(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20221019BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20221019BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/45
(21)【出願番号】P 2020170210
(22)【出願日】2020-10-08
(62)【分割の表示】P 2018099222の分割
【原出願日】2018-05-23
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 文子
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】[陰陽師]スタミナの入手方法!回復や補充、節約のやり方,あびこさん@がんばらない[online],2017年03月09日,https://abikosan.com/onmyoji_ikura,特に「スタミナ」「スタミナ重で蓄積」の項を参照、[2020年1月17日検索]
【文献】[ミリシタ]ライブチケットとは?入手方法やもらえる報酬を紹介,アイマス通信[online],2017年07月01日,https://アイマス通信.com/archives/1715,特に冒頭の説明、「元気の余剰分がそのままライブチケットに」の項を参照、[2020年1月17日検索]
【文献】[崩壊3rd]学寮でできることまとめ!,ゲームエイト,2018年05月07日,https://game8.jp/houkai3rd/207658,特に「自動販売機」の項を参照、[2019年12月24日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行させるゲーム実行手段、および
前記ゲームを実行する際に所定のパラメータを減少させる減少処理を実行するとともに、時間の経過とともに前記パラメータを増加させる増加処理を実行するパラメータ制御手段、
として機能させ、
前記増加処理には、蓄積された前記パラメータが特定量未満であるときに実行される第1処理と、蓄積された前記パラメータが前記特定量以上であるときに実行される第2処理とがあり、
前記パラメータ制御手段は、所定時間以上前記ゲームにログインされなかった場合に、前記第2処理を中断する、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行させるゲーム実行手段、および
前記ゲームを実行する際に所定のパラメータを減少させる減少処理を実行するとともに、時間の経過とともに前記パラメータを増加させる増加処理を実行するパラメータ制御手段、
として機能させ、
前記増加処理には、蓄積された前記パラメータが特定量未満であるときに実行される第1処理と、蓄積された前記パラメータが前記特定量以上であるときに実行される第2処理とがあり、
前記パラメータ制御手段は、所定時間以上前記ゲームが実行されなかった場合に、前記第2処理を中断する、
コンピュータプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行させるゲーム実行手段、および
前記ゲームを実行する際に所定のパラメータを減少させる減少処理を実行するとともに、時間の経過とともに前記パラメータを増加させる増加処理を実行するパラメータ制御手段、
として機能させ、
前記増加処理には、蓄積された前記パラメータが特定量未満であるときに実行される第1処理と、蓄積された前記パラメータが前記特定量以上であるときに実行される第2処理とがあり、
前記パラメータ制御手段は、前記第1処理で蓄積された前記パラメータに基づいて前記ゲームを実行する場合と、前記第2処理で蓄積された前記パラメータに基づいて前記ゲームを実行する場合とで、減少させる前記パラメータの量を異ならせる、
コンピュータプログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンなどの端末装置でプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンなどの端末装置でプレイされ、プレイされるたびにゲーム上のコストであるスタミナが消費されるゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなゲームにおいては、ユーザがゲームプレイをするたびに所定量のスタミナが消費される。そして、消費されたスタミナは時間経過によって、またはユーザによる課金あるいはゲームアイテムの使用によって回復される。
【0004】
特許文献1には、ユーザが課金あるいはゲームアイテムを使用することによってスタミナの回復を行ったとき、上限値を超えてスタミナを回復させることのできるゲームが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のゲームにおいては、一定時間以上ゲームプレイがされなかった場合であっても、時間経過によってはスタミナが上限値までしか回復されない。このため、連続してゲームを楽しみたいユーザは、課金あるいはゲームアイテムの使用によってスタミナを回復させるしかなかった。
【0007】
本発明の目的は、スタミナが特定量以上であるときでも時間経過によるスタミナの増加が継続されるゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、
ユーザの操作を受けつける操作部を備えるゲーム装置を、
前記ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行させるゲーム実行手段、および
前記ゲームを実行する際に所定のパラメータを減少させ、前記パラメータが特定量未満であるときは第1の時間が経過するごとに前記パラメータを所定量増加させるパラメータ制御手段、
として機能させ、
前記パラメータ制御手段は、前記パラメータが前記特定量以上であるときに、前記第1の時間よりも長い第2の時間が経過するごとに前記パラメータを前記所定量増加させる、
ゲームプログラムである。
【0009】
また、第1の発明において、前記所定のゲームには、前記パラメータ制御手段が前記第1の時間が経過するごとに前記所定量増加させたパラメータが減少されることに基づいて、前記ゲーム実行手段が実行させる第1のゲーム、および前記パラメータ制御手段が前記第2の時間が経過するごとに前記所定量増加させたパラメータが減少されることに基づいて、前記ゲーム実行手段が実行させる第2のゲーム、の少なくともいずれか一方が含まれるようにしてもよい。
【0010】
また、第1の発明において、前記ゲーム実行手段が、前記第1のゲームおよび前記第2のゲームの両方を実行させ、前記第2のゲームが前記第1のゲームよりも、前記ユーザにとってゲームプレイ上有利な状況となるように設定されるようにしてもよい。
【0011】
第2の発明は、
第1の発明におけるゲームプログラムを記憶する記憶部と、前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える、
ゲーム装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スタミナが特定量以上であるときでも時間経過によるスタミナの増加が継続されるゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態におけるゲーム装置の構成を示す図である。
【
図2】
図1におけるゲーム装置で実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図3】
図1におけるゲーム装置で実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図4】
図1におけるゲーム装置で実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態におけるスタミナ増加処理を示すフローチャートである。
【
図6】他の実施形態におけるクエスト実行処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態]
本発明の実施の形態にかかるゲーム装置1について、
図1~
図5を参照して説明する。
【0015】
<ゲームの説明>
図1に示される本発明のゲーム装置1では、ユーザがタッチパッド150を介して仮想ゲーム空間上のプレイヤキャラクタを操作して進行するゲームが実行される。
【0016】
本実施形態において、ゲーム装置1にて実行されるゲームは、ユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐する複数のクエストで構成されるアクションゲームである。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。ゲームは、
図2~
図4のとおり、ユーザがタッチパネル150を操作することで進行する。
【0017】
<ハードウェア構成および機能的構成>
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記アクションゲームが実行されるゲーム装置1のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0018】
なお、ゲーム装置1には、そのゲーム装置1に対応づけてユーザアカウントが付与される。このユーザアカウントはユーザアカウント情報として管理される。
【0019】
ゲーム装置1が通信ネットワーク3を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、そのゲーム装置1からユーザアカウント情報が送信される。送信されたユーザアカウント情報は、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2とゲーム装置1との通信が可能となる。
【0020】
また、ユーザには、ゲームをプレイするにあたってゲームアカウントが付与される。ゲームアカウントは、ユーザアカウントとともにゲームアカウント情報として管理される。
【0021】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、
図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0022】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス200を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0023】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。
【0024】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される。記憶部21には、例えば、ゲーム装置1にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0025】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とゲーム装置1との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク3に接続される。
【0026】
<サーバ装置2の制御部20の機能的構成>
サーバ装置2の制御部20は、
図1のとおり、所定のプログラムを実行することにより、照合手段201および通信手段202として機能する。
【0027】
<照合手段201の説明>
照合手段201は、ゲーム装置1から送信されるユーザアカウント情報を用いてユーザアカウントの認証を行う。
【0028】
<通信手段202の説明>
通信手段202は、ゲーム装置1から送信されたユーザアカウント情報、ダウンロード要求情報、およびゲームのゲームアカウント情報などを受信する。
【0029】
また、通信手段202は、ユーザアカウント情報およびダウンロード要求情報を受信して、本発明のゲームプログラム、ゲームアカウント情報、および課金アイテムなどのゲームデータをゲーム装置1に送信する。
【0030】
<ゲーム装置1のハードウェア構成>
ゲーム装置1は、
図1のとおり、スピーカ130、液晶画面140、およびタッチパッド150が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このゲーム装置1において、サーバ装置2から配信されたゲームに関するゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0031】
また、ゲーム装置1は、サーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク3を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0032】
ゲーム装置1は、制御部10、記憶部11、ネットワークインターフェース12、オーディオ処理部13、グラフィック処理部14、および操作部15を備える。
【0033】
記憶部11、ネットワークインターフェース12、オーディオ処理部13、グラフィック処理部14、および操作部15は、バス100を介して、制御部10に接続される。
【0034】
制御部10は、ゲーム装置1の動作を制御する。
【0035】
記憶部11は、主にHDD、RAMおよびROMで構成される。記憶部11には、例えば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0036】
ネットワークインターフェース12は、ゲーム装置1とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク3に接続される。これにより、ゲーム装置1に本発明のゲームプログラムおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0037】
オーディオ処理部13は、制御部10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部13には、スピーカ130が接続される。ゲーム音声は、スピーカ130から出力される。
【0038】
グラフィック処理部14は、制御部10の指示に従って仮想ゲーム空間およびプレイヤキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部14にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面140に表示される。
【0039】
操作部15には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部15には、入力位置検出装置であるタッチパッド150を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド150をタッチすることによって、クエストの選択、あるいは、プレイヤキャラクタの操作等を行う。
【0040】
<ゲーム装置1の制御部10の機能的構成>
ゲーム装置1の制御部10は、
図1のとおり、サーバ装置2からダウンロードされた本発明のゲームプログラムを実行することで、ゲーム実行手段101、パラメータ制御手段102、および通信手段103として機能する。
【0041】
<ゲーム実行手段101の説明>
ゲーム実行手段101は、ユーザによるタッチパッド150の操作に基づいて、ゲームをゲーム装置1にて実行させる。
【0042】
具体的には、ゲーム実行手段101は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部11から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0043】
また、ゲーム実行手段101は、仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタを配置する。そして、ゲーム実行手段101は、ユーザによるタッチパッド150の操作、および、ゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0044】
また、ゲーム実行手段101は、ゲームが所定の進行状況となっているか否かを判定する。所定の進行状況には、例えば、ユーザの操作に基づいて所定のゲームアイテムが使用されること、ユーザの操作に基づいて所定の課金が行われること、および、ユーザのゲーム上のランクが上昇することがある。
【0045】
また、ゲーム実行手段101は、仮想ゲーム空間、プレイヤキャラクタ、および仮想操作ボタンをゲーム画面として液晶画面140に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部14が液晶画面140上にゲーム画像を描画する。例えば、液晶画面140には、
図2~
図4のとおり、画面上部から「ユーザランク」、「スタミナゲージ」、「スタミナバンク」などが表示される。
【0046】
<パラメータ制御手段102の説明>
パラメータ制御手段102は、ゲームを実行する際に減少されるパラメータを管理する。具体的には、パラメータ制御手段102は、ユーザがゲームをプレイする際に1つのクエストを選択した場合には、そのクエストを実行するために必要なパラメータ(スタミナ等)を減少させる。
【0047】
例えば、
図3のとおり、ユーザが「モンスターT討伐」のクエストを選択した場合には、スタミナは30消費(減少)される。
【0048】
一方、パラメータ制御手段102は、所定時間の経過に伴って所定量のスタミナを増加させる。具体的には、パラメータ制御手段102は、スタミナが特定量(本実施例においては100)未満の場合、3分(第1の時間)が経過するごとにスタミナを1増加させる(以下、この処理を「第1のスタミナ増加処理」という。)。
【0049】
そして、パラメータ制御手段102は、スタミナが特定量(100)以上の場合、20分(第2の時間)が経過するごとにスタミナを1増加させる(以下、この処理を「第2のスタミナ増加処理」という。)。
【0050】
このようなスタミナの増加・減少について、
図2~
図4を参照して詳述する。
【0051】
図2では、スタミナが90(スタミナゲージに90、スタミナバンクに0)蓄積されている。このとき、スタミナが特定量未満であるため、第1のスタミナ増加処理が行われる。すなわち、
図2の状態においては、3分が経過するごとにスタミナが1増加する。本処理によって増加したスタミナは、液晶画面140の「スタミナゲージ」のメーターおよび数字に反映される(すなわち、メーターが1スタミナ分増加し、90が91に更新される)。
【0052】
図3では、スタミナが150(スタミナゲージに100、スタミナバンクに50)蓄積されている。このとき、スタミナが特定量以上であるため、第2のスタミナ増加処理が行われる。そして、ユーザが「モンスターT討伐」のクエストを選択した場合には、ゲームが実行されるとともにスタミナが30減少される。これにより、残りのスタミナは120(スタミナゲージに100、スタミナバンクに20)となり、第2のスタミナ増加処理が継続される。
【0053】
第2のスタミナ増加処理によって増加したスタミナは、液晶画面140の「スタミナバンク」のメーターおよび数字に反映される(すなわち、メーターが1スタミナ分増加し、120が121に更新される)。
【0054】
図4では、スタミナが120(スタミナゲージに100、スタミナバンクに20)蓄積されている。このとき、スタミナが特定量以上であるため、第2のスタミナ増加処理が行われる。そして、ユーザが「モンスターT討伐」のクエストを選択した場合には、ゲームが実行されるとともにスタミナが30減少される。これにより、残りのスタミナは90となるため、スタミナが100以上となるまでは第1のスタミナ増加処理が実行される。
【0055】
<通信手段103の説明>
通信手段103は、サーバ装置2からゲームに関するゲームプログラムを受信する。このゲームプログラムは、記憶部11へ送信される。
【0056】
また、通信手段103は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザアカウント情報、ゲームアカウント情報、および新たなゲームデータのダウンロード要求情報をサーバ装置2に送信する。このゲームデータは、例えば、ユーザが課金することによって新たに使用することができるようになるアイテム(例えば、プレイヤキャラクタが用いる武器)などのデータである。
【0057】
<スタミナ増加処理の説明>
以下、
図5を参照して、本発明のスタミナ増加処理について説明する。
【0058】
まず、パラメータ制御手段102は、蓄積されているスタミナが特定量(本実施例では100)未満であるか否かを判定する(ステップS1)。
【0059】
スタミナが特定量未満であると判定された場合(S1:YES)、パラメータ制御手段102は、第1のスタミナ増加処理を実行する。
【0060】
すなわち、第1のスタミナ増加処理においては、パラメータ制御手段102が、第1の時間(本実施例では3分)が経過したか否かを判定する(ステップS2)。
【0061】
第1の時間が経過したと判定された場合(S2:YES)、パラメータ制御手段102は、スタミナを所定量(本実施例では1)増加させ(ステップS3)、スタミナ増加処理が終了する。
【0062】
一方、第1の時間が経過していないと判定された場合(S2:NO)、パラメータ制御手段102は、スタミナを増加させることなく、スタミナ増加処理は終了する。
【0063】
ステップS1に戻って、スタミナが特定量以上であると判定された場合(S1:NO)、パラメータ制御手段102は、第2のスタミナ増加処理を実行する。
【0064】
すなわち、第2のスタミナ増加処理においては、パラメータ制御手段102が、第2の時間(本実施例では20分)が経過したか否かを判定する(ステップS4)。
【0065】
第2の時間が経過したと判定された場合(S4:YES)、パラメータ制御手段102は、スタミナを所定量(本実施例では1)増加させ(ステップS3)、スタミナ増加処理が終了する。
【0066】
一方、第2の時間が経過していないと判定された場合(S4:NO)、パラメータ制御手段102は、スタミナを増加させることなく、スタミナ増加処理は終了する。
【0067】
以上の手順により、本発明のスタミナの増加処理が実行される。当該処理は、所定間隔ごとに繰り返し実行される。
【0068】
なお、前述された制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0069】
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、
ユーザの操作を受けつける操作部15を備えるゲーム装置1を、
前記ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行させるゲーム実行手段101、および
前記ゲームを実行する際に所定のパラメータ(例えば、スタミナ)を減少させ、前記パラメータが特定量(例えば、100)未満であるときは第1の時間(例えば、3分)が経過するごとに前記パラメータを所定量(例えば、1スタミナ)増加させるパラメータ制御手段102、
として機能させ、
前記パラメータ制御手段102は、前記パラメータが前記特定量以上であるときに、前記第1の時間よりも長い第2の時間(例えば、20分)が経過するごとに前記パラメータを前記所定量増加させる。
【0070】
<発明の効果>
本実施形態のゲームプログラムによれば、スタミナが特定量以上であるときでも時間経過によるスタミナの増加が継続される。
【0071】
[他の実施形態]
前記実施形態においては、第1のスタミナ増加処理と第2のスタミナ増加処理とで、同じ量のスタミナが増加する例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0072】
例えば、第1のスタミナ増加処理では第1の時間が経過するごとにスタミナを2増加させ、第2のスタミナ増加処理では第2の時間が経過するごとにスタミナを1増加させるようにしてもよい。
【0073】
このとき、第1の時間と第2の時間とがほぼ等しくなるようにすることで、スタミナが特定量未満のときは時間経過によるスタミナ増加量が相対的に大きく、スタミナが特定量以上のときは時間経過によるスタミナ増加量が相対的に小さくなるため、前記実施形態に記載の発明と同様の効果が得られることになる。
【0074】
また、前記実施形態においては、第2のスタミナ増加処理におけるスタミナ増加スピードよりも第1のスタミナ増加処理におけるスタミナ増加スピードが速い例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0075】
例えば、スタミナが特定量未満であるときはスタミナ増加スピードが相対的に遅く、スタミナが特定量以上であるときはスタミナ増加スピードが相対的に速くなるようにしてもよい。これによりスタミナの過剰消費を抑制することが可能となる。
【0076】
また、前記実施形態においては、スタミナ増加処理として第1のスタミナ増加処理および第2のスタミナ増加処理のいずれかを行う例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0077】
例えば、前記特定量として第1の特定量(例えば、100)と第2の特定量(例えば、150)とを設定し、スタミナが第1の特定量未満であるときは第1の時間(例えば、3分)が経過するごとにスタミナを所定量増加させ、スタミナが第1の特定量以上第2の特定量未満であるときは第2の時間(例えば、20分)が経過するごとにスタミナを所定量増加させ、スタミナが第2の特定量以上であるときは第3の時間(例えば、30分)が経過するごとにスタミナを所定量増加させる(第3のスタミナ増加処理を行う)ようにしてもよい。
【0078】
これにより、蓄積されたスタミナの量が多くなるごとにスタミナの増加スピードが落ちるゲームを実現することができる。
【0079】
また、前記実施形態においては、蓄積されたスタミナが特定量以上であるときは継続して第2のスタミナ増加処理が実行される例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0080】
例えば、所定条件が満たされた場合には、制御部が第2のスタミナ増加処理を中断する切替手段として機能してもよい。所定条件として、所定時間以上継続して第2の増加処理が実行されたこと、所定時間以上ゲームにログインされなかったこと、または、所定時間以上クエストが実行されなかったことなどが設定されることによって、ユーザが一定時間以上ゲームを放置することを抑制することができる。
【0081】
また、前記実施形態においては、蓄積されたスタミナが特定量未満であるか否かによって、第1のスタミナ増加処理および第2のスタミナ増加処理のいずれかが実施される例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0082】
例えば、ゲーム実行手段において、ゲームが所定の進行状況となっていると判定された場合には、所定時間(例えば、3時間)経過するまでは、第1のスタミナ増加処理および第2のスタミナ増加処理の両方が実施されるようにしてもよい。
【0083】
また、前記実施形態においては、スタミナはゲーム装置内で制御されている例を示したが、本発明はこれには限られない。例えば、サーバ装置がスタミナの制御を行ってそのスタミナ情報をゲーム装置に送信してもよい。この場合には、スタミナがサーバ装置によって制御されているため、ユーザによるスタミナに関する不正を防止することができる。
【0084】
また、前記実施形態においては、第1のスタミナ増加処理によって増加するスタミナは、液晶画面に「スタミナゲージ」としてメーターおよび数字表示され、第2のスタミナ増加処理によって増加するスタミナは、液晶画面に「スタミナバンク」としてメーターおよび数字表示される例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0085】
例えば、スタミナバンクが表示されず、スタミナのみが表示されてもよい。このとき、スタミナが数字表示される場合には「130/100」と表示されたり、スタミナがメーター表示される場合には「100」に相当する量が緑色のメーターで表され、残り「30」に相当する量が赤色のメーターで表示されたりすることによって、ユーザがスタミナの残数を容易に把握することができるようにすることが望ましい。
【0086】
また、前記実施形態においては、第1のスタミナ増加処理により蓄積されたスタミナと第2のスタミナ増加処理により蓄積されたスタミナとが同じ価値を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0087】
例えば、スタミナゲージに蓄積されたスタミナ(すなわち、第1のスタミナ増加処理により蓄積されたスタミナ。以下、「第1のスタミナ」という。)を30消費して実行されるクエストが、スタミナバンクに蓄積されたスタミナ(すなわち、第2のスタミナ増加処理により蓄積されたスタミナ。以下、「第2のスタミナ」という。)を消費して実行されるには、60スタミナを要するようにしてもよい。
【0088】
このとき、第1のスタミナは、第2のスタミナよりも2倍の価値を有していることになる。
【0089】
あるいは、第1のスタミナが減少されることに基づいて実行されるクエスト(以下、「第1のクエスト」という。)、および、第2のスタミナが減少されることに基づいて実行されるクエスト(以下、「第2のクエスト」という。)の少なくともいずれか一方を備えたゲームとしてもよい。
【0090】
このとき、第1のクエストおよび第2のクエストを備えたゲームにあっては、第2のクエストが第1のクエストよりも、ユーザにとってゲームプレイ上有利な状況となるように設定されてもよい。ここで、有利な状況とは、クエストの達成が容易となるように設定されること、または、レアアイテムが出現しやすいことなどがある。
【0091】
これにより、長時間ゲームをプレイしないユーザは、第2のスタミナが多く蓄積されるところ、当該ユーザがゲームを積極的にプレイするようになることが期待される。
【0092】
以下、
図6を参照して、上記クエスト実行処理について説明する。
【0093】
ゲーム実行手段は、ユーザによるクエスト実行操作が行われたか否かを判定する(ステップS11)。
【0094】
ユーザによるクエスト実行操作が行われなかったと判定された場合(S11:NO)、ゲーム実行手段がクエストを実行させることなく、クエスト実行処理が終了する。
【0095】
ユーザによるクエスト実行操作が行われたと判定された場合(S11:YES)、ゲーム実行手段は、ユーザによって実行要求されたクエストが第1のクエストであるか否かを判定する(ステップS12)。
【0096】
ユーザによって実行要求されたクエストが第1のクエストであると判定された場合(S12:YES)、パラメータ制御手段は、第1のスタミナが第1のクエストの実行に必要な量以上蓄積されているか否かを判定する(ステップS13)。
【0097】
第1のスタミナが第1のクエストの実行に必要な量以上蓄積されている場合(S13:YES)、パラメータ制御手段が第1のスタミナを第1のクエストの実行に必要な量減少させ(ステップS14)、ゲーム実行手段が第1のクエストを実行させる(ステップS15)。その後、クエスト実行処理が終了する。
【0098】
第1のスタミナが当該クエストの実行に必要な量未満である場合(S13:NO)、ゲーム実行手段が第1のクエストを実行させることなく、クエスト実行処理が終了する。
【0099】
ユーザによって実行要求されたクエストが第1のクエストでない(第2のクエストである)と判定された場合(S12:NO)、パラメータ制御手段は、第2のスタミナが第2のクエストの実行に必要な量以上蓄積されているか否かを判定する(ステップS16)。
【0100】
第2のスタミナが第2のクエストの実行に必要な量以上蓄積されている場合(S16:YES)、パラメータ制御手段が第2のスタミナを第2のクエストの実行に必要な量減少させ(ステップS17)、ゲーム実行手段が第2のクエストを実行させる(ステップS18)。その後、クエスト実行処理が終了する。
【0101】
第2のスタミナが当該クエストの実行に必要な量未満である場合(S16:NO)、ゲーム実行手段が第2のクエストを実行させることなく、クエスト実行処理が終了する。
【0102】
上記クエスト実行処理は、所定間隔ごとに繰り返し実行される。なお、当該処理手順は一例であり、当業者に周知の技術に基づいて適宜設計変更が可能である。
【0103】
さらに、第1のクエストおよび第2のクエストとは別に、第1のスタミナおよび第2のスタミナのいずれか又は両方が減少されることに基づいて実行されるクエストを備えたゲームとしてもよい。
【0104】
第1のスタミナおよび第2のスタミナのいずれかが減少されることに基づいて実行されるクエストを備えたゲームの場合、第2のスタミナを優先的に減少させるようにしてもよい。そして、第2のスタミナがクエスト実行に必要な量以上蓄積されていない場合に、第1のスタミナから不足分を減少させて、クエストが実行されるようにすることが望ましい。
【0105】
また、前記実施形態では、ユーザがクエストを選択したときにスタミナが減少される例を示したが、本発明はこれには限られない。例えば、スタミナはクエストの終了時に減少されてもよい。
【0106】
また、前記実施形態においては、ゲーム装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。ゲーム装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 ゲーム装置
101 ゲーム実行手段
102 パラメータ制御手段
103 通信手段
2 サーバ装置
201 照合手段
202 通信手段
3 通信ネットワーク