(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】電子負荷装置
(51)【国際特許分類】
G05F 1/00 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
G05F1/00 M
(21)【出願番号】P 2021111475
(22)【出願日】2021-07-05
【審査請求日】2021-07-06
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳文鍾
(72)【発明者】
【氏名】鄒明穎
(72)【発明者】
【氏名】黄建興
(72)【発明者】
【氏名】洪鈞晟
(72)【発明者】
【氏名】李冠宏
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-099968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定抵抗、リファレンス回路、トランジスタ及びフィードバック回路を備えた、電子負荷装置であって、
前記測定抵抗は、第1の接点、第2の接点、第3の接点及び第4の接点を有し、前記第1の接点及び前記第2の接点は、前記測定抵抗の第1の端部に対応し、前記第3の接点及び前記第4の接点は、前記測定抵抗の第2の端部に対応し、
前記リファレンス回路は、リファレンス電源と、前記測定抵抗の前記第1の接点とそれぞれ電気的に接続され、
前記トランジスタは、ドレイン、ゲート及びソースを有し、前記ゲートは、前記リファレンス回路と電気的に接続され、前記ソース及び前記ドレインは、何れか一方が前記測定抵抗の前記第2の接点と電気的に接続され、他方が被測定物の出力端と電気的に接続され、
前記フィードバック回路は、前記第4の接点及び前記リファレンス回路とそれぞれ電気的に接続され
、
前記測定抵抗の前記第3の接点は、前記被測定物の入力端と電気的に接続され、
前記測定抵抗の前記第1の接点は、前記フィードバック回路と電気的に接続されることを特徴とする、
電子負荷装置。
【請求項2】
前記測定抵抗を横切る電圧差及び抵抗値に基づき、前記測定抵抗の前記第2の接点を通過する負荷電流値を判定することを特徴とする請求項1に記載の電子負荷装置。
【請求項3】
前記測定抵抗の前記第1の接点を通過する第1の電流値は、負荷電流値より小さいことを特徴とする請求項2に記載の電子負荷装置。
【請求項4】
前記測定抵抗の前記第1の接点は、第1のはんだボールを介して前記リファレンス回路と電気的に接続され、前記測定抵抗の前記第2の接点は、第2のはんだボールを介して前記トランジスタと電気的に接続され、前記測定抵抗の前記第3の接点は、第3のはんだボールを介して前記フィードバック回路と電気的に接続され、前記測定抵抗の前記第4の接点は、第4のはんだボールを介して前記フィードバック回路と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子負荷装置。
【請求項5】
前記リファレンス回路は、第1の反転閉ループ増幅器及び第2の反転閉ループ増幅器を含み、前記第1の反転閉ループ増幅器と前記第2の反転閉ループ増幅器とはカスケード接続され、前記リファレンス電源は、前記第1の反転閉ループ増幅器の入力端と電気的に接続され、前記フィードバック回路は、前記第2の反転閉ループ増幅器の入力端と電気的に接続され、前記リファレンス電源は、前記リファレンス回路を介して前記測定抵抗の前記第1の接点と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子負荷装置。
【請求項6】
前記フィードバック回路は、第1のオペアンプを含み、前記測定抵抗の前記第1の接点は、前記第1のオペアンプの第1の入力端と電気的に接続され、前記測定抵抗の前記第4の接点は、前記第1のオペアンプの第2の入力端と電気的に接続されることを特徴とする請求項
1に記載の電子負荷装置。
【請求項7】
前記フィードバック回路は、第1のアナログ―デジタル変換器を含み、前記第1のアナログ―デジタル変換器の第1の入力端及び第2の入力端は、前記測定抵抗の前記第1の接点及び前記第4の接点と電気的に接続され、前記第1のアナログ―デジタル変換器の第1の出力端は、デジタル制御回路を介して前記リファレンス回路と電気的に接続されることを特徴とする請求項
1に記載の電子負荷装置。
【請求項8】
前記リファレンス回路は、前記フィードバック回路に基づき、前記トランジスタの前記ゲートに印加される電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の電子負荷装置。
【請求項9】
前記測定抵抗の前記第1の接点及び前記第2の接点は同質(homogeneous)であり、前記測定抵抗の前記第3の接点及び前記第4の接点は同質であることを特徴とする請求項1に記載の電子負荷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子負荷装置に関し、特に、4つの接点を有する抵抗を含む電子負荷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回路で使用する材料の抵抗値は、温度に応じて変化する。温度と抵抗値との関係は、抵抗温度係数(Temperature Coefficient of Resistance:TCR)で表される。材料の抵抗値が温度の上昇に伴って上がる場合、その抵抗温度係数は正であり、材料の抵抗値が温度の上昇に伴って下がる場合、その抵抗温度係数は負である。
電子装置では、抵抗器の抵抗値が温度の変化に伴って変化するだけでなく、半田の抵抗値も温度の変化に伴って変化することがある。そのため抵抗器の抵抗値と半田の抵抗値が近い場合、半田の抵抗値の変化により電子装置に誤差が発生することがあった。
【0003】
業界では電子負荷装置を利用して電源供給装置に出荷前テストを行うことが一般的であった。電子負荷装置は、電子装置のエネルギー消費をシミュレートし、これにより電源供給装置が電子装置に対して正常に給電することが可能か否かを確認する。そのため、電源装置の開発及び製造において、電子負荷装置は必要不可欠なテスト装置であった。電子負荷装置は、内部負荷素子によりパワーが消費されて電気エネルギーが消費されるとともに、内部負荷素子を制御することにより、様々な操作モードにおけるエネルギー消費をシミュレートすることができる。例えば、全速運転における電気消費又はスタンバイ状態における電気消費である。或いは、電子負荷装置は、テストする電源供給装置と一緒に環境テストを行い、様々な環境下でテストする電源供給装置の動作状況を確認してもよい。例えば、供給する電圧又は電流が定格範囲内にあるか否か、安定しているか否かなどである。
しかし、環境温度をテストするとき、電子負荷装置で使用する負荷素子の抵抗値が、温度変化に伴って変化すると、変化した抵抗値により、測定した電圧値又は電流値に誤差が生じるため、テストする電源供給装置の出力する電圧又は電流を正確に判断することはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、半田材料の抵抗値により生じる誤差を効果的に下げることができる電子負荷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、測定抵抗、リファレンス回路、トランジスタ及びフィードバック回路を備えた、電子負荷装置であって、前記測定抵抗は、第1の接点、第2の接点、第3の接点及び第4の接点を有し、前記第1の接点及び前記第2の接点は、前記測定抵抗の第1の端部に対応し、前記第3の接点及び前記第4の接点は、前記測定抵抗の第2の端部に対応し、前記リファレンス回路は、リファレンス電源と、前記測定抵抗の前記第1の接点とそれぞれ電気的に接続され、前記トランジスタは、ドレイン、ゲート及びソースを有し、前記ゲートは、前記リファレンス回路と電気的に接続され、前記ソース及び前記ドレインは、何れか一方が前記測定抵抗の前記第2の接点と電気的に接続され、他方が被測定物の出力端と電気的に接続され、前記フィードバック回路は、前記第4の接点及び前記リファレンス回路とそれぞれ電気的に接続されることを特徴とする、電子負荷装置が提供される。
【0006】
前記測定抵抗を横切る電圧差及び抵抗値に基づき、前記測定抵抗の前記第2の接点を通過する負荷電流値を判定することが好ましい。
【0007】
前記測定抵抗の前記第1の接点を通過する第1の電流値は、負荷電流値より小さいことが好ましい。
【0008】
前記測定抵抗の前記第1の接点は、第1のはんだボールを介して前記リファレンス回路と電気的に接続され、前記測定抵抗の前記第2の接点は、第2のはんだボールを介して前記トランジスタと電気的に接続され、前記測定抵抗の前記第3の接点は、第3のはんだボールを介して前記フィードバック回路と電気的に接続され、前記測定抵抗の前記第4の接点は、第4のはんだボールを介して前記フィードバック回路と電気的に接続されることが好ましい。
【0009】
前記測定抵抗の抵抗温度係数(Temperature Coefficient of Resistance)は、前記第1のはんだボール、前記第2のはんだボール、前記第3のはんだボール及び前記第4のはんだボールの抵抗温度係数より小さいことが好ましい。
【0010】
前記リファレンス回路は、第1の反転閉ループ増幅器及び第2の反転閉ループ増幅器を含み、前記第1の反転閉ループ増幅器と前記第2の反転閉ループ増幅器とはカスケード接続され、前記リファレンス電源は、前記第1の反転閉ループ増幅器の入力端と電気的に接続され、前記フィードバック回路は、前記第2の反転閉ループ増幅器の入力端と電気的に接続され、前記リファレンス電源は、前記リファレンス回路を介して前記測定抵抗の前記第1の接点と電気的に接続されることが好ましい。
【0011】
前記測定抵抗の前記第3の接点は、前記被測定物の入力端と電気的に接続され、前記測定抵抗の前記第1の接点は、前記フィードバック回路と電気的に接続されることが好ましい。
【0012】
前記フィードバック回路は、第1のオペアンプを含み、前記測定抵抗の前記第1の接点は、前記第1のオペアンプの第1の入力端と電気的に接続され、前記測定抵抗の前記第4の接点は、前記第1のオペアンプの第2の入力端と電気的に接続されることが好ましい。
【0013】
前記フィードバック回路は、第1のアナログ―デジタル変換器を含み、前記第1のアナログ―デジタル変換器の第1の入力端及び第2の入力端は、前記測定抵抗の前記第1の接点及び前記第4の接点と電気的に接続され、前記第1のアナログ―デジタル変換器の第1の出力端は、デジタル制御回路を介して前記リファレンス回路と電気的に接続されることが好ましい。
【0014】
前記デジタル制御回路の第1の出力端及び前記リファレンス電源は、オペアンプを介して前記リファレンス回路と電気的に接続されることが好ましい。
【0015】
前記リファレンス回路は、前記フィードバック回路に基づき、前記トランジスタの前記ゲートに印加される電圧を制御することが好ましい。
【0016】
前記測定抵抗の前記第1の接点及び前記第2の接点は同質(homogeneous)であり、前記測定抵抗の前記第3の接点及び前記第4の接点は同質であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子負荷装置は、半田材料の抵抗値により生じる誤差を効果的に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置を示す回路図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置を示す回路図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置を示す回路図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置を示す回路図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置を示す回路図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置を示す回路図である。
【
図7A】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置の測定抵抗を示す回路図である。
【
図7B】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置の測定抵抗を示す回路図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置を示す回路図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置を示す回路図である。
【
図10A】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置の測定抵抗を示す回路図である。
【
図10B】本発明の一実施形態に係る電子負荷装置の測定抵抗を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の他の技術内容、特徴及び効果については、以下、図面を参照しながら好適な実施形態の詳細な説明で明らかにする。
【0020】
図1を参照する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置100を示す回路図である。本実施形態において、電子負荷装置100は、リファレンス回路102、フィードバック回路104、トランジスタ110、リファレンス電流I
REF、測定抵抗108及び接地点112を含んでもよい。
図1の矢印は、電流I1又は負荷電流I
LOADの方向を示す。
【0021】
電子負荷装置100は、被測定物106と電気的に接続される。本実施形態において、被測定物106の電流は、被測定物106の出力端から出力され、電子負荷装置100に通電された後、被測定物106の入力端から被測定物106に入力される。被測定物106の出力端から出力された電流は、リファレンス回路102、フィードバック回路104、トランジスタ110及び測定抵抗108のうちの少なくとも何れか1つを通過する。
【0022】
測定抵抗108は、抵抗値RMを有してもよい。測定抵抗108は、接点C1、接点C2、接点C3及び接点C4を有してもよい。測定抵抗108の接点C1及び接点C2は、測定抵抗108の一端に位置してもよい。測定抵抗108の接点C3及び接点C4は、測定抵抗108の他端に位置してもよい。測定抵抗108の接点C1は、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C2は、トランジスタ110と電気的に接続されてもよい。例えば、測定抵抗108の接点C2は、トランジスタ110のドレイン又はソースと電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C3は、フィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C4は、フィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。
【0023】
測定抵抗108の接点C1,C2,C3,C4は、半田材料を介して様々な素子と電気的に接続されてもよい。
図1の実施形態では、測定抵抗108の接点C1は、第1のはんだボールを介してリファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C2は、第2のはんだボールを介してトランジスタ110と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C3は、第3のはんだボールを介してフィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C4は、第4のはんだボールを介してフィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。
【0024】
他の実施形態において、測定抵抗108は、単一金属又は合金からなるコイルでもよい。接点C1及び接点C2は、コイルの一端がカットされて形成されてもよい。接点C3及び接点C4は、コイルの他端がカットされて形成されてもよい。測定抵抗108の接点C1及び接点C2は、同じ材料からなり、他の半田材料を含まなくてもよい。そのため、測定抵抗108の接点C1及び接点C2は同質(homogeneous)でもよい。測定抵抗108の接点C3及び接点C4は、同じ材料からなり、他の半田材料を含まなくてもよい。そのため、測定抵抗108の接点C3及び接点C4は同質でもよい。
【0025】
電流I1は、接点C1を介して測定抵抗108に流入されてもよい。負荷電流ILOADは、接点C2から測定抵抗108に流入されてもよい。電流I1は、接点C4を介して測定抵抗108から流出されてもよい。負荷電流ILOADは、接点C3を介して測定抵抗108から流出されてもよい。電流I1は、負荷電流ILOADより小さくてもよい。他の実施形態において、電流I1は、負荷電流ILOADより遥かに小さくてもよい。
【0026】
リファレンス回路102は、トランジスタ110と電気的に接続されてもよい。例えば、リファレンス回路102は、トランジスタ110のゲートと電気的に接続されてもよい。リファレンス回路102は、フィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。リファレンス回路102は、フィードバック回路104に基づき、トランジスタ110のゲートに印加される電圧又は電流I1を制御してもよい。リファレンス回路102は、測定抵抗108の接点C1と電気的に接続されてもよい。リファレンス回路102は、リファレンス電源VREFと電気的に接続されてもよい。他の実施形態において、リファレンス電源VREFは、対応したリファレンス電流IREFを生成してもよい。例えば、リファレンス電源VREFは、電圧値を出力するように設定され、リファレンス電流IREFを対応して生成するようにしてもよい。リファレンス電流IREFは、数ミリアンペアでもよい。
【0027】
他の実施形態において、リファレンス電源VREFは、供給された電圧を調整することにより、負荷電流ILOADを制御してもよい。例えば、リファレンス電源VREFは、電圧値を出力するように設定し、リファレンス電源VREFが出力する電圧は、二次アンプによりトランジスタ110のゲート電圧を制御することにより、負荷電流ILOADを制御するようにしてもよい。
【0028】
トランジスタ110のゲートは、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のドレイン又はソースは、測定抵抗108の接点C2と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のソース又はドレインは、被測定物106の出力端と電気的に接続されてもよい。
図1に示すように、トランジスタ110のソースは、測定抵抗108の接点C2と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のドレインは、被測定物106の出力端と電気的に接続されてもよい。他の実施形態において、トランジスタ110のドレインは、測定抵抗108の接点C2と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のソースは、被測定物106の出力端と電気的に接続されてもよい。被測定物106の出力端は、被測定物106から出力される電流の端子でもよい。
【0029】
フィードバック回路104は、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。フィードバック回路104は、測定抵抗108の接点C3と電気的に接続されてもよい。フィードバック回路104は、測定抵抗108の接点C4と電気的に接続されてもよい。フィードバック回路104は、接地点112と電気的に接続されてもよい。フィードバック回路104は、被測定物106と電気的に接続されてもよい。例えば、フィードバック回路104は、被測定物106の入力端と電気的に接続されてもよい。被測定物106の入力端は、電流が被測定物106に入力される端子でもよい。
【0030】
図1の電子負荷装置100は、被測定物106と電気的に接続され、被測定物106の複数の物理的特徴(例えば、電気的特徴)を測定してもよい。他の実施形態において、測定抵抗108を横切る電圧差VM及び抵抗値RMに基づき、測定抵抗108を通過する負荷電流I
LOADを判定してもよい。オームの法則に基づき、電圧差VM、抵抗値RM、電流I1及び負荷電流I
LOADの関係は、次式(1)で表すことができる。
【0031】
【0032】
電流I1が負荷電流ILOADより遥かに小さいとき、オームの法則に基づき、電圧差VM、抵抗値RM、電流I1及び負荷電流ILOADの関係は、次式(2)で表すことができる。
【0033】
【0034】
図2を参照する。
図2は、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置200を示す回路図である。電子負荷装置200は、電子負荷装置100の一実施形態でもよい。本実施形態をより簡単に説明するために、
図1及び
図2で使用している同じ符号は、同一又は類似の素子を表すか、同一又は類似の機能を有する素子を表す。また、
図1及び
図2で使用している同一の符号の数値は、同一又は類似の数値を表すか、同一又は類似の物理的に意味のある数値を表してもよい。
【0035】
図2に示すように、電子負荷装置200は、抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4、オペアンプAMP1及びオペアンプAMP2を含んでもよい。
図2の実施形態に示すように、抵抗R1、抵抗R2、オペアンプAMP1及びリファレンス電源V
REFにより、反転閉ループ増幅器が形成されてもよい。抵抗R1は、オペアンプAMP1の入力端(例えば、反転入力端)と電気的に接続されてもよい。抵抗R2は、オペアンプAMP1の入力端(例えば、反転入力端)及び出力端と電気的に接続されてもよい。リファレンス電源V
REFは、抵抗R1と電気的に接続されてもよい。接地点112は、さらにオペアンプAMP1の他方の入力端(例えば、非反転入力端)と電気的に接続されてもよい。
【0036】
図2に示すように、抵抗R3、抵抗R4及びオペアンプAMP2は、反転閉ループ増幅器を形成してもよい。抵抗R3は、オペアンプAMP2の入力端(例えば、反転入力端)と電気的に接続されてもよい。抵抗R4は、オペアンプAMP2の入力端(例えば、反転入力端)と電気的に接続されてもよい。オペアンプAMP1の出力端は、さらに抵抗R3と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108は、抵抗R4と電気的に接続されてもよい(例えば、接点C1)。トランジスタ110は、さらにオペアンプAMP2の出力端と電気的に接続されてもよい。例えば、トランジスタ110のゲートは、さらにオペアンプAMP2の出力端と電気的に接続されてもよい。抵抗R5及び抵抗R6は、さらにオペアンプAMP2の他方の入力端(例えば、非反転入力端)と電気的に接続されてもよい。
【0037】
オペアンプAMP1を含む反転閉ループ増幅器と、オペアンプAMP2を含む反転閉ループ増幅器とはカスケード接続されている。他の実施形態において、2つの反転閉ループ増幅器の組み合わせは、
図1に示すリファレンス回路102として用いてもよい。
図2に示すように、リファレンス電源V
REFは、2つの反転閉ループ増幅器を介して測定抵抗108の接点C1と電気的に接続されてもよい。他の実施形態において、リファレンス電源V
REFは、リファレンス回路102を介して測定抵抗108の接点C1と電気的に接続されてもよい。リファレンス電源V
REFは、リファレンス回路102を介してトランジスタ110(例えば、ゲート)と電気的に接続されてもよい。
【0038】
他の実施形態において、抵抗R4は、接点C1の電圧をオペアンプAMP2に供給してもよい。例えば、接点C1の電圧は、抵抗R4を介してオペアンプAMP2に供給されて入力され、リファレンス電源VREFは、抵抗R1、抵抗R2及び抵抗R3を介してオペアンプAMP2に入力されてもよい。他の実施形態において、オペアンプAMP2は、加算器モジュール又は減算器モジュールとして用いてもよい。
【0039】
他の実施形態において、リファレンス電源VREFが変化しない場合、オペアンプAMP2の対応した入力端(例えば、反転入力端)の電圧は一定値である。リファレンス電源VREFが変化せず、接点C1の電圧が増える場合、接点C1の電圧が抵抗R4を介してオペアンプAMP2に入力されてもよい。オペアンプAMP2を減算器モジュールとして用いる場合、オペアンプAMP2の出力が減る。それによって、トランジスタ110のゲート電圧が下がると、対応した電流が減り、接点C1の電圧が下がって平衡となる。
【0040】
他の実施形態において、リファレンス電源VREFが変化しない場合、オペアンプAMP2の対応した入力端(例えば、反転入力端)の電圧は一定値でもよい。リファレンス電源VREFが変化せず、接点C1の電圧が下がると、接点C1の電圧は、抵抗R4を介してオペアンプAMP2に入力されてもよい。オペアンプAMP2を減算器モジュールとして用いると、オペアンプAMP2の出力を高めることができる。それによって、トランジスタ110のゲート電圧が増え、対応した電流も増えるとともに、接点C1の電圧も増えて平衡となる。
【0041】
図2に示すように、本実施形態の電子負荷装置200は、抵抗R5及び抵抗R6を含んでもよい。
図2に示すように、抵抗R5及び抵抗R6は、オペアンプAMP2の入力端(例えば、非反転入力端)と電気的に接続されてもよい。抵抗R5は、接地点112と電気的に接続されてもよい。抵抗R6は、測定抵抗108と電気的に接続されてもよい(例えば、接点C3及び接点C4を介す)。抵抗R6は、被測定物106の一端(例えば、電流入力端)と電気的に接続されてもよい。抵抗R6は、接地点112と電気的に接続されてもよい。他の実施形態では、抵抗R5及び抵抗R6の組み合わせは、
図1に示すフィードバック回路104として用いられる。
【0042】
図3を参照する。
図3は、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置300を示す回路図である。
図1及び
図3に示すように、本実施形態をより簡単に説明するために、
図1及び
図3で使用している同じ符号は、同一又は類似の素子を表すか、同一又は類似の機能を有する素子を表す。また、
図1及び
図3で使用している同一の符号の数値は、同一又は類似の数値を表すか、同一又は類似の物理的に意味のある数値を表してもよい。
【0043】
図3を参照する。
図3に示すように、リファレンス回路102は、リファレンス電源V
REFと電気的に接続されてもよい。リファレンス回路102は、トランジスタ110(例えば、トランジスタ110のゲート)と電気的に接続されてもよい。リファレンス回路102は、フィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。
図1に示すリファレンス回路102は、測定抵抗108と電気的に接続されてもよい(例えば、接点C1を介する)。
図3に示すリファレンス回路102は、フィードバック回路104を介して測定抵抗108と電気的に接続されてもよい(例えば、接点C1を介する)。
【0044】
図3を参照する。
図3に示すように、フィードバック回路104は、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。フィードバック回路104は、測定抵抗108と電気的に接続されてもよい(例えば、接点C1及び接点C4を介する)。
図1のフィードバック回路104は、接点C3及び接点C4を介して測定抵抗108と電気的に接続されてもよい。
図3のフィードバック回路104は、接点C1及び接点C4を介して測定抵抗108と電気的に接続されてもよい。
【0045】
図3を参照する。
図3に示すように、測定抵抗108は、抵抗値RMを有してもよい。測定抵抗108は、接点C1、接点C2、接点C3及び接点C4を有してもよい。測定抵抗108の接点C1及び接点C2は、測定抵抗108の一端に位置してもよい。測定抵抗108の接点C3及び接点C4は、測定抵抗108の他端に位置してもよい。測定抵抗108の接点C1は、フィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C2は、トランジスタ110と電気的に接続されてもよい。例えば、測定抵抗108の接点C2は、トランジスタ110のドレイン又はソースと電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C3は、接地点112と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C4は、フィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。
【0046】
測定抵抗108の接点C1,C2,C3,C4は、半田材料により様々な素子と電気的に接続されてもよい。
図3の実施形態によると、測定抵抗108の接点C1は、第1のはんだボールを介してフィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C2は、第2のはんだボールを介してトランジスタ110と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C3は、第3のはんだボールを介して接地点112と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C4は、第4のはんだボールを介してフィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。
【0047】
電流I1は、接点C1から測定抵抗108に流入されてもよい。負荷電流ILOADは、接点C2から測定抵抗108に流入されてもよい。電流I1は、接点C3を介して測定抵抗108から流出されてもよい。負荷電流ILOADは、接点C2を介して測定抵抗108から流出されてもよい。電流I1は、負荷電流ILOADより小さくてもよい。他の実施形態において、電流I1は、負荷電流ILOADより遥かに小さくてもよい。
【0048】
トランジスタ110のゲートは、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のドレイン又はソースは、測定抵抗108の接点C2と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のソース又はドレインは、被測定物106の出力端と電気的に接続されてもよい。
図1に示すように、トランジスタ110のソースは、測定抵抗108の接点C2と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のドレインは、被測定物106の出力端と電気的に接続されてもよい。他の実施形態において、トランジスタ110のドレインは、測定抵抗108の接点C2と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のソースは、被測定物106の出力端と電気的に接続されてもよい。被測定物106の出力端は、被測定物106から出力される電流の端子でもよい。
【0049】
図3の電子負荷装置300は、被測定物106と電気的に接続され、被測定物106の複数の物理的特徴(例えば、電気的特徴)を測定してもよい。被測定物106の出力端は、トランジスタ110のドレイン又はソースと電気的に接続されてもよい。被測定物106の入力端は、接地点112及び測定抵抗108(例えば、接点C3を介する)と電気的に接続されてもよい。被測定物106の入力端は、電流が入力される被測定物106の端子でもよい。他の実施形態において、測定抵抗108を横切る電圧差VM及び抵抗値RMに基づき、測定抵抗108を通過する負荷電流I
LOADを判定してもよい。
【0050】
図4を参照する。
図4は、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置400を示す回路図である。電子負荷装置400は、電子負荷装置300の一実施形態でもよい。本実施形態をより簡単に説明するために、
図3及び
図4で使用している同じ符号は、同一又は類似の素子を表すか、同一又は類似の機能を有する素子を表す。また、
図3及び
図4で使用している同一の符号の数値は、同一又は類似の数値を表すか、同一又は類似の物理的に意味のある数値を表してもよい。
【0051】
図4に示すように、電子負荷装置400は、オペアンプAMP3を含んでもよい。測定抵抗108(例えば、接点C4を介する)は、オペアンプAMP3の入力端(例えば、反転入力端)と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108(例えば、接点C1を介する)は、オペアンプAMP3の他方の入力端(例えば、非反転入力端)と電気的に接続されてもよい。オペアンプAMP3の出力端は、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。リファレンス回路102は、オペアンプAMP3の出力する電圧又は電流及びリファレンス電源V
REF(又はリファレンス電流I
REF)に基づき、トランジスタ110(例えば、トランジスタ110のゲート)に供給する電圧又は電流を発生させてもよい。トランジスタ110(例えば、トランジスタ110のゲート)に供給する電圧又は電流は、接点C1及び接点C4の電圧又は電流に基づいて決定してもよい。他の実施形態において、オペアンプAMP3は、
図3に示すフィードバック回路104として用いてもよい。
【0052】
図5を参照する。
図5は、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置500を示す回路図である。電子負荷装置500は、電子負荷装置300の一実施形態でもよい。本実施形態をより簡単に説明するために、
図3及び
図5で使用している同じ符号は、同一又は類似の素子を表すか、同一又は類似の機能を有する素子を表す。また、
図3及び
図5で使用している同一の符号の数値は、同一又は類似の数値を表すか、同一又は類似の物理的に意味のある数値を表してもよい。
【0053】
図5に示すように、電子負荷装置500は、アナログ―デジタル変換器ADC1及びデジタル制御回路114を含んでもよい。測定抵抗108(例えば、接点C4を介する)は、アナログ―デジタル変換器ADC1の入力端と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108(例えば、接点C1を介する)は、アナログ―デジタル変換器ADC1の他方の入力端と電気的に接続されてもよい。アナログ―デジタル変換器ADC1の出力端は、デジタル制御回路114と電気的に接続されてもよい。デジタル制御回路114は、アナログ―デジタル変換器ADC1の出力する電圧又は電流に基づき、出力する電圧又は電流を発生させてもよい。デジタル制御回路114の出力端は、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。
リファレンス回路102は、デジタル制御回路114が出力する電圧又は電流及びリファレンス電源V
REF(又はリファレンス電流I
REF)に基づき、トランジスタ110(例えば、トランジスタ110のゲート)に供給する電圧又は電流を発生させてもよい。トランジスタ110(例えば、トランジスタ110のゲート)に供給する電圧又は電流は、接点C1及び接点C4の電圧又は電流に基づいて決定してもよい。他の実施形態において、アナログ―デジタル変換器ADC1とデジタル制御回路114との組み合わせは、
図3に示すフィードバック回路104として用いてもよい。
【0054】
図6を参照する。
図6は、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置600を示す回路図である。電子負荷装置600は、電子負荷装置300の一実施形態でもよい。本実施形態をより簡単に説明するために、
図3及び
図6で使用している同じ符号は、同一又は類似の素子を表すか、同一又は類似の機能を有する素子を表す。また、
図3及び
図6で使用している同一の符号の数値は、同一又は類似の数値を表すか、同一又は類似の物理的に意味のある数値を表してもよい。
【0055】
図6に示すように、電子負荷装置600は、アナログ―デジタル変換器ADC1、デジタル制御回路114及びオペアンプAMP4を含んでもよい。測定抵抗108(例えば、接点C4を介する)は、アナログ―デジタル変換器ADC1の入力端と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108(例えば、接点C1を介する)は、アナログ―デジタル変換器ADC1の他方の入力端と電気的に接続されてもよい。アナログ―デジタル変換器ADC1の出力端は、デジタル制御回路114と電気的に接続されてもよい。デジタル制御回路114は、アナログ―デジタル変換器ADC1の出力する電圧に基づき、出力する電圧を発生させてもよい。
【0056】
デジタル制御回路114の出力端は、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。
図6の実施形態に示すように、デジタル制御回路114の出力端は、オペアンプAMP4を介してリファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。デジタル制御回路114の出力端は、オペアンプAMP4の入力端(例えば、反転入力端)と電気的に接続されてもよい。リファレンス電源V
REFは、オペアンプAMP4の他方の入力端(例えば、非反転入力端)と電気的に接続されてもよい。オペアンプAMP4の出力端は、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。
【0057】
リファレンス回路102は、オペアンプAMP4の出力する電圧又は電流に基づき、トランジスタ110(例えば、トランジスタ110のゲート)に供給する電圧又は電流を発生させてもよい。リファレンス回路102は、デジタル制御回路114の出力する電圧及びリファレンス電源V
REFに基づき、トランジスタ110(例えば、トランジスタ110のゲート)に供給する電圧を発生させてもよい。トランジスタ110(例えば、トランジスタ110のゲート)に供給する電圧又は電流は、接点C1及び接点C4の電圧又は電流に基づいて決定してもよい。他の実施形態において、アナログ―デジタル変換器ADC1、デジタル制御回路114及びオペアンプAMP4の組み合わせは、
図3に示すフィードバック回路104として用いてもよい。オペアンプAMP4は、リファレンス回路102に入力される電圧又は電流を正確に制御することができる。他の実施形態において、オペアンプAMP4は、減算回路でもよい。
【0058】
図7A及び
図7Bを参照する。
図7A及び
図7Bは、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置の測定抵抗108を示す回路図である。
図7Bは、
図7Aの等価回路図でもよい。本実施形態をより簡単に説明するために、
図1、
図2、
図7A及び
図7Bで使用している同じ符号は、同一又は類似の素子を表すか、同一又は類似の機能を有する素子を表す。また、
図1、
図2、
図7A及び
図7Bで使用している同一の符号の数値は、同一又は類似の数値を表すか、同一又は類似の物理的に意味のある数値を表してもよい。
【0059】
図7A及び
図7Bを参照する。
図7A及び
図7Bに示すように、測定抵抗108の接点C1,C2,C3,C4は、半田材料により様々な素子と電気的に接続されてもよい。
図1の実施形態によると、測定抵抗108の接点C1は、第1のはんだボールを介してリファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C2は、第2のはんだボールを介してトランジスタ110と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C3は、第3のはんだボールを介してフィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。測定抵抗108の接点C4は、第4のはんだボールを介してフィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。
図7A及び
図7Bの抵抗RS1、抵抗RS2、抵抗RS3及び抵抗R4は、第1のはんだボール、第2のはんだボール、第3のはんだボール及び第4のはんだボールの等価抵抗をそれぞれ表してもよい。はんだ量が多めの場合、各はんだボールのTCRは、約14.139ppm/℃であり、はんだ量が少なめの場合、各はんだボールのTCRは、約10.805ppm/℃であり、はんだ量が適量である場合、各はんだボールのTCRは、約12.377ppm/℃である可能性がある。各はんだボールのTCRは、15ppm/℃~10ppm/℃であるか、14.139ppm/℃~10.805ppm/℃である可能性がある。
【0060】
電流I1は、接点C1を介して測定抵抗108に流入されてもよい。電流I1は、接点C4を介して測定抵抗108から流出されてもよい。負荷電流ILOADは、接点C2を介して測定抵抗108に流入されてもよい。負荷電流ILOADは、接点C3を介して測定抵抗108から流出されてもよい。本実施形態の電流I1は、負荷電流ILOADより小さくてもよい。他の実施形態において、電流I1は、負荷電流ILOADより遥かに小さくてもよい。
【0061】
図7Bは、
図7Aの等価回路図でもよい。
図7Bに示すように、測定抵抗108は、抵抗値がRMである抵抗に等価でもよい。オームの法則に基づき、
図7A及び
図7B中のノードAとノードBとの間の電圧差は、次式(3)で表すことができる。
【0062】
【0063】
電流I1が負荷電流ILOADより遥かに小さいとき、抵抗RS1,RS4,RMで発生する電流I1の電圧差は無視してもよい。そのため、前式(3)は次式(4)に修正することができる。
【0064】
【0065】
他の実施形態において、測定抵抗108は、単一金属又は合金からなるコイルでもよい。接点C1及び接点C2は、コイルの一端がカットされて形成されてもよい。接点C3及び接点C4は、コイルの他端がカットされて形成されてもよい。測定抵抗108の接点C1及び接点C2は、同じ材料からなり、他の半田材料を含まなくてもよい。そのため、測定抵抗108の接点C1及び接点C2は同質(homogeneous)でもよい。測定抵抗108の接点C3及び接点C4は、同じ材料からなり、他の半田材料を含まなくてもよい。そのため、測定抵抗108の接点C3及び接点C4は同質でもよい。一般に、ベンダーから提供されたデータによると、+20℃~+60℃の範囲内において、測定抵抗108のTCRの範囲は、約+5ppm/℃~-5ppm/℃である。測定抵抗108のTCRは、はんだボールのTCRより小さくてもよい。
【0066】
ベンダーのデータから測定抵抗108のTCRを知ることができるが、測定抵抗108が電子負荷装置100(又は200、300、400、500、600)に取付けられたとき、測定抵抗108のTCRを再び測定し、電子負荷装置100(又は200、300、400、500、600)の規格を制定しなければならなかった。
図2を再び参照する。測定抵抗108のTCRを測定するとき、電流プローブ(current probe)により負荷電流I
LOADを測定してもよい。測定抵抗108のTCRを測定するとき、電圧計により接点C1と接点C4との電圧差VMを測定してもよい。他の実施形態では、
図7A又は
図7Bに示すように、ノードAとノードBとの間の電圧差を測定してもよいし、
図2に示すように、接点C1と接点C4との間の電圧差VMを測定してもよい。
【0067】
そのため、電圧差VMの変化量は、単位を有さない比例値、ppmで表される。オームの法則V=IRにより、抵抗Rが変化しない場合、電圧Vの変化量は電流Iの変化量に等しい。要約すると、負荷電流I
LOADの変化量から電圧差VMの変化量を減算すると、測定抵抗108の抵抗値RMの変化量を知ることができる。
【0068】
本実施形態の実験結果から分かるように、温度が23℃上昇すると、負荷電流ILOADの変化量は-57ppmであり、電圧差VMの変化量は-17ppmである。次式(5)により計算すると、測定抵抗108のTCRは約1.73ppm/℃であった。
【0069】
【0070】
本実施形態の他の実験結果から分かるように、温度が26℃上昇すると、負荷電流ILOADの変化量は-97ppmであり、電圧差VMの変化量は-50ppmである。次式(6)により計算すると、測定抵抗108のTCRは約1.8ppm/℃であった。
【0071】
【0072】
本実施形態の実験結果によると、電子負荷装置100(又は200、300、400、500、600)上に取り付けられた測定抵抗108が得たTCRは、依然としてベンダーが提供したTCRの範囲(+5ppm/℃~-5ppm/℃)内にあった。
【0073】
他の実施形態では、電子負荷装置100(又は200、300、400、500、600)の操作温度は75℃まで上昇されてもよい。電子負荷装置100(又は200、300、400、500、600)の操作温度が25℃から75℃まで上昇すると、測定抵抗108の抵抗値RMの変化量は90ppm(1.8×50=90)となる可能性がある(即ち0.009%)。電子負荷装置100(又は200、300、400、500、600)の規格を制定するとき、測定抵抗108の抵抗値RMの90ppmの変化量は、許容可能な測量誤差である。
【0074】
図8を参照する。
図8は、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置800を示す回路図である。他の実施形態において、電子負荷装置100は、リファレンス回路102、フィードバック回路104、トランジスタ110、リファレンス電流I
REF、測定抵抗208及び接地点112を含んでもよい。電子負荷装置100は、被測定物106と電気的に接続されてもよい。
図8の矢印は、電流方向を表す。
図8の電子負荷装置800は、被測定物106と電気的に接続されてもよい。
【0075】
本実施形態をより簡単に説明するために、
図1及び
図8で使用している同じ符号は、同一又は類似の素子を表すか、同一又は類似の機能を有する素子を表す。また、
図1及び
図8で使用している同一の符号の数値は、同一又は類似の数値を表すか、同一又は類似の物理的に意味のある数値を表してもよい。
【0076】
測定抵抗208は、抵抗値RM1を有してもよい。測定抵抗208は、接点C5及び接点C6を有してもよい。測定抵抗208の接点C5は、測定抵抗208の一端に位置してもよい。測定抵抗208の接点C6は、測定抵抗208の他端に位置してもよい。測定抵抗208の接点C5は、リファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。測定抵抗208の接点C5は、トランジスタ110と電気的に接続されてもよい。例えば、測定抵抗208の接点C5は、トランジスタ110のドレイン又はソースと電気的に接続されてもよい。測定抵抗208の接点C6は、フィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。
【0077】
負荷電流ILOADは、接点C5を介して測定抵抗208に流入されてもよい。負荷電流ILOADは、接点C6を介して測定抵抗208から流出されてもよい。電流I1は、負荷電流ILOADより小さくてもよい。他の実施形態において、電流I1は、負荷電流ILOADより遥かに小さくてもよい。
【0078】
リファレンス回路102は、測定抵抗208の接点C5と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のドレイン又はソースは、測定抵抗208の接点C5と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のドレイン又はソースは、被測定物106の出力端と電気的に接続されてもよい。
図8に示すように、本実施形態のトランジスタ110のソースは、測定抵抗208の接点C5と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のドレインは、被測定物106の出力端と電気的に接続されてもよい。他の実施形態において、トランジスタ110のドレインは、測定抵抗208の接点C5と電気的に接続されてもよい。トランジスタ110のソースは、被測定物106の出力端と電気的に接続されてもよい。被測定物106の出力端は、被測定物106から出力される電流の端子でもよい。
【0079】
図8の電子負荷装置800は、被測定物106と電気的に接続され、被測定物106の複数の物理的特徴(例えば、電気的特徴)を測定してもよい。他の実施形態において、測定抵抗208を横切る電圧差VM1及び抵抗値RM1に基づき、測定抵抗208を通過する負荷電流I
LOADを判定してもよい。オームの法則に基づき、電圧差VM1、抵抗値RM1及び負荷電流I
LOADの関係は、次式(7)で表すことができる。
【0080】
【0081】
図9を参照する。
図9は、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置900を示す回路図である。電子負荷装置900は、電子負荷装置800の一実施形態でもよい。本実施形態をより簡単に説明するために、
図8及び
図9で使用している同じ符号は、同一又は類似の素子を表すか、同一又は類似の機能を有する素子を表す。また、
図8及び
図9で使用している同一の符号の数値は、同一又は類似の数値を表すか、同一又は類似の物理的に意味のある数値を表してもよい。
【0082】
図2と比べ、
図9の測定抵抗208は、さらに抵抗R4と電気的に接続されてもよい(例えば、接点C5を介する)。
図2と比べ、
図9のリファレンス電源V
REFは、2つの反転閉ループ増幅器を介して測定抵抗208の接点C5と電気的に接続されてもよい。他の実施形態において、リファレンス電源V
REFは、リファレンス回路102を介して測定抵抗208の接点C5と電気的に接続されてもよい。
図2と比べ、
図9の抵抗R6は、測定抵抗208と電気的に接続されてもよい(例えば、C6を介する)。
【0083】
図10A及び
図10Bを参照する。
図10A及び
図10Bは、本発明の一実施形態に係る電子負荷装置の測定抵抗208を示す回路図である。
図10Bは、
図10Aの等価回路図でもよい。本実施形態をより簡単に説明するために、
図8、
図9、
図10A及び
図10Bで使用している同じ符号は、同一又は類似の素子を表すか、同一又は類似の機能を有する素子を表す。また、
図8、
図9、
図10A及び
図10Bで使用している同一の符号の数値は、同一又は類似の数値を表すか、同一又は類似の物理的に意味のある数値を表してもよい。
【0084】
図10A及び
図10Bを参照する。
図10A及び
図10Bに示すように、測定抵抗208の接点C5及び接点C6は、半田材料により様々な素子と電気的に接続されてもよい。
図8の実施形態によると、測定抵抗208の接点C5は、第5のはんだボールを介してリファレンス回路102と電気的に接続されてもよい。測定抵抗208の接点C6は、第6のはんだボールを介してフィードバック回路104と電気的に接続されてもよい。
図10A及び
図10Bの抵抗RS5及び抵抗RS6は、第5のはんだボール及び第6のはんだボールの等価抵抗をそれぞれ表す。はんだ量が多めの場合、各はんだボールのTCRは、約14.139ppm/℃であり、はんだ量が少なめの場合、各はんだボールのTCRは、約10.805ppm/℃であり、はんだ量が適量である場合、各はんだボールのTCRは、約12.377ppm/℃である可能性がある。各はんだボールのTCRは、15ppm/℃~10ppm/℃であるか、14.139ppm/℃~10.805ppm/℃である可能性がある。
【0085】
負荷電流ILOADは、接点C5を介して測定抵抗208に流入されてもよい。負荷電流ILOADは、接点C6を介して測定抵抗208から流出されてもよい。
【0086】
図10Bは、
図10Aの等価回路図でもよい。
図10Bに示すように、測定抵抗208は、抵抗値がRM1である抵抗に等価でもよい。オームの法則に基づき、
図10A及び
図10BのノードCとノードDとの間の電圧差は、次式(8)で表すことができる。
【0087】
【0088】
抵抗RS5、抵抗RS6及び抵抗RM1が互いに近いとき、抵抗RS5と抵抗RS6とに発生する電圧差は無視することはできない。
【0089】
一般に、ベンダーから提供されたデータによると、+20℃~+60℃の範囲内において、測定抵抗208のTCRは、約+5ppm/℃~-5ppm/℃である。測定抵抗208のTCRは、はんだボールのTCRより小さくてもよい。ベンダーのデータから測定抵抗208のTCRを知ることができるが、測定抵抗208が電子負荷装置800(又は900)に取付けられた場合、測定抵抗208のTCRを再び測定し、電子負荷装置800(又は900)の規格を制定しなければならなかった。
図9を再び参照する。測定抵抗208のTCRを測定するとき、電流プローブ(current probe)により負荷電流I
LOADを測定してもよい。測定抵抗208のTCRを測定するとき、電圧計により接点C5と接点C6との電圧差VM1を測定してもよい。他の実施形態では、
図10A又は
図10Bに示すようにノードCとノードDとの電圧差を測定してもよいし、
図9の接点C5と接点C6との電圧差VM1を測定してもよい。
【0090】
本実施形態の他の実験結果から分かるように、温度が10℃上昇したときの負荷電流ILOADの変化量は-324ppmであり、電圧差VM1の変化量は-130ppmであった。次式(9)により計算すると、測定抵抗208のTCRは約19.4ppm/℃であった。
【0091】
【0092】
本発明の一実施形態に係る実験結果から分かるように、電子負荷装置800(又は900)上に取り付けた測定抵抗208が得たTCRは、ベンダーが提供したTCR範囲(+5ppm/℃~-5ppm/℃)内にはない。抵抗RS5及び抵抗RS6が発生させる電圧差は無視することができず、測定抵抗208が得たTCRに誤差が発生する。
【0093】
他の実施形態では、電子負荷装置800(又は900)の操作温度は75℃まで上昇されてもよい。電子負荷装置800(又は900)の操作温度が25℃から75℃まで上昇すると、測定抵抗208の抵抗値RM1の変化量は970ppm(19.4×50=970)となる可能性がある(即ち0.097%)。電子負荷装置800(又は900)の規格を制定するとき、測定抵抗208の抵抗値RMの90ppmの変化量は、許容不能な測量誤差である。
【0094】
図示する方向以外に、装置又は部材は他の方式で配向(90度又はその他の方向に配向)されてもよいし、本文で使用されている連結に関する用語についても対応して解釈してもよい。ここで、一部材を他の部材と「接続」、「結合」又は「連結」する場合、一部材を他の部材に直接接続するか結合してもよいし、中間部材が設けられてもよい。
【0095】
本明細書における「類似した」、「基本的に」、「略」及び「約」などの用語は、小さな変化を説明したり解釈したりするのに用いられる。イベント又は状況と組み合わせて使用する場合、それらの用語は、イベント又は状況の正確な発生状況と、イベント又は状況の類似した発生状況とを指してもよい。本明細書で使用する既定値又は範囲に関しては、用語「約」とは、一般に既定値又は範囲の±10%、±5%、±1%又は±0.5%内を指す。範囲とは、本文中で一方の端点から他方の端点の間を指す。別途指定しない限り、本発明が開示する範囲には端点が含まれる。用語「略共面」とは、同じ平面に沿って位置決めされた数マイクロメートル(μm)内の2つの表面を指し、例えば、同じ平面に沿って位置決めされた10μm内、5μm内、1μm内又は0.5μm内に位置決めされてもよい。「実質上」同じ数値又は特性を参考にするとき、当該用語は、値の平均値の±10%、±5%、±1%又は±0.5%内の値を指してもよい。
【0096】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0097】
100 電子負荷装置
102 リファレンス回路
104 フィードバック回路
106 被測定物
108 測定抵抗
110 トランジスタ
112 接地点
114 デジタル制御回路
200 電子負荷装置
208 測定抵抗
300 電子負荷装置
400 電子負荷装置
500 電子負荷装置
600 電子負荷装置
800 電子負荷装置
900 電子負荷装置
A ノード
ADC1 アナログ―デジタル変換器
AMP1 オペアンプ
AMP2 オペアンプ
AMP3 オペアンプ
AMP4 オペアンプ
B ノード
C ノード
C1 接点
C2 接点
C3 接点
C4 接点
C5 接点
C6 接点
D ノード
I1 電流
ILOAD 負荷電流
IREF リファレンス電流
VREF リファレンス電源
VM 電圧差
VM1 電圧差
R1 抵抗
R2 抵抗
R3 抵抗
R4 抵抗
R5 抵抗
R6 抵抗
RM 抵抗値/抵抗
RM1 抵抗値/抵抗
RS1 抵抗
RS2 抵抗
RS3 抵抗
RS4 抵抗
RS5 抵抗
RS6 抵抗