(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】霧化発生器及びそれを含む衣類処理設備
(51)【国際特許分類】
D06F 39/00 20200101AFI20221018BHJP
【FI】
D06F39/00 Z
(21)【出願番号】P 2021542333
(86)(22)【出願日】2020-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2020070458
(87)【国際公開番号】W WO2020151485
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】201910060553.9
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910165475.9
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910165012.2
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】520198579
【氏名又は名称】ハイアール・スマート・ホーム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】許 昇
(72)【発明者】
【氏名】趙 志強
(72)【発明者】
【氏名】王 得軍
(72)【発明者】
【氏名】荘 中凱
(72)【発明者】
【氏名】孫 広彬
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-202225(JP,A)
【文献】中国実用新案第208032903(CN,U)
【文献】特表2018-534048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
霧化発生器は、ハウジングを含み、前記ハウジング内には、前記ハウジングを互いに連通する霧化チャンバーと取付けチャンバーに分割する仕切り板が設けられ、前記霧化チャンバーは、液体を収容することができ、前記ハウジングには、前記霧化チャンバーに連通される送風口、給液口、及び噴霧口が設けられ、前記霧化発生器はさらに、前記霧化チャンバー内における液体を霧化させることができる霧化素子を含み、前記取付けチャンバーには、制御ラインを通じて前記霧化素子に接続されて前記霧化素子の起動と停止を制御するコントローラーが設けら
れ、
前記送風口は、前記ハウジングの前記取付けチャンバーに対応するところに設置され、前記送風口と前記噴霧口との間に、前記コントローラーの一部を流れる気流通路が形成され、
前記ハウジングは、筐体と蓋体とを含み、前記仕切り板は、前記筐体内に設置され、且つ、前記コントローラーに対応して設置される切欠を有する、或いは、前記ハウジング内にはさらに、連通チャンバーが設けられ、前記霧化チャンバーは、第1の連通孔を通じて前記連通チャンバーに連通され、前記噴霧口は、第2の連通孔を通じて前記連通チャンバーに連通される、
ことを特徴とする霧化発生器。
【請求項2】
前記霧化素子は超音波霧化シートであり、前記ハウジングの底部に透水孔が開設され、前記超音波霧化シートは、霧化シートブラケットにより前記ハウジングの外部の前記透水孔に対応するところに固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の霧化発生器。
【請求項3】
前記霧化シートブラケットにはさらに、前記超音波霧化シートを駆動するための駆動回路板が取り付けられ、前記取付けチャンバーの底面に通過穴が設けられ、前記制御ラインは、一端が前記駆動回路板に接続され、他端が前記通過穴を通して前記コントローラーに接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の霧化発生器。
【請求項4】
前記
蓋体には、風よけが下向きに延設され、前記風よけは、前記霧化チャンバー内まで延ばされるとともに、前記切欠に対応して設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の霧化発生器。
【請求項5】
前記
送風口と前記コントローラーとの間に、吸風口が前記送風口に対応して設置され、吹出口が前記仕切り板に向けて設置されるファンが設けられ、前記コントローラーは前記ファンに接続されて、前記ファンの起動と停止を制御する、ことを特徴とする請求項
1に記載の霧化発生器。
【請求項6】
前記
噴霧口は前記ハウジングの底面に設置され、前記霧化発生器はさらに、接続チューブを含み、前記噴霧口は前記接続チューブを通じて前記第2の連通孔に連通され、及び/又は、前記連通チャンバー内にはさらに、前記第1の連通孔及び/又は前記第2の連通孔を密封できるように設置される弁機構が設けられ、前記コントローラーは前記弁機構に接続されて、前記弁機構の開閉を制御する、ことを特徴とする請求項
1に記載の霧化発生器。
【請求項7】
ケース及び前記ケース内に設置される洗濯バケツと制御ユニットが含まれる衣類処理設備であって、前記衣類処理設備はさらに、請求項1~6のいずれか一項に記載の霧化発生器が含まれ、前記給液口は、給液チューブを通じて水源に連通され、前記噴霧口は、噴霧チューブを通じて前記洗濯バケツに連通され、前記コントローラーは、ケーブルを通じて前記制御ユニットに接続される、ことを特徴とする
衣類処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類処理の技術分野に関するもので、具体的には霧化発生器及びそれを含む衣類処理設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展と生活水準の向上に伴い、家庭電器の機能もますます多くなっている。洗濯機を例にすると、現在の洗濯機の多くは同時に蒸気洗浄機能(又はエアウォッシュという)を有し、蒸気洗浄機能は霧化発生器によって実現され、霧化発生器における霧化素子は液体を蒸気に霧化させてから、霧化チューブを通じて蒸気を洗濯バケツ内へ噴射してバケツ内における衣類を処理することにより、しわの除去や異臭の除去などの衣類の手入れが実現されるようになる。
【0003】
一般に、霧化発生器は筐体を含み、筐体には送風口、給液口、及び噴霧口が設けられ、筐体内には霧化素子のみが設けられ、そして、霧化素子を制御するための回路板は、洗濯機内に設置され、洗濯機の制御ユニットと集積されるか、制御ボックスを共有する。このように設置することにより、霧化発生器の構造が簡素化されるが、洗濯機の組み立てと生産には非常に不利であり、洗濯機を組み立てるときに、霧化発生器と回路板を別々に取り付けてから、さらに信号線でそれらを一緒に組み立てる必要があり、生産効率や歩留まりが大幅に低下されるようになる。
【0004】
したがって、上記の課題を解決するために、本分野では新しい霧化発生器が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
従来技術における上記課題を解決するために、すなわち、従来の霧化発生器の集積度が低いことによる衣類処理設備の生産効率が低下するという課題を解決するために、本発明は、ハウジングを含む霧化発生器が提供され、前記ハウジング内には、前記ハウジングを互いに連通する霧化チャンバーと取付けチャンバーに分割する仕切り板が設けられ、前記霧化チャンバーは、液体を収容することができ、前記ハウジングには、前記霧化チャンバーに連通される送風口、給液口、及び噴霧口が設けられ、前記霧化発生器はさらに、前記霧化チャンバー内における液体を霧化させることができる霧化素子を含み、前記取付けチャンバーには、制御ラインを通じて前記霧化素子に接続されて前記霧化素子の起動と停止を制御するコントローラーが設けられる。
【0006】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記ハウジングの底部に透水孔が開設され、霧化シートは、霧化シートブラケットにより前記ハウジングの外部の前記透水孔に対応するところに固定される。
【0007】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記霧化素子は超音波霧化シートであり、前記霧化シートブラケットにはさらに、前記超音波霧化シートを駆動するための駆動回路板が取り付けられ、前記取付けチャンバーの底面に通過穴が設けられ、前記制御ラインは、一端が前記駆動回路板に接続され、他端が前記通過穴を通して前記コントローラーに接続される。
【0008】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記送風口は、前記ハウジングの前記取付けチャンバーに対応するところに設置され、前記送風口と前記噴霧口との間に、前記コントローラーの一部を流れる気流通路が形成される。
【0009】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記ハウジングは、筐体と蓋体とを含み、前記仕切り板は、前記筐体内に設置され、且つ、前記コントローラーに対応して設置される切欠を有する。
【0010】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記蓋体には、風よけが下向きに延設され、前記風よけは、前記霧化チャンバー内まで延ばされるとともに、前記切欠に対応して設置される。
【0011】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記送風口と前記コントローラーとの間に、吸風口が前記送風口に対応して設置され、吹出口が前記仕切り板に向けて設置されるファンが設けられ、前記コントローラーは前記ファンに接続されて、前記ファンの起動と停止を制御する。
【0012】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記ハウジング内にはさらに、連通チャンバーが設けられ、前記霧化チャンバーは、第1の連通孔を通じて前記連通チャンバーに連通され、前記噴霧口は、第2の連通孔を通じて前記連通チャンバーに連通される。
【0013】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記噴霧口は前記ハウジングの底面に設置され、前記霧化発生器はさらに、接続チューブを含み、前記噴霧口は前記接続チューブを通じて前記第2の連通孔に連通され、及び/又は、前記連通チャンバー内にはさらに、前記第1の連通孔及び/又は前記第2の連通孔を密封できるように設置される弁機構が設けられ、前記コントローラーは前記弁機構に接続されて、前記弁機構の開閉を制御する。
【0014】
本発明はさらに、ケース及び前記ケース内に設置される洗濯バケツと制御ユニットが含まれる衣類処理設備が提供され、前記衣類処理設備はさらに、上記好ましい技術案のいずれか一項に記載の霧化発生器が含まれ、前記給液口は、給液チューブを通じて水源に連通され、前記噴霧口は、噴霧チューブを通じて前記洗濯バケツに連通され、前記コントローラーは、ケーブルを通じて前記制御ユニットに接続される。
【0015】
当業者は、本発明の好ましい技術案において、霧化発生器は、ハウジングが含まれ、ハウジング内には、ハウジングを互いに連通する霧化チャンバーと取付けチャンバーに分割する仕切り板が設けられ、霧化チャンバーは、液体を収容することができ、ハウジングには、霧化チャンバーに連通される送風口、給液口、及び噴霧口が設けられ、霧化発生器はさらに、霧化チャンバー内における液体を霧化させることができる霧化素子を含み、取付けチャンバーには、制御ラインを通じて霧化素子に接続されて霧化素子の起動と停止を制御するコントローラーが設けられる、と理解できる。
【0016】
上記のように設置することにより、本発明は、霧化発生器の集積度を大幅に向上させ、それによって、衣類処理設備の組み立ての難易度が軽減され、組み立てと生産が便利になり、組み立て効率と歩留まりが高められるようになる。具体的には、ハウジングにおいてハウジングを霧化チャンバーと取付けチャンバーに分割する仕切り板を設置するとともに、取付けチャンバーにおいて霧化素子に接続されるコントローラーを設置することにより、本発明の霧化発生器は、工場から出荷されたときに、すでにコントローラーと霧化素子が組み立てられており、霧化発生器を取り付けるとき、コントローラーと衣類処理設備の制御ユニットを接続するだけでよいので、組み立ての流れが大幅に簡素化されるようになる。
【0017】
さらに、送風口は、ハウジングの取付けチャンバーに対応するところに設置され、送風口と噴霧口との間に、コントローラーの一部を流れる気流通路が形成されるという設置方式にすることにより、外気が送風口から筐体に入った後、コントローラーの熱の一部を取り除き、コントローラーを効果的に放熱させることができ、コントローラーの確実性と作動寿命が大幅に向上されるようになる。
【0018】
本発明はさらに、ハウジングを含む霧化発生器が提供され、前記ハウジング内には、霧化チャンバーが設けられ、前記霧化チャンバー内に、液体を霧化させることができる霧化素子が設けられ、前記ハウジングには、前記霧化チャンバーに連通される送風口、給液口、及び噴霧口が設けられ、前記ハウジング内にはさらに、前記霧化チャンバーと互いに独立した連通チャンバーが形成され、前記霧化チャンバーは、第1の連通孔を通じて前記連通チャンバーに連通され、前記噴霧口は、第2の連通孔を通じて前記連通チャンバーに連通され、前記連通チャンバー内にはさらに、前記第1の連通孔及び/又は前記第2の連通孔を密封できるように設置される弁機構が設けられる。
【0019】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記弁機構は、駆動部と密封ブロックとを含み、前記駆動部は、前記密封ブロックを、前記連通チャンバー内に繰り返しスライドさせるように駆動できる。
【0020】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記ハウジングは、筐体と、横向きリブ板と縦向きリブ板が設けられる第1の蓋体とを含み、前記横向きリブ板は、前記第1の蓋体の順次隣接する3つの内側面に固定接続され、前記縦向きリブ板は、前記順次隣接する3つの内側面における対向する2つの内側面に固定接続されることで、前記横向きリブ板、前記縦向きリブ板及び前記3つの内側面が共に囲んで前記連通チャンバーを形成する。
【0021】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記ハウジングはさらに、前記連通チャンバーを覆うことができる第2の蓋体が含まれる。
【0022】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記第1の連通孔と前記第2の連通孔は、前記横向きリブ板に設置され、前記噴霧口は、前記ハウジングの底部に設置され、前記霧化発生器はさらに、接続チューブを含み、前記噴霧口と前記第2の連通孔との間は、前記接続チューブを通じて接続される。
【0023】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記筐体内には、前記筐体を取付けチャンバーと前記霧化チャンバーに分割する仕切り板が設けられ、前記取付けチャンバーには、前記霧化素子と前記弁機構にそれぞれ接続されて前記霧化素子の起動と停止、及び前記弁機構の開閉を制御するコントローラーが設けられる。
【0024】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記仕切り板は切欠を有し、前記横向きリブ板の底面には、風よけが下向きに延設され、前記風よけは、前記霧化チャンバー内まで延ばされるとともに、前記切欠に対応して設置される。
【0025】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記送風口に、ファンが配置され、前記コントローラーはさらに、前記ファンに接続されて、前記ファンの起動と停止を制御する。
【0026】
上記霧化発生器の好ましい技術案では、前記霧化素子は超音波霧化シートであり、前記ハウジングの底部に透水孔が開設され、前記超音波霧化シートは、前記ハウジングの外部の前記透水孔に対応するところに設置される。
【0027】
本発明はさらに、ケース及び前記ケース内に設置される洗濯バケツが含まれる衣類処理設備が提供され、前記衣類処理設備はさらに、乾燥モジュールと、上記好ましい技術案のいずれか一項に記載の霧化発生器とが含まれ、前記霧化発生器の給液口は、給液チューブを通じて水源に連通され、前記噴霧口は、噴霧チューブを通じて前記洗濯バケツに連通される。
【0028】
当業者は、本発明の好ましい技術案において、霧化発生器は、ハウジングが含まれ、ハウジング内には、霧化チャンバーが設けられ、霧化チャンバー内に、液体を霧化させることができる霧化素子が設けられ、ハウジングには、霧化チャンバーに連通される送風口、給液口、及び噴霧口が設けられ、ハウジング内にはさらに、霧化チャンバーと互いに独立した連通チャンバーが形成され、霧化チャンバーは、第1の連通孔を通じて連通チャンバーに連通され、噴霧口は、第2の連通孔を通じて連通チャンバーに連通され、連通チャンバー内にはさらに、第1の連通孔及び/又は第2の連通孔を密封できるように設置される弁機構が設けられる、と理解できる。
【0029】
霧化発生器内に連通チャンバーを設置し、及び連通チャンバー内に弁機構を設置することにより、本発明の霧化発生器は、乾燥モジュール付きの洗濯機に適用されると、洗濯機の作動安全性を大幅に向上させ、乾燥モジュールが起動するときに高温多湿の空気が霧化発生器と洗濯機内部に逆流することによる、電気素子が湿気て短絡してしまうことを効果的に回避できる。具体的には、ハウジングにおいて霧化チャンバーと互いに独立した連通チャンバーを設置するとともに、霧化チャンバーと噴霧口を連通チャンバーを通じて連通させることにより、連通チャンバーは、水煙が霧化チャンバーから噴霧口に到達するために不可欠の通路となる。そして、連通チャンバー内に、第1の連通孔及び/又は第2の連通孔を密封できる弁機構が設けられるという設置方式にすることにより、弁機構は、当該通路を完全に遮断することで、外気の流れが噴霧口から霧化発生器内に逆流するのを阻止でき、特に、洗濯機の乾燥モジュールが起動するときに洗濯バケツ内における湿った空気が霧化発生器に逆流してから、さらに送風口から洗濯機内部まで排出されることを遮断し、霧化発生器と洗濯機内の電気素子が湿気て短絡等の故障がしてしまうことを回避でき、洗濯機の作動安全性が大幅に向上されるようになる。また、上記の設置方式は、実行可能性が高く、効果がよく、大規模の普及と使用に有利である。
【0030】
以下、本発明の霧化発生器及びそれを含む衣類処理設備を、図面を参照しながら、ドラム洗濯機と合わせて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の第1の実施形態におけるドラム洗濯機の構造概略図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態における霧化発生器の外形図(一)である。
【
図3】本発明の第1の実施形態における霧化発生器の外形図(二)である。
【
図4】本発明の第1の実施形態における霧化発生器の筐体内部の構造図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態における霧化発生器の第2の蓋体が取り外された後の構造図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態における霧化発生器の第1の蓋体の構造図(一)である。
【
図9】本発明の第1の実施形態における霧化発生器の第1の蓋体の構造図(二)である。
【
図10】本発明の第2の実施形態におけるドラム洗濯機の構造概略図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態における霧化発生器の外形図(一)である。
【
図12】本発明の第2の実施形態における霧化発生器の外形図(二)である。
【
図13】本発明の第2の実施形態における霧化発生器の第2の蓋体が取り外された後の構造図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態における霧化発生器の筐体内部の構造図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態における霧化発生器の第1の蓋体の構造図(一)である。
【
図17】本発明の第2の実施形態における霧化発生器の第1の蓋体の構造図(二)である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。当業者は、これらの実施形態が本発明の技術的原理を説明するためだけに使用され、本発明の保護範囲を制限するものではないと理解すべきである。例えば、本実施形態はドラム洗濯機と合わせて説明されているが、これは、本発明の保護範囲を制限するためのものではなく、本発明は、パルセーター洗濯機や一体型洗濯乾燥機などのような他の衣類処理設備にも適用できる。
【0033】
なお、本発明の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの方向又は位置関係を示す用語は、図面に示される方向又は位置関係に基づいており、これは説明の便宜上のものであり、前記装置又は素子が特定の方向を有し、特定の方向で構築や操作をする必要があることを示したり暗示したりするものではないため、本発明に対する制限としては理解できない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」は目的を説明するためだけに使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとは理解できない。
【0034】
また、本発明の説明において、特に明確な規定や限定がない限り、用語「取り付け」、「連通」、「接続」は広義的に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても良いし、取り外し可能に接続しても良いし、一体的に接続しても良い。機械的な接続であっても良いし、電気的な接続であっても良い。直接に接続しても良いし、中間媒体を介して間接に接続しても良いし、2つの素子の内部における連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上述の用語が本発明における具体的な意味を理解できる。
【0035】
実施例1
【0036】
まず、
図1から
図4を参照しながら、本発明のドラム洗濯機について説明する。その中、
図1は本発明の第1の実施形態におけるドラム洗濯機の構造概略図であり、
図2は本発明の第1の実施形態における霧化発生器の外形図(一)であり、
図3は本発明の第1の実施形態における霧化発生器の外形図(二)であり、
図4は本発明の第1の実施形態における霧化発生器の筐体内部の構造図である。
【0037】
図1に示すように、従来の霧化発生器4の集積度が低いことによる衣類処理設備の生産効率が低下するという課題を解決するために、本発明のドラム洗濯機は、主にケース1と、及びケース1内に設置される内筒2、外筒3、霧化発生器4、乾燥モジュール5、制御ユニット9とを含む。内筒2は衣類を保持するために使用され、乾燥モジュール5は外筒3と周期的に連通されることにより、外筒3と内筒2に熱風の流れを提供することで内筒2内における衣類を乾燥させる。霧化発生器4は、給液チューブ6及び電磁弁8を通じて水源に連通され、噴霧チューブ7を通じて外筒3に連通され、霧化発生器4が作動しているとき、水源は、電磁弁8及び給液チューブ6を通じて霧化発生器4に入り、霧化発生器4が水を水煙に霧化させた後、噴霧チューブ7を通じて内筒2に噴射し、内筒2における衣類を処理する。
【0038】
図2から
図4を参照すると、霧化発生器4は、ハウジング41と、液体を蒸気に霧化させることができる霧化素子44とを含む。ハウジング41内には、ハウジング41を互いに連通する霧化チャンバー42と取付けチャンバー43に分割する仕切り板417が設けられ、霧化チャンバー42は、液体を収容することができ、ハウジング41には、霧化チャンバー42に連通される送風口4111、給液口4112、及び噴霧口4113が設けられ、給液口4112は、給液チューブ6に接続され、噴霧口4113は、噴霧チューブ7に接続される。取付けチャンバー43には、ケーブル471を通じて制御ユニット9に接続されるコントローラー47が設けられ、制御ライン472を通じて霧化素子44に接続されて霧化素子44の起動と停止を制御する。
【0039】
上記のように設置することにより、本発明は、霧化発生器4の集積度を大幅に向上させ、それによって、衣類処理設備の組み立ての難易度が軽減され、生産が便利になり、組み立て効率と歩留まりが高められるようになる。具体的には、ハウジング41においてハウジング41を霧化チャンバー42と取付けチャンバー43に分割する仕切り板417を設置するとともに、取付けチャンバー43において霧化素子44に接続されるコントローラー47を設置することにより、本発明の霧化発生器4は、工場から出荷されたときに、すでにコントローラー47と霧化素子44が組み立てられており、ドラム洗濯機を組み立てるとき、霧化発生器4をドラム洗濯機の内部設定位置まで取り付け、且つ、コントローラー47と制御ユニット9をケーブル471で挿着するだけでよいので、組み立て工程がきわめて便利であり、組み立ての流れが大幅に簡素化され、組み立て効率が高められるようになる。
【0040】
以下、
図2から
図9を参照して、霧化発生器について詳しく説明する。その中、
図5は
図2のB-B線の断面図であり、
図6は本発明の第1の実施形態における霧化発生器の第2の蓋体が取り外された後の構造図であり、
図7は
図2のA-A線の断面図であり、
図8は本発明の第1の実施形態における霧化発生器の第1の蓋体の構造図(一)であり、
図9は本発明の第1の実施形態における霧化発生器の第1の蓋体の構造図(二)である。
【0041】
図2から
図4に示すように、ある可能な実施形態では、ハウジング41は、筐体411と、第1の蓋体412と、第2の蓋体413とを含み、筐体411内には、筐体411を互いに連通する霧化チャンバー42と取付けチャンバー43に分割する仕切り板417が設けられ、筐体411の底面の霧化チャンバー42に対応する側に給液口4112と噴霧口4113が設けられ、筐体411の側面の取付けチャンバー43に対応する位置に送風口4111が設けられる。
図5を参照すると、霧化チャンバー42の底部に透水孔(図示せず)が設けられ、霧化素子44は超音波霧化シートであることが好ましく、超音波霧化シートは、霧化チャンバー42における液体を水煙に霧化させるために使用され、筐体411の外部に設置されるとともに、霧化シートブラケット416内におけるシール材4161によって該透水孔のところに密封接続される。
図4に戻ると、取付けチャンバー43内の、送風口4111に直面する位置に、コントローラー47が設けられ、仕切り板417は、仕切り板417のコントローラー47に対応する側に設置される切欠4171を有する。送風口4111とコントローラー47との間に、吸風口が送風口4111に対応して設置され、吹出口が仕切り板417に向けて設置されるファン48が設けられることにより、ファン48が作動しているとき、筐体411外の空気は、筐体411に導入されるとともに、コントローラー47を流れた後、空気の大部分は、切欠4171を通して霧化チャンバー42に到達する。
【0042】
図6から
図9を参照すると、ハウジング41内にはさらに、霧化チャンバー42と互いに独立した連通チャンバー(図示せず)が形成され、霧化チャンバー42は、第1の連通孔4141を通じて連通チャンバーに連通され、噴霧口4113は、接続チューブ46と第2の連通孔4142を通じて連通チャンバーに連通されることにより、霧化チャンバー42に入られる空気が、超音波霧化シートに霧化された蒸気を運んで、第1の連通孔4141、連通チャンバー、第2の連通孔4142、及び連通チューブを順次通過し、その後、噴霧口4113から排出される。換言すれば、送風口4111と噴霧口4113との間は、取付けチャンバー43、切欠4171、霧化チャンバー42、第1の連通孔4141、連通チャンバー、第2の連通孔4142、及び連通チューブによって完全な気流通路が形成され、且つ、該気流通路は、コントローラー47の一部を流れる。
図4と
図5に戻ると、霧化シートブラケット416にはさらに、超音波霧化シートを駆動するための駆動回路板441が取り付けられ、コントローラー47は、駆動回路板441とファン48にそれぞれ接続されて、超音波霧化シートとファン48の各々の起動と停止を制御する。その中、取付けチャンバー43の底面に、制御ライン472が通し可能な通過穴(図示せず)が設けられ、制御ライン472は、一端が駆動回路板441に接続され、他端が通過穴を通してコントローラー47に接続される。
【0043】
図8と
図9を参照すると、ある可能な実施形態では、第1の蓋体412に、横向きリブ板414と縦向きリブ板415が設けられ、横向きリブ板414は、第1の蓋体412の順次隣接する3つの内側面に固定接続され、縦向きリブ板415は、第1の蓋体412の頂面及び上述した順次隣接する3つの内側面における対向する2つの内側面に固定接続されることで、横向きリブ板414、縦向きリブ板415及び順次隣接する3つの内側面が共に囲んで上記連通チャンバーを形成し、第2の蓋体413は連通チャンバーを覆うことができる。
図4、
図7と
図8を参照すると、横向きリブ板414には、霧化チャンバー42と噴霧口4113に対応して第1の連通孔4141と第2の連通孔4142が開設され、霧化チャンバー42は、第1の連通孔4141を通じて連通チャンバーに接続され、噴霧口4113は、接続チューブ46を通じて第2の連通孔4142に接続される。横向きリブ板414の底面には、風よけ4143が下向きに延設され、風よけ4143は、霧化チャンバー42内まで延ばされるとともに、切欠4171に対応して設置される。
【0044】
図6と
図7を参照すると、ある可能な実施形態では、連通チャンバー内にはさらに、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を同時に密封できるように設置される弁機構45が設けられる。その中、弁機構45は、駆動部451と密封ブロック452とを含み、コントローラー47は、駆動部451に接続されて、駆動部451の起動と停止を制御し、駆動部451は、密封ブロック452に接続されるとともに、コントローラー47の制御下で、密封ブロック452を、連通チャンバー内に繰り返しスライドさせるように駆動できる。駆動部451は、例えば、ガスシリンダ、電気シリンダ、又はリニアモーターであり、駆動部451の出力軸は、密封ブロック452に固定接続され、密封ブロック452を連通チャンバーにおいてスライドさせるように駆動する。密封ブロック452の底面は、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を同時に覆うことができ、且つ、覆われた後、比較的良好なシールを維持できる。
【0045】
上記のような設置方式は、筐体411を仕切り板417で霧化チャンバー42と取付けチャンバー43に分割するとともに、取付けチャンバー43内にコントローラー47を、それぞれ駆動回路板441、駆動部451及びファン48に接続させるように設置することにより、本発明の霧化発生器4は、集積度が高度になり、コントローラー47は、超音波霧化シート、駆動部451及びファン48の起動と停止を同時に制御でき、洗濯機を組み立てる際に、上記部材を別々に配線することが回避され、組み立て効率が向上されるようになる、という利点がある。コントローラー47と送風口4111との間に、吸風口が送風口4111に対応して設置され、吹出口が仕切り板417に向けて設置されるファン48が設けられ、仕切り417の、コントローラー47に対応する位置に切欠4171が設けられ、さらに、霧化発生器4が作動しているときに、霧化発生器4が作動時における気流を利用してコントローラー47を流れることで、コントローラー47を放熱させることができ、それにより、コントローラー47の作動寿命及び作動安定性が向上されるようになる。
【0046】
連通チャンバーを第1の蓋体412に設置し、また、噴霧口4113を筐体411の底面に設置し、さらに、噴霧口4113と第2の連通孔4142を連通チューブで接続することにより、取付けチャンバー43、霧化チャンバー42、連通チャンバー及び連通チューブの間に完全な気流通路が形成され、さらにファン48の作用で、水煙がより自然かつ強力に排出されるようになる。噴霧口4113を、ハウジング41の底面に設置すると、噴霧チューブ7との接続が便利になり、噴霧チューブ7を折り曲げることなく外筒3に接続することができ、水煙の噴霧ストロークが短縮され、水煙の噴射効果が向上されるようになる。横向きリブ板414の底面に、風よけ4143が切欠4171に対応して延設されるという設置方式により、ファン48によって吹き出された風が、切欠4171を通過した後にバイパスし、それにより、水煙に対する風の運搬効果が向上され、水煙を迅速に排出する目的が達成され、風に吹き出されて水煙が霧化チャンバー42に留まることが回避されるようになる。霧化素子44を、霧化シートブラケット416を通じて筐体411の外部に密封設置し、及び通過穴を、取付けチャンバー43に設置することにより、制御ライン472の配線が霧化チャンバー42を通過せず、制御ライン472と水との接触による安全上の問題の発生が回避され、霧化発生器4の安全性が向上されるようになる。
【0047】
霧化素子44は超音波霧化シートを採用し、霧化発生器4は電子高周波振動(振動周波数は1.7MHzや2.4MHzなどの、聴覚範囲を超える周波数であり、この電子振動は人及び動物に害がない。)を利用して、霧化シートの高周波共鳴により、液状の水の分子構造を破壊し、自然で漂う水煙を生成し、水は、加熱したり如何なる化学試薬を添加したりする必要がなく、均一な1~100ミクロンの超微粒子に霧化される。加熱霧化方式と比較して、90%省エネである。なお、霧化過程において大量のマイナスイオンが放出され、空気中に浮遊する煙、ほこりなどと静電反応してそれらを沈殿させると同時に、メチルアルデヒド、一酸化炭素、細菌などの有害物質を効果的に除去でき、ミクロンレベルの水の分子が衣類により迅速に吸着され、衣類の手入れ体験がより向上されるようになる。
【0048】
霧化発生器4内に連通チャンバーを設置し、及び連通チャンバー内に弁機構45を設置することにより、洗濯機の作動安全性を大幅に向上させ、乾燥モジュール5が起動するときに高温多湿の空気が霧化発生器4と洗濯機内部に逆流することによる、電気素子が湿気て短絡してしまうことを効果的に回避できる。具体的には、ハウジング41において霧化チャンバー42と互いに独立した連通チャンバーを設置するとともに、霧化チャンバー42と噴霧口4113を連通チャンバーを通じて連通させることにより、連通チャンバーは、水煙が霧化チャンバー42から噴霧口4113に到達するために不可欠の通路となる。そして、連通チャンバー内に、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を密封できる弁機構45が設けられるという設置方式にすることにより、弁機構45は、該通路を完全に遮断することで、外気の流れが噴霧口4113から霧化発生器4内に逆流するのを阻止でき、特に、洗濯機の乾燥モジュール5が起動するときに洗濯バケツ内における湿った空気が霧化発生器4に逆流してから、さらに送風口4111から洗濯機内部まで排出されることを遮断し、霧化発生器4と洗濯機内の電気素子が湿気て短絡等の故障がしてしまうことを回避でき、洗濯機の作動安全性が大幅に向上されるようになる。また、上記の設置方式は、実行可能性が高く、効果がよく、大規模の普及と使用に有利である。
【0049】
なお、上述した好ましい実施形態は、本発明の原理を説明するためだけに使用され、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、本発明がより具体的な適用態様に適応できるように、上述した設置方式を調整してもよい。
【0050】
例えば、ある置換可能な実施形態では、弁機構45の設置形態は変わらないものではなく、当業者は、それが第1の連通孔4141及び/又は第2の連通孔4142を密封できるという条件を満たす限り、それを調整してもよい。例えば、駆動部451として通常のモーターを選択して、そして、密封ブロック452の繰り返しスライドが完了されるように、駆動部451と密封ブロック452との間に伝動部材を添加してもよい。例えば、伝動部材はボールねじ等であってもよい。また、密封ブロック452は、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142のうちの一方のみを密封するように設置されてもよく、高温多湿の空気の逆流を防止する機能を同様に実現することができる。
【0051】
また、他の置換可能な実施形態では、筐体411には、ファン48を設置しなくてもよく、設置位置が霧化チャンバー42から水煙を効果的に排出できる限り、ファン48は、筐体411内又は他の位置に設置されてもよい。例えば、ファン48は、噴霧チューブ7等に設置されてもよい。
【0052】
また、他の置換可能な実施形態では、当業者は、連通チャンバーの設置方式が霧化チャンバー42と互いに独立するという条件を満たすことができる限り、連通チャンバーの設置位置を調整してもよい。例えば、連通チャンバーは、第1の蓋体412ではなく、筐体411の内部に設置されてもよい。
【0053】
また、他の置換可能な実施形態では、噴霧口4113の設置位置は一意ではなく、それは、筐体411の側壁、第1の蓋体412、又は第2の蓋体413等に設置されてもよく、それなりに第2の連通孔4142と接続チューブ46の設置位置を調整するだけでよい。このような噴霧口4113の設置位置の調整は本発明の原理から逸脱していない。
【0054】
また、他の置換可能な実施形態では、霧化素子44は、超音波霧化シートに加えて、該霧化素子44の設置形態及び設置位置が霧化チャンバー42における水から水煙を生成させることができる限り、明らかに一般的な発熱体などの形態を選択してもよい。
【0055】
もちろん、上述した置換可能な実施形態との間、及び置換可能な実施形態と好ましい実施形態との間は、より具体的な適用態様に適するための新しい実施形態を組み合わせるように、相互に組み合わせて使用してもよい。
【0056】
以下、
図1から
図9を参照しながら、ある可能な実施形態における、ドラム洗濯機の作動過程について説明する。
【0057】
ある可能な実施形態において、ユーザがドラム洗濯機の制御パネル上で蒸気洗浄というオプションを選択した後、電磁弁8が起動され、霧化チャンバー42に水が入られ、水位が設定水位までなると、電磁弁8は閉じられ、コントローラー47は、駆動回路板441とファン48が同時に起動するように制御し、超音波霧化シートは、霧化チャンバー42内における水を霧化させると同時に、ファン48は、送風口4111を通じて取付けチャンバー43に外気を導入し、空気がコントローラー47を流れてコントローラー47を冷却した後、切欠4171を通じて霧化チャンバー42に流れ込み、そして、超音波霧化シートに霧化された蒸気を運んで、第1の連通孔4141、連通チャンバー、第2の連通孔4142、連通チューブ、噴霧口4113、及び噴霧チューブ7を順次通過し、その後、内筒2に噴射して衣類を処理する。
【0058】
実施例2
【0059】
以下、
図10から
図14を参照しながら、本発明のドラム洗濯機について説明する。その中、
図10は本発明の第2の実施形態におけるドラム洗濯機の構造概略図であり、
図11は本発明の第2の実施形態における霧化発生器の外形図(一)であり、
図12は本発明の第2の実施形態における霧化発生器の外形図(二)であり、
図13は本発明の第2の実施形態における霧化発生器の第2の蓋体が取り外された後の構造図であり、
図14は本発明の第2の実施形態における霧化発生器の筐体内部の構造図である。
【0060】
図10に示すように、従来の洗濯機では乾燥モジュールが起動しているときに洗濯バケツ内の高温多湿の空気が霧化発生器及び洗濯機内部に逆流して洗濯機の作動安全性に大きく影響を与えるという課題を解決するために、本発明のドラム洗濯機は、主にケース1と、及びケース1内に設置される内筒2、外筒3、霧化発生器4、乾燥モジュール5とを含む。内筒2は衣類を保持するために使用され、乾燥モジュール5は外筒3と周期的に連通されることにより、外筒3と内筒2に熱風の流れを提供することで内筒2内における衣類を乾燥させる。霧化発生器4は、給液チューブ6及び電磁弁8を通じて水源に連通され、噴霧チューブ7を通じて外筒3に連通され、霧化発生器4が作動しているとき、水源は、電磁弁8及び給液チューブ6を通じて霧化発生器4に入り、霧化発生器4が水源を水煙に霧化させた後、噴霧チューブ7を通じて内筒2に噴射し、内筒2における衣類を処理する。
【0061】
図11と
図14を参照すると、霧化発生器4はハウジング41が含まれ、ハウジング41内には、水を収容できる霧化チャンバー42が設けられ、霧化チャンバー42内に、水を霧化させることができる霧化素子44が設けられ、ハウジング41には、霧化チャンバー42に連通される送風口4111、給液口4112、及び噴霧口4113が設けられ、給液口4112は、給液チューブ6に接続され、噴霧口4113は、噴霧チューブ7に接続される。特に、
図13を参照すると、ハウジング41内にはさらに、霧化チャンバー42と互いに独立した連通チャンバー(図示せず)が形成され、霧化チャンバー42は、第1の連通孔4141を通じて連通チャンバーに連通され(
図16を参照する)、噴霧口4113は、第2の連通孔4142を通じて連通チャンバーに連通され、連通チャンバー内にはさらに、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を同時に密封できるように設置される弁機構45が設けられる。
【0062】
乾燥モジュール5が作動するとき、乾燥モジュール5は、大量の熱風の流れを外筒3及び内筒2に排出して衣類を乾燥させる。乾燥過程において、筒内の圧力が増加するとともに、衣類が乾燥されるにつれて空気の湿度が明らかに上昇するため、高温多湿の空気が噴霧チューブ7から霧化発生器4に容易に逆流し、さらに送風口4111から洗濯機内部に排出され、それで、霧化発生器4と洗濯機内部の電気素子が湿気て短絡してしまい、安全上の問題が引き起こされるようになる。このとき、弁機構45を制御して第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を密封することにより、噴霧口4113と霧化チャンバー42との間の通路が遮断されるようになる。
【0063】
上述した説明から分かるように、本発明は、霧化発生器4内に連通チャンバーを設置し、及び連通チャンバー内に弁機構45を設置することにより、洗濯機の作動安全性を大幅に向上させ、乾燥モジュール5が起動するときに高温多湿の空気が霧化発生器4と洗濯機内部に逆流することによる、電気素子が湿気て短絡してしまうことを効果的に回避できる。具体的には、ハウジング41において霧化チャンバー42と互いに独立した連通チャンバーを設置するとともに、霧化チャンバー42と噴霧口4113を連通チャンバーを通じて連通させることにより、連通チャンバーは、水煙が霧化チャンバー42から噴霧口4113に到達するために不可欠の通路となる。そして、連通チャンバー内に、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を密封できる弁機構45が設けられるという設置方式にすることにより、弁機構45は、該通路を完全に遮断することで、外気の流れが噴霧口4113から霧化発生器4内に逆流するのを阻止でき、特に、洗濯機の乾燥モジュール5が起動するときに洗濯バケツ内における湿った空気が霧化発生器4に逆流してから、さらに送風口4111から洗濯機内部まで排出されることを遮断し、霧化発生器4と洗濯機内の電気素子が湿気て短絡等の故障がしてしまうことを回避でき、洗濯機の作動安全性が大幅に向上されるようになる。また、上記の設置方式は、実行可能性が高く、効果がよく、大規模の普及と使用に有利である。
【0064】
以下、
図11から
図17を参照して、霧化発生器について詳しく説明する。その中、
図15は
図11のC-C線の断面図であり、
図16は本発明の第2の実施形態における霧化発生器の第1の蓋体の構造図(一)であり、
図17は本発明の第2の実施形態における霧化発生器の第1の蓋体の構造図(二)である。
【0065】
図11、
図12と
図14に示すように、ある可能な実施形態では、ハウジング41は、筐体411と、第1の蓋体412と、第2の蓋体413とを含み、筐体411内には、筐体411を霧化チャンバー42と取付けチャンバー43に分割する仕切り板417が設けられ、筐体411の底面の霧化チャンバー42に対応する側に給液口4112と噴霧口4113が設けられ、筐体411の側面の取付けチャンバー43に対応する位置に送風口4111が設けられ、送風口4111内に、ファン48が設けられ、仕切り板417は切欠4171を有し、ファン48が筐体411外の空気を、筐体411に導入した後、空気の大部分は、切欠4171を通して霧化チャンバー42に到達する。筐体411の底部にはさらに、透水孔(図示せず)が設けられ、霧化素子44は超音波霧化シートであることが好ましく、超音波霧化シートは、霧化チャンバー42における液体を水煙に霧化させるために使用され、筐体411の外部に設置されるとともに、霧化シートブラケット416によって該透水孔のところに密封接続される。
【0066】
図16と
図17を参照すると、第1の蓋体412に、横向きリブ板414と縦向きリブ板415が設けられ、横向きリブ板414は、第1の蓋体412の順次隣接する3つの内側面に固定接続され、縦向きリブ板415は、第1の蓋体412の頂面及び上述した順次隣接する3つの内側面における対向する2つの内側面に固定接続されることで、横向きリブ板414、縦向きリブ板415及び順次隣接する3つの内側面が共に囲んで連通チャンバーを形成し、第2の蓋体413は連通チャンバーを覆うことができる。
図12、
図15と
図16を参照すると、横向きリブ板414には、霧化チャンバー42と噴霧口4113に対応して第1の連通孔4141と第2の連通孔4142が開設され、霧化チャンバー42は、第1の連通孔4141を通じて連通チャンバーに接続され、噴霧口4113は、接続チューブ46を通じて第2の連通孔4142に接続される。横向きリブ板414の底面には、風よけ4143が下向きに延設され、風よけ4143は、霧化チャンバー42内まで延ばされるとともに、切欠4171に対応して設置される。
【0067】
図13と
図15を参照すると、ある可能な実施形態では、弁機構45は、駆動部451と密封ブロック452とを含み、駆動部451は、密封ブロック452に接続されるとともに、密封ブロック452を、連通チャンバー内に繰り返しスライドさせるように駆動できる。駆動部451は、例えば、ガスシリンダ、電気シリンダ、又はリニアモーターであり、駆動部451の出力軸は、密封ブロック452に固定接続され、密封ブロック452を連通チャンバーにおいてスライドさせるように駆動する。密封ブロック452の底面は、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を同時に覆うことができ、且つ、覆われた後、比較的良好なシールを維持できる。
【0068】
図14に戻ると、取付けチャンバー43内の、送風口4111に直面する位置に、コントローラー47が設けられ、該コントローラー47は、それぞれ超音波霧化シート、駆動部451及びファン48に接続されて、超音波霧化シート、駆動部451及びファン48の起動と停止をそれぞれ制御する。
【0069】
上記のような設置方式は、連通チャンバーを第1の蓋体に設置し、また、噴霧口4113を筐体411の底面に設置し、さらに、噴霧口4113と第2の連通孔4142を連通チューブで接続することにより、霧化チャンバー42、連通チャンバー、連通チューブが完全な噴霧通路を形成し、さらにファン48の作用で、水煙がより自然且つ強力に排出されるようになり、噴霧口4113を、ハウジング41の底面に設置すると、噴霧チューブ7との接続が便利になり、噴霧チューブ7を折り曲げることなく外筒3に接続することができ、水煙の噴霧ストロークが短縮され、水煙の噴射効果が向上されるようになる、という利点がある。密封ブロック452は、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を同時に覆って密封することができるという設置方式により、弁機構45が、高温多湿の空気に対してより良好な遮断及び密封効果を有するようになる。送風口4111を取付けチャンバー43に対応して設置するとともに、送風口4111に直面する位置に、コントローラー47を設置することにより、霧化発生器4が作動しているときに、ファン48を利用してコントローラー47を放熱させることもできるので、コントローラー47の作動寿命及び作動安定性が向上されるようになる。横向きリブ板414の底面に、風よけ4143が切欠4171に対応して延設されるという設置により、ファン48によって吹き出された風が、切欠4171を通過した後にバイパスし、それにより、水煙に対する風の運搬効果が向上され、水煙を迅速に排出する目的が達成され、風に吹き出されて水煙が霧化チャンバー42に留まることが回避されるようになる。
【0070】
霧化素子44は超音波霧化シートを採用し、霧化発生器4は電子高周波振動(振動周波数は1.7MHzや2.4MHzなどの、聴覚範囲を超える周波数であり、この電子振動は人及び動物に害がない。)を利用して、霧化シートの高周波共鳴により、液状の水の分子構造を破壊し、自然で漂う水煙を生成し、水は、加熱したり如何なる化学試薬を添加したりする必要がなく、均一な1~100ミクロンの超微粒子に霧化される。加熱霧化方式と比較して、90%省エネである。なお、霧化過程において大量のマイナスイオンが放出され、空気中に浮遊する煙、ほこりなどと静電反応してそれらを沈殿させると同時に、メチルアルデヒド、一酸化炭素、細菌などの有害物質を効果的に除去でき、ミクロンレベルの水の分子が衣類により迅速に吸着され、衣類の手入れ体験がより向上されるようになる。
【0071】
なお、上述した好ましい実施形態は、本発明の原理を説明するためだけに使用され、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、本発明がより具体的な適用態様に適応できるように、上述した設置方式を調整してもよい。
【0072】
例えば、ある置換可能な実施形態では、弁機構45の設置形態は変わらないものではなく、当業者は、それが第1の連通孔4141及び/又は第2の連通孔4142を密封できるという条件を満たす限り、それを調整してもよい。例えば、駆動部451として通常のモーターを選択して、そして、密封ブロック452の繰り返しスライドが完了されるように、駆動部451と密封ブロック452との間に伝動部材を添加してもよい。例えば、伝動部材はボールねじ等であってもよい。また、密封ブロック452は、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142のうちの一方のみを密封するように設置されてもよく、高温多湿の空気の逆流を防止する機能を同様に実現することができる。
【0073】
また、他の置換可能な実施形態では、筐体411内にコントローラー47を設置せず、ドラム洗濯機の制御ユニットで、駆動部451、ファン48、及び超音波霧化シートの起動と停止を制御してもよく、このような設置方式は本発明の原理から逸脱していない。
【0074】
また、他の置換可能な実施形態では、筐体411には、ファン48を設置しなくてもよく、設置位置が霧化チャンバー42から水煙を効果的に排出できる限り、ファン48は、筐体411内又は他の位置に設置されてもよい。例えば、ファン48は、噴霧チューブ7等に設置されてもよい。
【0075】
また、他の置換可能な実施形態では、当業者は、連通チャンバーの設置方式が霧化チャンバー42と互いに独立するという条件を満たすことができる限り、連通チャンバーの設置位置を調整してもよい。例えば、連通チャンバーは、第1の蓋体412ではなく、筐体411の内部に設置されてもよい。
【0076】
また、他の置換可能な実施形態では、噴霧口4113の設置位置は一意ではなく、それは、筐体411の側壁、第1の蓋体412、又は第2の蓋体413等に設置されてもよく、それなりに第2の連通孔4142と接続チューブ46の設置位置を調整するだけでよい。このような噴霧口4113の設置位置の調整は本発明の原理から逸脱していない。
【0077】
また、他の置換可能な実施形態では、霧化素子44は、超音波霧化シートに加えて、該霧化素子44の設置形態及び設置位置が霧化チャンバー42における水から水煙を生成させることができる限り、明らかに一般的な発熱体などの形態を選択してもよい。
【0078】
もちろん、上述した置換可能な実施形態との間、及び置換可能な実施形態と好ましい実施形態との間は、より具体的な適用態様に適するための新しい実施形態を組み合わせるように、相互に組み合わせて使用してもよい。
【0079】
以下、
図10から
図17を参照しながら、ある可能な実施形態における、ドラム洗濯機の作動過程について説明する。
【0080】
ある可能な実施形態では、ユーザがドラム洗濯機の制御ユニット上で乾燥機能オプションを選択した後、乾燥モジュール5が起動され、空気を加熱した後、外筒3と内筒2に連続的に送り込んで循環させるようにする。それと同時に、乾燥機能の起動命令を受けた後、コントローラー47は駆動部451が起動するように制御し、駆動部451によって密封ブロック452が第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を同時に密封するようにスライドし、筒内における高温多湿の空気が噴霧チューブ7を通して霧化発生器4に逆流することを阻止する。乾燥機能が終了した後、例えば、ドラム洗濯機の扉体を開ける命令を受けた後、コントローラー47は、再び駆動部451が起動するように制御し、駆動部451によって、密封ブロック452が第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142の上方から取り除かれるように逆方向にスライドし、第1の連通孔4141及び第2の連通孔4142を連通させる。
【0081】
これで、本発明の技術案を、図面に示された好ましい実施形態と合わせて説明したが、本発明の保護範囲がこれらの具体的な実施形態に限定されないことは、当業者には容易に理解される。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、関連する技術的特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換後の技術案はいずれも、本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
実施例1
1 ケース
2 内筒
3 外筒
4 霧化発生器
41 ハウジング
411 筐体
4111 送風口
4112 給液口
4113 噴霧口
412 第1の蓋体
413 第2の蓋体
414 横向きリブ板
4141 第1の連通孔
4142 第2の連通孔
4143 風よけ
415 縦向きリブ板
416 霧化シートブラケット
4161 シール材
417 仕切り板
4171 切欠
42 霧化チャンバー
43 取付けチャンバー
44 霧化素子
441 駆動回路板
45 弁機構
451 駆動部
452 密封ブロック
46 接続チューブ
47 コントローラー
471 ケーブル
472 制御ライン
48 ファン
5 乾燥モジュール
6 給液チューブ
7 噴霧チューブ
8 電磁弁
9 制御ユニット
実施例2
1 ケース
2 内筒
3 外筒
4 霧化発生器
41 ハウジング
411 筐体
4111 送風口
4112 給液口
4113 噴霧口
412 第1の蓋体
413 第2の蓋体
414 横向きリブ板
4141 第1の連通孔
4142 第2の連通孔
4143 風よけ
415 縦向きリブ板
416 霧化シートブラケット
417 仕切り板
4171 切欠
42 霧化チャンバー
43 取付けチャンバー
44 霧化素子
45 弁機構
451 駆動部
452 密封ブロック
46 接続チューブ
47 コントローラー
48 ファン
5 乾燥モジュール
6 給液チューブ
7 噴霧チューブ
8 電磁弁