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特許7160772情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20221018BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221018BHJP
   G06Q 30/08 20120101ALI20221018BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q30/02 368
G06Q30/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019137206
(22)【出願日】2019-07-25
(62)【分割の表示】P 2018135842の分割
【原出願日】2018-07-19
(65)【公開番号】P2020013579
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 晃輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 伸介
(72)【発明者】
【氏名】蘇 恒
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-7098(JP,A)
【文献】特開2003-30691(JP,A)
【文献】特開2018-88130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他装置と通信する通信部と、
第1期間にわたって駐車場を利用することを予約した第1ユーザが、前記第1期間よりも短い第2期間における前記駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望したことを示す第1情報と、第2ユーザが、第3期間における前記駐車場の利用権利を他のユーザから譲り受けることを希望したことを示す第2情報とを、前記通信部を介して取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記第1情報と前記第2情報とを比較して、前記第3期間が前記第2期間に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記第3期間が前記第2期間に含まれると判定された場合、前記通信部を制御して、前記第2ユーザが利用可能な端末装置に、前記第1ユーザから前記駐車場の利用権利が譲渡されたことを示す第3情報を送信する通信制御部と、
前記第1ユーザに請求する前記駐車場の利用料であって、前記第1ユーザが予約した前記駐車場の利用料を計算する決済処理部と、を備え、
前記決済処理部は、更に、前記第2ユーザへと利用権利が譲渡された場合に前記第1ユーザに支払う前記駐車場の利用料に基づいて、前記駐車場を所有する第3ユーザに支払うインセンティブを計算する、または前記第2ユーザに請求する前記駐車場の利用料に基づいて、前記第3ユーザに支払うインセンティブを計算する
情報処理装置。
【請求項2】
前記決済処理部は、前記第2ユーザに請求する前記駐車場の利用料の範囲内で、前記第1ユーザに支払う前記駐車場の利用料と前記第3ユーザに支払うインセンティブとの配分を計算する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決済処理部は、前記第1ユーザに支払う前記駐車場の利用料の範囲内で、前記第3ユーザに支払うインセンティブを計算する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決済処理部は、前記第2ユーザに請求する前記駐車場の利用料と、前記第1ユーザに支払う前記駐車場の利用料との双方に基づいて、前記第3ユーザに支払うインセンティブを計算する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決済処理部は、前記判定部によって前記第3期間が前記第2期間に含まれると判定された場合、前記第2ユーザに請求する前記駐車場の利用料であって、前記第1ユーザから利用権利が譲り渡された前記駐車場の利用料を計算する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決済処理部は、更に、前記第2ユーザに請求する前記駐車場の利用料の一部または全部を、前記第1ユーザに支払うインセンティブとして計算する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記取得部によって前記第1情報に対して複数の前記第2情報が取得された場合、複数の前記第2情報の中から、前記駐車場の利用権利を譲り受けることを希望した日時が最も早い前記第2情報を選択し、
前記選択した第2情報と前記第1情報とを比較して、前記第3期間が前記第2期間に含まれるか否かを判定し、
前記第3期間が前記第2期間に含まれないと判定した場合、複数の前記第2情報の中から、前記駐車場の利用権利を譲り受けることを希望した日時が、前記選択した第2情報の次に早い前記第2情報を選択し、
前記選択した第2情報と前記第1情報とを比較して、前記第3期間が前記第2期間に含まれるか否かを判定する、ことを繰り返す、
請求項1からのうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第2情報には、前記駐車場の利用権利を譲り受けた場合に前記第2ユーザによって支払われる金額が含まれ、
前記判定部は、
前記取得部によって前記第1情報に対して複数の前記第2情報が取得された場合、複数の前記第2情報の中から、前記駐車場の利用権利を譲り受けた場合に支払われる金額が最も大きい前記第2情報を選択し、
前記選択した第2情報と前記第1情報とを比較して、前記第3期間が前記第2期間に含まれるか否かを判定し、
前記第3期間が前記第2期間に含まれないと判定した場合、複数の前記第2情報の中から、前記駐車場の利用権利を譲り受けた場合に支払われる金額が、前記選択した第2情報の次に大きい前記第2情報を選択し、
前記選択した第2情報と前記第1情報とを比較して、前記第3期間が前記第2期間に含まれるか否かを判定する、ことを繰り返す、
請求項1からのうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2情報には、前記駐車場の利用権利を譲り受けた場合に前記第2ユーザによって支払われる金額を示す情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記取得部により前記第2情報が取得された場合、前記通信部を制御して、前記駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望していない前記第1ユーザが利用可能な端末装置に、前記第2情報を送信する、
請求項1からのうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記通信制御部は、更に、前記取得部により前記第2情報が取得され、前記第1情報が取得されてない場合に、前記駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望していない前記第1ユーザが利用可能な端末装置に、前記第2情報を送信する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記通信制御部は、更に、前記判定部によって前記第3期間が前記第2期間に含まれないと判定された場合、前記第1ユーザが利用可能な端末装置に、前記第2情報を送信する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1期間は、日単位で区切られた期間あり、前記第2期間は、時間、または分単位で区切られた期間である、
請求項1から11のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第1期間は、月単位で区切られた期間であり、前記第2期間は、週、日、時間、または分単位で区切られた期間である、
請求項1から12のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
他装置と通信する通信部を備えるコンピュータが、
第1期間にわたって駐車場を利用することを予約した第1ユーザが、前記第1期間よりも短い第2期間における前記駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望したことを示す第1情報と、第2ユーザが、第3期間における前記駐車場の利用権利を他のユーザから譲り受けることを希望したことを示す第2情報とを、前記通信部を介して取得し、
前記取得した前記第1情報と前記第2情報とを比較して、前記第3期間が前記第2期間に含まれるか否かを判定し、
前記第3期間が前記第2期間に含まれると判定した場合、前記通信部を制御して、前記第2ユーザが利用可能な端末装置に、前記第1ユーザから前記駐車場の利用権利が譲渡されたことを示す第3情報を送信し、
前記第1ユーザに請求する前記駐車場の利用料であって、前記第1ユーザが予約した前記駐車場の利用料を計算し
前記第2ユーザへと利用権利が譲渡された場合に前記第1ユーザに支払う前記駐車場の利用料に基づいて、前記駐車場を所有する第3ユーザに支払うインセンティブを計算する、または前記第2ユーザに請求する前記駐車場の利用料に基づいて、前記第3ユーザに支払うインセンティブを計算する
情報処理方法。
【請求項15】
他装置と通信する通信部を備えるコンピュータに、
第1期間にわたって駐車場を利用することを予約した第1ユーザが、前記第1期間よりも短い第2期間における前記駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望したことを示す第1情報と、第2ユーザが、第3期間における前記駐車場の利用権利を他のユーザから譲り受けることを希望したことを示す第2情報とを、前記通信部を介して取得する処理と、
前記取得した前記第1情報と前記第2情報とを比較して、前記第3期間が前記第2期間に含まれるか否かを判定する処理と、
前記第3期間が前記第2期間に含まれると判定した場合、前記通信部を制御して、前記第2ユーザが利用可能な端末装置に、前記第1ユーザから前記駐車場の利用権利が譲渡されたことを示す第3情報を送信する処理と、
前記第1ユーザに請求する前記駐車場の利用料であって、前記第1ユーザが予約した前記駐車場の利用料を計算する処理と、
前記第2ユーザへと利用権利が譲渡された場合に前記第1ユーザに支払う前記駐車場の利用料に基づいて、前記駐車場を所有する第3ユーザに支払うインセンティブを計算する処理、または前記第2ユーザに請求する前記駐車場の利用料に基づいて、前記第3ユーザに支払うインセンティブを計算する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の駐車場の位置を示す第1位置情報と所定の駐車場に対応付けられた移動体の目的地を示す第2位置情報とを取得し、ナビゲーション装置が起動したことを検出した場合に、第1位置情報と第2位置情報とに基づいて、移動体が駐車場を出発してから目的地を経由して駐車場へ戻ってくるまでの移動時間を含む駐車場の貸出可能時間を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-049466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、駐車場の一区画を借りたユーザが、その区画の利用権利を他のユーザに譲渡することについて検討されていなかった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ユーザ間で駐車場の利用権利の譲渡を仲介することで、駐車場を利用する際の利便性を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、他装置と通信する通信部と、第1期間にわたって駐車場を利用することを予約した第1ユーザが、前記第1期間よりも短い第2期間における前記駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望したことを示す第1情報と、第2ユーザが、第3期間における前記駐車場の利用権利を他のユーザから譲り受けることを希望したことを示す第2情報とを、前記通信部を介して取得する取得部と、前記取得部により取得された前記第1情報と前記第2情報とを比較して、前記第3期間が前記第2期間に含まれるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記第3期間が前記第2期間に含まれると判定された場合、前記通信部を制御して、前記第2ユーザが利用可能な端末装置に、前記第1ユーザから前記駐車場の利用権利が譲渡されたことを示す第3情報を送信する通信制御部と、前記第1ユーザに、前記第1ユーザが予約した前記駐車場の利用料を請求するための処理を行う決済処理部と、を備え、前記決済処理部は、更に、前記第2ユーザへと利用権利が譲渡された場合に前記第1ユーザに支払う前記駐車場の利用料の一部を、前記駐車場を所有する第3ユーザにインセンティブとして支払うための処理、または前記第2ユーザに請求する前記駐車場の利用料の一部を、前記第3ユーザにインセンティブとして支払うための処理を行う情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、駐車場を利用する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態における情報処理装置100を含む情報処理システム1の一例を示す図である。
図2】駐車場の利用権利が譲渡される場面の一例を示す図である。
図3】駐車場の利用権利が譲渡される場面の一例を示す図である。
図4】第1実施形態における情報処理装置100の構成の一例を示す図である。
図5】駐車場利用情報132の一例を示す図である。
図6】サービス利用者情報134の一例を示す図である。
図7】情報処理システム1の一連の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8】第1予約入力画面の一例を示す図である。
図9】第1予約確定画面の一例を示す図である。
図10】第2予約入力画面の一例を示す図である。
図11】第2予約確定画面の一例を示す図である。
図12】第1実施形態における情報処理装置100による一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図13】駐車場の利用権利を譲り渡したいという一人のユーザに対して、駐車場の利用権利を譲り受けたいという複数のユーザが存在する場面の一例を示す図である。
図14】第2予約確定画面の他の例を示す図である。
図15】駐車場の利用権利を譲り渡したいという一人のユーザに対して、駐車場の利用権利を譲り受けたいという複数のユーザが存在する場面の他の例を示す図である。
図16】駐車場の利用権利の譲り渡しを希望していないユーザの端末装置10に表示される画面の一例を示す図である。
図17】第1予約確定画面の他の例を示す図である。
図18】駐車場の利用権利を譲り渡すことを希望していない三人のユーザに対して、駐車場の利用権利を譲り受けることを希望している一人のユーザが存在する場面の一例を示す図である。
図19】駐車場の利用権利を譲り渡すことを希望していない三人のユーザに対して、駐車場の利用権利を譲り受けることを希望している一人のユーザが存在する場面の一例を示す図である。
図20】インセンティブの配分方法の一例を示す図である。
図21】駐車場の利用権利を譲り受けたユーザの端末装置10に表示される画面の一例を示す図である。
図22】インセンティブの配分方法の他の例を示す図である。
図23】インセンティブの配分方法の他の例を示す図である。
図24】実施形態の情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。
【0010】
[概要]
情報処理装置は、一以上のプロセッサにより実現される。実施形態の情報処理装置は、第1期間にわたって駐車場を利用することを予約した第1ユーザが、第1期間よりも短い第2期間における駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望したことを示す情報(以下、譲渡希望情報と称する)を取得し、更に、第2ユーザが、第1ユーザが予約した駐車場の第3期間における利用権利を他のユーザから譲り受けることを希望したことを示す情報(以下、譲受希望情報と称する)を取得する。譲渡希望情報は、「第1情報」の一例であり、譲受希望情報は、「第2情報」の一例である。
【0011】
例えば、第1期間は、日単位で区切られた期間であり、第2期間は、時間あるいは分単位で区切られた期間である。また、例えば、第1期間は、月単位で区切られた期間であってもよいし、第2期間は、週、日、時間、または分単位で区切られた期間であってもよい。以下の説明では、一例として、第1期間が日単位で区切られた期間であり、第2期間が時間単位で区切られた期間であるものとする。
【0012】
情報処理装置は、取得した譲渡希望情報と譲受希望情報とを比較して、駐車場の利用権利を譲り受けることが希望された第3期間が、駐車場の利用権利の譲り渡すことが希望された第2期間に含まれるか否かを判定する。第3期間が第2期間に含まれるとは、第3期間の始まりとなる時点または時期と、第3期間の終わりとなる時点または時期とが、第2期間内に存在することであり、例えば、第3期間は、第2期間より短い期間であってもよいし、同じ期間であってもよい。
【0013】
情報処理装置は、第3期間が第2期間に含まれると判定した場合、第2ユーザが利用可能な端末装置に、第1ユーザから駐車場の利用権利が譲渡されたことを示す情報(以下、仲介成立情報と称する)を送信する。仲介成立情報は、「第3情報」の一例である。このように、第1ユーザと第2ユーザとの間で、駐車場の利用権利の譲渡を仲介することで、駐車場を利用する際の利便性を向上させることができる。
【0014】
[第1実施形態]
[全体構成]
以下、第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態における情報処理装置100を含む情報処理システム1の一例を示す図である。第1実施形態における情報処理システム1は、例えば、複数の端末装置10と、駐車場管理装置20と、ポイント管理装置30と、決済装置40と、情報処理装置100とを備える。これらの装置は、ネットワークNWを介して互いに接続される。
【0015】
ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ端末、無線通信網、無線基地局、専用回線などを含む。なお、図1に示す各装置の全ての組み合わせが相互に通信可能である必要はなく、ネットワークNWは、一部にローカルなネットワークを含んでもよい。
【0016】
端末装置10は、車両VHに搭乗するユーザ(例えば運転者など)によって利用される装置であり、例えば、スマートフォンなどの携帯電話やタブレット端末などを含む。例えば、車両VHに搭乗するユーザは、端末装置10を操作して、車両VHを駐車させる駐車場を検索する。
【0017】
駐車場管理装置20は、例えば、駐車場に設置されたカメラの映像を解析して、駐車場に区画された各駐車スペースに対する駐車車両の有無を監視する。また、駐車場管理装置20は、例えば、駐車場の路面に設置されたフラップ板の作動状況に基づいて、各駐車スペースに対する駐車車両の有無を監視してもよい。本実施形態では、一例として、駐車場が一日単位で一定の駐車料金が課されるものとして説明する。
【0018】
ポイント管理装置30は、各ユーザのポイント残高を管理する。ポイントは、例えば、ショッピングやオークションなどで商品やサービスの購入代金の代わりとして利用可能である。
【0019】
決済装置40は、駐車場を利用したユーザに、駐車場の利用料を請求する。例えば、決済装置40は、クレジットカード決済によって駐車場の利用料を請求してもよいし、銀行口座やATM(Automatic Teller Machine)に対する振り込みを要求することで駐車場の利用料を請求してもよいし、携帯電話などのキャリア決済によって駐車場の利用料を請求してもよいし、払い込み票を郵送することで駐車場の利用料を請求してもよい。
【0020】
情報処理装置100は、例えば、ウェブページやアプリケーションを介して、端末装置10に、ユーザ間で駐車場の利用権利の譲渡を仲介するサービス(以下、駐車場利用仲介サービスと称する)を提供する。情報処理装置100は、駐車場利用仲介サービスを利用したユーザ間で駐車場の利用権利の譲渡が成立した場合に、仲介手数料を含む駐車場の利用料をユーザに請求するための処理を行ったり、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザや駐車場を所有するユーザに、仲介手数料の一部をインセンティブで支払うための処理を行ったりする。
【0021】
インセンティブとは、例えば、上述したポイントであってもよいし、ポイントと同様の効果をもたらすクーポンやチケット、割引券、商品券などであってもよいし、限定商品などを優先的に購入できる権利(先着何名様限定の購入権)や特定のサービスの会員となる権利などであってもよい。また、インセンティブは、現金そのものであってもよい。
【0022】
図2および図3は、駐車場の利用権利が譲渡される場面の一例を示す図である。例えば、日ごとに駐車料金が課される駐車場の場合、24時間のうち数時間を利用しなくても、24時間全てを利用したときと同じ料金が課される。このような場合、例えば、駐車場に車両VHを駐車する予定のユーザAは、駐車場利用仲介サービスを利用して、自らが利用しない時間帯の駐車場の利用権利を譲渡することを他のユーザに意思表示する。図2の例では、駐車スペースSP2に車両VH1を駐車する予定のユーザは、0時から24時のうち、0時から18時までの時間帯については利用し、18時から24時までの時間帯については利用しないことから、18時から24時までの時間帯の駐車スペースSP2の利用権利を譲渡することを他のユーザに意思表示する。これによって、図3に例示するように、18時から24時までの時間帯において、ユーザBが、ユーザAが予約した駐車スペースSP2に、車両VH2を駐車することができる。
【0023】
[情報処理装置の構成]
図4は、第1実施形態における情報処理装置100の構成の一例を示す図である。図示のように、情報処理装置100は、例えば、通信部102と、制御部110と、記憶部130とを備える。
【0024】
通信部102は、例えば、NIC(Network Interface Card)などのネットワークカードなどを含む。通信部102は、ネットワークNWを介して、情報処理装置100などと通信する。
【0025】
制御部110は、例えば、取得部112と、予約管理部114と、利用状況管理部116と、決済処理部118と、コンテンツ生成部120と、通信制御部122とを備える。予約管理部114は、「判定部」の一例である。
【0026】
制御部110の各構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ(あるいはプロセッサ回路)が、記憶部130に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、制御部110の構成要素のうち一部または全部は、例えば、は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェア(回路部:circuitry)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。また、プロセッサにより参照されるプログラムは、予め記憶部130に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体が情報処理装置100のドライブ装置に装着されることで記憶媒体から記憶部130にインストールされてもよい。
【0027】
記憶部130は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置により実現される。記憶部130には、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムのほかに、駐車場利用情報132やサービス利用者情報134などが格納される。
【0028】
図5は、駐車場利用情報132の一例を示す図である。図示の例のように、駐車場利用情報132は、各駐車場に区画された各駐車スペースを識別する駐車スペースIDに対して、各日付の駐車予約の有無がスケジュールとして対応付けられた情報であってよい。なお、駐車場が一月単位で駐車料金が課されるタイプのものである場合、駐車場利用情報132は、駐車スペースIDに対して、各月の駐車予約の有無がスケジュールとして対応付けられた情報であってよい。
【0029】
図6は、サービス利用者情報134の一例を示す図である。図示の例のように、サービス利用者情報134は、駐車場利用仲介サービスを利用するユーザを識別するユーザIDに対して、車種やクレジットカード番号、ポイント残高といった決済用個人情報が対応付けられた情報である。
【0030】
取得部112は、通信部102を介して、駐車場利用仲介サービスを利用して駐車場の利用日を事前予約したユーザの端末装置10から譲渡希望情報を取得する。譲渡希望情報とは、ある日に駐車場を利用することを事前予約したユーザが、その予約した日のある時間帯の駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望したことを示す情報である。
【0031】
また、取得部112は、通信部102を介して、他のユーザの端末装置10から譲受希望情報を取得する。譲受希望情報とは、ある時間帯の駐車場の利用権利を他のユーザから譲り受けることを希望したことを示す情報である。
【0032】
予約管理部114は、取得部112によって譲渡希望情報が取得された場合、すなわち、ユーザが駐車場の利用を事前予約した場合、駐車場利用情報132において、ユーザが予約した駐車場に含まれる複数の駐車スペースの中から駐車予約が無い駐車スペースを選択し、選択した駐車スペースのIDに対応付けられた各日のスケジュールのうち、ユーザが予約した利用予定日を、「予約なし」から「予約あり」に更新する。
【0033】
更に、予約管理部114は、駐車場利用情報132において、「予約なし」から「予約あり」に更新した利用予定日に対して、駐車場を予約したユーザが指定した時間帯に、駐車場を予約していない他のユーザに駐車場の利用権利が譲渡可能なことを示す情報(以下、譲渡フラグと称する)を対応付ける。
【0034】
利用状況管理部116は、例えば、通信部102を介して駐車場管理装置20と通信し、駐車場管理装置20から監視結果を示す情報を受信することで、駐車場の利用状況を管理(判定)する。例えば、利用状況管理部116は、予定された時間を超過して駐車スペースに車両VHが駐車されていた場合、駐車場利用情報132において、駐車スペースのIDに対応付けられた翌日のスケジュールを「予約あり」に変更してよい。
【0035】
また、利用状況管理部116は、例えば、渋滞など考慮して、駐車場の利用権利を譲り受けることを希望したユーザが搭乗した車両VHが駐車場に到着するタイミングを、駐車場の利用権利を譲り渡すことを希望したユーザの端末装置10に通知してよい。また、該当駐車場所での入れ替わりや電子キー、サーバ制御などにより車を入れ替えてもよい。この場合、フラッパー(踏み板)方式以外の、カメラによるナンバープレート監視などの管理システムとの組合せに好適である。
【0036】
決済処理部118は、例えば、取得部112によって譲渡希望情報が取得された場合、駐車場の利用を事前予約したユーザに、一日分の駐車場の利用料(駐車料金)を請求することを決定する。また、決済処理部118は、例えば、取得部112によって譲受希望情報が取得された場合、駐車場の利用権利を他のユーザから譲り受けることを希望したユーザに、その利用時間帯に応じた駐車場の利用料(駐車料金)を請求することを決定する。また、決済処理部118は、利用状況管理部116によって予定された時間を超過して駐車スペースに車両VHが駐車されていると判定された場合、ユーザに超過料金を請求することを決定してよい。
【0037】
コンテンツ生成部120は、駐車場利用情報132を参照して、駐車場利用仲介サービスとして端末装置10に送信(提供)するコンテンツを生成する。例えば、コンテンツ生成部120は、ユーザが事前予約する駐車場のいずれかの駐車スペースが「予約なし」である場合、端末装置10に後述する第1予約確定画面を表示させるための第1コンテンツを生成する。また、コンテンツ生成部120は、ユーザが事前予約する駐車場が、いずれの駐車スペースも「予約あり」であり、一部時間帯について「譲渡フラグ」が付与されている場合、端末装置10に後述する第2予約確定画面を表示させるための第2コンテンツを生成する。
【0038】
通信制御部122は、例えば、通信部102によってHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストなどが受信された場合、通信部102を制御して、コンテンツ生成部120によって生成されたコンテンツを、駐車場利用仲介サービスが享受可能なウェブページなどとして、リクエストの送信元の端末装置10に送信する。また、通信制御部122は、通信部102を制御して、決済処理部118による処理結果を示す情報を、端末装置10やポイント管理装置30、決済装置40などに送信する。
【0039】
[システム全体のシーケンス]
以下、情報処理システム1の一連の処理について説明する。図7は、情報処理システム1の一連の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下の説明では、駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すユーザAが利用する端末装置を、「第1端末装置10A」と称し、駐車場の利用権利を他のユーザから譲り受けるユーザBが利用する端末装置を、「第2端末装置10B」と称して説明する。
【0040】
まず、駐車場の利用を予約するユーザAは、第1端末装置10Aを操作して、駐車場利用仲介サービスとして提供されるウェブページなどにアクセスし、駐車場の利用予約が可能な第1予約入力画面を第1端末装置10Aに表示させる(S100)。第1予約入力画面は、例えば、ユーザAからの各種入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)として機能する。
【0041】
図8は、第1予約入力画面の一例を示す図である。図示の例のように、第1予約入力画面には、駐車場の場所を入力する入力欄R1と、利用予約日を入力する入力欄R2とが表示される、また、第1予約入力画面の領域R3には、入力欄R1およびR2に入力された条件を満たす駐車場の情報(例えば、駐車場の名前や料金など)が一覧として表示される。ユーザAは、領域R3に表示された一以上の駐車場の中から希望の駐車場を選択する。図示の例では、入力欄R1に「赤坂見付」が入力され、入力欄R2には、「10月1日」が入力されているため、領域R3には、「赤坂見付」付近に存在する一以上の駐車場のうち、「10月1日」に駐車スペースに空きがある駐車場が一覧として表示される。ユーザAが希望の駐車場を選択した場合、第1端末装置10Aは、駐車場の予約を確定させるための第1予約確定画面を表示する。
【0042】
図9は、第1予約確定画面の一例を示す図である。図示の例のように、第1予約確定画面の領域R4には、ユーザAが入力した利用予約日と、ユーザAが選択した駐車場の名前と、駐車場利用仲介サービスを利用する前に予め登録しておいた車両VHの車種とが表示される。また、第1予約確定画面には、駐車場の利用権利を他のユーザに譲渡する時間帯を入力する入力欄R5と、各入力欄に入力した情報で駐車場の予約を確定するための確定ボタンB1と、予約をキャンセルするためのキャンセルボタンB2とが表示される。例えば、ユーザAは、予約した日の一部時間帯に、駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡してもよい(駐車場を又貸ししてもよい)と判断した場合、入力欄R5に、他のユーザに駐車場を利用させる時間帯(自らは駐車場を利用しない時間帯)を入力し、確定ボタンB1を操作する。
【0043】
第1端末装置10Aは、第1予約確定画面において確定ボタンB1が操作されると、駐車場の予約が確定したことを示すとともに、ユーザAが予約した駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望したことを示す譲渡希望情報を、情報処理装置100に送信する(S102)。譲渡希望情報には、例えば、ユーザAによって選択された駐車場の識別情報と、利用予約日と、駐車場の利用権利を譲り渡すことが希望された時間帯とを示す情報が含まれる。なお、第1予約確定画面において入力欄R5に時間帯が入力されなかった場合、第1端末装置10Aは、譲渡希望情報に含まれる駐車場の予約に関する情報(以下、予約情報と称する)のみを情報処理装置100に送信してよい。予約情報には、例えば、譲渡希望情報に含まれる駐車場の利用権利の譲渡時間帯を除いた情報が含まれてよく、予約選択された駐車場の識別情報や利用予約日といった情報が含まれる。
【0044】
情報処理装置100は、第1端末装置10Aから譲渡希望情報を受信すると、譲渡希望情報が示す駐車場(ユーザAによって予約された駐車場)の一日の駐車料金を、第1端末装置10Aを利用するユーザAに請求することを、決済装置40に指示する(S104)。この際、情報処理装置100は、第1端末装置10Aを利用するユーザAのクレジットカード番号などの決済用個人情報を決済装置40に送信する。
【0045】
決済装置40は、情報処理装置100から駐車料金の請求を指示されると、ユーザAのクレジットカード番号が正しい番号であるのか否かを判定したり、指定された口座の残高が駐車料金よりも多いのか否かを判定したりすることで、クレジットカード決済が可能か否かを判定する(S106)。決済装置40は、クレジットカード決済が可能であると判定した場合、その旨を示す情報を情報処理装置100に送信する(S108)。この際、決済装置40は、ユーザAの口座から駐車場の駐車料金を引き落としてもよいし、別のタイミング(例えばクレジットカード会社が定めた締め日)で、ユーザAの口座から駐車場の駐車料金を引き落としてもよい。
【0046】
情報処理装置100は、決済装置40から、クレジットカード決済が可能であることを示す情報を受信すると、第1端末装置10Aに、駐車場の予約が完了したことを示す情報を、プッシュ通知やメールなどで送信する(S110)。
【0047】
一方、駐車場の利用を予約する別のユーザBは、第2端末装置10Bを操作して、駐車場利用仲介サービスとして提供されるウェブページなどにアクセスし、駐車場の利用予約が可能な第2予約入力画面を第2端末装置10Bに表示させる(S120)。
【0048】
図10は、第2予約入力画面の一例を示す図である。図10に例示する第2予約入力画面では、図8に例示した第1予約入力画面と同様に、ユーザBが、入力欄R1に「赤坂見附」を入力し、入力欄R2に「10月1日」を入力している。このような場合、第2予約入力画面の領域R3には、「赤坂見付」付近に存在する一以上の駐車場のうち、「10月1日」に駐車スペースに空きがある駐車場が一覧として表示される。領域R3の最上段に表示された「〇〇パーキング」については、既にユーザAが「〇〇パーキング」の駐車場を予約していることから、予約ができない、または一部時間帯のみ予約できる場合がある。図示の例では、一部時間帯のみ予約できることを表している。ユーザBが、領域R3に表示された一以上の駐車場の中から、一部時間帯のみ予約可能な駐車場を選択した場合、第2端末装置10Bは、利用時間帯などが予め入力された第2予約確定画面を表示する。
【0049】
図11は、第2予約確定画面の一例を示す図である。図示の例のように、第2予約確定画面の領域R4には、ユーザBが入力した利用予約日と、ユーザBが選択した駐車場の名前と、駐車場利用仲介サービスを利用する前に予め登録しておいた車両VHの車種とが表示される。また、第2予約確定画面には、ユーザAから駐車場の利用権利が譲渡される時間帯(図中R6)と、その時間帯の駐車場の利用料金(図中R7)と、確定ボタンB1と、キャンセルボタンB2とが表示される。利用料金は、例えば、一日分の利用料金を時間割りした時間当たりの利用料金を、時間帯として指定された時間数に乗算することで算出されてよい。例えば、ユーザBは、指定された時間帯と利用料金に同意する場合、確定ボタンB1を操作する。
【0050】
第2端末装置10Bは、予約確定画面において確定ボタンB1が操作されると、駐車場の予約が確定したことを示すとともに、ユーザBが、既に予約された駐車場の利用権利を他のユーザから譲り受けることを希望したことを示す譲受希望情報を、情報処理装置100に送信する(S122)。譲受希望情報には、例えば、ユーザBによって選択された駐車場の識別情報と、利用予約日と、駐車場の利用権利を譲り受けることが希望された時間帯とを示す情報が含まれる。
【0051】
情報処理装置100は、第2端末装置10Bから譲受希望情報を受信すると、譲受希望情報が示す駐車場(ユーザBによって予約された駐車場)の利用時間帯に応じた駐車料金を、第2端末装置10Bを利用するユーザBに請求することを、決済装置40に指示する(S124)。この際、情報処理装置100は、第2端末装置10Bを利用するユーザBのクレジットカード番号などの決済用個人情報を決済装置40に送信する。
【0052】
決済装置40は、情報処理装置100から駐車料金の請求を指示されると、ユーザBのクレジットカード番号が正しい番号であるのか否かを判定したり、指定された口座の残高が駐車料金よりも多いのか否かを判定したりすることで、クレジットカード決済が可能か否かを判定する(S126)。決済装置40は、クレジットカード決済が可能であると判定した場合、その旨を示す情報を情報処理装置100に送信する(S128)。この際、決済装置40は、ユーザBの口座から駐車場の駐車料金を引き落としてもよいし、別のタイミングで、ユーザBの口座から駐車場の駐車料金を引き落としてもよい。
【0053】
情報処理装置100は、決済装置40から、クレジットカード決済が可能であることを示す情報を受信すると、第2端末装置10Bに、駐車場の予約が完了したことを示す情報を、プッシュ通知やメールなどで送信する(S130)。
【0054】
一方、情報処理装置100は、利用時間帯に応じた駐車料金をユーザBに請求するように決済装置40に指示すると、ユーザBに駐車場の利用権利を譲り渡したユーザAに、ユーザBに請求する駐車料金の一部をポイントとして支払うようにポイント管理装置30に指示する(S132)。
【0055】
ポイント管理装置30は、情報処理装置100からポイントの支払いを指示されると、ユーザAに対応付けられたポイント残高を増やすことで、ユーザAにポイントを付与する(S134)。これによって、本シーケンスの処理が終了する。
【0056】
[情報処理装置の処理フロー]
以下、情報処理装置100の処理についてフローチャートを用いて説明する。図12は、第1実施形態における情報処理装置100による一連の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定の周期で繰り返し行われてよい。
【0057】
まず、コンテンツ生成部120は、駐車場利用情報132を参照して、入力された条件(駐車場の場所および利用予定日)を満たす一以上の駐車場の中から、ユーザによって選択された駐車場が、いずれかの駐車スペースが「予約なし」であり、一日予約が可能であるか否かを判定する(S200)。
【0058】
コンテンツ生成部120は、ユーザによって選択された駐車場が、一日予約が可能であると判定した場合、第1コンテンツを生成する(S202)。
【0059】
次に、通信制御部122は、通信部102を制御して、コンテンツ生成部120により生成された第1コンテンツを、ウェブページやアプリケーション用のコンテンツとして、端末装置10に送信する(S204)。これによって、端末装置10(第1端末装置10A)には、第1予約確定画面が表示される。
【0060】
次に、取得部112は、第1予約確定画面が表示された端末装置10から通信部102を介して譲渡希望情報を取得する(S206)。
【0061】
次に、予約管理部114は、駐車場利用情報132において、ユーザが予約した駐車場の利用予定日のスケジュールを「予約あり」に変更し、その利用予定日に対して譲渡フラグを対応付けることで、駐車場利用情報132を更新する(S208)。
【0062】
次に、決済処理部118は、駐車場の利用を事前予約したユーザに、一日分の駐車場の利用料(駐車料金)を請求することを決定する(S210)。
【0063】
次に、通信制御部122は、通信部102を制御して、決済処理部118によって決定された請求額を、駐車場の利用を事前予約したユーザに請求するように決済装置40に指示する(S212)。例えば、通信制御部122は、サービス利用者情報134から、駐車場の利用を事前予約したユーザのIDに対して対応付けられた決済用個人情報(クレジットカード番号など)を抽出し、抽出した決済用個人情報と、請求額(駐車場の一日利用料)を示す情報とを決済装置40に送信することで、決済装置40に駐車料金の決済を行わせる。
【0064】
一方、S200の処理において、コンテンツ生成部120は、駐車場利用情報132を参照して、ユーザによって選択された駐車場が、いずれの駐車スペースも「予約あり」であり、一日予約が可能でないと判定した場合、ユーザが利用予定日として指定した日に「譲渡フラグ」が対応付けられているか否かを判定する(S214)。
【0065】
コンテンツ生成部120は、ユーザが利用予定日として指定した日に「譲渡フラグ」が対応付けられていないと判定した場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0066】
一方、コンテンツ生成部120は、ユーザが利用予定日として指定した日に「譲渡フラグ」が対応付けられていると判定した場合、第2コンテンツを生成する(S216)。
【0067】
次に、通信制御部122は、通信部102を制御して、コンテンツ生成部120により生成された第2コンテンツを、ウェブページやアプリケーション用のコンテンツとして、端末装置10に送信する(S218)。これによって、端末装置10(第2端末装置10B)には、第2予約確定画面が表示される。
【0068】
次に、取得部112は、第2予約確定画面が表示された端末装置10から通信部102を介して譲受希望情報を取得する(S220)。
【0069】
次に、予約管理部114は、駐車場利用情報132において、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザによって指定された時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれるかを判定する(S222)。例えば、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザが、10月1日の16時から23時までの時間帯を指定し、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザが、10月1日の16時から20時までの時間帯を指定したとする。あるいは、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザが、10月1日の16時から23時までの時間帯を指定し、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザが、10月1日の16時から23時までの時間帯を指定したとする。このような場合、予約管理部114は、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザによって指定された時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれると判定する。
【0070】
予約管理部114は、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザによって指定された時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれないと判定した場合、ユーザ間での駐車場の利用権利の譲渡の仲介は成立しないため、本フローチャートの処理を終了する。
【0071】
一方、予約管理部114は、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザによって指定された時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれると判定した場合、駐車場利用情報132において、譲渡フラグを取り消す(S224)。
【0072】
次に、決済処理部118は、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザに、時間帯に応じた駐車場の利用料(駐車料金)を請求することを決定する(S226)。例えば、決済処理部118は、一日分の駐車料金が2400円である場合に、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザが指定した時間帯が4時間であった場合、請求額を400円として求めてよい。また、決済処理部118は、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザに請求した請求額の一部または全部を、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザにポイントとして支払うことを決定する。
【0073】
次に、通信制御部122は、通信部102を制御して、決済処理部118によって決定された請求額を、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザに請求するように決済装置40に指示するとともに、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザに、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザに請求した請求額の一部または全部をポイントとして支払うようにポイント管理装置30に指示する(S228)。通信制御部122は、ポイントに代えて、あるいは加えて、商品券や現金などの他のインセンティブを、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザに付与するように、ポイント管理装置30や他の装置に指示してもよい。
【0074】
次に、通信制御部122は、通信部102を制御して、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザの端末装置10、すなわち、第2コンテンツを送信した端末装置10に、駐車場の利用権利が譲渡されたことを示す仲介成立情報を送信する(S230)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0075】
以上説明した第1実施形態によれば、ある一日にわたって駐車場を利用することを予約したユーザが、ある時間帯における駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望したことを示す譲渡希望情報と、別のユーザが、ある時間帯における駐車場の利用権利を他のユーザから譲り受けることを希望したことを示す譲受希望情報とを、通信部102を介して取得する取得部112と、取得部112により取得された譲渡希望情報と譲受希望情報とを比較して、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザによって指定された時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれるか否かを判定する予約管理部114と、予約管理部114によって、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザによって指定された時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれると判定された場合、通信部102を制御して、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザの端末装置10に、駐車場の利用権利が譲渡されたことを示す仲介成立情報を送信する通信制御部122とを備えることによって、ユーザ間で駐車場の利用権利の譲渡を仲介して、駐車場を利用する際の利便性を向上させることができる。
【0076】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、あるユーザが駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望した駐車スペースに対して、複数のユーザから、駐車場の利用権利の譲り受けたいとの希望がある場合、オークション形式で権利譲渡先のユーザを決定する点で上述した第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
【0077】
図13は、駐車場の利用権利を譲り渡したいという一人のユーザに対して、駐車場の利用権利を譲り受けたいという複数のユーザが存在する場面の一例を示す図である。図示の例では、利用権利の譲渡を希望する権利譲渡人であるユーザAが、10月1日の16時から18時の時間帯で、駐車場の利用権利を第3者に譲渡したいと希望している。これに対して、ユーザAが指定した時間帯に駐車場の利用権利を譲り受けたいと、ユーザX、ユーザY、ユーザZの3名が希望している。
【0078】
このような場合、情報処理装置100の取得部112は、ユーザXが利用する端末装置10と、ユーザYが利用する端末装置10と、ユーザZが利用する端末装置10とのそれぞれから、譲受希望情報を取得する。
【0079】
予約管理部114は、取得部112によって取得された複数の譲受希望情報の中から、駐車場の利用権利を譲り受けることを希望した日時が最も早い譲受希望情報を選択する。図示の例では、駐車場の利用権利の譲り受けの希望を、ユーザXは9月20日に申請しており、ユーザYは9月25日に申請しており、ユーザZは9月31日に申請している。従って、予約管理部114は、複数の譲受希望情報の中から、ユーザXが利用する端末装置10から取得された譲受希望情報を選択する。
【0080】
予約管理部114は、選択した譲受希望情報に含まれる時間帯(駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザによって指定された時間帯)が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれるか否かを判定し、譲受希望情報に含まれる時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれると判定した場合、ユーザXの端末装置10に、駐車場の利用権利が譲渡されたことを示す仲介成立情報を送信する。一方、予約管理部114は、譲受希望情報に含まれる時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれないと判定した場合、複数の譲受希望情報の中から、駐車場の利用権利を譲り受けることを希望した日時が2番目に早い譲受希望情報(図示の例ではユーザYからの譲受希望情報)を選択し、再度、選択した譲受希望情報に含まれる時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれるか否かを判定する。このように、仲介成立情報を送信できるまで上述した一連の処理を繰り返すことで、希望日時が早いユーザに優先的に駐車場の利用権利を仲介することができる。
【0081】
また、上述した説明では、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望した日時が早いほど優先的に駐車場の利用権利が仲介されるものとして説明したがこれに限られない。例えば、ユーザが駐車場の利用権利を譲り受けることを希望したときにオファー(提案)した駐車場の利用料が多いほど優先的に駐車場の利用権利が仲介されてもよい。
【0082】
図14は、第2予約確定画面の他の例を示す図である。図示の例のように、第2予約確定画面には、上述した領域R4、領域中R6、確定ボタンB1、およびキャンセルボタンB2に加えて、オファーする駐車場の利用金額(落札金額)を入力する入力欄R9が表示される。駐車場の利用権利が仲介された場合、入力欄R9に入力された金額は、オファーしたユーザによって支払われることになる。図14に例示する第2予約確定画面において確定ボタンB1が操作されると、その画面を表示した端末装置10は、入力欄R9に入力された金額を含む譲受希望情報を情報処理装置100に送信する。
【0083】
図15は、駐車場の利用権利を譲り渡したいという一人のユーザに対して、駐車場の利用権利を譲り受けたいという複数のユーザが存在する場面の他の例を示す図である。図15の例では、図14に例示した場面と同様に、利用権利の譲渡を希望する権利譲渡人であるユーザAが、10月1日の16時から18時の時間帯で、駐車場の利用権利を第3者に譲渡したいと希望している。これに対して、ユーザX、ユーザY、ユーザZの3名のそれぞれが、オファー金額を提示しながらユーザAが指定した時間帯に駐車場の利用権利を譲り受けたいと希望している。
【0084】
取得部112は、各ユーザの端末装置10から、オファー金額を含む譲受希望情報を取得する。予約管理部114は、取得部112によって取得された複数の譲受希望情報の中から、駐車場の利用権利を譲り受けた場合に支払われる金額、すなわち、オファー金額が最も多い譲受希望情報を選択する。図示の例では、ユーザXが500円をオファーしており、ユーザYが1000円をオファーしており、ユーザZが2000円をオファーしている。従って、予約管理部114は、複数の譲受希望情報の中から、ユーザZが利用する端末装置10から取得された譲受希望情報を選択する。
【0085】
予約管理部114は、選択した譲受希望情報に含まれる時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれるか否かを判定し、譲受希望情報に含まれる時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれると判定した場合、ユーザZの端末装置10に、駐車場の利用権利が譲渡されたことを示す仲介成立情報を送信する。一方、予約管理部114は、譲受希望情報に含まれる時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれないと判定した場合、複数の譲受希望情報の中から、オファー金額が2番目に多い譲受希望情報(図示の例ではユーザYからの譲受希望情報)を選択し、再度、選択した譲受希望情報に含まれる時間帯が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれるか否かを判定する。このように、仲介成立情報を送信できるまで上述した一連の処理を繰り返すことで、オファー金額が多いユーザに優先的に駐車場の利用権利を仲介することができる。
【0086】
決済処理部118は、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザに、オファー金額を請求することを決定する。これを受けて、通信制御部122は、通信部102を制御して、決済処理部118によって決定された請求額を、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザに請求するように決済装置40に指示するとともに、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザに、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザに請求した請求額の一部または全部をポイントとして支払うようにポイント管理装置30に指示する。この際、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザに支払われるポイント額は、オファー金額が多いほど多くしてよい。これによって、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザには金銭的メリットを享受させることができる。
【0087】
以上説明した第2実施形態によれば、駐車場の利用権利を譲り渡したいという一人のユーザに対して、駐車場の利用権利を譲り受けたいという複数のユーザが存在する場合に、駐車場の利用権利を譲り受けたいという希望を、より早く申請したユーザほど優先的に駐車場の利用権利を仲介したり、駐車場の利用権利を譲り受けた場合に支払うと提案した金額が、より多いユーザほど優先的に駐車場の利用権利を仲介したりするため、駐車場を利用する際の利便性をさらに向上させることができる。
【0088】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、駐車場の利用権利を譲り渡したいというユーザが存在しない場合に、駐車場の利用権利を譲り受けたいというユーザが存在する点で上述した第1実施形態または第2実施形態と相違する。以下、第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態および第2実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態および第2実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
【0089】
例えば、ある利用予定日において、駐車場のいずれの駐車スペースも予約されている場合に、いずれのユーザも一部時間帯に駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡すことを希望していない場合が想定される。このような場合、例えば、オファー金額が一定金額以上であれば、すなわち、自分にキックバック(割り戻し)されるインセンティブが一定額以上であれば、駐車場の利用権利を他のユーザに譲り渡してもよいと考えを変えるユーザが存在し得る。
【0090】
従って、第3実施形態における通信制御部122は、駐車場の利用権利を譲り渡したいというユーザが存在しない場合に、駐車場の利用権利を譲り受けたいというユーザが存在する場合、通信部102を制御して、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望していないユーザの端末装置10に、他のユーザが駐車場の利用権利の譲り受けを希望していることを示す譲受希望情報を送信する。より具体的には、通信制御部122は、取得部112によって取得された譲受希望情報が取得された場合に、譲渡希望情報が取得されていない、または取得された一以上の譲渡希望情報の中に、譲受希望情報に含まれる駐車場と同じ駐車場の識別情報を含む譲渡希望情報が存在しない場合、通信部102を制御して、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望していないユーザの端末装置10に譲受希望情報を送信する。
【0091】
図16は、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望していないユーザの端末装置10に表示される画面の一例を示す図である。図示の例のように、例えば、通信制御部122は、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望していないユーザの端末装置10に、プッシュ通知で譲受希望情報を送信する。これによって、端末装置10のロック画面やホーム画面には、領域R3で示すように、事前予約した駐車場に対して他のユーザが利用権利の譲り渡しを希望していることが表示される。なお、通信制御部122は、端末装置10にメールなどで譲受希望情報を送信してもよい。
【0092】
例えば、端末装置10に譲受希望情報が送信されたときに、ユーザが、端末装置10の画面に表示されたプッシュ通知をタップしたり、メールに記載されたハイパーリンクをクリックしたりした場合、第1予約確定画面が表示される。
【0093】
図17は、第1予約確定画面の他の例を示す図である。図示の例のように、第1予約確定画面には、上述した領域R4や確定ボタンB1、キャンセルボタンB2に加えて、他のユーザが利用権利を譲り受けることを希望している時間帯(図中R11)と、他のユーザが利用権利を譲り受けることを希望したときにオファーした金額(図中R12)とが表示される。例えば、ユーザは、他のユーザによって指定された時間帯とオファー金額に同意する場合、すなわち、オファーを承諾した場合、確定ボタンB1を操作する。これによって、端末装置10から情報処理装置100に譲渡希望情報が送信される。
【0094】
図18および図19は、駐車場の利用権利を譲り渡すことを希望していない三人のユーザに対して、駐車場の利用権利を譲り受けることを希望している一人のユーザが存在する場面の一例を示す図である。図18の例では、駐車場の利用権利を譲り受けることを希望しているユーザXが、駐車場の利用権利を譲り渡すことを希望していないユーザA、B、Cのそれぞれに、10月1日の16時から18時の時間帯で、2000円を提示している。このとき、図19に例示するように、ユーザA、B、Cのうち、ユーザBがユーザXからのオファーを承諾した場合、ユーザBの端末装置10から情報処理装置100に譲渡希望情報が送信される。
【0095】
これによって、駐車場の利用権利を譲り受けたいというユーザに対して、駐車場の利用権利を譲り渡したいというユーザが存在することになり、ユーザ間での駐車場の利用権利の譲渡の仲介が成立する。この場合、決済処理部118は、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザXに、オファー金額を請求することを決定する。通信制御部122は、通信部102を制御して、決済処理部118によって決定された請求額を、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザに請求するように決済装置40に指示するとともに、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザに、駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザに請求した請求額の一部または全部をポイントとして支払うようにポイント管理装置30に指示する。
【0096】
なお、上述した説明では、通信制御部122が、駐車場の利用権利を譲り渡したいというユーザが存在しない場合に、駐車場の利用権利を譲り受けたいというユーザが存在する場合、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望していないユーザの端末装置10に譲受希望情報を送信するものとして説明したがこれに限られない。例えば、予約管理部114によって、譲受希望情報に含まれる時間帯(駐車場の利用権利の譲り受けを希望したユーザによって指定された時間帯)が、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望したユーザによって指定された時間帯に含まれないと判定された場合、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望していないユーザや、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望しているが、駐車場の利用権利の譲り受けたいと希望したユーザが指定した時間帯に合わない時間帯を指定したユーザの端末装置10に譲受希望情報を送信してもよい。これによって、ユーザ間で希望する時間帯がミスマッチするのを解消することができる。
【0097】
以上説明した第3実施形態によれば、駐車場の利用権利を譲り渡したいというユーザが存在せず、駐車場の利用権利を譲り受けたいというユーザが存在する場合、駐車場の利用権利の譲り渡しを希望していないユーザの端末装置10に譲受希望情報を送信するため、ユーザ間での駐車場の利用権利の譲渡が成立するように促すことができる。これによって、例えば、駐車したい駐車場が満車であっても、金銭交渉によって一部の駐車スペースを空けるように促すことができるため、ある時間帯に駐車スペースを貸したユーザに金銭的メリットを享受させることができ、駐車場を借りたユーザが、駐車場に車両VHを停車できないことによる機会的損失を被ることを抑制することができる。
【0098】
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について説明する。上述した第1から第3実施形態では、ユーザ間での駐車場の利用権利の譲渡が成立した場合、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザに、駐車場の利用権利を譲り受けたユーザに請求する請求額の一部または全部を、インセンティブの一つであるポイントとして付与するものとして説明した。これに対して、第4実施形態では、ユーザ間での駐車場の利用権利の譲渡が成立した場合、駐車場の所有者にもインセンティブが付与される点で上述した第1から第3実施形態と相違する。以下、第1から第3実施形態との相違点を中心に説明し、第1から第3実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第4実施形態の説明において、第1から第3実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
【0099】
第4実施形態における決済処理部118は、例えば、駐車場の利用権利を譲り受けたユーザに請求する請求額に基づいて、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザに与えるインセンティブと、駐車場の所有者に与えるインセンティブとを決定する。例えば、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザには、上述した実施形態と同様に、ポイントを付与し、駐車場の所有者には、金銭を付与してよい。このインセンティブの種類についてはあくまでも一例であり、例えば、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザに金銭や商品券などを付与してもよいし、駐車場の所有者にポイントや商品券などを付与してもよい。
【0100】
図20は、インセンティブの配分方法の一例を示す図である。図示のように、例えば、決済処理部118は、駐車場の利用権利を譲り受けたユーザLに対して、仲介手数料αと駐車時間に応じた利用料βとを足し合わせた金額(α+β)を請求することを決定する。このとき、決済処理部118は、ユーザLに請求した金額(α+β)のうち、利用料β分のポイントを、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザKに与えるインセンティブとして決定する。また、決済処理部118は、ユーザLに請求した金額のうち、仲介手数料α分の金銭を、駐車場を所有するユーザMに与えるインセンティブとして決定する。
【0101】
図21は、駐車場の利用権利を譲り受けたユーザの端末装置10に表示される画面の一例を示す図である。上述した例のように、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザと、駐車場を所有するユーザとのそれぞれに対するインセンティブの配分が決定された場合、図示の例のように、駐車場の利用権利を譲り受けたユーザの端末装置10には、駐車場の利用料の内訳として、仲介手数料αと駐車時間に応じた利用料βとを足し合わせた金額が表示されてよい。
【0102】
また、上述した説明では、駐車場の利用権利を譲り受けたユーザが、仲介手数料αとして、駐車場を所有するユーザに付与するインセンティブを負担するものとして説明したがこれに限られない。例えば、駐車場を所有するユーザに付与するインセンティブは、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザが負担してもよい。
【0103】
図22は、インセンティブの配分方法の他の例を示す図である。図示のように、例えば、決済処理部118は、駐車場の利用権利を譲り受けたユーザLに対して、駐車時間に応じた利用料βのみを請求することを決定する。このとき、決済処理部118は、仲介手数料α分のポイントを、駐車場を所有するユーザMに与えるインセンティブとして決定し、ユーザLに請求した利用料βから仲介手数料αを差し引いた金額(β-α)を、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザKに与えるインセンティブとして決定する。
【0104】
また、駐車場を所有するユーザに付与するインセンティブは、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザと、駐車場の利用権利を譲り受けたユーザとが負担してもよい。
【0105】
図23は、インセンティブの配分方法の他の例を示す図である。図示のように、例えば、決済処理部118は、駐車場の利用権利を譲り受けたユーザLに対して、半分の仲介手数料α/2と駐車時間に応じた利用料βとを足し合わせた金額(α/2+β)を請求することを決定する。このとき、決済処理部118は、仲介手数料α分のポイントを、駐車場を所有するユーザMに与えるインセンティブとして決定し、ユーザLに請求した利用料βから、半分の仲介手数料α/2を差し引いた金額(β-α/2)を、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザKに与えるインセンティブとして決定する。
【0106】
なお、上述した説明では、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザに加えて、駐車場の所有者にもインセンティブが支払われるものとして説明したがこれに限れず、例えば、ユーザ間で駐車場の利用権利の譲渡を仲介する駐車場利用仲介サービスを提供するサービス提供者にもインセンティブが支払われてもよい。
【0107】
以上説明した第4実施形態によれば、ユーザ間での駐車場の利用権利の譲渡が成立した場合、駐車場の利用権利を譲り渡したユーザに加えて、駐車場の所有者にもインセンティブが付与されるため、駐車場の所有者は、駐車場が事前予約されたときにユーザに請求された一日分の駐車料金に加えて、ユーザ間での駐車場の利用権利の譲渡が成立したときに付与されるインセンティブを、駐車場からの収益とすることができる。
【0108】
一般的に、日単位で駐車料金が課せられる駐車場の場合、駐車場から得られる収入の最大値は、その日に駐車場に駐車される車両の台数によって決定される。これに対して、本実施形態のように、ユーザによる駐車スペースの又貸しを許容した場合、日単位で駐車料金が課せられる駐車場であっても、駐車場から得られる収入の最大値を、駐車場に駐車される車両の台数によって決定する場合よりも大きくすることができる。
【0109】
<ハードウェア構成>
上述した実施形態の情報処理装置100は、例えば、図24に示すようなハードウェア構成により実現される。図24は、実施形態の情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0110】
情報処理装置100は、NIC100-1、CPU100-2、RAM100-3、ROM100-4、フラッシュメモリやHDDなどの二次記憶装置100-5、およびドライブ装置100-6が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。ドライブ装置100-6には、光ディスクなどの可搬型記憶媒体が装着される。二次記憶装置100-5に格納されたプログラム、またはドライブ装置100-6に装着された可搬型記憶媒体に格納されたプログラムがDMAコントローラ(不図示)などによってRAM100-3に展開され、CPU3100-2によって実行されることで、制御部110が実現される。CPU100-2が参照するプログラムは、ネットワークNWを介して他の装置からダウンロードされてもよい。
【0111】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0112】
1…情報処理システム、10…端末装置、20…駐車場管理装置、30…ポイント管理装置、40…決済装置、100…情報処理装置、102…通信部、110…制御部、112…取得部、114…予約管理部、116…利用状況管理部、118…決済処理部、120…コンテンツ生成部、122…通信制御部、130…記憶部
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