(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】携帯用什器のフレーム構造体
(51)【国際特許分類】
A47C 4/02 20060101AFI20221018BHJP
A47C 4/28 20060101ALI20221018BHJP
A47C 9/10 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
A47C4/02
A47C4/28
A47C9/10
(21)【出願番号】P 2021141066
(22)【出願日】2021-08-31
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】500173929
【氏名又は名称】株式会社ワークマン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】鐵本 孝樹
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0085964(KR,A)
【文献】特開2015-223375(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0089634(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1554111(KR,B1)
【文献】特表2017-536148(JP,A)
【文献】特開2021-016767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 4/02,4/28,5/10,9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用状態で略水平に延びる主フレームと、
前記主フレームの延び方向の両端部に結合される一対の連結ブロックと、
基端が各前記連結ブロックに脱着可能に取り付けられ、使用状態では、各前記連結ブロックから下方側に延びる複数の脚フレームと、
基端が各前記連結ブロックに脱着可能に取り付けられ、使用状態では、各前記連結ブロックから前記主フレームの延び方向と交差する方向に延びる複数の支持フレームと、を備え、
前記脚フレームと前記支持フレームとは、外周が矩形状の角柱部材によって構成され、
前記連結ブロックは、
前記脚フレーム及び前記支持フレームが前記主フレームと交差する方向に延びた状態で各基端が嵌合される複数の組立用嵌合部と、
前記脚フレーム及び前記支持フレームが前記主フレームの延び方向に沿って延びた状態で各基端が嵌合される複数の収納用嵌合部と、を備え
、
複数の前記収納用嵌合部は、前記脚フレーム及び前記支持フレームの各基端が嵌合された状態において、前記脚フレーム及び前記支持フレームのすべの外周の矩形形状がほぼ同方向を向いて整列されるように形成されていることを特徴とする携帯用什器のフレーム構造体。
【請求項2】
複数の前記収納用嵌合部は、前記脚フレーム及び前記支持フレームの各基端が嵌合された状態において、二つの前記連結ブロックの対応する前記脚フレームの外周の平坦面同士が相互に平行に対向するように形成されているとともに、二つの前記連結ブロックの対応する前記支持フレームの外周の平坦面同士が相互に平行に対向するように形成されていることを特徴とする請求項
1に記載の携帯用什器のフレーム構造体。
【請求項3】
前記主フレームは、前記脚フレーム及び前記支持フレームよりも外形の大きい矩形状の角柱部材によって構成され、
前記主フレームの延び方向の両端部は、前記脚フレーム及び前記支持フレームの各基端が前記収納用嵌合部に嵌合された状態において、当該主フレームの外周の矩形形状が、前記脚フレーム及び前記支持フレームの外周面の矩形形状とほぼ同方向を向くように前記連結ブロックに結合されていることを特徴とする請求項
1または2に記載の携帯用什器のフレーム構造体。
【請求項4】
前記主フレームは、使用状態で、外周の二つの対角が上下の頂部を成すように前記連結ブロックに結合されていることを特徴とする請求項
3に記載の携帯用什器のフレーム構造体。
【請求項5】
前記連結ブロックは、
前記主フレームの延び方向に沿って直線状に延び、前記主フレームの端部が嵌合される角筒状の主フレーム受部と、
前記主フレーム受部の上側の隣接する二辺に接続され、前記脚フレームが嵌合される脚フレーム受部と、
前記主フレーム受部の延び方向で前記脚フレーム受部とオフセットした位置において、前記主フレーム受部の下側の隣接する二辺に接続され、前記支持フレームが嵌合される支持フレーム受部と、を備えていることを特徴とする請求項
4に記載の携帯用什器のフレーム構造体。
【請求項6】
一対の前記連結ブロックに設けられるすべての前記収納用嵌合部は、前記主フレームの延び方向回りにおいて、オフセットして配置されていることを特徴とする請求項
1~5のいずれか1項に記載の携帯用什器のフレーム構造体。
【請求項7】
前記脚フレーム及び前記支持フレームには、各基端を前記連結ブロックの内部方向に引き込む弾性紐が連結され、共通の前記脚フレーム、若しくは、前記支持フレームが嵌合される前記組立用嵌合部と前記収納用嵌合部の間には、前記弾性紐が引き回される案内溝が形成されていることを特徴とする請求項
1~6のいずれか1項に記載の携帯用什器のフレーム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯椅子等の携帯用什器のフレーム構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キャンプ等で屋外で使用する携帯椅子として、分解と組立てを容易に行えるものが種々案出されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の携帯椅子は、複数のフレームと連結ブロックとから成るフレーム構造体と、フレーム構造体に支持される帆布等から成る荷重受けシートと、を備えている。
フレーム構造体は、使用時に略水平に延びる主フレームと、主フレームの両端部に結合される連結ブロックと、各連結ブロックの下部側に脱着可能に嵌合組付けされる前後一対の脚フレームと、各連結ブロックの上部側に脱着可能に嵌合組付けされる前後一対の支持フレームと、を備えている。荷重受けシートの裏面側の四隅にはポケット部が設けられている。荷重受けシートは、フレーム構造体の各支持フレームの延出端が四隅のポケット部に差し込まれることにより、フレーム構造体に支持される。
【0004】
また、上記のフレーム構造体は、脚フレームと支持フレームを各連結ブロックから引き抜き、引き抜いたフレームを主フレームとともに束ね、これらを折り畳んだ荷重受けシートとともに収納袋に収納することができる。携帯椅子は、こうして収納袋に収納した状態において、自由に持ち運ぶことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の携帯椅子は、フレーム構造体を構成する各フレームが円形パイプによって形成されている。このため、収納時にすべてのフレームを束ねたときに複数のフレームの外周面間に大きな不要スペースができる。したがって、特許文献1に記載の携帯椅子では、収納時にフレーム構造体の外形が大型化し、携帯時に全体が嵩張ることが懸念される。
上記の携帯椅子のような持ち運ぶをことを前提する携帯用什器においては、フレーム構造体をよりコンパクトに収納できることが望まれている。
【0007】
そこで本発明は、収納状態での全体形状をよりコンパクト化することができる携帯用什器のフレーム構造体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯用什器のフレーム構造体は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る携帯用什器のフレーム構造体は、使用状態で略水平に延びる主フレームと、前記主フレームの延び方向の両端部に結合される一対の連結ブロックと、基端が各前記連結ブロックに脱着可能に取り付けられ、使用状態では、各前記連結ブロックから下方側に延びる複数の脚フレームと、基端が各前記連結ブロックに脱着可能に取り付けられ、使用状態では、各前記連結ブロックから前記主フレームの延び方向と交差する方向に延びる複数の支持フレームと、を備え、前記脚フレームと前記支持フレームとは、外周が矩形状の角柱部材によって構成され、前記連結ブロックは、前記脚フレーム及び前記支持フレームが前記主フレームと交差する方向に延びた状態で各基端が嵌合される複数の組立用嵌合部と、前記脚フレーム及び前記支持フレームが前記主フレームの延び方向に沿って延びた状態で各基端が嵌合される複数の収納用嵌合部と、を備え、複数の前記収納用嵌合部は、前記脚フレーム及び前記支持フレームの各基端が嵌合された状態において、前記脚フレーム及び前記支持フレームのすべの外周の矩形形状がほぼ同方向を向いて整列されていることを特徴とする。
【0009】
上記の構成により、フレーム構造体を使用する場合には、各連結ブロックの複数の組立用嵌合部に対応する脚フレームと支持フレームの各基端を嵌合する。これにより、主フレームの延び方向の両端部に脚フレームと支持フレームが取り付けられることになる。また、フレーム構造体を分解して収納状態にする場合には、各連結ブロックの組立用嵌合部から脚フレームと支持フレームを取り外し、取り外した脚フレームと支持フレームの各基端を各連結ブロックの収納用嵌合部に嵌合する。これにより、各連結ブロックに取り付けられた脚フレームと支持フレームは、主フレームの延び方向に沿って配置される。このとき、脚フレームと支持フレームは、外周が矩形状の角柱部材から成るため、主フレームの延び方向回りにコンパクトに配置されることになる。
また、収納時に脚フレームと支持フレームが嵌合される連結ブロックの各収納用嵌合部は内周面がほぼ矩形状となる。このため、複数の収納用嵌合部を各連結ブロックに効率良く集約して配置することが可能になる。フレーム構造体は、このことも相俟って、収納状態での全体形状をよりコンパクト化することができる。
また、この場合、収納状態では、脚フレームや支持フレームを相互により近接させて配置することが可能になる。したがって、本構成を採用した場合には、収納状態において、フレーム構造体全体をよりコンパク化することが可能になる。
【0010】
一対の前記連結ブロックに設けられるすべての前記収納用嵌合部は、前記主フレームの延び方向回りにおいて、オフセットして配置されるようにしても良い。
【0011】
この場合、すべての収納用嵌合部が主フレームの延び方向回りでオフセットして配置されるため、収納状態において、脚フレームや支持フレームが相互に干渉するのを回避することができる。このため、収納状態において、脚フレームや支持フレームに必要外の負荷が作用するのを回避し、各フレームの変形や損傷を未然に防止することができる。
【0014】
複数の前記収納用嵌合部は、前記脚フレーム及び前記支持フレームの各基端が嵌合された状態において、二つの前記連結ブロックの対応する前記脚フレームの外周の平坦面同士が相互に平行に対向するように形成されるとともに、二つの前記連結ブロックの対応する前記支持フレームの外周の平坦面同士が相互に平行に対向するように形成されるようにしても良い。
【0015】
この場合、収納状態において、二つの連結ブロックの対応する脚フレーム同士と、対応する支持フレーム同士を相互に近接させて配置することが可能になる。したがって、本構成を採用した場合には、フレーム構造体全体をさらにコンパク化することが可能になる。
【0016】
前記主フレームは、前記脚フレーム及び前記支持フレームよりも外形の大きい矩形状の角柱部材によって構成され、前記主フレームの延び方向の両端部は、前記脚フレーム及び前記支持フレームの各基端が前記収納用嵌合部に嵌合された状態において、当該主フレームの外周の矩形形状が、前記脚フレーム及び前記支持フレームの外周面の矩形形状とほぼ同方向を向くように前記連結ブロックに結合されるようにしても良い。
【0017】
この場合、収納状態において、主フレームと、主フレームの延び方向回りに配置される脚フレーム及び支持フレームの各外周の矩形形状がほぼ整列することになる。このため、脚フレーム及び支持フレームを主フレームの延び方向回りによりコンパクトに配置することが可能になる。
【0018】
前記主フレームは、使用状態で、外周の二つの対角が上下の頂部を成すように前記連結ブロックに結合されるようにしても良い。
【0019】
この場合、使用時に、主フレームの延び方向の両側に下向きの大荷重が偏って作用したときにも、主フレームの上下の頂部に位置される二つの対角が、その荷重を効率良く受け止めることができる。したがって、本構成を採用した場合には、使用時における主フレームの撓み変形をより抑制することができる。
【0020】
前記連結ブロックは、前記主フレームの延び方向に沿って直線状に延び、前記主フレームの端部が嵌合される角筒状の主フレーム受部と、前記主フレーム受部の上側の隣接する二辺に接続され、前記脚フレームが嵌合される脚フレーム受部と、前記主フレーム受部の延び方向で前記脚フレーム受部とオフセットした位置において、前記主フレーム受部の下側の隣接する二辺に接続され、前記支持フレームが嵌合される支持フレーム受部と、を備えるようにしても良い。
【0021】
この場合、角筒状の主フレーム受部の周囲に脚フレーム受部と支持フレーム受部がコンパクトに接続されるため、連結ブロック全体をよりコンパクト化することができる。
【0022】
前記脚フレーム及び前記支持フレームには、各基端を前記連結ブロックの内部方向に引き込む弾性紐が連結され、共通の前記脚フレーム、若しくは、前記支持フレームが嵌合される前記組立用嵌合部と前記収納用嵌合部の間には、前記弾性紐が引き回される案内溝が形成されるようにしても良い。
【0023】
この場合、フレーム構造体を使用状態にするとき、若しくは、収納状態にするときに弾性紐を案内溝内で引き回すことができる。このため、脚フレームや支持フレームの組付け時に弾性紐が邪魔にならなくなるとともに、擦れ等による弾性紐の劣化も防止される。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る携帯用什器のフレーム構造体は、脚フレーム及び支持フレームが矩形状の角柱部材によって構成されているため、収納時に、複数の脚フレームや支持フレームを充分に近接して配置することができる。したがって、本発明に係るフレーム構造体を採用した場合には、収納状態での全体形状をよりコンパクト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施形態の携帯椅子を前上方から見た斜視図。
【
図4】実施形態のフレーム構造体の収納状態での斜視図。
【
図5】実施形態の一方の連結ブロックの
図4のV矢視図。
【
図6】実施形態の他方の連結ブロックの
図4のVI矢視図。
【
図7】実施形態の収納状態のフレーム構造体の
図4のVII矢視図。
【
図8】実施形態の一方の連結ブロックに対する各フレームの収納の様子を示す斜視図。
【
図9】実施形態の他方の連結ブロックに対する各フレームの収納の様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において、共通部品には同一符号を付すものとする。
【0027】
図1~
図3は、携帯用什器の一形態である携帯椅子1の斜視図である。以下の携帯椅子1の説明においては、使用者が携帯椅子1に正規姿勢で着座するときに、使用者が前方に向く側を「前」、それと逆側を「後」と称する。また、使用者が携帯椅子1に着座するときに、鉛直上方を向く側を「上」、それと逆側を「下」と称する。なお、図面の適所には、携帯椅子1の前方を指す矢印FRと、携帯椅子1の上方を指す矢印UPと、携帯椅子1の左側方を指す矢印LHが記されている。
【0028】
携帯椅子1は、フレーム構造体10と、フレーム構造体10に支持される荷重受けシート50と、を備えている。荷重受けシート50は、帆布等の引っ張り強度の高いシート材から成り、裏面側の四隅にポケット部51が設けられている。荷重受けシート50は、四隅のポケット部51でフレーム構造体10に支持され、その状態で着座する使用者の臀部から背部にかけてを受容する。
【0029】
フレーム構造体10は、使用状態で略水平に延びる主フレーム11と、主フレーム11の延び方向の両端部に結合される一対の連結ブロック12A,12Bと、各基端が対応する連結ブロック12A,12Bに脱着可能に取り付けられる脚フレーム13f,13r、及び、支持フレーム14f,14rと、を備えている。各フレーム11,13f,13r,14f,14rの主要部は、アルミニウム合金等の金属製の角パイプ(角柱部材)によって構成されている。角パイプは、外周が矩形状(例えば、正方形状)に形成されている。脚フレーム13f,13rと支持フレーム14f,14rの各主要部は、大きさがほぼ同じ断面の角パイプによって構成され、主フレーム11の主要部は、脚フレーム13f,13rや支持フレーム14f,14rの主要部よりも大きい断面の角パイプによって構成されている。
連結ブロック12A,12Bは、硬質樹脂、若しくは、アルミニウム合金等の金属材料によって形成されている。
【0030】
前側の脚フレーム13fは、使用状態では、各連結ブロック12A,12Bから前下方に向かって延び、後側の脚フレーム13rは、使用状態では、各連結ブロック12A,12Bから後下方に向かって延びている。前側の脚フレーム13fと後側の脚フレーム13rは、夫々前後に同角度開いて延びている。各脚フレーム13f,13rの先端部には、樹脂製の接地キャップ15が取り付けられている。各脚フレーム13f,13rの先端部は、接地キャップ15を介して地面に接地される。これにより、フレーム構造体10は、主フレーム11の延び方向の両側において、前後に延びる計4本の脚フレーム13f,13rによって地面に接地される。
【0031】
また、前側の支持フレーム14fは、使用状態では、各連結ブロック12A,12Bから前上方に向かって延び、後側の支持フレーム14rは、使用状態では、各連結ブロック12A,12Bから後上方に向かって延びている。したがって、前後の支持フレーム14f,14rは、主フレーム11の延び方向と交差する方向に延びている。
以下では、前側の支持フレーム14fのことを「前側支持フレーム14f」と称し、後側の支持フレーム14rのことを「後側支持フレーム14r」と称する。
【0032】
後側支持フレーム14rは、基端側(下方側)の第1フレーム14r-1と、延出端側(上方側)の第2フレーム14r-2と、から成り、第1フレーム14r-1と第2フレーム14r-2がインロー構造によって脱着可能に接続されている。後側支持フレーム14rの延出長さは、前側支持フレーム14fの延出長さよりも長く設定されている。また、後側支持フレーム14rの傾斜角度(水平面に対する傾斜角度)は、前側支持フレーム14fの傾斜角度よりも大きく設定されている。
【0033】
左右の各後側支持フレーム14rの先端部は、荷重受けシート50の後上端側のポケット部51に挿入され、左右の各前側支持フレーム14fの先端部は、荷重受けシート50の前端側のポケット部51に挿入される。これにより、荷重受けシート50は、後上方と前上方に延びる計4本の後側支持フレーム14rと前側支持フレーム14fによって四隅を支持される。特に、荷重受けシート50は、後上端側を前側支持フレーム14fよりも長く、かつ、急角度で上方に延びる後側支持フレーム14rによって支持されるため、使用時には、着座者の腰部から背部にかけてを安定的に支持することが可能になる。
【0034】
図4は、フレーム構造体10の収納状態での斜視図である。なお、
図4では、脚フレーム13と、前側支持フレーム14f及び後側支持フレーム14rとが図示都合上仮想線で示されている。また、
図5は、一方の連結ブロック12Aの
図4のV矢視図であり、
図6は、他方の連結ブロック12Bの
図4のVI矢視図である。
図7は、収納状態のフレーム構造体10の
図4のVII矢視図である。また、
図8は、一方の連結ブロック12Aに対する各フレーム13f,13r,14f,14rの収納の様子を示す斜視図であり、
図9は、他方の連結ブロック12Bに対する各フレーム13f,13r,14f,14rの収納の様子を示す斜視図である。
フレーム構造体10は、
図1~
図3に示す使用時組付形態と、
図4に示す収納時組付形態と持つ。本明細書において、使用時組付形態とは、携帯椅子1として使用者が実際に着座できるように、フレーム構造体10を組付けた着座可能な形態のことを言う。また、収納時組付形態とは、持ち運びのためにフレーム構造体10の全体を、主フレーム11を中心としてコンパクトな形に纏めて組付けた形態のことを言う。
【0035】
各連結ブロック12A,12Bは、使用時組付形態のときに、前後の脚フレーム13f,13rと、前側支持フレーム14f及び後側支持フレーム14rの各基端が嵌合される四つの組立用嵌合部16f,16r,17f,17rと、収納組付形態のときに、脚フレーム13f,13rと、前側支持フレーム14f及び後側支持フレーム14rの各基端が嵌合される別の四つの収納用嵌合部18f,18r,19f,19rと、を備えている。本実施形態では、組立用嵌合部16f,16r,17f,17rと収納用嵌合部18f,18r,19f,19rは、少なくとも一部の内面形状が略矩形状である嵌合穴によって構成されている。
【0036】
各連結ブロック12A,12Bは、
図5~
図7に示すように、主フレーム11の延び方向に沿って直線状に延び、主フレーム11の端部が嵌合固定される角筒状の主フレーム受部20と、主フレーム受部20の上側の二辺に接続された前後の脚フレーム受部21f,21rと、主フレーム受部20の下側の二辺に接続された前後の支持フレーム受部22f,22rと、を備えている。
【0037】
主フレーム受部20は、外周面が略正方形状である角筒状に形成され、フレーム構造体10が使用状態であるときに、外周の二つの対角がほぼ上下を向くように形成されている。主フレーム11の延び方向の両端部が連結ブロック12A,12Bの各主フレーム受部20に嵌合固定されると、主フレーム11は、
図1~
図3に示すように、外周の二つの対角が上下の頂部Tu,Tlを成すように配置される。
なお、
図5,
図6における符号23は、主フレーム受部20の内側の端部に形成され、主フレーム11の延び方向の端部が嵌合固定される嵌合穴である。嵌合穴23の内周面は、主フレーム11の端部を受容するように矩形状に形成されている。
【0038】
前後の脚フレーム受部21f,21rは、上端部同士がほぼ直交した状態で相互に連結され、全体が主フレーム受部20の上側の二辺を跨ぐ略L字状の側面視形状とされている。各脚フレーム受部21f,21rの下端側には、組立用嵌合部16f,16rと収納用嵌合部18f,18rが形成されている。前側の脚フレーム受部21fの組立用嵌合部16fと収納用嵌合部18fには、前側の脚フレーム13fが嵌合可能とされ、後側の脚フレーム受部21rの組立用嵌合部16rと収納用嵌合部18rには、後側の脚フレーム13rが嵌合可能とされている。
【0039】
また、前後の支持フレーム受部22f,22rは、下端部同士がほぼ直交した状態で相互に連結され、全体が主フレーム受部20の下側の二辺を跨ぐ略L字状の側面視形状とされている。前後の支持フレーム受部22f,22rは、主フレーム受部20の延び方向で脚フレーム受部21f,21rの外側にオフセットした位置で主フレーム受部20に接続されている。各支持フレーム受部22f,22rの上端側には、組立用嵌合部17f,17rと収納用嵌合部19f,19rが形成されている。前側の支持フレーム受部22fの組立用嵌合部17fと収納用嵌合部19fには、前側支持フレーム14fが嵌合可能とされ、後側の支持フレーム受部22rの組立用嵌合部17rと収納用嵌合部19rには、後側支持フレーム14rが嵌合可能とされている。
【0040】
ここで、組立用嵌合部16f,16r,17f,17rは、いずれの連結ブロック12A,12Bにおいても、脚フレーム受部21f,21rと支持フレーム受部22f,22rの各延出方向の端面に同様に開口して形成されている。このため、各連結ブロック12A,12Bの組立用嵌合部16f,16r,17f,17rに、対応するフレーム13f,13r,14f,14rが嵌合されると、左右の対応するフレーム13f,13r,14f,14rは、側面視が相互に重なるように各連結ブロック12A,12Bから同方向に向かって延出する。
収納用嵌合部18f,18r,19f,19rは、連結ブロック12A,12B毎に形成位置が微妙に異なっている。
【0041】
一方の連結ブロック12Aの収納用嵌合部18f,18rは、
図5,
図7に示すように、各脚フレーム受部21f,21rの下端に設けられた後方突出部21f-pr,21r-prの各内側の端面(他方の連結ブロック12Bと対向する側の端面)に形成されている。後方突出部21f-pr,21r-prは、各脚フレーム受部21f,21rの下端側の後面から後方側に向かって矩形ブロック状に突出している。
【0042】
一方の連結ブロック12Aの前側の収納用嵌合部19fは、
図5,
図7に示すように、前側の支持フレーム受部22fの上端に設けられた側方突出部22f-psの内側の端面(他方の連結ブロック12Bと対向する側の端面)に形成されている。側方突出部22f-psは、前側の支持フレーム受部22fの上端側の側面から他方の連結ブロック12Bと対向する側に向かって矩形ブロック状に突出している。また、一方の連結ブロック12Aの後側の収納用嵌合部19rは、
図5,
図7に示すように、後側の支持フレーム受部22rの上端に設けられた前方突出部22r-pfの内側の端面(他方の連結ブロック12Bと対向する側の端面)に形成されている。
【0043】
また、他方の連結ブロック12Bの収納用嵌合部18f,18rは、
図6,
図7に示すように、前後の脚フレーム受部21f,21rの下端に設けられた前方突出部21f-pf,21r-pfの内側の端面(一方の連結ブロック12Aと対向する側の端面)に形成されている。前方突出部21f-pf,21r-pfは、各脚フレーム受部21f,21rの下端側の前面から前方側に向かって矩形ブロック状に突出している。
【0044】
他方の連結ブロック12Bの収納用嵌合部19f,19rは、
図6,
図7に示すように、前後の支持フレーム受部22f,22rの上端に設けられた後方突出部22f-pr,22r-prの各内側の端面(一方の連結ブロック12Aと対向する側の端面)に形成されている。後方突出部22f-pr,22r-prは、各支持フレーム受部22f,22rの上端側の後面から後方側に向かって矩形ブロック状に突出している。
【0045】
連結ブロック12A,12Bは、
図7に示すように、左右の対応する脚フレーム受部21f,21rの本体部(組立用嵌合部16f,16rの形成される部分)同士と、支持フレーム受部22f,22rの本体部(組立用嵌合部17f,17rの形成される部分)同士が側面視において相互に重なり、左右の対応する収納用嵌合部18f,18r,19f,19r同士が側面視において相互に重ならないようにずれている。
【0046】
具体的には、前下方の収納用嵌合部18fと後下方の収納用嵌合部18rは、一方の連結ブロック12Aでは各脚フレーム受部21f,21rの本体部の前方側に配置され、他方の連結ブロック12Bでは各脚フレーム受部21f,21rの本体部の後方側に配置されている。また、前上方の収納用嵌合部19fは、一方の連結ブロック12Aでは支持フレーム受部22fの本体部の後方側に配置され、他方の連結ブロック12Bでは支持フレーム受部22fの本体部と重なる位置に配置されている。さらに、後上方の収納用嵌合部19rは、一方の連結ブロック12Aでは支持フレーム受部22rの本体部の後方側に配置され、他方の連結ブロック12Bでは支持フレーム受部22rの本体部の前方側に配置されている。
したがって、本実施形態のフレーム構造体10では、二つの連結ブロック12A,12Bに設けられるすべての収納用嵌合部18f,18r,19f,19rは、主フレーム11の延び方向回りにおいて、オフセットして配置されている。
【0047】
本実施形態のフレーム構造体10は、収納時組付形態では、連結ブロック12A,12Bの各収納用嵌合部18f,18r,19f,19rに、対応する脚フレーム13f,13r、前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rが夫々嵌合されると、これらの各フレーム13f,13r,14f,14rは、主フレーム11の延び方向と平行に延びた状態で保持されることになる。
【0048】
また、本実施形態のフレーム構造体10では、左右の連結ブロック12A,12Bのすべての収納用嵌合部18f,18r,19f,19rは、内周の矩形形状が主フレーム11の外周の矩形形状とほぼ同方向を向くように形成されている。このため、収納時組付形態において、各連結ブロック12A,12Bの収納用嵌合部18f,18r,19f,19rに、対応するフレーム13f,13r,14f,14rが夫々嵌合されると、脚フレーム13f,13r、前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rのすべての外周の矩形形状が、主フレーム11の外周の矩形形状とほぼ同方向を向いて整列されることになる。
【0049】
また、連結ブロック12A,12Bの左右の対応する収納用嵌合部18f,18r,19f,19r同士は、側面視において、内周面の矩形の一辺が相互に平行に対向するように形成されている。このため、収納時組付形態において、各連結ブロック12A,12Bの収納用嵌合部18f,18r,19f,19rに、対応するフレーム13f,13r,14f,14rが嵌合されると、前側の左右の脚フレーム13fの外周の平坦面同士が相互に平行に対向するとともに、後側の左右の脚フレーム13rの外周の平坦面同士も相互に平行に対向することになる。また、このとき左右の前側支持フレーム14fの外周の平坦面同士も相互に平行に対向し、左右の後側支持フレーム14rの外周の平坦面同士も相互に平行に対向することになる。
【0050】
また、
図8,
図9に示すように、前後の脚フレーム13f,13rには、組立用嵌合部16f,16rや収納用嵌合部18f,18rを通して、脚フレーム13f,13rの各基端を連結ブロック12A,12Bの内部方向に引き込む弾性紐40が連結されている。弾性紐40は、例えば、前後の脚フレーム受部21f,21rの内部に挿通され、前後の脚フレーム受部21f,21rから引き出された両端部が各脚フレーム13f,13rに連結されている。
【0051】
同様に、前側支持フレーム14fと後側支持フレーム14rには、組立用嵌合部17f,17rや収納用嵌合部19f,19rを通して、前側支持フレーム14fと後側支持フレーム14rの各基端を連結ブロック12A,12Bの内部方向に引き込む弾性紐40が連結されている。弾性紐40は、例えば、前後の支持フレーム受部22f,22rの内部に挿通され、前後の支持フレーム受部22f,22rから引き出された両端部が前側支持フレーム14fと後側支持フレーム14rに連結されている。後側支持フレーム14rでは、弾性紐40は、基端側の第1フレーム14r-1の内部を延出方向に沿って貫通し、貫通した端部が先端側の第2フレーム14r-2に連結されている。これにより、第1フレーム14r-1から第2フレーム14r-2を取り外したときに、第2フレーム14r-2からの第1フレーム14r-1の離脱が弾性紐40によって阻止される。
なお、連結ブロック12A,12Bからの脚フレーム13f,13rや前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rの離脱も弾性紐40によって阻止される。
【0052】
連結ブロック12A,12Bのうちの、使用時組付形態と収納時組付形態で共通のフレームが嵌合される各組立用嵌合部16f,16r,17f,17rと収納用嵌合部18f,18r,19f,19rの間には、各嵌合部の間を経由して弾性紐40が引き回される案内溝45が形成されている。これにより、組付形態の変更時に、各組立用嵌合部16f,16r,17f,17rと収納用嵌合部18f,18r,19f,19rの間でフレームの嵌合位置を変えるときに、弾性紐40をスムーズに引き回すことが可能になる。
【0053】
また、収納時組付形態では、後側支持フレーム14rの第1フレーム14r-1から第2フレーム14r-2が引き抜かれ、第2フレーム14r-2が、先端部の向きを反転させるようにして第1フレーム14r-1の外側面に重ねられる。第1フレーム14r-1には、連結用の係止片47が取り付けられている。係止片47は、第1フレーム14r-1の外側面に重ねられた第2フレーム14r-2と係合して第2フレーム14r-2を拘束するための爪を備えている。後側支持フレーム14rは、収納時組付形態のときに、第1フレーム14r-1が連結ブロック12A,12Bの収納用嵌合部19rに嵌合され、その第1フレーム14r-1の外側面に第2フレーム14r-2が重ねられた状態で、第2フレーム14r-2が係止片47によって係止される。これにより、収納時組付形態では、第1フレーム14r-1と第2フレーム14r-2が相互に重ねられた状態において、主フレーム11の延び方向回りにコンパクトに配置される。
【0054】
以上のように、本実施形態の携帯椅子1のフレーム構造体10は、脚フレーム13f,131rと、前側支持フレーム14f及び後側支持フレーム14rが矩形状の角パイプ(角柱部材)によって構成され、これらの各フレームが連結ブロック12A,12Bの組立用嵌合部16f,16r,17f,17rと収納用嵌合部18f,18r,19f,19rに対して嵌合可能とされている。このため、脚フレーム13f,131rと、前側支持フレーム14f及び後側支持フレーム14rを収納用嵌合部18f,18r,19f,19rに嵌合する収納時組付形態のときに、上記の各フレームを、主フレーム11の延び方向回りにおいて、充分に近接させることができる。また、連結ブロック12A,12Bに形成される収納用嵌合部18f,18r,19f,19rは内周面が略矩形状であるため、収納用嵌合部18f,18r,19f,19rを各連結ブロック12A,12Bに効率良く集約して配置することができる。
したがって、本実施形態のフレーム構造体10を採用した場合には、収納状態(収納時組付形態)でのフレーム構造体10の全体形状をコンパクト化することができる。
【0055】
また、本実施形態のフレーム構造体10は、
図7に示すように、二つの連結ブロック12A,12Bに設けられるすべての収納用嵌合部18f,18r,19f,19rが主フレーム11の延び方向周りでオフセットして配置されている。このため、収納時組付形態において、脚フレーム13f,13rや前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rが相互に干渉するのを回避することができる。したがって、本構成を採用した場合には、収納時組付形態において、脚フレーム13f,13rや前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rに必要外の負荷が作用するのを回避し、各フレームの変形や損傷を未然に防止することができる。
【0056】
また、本実施形態のフレーム構造体10は、収納時組付形態において、脚フレーム13f,13r、前側支持フレーム14f及び後側支持フレーム14rのすべての外周の矩形形状がほぼ同方向を向いて整列されるように、各連結ブロック12A,12Bの収納用嵌合部18f,18r,19f,19rが形成されている。このため、収納時組付形態において、脚フレーム13f,13r、前側支持フレーム14f及び後側支持フレーム14rをより近接させて配置することができる。したがって、本構成を採用した場合には、収納時組付形態において、フレーム構造体10全体をよりコンパク化することが可能になる。
【0057】
さらに、本実施形態のフレーム構造体10は、収納時組付形態において、二つの連結ブロック12A,12Bの対応する脚フレーム13f,13rの外周の平坦面同士が相互に平行に対向するように各連結ブロック12A,12Bの収納用嵌合部18f,18rが形成されている。また、同様に収納時組付形態において、二つの連結ブロック12A,12Bの対応する前側支持フレーム14fの外周の平坦面同士が相互に平行に対向し、かつ、後側支持フレーム14rの外周の平坦面同士が相互に平行に対向するように各連結ブロック12A,12Bの収納用嵌合部19f,19rが形成されている。このため、収納時組付形態においては、二つの連結ブロック12A,12Bの対応する脚フレーム13f,13r同士と、対応する支持フレーム14f,14r同士を相互に近接させて配置することが可能になる。したがって、本構成を採用した場合には、収納時組付形態において、フレーム構造体10全体をさらにコンパク化することができる。
【0058】
また、本実施形態のフレーム構造体10は、主フレーム11が、脚フレーム13f,13rや前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rよりも外形の大きい矩形状の角パイプによって構成されている。そして、主フレーム11の両側の端部は、脚フレーム13f,13rと前側支持フレーム14f及び後側支持フレーム14rの各基端が収納用嵌合部18f,18r,19f,19rに嵌合された状態において、当該主フレーム11の外周の矩形形状が、脚フレーム13f,13rや前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rの各外周面の矩形形状とほぼ同方向を向くように連結ブロック12A,12Bに結合されている。このため、収納時組付形態のときには、主フレーム11と、その回りに配置される脚フレーム13f,13rや前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rの各外周の矩形形状がほぼ整列することになる。したがって、本構成を採用した場合には、脚フレーム13f,13rや前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rを主フレーム11の延び方向回りによりコンパクトに配置することが可能になる。
【0059】
さらに、本実施形態のフレーム構造体10は、携帯椅子1の使用時に、主フレーム11の外周の二つの対角が上下の頂部Tu,Tlを成すように、当該主フレーム11が二つの連結ブロック12A,12Bに結合されている。このため、携帯椅子1の使用時に、主フレーム11の両側の端部に下向きの大荷重が偏って作用したときにも、主フレーム11の上下の頂部Tu,Tlに位置される二つの対角が、その荷重を効率良く受け止めることができる。したがって、本構成を採用した場合には、携帯椅子1の使用時における主フレーム11の撓み変形をより抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態のフレーム構造体10は、各連結ブロック12A,12Bが角筒状の主フレーム受部20、脚フレーム受部21f,21r、及び、支持フレーム受部22f,22rを備え、主フレーム受部20が主フレーム11の延び方向に沿って直線状に延び、主フレーム11の端部が嵌合されるようになっている。また、脚フレーム受部21f,21rは、主フレーム受部20の上側の隣接する二辺に接続され、脚フレーム13f,13rが嵌合されるようになっており、支持フレーム受部22f,22rは、主フレーム受部20の延び方向で脚フレーム受部21f,21rとオフセットした位置において、主フレーム受部20の下側の隣接する二辺に接続され、前側支持フレーム14fと後側支持フレーム14rが夫々嵌合されるようになっている。このため、本実施形態のフレーム構造体10では、角筒状の主フレーム受部20の周囲に脚フレーム受部21f,21rと支持フレーム受部22f,22rがコンパクトに接続されることになる。したがって、本構成を採用した場合には、連結ブロック12A,12Bの全体をよりコンパクト化することができる。
【0061】
また、本実施形態のフレーム構造体10は、脚フレーム13f,13rと、前側支持フレーム14f及び後側支持フレーム14rに、各基端を連結ブロック12A,12Bの内部方向に引き込む弾性紐40が連結されている。そして、共通の脚フレーム13f,13rや、前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rが嵌合される組立用嵌合部16f,16r,17f,17rと収納用嵌合部18f,18r,19f,19rの間には、弾性紐40が引き回される案内溝45が形成されている。このため、使用時組付形態から収納時組付形態に変更するときや、逆に収納時組付形態から使用時組付形態に変更するときには、弾性紐を案内溝45内で引き回すことができる。したがって、本構成を採用した場合には、脚フレーム13f,13rや前側支持フレーム14f、後側支持フレーム14rを組立用嵌合部16f,16r,17f,17rや収納用嵌合部18f,18r,19f,19rに組み付ける際に弾性紐40が邪魔にならなくなるとともに、擦れ等による弾性紐40の劣化も防止することができる。
【0062】
<他の実施形態>
図10は、他の実施形態の携帯用什器を示す斜視図である。本実施形態の携帯用什器は、分解組立が可能な携帯テーブル101である。
本実施形態の携帯テーブル101は、上記の実施形態の携帯椅子1とほぼ同様の構成のフレーム構造体110を採用している。
【0063】
携帯テーブル101は、フレーム構造体110と、フレーム構造体110に支持される折り畳み可能な天板70と、を備えている。天板70は、組立状態での平面視が略矩形状に形成される。天板の裏面の四隅には、フレーム構造体110に脱着可能に連結される連結部71が設けられている。
【0064】
フレーム構造体110は、使用状態で略水平に延びる主フレーム11と、主フレーム11の延び方向の両端部に結合される一対の連結ブロック12A,12Bと、各基端が対応する連結ブロック12A,12Bに脱着可能に取り付けられる脚フレーム13f,13r、及び、支持フレーム114f,114rと、を備えている。各フレーム11,13f,13r,114f,114rの主要部は、アルミニウム合金等の金属製の角パイプ(角柱部材)によって構成されている。角パイプは、外周が矩形状(例えば、正方形状)に形成されている。連結ブロック12A,12Bは、硬質樹脂、若しくは、アルミニウム合金等の金属材料によって形成されている。
【0065】
フレーム構造体110は、上記の実施形態と同様に使用時組付形態と収納時組付形態と持つ。
図10は、使用時組付形態を示す。使用時組付形態では、前後の支持フレーム114f,114rの各先端部に天板70の裏面の各連結部71が嵌合される。
収納時組付形態では、上記の実施形態の
図4~
図9に示すものとほぼ同様の組付状態とされる。
【0066】
フレーム構造体110は、天板70を略水平に支持する関係上、使用時組付形態では前側の支持フレーム114fと後側の支持フーム114rが各連結ブロック12A,12Bから前後に同角度の開き角をもって上方に延出している。また、前側の支持フレーム114fと後側の支持フーム114rの延出長さは同じに設定されている。
【0067】
本実施形態のフレーム構造体110は、基本構成は上記の実施形態と同様とされているため、同様の効果を得ることができ、収納状態(収納時組付形態)での全体形状をコンパクト化することができる。
【0068】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、各連結ブロックに脚フレームと支持フレームが夫々二つ脱着可能に嵌合される構成とされているが、各連結ブロックに脱着可能に嵌合される脚フレームと支持フレームの数は二つに限定されるものではなく、複数であれば三つ以上であっても良い。
また、上記の実施形態では、主フレームの外周が矩形状に形成されているが、主フレームの外周の形状は矩形状に限定されるものではなく、矩形以外の多角形状や円形形状、半円形状等であっても良い。
さらに、上記の実施形態では脚フレームと支持フレームが中空な角パイプによって構成されているが、脚フレームと支持フレームは中実な角柱部材によって構成することも可能である。
また、フレーム構造体を採用する携帯用什器は、携帯椅子と形態テーブルに限定されるものではなく、持ち運び可能な物品載置台等の他の種々の什器にも採用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1…携帯椅子(携帯用什器)
10…フレーム構造体
11…主フレーム
12A,12B…連結ブロック
13f,13r…脚フレーム
14f…前側支持フレーム(支持フレーム)
14r…後側支持フレーム(支持フレーム)
16f,16r,17f,17r…組立用嵌合部
18f,18r,19f,19r…収納用嵌合部
20…主フレーム受部
21f,21r…脚フレーム受部
22f,22r…支持フレーム受部
40…弾性紐
45…案内溝
101…携帯テーブル(携帯用什器)
110…フレーム構造体
114f,114r…支持フレーム
【要約】
【課題】収納状態での全体形状をよりコンパクト化することができる携帯用什器のフレーム構造体を提供する。
【解決手段】フレーム構造体は、主フレーム11、連結ブロック12A,12B、脚フレーム13r、支持フレーム14f,14rを備える。主フレームは使用状態で略水平に延びる。連結ブロックは、主フレームの延び方向の両端部に結合される。脚フレームと支持フレームは、各基端が連結ブロックに脱着可能に取り付けられる。脚フレームと支持フレームは角柱部材によって構成される。連結ブロックは、組立用嵌合部と収納用嵌合部を備える。組立用嵌合部には、脚フレーム及び支持フレームが主フレームと交差する方向に延びた状態で嵌合される。収納用嵌合部には、脚フレーム及び支持フレームが主フレームに沿って延びた状態で嵌合される。
【選択図】
図4