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特許7161113高速信号用コネクタ、および、それを備えるリセプタクルアセンブリ、トランシーバモジュールアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】高速信号用コネクタ、および、それを備えるリセプタクルアセンブリ、トランシーバモジュールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/73 20110101AFI20221019BHJP
   H01R 13/6471 20110101ALI20221019BHJP
【FI】
H01R12/73
H01R13/6471
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019559507
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(86)【国際出願番号】 JP2017044956
(87)【国際公開番号】W WO2019116516
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000177690
【氏名又は名称】山一電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高居 陽介
(72)【発明者】
【氏名】伊東 利育
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0179627(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0017733(US,A1)
【文献】特開平05-217642(JP,A)
【文献】特許第3928075(JP,B2)
【文献】特開2011-159465(JP,A)
【文献】特許第5405582(JP,B2)
【文献】特開2015-179569(JP,A)
【文献】特開2016-225242(JP,A)
【文献】特開2002-334755(JP,A)
【文献】特開2015-115148(JP,A)
【文献】特開2007-141587(JP,A)
【文献】特開2013-004518(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0232091(US,A1)
【文献】特許第5298227(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 13/6471
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光モジュール用基板の接続端部における一方の電極面に接続される第1のコンタクト端子群と、該光モジュール用基板の接続端部における一方の電極面に向かい合う他方の電極面に接続される第2のコンタクト端子群とを有する接続端部収容部を備えるハウジングを備え、前記第1のコンタクト端子群は、低速制御信号ライン群に導通する複数のコンタクト端子列の両脇に、それぞれ、接地用コンタクト端子を介して隣接した送信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子、受信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子、接地用コンタクト端子を含み、
前記第2のコンタクト端子群は、一対の電源ラインに導通する一対の電源用コンタクト端子と、該一対の電源用コンタクト端子の両脇に、それぞれ接地用コンタクト端子を介して送信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子と、受信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子と、接地用コンタクト端子とを含み、
前記第1のコンタクト端子群は、前記複数のコンタクト端子の配列方向に沿って前記第2のコンタクト端子群に対し一方に偏倚しており、
前記第1のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の可動接点部の他端の前記ハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置が、前記第2のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の固定部における斜面部の端部の前記ハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置よりも該実装面に対し離隔している ことを特徴とする高速信号用コネクタ。
【請求項2】
前記第1のコンタクト端子群の一部を構成する隣接した複数の接地用コンタクト端子の相互間は、複数の接続部材により電気的に同一電位に接続されることを特徴とする請求項1記載の高速信号用コネクタ。
【請求項3】
前記第1のコンタクト端子群および第2のコンタクト端子群は、それぞれ、11個のコンタクト端子により構成されることを特徴とする請求項1記載の高速信号用コネクタ。
【請求項4】
前記第1のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の固定端子部が、前記光モジュール用基板の接続端部の前記ハウジングの接続端部収容部に対する挿入方向に向けて折り曲げられて形成される場合、少なくとも一対の前記コンタクト端子の固定端子部は、該ハウジングが固定される配線基板における前記第2のコンタクト端子群が電気的に接続される導体路に隣接して形成される高速信号用導体路の端部に直接的に接続されることを特徴とする請求項1記載の高速信号用コネクタ。
【請求項5】
前記光モジュール用基板を備えるトランシーバモジュールと接続される請求項1記載の高速信号用コネクタと、前記トランシーバモジュールが通過するモジュールスロットを一端に有し、該トランシーバモジュールを着脱可能に収容するモジュール収容部と、該モジュール収容部に連通し、前記高速信号用コネクタを収容するコネクタ収容部と、を有するリセプタクル用ケージと、を具備して構成されるリセプタクルアセンブリ。
【請求項6】
低速制御信号ライン群の両脇に、それぞれ、接地用ラインを介して隣接した送信側の一対の高速信号ラインに、それぞれ、導通するコンタクトパッドと、受信側の一対の高速信号ラインに、それぞれ、導通するコンタクトパッドと、接地用ラインに導通するコンタクトパッドとを含む第1のコンタクトパッド群を接続端部における一方の電極面に有するとともに、一対の電源ラインに、それぞれ、導通する電源用コンタクトパッドと、該一対の電源ラインの両脇に、それぞれ、接地用ラインを介して送信側の一対の高速信号ラインにそれぞれ、導通するコンタクトパッドと、受信側の一対の高速信号ラインにそれぞれ、導通するコンタクトパッドと、接地用ラインに導通するコンタクトパッドとを含む第2のコンタクトパッド群を接続端部における他方の電極面に有する光モジュール用基板を備えるトランシーバモジュールと、
前記トランシーバモジュールの前記光モジュール用基板と接続される高速信号用コネクタと、前記トランシーバモジュールが通過するモジュールスロットを一端に有し、該トランシーバモジュールを着脱可能に収容するモジュール収容部と、該モジュール収容部に連通し、前記高速信号用コネクタを収容するコネクタ収容部と、を有するリセプタクル用ケージと、を備えるリセプタクルアセンブリと、を備え、
前記光モジュール用基板における前記第1のコンタクトパッド群は、前記複数のコンタクトパッドの配列方向に沿って前記第2のコンタクトパッド群に対し一方に偏倚しており、
前記高速信号用コネクタは、光モジュール用基板の接続端部における一方の電極面に接続される第1のコンタクト端子群と、該光モジュール用基板の接続端部における一方の電極面に向かい合う他方の電極面に接続される第2のコンタクト端子群とを有する接続端部収容部を備えるハウジングを備え、
前記第1のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の可動接点部の他端の前記ハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置が、前記第2のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の固定部における斜面部の端部の前記ハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置よりも該実装面に対し離隔して いることを特徴とするトランシーバモジュールアセンブリ。
【請求項7】
前記光モジュール用基板の端部は、プラグコネクタに接続されることを特徴とする請求項4記載の高速信号用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速信号用コネクタ、および、それを備えるリセプタクルアセンブリ、トランシーバモジュールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムにおいては、光ファイバ、もしくは、カッパケーブル、および、光コネクタ等により伝送される光信号をマザーボードに伝送するためにトランシーバモジュール、および、リセプタクルアセンブリが実用に供されている。トランシーバモジュール(特許文献1においてはSFPモジュールと呼称される)は、例えば、特許文献1に示されるように、プリント配線板に配されるリセプタクルアセンブリの一部を構成するケージに対し着脱可能とされる。そのようなトランシーバモジュールは、例えば、送信用光サブアセンブリ(以下、TOSA:Transmitting Optical Sub-Assemblyともいう)と、受信用光サブアセンブリ(以下、ROSA:Receiving Optical Sub-Assemblyともいう)と、TOSAおよびROSAための信号処理および制御等を行うモジュール基板と、モジュール基板をリセプタクルアセンブリにおけるホストコネクタに電気的に接続するモジュール基板の接続端子部と、を主な要素として含んで構成されている。モジュール基板の接続端子部は、例えば、特許文献2に示されるように、上述のホストコネクタとしてのSFP(Small Form-Factor Pluggable)コネクタを介してマザーボードに電気的に接続されている。SFPコネクタは、ケージにおけるトランシーバモジュールが通過する開口端部に向って開口するスロットをハウジングの端部に有している。モジュール基板の接続端子部は、スロットを介してハウジング内に着脱可能に挿入される。SFPコネクタのハウジング内には、各接点部がモジュール基板の接続端子部を挟持するように向き合って配置された第1のコンタクト端子列、および、第2のコンタクト端子列が設けられている。第1のコンタクト端子列、および、第2のコンタクト端子列は、それぞれ、モジュール基板の接続端子部の着脱方向に対し略直交するように所定の間隔をもってコンタクト端子が配置されている。第1のコンタクト端子列、および、第2のコンタクト端子列は、例えば、10本のコンタクト端子で構成されている。これにより、第1のコンタクト端子列、および、第2のコンタクト端子列における接点部は、それぞれ、挿入されたモジュール基板の接続端子部の上部コンタクトパッド列および下部コンタクトパッド列に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4776483号公報
【文献】特許第5405582号公報
【発明の概要】
【0004】
近年、光通信システムにおいては、25Gbs以上のデータ伝送速度に対応するトランシーバモジュール、および、リセプタクルアセンブリを実現すべく開発が進められている。
【0005】
しかしながら、上述したような従来の規格に準拠したSFPコネクタにおいては、25Gbs以上のデータ伝送速度(通信速度)に対応した高速信号特性を得ることにも限界があるとともに、高周波数帯域の信号のチャンネル数を増大させることにも限界がある。その際、25Gbs以上のデータ伝送速度に対応したトランシーバモジュール、および、リセプタクルアセンブリは、10Gbs規格のトランシーバモジュールから25Gbs規格のトランシーバモジュールへの移行期において、旧式の通信システムにおける10Gbs規格の光ファイバ、もしくは、カッパケーブル、および、光コネクタ等にも接続するために10Gbs規格のトランシーバモジュール、および、リセプタクルアセンブリにも接続可能であることが要望される。
【0006】
以上の問題点を考慮し、本発明は、高速信号用コネクタ、および、それを備えるリセプタクルアセンブリ、トランシーバモジュールアセンブリであって、比較的高周波数帯域の信号の伝送に対応できるとともに高周波数帯域の信号のチャンネル数を増大させることができ、しかも、高周波数帯域の異なる規格のトランシーバモジュールにも接続できる高速信号用コネクタ、および、それを備えるリセプタクルアセンブリ、トランシーバモジュールアセンブリを提供することを目的とする。
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明に係る高速信号用コネクタは、光モジュール用基板の接続端部における一方の電極面に接続される第1のコンタクト端子群と、光モジュール用基板の接続端部における一方の電極面に向かい合う他方の電極面に接続される第2のコンタクト端子群とを有する接続端部収容部を備えるハウジングを備え、前記第1のコンタクト端子群は、低速制御信号ライン群に導通する複数のコンタクト端子列の両脇に、それぞれ、接地用コンタクト端子を介して隣接した送信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子、受信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子、接地用コンタクト端子を含み、第2のコンタクト端子群は、一対の電源ラインに導通する一対の電源用コンタクト端子と、一対の電源用コンタクト端子の両脇に、それぞれ接地用コンタクト端子を介して送信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子と、受信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子と、接地用コンタクト端子とを含み、第1のコンタクト端子群は、複数のコンタクト端子の配列方向に沿って第2のコンタクト端子群に対し一方に偏倚しており、前記第1のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の可動接点部の他端の前記ハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置が、前記第2のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の固定部における斜面部の端部の前記ハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置よりも該実装面に対し離隔していることを特徴とする。
【0008】
また、第1のコンタクト端子群の一部を構成する隣接した複数の接地用コンタクト端子の相互間は、複数の接続部材により電気的に同一電位に接続されてもよい。第1のコンタクト端子群および第2のコンタクト端子群は、それぞれ、11個のコンタクト端子により構成されてもよい。
【0009】
さらに、第1のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の固定端子部が、光モジュール用基板の接続端部のハウジングの接続端部収容部に対する挿入方向に向けて折り曲げられて形成される場合、少なくとも一対のコンタクト端子の固定端子部は、ハウジングが固定される配線基板における第2のコンタクト端子群が電気的に接続される導体路に隣接して形成される高速信号用導体路の端部に直接的に接続されてもよい。また、光モジュール用基板の端部は、プラグコネクタに接続されてもよい。
【0010】
第1のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の可動接点部の他端のハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置が、第2のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の固定部における斜面部の端部のハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置よりも実装面に対し離隔してもよい。
【0011】
本発明に係るリセプタクルアセンブリは、光モジュール用基板を備えるトランシーバモジュールと接続される上述の高速信号用コネクタと、トランシーバモジュールが通過するモジュールスロットを一端に有し、トランシーバモジュールを着脱可能に収容するモジュール収容部と、モジュール収容部に連通し、高速信号用コネクタを収容するコネクタ収容部と、を有するリセプタクル用ケージと、を備えて構成される。
【0012】
本発明に係るトランシーバモジュールアセンブリは、低速制御信号ライン群の両脇に、それぞれ、接地用ラインを介して隣接した送信側の一対の高速信号ラインに、それぞれ、導通するコンタクトパッドと、受信側の一対の高速信号ラインに、それぞれ、導通するコンタクトパッドと、接地用ラインに導通するコンタクトパッドとを含む第1のコンタクトパッド群を接続端部における一方の電極面に有するとともに、一対の電源ラインに、それぞれ、導通する電源用コンタクトパッドと、一対の電源ラインの両脇に、それぞれ、接
地用ラインを介して送信側の一対の高速信号ラインにそれぞれ、導通するコンタクトパッドと、受信側の一対の高速信号ラインにそれぞれ、導通するコンタクトパッドと、接地用ラインに導通するコンタクトパッドとを含む第2のコンタクトパッド群を接続端部における他方の電極面に有する光モジュール用基板を備えるトランシーバモジュールと、 トランシーバモジュールの光モジュール用基板と接続される高速信号用コネクタと、トランシーバモジュールが通過するモジュールスロットを一端に有し、トランシーバモジュールを着脱可能に収容するモジュール収容部と、モジュール収容部に連通し、高速信号用コネクタを収容するコネクタ収容部と、を有するリセプタクル用ケージと、を備えるリセプタクルアセンブリと、を備え、光モジュール用基板における第1のコンタクトパッド群は、複数のコンタクトパッドの配列方向に沿って第2のコンタクトパッド群に対し一方に偏倚しており、前記高速信号用コネクタは、光モジュール用基板の接続端部における一方の電極面に接続される第1のコンタクト端子群と、該光モジュール用基板の接続端部における一方の電極面に向かい合う他方の電極面に接続される第2のコンタクト端子群とを有する接続端部収容部を備えるハウジングを備え、前記第1のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の可動接点部の他端の前記ハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置が、前記第2のコンタクト端子群を構成するコンタクト端子の固定部における斜面部の端部の前記ハウジングが固定される配線基板の実装面に対する位置よりも該実装面に対し離隔していることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るトランシーバモジュールは、光コネクタに接続され、低速制御信号ライン群の両脇に、それぞれ、接地用ラインを介して隣接した送信側の一対の高速信号ラインに、それぞれ、導通するコンタクトパッと、受信側の一対の高速信号ラインに、それぞれ、導通するコンタクトパッと、接地用ラインに導通するコンタクトパッドとを含む第1のコンタクトパッ群を接続端部における一方の電極面に有するとともに、一対の電源ラインに、それぞれ、導通する電源用コンタクトパッドと、一対の電源インの両脇に、それぞれ、接地用ラインを介して送信側の一対の高速信号ラインにそれぞれ、導通するコンタクトパッドと、受信側の一対の高速信号ラインにそれぞれ、導通するコンタクトパッドと、接地用ラインに導通するコンタクトパッドとを含む第2のコンタクトパッド群を接続端部における他方の電極面に有する光モジュール用基板と、光モジュール用基板の上部を覆うアッパーケース、および、光モジュール用基板の下部を覆うロアケースと、を備え、光モジュール用基板における第1のコンタクトパッド群は、複数のコンタクトパッドの配列方向に沿って第2のコンタクトパッド群に対し一方に偏倚していることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る高速信号用コネクタ、および、それを備えるリセプタクルアセンブリ、トランシーバモジュールアセンブリによれば、第1のコンタクト端子群は、低速制御信号ライン群に導通する複数のコンタクト端子列の両脇に、それぞれ、接地用コンタクト端子を介して隣接した送信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子、受信側の一対の高速信号ラインに導通する一対のコンタクト端子、接地用コンタクト端子を含むので比較的高周波数帯域の信号の伝送に対応できるとともに高周波数帯域の信号のチャンネル数を増大させることができ、しかも、高周波数帯域の異なる規格のトランシーバモジュールにも接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A図1Aは、本発明に係る高速信号用コネクタの一例に接続される光モジュール用基板の上面の接続端部のコンタクトパッド群の配列を示す図である。
図1B図1Bは、図1Aに示される光モジュール用基板の上面の接続端部に向き合う下面の接続端部のコンタクトパッド群の配列を示す図である。
図2図2は、本発明に係るトランシーバモジュールアセンブリおよびリセプタクルアセンブリの一例の外観を、プリント配線基板とともに示す斜視図である。
図3図3は、本発明に係るトランシーバモジュールの一例を示す斜視図である。
図4図4は、本発明に係るリセプタクルアセンブリの一例に用いられるホストコネクタおよび配線基板の一部を示す斜視図である。
図5図5は、図4において、V-V線に沿って示される断面図である。
図6図6は、本発明に係る高速信号用コネクタの一例の外観を示す斜視図である。
図7図7は、図6に示される高速信号用コネクタの構成を分解して示す分解斜視図である。
図8図8は、図2に示されるプリント配線基板の電極部および導体パターンを示す図である。
図9図9は、本発明に係るリセプタクルアセンブリの他の一例に用いられるホストコネクタおよび配線基板の一部を示す斜視図である。
図10図10は、図9に示されるプリント配線基板の電極部および導体パターンを示す図である。
図11A図11Aは、参考例としての光モジュール用基板の上面の接続端部のコンタクトパッド群の配列を示す図である。
図11B図11Bは、図11Aに示される光モジュール用基板の上面の接続端部に向き合う下面の接続端部のコンタクトパッド群の配列を示す図である。
図12A図12Aは、本発明に係るトランシーバモジュールの他の一例に用いられるプラグコネクタ、および、プラグコネクタが接続されたホストコネクタの構成の部分断面を含む斜視図である。
図12B図12Bは、プリント配線基板とともに、図12Aに示される例の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2は、本発明に係るトランシーバモジュールアセンブリおよびリセプタクルアセンブリの一例を、配線基板とともに示す。
【0017】
図2および図3において、トランシーバモジュールアセンブリは、光ケーブルとしての光ファイバケーブル14の一端に接続される光コネクタ24が着脱可能に接続されるトランシーバモジュール(以下、光モジュールともいう)10と、光モジュール10が接続される光モジュール用リセプタクルアセンブリ12と、を主な要素として構成されている。
【0018】
光モジュール10は、例えば、56Gbs以上の通信速度に対応するものとされ、光モジュール用基板20(図4参照)と、光モジュール用基板20の上部を覆うアッパーケース18と、光モジュール用基板20の下部を覆うロアケース22とを含んで構成されている。
【0019】
アッパーケース18は、例えば、熱伝導性の優れた金属材料で成形され、光モジュール用基板20の上部が収容される凹部(不図示)を有している。凹部を形成する上壁部には、その凹部に連通する透孔(不図示)が所定の間隔で2箇所に形成されている。各透孔には、アッパーケース18を光モジュール用基板20および後述するロアケース22に固定するための小ネジBS1が挿入される。ロアケース22は、例えば、熱伝導性の優れた金属材料で成形され、光モジュール用基板20の下部が収容される比較的浅い凹部(不図示)を有している。
【0020】
光モジュール用基板20は、光コネクタ24が接続されるレセプタクル(不図示)を内部に収容し支持するコネクタ支持部材(不図示)と、そのコネクタ支持部材を支持するとともに発光/受光素子ユニット等が実装面に実装される基板部とを主な要素として含んで構成されている。
【0021】
その基板部の接続端部は、図1Aおよび図1Bに誇張拡大して示されるように、約1mmの厚みを有し、所定の間隔で互いに平行に形成される複数のコンタクトパッドからなるコンタクトパッド群20EA、20EBを一端の上面20Aおよび下面20B(図5参照)に有している。また、コンタクトパッド群20EA、および、20EBは、基板部内の導体パターンに電気的に接続されている。基板部の接続端部と上述のコネクタ支持部材が設けられる端部とは、内部に形成される導体を介して電気的に接続されている。
【0022】
基板部の接続端部における上面20Aに形成されるコンタクトパッド群20EAは、例えば、図1Aに示されるように、一番端から順次、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A1と、送信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20A2および20A3と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A4と、電源ラインに導通する電源用コンタクトパッド20A5および20A6と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A7と、受信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20A8および20A9と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A10と、予備用コンタクトパッド20A11とを含んで構成されている。即ち、コンタクトパッド群20EAは、11個のコンタクトパッドから構成されている。
【0023】
基板部の接続端部における下面20Bに形成されるコンタクトパッド群20EBは、例えば、図1Bに示されるように、一番端から順次、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B1と、送信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B2および20B3と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B4と、低速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B5、20B6、および、20B7と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B8と、受信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B9、および、20B10と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B11と、を含んで構成されている。即ち、コンタクトパッド群20EBは、11個のコンタクトパッドから構成されている。コンタクトパッド群20EBは、コンタクトパッドの配列方向に沿って上述のコンタクトパッド群20EAに対し一方に偏倚している。
【0024】
光モジュール用リセプタクルアセンブリ12は、例えば、所定の電子機器内のプリント配線基板16上に固定されている。光モジュール用リセプタクルアセンブリ12は、その外郭部を形成するリセプタクル用ケージ15と、リセプタクル用ケージ15内に形成されるホストコネクタ収容部15Hに配されるホストコネクタ30と(図4乃至図6参照)を含んで構成されている。
【0025】
リセプタクル用ケージ15は、例えば、金属製材料で成形され、ホストコネクタ収容部15Hを内部に有している。
【0026】
ホストコネクタ収容部15Hは、リセプタクル用ケージ15における一方側にあるモジュール挿入口に連通している。ホストコネクタ収容部15H内のホストコネクタ30の一端とプラグ挿入口の一端との間には、光モジュール10の接続端部が挿入される空間(モジュール収容部15M)が形成されている。
【0027】
ホストコネクタ30は、例えば、56Gbs以上の通信速度に対応するものとされ、光モジュール10の接続端部が着脱可能に挿入されるスロット30SLを有するコネクタインシュレータと、複数のコンタクト端子32ai、36ai(i=1~n,nは正の整数)(図5および図7参照)とを含んで構成されている。
【0028】
コンタクト端子32ai,36aiは、それぞれ、光モジュール10の接続端部を後述するプリント配線基板16の導体パターンに接続される電極群に電気的に接続するものとされる。
【0029】
コンタクト端子32aiは、図5および図7に示されるように、光モジュール10の接続端部におけるコンタクトパッド20B1~20B11に当接される接点部32Cを一端に有する可動接点部32Mと、プリント配線基板16の電極群に半田付け固定される固定端子部を一端に有する固定部32Fと、可動接点部32Mの他端と固定部32Fの他端とを連結する連結部32Eとを含んで構成される。固定部32Fにおける固定端子部は、図5に拡大されて示されるように、連結部32Eに対し略平行となるように、X座標軸方向に沿って光モジュール10の接続端部の挿入方向に向けて折り曲げられている。その際、可動接点部32Mの他端(湾曲部)からプリント配線基板16の実装面までの距離CHは、後述するコンタクト端子36aiの固定部36Fにおける斜面部の端部36feのプリント配線基板16の実装面に対する距離に比して大に設定されている。これにより、可動接点部32Mとコンタクト端子36aiの可動接点部36Mとが、より離隔するのでホストコネクタ30におけるクロストークの特性が向上することとなる。
【0030】
なお、図5において、Y座標軸は、コンタクト端子32ai,36aiの配列方向に沿ってとられ、X座標軸は、光モジュール10の接続端部の着脱方向に沿ってとられている。Z座標軸は、X座標軸およびY座標軸に対し直交するものとされる。
【0031】
コンタクト端子36aiは、光モジュール10の接続端部におけるコンタクトパッド20A1~20A11に当接される接点部36Cを一端に有する可動接点部36Mと、プリント配線基板16の電極群に半田付け固定される固定端子部を一端に有する固定部36Fと、可動接点部36Mの他端と固定部36Fの他端とを連結する連結部36Eを含んで構成される。固定部36Fにおける固定端子部は、図7に拡大されて示されるように、連結部36Eに対し略直交するように、光モジュール10の接続端部の挿入方向に向けて折り曲げられている。
【0032】
コネクタインシュレータは、図6に示されるように、樹脂材料で成形され、光モジュール10の着脱のとき、光モジュール10の接続端部が通過するスロット30SLを有している。スロット30SLは、光モジュール10の接続端部の厚みに対応した約1.35mmの最大高さを有している。スロット30SLの周囲は、側壁部30RSおよび30LSと、側壁部30RSおよび30LSを相互に連結する上部30Tとにより囲まれて形成されている。スロット30SLは、光モジュール10の接続端部が挿入される接続端部収容部30Eに連通している。接続端部収容部30Eにおける最小深さDpは、例えば、約6.0mmに設定されている。コネクタインシュレータの上部30Tにおけるスロット30SLを形成する部分には、図5に示されるように、所定の第1の面取りC1が施されている。また、コネクタインシュレータの上部30Tにおける端部にも、所定の第2の面取りC2が施されている。
【0033】
スロット30SLは、所定の間隔で図6に示されるY座標軸に沿って形成される複数のスリット30ASiおよび30BSi(i=1~n,nは正の整数)が形成されている。
【0034】
スリット30ASiは、上部30Tの内周面に形成され、スリット30BSiは、スリット30ASiに向き合って下部の内周面に形成されている。
【0035】
なお、図6において、Y座標軸は、コンタクト端子32ai,36aiの配列方向に沿ってとられ、X座標軸は、光モジュール10の接続端部の着脱方向に沿ってとられている。Z座標軸は、X座標軸およびY座標軸に対し直交するものとされる。
【0036】
隣接するスリット30ASi相互間は、隔壁30APi(i=1~n,nは正の整数)により仕切られている。隣接するスリット30BSi相互間は、隔壁30BPi(i=1~n,nは正の整数)により仕切られている。
【0037】
各スリット30ASiおよび30BSi内には、図5に示されるように、コンタクト端子36aiの可動接点部36Mの接点部36Cとコンタクト端子32aiの可動接点部32Mの接点部32Cとが向かい合って配置されている。光モジュール10の接続端部が、図4および図5に示されるように、スロット30SL介して接続端部収容部内に挿入される場合、光モジュール10の接続端部が、コンタクト端子36aiの可動接点部36Mの接点部36Cとコンタクト端子32aiの可動接点部32Mの接点部32Cとの間に挿入される。その際、各コンタクト端子36aiの可動接点部36Mの接点部36Cがコンタクトパッド群20EAに当接され、各コンタクト端子32aiの可動接点部32Mの接点部32Cがコンタクトパッド群20EBに当接される。その際、各コンタクト端子36aiの可動接点部36Mの接点部36Cおよび各コンタクト端子32aiの可動接点部32Mの接点部32Cのスロット30SLの開口端面からの最大距離Lcは、最大約3.0mmに設定されている。
【0038】
コンタクト端子32aiの連結部32Eと固定部32Fにおける固定端子部との間には、図5および図7に拡大されて示されるように、隣接する接地用コンタクト端子32ai相互間を電気的に同電位に接続する接続部材34A、34B、34E、および、34Fがコネクタインシュレータの凹部30R内に嵌合されている。接続部材34A、34B、34E、および、34Fは、凹部30R内に図5においてY座標軸に沿って一列に配置されている。接続部材34A、34B、34E、および、34Fは、それぞれ、例えば、導電性樹脂で成形され、連結部32Eの下方から連結部32Eの表面に当接する突起部34a、34b、34e、および、34fを有している。
【0039】
また、コンタクト端子36aiの可動接点部36Mとコネクタインシュレータのスリット30ASiの内周面との間には、隣接する接地用コンタクト端子36ai相互間を電気的に同一電位に接続する接続部材38A、38B、38E、および、38Fが、図5においてY座標軸に沿って互いに平行に配置されている(図7参照)。例えば、導電性樹脂で一体に成形された接続部材38A、38B、38E、および、38Fは、それぞれ、所定の間隔をもって配され、可動接点部36Mの上方から可動接点部36Mの表面に当接する突起部38a、38b、38e、および、38fを有している。コネクタインシュレータの底部には、プリント配線基板16の位置決め孔に嵌合される位置決めピン30Dが複数個形成されている。
【0040】
コンタクト端子32aiの固定部32Fにおける固定端子部、および、コンタクト端子36aiの固定部36Fにおける固定端子部が半田付け固定されるプリント配線基板16の電極群、および、導体パターンは、図8に部分的に示されるように、プリント配線基板16の端部に形成されている。電極群は、コンタクト端子32aiの固定部32Fにおける固定端子部が半田付け固定される電極部16BE1~16BE11からなる第1の電極群と、コンタクト端子36aiの固定部36Fにおける固定端子部が半田付け固定される電極部16AE1~16AE11からなる第2の電極群とを含んで構成されている。
【0041】
第1の電極群は、プリント配線基板16の最端部に近接した位置に形成され、第2の電極群は、第1の電極群よりもプリント配線基板16の最端部から離隔した位置に形成されている。
【0042】
第1の電極群における電極部16BE1~16BE11は、それぞれ、上述の基板部の接続端部における下面20Bに形成されるグランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B1と、送信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B2および20B3と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B4と、低速制御信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B5、20B6、および、20B7と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B8と、受信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B9、および、20B10と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B11に対応して形成されている。電極部16BE2および16BE3は、それぞれ、プリント配線基板16の表面層に形成され第2の電極群の一方の端部から離隔した位置を通過する導体路16THLを介して他の高速信号ライン(S)とされる導体パターンの部分に直接的に接続されている。また、電極部16BE9および16BE10は、それぞれ、プリント配線基板16の表面層に形成され第2の電極群の他方の端部から離隔した位置を通過する導体路16RHLを介して他の高速信号ライン(S)とされる導体パターンの部分に直接的に接続されている。
【0043】
第2の電極群における電極部16AE1~16AE11は、それぞれ、上述の基板部の接続端部における上面20Aに形成されるグランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A1と、送信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20A2およびA3と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A4と、電源ラインに導通する電源用コンタクトパッド20A5および20A6と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A7と、受信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20A8および20A9と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A10と、予備用コンタクトパッド20A11に対応して形成されている。
【0044】
電極部16AE2および16AE3は、それぞれ、プリント配線基板16の表面層に形成される導体路16THLを介して他の高速信号ライン(S)とされる導体パターンの部分に直接的に接続されている。また、電極部16AE8および16AE9は、それぞれ、プリント配線基板16の表面層に形成され導体路16RHLを介して他の高速信号ライン(S)とされる導体パターンの部分に直接的に接続されている。
【0045】
図9は、本発明に係るリセプタクルアセンブリの他の一例に用いられるホストコネクタおよび配線基板の一部を、光モジュール用基板とともに示す。
【0046】
光モジュール用リセプタクルアセンブリは、例えば、所定の電子機器内のプリント配線基板56上に固定されている。光モジュール用リセプタクルアセンブリは、その外郭部を形成するリセプタクル用ケージ(不図示)と、リセプタクル用ケージ内に形成されるホストコネクタ収容部に配されるホストコネクタ30´とを含んで構成されている。
【0047】
ホストコネクタ30´は、光モジュール用基板20の接続端部が着脱される場合、光モジュール用基板20の接続端部が通過するスロットを有するコネクタインシュレータと、その接続端部における下面20Bに当接される複数の第1のコンタクト端子(不図示)、および、その接続端部における上面20Aに当接される第2のコンタクト端子(不図示)とを含んで構成されている。
【0048】
コネクタインシュレータおよび第2のコンタクト端子の構成は、図6に示されるインシュレータおよびコンタクト端子36aiの構成と同一とされるのでその説明を省略する。
【0049】
第1のコンタクト端子は、光モジュール10の接続端部におけるコンタクトパッド20B1~20B11に当接される接点部32Cを一端に有する可動接点部と、プリント配線基板56の電極群に半田付け固定される固定端子部を一端に有する固定部と、可動接点部の他端と固定部の他端とを連結する連結部とを含んで構成される。その固定部における固定端子部は、連結部に対し略平行となるように、光モジュール10の接続端部を引き抜く方向に向けて折り曲げられている。
【0050】
複数の第1のコンタクト端子および第2のコンタクト端子は、それぞれ、光モジュール用基板20の接続端部を後述するプリント配線基板56の導体パターンに接続される電極群に電気的に接続するものとされる。
【0051】
複数の第1および第2のコンタクト端子の固定部における固定端子部が、半田付け固定されるプリント配線基板56の電極群、および、導体パターンは、図10に部分的に示されるように、プリント配線基板56の端部に形成されている。
【0052】
電極群は、第1のコンタクト端子の固定部における固定端子部が半田付け固定される電極部56BE1~56BE11からなる第1の電極群と、第2のコンタクト端子の固定部における固定端子部が半田付け固定される電極部56AE1~56AE11からなる第2の電極群とを含んで構成されている。プリント配線基板56における実装面における第1の電極群と第2の電極群との間には、グランド用導体56Gが、第1の電極群と第2の電極群との間を区切るように形成されている。このように接地用ラインにヴィアを介して接続されるグランド用導体56Gが形成されることにより、ホストコネクタ30´におけるクロストーク特性がより向上することとなる。
【0053】
上述の第1の電極群は、プリント配線基板56の最端部に近接した位置に形成され、上述の第2の電極群は、第1の電極群よりもプリント配線基板56の最端部から離隔した位置に形成されている。
【0054】
第1の電極群における電極部56BE1~56BE11は、それぞれ、上述の光モジュール用基板20の基板部の接続端部における下面20Bに形成されるグランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B1と、送信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B2および20B3と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B4と、低速制御信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B5、20B6、および、20B7と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B8と、受信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B9、および、20B10と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20B11に対応して形成されている。
【0055】
電極部56BE2および56BE3は、それぞれ、各導体路56THL1、および、ヴィア56VIAを介して高速信号ライン(S)とされる各導体パターン56THL2の部分に接続されている。各導体路56THL1の一端は、電極部56BE2および56BE3に隣接した位置にあるヴィア56VIAを介して電極部56BE2および56BE3に接続され、各導体路56THL1の他端は、各導体パターン56THL2に隣接した位置にあるヴィア56VIAを介して各導体パターン56THL2に接続されている。各導体路56THL1は、図10において破線で示されるように、プリント配線基板56の表層に形成されるグランド用導体56Gよりも下方の下層に形成されている。
【0056】
電極部56BE9および56BE10は、それぞれ、各導体路56RHL1、および、ヴィア56VIAを介して高速信号ライン(S)とされる導体パターン56RHL2の部分に接続されている。導体路56RHL1の一端は、電極部56BE9および56BE10に隣接した位置にあるヴィア56VIAを介して電極部56BE9および56BE10に接続され、導体路56RHL1の他端は、導体パターン56RHL2に隣接した位置にあるヴィア56VIAを介して各導体パターン56THL2に接続されている。各導体路56RHL1は、図10において破線で示されるように、プリント配線基板56の表層に形成されるグランド用導体56Gよりも下方の下層に形成されている。
【0057】
第2の電極群における電極部56AE1~56AE11は、それぞれ、上述の基板部の接続端部における上面20Aに形成されるグランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A1と、送信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20A2およびA3と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A4と、電源ラインに導通する電源用コンタクトパッド20A5および20A6と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A7と、受信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20A8および20A9と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド20A10と、予備用コンタクトパッド20A11に対応して形成されている。
【0058】
電極部56AE2および56AE3は、それぞれ、プリント配線基板56の表層に形成される各導体路56THLを介して他の高速信号ライン(S)とされる導体パターンの部分に直接的に接続されている。また、電極部56AE8および56AE9は、それぞれ、プリント配線基板56の表層に形成され各導体路56RHLを介して他の高速信号ライン(S)とされる導体パターンの部分に直接的に接続されている。
【0059】
従って、本発明に係るトランシーバモジュールの一例に用いられる光モジュール用基板20は、後述する図11Aおよび図11Bに示される参考例としての光モジュール用基板40に比してチャンネル数を増大させることができ、また、図8に示される本発明に係るリセプタクルアセンブリの一例に用いられるプリント配線基板16の構造および導体パターンは、光モジュール用基板20のコンタクトパッド群の配列に対応しつつ、ヴィア等を使用することなく作製されるので図10に示されるプリント配線基板56の導体パターンに比して簡略化されている。
【0060】
図11Aおよび図11Bは、上述のホストコネクタ30および30´に対し着脱可能とされる光モジュールにおける光モジュール用基板40の参考例を概略的に示す。
【0061】
光モジュール内の光モジュール用基板40は、光コネクタが接続されるレセプタクル(不図示)を内部に収容し支持するコネクタ支持部材(不図示)と、そのコネクタ支持部材を支持するとともに発光/受光素子ユニット等が実装面に実装される基板部とを主な要素として含んで構成されている。
【0062】
その基板部の接続端部は、図11Aおよび図11Bに誇張拡大して示されるように、所定の間隔で互いに平行に形成される複数のコンタクトパッドからなるコンタクトパッド群40EA、40EBを一端の上面40Aおよび下面40Bに有している。また、コンタクトパッド群40EA、40EBは、それぞれ、基板部内の導体パターンに電気的に接続されている。基板部の接続端部と上述のコネクタ支持部材が設けられる端部とは、内部に形成される導体を介して電気的に接続されている。
【0063】
基板部の接続端部における上面40Aに形成されるコンタクトパッド群40EAは、例えば、図11Aに示されるように、一番端から順次、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド40A1と、送信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド40A2および40A3と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド40A4と、電源ラインに導通する電源用コンタクトパッド40A5および40A6と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド40A7と、受信側の高速信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド40A8および40A9と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド40A10とを含んで構成されている。即ち、コンタクトパッド群40EAは、10個のコンタクトパッドから構成されている。
【0064】
基板部の接続端部における下面40Bに形成されるコンタクトパッド群40EBは、例えば、図11Bに示されるように、一番端から順次、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド40B1と、低速制御信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド40B2および40B3と、低速制御信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド40B4、40B5、および、40B6と、低速制御信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド40B7および40B8と、グランドライン(G)に導通するコンタクトパッド40B9および40B10と、を含んで構成されている。即ち、コンタクトパッド群40EBは、10個のコンタクトパッドから構成されている。
【0065】
従って、光モジュール用基板40における低速制御信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド40B4、40B5、および、40B6と、上述の光モジュール用基板20における低速制御信号ライン(S)に導通するコンタクトパッド20B5、20B6、および、20B7とが対応しており、また、コンタクトパッド40B4、40B5、および、40B6が、コンタクト端子32aiを介して電極部16BE5、16BE6、および、16BE7に電気的に接続され得るので光モジュール用基板20に比べてチャンネル数の少ない光モジュール用基板40も、上述のホストコネクタ30および30´に対し接続可能となる。
【0066】
図3に示されるように、上述の本発明に係るトランシーバモジュールアセンブリの一例に用いられる光モジュール用基板20の基板部の接続端部は、所定の間隔で互いに平行に形成される複数のコンタクトパッドからなるコンタクトパッド群20EA、20EBを、一端の上面20Aおよび下面20B(図5参照)に有する構成を備えるが、斯かる例に限られることなく、例えば、図12Aに示されるように、モジュール基板60の基板部の接続端部が、プラグコネクタ62に接続される構成であってもよい。
【0067】
図12Bにおいて、プラグコネクタ62の内側に挿入されるモジュール基板60における端部は、表面および裏面に向き合って形成されている複数のコンタクトパッド60Ei(i=1~n,nは正の整数)からなる電極部を有している。コンタクトパッド60Eiは、モジュール基板60のプラグコネクタ62に対する挿入方向に対し略直交する方向に一列に所定の間隔で配列されている。表面および裏面におけるコンタクトパッド60Eiの配列は、それぞれ、例えば、上述の図1Aおよび図1Bに示されるような、コンタクトパッド群20EAおよびコンタクトパッド群20EBの配列と同一配列であってもよく、あるいは、例えば、裏面におけるコンタクトパッド60Eiの配列において、少なくとも送信側の高速信号ライン(S)に導通する一対のコンタクトパッドと、受信側の高速信号ライン(S)に導通する一対のコンタクトパッドと、を含むように構成されてもよい。
【0068】
プラグコネクタ62は、例えば、樹脂材料で一体に成形され、図12Bに示されるように、接続端部62PEと、接続端部62PEに連なり上述のモジュール基板60の端部を支持する基板支持部と、接続端部16PEおよび基板支持部に支持される複数のコンタクト端子62EAiおよび62EBi(i=1~n,nは正の整数)と、を含んで構成されている。
【0069】
接続端部62PEは、後述するホストコネクタ70のスロットに挿入される。接続端部62PEは、モジュール基板60の端部が挿入される凹部62Rをその内部に有している。凹部62Rは、基板支持部の開口端部に連通している。また、凹部62Rにおける両側部は、側壁部により形成されている。また、凹部62Rを形成する両側壁部には、モジュール基板60の姿勢を接続端部62PEの上面に対し平行に保つように、モジュール基板60の側部を案内する溝62Rgが形成されている。
【0070】
プラグコネクタ62の基板支持部は、挿入されるモジュール基板60の端部が通過する開口端部を有している。基板支持部の上面には、光モジュールのアッパケースおよびロアケース内の基板支持壁(不図示)に当接される一対の位置決め部16Aが互いに離隔して形成されている。また、基板支持部の下面には、アッパケースおよびロアケース内の基板支持壁(不図示)に当接される細長いばね部62Bが形成されている。
【0071】
コンタクト端子62EAiは、基板支持部の一対の位置決め部62Aに向き合う接続端部62PEの上面に、上述のコンタクトパッド60Eiに対応する所定の間隔をもって配置されている。コンタクト端子62EAiは、例えば、電源用端子、信号用コンタクト端子および接地用コンタクト端子から構成されている。例えば、隣接する一対の信号用コンタクト端子は、接地用コンタクト端子相互間に配されている。コンタクト端子62EAiは、コンタクトパッド60Eiに半田付け固定される固定端子部と、ホストコネクタ70のコンタクト端子74aiの接点部に当接される接点部とを有している。
【0072】
コンタクト端子62EBiは、基板支持部のばね部62Bに向き合う接続端部62PEの下面に、上述のコンタクトパッド60Eiに対応する所定の間隔をもって配置されている。コンタクト端子62EBiは、例えば、電源用端子、信号用コンタクト端子および接地用コンタクト端子から構成されている。例えば、隣接する一対の信号用コンタクト端子は、接地用コンタクト端子相互間に配されている。コンタクト端子62EBiは、コンタクトパッド60Eiに半田付け固定される固定端子部と、ホストコネクタ70のコンタクト端子72aiの接点部に当接される接点部とを有している。
【0073】
ホストコネクタ70は、例えば、56Gbs以上の通信速度に対応するものとされ、上述のプラグコネクタ62の接続端部62PEが着脱可能に挿入されるスロットを有するコネクタインシュレータと、複数のコンタクト端子72ai、74ai(i=1~n,nは正の整数)とを含んで構成されている。
【0074】
コンタクト端子72ai,74aiは、それぞれ、プラグコネクタ62の接続端部62PEを後述するプリント配線基板76の導体パターンに接続される電極群に電気的に接続するものとされる。
【0075】
コンタクト端子72aiは、図12Bに示されるように、プラグコネクタ62の接続端部62PEにおけるコンタクト端子62EBiに当接される接点部72Cを一端に有する可動接点部72Mと、プリント配線基板76の電極群に半田付け固定される固定端子部を一端に有する固定部72Fと、可動接点部72Mの他端と固定部72Fの他端とを連結する連結部72Eとを含んで構成される。固定部72Fにおける固定端子部は、連結部72Eに対し略平行となるように、X座標軸方向に沿ってプラグコネクタ62の接続端部62PEの挿入方向に向けて折り曲げられている。
【0076】
なお、図12Bにおいて、Y座標軸は、コンタクト端子72ai,74aiの配列方向に沿ってとられ、X座標軸は、プラグコネクタ62の接続端部62PEの着脱方向に沿ってとられている。Z座標軸は、X座標軸およびY座標軸に対し直交するものとされる。
【0077】
コンタクト端子74aiは、プラグコネクタ62の接続端部62PEにおけるコンタクト端子62EAiに当接される接点部74Cを一端に有する可動接点部74Mと、プリント配線基板76の電極群に半田付け固定される固定端子部を一端に有する固定部74Fと、可動接点部74Mの他端と固定部74Fの他端とを連結する連結部74Eを含んで構成される。固定部74Fにおける固定端子部は、連結部74Eに対し略直交するように、プラグコネクタ62の接続端部62PEの挿入方向に向けて折り曲げられている。可動接点部74Mは、プリント配線基板76の実装面に対し略平行に延び、連結部74Eは、プリント配線基板76の実装面に対し略垂直となるように可動接点部74Mの端から折り曲げられ形成されている。
【0078】
コネクタインシュレータは、樹脂材料で成形され、光モジュールの着脱のとき、プラグコネクタ62の接続端部62PEが通過するスロットを有している。スロットは、プラグコネクタ62の接続端部62PEの厚みに対応した最大高さを有している。スロットの周囲は、側壁部と、両側壁部を相互に連結する上部とにより囲まれて形成されている。そのスロットは、プラグコネクタ62の接続端部62PEが挿入される接続端部収容部70Eに連通している。スロットの周縁には、所定の間隔で図12Bに示されるY座標軸に沿って形成される複数のスリット70ASiおよび70BSi(i=1~n,nは正の整数)が形成されている。スリット70ASiは、上部の内周面に形成され、スリット70BSiは、スリット70ASiに向き合って下部の内周面に形成されている。
【0079】
隣接するスリット70ASi相互間は、隔壁70APi(i=1~n,nは正の整数)により仕切られている。隣接するスリット70BSi相互間は、隔壁70BPi(i=1~n,nは正の整数)により仕切られている。
【0080】
各スリット70ASiおよび70BSi内には、コンタクト端子72aiの可動接点部72Mの接点部72Cとコンタクト端子74aiの可動接点部74Mの接点部74Cとが向かい合って配置されている。プラグコネクタ62の接続端部62PEが、図12Bに示されるように、スロット介して接続端部収容部70E内に挿入される場合、プラグコネクタ62の接続端部62PEが、コンタクト端子72aiの可動接点部72Mの接点部72Cとコンタクト端子74aiの可動接点部74Mの接点部74Cとの間に挿入される。その際、各コンタクト端子72aiの可動接点部72Mの接点部72Cがコンタクト端子62EBiに当接され、各コンタクト端子74aiの可動接点部74Mの接点部74Cがコンタクト端子62EAiに当接される。
【0081】
コンタクト端子72aiの固定部72Fにおける固定端子部、および、コンタクト端子74aiの固定部74Fにおける固定端子部が半田付け固定されるプリント配線基板76の電極群、および、導体パターンの一例は、図示が省略されるが、例えば、図8に示される例と同様に、コンタクト端子72aiの固定部72Fにおける固定端子部に電気的に接続される送信側の高速信号ライン(S)に導通する一対のコンタクトパッドと、受信側の高速信号ライン(S)に導通する一対のコンタクトパッドとが、それぞれ、導体路を介して他の高速信号ライン(S)とされる導体パターンの部分に直接的に接続されている。従って、斯かる例においても、プリント配線基板76の電極群、および、導体パターンがヴィア等を使用することなく作製され得る。
【0082】
なお、上述の本発明に係るトランシーバモジュールアセンブリおよびリセプタクルアセンブリの一例においては、光モジュール10から発生した熱を、ヒートシンク(不図示)を介して放熱するように、ヒートシンクがリセプタクル用ケージ15に設けられてもよい。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B