(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221018BHJP
【FI】
G06Q30/02 480
(21)【出願番号】P 2020122402
(22)【出願日】2020-07-16
(62)【分割の表示】P 2019080254の分割
【原出願日】2019-04-19
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小出 明弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健介
(72)【発明者】
【氏名】大和田 裕亮
(72)【発明者】
【氏名】吉井 和輝
(72)【発明者】
【氏名】湛 溢洋
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-163460(JP,A)
【文献】特表2016-522523(JP,A)
【文献】特開2018-045288(JP,A)
【文献】特開2008-282132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のアイテムを閲覧したユーザが興味を持つと推定されるレコメンドアイテムを特定する
第1特定部であって、過去に、アイテムを識別する第1情報が示す前記アイテムを閲覧した、第1ユーザと異なる一以上の第2ユーザが、何らかのアイテムに対して興味を持つと推定される特定行動を行った結果に基づいて
生成されたレコメンドデータであって前記第1情報に対して前記第1情報を閲覧したユーザが興味を持つと推定されるアイテムが対応付けられたレコメンドデータを参照して、前記レコメンドデータにおいて前記第1情報に対応付けられた前記第1情報が示す前記アイテムとは異なる他のアイテムを、前記第1ユーザに提供するための第1レコメンドアイテムとして特定する
第1特定部と、
サービスをユーザに提供するプロバイダから、前記サービスにおいて前記第1ユーザに提供されたアイテムを識別する前記第1情報と、前記アイテムを閲覧した前記第1ユーザを識別する第2情報とを取得する取得部と、
前記取得部により取得された第1情報と、前記
第1特定部により特定された情報とに基づいて、アイテムリストの中から前記第1情報を閲覧する前記第1ユーザにレコメンドする第1レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第1レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供する第1提供部と、
前記取得部により取得された第2情報に基づいて、アイテムリストの中から前記第2情報の前記第1ユーザにレコメンドする、前記第1ユーザが興味を持つと推定される第2レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第2レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供する第2提供部と、
を備える情報提供システム。
【請求項2】
前記第2情報の前記第1ユーザが過去に閲覧したアイテムの情報を含む前記第1ユーザの特徴情報を学習済モデルに入力し、前記学習済モデルが出力したアイテムを示す情報を特定する第2特定部を更に備え、
前記学習済モデルは、ユーザが過去に閲覧したアイテムの情報を含むユーザの特徴情報を入力すると、前記ユーザの特徴情報に対応付けられた前記特徴情報のユーザが好むと推定されるアイテムを示す情報を出力するように学習されたモデルであり、
前記第2提供部は、前記第2特定部が特定したアイテムを示す情報に基づいて第2レコメンドアイテムを選択する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記第1提供部により提供された前記第1レコメンドアイテムと、前記第2提供部により提供された前記第2レコメンドアイテムとを含む画像を前記第1ユーザの端末装置に表示させるための情報を提供するプロバイダと、を備える、
請求項1または2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記取得部は、サービスをユーザに提供するプロバイダにより提供される、アイテムを識別する第1情報と、ユーザを識別する第2情報と、プロバイダの識別情報と、
ユーザが閲覧しているページの識別情報とを取得し、
前記第1提供部は、
前記プロバイダの識別情報とユーザが閲覧しているページの識別情報とに対応するレコメンドデータを複数のレコメンドデータの中から選択し、選択したレコメンドデータと、前記第1情報とに基づいて、アイテムリストの中から前記第1情報を閲覧するユーザにレコメンドする第1レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第1レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供し、
前記第2提供部は、
前記プロバイダの識別情報とユーザが閲覧しているページの識別情報とに対応する学習済モデルを複数の学習済モデルの中から選択し、選択した学習済モデルと、前記第2情報とを用いて、アイテムリストの中から前記第2情報のユーザにレコメンドする第2レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第2レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供し、
前記レコメンドデータは、前記第1情報と前記アイテムを閲覧するユーザが好むと推定されるアイテムとが対応付けられた情報であり、
前記学習済モデルは、少なくともログ情報を用いて学習されたモデルであって、前記第2情報のユーザの特徴情報が入力されると、前記第2情報のユーザが好むと推定されるアイテムに関する情報を出力するように学習されたモデルである、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
ログ情報において所定のアイテムが閲覧された後に閲覧されるアイテムのランキングまたは所定のアイテムが閲覧された後にコンバージョンが行われたアイテムのランキングに基づいて、前記レコメンドデータを生成する処理部を更に備える、
請求項2または4に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記ログ情報は、前記プロバイダが前記ユーザに提供したサービスに対してユーザが行った行動に関するログ情報であり、
前記ログ情報と、前記学習済モデルの生成に用いられたログ情報との提供元は
同一である、
請求項5に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記第2提供部は、前記第1提供部が用いるアイテムリストと共通するアイテムリストの中から前記第2レコメンドアイテムを選択する、
請求項1から6のうちいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記取得部は、サービスをユーザに提供する第1プロバイダ
から、前記サービスにおいて前記ユーザに提供されたアイテムを識別する第1情報と、
前記アイテムを閲覧した前記ユーザを識別する第2情報とを取得し、
前記第1提供部は、少なくとも前記第1プロバイダに関する第1ログ情報に基づいて、第1レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第1レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供し、
前記第2提供部は、少なくとも前記第1ログ情報に基づいて、第2レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第2レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供し、
前記取得部は、サービスをユーザに提供する第2プロバイダ
から、前記サービスにおいてユーザにより提供されたアイテムを識別する第3情報と、
前記アイテムを閲覧した前記ユーザを識別する第4情報とを取得し、
前記第1提供部は、少なくとも前記第2プロバイダに関する第2ログ情報に基づいて、第3レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第3レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供し、
前記第2提供部は、少なくとも前記第2ログ情報に基づいて、第4レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第4レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記第1ログ情報は、前記第1プロバイダが前記ユーザに提供したサービスに対してユーザが行った行動に関するログ情報であり、
前記第2ログ情報は、前記第2プロバイダが前記ユーザに提供したサービスに対してユーザが行った行動に関するログ情報である、
請求項8に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記第1ログ情報と前記第2ログ情報とは同様のフォーマットである、
請求項8または9に記載の情報提供システム。
【請求項11】
コンピュータが、
所定のアイテムを閲覧したユーザが興味を持つと推定されるレコメンドアイテムを特定する処理であって、過去に、アイテムを識別する第1情報が示す前記アイテムを閲覧した、第1ユーザと異なる一以上の第2ユーザが、何らかのアイテムに対して興味を持つと推定される特定行動を行った結果に基づいて
生成されたレコメンドデータであって前記第1情報に対して前記第1情報を閲覧したユーザが興味を持つと推定されるアイテムが対応付けられたレコメンドデータを参照して、前記レコメンドデータにおいて前記第1情報に対応付けられた前記第1情報が示す前記アイテムとは異なる他のアイテムを、前記第1ユーザに提供するための第1レコメンドアイテムとして特定し、
サービスをユーザに提供するプロバイダから、前記サービスにおいて前記第1ユーザに提供されたアイテムを識別する前記第1情報と、前記アイテムを閲覧した前記第1ユーザを識別する第2情報とを取得し、
前記取得された第1情報と、前記特定する処理により特定された情報とに基づいて、アイテムリストの中から前記第1情報を閲覧する前記第1ユーザにレコメンドする第1レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第1レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供し、
前記取得された第2情報に基づいて、アイテムリストの中から前記第2情報の前記第1ユーザにレコメンドする、前記第1ユーザが興味を持つと推定される第2レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第2レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供する、
情報提供方法。
【請求項12】
コンピュータに、
所定のアイテムを閲覧したユーザが興味を持つと推定されるレコメンドアイテムを特定する処理であって、過去に、アイテムを識別する第1情報が示す前記アイテムを閲覧した、第1ユーザと異なる一以上の第2ユーザが、何らかのアイテムに対して興味を持つと推定される特定行動を行った結果に基づいて
生成されたレコメンドデータであって前記第1情報に対して前記第1情報を閲覧したユーザが興味を持つと推定されるアイテムが対応付けられたレコメンドデータを参照して、前記レコメンドデータにおいて前記第1情報に対応付けられた前記第1情報が示す前記アイテムとは異なる他のアイテムを、前記第1ユーザに提供するための第1レコメンドアイテムとして特定させ、
サービスをユーザに提供するプロバイダから、前記サービスにおいて前記第1ユーザに提供されたアイテムを識別する前記第1情報と、前記アイテムを閲覧した前記第1ユーザを識別する第2情報とを取得させ、
前記取得された第1情報と、前記特定する処理により特定された情報とに基づいて、アイテムリストの中から前記第1情報を閲覧する前記第1ユーザにレコメンドする第1レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第1レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供し、
前記取得された第2情報に基づいて、アイテムリストの中から前記第2情報の前記第1ユーザにレコメンドする、前記第1ユーザが興味を持つと推定される第2レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第2レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、および情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザのコンテンツ毎の当該コンテンツに対する行動データをユーザ識別子とコンテンツ識別子に対応付けた実績行動指標データ、コンテンツ間の関連度を2軸のコンテンツ識別子に対応付けたコンテンツ×コンテンツ行列データ、およびユーザ間の関連度を2軸のユーザ識別子に対応付けたユーザ×ユーザ行列データに基づき、これらの実績値の行列に対応する予測値の行列に対して所定の演算を行って、所定条件に合致するコンテンツを前記サービス提供装置に応答するコンテンツ配信装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、ユーザが興味を持つアイテムレコメンドすることができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ユーザが興味を持つアイテムをレコメンドすることができる情報提供システム、および情報提供方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、所定のアイテムを閲覧したユーザが興味を持つと推定されるレコメンドアイテムを特定する特定部であって、過去に、アイテムを識別する第1情報が示す前記アイテムを閲覧した、第1ユーザと異なる一以上の第2ユーザが、何らかのアイテムに対して興味を持つと推定される特定行動を行った結果に基づいて、前記第1情報が示す前記アイテムとは異なる他のアイテムを、前記第1ユーザに提供するための第1レコメンドアイテムとして特定する特定部と、サービスをユーザに提供するプロバイダから、前記サービスにおいて前記第1ユーザに提供されたアイテムを識別する前記第1情報と、前記アイテムを閲覧した前記第1ユーザを識別する第2情報とを取得する取得部と、前記取得部により取得された第1情報と、前記特定部により特定された情報とに基づいて、アイテムリストの中から前記第1情報を閲覧する前記第1ユーザにレコメンドする第1レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第1レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供する第1提供部と、前記取得部により取得された第2情報に基づいて、アイテムリストの中から前記第2情報の前記第1ユーザにレコメンドする、前記第1ユーザが興味を持つと推定される第2レコメンドアイテムを選択し、選択した前記第2レコメンドアイテムを前記プロバイダに提供する第2提供部とを備える情報提供システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ユーザが興味をもつアイテムをレコメンドすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報提供システムを含む情報システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図2】プロバイダ20により提供される画像IM1と、端末装置10により提供されるログ情報Lとの内容の一例を示す図である。
【
図3】情報提供システム100の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】情報提供装置200の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】情報提供装置200とデータ蓄積部160とにより実行される処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【
図7】情報提供装置200と推定部180とにより実行される処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【
図8】情報システム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】
図8のフローチャートの処理結果の一例を示す図である。
【
図10】変形例の情報提供システム100Aの機能構成の一例を示す図である。
【
図11】変形例の情報提供システム100Aの処理の概要(その1)を説明するための図である。
【
図12】変形例の情報提供システム100Aの処理の概要(その2)を説明するための図である。
【
図13】レコメンドデータおよび学習済モデル182の生成に用いられる情報について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報提供システム、および情報提供方法の実施形態について説明する。
【0010】
[概要]
実施形態の情報提供装置は、サービスをユーザに提供するプロバイダにより提供される、アイテムを識別する第1情報とユーザを識別する第2情報とを取得する取得部と、取得部により取得された第1情報に基づいて、アイテムリストの中から第1情報を閲覧するユーザにレコメンドする第1レコメンドアイテムを選択し、選択した第1レコメンドアイテムをプロバイダに提供する第1提供部と、取得部により取得された第2情報に基づいて、アイテムリストの中から第2情報のユーザにレコメンドする第2レコメンドアイテムを選択し、選択した第2レコメンドアイテムをプロバイダに提供する。
【0011】
「プロバイダ」とは、例えば、ネットワークを介してサービスをユーザに提供しているサーバ装置である。「プロバイダ」は、例えば、ポータルサイトにおいてサービスを提供しているプロバイダである。また、「プロバイダ」は、例えば、管理者が同一、または管理者が異なっていても提携関係にあるなどの関連する管理者が管理するプロバイダである。なお、「プロバイダ」は、例えば、管理者等が異なっていてもよい。
【0012】
[サービス]とは、ショッピングに関するサービスや、オークションに関するサービス、動画の提供サービス、これらの情報を提供するサービスなど、任意のサービスである。
【0013】
「アイテム」とは、例えば、プロバイダがユーザに提供するコンテンツである。「コンテンツ」は、例えば、商品や品物、動画、その他のコンテンツを含む。
【0014】
[構成]
図1は、情報提供システムを含む情報システムの機能構成の一例を示す図である。情報システム1は、例えば、一以上の端末装置10と、一以上のプロバイダ20と、情報提供システム100とを備える。
【0015】
端末装置10と、プロバイダ20とは、例えば、ネットワークNWを介して互いに通信する。プロバイダ20と、情報提供装置200とは、ネットワークNWを介して互いに通信する。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)やインターネット、無線基地局、プロバイダなどを含む。
【0016】
端末装置10は、利用者によって使用される装置であり、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータなどである。以下の説明では、端末装置10はスマートフォンであるものとして説明する。
【0017】
端末装置10は、プロバイダ20により提供された情報をユーザに提供する。例えば、端末装置10は、プロバイダ20により提供された情報を表示部(例えばタッチパネル式の表示部)に表示させる。端末装置10は、ユーザにより行われた操作の内容を示す情報をプロバイダ20に送信する。
【0018】
プロバイダ20は、端末装置10のリクエストに応じてサービスを端末装置10に提供する。例えば、プロバイダ20は、ユーザにより行われた操作の内容に応じたサービスを端末装置10に提供する。プロバイダ20は、ユーザにより行われた操作の内容を示す情報をログ情報として取得する。ログ情報は、プロバイダ20がユーザに提供したサービスに対してユーザが行った行動(例えばクリック操作や、タッチ操作、コンバージョン)に関するログ情報である。コンバージョンとは、例えば、購入、閲覧する行動などの所定の行動である。
【0019】
[プロバイダと端末装置とにより実行される処理]
図2は、プロバイダ20により提供される画像IM1と、端末装置10により提供されるログ情報Lとの内容の一例を示す図である。プロバイダ20は、端末装置10のリクエストに応じて、画像IM(または画像IMを生成するための基情報)を端末装置10に提供する。端末装置10は、プロバイダ20により送信された情報に基づいて、
図2に示す画像IMを表示部に表示する。
【0020】
表示部において、画像IMのアイテムAが表示された特定領域に対してユーザがタッチ操作を行った場合、端末装置10は、特定領域に対してタッチ操作がされた情報をプロバイダ20に送信する。プロバイダ20は、上記のようなユーザが行った操作の情報を、
図2に示すようなログ情報Lとしてプロバイダ20の記憶部に記憶させる。プロバイダ20は、上記のログ情報Lを情報システム1に提供する。例えば、複数のプロバイダ20が、それぞれ送信するログ情報の形式(フォーマット)は同一である。
【0021】
[情報提供システム]
図3は、情報提供システム100の機能構成の一例を示す図である。情報提供システム100は、例えば、ログ回収部110と、管理部120と、集計部130と、第1データ処理部140と、第1ゲートウエイ150と、データ蓄積部160と、第2ゲートウエイ170と、推定部180と、学習部190と、を備える。なお、上記の機能構成の一部または全部は統合されてもよい。
【0022】
ログ回収部110、管理部120、集計部130、第1データ処理部140、第1ゲートウエイ150、データ蓄積部160、第2ゲートウエイ170、推定部180、および学習部190は、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが、記憶装置に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの機能部は、LSI(Large Scale Integrated Circuit)や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェア(回路部;circuitryを含む)の協働によって実現されてもよい。
【0023】
ログ回収部110は、プロバイダ20により提供されたログ情報L(Log(1))を取得し、取得したログ情報L(Log(2))を第1データ処理部140の記憶装置に記憶させる。
【0024】
管理部120の記憶装置には、予めジョブに関する事項が記憶されている。ジョブに関する事項とは、処理対象の情報(対象とするログ情報Lの範囲)や、処理周期等の処理のスケジュール、実行する処理の内容等を含む。管理部120は、記憶装置に記憶されたジョブに基づいて、実行すべきジョブ(Job(1))を集計部130に指示する。また、管理部120は、情報提供装置200に、情報システム1の設定等に関する情報(Provision)を情報提供装置200に送信する。
【0025】
集計部130は、管理部120の指示に基づいて、第1データ処理部140に、第1データ処理部140の記憶装置に記憶されたログ情報Lに基づいてレコメンドデータを生成させる。レコメンドデータとは、所定のアイテムIDに対して一以上のアイテムIDが対応付けられた情報である。一以上のアイテムIDは、所定のアイテムIDを閲覧したユーザにレコメンドするアイテムIDである。レコメンドするアイテムIDは、ユーザが興味を持つと推定されるアイテムである。興味を持つとは、例えば、ユーザがアイテムをクリック等で選択したり、コンバージョン等を行ったりすることである。
【0026】
第1データ処理部140は、集計部130の指示(Job(2))に基づいてレコメンドデータ142を生成する。第1データ処理部140は、少なくともログ情報Lを統計処理して、レコメンドデータ142を生成する。例えば、第1データ処理部140は、分散処理のフレームワークを利用して、ログ情報において所定のアイテムが閲覧された後に閲覧されるアイテムのランキングや、所定のアイテムが閲覧された後にコンバージョンが行われるアイテムのランキング等に基づいて、レコメンドデータ142を生成する。
【0027】
例えば、第1データ処理部140は、以下のようなアイテムの閲覧に関する指標を統計的に処理して、レコメンドデータ142を生成してもよい。例えば、第1データ処理部140は、「N1」、「N2」に基づいて、「S」を導出する。「S」はアイテムAに対するアイテムBのスコアである。「N1」は、アイテムAとアイテムBの両方を閲覧したユーザの人数である。「N2」は、アイテムAを閲覧したユーザの人数である。
【0028】
例えば、第1データ処理部140は、「S」が大きいほど、アイテムAの後にアイテムBを閲覧等する確率が高いと推定する。第1データ処理部140は、第1の所定アイテムの後に第2の所定アイテムを閲覧等する度合を求め、第1の所定アイテムの後にレコメンドするアイテムのランキングを含むレコメンドデータ142を生成する。レコメンドデータ142は、後述する第1ゲートウエイ150を介してデータ蓄積部160に提供される。
【0029】
また、第1データ処理部140の記憶装置には、ユーザに関するユーザ情報144が記憶されている。ユーザ情報144は、ユーザの特徴(素性)を示す情報であって、ユーザの性別や、年齢、住所、趣味、嗜好、行動履歴などのうち一部または全部を含む。行動履歴とは、閲覧したコンテンツや購買した商品などのネットワークにおける行動や、ユーザの端末装置10により提供された位置情報などを含む。ユーザ情報144は、後述する第2ゲートウエイ170を介してデータ蓄積部160に提供される。
【0030】
第1ゲートウエイ150は、第1データ処理部140からレコメンドデータ142(Recommend Data(1))を取得し、取得したレコメンドデータ142(Recommend Data(2))をデータ蓄積部160に送信する。
【0031】
データ蓄積部160は、第1ゲートウエイ150により送信されたレコメンドデータ142、および後述する第2ゲートウエイ170により送信されたユーザ情報164をデータ蓄積部160の記憶装置に記憶する。ユーザ情報144は、ユーザの特徴を示すベクトルを含んでもよいし、ユーザの特徴を示す連続値などの指標を含んでもよい。
【0032】
データ蓄積部160は、情報提供装置200により送信されたリクエスト(Request(1))に応じて、レコメンドするアイテムIDのリスト(レコメンドリスト;Recommend List(1))を情報提供装置200に送信する。このリクエストは、アイテムIDに対してレコメンドするアイテムIDのレコメンドリストを送信することのリクエストである。データ蓄積部160は、例えば、レコメンドデータ162を参照して、レコメンドリストを情報提供装置200に送信する。
【0033】
データ蓄積部160は、推定部180のリクエスト(Request(2))に応じて、第2ゲートウエイ170により送信されたユーザ情報144(User Feature Data(3))を推定部180に送信する。このリクエストは、所定のユーザのユーザ情報164(例えばユーザの特徴を示す特徴情報)を送信することのリクエストである。所定のユーザは、情報提供装置200が、推定部180に送信した、レコメンドリストの送信のリクエスト(Request(3))に含まれるユーザIDに関連するユーザである。
【0034】
第2ゲートウエイ170は、第1データ処理部140からユーザ情報144(User Feature Data(1))を取得し、取得したユーザ情報144(User Feature Data(2))をデータ蓄積部160に送信する。
【0035】
推定部180は、データ蓄積部160から取得した第1ユーザのユーザ情報164(User Feature Data(3))と、情報提供装置200から取得した第1ユーザのリクエスト(Request(3))とに基づいて、第1ユーザのユーザ情報164に応じたレコメンドリスト(Recommend List(2))を情報提供装置200に送信する。推定部180は、学習済モデル182を含む。推定部180は、ユーザ情報164を学習済モデル182に入力し、学習済モデル182が出力した情報に基づいて、レコメンドリスト(Recommend List(2))を情報提供装置200に送信する。
【0036】
学習部190は、学習済モデル182を生成し、生成した学習済モデル182(Trained Model)を推定部180に提供する。学習部190は、第1データ処理部140により提供されたログ情報L(Log(3))を学習して学習済モデル182を生成する。
【0037】
図4は、学習済モデル182の概念図である。例えば、学習済モデル182は、ユーザ情報164(例えば、性別や誕生日などの日付、趣味、ユーザの興味がある情報、過去に閲覧したアイテムなど)を入力すると、ユーザ情報164に対応するユーザが好むと推定されるアイテムを示す情報(アイテムID)を出力するモデルである。ユーザ情報164は、「第2情報に関する特徴情報」の一例である。
【0038】
このモデルは、学習部190が、学習データを学習して生成するモデルである。学習データは、ユーザ情報164(ユーザの特徴を示す特徴情報)と、特徴情報に対応するユーザが好む(例えば閲覧した)アイテムに関する情報とが対応付けられた情報である。ユーザが好むアイテムに関する情報とは、ユーザがアイテムAを閲覧した後、アイテムBを閲覧したことを示す情報や、ユーザがアイテムAを閲覧した後、アイテムCを閲覧したことを示す情報等である。学習部190は、学習データを用いて、ユーザの特徴を示す情報が入力されると、そのユーザが好むアイテムを示す情報を出力するように、モデルに含まれるパラメータを調整して、学習済モデル182を生成する。
【0039】
上記のように、レコメンドデータ162の生成に用いられるログ情報(統計処理がされるログ情報)と、学習済モデル182の生成に用いられたログ情報との提供元は同一、またはレコメンドデータ162の生成に用いられるログ情報と、学習済モデル182の生成に用いられたログ情報とは同一である。
【0040】
レコメンドデータ162の生成において用いられるアイテムリストと、学習済モデル182の生成において用いられるアイテムリストとは共通であってもよいし、異なっていてもよい。アイテムリストが共通である場合、レコメンドデータ162によってレコメンドされるアイテムの範囲と、学習済モデル182によってレコメンドされるアイテムの範囲は重複する。例えば、レコメンドデータ162によってレコメンドされないアイテムは、学習済モデル182によってもレコメンドされないこととなる。
【0041】
情報提供装置200は、プロバイダ20のリクエスト(Request(4))に応じて、レコメンドリスト(Recommend List(3)、(4))を返信する。情報提供装置200は、データ蓄積部160に、アイテムIDに対応するレコメンドリストの送信をリクエスト(Request(1))する。情報提供装置200は、データ蓄積部160に送信されたレコメンドリスト(Recommend List(1))を取得し、取得したレコメンドリスト(Recommend List(3))をプロバイダ20に提供する。
【0042】
情報提供装置200は、推定部180に、ユーザIDに対応するレコメンドリストの送信をリクエスト(Request(3))する。情報提供装置200は、推定部180に送信されたレコメンドリスト(Recommend List(2))を取得し、取得したレコメンドリスト(Recommend List(4))をプロバイダ20に提供する。
【0043】
[情報提供装置]
図5は、情報提供装置200の機能構成の一例を示す図である。情報提供装置200は、例えば、第1取得部202と、第2取得部204と、第1処理部206と、第2処理部208と、第1情報提供部210と、第2情報提供部212とを備える。第1処理部206と第1情報提供部210とは「第1提供部」の一例であり、第2処理部208と第2情報提供部212とは「第2提供部」の一例である。
【0044】
上記の機能部のうち、全部または一部は、CPUなどのハードウェアプロセッサが、記憶装置に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの機能部は、LSIや、ASIC、FPGA、GPUなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェア(回路部;circuitryを含む)の協働によって実現されてもよい。
【0045】
第1取得部202は、サービスをユーザに提供するプロバイダにより提供される、アイテムを識別する第1情報を取得する。第2取得部204は、サービスをユーザに提供するプロバイダにより提供される、ユーザを識別する第2情報を取得する。例えば、第1取得部202に接続されたネットワークのパスと、第2取得部204に接続されたネットワークのパスとは、
図5に示すように異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【0046】
また、情報提供装置200は、第1取得部202および第2取得部204に代えて、取得部を備えてもよい。この場合、取得部は、第1情報および第2情報を取得する。この際、第1情報に対して所定の第1識別情報が付与され、第2情報に対して所定の第2識別情報が付与され、各情報が取得部により取得される。これにより、取得部は、取得した情報が第1情報であるか、第2情報であるかを判別することができる。
【0047】
第1処理部206は、第1取得部202により取得された第1情報に基づいて、アイテムリストの中から第1情報を閲覧するユーザにレコメンドする第1レコメンドアイテムを選択する。第1処理部206は、レコメンドデータ162に基づいて、レコメンドアイテムを選択する。換言すると、第1処理部206は、少なくともログ情報Lに基づいて、第1情報を閲覧するユーザにレコメンドする第1レコメンドアイテムを選択する。
【0048】
第2処理部208は、第2取得部204により取得された第2情報に基づいて、アイテムリストの中から第2情報のユーザにレコメンドする第2レコメンドアイテムを選択する。第2処理部208は、学習済モデル182に基づいて、レコメンドアイテムを選択する。換言すると、第2処理部208は、少なくとも上記のログ情報Lに基づいて、第2情報のユーザにレコメンドする第2レコメンドアイテムを選択する。
【0049】
第2情報提供部212は、特定アイテムリストを用いて生成された学習済モデル182を用いて選択された第2レコメンドアイテムをプロバイダ20に提供する。特定アイテムリストは、レコメンドデータ162の生成に用いられた情報である。すなわち、第2情報提供部212は、第1情報提供部210が用いるアイテムリストと共通するアイテムリストの中から第2レコメンドアイテムを選択する。
【0050】
第1情報提供部210は、第1処理部206により選択された第1レコメンドアイテムをプロバイダ20に提供する。第2情報提供部212は、第2処理部208により選択した第2レコメンドアイテムをプロバイダ20に提供する。
【0051】
[情報提供装置の処理(その1)]
図6は、情報提供装置200とデータ蓄積部160とにより実行される処理の流れを示すフローチャート(その1)である。まず、第1取得部202が第1リクエストを取得したか否かを判定する(S10)。第1リクエストとは、アイテムIDに対してレコメンドするアイテムIDの送信のリクエストである。第1リクエストが取得された場合、第1処理部206が、データ蓄積部160に第1リクエストに応じたアイテムIDxの送信を依頼する(ステップS12)。
【0052】
データ蓄積部160は、ステップS12の依頼に応じて、第1リクエストに応じたアイテムIDxを取得し、取得したアイテムIDxを情報提供装置200に送信する(S20)。
【0053】
次に、第1処理部206は、S20で送信された第1リクエストに対応するアイテムIDxを選択し(S14)、第1情報提供部210が、選択されたアイテムIDxをプロバイダ20により送信する(S16)。第1処理部206は、S20で送信された、複数のアイテムIDxの中から、一部(所定数)または全部のアイテムIDを選択し、送信する。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
【0054】
このように、情報提供装置200は、アイテムIDを閲覧したユーザが興味を持つアイテムをプロバイダ20に提供することができる。
【0055】
[情報提供装置の処理(その2)]
図7は、情報提供装置200と推定部180とにより実行される処理の流れを示すフローチャート(その2)である。本処理は、例えば、
図6のフローチャートの処理と並列して実行される。
【0056】
まず、第2取得部204が第2リクエストを取得したか否かを判定する(S30)。第2リクエストとは、ユーザ(例えばユーザID)に対してレコメンドするアイテムIDの送信のリクエストである。第2リクエストが取得された場合、第2処理部208が、推定部180に第2リクエストに応じたアイテムIDyの送信を依頼する(ステップS32)。
【0057】
推定部180は、ステップS32の依頼に応じて、第2リクエストに応じたアイテムIDyを取得し、取得したアイテムIDyを情報提供装置200に送信する(S40)。例えば、推定部180は、ユーザ情報164を学習済モデル182に入力し、学習済モデル182が出力した情報に基づいて、アイテムIDyを取得する。
【0058】
次に、第2処理部208は、S40で送信された第2リクエストに対応するアイテムIDyを選択し(S34)、選択したアイテムIDyをプロバイダ20に送信する(S36)。第2処理部208は、S34で送信された、複数のアイテムIDyの中から、一部(所定数)または全部のアイテムIDを選択し、送信する。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
【0059】
このように、情報提供装置200は、ユーザが興味を持つアイテムをプロバイダ20に提供することができる。
【0060】
なお、
図7の処理は、
図6のフローチャートの処理の直前または直後に実行されてもよい。この場合、情報提供装置200は、第1リクエストに対応するレコメンドするアイテムIDと第2リクエストに対応するレコメンドするアイテムIDと同じタイミングでプロバイダ20に送信してもよい。
【0061】
[情報システムの処理]
情報システム1において、レコメンドされたアイテムが活用される際の処理について説明する。以下、端末装置10が、
図2で示したように、プロバイダ20により提供されたサービス(コンテンツ)において、所定のコンテンツを操作した場合に行われる処理について説明する。
【0062】
図8は、情報システム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、端末装置10が、ユーザの操作に応じた情報(例えば操作された領域)、およびユーザIDをプロバイダ20に送信する(S100)。次に、プロバイダ20は、端末装置10により送信された情報に基づいて、操作に対応するアイテムID(例えば操作された領域に表示されているアイテムID)を取得し(S102)、取得したアイテムID、およびユーザIDを含むリクエストを情報提供装置200に送信する(S104)。ステップS104のリクエストは、第1リクエストおよび第2リクエストを含む。
【0063】
次に、情報提供装置200は、
図6、
図7のフローチャートの処理で説明したように、第1リクエストに対応する一以上の第1アイテムID、および第2リクエストに対応する一以上の第2アイテムIDを取得し、取得した一以上の第1アイテムIDおよび一以上の第2アイテムIDをプロバイダ20に送信する(S108)。
【0064】
次に、プロバイダ20は、S108で送信された第1アイテムIDおよび第2アイテムIDに基づいて、記憶装置に記憶された複数のコンテンツに関する情報を含むコンテンツ情報を参照し、第1アイテムIDに対応するコンテンツおよび第2アイテムIDに対応するコンテンツに関する情報を取得し(S112)、取得したコンテンツに関する情報を端末装置10に送信する(S114)。例えば、アイテムIDが複数の場合、取得されたアイテムIDも複数となる。コンテンツに関する情報とは、例えば、端末装置10がコンテンツを含む画像を生成するための元情報である。
【0065】
次に、端末装置10は、S114で送信された情報に基づいて、第1アイテムIDに対応するコンテンツ、および第2アイテムIDに対応するコンテンツを端末装置10の表示部に表示させる(S116)。
【0066】
図9は、
図8のシーケンスの処理結果の一例を示す図である。例えば、ユーザが、端末装置10の表示部に表示された画像IMのアイテムAに対してタッチ操作を行ったものとする。この場合、プロバイダ20が、情報提供装置200により提供された情報を端末装置10に提供する。そして、端末装置10の表示部には、画像IM1が表示される。画像IM1には、例えば、アイテムAを選択したユーザにおすすめする動画(コンテンツ)およびユーザにおすすめするコンテンツを含む。
【0067】
[効果(その1)]
上述したように、情報提供装置200が、ユーザが選択したアイテムに応じたコンテンツ、およびユーザに応じたコンテンツをプロバイダ20に送信することにより、プロバイダ20は、よりユーザが興味を持つコンテンツをユーザに提供することができる。
【0068】
[効果(その2)]
本実施形態の情報システム1において、プロバイダ20が、アイテムに応じたアイテムIDと、ユーザの特徴を示す情報に応じたアイテムIDとのうち、一方の送信を希望する場合、情報提供装置200は、一方の送信をプロバイダ20に送信し、プロバイダ20が、双方の送信を希望する場合、情報提供装置200は、双方の送信をプロバイダ20に送信する。どの情報をプロバイダ20に送信するかは、事前に決定されていてもよいし、情報提供装置200が取得した情報に基づいて決定してされてもよい。例えば、情報提供装置200が、第1情報のみを取得した場合、第1情報に応じたアイテムIDをプロバイダ20に送信する。
【0069】
このように、情報提供装置200が、プロバイダ20の利用形態に応じた情報を提供するため、プロバイダ20や情報を受け取るユーザの利便性が向上する。
【0070】
[効果(その3)]
プロバイダ20が、学習済モデル182に基づくアイテムIDのコンテンツをユーザに提供せずに、レコメンドデータに基づくアイテムIDのコンテンツをユーザに提供している場合において、今後、プロバイダ20が学習済モデル182に基づくアイテムIDのコンテンツをユーザに提供することを希望する場合、取得済のログ情報に基づいて学習済モデルが生成可能である。このため、プロバイダ20は、再度、ログ情報を学習部190に提供する必要がない。また、ログ情報のフォーマットは共通しているため、新たにログ情報を提供する場合にも、情報システム1またはプロバイダ20は、ログ情報を所定のフォーマットに加工するための設備等が必要ない。このため、プロバイダ20の管理者にとっての利便性が向上する。
【0071】
[変形例]
集計部130は、プロバイダ20がユーザに提供するウエブページごとに利用するレコメンドデータを変更し、推定部180は、プロバイダ20がユーザに提供するウエブページごとに利用する学習済モデル182を変更してもよい。
【0072】
図10は、変形例の情報提供システム100Aの機能構成の一例を示す図である。情報提供システム100Aは、集計部130に代えて集計部130Aを備え、推定部180に代えて推定部180Aを備える。
【0073】
情報提供システム100Aの情報提供装置200は、以下の処理を行う。以下、第1取得部202と第2取得部204とを、「取得部」と称する。取得部は、サービスをユーザに提供する第1プロバイダにより提供される、アイテムを識別する第1情報とユーザを識別する第2情報とを取得する。第1処理部206は、少なくとも第1プロバイダに関する第1ログ情報に基づいて、第1レコメンドアイテムを選択する。第1情報提供部210は、第1処理部206が選択した第1レコメンドアイテムを第1プロバイダに提供する。第2処理部208は、少なくとも第1ログ情報に基づいて、第2レコメンドアイテムを選択する。第2情報提供部212は、選択した第2レコメンドアイテムを第1プロバイダに提供する。
【0074】
取得部は、サービスをユーザに提供する第2プロバイダにより提供される、アイテムを識別する第3情報とユーザを識別する第4情報とを取得する。第1処理部206は、少なくとも第2プロバイダに関する第2ログ情報に基づいて、第3レコメンドアイテムを選択する。第1情報提供部210は、第1処理部206が選択した第3レコメンドアイテムを第2プロバイダに提供する。第2処理部208は、少なくとも第2ログ情報に基づいて、第4レコメンドアイテムを選択する。第2情報提供部212は、第1処理部206が選択した第4レコメンドアイテムを第2プロバイダに提供する。
【0075】
第1ログ情報は、第1プロバイダがユーザに提供したサービスに対してユーザが行った行動に関するログ情報である。第2ログ情報は、第2プロバイダがユーザに提供したサービスに対してユーザが行った行動に関するログ情報である。第1ログ情報と第2ログ情報とは同様のフォーマットである。
【0076】
図11は、変形例の情報提供システム100Aの処理の概要(その1)を説明するための図である。例えば、プロバイダ20が、プロバイダ20の識別情報(プロバイダID)と、ユーザが閲覧しているページの識別情報(ページID)と、アイテムIDとを情報提供装置200に送信したものとする。以下、これらの情報を「第1リクエスト情報」と称する。この場合、情報提供装置200は、データ蓄積部160の記憶装置に記憶された複数のレコメンドデータから、第1リクエスト情報に対応するレコメンドデータを参照する。
【0077】
例えば、各レコメンドデータには、プロバイダIDと、ページIDとが対応付けられている。第1リクエスト情報に対応するレコメンドデータとは、第1リクエストのプロバイダIDとページIDとが共通するレコメンドデータである。そして、情報提供装置200は、そのレコメンドデータを参照して、アイテムIDに応じたレコメンドするアイテムIDを取得し、取得したアイテムIDをプロバイダ20に送信する。
【0078】
図12は、変形例の情報提供システム100Aの処理の概要(その2)を説明するための図である。例えば、プロバイダ20が、プロバイダ20の識別情報(プロバイダID)と、ユーザが閲覧しているページの識別情報(ページID)と、ユーザIDとを情報提供装置200に送信したものとする。以下、これらの情報を「第2リクエスト情報」と称する。この場合、情報提供装置200は、推定部180に記憶装置に記憶された複数の学習済モデル182の中から、第2リクエスト情報に対応する学習済モデル182を選択させ、選択させた学習済モデル182を用いた処理を実行させる。
【0079】
例えば、各学習済モデル182には、プロバイダIDと、ページIDとが対応付けられている。第2リクエスト情報に対応するレコメンドデータとは、第2リクエストのプロバイダIDとページIDとが共通する学習済モデル182である。そして、推定部180は、その学習済モデル182に、ユーザ情報を入力し、学習済モデル182が出力したレコメンドするアイテムIDをプロバイダ20に送信する。
【0080】
レコメンドデータの選択、または学習済モデル182の選択において、プロバイダIDとページIDとが共通するレコメンドデータ、または学習済モデル182が選択されるものとしたが、上記の例において、ページIDの利用は省略されてもよい。すなわち、プロバイダIDが共通するレコメンドデータまたは学習済モデル182が選択されてもよい。この場合、レコメンドデータまたは学習済モデル182に対して、プロバイダIDが対応付けられる。
【0081】
図13は、レコメンドデータおよび学習済モデル182の生成に用いられる情報について説明するための図である。例えば、プロバイダIDとページIDとが共通するレコメンドデータおよび学習済モデル182の生成に用いられる情報は、同様のログ情報である。同様の情報とは、例えば、時間的には同じである、または異なっているが、情報の種別が同様の情報であることである。情報の種別が同様とは、同じページにおけるログ情報を利用していることや、同じプロバイダにおけるログ情報などのように、ログ情報が収集された態様が同じことである。
【0082】
例えば、情報提供システム100Aは、所定のプロバイダ20により提供されたログ情報や所定のページのログ情報に基づいて、学習済モデル182または上記のレコメンドデータ142を生成することができるため、特定のプロバイダ20または特定のページを利用するユーザの嗜好に応じたコンテンツを提供することができる。
【0083】
なお、情報提供システム100Aが、複数のプロバイダ20により提供されたログ情報に基づいて、学習済モデル182またはレコメンドデータ142を生成してもよい。この場合、複数のプロバイダ20のユーザの嗜好に応じたコンテンツを提供するためのモデルやレコメンドデータ等が、容易に生成される。
【0084】
また、この場合、各プロバイダ20が送信するログ情報のフォーマットは共通しているため、情報提供システム100Aは、各プロバイダ20により送信されたログ情報を用いて、学習済モデル182またはレコメンドデータ142を生成することができる。これにより、情報提供システム100Aは、複数のプロバイダ20のユーザの嗜好に応じたコンテンツを提供するための学習済モデル182やレコメンドデータ142等を、容易に生成することができる。
【0085】
このように、情報提供システム100Aは、用途に応じて学習済モデル182やレコメンドデータ142等を、容易に生成することができる。
【0086】
以上説明した実施形態によれば、情報提供装置200は、取得部により取得された第1情報に基づいて、アイテムリストの中から選択した第1情報を閲覧するユーザにレコメンドする第1レコメンドアイテムをプロバイダに提供し、取得部により取得された第2情報に基づいて、アイテムリストの中から選択した第2情報のユーザにレコメンドする第2レコメンドアイテムを提供することにより、ユーザが興味をもつアイテムをレコメンドすることができる。
【0087】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0088】
1‥情報システム、10‥端末装置、20‥プロバイダ、110‥ログ回収部、120‥管理部、130、130A‥集計部、140‥第1データ処理部、142‥レコメンドデータ、144‥ユーザ情報、150‥第1ゲートウエイ、160‥データ蓄積部、162‥レコメンドデータ、164‥ユーザ情報、170‥第2ゲートウエイ、180、180A‥推定部、182‥学習済モデル、190‥学習部、200‥情報提供装置、202‥第1取得部、204‥第2取得部、206‥第1処理部、208‥第2処理部、210‥第1情報提供部、212‥第2情報提供部