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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】ロードキャリア
(51)【国際特許分類】
   B60R 9/05 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
B60R9/05
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021500067
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2019066858
(87)【国際公開番号】W WO2020007656
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】18181258.7
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502308561
【氏名又は名称】スーリー スウェーデン アーベー
【住所又は居所原語表記】Box 69, 33504 Hillerstorp, Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク・ラーション
(72)【発明者】
【氏名】アンデシュ・ニルヴィウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクトル・ミルベリ
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-169033(JP,A)
【文献】実開昭60-152554(JP,U)
【文献】特開2015-058725(JP,A)
【文献】米国特許第06176404(US,B1)
【文献】独国特許出願公開第102013016123(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーフラック荷重支持バー(100)であって、
- 前記ルーフラック荷重支持バー(100)の長さ方向(L)に延在する空気流調整パターン(400)であって、前記空気流調整パターン(400)が、前記ルーフラック荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)において相互から相対的にオフセットされた少なくとも2つの突起リブ部分(401、402)を備え、2つの隣接し合う突起リブ部分(401,402)が、前記ルーフラック荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)において離間距離(L1)だけ分離され、前記ルーフラック荷重支持バー(100)が、前記ルーフラック荷重支持バー(100)に荷重支持バー付属品を装着するための少なくとも1つの取付け部材(10)を受けるためのチャネル(101)であって、前記チャネル(101)は、前記ルーフラック荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)に少なくとも部分的に延在する、チャネル(101)をさらに備え、前記空気流調整パターン(400)が、使用中における前記ルーフラック荷重支持バーの進行方向(T)に関して前記チャネル(101)の前方に少なくとも部分的に位置する、空気流調整パターン(400)を備えるルーフラック荷重支持バー(100)において、
前記少なくとも2つの突起リブ部分(401、402)のそれぞれが、前記進行方向(T)に対して斜めに配置され、前記ルーフラック荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)において測定される部分幅(d1)をさらに有し、前記離間距離(L1)が、前記隣接し合う突起リブ部分(401、402)の少なくとも一方の前記部分幅(d1)よりも少なくとも2倍大きいことを特徴とする、ルーフラック荷重支持バー(100)。
【請求項2】
前記空気流調整パターン(400)は、前記長さ方向(L)において荷重支持バー長さ(L10)の少なくとも80%にわたり延在する、請求項1に記載のルーフラック荷重支持バー(100)。
【請求項3】
前記空気流調整パターン(400)は、少なくとも10個突起リブ部分(401、402)を有する、前記長さ方向(L)に連続する反復パターンである、請求項1または2に記載のルーフラック荷重支持バー(100)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの突起リブ部分(406、407、408、409、410、411)のうちの少なくとも1つが、V字形状リブ部分であり、前記V字形状の先端部が、前記進行方向(T)を向く、請求項1から3のいずれか一項に記載のルーフラック荷重支持バー(100)。
【請求項5】
前記ルーフラック荷重支持バー(100)は、外部環境から前記チャネル(101)を封止するために、前記長さ方向(L)に延在する少なくとも1つの第1のカバー(200)をさらに備え、前記空気流調整パターン(400)は、前記第1のカバー(200)上に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載のルーフラック荷重支持バー(100)。
【請求項6】
前記隣接し合う突起リブ部分のうちの少なくとも一方の前記部分幅(d1)は、0.5ミリメートル(mm)~3ミリメートル(mm)である、請求項1から5のいずれか一項に記載のルーフラック荷重支持バー(100)。
【請求項7】
前記少なくとも2つの突起リブ部分(401、402)の少なくとも1つが、0.3mm~2mmのリブ高さを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のルーフラック荷重支持バー(100)。
【請求項8】
前記少なくとも2つの突起リブ部分(401、402)の少なくとも1つが、前記少なくとも1つの突起リブ部分(401、402)が上に配置された表面(214)と前記リブ部分の側壁部(403)との間に、少なくとも90度である角度(α1)を有する明確な突起リブ部分として構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のルーフラック荷重支持バー(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ルーフラック荷重支持バーであって、このルーフラック荷重支持バーが、荷重支持バーに荷重支持バー付属品を装着するための少なくとも1つの取付け部材を受けるためのチャネルを備え、このチャネルが、荷重支持バーの長さ方向に少なくとも部分的に延在する、ルーフラック荷重支持バーに関する。
【0002】
また、本開示は、ルーフラック荷重支持バーであって、このルーフラック荷重支持バーが、荷重支持バーの長さ方向に延在する空気流調整パターンを備え、このパターンが、荷重支持バーの長さ方向において相互から相対的にオフセットされた少なくとも2つの突起リブ部分を備える、ルーフラック荷重支持バーに関する。
【0003】
さらに、本開示は、ルーフラック荷重支持バーであって、このルーフラック荷重支持バーが、使用中における前記荷重支持バーの進行方向に関して前方バー部分および後方バー部分を有する断面プロファイルを備え、前方バー部分が、前方エッジを有し、後方バー部分が、進行方向に関する後方へとおよび後方バー部分の後方エッジに向かってテーパ状をなすプロファイルを有し、前方エッジが、前方バー部分の上方部分から下方部分まで延在する第1の湾曲形状プロファイルを備える、ルーフラック荷重支持バーに関する。
【背景技術】
【0004】
自動車の載荷能力を改善するための荷重支持バーを備えたルーフラックが知られている。
【0005】
種々のタイプの荷重支持バーが存在し、あるタイプは、荷重支持バーに荷重支持バー付属品を装着することを目的としたねじなどの取付け部材を受けるために組み込まれたチャネルを備える。荷重支持バー付属品は、ルーフボックス、スキーボックス、スキーキャリア、バイクキャリア等であり得る。かかるチャネルを備えるルーフラック荷重支持バーの一例は、特許文献1で見ることができ、この文献は、チャネルの開口を封止するために単一のカバーまたは2つのカバーを使用することを開示している。
【0006】
これらのタイプの荷重支持バーは、かかる組込みチャネルを有さない荷重支持バーに比べて、車両に種々の付属品を装着する効率的かつ好都合な方法を提供することが判明している。
【0007】
さらに、荷重支持バーに関する傾向は、風の抵抗および/または騒音を低減させるように荷重支持バーの断面を適合させる方向にある。この問題の緩和を目的としたいくつかの解決策が提案されてきたが、断面における鋭角の/明確なエッジは、抗力および/または騒音を低減させるために回避されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許出願公開第2803535号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の観点から、本発明の目的は、先行技術の欠点のうちのいくつかを少なくとも緩和する、または良好な代替を少なくとももたらす、改良されたルーフラック荷重支持バーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、独立請求項1の主題により実現される。有利な実施形態は、従属請求項にならびに添付の説明および図面において見ることができる。
【0011】
その第1の態様によれば、この目的は、ルーフラック荷重支持バーであって、荷重支持バーに荷重支持バー付属品を装着するための少なくとも1つの取付け部材を受けるためのチャネルであって、チャネルが荷重支持バーの長さ方向に少なくとも部分的に延在する、チャネルを備えるルーフラック荷重支持バーにより実現される。さらに、荷重支持バーは、荷重支持バーの長さ方向に延在し、外部環境からチャネルを封止するように構成された第1のカバーおよび第2のカバーを備え、第1のカバーは、チャネルの第1の側に設けられた第1の装着接合部を介して荷重支持バーに装着され、第2のカバーは、チャネルの第2の側に設けられた第2の装着接合部を介して荷重支持バーに装着される。第1の装着接合部および第2の装着接合部は、相互に対して非対称である。
【0012】
前述の荷重支持バーを提供することにより、第1のカバーおよび第2のカバーの取付け手順が大幅に容易化された、改良された荷重支持バーが提供される。すなわち、使用中における荷重支持バーの進行方向に関してこれらの2つのカバーを正確に取り付けることが重要となり得ることが判明している。さらに具体的には、荷重支持バーに対して外方に向くこれらの2つのカバーのそれぞれのセクションが、それぞれ異なる目的のための別様に設計されてもよく、したがって、各カバーは、進行方向に関して正確に取り付けられることが必要となり得る。カバーごとにそれぞれ異なる装着接合部の形態の位置決め基準を設けることにより、第1のカバーおよび第2のカバーの取付けが不正確になるリスクが軽減される。これらの接合部の相違点は、第1の装着接合部および第2の装着接合部が相互に対して非対称である点である。したがって、ユーザは、装着接合部を見て比較することのみによって、カバーが取り付けられるように意図された位置について視覚的基準を得ることができる。さらに、第1の装着接合部と第2の装着接合部との非対称性により、荷重支持バーに対する第1のカバーおよび第2のカバーの配置が不正確になることが物理的に防止され得る。
【0013】
任意には、第1の装着接合部および第2の装着接合部は、さらに荷重支持バーの幅方向に関して非対称であってもよく、この幅方向は、荷重支持バーの長さ方向に対して垂直である。
【0014】
任意には、第1のカバーおよび第2のカバーは、相互に別個のパーツであり、荷重支持バーの使用中にチャネルを封止するように構成され得る。
【0015】
任意には、第1の装着接合部および/または第2の装着接合部は、好ましくは荷重支持バーの長さ方向に延在する溝および対応するすなわち合致する突出部分により雌/雄連結部として構成され得る。雌/雄連結部は、バーとそれぞれのカバーとの間に頑丈な連結をもたらすことが判明しており、好ましくはこの連結部は、対応する溝/突出部分の形態である。
【0016】
任意には、溝は、第1の側壁部と、第1の側壁部に対面する第2の側壁部と、を備えてもよく、好ましくは、第2の側壁部は、第1の側壁部から離れるように勾配を付けられる。第2の側壁部にかかる勾配を与えることにより、取付け手順の容易化が実現され、さらに結果としてバーからカバーが脱落するリスクを低減させつつ頑丈な連結が実現され得る。さらに任意には、第2の側壁部は、第2の側壁部の遠位端部にフック部分を備えてもよく、それにより荷重支持バーに対する連結がさらに改善される。
【0017】
任意には、第1の側壁部は、フック部分を備えるフック形状把持部材をさらに備えてもよく、フック形状把持部材は、第1の側壁部の延長部であり、フック部分は、第1の側壁部に対して90度超である角度だけ第1の側壁部から曲げられる。フック部分が荷重支持バーの対向側部分に係入することにより、かかる構成によって連結のさらなる改良が実現され得ることが判明している。
【0018】
任意には、第1の装着接合部および第2の装着接合部のそれぞれが、雌/雄連結部として構成されてもよく、好ましくは、第1の装着接合部は、荷重支持バーの長さ方向に延在する第1の溝および対応するすなわち合致する第1の突出部分を備え、第2の装着接合部は、荷重支持バーの長さ方向に延在する第2の溝および対応するすなわち合致する第2の突出部分を備える。カバーごとに雌/雄連結部を設けることにより、結果として両カバーについて頑丈な連結が実現されることが判明している。さらに、それぞれのカバー上の同様のタイプの、しかし非対称である連結構成により、ユーザにとって荷重支持バーの取付け手順がさらに容易化され得る。さらに具体的には、スナップオン連結などによりカバーごとの取付け手順を同様の様式で実施することができるため、これらのカバーを連結する場合にユーザが混乱する恐れが回避される。
【0019】
任意には、第2の溝および第2の突出部分のそれぞれが、荷重支持バーの長さ方向に延在する追加の溝および突出部分構成を備えてもよく、これにより頑丈かつ非対称の雌/雄連結部が実現される。したがって、この追加の溝および突出部分構成は、ユーザが誤って荷重支持バーにこれらのカバーを逆に取り付けてしまうリスクを低下させ得る。
【0020】
任意には、第1のカバーおよび第2のカバーの少なくとも一方が、少なくとも一方のカバーと少なくとも1つの取付け部材との間における摩擦を低減するための摩擦低減層を備え得る。かかる摩擦低減層により、取付け部材は、チャネル内においてさらに容易に移動され、それによりユーザにとって荷重支持バーの取付け手順が容易化および改善され得る。
【0021】
任意には、第1のカバーおよび/または第2のカバーは、荷重支持バーの外方隣接表面と実質的に面一である外方封止表面を備え得る。荷重支持バーの平滑な外方表面を用意することにより、荷重支持バーの周囲における空気流が改善され得、これにより結果として抗力および/または騒音が軽減され得る。
【0022】
任意には、第1のカバーおよび第2のカバーの少なくとも一方が、チャネルに対面しかつ取付け部材の使用中に取付け部材に対接して封止する内方封止表面を備えてもよく、内方封止表面は、内方表面を備えるカバーと同一側に位置するチャネルの側壁部に向かって勾配を付けられる。少なくとも一方のカバーのかかる構成により、チャネル内に位置する取付け部材の周囲の封止が改善され得る。さらに、これにより、勾配を付けられた表面構成によって取付け手順の最中における取付け部材の移動/摺動がさらに容易化され得る。
【0023】
任意には、第1のカバーおよび第2のカバーの少なくとも一方が、装着部分と、外部環境からチャネルを封止するための封止部分と、を備えてもよく、装着部分は、第1の材料を含むかまたは第1の材料からなり、封止部分は、第1の材料とは異なる第2の材料を含むかまたは第2の材料からなる。すなわち、種々の材料を含むカバーを用意することが有利となり得ることが判明している。さらに任意には、第1の材料の硬度が、第2の材料の硬度よりも高くてもよい。さらに具体的には、装着部分の硬度を高くすることにより、結果として荷重支持バーに対する連結が改善され得る一方で、封止部分の硬度がより低いことにより、封止性能が改善され得ることが判明している。例に過ぎないが、装着部分の第1の材料の硬度は、30ショアD~50ショアD、好ましくは35ショアD~45ショアD、およびより好ましくは38ショアD~42ショアDの範囲であってもよく、例えば40ショアDであってもよい。さらに、例に過ぎないが、封止部分の第2の材料の硬度は、60ショアA~80ショアA、好ましくは65ショアA~75ショアA、およびより好ましくは68ショアA~72ショアAの範囲であってもよく、例えば70ショアAであってもよい。ショア硬度は、当業者には周知であり、ポリマー、エラストマー、およびゴムなどの材料の硬度を測定するために使用される。ショア硬度は、有利にはショア硬度計により測定され得るものであり、測定方法は、例えばASTM D2240、ISO868、およびISO7619の規格などに記載されている。さらに、高い硬度は、結果として装着部分の高い剛性をもたらし得るため、それにより例えば荷重支持バーに対する装着部分のスナップオン連結が改善され得る。
【0024】
任意には、第1のカバーは、使用中における荷重支持バーの進行方向に関して第2のカバーの前方に位置してもよく、第1のカバーは、荷重支持バーの長さ方向に延在する空気流調整パターンを備え、パターンは、荷重支持バーの長さ方向において相互から相対的にオフセットされた少なくとも2つの突起リブ部分を備える。すなわち、非対称の装着接合部を備えるこれらのカバーの一方の上に空気流調整パターンを設けることにより、空気流パターンが進行方向に関して正確に取り付けられることがさらに確保され得ることが判明している。
【0025】
その第2の態様によれば、この目的は、ルーフラック荷重支持バーであって、荷重支持バーに荷重支持バー付属品を装着するための少なくとも1つの取付け部材を受けるためのチャネルであって、チャネルが荷重支持バーの長さ方向に少なくとも部分的に延在する、チャネルと、荷重支持バーの長さ方向に延在する少なくとも1つの第1のカバーであって、荷重支持バーに第1のカバーを装着するための第1の装着部分および外部環境からチャネルを封止するための第1の封止部分を備える、第1のカバーと、を備える、ルーフラック荷重支持バーにより実現される。第1の装着部分は、第1の材料を含むかまたは第1の材料からなり、第1の封止部分は、第1の材料とは異なる第2の材料を含むかまたは第2の材料からなる。
【0026】
前述の構成を提供することにより、改良された荷重支持バーが実現される。すなわち、種々の材料を有するカバーを用意することが有利となり得ることが判明している。さらに任意には、第1の材料の硬度が、第2の材料の硬度よりも高くてもよい。さらに具体的には、装着部分の硬度を高くすることにより、結果として荷重支持バーに対する連結が改善され得る一方で、封止部分の硬度がより低いことにより、封止性能が改善され得ることが判明している。例に過ぎないが、装着部分の第1の材料の硬度は、30ショアD~50ショアD、好ましくは35ショアD~45ショアD、およびより好ましくは38ショアD~42ショアDの範囲であってもよく、例えば40ショアDであってもよい。さらに、例に過ぎないが、封止部分の第2の材料の硬度は、60ショアD~80ショアA、好ましくは65ショアD~75ショアA、およびより好ましくは68ショアD~72ショアAの範囲であってもよく、例えば70ショアAであってもよい。ショア硬度は、当業者には周知であり、ポリマー、エラストマー、およびゴムなどの材料の硬度を測定するために使用される。ショア硬度は、有利にはショア硬度計により測定され得るものであり、測定方法は、例えばASTM D2240、ISO868、およびISO7619の規格などに記載されている。本開示の一例の実施形態によれば、少なくとも第1のカバーは、ゴム、ポリマー、もしくはエラストマー、またはそれらの組合せを含み得るか、またはそれらからなり得る。
【0027】
本開示の第2の態様のすべての実施形態が、本開示の第1の態様の実施形態のすべてに対して適用可能であり、またその逆も可能である点に留意されたい。
【0028】
任意には、荷重支持バーは、荷重支持バーの長さ方向に延在する第2のカバーを備えてもよく、第2のカバーは、荷重支持バーに第2のカバーを装着するための第2の装着部分と、外部環境からチャネルを封止するための第2の封止部分と、を備える。第2の装着部分は、第3の材料を含むかまたは第3の材料からなり、第2の封止部分は、第3の材料とは異なる第4の材料を含むかまたは第4の材料からなる。例に過ぎないが、第2の装着部分の第3の材料の硬度は、30ショアD~50ショアD、好ましくは35ショアD~45ショアD、およびより好ましくは38ショアD~42ショアDの範囲であってもよく、例えば40ショアDであってもよい。さらに、例に過ぎないが、第2の封止部分の第3の材料の硬度は、60ショアD~80ショアA、好ましくは65ショアD~75ショアA、およびより好ましくは68ショアD~72ショアAの範囲であってもよく、例えば70ショアAであってもよい。さらに任意には、第1のカバーおよび第2のカバーは、同様の材料で同様に構成されてもよく、すなわち、第1の材料が、第3の材料と同一または同様であってもよく、第2の材料が、第4の材料と同一または同様であってもよい。本明細書において、「同様の」は、同様の硬度特性を有する材料を意味する。さらに、第1の材料の硬度が、第3の材料の硬度と同様であってもよく、第2の材料の硬度が、第4の材料の硬度と同様であってもよい。結果として、本開示の一例の実施形態によれば、第2のカバーが、ゴム、ポリマー、もしくはエラストマー、またはそれらの組合せを含んでもよく、またはそれらからなるものであってもよい。
【0029】
任意には、第1の装着部分および第2の装着部分は、相互に対して非対称であってもよく、好ましくはこの非対称性は、荷重支持バーの幅方向において実現され、幅方向は、長さ方向に対して垂直である。
【0030】
任意には、第1の装着接合部および第2の装着接合部の少なくとも一方が、スナップオン装着部分として構成され得る。スナップオン装着部分をこれらのカバーの少なくとも一方に設けることにより、ユーザにとって荷重支持バーの取付け手順がさらに容易化され得る。さらに、例に過ぎないが、このスナップオン機能が比較的高い剛性の装着部分と組み合わされることにより、カバーと荷重支持バーとの間の連結の頑丈性がさらに改善され、したがって荷重支持バーからのカバーの部分的なまたは完全な脱離が防止される。また、これにより、そのままであれば、取付け中に第1のカバーに沿った取付け部材の摺動または第1のカバーと第2のカバーとの間の摺動をもたらす恐れのあるカバーの側方変位が防止され得る。
【0031】
任意には、第1の装着部分および第2の装着部分の少なくとも一方が、荷重支持バーの長さ方向に延在する溝または突出部分として構成され得る。
【0032】
任意には、第1の装着部分および/または第2の装着部分は、溝として構成されてもよく、この溝は、第1の側壁部と、第1の側壁部に対面する第2の側壁部と、を備え、好ましくは、第2の側壁部は、第1の側壁部から離れるように勾配を付けられる。第2の側壁部にかかる勾配を与えることにより、取付け手順の容易化が達成され、さらに結果として頑丈な連結がもたらされ得る。さらに任意には、第2の側壁部は、第2の側壁部の遠位端部にフック部分を備えてもよく、これにより荷重支持バーに対する連結がさらに改善され得る。
【0033】
任意には、第1の側壁部は、フック部分を備えるフック形状把持部材をさらに備えてもよく、フック形状把持部材は、第1の側壁部の延長部であり、フック部分は、第1の側壁部に対して90度超である角度だけ第1の側壁部から曲げられる。フック部分が荷重支持バーの対向側部分に係入することにより、かかる構成によって連結のさらなる改善が実現され得ることが判明している。
【0034】
任意には、第1のカバーおよび第2のカバーの少なくとも一方が、荷重支持バーの外方隣接表面と実質的に面一である外方封止表面を備え得る。荷重支持バーの平滑な外方表面を用意することにより、荷重支持バーの周囲における空気流が改善され、これにより結果として抗力および/または騒音が軽減され得る。
【0035】
任意には、第1のカバーおよび第2のカバーの少なくとも一方が、チャネルに対面しかつ取付け部材の使用中に取付け部材に対接して封止する内方封止表面を備えてもよく、内方封止表面は、内方表面を備えるカバーと同一側に位置するチャネルの側壁部に向かって勾配を付けられる。少なくとも一方のカバーのかかる構成により、チャネル内に位置する取付け部材の周囲の封止が改善され得る。さらに、これにより、カバーのこの構成によって取付け部材と接触状態になり得るカバーの表面積がより小さくなるため、取付け手順の最中における取付け部材の移動/摺動がさらに容易化され得る。
【0036】
任意には、第1のカバーおよび第2のカバーの少なくとも一方が、少なくとも一方のカバーと少なくとも1つの取付け部材との間における摩擦を低減するための摩擦低減層を備え得る。かかる摩擦低減層により、取付け部材は、チャネル内においてさらに容易に移動され、それによりユーザにとって荷重支持バーの取付け手順が容易化および改善され得る。例えば、この摩擦低減層は、第1のカバーおよび/または第2のカバーの上の追加の材料として提供されてもよい。例に過ぎないが、摩擦低減層の硬度は、40ショアD~60ショアD、好ましくは45ショアD~55ショアDの範囲であってもよく、例えば50ショアDであってもよい。
【0037】
任意には、荷重支持バーは、荷重支持バーの長さ方向に延在する空気流調整パターンを備え得る。このパターンは、荷重支持バーの長さ方向において相互から相対的にオフセットされた少なくとも2つの突起リブ部分を備える。さらに任意には、空気流調整パターンは、第1のカバーおよび第2のカバーの少なくとも一方の上に設けられ得る。
【0038】
その第3の態様によれば、この目的は、ルーフラック荷重支持バーにより実現される。このルーフラック荷重支持バーは、荷重支持バーに荷重支持バー付属品を装着するための少なくとも1つの取付け部材を受けるためのチャネルであって、チャネルが荷重支持バーの長さ方向に少なくとも部分的に延在する、チャネルと、外部環境からチャネルを封止するために長さ方向に延在する少なくとも1つの第1のカバーであって、第1のカバーが装着部分を備え、装着部分が、荷重支持バー上において長さ方向に延在する対応する突出部分に第1のカバーを装着するために長さ方向に延在する溝を備え、この溝が第1の側壁部および第2の側壁部を備える、第1のカバーと、を備える。装着部分は、フック部分を備えるフック形状把持部材をさらに備え、フック形状把持部材は、第1の側壁部の延長部であり、フック部分は、第1の側壁部に対して90度超である角度だけ第1の側壁部から曲げられる。
【0039】
前述の荷重支持バーを提供することにより、少なくとも第1のカバーの連結が改善され得る。より具体的には、フック形状把持部材により、少なくとも第1のカバーが荷重支持バーの使用中に外れてしまう可能性が軽減され得る、より頑丈な連結が実現され得る。すなわち、本明細書において定義されるようなフック部分を有するフック形状把持部材を用意することにより、使用中に少なくとも第1のカバーがその連結状態から外れてしまうのを防止する対抗力が高められ得ることが判明している。さらに具体的には、荷重支持バーが高速で走行中の車両において使用されている場合に、空気流の結果として少なくとも第1のカバーに対して作用する力によって、少なくとも第1のカバーがバーから緩む場合がある。このフック形状把持部材の使用により、望ましくないこの少なくとも1つの第1のカバーの外れ/緩みが回避され得る。
【0040】
本開示の第3の態様のすべての実施形態が、本開示の第1および第2の態様の実施形態のすべてに対して適用可能であり、またその逆も可能である点に留意されたい。
【0041】
任意には、フック部分は、第1の側壁部に対して100度超、110度超、120度超、130度超、140度超、および150度超のいずれかである角度だけ第1の側壁部から曲げられ得る。
【0042】
任意には、フック部分は、溝から外方に曲げられ得る。さらに任意には、フック部分は、溝内へと内方に曲げられ得る。
【0043】
任意には、フック部分は、荷重支持バーに少なくとも1つの第1のカバーをロックするために荷重支持バー上の対応する受け部分内にスナップ嵌めされるように構成され得る。
【0044】
任意には、第1の側壁部は、少なくとも1つの第1のカバーの上方表面から実質的に垂直に外方へと延在し得る。上方表面は、荷重支持バーの高さ方向に関して上方に配向され、この高さ方向は、長さ方向および幅方向に対して垂直である。
【0045】
任意には、第2の側壁部は、第1の側壁部に対面してもよく、第2の側壁部は、第1の側壁部から離れるように勾配を付けられる。
【0046】
任意には、第2の側壁部は、第2の側壁部の外方端部にフック部分を備え得る。
【0047】
その第4の態様によれば、この目的は、ルーフラック荷重支持バーであって、荷重支持バーの長さ方向に延在する空気流調整パターンであって、荷重支持バーの長さ方向において相互から相対的にオフセットされた少なくとも2つの突起リブ部分を備える、空気流調整パターンを備えるルーフラック荷重支持バーにより実現される。この少なくとも2つの突起リブ部分のそれぞれが、使用中における荷重支持バーの進行方向に対して斜めに配置され、荷重支持バーの長さ方向に測定される部分幅をさらに有する。2つの隣接し合う突起リブ部分は、荷重支持バーの長さ方向においてある離間距離だけ分離され、この離間距離は、隣接し合う突起リブ部分の少なくとも一方の部分幅よりも少なくとも2倍大きい。
【0048】
前述の荷重支持バーを提供することにより、荷重支持バーの周囲の空気流が改善され得る、さらにその結果として騒音および/または抗力が低下し得る/改善され得る、改良された荷重支持バーが提供される。
【0049】
本開示の第4の態様のすべての実施形態が、本開示の第1、第2、および第3の態様の実施形態のすべてに対して適用可能であり、またその逆も可能である点に留意されたい。
【0050】
任意には、パターンは、長さ方向において荷重支持バーの長さの少なくとも80%にわたり延在し得る。これにより、荷重支持バーのかなりの長さに沿って改善された空気流が実現され得る。さらに任意には、このパターンは、荷重支持バーの長さ方向において中断され得る。例えば、パターンは、バーの両側から延在し得るが、これらの両側間のあるセクションへは延在しない。例えば、ルーフボックスが荷重支持バーの上に取り付けられる場合には、ルーフボックスがバー上に位置する場所において空気流パターンは不要となり、パターンは、長手方向に見た場合に荷重支持バーのそれぞれの端部部分にのみ配置され得る。この場合に、各端部部分は、荷重支持バーの全長の15%~30%である。しかし、好ましい一実施形態では、パターンは、荷重支持バーの長さの少なくとも80%などの、その長さのかなりの部分にわたり延在する。
【0051】
任意には、パターンは、好ましくは少なくとも10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個の突起リブ部分を有する、荷重支持バーの長さ方向に連続する反復パターンであり得る。
【0052】
任意には、少なくとも2つの突起リブ部分のうちの少なくとも1つが、V字形状リブ部分であってもよく、V字形状の先端部が、進行方向を向く。かかる形状のリブ部分を形成することが、荷重支持バーの周囲における空気流にとって有利となり得ることが判明している。
【0053】
任意には、荷重支持バーは、荷重支持バーに荷重支持バー付属品を装着するため少なくとも1つの取付け部材を受けるためのチャネルをさらに備えてもよく、このチャネルは、荷重支持バーの長さ方向に少なくとも部分的に延在し、パターンは、進行方向に関してチャネルの前方に少なくとも部分的に位置する。本明細書において開示されるような空気流パターンをかかるチャネルの前方に形成することにより、荷重支持バーの周囲における、具体的にはチャネル付近における空気流がさらに改善され得ることが判明している。好ましくは、パターンは、荷重支持バーの押出形成プロセスの最中に形成され得る。本開示の種々の態様のあらゆる実施形態について本明細書において開示されるような荷重支持バーは、好ましくはアルミニウム、または任意の同様の軽量の金属もしくは金属合金で作製され得る。
【0054】
任意には、荷重支持バーは、外部環境からチャネルを封止するために長さ方向に延在する少なくとも1つの第1のカバーをさらに備えてもよく、パターンは、第1のカバー上に位置する。これにより、空気流がさらに改善される場合があり、また荷重支持バーの製造を容易化するために少なくとも第1のカバー上にパターンを設けることが有利であることが判明している。例えば、本明細書において開示されるような少なくとも1つの第1のカバーは、有利には押出成形プロセスで製造され、空気流パターンは、押出成形手順の最中にまたはその直後に少なくとも第1のカバーに形成され得る。
【0055】
任意には、隣接する突起リブ部分のうちの少なくとも1つの部分幅が、0.5ミリメートル(mm)~3ミリメートル(mm)であり、好ましくは0.7mm~2.5mmであり、より好ましくは0.7mm~2mmであり、例えば0.8mm~1.2mmであり得る。
【0056】
パターンが、好ましくは少なくとも10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個の突起リブ部分を有する、荷重支持バーの長さ方向に連続する反復パターンである場合に、複数の隣接し合う突起リブ部分のそれぞれの部分幅は、0.5mm~3mmであり、好ましくは0.7mm~2.5mmであり、さらに好ましくは0.7mm~2mmであり、例えば0.8mm~2mmであり得る。
【0057】
任意には、少なくとも2つの突起リブ部分の少なくとも一方が、0.3mm~2mmの、好ましくは0.5mm~2mmの、例えば0.5mm~1mmのリブ高さを有し得る。
【0058】
パターンが、好ましくは少なくとも10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個の突起リブ部分を有する、荷重支持バーの長さ方向に連続する反復パターンである場合に、複数のリブ部分が、0.3mm~2mmの、好ましくは0.5mm~2mmの、例えば0.5mm~1mmのリブ高さを有し得る。
【0059】
任意には、離間距離は、4mm~25mmであり、より好ましくは10mm~25mmであり、例えば10mm~20mmであり得る。
【0060】
任意には、少なくとも2つの突起リブ部分の少なくとも一方が、少なくとも一方のリブ部分が上に配置された表面とリブ部分の側壁部との間に、少なくとも90度であり、例えば90~120度である角度を有する明確な突起リブ部分として構成され得る。好ましくは、使用中における荷重支持バーの進行方向に対面する少なくとも1つの突起リブ部分の側壁部が、かかる角度を有してもよく、好ましくはこの角度は90度超である。これにより、空気流がさらに改善され得る。さらに任意には、パターンが、好ましくは少なくとも10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個の突起リブ部分を有する、荷重支持バーの長さ方向に連続する反復パターンである場合に、少なくとも10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個の突起リブ部分は、明確な突起リブ部分として構成されてもよく、各リブ部分は、リブ部分が上に配置された表面とリブ部分の側壁部との間に、少なくとも90度であり、例えば90度~120度または90度~140度である角度を有する。
【0061】
任意には、少なくとも1つのリブ部分が上に配置された表面が、実質的に平坦状である。実質的に平坦状の表面の上に明確な突起リブ部分を形成することは、結果として荷重支持バーの空気流を改善することになることが判明している。
【0062】
任意には、離間距離は、隣接し合う突起リブ部分のうちの少なくとも1つの部分幅よりも少なくとも3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍大きくてもよい。隣接し合う突起リブ部分のうちの少なくとも1つまたはそれぞれの部分幅に対して離間距離を比較的大きく設定することにより、荷重支持バーの周囲における空気流がさらに改善され得る。すなわち、抗力および/または騒音がかかる構成により軽減され得ることが判明している。
【0063】
その第5の態様によれば、この目的は、ルーフラック荷重支持バーであって、使用中における荷重支持バーの進行方向に関して前方バー部分および後方バー部分を有する断面プロファイルであって、前方バー部分が前方エッジを有し、後方バー部分が進行方向に関して後方におよび後方バー部分の後方エッジに向かってテーパ状をなすプロファイルを有し、前方エッジが前方バー部分の上方部分から下方部分まで延在する第1の湾曲形状プロファイルを備える、断面プロファイルを備える、ルーフラック荷重支持バーにより実現される。第1の湾曲形状プロファイルおよび後方エッジの少なくとも一方が、第1の明確な角度変化部を有する。
【0064】
前述の荷重支持バーを提供することにより、荷重支持バーの周囲における空気流が改善され得る、改良された荷重支持バーが提供される。すなわち、荷重支持バーの特定の位置に明確な角度変化部を設けることにより、空気流がさらに改善され得ることが判明している。
【0065】
本開示の第5の態様のすべての実施形態が、本開示の第1の、第2の、第3の、および第4の態様の実施形態のすべてに対して適用可能であり、またその逆も可能である点に留意されたい。
【0066】
任意には、第1の湾曲形状プロファイルは、前方エッジの最前部分に第1の明確な角度変化部を有する。この最前部分は、幅および荷重支持バーの使用中における進行方向に関して荷重支持バーの前端に位置する荷重支持バーの部分として定義され得る。
【0067】
任意には、第1の湾曲形状プロファイルは、前方バー部分の上方部分に対する最前部分からのほぼ中間位置に第2の明確な角度変化部をさらに有し得る。
【0068】
任意には、断面プロファイルは、翼形状プロファイルであってもよい。
【0069】
任意には、少なくとも1つの角度変化部が、5度~60度であり、好ましくは10度~30度であり、例えば10度~20度であり得る。
【0070】
以下、添付の図面を参照して、例として挙げられる本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】先行技術による荷重支持バーの断面プロファイルを示す図である。
図2】本発明の一例の実施形態による荷重支持バーの斜視図である。
図3】本発明の一例の実施形態による荷重支持バーの断面図である。
図4】本発明の一例の実施形態による荷重支持バーの一部分の別の断面図である。
図5a】本発明の一例の実施形態による第1のカバーの断面図である。
図5b】本発明の一例の実施形態による第2のカバーの断面図である。
図6】本発明の一例の実施形態による第1のカバーおよび第2のカバーの斜視図である。
図7】本発明の一例の実施形態による空気流パターンの概略図である。
図8】本発明の一例の実施形態による突起リブ部分の概略図である。
図9】取付け部材がチャネル内に配置された、本発明の一例の実施形態による荷重支持バーの一部分の断面図である。
図10】本発明の一例の実施形態による荷重支持バーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
これらの図面は、本発明の実施形態を例示する図であり、したがって必ずしも縮尺通りではない。図示されかつ説明される実施形態は例示的なものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されない点を理解されたい。また、図中のいくつかの詳細が、本発明の説明および図示をより良好に行うために誇張される場合がある点にも留意されたい。同様の参照符号は、別様のことが明示されない限り、説明全体にわたり同様の要素を示す。
【0073】
図1は、先行技術による荷重支持バー1の断面図を示す。荷重支持バー1は、チャネルを備え、このチャネルの開口は、2つのカバー2および3のそれぞれにより覆われる。理解されるように、これらの2つのカバー2および3は、開口を画定するかつ相互に対面する側部表面上に形成されたそれぞれの溝を介して荷重支持バー1に装着され、それによりチャネルを封止する。
【0074】
次に、図2図10を参照して、本発明の例の実施形態をさらに詳細に説明する。図2では、本発明の一例の実施形態による荷重支持バー100の斜視図が示される。荷重支持バー100は、少なくとも1つの取付け部材を受けるためのチャネル101を備え、この取付け部材は、図9において参照符号10として示され、荷重支持バー100に荷重支持バー付属品(図示せず)を装着するためのものである。チャネル101は、荷重支持バー100の長さ方向Lに延在する。さらに、荷重支持バー100は、第1のカバー200および第2のカバー300を備え、これらのカバーは、荷重支持バー100の長さ方向Lに延在し、外部環境からチャネル101を封止するように構成される。第1のカバー200は、チャネル101の第1の側に設けられた第1の装着接合部AIを介して荷重支持バー100に装着され(例えば図4を参照)、第2のカバー300は、チャネル101の第2の側に設けられた第2の装着接合部AIを介して荷重支持バー100に装着される(図4を参照)。チャネル101の第1の側および第2の側は、荷重支持バー100の幅方向wに関して配向されたものである。さらに、例えば図3および図4などで分かるように、第1の装着接合部AIおよび第2の装着接合部AIは、相互に対して非対称である。
【0075】
さらに、図2に示す実施形態では、本発明の第4の態様の一例の実施形態による空気流調整パターン400が示される。この特定の実施形態では、パターン400は、複数のV字形状突起リブ部分を備え、V字形状の先端部は、使用中における荷重支持バーの進行方向Tに配向されそちらを向く。さらに、理解されるように、空気流パターン400は、荷重支持バー100の全長L10の大部分に沿って延在し、さらに第1のカバー200の上に位置する。しかし、パターン400は、荷重支持バー100の表面上に直接的になど他の位置に位置してもよく、しかし好ましくは、進行方向Tに関してチャネル101の前方または付近または上方に位置し得る点に留意されたい。
【0076】
図3では、図2に示すような荷重支持バー100の断面図が示される。ここでは第1のカバー200上に設けられた空気流調整パターン400を見ることが可能である。さらに、非対称の装着接合部AIおよびAIが、図4において拡大図で示される。荷重支持バー100は、高さ方向hおよび幅方向wを有し、この高さ方向h、幅方向w、および長さ方向Lは、相互に対して垂直であり、結果として三次元空間をもたらす。第1のカバー200および第2のカバー300は、外方表面209および309をそれぞれ備え、第2のカバー300の外方表面309は、荷重支持バー100の外方表面105と実質的に面一である。また、第1のカバー200の外方表面209は、外方表面105と実質的に面一である。しかし、空気流パターン400は、外方表面209から延在する。この構成により、より一体的で平滑な設計が実現され、さらにこれにより荷重支持バー100の周囲における空気流の改善がもたらされ得る。
【0077】
図4は、荷重支持バー100のチャネル101、第1のカバー200および第2のカバー300、ならびに非対称の装着接合部AIおよびAIの拡大図を示す。第1の装着接合部AIおよび第2の装着接合部AIは、荷重支持バー100の幅方向wに関して非対称である。さらに、第1のカバー200および第2のカバー300は、相互に別個のパーツであり、荷重支持バー100の使用中にチャネル101を封止するように構成される。具体的には、カバー200および300は、上方に配向されかつ長さ方向Lへと延在するチャネル101の開口を封止する。第1の装着接合部AIおよび第2の装着接合部AIは、それぞれ雌/雄連結部として構成される。この特定の実施形態では、第1のカバー200は、第1の溝201と、荷重支持バー100の長さ方向Lに延在する対応するすなわち合致する第1の突出部分102と、を備える。さらに、第2のカバー300は、荷重支持バー100の長さ方向Lに延在する第2の溝301および対応するすなわち合致する第2の突出部分103を備える。本発明は、このタイプの雌/雄構成に限定されず、逆の雌/雄連結部が使用されてもよい、すなわち例えば荷重支持バー100上に溝をならびにカバー200および300の上に突出部分を設けることなどにより使用されてもよい点に留意されたい。
【0078】
第1の溝201は、第1の側壁部202と、第1の側壁部202に対面する第2の側壁部203と、をさらに備え、第2の側壁部203は、この場合にさらに第1の側壁部202から離れるような勾配を付けられる。この構成により、第1の突出部分102に第1のカバー200を装着するためのスナップオン機能の実現が助長され得る。同様に、第2の溝301は、第1の側壁部302と、第1の側壁部302に対面する第2の側壁部303と、をさらに備え、第2の側壁部303は、同様に第2のカバー300の第1の側壁部302から離れるように勾配を付けられる。
【0079】
また、第1のカバー200の第2の側壁部203は、第2の側壁部203の遠位端部にフック部分204を備える。フック部分204は、第1の溝201に向かって内方に曲げられ、それにより荷重支持バー100に第1のカバー200をロックするためのロック機構を実現する。同様に、第2のカバー300の第2の側壁部303は、第2の側壁部303の遠位端部にフック部分304を同様に備える。フック部分304は、第2の溝301に向かって内方に曲げられ、それにより荷重支持バー100に第2のカバー300をロックするための同様のロック機構を実現する。
【0080】
さらに、この特定の実施形態では、荷重支持バー100に対するカバー200および300のそれぞれの連結のロバスト性をさらに改善するために、さらなるロック機構205および305が第1のカバー200および第2のカバー300のそれぞれの上に設けられる。さらに具体的には、第1のカバー200の第1の側壁部202は、フック部分206を備えるフック形状把持部材205をさらに備える。フック形状把持部材205は、第1のカバー200の第1の側壁部202の延長部であり、フック部分206は、第1の側壁部202に対して90度超の角度だけ第1の側壁部202から曲げられる。この例の実施形態において分かるように、フック部分206は、90度超である角度だけ曲げられる。さらに、フック部分206は、荷重支持バー100に第1のカバー200をロックするために、荷重支持バー100上の対応する受け部分108内にスナップ嵌めされるように構成され、この受け部分108は、フック部分206に対して合致する勾配表面として構成される。この構成により、第1のカバー200のロックの改善が実現される。同様の様式において、第2のカバー300の第1の側壁部302は、フック部分306を備えるフック形状把持部材305をさらに備える。フック形状把持部材305は、第2のカバー300の第1の側壁部302の延長部であり、フック部分306は、第1の側壁部302に対して90度超である角度だけ第1の側壁部302から曲げられる。この例の実施形態において分かるように、フック部分306は、90度超である角度だけ曲げられる。さらに、フック部分306は、荷重支持バー100に第2のカバー300をロックするために、荷重支持バー100上の対応する受け部分109内へとスナップ嵌めされるように構成され、この受け部分109は、フック部分306に対して合致する勾配表面として構成される。この構成により、第2のカバー300に関してもロックの改善が実現される。これらの両フック部分206および306は、第1のカバー200および第2のカバー300のそれぞれの溝201および301に対して外方に曲げられる。しかし、代わりにそれぞれの溝201および301に向かって内方へとフック部分を構成することによっても、同様に改善されたロック機能が実現され得る点に留意されたい。しかし、フック部分206および306を外方へと構成することは、連結の改善をもたらしさらに製造プロセスについても有利となり得る点において、有利であるということが判明している。さらに、第1のカバー200の第1の側壁部202は、第1のカバー200の上方表面213から外へと実質的に垂直に延在する。同様の様式において、第2のカバー300の第1の側壁部302は、第2のカバー300の上方表面313から外へと実質的に垂直に延在する。
【0081】
さらに、この例の実施形態では、第2の溝301および第2の突出部分103は、追加の溝104および突出部分307という構成を備え、この構成は、荷重支持バー100の長さ方向Lに延在する。さらに具体的には、第2の溝301は、第2の溝301の内部に位置する突出部分307を備え、第2の突出部分103は、突出部分103上に位置する合致する溝104を備える。第1の装着接合部AIの第1の溝201および第1の突出部分102は、かような追加の溝/突出部構成を有さないことにより、結果として第1の装着接合部AIおよび第2の装着接合部AIは、相互に非対称となる。しかし、この非対称性は、本発明の範囲から逸脱することなく多数の様々な様式で実現されてもよい点を理解されたい。例えば、追加の溝/突出部分が、第1のカバー200上に同様に位置することが可能である。さらに、逆の溝/突出部分構成を利用することも可能である。
【0082】
さらに、第1のカバー200は、チャネル101に対面する内方封止表面210を備え、第1のカバー200の内方封止表面210は、第1のカバー200と同一の側に位置するチャネル101の側壁部106に向かって勾配を付けられる。同様に、第2のカバー300は、チャネル101に対面する内方封止表面310を備え、第2のカバー300の内方封止表面310は、第2のカバー300と同一の側に位置するチャネル101の側壁部107に向かって勾配を付けられる。それにより、図9に見られるような取付け部材10は、チャネル101に対する良好な封止性能を依然としてもたらしつつ、チャネル101の長さ方向Lへの移動/変位がさらに容易になり得る。
【0083】
次に図5aおよび図5bを参照すると、荷重支持バー100から分離された場合の第1のカバー200および第2のカバー300を見ることが可能であり、図5bでは第1のカバー200が、図5aでは第2のカバー300が示される。第1のカバー200は、図9に示すように第1のカバー200と少なくとも1つの取付け部材10との間の摩擦を低減させるための摩擦低減層208を備える。同様に、第2のカバー300は、図9に示すように第2のカバー300と少なくとも1つの取付け部材10との間の摩擦を低減させるための摩擦低減層308を備える。摩擦低減層208および308は、例えば第1のカバー200および第2のカバー300の封止部分212および312上のコーティングとして形成され得る。さらに、摩擦低減層は、封止部分212、312上に熱処理および/または化学処理などの処理を施すことにより形成され得る。例に過ぎないが、摩擦低減層208および/または308は、0.05mm~0.2mmの厚さであってもよく、例えば0.1mmであってもよい。さらに具体的には、この例の実施形態において、第1のカバー200は、装着部分211と、外部環境からチャネル101を封止するための封止部分212と、を備え、装着部分211は、第1の材料を含むかまたは第1の材料からなり、封止部分212は、第1の材料とは異なる第2の材料を含むかまたは第2の材料からなる。この場合に、第1の材料の硬度は、第2の材料の硬度よりも高い。同様に、第2のカバー300は、装着部分311と、外部環境からチャネル101を封止するための封止部分312と、を備え、装着部分311は、第3の材料を含むかまたは第3の材料からなり、封止部分312は、第3の材料とは異なる第4の材料を含むかまたは第4の材料からなる。さらに、この場合に、第3の材料の硬度は、第4の材料の硬度よりも高い。すなわち、封止部分と装着部分との間の材料、および特に硬度を異なるものにすることが有利となり得ることが判明している。例えば、装着部分211および311は、連結が改善され得る点でより高い剛性を持つことが有利となり得る。さらに、封止部分212および312は、比較的低い剛性を持つことが有利となり、これによりとりわけチャネル101内に取付け部材10が存在する場合の封止性能が改善され得る。
【0084】
図6では、第1のカバー200および第2のカバー300が示され、本発明の一例の実施形態による空気流パターン400のさらに詳細な図を見ることが可能である。この例では、空気流パターン400は、第1のカバー200上に配置され、反復パターンとして長さ方向Lに延在するV字形状突起リブ部分406~408により構成される。これらのV字形状突起リブ部分406~408の先端部は、使用中における荷重支持バー100の進行方向Tへと配向されかつ向けられる。この実施形態では、パターン400は、荷重支持バー100の全長L10に沿って延在する。
【0085】
図7および図8では、空気流パターン400およびその突起リブ部分のさらに詳細な図を見ることが可能である。種々のタイプの突起リブ部分、すなわちV字形状突起リブ部分406~408および409~411と、進行方向Tに対して斜めに配向された直線状I字形状リブ部分401、402、および404と、が示される。図7の図では、V字形状突起リブ部分および直線状リブ部分の組合せを有する反復パターン400が示される。代替的な実施形態では、V字形状部分または直線状I字形状部分などの1つのみのタイプのリブ部分が使用される。例に過ぎないが、突起リブ部分のいずれか1つまたはそれぞれが、進行方向Tに対して10度~50度の角度で斜めに配置されてもよく、好ましくは20度~50度または30度~50度の角度で、例えば45度の角度で斜めに配置されてもよい。
【0086】
空気流調整パターン400は、荷重支持バー100の長さ方向Lに延在し、パターン400は、荷重支持バー100の長さ方向Lにおいて相互から相対的にオフセットされた複数の突起リブ部分401、402、404、406~408、および409~410を備え、少なくとも2つの突起リブ部分のそれぞれが、使用中における荷重支持バー100の進行方向Tに対して斜めに配置される。さらに、各リブ部分が、荷重支持バー100の長さ方向Lにおいて測定される部分幅d1を有し、例えば401および402ならびに406および407などの2つの隣接し合う突起リブ部分が、荷重支持バー100の長さ方向Lにおいて離間距離LおよびLだけ分離される。離間距離Lは、突起リブ部分401の部分幅d1よりも少なくとも2倍大きく、離間距離Lは、突起リブ部分406の部分幅d1よりも少なくとも2倍大きい。隣接し合う突起リブ部分の少なくとも一方の部分幅d1は、0.5mm~3mmであり、好ましくは0.7mm~2.5mmであり、さらに好ましくは0.7mm~2mmであり、例えば0.8mm~1.2mmである。
【0087】
図8では、突起リブ部分401が側方から図示される。リブ部分401は、0.3ミリメートル~2ミリメートルのリブ高さを有してもよく、好ましくは0.5mm~2mmであり、例えば0.5mm~1mmのリブ高さを有し得る。さらに、このリブ部分は、少なくとも1つのリブ部分401が上に配置された表面214とリブ部分の側壁部403との間に、90度超であり、例えば90度~120度または90度~140度などである角度αを有する明確な突起リブ部分として構成されることが分かり得る。この例では、表面403は、進行方向Tに関してリブ部分の前方に配向される。リブ部分の側部表面のいずれか1つが、同様の様式で構成されてもよく、これにより少なくとも1つのリブ部分が上に配置された表面214に関してみた場合に明確なリブ部分が形成され得る。
【0088】
図9では、この実施形態ではねじである取付け部材10がチャネル101内に配置された場合の荷重支持バー100が示される。ねじは、チャネル101内に配置されたねじヘッドを備える。したがって、チャネル101は、T字形状チャネルまたは代替的にはT字トラックとみなすことができる。ねじ10は、ルーフボックス、バイクキャリア、または荷重支持バー上に取付け可能な他のものなどの荷重支持バー付属品を装着するために使用され得る。
【0089】
さらに、有利には、本明細書において示されるような荷重支持バー100は、ルーフバスケット、または車両上に、好ましくは車両のルーフ上に設けられるように意図された任意の他の荷重支持構成物に取り付けられ得るか、またはそれと一体化され得る点に留意されたい。
【0090】
図10は、本発明の一例の実施形態による荷重支持バー100の別の断面図を示す。荷重支持バー100は、使用中の荷重支持バー100の進行方向Tに関する前方バー部分109および後方バー部分110を有する断面プロファイルを備える。前方バー部分109は、前方エッジ111を有し、後方バー部分110は、進行方向Tに関して後方におよび後方バー部分110の後方エッジ113に向かってテーパ状をなすプロファイル112を有する。前方エッジ111は、前方バー部分109の上方部分115から下方部分116まで延在する第1の湾曲形状プロファイル114を備える。この場合に、上方部分115は、カバー200および300を除いては、高さ方向hに関する荷重支持バー100の最上部分であり、下方部分116は、この場合に、高さ方向hに関する荷重支持バー100の最下部分である。第1の湾曲形状プロファイル114は、前方エッジ111の最前部分に第1の明確な角度変化部117を有する。さらに、第1の湾曲形状プロファイル114は、前方バー部分109の上方部分115に対する最前部分117からのほぼ中間位置に第2の明確な角度変化部118を有する。一例の実施形態では、第1の角度変化部117と第2の角度変化部118との間の距離は、5mm~25mmであり、例えば10mm~20mmまたは15mm~20mmである。さらに理解され得るように、この断面プロファイルは、この場合に、翼形状プロファイルである。したがって、荷重支持バー100の幅は、荷重支持バー100の高さよりも少なくとも2倍大きく、例えば少なくとも2.5倍または3倍大きい。この場合に、明確な角度変化部117、118、および119は、5度~60度であり、さらに特定的には10度~30度である。この場合に、これらの角度は、参照符号α、α、およびαによりそれぞれ示される。例に過ぎないが、αは、10度~30度であってもよく、αは、5度~30度であってもよく、例えば5度~20度であってもよく、αは、10度~60度であってもよく、例えば30度~60度であってもよい。理解されるように、本明細書においては、明確な角度変化部は、エッジが外方プロファイル上に存在するようにバーのプロファイルの外形が中断されることを意味する。エッジは、鋭角であってもよいが、より平滑な形状のエッジであってもよい。この明確な角度変化部は、断面図においてみた場合に荷重支持バー100の周囲に延在する別様の平滑連続表面の中断部である。さらに、本発明の一例の実施形態によれば、明確な角度変化部は、荷重支持バー100の周囲プロファイルに倣うように角度設定される。換言すれば、明確な角度変化部は、この周囲プロファイルの方向に倣い、この周囲プロファイルから著しく逸脱するような方向転換をしない。したがって、この明確な角度変化部は、荷重支持バーのプロファイルの中心点に向かって内方に角度設定される。対照的に、例えば膨出部分は、周囲プロファイルの中心点に対して外方に角度設定された少なくとも2つの角度変化部を必要とする。
【0091】
本発明は、本明細書において説明される実施形態に限定されない。他の実施形態および本明細書において明示される実施形態に対する修正形態が、特許請求の範囲内においてさらに可能であることが、当業者には明らかであろう。
【0092】
次に、第2の態様から第5の態様による荷重支持バー100の可能な特徴および特徴の組合せを、項構成で開示する。これらは、本願の開示の一部を構成する。
【0093】
第2の態様による荷重支持バー。
【0094】
1.ルーフラック荷重支持バー(100)であって、
前記荷重支持バー(100)に荷重支持バー付属品を装着するための少なくとも1つの取付け部材(10)を受けるためのチャネル(101)であって、前記チャネル(101)は、前記荷重支持バー(100)の長さ方向(L)に少なくとも部分的に延在する、チャネル(101)と、
前記荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)に延在する少なくとも1つの第1のカバー(200)であって、前記荷重支持バー(100)に前記第1のカバー(200)を装着するための第1の装着部分(211)および外部環境から前記チャネル(101)を封止するための第1の封止部分(212)を備える、第1のカバー(200)と、
を備える、ルーフラック荷重支持バー(100)において、
前記第1の装着部分(211)は、第1の材料を含むかまたは第1の材料からなり、前記第1の封止部分(212)は、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含むかまたは第2の材料からなることを特徴とする、ルーフラック荷重支持バー(100)。
【0095】
2.前記第1の材料の硬度が、前記第2の材料の硬度よりも高い、項1に記載の荷重支持バー(100)。
【0096】
3.前記荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)に延在する第2のカバー(300)をさらに備え、前記第2のカバー(300)は、前記荷重支持バー(100)に前記第2のカバー(300)を装着するための第2の装着部分(311)と、外部環境から前記チャネル(101)を封止するための第2の封止部分(312)と、を備え、前記第2の装着部分(311)は、第3の材料を含むかまたは第3の材料からなり、前記第2の封止部分(312)は、前記第3の材料とは異なる第4の材料を含むかまたは第4の材料からなる、項1または2に記載の荷重支持バー(100)。
【0097】
4.前記第3の材料の硬度が、前記第4の硬度よりも高い、項3に記載の荷重支持バー(100)。
【0098】
5.前記第1の装着部分(211)および前記第2の装着部分(311)は、相互に非対称であり、好ましくは前記非対称性は、前記荷重支持バー(100)の幅方向(w)におけるものであり、前記幅方向(w)は、前記長さ方向(L)に対して垂直である、項3または4に記載の荷重支持バー(100)。
【0099】
6.前記第1の装着部分(211)および前記第2の装着部分(311)の少なくとも一方が、スナップオン装着部分として構成される、項1から5のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0100】
7.前記第1の装着部分(211)および前記第2の装着部分(311)の少なくとも一方が、前記荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)に延在する溝(201、301)または突出部分として構成される、項1から6のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0101】
8.前記第1の装着部分(211)および/または前記第2の装着部分(311)が溝(201、301)として構成される場合に、前記溝(201、301)は、第1の側壁部(202、302)および前記第1の側壁部(202、302)に対面する第2の側壁部(203、303)を備え、好ましくは前記第2の側壁部(203、303)は、前記第1の側壁部(202、302)から離れるように勾配を付けられる、項7に記載の支持バー(100)。
【0102】
9.前記第2の側壁部(203、303)は、前記第2の側壁部(203、303)の遠位端部にフック部分(204、304)を備える、項8に記載の荷重支持バー(100)。
【0103】
10.前記第1の側壁部(202、302)は、フック部分(206、306)を備えるフック形状把持部材(205、305)をさらに備え、前記フック形状把持部材(205、305)は、前記第1の側壁部(202、302)の延長部であり、前記フック部分(206、306)は、前記第1の側壁部(202、302)に対して90度超である角度だけ前記第1の側壁部(202、302)から曲げられる、項8または9に記載の荷重支持バー(100)。
【0104】
11.前記第1のカバー(200)および前記第2のカバー(300)の少なくとも一方が、前記荷重支持バー(100)の外方隣接表面(105)と実質的に面一である外方封止表面(209、309)を備える、項1から10のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0105】
12.前記第1のカバー(200)および前記第2のカバー(300)の少なくとも一方が、前記チャネル(101)に対面する内方表面(210、310)を備え、前記内方表面(210、310)は、前記内方表面(210、310)を備える前記カバー(200、300)と同一側に位置する前記チャネル(101)の側壁部(106、107)に向かって勾配を付けられる、項1から11のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0106】
13.前記第1のカバー(200)および前記第2のカバー(300)の少なくとも一方が、前記少なくとも一方のカバー(200、300)と前記少なくとも1つの取付け部材(10)との間の摩擦を低減させるための摩擦低減層(208、308)を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0107】
14.前記第1のカバー(200)は、前記荷重支持バー(100)の長さ方向(L)に延在する空気流調整パターン(400)を備え、前記パターン(400)は、前記荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)において相互から相対的にオフセットされた少なくとも2つの突起リブ部分(401、402)を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0108】
第3の態様による荷重支持バー。
【0109】
1.ルーフラック荷重支持バー(100)であって、
前記荷重支持バー(100)に荷重支持バー付属品を装着するための少なくとも1つの取付け部材(10)を受けるためのチャネル(101)であって、前記荷重支持バー(100)の長さ方向(L)に少なくとも部分的に延在する、チャネル(101)と、
外部環境から前記チャネル(101)を封止するために前記長さ方向(L)に延在する少なくとも1つの第1のカバー(200)であって、前記第1のカバー(200)は、装着部分(211)を備え、前記装着部分(211)は、前記荷重支持バー(100)上において前記長さ方向(L)に延在する対応する突出部分(102)に前記第1のカバー(200)を装着するために前記長さ方向(L)に延在する溝(201)を備え、前記溝(201)は、第1の側壁部(202)および第2の側壁部(203)を備える、第1のカバー(200)と、
を備える、ルーフラック荷重支持バー(100)において、
前記装着部分(211)は、フック部分(206)を備えるフック形状把持部材(205)をさらに備え、前記フック形状把持部材(205)は、前記第1の側壁部の延長部であり、前記フック部分(206)は、前記第1の側壁部(202)に対して90度超である角度だけ前記第1の側壁部(202)から曲げられることを特徴とする、ルーフラック荷重支持バー(100)。
【0110】
2.前記フック部分(206)は、前記第1の側壁部(202)に対して100度超、110度超、120度超、130度超、140度超、および150度超のいずれかである角度だけ前記第1の側壁部(202)から曲げられる、項1に記載の荷重支持バー(100)。
【0111】
3.前記フック部分(206)は、前記溝(201)から外方に曲げられる、項1または2に記載の荷重支持バー(100)。
【0112】
4.前記フック部分は、前記溝内へと内方に曲げられる、項1または2に記載の荷重支持バー(100)。
【0113】
5.前記フック部分(206)は、前記荷重支持バー(100)に前記少なくとも1つの第1のカバー(200)をロックするために前記荷重支持バー(100)上の対応する受け部分(108)内へとスナップ嵌めされるように構成される、項1から4のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0114】
6.前記第1の側壁部(202)は、前記少なくとも1つの第1のカバー(200)の上方表面(213)から実質的に垂直に外に延在する、項1から5のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0115】
7.前記第2の側壁部(203)は、前記第1の側壁部(202)に対面し、前記第2の側壁部(203)は、前記第1の側壁部(202)から離れるように勾配を付けられる、項1から6のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0116】
8.前記第2の側壁部(203)は、前記第2の側壁部(203)の外方端部にフック部分(204)を備える、項1から7のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0117】
第4の態様による荷重支持バー。
【0118】
1.ルーフラック荷重支持バー(100)であって、
前記荷重支持バー(100)の長さ方向(L)に延在する空気流調整パターン(400)であって、前記パターン(400)は、前記荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)において相互から相対的にオフセットされた少なくとも2つの突起リブ部分(401、402)を備え、前記少なくとも2つの突起リブ部分(401、402)のそれぞれは、使用中における前記荷重支持バー(100)の進行方向(T)に対して斜めに配置され、前記荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)において測定される部分幅(d1)をさらに有し、2つの隣接し合う突起リブ部分(401、402)が、前記荷重支持バー(100)の前記長さ方向(L)において離間距離(L)だけ分離される、空気流調整パターン(400)
を備える、ルーフラック荷重支持バー(100)において、
前記離間距離(L)は、前記隣接し合う突起リブ部分(401、402)の少なくとも一方の前記部分幅(d1)よりも少なくとも2倍大きいことを特徴とする、ルーフラック荷重支持バー(100)。
【0119】
2.前記パターン(400)は、前記長さ方向(L)において荷重支持バー長さ(L10)の少なくとも80%にわたり延在する、項1に記載の荷重支持バー(100)。
【0120】
3.前記パターン(400)は、好ましくは少なくとも10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個の突起リブ部分(401、402)を有する、前記長さ方向(L)に連続する反復パターンである、項1または2に記載の荷重支持バー(100)。
【0121】
4.前記少なくとも2つの突起リブ部分(406、407、408、409、410、411)のうちの少なくとも1つが、V字形状リブ部分であり、前記V字形状の先端部が、前記進行方向(T)を向く、項1から3のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0122】
5.前記荷重支持バー(100)に荷重支持バー付属品を装着するための少なくとも1つの取付け部材(10)を受けるためのチャネル(101)をさらに備え、前記チャネル(101)は、前記荷重支持バー(100)の長さ方向(L)に少なくとも部分的に延在し、前記パターン(400)は、前記進行方向(T)に関して前記チャネル(101)の前方に少なくとも部分的に位置する、項1から4のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0123】
6.前記荷重支持バー(100)は、外部環境から前記チャネル(101)を封止するために、前記長さ方向(L)に延在する少なくとも1つの第1のカバー(200)をさらに備え、前記パターン(400)は、前記第1のカバー(200)上に位置する、請求項5に記載の荷重支持バー(100)。
【0124】
7.前記隣接する突起リブ部分のうちの少なくとも1つの前記部分幅(d1)は、0.5ミリメートル(mm)~3ミリメートル(mm)であり、好ましくは0.7mm~2.5mmであり、より好ましくは0.7mm~2mmであり、例えば0.8mm~1.2mmである、項1から6のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0125】
8.前記少なくとも2つのリブ部分(401、402)の少なくとも一方が、0.3mm~2mmの、好ましくは0.5mm~2mmの、例えば0.5mm~1mmのリブ高さを有する、項1から7のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0126】
9.前記少なくとも2つのリブ部分(401、402)の少なくとも一方が、前記少なくとも一方のリブ部分(401、402)が上に配置された表面(214)と前記リブ部分の側壁部(403)との間に、少なくとも90度であり、例えば90度~120度または90~140度である角度(α1)を有する明確な突起リブ部分として構成される、項1から8のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0127】
第5の態様による荷重支持バー。
【0128】
1.ルーフラック荷重支持バー(100)であって、
使用中における前記荷重支持バー(100)の進行方向(T)に関して前方バー部分(109)および後方バー部分(110)を有する断面プロファイルであって、前記前方バー部分(109)は、前方エッジ(111)を有し、前記後方バー部分(110)は、前記進行方向(T)に関して後方におよび前記後方バー部分(110)の後方エッジ(113)に向かってテーパ状をなすプロファイル(112)を有し、前記前方エッジ(111)は、前記前方バー部分(109)の上方部分(115)から下方部分(116)まで延在する第1の湾曲形状プロファイル(114)を備える、断面プロファイル
を備える、ルーフラック荷重支持バー(100)において、
前記第1の湾曲形状プロファイル(114)および前記後方エッジ(113)の少なくとも一方が、第1の明確な角度変化部(117、118、119)を有することを特徴とする、ルーフラック荷重支持バー(100)。
【0129】
2.前記第1の湾曲形状プロファイル(114)は、前記前方エッジ(111)の最前部分に前記第1の明確な角度変化部(117)を有する、項1に記載の荷重支持バー(100)。
【0130】
3.前記第1の湾曲形状プロファイル(114)は、前記前方バー部分(109)の前記上方部分(115)に対する前記最前部分からのほぼ中間位置に第2の明確な角度変化部(118)をさらに有する、項2に記載の荷重支持バー(100)。
【0131】
4.前記断面プロファイルは、翼形状プロファイルである、項1から3のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【0132】
5.前記少なくとも1つの角度変化部は、5度~60度であり、好ましくは10度~30度であり、例えば10度~20度である、項1から4のいずれか一項に記載の荷重支持バー(100)。
【符号の説明】
【0133】
1 荷重支持バー
2 カバー
3 カバー
10 取付け部材、ねじ
100 ルーフラック荷重支持バー、荷重支持バー
101 チャネル
102 第1の突出部分
103 第2の突出部分
104 溝
105 外方表面、外方隣接表面
106 側壁部
107 側壁部
108 受け部分
109 受け部分、前方バー部分
110 後方バー部分
111 前方エッジ
112 プロファイル
113 後方エッジ
114 第1の湾曲形状プロファイル
115 上方部分
116 下方部分
117 第1の明確な角度変化部、最前部分
118 第2の明確な角度変化部
119 明確な角度変化部
200 第1のカバー
201 第1の溝
202 第1の側壁部
203 第2の側壁部
204 フック部分
205 ロック機構、フック形状把持部材
206 フック部分
208 摩擦低減層
209 外方表面、外方封止表面
210 内方表面、内方封止表面
211 第1の装着部分
212 第1の封止部分
213 上方表面
214 表面
300 第2のカバー
301 第2の溝
302 第1の側壁部
303 第2の側壁部
304 フック部分
305 ロック機構、フック形状把持部材
306 フック部分
307 突出部分、突出部分構成
308 摩擦低減層
309 外方表面、外方封止表面
310 内方封止表面
311 第2の装着部分
312 第2の封止部分
313 上方表面
400 空気流調整パターン、空気流パターン、パターン、反復パターン
401 直線状I字形状リブ部分、突起リブ部分
402 直線状I字形状リブ部分、突起リブ部分
403 側壁部、表面
404 直線状I字形状リブ部分、突起リブ部分
406 V字形状突起リブ部分、突起リブ部分
407 V字形状突起リブ部分、突起リブ部分
408 V字形状突起リブ部分、突起リブ部分
409 V字形状突起リブ部分、突起リブ部分
410 V字形状突起リブ部分、突起リブ部分
411 V字形状突起リブ部分、突起リブ部分
AI 第1の装着接合部
AI 第2の装着接合部
d1 部分幅
h 高さ方向
L 長さ方向
離間距離
離間距離
10 荷重支持バーの全長、荷重支持バー長さ
T 進行方向
w 幅方向
α1、α、α、α 角度
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10