(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】基板処理装置およびその駆動方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
H01L21/304 643C
H01L21/304 643A
H01L21/304 648G
(21)【出願番号】P 2020133899
(22)【出願日】2020-08-06
【審査請求日】2021-06-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0095884
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】明魯勳
(72)【発明者】
【氏名】姜韓仙
(72)【発明者】
【氏名】尹貞▲びん▼
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-056206(JP,A)
【文献】特開2014-099598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
H01L 21/683
B08B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持し、
基板を一方向に回転させ得る支持モジュールと、
前記支持モジュールの一側に配置され、スウィング方式で移動して前記基板に薬液を噴射するスウィングノズルと、
前記スウィングノズルの一側に配置され、前記スウィングノズルの動きをセンシングするセンサと、
前記スウィングノズルの他側に、互いに相対的な間隔調整が可能なように設置される電磁石およびマグネットと、
前記センサのセンシング結果の提供を受け、前記電磁石に電源を提供して前記電磁石と前記マグネットとの間に引力または斥力を発生させて前記スウィングノズルに対するダンピング動作を行うコントローラと、を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記電磁石は前記スウィングノズルの他側と第1ばねを介して連結され、
前記マグネットは前記スウィングノズルの他側と第2ばねを介して連結される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記電磁石と前記マグネットとの間に引力が発生する場合、前記第1ばねまたは前記第2ばねが曲がることにより前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が近くなり、
前記電磁石と前記マグネットとの間に斥力が発生する場合、前記第1ばねまたは前記第2ばねが曲がることにより前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が遠くなる、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記センサは加速度センサであり、
前記コントローラは前記加速度センサによってセンシングされた加速度に基づいて、前記電磁石に提供する電流の周波数と振幅のうち少なくとも一つを制御する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記加速度センサによってセンシングされた加速度の絶対値が大きくなることによって、前記電磁石と前記マグネットとの間の斥力を大きくする、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記スウィングノズルが等速度運動するとき、前記スウィングノズルには第1大きさの振動が発生し、
前記スウィングノズルが停止するとき、前記スウィングノズルには前記第1大きさより大きい第2大きさの振動が発生する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記スウィングノズルは、薬液を前記基板に噴射しながら第1位置から第2位置まで移動し、前記第1位置は前記基板のエッジに対応し、前記第2位置は前記基板のセンターに対応し、前記スウィングノズルは、前記第1位置と前記第2位置との間で少なくとも2回止まる、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記スウィングノズルの前記一側にはノズルチップが配置され、
前記スウィングノズルの前記他側はノズルシャフトと連結され、
前記ノズルシャフトは第1プーリに連結され、モータは第2プーリに連結され、前記第1プーリと前記第2プーリはタイミングベルトによって連結される、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記電磁石は、ボイスコイルモータを含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板に薬液を噴射するためのスウィングノズルと、
前記スウィングノズルの一側に配置された加速度センサと、
前記スウィングノズルの他側に配置され、前記加速度センサによってセンシングされた加速度によりダンピング動作を行うダンパとを含み、
前記ダンパは、
前記スウィングノズルの他側と第1ばねを介して連結された電磁石と、
前記スウィングノズルの他側と第2ばねを介して連結され、前記電磁石と対向するように配置されたマグネットとを含む、基板処理装置。
【請求項11】
前記電磁石と前記マグネットとの間に引力が発生する場合、前記第1ばねまたは前記第2ばねが曲がることにより前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が近くなり、前記ダンパのダンピング量が小さくなる、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記電磁石と前記マグネットとの間に斥力が発生する場合、前記第1ばねまたは前記第2ばねが曲がることにより前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が遠くなり、前記ダンパのダンピング量が大きくなる、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記スウィングノズルが等速度運動するとき、前記スウィングノズルには第1大きさの振動が発生し、
前記スウィングノズルが停止するとき、前記スウィングノズルには前記第1大きさより大きい第2大きさの振動が発生する、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記スウィングノズルは、前記薬液を前記基板に噴射しながら第1位置から第2位置まで移動し、前記第1位置は前記基板のエッジに対応し、前記第2位置は前記基板のセンターに対応し、前記スウィングノズルは、前記第1位置と前記第2位置との間で少なくとも2回止まる、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
スウィングノズルと、前記スウィングノズルの一側に配置されて前記スウィングノズルの動きをセンシングする加速度センサと、前記スウィングノズルの他側と第1ばねを介して連結された電磁石と、前記スウィングノズルの他側と第2ばねを介して連結されて、前記電磁石と対向するように配置されたマグネットと、を含む基板処理装置が提供され、
前記加速度センサを介して前記スウィングノズルの振動をセンシングし、
前記加速度センサのセンシング結果により、前記電磁石と前記マグネットとの間に斥力を発生させて前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が遠くなるようにすることを含む、基板処理装置の駆動方法。
【請求項16】
前記スウィングノズルが等速度運動するとき、前記スウィングノズルには第1大きさの振動が発生し、
前記スウィングノズルが停止するとき、前記スウィングノズルには前記第1大きさより大きい第2大きさの振動が発生する、請求項15に記載の基板処理装置の駆動方法。
【請求項17】
前記スウィングノズルは、薬液を前記基板に噴射しながら第1位置から第2位置まで移動し、前記第1位置は前記基板のエッジに対応し、前記第2位置は前記基板のセンターに対応し、前記スウィングノズルは、前記第1位置と前記第2位置との間で少なくとも2回止まる、請求項16に記載の基板処理装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置またはディスプレイ装置を製造する際には、写真、エッチング、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、洗浄など多様な工程が実施される。ここで、洗浄工程は基板表面に残留するパーティクル、有機汚染物、金属汚染物などの汚染物質などを除去する。このような洗浄工程は、乾式洗浄(dry cleaning)と湿式洗浄(wet cleaning)に区分される。湿式洗浄は、薬液中に基板を沈積させて化学的溶解などによって汚染物質を除去するバス(bath)式と、スピンチャック上に基板を置いて、基板を回転させる間、ノズルを介して基板の表面に薬液を供給して汚染物質を除去する枚葉式に分けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、枚葉式洗浄装置の場合、薬液を供給するノズルの振動によって、収率およびプロセスの最適化に困難がある。ノズルが振動すると、ノズル内の薬液が既に設定された値より多く基板上に噴射され得る。そのため、基板の一部パターンが崩れる問題が発生し得る。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ノズルの振動を最小化できるダンパを含む基板処理装置を提供することにある。
【0005】
本発明が解決しようとする他の課題は、ノズルの振動を最小化できるダンパを含む基板処理装置の駆動方法を提供することにある。
【0006】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の一面(aspect)は、基板を支持し、基板を一方向に回転させ得る支持モジュールと、前記支持モジュールの一側に配置され、スウィング方式で移動して前記基板に薬液を噴射するスウィングノズルと、前記スウィングノズルの一側に配置され、前記スウィングノズルの動きをセンシングするセンサと、前記スウィングノズルの他側に、互いに相対的な間隔調整が可能なように設置される電磁石およびマグネットと、前記センサのセンシング結果の提供を受け、前記電磁石に電源を提供して前記電磁石と前記マグネットとの間に引力または斥力を発生させて前記スウィングノズルに対するダンピング動作を行うコントローラと、を含む。
【0008】
前記電磁石は前記スウィングノズルの他側と第1ばねを介して連結され、前記マグネットは前記スウィングノズルの他側と第2ばねを介して連結される。
【0009】
前記電磁石と前記マグネットとの間に引力が発生する場合、前記第1ばねまたは前記第2ばねが曲がることにより前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が近くなり、前記電磁石と前記マグネットとの間に斥力が発生する場合、前記第1ばねまたは前記第2ばねが曲がることにより前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が遠くなる。
【0010】
前記センサは加速度センサであり、前記コントローラは前記加速度センサによってセンシングされた加速度に基づいて、前記電磁石に提供する電流の周波数と振幅のうち少なくとも一つを制御し得る。
【0011】
前記加速度センサによってセンシングされた加速度の絶対値が大きくなることによって、前記電磁石と前記マグネットとの間の斥力を大きくし得る。
【0012】
前記スウィングノズルが等速度運動するとき、前記スウィングノズルには第1大きさの振動が発生し、前記スウィングノズルが停止するとき、前記スウィングノズルには前記第1大きさより大きい第2大きさの振動が発生し得る。
【0013】
前記スウィングノズルは、薬液を前記基板に噴射しながら第1位置から第2位置まで移動し、前記第1位置は前記基板のエッジに対応し、前記第2位置は前記基板のセンターに対応し、前記スウィングノズルは、前記第1位置と前記第2位置との間で少なくとも2回止まり得る。
【0014】
前記スウィングノズルの前記一側にはノズルチップが配置され、前記スウィングノズルの前記他側はノズルシャフトと連結され、前記ノズルシャフトは第1プーリに連結され、モータは第2プーリに連結され、前記第1プーリと前記第2プーリはタイミングベルトによって連結され得る。
【0015】
前記電磁石は、ボイスコイルモータを含み得る。
【0016】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の他の面は、基板に薬液を噴射するためのスウィングノズルと、前記スウィングノズルの一側に配置された加速度センサと、前記スウィングノズルの他側に配置され、前記加速度センサによってセンシングされた加速度によりダンピング動作を行うダンパを含み、前記ダンパは、前記スウィングノズルの他側と第1ばねを介して連結された電磁石と、前記スウィングノズルの他側と第2ばねを介して連結され、前記電磁石と対向するように配置されたマグネットと、を含む。
【0017】
前記電磁石と前記マグネットとの間に引力が発生する場合、前記第1ばねまたは前記第2ばねが曲がることにより前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が近くなり、前記ダンパのダンピング量が小さくなって、前記電磁石と前記マグネットとの間に斥力が発生する場合、前記第1ばねまたは前記第2ばねが曲がることにより前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が遠くなり、前記ダンパのダンピング量が大きくなる。
【0018】
前記スウィングノズルが等速度運動するとき、前記スウィングノズルには第1大きさの振動が発生し、前記スウィングノズルが停止するとき、前記スウィングノズルには前記第1大きさより大きい第2大きさの振動が発生する。
【0019】
前記スウィングノズルは、前記薬液を前記基板に噴射しながら第1位置から第2位置まで移動し、前記第1位置は前記基板のエッジに対応し、前記第2位置は前記基板のセンターに対応し、前記スウィングノズルは、前記第1位置と前記第2位置との間で少なくとも2回止まる。
【0020】
前記他の課題を達成するための本発明の基板処理装置の駆動方法の一面は、スウィングノズルと、前記スウィングノズルの一側に配置されて前記スウィングノズルの動きをセンシングする加速度センサと、前記スウィングノズルの他側と第1ばねを介して連結された電磁石と、前記スウィングノズルの他側と第2ばねを介して連結されて前記電磁石と対向するように配置されたマグネットと、を含む基板処理装置が提供され、前記加速度センサを介して前記スウィングノズルの振動をセンシングし、前記加速度センサのセンシング結果により、前記電磁石と前記マグネットとの間に斥力を発生させて前記電磁石と前記マグネットとの間の距離が遠くなるようにすることを含み得る。
【0021】
前記スウィングノズルが等速度運動するとき、前記スウィングノズルには第1大きさの振動が発生し、前記スウィングノズルが停止するとき、前記スウィングノズルには前記第1大きさより大きい第2大きさの振動が発生する。
【0022】
前記スウィングノズルは、薬液を前記基板に噴射しながら第1位置から第2位置まで移動し、前記第1位置は前記基板のエッジに対応し、前記第2位置は前記基板のセンターに対応し、前記スウィングノズルは、前記第1位置と前記第2位置との間で少なくとも2回止まる。
【0023】
その他実施形態の具体的な内容は、詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を説明するためのブロック図である。
【
図2】
図1に示すダンパを説明するための拡大図である。
【
図3】
図1に示すダンパの動作を説明するための図面である。
【
図4】
図1に示すダンパの動作を説明するための図面である。
【
図5】
図1に示すスウィングノズルの一側を説明するための拡大図である。
【
図6】スウィングノズルが等速度運動するときに発生する振動を説明するための図である。
【
図7】スウィングノズルが停止するときに発生する振動を説明するための図である。
【
図8】本発明の他の実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施形態による基板処理装置を説明するための図面である。
【
図10】本発明のさらに他の実施形態による基板処理装置を説明するための図面である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態による基板処理システムを概略的に示す平面図である。
【
図12】
図11の枚葉式基板処理装置の構成を示す平面構成図である。
【
図13】
図12に示す基板処理装置で処理容器と支持モジュールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照することにより明確になる。しかし、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態を実現することができ、本実施形態は単に本発明の内容を詳細にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を具体的に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を称する。
【0026】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」または「上(on)」と称する場合、他の素子または層の真上だけでなく中間に他の層または他の素子を介在する場合をすべて含む。反面、素子が「直接上(directly on)」または「真上」と称する場合、中間に他の素子または層を介在しない場合を示す。
【0027】
空間的に相対的な用語である「下方(below)」、「下(beneath)」、「底部(lower)」、「上方(above)」、「上部(upper)」等は図面に図示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使われる。空間的に相対的な用語は図面に図示されている方向に加えて使用時または動作時において素子が互いに異なる方向を含む用語として理解しなければならない。例えば、図面に図示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下方(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上方(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語である「の下」は下と上の方向をすべて含み得る。素子は他の方向にも配向されることができ、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0028】
第1、第2等が多様な素子、構成要素および/またはセクションを詳述するために使われるが、これら素子、構成要素および/またはセクションは、これら用語によって制限されないことはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用するものである。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得ることはもちろんである。
【0029】
本明細書で使われた用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文面で特記しない限り、複数形も含む。明細書で使われる「含む(comprises)」および/または「含み(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0030】
他に定義のない限り、本明細書で使われるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解することができる意味で使用される。また、一般に使われている辞典に定義されている用語は、明らかに特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。
【0031】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。添付図面を参照して説明するにあたり、図面符号に関係なく同一または対応する構成要素には同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態による基板処理装置を説明するためのブロック図である。
図2は
図1に示すダンパを説明するための拡大図である。
図3および
図4は
図1に示すダンパの動作を説明するための図面である。
【0033】
まず
図1を参照すると、本発明の一実施形態による基板処理装置はスウィングノズルN、センサ950、ダンパ(damper)900、コントローラ1000等を含む。
【0034】
基板Wは支持モジュール上に位置し、支持モジュールは基板Wを一方向Cに回転させ得る。
【0035】
スウィングノズルNは、スウィング方向Sに移動し、基板Wに薬液を噴射する。すなわち、基板Wが回転する間、スウィングノズルNは、薬液を基板Wに噴射しながら第1位置P1から第2位置PCまで移動することができる。例えば、第1位置P1は基板Wのエッジに対応し、第2位置PCは基板のセンターに対応し得る。
【0036】
また、スウィングノズルNの一側にはノズルチップ(nozzle tip)が配置され、スウィングノズルNの他側はノズルシャフトと連結される。ノズルシャフトを基準としてスウィングノズルNがスウィングする。
【0037】
スウィングノズルNは、薬液供給部1010と連結され、駆動部1020と連結される。スウィングノズルNは駆動部1020によって電源の提供を受けてスウィング動作を行い、薬液供給部1010から薬液の提供を受けてノズルチップを介して薬液を噴射する。薬液は基板洗浄に使われる薬液(例えば、超純水、オゾン水、イソプロピルアルコールなど)であり得るが、これに限定されない。
【0038】
センサ950はスウィングノズルNの一側に配置され、スウィングノズルNの動きをセンシングする。センサ950は、例えば、加速度センサであり得るが、これに限定されない。すなわち、スウィングノズルNの動き(例えば、振動)をセンシングできるものであれば、いかなるセンサでも可能である。センサ950はセンシング結果(例えば、スウィングノズルNの加速度)をコントローラ1000に提供する。
【0039】
また、スウィングノズルNの他側には、ダンパ900が設置される。
【0040】
図2を参照すると、ダンパ900は互いに相対的な間隔調整が可能なように設置される電磁石910とマグネット920を含み得る。互いに相対的な間隔調整が可能になるように、電磁石910は第1ばね912を介してスウィングノズルNの他側に連結され、マグネット920は第2ばね922を介してスウィングノズルNの他側に連結される。例えば、第1ばね912と第2ばね922は板ばねであり得るが、これに限定されない。すなわち、電磁石910とマグネット920が互いに対向するように配置され、第1ばね912と第2ばね922の相対的間隔を調整できるものであれば、いかなるものでも可能である。
【0041】
電磁石910は、電源供給部1030から電源(例えば、電流)の提供を受ける。提供される電源の周波数/振幅などによって電磁石910で生成する磁力の形態は変更される。
【0042】
電磁石910は、例えば、ボイスコイルモータ(VCM,Voice Coil Motor)でありうる。ボイスコイルモータは、速やかな応答性と線形性、小型サイズに低電力駆動が可能であり、精密制御用途に使われる。ボイスコイルモータは、例えば、軟磁性体と永久磁石に磁気回路が形成され、磁気回路内のエアギャップ(air gap)にコイルを位置させる構造でありうる。
【0043】
マグネット920は電磁石であり得、永久磁石であり得る。マグネット920が電磁石であれば、電源供給部1030から電源の提供を受け得る。以下では説明の便宜上、マグネット920が永久磁石である場合を説明する。
【0044】
コントローラ1000は、センサ950のセンシング結果(例えば、スウィングノズルNの加速度)の提供を受け、センシング結果に基づいて電源供給部1030が電磁石910に電源を提供するようにして電磁石910とマグネット920との間の引力または斥力を発生させてスウィングノズルNに対するダンピング動作を遂行することができる。
【0045】
ここで
図3を参照すると、電磁石910とマグネット920との間に引力F1が発生する場合、第1ばね912または第2ばね922が曲がることにより電磁石910とマグネット920との間の距離が近くなる。電磁石910とマグネット920との間の距離が近くなると、ダンパ900のダンピング量が小さくなる。
【0046】
図4を参照すると、電磁石910とマグネット920との間に斥力F2が発生する場合、第1ばね912または第2ばね922が曲がることにより電磁石910とマグネット920との間の距離が遠くなる。電磁石910とマグネット920との間の距離が遠くなると、ダンパ900のダンピング量が大きくなる。スウィングノズルNが振動する場合、ダンピング量が大きくなるようにしてスウィングノズルNの振動を低減させることができる。
【0047】
ここで、第1ばね(板ばね)912と第2ばね(板ばね)922の強度を異なるようにすることができる。チャンバ内の他のモジュール(または構成部品)の配置を考慮し、第1ばね912/第2ばね922の強度を調整する。
図3および
図4に示すように、第1ばね912の強度が第2ばね922の強度より大きくてもよい。このようにすると、引力/斥力が発生したとき、第1ばね912より第2ばね922がより多く曲がる。逆に、
図3および
図4に示すものとは異なり、第2ばね922の強度が第1ばね912の強度より大きくてもよい。
【0048】
図5ないし
図7を参照してダンパ900のダンピング動作を追加的に説明する。
【0049】
図5は、
図1に示すスウィングノズルの一側を説明するための拡大図である。
図6は、スウィングノズルが等速度運動するとき発生する振動を説明するための図である。
図7は、スウィングノズルが停止するとき発生する振動を説明するための図である。
【0050】
まず、
図5を参照すると、基板W上に薬液を一定に提供するために、コントローラ1000はスウィングノズルNが等速度で移動するように制御する。ところで、スウィングノズルNはモータ770から提供される回転力が、タイミングベルトおよびプーリ等を介してスウィングノズルNに提供され、そのためスウィングノズルNが移動することができる。しかし、このような構造によってスウィングノズルNは動作時振動が発生し得る。
図5に示すように、スウィングノズルNの一側が第1方向aと第2方向bに振動し得る。
【0051】
図6を参照すると、x軸は時間であり、y軸は変位を表す。スウィングノズルNが等速度運動しても、スウィングノズルNは
図6に示すような同じ微細な振動(すなわち、第1大きさの振動)が発生する。図面符号991は等速度運動時にスウィングノズルNの一側で発生する振動を表す。
図6には、第2方向bへの振幅Abと、第1方向aへの振幅Aaを図示している。ダンパ900を利用することによって、振幅Aa、Abを減らすことができる。
【0052】
図7を参照すると、x軸は時間であり、y軸は変位を表す。スウィングノズルNが停止するとき、スウィングノズルNは相対的に大きい振動(すなわち、第2大きさの振動)が発生する。ここで、第2大きさは第1大きさより大きくてもよい。ここで、第2大きさは停止時に発生する最も大きい振幅であり、第1大きさは等速度運動時に発生する最も大きい振幅を表す。
【0053】
図面符号992は、停止時にスウィングノズルNの一側で発生する振動を表す。例えば、スウィングノズルNが第2方向bに移動中に停止すると、第2方向bに慣性が発生する。したがって、コントローラ1000がスウィングノズルNを停止させようとしても、スウィングノズルNは停止目標位置より第2方向bによりさらに少し動く。その後、スウィングノズルNは停止目標位置に戻るが、この時も停止目標位置より第1方向aにさらに少し動くことになる。
図7に示すように、結果的にスウィングノズルNは振動をしながら停止する。このような振動過程でスウィングノズルN内にある薬液が基板W上に吐出され得る。したがって、このような振動を最小化する必要がある。
【0054】
反面、本願発明の一実施形態による基板処理装置では、スウィングノズルNの一側に加速度センサ950が設置されているので、センシング結果によってダンパ900のダンピング力を調整することができる。例えば、加速度センサ950によりセンシングされた加速度の絶対値が大きくなることによって、電磁石910とマグネット920との間の斥力を大きくする(すなわち、ダンピング力を大きくする。)。したがって、このようなスウィングノズルNの振動を最小化することができる。
【0055】
図7で、図面符号992はダンパ900がない場合(または、ダンパ900を動作させない場合)、停止時にスウィングノズルNの一側で発生する振動を表す。例えば、スウィングノズルNは接線992aに沿って振動を減少させ得る。
【0056】
反面、図面符号993はダンパ900を動作させる場合、停止時にスウィングノズルNの一側で発生する振動を表す。例えば、スウィングノズルNは接線993aに沿って振動を減少させ得る。接線993aの傾きは、接線992aの傾きに比べてより急であることがわかる。すなわち、ダンパ900を動作させる場合、停止時にスウィングノズルNの振動を最小化することができる。
【0057】
本発明の一実施形態による基板処理装置によれば、加速度センサ950を介してリアルタイムでスウィングノズルNの振動が分かり、振動を最小化するために(振動をなくすために)ダンパを動作させる。加速度センサ950のセンシング結果に基づいて、コントローラ1000は、電磁石910に提供される電流の周波数および/または振幅をリアルタイムで調整することができる。
【0058】
スウィングノズルNの振動(すなわち、図面符号991,992参照)に正確にマッチングさせることにより、コントローラ1000はダンパ900のダンピング量を補完的に調整することができる。
【0059】
または、スウィングノズルNの振動にダンパ900のダンピング量を正確に/補完的にマッチングさせず、加速度センサ950の加速度が既に設定された基準より大きいと、電磁石910とマグネット920との間に斥力を発生させて、電磁石910とマグネット920との間の距離が遠くなるようにすることもできる(すなわち、既に設定されたダンピング量以上を実現)。
【0060】
図8は本発明の他の実施形態による基板処理装置を説明するための図である。説明の便宜上、
図1ないし
図7を利用して説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0061】
図8を参照すると、スウィングノズルNは、薬液を基板Wに噴射しながら第1位置P1から第2位置PCまで移動し、スウィングノズルNは第1位置P1と第2位置PCとの間で少なくとも2回止まることができる。
図8では例示的に、P2、P3、P4位置で止まることができる。このように止まる理由は次のとおりである。基板Wの上面に薬液を均一に塗布するためにスウィングノズルNを用いるが、基板WとスウィングノズルNの相対的な運動方向が異なって、等速度の駆動プロファイルを実現するためにスウィングノズルNを途中に何度も停止させる。このようにスウィングノズルNが停止する回数が多くなれば多くなるほど、本願発明の基板処理装置のダンピング動作は効果が最大化される。
【0062】
図9および
図10は本発明のさらに他の実施形態による基板処理装置を説明するための図面である。
図9は
図1ないし
図8を参照して説明した基板処理装置の実施形態で、
図10は
図9のモータ、プーリ、タイミングベルトの間の関係を説明するための図である。
【0063】
図9および
図10を参照すると、スウィングノズルNの一側にはノズルチップ720が配置される。また、スウィングノズルNの一側上面にはセンサ950が設置される。スウィングノズルNの他側にはダンパ900(すなわち、電磁石910、マグネット920、第1ばね912、第2ばね922等)が設置される。また、スウィングノズルNの他側はノズルシャフトと連結される。ノズルシャフトは第1プーリ780に連結され、モータ770は第2プーリ771に連結され、第1プーリ780と第2プーリ771はタイミングベルト790によって連結される。スウィングノズルNはモータ770から提供される回転力が、第2プーリ771、タイミングベルト790、第1プーリ780、ノズルシャフト等を介してスウィングノズルNに提供される。しかし、このような構造によってスウィングノズルNは動作時(すなわち、等速度運動時、停止時)振動が発生し得る。コントローラ1000はセンサ950を利用してスウィングノズルNの振動を感知し、振動を相殺させ得るようにダンパ900を駆動させる。このようにすることで振動を最小化する。
【0064】
図11は本発明のいくつかの実施形態による基板処理システムを概略的に示す平面図である。
図1ないし
図10を利用して説明した基板処理装置が実現されることができるシステムである。
【0065】
図11を参照すると、本発明の基板処理システムは、インデックス部10と工程処理部20を含み得る。インデックス部10と工程処理部20は一列に配置される。以下、インデックス部10と工程処理部20が配列された方向を第2方向2とし、上部から見るとき、第2方向2の垂直である方向を第1方向1とし、第1方向1と第2方向2を含む平面に垂直である方向を第3方向3と定義する。
【0066】
インデックス部10は基板処理システムの前方に配置される。インデックス部10はロードポート12および移送フレーム14を含む。
【0067】
ロードポート12には基板Wが収納されたキャリア11が安着する。ロードポート12は複数が提供され、これらは第1方向1に沿って一列に配置される。ロードポート12の個数は基板処理装置1000の工程効率およびフットプリント条件などによって増加または減少させることもできる。キャリア11としては前面開放一体型ポッド(Front Opening Unified Pod;FOUP)が用いられ得る。キャリア11には基板を地面に対して水平に配置した状態で収納するための多数のスロットが形成される。
【0068】
移送フレーム14はロードポート12と隣り合って第2方向2に配置される。移送フレーム14はロードポート12と工程処理部20のバッファ部30との間に配置される。移送フレーム14はインデックスレール15およびインデックスロボット17を含む。インデックスレール15上にインデックスロボット17が安着する。インデックスロボット17はバッファ部30とキャリア11との間に基板Wを移送する。インデックスロボット17はインデックスレール15に沿って第2方向に直線移動したり、第3方向3を軸にして回転する。
【0069】
工程処理部20はインデックス部10に隣り合って第2方向2に沿って基板処理システムの後方に配置される。工程処理部20はバッファ部30、移動通路40、メイン移送ロボット50そして基板処理装置60を含む。
【0070】
バッファ部30は第2方向2に沿って工程処理部20の前方に配置される。バッファ部30は基板処理装置60とキャリア11との間に基板Wが搬送される前に、基板Wが一時的に収納されて待機する場所である。バッファ部30には、その内部に基板Wが置かれるスロット(図示せず)が提供され、スロット(図示せず)は互いの間に第3方向3に沿って離隔するように複数提供される。
【0071】
移動通路40はバッファ部30と対応するように配置される。移動通路40はその長さ方向が第2方向2に沿って並ぶように配置される。移動通路40はメイン移送ロボット50が移動する通路を提供する。移動通路40の両側には基板処理装置60が互いに対向して第2方向2に沿って配置される。移動通路40にはメイン移送ロボット50が第2方向2に沿って移動し、基板処理装置60の上下層、そしてバッファ部30の上下層に昇降できる移動レールが設置される。
【0072】
メイン移送ロボット50は移動通路40に設置され、基板処理装置60およびバッファ部30の間に、または各基板処理装置60の間に、基板Wを移送する。メイン移送ロボット50は移動通路400に沿って第2方向2に直線移動したり、第3方向3を軸にして回転する。
【0073】
基板処理装置60は複数提供され、第2方向2に沿って移動通路30を中心に両側に配置される。基板処理装置60の一部は移動通路30の長さ方向に沿って配置される。また、基板処理装置60の一部は互いに積層するように配置される。すなわち、移動通路30の一側には、基板処理装置60をA×Bの配列に配置することができる。ここでAは第1方向1に沿って一列に提供された基板処理装置60の数であり、Bは第2方向2に沿って一列で提供された基板処理装置60の数である。移動通路30の一側に基板処理装置60が4個または6個提供される場合、基板処理装置60は2×2または3×2の配列に配置され得る。基板処理装置60の個数は増加または減少させることもできる。上述した内容とは異なり、基板処理装置60は移動通路30の一側にのみ提供され得る。また、上述した内容とは異なり、基板処理装置60は移動通路30の一側および両側に単層で提供することができる。
【0074】
基板処理装置60は基板Wに対して洗浄工程を遂行することができる。基板処理装置60が行う洗浄工程の種類によって相異する構造を有することができる。これとは異なり、それぞれの基板処理装置60は同じ構造を有することができる。選択的に基板処理装置60は複数のグループに区分され、同じグループに属する基板処理装置60は互いに同一であり、互いに相異するグループに属する基板処理装置60の構造は互いに相異するように提供することができる。移送チャンバ240の両側の下層には、選択的に、第1グループの基板処理装置60を提供することができ、上層には第2グループの基板処理装置60を提供することができる。第1グループの基板処理装置60と第2グループの基板処理装置60はそれぞれ使われるケミカルの種類や、洗浄方式の種類によって区分けすることができる。これとは異なり、第1グループの基板処理装置60と第2グループの基板処理装置60は、一つの基板Wに対して順次に工程を行うように提供され得る。
【0075】
図12は本発明による枚葉式基板処理装置の構成を示す平面構成図であり、
図13は
図12に示す基板処理装置で処理容器と支持モジュールを示す断面図である。
【0076】
本実施形態では、枚葉式基板処理装置1が処理する基板として半導体基板を一例として図示して説明したが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置用ガラス基板のような多様な種類の基板にも適用することができる。
【0077】
図12ないし
図13を参照すると、本発明による基板処理装置1は多様な処理流体を使用して基板表面に残留する異物および膜質を除去する装置であって、チャンバ10、処理容器100、支持モジュール200、第1スウィングノズルユニット300、固定ノズル500、第2スウィングノズルユニット700、および排気部材400を含む。
【0078】
チャンバ10は密閉された内部空間を提供し、上部にはファンフィルタユニット12が設置される。ファンフィルタユニット12はチャンバ10の内部に垂直気流を発生させる。
【0079】
ファンフィルタユニット12はフィルタと空気供給ファンが一つのユニットにモジュール化されたものであり、清浄空気をフィルタリングしてチャンバの内部に供給する装置である。清浄空気はファンフィルタユニット12を通過してチャンバの内部に供給されて垂直気流を形成することになる。このような空気の垂直気流は、基板の上部に均一な気流を提供し、処理流体によって基板表面が処理される過程で発生する汚染物質(ヒューム)が空気とともに処理容器100の吸入ダクトを介して排気部材400に排出されることによって除去され、処理容器内部の高清浄度を維持する。
【0080】
チャンバ10は、水平隔壁14により工程領域16とメンテナンス領域18に区切られる。図面には一部のみ図示したが、メンテナンス領域18には処理容器100と連結される排出ライン141、143、145、およびサブ排気ライン410以外にも、昇降ユニットの駆動部と、第1スウィングノズルユニット300の駆動部300b、供給ラインなどが位置される空間であり、このようなメンテナンス領域18は基板処理が行われる工程領域から隔離することが好ましい。
【0081】
処理容器100は上部が開口された円筒形状を有し、基板Wを処理するための工程空間を提供する。処理容器100の開口された上面は基板Wの搬出および搬入通路に提供される。処理容器100の内側には支持モジュール200が配置される。支持モジュール200は、工程進行時に基板Wを支持して基板を回転させる。
【0082】
図13を参照すると、処理容器100はスピンヘッド210が位置される上部空間132aと、上部空間132aとはスピンヘッド210により区分されて、強制排気がなされる下段部に排気ダクト190が連結された下部空間132bと、を提供する。処理容器100の上部空間132aには、回転する基板上で飛散される処理流体や気体、ヒューム等を流入および吸入する環状の第1、第2、および第3吸入ダクト110、120、130が多段に配置される。環状の第1、第2、および第3吸入ダクト110、120、130は、一つの共通した環状空間(容器の下部空間に該当)と通じる排気口Hを有する。下部空間132bには排気部材400と連結される排気ダクト190が提供される。
【0083】
具体的には、第1ないし第3吸入ダクト110、120、130は、それぞれ環状のリング形状を有する床面、および床面から延びて円筒形状を有する側壁を備える。第2吸入ダクト120は第1吸入ダクト110を囲み、第1吸入ダクト110から離隔して位置する。第3吸入ダクト130は第2吸入ダクト120を囲み、第2吸入ダクト120から離隔して位置する。
【0084】
第1ないし第3吸入ダクト110、120、130は、基板Wから飛散された処理流体およびヒュームが含まれた気体が流入する第1ないし第3回収空間RS1、RS2、RS3を提供する。第1回収空間RS1は第1吸入ダクト110により定義され、第2回収空間RS2は第1吸入ダクト110と第2吸入ダクト120との間の離隔空間によって定義され、第3回収空間RS3は第2吸入ダクト120と第3吸入ダクト130との間の離隔空間によって定義される。
【0085】
第1ないし第3吸入ダクト110、120、130の各上面は中央部が開口され、連結された側壁から開口部側に行くほど、対応する底面との距離が次第に増加する傾斜面からなる。そのため、基板Wから飛散された処理流体は、第1ないし第3吸入ダクト110、120、130の上面に沿って回収空間RS1、RS2、RS3内に流れる。
【0086】
第1回収空間RS1に流入した第1処理液は、第1回収ライン141を介して外部に排出される。第2回収空間RS2に流入した第2処理液は、第2回収ライン143を介して外部に排出される。第3回収空間RS3に流入した第3処理液は、第3回収ライン145を介して外部に排出される。
【0087】
一方、処理容器100は、処理容器100の垂直位置を変更させる昇降ユニット600と結合される。昇降ユニット600は、処理容器100を上下方向に直線移動させる。処理容器100が上下に移動することによって、スピンヘッド210に対する処理容器100の相対的な高さが変更される。基板Wがスピンヘッド210にローディングされる時、またはスピンヘッド210からアンローディングされる時、スピンヘッド210が処理容器100の上部に突出するように処理容器100は下降する。
【0088】
また、工程が進行している時には、基板Wに供給された処理液の種類によって既に設定された吸入ダクト110、120、130に処理液が流入されるように、処理容器100の高さが調整される。そのため、処理容器100と基板Wとの間の相対的な垂直位置が変更される。したがって、処理容器100は、前記各回収空間RS1、RS2、RS3ごとに回収される処理液と汚染ガスの種類を異なるようにすることができる。
【0089】
この実施形態において、基板処理装置1は、処理容器100を垂直移動させて処理容器100と支持モジュール200との間の相対的な垂直位置を変更させる。しかし、基板処理装置1は、支持モジュール200を垂直移動させて処理容器100と支持モジュール200との間の相対的な垂直位置を変更させることもできる。
【0090】
支持モジュール200は処理容器100の内側に設置される。支持モジュール200は工程進行中の基板Wを支持し、工程が進行される間、後述する駆動部230により回転することができる。支持モジュール200は円形の上部面を有するスピンヘッド210を有し、スピンヘッド210の上部面には基板Wを支持する支持ピン212とチャッキングピン214を有する。支持ピン212はスピンヘッド210の上部面の縁部に所定間隔離隔して一定の配列に配置され、スピンヘッド210から上側に突出するように備えられる。支持ピン212は基板Wの下面を支持して、基板Wがスピンヘッド210から上側方向に離隔した状態で支持されるようにする。支持ピン212の他側には、チャッキングピン214がそれぞれ配置され、チャッキングピン214は上側に突出するように備えられる。チャッキングピン214は多数の支持ピン212によって支持された基板Wがスピンヘッド210上の定位置に置かれるように基板Wを整列させる。工程進行時に、チャッキングピン214は、基板Wの側部と接触して基板Wが定位置から離脱することを防止する。
【0091】
スピンヘッド210の下部には、スピンヘッド210を支持する支持軸220が連結され、支持軸220はその下段に連結された駆動部230により回転する。駆動部230はモータなどで構成され得る。支持軸220が回転することにより、スピンヘッド210および基板Wが回転する。
【0092】
排気部材400は、工程時に、第1ないし第3吸入ダクト110、120、130に排気圧力(吸入圧力)を提供するためのものである。排気部材400は、排気ダクト190と連結されるサブ排気ライン410、ダンパ420を含む。サブ排気ライン410は排気ポンプ(図示せず)から排気圧の提供を受けて、半導体生産ライン(ペプ)の床の空間に埋設されたメイン排気ラインと連結される。
【0093】
固定ノズルユニット500は、処理容器100の上端に固定設置されて、基板の中央に超純水、オゾン水、窒素ガスなどをそれぞれ供給する。
【0094】
本実施形態で第1スウィングノズルユニットと第2スウィングノズルユニットは処理液噴射ユニットでありうる。
【0095】
第2スウィングノズルユニット700はスウィング移動を介して基板の中心上部に移動して基板上に基板乾燥のための流体を供給する。乾燥のための流体はイソプロピルアルコールと高温の窒素ガスを含み得る。
【0096】
第1スウィングノズルユニット300は、処理容器100の外側に位置される。第1スウィングノズルユニット300のブームスイング方式により回転運動し、スピンヘッド210に置かれた基板で基板Wを洗浄またはエッチングするための処理流体(酸性液、アルカリ性液、中性液、乾燥ガス)が供給される。図面に示すように、第1スウィングノズルユニット300は並んで配置され、それぞれの第1スウィングノズルユニット300は処理容器100との距離が相異するので、各自の回転半径によってその長さが互いに相異することが分かる。
【0097】
図1ないし
図10を利用して説明したダンパ900およびセンサ950が設置されたスウィングノズルNは第1スウィングノズルユニット300、第2スウィングノズルユニット700に適用することができる。
【0098】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0099】
900 ダンパ
910 電磁石
912 第1ばね
920 マグネット
922 第2ばね
950 センサ
1000 コントローラ
1010 薬液供給部
1020 駆動部
1030 電源供給部