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7160800IDOおよびTDO調節のための化合物および方法、ならびにそれらのための適応症
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】IDOおよびTDO調節のための化合物および方法、ならびにそれらのための適応症
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/56 20060101AFI20221018BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 471/08 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 487/08 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 487/10 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20221018BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/438 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/4995 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 31/54 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221018BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
C07D231/56 Z CSP
C07D401/06 ZNA
A61K31/4439
A61K31/416
C07D401/04
C07D403/04
C07D405/04
C07D409/04
C07D471/08
A61K31/496
A61K31/454
A61K31/5377
C07D413/14
C07D401/14
A61K31/4545
A61K45/00
A61P29/00
A61P37/06
A61P29/00 101
A61P19/02
A61P3/10
A61P5/14
A61P25/28
A61P1/04
A61P11/06
A61P31/18
A61P35/00
A61P35/04
A61P25/16
A61P25/14
A61P25/18
A61P25/24
A61P13/12
A61P9/10 101
A61P43/00 111
C07D487/08
C07D487/10
C07D417/14
C07D405/14
C07D409/14
A61K31/438
A61K31/4995
A61K31/439
A61K31/54
A61P37/00
A61P17/00
A61P31/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019515528
(86)(22)【出願日】2017-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 US2017053080
(87)【国際公開番号】W WO2018057973
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-08
(31)【優先権主張番号】62/398,409
(32)【優先日】2016-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505324881
【氏名又は名称】プレキシコン インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】PLEXXIKON INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ジアジョン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ハンナ・パワーズ
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・アルバース
(72)【発明者】
【氏名】フォンリー・ファム
(72)【発明者】
【氏名】グオシエン・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ビューエル
(72)【発明者】
【氏名】ウェイン・スピバック
(72)【発明者】
【氏名】ズオジュン・グオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・ウォレスハウザー
(72)【発明者】
【氏名】イン・ジャン
【審査官】小路 杏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/071293(WO,A2)
【文献】Gavara, Laurent et al.,Regioselective synthesis of novel substituted indazole-5,6-diamine derivatives,Tetrahedron,2011年,67(9),1633-1639
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ic)の化合物、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは重水素化類似体であって、式中、
、R、およびRがそれぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-OCH、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであるが、
但し、R、R、もしくはRの少なくとも1つがHではないことを条件とし、
が、以下の基のうちの1つであり、
【化2】
【化3】
【化4】
式中、
15 が、-C ~C アルキレン-C ~C アルコキシ、任意に1~3個のJ で置換された-C ~C アルキレン-フェニル、-SO -C ~C アルキル、-SO -C ~C ハロアルキル、任意に1~3個のJ で置換された-SO -C ~C シクロアルキル、任意に1~3個のJ で置換された-SO -5~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJ で置換された-SO -5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJ で置換された-SO -フェニル、-C(O)N(H)SO -C ~C アルキル、-C(O)N(H)SO -C ~C ハロアルキル、任意に1~3個のJ で置換された-C(O)N(H)SO -C ~C シクロアルキル、任意に1~3個のJ で置換された-C(O)N(H)SO -4~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJ で置換された-C(O)N(H)SO -5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJ で置換された-C ~C アルキレン-CH(フェニル) 、任意に1~3個のJ で置換された-C ~C アルキレン-CH(C ~C シクロアルキル) 、-C(O)NR 10 11 、-SO NR 10 11 、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO -C ~C シクロアルキル、-CO -アルキル、COJ 、-CO 、または-C(NH )=N-CNであり、
16 が、H、F、C ~C アルキル、またはC ~C フルオロアルキルであり、
17 が、H、F、C ~C アルキル、C ~C フルオロアルキル、-N(H)SO -C ~C アルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO -C ~C シクロアルキル、-N(H)SO -C ~C ハロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC ~C シクロアルキルであり、
が、C ~C アルキル、-C ~C アルキレン-C ~C アルコキシ、C ~C シアノアルキル、C ~C ヒドロキシアルキル、任意に1~3個のJ で置換されたC ~C アルキレン-C ~C シクロアルキル、任意に1~3個のJ で置換されたC ~C アルキレン-フェニル、任意に1個のJ で置換された-C ~C アルキレン-5~6員ヘテロアリール、または任意に1~3個のJ で置換された-C ~C アルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキルであり、
が、H、C ~C アルキル、またはC ~C ハロアルキルであり、
各J が、独立して、ハロゲン、C ~C アルキル、C ~C ハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換された-C ~C アルコキシ、CN、5~6員ヘテロシクロアルキル、-S(O) -C ~C アルキル、-NH 、-N(H)-C ~C アルキル、または-N(C ~C アルキル) であるが、但し、J が窒素に結合している場合、J は、ハロゲン、OH、CN、NH 、-N(H)-C ~C アルキル、または-N(C ~C アルキル) ではあり得ないことを条件とし、
10が、H、アルキル、またはハロアルキルであり、
11が、H、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、CN、アルキニル、任意に1~4個のJで置換されたフェニル、任意に1~4個のJで置換されたヘテロアリール、任意に1~4個のJで置換されたヘテロシクロアルキル、-アルキレン-C(O)-OH、-アルキレン-C(O)-NH、-アルキレン-C(O)-N(H)-アルキル、-アルキレン-C(O)-N(アルキル)、アルコキシ、任意に1~4個のJで置換された-アルキレン-C(O)-フェニル、-C(O)-O-アルキル、アルキレン-C(O)-O-アルキル、ヒドロキシアルキル、任意に1~4個のJで置換されたシクロアルキル、任意に1~4個のJで置換されたシクロアルキルアルキル、任意に1~4個のJで置換された-アルキレン-フェニル、任意に1~4個のJで置換された-アルキレン-SO-フェニル、-アルキレン-SO-アルキル、-アルキレン-NH-SO-C~Cアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、任意に1~4個のJで置換されたアルキルシクロアルキル、任意に1~4個のJで置換された-アルキレン-ヘテロシクロアルキル、任意に1~4個のJで置換された-アルキレン-ヘテロアリール、または任意に1~4個のJで置換された-C(O)-フェニルである、式Ic)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは重水素化類似体。
【請求項2】
が、以下の基、
【化5】
のうちの1つである、請求項に記載の化合物。
【請求項3】
が、以下の基、
【化6】
【化7】
うちの1つである、請求項に記載の化合物。
【請求項4】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
【表42】
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【表48】
【表49】
【表50】
【表51】
【表52】
【表53】
【表54】
【表55】
【表56】
【表57】
【表58】
【表59】
【表60】
【表61】
【表62】
【表63】
【表64】
【表65】
【表66】
【表67】
【表68】
【表69】
【表70】
【表71】
【表72】
【表73】
【表74】
【表75】
【表76】
【表77】
【表78】
【表79】
【表80】
【表81】
【表82】
【表83】
【表84】
【表85】
【表86】
【表87】
【表88】
【表89】
【表90】
【表91】
【表92】
【表93】
【表94】
【表95】
【表96】
【表97】
【表98】
【表99】
【表100】
【表101】
【表102】
【表103】
【表104】
【表105】
【表106】
【表107】
【表108】
【表109】
【表110】
【表111】
【表112】
【表113】
【表114】
【表115】
【表116】
【表117】
【表118】
【表119】
【表120】
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは重水素化類似体。
【請求項5】
15が、以下の基:-C(O)-CH、-C(O)-CH(CH、-C(O)-CH-CH、-C(O)-CH(CH、-C(O)-C(CH、-C(O)-CHCHCH、-C(O)-CH(CH)-フェニル、-C(O)-N(H)プロピル、-C(O)-(CH0-1シクロプロピル、-C(O)-(CH0-1シクロブチル、-C(O)-(CH0-1シクロペンチル、-C(O)-(CH0-1シクロヘキシル、-C(O)-(CH0-1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-C(O)-(CH0-1テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-(CH0-1オキセタン、-C(O)-(CH0-1モルホリニル、-C(O)-(CH0-1チオモルホリニル 1,1-ジオキシド、-C(O)-(CH0-1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-C(O)-CH-CN、-C(O)-メトキシメチル、-C(O)-メトキシプロピル、-C(O)-メトキシエチル、-C(O)-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)-イソキサゾリル、またはF、Cl、C-Cアルコキシ、およびCNからなる群より独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された-C(O)-フェニルの1つである、請求項に記載の化合物。
【請求項6】
15が、以下の基:-C(O)-N(H)(CH-CF、-C(O)-N(H)CH-CF、-C(O)-N(H)CH、-C(O)-N(H)CH(CH、-C(O)-N(H)CH-CH、-C(O)-N(H)CH(CH、-C(O)-N(H)CHCHCH、-C(O)-N(H)CH(CH)-フェニル、-C(O)-N(H)(CH0-1シクロプロピル、-C(O)-N(H)(CH0-1シクロブチル、-C(O)-N(H)(CH0-1シクロペンチル、-C(O)-N(H)(CH0-1シクロヘキシル、-C(O)-N(H)(CH0-1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)(CH0-1テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-N(H)(CH0-1オキセタン、-C(O)-N(H)(CH0-1モルホリニル、-C(O)-N(H)(CH0-1 チオモルホリニル 1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)(CH0-1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)CH-CN、-C(O)-N(H)-メトキシメチル、-C(O)-N(H)-メトキシプロピル、-C(O)-N(H)-メトキシエチル、任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)-N(H)-ピリジル-C(O)-N(H)イソキサゾリル、またはF、Cl、C-Cアルコキシ、およびCNからなる群より独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された-C(O)-N(H)フェニルの1つである、請求項に記載の化合物。
【請求項7】
15が、以下の基:-C(O)-N(H)-SO-(CH-CF、-C(O)-N(H)-SO-CH-CF、-C(O)-N(H)-SO-CH、-C(O)- N(H)-SO-CH(CH、-C(O)-N(H)-SO-CH-CH、-C(O)-N(H)-SO-CH(CH、-C(O)-N(H)-SO-C(CH、-C(O)-N(H)-SO-CHCHCH、-C(O)-N(H)-SO-C-Cシクロアルキル、-C(O)-N(H)-SOテトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)-SO-テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-N(H)-SO-オキセタン、-C(O)-N(H)-SO-モルホリニル、-C(O)-N(H)-SO-チオモルホリニル 1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)-SO-イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)-SO-ピリジル、または任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)-N(H)-SO-イソキサゾリルの1つである、請求項に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項9】
第2の医薬剤をさらに含む、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
第2の医薬剤が、i)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボクオン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、およびトレオサルファンから選択されるアルキル化剤、ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、およびプリカマイシンから選択される抗生物質、iii)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、フトラフール、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、およびトリメトレキサートからなる群から選択される代謝拮抗剤、iv)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、および90Yイブリツモマブチウキセタンから選択される抗体療法剤、v)アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゼストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンからなる群から選択されるホルモンまたはホルモンアンタゴニスト、vi)DJ-927、ドセタキセル、TPI 287、パクリタキセルおよびDHA-パクリタキセルから選択されるタキサン、vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインから選択されるレチノイド、viii)エトポシド、ホモハリングトニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択されるアルカロイド、ix)AE-941(GW786034、Neovastat)、ABT-510、2-メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドから選択される抗血管新生剤、x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN-38(7-エチル-10-ヒドロキシ-カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカン、および9-アミノカンプトテシンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤、xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE-788、AG-013736、AMG706、AMN107、BMS-354825、BMS-599626、UCN-01(7-ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、およびバタラニブから選択されるキナーゼ阻害剤、xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンから選択される標的シグナル伝達阻害剤、xiii)イミキモド、インターフェロン-αおよびインターロイキン-2から選択される生物学的応答調節剤、xiv)3-AP(3-アミノ-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン-1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、およびアロマターゼ阻害剤から選択される化学療法剤、xv)Mek阻害剤、xvi)チロシンキナーゼ阻害剤、xvii)EGFR阻害剤、またはxviii)侵入阻害剤、融合阻害剤、逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、および多クラスの組み合わせ製品から選択される抗レトロウイルス剤である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
IDO1、TDO、またはIDO1およびTDOの両方によって媒介される疾患または状態を有する対象を治療するための医薬の製造における、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、もしくは重水素化類似体、あるいは請求項10のいずれか1項に記載の医薬組成物の有効量での使用であって、該疾患または状態が、IDO1、TDO、もしくはIDO1およびTDOの両方、または前述のいずれかの活性化変異もしくは転座を異常または別様に発現する、使用。
【請求項12】
疾患または状態が、炎症性疾患、炎症性状態、自己免疫疾患または癌である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記疾患または状態が、免疫抑制、関節リウマチ、1型糖尿病、ループス、橋本甲状腺疾患、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、腸の自己免疫疾患、腸管病原体による疾患、喘息、HIV、腫瘍増殖、腫瘍転移、感染症、非感染性炎症性疾患、慢性炎症によって促進される皮膚癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、統合失調症、双極性障害、うつ病、炎症関連うつ病、心血管疾患、末期腎臓病、慢性腎臓病およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
医薬が第2の医薬剤をさらに含み、ここで第2の医薬剤が、i)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボクオン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、およびトレオサルファンから選択されるアルキル化剤、ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、およびプリカマイシンから選択される抗生物質、iii)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、フトラフール、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、およびトリメトレキサートからなる群から選択される代謝拮抗剤、iv)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、および90Yイブリツモマブチウキセタンから選択される抗体療法剤、v)アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゼストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンからなる群から選択されるホルモンまたはホルモンアンタゴニスト、vi)DJ-927、ドセタキセル、TPI 287、パクリタキセルおよびDHA-パクリタキセルから選択されるタキサン、vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインから選択されるレチノイド、viii)エトポシド、ホモハリングトニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択されるアルカロイド、ix)AE-941(GW786034、Neovastat)、ABT-510、2-メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドから選択される抗血管新生剤、x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN-38(7-エチル-10-ヒドロキシ-カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカン、および9-アミノカンプトテシンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤、xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE-788、AG-013736、AMG706、AMN107、BMS-354825、BMS-599626、UCN-01(7-ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、およびバタラニブから選択されるキナーゼ阻害剤、xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンから選択される標的シグナル伝達阻害剤、xiii)イミキモド、インターフェロン-αおよびインターロイキン-2から選択される生物学的応答調節剤、xiv)3-AP(3-アミノ-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン-1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、およびアロマターゼ阻害剤から選択される化学療法剤、xv)Mek阻害剤、xvi)チロシンキナーゼ阻害剤、xvii)EGFR阻害剤、またはxviii)侵入阻害剤、融合阻害剤、逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、および多クラスの組み合わせ製品から選択される抗レトロウイルス剤である、請求項11に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法119(e)条のもと、2016年9月22日に出願された米国仮特許出願第62/398,409号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ヘム含有オキシドレダクターゼ酵素およびそのような酵素を選択的に調節する化合物、ならびにそのための使用に関する。特定の実施形態は、本開示の化合物による酵素活性の調節による治療に適している、疾患適応症を企図する。
【背景技術】
【0003】
本開示は、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、特にインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)、およびトリプトファン-2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)を阻害する新規化合物に関する。本開示はまた、IDO1またはTDOの活性によって媒介される疾患適応症を治療するためのそのような化合物の使用を企図する。
【0004】
必須アミノ酸トリプトファンは、キヌレニン経路を介して分解され、その第一段階および律速段階は、トリプトファンをN-ホルミルキヌレニンに変換する、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)およびトリプトファン-2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)を含むヘム含有オキシドレダクターゼ酵素によって触媒される。これらの酵素は同じ生化学的機能を実施するが、それらは限られた相同性を共有し、それらの発現は身体の異なる位置に区画化される。IDO1が、胎盤、腸、肺、精巣上体、リンパ節および腫瘍細胞において発現されるのに対して、TDO発現は主に肝臓および脳において見出される。IDO1およびTDOはトリプトファン濃度を制御し、またキヌレニン経路代謝産物の均衡も制御する。キヌレニン経路の調節不全、またはIDO1およびTDO活性による、キヌレニン代謝産物を有利にする不均衡は、免疫抑制に関連する多数の疾患適応症をもたらす。
【0005】
ジオキシゲナーゼ活性によるトリプトファンの局所的枯渇およびキヌレニン経路代謝産物の蓄積は、免疫寛容および抑制を誘発する。腸免疫、哺乳動物妊娠、腫瘍免疫回避、慢性感染、神経障害、炎症性疾患および自己免疫疾患などに関する実験において、IDOの発現が、トリプトファン(エフェクターT細胞に必須のアミノ酸)の枯渇によるT細胞の抑制を介して免疫寛容を誘導し得ることが示されている。一般対照の非抑制性2キナーゼ(GCN2)は、トリプトファン枯渇を検出した後のT細胞増殖を防止する。さらには、キヌレニン代謝産物は、ヘルパーT細胞の制御性T細胞(Treg)への変換を促進し、これもまた免疫抑制に関与する。
【0006】
人体は、ヒト細胞よりも10倍多い細菌細胞を収容しており、これらの細菌細胞の多くは、ヒト腸内微生物叢を含む。これらの細菌細胞は自己と区別可能であるが、人体はこれらの細菌に関して免疫学的耐性を維持しなければならない。IDO欠損マウスでは、血清中のベースラインレベルの免疫グロブリンA(IgA)およびIgGを上昇し、腸分泌物中のIgAを増加している。より高レベルの天然分泌型IgAを発現するこれらの突然変異マウスは、シトロバクターローデンチウムによる腸内コロニー形成に対してより耐性があり、C.ローデンチウムによる有意に弱毒化された大腸炎を経験した。耐病性とは異なり、IDOはまた、疾患耐性、宿主の健康に対する感染の影響の減少を誘導することが示されている。IDO1ノックアウト(KO)マウスは、LPS内毒素耐性を示さなかったが、LPS耐性IDO1発現マウスは、LPS発現サルモネラエンテリカチフィムリウムに感染すると、完全に防御的耐性状態になることができた。これらの知見は、IDO活性の薬理学的調節が、腸管免疫の調節異常、および腸内病原体に起因する疾患に対する解決策を提供する可能性があることを示唆している。
【0007】
IDOによる免疫抑制は、同種異系胎児に対する母親の寛容性によっても例証される。組織移植の一般法則は、同種異系哺乳類の受胎産物が生き残るべきではないことを示唆している。しかしながら、母体胎児界面におけるIDO発現の意味は、IDOが子宮からの同種異系胎児の免疫学的拒絶反応を予防することを示唆している。1-メチル-トリプトファン(1-MT)を妊娠中のマウスに投与すると、T細胞媒介性応答を介した同種異系胎児の拒絶をもたらした。IDO1によるトリプトファン異化作用は、母親のT細胞による免疫学的拒絶反応を抑制し、同種異系受胎産物の生存を可能にすると思われる。IDO1発現による胎児に対する母親の寛容性は、IDO1/TDO阻害化合物が妊娠中絶または避妊に役立つ可能性があることを示唆している。
【0008】
HIV感染は慢性的にIDO1発現を誘導し、トリプトファンの慢性的枯渇およびT細胞機能障害をもたらす。トリプトファン枯渇は、防御的免疫機能を提供する他のCD4+ヘルパーT細胞サブセットよりも、Tregの発生を促進する。IDO1の構成的発現は、トリプトファン代謝の平衡をキヌレニンに向かって連続的にシフトさせ、免疫抑制を誘導し、HIV感染の進行を可能にする。しかしながら、IDO阻害は、HIVのマウスモデルにおいてウイルス特異的CD8+T細胞のレベルを高め、同時にウイルス感染マクロファージの数を減少させることが証明されている。これらの一連の証拠は、おそらく他の抗レトロウイルス薬と組み合わせた場合のIDO1阻害剤が、HIV疾患の治療に有用性を提供し得ることを示唆する。
【0009】
腫瘍は通常免疫監視下にあるが、腫瘍の増殖および転移に有利な局所的微小環境を作り出すためにIDO1を発現する能力を有することが示されている。トリプトファンの枯渇およびキヌレニンの蓄積は、エフェクターT細胞の増殖をブロックし、Tregの発生を促進し、腫瘍が正常な免疫機構を回避することができる免疫抑制状態を誘導する。
【0010】
IFN-gは抗腫瘍特性を呈するが、サイトカインはIDO発現の強力な誘導物質であることも示されており、したがって免疫抑制性腫瘍微小環境においては効果が限られている可能性がある。しかしながら、最近の研究は、選択的IDO1阻害剤エパカドスタットを用いた樹状細胞の治療が、IFN-gおよび腫瘍細胞溶解の産生の増加と共に、腫瘍関連抗原特異的T細胞のより強力な活性化をもたらすことを示した。IDO阻害剤および抗CTLA-4または抗PD-1/PD-L1抗体を用いた併用療法は、単剤療法と比較して、黒色腫のマウスモデルにおける腫瘍制御、IL-2産生、およびCD8+T細胞増殖を改善した。加えて、化学放射線療法中にIDOを遮断すると、腫瘍破壊の原因となるC3補体の広範な沈着を引き起こすことによって、そのような治療の抗腫瘍効果が高まる。これらの一連の証拠は、IDO1阻害が腫瘍抵抗性を逆転させることができ、治療薬と組み合わせて使用された場合に、腫瘍増殖および転移を制御し得ることを示唆する。
【0011】
トリプトファン-2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)を用いたトリプトファン分解もまた、IDOによって触媒されるのと同様の方法で腫瘍の免疫抵抗性に影響を及ぼす。ニューロンおよび肝細胞によって発現されるTDOは、トリプトファンをキヌレニンに異化し、それは次に自己分泌およびパラ分泌様式でヒトアリール炭化水素受容体(AHR)の内因性リガンドとして機能する。TDO由来のキヌレニンによるAHRの活性化は、抗腫瘍免疫応答を抑制し、腫瘍細胞の生存および運動性を促進する。したがって、TDO阻害は腫瘍性免疫拒絶反応を促進することが示されている。一連の104個の腫瘍細胞株からのデータは、20個の腫瘍がTDO2のみを発現し、17個がIDO1のみを発現し、16個が両方を発現したことを示す。これは、IDOおよびTDOの両方の二重阻害を含む治療方法が、より大きな割合の腫瘍に対して有効であり得ることを示唆する。
【0012】
感染症はしばしば炎症を引き起こし、それが次にIDO活性を誘発し得る。エプスタインバーウイルスによる感染は、単球由来マクロファージ内のp38/MAPKおよびNF-κB経路を介したTNF-αおよびIL-6の上方制御により、IDO発現を誘導し得ることが実証されている。T細胞増殖のIDO抑制およびCD8+T細胞細胞傷害機能の障害は、ウイルス生存のための免疫抑制性微小環境を作り出すのに重要であり得る。マウスモデルでは、インフルエンザA型ウイルスによる感染は、肺および肺排出縦隔リンパ節においてIDO活性を刺激した。このマウスモデルでは、肺におけるインフルエンザ誘発性のIDO活性は、罹患率を高め、回復を遅らせ、エフェクターT細胞応答を抑制し、ウイルス特異的記憶CD8T細胞のレパートリーを変更した。IDO活性と弱められた宿主免疫との間の相関関係を考慮すると、IDO阻害剤は感染症と闘うのに有用であり得る。
【0013】
加えて、IDOは非感染性炎症性疾患に関係している。IDO KOマウスは、古典的な炎症の自発的障害を示さない。全身性炎症反応を誘発する代わりに、IDOの小分子阻害剤は、慢性炎症によって促進される皮膚癌のモデルにおける、かつ炎症関連関節炎およびアレルギー性気道疾患のモデルにおける疾患の重症度を軽減する。IDOは自己免疫性関節炎にも関与する。IDO2は自己反応性抗体の産生を仲介するが、IDO2 KOマウスはモデル抗原に対して生産的な抗体反応を開始する能力を維持することが示されている。非常に一般的な自己免疫疾患としては、関節リウマチ、1型糖尿病、ループス、橋本甲状腺疾患、多発性硬化症(MS)、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎を含むIBD)、セリアック病、および喘息が挙げられる。したがって、IDO阻害剤は、古典的または自己免疫性の炎症性疾患の治療に有用であることが証明され得る。
【0014】
研究は、トリプトファン異化産物が神経学的に重要であることを示している。キヌレニン経路を介して分解されたトリプトファンは、神経活性および神経毒性のある代謝産物を生成する。キヌレニンは、キヌレニンアミノトランスフェラーゼによってキヌレン酸(KYNA)に合成することができる。KYNAは、α7-ニコチン性アセチルコリン受容体に対して非競合的拮抗作用を発揮することが示されており、グルタミン酸誘発興奮毒性に対する保護を提供し得る。フリーラジカルスカベンジャーとしても作用するKYNAは、一般に神経変性メカニズムにおける保護剤であると理解される。キヌレニン経路の異なる分岐において、キヌレニンは、自動酸化を受ける3-ヒドロキシキヌレニン(3-HK)に変換され得る。3-HKは一般に、自動酸化中のフリーラジカルの生成により、神経毒性であると考えられる。3-HKはまた、3-HKと同様の酸化反応性を有する3-ヒドロキシアントロン酸(3-HA)に変換され得、T細胞生存を妨害し得る。3-HAの下流プロセシングは、キノリン酸(QUIN)の生成をもたらす。QUINは、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体の弱い内因性アゴニストであり、NMDA受容体に富む脳の領域において最大の興奮毒性を引き起こす。高濃度の神経毒性種によって反映されるキヌレニン代謝産物の不均衡は、神経変性疾患の兆候をもたらし得る。IDOおよびTDOはキヌレニン産生に関与しているので、これらの酵素の阻害剤は神経障害患者にとって有益であり得る。
【0015】
アルツハイマー病(AD)は、最も一般的には高齢者集団に現れる慢性神経変性疾患であり、進行性記憶喪失を特徴とする。AD病理の顕著な特徴は、アミロイドβ(Aβ)プラークおよびリン酸化タウ構成神経原線維変化を含み、キヌレニン経路は神経変性過程において重要な役割を果たし得る。ADマウスは、より高密度のTDO免疫密度細胞および小脳におけるTDO mRNAの発現増加を呈する。TDOは、ヒトAD脳の海馬において、QUIN、神経原線維変化、およびアミロイド沈着と共局在する。さらに、QUINは、ヒトの脳においてタウリン酸化を誘導し得ることが実証されている。ADにおける活性化ミクログリアは、リン酸化タウおよびAβプラークに応答して、QUINを含む過剰量のキヌレニン経路代謝産物を産生する可能性があり、進行性の疾患サイクルをもたらす。これらの一連の証拠は、キヌレニン経路によるトリプトファン異化作用の増加がADの病理に関与している可能性があることを示唆しており、TDOまたはIDOの阻害剤は疾患の進行を止めるのに有用であり得る。
【0016】
パーキンソン病(PD)は、運動系を損なう神経変性傷害です。PDは、ドーパミン作動性ニューロンの喪失および神経炎症を特徴とし、これは症状の発症の数年前に起こり得る。活性化ミクログリアは、キヌレニン経路を利用して神経活性化合物を生成することができる。PDでは、ミクログリアによるQUIN産生が増加し、NMDAアゴニストとして作用することにより興奮毒性を引き起こす。KYNAは神経保護トリプトファン異化産物であるが、星状細胞によるその合成は付随してPDにおいて減少する。PDは、脳内のキヌレニン経路のこれら2つの分岐間の不均衡と関連しており、この経路の薬理学的調節は疾患を治療するための新しい治療戦略であり得る。
【0017】
ハンチントン病(HD)は、染色体4上のHD遺伝子におけるCAG反復の拡大によって引き起こされる常染色体優性遺伝性の神経変性障害である。HDは、筋肉協調の喪失および認知機能低下に関連する。HDを有するヒト患者の末梢血漿中のキヌレニン対トリプトファンの比率の増加の証拠は、ニューロン機能不全およびHDにおける損傷に寄与する異常なトリプトファン代謝の可能な役割を示唆する。HDのYAC128マウスモデルの遺伝子発現分析は、線条体特異的Ido1 mRNAの増加を明らかにする。さらなる研究は、HDにおけるキヌレニン経路の役割を調べ続けており、IDO KOマウスの線条体は、野生型同腹仔対照と比較して、QUINによって誘発されるNMDA受容体媒介興奮毒性に対して感受性が低いことを示している。TDOの活性は一般に肝臓に限定されると考えられているが、TDO2の切除はショウジョウバエモデルのHDにおいて神経保護的である。これらの知見は、HD神経病理学におけるトリプトファン異化作用の調節異常を意味し、IDOまたはTDOが、HDの症例における治療標的となり得ることを示唆している。
【0018】
ルー・ゲーリッグ病としても知られる筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、随意筋運動を制御するニューロンを特異的に標的とする神経変性疾患です。ALSの症状としては、さまざまな程度の筋肉のこわばりや衰弱が挙げられるが、長期の予後はひどくなることがあり、多くの場合致命的である。ALSは多因子性疾患であり、その病理学の正確なメカニズムはまだ理解されていないが、トリプトファン異化産物はALS研究に関与している。対照対象からの試料と比較して、ALS患者の脳脊髄液(CSF)および血清試料は、高レベルのL-キヌレニンおよびQUIN、ならびに低レベルの神経保護種ピコリン酸(PIC)を示す。さらに、ALS運動皮質および脊髄のニューロンおよびミクログリアは、より高いレベルのIDOおよびQUINを発現し、神経炎症およびALSにおけるキヌレニン経路の関与を示唆している。別の研究では、ALSの眼球発症を有する患者のCSFサンプルは、重篤な臨床状態を有する患者のそれらと比較してより高いレベルのKYNAを含んでいたことを明らかにし、ALSにおける興奮毒性に対するKYNAの神経保護の役割を示唆する。ALSにおけるキヌレニンの関与が注目されており、神経毒性キヌレニンの合成に関与するIDOまたはTDOの阻害は治療的介入のための新しい選択肢となり得る。
【0019】
多発性硬化症(MS)は、希突起膠細胞およびミエリン鞘を標的とするTh1細胞によって引き起こされる複雑な自己免疫疾患であり、中枢神経系における硬化性プラークの形成に繋がる炎症反応をもたらす。MSにおけるキヌレニン経路の関与に関する初期の研究は、慢性疾患を有する患者が血清およびCSF試料中のトリプトファンレベルが低いことを示しており、キヌレニン経路の活性化を示唆している。ヒトMS患者のエクスビボCSF試料は、KYNAと疾患進行との間の可能な相関関係を示し、MSの初期活性期におけるキヌレニン経路の誘導は、KYNA産生の増加をもたらすが、その後のKYNAレベルの減少への移行をもたらし、神経毒性作用を発揮するキヌレニン経路を引き起こす。活性化マクロファージおよびミクログリアは、MS病変の境界に沿って存在することが示されており、脳細胞死を誘導するのに十分な濃度でQUINを産生することができる可能性がある。MSの自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスモデルにおいて、1-メチル-トリプトファンを用いたIDO1の阻害は、疾患状態を悪化させ、T細胞応答の増殖を可能にすることが示されている。キヌルニン経路の様々な分枝が神経毒性または神経保護性のいずれかのトリプトファン異化産物を生成する可能性があるので、経路の活性化がMS治療に有益であるかどうかは不明である。しかしながら、キヌレニン経路の調節は、依然としてMSを治療するための有効な戦略であり得る。
【0020】
トリプトファン分解はまた、精神神経障害に関与しています。アンバランスなキヌレニン経路は、統合失調症における病態生理学的プロモーターである可能性があり、統合失調症患者のCSF試料は、QUIN合成に関与する酵素の機能障害の可能性のため、対照と比較して、より高い比率のKYNA対QUINを含有する。KYNAはNMDA受容体のアンタゴニストであるが、QUINがアゴニストであるので、この比率の移行は行動ドメインに反映され得る。QUIN産生の原因となる1つの酵素である、キヌレニン3-モノオキシゲナーゼ(KMO)の単一ヌクレオチド多型は、KMO発現の減少およびCSF KYNAレベルの増加と相関し、双極性障害患者における生涯精神病的特徴の原因となり得る。
【0021】
トリプトファンはまた、5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)に、後にセロトニンに、次いでメラトニンに変換され得る。トリプトファンの枯渇はうつ病のエピソードを引き起こし得、キヌレニン経路におけるIDO活性はセロトニンを減少させ、うつ病を引き起こし得る。炎症関連うつ病では、トリプトファン異化代謝産物はセロトニンとは無関係に気分変動を引き起こし得る。トリプトファンのキヌレニン、その後のQUINおよび3HKへの変換は、神経毒性であり、鬱状態を誘発し得る。神経精神障害の機序は炎症関連の神経変性障害の機序とは異なるが、新しい治療法は依然としてキヌレニン経路の調節を含み得る。
【0022】
キヌレニン経路が心血管の健康に影響を与える証拠もある。特に末期腎臓病患者では、IDO活性の誘導とその後の血清キヌレニンの増加が、多くの心血管系合併症を引き起こす。キヌレニンは過線溶症と関連しており、必然的にアテローム性動脈硬化症の発症に関連している。キヌレニン、QUIN、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、およびMMPの組織阻害剤のレベルの上昇は、心血管疾患(CVD)を有する継続的な外来腹膜透析患者において、CVDのない患者および対照よりも発見されている。加えて、QUINは、血管壁リモデリングに関与する細胞外マトリックス構成成分の分解の原因であるMMP-2およびMMP-2の組織阻害剤と、正の相関があることが実証されている。これらの一連の証拠は、慢性腎臓病患者におけるキヌレニン経路の活性化と心血管疾患の有病率との間の関連性を示唆している。トリプトファン異化作用の調節不全に関連する疾患の兆候に関する上記の議論を考慮すると、IDOまたはTDO、キヌレニン経路の活性化およびトリプトファン枯渇の原因となる2つの酵素を阻害する新規化合物に対する満たされていない強い必要性が存在する。TDOおよびIDO阻害剤の開発ならびにそのような阻害剤を用いた治療方法は、前述の疾患および障害と闘うための重要なステップである。
【0023】
2003年の抗癌治療の重要な標的としてのインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1の発見以来、ヒトに使用するための新しいIDO1およびTDO阻害剤を製造することに向けてかなりの量の努力がなされてきた。しかしながら、少数の強力なIDO1阻害化合物のみが臨床試験に入っており、今日のところFDAによって承認されたものはない。
【0024】
したがって、新しいIDO1およびTDO阻害化合物に対する未だ満たされていない強い要求がある。
【発明の概要】
【0025】
本開示の一実施形態は、本明細書の実施形態のいずれかに記載の新規化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する(これらの新規化合物はIDO1、TDO、またはIDO1およびTDOの両方を調節する)。
【0026】
本開示の別の実施形態は、式I(a)の化合物、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体(R、R、R、R、G、Gおよび環Aが、本開示において記載される実施形態のいずれかに記載の通りである)に関する。
【0027】
式I(a)の他の実施形態および下位実施形態は、本開示において本明細書中にさらに記載される。
【0028】
本開示の別の実施形態は、本開示で本明細書に記載の式I(a)、または式I(a)の任意の実施形態および下位実施形態の化合物、あるいは薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、これらの化合物のいずれかの異性体または重水素化類似体、ならびに薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0029】
本開示の別の実施形態は、本開示で本明細書に記載の式I(a)、もしくは式I(a)の任意の実施形態の化合物、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくはこれらの化合物のいずれかの重水素化類似体、および別の治療薬を含む医薬組成物に関する。
【0030】
本開示の別の実施形態は、本開示の本明細書に記載の式I(a)、もしくは式I(a)の任意の実施形態の化合物、またはこれらの化合物のいずれかの医薬的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体、または本開示に記載の任意の化合物の医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む、IDO1、TDO、またはIDO1とTDOの両方によって媒介される疾患または状態を有する対象を治療する方法に関する(この開示において、疾患または状態は、異常にまたはそうでなければIDO1、TDO、もしくはIDO1およびTDOの両方を発現するか、または前述のいずれかの変異もしくは転位を活性化する。)。この実施形態の他の実施形態では、疾患または状態は、本開示に記載されている疾患または状態のうちのいずれか1つ以上であり得る。他の実施形態では、疾患または状態は炎症性疾患、炎症性状態、自己免疫疾患または癌である。他の実施形態において、疾患または状態は、免疫抑制、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、1型糖尿病、ループス、橋本甲状腺疾患、多発性硬化症(MS)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、腸の自己免疫疾患、腸内病原体によって引き起こされる疾患、および喘息)、HIV、腫瘍増殖、腫瘍転移、感染症(例えば、エプスタインバーウイルスまたはA型インフルエンザウイルスなどのウイルスによって引き起こされる感染症)、非感染性炎症性疾患、慢性炎症によって促進される皮膚癌、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病)、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症)、精神神経傷害(例えば、統合失調症、双極性障害、うつ病、および炎症性うつ病)、心血管疾患、末期腎臓病、慢性腎臓病、ならびにアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
I.定義
本明細書で使用される場合、別段に明確に示されない限り、以下の定義が適用される。
【0032】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段に文脈が明らかに示さない限り、複数の言及を含むことに留意されたい。
【0033】
結合点が別段に示さない限り、本開示の式I(a)の可変基の定義およびその全ての実施形態に列挙される化学部分構造は、左から右へ読まれるべきであり、右側は定義どおりに親構造に直接結合される。しかしながら、結合点が化学部分構造の左側に示される場合(例えば、-アルキルオキシ-(C-C25)アルキル)、次いでこの化学部分構造の左側は、定義どおりに親部分構造に直接結合される。化合物を構築する目的で、本明細書に記載の化合物の一般的な説明を考慮する場合、そのような構築は安定な構造の生成をもたらすと考えられる。すなわち、当業者は、通常は安定な化合物とは見なされないいくつかの構築物(すなわち、立体的に実用的および/または合成的に実現可能)を理論的に認識するであろう。
【0034】
特に明記しない限り、単独で、または他の置換基の一部としての「アルキル」は、指定された炭素原子の数を有する、直鎖または分岐鎖炭化水素を意味する(すなわち、Cは、1~6個の炭素を意味する)。代表的なアルキル基としては、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル基が挙げられる。さらなる代表的なアルキル基としては、1、2、3、4、5、6、7、または8個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル基が挙げられる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどが挙げられる。本明細書中の各定義(例えば、アルキル、アルコキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルなど)について、アルキル部分の炭素原子数を示すために接頭辞を含まない場合、アルキル部分構造もしくはその部分は、12個以下の主鎖炭素原子、または8個以下の主鎖炭素原子、または6個以下の主鎖炭素原子を有する。例えば、C1~6アルキル(またはC~Cアルキル)は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の炭化水素を指し、C1~2アルキル、C1~4アルキル、C2~6アルキル、C2~4アルキル、C1~6アルキル、C2~8アルキル、C1~7アルキル、C2~7アルキル、およびC3~6アルキルが挙げられるが、これらに限定されない。置換基は任意の利用可能な原子に結合し、安定な化合物を生成するが、任意に置換されたアルキルが、-OR(例えば、アルコキシ)、-SR(例えば、チオアルキル)、-NHR(例えば、アルキルアミノ)、-C(O)NHRなどの部分構造のR基である場合、アルキルR基の置換基は、部分構造の任意のO、S、またはNに結合したアルキル炭素の置換基(Nがヘテロアリール環原子である場合を除く)が、部分構造の任意のO、S、またはNに結合したアルキル炭素に結合している置換基の任意のO、S、またはNをもたらすであろう置換基(Nがヘテロアリール環原子である場合を除く)を排除するようなものである。
【0035】
単独で、または他の置換基の一部としての「アルキレン」は、接頭辞に示される炭素原子の数を有するアルカンから誘導される直鎖または分岐の飽和二価炭化水素部分構造を意味する。例えば(すなわち、C1~6は、1~6個の炭素を意味し、C1~6アルキレンは、メチレン、エチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン、ペンチレン、ヘキシレンなどを含むことを意味する)。C1~4アルキレンとしては、メチレン-CH-、エチレン-CHCH-、プロピレン-CHCHCH-、およびイソプロピレン-CH(CH)CH-、-CHCH(CH)-、-CH-(CHCH-、-CH-CH(CH)CH-、
-CH-C(CH-CH-CHCH(CH)-が挙げられる。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は、1~24個の炭素原子を有し、それらの基は10個以下、8個以下、または6個以下の炭素原子を有する。アルキレン部分構造中の炭素原子の数を示すために接頭辞が含まれない場合、アルキレン部分構造またはその部分は、12個以下の主鎖炭素原子または8個以下の主鎖炭素原子、6個以下の主鎖炭素原子、または4個以下の主鎖炭素原子、または3個以下の主鎖炭素原子、または2個以下の主鎖炭素原子、または1個の炭素原子を有するであろう。いくつかの実施形態では、C-アルキレンは結合を指す。
【0036】
「アルケニル」とは、接頭辞に示された数の炭素原子を有し、少なくとも1つの二重結合を含有する直鎖状一価炭化水素ラジカルまたは分岐状一価炭化水素ラジカルを指す。例えば、C~Cアルケニルは、エテニル、プロペニルなどを含むことを意味する。いくつかの実施形態において、アルケニルは、2~20個の炭素原子または2~10個の炭素原子(例えば、2~6個の炭素原子)を有し得、1~6個の炭素-炭素二重結合、例えば、1、2、または3個の炭素-炭素二重結合を有し得る。
【0037】
「アルケニレン」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含有し、接頭辞に示される数の炭素原子を有する直鎖状一価炭化水素ラジカルまたは分岐一価炭化水素ラジカルを指す。いくつかの実施形態において、アルケニレンは、2~20個の炭素原子または2~10個の炭素原子(例えば、2~6個の炭素原子)を有し得、1~6個の炭素-炭素二重結合、例えば、1、2、または3個の炭素-炭素二重結合を有し得る。
【0038】
「アルキニル」という用語は、いくつかの実施形態では、2~20個の炭素原子(いくつかの実施形態では、2~10個の炭素原子、例えば、2~6個の炭素原子)を有し、1~6個の炭素-炭素三重結合、例えば1、2、または3個の炭素-炭素三重結合を有する、不飽和炭化水素のモノラジカルを指す。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(またはプロピニル、すなわち-C≡CCH)などを含む。アルケニルまたはアルキニル部分中の炭素原子の数を示すために接頭辞が含まれない場合、アルケニルまたはアルキニル部分構造またはそれらの部分は、12個以下の主鎖炭素原子、または8個以下の主鎖炭素原子、6個以下の主鎖炭素原子、4個以下の主鎖状炭素原子を有するであろう。
【0039】
「アルキニレン」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含有し、接頭辞に示される数の炭素原子を有する、直鎖状一価炭化水素ラジカルまたは分岐一価炭化水素ラジカルを指す。このような不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-および3-プロピニル、3-ブチニル、ならびに高級同族体および異性体が挙げられる。
【0040】
「アルコキシ」または「アルコキシル」は、-O-アルキル基を指し、アルキルは本明細書で定義されている通りである。アルコキシの置換基は、任意の利用可能な原子に結合し、安定な化合物を生成するが、アルコキシの置換基は、O、S、またはN(Nがヘテロアリール環原子である場合を除く)が、アルコキシOに結合したアルキル炭素に結合しないようなものである。さらには、アルコキシが他の部分構造の置換基として記載される場合、アルコキシ酸素は他の部分構造のO、S、もしくはN(Nがヘテロアリール環原子である場合)、または他の部分構造のアルケンもしくはアルキン炭素に結合している炭素原子には結合していない。
【0041】
「アルコキシアルキル」という用語は、1個以上、例えば1~3個のアルコキシ基で置換されているアルキル基を指す。
【0042】
「アルキルアミノ」は、-NH-アルキル基を指し、アルキルは本明細書で定義されている通りである。例示的なアルキルアミノ基としては、CHNH-、エチルアミノなどが挙げられる。
【0043】
「ジアルキルアミノ」は、各アルキルが独立して本明細書に定義されている通りである、-N(アルキル)(アルキル)基を指す。例示的なジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノなどが挙げられる。「シクロアルキルアミノ」は、基-NRddeeを表し、RddおよびReeは、窒素と組み合さり、5~7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、ヘテロシクロアルキルは、O、N、またはSなどの環内の追加のヘテロ原子を含有し得、アルキルでさらに置換されていてもよい。あるいは、「シクロアルキルアミノ」は、-NH-シクロアルキル基を指し、シクロアルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0044】
「アミノ」または「アミン」は、基-NHを表す。
【0045】
単独で、または別の置換基の一部としての「シクロアルキル」または「炭素環」または「炭素環式」は、別段に明記しない限り、接頭辞に示される数の炭素原子を有する、または特定されていない場合には環当たり3~10、また3~8、さらに3~6個の環員を有し(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニルなど)、1個または2個の環炭素原子が任意にカルボニルで置き換えられ得る、飽和または不飽和の、非芳香族単環式、または二環式もしくは三環式炭素環系などの縮合環、またはキュバンを指す。シクロアルキルは、示された数の環原子を有する炭化水素環を指す(例えば、C3~8シクロアルキルは、3~8個の環炭素原子を意味する)。一実施形態において、シクロアルキルは飽和している。
【0046】
「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和点を有するシクロアルキルを指す。
【0047】
「シクロアルキルアルキル」は、-(アルキレン)-シクロアルキル基を指し、本明細書で定義されているアルキレンは、示される数の炭素原子を有するか、または特定されていない場合、6個以下、もしくは4個以下の主鎖炭素原子を有し、シクロアルキルは、本明細書で定義されている通り、示される数の炭素原子を有するか、または特定されていない場合、環当たり、3~10個、また3~8個、また3~6個の環員を有する。C3~8シクロアルキル-C1~2アルキルは、3~8個の環炭素原子および1~2個のアルキレン鎖炭素原子を有することを意味する。例示的なシクロアルキルアルキルとしては、例えば、シクロプロピルメチレン、シクロブチルエチレン、シクロブチルメチレンなどが挙げられる。
【0048】
「アルキルシクロアルキル」という用語は、アルキル基で置換されているシクロアルキル基を指し、アルキルおよびシクロアルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0049】
「シアノ」という用語は、基-CNを指す。「シアノアルキル」という用語は、少なくとも1個のシアノ基、例えば1、2、または3個のシアノ基で置換されている、本明細書で定義されているアルキルを指す。例えば、「C1~4シアノアルキル」は、少なくとも1個のシアノ基、例えば1、2、または3個のシアノ基で置換されている、C~Cアルキル基を指す。
【0050】
単独で、または他の置換基の一部としての「アリール」は、別段に明記しない限り、単一環または複数環(最大3環まで)であり得、一緒に縮合しているか、または共有結合している、6~14個の環炭素原子を含有する単環式、二環式、または多環式多価不飽和芳香族炭化水素ラジカルを指す。非置換アリール基の非限定的な例としては、フェニル、1-ナフチル、および2-ナフチルが挙げられる。「アリーレン」という用語は、二価のアリールを指し、アリールは本明細書で定義されている通りである。
【0051】
「アリールアルキル」または「アラルキル」は、-(アルキレン)-アリールを指し、アルキレン基は本明細書で定義されている通りであり、示される数の炭素原子を有するか、または6個以下の主鎖炭素原子、もしくは4個以下の主鎖炭素原子を有し、アリールは本明細書で定義されている通りである。アリールアルキルの例としては、ベンジル、フェネチル、1-メチルベンジルなどが挙げられる。
【0052】
「ハロアルキル」という用語は、1~7個のハロゲン原子で置換されているアルキルを指す。ハロアルキルは、モノハロアルキルまたはポリハロアルキルを含む。例えば、「C1~6ハロアルキル」という用語は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロポキシなどを含むことを意味する。「フルオロアルキル」という用語は、1~7個のフルオロで置換されているアルキルを指す。
【0053】
「ハロゲン」または「ハロ」は、全てのハロゲン、すなわち、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)、またはヨード(I)を指す。
【0054】
「ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、および硫黄(S)を含むことを意味する。
【0055】
単独で、または他の置換基の一部としての「ヘテロアリール」は、5個もしくは6個の環原子を含有する単環式芳香環ラジカル、または独立して、O、S、およびNからなる群から選択される1個以上、1~4個、1~3個、または1~2個のヘテロ原子を含有する8~10個の原子を有する、二環式芳香族ラジカルを指す。ヘテロアリールはまた、スルフィニル、スルホニル、および第三級環窒素のN-オキシドなどの酸化されたSまたはNを含むことを意図する。安定した化合物が生成されるように、炭素または窒素原子はヘテロアリール環構造の結合点である。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリジニル、ベンゾ[b]チエニル、キナゾリニル、プリニル、インドリル、キノリニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、イソキサゾリル、オキサチアジアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、ベンゾフリル、インドリル、トリアジニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンゾトリアジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジル、チエノピリミジル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアキソリル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、プテリジニルおよびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。「窒素含有ヘテロアリール」は、ヘテロ原子のいずれかがNであるヘテロアリールを指す。
【0056】
単独で、または別の置換基の一部としての「ヘテロアリーレン」は、二価ヘテロアリールを指し、ヘテロアリールは本明細書で定義されている通りである。
【0057】
「ヘテロアリールアルキル」は、-(アルキレン)-ヘテロアリールを指し、アルキレン基は本明細書で定義されている通りであり、示される数の炭素原子を有するか、または特定されていない場合、6個以下の主鎖炭素原子もしくは4個以下の主鎖炭素原子を有し、ヘテロアリールは本明細書で定義されている通りである。
【0058】
「ヘテロシクロアルキル」は、N、O、S(SOおよびSOを含む)、またはP(ホスフィンオキシドを含む)から選択される1~5個のヘテロ原子を含有する飽和または不飽和非芳香族シクロアルキル基を指し、窒素および硫黄原子は任意に酸化され、窒素原子は任意に四級化され、残りの環原子はCであり、1個または2個のC原子は任意にカルボニルで置き換えられていてもよい。ヘテロシクロアルキルは、オキソ基で置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキルは、1~5個の環原子が-N=、-から選択されるヘテロ原子である、3~12個、または4~10個の環原子、または5~8個の環原子の単環式、縮合二環式、または縮合多環式環系であり得、ここで1~5個の環原子は、-N=、-N-、-O-、-S-、-S(O)-、または-S(O)-から選択されるヘテロ原子であり、さらには、1個または2個の環原子が任意に-C(O)-基で置き換えられている。ヘテロシクロアルキルは、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール環と縮合した複素環式環アルキル環でもあり得る。ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、ベンゾフラニル、ピラゾリジニル、モルホリニルなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基は、環炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合することができる。
【0059】
「ヘテロシクロアルキルアルキル」または「ヘテロシクリルアルキル」は、-(アルキレン)-ヘテロシクロアルキルを指し、アルキレン基は本明細書で定義されている通りであり、示される数の炭素原子を有するか、または特定されていない場合、6個以下の主鎖炭素原子もしくは4個以下の主鎖炭素原子を有し、ヘテロシクロアルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0060】
「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は、基-OHを指す。「ヒドロキシアルキル」または「ヒドロキシアルキレン」という用語は、1~5個のヒドロキシ基で置換されている、各々本明細書に定義されているアルキル基またはアルキレン基を指す。
【0061】
「-SO-アルキル」という用語は、親部分構造への結合点が、硫黄原子上の結合によって表される部分構造を指し、アルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0062】
「-SO-シクロアルキル」という用語は、親部分構造への結合点が、硫黄原子上の結合によって表される部分構造を指し、シクロアルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0063】
「-SO-ハロアルキル」という用語は、親部分構造への結合点が、硫黄原子上の結合によって表される部分構造を指し、ハロアルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0064】
「-NHSO-アルキル」という用語は、親部分構造への結合点が、窒素原子上の結合によって表される部分構造を指し、アルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0065】
「-NHSO-シクロアルキル」という用語は、親部分構造への結合点が、窒素原子上の結合によって表される部分構造を指し、シクロアルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0066】
「-NHSO-ハロアルキル」という用語は、親部分構造への結合点が、窒素原子上の結合によって表される部分構造を指し、ハロアルキルは本明細書で定義されている通りである。
【0067】
「アルコキシカルボニル」という用語は、部分構造-C(O)-アルコキシを指し、アルコキシは本明細書で定義されている通りである。「C~Cアルコキシカルボニル」という用語は、部分構造-C(O)-C~Cアルコキシを指し、C~Cアルコキシは本明細書で定義されている通りである。
【0068】
「架橋環」または「架橋化合物」は、2個の橋頭原子を連結する1~4個の炭素原子の架橋を含有する2個以上の環を有する、炭素環式または複素環式化合物である。本開示において、本開示の「架橋炭素環式環または複素環式環」という語句は、「架橋炭素環式環または架橋複素環式環」という語句と同じ意味を有する。本開示の目的のために、橋頭原子は、いかなる特定の環上の2つの隣接原子にもなり得ない。本開示の目的のために、架橋環中の2つの橋頭原子は、いかなる特定の環上の同じ原子にもなり得ない。架橋複素環式環は、少なくとも1個のヘテロ原子を有する架橋化合物を指す。橋頭原子は、分子の骨格フレームワークの一部である。架橋環(または化合物)は、完全に炭素環式(全ての炭素骨格原子)であり得る。以下は、架橋原子と橋頭原子のそれぞれを示す、架橋環の例である。
【化2】
【0069】
本開示の目的のために、架橋環は、その架橋原子と橋頭原子のいずれにも結合していなく、これらの架橋環が本開示に記載される通りに置換され得る、1~2個のC~Cアルキル基を任意に有し得る環を含むことを意味する。架橋環の他の非限定的な例としては、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、アダマンチル、(1s、5s)-ビシクロ[3.3.1]ノナン、(1R、5S)-6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン、(1R、5S)-6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン、(1r、2R、4S、5r、6R、8S)-テトラシクロ[3.3.1.02,4.06,8]ノナン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、および1-フルオロビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられる。
【0070】
1つ以上の変数を持つ化学基の置換:
【0071】
本開示の目的のために、下記のR12(a)の実施形態のうちの1つに記載されているもの(任意の置換基Z、Z、およびZを有するなどの1個以上の変数で置換されている化学基は、以下の置換パターンを含むことを意味する:
【0072】
例として、R12(a)の実施形態のうちの1つにおいて、語句「任意に1~8個のZで置換され、任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されている飽和シクロアルキル」という語句は、飽和シクロアルキルに関して、以下の可能な置換パターン(1)~(8)を含むことを意味する:
(1)置換されていない飽和シクロアルキル、
(2)1~8個のZ(各Zが同一でも異なっていてもよい)で置換されている飽和シクロアルキル、
(3)1個のZで置換されている飽和シクロアルキル、
(4)1~2個のZ(各Zが同一でも異なっていてもよい)で置換されている飽和シクロアルキル、
(5)(i)1~8個のZ(各Zが同一でも異なっていてもよい)および(ii)1個のZで置換されている飽和シクロアルキル、
(6)(i)1~8個のZ(各Zが同一でも異なっていてもよい)および(ii)1~2個のZ(各Zが同一でも異なっていてもよい)で置換されている飽和シクロアルキル、
(7)(i)1個のZおよび(ii)1~2個のZ(各Zは同一でも異なっていてもよい)で置換されている飽和シクロアルキル、または
(8)(i)1~8個のZ(各Zは同一でも異なっていてもよい)、(ii)1個のZ、および(iii)1~2個のZ(各Zは同一でも異なっていてもよい)で置換されている飽和シクロアルキル。
【0073】
本開示の目的のために、かつ例として、「任意に1~9個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されている飽和シクロアルキル」という語句は、語句「任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されている飽和シクロアルキル」という語句と同じことを意味することが意味される。
【0074】
用語「オキソ」は、C(=O)または(O)を指す。いくつかの実施形態では、炭素上の2つの可能な結合点がオキソ基を形成する。
【0075】
「スピロ環系」は、スピロ環系が1つの共通のスピロ炭素原子によって結合している、2個の環(炭素環式環、複素環式環、またはそれらの組み合わせ)を指す。
【0076】
縮合環系は、2個の環は、2個の縮合環の間で共有される2個の隣接する炭素原子によって一緒に縮合される、2個の環(炭素環式環、複素環式環、またはそれらの組み合わせ)を指す。
【0077】
本開示を通して使用される「任意の」または「任意に」は、後に説明される事象または状況が発生しても、しなくてもよく、説明が事象または状況が発生した場合と、発生しない場合とを含むことを意味する。例えば、語句「芳香族基は、任意に1個または2個のアルキル置換基で置換されている」という語句は、アルキルが存在しなくてもよいことを意味し、記載は、芳香族基がアルキル基で置換されている状況と、芳香族基アルキル基で置換されていない状況とを含む。
【0078】
本開示の化合物に関連して本明細書で使用される、「合成する」という用語および同様の用語は、1個以上の前駆体材料からの化学合成を意味する。
【0079】
本明細書中で使用される、「組成物」という用語は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物および少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤を含有する、治療目的で意図される動物対象への投与に適した製剤を指す。
【0080】
「薬学的に許容される」という用語は、示される材料が、治療される疾患または状態およびそれぞれの投与経路を考慮して、合理的に慎重な開業医に患者への材料の投与を回避させるような性質を持たないことを示す。例えば、そのような材料は、例えば注射剤のために、本質的に無菌であることが一般的に必要とされる。
【0081】
「薬学的に許容される塩」は、哺乳動物などの患者への投与に許容される塩(例えば、所与の投与計画に対して許容される哺乳動物の安全性を有する塩)を指す。考えられる薬学的に許容される塩の形態は、限定されないが、モノ、ビス、トリス、テトラキスなどを含む。薬学的に許容される塩は、それらが投与される量および濃度において非毒性である。そのような塩の調製は、化合物がその生理学的効果を発揮するのを妨げることなく化合物の物理的特徴を変えることによって、薬理学的使用を容易にすることができる。物理的特性における有用な変更は、経粘膜投与を容易にするために融点を下げることと、より高濃度の薬物を投与することを容易にするために溶解度を高めることとを含む。そのような塩は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて、薬学的に許容される無機または有機塩基から、かつ薬学的に許容される無機または有機酸から誘導することができる。
【0082】
薬学的に許容される塩は、標準的な技術によって調製することができる。例えば、遊離塩基形態の化合物は、適切な酸を含有する水性または水性アルコール溶液などの適切な溶媒中で溶解され、次いで溶液を蒸発させることにより単離することができる。別の例では、塩は、遊離塩基および酸を有機溶媒中で反応させることによって調製することができる。
【0083】
本開示の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、原液のまま、または適切な不活性溶媒中でのいずれかで、中性形態のそのような化合物を十分な量の所望の塩基(すなわち、一級、二級、三級、四級、または環状アミン、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物など)と接触させることによって得ることができる。所望の酸は、例えばピラノシジル酸(グルクロン酸またはガラクツロン酸など)、アルファ-ヒドロキシ酸(クエン酸または酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸またはケイ皮酸など)、スルホン酸(p-トルエンスルホン酸またはエタンスルホン酸など)などであり得る。いくつかの実施形態において、塩は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンホスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素、塩酸、イセチオン、乳酸、ラクトビオン、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、スルファミン酸、ヨウ化水素酸、炭酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、桂皮酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、エンボン酸(pamoic)、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、キナ酸、アルギン酸、ヒドロキシ酪酸、ガラクト糖酸、およびガラクツロン酸などの、薬学的に許容される酸から誘導され得る。
【0084】
アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge,S.M.et al,“Pharmaceutical Salts,”J.Pharmaceutical Science,1977,66:1-19を参照されたい)。本開示のある特定の化合物は、化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換することを可能にする塩基性官能基および酸性官能基の両方を含有する。
【0085】
中性形態の化合物は、従来の方法で塩を塩基または酸と接触させ、親化合物を単離することにより再生することができる。親形態の化合物は、極性溶媒への溶解性などの特定の物理的性質において様々な塩形態とは異なるが、別様に、塩は、本開示の目的のための化合物の親形態と同等である。
【0086】
異なる化合物の薬学的に許容される塩は、複合体として存在してもよい。複合体の例としては、8-クロロテオフィリン複合体(例えば、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン8-クロロテオフィリン(1:1)複合体、ドラマミンに類似)および様々なシクロデキストリン包接複合体が挙げられる。
【0087】
本明細書で単独でまたは基の一部として使用される「重水素化」という用語は、置換されている重水素原子を意味する。本明細書で単独でまたは基の一部として使用される「重水素化類似体」という用語は、水素の代わりに置換されている重水素原子を意味する。本開示の重水素化類似体は、完全にまたは部分的に重水素置換された誘導体であり得る。いくつかの実施形態において、本開示の重水素置換された誘導体は、完全または部分的に重水素置換されたアルキル、アリールまたはヘテロアリール基を保持する。いくつかの実施形態において、重水素がそのような化合物上の任意の水素を置換することができる、式I(a)の化合物の重水素化類似体、およびその任意の下位実施形態が本明細書に提供される。場合によっては、重水素(D)が可能な置換基として明示的に列挙されているが、他の位置での重水素の可能性を排除することを意味しない。
【0088】
本開示はまた、本明細書に列挙されるものと同一であるが、1つ以上の原子が、通常自然界で見つかる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられるという事実に関して、本開示の同位体標識された化合物を包含する。本開示の化合物の全ての同位体変形は、放射性であろうとなかろうと、本開示の範囲内に包含されることが意図される。本開示の化合物に組込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が挙げられるが、H(重水素、D)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、および125Iには限定されない。別段に明記されない限り、位置が特に「H」または「水素」と指定される場合、位置は、重水素(D)または三重水素(H)などの、その天然存在度同位体組成またはその同位体に水素を有すると理解される。本開示の特定の同位体標識された化合物(例えば、Hおよび14Cで標識されたもの)は、化合物および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。三重水素化(すなわち、H)および炭素-14(すなわち14C)およびフッ素-18(18F)同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性のために有用である。さらには、重水素(すなわち、H)などのより重い同位体による置換は、より高い代謝安定性(例えば、インビボ半減期の増加または必要用量の減少)に起因する特定の治療上の利点をもたらし得、したがっていくつかの状況で好まれ得る。本開示の同位体標識された化合物は一般に、同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いることにより、本明細書の以下の計画および実施例に記載されるものと類似の手順に従って調製され得る。
【0089】
「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグが対象に投与された場合、インビボで式I(a)による活性な親薬物を放出する任意の化合物を意味する。式I(a)の化合物のプロドラッグは、式I(a)の化合物中に存在する官能基を、日常的な操作またはインビボのいずれかで修飾することによって調製され、修飾は、インビボで切断され、親化合物を放出する。プロドラッグは、単一工程でプロドラッグ形態から活性形態へと進行し得るか、あるいはそれ自体が活性を有し得るかまたは不活性であり得る1つ以上の中間形態を有し得る。いくつかのプロドラッグは酵素的に活性化され、活性化合物、またはさらなる化学反応により活性化合物を生じる化合物を生じる。プロドラッグは、式I(a)の化合物中のヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、またはスルフヒドリル基が、インビボで切断して、それぞれ遊離のヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基を再生することができる任意の基に結合している、式I(a)の化合物を含む。プロドラッグの例としては、式I(a)の化合物中のヒドロキシ官能基のエステル(例えば、アセテート、ホルメート、およびベンゾエート誘導体)、アミド、グアニジン、カルバメート(例えば、N、N-ジメチルアミノカルボニル)などが挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグの他の例としては、これらに限定されないが、活性化合物のカルボネート、ウレイド、溶媒和物、または水和物が含まれる。プロドラッグの調製、選択、および使用は、T.Higuchi and V.Stella,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,”Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、“Design of Prodrugs,”ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985、およびin Bioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)で考察される。
【0090】
The Practice of Medicinal Chemistry,Ch.31-32(Ed.Wermuth,Academic Press,San Diego,CA,2001)に記載される通り、プロドラッグは、概念的に2つの非排他的カテゴリー、バイオ前駆体プロドラッグ、および担体プロドラッグに分類することができる。一般に、バイオ前駆体プロドラッグは、対応する活性薬物化合物と比較して、不活性であるか、または低い活性を有する化合物であり、1つ以上の保護基を含有し、代謝または加溶媒分解によって活性形態に変換される。活性薬物形態および任意の放出された代謝産物の両方は、許容できるほど低い毒性を有するはずである。典型的には、活性薬物化合物の形成は、以下の種類のうちの1つである代謝過程または反応を含む:
【0091】
酸化反応:酸化反応は、アルコール、カルボニル、および酸官能基の酸化、脂肪族炭素の水酸化、脂環式炭素原子の水酸化、芳香族炭素原子の酸化、炭素-炭素二重結合の酸化、窒素含有官能基の酸化、ケイ素、リン、ヒ素、および硫黄の酸化、酸化的N-脱アルキル化、酸化的O-およびS-脱アルキル化、酸化的脱アミノ化、ならびに他の酸化的反応などの反応に限定されずに例証される。
【0092】
還元反応:還元反応は、カルボニル官能基の還元、アルコール官能基および炭素-炭素二重結合の還元、窒素含有官能基の還元、および他の還元反応などの反応に限定されずに例証される。
【0093】
酸化状態を変化させない反応:酸化状態を変化させない反応は、エステルおよびエーテルの加水分解、炭素-窒素単結合の加水分解切断、非芳香族複素環の加水分解開裂、多重結合での水和および脱水、脱水反応、加水分解的脱ハロゲン化、ハロゲン化水素分子の除去、および他のそのような反応から生じる新しい原子結合などの反応に限定されずに例証される。
【0094】
担体プロドラッグは、例えば、作用部位への取り込みおよび/または局所送達を改善する、輸送部分構造を含有する薬物化合物である。そのような担体プロドラッグにとって望ましくは、薬物部分構造と輸送部分構造との間の結合は共有結合であり、プロドラッグは、不活性であるか、または薬物化合物よりも活性が低く、プロドラッグおよび任意の放出輸送部分構造は、許容できるほど無毒である。輸送部分構造が取り込みを促進することを意図しているプロドラッグについては、典型的には輸送部分構造の放出は迅速であるべきである。他の場合では、徐放を提供する部分構造、例えば特定のポリマーまたはシクロデキストリンなどの他の部分構造を利用することが望ましい。(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Chengら、米国特許出願公開第2004/0077595号を参照されたい)そのような担体プロドラッグは、経口投与される薬物にとってしばしば有利である。担体プロドラッグは、例えば、以下の特性、親油性の増加、薬理学的効果の持続期間の増加、部位特異性の増加、毒性および有害反応の減少、および/または薬物製剤の改善(安定性、水溶性、望ましくない官能的または物理化学的特性の抑制)のうちの1つ以上を改善するために使用することができる。例えば、親油性は、ヒドロキシル基を親油性カルボン酸で、またはカルボン酸基をアルコール、例えば脂肪族アルコールでエステル化することによって増大させることができる。Wermuth。
【0095】
代謝産物、例えば、活性代謝産物は、上記に記載されるプロドラッグ、例えばバイオ前駆体プロドラッグと重複する。したがって、そのような代謝産物は、薬理学的に活性な化合物、または対象の身体における代謝過程から生じる誘導体である薬理学的に活性な化合物にさらに代謝する化合物である。これらのうち、活性代謝産物は、そのような薬理学的に活性な誘導体化合物である。プロドラッグについては、プロドラッグ化合物は、一般に不活性であるか、または代謝産物より活性が低い。活性代謝産物については、親化合物は、活性化合物であっても、または不活性プロドラッグであってもよい。
【0096】
プロドラッグおよび活性代謝産物は、当該技術分野において既知の日常的な技術を用いて同定することができる。例えば、Bertolini et al.,1997,J.”Med.”Chem.,40:2011-2016;Shan et al.,1997,J Pharm Sci 86(7):756-757;Bagshawe,1995,Drug Dev.Res.,34:220-230;Wermuthを参照されたい。
【0097】
「互変異性体」は、分子の1個の原子のプロトンが別の原子に移行する現象によって生成される化合物を意味する。Jerry March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structures,Fourth Edition,John Wiley&Sons,pages 69-74(1992)を参照されたい。互変異性体はまた、平衡状態で存在し、1つの異性体形態から別の異性体形態へ容易に変換される2つ以上の構造異性体の1つをいう。例としては、アセトン/プロペン-2-オールなどのケト-エノール互変異性体、イミン-エナミン互変異性体など、グルコース/2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシ-ヘキサナールなどの環鎖互変異性体、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、およびテトラゾールなどの-N=C(H)-NH-環原子配置を含有するヘテロアリール基の互変異性形態が挙げられる。化合物が、例えば、ケトもしくはオキシム基、または芳香族部分構造を含有する場合、互変異性異性(「互変異性」)が起こり得る。本明細書で記載される化合物は、1つ以上の互変異性体を有し得、したがって様々な異性体を含む。当業者は、他の互変異性環原子配置が可能であることを認識するであろう。これらの化合物の全てのそのような異性体形態は、本開示に明白に含まれる。
【0098】
「異性体」は、同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順序、またはそれらの原子の空間配置が異なる化合物を意味する。それらの原子の空間配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。「立体異性体(Stereoisomer)」および「立体異性体(stereoisomers)」は、それらが1つ以上の非対称中心または非対称性置換を有する二重結合を保有し、したがって個々の立体異性体また混合物として生成され得る場合、異なる立体異性体形態で存在する化合物を指す。立体異性体としては、エナンチオマーおよびジアステレオマーが挙げられる。互いの鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と称され、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と称される。化合物が非対称中心を有する場合、例えば、4個の異なる基に結合されている場合、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その非対称中心の絶対配置を特徴とし得、CahnおよびPrelogのR-およびS-配列則によって、または分子が偏光面を回転させる方法によって説明され、右旋性または左旋性と呼ばれる(すなわち、各々(+)または(-)-異性体として)。キラル化合物は、個々のエナンチオマーとして、またはそれらの混合物として存在し得る。等割合のエナンチオマーを含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。別の例として、立体異性体は、二重結合の隣接炭素上の置換基のシスまたはトランス配向などの幾何異性体が含まれる。別段に示されない限り、本説明は個々の立体異性体ならびに混合物を含むことを意図する。立体化学の決定と立体異性体の分離のための方法は、当該技術分野で周知であり、(Chapter 4 of ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY,6th editionJ.March,John Wiley and Sons,New York,2007の考察を参照されたい)、1つ以上の立体中心のキラリティーにおいて異なる。
【0099】
「水和物」は、水分子と、溶質の分子またはイオンとの組み合わせによって形成された複合体を指す。「溶媒和物」とは、溶媒分子と、溶質の分子またはイオンとの組み合わせによって形成される複合体を指す。溶媒は、有機化合物、無機化合物、または両方の混合物であり得る。溶媒和物は、水和物を含むことを意味する。溶媒のいくつかの例としては、メタノール、N、N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、および水が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本開示の範囲内に包含される。本開示の特定の化合物は、多結晶形態または非晶質形態で存在し得る。
【0100】
「固体形態」は、治療目的のために意図された動物対象への投与に適した薬学的に活性な化合物の固体調製物(すなわち、気体でも液体でもない調製物)を指す。固体形態は、塩、共結晶、または非晶質複合体などの任意の複合体、ならびに化合物の任意の多型を含む。固体形態は、実質的に結晶質、半結晶質、または実質的に非晶質であり得る。固体形態は直接投与してもよく、または改善された医薬特性を有する適切な組成物の調製に使用してもよい。例えば、固体形態は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤を含む製剤において使用され得る。
【0101】
アミノ酸または核酸配列に関連して本明細書で使用される場合、「単離物」という用語は、配列が、通常関連するであろうアミノ酸および/または核酸配列の少なくとも一部から分離されていることを示す。
【0102】
アミノ酸または核酸配列に関連して、「精製された」という用語は、対象の分子が、例えば細胞培養物中などの従来の組成物中に観察された割合よりも、組成物中に生体分子の顕著に大きな割合を構成することを示す。より大きな割合は、従来の組成物に見られる割合に対して、2倍、5倍、10倍、または10倍超であり得る。
【0103】
モジュレーターであるかまたはモジュレーターであり得る化合物の使用、試験、またはスクリーニングの文脈において、「接触すること」という用語は、化合物が、化合物と他の特定の物質との間の潜在的な結合相互作用および/または化学反応が起こり得る特定の分子、複合体、細胞、組織、生物、または他の特定の物質に十分に接近する原因になっていることを意味する。
【0104】
「アッセイする」は、実験条件の作成、および特定の実験条件への曝露の特定の結果に関するデータの収集を意味する。例えば、酵素は、検出可能な基質上で作用するそれらの能力に基づいてアッセイすることができる。化合物は、特定の標的分子または分子に結合するその能力に基づいてアッセイすることができる。
【0105】
本明細書中で使用される場合、「リガンド」および「モジュレーター」という用語は、標的生体分子の活性を変化させる(すなわち、増加または減少させる)化合物、例えば本明細書に記載のものなどの酵素を指すために、同等に使用される。一般に、リガンドまたはモジュレーターは小分子であり、「小分子は、1500ダルトン以下、1000ダルトン以下、800ダルトン以下、または600ダルトン以下の分子量を有する化合物を指す。したがって、「改善されたリガンド」は、基準化合物よりも優れている薬理学的および/または薬物動態学的特性を保有するものであり、「優れている」は特定の生物学的システムまたは治療用途に関して、当業者によって定義され得る。
【0106】
標的と潜在的結合化合物との間の相互作用に関連して「結合する」という用語は、潜在的結合化合物が、一般にタンパク質との会合(すなわち、非特異的結合)と比較して統計的に有意な程度に標的と会合することを示す。したがって、「結合化合物」という用語は、標的分子と統計的に有意な会合を有する化合物を指す。いくつかの実施形態において、結合化合物は、1mM以下、1μM以下、100nM以下、10nM以下、または1nM以下の解離定数(K)で特定の標的と相互作用する。標的に結合する化合物の文脈において、「より高い親和性」および「選択的」という用語は、化合物が、基準化合物よりも、または基準条件での同じ化合物よりも、すなわちより低い解離定数でより強く結合することを示す。いくつかの実施形態では、より大きい親和性は、少なくとも2、3、4、5、8、10、50、100、200、400、500、1000、または10,000倍高い親和性である。
【0107】
「調節する」、「調節」などの用語は、IDO1またはTDOなどの酵素の機能および/または発現を増加または減少させる化合物の能力を指し、そのような機能は転写調節活性および/または結合を含み得る。調節は、インビトロまたはインビボで起こり得る。本明細書に記載される調節は、阻害、拮抗作用、部分拮抗作用、活性化、直接的または間接的のいずれかでのIDO1もしくはTDOに関連する機能または特徴のアゴニズムもしくは部分アゴニズム、および/または直接的もしくは間接的のいずれかでのIDO1もしくはTDOの発現の上方調節もしくは下方調節を含む。他の実施形態では、調節は直接的である。阻害剤または拮抗剤は、例えば刺激に結合し、部分的にまたは全体的に刺激を遮断し、活性化を減少、予防、阻害、遅延し、遅延し、シグナル伝達を不活性化し、脱感作し、または下方制御する化合物である。活性化剤またはアゴニストは、例えば、活性化に結合し、それを刺激、増加、開放、活性化、促進、増強し、シグナル伝達を活性化、感作、または上方制御する化合物である。
【0108】
本明細書で使用される、「治療する」、「治療すること」、「療法(therapy)」、「療法(therapies)」という用語、および同様の用語は、物質、例えば、疾患または状態のうちの1つ以上の症状、すなわち、適応症を予防、軽減、または改善し、かつ/あるいは治療されている対象の生存を延長する有効量の、本明細書に記載される任意の1つ以上の化合物の投与を指す。
【0109】
本明細書で使用される、「予防する」、「予防すること」、「予防」という用語およびそれらの文法的な変形は、疾患、障害もしくは状態および/またはそれに付随する症状のうちの1つ以上の再発を部分的もしくは完全に遅らせるか、または妨げるか、あるいは対象が障害もしくは状態を得るか、またはそれを再び得ることを防ぐか、あるいは障害もしくは状態、またはその付随する症状のうちの1つ以上を得ることか、またはそれを必要とする対象のリスクを減らす方法を指す。
【0110】
本明細書中で使用される、用語「対象」、「動物対象」という用語、および同様の用語は、ヒトおよびヒト以外の脊椎動物、例えば、ヒト、他の霊長類、スポーツ動物、および牛、馬、卵子、豚などの商業目的の動物、またはげっ歯類、あるいは犬および猫などのペットなどのあらゆる哺乳動物を含むが、これらに限定されない生命体を指す。
【0111】
「単位剤形」は、疾患または病状を患っている対象を治療するための単回投与を意図した組成物を指す。各単位剤形は、典型的には本開示の活性成分のそれぞれに加えて、薬学的に許容される賦形剤を含む。単位剤形の例は、個々の錠剤、個々のカプセル、原薬粉末、液剤、軟膏、クリーム、点眼剤、坐剤、乳剤、または懸濁剤である。疾患または状態の治療は、単位剤形の周期的投与、例えば、1つの単位剤形を、1日に2回以上、各食事に1回、4時間に1回、もしくは他の間隔、または1日に1回のみ必要とし得る。「経口単位剤形」という表現は、経口的に摂取されるように設計された単位剤形を指す。
【0112】
「投与すること」という用語は、経口投与、座薬としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻腔内もしくは皮下投与、または徐放装置、例えばミニ浸透圧ポンプの対象への埋め込みを指す。投与は、非経口および経粘膜(例えば、口腔、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含む任意の経路による。非経口投与は、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内および頭蓋内を含む。他の送達様式としては、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、経皮パッチなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
本文脈において、「治療有効」または「有効量」という用語は、投与される際の化合物もしくは材料、または化合物もしくは材料の量が、治療されている疾患、障害または医学的状態の1つ以上の症状を予防、軽減、または改善するのに、かつ/あるいは治療されている対象の生存を延長するのに十分または有効であることを示す。治療有効量は、化合物、疾患、障害または状態、およびその重症度、ならびに治療される哺乳動物の年齢、体重などに応じて変わるであろう。一般に、対象における満足のいく結果は、対象体重の約0.1~約10g/kgの一日量で得られることが示される。いくつかの実施形態では、一日量は、体重の約0.10~10.0mg/kg、体重の約1.0~3.0mg/kg、体重の約3~10mg/kg、体重の約3~150mg、体重の約3~100mg/kg、体重の約10~100mg/kg、体重の約10~150mg/kg、または体重の約150~1000mg/kgの範囲である。投与量は、便利に、例えば1日4回までの分割用量で、または徐放性形態で投与することができる。
【0114】
「IDO1」という用語は、酵素、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1を指す。ヒトIDO1は、例えば、Tone et al.,Nucleic Acids Research,18(2):367(1990)で考察される。
【0115】
「TDO」という用語は、酵素、トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼを指す。ヒトTDOは、例えば、Comings et al.,Genomics 29(2),390-396(1995)で考察される。
【0116】
IDO1および/またはTDOの機能を阻害する化合物の能力は、生化学的アッセイ、例えば結合アッセイ、または細胞ベースのアッセイにおいて実証することができる。
【0117】
本明細書で使用される、「IDO1またはTDO媒介性の疾患または状態」という用語は、IDO1またはTDOの生物学的機能が、疾患または状態の発症および/または経過に影響を及ぼし、かつ/あるいは、IDO1またはTDOの調節が発症、経過、および/または症状を変化させる、疾患または状態を指す。これらの変異は、受容体の固有の活性を様々な程度まで減衰させ、かつIDO 1またはTDO活性の調節の影響に関するモデルである。IDO1またはTDO媒介性の疾患または状態は、IDO1またはTDO阻害が治療上の利益をもたらす疾患または状態を含み、例えば、本明細書に記載される化合物を含むIDO1またはTDO阻害剤での治療は、病気や状態を患っているか、またはリスクにある対象に治療上の利点を提供する。
【0118】
「IDO1媒介性の疾患または障害」という用語は、IDO1活性に関連するか、またはそれに関与する疾患、例えば、IDO1の過剰活性およびこれらの疾患に付随する状態を含む。「IDO1の過剰活性」という用語は、1)通常IDO1を発現しない細胞でのIDO1発現、2)望ましくない細胞増殖をもたらすIDO1発現の増加、または3)IDO1の構成的活性化をもたらす変異のいずれかを指す。IDO1媒介性の疾患または障害の例には、異常に多量のIDO1に起因する、IDO1の過剰刺激または異常に多量のIDO1活性から生じる障害が含まれる。本明細書に記載される通り、IDO1の過剰活性が、炎症性疾患および自己免疫疾患、細胞増殖性疾患、新生物性疾患、ならびに癌を含む多くの疾患の病態形成に関与していることが知られている。
【0119】
「TDO媒介性の疾患または障害」という用語は、TDO活性に関連するか、またはそれに関与する疾患、例えば、TDOの過剰活性、およびこれらの疾患に付随する状態を含む。「TDOの過剰活性」という用語は、1)通常TDOを発現しない細胞でのTDO発現、2)望ましくない細胞増殖をもたらすTDO発現の増加、または3)TDOの構成的活性化をもたらす変異のいずれかを指す。TDO媒介性の疾患または障害の例には、異常に多量のTDOに起因する、TDOの過剰刺激または異常に多量のTDO活性から生じる障害が含まれる。本明細書に記載される通り、TDOの過剰活性が、炎症性疾患および自己免疫疾患、細胞増殖性疾患、新生物性疾患、ならびに癌を含む多くの疾患の病態形成に関与していることが知られている。
【0120】
また、生体分子標的に結合する化合物の文脈において、「より高い特異性」という用語は、化合物が、関連する結合条件下で存在し得る別の生体分子または複数の生体分子よりも大きな程度で、特定の標的に結合し、かかる他の生体分子への結合が、特定の標的への結合とは異なる生物学的活性を生じることを示す。典型的には、特異性は、例えばIDO1またはTDOの場合、あるいは他の種類の酵素の場合でも、限られた一組の他の生体分子を基準としている。特定の実施形態では、より大きい特異性は、少なくとも2、3、4、5、8、10、50、100、200、400、500、または1000倍高い特異性である。
【0121】
結合化合物またはリガンドに関連して本明細書中で使用される、「IDO1に特異的」という用語および同様の意味の用語は、特定の化合物が、特定の試料中に存在し得る他の酵素に対するよりも、統計的に大きい程度までIDO1に結合することを意味する。また、結合以外の生物学的活性が示される場合、「IDO1に特異的」という用語は、特定の化合物が、他の酵素に対するよりも、IDO1の結合に関連して大きい生物学的効果、例えば酵素活性阻害を示す。特異性はまた、特定の試料中に存在し得る他の生体分子(IDO1酵素に限定されない)に関するものである。
【0122】
結合化合物またはリガンドに関連して本明細書中で使用される、「TDOに特異的」という用語および同様の意味の用語は、特定の化合物が、特定の試料中に存在し得る他の酵素に対するよりも、統計的に大きい程度までTDOに結合することを意味する。また、結合以外の生物学的活性が示される場合、「TDOに特異的」という用語は、特定の化合物が、他の酵素に対するよりも、TDOの結合に関連して大きい生物学的効果、例えば酵素活性阻害を示す。特異性はまた、特定の試料中に存在し得る他の生体分子(TDO酵素に限定されない)に関するものである。
【0123】
「第一選択癌療法」という用語は、癌細胞の数を減らすための初期レジメンとして対象に施される療法を指す。第一選択療法はまた、導入療法、一次療法、および一次治療とも呼ばれる。第一選択療法は、1つ以上の薬剤と組み合わせて投与することができる。特定の疾患に対する第一選択治療に対して現在受け入れられているアプローチの要約は、そのような疾患へのNCIガイドラインに見出すことができる。
【0124】
「第二選択癌療法」という用語は、第一選択療法に反応しない、すなわち、しばしば第一選択療法が施されるか、または寛解状態になった後に癌が再発する対象に施される癌治療を指す。特定の実施形態では、施され得る第二選択療法は、「第一選択癌療法」に記載される治療のいずれかであり得る最初の成功癌療法の反復を含む。特定の疾患のための第二選択治療への現在許容されるアプローチの要約は、そのような疾患へのNCIガイドラインに記載される。
【0125】
「難治性」という用語は、対象が癌療法または治療に対して応答しないか、別段に抵抗性であることを指す。癌療法は、第一選択、第二選択、またはその後に施される任意の治療であり得る。特定の実施形態では、難治性は、2回の誘発試行後に対象が完全な寛解を達成できない状態を指す。対象は、特定の治療に対する癌細胞の固有の耐性のために難治性であり得るか、あるいは対象は、特定の治療の経過の間に発生する獲得耐性のために難治性であり得る。
【0126】
加えて、本明細書で使用される略語は以下のそれぞれの意味を有する:
【表1】
【0127】
II.化合物
本開示の実施形態1は、式I(a)の化合物、
【化3】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、式中、
環Aが、
【化4】
(式中、GおよびGがそれぞれCである)、
【化5】
(式中、GおよびGがそれぞれCである)、
【化6】
(式中、GがNであり、GがCである)、または
【化7】
(式中、GがCであり、GがNである)であり、
、R、およびRがそれぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-OCH、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであるが、
但し、環Aが
【化8】
である場合、R、R、もしくはRの少なくとも1つがHではないことを条件とし、かつ
環Aが
【化9】
である場合、Rが(e)
【化10】
または(f)
【化11】
であることを条件とするか、あるいは
およびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、その炭素原子上で、ハロゲン、アルキル、およびハロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基でそれぞれ任意に置換された4~6員炭素環式環もしくは複素環式環を形成し、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、その炭素原子上で、ハロゲン、アルキル、およびハロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基でそれぞれ任意に置換された4~6員炭素環式環もしくは複素環式環を形成し、
が、以下の基(a)~(f)、
(a)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロアルケニル、
(b)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(c)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された架橋複素環式環、
(d)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された2個のヘテロシクロアルキル基を含有し、任意にその炭素原子上で1~8個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、-SO-アルキル、SO-ハロアルキル、もしくは1~6個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換されている、スピロ環系、
(e)
【化12】
または
(f)
【化13】
のうちの1つであり、
が、H、-CH、-CFH、-CFH、もしくは-CFであり、
8bが、H、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、もしくは-CFであり、
が、-(CY0~3-R12であるか、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたシクロアルキル、
(b)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のシクロアルキル基を含有し、任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されている、スピロ環系、
(d)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個のヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~9個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、もしくは1~6個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換されている、スピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されている、スピロ環系、のうちの1つを形成し、
10が、H、アルキル、またはハロアルキルであり、
11が、H、アルキル、ハロアルキル、シアノアルキル、CN、アルキニル、任意に1~4個のJで置換されたフェニル、任意に1~4個のJで置換されたヘテロアリール、任意に1~4個のJで置換されたヘテロシクロアルキル、-アルキレン-C(O)-OH、-アルキレン-C(O)-NH、-アルキレン-C(O)-N(H)-アルキル、-アルキレン-C(O)-N(アルキル)、アルコキシ、任意に1~4個のJで置換された-アルキレン-C(O)、-C(O)-O-アルキル、アルキレン-C(O)-O-アルキル、ヒドロキシアルキル、任意に1~4個のJで置換されたシクロアルキル、任意に1~4個のJで置換されたシクロアルキルアルキル、任意に1~4個のJで置換されたアルキレン-フェニル、任意に1~4個のJで置換された-アルキレン-SO-フェニル、-アルキレン-SO-アルキル、-アルキレン-NH-SO-C~Cアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、任意に1~4個のJで置換されたアルキルシクロアルキル、任意に1~4個のJで置換された-アルキレン-ヘテロアリール、または任意に1~4個のJで置換されたC(O)-フェニルであり、
12が、以下の基(a)~(g)、
(a)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和シクロアルキル、
(b)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された不飽和シクロアルキル、
(c)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル、
(e)任意に1~5個のZで置換された架橋環であって、炭素原子上で、任意に-N(H)(SO)-アルキルで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルで置換されている、架橋環、
(f)任意に1~2個のZで置換されたヘテロアリール、または
(g)任意に1~2個のG基で置換されたアルキル、のうちの1つであり、
各Gが独立して、-CF、C3~6シクロアルキル、CN、NH、N(H)アルキル、-N(H)C(O)-アルキル、または-N(C~Cアルキル)であり、
が、任意に1~4個のJで置換されたC~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cシアノアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~4個のJで置換されたC~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意で1~4個のJで置換されたC~Cアルキレン-フェニル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキルであり、
が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、任意にC~Cアルキルで置換された-C~Cアルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキル、-S(O)-C~Cアルキル、-NH、-N(H)-C~Cアルキル、または-N(C~Cアルキル)であるが、但し、Jが窒素に結合している場合、Jは、ハロゲン、OH、CN、NH、-N(H)-C~Cアルキル、または-N(C~Cアルキル)ではあり得ないことを条件とし、
各Yが、独立して、H、D、ハロゲン、アルキル、もしくはハロアルキルであるか、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~3個のハロゲンで置換されたシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、CN、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり、
各Zが、独立して、-OH、CN、ハロゲン、アルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換されたシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、-NH、-N(H)アルキル、-N(アルキル)、任意にハロまたはフェニルで置換されたアルコキシル、5~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリールであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、-OH、CN、ハロゲン、アルコキシル、-NH、-N(H)アルキル、または-N(アルキル)ではあり得ないことを条件とし、
各Zは、独立して、CN、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり、
が、アルコキシアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換されたフェニル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、任意に1~6個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキル、-C(O)NR1011
-SONR1011、-N(H)SO-アルキル、任意に1~6個のハロゲンで置換された-N(H)SO-シクロアルキル、または
-N(H)SO-ハロアルキルであり、
が、アルコキシアルキル、-SO-アルキル、-CO-アルキル、-C(O)J、-CO、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(フェニル)、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(C~Cシクロアルキル)、-SO-ハロアルキル、任意に1~6個のJで置換された-SO-シクロアルキル、任意に1~6個のJで置換された-SO-ヘテロシクロアルキル、任意に1~6個のJで置換された-SO-ヘテロアリール、任意に1~6個のJで置換された-SO-アリール、-C(O)NR1011、-SONR1011、任意に1~6個のJで置換された-N(H)SO-、任意に1~6個のJで置換された-N(H)SO-アリール、任意に1~6個のJで置換された-N(H)SO-シクロアルキル、任意に1~6個のJで置換された-N(H)SO-ヘテロシクロアルキル、任意に1~6個のJで置換された-N(H)SO-ヘテロアリール、任意に1~6個のJで置換された-N(H)SO-ハロアルキル、任意に1~6個のJで置換された-C(O)-N(H)SO-アルキル、任意に1~6個のJで置換された-C(O)-N(H)SO-アリール、任意に1~6個のJで置換された-C(O)-N(H)SO-シクロアルキル、任意に1~6個のJで置換された-C(O)-N(H)SO-ヘテロシロアルキル、任意に1~6個のJで置換された-C(O)N(H)SO-ヘテロアリール、-C(O)N(H)SOハロアルキル、または-C(NW)=N-Tであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、-N(H)SO-アルキル、-N(H)SO-アリール、-N(H)SO-シクロアルキル、-N(H)SO-ヘテロシクロアルキル、-N(H)SO-ヘテロアリール、または-N(H)SO-ハロアルキルではあり得ないことを条件とし、
各Wが、独立して、H、アルキル、またはハロアルキルであり、
Tが、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、またはCNであり、
各Zが、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、CN、OH、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるが、但し、1個のZのみがOHであり得ることを条件とする。
【0128】
実施形態1の下位実施形態
本開示の実施形態1(a)は、Rが基(a)である実施形態1に関する
((a)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロアルケニル)。
【0129】
本開示の実施形態1(b)は、Rが基(b)である実施形態1に関する
((b)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル)。
【0130】
本開示の実施形態1(c)は、Rが基(c)である実施形態1に関する
((c)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された架橋複素環式環)。
【0131】
本開示の実施形態1(d)は、Rが基(d)である実施形態1に関する
((d)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された2個のヘテロシクロアルキル基を含有し、任意にその炭素原子上で1~8個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、-SO-アルキル、SO-ハロアルキル、もしくは1~6個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換され得る、スピロ環系)。
【0132】
本開示の実施形態1(e)は、Rが基(e)である実施形態1に関する。
【化14】
【0133】
本開示の実施形態1(e)(a)は、実施形態1(e)に関し、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(a)を形成する
((a)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたシクロアルキル)。
【0134】
本開示の実施形態1(e)(b)は、実施形態1(e)に関し、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(b)を形成する
((b)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル)。
【0135】
本開示の実施形態1(e)(c)は、実施形態1(e)に関し、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(c)を形成する
((c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のシクロアルキル基を含有し、任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されている、スピロ環系)。
【0136】
本開示の実施形態1(e)(d)は、実施形態1(e)に関し、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d)を形成する
((d)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個のヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~9個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、もしくは1~6個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換され得る、スピロ環系)。
【0137】
本開示の実施形態1(e)(e)は、実施形態1(e)に関し、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(e)を形成する
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されている、スピロ環系)。
【0138】
本開示の実施形態1(e)(2)は、Rが、-(CY0~3-R12であり、RがH、-CH、-CFH、CFH、または-CFである、実施形態1(e)に関する。
【0139】
本開示の実施形態1(e)(2)(a)は、R12が基(a)である、実施形態1(e)(2)に関する
((a)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和シクロアルキル)。
【0140】
本開示の実施形態1(e)(2)(b)は、R12が基(b)である、実施形態1(e)(2)に関する
((b)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された不飽和シクロアルキル)。
【0141】
本開示の実施形態1(e)(2)(c)は、R12が基(c)である、実施形態1(e)(2)に関する
((c)任意に1~9個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル)。
【0142】
本開示の実施形態1(e)(2)(d)は、R12が基(d)である、実施形態1(e)(2)に関する
((d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル)。
【0143】
本開示の実施形態1(e)(2)(e)は、R12が基(e)である、実施形態1(e)(2)に関する
((e)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011
-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換された架橋環)。
【0144】
本開示の実施形態1(e)(2)(f)は、R12が基(f)である、実施形態1(e)(2)に関する
((f)任意に1~2個のZで置換されたヘテロアリール)。
【0145】
本開示の実施形態1(e)(2)(g)は、R12が基(g)である、実施形態1(e)(2)に関する
((g)任意に1~3個のG基で置換されたアルキル)。
【0146】
本開示の実施形態1(f)は、Rが基(f)である、実施形態1に関する。
【化15】
【0147】
本開示の実施例1(g)は、R12が、(c)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和シクロアルキルであり、次いで、RがHであり、Rが、-(CY1~3-R12である、実施形態1に関する。
【0148】
本開示の実施形態2は、式(Ic)の化合物、
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、式中、
が、H、F、Cl、Br、任意に1~3個のハロゲンで置換された-OCH、シクロプロピル、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
およびRが、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、任意に1~3個のハロゲンで置換されている-OCH、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換されているC~Cシクロアルキルであるが、但し、RまたはRのうちの少なくとも一方がHではないことを条件とするか、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、少なくとも1個の酸素原子または硫黄原子を含有する4~6員炭素環式環または複素環式環を形成し、それぞれの環がその炭素原子上で、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換されるか、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、少なくとも1個の酸素原子または硫黄原子を含有する4~6員炭素環式環または複素環式環を形成し、それぞれの環がその炭素原子上で、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換され、
が、以下の基(a)~(f)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロアルケニル、
(b)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(c)任意に1~4個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された架橋窒素含有複素環式環、または
(d)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された2個の窒素含有ヘテロシクロアルキル基を含有し、任意にその炭素原子上で1~7個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011
-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換されている、スピロ環系、
(e)
【化16】
または
(f)
【化17】
のうちの1つであり、
が、HまたはCHであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたシクロアルキル、
(b)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のシクロアルキル基を含有し、任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されている、スピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~8個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換されている、スピロ環系、
(d2)1個のシクロアルキル、および
-O-、-S-、-S(O)-、または-S(O)-を含有する1個のヘテロシクロアルキルを含有し、1つの共通のスピロ炭素原子により結合され、かつ任意にその炭素原子上で1~8個のZで置換されている、スピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~4個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されている、スピロ環系、のうちの1つを形成し、
10が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
11が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシアノアルキル、CN、C~Cアルキニル、C~Cアルキレン-C(O)-OH、-アルキレン-C(O)-NH、-アルキレン-C(O)-N(H)-C~Cアルキル、C~Cアルキレン-C(O)-N(C~Cアルキル)、アルコキシ、C~Cアルキレン-C(O)-O-C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~4個のJで置換されたC~Cアルキレン-フェニル、任意に1~4個のJで置換されたC~Cアルキレン-S(O)-フェニル、C~Cアルキレン-SO-C~Cアルキル、-C~CアルキレンNH-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cヘテロシクロアルキル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、または任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-C(O)-フェニルであり、
12が、以下の基(a)~(g)、
(a)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換された飽和シクロアルキル、
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロアルケニル、
(c)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(d)独立して、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NH、-N(H)C~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、任意にフェニルで置換されたC~Cアルコキシル、5~6員ヘテロシクロアルキル、および5~6員ヘテロアリールからなる群から選択される1~2個の置換基で任意に置換されたフェニル、
(e)任意に1~4個のZで置換された架橋環であって、任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換されている、架橋環、または
(g)任意に1~2個のG基で置換されたアルキル、のうちの1つであり、
各Gが、独立して、-CF、シクロプロピル、CN、NH、-N(H)アルキル、-N(H)C(O)-アルキル、または-N(C~Cアルキル)であり、
が、任意に1~4個のJで置換されたC~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cシアノアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~4個のJで置換されたC~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意で1~4個のJで置換されたC~Cアルキレン-フェニル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキルであり、
が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、-S(O)-C~Cアルキル、-NH、-N(H)-C~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)であるが、但し、Jが窒素に結合している場合、Jは、ハロゲン、OH、CN、NH、-N(H)-C~Cアルキル、または-N(C~Cアルキル)ではあり得ないことを条件とし、
各Yが、独立して、H、F、Cl、C~CアルキルもしくはC~Cハロアルキルであるか、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、アルキル、またはハロアルキルであり、
各Zが、独立して、-OH、CN、F、Cl、アルキル、アルコキシ、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキル、シクロプロピル、ヒドロキシアルキル、またはハロアルキル、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、-OH、CN、F、Cl、またはアルコキシではあり得ないことを条件とし、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、アルキル、またはハロアルキルであり、
が、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、任意に1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキル、-N(H)SO-アルキル、任意に1~5個のハロゲンで置換された-N(H)SO-シクロアルキル、または-N(H)SO-ハロアルキルであり、
が、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、-SO-アルキル、SO-ハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(フェニル)、任意に1~3個のJで置換された-C~C3アルキレン-CH(C~Cシクロアルキル)、-C(O)NR1011、-CO-アルキル、-C(O)J、CO、-SONR1011、任意に1~5個のJで置換された-SO-シクロアルキル、任意に1~5個のJで置換された-SO-ヘテロシクロアルキル、任意に1~5個のJで置換された-SO-ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-SO-フェニル、任意に1~5個のJで置換された-C(O)N(H)SO-シクロアルキル、任意に1~5個のJで置換された-C(O)N(H)SO-ヘテロシクロアルキル、任意に1~5個のJで置換された-C(O)N(H)SO-ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-フェニル、-N(H)SO-アルキル、任意に1~5個のJで置換された-N(H)SO-シクロアルキル、任意に1~5個のJで置換された-N(H)SO-ヘテロシクロアルキル、任意に1~5個のJで置換された-N(H)SO-ヘテロアリール、-N(H)SO-ハロアルキル、または-C(NW)=N-T、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、-N(H)SO-アルキル、-N(H)SO-シクロアルキル、-N(H)SO-ヘテロシクロアルキル、-N(H)SO-ヘテロアリール、またはN(H)SO-C~Cハロアルキルではあり得ないことを条件とし、
各Wが、独立して、H、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルであり、
Tが、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~CアルコキシまたはCNであり、
各Zが、独立して、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、CN、OH、C~Cシクロアルキル、フェニルまたは5~6員ヘテロアリールであるが、但し、1個のZのみがOHであり得ることを条件とする。
【0149】
実施形態2の下位実施形態
本開示の実施形態2(a)は、Rが基(a)である、実施形態2に関する
((a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロアルケニル)。
【0150】
本開示の実施形態2(b)は、Rが基(b)である、実施形態2に関する
((b)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル)。
【0151】
本開示の実施形態2(c)は、Rが基(c)である、実施形態2に関する
((c)任意に1~4個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された架橋窒素含有複素環式環)。
【0152】
本開示の実施形態2(d)は、Rが基(d)である、実施形態2に関する
((d)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された2個の窒素含有ヘテロシクロアルキル基を含有し、任意にその炭素原子上で1~7個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011
-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンでN置換されたスピロ環系)。
【0153】
本開示の実施形態2(e)(a)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(a)を形成する、実施形態2(e)に関する
((a)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたシクロアルキル)。
【0154】
本開示の実施形態2(e)(b)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(b)を形成する、実施形態2(e)に関する
((b)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル)。
【0155】
本開示の実施形態2(e)(c)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(c)を形成する、実施形態2(e)に関する
((c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のシクロアルキル基を含有し、任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されている、スピロ環系)。
【0156】
本開示の実施形態2(e)(d1)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d1)を形成する、実施形態2(e)に関する
((d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~8個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換され得る、スピロ環系)。
【0157】
本開示の実施形態2(e)(d2)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d2)を形成する、実施形態2(e)に関する
((d2)1個のシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-を含有する1個のヘテロシクロアルキルを含有し、1つの共通のスピロ炭素原子により結合され、かつ任意にその炭素原子上で1~8個のZで置換されている、スピロ環系)。
【0158】
本開示の実施形態2(e)(e)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(e)を形成する、実施形態2(e)に関する
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~4個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されている、スピロ環系)。
【0159】
本開示の実施形態2(e)(2)は、
が、HまたはCHであり、
が、-(CY0~2-R12である、実施形態2(e)に関する。
【0160】
本開示の実施形態2(e)(2)(a)は、R12が基(a)である、実施形態2(e)(2)に関する
((a)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和シクロアルキル)。
【0161】
本開示の実施形態2(e)(2)(b)は、R12が基(b)である、実施形態2(e)に関する
((b)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロアルケニル)。
【0162】
本開示の実施形態2(e)(2)(c)は、R12が基(c)である、実施形態2(e)に関する
((c)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル)。
【0163】
本開示の実施形態2(e)(2)(d)は、R12が基(d)である、実施形態2(e)に関する
((d)独立して、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NH、-N(H)C~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、任意にフェニルで置換されたC~Cアルコキシル、5~6員ヘテロシクロアルキル、および5~6員ヘテロアリールからなる群から選択される1~2個の置換基で任意に置換されたフェニル)。
【0164】
本開示の実施形態2(e)(2)(e)は、R12が基(e)である、実施形態2(e)に関する
((e)任意に1~4個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換された、架橋環)
【0165】
本開示の実施形態2(e)(2)(g)は、R12が基(g)である、実施形態2(e)に関する
((g)任意に1~3個のG基で置換されたアルキル)。
【0166】
本開示の実施形態2(f)は、Rが基(f)である、実施形態2に関する。
【化18】
【0167】
本開示の実施例2(g)は、R12が、(c)任意に1~8個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキルであり、次いで、RがHであり、Rが、-(CY1~3-R12である、実施形態1に関する。
【0168】
本開示の実施形態3は、実施形態1および2のいずれか1つの化合物に関し、
が、以下の基(a)、(b)、(c)、または(e)、
(a)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(b)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された5~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された5~9員窒素含有架橋複素環式環、または
(e)
【化19】
のうちの1つであり、
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されている、スピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~7個のZで置換され、かつ任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~4個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換されている、スピロ環系、
(d2)1個のシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-を含有する1個のヘテロシクロアルキルを含有し、1つの共通のスピロ炭素原子により結合され、かつ任意にその炭素原子上で1~7個のZで置換されている、スピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~3個のZで置換されている、スピロ環系、のうちの1つを形成し、
10が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
11がHであり、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシアノアルキル、C~Cアルキニル、-C~Cアルキレン-C(O)-NH、-C~Cアルキレン-C(O)-N(H)-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C(O)-N(C~Cアルキル)、-C~Cアルキレン-C(O)-O-C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-SO-フェニル、-C~Cアルキレン-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-NH-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~4個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、または任意に1~4個のJで置換された-C(O)-フェニルであり、
12が、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル、
(d)独立して、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~2個の置換基で任意に置換されたフェニル、あるいは
(e)5~10員架橋炭素環式環または複素環式環がそれぞれ、任意に1~3個のZで置換され、架橋複素環式環が任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~4個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換されている、5~10員架橋炭素環式環または複素環式環、のうちの1つであり、
が、任意に1~4個のJで置換されたC~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cシアノアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレンフェニル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキルであり、
が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、-S(O)-C~Cアルキル、-NH、-N(H)-C~Cアルキル、または-N(C~Cアルキル)であるが、但し、Jが窒素に結合している場合、Jは、ハロゲン、OH、CN、NH、-N(H)-C~Cアルキル、または-N(C~Cアルキル)ではあり得ないことを条件とし、
各Yが、独立して、H、D、F、Cl、C~CアルキルもしくはC~Cハロアルキルであるか、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、-OH、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、アルコキシ、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキル、シクロプロピル、ヒドロキシアルキル、またはC~Cハロアルキルであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、-OH、CN、F、Cl、またはアルコキシではあり得ないことを条件とし、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキルであり、
が、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、-SO-C~Cアルキル、SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-(C~Cシクロアルキル)、任意に1~3個のJで置換された-SO-4~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロアリール、-C(O)N(H)SO-C~Cアルキル、-C(O)N(H)SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-4~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(フェニル)、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(C~Cシクロアルキル)、-C(O)NR1011、C(O)J、CO、-SONR1011、任意に1~3個のJで置換された- -SO-フェニル、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のJで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、-N(H)SO-C~Cハロアルキル、または-C(NH)=N-Tであるが、但し、Zが窒素に結合されている場合、Zは、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のJで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキルであり得ないことを条件とし、
Tが、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~CアルコキシまたはCNであり、
各Zが、独立して、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、CN、OH、C~Cシクロアルキル、フェニル、または5~6員ヘテロアリールであるが、但し、1つのZのみが、OHであり得ることを条件とする。
【0169】
実施形態3の下位実施形態
本開示の実施形態3(a)は、Rが基(a)である、実施形態3に関する
((a)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル)。
【0170】
本開示の実施形態3(b)は、Rが基(b)である、実施形態3に関する
((b)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された5~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル)。
【0171】
本開示の実施形態3(c)は、Rが基(c)である、実施形態3に関する
((c)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された5~9員窒素含有架橋複素環式環)。
【0172】
本開示の実施形態3(e)は、Rが基(e)である、実施形態3に関する。
【化20】
【0173】
本開示の実施形態3(e)(a)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(a)を形成する、実施形態3(e)に関する
((a)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル)。
【0174】
本開示の実施形態3(e)(a)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(b)を形成する、実施形態3(e)に関する
((b)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル)。
【0175】
本開示の実施形態3(e)(c)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(c)を形成する、実施形態3(e)に関する
((c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系)。
【0176】
本開示の実施形態3(e)(d1)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d1)を形成する、実施形態3(e)に関する
((d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~7個のZで置換され、かつ任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~4個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換されているスピロ環系)。
【0177】
本開示の実施形態3(e)(d2)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d2)を形成する、実施形態3(e)に関する。
((d2)1個のシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-を含有する1個のヘテロシクロアルキルを含有し、1つの共通のスピロ炭素原子により結合され、かつ任意にその炭素原子上で1~7個のZで置換されている、スピロ環系)。
【0178】
本開示の実施形態3(e)(e)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(e)を形成する、実施形態3(e)に関する
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~3個のZで置換されているスピロ環系)。
【0179】
本開示の実施形態3(e)(2)は、Rが、Hであり、
が、-(CY0~2-R12である、実施形態3(e)に関する。
【0180】
本開示の実施形態3(e)(2)(a)は、R12が基(a)である、実施形態3(e)(2)に関する
((a)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル)。
【0181】
本開示の実施形態3(e)(2)(b)は、R12が基(b)である、実施形態3(e)(2)に関する
((b)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル)。
【0182】
本開示の実施形態3(e)(2)(c)は、R12が基(c)である、実施形態3(e)(2)に関する
((c)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル)。
【0183】
本開示の実施形態3(e)(2)(d)は、R12が基(d)である、実施形態3(e)(2)に関する
((d)独立して、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~2個の置換基で任意に置換されたフェニル)。
【0184】
本開示の実施形態3(e)(2)(e)は、R12が基(e)である、実施形態3(e)(2)に関する
((e)5~10員架橋炭素環式環または複素環式環がそれぞれ、任意に1~3個のZで置換され、架橋複素環式環が任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~4個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換されている、5~10員架橋炭素環式環または複素環式環)。
【0185】
本開示の実施例3(f)は、R12が、(c)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員ヘテロシクロアルキルであり、次いで、Rが、-(CY1~3-R12である、実施形態1に関する。
【0186】
本開示の実施形態4は、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIj)、または(IIi)のうちの1つを有する実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物、
【化21】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、式中、
、R、およびRが、それぞれ、独立して、F、Cl、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、任意に1~3個のFで置換された-OCH、またはシクロプロピルであるか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1もしくは2個の酸素原子を含有し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5~6員複素環式環を形成し、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1もしくは2個の酸素原子を含有し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5~6員複素環式環を形成する。
【0187】
実施形態4の下位実施形態
本開示の実施形態4(b)は、RおよびRが、それぞれ、独立して、F、Cl、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のFで置換された-OCHである、式(IIa)を有する実施形態4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0188】
本開示の実施形態4(c)は、Rが、F、Cl、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のFで置換された-OCHである、式(IIb)を有する実施形態4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0189】
本開示の実施形態4(d)は、Rが、F、Cl、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のFで置換された-OCHである、式(IIc)を有する実施形態4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0190】
本開示の実施形態4(e)は、RおよびRが、それぞれ、独立して、F、Cl、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のFで置換された-OCHである、式(IId)を有する実施形態4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0191】
本開示の実施形態4(f)は、RおよびRが、それぞれ、独立して、F、Cl、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のFで置換された-OCHである、式(IIj)を有する実施形態4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0192】
本開示の実施形態4(g)は、R、R、およびRが、それぞれ、独立して、F、Cl、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のFで置換された-OCHである、式(IIi)を有する実施形態4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0193】
本開示の実施形態5は、実施形態4に記載の化合物に関し、
、R、およびRが、それぞれ、独立して、F、Cl、任意に1~3個のFで置換されたメチル、任意に1~3個のFで置換された-OCH、またはシクロプロピルであるか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1~2個の酸素原子を含有し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5員複素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1~2個の酸素原子を含有し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5員複素環式環を形成するか、
が、以下の基(a)、(b)、(c)、または(e)、
(a)任意に1~4個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロヘキセニル、
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)任意に1~2個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された8~9員窒素含有架橋複素環式環、または
(e)
【化22】
のうちの1つであり、
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~6個のZで置換され、かつ任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-SO-C~CハロアルキルでN置換されている、スピロ環系、
(d2)1個のC~Cシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-を含有する1個の4~6員ヘテロシクロアルキルを含有し、1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、任意にその炭素原子上で1~6個のZで置換されている、スピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された、1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員架橋環を含有し、任意に1~2個のZで置換されているスピロ環系、のうちの1つを形成し、
10が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
11が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシアノアルキル、C~Cアルキニル、-C~Cアルキレン-C(O)-NH、-C~Cアルキレン-C(O)-N(H)-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C(O)-N(C~Cアルキル)、-C~Cアルキレン-C(O)-O-C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-SO-フェニル、-C~Cアルキレン-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-NH-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、または任意に1~3個のJで置換された-C(O)-フェニルであり、
12が、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル、または
(e)6~9員架橋炭素環式環または窒素含有複素環式環がそれぞれ、任意に1~2個のZで置換され、6~9員架橋窒素含有複素環式環が、任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換されている、6~9員架橋炭素環式環または窒素含有複素環式環、のうちの1つであり、
が、任意に1~4個のJで置換されたC~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cシアノアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレンフェニル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキルであり、
10が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、-S(O)-C~Cアルキル、-NH、-N(H)-C~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)であるが、但し、Jが窒素に結合している場合、Jは、ハロゲン、OH、CN、NH、-N(H)-C~Cアルキル、または-N(C~Cアルキル)ではあり得ないことを条件とし、
各Yが、独立して、H、D、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、-OH、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキルであり、
が、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、-SO-C~Cアルキル、SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-SO-フェニル、-(CO)N(H)SO-C~Cアルキル、-C(O)N(H)SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-4~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(フェニル)、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(C~Cシクロアルキル)、-C(O)NR1011、-SONR1011、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-CO-アルキル、C(O)J、CO、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のJで置換された-N(H)SO~C-Cシクロアルキル、-N(H)SO-C~Cハロアルキル、またはC(NH)=N-Tであるが、但し、Zが窒素に結合されている場合、Zは、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のJで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキルであり得ないことを条件とし、
Tが、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシ、またはCNであり、
各Zが、独立して、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、CN、OH、C~Cシクロアルキル、フェニル、または5~6員ヘテロアリールであるが、但し、1つのZのみが、OHであり得ることを条件とする。
【0194】
実施形態5の下位実施形態
本開示の実施形態5(a)は、Rが基(a)である、実施形態5に関する
((a)任意に1~4個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロヘキセニル)。
【0195】
本開示の実施形態5(b)は、Rが基(b)である、実施形態5に関する
((b)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された6員窒素含有ヘテロシクロアルキル)。
【0196】
本開示の実施形態5(c)は、Rが基(c)である、実施形態5に関する
((c)任意に1~2個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された8~9員窒素含有架橋複素環式環)。
【0197】
本開示の実施形態5(e)は、Rが基(e)である、実施形態5に関する。
【化23】
【0198】
本開示の実施形態5(e)(a)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(a)を形成する、実施形態5(e)に関する
((a)任意に1~7個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル)。
【0199】
本開示の実施形態5(e)(b)は、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(b)を形成する、実施形態5(e)に関する
((b)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル)。
【0200】
本開示の実施形態5(e)(c)は、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(c)を形成する、実施形態5(e)に関する
((c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系)。
【0201】
本開示の実施形態5(e)(d1)は、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d1)を形成する、実施形態5(e)に関する
((d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~6個のZで置換され、かつ任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、または-SO-C~CハロアルキルでN置換されているスピロ環系)。
【0202】
本開示の実施形態5(e)(d2)は、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d2)を形成する、実施形態5(e)に関する
((d2)1個のC~Cシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-を含有する1個の4~6員ヘテロシクロアルキルを含有し、1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、任意にその炭素原子上で1~6個のZで置換されているスピロ環系)。
【0203】
本開示の実施形態5(e)(e)は、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(e)を形成する、実施形態5(e)に関する
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員架橋環を含有し、任意に1~2個のZで置換されているスピロ環系)。
【0204】
本開示の実施形態5(e)(2)は、
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12である、実施形態5(e)に関する
【0205】
本開示の実施形態5(e)(2)(a)は、R12が基(a)である、実施形態5(e)(2)に関する
((a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル)。
【0206】
本開示の実施形態5(e)(2)(b)は、R12が基(b)である、実施形態5(e)(2)に関する
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
【0207】
本開示の実施形態5(e)(2)(c)は、R12が基(c)である、実施形態5(e)(2)に関する
((c)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル)。
【0208】
本開示の実施形態5(e)(2)(d)は、R12が基(d)である、実施形態5(e)(2)に関する
((d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル)。
【0209】
本開示の実施形態5(e)(2)(e)は、R12が基(e)である、実施形態5(e)(2)に関する
((e)6~9員架橋炭素環式環または窒素含有複素環式環がそれぞれ、任意に1~2個のZで置換され、6~9員架橋窒素含有複素環式環が、任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換されている、6~9員架橋炭素環式環または窒素含有複素環式環)
【0210】
本開示の実施例5(f)は、R12が、(c)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルであり、次いで、Rが、-(CY1~3-R12である、実施形態1に関する。
【0211】
本開示の実施形態6は、実施形態4に関し、
およびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1~2個の酸素原子を含有し、それぞれその炭素原子上で、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-O-CH、-O-CFH、-OCFH、および-OCFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環または5~6員複素環式環を形成し、
が、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-O-CH、-O-CFH、-OCF、またはシクロプロピルであり、
が、以下の基(a)、(b)、(c)、または(e)、
(a)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロヘキセニル、
(b)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1~2個の窒素原子を含有し、任意に1個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された8員架橋複素環式環、または
(e)
【化24】
のうちの1つであり、
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換され、かつ任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-SO-C~CハロアルキルでN置換されているスピロ環系、または
(d2)1個のC~Cシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-含有する1個の4~6員ヘテロシクロアルキルを含有し、1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換されているスピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員架橋環を含有し、任意に1個のZで置換されているスピロ環系、のうちの1つを形成し、
12が、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル、
(e1)1個のZで任意に置換された、5~10員架橋炭素環式環、または
(e2)任意に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換された、6~9員架橋窒素含有複素環式環、のうちの1つを形成し、
各Yが、独立して、H、D、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~2個のFで置換されたC~Cシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、F、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、CN、OH、C~Cシクロアルキル、フェニル、または6員ヘテロアリールであるが、但し、1つのZのみが、OHであり得ることを条件とする。
【0212】
実施形態6の下位実施形態
本開示の実施形態6(a)は、Rが基(a)である、実施形態6に関する
((a)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロヘキセニル)。
【0213】
本開示の実施形態6(b)は、Rが基(b)である、実施形態6に関する
((b)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された6員窒素含有ヘテロシクロアルキル)。
【0214】
本開示の実施形態6(c)は、Rが基(c)である、実施形態6に関する
((c)1~2個の窒素原子を含有し、任意に1個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された8員架橋複素環式環)。
【0215】
本開示の実施形態6(e)は、Rが基(e)である、実施形態6に関する。
【化25】
【0216】
本開示の実施形態6(e)(1)(a)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(a)を形成する、実施形態6(e)に関する
((a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル)。
【0217】
本開示の実施形態6(e)(1)(b)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(b)を形成する、実施形態6(e)に関する
((b)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル)。
【0218】
本開示の実施形態6(e)(1)(c)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(c)を形成する、実施形態6(e)に関する
((c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系)。
【0219】
本開示の実施形態6(e)(1)(d1)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d1)を形成する、実施形態6(e)に関する
((d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換され、かつ任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、または-SO-C~CハロアルキルでN置換されているスピロ環系)。
【0220】
本開示の実施形態6(e)(1)(d2)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d2)を形成する、実施形態6(e)に関する
((d2)1個のC~Cシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-を含有する1個の4~6員ヘテロシクロアルキルを含有し、1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換されているスピロ環系)。
【0221】
本開示の実施形態6(e)(1)(e)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(e)を形成する、実施形態6(e)に関する
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員架橋環を含有し、任意に1個のZで置換されているスピロ環系)。
【0222】
本開示の実施形態6(e)(2)は、Rが、Hであり、Rが、-(CY0~2-R12である、実施形態6(e)に関する。
【0223】
本開示の実施形態6(e)(2)(a)は、R12が基(a)である、実施形態6(e)(2)に関する
((a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル)。
【0224】
本開示の実施形態6(e)(2)(a)は、R12が基(b)である、実施形態6(e)(2)に関する
((b)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル)。
【0225】
本開示の実施形態6(e)(2)(c)は、R12が基(c)である、実施形態6(e)(2)に関する
((c)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル)。
【0226】
本開示の実施形態6(e)(2)(d)は、R12が基(d)である、実施形態6(e)(2)に関する
((d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル)。
【0227】
本開示の実施形態6(e)(2)(e1)は、R12が基(e1)である、実施形態6(e)(2)に関する
((e1)1個のZで任意に置換された5~10員架橋炭素環式環)。
【0228】
本開示の実施形態6(e)(2)(e2)は、R12が基(e2)である、実施形態6(e)(2)に関する
((e2)任意に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、または任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換された、6~9員架橋窒素含有複素環式環)。
【0229】
本開示の実施例6(f)は、R12が、(c)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルであり、次いで、Rが、-(CY1~3-R12である、実施形態1に関する。
【0230】
本開示の実施形態7は、実施形態4に関し、
およびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって結合し、1~2個の酸素原子を含有し、それぞれその炭素原子上で、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-OCH、-OCFH、および-OCFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環または5~6員複素環式環を形成し、
が、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-OCH、-OCFH、-OCF、またはシクロプロピルであり、
が、以下の基(a)、(b)、(c)、または(e)、
(a)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロヘキセニル、
(b)任意に1~4個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1~2個の窒素原子を含有し、任意に1個のZでN置換された8員架橋複素環式環、または
(e)
【化26】
であり、
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換され、かつ、また任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-SO-C~CハロアルキルでN置換され得るスピロ環系、
(d2)1個のC~Cシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-含有する1個の4~6員ヘテロシクロアルキルを含有し、1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換されているスピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員架橋環を含有し、任意に1個のZで置換されているスピロ環系、のうちの1つを形成し、
12が、以下の基(a)~(e)、
(a1)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル、
(a2)クバン、
(b)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル、または
(e)1個のZで任意に置換された5~10員架橋炭素環式環、のうちの1つであり、
各Yが、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、シクロプロピルまたはシクロブチル基を形成し、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、-OH、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-C(O)NR1011、-CO-アルキル、COJ、CO、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のJで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキルであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のJで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキルではあり得ないことを条件とし、
各Zが、独立して、F、任意に1~3個のFで置換されたCH、CN、OH、C~Cシクロアルキル、フェニル、または6員ヘテロアリールであるが、但し、1つのZのみが、OHであり得ることを条件とする。
【0231】
実施形態7の下位実施形態
本開示の実施形態7(a)は、Rが基(a)である、実施形態7に関する
((a)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたシクロヘキセニル)。
【0232】
本開示の実施形態7(b)は、Rが基(b)である、実施形態7に関する
(b)任意に1~4個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
【0233】
本開示の実施形態7(c)は、Rが基(c)である、実施形態7に関する
((c)1~2個の窒素原子を含有し、任意に1個のZでN置換された8員架橋複素環式環)。
【0234】
本開示の実施形態7(e)は、Rが基(e)である、実施形態7に関する。
【化27】
【0235】
本開示の実施形態7(e)(a)は、またはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(a)を形成する、実施形態7(e)に関する
((a)任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZもしくは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル)。
【0236】
本開示の実施形態7(e)(b)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(b)を形成する、実施形態7(e)に関する
((b)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル)。
【0237】
本開示の実施形態7(e)(c)は、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(c)を形成する、実施形態7(e)に関する
((c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~6個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系)。
【0238】
本開示の実施形態7(e)(d1)は、またはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d1)を形成する、実施形態7(e)に関する
((d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換され、かつ任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、または-SO-C~CハロアルキルでN置換されているスピロ環系)。
【0239】
本開示の実施形態7(e)(d2)は、またはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(d2)を形成する、実施形態7(e)に関する
((d2)1個のC~Cシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-を含有する1個の4~6員ヘテロシクロアルキルを含有し、1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換されているスピロ環系)。
【0240】
本開示の実施形態7(e)(e)は、またはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、基(e)を形成する、実施形態7(e)に関する
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員架橋環を含有し、任意に1個のZで置換されているスピロ環系)。
【0241】
本開示の実施形態7(e)(2)は、Rが、Hであり、
が、-(CY0~2-R12である、実施形態7(e)に関する。
【0242】
本開示の実施形態7(e)(2)(a1)は、R12が基(a1)である、実施形態7(e)(2)に関する
((a1)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル)。
【0243】
本開示の実施形態7(e)(2)(a2)は、R12が基(a2)である、実施形態7(e)(2)に関する
((a2)クバン)。
【0244】
本開示の実施形態7(e)(2)(b)は、R12が基(b)である、実施形態7(e)(2)に関する
((b)任意に1~3個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル)。
【0245】
本開示の実施形態7(e)(2)(c)は、R12が基(c)である、実施形態7(e)(2)に関する
((c)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル)。
【0246】
本開示の実施形態7(e)(2)(d)は、R12が基(d)である、実施形態7(e)(2)に関する
((d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル)。
【0247】
本開示の実施形態7(e)(2)(e)は、R12が基(e)である、実施形態7(e)(2)に関する
((e)1個のZで任意に置換された5~10員架橋炭素環式環)。
【0248】
本開示の実施例7(f)は、R12が、(c)任意に1~5個のZで置換され、かつ任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルであり、次いで、Rが、-(CY1~3-R12である、実施形態1に関する。
【0249】
本開示の実施形態8は、以下の式のうちのいずれか1つを有する実施形態1~4、
【化28】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、式中、
、RおよびRが、それぞれ、独立して、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-OCH、-OCFH
-OCFH、または-OCFであり、
環Bが、1~2個の酸素原子を含有し、それぞれその炭素原子上で、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-OCH、-OCFH、-OCFH、および-OCFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環または5員複素環式環を形成する。
【0250】
実施形態8の下位実施形態
本開示の実施形態8(a)は、式(IIIa)を有する実施形態8に関する。
【0251】
本開示の実施形態8(a)(1)は、RがClであり、RがClである、実施形態8(a)に関する。
【0252】
本開示の実施形態8(a)(3)は、RがClであり、RがClである、実施形態8(a)に関する。
【0253】
本開示の実施形態8(a)(4)は、RがFであり、RがFである、実施形態8(a)に関する。
【0254】
本開示の実施形態8(a)(5)は、RがClであり、RがCHである、実施形態8(a)に関する。
【0255】
本開示の実施形態8(b)は、式(IIIb)を有する、実施形態8に関する。
【0256】
本開示の実施形態8(b)(1)は、RがClである、実施形態8(b)に関する。
【0257】
本開示の実施形態8(b)(2)は、RがFである、実施形態8(b)に関する。
【0258】
本開示の実施形態8(b)(3)は、RがCHである、実施形態8(b)に関する。
【0259】
本開示の実施形態8(c)は、式(IIIc)を有する、実施形態8に関する。
【0260】
本開示の実施形態8(d)は、式(IIId)を有する、実施形態8に関する。
【0261】
本開示の実施形態8(e)は、式(IIIe)を有する、実施形態8に関する。
【0262】
本開示の実施形態8(f)は、式(IIIf)を有する、実施形態8に関する。
【0263】
本開示の実施形態8(g)は、式(IIIo)を有する、実施形態8に関する。
【0264】
本開示の実施形態8(g)(1)は、環Bが、4員炭素環式環であり、その炭素原子上で、F、Cl、CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される1~4個の置換基で任意に置換されている、実施形態8(g)に関する。
【0265】
本開示の実施形態8(h)は、式(IIIq)を有する実施形態8に関する。
【0266】
本開示の実施形態8(h)(1)は、環Bが、4員炭素環式環であり、その炭素原子上で、F、Cl、CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される1~4個の置換基で任意に置換されている、実施形態8(h)に関する。
【0267】
本開示の実施形態8(i)は、式(IIIs)を有する、実施形態8に関する。
【0268】
本開示の実施形態8(i)(1)は、環Bが、4員炭素環式環であり、その炭素原子上で、F、Cl、CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される1~4個の置換基で任意に置換されている、実施形態8(i)に関する。
【0269】
本開示の実施形態8(j)は、式(IIIu)を有する、実施形態8に関する。
【0270】
本開示の実施形態8(j)(1)は、環Bが、4員炭素環式環であり、その炭素原子上で、F、Cl、CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される1~4個の置換基で任意に置換されている、実施形態8(j)に関する。
【0271】
本開示の実施形態9は、RがHであり、RがClであり、RがH、Cl、またはFである、実施形態1~8のいずれかに関する。
【0272】
本開示の実施形態10は、下記式のうちの1つを有する実施形態8、
【化29】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0273】
本開示の実施形態11は、以下の式のうちの1つを有する実施形態8、
【化30】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0274】
本開示の実施形態12は、以下の式のうちの1つを有する実施形態11、
【化31】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、各R28が、独立して、H、F、Cl、-CH、-CFH、-CFHまたは-CFであるが、但し、それぞれの式中の3個以下のR28基がH以外であることを条件とする。
【0275】
実施形態12の下位実施形態
本開示の実施形態12(A)(1)は、各R28が、独立して、H、F、Cl、または-CHである、式(IVa)を有する実施形態12に関する。
【0276】
本開示の実施例12(A)(2)は、各R28が、Hである、式(IVa)を有する実施形態12に関する。
【0277】
本開示の実施形態12(b)(1)は、各R28が、独立して、H、F、Cl、または-CHである、式(IVb)を有する実施形態12に関する。
【0278】
本開示の実施例12(b)(2)は、各R28が、Hである、式(IVb)を有する実施形態12に関する。
【0279】
本開示の実施形態12(c)(1)は、各R28が、独立して、H、F、Cl、または-CHである、式(IVc)を有する実施形態12に関する。
【0280】
本開示の実施形態12(c)(2)は、各R28がHである、式(IVc)を有する実施形態12に関する。
【0281】
本開示の実施形態12(d)は、各R28が、独立して、H、F、Cl、または-CHである、式(IVg)を有する実施形態12に関する。
【0282】
本開示の実施形態12(e)は、各R28がHである、式(IVg)を有する実施形態12に関する。
【0283】
本開示の実施形態12(f)は、各R28が、独立して、H、F、Cl、または-CHである、式(IVh)を有する実施形態12に関する。
【0284】
本開示の実施形態12(g)は、各R28がHである、式(IVh)を有する実施形態12に関する。
【0285】
本開示の実施形態12(h)は、各R28が、独立して、H、F、Cl、または-CHである、式(IVi)を有する実施形態12に関する。
【0286】
本開示の実施形態12(i)は、各R28が、Hである、式(IVi)を有する実施形態12に関する。
【0287】
本開示の実施形態12(j)は、各R28が、独立して、H、F、Cl、または-CHである、式(IVm)を有する実施形態12に関する。
【0288】
本開示の実施形態12(k)は、各R28が、Hである、式(IVm)を有する実施形態12に関する。
【0289】
本開示の実施形態12(l)は、各R28が、独立して、H、F、Cl、または-CHである、式(IVn)を有する実施形態12に関する。
【0290】
本開示の実施形態12(m)は、各R28が、Hである、式(IVn)を有する実施形態12に関する。
【0291】
本開示の実施形態13は、以下の式のうちの1つを有する実施形態1、
【化32】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、各R28が、独立して、H、F、Cl、-CH、-CFH、-CFHまたは-CFであるが、但し、それぞれの式中の3個以下のR28基がH以外であることを条件とする。
【0292】
本開示の実施形態14は、Zが、である、前述の実施形態および下位実施形態のいずれかに関し、Zが、
-C(O)-O-CH、-C(O)-O-CHCH、C(O)-O-C(CH、-C(O)-O-CHCF、-C(O)-O-(CHCH、-C(O)-O-CH(CH、-C(O)-O-C(CH、-C(O)-O-CHCH(CH
-C(O)-O-シクロプロピル、-C(O)-O-シクロブチル、-C(O)-O-シクロペンチル、-C(O)-O-シクロヘキシル、
-C(O)-N(H)-SO-CH、-C(O)-N(H)-SO-CHCF、-C(O)-N(H)-SO-CHCH、-C(O)-N(H)-SO-(CHCH、-C(O)-N(H)-SO-CH(CH、-C(O)-N(H)-SO-C(CH、-C(O)-N(H)-SO-CHCH(CH、-C(O)-N(H)-SO-シクロプロピル、-C(O)-N(H)-SO-シクロブチル、-C(O)-N(H)-SO-シクロペンチル、-C(O)-N(H)-SO-シクロヘキシル、-C(O)-N(H)-SO-フェニル、-C(O)-N(H)-SO-テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-N(H)-SO-テトラヒドロ-2H-チオピラン、-C(O)-N(H)-SO-ピペリジニル、-C(O)-N(H)-SO-ピペラジニル、-C(O)-N(H)-SO-ピリジル、-C(O)-N(H)-SOイソオキサゾリル、-C(O)-N(H)-SO-チオフェニル、-SO-CH、-SO-CHCH、-SO-CHCF、-SO-(CH-CH、-SO-CH(CH、-SO-CHCH(CH、-SO-シクロプロピル、-SO-シクロブチル、-SO-シクロペンチル、-SO-シクロヘキシル、-SO-フェニル、-SO-テトラヒドロ-2H-ピラン、-SO-テトラヒドロ-2H-チオピラン、-SO-ピリジル、-SO-イソオキサゾール、-SO-チオフェン、-C(O)-CH-OH、-C(O)(CH-OH、-C(O)CH-C(CH-OH、-CH(フェニル)、-CH(シクロアルキル)-SO-N(CH、-C(O)CH、-C(O)CHCH、-C(O)CHCF
-C(O)(CHCH、-C(O)CH(CH、-C(O)C(CH、-C(O)CHCH(CH、-C(O)-シクロプロピル、-C(O)シクロブチル、C(O)シクロペンチル、-C(O)シクロヘキシル、-C(O)フェニル、-C(O)テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-テトラヒドロ-2H-チオピラニル、-C(O)-ピペリジニル、-C(O)-ピペラジニル、-C(O)-ピリジル、-C(O)-イソキサゾリル、-C(O)-チオフェニル、-C(O)N(H))CH、-C(O)N(H)-CHCF、-C(O)-N(H)-CHCH、-C(O)N(H)-(CHCH、-C(O)-N(H)-CH(CH、-C(O)-N(H)-C(CH、-C(O)-N(H)-CHCH(CH、C(O)-N(H)-シクロプロピル、-C(O)-N(H)-シクロブチル、-C(O)-N(H)-シクロペンチル、-C(O)-N(H)-シクロヘキシル、-C(O)-N(H)-フェニル、-C(O)-N(H)-ヘテロシクロアルキル、C(O)-N(H)-テトラヒドロ-2H-ピラン、C(O)-N(H)-テトラヒドロ-2H-チオピラン、C(O)-N(H)-ピペリジニル、C(O)-N(H)-ピペラジニル、-C(O)-N(H)-ピリジル、-C(O)-N(H)-イソオキサゾール、または-C(O)-N(H)-チオフェンであり、Zのシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール部分構造が任意に、F、Cl、CNまたはCH、CF、OH、OCHおよびOCFからなる群から独立して選択される1~3個の置換基で置換され得る。
【0293】
本開示の実施形態15は、該当する場合、これらの実施形態の下位実施形態のいずれかを含む、実施形態1~14のいずれかに関し、R11が、-(CH-CF、CH-CF、CH、-CH(CH、-CH-CH、CH(CH、-C(CH、-CHCHCH、-CH(CH)-フェニル、-C(O)-N(H)プロピル、-C~Cシクロアルキル、任意に0~2個のJで置換されたフェニル、-(CH0~1シクロプロピル、-(CH0~1シクロブチル、-(CH0~1シクロペンチル、-(CH0~1シクロヘキシル、-(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-(CH0~1オキセタン、-(CH2)0~1モルホリニル、-(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、CH-CN、メトキシメチル、メトキシプロピル、メトキシエチル、モルホリニル、ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)イソオキサゾリル、任意に1~3個のFで置換されたフェニル、Cl、アルコキシ、CN、独立して、F、Cl、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-SO-フェニルである。
【0294】
本開示の実施形態16は、該当する場合、これらの実施形態の下位実施形態のいずれかを含む、実施形態1~15のいずれか1つに関し、Rが、
【化33】
【0295】
本開示の実施形態17は、該当する場合、これらの実施形態の下位実施形態のいずれかを含む、実施形態1~15のいずれかに関し、Rが、
【化34】
【0296】
本開示の実施形態18は、実施形態4および8の下位実施形態のいずれかを含む、実施形態1~5および8~13のいずれか1つに関し、Rが、以下の基のうちの1つであり、
【化35】
式中、
Eが、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-イル、1-フルオロビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル、(1r、2R、4S、5r、6R、8S)-テトラシクロ[3.3.1.02,4.06,8]ノナン-9-イル、(1s、5s)-ビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イル、クバン-1-イル、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-2-イル、アダマンタニル、(1R、5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、(1R、5S)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、または(1R、5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタンであり、
が、-CR13-であり、
は、-C(R14-または-C(R14-C(R14-であり、
は、-C(R14-または-C(R14-C(R14-であり、
が、-N(R15)-または-C(R16)(R17)-であり、
が、-N(R18)-または-C(R19)(R20)-であり、
が、-N(R21)-、-O-または-C(R22)(R23)-であり、
が、N-C(R25)(R26)-であり、
が、-C(H)-または
【化36】
であり、
が、CHまたはNであり、
10が、CH、CH(CH)、CHF、CHCl、またはNR21であり、
10が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
11が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシアノアルキル、C~Cアルキニル、-C~Cアルキレン-C(O)-NH、-C~Cアルキレン-C(O)-N(H)-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C(O)-N(C~Cアルキル)、-C~Cアルキレン-C(O)-O-C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~4個のJで置換された-C-Cアルキレン-C-Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-SO-フェニル、-C~Cアルキレン-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-NH-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、または任意に1~3個のJで置換された-C(O)-フェニルであり、
13が、H、F、CH、CFH、CFH、またはCFであり、
各R14が、独立して、H、ハロゲン、CH、-CFH、-CFH、または-CFであるが、但し、4個以下のR14が、H以外であることを条件とし、
15が、C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキルフェニル、-SO-C~Cアルキル、SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-SO-フェニル、-(CO)N(H)SO-C~Cアルキル、-C(O)N(H)SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-4~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(フェニル)、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(C~Cシクロアルキル)、-C(O)NR1011、C(O)J、CO、-SONR1011、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-CO-アルキル、またはC(NW)=N-Tであり、
16が、H、ハロゲン、CN、OH、シクロプロピル、シクロブチル、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルであり、
17が、H、ハロゲン、CN、OH、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、
SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-C(O)NR1011、-CO-アルキル、COJ、CO、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキレンであり、
あるいは、R16およびR17が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(c)、
(a)独立してCN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~6の基で任意に置換され、かつ任意に-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-N(H)SO-C~Cハロアルキルで置換された、C~Cシクロアルキル、
(b)独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4の基で、その炭素原子上で任意に置換され、かつ任意に-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくはSO-C~CハロアルキルでN置換された、4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、または
(c)-O-、-S-、-SO-、またはSOを含有し、独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換された、4~6員ヘテロシクロアルキル、のうちの1つを形成し、
各Yが、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、シクロプロピルまたはシクロブチル基を形成し、
18が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキル、C(O)NR1011、-CO-アルキル、COJ、またはCOであり、
19が、H、ハロゲン、CN、OH、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、または-C~Cハロアルキルであり、
20が、H、ハロゲン、CN、OH、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、SO-C~Cアルキル、SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-CO-アルキル、COJ、CO、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキルであるか、
あるいは、R19およびR20が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(d)、
(a)独立してCN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4の基で任意に置換され、かつ任意に-N(H)SO-C~Cアルキル、-N(H)SO-C~Cハロアルキル、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキルで置換された、C~Cシクロアルキル、
(b)独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換され、かつ任意に-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換され得る、4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)-O-、-S-、-SO-、またはSOを含有し、独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換された、4~6員ヘテロシクロアルキル、または
(d)7~10員架橋環、のうちの1つを形成し、
21が、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレンフェニル、-SO-C~Cアルキル、SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-SO-フェニル、-(CO)N(H)SO-C~Cアルキル、-C(O)N(H)SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-4~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(フェニル)、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(C~Cシクロアルキル)、-C(O)NR1011、C(O)J、CO、-SONR1011、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、または-CO-アルキルであり、
22が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
23が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、SO-C~Cアルキル、SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-CO-アルキル、COJ、CO、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または-N(H)SO-C~Cハロアルキルであり、
25が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
26が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)SO-C~Cアルキル、-N(H)SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
各R27が、独立して、H、D、F、Cl、CH、-CFH、-CFH、または-CFであるが、但し、4個以下のR27が、H以外であることを条件とし、
各Wが、独立して、H、アルキル、またはハロアルキルであり、
Tが、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、またはCNであり、
が、C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cシアノアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレンフェニル、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキルであり、
が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、-S(O)-C~Cアルキル、-NH、-N(H)-C~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)であるが、但し、Jが窒素に結合している場合、Jは、ハロゲン、OH、CN、NH、-N(H)-C~Cアルキル、または-N(C~Cアルキル)ではあり得ないことを条件とする。
【0297】
本開示の実施形態19は、実施形態18に関し、Rが以下の基のうちの1つであり、
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
式中、
各Yが、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、シクロプロピルまたはシクロブチル基を形成し、
が、N-C(R25)(R26)-であり、
10が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
11が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシアノアルキル、C~Cアルキニル、-C~Cアルキレン-C(O)-NH、-C~Cアルキレン-C(O)-N(H)-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C(O)-N(C~Cアルキル)、-C~Cアルキレン-C(O)-O-C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~2個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、任意に1~2個のJで置換された-C~Cアルキレン-SO-フェニル、-C~Cアルキレン-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-NH-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、任意に1~2個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~2個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cヘテロシクロアルキル、任意に1~2個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、または任意に1~2個のJで置換された-C(O)-フェニルであり、
18が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-C(O)NR1011、-CO-アルキル、COJ、CO、-SO-C~Cフルオロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキル、SO-C~Cアルキル、SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキルであり、
19が、H、F、CN、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、または-C~Cフルオロアルキルであり、
20が、H、F、CN、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO~Cシクロアルキル、-N(H)SO-C~Cフルオロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
あるいは、R19およびR20が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(d)、
(a)独立してCN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4の基で任意に置換され、かつ任意に-N(H)SO-C~Cアルキル、-N(H)SO-C~Cハロアルキル、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキルで置換された、C~Cシクロアルキル、
(b)独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換され、かつ、また任意に-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cフルオロアルキル、もしくは任意に1~3個のFで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換され得る、4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)-O-、-S-、-SO-、またはSOを含有し、独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換された、4~6員ヘテロシクロアルキル、または
(d)7~10員架橋環、のうちの1つを形成し、
21が、H、C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-SO-フェニル、-(CO)N(H)SO-C~Cアルキル、-C(O)N(H)SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-4~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(フェニル)、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(C~Cシクロアルキル)、-C(O)NR1011、C(O)J、CO、-SONR1011、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-CO-アルキル、またはC(NH)=N-Tであり、
25が、H、F、C~Cアルキル、またはC~Cフルオロアルキルであり、
26が、H、F、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、CN、-N(H)SO-C~Cアルキル、-N(H)SO~Cフルオロアルキル、任意に1~3個のFで置換された-N(H)SO~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
各R27が、独立して、H、D、F、CH、-CFH、-CFH、または-CFであるが、但し、2個以下のR27が、H以外であることを条件とし、
29が、H、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cフルオロアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-C(O)NR1011、-CO-アルキル、COJ、CO、または任意に1~3個のFで置換された-C~Cシクロアルキルであり、
30が、H、F、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキルであり、
Tが、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~CアルコキシまたはCNであり、
が、C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cシアノアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレンフェニル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキルであり、
が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換された-C~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、-S(O)-C~Cアルキル、-NH、-N(H)-C~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)であるが、但し、Jが窒素に結合している場合、Jは、ハロゲン、OH、CN、NH、-N(H)-C~Cアルキル、または-N(C~Cアルキル)ではあり得ないことを条件とする。
【0298】
本開示の実施形態20は、実施形態19に関し、Rが以下の基のうちの1つである。
【化41】
【0299】
本開示の実施形態21は、実施形態19に関し、Rが以下の基のうちの1つである。
【化42】
【化43】
【0300】
本開示の実施形態22は、実施形態4および8の下位実施形態のいずれかを含む、実施形態1~13に関し、Rが、以下の基のうちの1つであり、
【化44】
31が、H、任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキル、F、-SO-R35、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
32が、-SO-R35または-N(H)SO-R35であり、
33が、H、F、CN、シクロプロピル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキルであり、
34が、H、F、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキルであり、
35が、H、F、任意に1~3個のFで置換されたメチルであるか、または2つのR35基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、一緒にシクロプロピル基を形成する。
【0301】
本開示の実施形態23は、実施形態1~13のいずれか1つに関し、Rが以下の基のうちの1つであり、
【化45】
【化46】
【化47】
10が、HまたはC~Cアルキルであり、
11が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシアノアルキル、C~Cアルキニル、-C~Cアルキレン-C(O)-NH、-C~Cアルキレン-C(O)-N(H)-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C(O)-N(C~Cアルキル)、-C~Cアルキレン-C(O)-O-C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~2個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、任意に1個のJで置換された-C~Cアルキレン-SO-フェニル、-C~Cアルキレン-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-NH-SO-C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、任意に1個のJで置換された-C~Cシクロアルキル、任意に1個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cヘテロシクロアルキル、任意に1個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、または任意に1個のJで置換された-C(O)-フェニルであり、
15が、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニル、-SO-C~Cアルキル、SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-SO-フェニル、-C(O)N(H)SO-C~Cアルキル、-C(O)N(H)SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-4~6員ヘテロシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換された-C(O)N(H)SO-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(フェニル)、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-CH(C~Cシクロアルキル)、-C(O)NR1011、-SONR1011、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-CO-アルキル、COJ、CO、またはC(NH)=N-CNであり、
16が、H、F、C~Cアルキル、もしくはC~Cフルオロアルキルであり、
17が、H、F、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-N(H)SO-C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであるか、
あるいは、R16およびR17が、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(c)、
(a)独立してCN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~3の基で任意に置換され、かつ任意に-N(H)SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のFで置換された-N(H)SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-N(H)SO-C~Cハロアルキルで置換された、C~Cシクロアルキル、
(b)独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換され、かつ任意に-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-SO-C~CフルオロアルキルでN置換された、4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、または、
(c)-O-、-S-、-SO-、またはSOを含有し、独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換された、4~6員ヘテロシクロアルキル、のうちの1つを形成し、
が、C~Cアルキル、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシ、C~Cシアノアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレン-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレンフェニル、任意に1個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリール、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキルであり、
が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換された-C~Cアルコキシ、CN、5~6員ヘテロシクロアルキル、-S(O)-C~Cアルキル、-NH、-N(H)-C~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)であるが、但し、Jが窒素に結合している場合、Jは、ハロゲン、OH、CN、NH、-N(H)-C~Cアルキル、または-N(C~Cアルキル)ではあり得ないことを条件とする。
【0302】
本開示の実施形態24は、実施形態23に関し、Rが以下の基のうちの1つである。
【化48】
【化49】
【0303】
本開示の実施形態25は、実施形態24に関し、Rは以下の基のうちの1つである。
【化50】
【化51】
【0304】
本開示の実施形態26は、実施形態18、19、20、23、または25のいずれか1つに関し、R15またはR21は、以下の基、-S(O)-(CH-CF、-S(O)-CH-CF、-S(O)-CH、-S(O)-CH(CH、-S(O)-CH-CH、-S(O)-CH(CH、-S(O)-C(CH、-S(O)-CHCHCH、-S(O)-CH(CH)-フェニル、-S(O)-N(H)プロピル、-S(O)-C~Cシクロアルキル、-S(O)-(CH0~1シクロプロピル、-S(O)-(CH0~1シクロブチル、-S(O)-(CH0~1シクロペンチル、-S(O)-(CH0~1シクロヘキシル、-S(O)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-S(O)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-S(O)-(CH0~1オキセタン、-S(O)-(CH0~1モルホリニル、-S(O)-(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-S(O)-(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-S(O)-CH-CN、-S(O)2-メトキシメチル、-S(O)2-メトキシプロピル、-S(O)メトキシエチル、-S(O)-モルホリニル、-S(O)-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-S(O)-イソオキサゾリル、F、Cl、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-S(O)-フェニル、-C(O)-(CH-CF、-C(O)-CH-CF、-C(O)-CH、-C(O)-CH(CH、-C(O)-CH-CH、-C(O)-CH(CH、-C(O)-C(CH、-C(O)-CHCHCH、-C(O)-CH(CH)-フェニル、-C(O)-N(H)プロピル、-C(O)-C~Cシクロアルキル、-C(O)-(CH0~1シクロプロピル、-C(O)-(CH0~1シクロブチル、-C(O)-(CH0~1シクロペンチル、-C(O)-(CH0~1シクロヘキシル、-C(O)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-C(O)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-(CH0~1オキセタン、-C(O)-(CH0~1モルホリニル、-C(O)-(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-C(O)-(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-C(O)-CH-CN、-C(O)-メトキシメチル、-C(O)-メトキシプロピル、-C(O)-メトキシエチル、-C(O)-モルホリニル、-C(O)-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)-イソキサゾリル、独立して、F、Cl、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換されたC(O)-フェニル、-S(O)-N(H)-(CH-CF、-S(O)-N(H)-CH-CF、-S(O)-N(H)-CH、-S(O)-N(H)-CH(CH、-S(O)-N(H)-CH-CH、-S(O)-N(H)-CH(CH、-S(O)-N(H)-C(CH、-S(O)-N(H)-CHCHCH、-S(O)-N(H)-CH(CH)-フェニル、-S(O)-N(H)-プロピル、-S(O)-N(H)-C~Cシクロアルキル、-S(O)-N(H)-CH0~1シクロプロピル、-S(O)-N(H)-(CH0~1シクロブチル、-S(O)-N(H)-(CH0~1シクロペンチル、-S(O)-N(H)-(CH0~1シクロヘキシル、-S(O)-N(H)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-S(O)-N(H)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-S(O)-N(H)-(CH0~1オキセタン、-S(O)-N(H)-(CH0~1モルホリニル、-S(O)-N(H)-(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-S(O)-N(H)-(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-S(O)-N(H)-CH-CN、-S(O)-N(H)-メトキシメチル、-S(O)2-N(H)-メトキシプロピル、-S(O)2-N(H)-メトキシエチル、-S(O)-N(H)-モルホリニル、-S(O)-N(H)-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-S(O)-N(H)イソオキサゾリル、F、Cl、アルコキシ、およびCNからなる群から独立して選択される1~3個の置換基で任意に置換された-S(O)-N(H)-フェニル、-C(O)-N(H)(CH-CF、-C(O)-N(H)CH-CF、-C(O)-N(H)CH、-C(O)-N(H)CH(CH、-C(O)-N(H)CH-CH、-C(O)-N(H)CH(CH、-C(O)-N(H)C(CH、-C(O)-N(H)CHCHCH、-C(O)-N(H)-CH-CH-S(O)-CH、-C(O)-N(H)-CH-CN、-C(O)-N(H)-CH-CH-F、-C(O)-NH、-C(O)-N(H)CH(CH)-フェニル、-C(O)-N(H)プロピル、-C(O)-N(H)C~Cシクロアルキル、-C(O)-N(H)(CH0~1シクロプロピル、-C(O)-N(H)(CH0~1シクロブチル、-C(O)-N(H)(CH0~1シクロペンチル、-C(O)-N(H)(CH0~1シクロヘキシル、-C(O)-N(H)(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-N(H)(CH0~1オキセタン、-C(O)-N(H)(CH0~1モルホリニル、-C(O)-N(H)(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)CH-CN、-C(O)-N(H)-メトキシメチル、-C(O)-N(H)-メトキシプロピル、-C(O)-N(H)-メトキシエチル、-C(O)-N(H)-モルホリニル、-C(O)-N(H)-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)-N(H)-イソキサゾリル、独立して、F、Cl、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-C(O)-N(H)フェニル、-C(O)-N(H))-SO-(CH-CF、-C(O)-N(H))-SO-CH-CF、-C(O)-N(H)-SO-CH、-C(O)-N(H)-SO-CH(CH、-C(O)-N(H)-SO-CH-CH、-C(O)-N(H)-SO-CH(CH、-C(O)-N(H)-SO-C(CH、-C(O)-N(H)-SO-CHCHCH、-C(O)-N(H)-SO-CH(CH)-フェニル、-C(O)-N(H)-SO-N(H)プロピル、-C(O)-N(H)-SO-C~Cシクロアルキル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1シクロプロピル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~
シクロブチル、-C(O)-N(H))-SO-(CH0~1シクロペンチル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1シクロヘキシル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1オキセタン、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1モルホリニル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-C(O))-N(H)-SO-(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)-SO-CH-CN、-C(O)-N(H)-SO2-メトキシメチル、-C(O)-N(H)-SO2-メトキシプロピル、-C(O)-N(H)-SO-メトキシエチル、-C(O)-N(H)-SO-モルホリニル、-C(O)-N(H)-SO-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)-N(H)-SOイソオキサゾリル、-C(NH)=n-CN、独立して、F、Cl、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-C(O)-N(H)-CO-フェニル、または、独立して、F、Cl、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-C(O)-N(H)-SO-フェニルのうちの1つである。
【0305】
実施形態26の下位実施形態
本開示の実施形態26(a)は実施形態26に関し、R15が以下の基、-S(O)-(CH-CF、-S(O)-CH-CF、-S(O)-CH、-S(O)-CH(CH、-S(O)-CH-CH、-S(O)-CH(CH、-S(O)-C(CH、-S(O)-CHCHCH、-S(O)-CH(CH)-フェニル、-S(O)-N(H)プロピル、-S(O)-C~Cシクロアルキル、-S(O)-(CH0~1シクロプロピル、-S(O)-(CH0~1シクロブチル、-S(O)-(CH0~1シクロペンチル、-S(O)-(CH0~1シクロヘキシル、-S(O)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-S(O)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-S(O)-(CH0~1オキセタン、-S(O)-(CH0~1モルホリニル、-S(O)-(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-S(O)-(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-S(O)-CH-CN、-S(O)-メトキシメチル、-S(O)-メトキシプロピル、-S(O)-メトキシエチル、-S(O)-モルホリニル、-S(O)-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-S(O)-イソオキサゾリル、またはF、Cl、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-S(O)-フェニルのうちの1つである。
【0306】
本開示の実施形態26(b)は、実施形態26に関し、R15が、以下の基、-C(O)-(CH-CF、-C(O)-CH-CF3、-C(O)-CH、-C(O)-CH(CH、-C(O)-CH-CH、-C(O)-CH(CH、-C(O)-C(CH、-C(O)-CHCHCH、-C(O)-CH(CH)-phenyl、-C(O)-N(H)propyl、-C(O)-C~Ccycloalkyl、-C(O)-(CH0~1シクロプロピル、-C(O)-(CH0~1シクロブチル、-C(O)-(CH0~1シクロペンチル、-C(O)-(CH0~1シクロヘキシル、-C(O)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-C(O)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-(CH0~1オキセタン、-C(O)-(CH0~1モルホリニル、-C(O)-(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-C(O)-(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-C(O)-CH-CN、-C(O)-メトキシメチル、-C(O)-メトキシプロピル、-C(O)-メトキシエチル、-C(O)-モルホリニル、-C(O)-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)-イソオキサゾリル、または独立して、F、CL、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-C(O)-フェニルのうちの1つである。
【0307】
本開示の実施形態26(c)は、実施形態26に関し、R15またはR21が、以下の基、-S(O)-N(H)-(CH-CF、-S(O)-N(H)-CH-CF、-S(O)-N(H)-CH、-S(O)-N(H)-CH(CH、-S(O)-N(H)-CH-CH、-S(O)-N(H)-CH(CH、-S(O)-N(H)-C(CH、-S(O)-N(H)-CHCHCH、-S(O)-N(H)-CH(CH)-フェニル、-S(O)-N(H)-プロピル、-S(O)-N(H)-C~Cシクロアルキル、-S(O)-N(H)-CH0~1シクロプロピル、-S(O)-N(H)-(CH0~1シクロブチル、-S(O)-N(H)-(CH0~1シクロペンチル、-S(O)-N(H)-(CH0~1シクロヘキシル、-S(O)-N(H)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-S(O)-N(H)-(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-S(O)-N(H)-(CH0~1オキセタン、-S(O)-N(H)-(CH0~1モルホリニル、-S(O)-N(H)-(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-S(O)-N(H)-(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-S(O)-N(H)-CH-CN、-S(O)-N(H)-メトキシメチル、-S(O)-N(H)-メトキシプロピル、-S(O)-N(H)-、メトキシエチル、-S(O)-N(H)-モルホリニル、-S(O)-N(H)-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-S(O)-N(H)-イソオキサゾリル、または独立して、F、CL、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-S(O)-N(H)-フェニルのうちの1つである。
【0308】
本開示の実施形態26(d)は、実施形態26に関し、R15が、以下の基、-C(O)-N(H)(CH-CF、-C(O)-N(H)CH-CF、-C(O)-N(H)CH、-C(O)-N(H)CH(CH、-C(O)-N(H)CH-CH、-C(O)-N(H)CH(CH、-C(O)-N(H)C(CH、-C(O)-N(H)CHCHCH、-C(O)-N(H)C(CH、-C(O)-N(H)CHCHCH、-C(O)-N(H)CH(CH)-フェニル、-C(O)-N(H)プロピル、-C(O)-N(H)C~Cシクロアルキル、-C(O)-N(H)(CH0~1シクロプロピル、-C(O)-N(H)(CH0~1シクロブチル、-C(O)-N(H)(CH0~1シクロペンチル、-C(O)-N(H)(CH0~1シクロヘキシル、-C(O)-N(H)(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-N(H)(CH0~1オキセタン、-C(O)-N(H)(CH0~1モルホリニル、-C(O)-N(H)(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)CH-CN、-C(O)-N(H)-メトキシメチル、-C(O)-N(H)-メトキシプロピル、-C(O)-N(H)-メトキシエチル、-C(O)-N(H)-モルホリニル、-C(O)-N(H)-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)-N(H)イソオキサゾリル、または独立して、F、CL、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-C(O)-N(H)フェニルのうちの1つである。
【0309】
本開示の実施形態26(e)は、実施形態26に関し、R15が、以下の基、-C(O)-N(H)-SO-(CH-CF、-C(O)-N(H)-SO-CH-CF、-C(O)-N(H)-SO-CH、-C(O)-N(H)-SO-CH(CH、-C(O)-N(H)-SO-CH-CH、-C(O)-N(H)-SO-CH(CH、-C(O)-N(H)-SO-C(CH、-C(O)-N(H)-SO-CHCHCH、-C(O)-N(H)-SO-CH(CH)-フェニル、-C(O)-N(H)-SO-N(H)プロピル、-C(O)-N(H)-SO-C~Cシクロアルキル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1シクロプロピル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1シクロブチル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1シクロペンチル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1シクロヘキシル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1テトラヒドロ-2H-ピラン、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1オキセタン、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1モルホリニル、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1チオモルホリニル1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)-SO-(CH0~1イソチオゾリジン1,1-ジオキシド、-C(O)-N(H)-SO-CH-CN、-C(O)-N(H)-SO-メトキシメチル、-C(O)-N(H)-SO-メトキシプロピル、-C(O)-N(H)-SO-メトキシエチル、-C(O)-N(H)-SO-モルホリニル、-C(O)-N(H)-SO-ピリジル、任意に1~3個のメチルで置換された-C(O)-N(H)-SO-イソオキサゾリル、または独立して、F、CL、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換されたC(O)-N(H)-SO-フェニル、または独立して、F、CL、アルコキシ、およびCNからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換された-C(O)-N(H)-SO-フェニルのうちの1つである。
【0310】
本開示の実施形態27は、実施形態4および8の下位実施形態のいずれかを含む、実施形態1~13のいずれか1つに関し、Rが、以下の基のうちの1つであり、
【化52】
式中、
36が、H、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキルであり、
37が、H、-N(H)SO36または-SO36であり、
38が、任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキルである。
【0311】
本開示の実施形態28は、実施形態26に関し、Rは以下の基のうちの1つである。
【化53】
【0312】
本開示の実施形態29は、実施形態4および8の下位実施形態のいずれかを含む、実施形態1~13のいずれか1つに関し、Rが、以下の基のうちの1つである。
【化54】
【0313】
本開示の実施形態30は、表1から選択される実施形態1に関する。
【0314】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zは、-SO-C~Cアルキルである。
【0315】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zは、-SO-CHである。
【0316】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zは、-SO-C~Cハロアルキルである。
【0317】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zは、任意に1~3個のJで置換された-SO-C~Cシクロアルキルであり、Jが各実施形態で定義される通りである。
【0318】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11H。
【0319】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、C~Cアルキルである。
【0320】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、C~Cハロアルキルである。
【0321】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、C~Cシアノアルキルである。
【0322】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、C~Cアルキニルである。
【0323】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、C~Cアルキレン-C(O)-NHである。
【0324】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、-C~Cアルキレン-C(O)-N(H)-C~Cアルキルである。
【0325】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、-C~Cアルキレン-C(O)-N(C~Cアルキル)である。
【0326】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、-C~Cアルキレン-C(O)-O-C~Cアルキルである。
【0327】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、C~Cヒドロキシアルキルである。
【0328】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-フェニルであり、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0329】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-SO-フェニルであり、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0330】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、-C~Cアルキレン-SO-C~Cアルキルである。
【0331】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、-C~Cアルキレン-NH-SO-C~Cアルキルである。
【0332】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシである。
【0333】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、C~Cアルコキシカルボニルである。
【0334】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-C~Cシクロアルキルであり、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0335】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-3~6員ヘテロシクロアルキルであり、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0336】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリールである。
【0337】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、任意に1~3個のJで置換され、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0338】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-C(O)NHR11であり、R11が、任意に1~3個のJで置換された-C(O)-フェニルであり、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0339】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zは、-CO-アルキルである。
【0340】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、COJであり、Jが各実施形態で定義される通りである。
【0341】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、COJであり、Jが、C~Cアルキルである。
【0342】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、COJであり、Jが、-C~Cアルキレン-C~Cアルコキシである。
【0343】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、COJであり、Jが、C~Cシアノアルキルである。
【0344】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、COJであり、Jが、C~Cヒドロキシアルキルである。
【0345】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-COJであり、Jが、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレン-C~Cシクロアルキルであり、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0346】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-COJであり、Jが、任意に1~3個のJで置換されたC~Cアルキレン-フェニルであり、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0347】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-COJであり、Jが、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-5~6員ヘテロアリールであり、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0348】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、-COJであり、Jが、任意に1~3個のJで置換された-C~Cアルキレン-4~6員ヘテロシクロアルキルであり、各Jが、独立して、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、OH、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cアルコキシ、CN、4~6員ヘテロシクロアルキル、または-S(O)-C~Cアルキルである。
【0349】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、COであり、Jが各実施形態で定義される通りである。
【0350】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、COであり、Jが、Hである。
【0351】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、COであり、Jが、C~Cアルキルである。
【0352】
実施形態4、8、および12の他の下位実施形態(それらの下位実施形態のいずれかを含む)では、Zが、COであり、Jが、C~Cアルキルである。
【0353】
本開示の実施形態1Zは、I(a)の化合物、
【化55】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、式中、
環Aが
【化56】
(式中、GおよびGがそれぞれCである)であり、または
環Aが
【化57】
(式中、GがCであり、GがNである)であり、または
環Aが
【化58】
(式中、GがNであり、GがCである)であり、
、R、およびRが、それぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換されている-OCH、または任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであるが、但し、環Aが
【化59】
である場合、R、R、またはRのうちの少なくとも一方がHではないことを条件とするか、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、その炭素原子上で、ハロゲン、アルキル、およびハロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基でそれぞれ任意に置換された4~6員炭素環式環もしくは複素環式環を形成し、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、その炭素原子上で、ハロゲン、アルキル、およびハロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基でそれぞれ任意に置換された4~6員炭素環式環もしくは複素環式環を形成し、
が、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~7個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたシクロアルケニル、
(b)任意に1~9個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(c)任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された架橋複素環式環、
(d)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された2個のヘテロシクロアルキル基を含有し、任意にその炭素原子上で1~8個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、-SO-アルキル、SO-ハロアルキル、もしくは1~6個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換され得るスピロ環系、または
(e)
【化60】
のうちの1つであり、
が、H、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、もしくは-CFであり、
が、-(CY0~3-R12であるか、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~9個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたシクロアルキル、
(b)任意に1~9個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のシクロアルキル基を含有し、任意に1~9個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系、
(d)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個のヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~9個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、もしくは1~6個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換され得るスピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されているスピロ環系、のうちの1つを形成し、
10が、H、アルキル、またはハロアルキルであり、
11が、H、アルキル、またはハロアルキルであり、
12が、以下の基(a)~(f)、
(a)任意に1~9個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和シクロアルキル、
(b)任意に1~7個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された不飽和シクロアルキル、
(c)任意に1~9個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル、
(e)任意に1~5個のZで置換された架橋環、または
(f)任意に1~2個のZで置換されたヘテロアリールのうちの1つであり、
各Yが、独立して、H、ハロゲン、アルキル、もしくはハロアルキルであるか、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~3個のハロゲンで置換されたシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、CN、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり、
各Zは、独立して、CN、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、-NH、-N(H)アルキル、
-N(アルキル)、ハロもしくはフェニルで任意に置換されたアルコキシル、5~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロアリールであり、
各Zは、独立して、CN、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルであり、
が、アルコキシアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換されたフェニル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、任意に1~6個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキル、-C(O)NR1011
-SONR1011、-NHSO-アルキル、任意に1~6個のハロゲンで置換された-NHSO-シクロアルキル、または
-NHSO-ハロアルキルであり、
が、アルコキシアルキル、-SO-アルキル、-CO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011
任意に1~6個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011
-NHSO-アルキル、-NHSO-アリール、任意に1~6個のハロゲンで置換された-NHSO-シクロアルキル、または
-NHSO-ハロアルキルであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、ハロゲン、-NHSO-アルキル、-NHSO-アリール、任意に1~6個のハロゲンで置換された-NHSO-シクロアルキル、または-NHSO-ハロアルキルではあり得ないことを条件とし、
各Zが、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、CN、OH、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであるが、但し、1個のZのみがOHであり得ることを条件とする。
【0354】
本開示の実施形態1(b)Zは、実施形態1Zに関し、式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、炭素原子上で、ハロゲン、アルキル、およびハロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基でそれぞれ任意に置換された4~6員炭素環式環もしくは複素環式環を形成し、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、その炭素原子上で、ハロゲン、アルキル、およびハロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基でそれぞれ任意に置換された4~6員炭素環式環もしくは複素環式環を形成する。
【0355】
本開示の実施形態1(c)Zは、実施形態1Zに関し、Rが基(e)であり
【化61】
が、H、F、-CH、-CFH、-CFH、または-CFであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(e)を形成し
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されているスピロ環系)、
12が、基(e)である
((e)任意に1~5個のZで置換された架橋環)。
環Aが
【化62】
であり、GおよびGがそれぞれCである本開示の化合物は、唯一の違いが環Aが
【化63】
である場合にGおよびGがそれぞれCである化合物と比較した際、本開示に記載の生化学的アッセイおよび細胞アッセイによって測定される場合、驚くべきかつ予想外のIDO1生化学的かつ細胞効力を有することが見出されている。
【0356】
本開示の実施形態2Zは、式(Ib)、(Ic)、または(Id)を有する実施形態1Z、
【化64】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、式中、
が、H、F、Cl、Br、任意に1~3個のハロゲンで置換された-OCH、シクロプロピル、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
およびRが、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、任意に1~3個のハロゲンで置換されている-OCH、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換されているC~Cシクロアルキルであるが、但し、RまたはRのうちの少なくとも一方がHではないことを条件とするか、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、少なくとも1個の酸素原子または硫黄原子を含有する4~6員炭素環式環または複素環式環を形成し、それぞれの環がその炭素原子上で、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4個の置換基で任意に置換され、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、少なくとも1個の酸素原子または硫黄原子を含有する4~6員炭素環式環または複素環式環を形成し、それぞれの環がその炭素原子上で、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4個の置換基で任意に置換され、
が、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたシクロアルケニル、
(b)任意に1~8個のZで置換されていてもよく、さらに任意に1個のZで置換されていてもよいヘテロシクロアルキル。
(c)任意に1~4個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された架橋窒素含有複素環式環、
(d)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された2個の窒素含有ヘテロシクロアルキル基を含有し、任意にその炭素原子上で1~7個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011
-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換され得る、スピロ環系、または
(e)
【化65】
のうちの1つであり、
が、H、F、またはCHであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~8個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたシクロアルキル、
(b)任意に1~8個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のシクロアルキル基を含有し、任意に1~8個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~8個のZで置換され、かつ任意にアルキル、ハロアルキル、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-CO-アルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキルでN置換され得るスピロ環系
(d2)1個のシクロアルキル、および
-O-、-S-、-S(O)-、または-S(O)-を含有する1個のヘテロシクロアルキルを含有し、1つの共通のスピロ炭素原子により結合され、かつ任意にその炭素原子上で1~8個のZで置換されているスピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~4個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されている、スピロ環系、のうちの1つを形成し、
10が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
11が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
12が、以下の基(a)~(f)、
(a)任意に1~8個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和シクロアルキル、
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたシクロアルケニル、
(c)任意に1~8個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたヘテロシクロアルキル、
(d)独立して、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NH、-N(H)C~Cアルキル、-N(C~Cアルキル)、任意にフェニルで置換されたC~Cアルコキシル、5~6員ヘテロシクロアルキル、および5~6員ヘテロアリールからなる群から選択される1~2個の置換基で任意に置換されたフェニル、
(e)任意に1~4個のZで置換された架橋環、または
(f)任意に1~2個のZで置換されたヘテロアリール、のうちの1つであり、
各Yが、独立して、H、F、Cl、C~CアルキルもしくはC~Cハロアルキルであるか、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、アルキル、またはハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、アルキル、シクロプロピル、またはハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、アルキル、またはハロアルキルであり、
が、-Cアルキル-C~Cアルコキシ、-SO-アルキル、-SO-ハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、任意に1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキル、-NHSO-アルキル、任意に1~5個のハロゲンで置換された-NHSO-シクロアルキル、または-NHSO-ハロアルキルであり、
が、-C~Cアルキル-C~Cアルコキシ、任意に1~3個のFで置換されたフェニル、-SO-アルキル、
-SO-ハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、任意に1~5個のハロゲンで置換された-SO-シクロアルキル、-NHSO-アルキル、任意に1~5個のハロゲンで置換された-NHSO-シクロアルキル、または
-NHSO-ハロアルキルであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、ハロゲン、
-NHSO-アルキル、任意に1~6個のハロゲンで置換された-NHSO-シクロアルキル、または-NHSO-ハロアルキルではあり得ないことを条件とし、
各Zが、独立して、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、CN、OH、C~Cシクロアルキル、フェニルまたは5~6員ヘテロアリールであるが、但し、1個のZのみがOHであり得ることを条件とする。
【0357】
本開示の実施形態2(b)Zは、実施形態2Zに関し、式中、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、少なくとも1個の酸素原子硫黄原子を含有する4~6員炭素環式環または複素環式環を形成し、それぞれの環がその炭素原子上で、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4個の置換基で任意に置換され、
あるいはRおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、少なくとも1個の酸素原子または硫黄原子を含有する4~6員炭素環式環または複素環式環を形成し、それぞれの環がその炭素原子上で、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4個の置換基で任意に置換される。
【0358】
本開示の実施形態2(b)Zは、実施形態2Zに関し、式中、
が基(c)または(e)であり
((c)任意に1~4個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された架橋窒素含有複素環式環、または
(e)
【化66】
が、H、F、またはCHであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(e)を形成し
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~4個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されているスピロ環系)、
12が、基(e)である
((e)任意に1~4個のZで置換された架橋環)。
【0359】
式(Ic)
【化67】
を有する化合物は、R、R、R、およびRが式(Ic)および(Ie)のそれぞれに対して同じである式(Ie)
【化68】
を有する化合物と比較した際、本開示に記載の生化学的アッセイおよび細胞アッセイによって測定される場合、驚くべきかつ予想外のIDO1生化学的かつ細胞効力を有することが見出されている。
【0360】
本開示の実施形態3Zは、実施形態1Zまたは2Zに関し、式中、
が、以下の基(a)、(b)、(c)、または(e)、
(a)任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された(C~C)シクロアルケニル、
(b)任意に1~7個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された5または6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)任意に1~3個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された5~9員窒素含有架橋複素環式環、または
(e)
【化69】
のうちの1つであり、
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~7個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~7個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~7個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~7個のZで置換され、かつ任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、もしくは1~4個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換され得るスピロ環系、
(d2)1個のシクロアルキル、および
-O-、-S-、-S(O)-、または-S(O)-を含有する1個のヘテロシクロアルキルを含有し、1つの共通のスピロ炭素原子により結合され、かつ任意にその炭素原子上で1~7個のZで置換されているスピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~3個のZで置換されているスピロ環系、のうちの1つを形成し、
10が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
11が、H、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
12が、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~7個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)任意に1~7個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された4~6員ヘテロシクロアルキル、
(d)独立して、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~2個の置換基で任意に置換されたフェニル、あるいは
(e)それぞれ任意に1~3個のZで置換された、5~10員架橋炭素環式環または複素環式環、のうちの1つであり、
各Yが、独立して、H、F、Cl、C~CアルキルもしくはC~Cハロアルキルであるか、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、ハロゲン、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルであり、
が、-C~Cアルキル-OCH、任意に1~2個のFで置換されたフェニル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-C(O)NR1011、-SONR1011、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、ハロゲン、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルではあり得ないことを条件とし、
各Zが、独立して、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、CN、OH、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキル、フェニル、または5~6員ヘテロアリールであるが、但し、1つのZのみが、OHであり得ることを条件とする。
【0361】
本開示の実施形態3(b)Zは、実施形態3Zに関し、式中、
が基(c)または(e)であり
((c)任意に1~3個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された5~9員の窒素含有架橋複素環式環、または
(e)
【化70】
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(e)を形成し
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のシクロアルキルおよび1個の架橋環を含有し、任意に1~3個のZで置換されているスピロ環系)、
12が、基(e)である
((e)それぞれ任意に1~3個のZで置換された、5~10員の架橋炭素環式環または複素環式環)。
【0362】
本開示の実施形態4Zは、式(IIa)~(IIm)の1つを有する実施形態1~3Zのいずれか1つに記載の化合物、
【化71】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、式中、
、R、およびRが、それぞれ、独立して、F、Cl、C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のFで置換された-OCH、またはシクロプロピルであるか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1もしくは2個の酸素原子を含有し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5~6員複素環式環を形成し、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1もしくは2個の酸素原子を含有し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5~6員複素環式環を形成する。
【0363】
本開示の実施形態4(b)Zは、実施形態4Zに関し、式中、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1もしくは2個の酸素原子を含有し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5~6員複素環式環を形成し、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1もしくは2個の酸素原子を含有し、F、Cl、C~CアルキルおよびC~Cハロアルキルからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5~6員複素環式環を形成する。
【0364】
本開示の実施形態5Zは、実施形態4Zに記載の化合物に関し、式中、
、R、およびRが、それぞれ、独立して、F、Cl、任意に1~3個のFで置換されたメチル、任意に1~3個のFで置換された-OCH、またはシクロプロピルであるか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1~2個の酸素原子を含有し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5員の複素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1~2個の酸素原子を含有し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5員の複素環式環を形成するか、
が、以下の基(a)、(b)、(c)、または(e)、
(a)任意に1~4個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたシクロヘキセニル、
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)任意に1~2個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された8~9員窒素含有架橋複素環式環、または
(e)
【化72】
のうちの1つであり、
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~7個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有するスピロ環系であって、任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有するスピロ環系であって、任意にその炭素原子上で1~6個のZで置換され、かつ、また任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-SO-C~CハロアルキルでN置換され得るスピロ環系、
(d2)1個のC~Cシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-を含有する1個の4~6員ヘテロシクロアルキルを含有し、1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、任意にその炭素原子上で1~6個のZで置換されている、スピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された、1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員の架橋環を含有し、任意に1~2個のZで置換されている、スピロ環系、のうちの1つを形成し、
12が、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル、または
(e)それぞれ任意に1~2個のZで置換された、6~9員の架橋炭素環式環または窒素含有複素環式環、のうちの1つであり、
各Yが、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、-C~Cアルキル、または-C~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、ハロゲン、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルではあり得ないことを条件とし、
各Zが、独立して、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、CN、OH、C~CシクロアルキルもしくはC~Cシクロアルキル、フェニル、または5~6員のヘテロアリールであるが、但し、1つのZのみが、OHであり得ることを条件とする。
【0365】
本開示の実施形態5(b)Zは、実施形態5Zに関し、式中、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1~2個の酸素原子を含有し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5員の複素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員炭素環式環を形成するか、
あるいはRおよびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1~2個の酸素原子を含有し、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、および-CFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された5員の複素環式環を形成する。
【0366】
本開示の実施形態5(c)Zは、実施形態5Zに関し、式中、
が基(c)または(e)であり
((c)任意に1~2個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された8~9員窒素含有架橋複素環式環、または
(e)
【化73】
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(e)を形成し
((e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員の架橋環を含有し、任意に1~2個のZで置換されているスピロ環系)、
12が、基(e)である
((e)それぞれ任意に1~2個のZで置換された、6~9員の架橋炭素環式環または窒素含有複素環式環)。
【0367】
本開示の実施形態6Zは、実施形態4Zに関し、式中、
およびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、1~2個の酸素原子を含有し、それぞれその炭素原子上で、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-O-CH、-O-CFH、-OCFH、および-OCFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員の炭素環または5~6員の複素環式を形成し、
が、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-O-CH、-O-CFH、-OCF、またはシクロプロピルであり、
が、以下の基(a)、(b)、(c)、または(e)、
(a)任意に1~3個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたシクロヘキセニル、
(b)任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1~2個の窒素原子を含有し、任意に1個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された8員の架橋複素環式環、または
(e)
【化74】
のうちの1つであり、
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有するスピロ環系であって、任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有するスピロ環系であって、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換され、かつ、また任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-SO-C~CハロアルキルでN置換され得るスピロ環系、
(d2)1個のC~Cシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-含有する1個の4~6員ヘテロシクロアルキルを含有し、1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換されているスピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された、1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員の架橋環を含有し、任意に1個のZで置換されている、スピロ環系、のうちの1つを形成し、
12が、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~3個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル、または
(e)1個のZで任意に置換された5~10員の架橋炭素環式環、のうちの1つであり、
各Yが、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、任意に1~2個のFで置換されたC~Cシクロアルキルを形成し、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、-C~Cアルキル、または-C~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、ハロゲン、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルではあり得ないことを条件とし、
各Zが、独立して、F、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、CN、OH、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキル、フェニル、または6員のヘテロアリールであるが、但し、1つのZのみが、OHであり得ることを条件とする。
【0368】
本開示の実施形態7Zは、実施形態4Zに関し、式中、
およびRが、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって結合し、1~2個の酸素原子を含有し、それぞれその炭素原子上で、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-OCH、-OCFH、および-OCFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員の炭素環式環または5~6員の複素環式環を形成し、
が、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-OCH、-OCFH、-OCF、またはシクロプロピルであり、
が、以下の基(a)、(b)、(c)、または(e)、
(a)任意に1~3個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたシクロヘキセニル、
(b)任意に1~4個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1~2個の窒素原子を含有し、任意に1個のZでN置換された8員の架橋複素環式環、または
(e)
【化75】
のうちの1つであり、
が、Hであり、
が、-(CY0~2-R12であり、
あるいは、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(e)、
(a)任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されたC~Cシクロアルキル、
(b)任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)1個の共通のスピロ炭素原子によって結合された2個のC~Cシクロアルキル基を含有し、任意に1~6個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換されているスピロ環系、
(d1)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキルを含有し、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換され、かつ、また任意にC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-SO-C~CハロアルキルでN置換され得るスピロ環系、
(d2)1個のC~Cシクロアルキル、および-O-、-S-、-S(O)-、もしくは-S(O)-含有する1個の4~6員ヘテロシクロアルキルを含有し、1個の共通のスピロ炭素原子により結合され、任意にその炭素原子上で1~5個のZで置換されているスピロ環系、または
(e)1個の共通のスピロ炭素原子により結合された、1個のC~Cシクロアルキルおよび1個の7~10員の架橋環を含有するスピロ環系、のうちの1つを形成し、
12が、以下の基(a1)、(a2)、または(b)~(e)、
(a1)任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZまたは1~2個のZで置換された飽和C~Cシクロアルキル、
(a2)クバン、
(b)任意に1~3個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換されたC~Cシクロアルケニル、
(c)任意に1~5個のZで置換され、かつさらに任意に1個のZで置換された4~6員窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(d)任意に1~2個のZで置換されたフェニル、または
(e)5~10員の架橋環、のうちの1つであり、
各Yが、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、シクロプロピルまたはシクロブチル基を形成し、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
各Zが、独立して、CN、F、Cl、-C~Cアルキル、または-C~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルであり、
が、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または-NHSO-C~Cハロアルキルであるが、但し、Zが窒素に結合している場合、Zは、-NHSO-C~Cアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキルではあり得ないことを条件とし、
各Zが、独立して、F、任意に1~3個のFで置換されたCH、CN、OH、C~Cシクロアルキル、フェニル、または6員のヘテロアリールであるが、但し、1つのZのみが、OHであり得ることを条件とする。
【0369】
本開示の実施形態8Zは、式(IIIa)~(IIIu)のいずれか1つを有する実施形態1~4個のZの1つに記載の化合物、
【化76】
【化77】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、式中、
、R およびRが、それぞれ、独立して、F、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-OCH、-OCFH
-OCFH、または-OCFであり、
環Bが、1~2個の酸素原子を含有し、それぞれその炭素原子上で、F、Cl、-CH、-CFH、-CFH、-CF、-OCH、-OCFH、-OCFH、および-OCFからなる群から選択される、1~4個の置換基で任意に置換された4~6員の炭素環式環または5員の複素環式環を形成する。
【0370】
本開示の実施形態9Zは、以下の式のうちの1つを有する実施形態8Z、
【化78】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0371】
本開示の実施形態10Zは、以下の式のうちの1つを有する実施形態8Z、
【化79】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0372】
本開示の実施形態11Zは、以下の式のうちの1つを有する実施形態8Zに記載の化合物、
【化80】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関する。
【0373】
本開示の実施形態12Zは、式(IVa)~(IVp)のうちの1つを有する実施形態11Zに記載の化合物、
【化81】
【化82】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、各R28が、独立して、H、F、Cl、-CH、-CFH、-CFHまたは-CFであるが、但し、それぞれの式中の3個以下のR28基がH以外であることを条件とする。
【0374】
本開示の実施形態12(b)Zは、同じ炭素原子に結合している2個のR28基が、それぞれ独立してF、Cl、-CH、-CFH、-CFH、または-CFである、実施形態13Zに関する。
【0375】
本開示の実施形態12(c)Zは、同じ炭素原子に結合している2個のR28基が、それぞれ独立してF、Cl、-CH、-CFH、-CFH、または-CFであり、全ての残りのR28基がHである、実施形態13に関する。
【0376】
本開示の実施形態13Zは、式(Va)~(Vp)のうちの1つを有する実施形態11Z、
【化83】
【化84】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化類似体に関し、各R28が、独立して、H、F、Cl、-CH、-CFH、-CFHまたは-CFであるが、但し、それぞれの式中の3個以下のR28基がH以外であることを条件とする。
【0377】
本開示の実施形態13(b)Zは、同じ炭素原子に結合している2個のR28基が、それぞれ独立してF、Cl、-CH、-CFH、-CFH、または-CFである、実施形態13Zに関する。
【0378】
本開示の実施形態13(c)Zは、同じ炭素原子に結合している2個のR28基が、それぞれ独立してF、Cl、-CH、-CFH、-CFH、または-CFであり、全ての残りのR28基がHである、実施形態13Zに関する。
【0379】
本開示の実施形態14Zは、Rは以下の基
【化85】
のうちの1つである、実施形態1~13Zのいずれか1つに関し、
式中、
Eが、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-イル、1-フルオロビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル、(1r、2R、4S、5r、6R、8S)-テトラシクロ[3.3.1.02,4.06,8]ノナン-9-イル、(1s、5s)-ビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イル、クバン-1-イル、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-2-イル、またはアダマンタニルであり、
が、-CR13-であり、
が、-C(R14-または-C(R14-C(R14-であり、
が、-C(R14-または-C(R14-C(R14-であり、
が、-N(R15)-または-C(R16)(R17)-であり、
が、-N(R18)-または-C(R19)(R20)-であり、
が、-N(R21)-または-C(R22)(R23)-であり、
が、N-C(R25)(R26)-であり、
が、-C(H)-または
【化86】
であり、
が、CHまたはNであり、
10が、CHまたはNR21であり、
13が、H、F、CH、CFH、CFH、またはCFであり、
各R14が、独立して、H、ハロゲン、CH、-CFH、-CFH、または-CFであるが、但し、4個以下のR14が、H以外であることを条件とし、
15が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
16が、H、ハロゲン、CN、OH、シクロプロピル、シクロブチル、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルであり、
17が、H、ハロゲン、CN、OH、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、
-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-NHSO-C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
あるいは、R16およびR17が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(c)、
(a)独立してCN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~6の基で任意に置換され、任意に-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、もしくは-NHSO-C~Cハロアルキルで置換され得る、C~Cシクロアルキル、
(b)独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4個の基で、その炭素原子上で任意に置換され、かつ任意に-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-SO-C~CハロアルキルでN置換され得る、4~6員の窒素含有ヘテロシクロアルキル、または
(c)-O-、-S-、-SO-、またはSOを含有し、独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換された、4~6員のヘテロシクロアルキル、のうちの1つを形成し、
各Yが、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、シクロプロピルまたはシクロブチル基を形成し、
18が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
19が、H、ハロゲン、CN、OH、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
20が、H、ハロゲン、CN、OH、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、-NHSO-C~Cハロアルキル、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであるか、
あるいは、R19およびR20が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(d)、
(a)独立してCN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4の基で任意に置換され、任意に-NHSO-C~Cアルキル、-NHSO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキルで置換され得るC~Cシクロアルキル、
(b)独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換され、かつ任意に-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、もしくは任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換され得る、4~6員の窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)-O-、-S-、-SO-、またはSOを含有し、独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換された、4~6員のヘテロシクロアルキル、または
(d)7~10員の架橋環、のうちの1つを形成し、
21が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-C~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
22が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
23が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-NHSO-C~Cアルキル、-NHSO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
25が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、またはC~Cハロアルキルであり、
26が、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-NHSO-C~Cアルキル、-NHSO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のハロゲンで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
各R27が、独立して、H、F、Cl、CH、-CFH、-CFH、または-CFであるが、但し、4個以下のR27が、H以外であることを条件とする。
【0380】
本開示の実施形態15Zは、Rが以下の基のうちの1つである、実施形態14Zに関し、
【化87】
【化88】
式中、
各Yが、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、もしくは-CF、または2個のY基が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、シクロプロピルまたはシクロブチル基を形成し、
が、N-C(R25)(R26)-であり、
18が、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cフルオロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
19が、H、F、CN、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、または-C~Cフルオロアルキルであり、
20が、H、F、CN、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、-N(H)SO-C~Cフルオロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
あるいは、R19およびR20が、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(d)、
(a)独立してCN、F、C~Cアルキル、およびC~Cハロアルキルからなる群から選択される1~4の基で任意に置換され、任意に-NHSO-C~Cアルキル、-NHSO-C~Cハロアルキル、任意に1~3個のハロゲンで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキルで置換され得るC~Cシクロアルキル、
(b)独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換され、かつ、また任意に-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cフルオロアルキル、もしくは任意に1~3個のFで置換された-SO-C~CシクロアルキルでN置換され得る、4~6員の窒素含有ヘテロシクロアルキル、
(c)-O-、-S-、-SO-、またはSOを含有する4~6員のヘテロシクロアルキルであって、独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換された、4~6員のヘテロシクロアルキル、または
(d)7~10員の架橋環、のうちの1つを形成し、
21が、H、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cフルオロアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のFで置換された-C~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
25が、H、F、C~Cアルキル、またはC~Cフルオロアルキルであり、
26が、H、F、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、CN、-NHSO-C~Cアルキル、-NHSO-C~Cフルオロアルキル、任意に1~3個のFで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
各R27が、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、または-CFであるが、但し、2個以下のR27が、H以外であることを条件とし、
29が、H、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-SO-C~Cアルキル、-SO-C~Cフルオロアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のFで置換された-C~Cシクロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
30が、H、F、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキルである。
【0381】
実施形態16Zは、Rが以下の基のうちの1つである、実施形態15Zに関する。
【化89】
【0382】
実施形態17Zは、Rは以下の基のうちの1つである、実施形態1~13Zのいずれか1つに関し、
【化90】
31が、H、任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキル、F、-SO-R35、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
32が、-SO-R35または-NHSO-R35であり、
33が、H、F、CN、シクロプロピル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキルであり、
34が、H、F、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキルであり、
35が、H、F、任意に1~3個のFで置換されたメチルであるか、または2つのR35基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、結合し、一緒にシクロプロピル基を形成する。
【0383】
本開示の実施形態18Zは、Rが以下の基のうちの1つである、実施形態1~13Zのいずれか1つに関し、
【化91】
式中、
15が、H、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-SO-C~Cフルオロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであり、
16が、H、F、C~Cアルキル、またはC~Cフルオロアルキルであり、
17が、H、F、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、-NHSO-C~Cハロアルキル、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cシクロアルキルであるか、
あるいは、R16およびR17が、それらが両方存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒に結合し、以下の基(a)~(c)、
(a)独立してCN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~6の基で任意に置換され、任意に-NHSO-C~Cアルキル、任意に1~3個のFで置換された-NHSO-C~Cシクロアルキル、もしくは-NHSO-C~Cフルオロアルキルで置換され得る、C~Cシクロアルキル、
(b)独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換され、かつ、また任意に-SO-C~Cアルキル、任意に1~3個のFで置換された-SO-C~Cシクロアルキル、もしくは-SO-C~CフルオロアルキルでN置換され得る、4~6員の窒素含有ヘテロシクロアルキル、または
(c)-O-、-S-、-SO-、またはSOを含有する4~6員のヘテロシクロアルキルであって、独立して、CN、F、C~Cアルキル、およびC~Cフルオロアルキルからなる群から選択される1~3個の基で、その炭素原子上で任意に置換された、4~6員のヘテロシクロアルキル、のうちの1つを形成し、
各Yが、独立して、H、F、CH、-CFH、-CFH、またはCFである。
【0384】
本開示の実施形態19Zは、Rが、以下の基のうちのいずれかである、実施態様1~13Zのいずれか1つに記載の化合物に関し、
【化92】
式中、
36が、H、または任意に1~3個のFで置換されたC~Cアルキルであり、
37が、H、-NHSO36または-SO36である。
【0385】
本開示の実施形態20Zは、Rが、以下の基のいずれかである、実施形態19に記載の化合物に関する。
【化93】
【0386】
本開示の実施形態21Zは、Rが、以下の基のうちの1つである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物に関する。
【化94】
【0387】
本開示の実施形態22zは、表1から選択される、実施形態1Zに関する。
【0388】
本明細書で企図される化合物は、一般式と特定の化合物の両方を参照して記載される。加えて、本明細書に記載されている化合物は、全て本開示の範囲内で、いくつかの異なる形態または誘導体で存在してもよい。これらとしては、例えば、互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物、位置異性体、塩、プロドラッグ(例えば、カルボン酸エステル)、溶媒和形態、異なる結晶形態または多型、および活性代謝産物が挙げられる。
【0389】
いくつかの化合物は互変異性を呈し得ることが理解される。そのような場合、本明細書に提供される式は、可能な互変異性形態のうちの1つのみを明示的に示す。したがって、本明細書に提供される式は、示される化合物の任意の互変異性形態を表すことを意図しており、式の図面によって示される特定の互変異性形態に単に限定されるべきではないことを理解されたい。
【0390】
同様に、本開示に記載の化合物のいくつかは、本明細書に定義されている立体異性体として存在してもよい。全てのそのような単一の立体異性体、ラセミ体およびそれらの混合物は、本開示の範囲内にあることが意図されている。矛盾する明記がない限り、そのような全ての立体異性体形態は、本明細書に提供される式の中に含まれる。
【0391】
いくつかの実施形態では、本開示のキラル化合物は、単一異性体の少なくとも80%(60%のエナンチオマー過剰率(「e.e.」)もしくはジアステレオマー過剰率(「d.e.」))、または少なくとも85%(70%のeeもしくはde)、90%(80%のe.e.もしくはd.e.)、90%(80%のe.e.もしくはd.e.)、95%(90%のe.e.もしくはd.e.)、97.5%(95%のe.e.もしくはd.e.)、または99%(98%のe.e.もしくはd.e.)を含有する形態である。一般に当業者に理解される通り、1つのキラル中心を有する光学的に純粋な化合物は、2つの可能なエナンチオマーのうちの1つから本質的になる(すなわち、エナンチオマー的に純粋である)ものであり、複数のキラル中心を有する光学的に純粋な化合物は、ジアステレオマー的に純粋かつエナンチオマー的に純粋の両方のものである。いくつかの実施形態では、化合物は光学的に純粋な形態で存在する。
【0392】
合成が二重結合、特に炭素-炭素二重結合での単一基の付加を含む化合物については、付加は二重結合-結合原子のいずれかで起こり得る。そのような化合物に関して、本開示はそのような位置異性体の両方を含む。
【0393】
本明細書に記載の本式および化合物に加えて、本開示はまた、プロドラッグ(一般に薬学的に許容されるプロドラッグ)、活性代謝誘導体(活性代謝産物)、およびそれらの薬学的に許容される塩も含む。
【0394】
矛盾する明記がない限り、本明細書中の化合物の明細書は、そのような化合物の薬学的に許容される塩を含む。
【0395】
固体の薬剤の場合、化合物および塩は異なる結晶形態もしくは多形態で存在してもよく、または共結晶として処方されてもよく、または非晶形態であってもよく、それらの任意の組み合わせ(例えば、部分的に結晶質、部分的に非晶質、または多形体の混合物)であってもよく、それらは全て本開示および特定の式の範囲内にあることが意図されていることが、当業者には理解されよう。
【0396】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、アンモニウム、ジエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエタノールアミン、t-ブチルアミン、ピペラジン、メグルミンなどの塩基付加塩;酢酸塩、アセチルサリチル酸塩、ベシル酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルタル酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアネートおよびトシレートなどの酸付加塩;およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリンなどのアミノ酸を含む酸または塩基と複合体を形成する。本開示の化合物を酸または塩基と組み合わせる際に、典型的な塩または共結晶などの結晶材料ではなく、非晶質複合体を形成することができる。場合によっては、非晶形の複合体は、噴霧乾燥、ローラー圧縮などのメカノケミカル法、または酸もしくは塩基と混合した親化合物のマイクロ波照射などのさらなる処理によって促進される。そのような方法はまた、複合体の非晶質性をさらに安定化させる、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)およびメタクリル酸コポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)L100-55)を含むが、これらに限定されないイオン性および/または非イオン性ポリマー系の付加を含み得る。そのような非晶質複合体はいくつかの利点を提供する。例えば、遊離塩基と比較して融解温度を下げることは、化合物のバイオ医薬品特性をさらに改善するための、ホットメルト押出のような追加の処理を容易にする。また、非晶質複合体は容易に砕けやすく、固体をカプセルまたは錠剤形態に充填するための圧縮を改善する。
【0397】
加えて、式は、同定された構造の水和形態または溶媒和形態ならびに非水和形態または非溶媒和形態を包含することを意図する。例えば、示された化合物は、水和形態および非水和形態の両方を含む。溶媒和物の他の例には、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールアミンなどの適切な溶媒と組み合わせた構造が含まれる。
【0398】
III.製剤および投与
本開示の実施形態31は、実施形態1~30のうちの1つの化合物と、製薬上許容される担体とを含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態において、本開示の実施形態31zは、実施形態1Z~21Zのうちの1つの化合物と、製薬上許容される担体とを含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態において、本開示の実施形態31zは、実施形態1Z~22Zのうちの1つの化合物と、製薬上許容される担体とを含む医薬組成物に関する。
【0399】
本開示の実施形態32は、第2の医薬剤をさらに含む、実施形態31の医薬組成物に関する。いくつかの実施形態において、本開示の実施形態32zは、第2の医薬剤をさらに含む、実施形態31zの医薬組成物に関する。
【0400】
本開示の実施形態33は、実施形態32に記載の医薬組成物に関し、第2の医薬剤は、i)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボクオン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、およびトレオサルファンから選択されるアルキル化剤、ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、およびプリカマイシンから選択される抗生物質、III)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、フトラフール、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、およびトリメトレキセトからなる群から選択される代謝拮抗剤、iv)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、および90Yイブリツモマブチウキサタンから選択される抗体療法剤、v)アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゼストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンからなる群から選択されるホルモンまたはホルモンアンタゴニスト、vi)DJ-927、ドセタキセル、TPI 287、パクリタキセルおよびDHA-パクリタキセルから選択されるタキサン、vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインから選択されるレチノイド、viii)エトポシド、ホモハリングトニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択されるアルカロイド、ix)AE-941(GW786034、Neovastat)、ABT-510、2-メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドから選択される抗血管新生剤、x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN-38(7-エチル-10-ヒドロキシ-カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカン、および9-アミノカンプトテシンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤、xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE-788、AG-013736、AMG706、AMN107、BMS-354825、BMS-599626、UCN-01(7-ヒドロキシステアロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、およびバタラニブから選択されるキナーゼ阻害剤、xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンから選択される標的シグナル伝達阻害剤、xiii)イミキモド、インターフェロン-αおよびインターロイキン-2から選択される生物学的応答調節剤、xiv)3-AP(3-アミノ-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン-1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはアロマターゼ阻害剤から選択される化学療法剤、xv)Mek阻害剤、xvi)チロシンキナーゼ阻害剤、xvii)EGFR阻害剤、またはxviii)侵入阻害剤、融合阻害剤、逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、および多クラスの組み合わせ製品から選択される抗レトロウイルス剤である。いくつかの実施形態において、本開示の実施形態33zは、実施形態32zに記載の医薬組成物に関し、第2の医薬剤は、i)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボクオン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、およびトレオサルファンから選択されるアルキル化剤、ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、およびプリカマイシンから選択される抗生物質、III)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、フトラフール、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、およびトリメトレキセトからなる群から選択される代謝拮抗剤、iv)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、および90Yイブリツモマブチウキサタンから選択される抗体療法剤、v)アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゼストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンからなる群から選択されるホルモンまたはホルモンアンタゴニスト、vi)DJ-927、ドセタキセル、TPI 287、パクリタキセルおよびDHA-パクリタキセルから選択されるタキサン、vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインから選択されるレチノイド、viii)エトポシド、ホモハリングトニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択されるアルカロイド、ix)AE-941(GW786034、Neovastat)、ABT-510、2-メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドから選択される抗血管新生剤、x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN-38(7-エチル-10-ヒドロキシ-カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカン、および9-アミノカンプトテシンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤、xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE-788、AG-013736、AMG706、AMN107、BMS-354825、BMS-599626、UCN-01(7-ヒドロキシステアロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、およびバタラニブから選択されるキナーゼ阻害剤、xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンから選択される標的シグナル伝達阻害剤、xiii)イミキモド、インターフェロン-αおよびインターロイキン-2から選択される生物学的応答調節剤、xiv)3-AP(3-アミノ-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン-1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはアロマターゼ阻害剤から選択される化学療法剤、xv)Mek阻害剤、xvi)チロシンキナーゼ阻害剤、xvii)EGFR阻害剤、またはxviii)侵入阻害剤、融合阻害剤、逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、および多クラスの組み合わせ製品から選択される抗レトロウイルス剤である。
【0401】
適切な剤形は、部分的には、使用または投与経路、例えば経口、経皮、経粘膜、吸入、または注射(非経口)に依存する。そのような剤形は、化合物が標的細胞に到達することを可能にするはずである。他の要因は当該技術分野において周知であり、毒性、および化合物または組成物がその効果を発揮するのを遅らせる剤形などの考慮事項を含む。技術および製剤は、一般に、The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,Lippincott,Williams and Wilkins,Philadelphia,PA,2005(参照により本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
【0402】
本開示の化合物(すなわち、実施形態1~30に記載される化合物のいずれかは、薬学的に許容される塩として製剤することができる。本開示の化合物(すなわち、実施形態1Z~21Zに記載される化合物のいずれかは、薬学的に許容される塩として製剤することができる。本開示の化合物(すなわち、実施形態1Z~22Zに記載される化合物のいずれかは、薬学的に許容される塩として製剤することができる。
【0403】
担体または賦形剤を用いて、組成物を生成することができる。担体または賦形剤は、化合物の投与を容易にするように選択することができる。担体の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、グルコース、もしくはスクロースなどの様々な糖、またはデンプンの種類、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、および生理学的に適合性のある溶媒が挙げられる。生理学的に適合性の溶媒の例としては、注射用水の無菌溶液(WFI)、食塩水、およびデキストロースが挙げられる。
【0404】
化合物は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経口、経粘膜、直腸、経皮、または吸入剤を含む異なる経路で投与することができる。いくつかの実施形態では、化合物は経口投与によって投与することができる。経口投与の場合、例えば、化合物は、カプセル剤、錠剤、ならびにシロップ剤、エリキシル剤、および濃縮滴剤などの液体製剤などの従来の経口剤形に製剤することができる。
【0405】
吸入剤の場合、本開示の化合物は、乾燥粉末もしくは適切な溶液、懸濁液、またはエアロゾルとして製剤することができる。粉末および溶液は、当該技術分野で既知の適切な添加剤と共に処方され得る。例えば、粉末は、ラクトースまたはデンプンのような適切な粉末基剤を含み得、溶液はプロピレングリコール、滅菌水、エタノール、塩化ナトリウム、ならびに酸、アルカリ、および緩衝塩などの他の添加剤を含み得る。そのような溶液または懸濁液は、スプレー、ポンプ、アトマイザー、またはネブライザーなどを介して吸入することによって投与され得る。本開示の化合物は、他の吸入療法、例えば、フルチカゾンプロピオネート、ベクロメタゾンジプロピオネート、トリアムシノロンアセトニド、ブデソニド、およびモメタゾンフロエートなどのコルチコステロイド;アルブテロール、サルメテロール、およびホルモテロールなどのβアゴニスト;臭化イプラトロピウムまたはチオトロピウムなどの抗コリン薬;トレプロチンおよびイロプロストなどの血管拡張薬;DNAアーゼなどの酵素;治療用タンパク質;免疫グロブリン抗体;一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNAなどのオリゴヌクレオチド、siRNA;トブラマイシンなどの抗生物質;ムスカリン受容体アンタゴニスト;ロイコトリエンアンタゴニスト;サイトカインアンタゴニスト;プロテアーゼ阻害剤;クロモリンナトリウム;ネドクリルナトリウム;およびクロモグリク酸ナトリウムと組み合わせて使用することもできる。
【0406】
経口使用のための医薬調剤は、例えば、活性化合物を固体賦形剤と混合し、任意に得られた混合物を粉砕し、所望により適当な補助剤を加えた後に顆粒混合物を加工して、必要な場合、錠剤または糖衣錠コアを得ることにより得られる。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤;セルロース製剤、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、および/またはポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン)である。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、もしくはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を加えてもよい。
【0407】
糖衣錠のコアには適切なコーティングが施される。この目的のために、例えば、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物を任意に含有し得る濃縮糖溶液が使用され得る。識別のため、または活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに添加することができる。
【0408】
経口的に使用され得る医薬調剤は、ゼラチン製の押し込み型カプセル(「ゲルキャップ」)、ならびにゼラチン製の軟密封カプセル、およびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤を含む。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに任意に安定剤と混合して活性成分を含有することができる。ソフトカプセルでは、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコール(PEG)などの適切な液体に溶解または懸濁することができる。加えて、安定剤を添加することができる。
【0409】
あるいは、注射(非経口投与)、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、および/または皮下注射を使用することができる。注射のために、本開示の化合物は、生理的に適合性の緩衝液、または生理食塩水、ハンクス液、もしくはリンガー液などの液剤などの無菌液剤中に製剤される。加えて、化合物は固体形態で製剤され、使用直前に再溶解または懸濁することができる。凍結乾燥形態も生成することができる。
【0410】
投与はまた、経粘膜的、局所的、経皮的、または吸入手段によるものであり得る。経粘膜投与、局所投与、または経皮投与のために、浸透すべき障壁に適した浸透剤を製剤に使用する。そのような浸透剤は、当該技術分野において一般的に既知であり、例えば、経粘膜投与用としては、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。加えて、洗剤を使用して浸透を容易にすることができる。経粘膜投与は、例えば、鼻腔用スプレーまたは坐剤(直腸内または膣内)を介してもよい。
【0411】
本開示の局所用組成物は、当該技術分野において既知の適切な担体の選択により、油、クリーム、ローション、軟膏などとして調剤される。適切な担体としては、植物油または鉱油、白色ワセリン(白色軟質パラフィン)、分岐鎖脂肪または油、動物脂肪および高分子量アルコール(C12超)が挙げられる。別の実施形態では、担体は活性成分が可溶性であるものである。所望であれば、乳化剤、安定剤、湿潤剤および酸化防止剤、ならびに色または香りを付与する薬剤も含まれ得る。局所適用のためのクリームは、鉱油、自己乳化蜜ろう、および水の混合物から調剤され、その混合物中に、少量の溶媒(例えば、油)に溶解された活性成分が混合されている。加えて、経皮手段による投与は、活性成分、および任意に当該技術分野で既知の1つ以上の担体または希釈剤を含浸させた包帯などの経皮パッチまたは包帯剤を含み得る。経皮送達システムの形態で投与されるためには、用量投与はもちろん、投与計画を通して間欠的ではなく連続的であろう。
【0412】
投与される様々な化合物の量は、化合物IC50、化合物の生物学的半減期、対象の年齢、大きさ、および体重、ならびに治療される適応症などの要因を考慮して標準的な手順によって決定することができる。これらおよび他の要因の重要性は当業者には周知である。一般に、用量は、治療される対象の約0.01~50mg/kg、または0.1~20mg/kgであろう。複数回の用量を使用することができる。
【0413】
本開示の化合物はまた、同じ疾患を治療するための他の療法と組み合わせて使用され得る。そのような組み合わせの使用は、異なる時間における化合物および1つ以上の他の治療薬の投与、または化合物および1つ以上の他の療法の同時投与を含む。いくつかの実施形態では、当業者に周知の方法によって、本開示の化合物のうちの1つ以上または組み合わせて使用される他の療法薬、例えば、化合物に関する投薬量の減少または単独で使用される療法のために、用量を変更し得る。
【0414】
組み合わせの使用は、他の治療法、薬品、医学的処置などとの使用を含み、他の療法または処置は、本開示の化合物とは異なる時間に(例えば、数時間以内(例えば、1、2、3、4~24時間)などの短時間内、もしくはより長い時間以内(例えば、1~2日間、2~4日間、4~7日間、1~4週間))、または本開示の化合物と同じ時間に投与され得る。組み合わせの使用はまた、他の療法または手技の前または後に、短期間またはより長い期間内に投与される本開示の化合物と共に、外科手術などの1回またはまれに施される療法または医学的手技との使用も含む。いくつかの実施形態では、本開示は、異なる投与経路または同じ投与経路によって送達される本開示の化合物および1つ以上の他の薬物療法の送達を提供する。任意の投与経路のための組み合わせの使用は、本開示の化合物と、それらが、投与された場合、それらの治療活性を維持する方法で2つの化合物が化学的に結合する製剤を含む、任意の製剤における同じ投与経路によって一緒に送達される1つ以上の他の薬物療法薬との送達を含む。一態様では、他の薬物療法は、本開示の1つ以上の化合物と同時投与することができる。同時投与による組み合わせの使用は、同時製剤もしくは化学的に結合した化合物の製剤の投与、または互いに短時間以内で(例えば、1時間、2時間、3時間、24時間まで)の別々の製剤での2つ以上の化合物の投与(同じまたは異なる経路で投与される)を含む。別々の製剤の同時投与は、1つの装置、例えば、同じ吸入装置、同じシリンジなどを介した送達による同時投与、または互いに短時間以内での別々の装置からの投与を含む。本開示の化合物と、同じ経路によって送達される1つ以上の追加の薬物療法との同時製剤は、1つの製剤中で組み合わされる別々の化合物、または化学的に結合しているが、それでもなおそれらの生物学的活性を維持している、改変された化合物を含む、1つの装置により投与され得るような材料での一緒の調剤を含む。そのような化学的に結合した化合物は、インビボで実質的に維持される結合を有し得るか、あるいは結合はインビボで分解し、2つの活性成分を分離し得る。
【0415】
IV.使用方法
方法および化合物は、典型的にはヒト対象のための療法において使用されるであろう。しかしながら、それらはまた、他の動物被験体における類似または同一の適応症を治療するためにも使用され得る。
【0416】
本開示の実施形態34は、IDO1、TDO、またはIDO1およびTDOの両方によって媒介される疾患または状態を有する対象を治療する方法に関し、疾患もしくは状態が、異常に、またはそうでなければIDO1、TDO、もしくはIDO1およびTDOの両方、または前述のいずれかの活性化変異もしくは転座を発現する場合、方法が、実施形態1~30の1つに記載の化合物の有効量、または薬学的に許容される塩、重水素化類似体、その互変異性体もしくは異性体、または実施形態31~33のいずれか1つに記載の医薬組成物を対象に投与することを含む。本開示の実施形態34Zは、IDO1、TDO、またはIDO1およびTDOの両方によって媒介される疾患または状態を有する対象を治療する方法に関し、疾患もしくは状態が、異常に、またはそうでなければIDO1、TDO、もしくはIDO1およびTDOの両方、または前述のいずれかの活性化変異もしくは転座を発現する場合、方法が、実施形態1Z~21Zまたは1Z~22Zの1つに記載の化合物の有効量、または薬学的に許容される塩、重水素化類似体、その互変異性体もしくは異性体、または実施形態31Z~33Zのいずれか1つに記載の医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0417】
本開示の実施形態35は、疾患または状態が炎症性疾患、炎症性状態、自己免疫疾患または癌である、実施形態34に記載の疾患または状態の治療方法に関する。本開示の実施形態35Zは、疾患または状態が炎症性疾患、炎症性状態、自己免疫疾患または癌である、実施形態34Zに記載の疾患または状態の治療方法に関する。
【0418】
本開示の実施形態36は、疾患または状態が、免疫抑制、関節リウマチ、1型糖尿病、ループス、橋本甲状腺疾患、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、腸の自己免疫疾患、腸管病原体による疾患、喘息、HIV、腫瘍増殖、腫瘍転移、感染症、非感染性炎症性疾患、慢性炎症によって促進される皮膚癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、統合失調症、双極性障害、うつ病、炎症関連うつ病、心血管疾患、末期腎臓病、慢性腎臓病およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される、実施形態35に記載の疾患または状態を治療する方法に関する。本開示の実施形態36Zは、疾患または状態が、免疫抑制、関節リウマチ、1型糖尿病、ループス、橋本甲状腺疾患、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、腸の自己免疫疾患、腸管病原体による疾患、喘息、HIV、腫瘍増殖、腫瘍転移、感染症、非感染性炎症性疾患、慢性炎症によって促進される皮膚癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、統合失調症、双極性障害、うつ病、炎症関連うつ病、心血管疾患、末期腎臓病、慢性腎臓病およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される、実施形態35Zに記載の疾患または状態を治療する方法に関する。
【0419】
本開示の実施形態37は、避妊方法または中絶方法に関し、当該方法は、対象に有効量の実施形態1~30の1つに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体、または実施形態31~33の1つの医薬組成物を投与することを含む。本開示の実施形態37Zは、避妊方法または中絶方法に関し、当該方法は、対象に有効量の実施形態1Z~21Zもしくは1Z~22Zの1つに記載の化合物、またはその製薬上許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体、または実施形態31Z~33Zの1つの医薬組成物を投与することを含む。
【0420】
HIV/AIDSを治療するのに使用される6つの主要な種類の抗レトロウイルス剤がある。これらの薬剤は、レトロウイルスHIVに対して作用するため抗レトロウイルスと呼ばれる。抗レトロウイルス剤は、それらがHIV複製における段階をどのように妨害するかによって分類される。
1.侵入阻害剤は、ウイルスが侵入しようとする細胞の外側表面の受容体に結合する能力を妨害する。受容体結合が失敗すると、HIVは細胞に感染することができない。侵入阻害剤の非限定的な例は、マラビロックである。
2.融合阻害剤は、ウイルスが細胞膜と融合する能力を妨害し、HIVが細胞に侵入することを防ぐ。融合阻害剤の非限定的な例としては、エンフビルチド、T-20が挙げられる。
3.逆転写酵素阻害剤は、HIV酵素の逆転写酵素(RT)が一本鎖HIV RNAを二本鎖HIV DNAに変換すること(逆転写と呼ばれるプロセス)を防止する。以下の(3a)および(3b)に記載される2種類のRT阻害剤がある。
(3a)ヌクレオシド/ヌクレオチドRT阻害剤(NRTI)は、不完全なDNA基礎的要素である。これらの不完全な基礎的要素の1つが成長中のHIV DNA鎖に付加されると、それ以上正しいDNA基礎的要素を付加することはできず、HIV DNA合成を停止させる。ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤の非限定的な例としては、ラミブジンおよびジドブジン、エムトリシタビン、FTC、ラミブジン、3TC、アバカビルおよびラミブジン、ザルシタビン、ジデオキシシチジン、ddC、ジドブジン、アジドチミジン、AZT、ZDV、アバカビル、ジドブジン、およびラミブジン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩およびエムトリシタビン、腸溶性被覆ジダノシン、ddI EC、ジダノシン、ジデオキシイノシン、ddI。テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、TDF、スタブジン、d4T、ならびに硫酸アバカビル、ABCが挙げられる。
(3b)非ヌクレオシドRT阻害剤(NNRTI)はRTに結合し、HIV RNAをHIV DNAに変換する能力を妨害する。非ヌクレオシドRT阻害剤の非限定的な例としては、リルピビリン、エトラビリン、デラビルジン、DLV、エファビレンツ、EFV、およびネビラピン、NVPが挙げられる。
4.インテグラーゼ阻害剤は、ウイルスが、その遺伝物質を感染している細胞のDNAに統合するために使用するHIV酵素インテグラーゼを遮断する。HIVインテグラーゼ阻害剤の非限定的な例としては、ラルテグラビル、ドルテグラビル、およびエルビテグラビルが挙げられる。
5.プロテアーゼ阻害剤はプロテアーゼと呼ばれるHIV酵素を妨害し、プロテアーゼは通常HIVタンパク質の長鎖をより小さな個々のタンパク質に切断する。プロテアーゼが適切に機能しない場合、新しいウイルス粒子を組み立てることができない。プロテアーゼ阻害剤の非限定的な例としては、アンプレナビル、APV、チプラナビル、TPV、インジナビル、IDV、サキナビル、サキナビルメシレート、SQV、ロピナビルおよびリトナビル、LPV/RTV、フォサプレナビルカルシウム、p FOS-APV、リトナビル、RTV、ダルナビル、アタザナビル硫酸、ATV、およびメシル酸ネルフィナビル、NFVが挙げられる。
6.複数クラスの組み合わせ生成物は、2つ以上のクラスまたはタイプからのHIV医薬品を単一の生成物に組み合わせる。多クラス組み合わせ生成物の非限定的な例としては、エファビレンツ、エムトリシタビンおよびフマル酸テノホビルジソプロキシ、エムトリシタビン、リルピビリン、およびフマル酸テノホビルジソプロキシル、硫酸アタザナビル、コムビシスタット、コビシスタット、エタノール酸ダルナビル、およびエルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン、フマル酸テノホビルジソプロキシルが挙げられる。
【0421】
本開示の実施形態38は、HIVを有する対象を治療する方法に関し、当該方法は、1つ以上の抗レトロウイルス剤と組み合わせて、対象に有効量の実施形態1~30の1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体、または実施形態34~36のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む。本開示の実施形態38Zは、HIVを有する対象を治療する方法に関し、当該方法は、1つ以上の抗レトロウイルス剤と組み合わせて、対象に有効量の実施形態1Z~22Zの1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体、または実施形態34Z~36Zのいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む。
【0422】
特定の実施形態では、患者は60歳以上であり、第一選択癌療法の後に再発する。特定の実施態様では、患者は18歳以上であり、第二選択癌療法の後に再発するか、または難治性である。特定の実施形態では、患者は60歳以上であり、第一選択癌療法に対して主に難治性である。特定の実施形態では、患者は70歳以上であり、以前に治療されていない。特定の実施態様では、患者は70歳以上であり、不適格であり、かつ/または癌療法から恩恵を受ける可能性が低い。
【0423】
特定の実施形態において、本明細書に提供される方法において使用される治療有効量は、少なくとも1日当たり10mgである。特定の実施形態では、治療有効量は、10、50、90、100、135、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2200、2500mg/投与量である。他の実施形態では、治療有効量は、10、50、90、100、135、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2200、2500、3000、3500、4000、4500、5000mg/日以上である。特定の実施形態では、化合物は、連続的に投与される。
【0424】
特定の実施形態では、少なくとも10、50、90、100、135、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2200、2500、3000、3500、4000、4500、5000mg/1日の、実施形態1Z~22Zの1つに記載の化合物に記載される化合物のいずれか、その薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体を、疾患または状態を有する哺乳動物に投与することにより(化合物は空の胃に投与される)、IDO1および/またはTDOによって媒介される疾患または状態を治療するための方法が本明細書に提供される。特定の実施形態では、少なくとも10、50、90、100、135、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2200、2500、3000、3500、4000、4500、5000mg/1日の、実施形態1~30の1つに記載の化合物に記載される化合物のいずれか、その薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体を、疾患または状態を有する哺乳動物に投与することにより(化合物は空の胃に投与される)、IDO1および/またはTDOによって媒介される疾患または状態を治療するための方法が本明細書に提供される。
【0425】
本開示の他の実施形態は、実施形態1Z~22Zのいずれかに記載のIDO1/TDO二重阻害剤である化合物に関する。本開示の他の実施形態は、実施形態1~30のいずれかに記載のIDO1/TDO二重阻害剤である化合物に関する。
【0426】
本開示の他の実施形態は、実施形態1Z~22Zのいずれかに記載のTDOよりもIDO1選択的阻害剤である化合物に関する。本開示の他の実施形態は、実施形態1~30のいずれかに記載のTDOよりもIDO1選択的阻害剤である化合物に関する。
【0427】
本明細書で使用される、IDO1またはTDO媒介性の疾患または状態という用語は、IDO1またはTDOの生物学的機能が、疾患または状態の発症および/または経過に影響を及ぼし、かつ/あるいは、IDO1またはTDOの調節が発症、経過、および/または症状を変化させる、疾患または状態を指す。これらの変異は、受容体の固有の活性を様々な程度まで減衰させ、かつIDO 1またはTDO活性の調節の影響に関するモデルである。IDO1またはTDO媒介性の疾患または状態は、IDO1またはTDO阻害が治療上の利益をもたらす疾患または状態を含み、例えば、本明細書に記載される化合物を含むIDO1またはTDO阻害剤での治療は、病気や状態を患っているか、またはリスクにある対象に治療上の利点を提供する。
【0428】
V.併用療法
IDOおよびTDOモジュレーターは、特に癌の治療において、他の薬理学的に活性な化合物、または2つ以上の他の薬理学的に活性な化合物と有用に組み合わせることができる。一実施形態では、組成物は、同じ疾患の適応症に対して治療的に有効である1つ以上の化合物と共に本明細書に記載の1つ以上の化合物を含み、化合物は疾患の徴候に対して相乗効果を有する。一実施形態において、組成物は、癌の治療に有効な本明細書に記載の任意の1つ以上の化合物、および同じ癌の治療に有効な1つ以上の他の化合物を含み、さらに化合物は癌の治療において相乗的に有効である。
【0429】
いくつかの実施形態では、本開示は、実施形態1~30のいずれかに記載の1つ以上の化合物、その薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体、またはそれらの医薬組成物、および1つ以上の薬剤を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬剤は、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムジン、エトグルシド、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスティンク、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、およびウラムスチンなどを含むが、これらに限定されないアルキル化剤、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、およびゾルビシンを含むが、これらに限定されない抗生物質、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロキシリジン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、アザチオプリン、ラルチトレキセド、テガフールウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキセト、およびビダラビンを含むが、これらに限定されない代謝拮抗剤、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Yイブリツマブチウキセタン、イピリムマブ、およびトレリムマブを含むが、これらに限定されない免疫療法、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゼストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンを含むが、これらに限定されないホルモンまたはホルモンアンタゴニスト、DJ-927、ドセタキセル、TPI287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA-パクリタキセル、およびテセタキセルを含むが、これらに限定されないタキサン、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインを含むが、これらに限定されないレチノイド、デメコルシン、ホモハリングトニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、およびビノレルビンを含むが、これらに限定されないアルカロイド、AE-941(GW786034、Neovastat)、ABT-510、2-メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドを含むが、これらに限定されない抗血管新生剤、アムサクリン、ベロテカン、エドテカリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、エキサテカン、イリノテカン(同様に活性代謝産物SN-38(7-エチル-10-ヒドロキシ-カンプトテシン))、ルカントン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、および9-アミノカンプトテシンを含むが、これらに限定されないトポイソメラーゼ阻害剤、アキシチニブ(AG013736)、ダサチニブ(BMS354825)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、二リン酸モテサニブ(AMG706)、ニロチニブ(AMN107)、セリシクリブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE-788、BMS-599626、UCN-01(7-ヒドロキシステアロスポリン)、およびバタラニブを含むが、これらに限定されないキナーゼ阻害剤、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンを含むが、これらに限定されない標的シグナル伝達阻害剤、イミキモド、インターフェロン-α、およびインターロイキン-2を含むが、これらに限定されない生物学的応答調節剤、インドキシモドを含むが、これらに限定されないIDO阻害剤、ならびに3-AP(3-アミノ-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン-1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリムセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス)、PI3K阻害剤(例えば、BEZ235、GDC-0941、XL147、XL765)、Cdk4阻害剤(例えば、PD-332991)、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤(例えば、タネスピマイシン)およびファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、チピファルニブ)を含むが、これらに限定されない他の化学療法剤、ならびにMEK阻害剤(例えば、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、AZD8330、BIX02188、C11040(PD184352)、D-87503、GSK1120212(JTP-74057)、PD0325901、PD318088、PD98059、PDEA119(BAY869766)、TAK-733)から選択される。いくつかの実施形態では、本開示は、実施形態1Z~22Zのいずれかに記載の1つ以上の化合物、その薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体、またはそれらの医薬組成物、および1つ以上の薬剤を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬剤は、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムジン、エトグルシド、フォテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスティンク、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジクオン、トリエチレンメラミン、四硝酸トリプラチン、トロホスファミド、およびウラムスチンなどを含むが、これらに限定されないアルキル化剤、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルチノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシン、およびゾルビシンを含むが、これらに限定されない抗生物質、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロキシリジン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、アザチオプリン、ラルチトレキセド、テガフールウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキセト、およびビダラビンを含むが、これらに限定されない代謝拮抗剤、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Yイブリツマブチウキセタン、イピリムマブ、およびトレリムマブを含むが、これらに限定されない免疫療法、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、ロイプロリド、マゼストロール、ラロキシフェン、タモキシフェン、およびトレミフェンを含むが、これらに限定されないホルモンまたはホルモンアンタゴニスト、DJ-927、ドセタキセル、TPI287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA-パクリタキセル、およびテセタキセルを含むが、これらに限定されないタキサン、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインを含むが、これらに限定されないレチノイド、デメコルシン、ホモハリングトニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、およびビノレルビンを含むが、これらに限定されないアルカロイド、AE-941(GW786034、Neovastat)、ABT-510、2-メトキシエストラジオール、レナリドマイド、およびサリドマイドを含むが、これらに限定されない抗血管新生剤、アムサクリン、ベロテカン、エドテカリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、エキサテカン、イリノテカン(同様に活性代謝産物SN-38(7-エチル-10-ヒドロキシ-カンプトテシン))、ルカントン、ミトキサントロン、ピキサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカン、および9-アミノカンプトテシンを含むが、これらに限定されないトポイソメラーゼ阻害剤、アキシチニブ(AG013736)、ダサチニブ(BMS354825)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、二リン酸モテサニブ(AMG706)、ニロチニブ(AMN107)、セリシクリブ、ソラフェニブ、リンゴ酸スニチニブ、AEE-788、BMS-599626、UCN-01(7-ヒドロキシステアロスポリン)、およびバタラニブを含むが、これらに限定されないキナーゼ阻害剤、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンを含むが、これらに限定されない標的シグナル伝達阻害剤、イミキモド、インターフェロン-α、およびインターロイキン-2を含むが、これらに限定されない生物学的応答調節剤、インドキシモドを含むが、これらに限定されないIDO阻害剤、ならびに3-AP(3-アミノ-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン-1、シレンギチド、エレスクロモル、メシル酸エリブリン(E7389)、イキサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアナゾン、オブリムセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス)、PI3K阻害剤(例えば、BEZ235、GDC-0941、XL147、XL765)、Cdk4阻害剤(例えば、PD-332991)、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤(例えば、タネスピマイシン)およびファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、チピファルニブ)を含むが、これらに限定されない他の化学療法剤、ならびにMEK阻害剤(例えば、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、AZD8330、BIX02188、C11040(PD184352)、D-87503、GSK1120212(JTP-74057)、PD0325901、PD318088、PD98059、PDEA119(BAY869766)、TAK-733)から選択される。
【0430】
一実施形態では、本開示は、疾患を治療するための1つ以上の他の適切な療法と組み合わせて、本明細書に記載の任意の1つ以上の化合物を含む有効量の組成物を対象に投与することによって、IDO1および/またはTDOによって媒介される疾患または状態を治療する方法を提供する。
【0431】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の任意の1つ以上の化合物を含む有効量の組成物を、1つ以上の他の療法または癌治療において有効な医療手技と組み合わせて対象に施すことにより、それを必要とする対象における癌を治療する方法を提供する。他の療法または医学的手技としては、適切な抗癌療法(例えば、薬物療法、ワクチン療法、遺伝子療法、光線力学療法)、または医学的手技(例えば、外科手術、放射線療法、温熱療法、骨髄もしくは幹細胞移植)が挙げられる。一実施形態では、1つ以上の適切な抗癌療法または医学的手技は、化学療法剤(例えば、化学療法薬剤)による治療、放射線治療(例えば、x線、γ線、または電子、陽子、中性子、またはα、粒子線)、温熱療法(例、マイクロ波、超音波、高周波アブレーション)、ワクチン療法(例えば、AFP遺伝子肝細胞癌ワクチン、AFPアデノウイルスベクターワクチン、AG-858、同種GM-CSF-分泌乳癌ワクチン、樹状細胞ペプチドワクチン)、遺伝子治療(例えば、Ad5CMV-p53ベクター、MDA7をコードするアデノベクター、アデノウイルス5-腫瘍壊死因子アルファ)、光線力学的療法(例えば、アミノレブリン酸、モテキサチンルテチウム)、手術、または骨髄および幹細胞移植から選択される。
【0432】
VI.キット
別の態様では、本開示は、実施形態1Z~22Zの1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体、または実施形態23Z~25Zの1つに記載の医薬組成物のうちのいずれか1つに記載される1つ以上の化合物を含むキットを提供する。別の態様では、本開示は、実施形態1~30の1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、重水素化類似体、互変異性体もしくは異性体、または実施形態31~33の1つに記載の医薬組成物のうちのいずれか1つに記載される1つ以上の化合物を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、化合物または組成物は、例えば、バイアル、ボトル、フラスコに包装され、それらはさらに、例えば、箱、封筒、またはバッグ内に包装され得、化合物または組成物は、哺乳動物、例えば、ヒトへの投与が、米国食品医薬品局または同様の規制機関によって承認され、化合物または組成物は、IDOまたはTDO媒介の疾患または状態に対して、哺乳動物、例えばヒトへの投与が承認され、本明細書に記載のキットは、使用説明書、ならびに/あるいは化合物もしくは組成物が、IDO1および/もしくはTDのIDOもしくはTDO媒介の疾患もしくは状態に対して哺乳動物、例えばヒトへの投与に適しているか、または承認されているかの他の表示を含み得、化合物または組成物は、単位用量または単回用量形態、例えば、単回用量丸剤、カプセル剤などに包装され得る。
【0433】
VII.結合アッセイ
本開示の方法は、標的分子への化合物の結合を検出することができるアッセイを含み得る。そのような結合は、アッセイシグナルが標的分子への結合を表す、すなわち、バックグラウンドから区別される、少なくとも90%の信頼水準、または少なくとも95、97、98、99%以上の信頼水準を有する、統計的に有意な水準にある。いくつかの実施形態では、対照が、標的結合を非特異的結合から区別するために使用される。結合を示す多種多様なアッセイが、異なる標的タイプとして知られており、本開示に使用され得る。
【0434】
結合化合物は、標的分子の活性に対するそれらの効果を特徴とし得る。したがって、「低活性」化合物は、標準条件下で1μMを超える阻害濃度(IC50)または有効濃度(EC50)を有する。「非常に低い活性」は、標準条件下で100μMを超えるIC50またはEC50を意味する。「極めて低い活性」は、標準条件下で1mMを超えるIC50またはEC50を意味する。「中程度の活性」は、標準条件下で200nM~1μMのIC50またはEC50を意味する。「やや高い活性」は、1nM~200nMのIC50またはEC50を意味する。「高活性」は、標準条件下で1nM未満のIC50またはEC50を意味する。IC50またはEC50は、化合物が存在しない場合に観察される活性の範囲に対して、測定されている標的分子(例えば、酵素または他のタンパク質)活性の活性の50%が失われるか、または得られる、化合物の濃度として定義される。当業者に既知の方法を使用して、例えば、酵素反応の発生によって生成される任意の検出可能な生成物もしくはシグナル、または測定されるタンパク質による他の活性を測定することによって、活性を測定することができる。
【0435】
結合アッセイに関して「バックグラウンドシグナル」とは、試験化合物、分子骨格、または標的分子に結合するリガンドの非存在下で、特定のアッセイについて標準的な条件下で記録されるシグナルを意味する。当業者は、許容される方法が存在し、バックグラウンドシグナルを決定するために広く利用可能であることを理解するであろう。
【0436】
「標準偏差」とは、分散の平方根を意味する。分散は、分布がどの程度広がっているかの尺度である。平均からの各数の平均二乗偏差として計算される。たとえば、数値1、2、および3の場合、平均は2であり、分散は、以下である。
【数1】
【0437】
表面プラズモン共鳴
結合パラメーターは、例えば、固定化結合成分で被覆されたBIAcore(登録商標)チップ(BIAcore、日本)を用いた、表面プラズモン共鳴を用いて測定され得る。表面プラズモン共鳴は、標的分子に対するsFvまたは他のリガンド間の反応の微視的会合および解離定数を特徴付けるために使用される。そのような方法は、参照により本明細書に組み込まれる以下の参考文献に一般的に記載される。Vely F.et al.,(2000)BIAcore(登録商標)analysis to test phosphopeptide-SH2 domain interactions,Methods in Molecular Biology.121:313-21、Liparoto et al.,(1999)Biosensor analysis of the interleukin-2 receptor complex,Journal of Molecular Recognition.12:316-21、Lipschultz et al.,(2000)Experimental design for analysis of complex kinetics using surface plasmon resonance,Methods.20(3):310-8、Malmqvist.,(1999)BIACORE:an affinity biosensor system for characterization of biomolecular interactions,Biochemical Society Transactions 27:335-40、Alfthan,(1998)Surface plasmon resonance biosensors as a tool in antibody engineering,Biosensors&Bioelectronics.13:653-63、Fivash et al.,(1998)BIAcore for macromolecular interaction,Current Opinion in Biotechnology.9:97-101、Price et al.;(1998)Summary report on the ISOBM TD-4 Workshop:analysis of 56 monoclonal antibodies against the MUC1 mucin.Tumour Biology19 Suppl1:1-20、Malmqvist et al,(1997)Biomolecular interaction analysis:affinity biosensor technologies for functional analysis of proteins,Current Opinion in Chemical Biology.1:378-83、O’Shannessy et al.,(1996)Interpretation of deviations from pseudo-first-order kinetic behavior in the characterization of ligand binding by biosensor technology,Analytical Biochemistry.236:275-83、Malmborg et al.,(1995)BIAcore as a tool in antibody engineering,Journal of Immunological Methods.183:7-13、Van Regenmortel,(1994)Use of biosensors to characterize recombinant proteins,Developments in Biological Standardization.83:143-51、およびO’Shannessy,(1994)Determination of kinetic rate and equilibrium binding constants for macromolecular interactions:a critique of the surface plasmon resonance literature,Current Opinions in Biotechnology.5:65-71.
【0438】
BIAcore(登録商標)は、表面プラズモン共鳴(SPR)の光学的性質を用いて、金/ガラスセンサーチップインターフェースの表面にあるデキストランマトリクス(デキストランバイオセンサーマトリクス)に結合したタンパク質の濃度の変化を検出する。簡単に説明すると、タンパク質は既知の濃度でデキストランマトリックスに共有結合しており、タンパク質に対するリガンドはデキストランマトリックスを通して注入される。センサーチップ表面の反対側に向けられた近赤外光は反射され、また金フィルム中にエバネッセント波を誘導し、それは次に、共鳴角度として知られる特定の角度で反射光に強度低下を引き起こす。センサーチップ表面の屈折率が(例えば、結合タンパク質へのリガンドの結合によって)変化すると、共鳴角にシフトが生じる。この角度シフトは測定することができ、1000RUが1ng/mmの表面タンパク質濃度の変化に相当するように共鳴単位(RU)として表される。これらの変化はセンサーグラムのy軸に沿った時間に関して表示され、任意の生物学的反応の関連および解離を表す。
【0439】
ハイスループットスクリーニング(HTS)アッセイ
HTSは典型的には、自動アッセイを用いて、所望の活性について多数の化合物を検索する。典型的には、HTSアッセイは、特定の酵素または分子に作用する化学物質をスクリーニングすることにより、新しい薬を見つけるために使用される。例えば、化学物質が酵素を不活性化するならば、それは疾患を引き起こす細胞内のプロセスを予防するのに効果的であると証明し得る。ハイスループット法により、研究者はロボットハンドリングシステムおよび結果の自動分析を使用して、各標的分子に対して数千の異なる化学物質を非常に迅速に分析することができる。
【0440】
本明細書中で使用される、「ハイスループットスクリーニング」または「HTS」は、ロボットスクリーニングアッセイを使用した、多数の化合物(ライブラリー)(一般に数万から数十万の化合物)の迅速なインビトロスクリーニングを指す。ウルトラハイスループットスクリーニング(uHTS)は、一般に100,000テスト超え/1日に加速されたハイスループットスクリーニングを指す。
【0441】
ハイスループットスクリーニングを達成するためには、マルチコンテナキャリアまたはプラットフォーム上に試料を収容することが有利である。多容器担体は、複数の候補化合物の反応を同時に測定することを容易にする。マルチウェルマイクロプレートを、担体として使用することができる。そのようなマルチウェルマイクロプレート、および多数のアッセイにおけるそれらの使用のための方法は、当該技術分野で既知であり、市販されている。
【0442】
スクリーニングアッセイは、アッセイの成分の適切な操作の較正および確認の目的のための対照を含み得る。全ての反応物を含むが、化学ライブラリーのメンバーを含まない空のウェルが、通常含まれる。別の例として、モジュレーターが求められている酵素の既知の阻害剤(または活性化剤)を、アッセイの1つの試料と共にインキュベートすることができ、得られた酵素活性の減少(または増加)は比較器または対照として使用される。モジュレーターを酵素活性化剤または阻害剤と組み合わせて、そうでなければ既知の酵素モジュレーターの存在によって引き起こされる酵素活性化または抑制を阻害するモジュレーターを見つけることができることも理解されよう。
【0443】
スクリーニングアッセイ中の酵素反応および結合反応の測定
例えば多容器担体中での、酵素的反応および結合反応の進行を測定するための技術は、当該技術分野において既知であり、以下を含むがこれらに限定されない。
【0444】
分光光度法および分光蛍光アッセイは当該技術分野において周知である。そのようなアッセイの例には、Gordon,A.J.and Ford,R.A.,(1972)The Chemist’s Companion:A Handbook Of Practical Data,Techniques,And References,John Wiley and Sons,N.Y.,Page 437.に記載されるように、過酸化物の検出のための比色アッセイの使用が含まれる。
【0445】
蛍光分光法を用いて、反応生成物の生成を監視することができる。蛍光法は一般的に吸収法よりも高感度である。蛍光プローブの使用は、当業者に周知である。概説については、Bashford et al.,(1987)Spectrophotometry and Spectrofluorometry:A Practical Approach,pp.91-114,IRL Press Ltd.、およびBell,(1981)Spectroscopy In Biochemistry,Vol.I,pp.155-194,CRC Pressを参照されたい。
【0446】
分光蛍光法では、酵素は、標的酵素によって処理された際に、それらの固有の蛍光を変える基質に暴露される。典型的には、基質は非蛍光性であり、1つ以上の反応を通して発蛍光団に変換される。非限定的な例として、SMase活性は、Amplex(登録商標)Red試薬(オレゴン州、ユージーン、Molecular Probes)を用いて検出することができる。Amplex(登録商標)Redを用いてスフィンゴミエリナーゼ活性を測定するために、以下の反応が起こる。最初に、SMaseはスフィンゴミエリンを加水分解して、セラミドおよびホスホリルコリンを生成する。第二に、アルカリホスファターゼはホスホリルコリンを加水分解して、コリンを生成する。第三に、コリンはコリンオキシダーゼによってベタインに酸化される。最後に、西洋ワサビペルオキシダーゼの存在下でのHは、Amplex(登録商標)Redと反応し、蛍光生成物、レゾルフィンを生成し、そこからの信号を分光分析を用いて検出する。
【0447】
蛍光偏光(FP)は、受容体タンパク質などのより大きな分子への結合時に発生する蛍光団の分子回転速度の減少に基づき、結合リガンドによる偏光蛍光発光を可能にする。FPは、平面偏光で励起した後の蛍光団発光の垂直成分および水平成分を測定することによって経験的に決定される。蛍光団の分子回転が減少する際、偏光発光が増加する。蛍光団は、それがより大きな分子(すなわち、受容体)に結合した際に、より大きな偏光シグナルを生成し、蛍光団の分子回転を遅くする。偏光シグナルの大きさは、蛍光リガンド結合の程度に定量的に関連する。したがって、「結合」シグナルの偏光は、高親和性結合の維持に依存する。
【0448】
FPは均質技術であり、反応は非常に速く、平衡に達するまでに数秒から数分かかる。試薬は安定し、大きなバッチを調製することができ、その結果再現性が高くなる。これらの特性のために、FPは高度に自動化可能であることが証明されており、しばしば、単一の予め混合されたトレーサー受容体試薬を用いて、単一のインキュベーションで実施される。概説については、Owickiet al.,(1997),Application of Fluorescence Polarization Assays in High-Throughput Screening,Genetic Engineering News,17:27.を参照されたい。
【0449】
読み出しは発光強度とは無関係であるため、FPが特に望ましく(Checovich,W.J.,et al.,(1995)Nature 375:254-256、Dandliker,W.B.,et al.,(1981)Methods in Enzymology 74:3-28)、したがって蛍光発光を消光する着色化合物の存在に鈍感である。FPおよびFRET(下記を参照されたい)は、スフィンゴ脂質受容体とそれらのリガンドとの間の相互作用を遮断する化合物を同定するのによく適している。例えば、Parker et al.,(2000)Development of high throughput screening assays using fluorescence polarization:nuclear receptor-ligand-binding and kinase/phosphatase assays,J Biomol Screen 5:77-88を参照されたい。
【0450】
FPアッセイに使用され得るスフィンゴ脂質由来の蛍光団は市販されている。例えば、Molecular Probes(オレゴン州、ユージーン)は現在、スフィンゴミエリンおよび1つのセラミド蛍光団を販売している。これらはそれぞれ、N-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-ペンタノイル)スフィンゴシルホスホコリン(BODIPY(登録商標)FL C5-スフィンゴミエリン)、N-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-ドデカノイル)スフィンゴシルホスホコリン(BODIPY(登録商標)FL C12-スフィンゴミエリン)、およびN-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-ペンタノイル)スフィンゴシン(BODIPY(登録商標)FL C5-セラミド)である。米国特許第4,150,949号(ゲンタマイシンの免疫学的検定)は、フルオレセインチオカルバニルゲンタマイシンを含むフルオレセイン標識ゲンタマイシンを開示する。追加の蛍光団は、当業者に周知の方法を用いて調製することができる。
【0451】
例示的な垂直偏光蛍光リーダーとしては、POLARION(登録商標)蛍光偏光システム(スイス、Hombrechtikon、Tecan AG)が挙げられる。VERSAMAX(登録商標)リーダーおよびSPECTRAMAX(登録商標)マルチウェルプレート分光光度計(両方ともMolecular Devices製)などの他のアッセイ用の一般的なマルチウェルプレートリーダーが利用可能である。
【0452】
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)は、相互作用を検出するための別の有用なアッセイであり、記載されている。例えば、Heim et al.,(1996)Curr.Biol.6:178-182、Mitra et al.,(1996)Gene 173:13-17、およびSelvin et al.,(1995)Meth.Enzymol.246:300-345を参照されたい。FRETは、既知の励起波長および発光波長を有する、ごく近接した2つの蛍光物質間のエネルギー移動を検出する。一例として、タンパク質は緑色蛍光タンパク質(GFP)との融合タンパク質として発現させることができる。タンパク質が標的分子と特異的に相互作用する場合のように、2つの蛍光タンパク質が近接している場合、共鳴エネルギーは一方の励起分子から他方の励起分子に伝達され得る。結果として、試料の発光スペクトルは移動し、これは、fMAXマルチウェル蛍光光度計(カリフォルニア州、サニーベイル、Molecular Devices)などの蛍光光度計によって測定することができる。
【0453】
シンチレーション近接アッセイ(SPA)は、標的分子との相互作用を検出するための特に有用なアッセイである。SPAは製薬業界で広く使用されており、記載されている(Hanselman et al.,(1997)J.Lipid Res.38:2365-2373、Kahl et al.,(1996)Anal.Biochem.243:282-283、Undenfriend et al.,(1987)Anal.Biochem.161:494-500)。米国特許第4,626,513号および第4,568,649号、ならびに欧州特許第0,154,734号も参照されたい。1つの市販のシステムは、FLASHPLATE(登録商標)シンチラントコートプレート(マサチューセッツ州、ボストン、NEN Life Science Products)を使用する。
【0454】
標的分子は、様々な周知の手段によってシンチレータプレートに結合することができる。GST、His6、またはFlag融合タンパク質などの融合タンパク質に結合するように誘導体化されたシンチラントプレートが利用可能である。標的分子がタンパク質複合体または多量体である場合、1つのタンパク質またはサブユニットを最初にプレートに付着させ、次いで複合体の他の成分を結合条件下で後で添加して、結合複合体を得ることができる。
【0455】
典型的なSPAアッセイでは、発現プール内の遺伝子産物は、放射能標識され、ウェルに添加され、固相(ウェル内の固定化標的分子およびシンチラントコーティング)と相互作用することが可能になる。アッセイは直ちに測定することができ、または平衡に達することを可能にする。いずれにせよ、放射性標識がシンチラントコーティングに十分近くなる場合、それはTOPCOUNT NXT(登録商標)マイクロプレートシンチレーションカウンター(Packard BioScience Co.,Meriden Conn.)などの装置によって検出可能なシグナルを生成する。放射性標識された発現産物が標的分子に結合する場合、放射性標識は検出可能なシグナルを生じるのに十分長い間、シンチラントに近接したままになる。
【0456】
対照的に、標的分子に結合しないか、またはほんの短時間しか結合しない標識タンパク質は、バックグラウンドを超えるシグナルを生成するのに十分長くシンチラントの近くに留まらない。ランダムなブラウン運動によって引き起こされたシンチラント近くで費やされたいかなる時間も、顕著な量のシグナルをもたらさないであろう。同様に、発現工程の間に使用された残りの組込まれていない放射性標識が存在してもよいが、それは標的分子と相互作用するよりむしろ溶液中にあるため、有意なシグナルを生成しない。したがって、これらの非結合相互作用は、数学的に除去することができる一定レベルのバックグラウンドシグナルを引き起こすであろう。あまりにも多くのシグナルが得られる場合、所望の特異性が得られるまで塩または他の修飾剤をアッセイプレートに直接添加することができる(Nichols et al.,(1998)Anal.Biochem.257:112-119)。
【0457】
VIII.キナーゼ活性アッセイ
キナーゼ活性のためのいくつかの異なるアッセイを、活性モジュレーターについてアッセイするために、かつ/あるいは特定のキナーゼまたは群もしくは複数のキナーゼに対するモジュレーターの特異性を決定するために利用することができる。以下の実施例に記載のアッセイに加えて、当業者は利用することができ、かつ特定の用途のためにアッセイを修正することができる他のアッセイを知っているであろう。例えば、キナーゼに関する多数の論文が、使用可能なアッセイを記載した。
【0458】
さらなる代替アッセイは、結合決定を使用し得る。例えば、この種のアッセイは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)フォーマットで、またはストレプトアビジンまたはホスホ-特異抗体に結合するドナーおよびアクセプター試薬を変えることによってアルファスクリーン(増幅ルミネセンス近接ホモジニアスアッセイ)フォーマットを使用してフォーマットできる。
【0459】
IX.IDO1またはTDOの操作
例えば、サブクローニング、標識プローブ(例えば、クレノウポリメラーゼを使用するエグランダムプライマー標識、ニックトランスレーション、増幅)、シークエンシング、ハイブリダイゼーションなどの核酸の操作のための技術は、科学文献および特許文献に十分に記載され、例えば、Sambrook,ed.,Molecular Cloning:a Laboratory Manual(2nd ed.),Vols.1-3,Cold Spring Harbor Laboratory,(1989)、Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel,ed.John Wiley&Sons,Inc.,New York(1997)、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology:Hybridization With Nucleic Acid Probes,Part I.Theory and Nucleic Acid Preparation,Tijssen,ed.Elsevier,N.Y(1993)を参照されたい。
【0460】
PCR、等温法、ローリングサークル法などの増幅方法を用いて、さらなる使用のために必要に応じて核酸配列を増幅することができ、それらは当業者に周知である。例えば、Saiki,“Amplification of Genomic DNA”in PCR Protocols,Innis et al.,Eds.,Academic Press,San Diego,CA 1990,pp 13-20、Wharam et al.,Nucleic Acids Res.2001 Jun 1;29(11):E54-E54、Hafner et al.,Biotechniques 2001 Apr;30(4):852-6,858,860 passim、Zhong et al.,Biotechniques 2001 Apr;30(4):852-6,858,860 passimを参照されたい。
【0461】
核酸、ベクター、キャプシド、ポリペプチドなどは、当業者に周知の多数の一般的手段のいずれかによって分析および定量化することができる。これらには、例えば、NMR、分光光度法、ラジオグラフィー、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、および過拡散クロマトグラフィーなどの分析生化学的方法、様々な免疫学的方法、例えば、流体またはゲル沈殿反応、免疫拡散、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、サザン分析、ノーザン分析、ドットブロット分析、ゲル電気泳動(例えば、SDS-PAGE)、核酸または標的もしくはシグナル増幅方法、放射標識、シンチレーションカウンティング、および親和性クロマトグラフィーが含まれる。
【0462】
本開示の方法を実施するために使用される核酸の取得および操作は、ゲノム試料からクローニングし、所望される場合、例えば、ゲノムクローンまたはcDNAクローンから単離または増幅されたインサートをスクリーニングおよび再クローニングすることによって実施できる。本開示の方法で使用される核酸の供給源は、例えば、哺乳動物人工染色体(MAC)に含まれるゲノムまたはcDNAライブラリーを含み、例えば、米国特許第5,721,118号、同第6,025,155号、human artificial chromosomesを参照し、例えば、Rosenfeld(1997)Nat.Genet.15:333-335;yeast artificial chromosomes(YAC)、bacterial artificial chromosomes(BAC);P1 artificial chromosomesを参照し、例えば、Woon(1998)Genomics 50:306-316;P1-derived vectors(PACs)を参照し、例えば、Kern(1997)Biotechniques 23:120-124;cosmids,recombinant viruses,phages or plasmidsを参照されたい。
【0463】
本開示の方法を実施するために使用される核酸は、プロモーターに機能的に連結することができる。プロモーターは、核酸の転写を配向する1つのモチーフまたは核酸制御配列のアレイであり得る。プロモーターは、ポリメラーゼII型プロモーターの場合、TATAエレメントなどの、転写の開始部位の近くに必要な核酸配列を含み得る。プロモーターはまた、転写開始部位から数千塩基対も離れて位置し得る、遠位エンハンサーまたはリプレッサーエレメントも任意に含む。「構成的」プロモーターは、ほとんどの環境的および発生的条件下で活性なプロモーターである。「誘導性」プロモーターは、環境的または発生的調節下にあるプロモーターである。「組織特異的」プロモーターは、生物の特定の組織型において活性であるが、同じ生物由来の他の組織型においては活性ではない。「作動可能に連結された」という用語は、核酸発現制御配列(プロモーター、または転写因子結合部位のアレイなど)と第2の核酸配列との間の機能的連結を指し、発現制御配列は、2番目のシーケンスに対応する核酸の転写を配向する。
【0464】
本開示の方法を実施するために使用される核酸はまた、発現ベクターおよびクローニングビヒクル、例えば、本開示の方法を実施するために使用されるポリペプチドをコードする配列において提供され得る。本開示の方法を実施するために使用される発現ベクターおよびクローニングビヒクルは、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、細菌人工染色体、ウイルスDNA(例えば、ワクシニア、アデノウイルス、フォーポックスウイルス、偽狂犬病およびSV40の誘導体)、P1ベースの人工染色体、酵母プラスミド、酵母人工染色体、ならびに目的の特定の宿主に特異的な任意の他のベクター(バチルス、アスペルギルスおよび酵母など)を含み得る。本開示の方法を実施するために使用されるベクターは、染色体、非染色体および合成DNA配列を含み得る。多数の適切なベクターが当業者に知られており、市販されている。
【0465】
本開示の方法を実施するために使用される核酸は、所望される場合、日常的な分子生物学的方法を使用して任意の様々なベクターにクローニングすることができ、インビトロ増幅核酸をクローニングする方法は、例えば、米国特許第5,426,039号に記載されている。増幅配列のクローニングを容易にするために、制限酵素部位をPCRプライマー対に「組込む」ことができる。ベクターは、ゲノムまたは細胞質もしくは細胞の核に導入され得、科学および特許文献に十分に記載されている、様々な従来の技術によって発現され得る。例えば、Roberts(1987)Nature 328:731、Schneider(1995)Protein Expr.Purif.6435:10;Sambrook,Tijssen or Ausubelを参照されたい。ベクターは、ATCCまたはGenBankライブラリーのような供給源から得られるか、あるいは合成または組換え方法によって調製され得る、天然供給源から単離され得る。例えば、本開示の方法を実施するために使用される核酸は、細胞中で安定的にまたは一過性に発現される発現カセット、ベクター、またはウイルスにおいて発現され得る(例えば、エピソーム発現系)。選択マーカーを発現カセットおよびベクターに組込んで、形質転換細胞および配列に選択可能な表現型を付与することができる。例えば、選択マーカーは、宿主ゲノムへの組込みが必要とされないように、エピソーム維持および複製をコードし得る。
【0466】
一態様において、本開示の方法を実施するために使用される核酸は、本開示の方法を実施するために使用されるペプチドまたはポリペプチドの原位置での発現のためにインビボで投与される。核酸は、「裸のDNA」として(例えば、米国特許第5,580,859号を参照されたい)、または発現ベクター、例えば、組換えウイルスの形態で投与することができる。核酸は、以下に記載されるように、腫瘍周囲または腫瘍内を含む任意の経路によって投与され得る。インビボで投与されるベクターは、バキュロウイルス科、パルボウイルス科、ピコルナウイルス科、ヘルペスウイルス科、ポックスウイルス科、アデノウイルス科、またはピコルナウイルス科から選択される組換え修飾エンベロープまたは非エンベロープDNAおよびRNAウイルスを含むウイルスゲノムから誘導され得る。各親ベクター特性の有利な利点を活用するキメラベクターもまた使用され得る(例えば、Feng(1997)Nature Biotechnology 15:866-870を参照されたい)。このようなウイルスゲノムは、本開示の方法を実施するために使用される核酸を含むように組換えDNA技術によって修飾され得、複製欠損、条件付き複製、または複製能力になるようにさらに操作することができる。代替の態様では、ベクターは、アデノウイルス(例えば、ヒトアデノウイルスゲノムから誘導される複製不能ベクター、例えば、米国特許第6,096,718号、同第6,110,458号、同第6,113,913号、同第5,631,236号を参照されたい)、アデノ随伴ウイルス、およびレトロウイルスゲノムから誘導される。レトロウイルスベクターは、ネズミ白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびそれらの組み合わせに基づくものを含み得、例えば、米国特許第6,117,681号、同第6,107,478号、同第5,658,775号、同第5,449,614号、Buchscher(1992)J.Virol.66:2731~2739;Johann(1992)J.Virol.66:1635-1640)を参照されたい。アデノ随伴ウイルス(AAV)ベースのベクターは、例えば、核酸およびペプチドのインビトロ産生において、ならびにインビボおよびエキソビボの遺伝子治療手順において、標的核酸で細胞を形質導入するために使用され得、例えば、米国特許第6,110,456号、同第5,474,935号、Okada(1996)Gene Ther.3:957~964を参照されたい。
【0467】
本開示はまた、融合タンパク質、およびそれらをコードする核酸の使用に関する。本開示の方法を実施するために使用されるポリペプチドは、安定性の増大または単純化された精製などの所望の特徴を付与するN末端同定ペプチドなどの異種ペプチドまたはポリペプチドに、融合することができる。本開示の方法を実施するために使用されるペプチドおよびポリペプチドはまた、例えば、より免疫原性のペプチドを産生するために、組み換え合成ペプチドをより容易に単離するために、抗体および抗体発現B細胞などを同定および単離するために、それに連結された1つ以上のさらなるドメインを有する融合タンパク質として合成および発現され得る。検出および精製促進ドメインとしては、例えば、固定化金属上で精製を可能にするポリヒスチジントラクトおよびヒスチジン-トリプトファンモジュールなどの金属キレート化ペプチド、固定化免疫グロブリン上で精製を可能にするプロテインAドメイン、およびFLAGS伸長/アフィニティー精製システムにおいて利用されるドメイン(ワシントン州、シアトル、Immunex Corp)が挙げられる。精製ドメインとモチーフ含有ペプチドまたはポリペプチドとの間に第Xa因子またはエンテロキナーゼ(カリフォルニア州、サンディエゴ、Invitrogen)などの切断可能なリンカー配列を含み、精製を容易にする。例えば、発現ベクターは、6個のヒスチジン残基に結合し、続いてチオレドキシンおよびエンテロキナーゼ切断部位に結合したエピトープコード核酸配列を含むことができる(例えば、Williams(1995)Biochemistry 34:1787-1797、Dobeli(1998)Protein Expr.Purif.12:404-414を参照されたい)。ヒスチジン残基は検出および精製を容易にし、一方エンテロキナーゼ切断部位は融合タンパク質の残りからエピトープを精製するための手段を提供する。一態様では、本開示の方法を実施するために使用されるポリペプチドをコードする核酸は、翻訳されたポリペプチドまたはその断片の分泌を配向することができるリーダー配列と共に適切な段階で組み立てられる。融合タンパク質をコードするベクターおよび融合タンパク質の適用に関する技術は、科学文献および特許文献に十分に記載され、例えば、Kroll(1993)DNA Cell.Biol.12:441-53を参照されたい。
【0468】
本開示の方法を実施するために使用される核酸およびポリペプチドは、例えば、スクリーニングおよび診断方法における使用のために、固体支持体に結合され得る。固体支持体は、例えば、膜(例えば、ニトロセルロースもしくはナイロン)、マイクロタイターディッシュ(例えば、PVC、ポリプロピレン、もしくはポリスチレン)、試験管(ガラスもしくはプラスチック)、ディップスティック(例えば、ガラス、PVC、ポリプロピレン、ポリスチレン、ラテックスなど)、微量遠心管、またはガラス、シリカ、プラスチック、金属もしくはポリマービーズ、または紙などの他の基材を含み得る。1つの固体支持体は、ペプチド上に操作されたヒスチジンタグに特異的に結合する金属(例えば、コバルトまたはニッケル)含有カラムを使用する。
【0469】
固体支持体への分子の接着は、直接的(すなわち、分子が固体支持体に接触する)または間接的(「リンカー」が支持体に結合し、目的の分子がこのリンカーに結合する)であり得る。分子は、共有結合的に(例えば、システイン残基の単一の反応性チオール基を利用すること(例えば、Colliuod(1993)BioconjugateChem.4:528-536を参照されたい))、または非共有結合的に、しかし特異的に(例えば、固定化抗体を介して固定化される(例えば、Schuhmann(1991)Adv.Mater.3:388-391、Lu(1995)Anal.Chem.67:83-87;the biotin/strepavidin system(例えば、Iwane(1997)Biophys.Biochem.Res.Comm.230:76-80);metal chelating、例えば、Langmuir-Blodgett films(例えば、Ng(1995)Langmuir 11:4048-55を参照されたい)、metal-chelating self-assembled monolayers(例えば、Sigal(1996)Anal.Chem.68:490-497を参照されたい)for binding of polyhistidine fusionsを参照されたい。
【0470】
間接的な結合は、市販されている様々なリンカーを用いて達成することができる。反応性末端は、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)活性エステル、イミドエステル、アルデヒド、エポキシド、スルホニルハライド、イソシアネート、イソチオシアネート、およびニトロアリールハライドなどのアミノ反応末端、ならびにピリジルジスルフィド、マレイミド、チオフタルイミド、および活性ハロゲンなどのチオール反応末端を含むが、これらに限定されない、様々な官能基のいずれかであり得る。ヘテロ二官能性架橋試薬は、2つの異なる反応性末端、例えば、アミノ反応性末端およびチオール反応性末端を有し、一方、ホモ二官能性試薬は、2つの類似の反応性末端、例えば、スルフヒドリル含有化合物の架橋を可能にするビスマレイミドヘキサン(BMH)を有する。スペーサーは、様々な長さであり得、脂肪族または芳香族であり得る。市販のホモ二官能性架橋試薬の例としては、ジメチルアジプイミド酸ジヒドロクロリド(DMA)、ジメチルピメルイミド酸ジヒドロクロリド(DMP)、およびジメチルスベルイミノ酸ジヒドロクロリド(DMS)などのイミドエステルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロ二官能性試薬としては、N-スクシンイミジルブロモアセテートおよびN-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB)などの市販の活性ハロゲン-NHS活性エステルカップリング剤、ならびにスルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾアート(スルホ-SIAB)(ピアス)などのスルホスクシンイミジル誘導体が挙げられる。カップリング剤の他の群は、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)(イリノイ州、ロックフォード、Pierce Chemicals)などのヘテロ二官能性およびチオール開裂性剤である。
【0471】
抗体は、本開示の方法を実施するために使用されるポリペプチドおよびペプチドを固体支持体に結合させるために使用され得る。これは、ペプチド特異的抗体をカラムに結合することによって直接行われ得るか、あるいは、例えば、既知のエピトープ(例えば、タグ(例えば、FLAG、myc))または適切な免疫グロブリン定数ドメイン配列(「イムノアドヘシン」、例えば、Capon(1989)Nature 377:525-531(1989)を参照されたい)に連結されるモチーフ含有ペプチドを含む融合タンパク質キメラを生成することによって行われ得る。
【0472】
本開示の方法を実施するために使用される核酸またはポリペプチドは、アレイに固定化するか、またはアレイに適用することができる。アレイは、本開示の方法を実施するために使用される核酸またはポリペプチドの活性に結合するか、またはその活性を調節するそれらの能力について組成物(例えば、小さい分子、抗体、核酸など)のライブラリーをスクリーニングまたは監視するために使用され得る。例えば、本開示の一態様では、監視されるパラメータは、本開示の方法を実施するために使用される核酸を含む遺伝子の転写発現である。細胞の転写物か、または細胞の転写物を表すか、もしくはそれに相補的な核酸を含む試料のハイブリダイゼーションによって(アレイ上の固定化核酸または「バイオチップ」へのハイブリダイゼーションによって)、細胞の1つ以上、または全ての転写物を測定することができる。マイクロチップ上の核酸の「アレイ」を使用することによって、細胞の転写物のいくつか、または全てを、同時に定量化することができる。あるいは、ゲノム核酸を含むアレイもまた、本開示の方法によって作製された新しく操作された株の遺伝子型を決定するために使用され得る。ポリペプチドアレイ」もまた、複数のタンパク質を同時に定量するために使用され得る。
【0473】
本明細書で使用される「アレイ」または「マイクロアレイ」または「バイオチップ」または「チップ」という用語は、複数の標的要素であり、各標的要素は規定量の1つ以上のポリペプチド(抗体を含む)または基板表面の規定面積に固定化された核酸を含む。本開示の方法を実施する際には、例えば、米国特許第6,277,628号、同第6,277,489号、同第6,261,776号、同第6,258,606号、同第6,054,270号、同第6,048,695号、同第6,045,996号、同第6,022,963号、同第6,013,440号、同第5,965,452号、同第5,959,098号、同第5,856,174号、同第5,830,645号、同第5,770,456号、同第5,632,957号、同第5,556,752号、同第5,143,854号、同第5,807,522号、同第5,800,992号、同第5,744,305号、同第5,700,637号、同第5,556,752号、同第5,434,049号(また、例えば、WO99/51773、WO99/09217、WO97/46313、WO96/17958を参照し、また、例えば、Johnston(1998)Curr.Biol.8:R171-R174、Schummer(1997)Biotechniques 23:1087-1092、Kern(1997)Biotechniques 23:120-124、Solinas-Toldo(1997)Genes,Chromosomes&Cancer 20:399-407、Bowtell(1999)Nature Genetics Supp.21:25-32も参照されたい)に記載されているように、任意の既知のアレイおよび/またはアレイを製造および使用する方法が全体的にもしくは部分的に、あるいはその変形が組込まれ得る。また、公開された米国特許出願第2001/0018642号、同第2001/0019827号、同第2001/0016322号、同第2001/0014449号、同第2001/0014448号、同第2001/0012537号、同第2001/0008765号も参照されたい。
【0474】
宿主細胞および形質転換細胞
本開示はまた、本開示の方法を実施するために使用される核酸配列、例えば、本開示の方法を実施するために使用されるポリペプチドをコードする配列、または本開示の方法を実施するために使用されるベクターを含む、形質転換細胞を提供する。宿主細胞は、原核細胞、細菌細胞などの真核細胞、真菌細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または植物細胞を含む、当業者によく知られている宿主細胞のいずれかであり得る。例示的な細菌細胞としては、大腸菌、ストレプトミセス属、枯草菌、ネズミチフス菌、ならびにシュードモナス属、ストレプトミセス属、およびブドウ球菌属の中の様々な種が挙げられる。例示的な昆虫細胞としては、ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9が挙げられる。例示的な動物細胞としては、CHO、COS、もしくはBowes黒色腫、または任意のマウスもしくはヒト細胞株が挙げられる。適切な宿主の選択は、当業者の能力の範囲内である。
【0475】
形質転換、トランスフェクション、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃、またはTi媒介遺伝子導入を含む、様々な技術のいずれかを用いて、ベクターを宿主細胞に導入することができる。特定の方法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが挙げられる。
【0476】
操作された宿主細胞は、プロモーターの活性化、形質転換体の選択、または本開示の方法を実施するために使用される遺伝子の増幅のために、適切に修飾された従来の栄養培地中で培養され得る。適切な宿主株の形質転換および適切な細胞密度への宿主株の増殖に続いて、選択されたプロモーターを適切な手段(例えば、温度シフトまたは化学的誘導)によって誘導し、細胞を、それらが所望のポリペプチドまたはその断片を産生させるために、さらなる期間培養し得る。
【0477】
細胞を遠心分離により収穫し、物理的または化学的手段により破壊することができ、得られた粗抽出物をさらなる精製のために保持する。タンパク質の発現に使用される微生物細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用を含む任意の便利な方法によって破壊することができる。そのような方法は、当業者に周知である。発現されたポリペプチドまたは断片は、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む方法によって組換え細胞培養物から回収および精製できる。タンパク質リフォールディング工程は、ポリペプチドの立体配置を完成させる際に、必要に応じて使用され得る。所望であれば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程に使用することができる。
【0478】
様々な哺乳動物細胞培養系もまた、組換えタンパク質を発現するために使用され得る。哺乳動物発現系の例は、サル腎臓線維芽細胞のCOS-7系株およびC127、3T3、CHO、HeLa、およびBHK細胞株などの適合性ベクターからタンパク質を発現することができる他の細胞株を含む。
【0479】
宿主細胞中の構築物は、組換え配列によってコードされる遺伝子産物を産生するために従来の様式で使用され得る。組換え産生手順において使用される宿主に応じて、ベクターを含有する宿主細胞によって産生されるポリペプチドはグリコシル化されていても、あるいはグリコシル化されていなくてもよい。本開示の方法を実施するために使用されるポリペプチドは、最初のメチオニンアミノ酸残基を含んでも、あるいは含まなくてもよい。
【0480】
無細胞翻訳系もまた、本開示の方法を実施するために使用されるポリペプチドを産生するために使用され得る。無細胞翻訳系は、ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸に作動可能に連結したプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを使用することができる。いくつかの態様では、DNA構築物は、インビトロ転写反応を実施する前に線状化され得る。転写されたmRNAを、次いでウサギ網状赤血球抽出物などの適当な無細胞翻訳抽出物と共にインキュベートし、所望のポリペプチドまたはそのフラグメントを産生する。
【0481】
発現ベクターは、真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸レダクターゼもしくはネオマイシン耐性、または大腸菌におけるテトラサイクリンもしくはアンピシリン耐性などの形質転換宿主細胞の選択のための表現型形質を提供するための、1つ以上の選択マーカー遺伝子を含み得る。
【0482】
哺乳動物細胞における一過性発現のために、目的のポリペプチドをコードするcDNAを、Invitrogen Corporation(米国、カリフォルニア州、サンディエゴ、カタログ番号V490-20)から市販されている哺乳動物発現ベクター、例えば、pcDNA1に組込むことができる。これは、真核生物系におけるcDNA発現、および原核生物におけるcDNA分析のために設計された多機能4.2kbプラスミドベクターであり、ベクターに組み込まれるのは、CMVプロモーターおよびエンハンサー、スプライスセグメントおよびポリアデニル化シグナル、SV40およびポリオーマウイルス複製起源、ならびにM13起源であり、配列決定および突然変異誘発のための一本鎖DNA、センスの産生のためのSp6およびT7 RNAプロモーター、ならびにアンチセンスRNA転写物、ならびにCol E1様高コピープラスミド起源を救済する。ポリリンカーは、CMVプロモーター(およびT7プロモーターの3’)の下流に適切に位置する。
【0483】
cDNAインサートは、pcDNAIポリリンカーの適切な制限部位に組込まれた上記のファージミドから、最初に放出され得る。接合部を横切る配列決定は、pcDNAIにおける適切な挿入方向を確認するために実施され得る。次いで、得られたプラスミドは、一過性発現のために、選択された哺乳動物細胞宿主、例えば、COS-1系統のサル由来線維芽細胞様細胞(メリーランド州、ロックビル、アメリカンタイプカルチャーコレクションからATCC CRL1650として入手可能)に導入され得る。
【0484】
タンパク質をコードするDNAの一過性発現のために、例えば、COS-1細胞をDEAE媒介DNAトランスフェクションによって、10COS細胞あたりおよそ8μgのDNAでトランスフェクトし、Sambrookらによって記載された手順に従ってクロロキンで処理し得る(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor N.Y,pp.16.30-16.37)。例示的な方法は以下の通りである。簡単に説明すると、COS-1細胞を5×10細胞/皿の密度で播種し、次いでFBS添加DMEM/F12培地中で24時間増殖させる。次いで培地を除去し、細胞をPBS中で、次いで培地中で洗浄する。次いで、DMEM/F12培地中にDEAEデキストラン(0.4mg/mL)、100μMクロロキン、10%NuSerum、DNA(0.4mg/mL)を含有するトランスフェクション溶液を、10mL容量の細胞に適用する。37℃で3時間インキュベートした後、細胞を、ちょうど記載されているようにPBSおよび培地中で洗浄し、次いでDMEM/F12培地中の10%DMSOで1分間ショックを与える。細胞を10%FBS補足培地中で2~3日間増殖させ、インキュベーションの終わりに皿を氷上に置き、氷冷PBSで洗浄し、次いで掻き取ることによって除去する。次いで、細胞を1000rpmで10分間の遠心分離により収穫し、細胞ペレットを引き続いてタンパク質発現における使用のために液体窒素中で凍結する。凍結細胞の融解アリコートのノーザンブロット分析を使用して、貯蔵中の細胞における受容体をコードするcDNAの発現を確認することができる。
【0485】
同様に、安定にトランスフェクトされた細胞株もまた、例えば、宿主として2つの異なる細胞型:CHO K1およびCHO Pro5を用いて調製することができる。これらの細胞株を構築するために、関連タンパク質をコードするcDNAを、安定な発現を可能にする哺乳動物発現ベクターpRC/CMV(Invitrogen)に組込むことができる。この部位に挿入することにより、cDNAをサイトメガロウイルスプロモーターの発現制御下に、かつポリアデニル化部位およびウシ成長ホルモン遺伝子のターミネーターの上流に、選択可能なマーカーとしてネオマイシン耐性遺伝子(SV40初期プロモーターにより駆動される)を含むベクターバックグラウンド内に配置する。
【0486】
上記のように構築されたプラスミドを導入するための例示的なプロトコールは以下の通りである。宿主CHO細胞を最初に、10%FBS補足MEM培地中に5×10の密度で播種する。24時間増殖させた後、新鮮な培地をプレートに添加し、3時間後、細胞をリン酸カルシウム-DNA共沈殿法(Sambrookら、前出)を用いてトランスフェクトする。簡単に説明すると、3μgのDNAを混合し、緩衝カルシウム溶液と共に室温で10分間インキュベートする。等量の緩衝リン酸溶液を添加し、懸濁液を室温で15分間インキュベートする。次に、インキュベートした懸濁液を細胞に4時間適用し、取り出し、細胞に15%グリセロールを含有する培地でショックを与えた。3分後、細胞を培地で洗浄し、通常の増殖条件で24時間インキュベートする。ネオマイシン耐性細胞を、G418(1mg/mL)を含有する10%FBS補足α-MEM培地中で選択する。G418耐性細胞の個々のコロニーを約2~3週間後に単離し、クローン的に選択し、次いでアッセイの目的のために増殖させる。
【実施例
【0487】
以下の実施例は、本明細書に記載の化合物の一般的合成手順を示す。本明細書に記載の化合物の合成は、これらの実施例およびスキームによって限定されない。当業者であれば、本明細書に記載の化合物を合成するために他の手順を使用できること、かつ実施例およびスキームに記載の手順はそのような手順の1つにすぎないことを理解するであろう。以下の説明において、当業者は、特定の反応条件、添加された試薬、溶媒、および反応温度が、本開示の範囲内に含まれる特定の化合物の合成のために修正され得ることを認識するであろう。他に特定されない限り、それらの製造方法の説明を含まない以下の実施例における中間化合物は、当業者に市販されるか、あるいは市販の前駆体分子および当該技術分野で既知の合成方法を用いて当業者によって合成され得るかのいずれかである。
【0488】
以下の一般的スキームおよび合成例は、例示を意図したものであり、本開示の範囲を限定するか、またはそれに限定されるものではない。
一般的なスキーム
一般スキーム1
【化95】
【0489】
化合物A1、化合物B1、パラジウム触媒塩基(クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’、6’-ジ-イ-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)など)、適切なエーテル付加物(メチル-t-ブチルエーテル付加物など)、適切な塩基(ナトリウムtert-ブトキシドなど)、および適切な溶媒(THFなど)を一緒に添加する。次いで反応混合物を適切な反応条件下に配置し、化合物C1を形成する。
一般スキーム2
【化96】
【0490】
工程1:
開始物質A2に、適切な溶媒(例えばTHF)中でA2およびPを適切な酸(メタンスルホン酸など)と組み合わせることで、保護基P(3,4-ジヒドロ-2h-ピランなど)を添加する。反応混合物を適切な反応条件下に置き、化合物A2’を形成する。
【0491】
工程2:
化合物A2’、化合物B2、パラジウム触媒塩基(クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’、6’-ジ-イ-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)など)、適切なエーテル付加物(メチル-t-ブチルエーテル付加物など)、適切な塩基(ナトリウムtert-ブトキシドなど)、および適切な溶媒(THFなど)を一緒に添加する。次いで反応混合物を適切な反応条件下に置き、化合物C2’を形成する。
【0492】
工程3:
化合物C2’に適切な溶媒(MeOHおよびTHFなど)および適切な酸(HClなど)を適切な反応条件下で添加し、保護基Pを除去し、化合物C2’を形成する。
一般スキーム3
【化97】
【0493】
適切な溶媒(THFなど)中の化合物Dに、適切な有機リチウム試薬(ブチルリチウムなどのアルキルリチウム試薬)、または適切なグリニャール試薬(クロロ(イソプロピル)マグネシウムなど)を添加する。反応混合物にケトン化合物Eを添加し、反応混合物を適切な反応条件下に配置し、化合物Fを形成する。
一般スキーム4
【化98】
【0494】
工程1:
適切な溶媒(ジクロロメタンなど)中の化合物Gに、1-イソチオシアネート-4-ニトロ-ベンゼンを添加する。反応混合物を適切な反応条件下に配置し、化合物Hを得る。
【0495】
工程2:
化合物Hに、N-エチル-N-イソプロピル-プロパン-2-アミンおよびイソプロパノールを添加する。反応混合物を適切な反応条件下に配置し、化合物Iを得る。
【0496】
工程3:
化合物Iに適切な塩基(炭酸カリウムなど)および適切なアルキル化剤(ヨードエタンなど)を添加する。反応混合物を適切な反応条件下に配置し、化合物Jを得る。
【0497】
工程4:
適切な反応条件下で、THF(5mL)などの適切な溶媒中の化合物Jに、適切な有機リチウム試薬(ブチルリチウムなどのアルキルリチウム試薬)を添加する。次いで化合物Kを反応混合物に加え、反応混合物を適切な反応条件下に配置し、化合物Lを得る。
【0498】
工程5:
適切な溶媒中の化合物Lにラネーニッケルを添加する。反応混合物を適切な反応条件下に配置し、化合物Mを得る。
【0499】
合成実施例
本明細書では、J.Org.Chem.2007 72(1):23A-24Aに定義される標準的な略語および頭字語を使用する。本明細書で使用される他の略語および頭字語は、上に記載されている。
【0500】
下記の実施例1~4に示される三環式化合物の調製は、成功する結果を達成するために、多数の試みおよび反応条件の変更を含む重要な実験を必要とした。
【0501】
実施例1
(5,6-ジヒドロ-1H-シクロブタ[f]インダゾール-7-イル)(1-メチルシクロヘキシル)メタノール(P-0054)
スキーム1
【化99】
工程1-tert-ブチルN-(4-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエニル)カルバメート(2)の調製
ジオキサン(30mL)中の4-ブロモビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン(1、3.25g、17.76mmol)に、tert-ブチルカルバメート(2.53g、21.6mmol)、炭酸セシウム(9.2g、28.24mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(0.5g、0.86mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム-クロロホルム付加物(0.3g、0.29mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下、105℃で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(2)を得た。
【0502】
工程2-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-4-アミン(3)の調製
ジクロロメタン(20mL)中のtert-ブチルN-(4-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエニル)カルバミン酸(2、1.64g、7.48mmol)に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(2g、17.54mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し生成物(3)を得て、それをそれ以上精製せずに次の工程に用いた。[M+H=120.0。
【0503】
工程3-4-ブロモビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-3-アミン(4)の調製
窒素下で-30℃に冷却したアセトニトリル(60mL)中のビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-4-アミン(3,0.89g、7.47mmol)に1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(1.36g、7.62mmol)を添加した。反応混合物を一晩かけて室温まで温めた。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して、周囲に粗生成物(4)を得た[M+H=197.8、199.8。
【0504】
工程4-3-メチルビシクロの調製[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-4-アミン(5)の調製
1,4-ジオキサン(15mL)および水(5.0mL)中の4-ブロモビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-3-アミン(4、1.6g、8.08mmol)およびメチルボロン酸(1.5g、25.06mmol)へ、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.5g、0.68mmol)、および炭酸カリウム(5g、36.18mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下、90℃で3時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(5)を得た。[M+H=134.0。
【0505】
工程5-5-ブロモ-3-メチル-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-4-アミン(6)の調製
窒素下で-30℃に冷却したアセトニトリル(15mL)中の3-メチルビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5-トリエン-4-アミン(5、0.25g、1.84mmol)に、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(0.33g、1.88mmol)を添加した。反応混合物を1時間かけて室温まで温めた。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインおよび炭酸カリウムで5回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して粗生成物(6)を得た。[M+H=211.8、213.8。
【0506】
工程6-7-ブロモ-5,6-ジヒドロ-1H-シクロブタ[f]インダゾール(7)の調製
酢酸(10mL)中の5-ブロモ-3-メチル-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-4-アミン(6、0.38g、1.79mmol)に、水(1.0mL)中で溶解した亜硝酸ナトリウム(0.4g、5.83mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、塩化メチレン中1%~10%のメタノールで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、次いで逆C18カラムでさらに精製して生成物(7)を得た。[M+H=222.8、224.8。
【0507】
工程7-(5,6-ジヒドロ-1H-シクロブタ[f]インダゾール-7-イル)(1-メチルシクロヘキシル)メタノール(8、P-0054)の製造
窒素下で-78℃に冷却したTHF(4mL)中の7-ブロモ-5,6-ジヒドロ-1H-シクロブタ[f]インダゾール(7、0.07g、0.31mmol)に、ヘキサン(0.3mL)中で2.5Mのn-BuLiを添加した。30分後、1-メチルシクロヘキサンカルバルデヒド(0.08g、0.63mmol)を、反応物に添加した。次いで、反応混合物を1時間で室温に温めた。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、塩化メチレン中1%~12%のメタノールで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(8、P-0054)を得た。[M+H=271.2。
【0508】
実施例2
(1-メチルシクロヘキシル)(6,7,8,9-テトラヒドロ-3H-ベンゾ[e]インダゾール-4-イル)メタノール(P-0050)
スキーム2
【化100】
工程1-5-ブロモテトラリン-6-アミン(10)の調製
窒素下で-20℃に冷却したアセトニトリル(60mL)中のテトラリン-6-アミン(9、2.3g、15.62mmol)に、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(2.78g、15.62mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を2時間で0℃に温めた。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して、H NMRに従って85:15の比で10および11の混合物を得た。[M+H=225.8、227.8。
スキーム3
【化101】
【0509】
工程2-5-メチルテトラリン-6-アミン(12)の調製
1,4-ジオキサン(15mL)および水(2.0mL)中の5-ブロモテトラリン-6-アミン(10、1.2g、5.31mmol、前の工程からの純度85%)に、[1,1’-ビスジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.4g、0.55mmol)および2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン(0.72g、5.75mmol)および炭酸カリウム(3.25g、23.52mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下、90℃で3日間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(12)を得た。[M+H=162.0。
【0510】
工程3-7-ブロモ-5-メチル-テトラリン-6-アミン(13)の調製
窒素下で-50℃に冷却したアセトニトリル(30mL)中の5-メチルテトラリン-6-アミン(12、1.9g、11.78mmol、85%純度)に、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(2.1g、11.8mmol)を添加した。反応混合物を2時間で0℃に温めた。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し粗生成物(13%)を得て、それをそれ以上精製せずに次の工程に直接使用した。[M+H=240.0、241.9。
【0511】
工程4-4-ブロモ-6,7,8,9-テトラヒドロ-3H-ベンゾ[e]インダゾール(14)の調製
酢酸(30mL)中の7-ブロモ-5-メチル-テトラリン-6-アミン(13、1.4g、5.83mmol、85%純度)に、水(1.0mL)中で溶解した亜硝酸ナトリウム(0.4g、5.83mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(14)を得た。[M+H=251.0、253.0。
【0512】
工程5-(1-メチルシクロヘキシル)(6,7,8,9-テトラヒドロ-3H-ベンゾ[e]インダゾール-4-イル)メタノール(15、P-0050)の調製
窒素下で-78℃に冷却したTHF(6mL)中の4-ブロモ-6,7,8,9-テトラヒドロ-3H-ベンゾ[e]インダゾール(14、0.3g、1.19mmol)に、THF(0.25mL)中で11Mのn-BuLiを添加した。20分後、1-メチルシクロヘキサンカルバルデヒド(0.3g、2.38mmol)を反応物に添加した。反応混合物を1時間で室温に温めた。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中5%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで逆相C18カラムでさらに精製し、生成物(15、P-0050)を得、開始物質210mgを回収した。MS(ESI)[M+H=299.1。
【0513】
実施例3
9-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール(中間体24)
スキーム4
【化102】
工程1-N-テトラリン-6-イルアセトアミド(17)の調製
酢酸エチル(50mL)中のテトラリン-6-アミン(16,5g、33.96mmol)に、ピリジン(3.7mL、45.98mmol)および酢酸アセチル(3.53mL、37.36mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(17)を得た。[M+H=190.2。
【0514】
工程2-N-(7-ブロモテトラリン-6-イル)アセトアミド(18)の調製
10℃に冷却した酢酸(30mL)中のN-テトラリン-6-イルアセトアミド(17、2.4g、12.68mmol)に、臭素(0.78mL、15.22mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を2時間かけて0℃に温めた。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し生成物18および19の混合物をおよそ1:2の比で得た。この混合物をそれ以上精製せずに次の工程に直接使用した。[M+H=267.9、269.9。
【0515】
工程3-N-(7-メチルテトラリン-6-イル)アセトアミド(20)の調製
1,4-ジオキサン(15mL)および水(5.0mL)中のN-(7-ブロモテトラリン-6-イル)アセトアミド(18)およびN-(5-ブロモテトラリン-6-イル)アセトアミド(19)の混合物(3.3g、12.3mmol、18:19~1:2)に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.5g、0.68mmol)、メチルボロン酸(1.47g、24.56mmol)および炭酸カリウム(5.5g、39.8mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下、90℃で3時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物(20)および生成物(21)を得た。生成物20:[M+H=204.0。
スキーム5
【化103】
【0516】
工程4-7-メチルテトラリン-6-アミン(22)の調製
N-(7-メチルテトラリン-6-イル)アセトアミド(20、0.75g、3.69mmol)に、水(40mL)中で6N塩化水素を添加した。反応混合物を110℃で6時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し生成物(22)を得た。[M+H=162.1。
【0517】
工程5-5-ブロモ-7-メチル-テトラリン-6-アミン(23)の調製
-40℃のアセトニトリル(15mL)中の7-メチルテトラリン-6-アミン(22、0.46g、2.85mmol)に、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(4.55g、25.57mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を室温に温め、次いで一晩撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し粗生成物(23)を得て、それを次の工程に直接使用した。[M+H=239.8、241.8。
【0518】
工程6-9-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール(24)の調製
酢酸(30mL)中の5-ブロモ-7-メチル-テトラリン-6-アミン(23、0.66g、2.75mmol)に、亜硝酸ナトリウム(0.19g、2.75mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物(24)を得た。[M+H=250.9、252.9。
【0519】
実施例4
(1-メチルシクロヘキシル)(1,5,6,7-テトラヒドロシクロペンタ[f]インダゾール-8-イル)メタノール(P-0099)
スキーム6
【化104】
工程1-N-(6-ブロモインダン-5-イル)アセトアミド(26)の調製
酢酸エチル(20mL)中の6-ブロモインダン-5-アミン(25、1.3g、6.13mmol)に、ピリジン(0.9mL、11.17mmol)および酢酸アセチル(0.65mL、6.88mmol)を添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、生成物(26)を得た。MS(ESI)[M+H=253.9、255.9。
【0520】
工程2-N-(6-メチルインダン-5-イル)アセトアミド(27)の調製
1,4-ジオキサン(15mL)および水(5mL)中のN-(6-ブロモインダン-5-イル)アセトアミド(26、1.4g、5.51mmol)およびメチルボロン酸(1g、16.71mmol)に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.5g、0.68mmol)、および炭酸カリウム(3.5g、25.32mmol)を添加した。反応混合物を窒素下、90℃で2時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(27)を得た。MS(ESI)[M+H=190.1。
【0521】
工程3-6-メチルインダン-5-アミン(28)の調製
N-(6-メチルインダン-5-イル)アセトアミド(27、0.7g、3.7mmol)に、HO中で6M塩化水素(25mL)を添加した。反応混合物を110℃で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して生成物(28)を得た。MS(ESI)[M+H=148.0。
【0522】
工程4-4-ブロモ-6-メチル-インダン-5-アミン(29)の調製
窒素下で-30℃に冷却したアセトニトリル(15mL)中の6-メチルインダン-5-アミン(28、0.47g、3.19mmol)に、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(0.58g、3.26mmol)を添加した。反応混合物を1時間かけて室温まで温めた。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインおよび炭酸カリウムで5回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して粗生成物(29)を得た。[M+H=225.8、227.8。
【0523】
工程5-8-ブロモ-1,5,6,7-テトラヒドロシクロペンタ[f]インダゾール(30)の調製
酢酸(10mL)中の4-ブロモ-6-メチル-インダン-5-アミン(29、0.72g、3.18mmol)に、水(1.0mL)で溶解した亜硝酸ナトリウム(0.22g、3.25mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、炭酸カリウム水溶液(約1mLの1M溶液)に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中5%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いでさらに逆C18カラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物(30)を得た。[M+H=236.9、238.9。
【0524】
工程6-(1-メチルシクロヘキシル)(1,5,6,7-テトラヒドロシクロペンタ[f]インダゾール-8-イル)メタノール(31、P-0099)の調製
ドライアイス/アセトンで冷却した窒素下、THF(4mL)中の8-ブロモ-1,5,6,7-テトラヒドロシクロペンタ[f]インダゾール(30、0.03g、0.13mmol)に、ヘキサン(0.15mL)中で2.5Mのブチルリチウムを添加した。30分後、1-メチルシクロヘキサンカルバルデヒド(0.05g、0.38mmol)を反応物に添加した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、塩化メチレン中1%~15%のメタノールで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いでさらにRP-HPLCにより精製し、生成物(31、P-0099)を得た。MS(ESI)[M+H=284.9。
【0525】
実施例5
((1S、3s)-アダマンタン-1-イル)(イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノール(P-0087)
スキーム7
【化105】
-30℃の窒素大気下、THF(5mL)中の5-ブロモイミダゾ[1,5-a]ピリジン(32、0.27g、1.37mmol)に、THF(0.75mL)中の2Mクロロ(イソプロピル)マグネシウムを添加した。反応混合物を1時間0℃に温め、続いてTHF(1.0mL)中のアダマンタン-1-カルバルデヒド(0.18g、1.1mmol)を添加した。1時間後、反応混合物を10分間室温に温めた。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物(33、P-0087)を得た。MS(ESI)[M+H=283.0。
【0526】
実施例6
2-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)スピロ[3.3]ヘプタン-2-オール(P-0012)
スキーム8
【化106】
窒素下で-78℃に冷却したTHF(6mL)中の7-ブロモ-5-クロロ-1H-インダゾール(34、0.64g、2.76mmol)に、THF(0.53mL)中で10Mのn-BuLiを添加した。1時間後、スピロ[3.3]ヘプタン-6-オン(0.34g、3.04mmol)を反応混合物に添加した。反応混合物を1時間かけて室温まで温めた。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮した後、ヘキサン中10%~100%の酢酸エチルで溶出することによりシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(35、P-0012)を得た。MS(ESI)[M+H=263.0。
【0527】
実施例7
5-クロロ-6-フルオロ-7-(8-(メチルスルホニル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インダゾール(P-0096)
スキーム9
【化107】
工程1-4-クロロ-5-フルオロ-2-メチルアニリン(37)の調製
アセトニトリル(100mL)中の5-フルオロ-2-メチルアニリン(36、6.53g、52.2mmol)にN-クロロスクシンイミド(6.68g、50.02mmol)を添加した。反応混合物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中10%~100%の酢酸エチルで溶出することによりシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(37)を得た。[M+H=160.1。
【0528】
工程2-2-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-6-メチルアニリン(38)の調製
乾燥した250mLの三口丸底フラスコに、4-クロロ-5-フルオロ-2-メチル-アニリン(37、5.23g、32.86mmol)およびアセトニトリル(100.0mL)を添加した。反応容器をN下に配置し、0℃で撹拌し、その後N-ブロモスクシンイミド(5.83g、32.77mmol、アセトニトリル60.0mL中)をゆっくり添加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。LC/ESI-MSにより決定される反応が完了した後、反応混合物を水中に注ぎ込み、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中10%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(38)を得た。[M+H=237.8、239.8。
【0529】
工程3-7-ブロモ-5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール(39)の調製
室温でのAcOH(210mL)中の2-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-6-メチルアニリン(38、5.03g、21.1mmol)に、HO(4.0mL)中で亜硝酸ナトリウム(1454.5mg、21.08mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を室温で17時間撹拌した。次いで反応混合物を濃縮し、900mLの氷水に注ぎ込み、激しく撹拌して沈殿物を得た。沈殿物を真空濾過により集め、酢酸エチル(300mL)に溶解し、その後有機画分をHO(2×100mL)および5MのNaCl(1×100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて固体を得た。固体をエーテル(100mL)で粉砕し、固体を得て、それを真空濾過により集め、乾燥した(39、3770mg、収率72%)。[M+H=250.90。次いで濾液を蒸発させ、さらなる生成物を固体(39)として提供した。[M+H]+=250.90。
【0530】
工程4-7-ブロモ-5-クロロ-6-フルオロ-1-テトラヒドロピラン-2-イルインダゾール(40)の調製
乾燥した50mL厚肉圧力容器に、7-ブロモ-5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール(39、1247.8mg、5.002mmol)、3,4-ジヒドロ-2h-ピラン(1.36mL、1261.2mg、14.99mmol)、メタンスルホン酸(4.0μL、4.805mg、0.050mmol)、およびTHF(5.0mL)を添加した。反応混合物をN下に配置し、密閉し、13時間かけて80℃に加熱した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中10%~100%の酢酸エチルで溶出することによりシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(40)を得た。[M+H=333.0、335.0。
【0531】
工程5-5-クロロ-6-フルオロ-7-(8-メチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-テトラヒドロピラン-2-イル-インダゾール(41)の調製
乾燥した50mL厚肉圧力容器に、7-ブロモ-5-クロロ-6-フルオロ-1-テトラヒドロピラン-2-イル-インダゾール(40、528.2mg、1.583mmol)、8-メチルスルホニル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩(395.8mg、1.746mmol)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’、6’-ジ-イ-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)、メチル-t-ブチルエーテル付加物(Strem Chemicals 46-0266、RuPhos Palladacycle Gen 1、129.9mg、0.159mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(THF中2.0M、1.74mL、3.48mmol)、およびTHF(15.0mL)を添加した。圧力容器をN下に配置し、密封し、100℃で2時間加熱した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中10%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(41)を得た。[M+H=443.1。
【0532】
工程6-5-クロロ-6-フルオロ-7-(8-(メチルスルホニル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1H-インダゾール(42、P-0096の調製)
乾燥した20mLガラスシンチレーションバイアルに、5-クロロ-6-フルオロ-7-(8-メチルスルホニル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1-テトラヒドロピラン-2-イル-インダゾール(41、129.0mg、0.291mmol)、MeOH(10.0mL)およびTHF(3mL)を添加した。反応物を20℃で撹拌し、その後HCl(MeOH中3N、Ampule、Supelco、0.971mL、2.912mmol)をシリンジによりゆっくりと滴下した。反応バイアルをN下に配置し、密封し、20℃で2時間撹拌した。
【0533】
反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(C18、0~100%CHCN(0.1%HCOH)、HO(0.1%HCOH))で精製して、生成物(42、P-0096)を得た。[M+H=359.1。
【0534】
実施例8
(1R、5S)-3’-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)スピロ[アダマンタン-2,1’-シクロブタン]-3’-オール(P-0100)
スキーム10
【化108】
工程1-2-メチルアダマンタン-2-オール(44)の調製
窒素下でドライアイス/アセトンで冷却したTHF(100mL)中のアダマンタン-2-オン(43、5.4g、35.95mmol)に、エーテル(24.71mL)中で1.6Mメチルリチウムをゆっくり添加した。反応混合物を一晩かけて室温まで温めた。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して生成物(44)を得た。
【0535】
工程2-2-クロロ-2-メチル-アダマンタン(45)の製造
塩化メチレン(10mL)中の2-メチルアダマンタン-2-オール(44、5.9g、35.49mmol)に、塩化チオニル(5mL、68.92mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮して生成物(45)を得た。
【0536】
工程3-2-メチレンアダマンタン(46)の調製
アセトニトリル(50mL)中の2-クロロ-2-メチル-アダマンタン(45、6.5g、35.19mmol)に、炭酸カリウム(8g、57.89mmol)を添加した。反応混合物を還流温度で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して生成物(46)を得た。
【0537】
工程4-2’,2’-ジクロロスピロ[アダマンタン-2,3’-シクロブタン]-1’-オン(47)
エーテル(30mL)中の2-メチレンアダマンタン(46、1.2g、8.09mmol)に、亜鉛(1.8g、27.53mmol)、および2,2,2-トリクロロアセチルクロリド(0.96mL、8.55mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を、室温で2時間超音波処理した。2時間後に温度は約35℃に上昇した。反応混合物を濾過し、濃縮し、ヘキサン中5%~100%の酢酸エチルで溶出することによりシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(47)を得た。
【0538】
工程5-スピロ[アダマンタン-2,3’-シクロブタン]-1’-オン(48)の調製
酢酸(15mL)中の2’、2’-ジクロロスピロ[アダマンタン-2,3’-シクロブタン]-1’-オン(47、1.9g、7.33mmol)に、亜鉛(1.5g、22.94mmol)を添加した。反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。次いで水層を、6NのHClでpH約4に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して生成物(48)を得た。
【0539】
工程6-1’-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)スピロ[アダマンタン-2,3’-シクロブタン]-1’-オール(49、P-0100)の調製
窒素下で-78℃に冷却したTHF(5mL)中の7-ブロモ-5-クロロ-1H-インダゾール(0.85g、3.67mmol)に、THF(0.67mL)中で1Mのn-BuLiを添加した。1時間後、スピロ[アダマンタン-2,3’-シクロブタン]-1’-オン(48、0.4g、2.1mmol)を反応混合物に添加した。反応混合物を1時間かけて室温まで温めた。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中10%~100%の酢酸エチルで溶出することによりシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(49、P-0100)を得た。MS(ESI)[M+H=343.0。
【0540】
実施例9
(5-クロロ-4-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)(3,3-ジフルオロ-1-メチルシクロブチル)メタノール(P-650)
スキーム11
【化109】
工程1-3,3-ジフルオロ-N-メトキシ-N,1-ジメチルシクロブタン-1-カルボキサミド(51)の調製
3,3-ジフルオロ-1-メチル-シクロブタンカルボン酸(50、1g、6.63mmol)にNMPを添加した。この溶液に、N,O-ジメチルヒドロキシルアミンHCl(0.65g、6.67mmol)、およびピリジン(3mL、37.1mmol)を添加した。数分後、1.68Mの2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシド(T3P、10mL、酢酸エチル中)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。反応物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機相を、水(1×200mL)、飽和塩化アンモニウム(1×200mL)およびブライン(3×200mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去して、生成物(51)を得た。
スキーム12
【化110】
【0541】
工程2-4-クロロ-3-フルオロ-2-メチルアニリン(53)の調製
アセトニトリル(200mL)中の3-フルオロ-2-メチル-アニリン(52、5.01g、40mmol)の溶液に、N-クロロスクシンイミド(2.67mL、42mmol)を添加した。混合物を、110℃で3時間加熱還流した。混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水に続いてブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中30%ジクロロメタンで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物(53)を得た。MS(ESI)[M+H=160.2。
【0542】
工程3-6-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-メチルアニリン(54)の調製
アセトニトリル(200mL)中の4-クロロ-3-フルオロ-2-メチル-アニリン(53、5.3g、33.21mmol)の氷冷溶液に、N-ブロモスクシンイミド(2.96mL、34.87mmol)を少しずつ添加した。混合物を撹拌し、3時間かけて室温に温めた。混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水に続いてブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中40%ジクロロメタンで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物(54)を得た。MS(ESI)[M+H=239.9。
【0543】
工程4-7-ブロモ-5-クロロ-4-フルオロ-1H-インダゾール(55)の調製
酢酸(50mL)中の6-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-メチル-アニリン(54、4.29g、17.99mmol)の氷冷混合物に、水中で亜硝酸ナトリウム(1.37g、19.79mmol)の混合物をゆっくり添加した。混合物を撹拌し、室温に1時間温めた。反応混合物を氷水に注ぎ込んだ。沈殿した淡い固体を、真空濾過により収集し、水で洗浄して、生成物(55)を提供した。MS(ESI)[M+H=250.9。
【0544】
工程5-(5-クロロ-4-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)(3,3-ジフルオロ-1-メチルシクロブチル)メタノン(56)の調製
50mLの丸底フラスコに、7-ブロモ-5-クロロ-4-フルオロ-1H-インダゾール(55、0.5g、2mmol)、続いてTHF(10mL)を添加した。溶液を脱気し、窒素でパージし、-78℃で5分間撹拌した。この溶液に、2.5Mのn-BuLi(1.6mL、THF)を添加し、混合物を-78℃で30分間撹拌した。この反応物に3,3-ジフルオロ-N-メトキシ-N,1-ジメチル-シクロブタンカルボキサミド(51、0.19g、1mmol)を添加し、反応物を室温に温めながら2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和塩化アンモニウムおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。揮発物を減圧下で除去し、得られた残渣をヘキサン中10~100%酢酸エチルで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物(56)を得た。
【0545】
工程6-(5-クロロ-4-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)(3,3-ジフルオロ-1-メチルシクロブチル)メタノール(57、P-0650)の調製
(5-クロロ-4-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)-(3,3-ジフルオロ-1-メチル-シクロブチル)メタノン(56、85mg、0.28mmol)にTHF(8mL)を添加した。得られた溶液を0℃で5分間撹拌し、THF中1MのLiAlH4(0.7mL)を添加した。混合物を、1時間室温に温めながら撹拌した。反応物を硫酸ナトリウム十水和物(約1g)で急冷し、添加して30分間撹拌した。固体を濾過により除去し、溶媒を減圧下で除去して、生成物(57、P-0650)を得た。MS(ESI)[M+H=305.05。
【0546】
実施例10
(7-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-メチルシクロヘキシル)メタノール(P-0083)
スキーム13
【化111】
工程1-1-[(4-クロロ-2-ピリジル)メチル]-3-(4-ニトロフェニル)チオウレア(63)の調製
ジクロロメタン(50mL)中の(4-クロロ-2-ピリジル)メタンアミン(59、0.51g、3.58mmol)に、1-イソチオシアナト-4-ニトロ-ベンゼン(65、0.66g、3.65mmol)を添加した。反応混合物を室温で約1時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応液を濃縮し、酢酸エチルとヘキサンで洗浄して、生成物(63)を得た。
【0547】
工程2-7-クロロ-2H-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-チオン(60)の調製
1-[(4-クロロ-2-ピリジル)メチル]-3-(4-ニトロフェニル)チオ尿素(63、1.7g、5.27mmol)に、N-エチル-N-イソプロピル-プロパン-2-アミン(10mL、56.02mmol)およびイソプロパノール(150mL)を添加した。反応物を150℃で一晩撹拌した。反応物を濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(60)を得た。
【0548】
工程3-7-クロロ-3-エチルスルファニル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン(61)の調製
アセトン(30mL)中の7-クロロ-2H-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-チオン(60、0.27g、1.44mmol)に、炭酸カリウム(0.67g、4.85mmol)およびヨードエタン(0.13mL、1.64mmol)を添加した。反応混合物を45℃で90分間撹拌した。反応液を濾過し、濃縮し、ヘキサン中20%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(61)を得た。
【0549】
工程4-(7-クロロ-3-エチルスルファニル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-メチルシクロヘキシル)メタノール(62)の調製
-78℃の窒素大気下、THF(5mL)中の7-クロロ-3-エチルスルファニル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン(61、0.25g、1.15mmol)に、ヘキサン中(0.55mL)で2.5Mのブチルリチウムを添加した。30分後、1-メチルシクロヘキサンカルバルデヒド(0.17g、1.38mmol)を反応混合物に添加した。反応混合物を-78℃で2時間撹拌し、次いで室温に温めた。反応物を炭酸カリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、塩化メチレン中2%~15%のメタノールで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、次いで逆相C18カラムでさらに精製して、生成物(62)を得た。
【0550】
工程5-(7-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-メチルシクロヘキシル)メタノール(64、P-0083)
エタノール(30mL)中の(7-クロロ-3-エチルスルファニル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-メチルシクロヘキシル)メタノール(62、0.18g、0.53mmol)に、過剰量のラネーニッケル(4mL)を添加した。反応液を70℃で1時間加熱した。反応混合物を濾過し、濃縮し、塩化メチレン中2%~20%のメタノールで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(64、P-0083)を得た。MS(ESI)[M+H=279.0。
【0551】
実施例11
ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)メタノール(P-0294)
スキーム14
【化112】
工程1-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)メタノール(P-0294)の調製
-20℃のTHF(35mL)中の7-ブロモ-5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール(39、3.79g、15.17mmol)に、水素化ナトリウム(60%、0.78g、19.5mmol)を添加した。反応物を室温で40分間撹拌した。反応物を-78℃に冷却し、続いてヘキサン(19.0ml)中で1.7Mのtert-ブチルリチウムをゆっくり添加した。20分後、反応物を20分間-25℃に温めた。反応物を-78℃に冷却し、続いてTHF(5mL)中でビシクロ[2.2.2]オクタン-4-カルバルデヒド(66、1.55g、11.21mmol)を添加した。-78℃で40分後、反応物を15分間室温に温めた。反応液をアンモニア水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中10%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに逆相C18フラッシュクロマトグラフィーで精製して、生成物(P-0294)を得た。MS(ESI)[M-H+]=306.9。
【0552】
実施例12
(R)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)メタノール(P-0335)および(S)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)メタノール(P-0334)
スキーム15
【化113】
工程1-(R)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)メタノール(P-0335)および(S)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)メタノール(P-0334)の調製
ラセミ体ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)メタノール(P-0294、1.0g)を、2.1×25.0のChiral Technologies製Chiralpak ICカラムで、120barおよび25℃、90g/分でのCOおよび15%メタノール(0.25%イソプロピルアミンを含む)で溶出するアイソクラティック法を使用して、分取超臨界流体クロマトグラフィーによって分離した。これにより、(R)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)メタノール(P-0335)および(S)-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-7-イル)メタノール(P-0334)を得た。絶対立体化学は、X線結晶学および生物学的活性に基づいて割り当てられた。
【0553】
実施例13
tert-ブチル(S)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(P-0337)およびtert-ブチル(R)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(P-0338)
スキーム16
【化114】
工程1-tert-ブチル4-(2-エトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(68)の調製
窒素下、-78℃のテトラヒドロフラン(50ml)中の2-メチルプロパン酸エチル(4.60ml、34.25mmol)に、THF(28ml)中の1.37Mリチウムジイソプロピルアミドの溶液をゆっくり添加した。-78℃で1時間撹拌した後、tert-ブチルtert-ブチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(67、7.51g、37.68mmol)を添加した。1時間後、混合物を室温に温めた。反応液を塩化アンモニア水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中5%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(68)を得た。
【0554】
工程2-tert-ブチル4-(2-エトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(69)の調製
THF(25ml)中のバージェス試薬(3.41g、14.32mmol)の懸濁液に、tert-ブチル4-(2-エトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(68、3.00g、9.51mmol)をゆっくりと添加した。混合物を70℃で1時間撹拌した。次いで反応物を室温で3日間撹拌した。混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中5%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(69)を得た。
【0555】
工程3-tert-ブチル4-(2-エトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(70)の調製
メタノール(50ml)中のtert-ブチル4-(2-エトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(69、0.88g、2.96mmol)の溶液に、パールマン触媒(0.3g)を添加した。混合物を脱気し、水素でパージした。反応混合物を、1気圧の水素下、室温で一晩撹拌した。反応物を濾過し、濃縮し、生成物(70)を得た。
【0556】
工程4-2-メチル-2-(4-ピペリジル)プロパン酸(71)の調製
tert-ブチル4-(2-エトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(70、0.86g、2.86mmol)に、6NのHCl(5ml)を添加した。混合物を100℃で12時間撹拌した。反応物を濃縮し、生成物(71)を得た。
【0557】
工程5-2-(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジル)-2-メチル-プロパン酸(72)の調製
THF(35ml)中の2-メチル-2-(4-ピペリジル)プロパン酸HCl塩(71、0.95g、5.55mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.93ml、6.66mmol)、ジ-tert-ブチルジカーボネート(1.4ml、6.1mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(68mg、0.55mmol)を添加した。混合物を70℃で一晩撹拌した。混合物を炭酸カリウム水溶液に注ぎ込み、エーテルで抽出した。水相を新しいエーテル(3×200ml)で洗浄し、合わせた有機抽出物を破棄した。次いで水相を1NのHClで中和し、エーテルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、生成物(72)を得た。
【0558】
工程6-tert-ブチル4-[2-[メトキシ(メチル)アミノ]-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(73)の調製
NMP(15ml)中の2-(1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジル)-2-メチル-プロパン酸(72、0.55g、2.03mmol)の溶液に、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.2g、2.03mmol)、続いてピリジン(0.73ml、9.03mmol)および1.68Mの2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-三酸化物(3.6ml)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和塩化アンモニウム、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、生成物(73)を得た。
【0559】
工程7-tert-ブチル4-[2-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(74)の調製
-20℃のTHF(70mL)中の7-ブロモ-5-クロロ-1H-インダゾール(6.3g、27.2mmol)に、水素化ナトリウム(鉱油中60%、1.56g、39.0mmol)を添加した。反応物を室温で100分間撹拌した。反応物を-78℃に冷却し、続いてヘキサン(32ml)中の1.7Mのtert-ブチルリチウムをゆっくり添加した。30分後、反応物を20分間で-25℃に温めた。反応物を-78℃に冷却し、続いてTHF(14mL)中のtert-ブチル4-[2-[メトキシ(メチル)アミノ]-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(73,6g、19.1mmol)を添加した。-78℃での40分後、反応物を15分間室温に温めた。反応物を塩化アンモニア水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサン中10%~100%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、次いでさらに逆相C18カラムで精製して、生成物(74)を得た。
【0560】
工程8-tert-ブチル4-[2-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-エチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(P-0163)の調製
-10℃のメタノール(40mL)中のtert-ブチル4-[2-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(74、1.07g、2.64mmol)に、ホウ素ナトリウム(0.12g、3.16mmol)を添加した。反応液を室温で2時間撹拌した。反応液をアンモニア水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、酢酸エチルおよびヘキサン(P-0163)で洗浄したMS(ESI)[M+H=408.2。
【0561】
工程9-tert-ブチル(R)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(P-0338)およびtert-ブチル(S)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(P-0337)の調製
ラセミ体のtert-ブチル4-[2-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-エチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(P-0163)(1.0g)を、2.1×25.0cmのChiral Technologies製Chiralpak ICカラムで、120barおよび25℃、90g/分でのCOおよび30%メタノール(0.25%イソプロピルアミンを含む)で溶出するアイソクラティック法を用いて、分取超臨界流体クロマトグラフィーにより分離した。これにより、tert-ブチル(R)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(P-0338)およびtert-ブチル(S)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(P-0337)が得られた。絶対立体化学は、X線結晶学および生物学的活性に基づいて割り当てられた。
【0562】
実施例14
(S)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)-N-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキサミド(P-0344)
スキーム17
【化115】
工程1-(1S)-1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-2-メチル-2-(4-ピペリジル)プロパン-1-オール塩酸塩(76)の調製
0℃の塩化メチレン(30mL)中のtert-ブチル(S)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(P-0337、1.5g、3.68mmol)に、4N HCl(8.0mL)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。反応物を減圧下で濃縮して、生成物(76)を得た。
【0563】
工程2-(S)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)-N-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキサミド(P-0344)の調製
ジクロロメタン(5.0mL)中の(1S)-1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-2-メチル-2-(4-ピペリジル)プロパン-1-オール塩酸塩(76、0.1g、0.29mmol)へ、トリエチルアミン(0.2mL、1.43mmol)を添加した。ジクロロメタン(2.0mL)中の1-フルオロ-4-イソシアナト-ベンゼン(43.81mg、0.32mmol)を、反応物にゆっくり添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応物を炭酸カリウム水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、逆相C18カラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物(P-0344)を得た。[M+H=445.2。
【0564】
実施例15
(S)-(4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピペリジン-1-イル)(シクロブチル)メタノン(P-0498)
スキーム18
【化116】
工程1-(S)-(4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)ピペリジン-1-イル)(シクロブチル)メタノン(P-0498)の調製
DMF(0.2mL)中のシクロブタンカルボン酸(8.7mg、0.087mmol、1当量)、(S)-1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-2-メチル-2-ピペリジン-4-イル-プロパン-1-オール(76、30mg、0.087mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.045mL、0.261mmol、3当量)の混合物へ、HATU(40mg、0.104mmol、1.15当量)を室温で1部分添加した。この物質を、RP-HPLC精製により直接精製し、生成物(P-0498)を得た。[M+H+]=390.4。
【0565】
実施例16
(S)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-カルボキシアミド(P-0499)
スキーム19
【化117】
工程1-(4-ニトロフェニル)-4-[(2S)-2-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-エチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(77)の調製
氷浴温度で、テトラヒドロフラン(45.0mL)中の4-ニトロフェニルクロロホルメート(1.41g、7.02mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(3.2mL)の溶液に、(S)-1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-2-メチル-2-ピペリジン-4-イル-プロパン-1-オール(76)2.2g、6.39mmol)を少しずつ添加した。固体を溶液にゆっくり溶解し、室温で1時間後に生成物を形成した。溶液を10%塩化アンモニウムの氷冷溶液(50mL)に注ぎ込み、酢酸エチル(70mL、3X)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、生成物(77)を得た。[M+H=473.5。
【0566】
工程2-(S)-4-(1-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-カルボキサミド(P-0499)の調製
4-[(S)-2-(5-クロロ-1H-インダゾール-7-イル)-2-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-エチル]-ピペリジン-1-カルボン酸4-ニトロ-フェニルエステル(77、25mg、0.053mmol)、エタノールアミン(9.6mg、0.159mmol、3.0当量)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.159mmol、0.030mL、3.0当量)を、N-メチルピロリジン(0.5mL)中、80℃で一晩加熱した。この物質をRP-HPLC精製により直接精製して、生成物(P-0499)を得た。[M+H=395.5。
【0567】
実施例17
(6-クロロ-1H-インダゾール-4-イル)(シクロヘキシル)メタノール(P-0173)
スキーム20
【化118】
工程1-(6-クロロ-1H-インダゾール-4-イル)(シクロヘキシル)メタノール(P-0173)の調製
THF(6ml)中の4-ブロモ-6-クロロ-1H-インダゾール(78、0.37g、1.62mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.08g、2.12mmol)を添加した。混合物を、室温で30分間撹拌し、次いで-78℃に冷却した。次いで、ヘキサン(0.65ml)中の2.5Mのn-ブチルリチウムを、5分間かけて滴下した。混合物を-78℃で30分間撹拌し、続いてシクロヘキサンカルバルデヒド(0.08g、0.67mmol)を添加した。反応混合物を-78℃で1時間、次いで20分間、室温に温めながら撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液で急冷し、酢酸エチルおよび水で抽出した。有機相をブライン(3×)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を、減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(P-0173)を得た。[M+H+]=265.0。
【0568】
下記の表1中の全ての化合物は、本開示に記載された合成実施例に従って、当業者が商業的にまたは他の方法で得ることができる出発物質の、任意の必要な置換をすることによって製造できる。
【0569】
以下の全ての化合物は、別段に特に(MH)-として示されていない限り、質量分析(MH)+値を有する。
表1
【表2】
【表3】
【表4】
【0570】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0571】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0572】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【0573】
【表17】
【表18】
【0574】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【0575】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【0576】
【表27】
【表28】
【表29】
【0577】
【表30】
【表31】
【表32】
【0578】
【表33】
【表34】
【表35】
【0579】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【0580】
【表40】
【表41】
【表42】
【表43】
【0581】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【0582】
【表48】
【表49】
【表50】
【表51】
【表52】
【0583】
【表53】
【表54】
【表55】
【表56】
【0584】
【表57】
【表58】
【表59】
【表60】
【0585】
【表61】
【表62】
【表63】
【表64】
【表65】
【0586】
【表66】
【表67】
【表68】
【0587】
【表69】
【表70】
【表71】
【0588】
【表72】
【表73】
【表74】
【表75】
【0589】
【表76】
【表77】
【表78】
【0590】
【表79】
【表80】
【表81】
【0591】
【表82】
【表83】
【表84】
【0592】
【表85】
【表86】
【表87】
【0593】
【表88】
【表89】
【表90】
【表91】
【0594】
【表92】
【表93】
【表94】
【表95】
【0595】
【表96】
【表97】
【表98】
【表99】
【0596】
【表100】
【表101】
【表102】
【表103】
【0597】
【表104】
【表105】
【表106】
【表107】
【0598】
【表108】
【表109】
【表110】
【表111】
【0599】
【表112】
【表113】
【表114】
【表115】
【0600】
【表116】
【表117】
【表118】
【0601】
【表119】
【表120】
【表121】
【0602】
【表122】
【表123】
【表124】
【表125】
【0603】
【表126】
【表127】
【表128】
【表129】
【0604】
【表130】
【表131】
【表132】
【表133】
【0605】
【表134】
【表135】
【表136】
【表137】
【0606】
【表138】
【表139】
【表140】
【表141】
【表142】
【0607】
【表143】
【表144】
【表145】
【表146】
【0608】
【表147】
【表148】
【表149】
【表150】
【0609】
【表151】
【表152】
【表153】
【表154】
【0610】
【表155】
【表156】
【表157】
【表158】
【0611】
【表159】
【表160】
【表161】
【表162】
【0612】
【表163】
【表164】
【表165】
【表166】
【0613】
【表167】
【表168】
【表169】
【0614】
【表170】
【表171】
【表172】
【表173】
【0615】
【表174】
【表175】
【表176】
【表177】
【0616】
【表178】
【表179】
【表180】
【表181】
【0617】
【表182】
【表183】
【表184】
【表185】
【表186】
【0618】
【表187】
【表188】
【表189】
【表190】
【0619】
【表191】
【表192】
【表193】
【表194】
【0620】
生物学的実施例
ヒトインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)およびトリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)酵素アッセイ
N末端Hisタグを有するヒトIDOまたはTDOは大腸菌中で精製される。IDO酵素アッセイは、50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)中の10mMアスコルビン酸、5μMメチレンブルー、100nMカタラーゼおよび0.01%Tween20の存在下で、6nMのIDOおよび10μMのL-Trpを用いて実施する。19μLの上記反応混合物を、1μLの種々の濃度の試験化合物またはDMSOビヒクルを含有する384ウェル反応プレートのウェルに添加し、室温で20分間インキュベートする。TDO酵素反応アッセイは、50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)中の10mMアスコルビン酸、0.4μMメチレンブルー、100nMカタラーゼおよび0.01%のTween20の存在下で1nMのTDOおよび350μMのL-Trpを用いて実施する。19μLの上記反応混合物を、1μLの種々の濃度の試験化合物またはDMSOビヒクルを含有する384ウェル反応プレートのウェルに添加し、室温で70分間インキュベートする。反応混合物の全成分および5%DMSOを含有する16ウェルを、高対照として役立つ。反応混合物の酵素および5%DMSOを除く全ての成分を含有する16ウェルは、低対照として役立つ。4μLの30%TCAを添加することによりIDOおよびTDO酵素反応を停止させ、50℃で30分間インキュベートして、IDOまたはTDOにより生成されたN-ホルミルキヌレニンをキヌレニンに加水分解する。キヌレニンレベルを測定すると、高および低対照に対する個々の濃度での阻害率を計算する。データを非線形回帰を用いて分析して、IC50値を生成する。
【0621】
細胞ベースのキヌレニンアッセイにおけるIDOまたはTDOに対する阻害剤活性の決定
IDO1発現またはTDO発現HEK293細胞クローンは、CMVプロモーターの制御下でヒトIDOまたはヒトTDOを発現するプラスミドの安定なトランスフェクションの際に生成される。細胞を、5%のCOを供給した加湿インキュベーター中、37℃で10%ウシ胎児血清および1mg/mlのG418を補充したDMEM培地中で選択される。アッセイは以下のように実施される。
【0622】
細胞を、ウェル当たり2.5×10の密度で50μLの培地中の96ウェルプレートに播種した。化合物の連続希釈物(全体積50μLの培地中)を細胞に添加する。0.2%DMSO処理細胞を含有する4つのウェルは高対照として役立ち、0.2%DMSOのみを含む培地を含有する4つのウェルは低対照として役立つ。24時間のインキュベーション後、上清を384ウェル反応プレートに移し、キヌレニンレベルを決定した。高対照および低対照に対する個々の濃度での阻害率を計算する。データを非線形回帰を用いて分析してIC50値を生成する。
【0623】
細胞での24時間のインキュベーション後の各化合物の細胞傷害性は、製造者からの指示に従ってCellTiter-Gloルミネセンス細胞生存率アッセイにより測定される。簡単に説明すると、各化合物でインキュベートし、各ウェルから20μLの上清を除去した後、25μLの再構成CellTiter Glo試薬を各ウェルに添加する。プレートを室温でおよそ15分間振とうした後、次いで発光シグナルをTecanマイクロプレートリーダーで読み取る。測定された発光は細胞数と直接相関する。DMSO処理細胞は、阻害されていない高対照として役立つ。高い対照に対する個々の濃度での対照割合を計算する。データを非線形回帰を用いて分析して、IC50値を生成する。
【0624】
以下の表2は、本明細書に記載の例示的化合物についてのIDO1およびTDOの生化学的および/または細胞阻害活性を示すデータを提供する。以下の表に、活性が以下のように提供される:+++=0.0001μM<IC50<10μM、++=10μM<IC50<100μM、+=100μM<IC50<200μM、X=検出不可能。
【0625】
表2
【表195】
【表196】
【表197】
【表198】
【表199】
【0626】
【表200】
【表201】
【表202】
【0627】
【表203】
【表204】
【表205】
【0628】
【表206】
【表207】
【表208】
【0629】
【表209】
【表210】
【表211】
【0630】
【表212】
【表213】
【表214】
【0631】
【表215】
【表216】
【表217】
【0632】
【表218】
【表219】
【表220】
【0633】
【表221】
【表222】
【表223】
【0634】
【表224】
【表225】
【表226】
【0635】
【表227】
【表228】
【0636】
4,6インダゾール化合物が、一般コア構造、
【化119】
を有する本開示の化合物は、以下のコア構造を有する5,7インダゾール化合物と比較した場合、本開示に記載の生化学的アッセイおよび細胞アッセイによって測定されるように、驚くべきかつ予想外のIDO1生化学的および細胞効力を有することが見出された。
【化120】
【0637】
以下の6つの比較実施例は、それぞれの5,7インダゾール化合物と比較した場合、本開示の4,6インダゾール化合物の驚くべきかつ予想外のIDO1生化学的および細胞効力を実証する。
【表229】
【表230】
【表231】
【表232】
【表233】
【表234】
【0638】
本開示の他の実施形態は、本開示に記載の生化学アッセイによって測定されるTDO生化学的阻害活性よりも大きいIDO1生化学的阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。本開示の他の実施形態は、本開示に記載の生化学アッセイによって測定されるTDO生化学的阻害活性よりも少なくとも3倍高いIDO1生化学的阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。本開示の他の実施形態は、本開示に記載の生化学アッセイによって測定されるTDO生化学的阻害活性よりも少なくとも5倍高いIDO1生化学的阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。
【0639】
本開示の他の実施形態は、本開示に記載の生化学アッセイによって測定されるTDO生化学的阻害活性よりも少なくとも10倍高いIDO1生化学的阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。
【0640】
本開示の他の実施形態は、本開示に記載の細胞アッセイによって測定されるTDO細胞阻害活性よりも大きいIDO1細胞阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。本開示の他の実施形態は、本開示に記載の細胞アッセイによって測定されるTDO細胞阻害活性よりも少なくとも3倍高いIDO1細胞阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。本開示の他の実施形態は、本開示に記載の細胞アッセイによって測定されるTDO細胞阻害活性よりも少なくとも5倍高いIDO1細胞阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。
【0641】
本開示の他の実施形態は、本開示に記載の細胞アッセイによって測定されるTDO細胞阻害活性よりも少なくとも10倍高いIDO1細胞阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。
【0642】
本開示の他の実施形態は、本開示に記載の生化学アッセイによって測定されるIDO1生化学的阻害活性よりも大きいTDO生化学的阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。本開示の他の実施形態は、本開示に記載の生化学アッセイによって測定されるIDO1生化学的阻害活性よりも少なくとも3倍高いTDO生化学的阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。本開示の他の実施形態は、本開示に記載の生化学アッセイによって測定されるIDO1生化学的阻害活性よりも少なくとも5倍高いTDO生化学的阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。
【0643】
本開示の他の実施形態は、本開示に記載の生化学アッセイによって測定されるIDO1生化学的阻害活性よりも少なくとも10倍高いTDO生化学的阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。
【0644】
本開示の他の実施形態は、本開示に記載の細胞アッセイによって測定されるIDO1細胞阻害活性よりも大きいTDO細胞阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。本開示の他の実施形態は、本開示に記載の細胞アッセイによって測定されるIDO1細胞阻害活性よりも少なくとも3倍高いTDO細胞阻害活性を有する表1の化合物のうちの1つ以上に関する。本開示の他の実施形態は、本開示に記載の細胞アッセイによって測定されるIDO1細胞阻害活性よりも少なくとも5倍高いTDO細胞阻害活性を有する表1の化合物のうちの1つ以上に関する。本開示の他の実施形態は、本開示に記載の細胞アッセイによって測定されるIDO1細胞阻害活性よりも少なくとも10倍高いTDO細胞阻害活性を有する表1および2の化合物のうちの1つ以上に関する。
【0645】
本明細書で引用した全ての特許および他の参考文献は、本開示が関連する当業者の技術レベルを示し、各参考文献が参照によりその全体が個々に組み込まれるのと同程度に、あらゆる表および図を含むそれらの全体が参照により組み込まれる。
【0646】
当業者は、本開示が言及された目的および利点、ならびにそれに固有のものを得るためによく適合されていることを容易に認識するであろう。本明細書に記載された実施形態の現在の代表として本明細書に記載された方法、変形、および組成は例示的であり、本開示の範囲に対する限定として意図されない。その中の変更および他の使用は当業者に想到されるであろうが、それらは本開示の趣旨の範囲内に包含され、特許請求の範囲の範疇によって定義される。
【0647】
本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載された本開示に対して様々な置換および修正がなされ得ることが当業者には容易に明らかであろう。例えば、本開示の化合物のさらなる化合物を提供するために変形を加えることができ、かつ/あるいは様々な投与方法を使用することができる。したがって、そのような追加の実施形態は、本開示および添付の特許請求の範囲の範疇内にある。
【0648】
本明細書に例示的に記載された本開示は、本明細書に具体的に記載されていないいずれかの要素、限定がない場合にも適切に実施することができる。使用されている用語および表現は、説明の用語として使用され、限定のためではなく、示されかつ記載される特徴のあらゆる同等物またはその一部を除外する、そのような用語および表現の使用を意図するものではないが、特許請求の範囲に記載の範疇内で様々な修正が可能であることを認識されたい。したがって、本開示は実施形態および任意の特徴によって具体的に説明されてきたが、本明細書に記載された概念の修正および変形は、当業者が頼ることができること、かつかかる修正および変形は添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範疇内であると考慮されることが理解されるべきである。
【0649】
加えて、本開示の特徴または態様が選択肢のグループ分けに関して説明されている場合、当業者は、したがって本開示が本明細書に記載のグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても説明されていることを認識するであろう。
【0650】
また、そうでないと示さない限り、様々な数値が実施形態に提供され、追加の実施形態は、範囲の終点として任意の2つの異なる値をとることによって記載される。そのような範囲もまた、本開示の範疇内である。
【0651】
したがって、追加の実施形態は本開示の範疇内および以下の特許請求の範囲内にある。
【0652】
ヒトIDO1ポリペプチド中の特定のアミノ酸残基への言及は、GenBank GI:4504577(配列番号1)中のIDO1配列に対応する番号付けによって定義される。IDO1の全部または一部をコードするヌクレオチド配列中の特定のヌクレオチド位置に対する言及は、GenBank GI:323668304(配列番号2)に提供された配列に対応する番号付けによって定義される。
【0653】
ヒトTDOポリペプチド中の特定のアミノ酸残基への言及は、GenBank GI:5032165(配列番号3)中のTDO配列に対応する番号付けによって定義される。TDOの全部または一部をコードするヌクレオチド配列中の特定のヌクレオチド位置への言及は、GenBank(配列番号4)に提供されている配列に対応する番号付けによって定義される。
【表235】
【表236】
【表237】
【表238】
【表239】
【表240】
【表241】
【表242】
【配列表】
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