からリーニングシリンダ88のキャップ側に作動油が供給されることによって、リーニングシリンダ88は伸張する。前輪20a,20bを直立位置から左に傾斜させる場合、リーニング用の供給管路からリーニングシリンダ88のロッド側に作動油が供給されることによって、リーニングシリンダ88は収縮する。キングピンブラケット84bに連結されたリーニングシリンダ88の伸縮に応じて、リーニングロッド85で連結されたキングピンブラケット84a,84bがフロントアクスルフレーム87に対して左右に傾斜することによって、前輪20a,20bが左右にリーニングする。リーニングは、モータグレーダ1の小回り性の向上、或いは、切削作業における直進性の維持に有用である。
【0027】
(フロントアクスルフレーム87)
次に、フロントアクスルフレーム87の構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、フロントアクスルフレーム87を左斜め上前方から見た斜視図である。図5は、後ビーム87bの正面図である。
【0028】
図4に示すように、フロントアクスルフレーム87は、前ビーム87a、後ビーム87b、挿通孔87c、第1補強部87d、第2補強部87e、及び分岐支持部87fを有する。
【0029】
前ビーム87aは、左右方向に延びる。前ビーム87aは、後ビーム87bの前方に配置される。本実施形態において、前ビーム87aは板状に形成されているが、前ビーム87aの形状は特に制限されない。
【0030】
後ビーム87bは、左右方向に延びる。後ビーム87bは、前ビーム87aの後方に配置される。本実施形態において、後ビーム87bは板状に形成されているが、後ビーム87bの形状は特に制限されない。
【0031】
挿通孔87cは、後ビーム87bに形成される。挿通孔87cは、後ビーム87bを前後方向に貫通する。挿通孔87cは、第1及び第2供給管路91,92の通路として利用される。挿通孔87cには、第1及び第2供給管路91,92のそれぞれが挿通される。そのため、挿通孔87cは、所定方向に延びる長孔になっている。
【0032】
ここで、図5に示すように、挿通孔87cは、後ビーム87bの正面視において、左右方向に対して傾斜する方向に延びる。そのため、第1及び第2供給管路91,92同士が干渉しないように各々を挿通孔87cから引き出しやすい。
【0033】
また、図5に示すように、挿通孔87cは、後ビーム87bの正面視において、後ビーム87bの中立線CL1と重なっている。そのため、挿通孔87cを設けたことによって後ビーム87bの強度が低下してしまうことを抑制できる。中立線CL1とは、後ビーム87bの正面視において、後ビーム87bの上下方向における中央点を連ねた線である。
【0034】
第1補強部87dは、前ビーム87aと後ビーム87bとの間に配置される。第1補強部87dは、前ビーム87a及び後ビーム87bそれぞれの左端部に接続される。本実施形態において、第1補強部87dは板状に形成されているが、第1補強部87dの形状は特に制限されない。
【0035】
第2補強部87eは、前ビーム87aと後ビーム87bとの間に配置される。第2補強部87eは、前ビーム87a及び後ビーム87bそれぞれの右端部に接続される。本実施形態において、第2補強部87eは板状に形成されているが、第2補強部87eの形状は特に制限されない。
【0036】
分岐支持部87fは、後ビーム87bに接続される。分岐支持部87fは、後ビーム87bの後方に配置される。分岐支持部87fは、後述する第1及び第2供給管路91,92それぞれの分岐部を支持する。
【0037】
(第1及び第2供給管路91,92)
次に、ステアリング用の第1及び第2供給管路91,92の構成について、図面を参照しながら説明する。図6は、前輪20a,20bのアクスルアセンブリ80を左斜め上前方から見た斜視図である。図7は、前輪20a,20bのアクスルアセンブリ80を左斜め上後方から見た斜視図である。
【0038】
ステアリング用の第1供給管路91は、本発明に係る「第1供給管路」の一例であり、ステアリング用の第2供給管路92は、本発明に係る「第2供給管路」の一例である。
【0039】
第1及び第2供給管路91,92は、油圧ポンプ70(図1参照)から送出される作動油をステアリングシリンダ89a,89bに供給する。第1供給管路91は、ステアリングシリンダ89aのロッド側と、ステアリングシリンダ89bのキャップ側とに接続される。第2供給管路92は、ステアリングシリンダ89aのキャップ側と、ステアリングシリンダ89bのロッド側とに接続される。
【0040】
[第1供給管路91]
第1供給管路91は、第1管部101、第2管部102、第3管部103、第4管部104、及び第5管部105を有する。第1管部101には、可撓性を有するホースを好適に用いることができる。第2乃至第5管部102~105には、所望の曲げ半径に設定可能な鋼管を好適に用いることができる。
【0041】
第1管部101は、フロントフレーム11からフロントアクスルフレーム87に向かって延びる。第1管部101は、前ビーム87aと後ビーム87bとの間において、連結ブロックB1を介して、第2管部102に接続される。第1管部101は、油圧ポンプ70から送出される作動油を第2管部102に導く。
【0042】
第2管部102は、後ビーム87bの挿通孔87cに挿通される。第2管部102は、前ビーム87aと後ビーム87bとの間において、連結ブロックB1を介して、第1管部101に接続される。第2管部102は、後ビーム87bの後方において、連結ブロックB2を介して、第3管部103及び第5管部105に接続される。第2管部102は、第3管部103及び第5管部105に分岐する。
【0043】
ここで、第2管部102は、図6に示すように、第1部分102aと第2部分102bとを有する。
【0044】
第1部分102aは、第1管部101と第2部分102bとに接続される。第1部分102aは、前ビーム87aと後ビーム87bとの間に配置される。第1部分102aは、後ビーム87bに沿って配置される。第1部分102aは、左右方向に延びる。第1部分102aは、フロントアクスルフレーム87に固定される。詳細には、第1部分102aのうち第1管部101側の端部が、ステーS1を介して、フロントアクスルフレーム87の第1補強部87dに固定される。第1部分102aのうち第1管部101側の端部は、U字ボルトによってステーS1に固定されている。
【0045】
第2部分102bは、後ビーム87bの前方において、連結ブロックB3を介して、第1部分102aに接続される。第2部分102bは、後ビーム87bの挿通孔87cに挿通される。第2部分102bは、前後方向に延びる。第2部分102bは、後ビーム87bの後方において、連結ブロックB2を介して、第3管部103及び第5管部105に接続される。連結ブロックB2は、フロントアクスルフレーム87の分岐支持部87fに取り付けられたステーS2に固定される。
【0046】
第3管部103は、第2管部102と第4管部104とに接続される。第3管部103は、連結ブロックB2を介して、第2管部102に接続される。第3管部103は、連結ブロックB4を介して、第4管部104に接続される。第4管部104は、第3管部103とステアリングシリンダ89aのキャップ側とに接続される。第5管部105は、第2管部102とステアリングシリンダ89bのロッド側とに接続される。
【0047】
[第2供給管路92]
第2供給管路92は、第1管部111、第2管部112、第3管部113、第4管部114、及び図示しない第5管部を有する。第1管部111には、可撓性を有するホースを好適に用いることができる。第2乃至第4管部112~114には、曲げ半径を任意に設定可能な鋼管を好適に用いることができる。
【0048】
第1管部111は、フロントフレーム11からフロントアクスルフレーム87に向かって延びる。第1管部111は、前ビーム87aと後ビーム87bとの間において、連結ブロックC1を介して、第2管部112に接続される。第1管部111は、油圧ポンプ70から送出される作動油を第2管部112に導く。
【0049】
第2管部112は、前ビーム87aと後ビーム87bとの間において、連結ブロックC1を介して、第1管部111に接続される。第2管部112は、フロントアクスルフレーム87に固定される。詳細には、第2管部112のうち第1管部111側の端部が、ステーS1を介して、フロントアクスルフレーム87の第1補強部87dに固定される。第2管部112のうち第1管部111側の端部は、U字ボルトによってステーS1に固定されている。
【0050】
第2管部112は、後ビーム87bの挿通孔87cに挿通される。第2管部112は、後ビーム87bの後方において、連結ブロックC2を介して、第3管部113及び第4管部114に接続される。第2管部112は、第3管部113及び第4管部114に分岐する。連結ブロックC2は、フロントアクスルフレーム87の分岐支持部87fに取り付けられたステーS3に固定される。
【0051】
第3管部113は、第2管部112とステアリングシリンダ89aのロッド側とに接続される。第4管部114は、第2管部112とステアリングシリンダ89bのキャップ側とに接続される。
【0052】
(特徴)
ステアリングシリンダ89a(「シリンダ」の一例)に接続される第1供給管路91は、フロントアクスルフレーム87(「アクスルフレーム」の一例)に固定される。従って、可動部材(リーニングロッド85及びタイロッド86)と干渉しないように、第1供給管路91を容易に引き回すことができる。
【0053】
フロントアクスルフレーム87の後ビーム87bは、第1供給管路91が挿通される挿通孔87cを有する。従って、第1供給管路91の引き回しをより容易にすることができる。
【0054】
ステアリングシリンダ89aに接続される第2供給管路92は、後ビーム87bの挿通孔87cに挿通される。後ビーム87bの正面視において、挿通孔87cは、左右方向に対して傾斜する方向に延びている。従って、第1及び第2供給管路91,92の両方を挿通孔87cに挿通させた場合であっても、第1及び第2供給管路91,92同士が干渉しないように各々を挿通孔87cから引き出しやすい。
【0055】
フロントアクスルフレーム87は、前ビーム87aと後ビーム87bとに接続される第1補強部87dを有する。第1供給管路91は、第1補強部87dに固定される。従って、前ビーム87a又は後ビーム87bに直接的に第1供給管路91を固定する場合に比べて、前ビーム87a及び後ビーム87bから離れた位置で第1供給管路91を固定できるため、第1供給管路91の引き回しを更に容易にすることができる。
【0056】
第1供給管路91は、フロントアクスルフレーム87のうち前ビーム87aの下端部より上方に位置する。従って、飛び石又は障害物などとの接触によって第1供給管路91が損傷することを抑制できる。
【0057】
第1供給管路91は、フロントアクスルフレーム87のうち前ビーム87aより後方に位置する。従って、飛び石又は障害物などとの接触によって第1供給管路91が損傷することを抑制できる。
【0058】
第1供給管路91は、第1管部101と第2管部102とを有する。第1管部101は、前ビーム87aと後ビーム87bとの間において第2管部102に接続される。第2管部102は、前ビーム87aと後ビーム87bとの間においてフロントアクスルフレーム87に固定され、挿通孔87cに挿通される。従って、第1供給管路91を挿通孔87cに挿通させる場合であっても、簡便に第1供給管路91を組み付けることができる。
【0059】
第2管部102は、第1部分102aと第2部分102bとを有する。第1部分102aは、前ビーム87aと後ビーム87bとの間においてフロントアクスルフレーム87に固定され、後ビーム87bに沿って延びる。第2部分102bは、第1部分102aに接続され、かつ、挿通孔87cに挿通される。従って、第1供給管路91とともに第2供給管路92を挿通孔87cに挿通させる場合であっても、簡便に第1供給管路91を組み付けることができる。
【0060】
(他の実施形態)
上記実施形態では、本発明に係るアクスルアセンブリを適用した作業車両の一例としてモータグレーダ1について説明したが、本発明に係るアクスルアセンブリは、左右一対の車輪で走行可能な作業車両に対して広く適用可能である。
【0061】
上記実施形態では、本発明に係るアクスルアセンブリを前輪20a,20bに適用した場合について説明したが、本発明に係るアクスルアセンブリは、前輪以外の車輪にも適用可能である。
【0062】
上記実施形態では、本発明に係る第1供給管路をステアリングシリンダ89a,89bに適用した場合について説明したが、本発明に係る第1供給管路は、リーニングシリンダ88にも適用可能である。
【0063】
上記実施形態において、モータグレーダ1は、左右一対のステアリングシリンダ89a,89bを備えることとしたが、いずれか一方のステアリングシリンダのみを備えていてもよい。
【0064】
上記実施形態において、アクスルフレーム87は、前ビーム87aと後ビーム87bとを有することとしたが、アクスルフレーム87の構成は特に制限されない。
【0065】
上記実施形態において、第1供給管路91は、アクスルフレーム87のうち第1補強部87dに固定されることとしたが、第1供給管路91を固定する位置は特に制限されない。
【0066】
上記実施形態において、第1及び第2供給管路91,92のそれぞれを後ビーム87bの挿通孔87cに挿通することとしたが、第1及び第2供給管路91,92の少なくとも一方は挿通孔87cに挿通されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 モータグレーダ
10 フレーム
20a,20b 前輪
70 油圧ポンプ
80 アクスルアセンブリ
81a,81b ハブ
82a,82b ナックルブラケット
83a,83b キングピン
84a,84b キングピンブラケット
85 リーニングロッド
86 タイロッド
87 フロントアクスルフレーム
87a 前ビーム
87b 後ビーム
87c 挿通孔
87d 第1補強部
87e 第2補強部
87f 分岐支持部
88 リーニングシリンダ
89a,89b ステアリングシリンダ
91 ステアリング用の第1供給管路
101 第1管部
102 第2管部
102a 第1部分
102b 第2部分
92 ステアリング用の第2供給管路
図1
図2
図3
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図5
図6
図7