(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】ディスプレー装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221018BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/00 313
G09F9/00 366A
G09F9/30 338
(21)【出願番号】P 2020199299
(22)【出願日】2020-12-01
【審査請求日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0158908
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】鄭 浩 永
(72)【発明者】
【氏名】金 學 鎭
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0064606(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0054554(US,A1)
【文献】特開2011-118330(JP,A)
【文献】特開2012-199220(JP,A)
【文献】特開2019-083195(JP,A)
【文献】特開2005-033784(JP,A)
【文献】国際公開第2012/090794(WO,A1)
【文献】特表2010-509804(JP,A)
【文献】特表2019-506766(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0068287(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0049615(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0060642(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0024061(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0027280(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12
3/16
3/19-3/26
3/30
3/34
3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレー装置において、
映像が表示され、第1領域および前記第1領域を除いた第2領域を含む表示領域を含み、基板と、前記基板の上部に位置し、前記表示領域に配置される第1配線を含む表示パネルと、
前記表示パネルの前面の外部に露出されず、前記表示パネルの前方を撮影し、前記表示パネルの前記表示領域の下に配置され、前記表示領域内の前記第1領域と重畳して位置するカメラと、を含み、
前記第1配線の全体または一部は、前記第1領域と重畳し、
前記第1配線で前記第1領域と重畳する第1部分は、前記基板の上部に位置する第1半透過層と、前記第1半透過層上に位置する第1光経路補償層と、前記第1光経路補償層上に位置し、第1メタルを含む第1メタル層と、を含み、
前記第1配線は、前記第1領域と重畳する前記第1部分と前記第1領域とは異なる前記第2領域と重畳する第2部分を含み、
前記第1配線で前記第2部分の少なくとも一部は、前記第1メタル層を含み、前記第1半透過層および前記第1光経路補償層を含まないディスプレー装置。
【請求項2】
前記第1半透過層は、前記第1光経路補償層の厚さよりも薄い厚さを持って、
前記第1光経路補償層は、導電性透明材料を含む請求項1に記載のディスプレー装置。
【請求項3】
前記第1半透過層、前記第1光経路補償層および前記第1メタル層のうち、前記カメラと最も隣接する前記第1半透過層の厚さが最も薄く、外部光が入射する部分と最も隣接する前記第1メタル層の厚さが最も厚い請求項2に記載のディスプレー装置。
【請求項4】
外部光が前記第1配線の側面の開口部に入射し、前記カメラの前面から反射し、
前記カメラの前面から反射した外部光の一部は、前記第1半透過層の背面から反射し、前記カメラの前面から反射した外部光の他の一部は、第1半透過層および第1光経路補償層を透過し、第1メタル層の背面から反射し、
前記第1半透過層の背面から反射した外部光と、前記第1メタル層の背面から反射した外部光は、180度の奇数倍だけの位相差を有する請求項1に記載のディスプレー装置。
【請求項5】
前記基板の上部に位置し、前記表示領域に配置され、前記第1領域と全体または一部が重畳する第2配線をさらに含み、
前記第2配線で前記第1領域と重畳する部分は、前記基板の上部に位置する第2半透過層と、前記第2半透過層上に位置する第2光経路補償層と、前記第2光経路補償層上に位置し、前記第1メタルとは異なる第2メタル(Gate)を含む第2メタル層と、を含み、
前記第1半透過層と前記第2半透過層は、同じ材料を含み、
前記第1光経路補償層と前記第2光経路補償層は、同じ材料を含み、
外部光が前記基板の上部から前記第1配線と前記第2配線との間の開口部に入射し、前記カメラの前面に向かう請求項1に記載のディスプレー装置。
【請求項6】
前記第1配線と前記第2配線のうち、1つは、ディスプレー駆動のための行方向のディスプレー配線であり、残りの1つは、ディスプレー駆動のための列方向のディスプレー配線である請求項5に記載のディスプレー装置。
【請求項7】
前記基板の上部に位置するが、前記第1領域と重畳する第1トランジスターをさらに含み、
前記第1トランジスターのソース電極は、第1ソース電極層、第2ソース電極層および第3ソース電極層を含み、
前記第1ソース電極層は、前記第1半透過層と対応する材料および厚さを有し、前記第2ソース電極層は、前記第1光経路補償層と対応する材料および厚さを有し、前記第3ソース電極層は、前記第1メタルを含み、
前記第1トランジスターのドレイン電極は、第1ドレイン電極層、第2ドレイン電極層および第3ドレイン電極層を含み、
前記第1ドレイン電極層は、前記第1半透過層と対応する材料および厚さを有し、前記第2ドレイン電極層は、前記第1光経路補償層と対応する材料および厚さを有し、前記第3ドレイン電極層は、前記第1メタルを含み、
前記第1トランジスターのゲート電極は、第1ゲート電極層、第2ゲート電極層および第3ゲート電極層を含み、
前記第1ゲート電極層は、前記第2半透過層と対応する材料および厚さを有し、前記第2ゲート電極層は、前記第2光経路補償層と対応する材料および厚さを有し、前記第3ゲート電極層は、前記第2メタルを含む請求項5に記載のディスプレー装置。
【請求項8】
前記第1トランジスターのアクティブ層の下に配置されるライトシールドをさらに含み、
前記ライトシールドは、前記基板上に位置する第1ライトシールド層、前記第1ライトシールド層上に位置する第2ライトシールド層および前記第2ライトシールド層上に位置する第3ライトシールド層を含み、
前記第1ライトシールド層は、前記第2ライトシールド層よりも薄く、
前記第1ライトシールド層は、前記第1半透過層と対応する材料を有し、前記第2ライトシールド層は、前記第1光経路補償層と対応する材料を有する請求項7に記載のディスプレー装置。
【請求項9】
前記基板の上部に位置するが、前記表示領域内で前記第1領域とは異なる第2領域と重畳する第2トランジスターをさらに含み、
前記第2トランジスターのソース電極は、前記第3ソース電極層を含み、前記第1ソース電極層および第2ソース電極層含まず、
前記第2トランジスターのドレイン電極は、前記第3ドレイン電極層を含み、前記第1ドレイン電極層および第2ドレイン電極層を含まず、
前記第2トランジスターのゲート電極は、前記第3ゲート電極層を含み、前記第1ゲート電極層および第2ゲート電極層を含まない請求項7に記載のディスプレー装置。
【請求項10】
前記基板の上部に位置するが、前記第1領域と重畳する第1キャパシタをさらに含み、
前記第1ストレージキャパシタは、互いに離隔された2つのプレートを含み、
前記2つのプレートのうち、少なくとも1つは、第1プレート層、第2プレート層および第3プレート層を含み、
前記第1プレート層は、前記第1半透過層と対応する材料および厚さを有し、前記第2プレート層は、前記第1光経路補償層と対応する材料および厚さを有し、前記第3プレート層は、前記第1メタルまたは前記第2メタルを含む請求項5に記載のディスプレー装置。
【請求項11】
前記基板の上部に位置するが、前記表示領域内で前記第1領域とは異なる第2領域と重畳する第2キャパシタをさらに含み、
前記第2ストレージキャパシタは、互いに離隔された2つのプレートを含み、前記第2ストレージキャパシタの2つのプレートのそれぞれは、単一層からなる請求項10に記載のディスプレー装置。
【請求項12】
前記基板の上部で前記表示領域に位置するトランジスターアレイと、
前記トランジスターアレイ上に位置するアノード電極層と、
前記アノード電極層上に位置する発光層と、
前記発光層上に位置するカソード電極層と、
前記カソード電極層上に位置する封止層と、をさらに含み、
前記カソード電極層は、前記第1領域と重畳する第1カソード電極と、前記第2領域と重畳する第2カソード電極を含み、前記表示領域は、前記第1領域および前記第2領域を含む請求項1に記載のディスプレー装置。
【請求項13】
前記第1カソード電極は、予め設定された臨界透過度以上の第1透過度を有する透明カソード電極であり、
前記第2カソード電極は、前記第1透過度未満の第2透過度を有する請求項12に記載のディスプレー装置。
【請求項14】
前記封止層上に配置され、タッチ電極を含むタッチセンサー層と、
前記基板上に位置するが、前記表示領域の外郭領域である非表示領域に位置するタッチパッド部と、
前記タッチ電極の全体または一部と電気的に接続され、前記封止層の斜面に沿って下りてき、前記タッチパッド部と電気的に接続されるタッチラインをさらに含む請求項12に記載のディスプレー装置。
【請求項15】
光発生装置と、前記光発生装置から出射した光を用いて周辺の人体や物体を感知する近接センサーをさらに含み、
前記光発生装置は、前記封止層上に位置するが、前記タッチセンサー層の側面に位置し、
前記近接センサーは、前記基板の下部に位置し、前記第1領域と重畳する請求項14に記載のディスプレー装置。
【請求項16】
前記表示領域は、前記カメラと重畳する前記第1領域と、前記第2領域を含み、
前記第1領域は、前記表示領域の中央に位置し、
前記第1領域は、すべての方向に前記第2領域によって囲まれる請求項1に記載のディスプレー装置。
【請求項17】
ディスプレー装置において、
映像が表示され、第1領域および前記第1領域を除いた第2領域を含む表示領域を含み、基板と、前記基板の上部に位置し、前記表示領域に配置される電極を含む表示パネルと、
前記表示パネルの前面の外部に露出されず、前記表示パネルの前方を撮影し、前記表示パネルの前記表示領域の下に配置され、前記表示領域内の第1領域と重畳して位置するカメラと、を含み、
前記電極は、前記カメラと重畳する前記第1領域に重畳し、
前記電極は、前記基板の上部に位置する半透過層と、前記半透過層上に位置する光経路補償層と、前記光経路補償層上に位置するメタル層と、を含み、
前記電極は、前記第1領域と重畳す
る第1部分と前記第1領域とは異なる前記第2領域と重畳する第2部分を含み、
前記第1部分は、前記基板の上部に位置する第1半透過層と、前記第1半透過層上に位置する第1光経路補償層と、前記第1光経路補償層上に位置し、第1メタルを含む第1メタル層と、を含み、
前記電極で前記第2部分の少なくとも一部は、前記第1メタル層を含み、前記第1半透過層および前記第1光経路補償層を含まないディスプレー装置。
【請求項18】
前記半透過層は、前記光経路補償層の厚さよりも薄い厚さを有する請求項17に記載のディスプレー装置。
【請求項19】
前記電極は、前記第1領域と重畳するサブピクセル内のトランジスターの電極であるか、または前記第1領域と重畳するキャパシタのプレートである請求項17に記載のディスプレー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、ディスプレー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が発展するによって画像を表示するディスプレー装置についての要求が増加しており、液晶ディスプレー装置、有機発光ディスプレー装置、または量子ドットディスプレー装置のような様々な種類のディスプレー装置が活用されている。
【0003】
また、ディスプレー装置は、ユーザにより様々な応用機能を提供するために、タッチセンサーなどを用いる入力方式と、カメラおよび近接センサーなどの光学装置を提供している。これにより、ディスプレー装置のデザインが困難になる問題点がある。特に、カメラおよび近接センサーなどは、光の出入りのために外部に露出するしかないため、表示パネルの表示領域が減少するしかないという問題点がある。
【0004】
これによって、従来には、ディスプレー装置の前面デザインは、光学装置の設置および露出のために大きなベゼルを備えたデザインとして設計されるか、表示パネルがノッチ状で切り取られるデザインとして設計されるか、または光学装置が表示パネルの一部分にホール形で露出されるデザインとして設計される問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の実施例は、前面を撮影するカメラを前面に露出せず、表示パネルの下部に配置するディスプレー装置を提供し得る。
【0007】
また、本開示の実施例は、前面を撮影するカメラが前面に露出されず、表示パネルの下部に配置されても、ハイクオリティーの前面イメージを獲得できるディスプレー装置を提供し得る。
【0008】
また、本開示の実施例は、前面を撮影するカメラを前面に露出せず、表示パネルの下部に配置する場合、カメラの撮影に必要な外部光が表示パネルの内部に入射し、表示パネル内の配線とカメラとの間で無限に繰り返される現象を防止し、高解像度のイメージを獲得できるディスプレー装置を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施例は、映像が表示される表示領域を含み、基板と、基板の上部に位置し、表示領域に配置される第1配線を含む表示パネルと、表示パネルの前面の外部に露出されず、表示パネルの前面を撮影し、表示パネルの表示領域の下に配置され、表示領域内の第1領域と重畳して位置するカメラと、を含むディスプレー装置を提供し得る。
【0010】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1配線の全体または一部は、第1領域と重畳し得る。第1配線で第1領域と重畳する部分は、基板の上部に位置する第1半透過層と、第1半透過層上に位置する第1光経路補償層と、第1光経路補償層上に位置し、第1メタル(S/D)を含む第1メタル層と、を含み得る。
【0011】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1半透過層は、第1光経路補償層の厚さよりも薄い厚さを有し得る。
【0012】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1半透過層、第1光経路補償層および第1メタル層のうち、カメラと最も隣接する第1半透過層の厚さが最も薄く、外部光が入射する部分と最も隣接する第1メタル層の厚さが最も厚いことがある。
【0013】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1半透過層は、1ないし5nmの厚さを有し、第1光経路補償層は、30ないし120nmの厚さを有し得る。
【0014】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、外部光が第1配線の側面の開口部に入射してカメラの前面から反射し、カメラの前面から反射した外部光の一部は、第1半透過層の背面から反射し、カメラの前面から反射した外部光の他の一部は、第1半透過層および第1光経路補償層を透過し、第1メタル層の背面から反射し得る。
【0015】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1半透過層の背面から反射した外部光と、第1第1メタル層の背面から反射した外部光は、180度の奇数倍だけの位相差を有し得る。
【0016】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1光経路補償層は、導電性透明材料を含み得る。
【0017】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、表示領域で第1領域を除いた領域は、第2領域であり、第1配線は、第1領域と重畳する部分と第2領域と重畳する部分を含み得る。第1配線で第2領域と重畳する部分は、第1半透過層および第1光経路補償層なしに、第1メタルを含む第1メタル層を含み得る。
【0018】
本開示の実施例は、映像が表示される表示領域を含み、基板と、基板の上部に位置し、表示領域に配置される電極を含む表示パネルと、表示パネルの前面の外部に露出されず、表示パネルの前面を撮影し、前記表示パネルの前記表示領域の下に配置され、表示領域内の第1領域と重畳して位置するカメラと、を含むディスプレー装置を提供し得る。
【0019】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、電極は、カメラと重畳する第1領域に重畳し、電極は、基板の上部に位置する半透過層と、半透過層上に位置する光経路補償層と、光経路補償層上に位置するメタル層と、を含み得る。
【0020】
半透過層は、光経路補償層の厚さよりも薄い厚さを有し得る。
【0021】
電極は、第1領域と重畳するサブピクセル内のトランジスターの電極であるか、または第1領域と重畳するキャパシタのプレートであり得る。
【発明の効果】
【0022】
本開示の実施例によると、前面を撮影するカメラを前面に露出せず、表示パネルの下部に配置するディスプレー装置を提供し得る。
【0023】
本開示の実施例によると、前面を撮影するカメラを前面に露出せず、表示パネルの下部に配置しても、ハイクオリティーの前面イメージを獲得できるディスプレー装置を提供し得る。
【0024】
本開示の実施例によると、前面を撮影するカメラを前面に露出せず、表示パネルの下部に配置する場合、カメラの撮影に必要な外部光が表示パネルの内部に入射し、表示パネル内の配線とカメラとの間で無限に繰り返される現象を防止し、高解像度のイメージを獲得できるディスプレー装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の実施例によるディスプレー装置を示した図面。
【
図2】本開示の実施例によるディスプレー装置の画面構成を示した図面。
【
図3】本開示の実施例によるディスプレー装置の概略的な断面図。
【
図4】本開示の実施例によるディスプレー装置のディスプレーパートの構成図。
【
図5】本開示の実施例によるディスプレー装置のタッチセンシングパートおよび指紋センシングパートの構成図。
【
図6】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示パネル内のタッチセンサー構造の例示図。
【
図7】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示パネル内のタッチセンサー構造の他の例示図。
【
図8】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示パネル内のタッチセンサー構造のまた他の例示図。
【
図9】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示パネルの断面図。
【
図10】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示パネル内のタッチ電極を示した例示図。
【
図11】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示パネル内の偏光板を示した図面。
【
図12】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示パネル内の近接センサーのための光発生装置の位置を説明するための図面。
【
図13】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示パネル内の近接センサーのための光発生装置の位置を説明するための図面。
【
図14】本開示の実施例によるディスプレー装置の異種カソード電極層を示した図面。
【
図15】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内のカメラが配置された第1領域での配線構造を示した図面。
【
図16】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内のカメラが配置された第1領域での低反射構造を示した図面。
【
図17】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、カメラが配置された第1領域での低反射構造をより詳細に示した図面。
【
図18a】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、カメラが配置された第1領域での低反射構造とカメラが配置されない第2領域での配線構造を示した図面。
【
図18b】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、カメラが配置された第1領域での低反射構造とカメラが配置されない第2領域での配線構造を示した図面。
【
図18c】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、カメラが配置された第1領域での低反射構造とカメラが配置されない第2領域での配線構造を示した図面。
【
図19】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、カメラが配置された第1領域での低反射構造を適用した場合に、低反射効果を示したグラフ。
【
図20】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、カメラが配置された第1領域での低反射構造を適用した場合に、低反射効果を示したグラフ。
【
図21】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、カメラが配置された第1領域での低反射構造を適用したデータラインとゲートラインを示した図面。
【
図22】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、第1領域に配置されたカメラとサブピクセルを示した図面。
【
図23】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、第1領域と第2領域についての断面図。
【
図24】本開示の実施例によるディスプレー装置の表示領域内で、第1領域と第2領域についての他の断面図。
【
図25】本開示の実施例によるディスプレー装置のカメラが表示領域の中央に位置する場合を示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の利点および特徴、そしてこれらを達成する方法は、添付される図面とともに詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本開示は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形で実装され、単に本実施例は、本開示の開示が完全するようにし、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示の発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0027】
本開示の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは、例示的なものであるため、本開示に示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指称する。また、本開示を説明するにおいて、係る公知技術についての具体的な説明が本開示の要旨を不必要にぼかすことができると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0028】
本開示上で言及した「含む」、「有する」、「行われる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない以上、他の部分が追加され得る。構成要素を単数として表現した場合に特別に明示的な記載事項がない限り、複数が含まれる場合を含む。
【0029】
構成要素を解釈するにおいて、別の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むことと解釈する。
【0030】
位置関係についての説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」 などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使用されない以上、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置し得る。
【0031】
時間関係についての説明の場合、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「 ~前に」などで時間的先後関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使用されない以上、連続的ではない場合も含み得る。
【0032】
第1、第2などが様々な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下で記載される第1構成要素は、本開示の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0033】
「少なくとも1つ」の用語は、1つ以上の関連項目から提示可能なすべての組合せを含むものと理解されるべきである。例えば、「第1項目、第2項目および第3項目のうち、少なくとも1つ」の意味は、それぞれ第1項目、第2項目、第3項目だけでなく、第1項目、第2項目および第3項目のうち、2つ以上から提示できるすべての項目の組合せを意味し得る。
【0034】
本開示の様々な例のそれぞれの特徴が部分的、または全体的に互いに結合または組合せが可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各例が互いについて独立的に実施でき、連関関係としてともに実施できる。
【0035】
以下では、本開示の実施例によるディスプレー装置の例を添付された図面を参照して具体的に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにおいて、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同一の符号を有し得る。そして、添付された図面に図示された構成要素のスケールは、説明の便宜のために実際とは異なるスケールを有するので、図面に図示されたスケールに限定されない。
【0036】
図1は、本開示の実施例によるディスプレー装置10を前面から見た平面図である。本開示の実施例によるディスプレー装置10は、映像を表示する機能と、指やペンなどによるタッチをセンシングする機能と、指紋をセンシングする機能を提供し得る。
【0037】
図1を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、映像を表示する表示パネル100と、表示パネル100を保護するケース200を含み得る。
図1では、ユーザが前面から見るとき、ケース200の一部分が見えることに示されているが、場合によって、フルディスプレータイプ(Full Display Type)に具現された場合、ユーザが前面から見るとき、ケース200が全く見えないか、またはほとんど見えず、表示パネル100のみ見えることもある。表示パネル100の表示領域のみ見えることもあり、表示領域外郭の非表示領域(ベゼルともいう)が見えることもある。
【0038】
図1を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、表示パネル100の表示領域の全体で、指やペンなどによるタッチをセンシングでき、指紋もセンシングできる。すなわち、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、前面タッチセンシングおよび前面指紋センシングを提供し得る。
【0039】
本開示の実施例によるディスプレー装置10は、光学装置として、撮影のためのカメラ110、周辺に人体や物体が近付いたことを感知するための近接センサー120などを含み得る。本開示のカメラ110は、前面を撮影する前面カメラである。
【0040】
本開示の実施例によるディスプレー装置10を前面から見るとき、カメラ110および近接センサー120のうち、1つ以上の光学装置が外部から見えない。このために、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、カメラ110および近接センサー120のうち、1つ以上の光学装置が表示パネル100の下部に位置する構造を有する。
【0041】
本開示において、外部に露出されず、表示パネル100の下部に位置するカメラ110をUDC(Under Display Camera)ともいう。そして、これらのカメラ110を含むディスプレー装置10をカメラ内蔵型ディスプレーという。
【0042】
本開示の実施例によるディスプレー装置10は、光学装置のこのような位置にもかかわらず、カメラ110の正常な撮影機能を可能にするか、または、近接センサー120の近接センシング機能を可能にする構造を提供する。この構造について以下で詳細に説明する。
【0043】
図2は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の画面構成を示した図面である。
【0044】
図2を参照すると、表示パネル100は、映像が表示される表示領域AAと、映像が表示されず、表示領域AAの外郭領域である非表示領域NAを含み得る。
【0045】
図2を参照すると、表示領域AAは、第1領域A1と第2領域A2を含み得る。表示領域AA内の第1領域A1は、カメラ110の撮影が行われるレンズが位置するカメラ領域(カメラレンズ領域)を含み得る。また、表示領域AA内の第1領域A1は、物体や人体の接近を感知できる近接センシング領域を含み得る。本開示における、表示領域AA内の第1領域A1と重畳するカメラ110は、カメラレンズを意味し得る。
【0046】
例えば、ユーザがディスプレー装置10を握って自分を撮影するとき、第1領域A1を眺めながら撮影する。ユーザが第1領域A1を顔や指で遮るようになれば、ディスプレー装置10は、近接センサー120を介してユーザの顔や指の近接を感知し、予め指定された動作(例:画面オフなど)を行い得る。
【0047】
表示領域AA内の第1領域A1は、外部から光学装置への光が入って来る経路(入光部)であり得る。ここで、光は、可視光線、赤外線、または紫外線などの電磁気波であり得る。
【0048】
図2を参照すると、カメラ110および近接センサー120のうち、1つ以上の光学装置は、第1領域A1の下の部分に位置し得る。すなわち、カメラ110および近接センサー120のうち、1つ以上の光学装置は、第1領域A1と重畳し得る。
【0049】
図3は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の概略的な断面図である。
図3を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、表示パネル100の下部に位置するが、表示パネル100の表示領域AAと重畳するように光学装置(例:カメラ110、近接センサー120など)が位置しても、光学装置の本来の機能(例:撮影機能、近接センサー120の受光機能など)が正常に行われ、ディスプレー機能も正常に行われるようにする構造を有する。
【0050】
図3を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、光学装置の機能のために、光(外部光)が入って来る外光入光部IAで独特な構造を有する。外光入光部IAは、表示領域AA内に位置する。
【0051】
図3を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、透明基板320と、多数のサブピクセルSPを形成するためのサブピクセル別パターンが形成されるサブピクセル形成部330と、サブピクセル形成部330上に位置し、共通電圧に該当するカソード電圧が印加される異種カソード電極層340と、異種カソード電極層340上に配置され、外郭で斜面を有する封止層350と、封止層350上に配置され、タッチ電極を含むタッチセンサー層360と、を含み得る。
【0052】
サブピクセル形成部330は、透明基板320の上部で表示領域AAに位置し、多数のサブピクセルのそれぞれに配置される1つ以上のトランジスターを含むトランジスターアレイ331と、トランジスターアレイ331上に位置し、多数のサブピクセルのそれぞれに配置され、当該のトランジスターのソースノードまたはドレインノードと電気的に接続されるアノード電極を含むアノード電極層332と、アノード電極層332上に位置し、多数のサブピクセルのそれぞれで当該のアノード電極上に位置する発光層333と、を含み得る。
【0053】
異種カソード電極層340は、発光層333上に位置する。これによって、アノード電極層332、発光層333および異種カソード電極層340は、多数のサブピクセル別発光素子(例:OLED(Organic Light Emitting Diode)など)を形成する。
【0054】
タッチセンサー層360は、多数のタッチ電極を含み、多数のタッチ電極の全体または一部と電気的に接続される多数のタッチラインをさらに含み得る。
【0055】
例えば、多数のタッチ電極は、1つの層に配置され得、絶縁層によって分離される2つ以上の層に分けて配置され得る。多数のタッチラインは、多数のタッチ電極と他の層に位置し得、多数のタッチ電極のうち、一部と同じ層に位置し得る。
【0056】
多数のタッチ電極は、表示領域AAに配置され、多数のタッチラインのそれぞれは、表示領域AAに位置する当該のタッチ電極と非表示領域NAに位置するパッド部を電気的に接続し得る。したがって、多数のタッチラインは、非表示領域NAを通過することになる。多数のタッチラインは、封止層350の斜面に沿って下りてき、パッド部と電気的に接続され得る。
【0057】
図3を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、タッチセンサー層360上に配置される偏光板370と、偏光板370上に配置される光学用の透明接着剤380と、光学用の透明接着剤380上に位置するカバーガラス390と、をさらに含み得る。
【0058】
図3を参照すると、表示パネル100は、透明基板320、サブピクセル形成部330、異種カソード電極層340、封止層350、タッチセンサー層360、偏光板370、光学用の透明接着剤380およびカバーガラス390などを含み得る。
【0059】
図3を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、表示パネル100の下に位置する指紋センサーパネル300をさらに含み得る。すなわち、指紋センサーパネル300は、透明基板320の下部に位置し得る。
【0060】
図3を参照すると、表示パネル100と指紋センサーパネル300との間に空気層が存在すると、指紋センサーパネル300による指紋センシング性能が低下するか、または指紋センシング自体が不可能になることもある。したがって、表示パネル100と指紋センサーパネル300との間に空気層が存在しないように、表示パネル100と指紋センサーパネル300は、ボンディング物質(例:レジン(Resin)、OCA(Optic Clear Adhesive)、PSA(Pressure Sensitive Adhesive)など)でボンディングできる。
【0061】
図3を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、表示パネル100と指紋センサーパネル300との間に位置するバックプレート310をさらに含み得る。表示パネル100は、バックプレート310の上面にボンディングされ、指紋センサーパネル300は、バックプレート310の下面にボンディングできる。ここで、バックプレート310は、必須の構成ではない。
【0062】
図3を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、指紋センサーパネル300の下に位置し、指紋センサーパネル300の下部を保護するクッションプレート306をさらに含み得る。クッションプレート306は、フォームパッド302と、銅(Cu)などからなる金属プレート304などを含み得る。
【0063】
図3を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、透明基板320の下部で表示領域AAに位置する光学装置をさらに含み得る。光学装置は、一例として、カメラ110および近接センサー120のうち、1つ以上を含み得る。以下では、カメラ110および近接センサー120の両方が透明基板320の下部で表示領域AAに位置する光学装置であるものとして説明する。
【0064】
図3を参照すると、カメラ110および近接センサー120は、表示領域AA内の第1領域A1に位置し得る。すなわち、カメラ110および近接センサー120は、表示領域AA内の第1領域A1と重畳し得る。
【0065】
図3における、外光入光部IAは、光の経路として、カメラ110の撮影のための可視光線が出入りするか、または近接センサー120の受光のための光(例:赤外線)が出入りする経路である。外光入光部IAは、平面で見るときは、
図2の第1領域A1に該当する。
【0066】
第1領域A1は、カメラ110の撮影が行われるレンズが位置するカメラ領域(カメラレンズ領域)であり、物体や人体の接近を感知できる近接センシング領域であり得る。したがって、第1領域A1は、外光入光部IAであるので、光がよく透過する。
【0067】
このため、入光経路上に位置する層390、380、370、360、350、340、330、310のそれぞれは、第1領域A1と対応する部分で、カメラ110および近接センサー120それぞれの機能を可能にするレベルに予め設定された臨界透過度以上の高い透過度を有し得る。これについて、以下でより詳細に説明する。
【0068】
一方、第1領域A1は、
図2に例示されたように、表示領域AA内に位置するが、表示領域AA内で外郭に位置し得る。これとは異なり、第1領域A1は、表示領域AA内の中央に位置し得る。第1領域A1は、上から見るとき、所定の形状(例:四角形、六角形などの多角形、円形、または楕円形など)を有し得る。
【0069】
図4は、本開示の実施例によるディスプレー装置10のディスプレーパートの構成図である。
図4を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10において、ディスプレーパートは、多数のデータラインDLおよび多数のゲートラインGLが配置され、多数のサブピクセルSPが配置される表示パネル100と、多数のデータラインDLを駆動するデータ駆動回路420と、多数のゲートラインGLを駆動するゲート駆動回路430と、データ駆動回路420とゲート駆動回路430を制御するディスプレーコントローラー440と、を含み得る。
【0070】
データ駆動回路420は、ディスプレーコントローラー440のタイミング制御によって多数のデータラインDLに映像データ電圧Vdataを供給できる。ゲート駆動回路430は、ディスプレーコントローラー440のタイミング制御によって多数のゲートラインGLにスキャン信号SCANを順次に供給できる。
【0071】
表示パネル100の表示領域AAに配置された多数のデータラインDLは、表示パネル100の非表示領域NAに位置するディスプレーパッド部421に電気的に接続される。ディスプレーパッド部421には、データ駆動回路420が電気的に接続される。
【0072】
データ駆動回路420は、COF(Chip On Film)タイプとして具現され、表示パネル100のディスプレーパッド部421にボンディングされた回路フィルムに実装し得る。または、データ駆動回路420は、COG(Chip On Glass)タイプまたはCOP(Chip On Panel)タイプとして具現され、表示パネル100のディスプレーパッド部421に直接に実装し得る。
【0073】
ゲート駆動回路430は、COF(Chip On Film)タイプとして具現され、表示パネル100に電気的に接続された回路フィルムに実装し得る。または、ゲート駆動回路430は、COG(Chip On Glass)タイプまたはCOP(Chip On Panel)タイプとして具現され、表示パネル100の非表示領域NA上に実装し得る。この場合、ゲート駆動回路430をCOG(Chip On Glass)タイプまたはCOP(Chip On Panel)タイプであるという。または、ゲート駆動回路430は、GIP(Gate In Panel)タイプとして具現され、表示パネル100の非表示領域NAに形成され得る。
【0074】
本開示の実施例によるディスプレー装置10は、バックライトユニットを含む液晶表示装置(LCD)であり得、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレー、量子ドット(Quantum Dot)ディスプレー、マイクロLED(Micro Light Emitting Diode)ディスプレーなどの自発光ディスプレーであり得る。
【0075】
本開示の実施例によるディスプレー装置10がOLEDディスプレーの場合、各サブピクセルSPは、自ら光を放つ有機発光ダイオード(OLED)を発光素子として含み得る。本実施例によるディスプレー装置10が量子ドットディスプレーの場合、各サブピクセルSPは、自ら光を放つ半導体結晶である量子ドット(Quantum Dot)で作られた発光素子を含み得る。本実施例によるディスプレー装置10がマイクロLEDディスプレーの場合、各サブピクセルSPは、自ら光を放ち、無機物をベースに作られたマイクロLED(Micro Light Emitting Diode)を発光素子として含み得る。
【0076】
本開示の実施例によるディスプレー装置10において、各サブピクセルSPは、発光素子EDと、発光素子EDに流れる電流を制御する駆動トランジスターDRTと、映像データ電圧Vdataを駆動トランジスターDRTに伝達するスキャントランジスターSCTと、一定期間の電圧の維持のためのストレージキャパシタCstと、を含み得る。
【0077】
発光素子EDは、アノード電極AEおよびカソード電極CEと、アノード電極AEおよびカソード電極CEとの間に位置する発光層ELを含む。発光素子EDは、一例として、有機発光ダイオード(OLED)、発光ダイオード(LED)、量子ドット発光素子であり得る。
【0078】
発光素子EDのカソード電極CEは、共通電極であり得る。この場合、発光素子EDのカソード電極CEには、基底電圧EVSSが印加されることができる。ここで、基底電圧EVSSは、一例として、グラウンド電圧であるか、またはグラウンド電圧と類似の電圧であり得る。
【0079】
駆動トランジスターDRTは、発光素子EDを駆動するためのトランジスターとして、第1ノード(N1)、第2ノード(N2)および第3ノード(N3)を含む。
【0080】
駆動トランジスターDRTの第1ノード(N1)は、ゲートノードに該当するノードとして、スキャントランジスターSCTのソースノードまたはドレインノードと電気的に接続され得る。駆動トランジスターDRTの第2ノード(N2)は、発光素子EDのアノード電極AEと電気的に接続され得、ソースノードまたはドレインノードであり得る。駆動トランジスターDRTの第3ノード(N3)は、駆動電圧EVDDが印加されるノードとして、駆動電圧EVDDを供給する駆動ラインDVL(Driving Voltage Line)と電気的に接続され得、ドレインノードまたはソースノードであり得る。
【0081】
スキャントランジスターSCTは、ゲートラインGLから供給されるスキャン信号SCANに応答し、駆動トランジスターDRTの第1ノード(N1)と当該のデータラインDL間の接続を制御できる。
【0082】
スキャントランジスターSCTのドレインノードまたはソースノードは、当該のデータラインDLに電気的に接続され得る。スキャントランジスターSCTのソースノードまたはドレインノードは、駆動トランジスターDRTの第1ノード(N1)に電気的に接続され得る。スキャントランジスターSCTのゲートノードは、ゲートラインGLと電気的に接続され、スキャン信号SCANの印加を受けられる。
【0083】
スキャントランジスターSCTは、ターンオンレベル電圧のスキャン信号SCANによってターンオンされ、当該のデータラインDLから供給された映像データ電圧Vdataを駆動トランジスターDRTの第1ノード(N1)に伝達し得る。
【0084】
スキャントランジスターSCTは、ターンオンレベル電圧のスキャン信号SCANによってターンオンされ、ターンオフレベル電圧のスキャン信号SCANによってターンオフされる。ここで、スキャントランジスターSCTがnタイプの場合、ターンオンレベル電圧は、ハイレベル電圧であり、ターンオフレベル電圧は、ローレベル電圧であり得る。スキャントランジスターSCTがpタイプの場合、ターンオンレベル電圧は、ローレベル電圧であり、ターンオフレベル電圧は、ハイレベル電圧であり得る。
【0085】
ストレージキャパシタCstは、駆動トランジスターDRTの第1ノード(N1)と第2ノード(N2)との間に電気的に接続され、映像信号電圧に該当する映像データ電圧Vdataまたはこれに対応する電圧を1フレーム時間の間維持し得る。
【0086】
ストレージキャパシタCstは、駆動トランジスターDRTの第1ノード(N1)と第2ノード(N2)との間に存在する内部キャパシタ(Internal Capacitor)である寄生キャパシタ(例:Cgs、Cgd)ではなく、駆動トランジスターDRTの外部に意図的に設計した外部キャパシタ(External Capacitor)であり得る。
【0087】
駆動トランジスターDRTおよびスキャントランジスターSCTそれぞれは、nタイプのトランジスターであるか、またはpタイプのトランジスターであり得る。駆動トランジスターDRTおよびスキャントランジスターSCTの両方がnタイプのトランジスターであるか、またはpタイプのトランジスターであり得る。駆動トランジスターDRTおよびスキャントランジスターSCTのうち、少なくとも1つは、nタイプのトランジスター(またはpタイプのトランジスター)であり、残りは、pタイプのトランジスター(または nタイプのトランジスター)であり得る。
【0088】
図4に例示された各サブピクセル構造は、説明のための例示であるだけで、1つ以上のトランジスターをさらに含むか、場合によっては、1つ以上のキャパシタをさらに含み得る。または、多数のサブピクセルのそれぞれが同じ構造からなり得、多数のサブピクセルのうち、一部は、他の構造からなり得る。
【0089】
図5は、本開示の実施例によるディスプレー装置10のタッチセンシングパートおよび指紋センシングパートの構成図である。
図5を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10において、タッチデータを用いてタッチ有無またはタッチ位置を獲得するプロセッサ530などをセンシングするパートは、ユーザが指またはペンなどのタッチポインタで表示パネル100をタッチする場合、タッチ位置またはタッチ有無をセンシングするパートとして、タッチセンサーが内蔵された表示パネル100と、タッチセンサーを駆動してセンシングし、タッチセンシングデータを出力するタッチ駆動回路510を含み得る。
【0090】
表示パネル100に内蔵されたタッチセンサーは、表示パネル100のタッチセンシング領域TSAに配置された多数のタッチ電極TEを含む。ここで、タッチセンシング領域TSAは、表示領域AAと対応し得る。
【0091】
表示パネル100の非表示領域NAには、タッチ駆動回路510が電気的に接続されるタッチパッド部511が存在し得る。表示パネル100には、多数のタッチ電極TEとタッチパッド部511を電気的に接続させる多数のタッチラインTLを介して多数のタッチ電極TEと電気的に接続され得る。
【0092】
タッチパッド部511は、透明基板320上に位置するが、表示領域AAの外郭領域である非表示領域NAに位置し得る。多数のタッチラインTLは、多数のタッチ電極TEの全体または一部と電気的に接続され、封止層350の斜面に沿って下りてき、タッチパッド部511と電気的に接続され得る。
【0093】
タッチ駆動回路510は、多数のタッチ電極TEの全体または一部を駆動し、多数のタッチ電極TEの全体または一部をセンシングし、タッチセンシングデータを生成してプロセッサ530に供給できる。
【0094】
プロセッサ530は、タッチセンシングデータに基づいて、タッチ有無またはタッチ位置を決定し、決定されたタッチ有無または決定されたタッチ位置に基づいて、決められた機能(例:入力処理、オブジェクト選択処理、筆記処理など)を行い得る。タッチ駆動回路510は、データ駆動回路420と統合されて集積回路の形態として具現できる。
【0095】
図5を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10の指紋センシングパートは、ユーザの指紋をセンシングするパートとして、多数の指紋センシングピクセルFP-PXLが配置される指紋センサーパネル300と、指紋センサーパネル300を駆動してセンシングし、指紋センシングデータを出力する指紋駆動回路520と、指紋センシングデータを用いて指紋を認識し、指紋認識の結果によって決められた機能(例:ユーザ認証など)を行うプロセッサ530と、を含み得る。
【0096】
本開示の実施例によるディスプレー装置10の指紋センシングパートは、光学方式、超音波方式などで指紋をセンシングできる。以下で、ディスプレー装置10の指紋センシングパートは、超音波指紋センシングを行うことを例に挙げる。
【0097】
指紋センサーパネル300は、指紋センシング領域FSAに配置された多数の指紋センシングピクセルFP-PXLを含む。ここで、指紋センシング領域FSAは、表示領域AAと対応し得る。
【0098】
多数の指紋センシングピクセルFP-PXLのそれぞれは、駆動電極、圧電物質層および共通電極を含む圧電素子と、圧電素子から超音波が発生するように圧電素子を駆動させる駆動部(送信部)と、圧電素子が指紋から反射した超音波を受信して発生される信号をセンシングするセンシング部(受信部)と、を含み得る。ここで、駆動部(送信部)およびセンシング部(受信部)それぞれは、1つ以上のスイッチング素子(トランジスター)を含み得る。
【0099】
駆動電極と共通電極のうち、1つには、電圧レベルが変動する信号(AC信号)が印加され、残りは、電圧レベルが一定している信号(DC信号)が印加される。
【0100】
指紋センサーパネル300の指紋センシング領域FSAの外郭には、指紋駆動回路520が電気的に接続される指紋パッド部521が存在し得る。
【0101】
指紋センサーパネル300は、多数の指紋センシングピクセルFP-PXLのそれぞれのセンシング部(受信部)と指紋パッド部521を電気的に接続させる多数のリードアウトラインRLを含み得る。
【0102】
指紋駆動回路520は、多数の指紋センシングピクセルFP-PXLの全体または一部を駆動し、多数の指紋センシングピクセルFP-PXLの全体または一部をセンシングし、指紋センシングデータを生成してプロセッサTLに供給できる。
【0103】
プロセッサ530は、指紋センシングデータに基づいて、指紋を認識し、指紋認識の結果によって決められた機能(例:ユーザ認証など)を行い得る。
【0104】
一方、
図5を参照すると、指紋センサーパネル300は、第1領域A1と対応する部分にホールまたはノッチ溝500が存在し得る。
【0105】
以下では、表示パネル100でのタッチセンサー構造について、
図6ないし
図10を参照して説明する。本開示の実施例によるディスプレー装置10は、キャパシタンス方式でタッチをセンシングできる。
【0106】
図6は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示パネル100内のタッチセンサー構造の例示図である。
図6を参照すると、表示パネル100のタッチセンシング領域TSAに配置される多数のタッチ電極TEのそれぞれは、互いに分離してブロック化した電極であり得る。多数のタッチ電極TEのそれぞれは、互いに重畳しない。
【0107】
多数のタッチ電極TEのそれぞれは、1つ以上のタッチラインTLを介してタッチ駆動回路510と電気的に接続され得る。タッチラインTLは、データラインDLと平行に、同じ方向に配置され得る。
【0108】
多数のタッチ電極TEは、同じ列に配置された第1タッチ電極と第2タッチ電極を含み得る。第1タッチ電極が第2タッチ電極よりタッチ駆動回路510から遠くに位置すると仮定する。多数のタッチラインTLは、第1タッチ電極と接続された第1タッチラインと、第2タッチ電極と接続された第2タッチラインを含み得る。
【0109】
第1タッチ電極と接続された第1タッチラインは、第2タッチ電極と重畳するが、第2タッチ電極と電気的に接続されない。第1タッチ電極と第2タッチ電極は、表示パネル100内で分離し、物理的に離れている。第1タッチラインと第2タッチラインは、表示パネル100内で分離し、物理的に離れている。第1タッチ電極と第2タッチ電極は、表示パネル100内で分離するが、駆動状況に応じてタッチ駆動回路510内のスイッチング回路によって電気的に接続され得る。
【0110】
図6のタッチセンサー構造は、タッチ電極TEとタッチポインタ(例:指、ペンなど)間のキャパシタンスを用いてタッチをセンシングするセルフキャパシタンス(Self-capacitance)ベースのタッチセンシング方式に適合し得る。
【0111】
これによって、タッチ駆動回路510は、多数のタッチ電極TEのそれぞれにタッチ駆動信号を供給し、タッチ駆動信号が印加されたタッチ電極TEからタッチセンシング信号を検出し、各タッチ電極TEについてのセンシング値を得てタッチセンシングデータを生成し得る。
【0112】
図7は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示パネル100内のタッチセンサー構造の他の例示図である。
【0113】
図7のタッチセンサー構造は、2つのタッチ電極TE間のキャパシタンスを用いてタッチをセンシングするミューチュアルキャパシタンス(Mutual-capacitance)ベースのタッチセンシング方式に適合し得る。
【0114】
ミューチュアルキャパシタンスベースのタッチセンシング方式のために、
図7に示したように、表示パネル100のタッチセンシング領域TSAに配置される多数のタッチ電極TEは、互いに異なる方向に配置される多数の第1タッチ電極X-TEと多数の第2タッチ電極Y-TEを含み得る。ここで、第1タッチ電極X-TEと第2タッチ電極Y-TEとの間にミューチュアルキャパシタンスが形成される。
【0115】
多数の第1タッチ電極X-TEと多数の第2タッチ電極Y-TEは、互いに交差できる。第1タッチ電極X-TEと第2タッチ電極Y-TEが互いに交差する地点(領域)をタッチノード(Touch Node)という。
【0116】
多数の第1タッチ電極X-TEと多数の第2タッチ電極Y-TEうち、多数の第1タッチ電極X-TEは、タッチ駆動回路510からタッチ駆動信号が供給される駆動電極(または送信電極)であり、多数の第2タッチ電極Y-TEは、タッチ駆動回路510によってセンシングされるセンシング電極(または受信電極)であり得る。
【0117】
これとは逆に、多数の第1タッチ電極X-TEと多数の第2タッチ電極Y-TEのうち、多数の第1タッチ電極X-TEは、タッチ駆動回路510によってセンシングされるセンシング電極(または受信電極)であり、多数の第2タッチ電極Y-TEは、タッチ駆動回路510からタッチ駆動信号が供給される駆動電極(または送信電極)であり得る。
【0118】
図8は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示パネル100内のタッチセンサー構造のまた他の例示図である。
図8は、
図7のミューチュアルキャパシタンスベースのタッチセンシングのためのタッチセンサー構造についての他の例示である。
図8のタッチセンサー構造は、
図7のタッチセンサー構造と電気的に等価的な構造である。
【0119】
図8を参照すると、表示パネル100のタッチセンシング領域TSAに配置された多数のタッチ電極TEは、同じ行に配置され、第1ブリッジパターンX-CLによって電気的に接続された第1タッチ電極X-TEと、同じ列に配置され、第2ブリッジパターンY-CLによって電気的に接続された第2タッチ電極Y-TEを含み得る。
【0120】
同じ行に配置され、同じ層に位置する第1タッチ電極X-TEと、これらを接続させる第1ブリッジパターンX-CLは、すべて一体化され、同じ層に位置し得る。
【0121】
同じ列に配置され、同じ層に位置する第2タッチ電極Y-TEと、これらを接続させる第2ブリッジパターンY-CLは、互いに他の層に位置し、コンタクトホールを介して電気的に接続され得る。
【0122】
同じ行に配置され、電気的に接続される第1タッチ電極X-TEは、1つの第1タッチ電極ラインX-TELを形成する。このように形成された1つの第1タッチ電極ラインX-TELは、
図7における、1つの第1タッチ電極X-TEと電気的に同一である。同一の列に配置され、電気的に接続される第2タッチ電極Y-TEは、1つの第2タッチ電極ラインY-TELを形成する。このように形成された1つの第2タッチ電極ラインY-TELは、
図7における、1つの第2タッチ電極Y-TEと電気的に同一である。
【0123】
多数の第1タッチ電極ラインX-TELのそれぞれは、1つ以上の第1タッチラインX-TLと電気的に接続され、多数の第2タッチ電極ラインY-TELのそれぞれは、1つ以上の第2タッチラインY-TLと電気的に接続され得る。
【0124】
多数の第1タッチ電極ラインX-TELのそれぞれは、1つ以上の第1タッチラインX-TLを介してタッチパッド部511に含まれた第1タッチパッドX-TPと電気的に接続され、多数の第2タッチ電極ラインY-TELのそれぞれは、1つ以上の第2タッチラインY-TLを介してタッチパッド部511に含まれた第2タッチパッドY-TPと電気的に接続され得る。
【0125】
図9は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示パネル100の断面図として、
図8のX-X’の断面図である。
【0126】
表示領域AA内の各サブピクセルSPでの駆動トランジスターである駆動トランジスターDRTは、透明基板320上に配置される。
【0127】
駆動トランジスターDRTは、ゲート電極に該当する第1ノード電極NE1、ソース電極またはドレイン電極に該当する第2ノード電極NE2、ドレイン電極またはソース電極に該当する第3ノード電極NE3および半導体層SEMIなどを含む。
【0128】
第1ノード電極NE1と半導体層SEMIは、ゲート絶縁膜GIを間に置いて重畳し得る。第2ノード電極NE2は、絶縁層INS上に形成されて半導体層SEMIの一側と接触し、第3ノード電極NE3は、絶縁層INS上に形成されて半導体層SEMIの他側と接触し得る。
【0129】
発光素子EDは、ピクセル電極に該当するアノード電極AEと、アノード電極AE上に形成される発光層ELと、発光層EL上に形成され、共通電極に該当するカソード電極CEを含み得る。
【0130】
アノード電極AEは、平坦化膜PLNを貫通する画素コンタクトホールを介して露出された駆動トランジスターDRTの第2ノード電極NE2と電気的に接続される。
【0131】
発光層ELは、バンクBANKによって設けられた(露出された)発光領域のアノード電極AE上に形成される。発光層ELは、アノード電極AE上に正孔関連層、発光層、電子関連層の順にまたは逆順に積層されて形成される。カソード電極CEは、発光層ELを間に置いてアノード電極AEと対向するように形成される。
【0132】
封止層350は、外部の水分や酸素に脆弱な発光素子EDに外部の水分や酸素が浸透することを遮断する。これらの封止層350は、1つの層からなり得るが、
図9に示したように、多数の層PAS1、PCL、PAS2からなり得る。
【0133】
例えば、封止層350が多数の層PAS1、PCL、PAS2からなる場合、封止層350は、1つ以上の無機封止層PAS1、PAS2と1つ以上の有機封止層PCLを含み得る。具体的な例として、封止層350は、第1無機封止層PAS1、有機封止層PCLおよび第2無機封止層PAS2が順番に積層された構造からなり得る。
【0134】
ここで、有機封止層PCLは、少なくとも1つの有機封止層または少なくとも1つの無機封止層をさらに含み得る。
【0135】
第1無機封止層PAS1は、発光素子EDと最も隣接するようにカソード電極CEが形成された透明基板320上に形成される。これらの第1無機封止層PAS1は、一例として、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)または酸化アルミニウム(Al2O3)のような低温蒸着が可能な無機絶縁材質として形成される。第1無機封止層PAS1が低温の雰囲気で蒸着するため、第1無機封止層PAS1は、蒸着工程時の高温の雰囲気に脆弱な有機物を含む発光層ELが損傷されることを防止できる。
【0136】
有機封止層PCLは、第1無機封止層PAS1よりも小さい面積に形成され得、この場合、有機封止層PCLは、第1無機封止層PAS1の両端を露出させるように形成され得る。有機封止層PCLは、有機発光表示装置であるタッチ表示装置の曲がることによる各層間の応力を緩和させる緩衝の役割をし、平坦化性能を強化する役割ができる。有機封止層PCLは、一例として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレンまたはシリコンオキシカーボン(SiOC)のような有機絶縁材質として形成され得る。一例として、有機封止層PCLがインクジェット方式により形成され得る。
【0137】
表示パネル100には、封止層350が崩れることを遮断する1つ以上のダムDAM1、DAM2が形成され得る。1つ以上のダムDAM1、DAM2は、表示領域AAと非表示領域NAの境界地点に存在するか、または境界地点の辺りに存在し得る。例えば、1つ以上のダムDAM1、DAM2は、外郭から内側に入ってから急に高くなる地点の領域であり得る。または、1つ以上のダムDAM1、DAM2は、封止層350の斜面900に沿って下りてきてから封止層350の傾斜が急に緩やかになったり、また高くなる方向に変わる地点の領域を意味し得る。
【0138】
図9に示したように、1つ以上のダムDAM1、DAM2は、タッチパッドY-TPを含むタッチパッド部511と表示領域AAとの間に配置され得る。1つ以上のダムDAM1、DAM2は、バンクBANKと同じ物質を含むダム形成パターンDFPなどからなり得る。
【0139】
1つ以上のダムDAM1、DAM2は、非表示領域NAにだけ位置し得、非表示領域NAに大部分が存在するが、一部は、表示領域AAにわたり得る。
【0140】
1つ以上のダムDAM1、DAM2のうち、表示領域AAとより近いダムDAM1を1次ダムDAM1といい、タッチパッド部511と相対的により近く位置するダムDAM2を2次ダムDAM2という。
【0141】
1つ以上のダムDAM1、DAM2は、液状形態の有機封止層PCLが表示領域AAに滴下するとき、液状形態の有機封止層PCLが非表示領域NAの方向に崩れてタッチパッド部511などを侵犯することを防止できる。このような効果は、
図9に示したように、2つ以上のダムDAM1、DAM2が形成された場合、より大きくなり得る。
【0142】
1次ダムDAM1および/または2次ダムDAM2は,単層または多層構造に形成され得る。
【0143】
1次ダムDAM1および/または2次ダムDAM2は、基本的にダム形成パターンDFPで作られることができる。ダム形成パターンDFPは、タッチパッド部511に配置されたタッチパッドY-TPよりも高い高さを有し得る。
【0144】
ダム形成パターンDFPは、表示領域AAでサブピクセルSPを分離するためのバンクBANKと同じ物質として形成され得る。場合によって、ダム形成パターンDFPは、層間の間隔を維持するためのスペーサーなどと同じ物質として形成され得る。このような場合、ダム形成パターンDFPは、バンクBANKまたはスペーサーなどと同時に形成され得、これによって、マスクの追加工程および費用の上昇なしにダム構造を形成し得る。
【0145】
図9を参照すると、1次ダムDAM1および/または2次ダムDAM2は、第1無機封止層PAS1および/または第2無機封止層PAS2がダム形成パターンDFP上に積層された多層構造からなり得る。
【0146】
有機物を含む有機封止層PCLは、最も内側にある1次ダムDAM1の内側面にのみ位置し得る。これとは異なり、有機物を含む有機封止層PCLは、1次ダムDAM1および2次ダムDAM2のうち、少なくとも1次ダムDAM1の上部に位置し得る。
【0147】
第2無機封止層PAS2は、有機封止層PCLが形成された透明基板320上に有機封止層PCLおよび第1無機封止層PAS1それぞれの上部面と側面を覆うように形成され得る。第2無機封止層PAS2は、外部の水分や酸素が第1無機封止層PAS1および有機封止層PCLに浸透することを最小限に抑えるか、または遮断する。これらの第2無機封止層PAS2は、一例として、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)または酸化アルミニウム(Al2O3)のような無機絶縁材質として形成される。
【0148】
封止層350上には、タッチバッファ膜T-BUFが配置され得る。第1および第2タッチ電極X-TE、Y-TEと第1および第2ブリッジパターンX-CL、Y-CLは、タッチバッファ膜T-BUF上に位置し得る。
【0149】
第1および第2タッチラインX-TL、Y-TLそれぞれの全体または一部もタッチバッファ膜T-BUF上に位置し得る。
【0150】
タッチバッファ膜T-BUFは、タッチ電極X-TE、Y-TEとカソード電極CEとの間に位置するが、タッチ電極X-TE、Y-TEと発光素子EDのカソード電極CEとの間の離隔距離が予め決められた最小離隔距離(例:5um)を維持するように設計できる。これによって、タッチ電極X-TE、Y-TEとカソード電極CE間の寄生キャパシタンスを減らしたり、防止でき、これによって、寄生キャパシタンスによるタッチ感度の低下を防止できる。
【0151】
タッチバッファ膜T-BUFなしに、第1および第2タッチ電極X-TE、Y-TEと第1および第2ブリッジパターンX-CL、Y-CLが封止層350上に直に配置され得る。
【0152】
タッチバッファ膜T-BUFは、タッチバッファ膜T-BUF上に配置されるタッチセンサーメタルの製造工程時に用いられる薬液(現像液またはエッチング液など)または外部からの水分などが有機物を含む発光層ELに浸透することを遮断できる。これによって、タッチバッファ膜T-BUFは、薬液または水分に脆弱な発光層ELの損傷を防止できる。
【0153】
タッチバッファ膜T-BUFは、高温に脆弱な有機物を含む発光層ELの損傷を防止するために、一定温度(例:100度(℃))以下の低温で形成可能であり、1~3の低誘電率を有する有機絶縁材質として形成される。例えば、タッチバッファ膜T-BUFは、アクリル系、エポキシ系またはシロキサン(Siloxane)系の材質として形成され得る。有機絶縁材質として平坦化性能を有するタッチバッファ膜T-BUFは、有機発光表示装置の曲がることによる封止層350内の各封止層PAS1、PCL、PAS2の損傷およびタッチバッファ膜T-BUF上に形成されるタッチセンサーメタルの破れ現象を防止できる。
【0154】
ミューチュアルキャパシタンスベースのタッチセンサー構造によると、タッチバッファ膜T-BUF上に第1タッチ電極ラインX-TELおよび第2タッチ電極ラインY-TELが配置され、第1タッチ電極ラインX-TELおよび第2タッチ電極ラインY-TELは、交差するように配置され得る。
【0155】
第2タッチ電極ラインY-TELは、多数の第2タッチ電極Y-TEと、多数の第2タッチ電極Y-TEの間を電気的に接続させる多数の第2ブリッジパターンY-CLを含み得る。
図8に示したように、多数の第2タッチ電極Y-TEと多数の第2ブリッジパターンY-CLは、タッチ絶縁膜ILDを間に置いて互いに他の層に位置し得る。
【0156】
図8および
図9を一緒に参照すると、同じ列に配置される多数の第2タッチ電極Y-TEは、y軸方向(列方向)に沿って一定の間隔で離隔し得る。これらの多数の第2タッチ電極Y-TEのそれぞれは、第2ブリッジパターンY-CLを介してy軸方向に隣接する他の第2タッチ電極Y-TEと電気的に接続され得る。
【0157】
第2ブリッジパターンY-CLは、タッチバッファ膜T-BUF上に形成され、タッチ絶縁膜ILDを貫通するタッチコンタクトホールを介して露出され、y軸方向に隣接する2つの第2タッチ電極Y-TEと電気的に接続され得る。
【0158】
第2ブリッジパターンY-CLは、バンクBANKと重畳するように配置され得る。これによって、第2ブリッジパターンY-CLによって開口率が低下することを防止できる。
【0159】
図8および
図9を一緒に参照すると、第1タッチ電極ラインX-TELは、多数の第1タッチ電極X-TEと、多数の第1タッチ電極X-TEの間を電気的に接続させる多数の第1ブリッジパターンX-CLを含み得る。多数の第1タッチ電極X-TEと多数の第1ブリッジパターンX-CLは、タッチ絶縁膜ILDを間に置いて互いに他の層に位置し得るが、多数の第1ブリッジパターンX-CLと多数の第1タッチ電極X-TEは、一体になって同じ層に位置し得る。
【0160】
図8および
図9を一緒に参照すると、同じ行に配置される多数の第1タッチ電極X-TEは、タッチ絶縁膜ILD上でx軸方向(行方向)に沿って一定の間隔で離隔し得る。これらの多数の第1タッチ電極X-TEのそれぞれは、第1ブリッジパターンX-CLを介してx軸方向に隣接する他の第1タッチ電極X-TEと電気的に接続され得る。
【0161】
第1ブリッジパターンX-CLは、第1タッチ電極X-TEと同一の平面上に配置され、別のコンタクトホールなしに、x軸方向に隣接する2つの第1タッチ電極X-TEと電気的に接続されるか、またはx軸方向に隣接する2つの第1タッチ電極X-TEと一体になり得る。
【0162】
第1ブリッジパターンX-CLは、バンクBANKと重畳するように配置され得る。これによって、第1ブリッジパターンX-CLによって開口率が低下することを防止できる。
【0163】
図9を参照すると、第2タッチ電極ラインY-TELは、第2タッチラインY-TLを介して第1非表示領域NA1内のタッチパッド部511に存在する第2タッチパッドY-TPと電気的に接続され得る。第2タッチパッドY-TPは、タッチ駆動回路510と電気的に接続され得る。
【0164】
このような構造と同様に、第1タッチ電極ラインX-TELは、第1タッチラインX-TLを介して第1非表示領域NA1内のタッチパッド部511に存在する第1タッチパッドX-TPと電気的に接続され得る。第1タッチパッドX-TPは、タッチ駆動回路510と電気的に接続され得る。
【0165】
第1タッチパッドX-TPおよび第2タッチパッドY-TPを覆うパッドカバー電極がさらに配置され得る。
【0166】
第1タッチパッドX-TPは、第1タッチラインX-TLと別に形成され得、第1タッチラインX-TLが延長されて形成され得る。第2タッチパッドY-TPは、第2タッチラインY-TLと別に形成され得、第2タッチラインY-TLが延長されて形成され得る。
【0167】
第1タッチパッドX-TPが第1タッチラインX-TLが延長されて形成され、第2タッチパッドY-TPが第2タッチラインY-TLが延長されて形成された場合、第1タッチパッドX-TP、第1タッチラインX-TL、第2タッチパッドY-TPおよび第2タッチラインY-TLは、同じ第1導電物質として構成され得る。ここで、第1導電物質は、一例として、Al、Ti、Cu、Moのような耐食性および耐酸性が強く、導電性が良い金属を用いて単層または多層構造として形成され得る。
【0168】
例えば、第1導電物質からなった第1タッチパッドX-TP、第1タッチラインX-TL、第2タッチパッドY-TPおよび第2タッチラインY-TLは、Ti/Al/TiまたはMo/Al/Moのように積層された3層構造として形成され得る。
【0169】
第1タッチパッドX-TPおよび第2タッチパッドY-TPを覆うことができるパッドカバー電極は、第1および第2タッチ電極X-TE、Y-TEと同じ材質で第2導電物質として構成され得る。ここで、第2導電物質は、耐食性および耐酸性が強いITOまたはIZOのような透明導電物質として形成され得る。これらのパッドカバー電極は、タッチバッファ膜T-BUFによって露出するように形成されることにより、タッチ駆動回路510とボンディングされるか、またはタッチ駆動回路510が実装した回路フィルムとボンディングできる。
【0170】
ここで、タッチバッファ膜T-BUFは、タッチセンサーメタルを覆うように形成され、タッチセンサーメタルが外部の水分などによって腐食されることを防止できる。一例として、タッチバッファ膜T-BUFは、有機絶縁材質として形成されるか、または円偏光板またはエポキシまたはアクリル材質のフィルム形態として形成され得る。これらのタッチバッファ膜T-BUFが封止層350上にない場合もある。すなわち、タッチバッファ膜T-BUFは、必須の構成ではないこともある。
【0171】
第2タッチラインY-TLは、コンタクトホールを介して第2タッチ電極Y-TEと電気的に接続されるか、または第2タッチ電極Y-TEと一体になり得る。
【0172】
これらの第2タッチラインY-TLは、非表示領域NAまで伸張し、封止層350の斜面900に沿って下りてき、1つ以上のダムDAM1、DAM2を経て、非表示領域NA1内のタッチパッド部511に存在する第2タッチパッドY-TPと電気的に接続され得る。これによって、第2タッチラインY-TLは、第2タッチパッドY-TPを介してタッチ駆動回路510と電気的に接続され得る。
【0173】
第2タッチラインY-TLは、第2タッチ電極Y-TEでのタッチセンシング信号をタッチ駆動回路510に伝達するか、またはタッチ駆動回路510からタッチ駆動信号の供給を受けて第2タッチ電極Y-TEに伝達し得る。
【0174】
第1タッチラインX-TLは、コンタクトホールを介して第1タッチ電極X-TEと電気的に接続されるか、または第1タッチ電極X-TEと一体になり得る。
【0175】
これらの第1タッチラインX-TLは、非表示領域NAまで伸張し、封止層350の斜面900に沿って下りてき、1つ以上のダムDAMを経て、第1非表示領域NA1内のタッチパッド部511に存在する第1タッチパッドX-TPと電気的に接続され得る。これによって、第1タッチラインX-TLは、第1タッチパッドX-TPを介してタッチ駆動回路510と電気的に接続され得る。
【0176】
第1タッチラインX-TLは、タッチ駆動回路510からタッチ駆動信号の供給を受けて第1タッチ電極X-TEに伝達し得、第1タッチ電極X-TEでのタッチセンシング信号をタッチ駆動回路510に伝達し得る。
【0177】
第1タッチラインX-TLおよび第2タッチラインY-TLの配置は、パネルの設計事項に応じて様々に変更できる。
【0178】
第1タッチ電極X-TEおよび第2タッチ電極Y-TE上にタッチ保護膜PACが配置され得る。これらのタッチ保護膜PACは、1つ以上のダムDAMの前または後まで拡張され、第1タッチラインX-TLおよび第2タッチラインY-TL上にも配置され得る。
【0179】
一方、
図9の断面図は、概念的に構造を示したものであって、見る方向や位置などに応じて各パターン(各種の層や各種の電極)の位置、厚さ、または幅が異なる場合があり、各種パターンの接続構造も変更でき、示された多数の層に加えて、追加の層が存在し得、示された多数の層のうち、一部は省略されるか、または統合され得る。例えば、バンクBANKの幅は、図面に比べて狭いこともあり、ダムDAM1、DAM2の高さも図面よりも低いか、または高い場合もある。
【0180】
図10は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示パネル100内のタッチ電極TEを示した例示図である。
【0181】
図10を参照すると、表示パネル100の内部に配置されたタッチ電極TEのうち、第1領域A1に位置するタッチ電極TEのそれぞれは、1つ以上の開口部を有するメッシュタイプの電極であるか、またはメッシュタイプの電極を含み得る。または、タッチ電極TEのうち、第1領域A1に位置するタッチ電極TEのそれぞれは、透明電極であるか、または透明電極を含み得る。
【0182】
前述したように、第1領域A1に位置するタッチ電極TEがメッシュタイプまたは透明電極に形成されることにより、第1領域A1の透過率を高め、第1領域A1を通じるカメラ110の撮影機能と、第1領域A1を通じる近接センサー120のセンシング機能が可能になる。
【0183】
1つのタッチ電極TEは、開口部(オープン領域)がない透明電極であり得る。これとは異なり、1つのタッチ電極TEは、多数のオープン領域OAを有するメッシュタイプであり得る。すなわち、1つのタッチ電極TEは、多数のオープン領域OAを有するように、メッシュタイプでパターニングされた電極メタルEMであり得る。ここで、電極メタルEMは、タッチセンサーメタルのうちの1つである。
【0184】
1つのタッチ電極TEに存在する多数のオープン領域OAのそれぞれは、1つ以上のサブピクセルSPの発光領域と対応し得る。すなわち、多数のオープン領域OAは、下に配置された多数のサブピクセルSPで発光した光が上に過ぎる経路となる。そして、第1領域A1に配置された各タッチ電極TEに存在する多数のオープン領域OAは、第1領域A1での透過率を向上させ得る。
【0185】
タッチ電極TEで多数のオープン領域OAではなく、実際の電極部分(すなわち、電極メタルEM)は、バンクBANK上に位置し得る。
【0186】
多数のタッチ電極TEを形成する方法として、多数のタッチ電極TEを形成するための領域に電極メタルEMをメッシュタイプに広く形成した以後、タッチ電極TE間の境界ラインに沿って電極メタルEMを決められたパターンでカッティングし、電気的に分離した電極メタルEMを形成する。電気的に分離した電極メタルEMが多数のタッチ電極TEとなる。
【0187】
タッチ電極TEの外郭形状は、一例として、ダイヤモンド形状、菱形などの四角形であり得、三角形、五角形、または六角形などの様々な形状であり得る。
【0188】
図10を参照すると、メッシュタイプのタッチ電極TEが占める領域内には、メッシュタイプの電極メタルEMが切れている1つ以上のダミーメタルDMが存在し得る。
【0189】
電極メタルEMは、実質的なタッチ電極TEに該当する部分として、タッチ駆動信号が印加されるか、またはタッチセンシング信号が感知される部分であるが、ダミーメタルDM は、タッチ電極TEの領域内に存在するが、タッチ駆動信号が印加されず、タッチセンシング信号も感知されない部分である。すなわち、ダミーメタルDMは、電気的にフローティング(Floating)されたメタルであり得る。
【0190】
したがって、電極メタルEMは、タッチ駆動回路510と電気的に接続され得るが、ダミーメタルDMは、タッチ駆動回路510と電気的に接続されない。
【0191】
すべてのタッチ電極TEのそれぞれの領域内には、1つ以上のダミーメタルDMが電極メタルEMと切れた状態で存在し得る。これとは異なり、すべてのタッチ電極TEのうち、一部のタッチ電極TEの領域内にのみ、1つ以上のダミーメタルDMが電極メタルEMと切れた状態で存在し得る。すなわち、一部のタッチ電極TEの領域内には、ダミーメタルDMが存在しないこともある。
【0192】
一方、ダミーメタルDMの役割と関連して、タッチ電極TEの領域内に1つ以上のダミーメタルDMが存在せず、電極メタルEMのみメッシュタイプとして存在する場合、画面上に電極メタルEMの輪郭が見える視認性イシューが発生し得る。
【0193】
これに比べて、タッチ電極TEの領域内に1つ以上のダミーメタルDMが存在する場合、画面上に電極メタルEMの輪郭が見える視認性イシューを防止できる。
【0194】
また、各タッチ電極TE別に、ダミーメタルDMの存在の有無または数(ダミーメタルの割合)を調節することにより、各タッチ電極TE別にミューチュアルキャパシタンスの大きさに影響を及ぼす有効電極面積を調節できる。これにより、第1タッチ電極X-TEと第2タッチ電極Y-TE間のミューチュアルキャパシタンスの大きさを調節し、タッチ感度を向上させ得る。
【0195】
一方、1つのタッチ電極TEの領域内に形成された電極メタルEMで一部の地点をカッティングすることにより、カッティングされた電極メタルEMがダミーメタルDMとして形成され得る。すなわち、電極メタルEMとダミーメタルDMは、同じ層に形成された同じ物質であり得る。
【0196】
図11は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示パネル100内の偏光板370を示した図面である。
【0197】
図11を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示パネル100内の偏光板370は、第1領域A1と対応する第1部分POL1と第2領域A2と対応する第2部分POL2を含み得る。
【0198】
偏光板370における、第1部分POL1は、第2部分POL2よりも高い透過率を有し得る。偏光板370の第1部分POL1は、カメラ110および近接センサー120それぞれの機能を可能にするレベルに予め設定された臨界透過度以上の高い透過率を有し得る。
【0199】
前述したように、偏光板370で第1領域A1に位置する第1部分POL1が高い透過率として形成されることにより、第1領域A1の透過率を高め、第1領域A1を通じるカメラ110の撮影機能と、第1領域A1を通じる近接センサー120のセンシング機能が可能になる。
【0200】
偏光板370の上部に位置する光学用の透明接着剤380およびカバーガラス390それぞれは、カメラ110および近接センサー120それぞれの機能を可能にするレベルに予め設定された臨界透過度以上の透過度を有する。
【0201】
図12および
図13は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示パネル100内の近接センサー120のための光発生装置1200の位置を説明するための図面である。
【0202】
図12および
図13を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、周辺の人体や物体が近接しているかを感知する近接センサー120を含むが、近接センサー120は、外光入光部IAに流入する光(例:赤外線)を受け入れ、人体や物体が近接しているかを感知できる。
【0203】
このために、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、光(例:赤外線)を発生させる光発生装置1200をさらに含み得る。近接センサー120は、光発生装置1200から出射した光を用いて周辺の人体や物体を感知できる。
【0204】
光発生装置1200が光を発生させると、この光は、近接する人体または物体に反射される。反射された光は、第1領域A1に該当する外光入光部IAに流入する。
【0205】
近接センサー120は、表示パネル100の下部に位置するが、表示領域AA内の第1領域A1に位置するため、第1領域A1に該当する外光入光部IAに流入した光を受信し得、受信された光をもとに、人体や物体が近接しているかを感知できる。近接センサー120は、光発生装置1200を含むものと見られる。
【0206】
図12および
図13を参照すると、光発生装置1200は、封止層350上に位置し、タッチセンサー層360の側面に位置し得る。例えば、光発生装置1200は、タッチセンサー層360の上端左側面、上端右側面、下端左側面、または下端右側面などに位置し得、表示パネル100の1つのコーナーに位置し得る。
【0207】
図13を参照すると、表示領域AAの終わりの地点から封止層360の斜面が始まる前までをビューイング領域VAという。光発生装置1200は、封止層350上に位置するが、封止層350の斜面900と表示領域AAとの間のビューイング領域VAに位置し得る。
【0208】
光発生装置1200の安着構造を見ると、ビューイング領域VAで封止層350の平坦化した地点にパッド1311が配置される。ボンディング剤1312によって、パッド1311上にバンパー1313がボンディングされている。バンパー1313上に光発生装置1200が安着する。
【0209】
光発生装置1200は、タッチセンサー層360上に形成された偏光板370よりも低い。ここで、タッチセンサー層360は、互いに他の層に位置する第2タッチ電極Y-TEおよび第2ブリッジパターンY-CLと、第2タッチ電極Y-TEおよび第2ブリッジパターンY-CLの間に位置する層間絶縁膜ILDと、第1ブリッジパターンX-CL、第2タッチ電極Y-TE、第2ブリッジパターンY-CLなどのタッチセンサーメタルが形成された層上に位置するタッチ保護膜PACなどを含み得る。
【0210】
光発生装置1200がタッチセンサー層360上に形成された偏光板370よりも低いため、光発生装置1200の上部空間1314は、偏光板370のホール(Hole)に該当する。
【0211】
図14は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の異種カソード電極層340を示した図面である。
【0212】
図14を参照すると、異種カソード電極層340は、第1カソード電極CE1と第2カソード電極CE2を含む。
【0213】
第1カソード電極CE1は、光学装置と重畳し、表示領域AAの一部である第1領域A1に配置され、カメラ110および近接センサー120それぞれの機能を可能にするレベルに予め設定された臨界透過度以上の第1透過度を有し得る。
【0214】
第2カソード電極CE2は、表示領域AAで第1領域A1とは異なる第2領域A2に配置され、第1カソード電極CE1の第1透過度(第1透明度)とは異なる第2透過度(第2透明度)を有し得る。
【0215】
第1カソード電極CE1は、第2透明度よりも高い第1透明度を有する透明電極であり得る。例えば、第1カソード電極CE1は、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、Ba/Ag、Ca/Ag、グラフェン、銀ナノワイヤ(Silver Nanowire)、炭素ナノチューブ(Carbon Nanotube)のうち、1つ以上を含み得る。
【0216】
第2カソード電極CE2は、第1透明度よりも低い第2透明度を有する半透明電極であり得る。例えば、第2カソード電極CE2は、Mg、Agのうち、1つ以上を含み得る。
【0217】
図15は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示領域AA内のカメラ110が配置された第1領域A1での配線構造を示した図面である。
【0218】
図15を参照すると、表示パネル100の表示領域AA内の第1領域A1に配置されたカメラ110の撮影のために、外部光が入射するべきである。
【0219】
カメラ110が配置された第1領域A1は、映像が表示される表示領域AA内に含まれるため、第1領域A1には、ディスプレーのための配線SLが配置され得る。本開示での配線SLは、電極などのメタルパターンを含む構成であり得る。
【0220】
このように、カメラ110が配置された第1領域A1は、映像が表示される表示領域AA内に含まれるため、外部光は、メタルからなった配線SLとの間の側面の開口部LOAを介して入射し、カメラ110の前面に到逹することになる。
【0221】
カメラ110の前面に到逹した外部光は、カメラ110の前面から反射し得る。カメラ110の前面から反射した外部光は、配線SLの背面からまた反射し得、配線SLの背面から反射した外部光は、またカメラ110の前面から反射し、カメラ110の前面からまた反射した外部光は、配線SLの背面からまた反射し得る。このような反射過程は、継続的に繰り返され得る。
【0222】
カメラ110と配線SLとの間での反復的な無限反射過程は、光の散乱と干渉を発生させることになり、カメラを介して正常なイメージ撮影を不可能にしたり、高解像度のイメージを得られなくなったりする。
【0223】
図16は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示領域AA内のカメラ110が配置された第1領域A1での低反射構造を示した図面である。
【0224】
図16を参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、カメラ110と配線SLとの間での反復的な反射過程を防止するために、低反射構造を提供し得る。
【0225】
図16を参照すると、低反射構造を有する配線SLとの間の側面の開口部LOAを介して入射した外部光は、カメラ110の前面から反射し得る。カメラ110の前面から反射した外部光は、低反射構造を有する配線SLの背面から反射しないか、または反射率が著しく低下できる。したがって、カメラ110と配線SLとの間での反復的な反射過程が防止できる。
【0226】
したがって、本開示の実施例による低反射構造を用いれば、外部に露出されず、表示パネル100の表示領域AAの下に配置されたカメラ110を用いても、高解像度のイメージを獲得できる。
【0227】
以下では、低反射構造についてより詳細に説明する。但し、以下では、低反射構造を配線の観点で説明するが、電極などの金属パターンに同様に適用できる。
【0228】
図17は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示領域AA内で、カメラ110が配置された第1領域A1での低反射構造をより詳細に示した図面であり、
図18aないし
図18cは、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示領域AA内で、カメラ110が配置された第1領域A1での低反射構造とカメラ110が配置されない第2領域A2での配線構造を示した図面である。
図18bは、
図18aのX-X’断面図であり、
図18cは、
図18aのY-Y’断面図である。
【0229】
図17、
図18aないし
図18cを参照すると、本開示の実施例によるディスプレー装置10は、映像が表示される表示領域AAを含む表示パネル100と、外部に露出されず、表示パネル100の表示領域AAの下に配置されるカメラ110などを含み得る。本開示で言及するカメラ110は、カメラレンズ(Camera Lens)であり得る。
【0230】
表示パネル100は、基板320と、基板320の上部に位置し、表示領域AAに配置される第1配線SL1などを含み得る。
【0231】
カメラ110は、外部に露出されず、表示パネル100の表示領域AAの下に配置され、表示領域AA内の第1領域A1と重畳して位置し得る。
【0232】
図17、
図18aおよび
図18bを参照すると、第1配線SL1の全体または一部は、第1領域A1と重畳し得る。したがって、第1配線SL1の全体または一部は、カメラ110と重畳し得る。
【0233】
表示パネル100で映像が表示される表示領域AAは、カメラ110などの光学装置が配置される第1領域A1と、第1領域A1ではない第2領域A2を含み得る。
【0234】
図17、
図18aおよび
図18bを参照すると、第1配線SL1は、第1領域A1に重畳する第1部分SL1_PART1と、第1領域A1とは異なる第2領域A2に重畳する第2部分SL1_PART2を含み得る。
【0235】
図17、
図18aおよび
図18bを参照すると、第1配線SL1で第1領域A1と重畳する第1部分SL1_PART1は、基板320の上部に位置する第1半透過層L1aと、第1半透過層L1a上に位置する第1光経路補償層L1bと、第1光経路補償層L1b上に位置し、第1メタルを含む第1メタル層L1cと、を含み得る。
【0236】
第1半透過層L1aは、第1光経路補償層L1bの厚さよりも薄い厚さを有し得る。例えば、第1半透過層L1aは、1ないし5nmの厚さを有し得る。第1光経路補償層L1bは、 30ないし120nmの厚さを有し得る。
【0237】
第1配線SL1を構成する3つの層L1a、L1b、L1cそれぞれの厚さの大小関係を見ると、例えば、第1半透過層L1a、第1光経路補償層L1bおよび第1メタル層L1cのうち、カメラ110と最も隣接する第1半透過層L1aの厚さを最も薄くできる。第1半透過層L1a、第1光経路補償層L1bおよび第1メタル層L1cのうち、外部光が入射する部分と最も隣接する第1メタル層L1cの厚さを最も厚くできる。
【0238】
第1光経路補償層L1bは、導電性透明材料を含み得る。例えば、第1光経路補償層L1bは、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)、SiO2、SiNxなどの導電性透明材料を含み得る。
【0239】
図17を参照すると、外部光が第1配線SL1の側面の開口部LOAに入射し、カメラ110の前面(上面)から反射し得る。
【0240】
図17を参照すると、カメラ110の前面から反射した外部光の一部RL1aは、第1半透過層L1aの背面から反射し、カメラ110の前面から反射した外部光の他の一部RL1bは、第1半透過層L1aおよび第1光経路補償層L1bを透過し、第1メタル層L1cの背面から反射し得る。
【0241】
図17を参照すると、第1半透過層L1aの背面から反射した外部光RL1aと、第1メタル層L1cの背面から反射した外部光RL1bは、180度の奇数倍だけの位相差を有し得る。
【0242】
図17を参照すると、第1半透過層L1aの背面から反射した外部光RL1aと、第1メタル層L1cの背面から反射した外部光RL1b間の光経路の長さの差は、半波長の奇数倍になり得る。
【0243】
したがって、第1半透過層L1aの背面から反射した外部光RL1aと、 第1メタル層L1cの背面から反射した外部光RL1bは、互いに相殺干渉を発生させる。
【0244】
したがって、第1配線SL1とカメラ110との間での反復的な反射過程が防止され、これによって、第1配線SL1とカメラ110との間での光の散乱も防止できる。
【0245】
一方、第1半透過層L1aと第1光経路補償層L1bの上下関係が変わるか、または第1半透過層L1aと第1光経路補償層L1bそれぞれの厚さ関係が前述したものとは異なって変更されると、低反射構造が作られず、第1配線SL1とカメラ110との間での光の散乱も防止できない。
【0246】
図17、
図18aおよび
図18bを参照すると、第1配線SL1で第2領域A2と重畳する第2部分SL1_PART2は、第1半透過層L1aおよび第1光経路補償層L1bなしに、第1メタルを含む第1メタル層L1cを含み得る。すなわち、第1配線SL1でカメラ110が配置されない第2領域A2と重畳する部分SL1_PART2は、単一層からなる。
【0247】
図17を参照すると、ディスプレー装置10の表示パネル100は、基板320の上部に位置し、表示領域AAに配置され、第1領域A1と一部重畳する第2配線SL2をさらに含み得る。
【0248】
図17、
図18aおよび
図18cを参照すると、第2配線SL2は、第1領域A1に重畳する第1部分SL2_PART1と、第2領域A2に重畳する第2部分SL2_PART2を含み得る。
【0249】
図17、
図18aおよび
図18cを参照すると、第2配線SL2で第1領域A1と重畳する第1部分SL2_PART1は、基板320の上部に位置する第2半透過層L2aと、第2半透過層L2a上に位置する第2光経路補償層L2bと、第2光経路補償層L2b上に位置し、第1メタルとは異なる第2メタル(Gate)を含む第2メタル層L2cと、を含み得る。
【0250】
第1配線SL1の第1半透過層L1aと第2配線SL2の第2半透過層L2aは、同じ材料を含み得る。第1配線SL1の第1半透過層L1aと第2配線SL2の第2半透過層L2aは、対応する厚さを有し得る。
【0251】
第1配線SL1の第1光経路補償層L1bと第2配線SL2の第2光経路補償層L2bは、同じ材料を含み得る。第1配線SL1の第1光経路補償層L1bと第2配線SL2の第2光経路補償層L2bは、対応する厚さを有し得る。
【0252】
図17、
図18aおよび
図18cを参照すると、第2配線SL2で第2領域A2と重畳する第2部分SL2_PART2は、第2半透過層L2aおよび第2光経路補償層L2bなしに、第2メタルを含む第2メタル層L2cを含み得る。すなわち、第2配線SL2でカメラ110が配置されない第2領域A2と重畳する部分SL2_PART2は、単一層からなる。
【0253】
例えば、第1配線SL1の第1メタル層L1cに含まれる第1メタルは、ソースドレインメタルを含み、第2配線SL2の第2メタル層L2cに含まれる第2メタルは、ゲートメタルを含み得る。逆に、第1配線SL1の第1メタル層L1cに含まれる第1メタルは、ゲートメタルを含み、第2配線SL2の第2メタル層L2cに含まれる第2メタルは、ソースドレインメタルを含み得る。
【0254】
例えば、ソースドレインメタルは、トランジスター(例:DRT、SCTなど)のソース電極およびドレイン電極に含まれるメタルであるか、またはデータラインDLなどの配線に含まれるメタルであり得る。ゲートメタルは、トランジスター(例:DRT、SCTなど)のゲート電極に含まれるメタルであるか、またはゲートラインGLなどの配線に含まれるメタルであり得る。
【0255】
図17を参照すると、外部光が基板320の上部から第1配線SL1と第2配線SL2との間の開口部LOAに入射し、カメラ110の前面に向かう。外部光の全体または一部は、カメラ110の前面から反射し得る。
【0256】
3つの層L1a、L1b、L1cを含む第1配線SL1が形成された領域において、カメラ110の前面から反射した外部光の一部RL1aは、第1半透過層L1aの背面から反射し、カメラ110の前面から反射した外部光の他の一部RL1bは、第1半透過層L1aおよび第1光経路補償層L1bを透過し、第1メタル層L1cの背面から反射し得る。
【0257】
第1配線SL1が形成された領域において、第1半透過層L1aの背面から反射した外部光RL1aと、第1メタル層L1cの背面から反射した外部光RL1bは、180度の奇数倍だけの位相差を有し得る。
【0258】
第1配線SL1が形成された領域において、第1半透過層L1aの背面から反射した外部光RL1aと、第1メタル層L1cの背面から反射した外部光RL1b間の光経路の長さの差は、半波長の奇数倍になり得る。
【0259】
第1配線SL1が形成された領域において、第1半透過層L1aの背面から反射した外部光RL1aと、第1メタル層L1cの背面から反射した外部光RL1bは、互いに相殺干渉を発生させる。
【0260】
したがって、第1配線SL1が形成された領域において、第1配線SL1とカメラ110との間での反復的な反射過程が防止され、これによって、第1配線SL1とカメラ110との間での光の散乱も防止できる。
【0261】
また、3つの層L2a、L2b、L2cを含む第2配線SL2が形成された領域において、カメラ110の前面から反射した外部光の一部RL2aは、第2半透過層L2aの背面から反射し、カメラ110の前面で反射した外部光の他の一部RL2bは、第2半透過層L2aおよび第2光経路補償層L2bを透過し、第2メタル層L2cの背面から反射し得る。
【0262】
第2配線SL2が形成された領域において、第2半透過層L2aの背面から反射した外部光RL2aと、第2メタル層L2cの背面から反射した外部光RL2bは、180度の奇数倍だけの位相差を有し得る。
【0263】
第2配線SL2が形成された領域において、第2半透過層L2aの背面から反射した外部光RL2aと、第2メタル層L2cの背面から反射した外部光RL2b間の光経路の長さの差は、半波長の奇数倍になり得る。
【0264】
第2配線SL2が形成された領域において、第2半透過層L2aの背面から反射した外部光RL2aと第2メタル層L2cの背面から反射した外部光RL2bは、互いに相殺干渉を発生させる。
【0265】
よって、第2配線SL2が形成された領域において、第2配線SL2とカメラ110との間での反復的な反射過程が防止され、これによって、第2配線SL2とカメラ110との間での光の散乱も防止できる。
【0266】
図19および
図20は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示領域AA内で、カメラ110が配置された第1領域A1での低反射構造を適用した場合に、低反射効果を示したグラフである。
【0267】
図19は、低反射構造を適用した第1配線SL1と、低反射構造を適用しない第1配線SL1のそれぞれの反射率を測定した結果を示したグラフである。
【0268】
低反射構造が適用された第1配線SL1は、多層膜構造を有し得る。低反射構造が適用された第1配線SL1は、薄膜の第1半透過層L1a、光経路の長さの差を作る第1光経路補償層L1bおよびメイン配線の役割をする第1メタル層L1cを含み得る。低反射構造が適用されない第1配線SL1は、単一膜構造を有し得る。低反射構造が適用されない第1配線SL1は、メイン配線の役割をする第1メタル層L1cのみを含み得る。
【0269】
図20は、低反射構造を適用した第2配線SL2と、低反射構造を適用しない第2配線SL2のそれぞれの反射率を測定した結果を示したグラフである。
【0270】
低反射構造が適用された第2配線SL2は、多層膜構造を有し得る。低反射構造が適用された第2配線SL2は、薄膜の第2半透過層L2a、光経路の長さの差を作る第2光経路補償層L2bおよびメイン配線の役割をする第2メタル層L2cを含み得る。低反射構造が適用されない第2配線SL2は、単一膜構造を有し得る。低反射構造が適用されない第2配線SL2は、メイン配線の役割をする第2メタル層L2cのみを含み得る。
【0271】
図19を参照すると、第1メタルを根幹とする第1配線SL1の場合、低反射構造を適用した第1配線SL1は、低反射構造を適用しない第1配線SL1に比べて、可視光線波長帯域(約380nmから約800nmまでの範囲)で反射率が大きく減少することを確認できる。
【0272】
図20を参照すると、第2メタルを根幹とする第2配線SL2の場合、低反射構造を適用した第2配線SL2は、低反射構造を適用しない第2配線SL2に比べて、可視光線波長帯域(約380nmから約800nmまでの範囲)で反射率が大きく減少することを確認できる。
【0273】
図21は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示領域AA内で、カメラ110が配置された第1領域A1での低反射構造を適用したデータラインDLとゲートラインGLを示した図面である。
【0274】
図21は、カメラ110が配置された第1領域A1と重畳するサブピクセルSPの形成領域とその周辺を簡単に示した図面であり、
図22は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示領域AA内の第1領域A1に配置されたカメラ110とサブピクセルSPを示した図面である。
【0275】
図21を参照すると、サブピクセルSPは、データラインDLとゲートラインGLと接続され得る。
【0276】
例えば、
図17ないし
図20での第1配線SL1と第2配線SL2のうち、1つは、行方向のディスプレー配線(例:ゲートラインGLなど)であり、残りの1つは、列方向のディスプレー配線(例:データラインDLなど)であり得る。
【0277】
一例として、
図21のように、データラインDLが列方向のディスプレー配線であり、ゲートラインGLが行方向のディスプレー配線の場合、第1配線SL1は、データラインDLであり得る。第2配線SL2は、ゲートラインGLであり得る。
【0278】
図21を参照すると、サブピクセルSPは、第1領域A1と重畳するため、サブピクセルSPの周辺は、外部光が透過する透過領域TAが存在し得る。
【0279】
図21のサブピクセルSPと接続されたデータラインDLおよびゲートラインGLは、カメラ110が配置された第1領域A1と重畳するため、データラインDLおよびゲートラインGLそれぞれは、低反射構造を有し得る。
【0280】
前述したように、
図21のサブピクセルSPは、カメラ110が配置された第1領域A1と重畳する。
【0281】
したがって、第1領域A1と重畳したサブピクセルSPに配置されたトランジスター(DRT、SCTなど)とストレージキャパシタCstは、前述した低反射構造を有し得る。前述した低反射構造は、メインメタルの下に付加的な層をさらに含む多層構造であり得る。ここで、付加的な層は、光経路の長さの差を作る光経路補償層と薄膜で形成された半透過層を含み得る。
【0282】
カメラ110が重畳する第1領域A1は、第2領域A2と同じ解像度を有し得る。すなわち、第1領域A1で単位面積当たり配置されるサブピクセルSPの数は、第2領域A2で単位面積当たり配置されるサブピクセルSPの数と同一である。
【0283】
第1領域A1でカメラ110の撮影性能を向上させるために、第1領域A1の透過度を第2領域A2の透過度よりも高める必要がある。このために、カメラ110が重畳する第1領域A1は、第2領域A2よりも低い解像度を有し得る。すなわち、第1領域A1で単位面積当たり配置されるサブピクセルSPの数は、第2領域A2で単位面積当たり配置されるサブピクセルSPの数よりも少ないことができる。
【0284】
図23は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示領域AA内で、第1領域A1と第2領域A2についての断面図であり、
図24は、本開示の実施例によるディスプレー装置10の表示領域AA内で、第1領域A1と第2領域A2についての他の断面図である。
【0285】
図23および
図24を参照すると、前述したように、カメラ110と重畳する第1領域A1内のサブピクセルSPに配置される第1トランジスターTR1および第1キャパシタCst1は、低反射構造を有し得る。
【0286】
すなわち、カメラ110と重畳する第1領域A1内のサブピクセルSPに配置される第1トランジスターTR1および第1キャパシタCst1は、3重膜で構成され得る。
【0287】
図23および
図24を参照すると、カメラ110と重畳せずの第2領域A2内のサブピクセルSPに配置される第2トランジスターTR2および第2キャパシタCst2は、低反射構造を有しないことがある。すなわち、カメラ110と重畳せずの第2領域A2内のサブピクセルSPに配置される第2トランジスターTR2および第2キャパシタCst2は、単一膜で構成され得る。
【0288】
以下で、第1領域A1内のサブピクセルSPに配置される第1トランジスターTR1および第1キャパシタCst1の構造と、第2領域A2内のサブピクセルSPに配置される第2トランジスターTR2および第2キャパシタCst2の構造を説明する。
【0289】
但し、
図23および
図24では、第1および第2トランジスターTR1、TR2がトップゲート(Top Gate)構造を有すると仮定する。しかし、
図9のように、第1および第2トランジスターTR1、TR2は、ボトムゲート(Bottom Gate)構造を有し得る。
【0290】
図23および
図24を参照して第1領域A1についての積層構造を説明する。第1トランジスターTR1は、基板320の上部に位置するが、第2領域A2と重畳せず、第1領域A1と重畳し得る。
【0291】
基板320上にバッファー層BUFが配置される。バッファー層BUF上に第1トランジスターTR1のアクティブ層ACT1が配置される。
【0292】
第1トランジスターTR1のアクティブ層ACT1上にゲート絶縁膜GIが配置される。ゲート絶縁膜GI上に第1トランジスターTR1のゲート電極G1が配置される。ゲート電極G1を覆いつつ、ゲート絶縁膜GI上にパッシベーション層PASが配置され得る。
【0293】
パッシベーション層PAS上に第1トランジスターTR1のソース電極S1とドレイン電極D1が配置される。第1トランジスターTR1のソース電極S1は、パッシベーション層PASおよびゲート絶縁膜GIの2重コンタクトホールを介してアクティブ層ACT1の一部分と接続され得る。
【0294】
第1トランジスターTR1のドレイン電極D1は、パッシベーション層PASおよびゲート絶縁膜GIの2重コンタクトホールを介してアクティブ層ACT1の他の部分と接続され得る。
【0295】
アクティブ層ACT1で、第1トランジスターTR1のソース電極S1と接続された第1部分と第1トランジスターTR1のドレイン電極D1と接続された第2部分は、導体化された部分である。アクティブ層ACT1で、第1部分と第2部分との間は、第1トランジスターTR1のチャンネルが形成される部分である。
【0296】
第1トランジスターTR1は、サブピクセルSP内の駆動トランジスターDRTまたはスキャントランジスターSCTであり得る。
図23および
図24の第1トランジスターTR1は、サブピクセルSP内の駆動トランジスターDRTを例に挙げたものである。また、第1トランジスターTR1のソース電極S1が発光素子EDのアノード電極AEと電気的に接続されることを例に挙げる。
【0297】
第1トランジスターTR1のソース電極S1とドレイン電極D1を覆いつつ、パッシベーション層PAS上に絶縁層PACが配置され得る。絶縁層PAC上にアノード電極AEが配置される。アノード電極AEは、絶縁層PACのコンタクトホールを介して第1トランジスターTR1のソース電極S1と接続される。
【0298】
サブピクセルSPの発光領域を定義するバンクBANKが絶縁層PAC上に配置され得る。
【0299】
図23および
図24を参照すると、第1領域A1に配置された第1キャパシタCst1は、互いに離隔された2つのプレートPLT1A、PLT1Bを含む。2つのプレートPLT1A、PLT1Bのうち、第1プレートPLT1Aは、アクティブ層ACT1と同じ物質(半導体物質)が導体化された電極であり得る。2つのプレートPLT1A、PLT1Bのうち、第2プレートPLT1Bは、ゲート電極G1と同じゲートメタルであり得る。
【0300】
図23および
図24を参照して第2領域A2についての積層構造を説明する。第2トランジスターTR2は、基板320の上部に位置するが、第1領域A1と重畳せず、第2領域A2と重畳し得る。基板320上にバッファー層BUFが配置される。バッファー層BUF上に第2トランジスターTR2のアクティブ層ACT2が配置される。第2トランジスターTR2のアクティブ層ACT2上にゲート絶縁膜GIが配置される。ゲート絶縁膜GI上に第2トランジスターTR2のゲート電極G2が配置される。ゲート電極G2を覆いつつ、ゲート絶縁膜GI上にパッシベーション層PASが配置され得る。
【0301】
パッシベーション層PAS上に第2トランジスターTR2のソース電極S2とドレイン電極D2が配置される。第2トランジスターTR2のソース電極S2は、パッシベーション層PASおよびゲート絶縁膜GIの2重コンタクトホールを介してアクティブ層ACT2の一部分と接続され得る。
【0302】
第2トランジスターTR2のドレイン電極D2は、パッシベーション層PASおよびゲート絶縁膜GIの2重コンタクトホールを介してアクティブ層ACT1の他の部分と接続され得る。
【0303】
アクティブ層ACT1で、第2トランジスターTR2のソース電極S2と接続された第1部分と第2トランジスターTR2のドレイン電極D2と接続された第2部分は、導体化された部分である。アクティブ層ACT2で、第1部分と第2部分との間は、第2トランジスターTR2のチャンネルが形成される部分である。
【0304】
第2トランジスターTR2は、サブピクセルSP内の駆動トランジスターDRTまたはスキャントランジスターSCTであり得る。
図23および
図24の第2トランジスターTR2は、サブピクセルSP内の駆動トランジスターDRTを例に挙げたものである。また、第2トランジスターTR2のソース電極S2が発光素子EDのアノード電極AEと電気的に接続されることを例に挙げる。
【0305】
第2トランジスターTR2のソース電極S2とドレイン電極D2を覆いつつ、パッシベーション層PAS上に絶縁層PACが配置され得る。絶縁層PAC上にアノード電極AEが配置される。アノード電極AEは、絶縁層PACのコンタクトホールを介して第2トランジスターTR2のソース電極S2と接続される。
【0306】
サブピクセルSPの発光領域を定義するバンクBANKが絶縁層PAC上に配置され得る。
【0307】
図23を参照すると、第2領域A2に配置された第2キャパシタCst2は、互いに離隔された2つのプレートPLT2A、PLT2Bを含む。2つのプレートPLT2A、PLT2Bのうち、第1プレートPLT2Aは、アクティブ層ACT2と同じ物質(半導体物質)が導体化された電極であり得る。2つのプレートPLT2A、PLT2Bのうち、第2プレートPLT2Bは、ゲート電極G2と同じゲートメタルであり得る。
【0308】
図23を参照すると、カメラ110と全体または一部分が重畳する第1トランジスターTR1は、低反射構造を有する。
【0309】
図23を参照すると、第1トランジスターTR1のソース電極S1は、第1ソース電極層2331、第2ソース電極層2332および第3ソース電極層2333を含み得る。
【0310】
第1ソース電極層2331は、第1半透過層L1aと対応する材料および厚さを有し、第2ソース電極層2332は、第1光経路補償層L1bと対応する材料および厚さを有し、第3ソース電極層2333は、ソースドレインメタルである第1メタルを含み得る。
【0311】
第1トランジスターTR1のドレイン電極D1は、第1ドレイン電極層2321、第2ドレイン電極層2322および第3ドレイン電極層2323を含み得る。
【0312】
第1ドレイン電極層2321は、第1半透過層L1aと対応する材料および厚さを有し、第2ドレイン電極層2322は、第1光経路補償層L1bと対応する材料および厚さを有し、第3ドレイン電極層2323は、ソースドレインメタルである第1メタルを含み得る。
【0313】
第1トランジスターTR1のゲート電極G1は、第1ゲート電極層2311、第2ゲート電極層2312および第3ゲート電極層2313を含み得る。
【0314】
第1ゲート電極層2311は、第2半透過層L2aと対応する材料および厚さを有し、第2ゲート電極層2312は、第2光経路補償層L2bと対応する材料および厚さを有し、第3ゲート電極層2313は、ゲートメタルである第2メタルを含み得る。
【0315】
図23を参照すると、カメラ110と重畳しない第2トランジスターTR2は、低反射構造(3重の層構造)を有せず、一般的な構造(単一層構造)を有し得る。場合によっては、カメラ110と重畳しない第2トランジスターTR2も、第1トランジスターTR1のように低反射構造(3重の層構造)を有し得る。
【0316】
図23を参照すると、第2トランジスターTR2のソース電極S2は、第1ソース電極層2331および第2ソース電極層2332なしに、第3ソース電極層2333のみを含み得る。第2トランジスターTR2のドレイン電極D2は、第1ドレイン電極層2321および第2ドレイン電極層2322なしに、第3ドレイン電極層2323のみを含み得る。第2トランジスターTR2のゲート電極G2は、第1ゲート電極層2311および第2ゲート電極層2312なしに、第3ゲート電極層2313のみを含み得る。
【0317】
図23を参照すると、表示パネル100は、基板320の上部に位置するが、第2領域A2と重畳せず、第1領域A1と重畳する第1キャパシタCst1をさらに含み得る。
【0318】
第1キャパシタCst1は、互いに離隔された2つのプレートPLT1A、PLT1Bを含み得る。2つのプレートPLT1A、PLT1Bのうち、少なくとも1つ(例えば、PLT1B)は、第1プレート層2341、第2プレート層2342および第3プレート層2343を含み得る。すまわち、カメラ110と重畳する第1領域A1に配置される第1キャパシタCst1の2つのプレートPLT1A、PLT1Bのうち、少なくとも1つ(例えば、PLT1B)は、低反射構造を有し得る。
【0319】
第1プレート層2341は、第1半透過層L1aと対応する材料および厚さを有し得る。第2プレート層2342は、第1光経路補償層L1bと対応する材料および厚さを有し得る。第3プレート層2343は、ソースドレインメタルである第1メタルまたはゲートメタルである第2メタルを含み得る。
【0320】
表示パネル100は、基板320の上部に位置するが、第1領域A1と重畳せず、第2領域A2と重畳する第2キャパシタCst2をさらに含み得る。
【0321】
第2キャパシタCst2は、互いに離隔され、単一層からなる2つのプレートPLT2A、PLT2Bを含み得る。第2キャパシタCst2の第1プレートPLT2Aは、第1キャパシタCst1の第3プレート層2343と同じ物質を含むか、または第1キャパシタCst1の第3プレート層2343と同じ層に配置され得る。
【0322】
図24を参照すると、表示パネル100は、第1トランジスターTR1のアクティブ層ACT1の下に配置される第1ライトシールドLS1をさらに含み得る。第1領域A1でカメラ110と重畳する第1ライトシールドLS1は、第1トランジスターTR1のチャンネルを保護するパターンである。
【0323】
カメラ110と重畳する第1領域A1に配置される第1ライトシールドLS1は、低反射構造を有し得る。すまわち、カメラ110と重畳する第1領域A1に配置される第1ライトシールドLS1は、基板320上に位置する第1ライトシールド層2401、第1ライトシールド層2401上に位置する第2ライトシールド層2402および第2ライトシールド層2402上に位置する第3ライトシールド層2403を含み得る。
【0324】
第1ライトシールドLS1において、第1ライトシールド層2401は、第2ライトシールド層2402よりも薄いことがあり、第1ライトシールド層2401は、第1半透過層L1aと対応する材料を有し得、第2ライトシールド層2402は、第1光経路補償層L1bと対応する材料を有し得る。
【0325】
図24を参照すると、表示パネル100は、第2トランジスターTR2のアクティブ層ACT2の下に配置され、カメラ110と重畳しない第2領域A2に配置される第2ライトシールドLS2をさらに含み得る。カメラ110と重畳しない第2ライトシールドLS2は、第2トランジスターTR2のチャンネルを保護するパターンである。
【0326】
カメラ110と重畳しない第2領域A2に配置される第2ライトシールドLS2は、第3ライトシールド層2403を含み、第1ライトシールド層2401および第2ライトシールド層2402を含まないことがある。
【0327】
つまり、カメラ110と重畳しない第2領域A2に配置される第2ライトシールドLS2は、単一層構造を有し得る。
【0328】
図25は、本開示の実施例によるディスプレー装置10のカメラ110が表示領域AAの中央に位置する場合を示した図面である。
【0329】
図25を参照すると、表示パネル100の表示領域AAは、カメラ110と重畳する第1領域A1と、第1領域A1とは異なる第2領域A2を含み得る。
【0330】
第1領域A1は、表示領域AA内に位置するが、表示領域AAの外郭領域である非表示領域NAと隣接する境界領域に位置し得る。この場合、第1領域A1の一部のみが第2領域A2によって囲まれ得る。第1領域A1は、ディスプレー装置10の上端部に存在し得る。
【0331】
これとは異なり、
図25に示したように、第1領域A1は、表示領域AAの中央に位置し得る。この場合、第1領域A1は、すべての方向に第2領域A2によって囲まれ得る。
【0332】
以上で説明した本開示の実施例は、映像が表示される表示領域を含み、基板と、基板の上部に位置し、表示領域に配置される第1配線を含む表示パネルと、表示パネルの前面の外部に露出されず、表示パネルの前方を撮影し、表示パネルの表示領域の下に配置され、表示領域内の第1領域と重畳して位置するカメラと、を含むディスプレー装置を提供し得る。
【0333】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1配線の全体または一部は、第1領域と重畳し得る。第1配線で第1領域と重畳する部分は、基板の上部に位置する第1半透過層と、第1半透過層上に位置する第1光経路補償層と、第1光経路補償層上に位置し、第1メタル(S/D)を含む第1メタル層と、を含み得る。
【0334】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1半透過層は、第1光経路補償層の厚さよりも薄い厚さを有し得る。
【0335】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1半透過層、第1光経路補償層および第1メタル層のうち、カメラと最も隣接する第1半透過層の厚さが最も薄く、外部光が入射する部分と最も隣接する第1メタル層の厚さが最も厚いことがある。
【0336】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1半透過層は、1ないし5nmの厚さを有し、第1光経路補償層は、30ないし120nmの厚さを有し得る。
【0337】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、外部光が第1配線の側面の開口部に入射してカメラの前面から反射し、カメラの前面から反射した外部光の一部は、第1半透過層の背面から反射し、カメラの前面から反射した外部光の他の一部は、第1半透過層および第1光経路補償層を透過し、第1メタル層の背面から反射し得る。
【0338】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1半透過層の背面から反射した外部光と、第1メタル層の背面から反射した外部光は、180度の奇数倍だけの位相差を有し得る。
【0339】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1光経路補償層は、導電性透明材料を含み得る。
【0340】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、表示領域で第1領域を除いた領域は、第2領域であり、第1配線は、第1領域と重畳する部分と第2領域と重畳する部分を含み得る。第1配線で第2領域と重畳する部分は、第1半透過層および第1光経路補償層なしに、第1メタルを含む第1メタル層を含み得る。
【0341】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、基板の上部に位置し、表示領域に配置され、第1領域と全体または一部が重畳する第2配線をさらに含み得る。
【0342】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第2配線で第1領域と重畳する部分は、基板の上部に位置する第2半透過層と、第2半透過層上に位置する第2光経路補償層と、第2光経路補償層上に位置し、第1メタルとは異なる第2メタル(Gate)を含む第2メタル層と、を含み得る。
【0343】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1半透過層と第2半透過層は、同じ材料を含み、第1光経路補償層と第2光経路補償層は、同じ材料を含み得る。
【0344】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、外部光が基板の上部から第1配線と第2配線との間の開口部に入射し、カメラの前面に向かうことができる。
【0345】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1配線と第2配線のうち、1つは、ディスプレー駆動のための行方向のディスプレー配線であり、残りの1つは、ディスプレー駆動のための列方向のディスプレー配線であり得る。
【0346】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、基板の上部に位置するが、第1領域と重畳する第1トランジスターをさらに含み得る。
【0347】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1トランジスターのソース電極は、第1ソース電極層、第2ソース電極層および第3ソース電極層を含み得る。第1ソース電極層は、第1半透過層と対応する材料および厚さを有し、第2ソース電極層は、第1光経路補償層と対応する材料および厚さを有し、第3ソース電極層は、第1メタルを含み得る。
【0348】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1トランジスターのドレイン電極は、第1ドレイン電極層、第2ドレイン電極層および第3ドレイン電極層を含み得る。第1ドレイン電極層は、第1半透過層と対応する材料および厚さを有し、第2ドレイン電極層は、第1光経路補償層と対応する材料および厚さを有し、第3ドレイン電極層は、第1メタルを含み得る。
【0349】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1トランジスターのゲート電極は、第1ゲート電極層、第2ゲート電極層および第3ゲート電極層を含み得る。第1ゲート電極層は、第2半透過層と対応する材料および厚さを有し、第2ゲート電極層は、第2光経路補償層と対応する材料および厚さを有し、第3ゲート電極層は、第2メタルを含み得る。
【0350】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1トランジスターのアクティブ層の下に配置されるライトシールドをさらに含み得る。
【0351】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、ライトシールドは、基板上に位置する第1ライトシールド層、第1ライトシールド層上に位置する第2ライトシールド層および第2ライトシールド層上に位置する第3ライトシールド層を含み得る。
【0352】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1ライトシールド層は、第2ライトシールド層よりも薄いことがある。第1ライトシールド層は、第1半透過層と対応する材料を有し、第2ライトシールド層は、第1光経路補償層と対応する材料を有し得る。
【0353】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、基板の上部に位置するが、表示領域内で第1領域を除いた第2領域と重畳する第2トランジスターをさらに含み得る。
【0354】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第2トランジスターのソース電極は、第1ソース電極層および第2ソース電極層なしに、第3ソース電極層のみを含み得る。第2トランジスターのドレイン電極は、第1ドレイン電極層および第2ドレイン電極層なしに、第3ドレイン電極層のみを含み得る。第2トランジスターのゲート電極は、第1ゲート電極層および第2ゲート電極層なしに、第3ゲート電極層のみを含み得る。
【0355】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、基板の上部に位置するが、第1領域と重畳する第1キャパシタをさらに含み得る。第1ストレージキャパシタは、互いに離隔された2つのプレートを含み、2つのプレートのうち、少なくとも1つは、第1プレート層、第2プレート層および第3プレート層を含み得る。
【0356】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1プレート層は、第1半透過層と対応する材料および厚さを有し、第2プレート層は、第1光経路補償層と対応する材料および厚さを有し、第3プレート層は、第1メタルまたは第2メタルを含み得る。
【0357】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、基板の上部に位置するが、表示領域内で第1領域を除いた第2領域と重畳する第2キャパシタをさらに含み得る。第2ストレージキャパシタは、互いに離隔され、単一層からなる2つのプレートを含み得る。
【0358】
本開示の実施例によるディスプレー装置は、基板の上部で表示領域に位置するトランジスターアレイと、トランジスターアレイ上に位置するアノード電極層と、アノード電極層上に位置する発光層と、発光層上に位置するカソード電極層と、カソード電極層上に位置する封止層と、をさらに含み得る。
【0359】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、カソード電極層は、第1領域と重畳する第1カソード電極と、表示領域内で第1領域を除いた第2領域と重畳する第2カソード電極を含み得る。
【0360】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1カソード電極は、予め設定された臨界透過度以上の第1透過度を有する透明カソード電極であり得る。
【0361】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、第1カソード電極と第2カソード電極は、分離しており、第2カソード電極は、第1透過度未満の第2透過度を有し得る。
【0362】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、封止層上に配置され、タッチ電極を含むタッチセンサー層と、基板上に位置するが、表示領域の外郭領域である非表示領域に位置するタッチパッド部と、タッチ電極の全体または一部と電気的に接続され、封止層の斜面に沿って下りて、タッチパッド部と電気的に接続されるタッチラインと、をさらに含み得る。
【0363】
本開示の実施例によるディスプレー装置は、光発生装置と、光発生装置から出射した光を用いて周辺の人体や物体を感知する近接センサーをさらに含み得る。光発生装置は、封止層上に位置するが、タッチセンサー層の側面に位置し得る。近接センサーは、基板の下部に位置し、第1領域と重畳し得る。
【0364】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、タッチ電極のうち、カメラが配置された領域と重畳して位置するタッチ電極のそれぞれは、透明電極であるか、または1つ以上の開口部があるメッシュタイプの電極であり得る。
【0365】
表示領域は、カメラと重畳する第1領域と、第1領域とは異なる第2領域を含み得る。一例として、第1領域は、表示領域内で外郭に位置し、第1領域の一部のみが第2領域によって囲まれ得る。
【0366】
他の例として、第1領域は、表示領域の中央に位置し、第1領域は、すべての方向に第2領域によって囲まれ得る。
【0367】
本開示の実施例は、映像が表示される表示領域を含み、基板と、基板の上部に位置し、表示領域に配置される電極を含む表示パネルと、表示パネルの前面の外部に露出されず、表示パネルの前方を撮影し、前記表示パネルの前記表示領域の下に配置され、表示領域内の第1領域と重畳して位置するカメラと、を含むディスプレー装置を提供し得る。
【0368】
本開示の実施例によるディスプレー装置において、電極は、カメラと重畳する第1領域に重畳し、電極は、基板の上部に位置する半透過層と、半透過層上に位置する光経路補償層と、光経路補償層上に位置するメタル層と、を含み得る。
【0369】
半透過層は、光経路補償層の厚さよりも薄い厚さを有し得る。電極は、第1領域と重畳するサブピクセル内のトランジスターの電極であるか、または第1領域と重畳するキャパシタのプレートであり得る。
【0370】
本開示の実施例によると、前方を撮影するカメラが前面に露出されず、表示パネルの下部に配置されるディスプレー装置を提供し得る。
【0371】
また、本開示の実施例によると、前方を撮影するカメラが前面に露出されず、表示パネルの下部に配置されても、ハイクオリティーの前方イメージを獲得できるディスプレー装置を提供し得る。
【0372】
また、本開示の実施例によると、前方を撮影するカメラが前面に露出されず、表示パネルの下部に配置される場合、カメラの撮影に必要な外部光が表示パネルの内部に入射し、表示パネル内の配線とカメラとの間で反復的に反射される現象を防止し、高解像度のイメージを獲得できるディスプレー装置を提供し得る。
【0373】
以上で説明した明細書は、前述の実施例および添付した図面に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形および変更が可能であることが本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本開示の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そして、その等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本開示の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。