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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】映像情報収集装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/235 20060101AFI20221019BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221019BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20221019BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20221019BHJP
   G01N 21/88 20060101ALN20221019BHJP
【FI】
H04N5/235 400
H04N5/225 600
G03B15/00 T
G03B15/02 F
G03B15/02 H
G01N21/88 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019109091
(22)【出願日】2019-06-11
(65)【公開番号】P2020202508
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】519197620
【氏名又は名称】株式会社岩佐画工舎
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 徳夫
【審査官】吉田 千裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-242005(JP,A)
【文献】特開2009-204311(JP,A)
【文献】特開2011-034074(JP,A)
【文献】特開2009-097966(JP,A)
【文献】登録実用新案第3221358(JP,U)
【文献】特開2007-128096(JP,A)
【文献】特開2008-170639(JP,A)
【文献】特開2003-107003(JP,A)
【文献】特開2011-023850(JP,A)
【文献】特表2002-529758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
G03B 15/00
G03B 15/02
G01N 21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影対象の物品が載置される回転可能なターンテーブル及び該ターンテーブルの傾きを変更できる基台が設けられる物品設置部と、
前記物品設置部に載置された物品を撮影するための映像撮影部と、
前記物品に対して間接光を放射する間接光作成部と、
照明器がその両端を支持具によって角度可変状態で支持されてなり、前記照明器の発光面が下方に向けられることで前記物品に対して直接光照明を供給し、もしくは前記照明器の発光面が上方に向けられることで前記間接光作成部に対して光を供給し該光を供給された前記間接光作成部から前記物品に対して間接光照明を供給する照明部と、
コントローラと、表示器と、操作部と、記憶装置と、送受信部とを備え、前記映像撮影部による撮影に係り、カメラ種別、レンズ焦点、絞り、シャッタ速度のうち少なくともいずれか一つを含む撮影部条件と、前記間接光作成部における前記間接光の放射と、前記照明器の発光面が向く角度を変動させることで前記照明部における前記物品に対しての前記直接光照明の供給及び/もしくは前記間接光照明の供給に係り、間接光・直接光の種別、反射板角度、照明器種別、照明器個数、照明器角度のうち少なくともいずれか一つを含む照明部条件と、前記ターンテーブルの回転位置及び前記基台の傾き角度とを制御し、前記撮影部条件、前記照明部条件、前記ターンテーブルの回転位置及び前記基台の傾き角度、を含む映像情報を前記記憶装置に記録可能とすることで使用目的ごとの映像情報を用いることを可能とする制御部と
を具備することを特徴とする映像情報収集装置。
【請求項2】
前記映像撮影部は、通常可視光カメラ、通常可視光TVカメラ、フラッシュ同調カメラ、赤外線カメラ、立体カメラのうち少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1記載の映像情報収集装置。
【請求項3】
前記間接光作成部は、間接光作成用反射板の角度を変化できる構造を有することを特徴とする請求項1もしくは2記載の映像情報収集装置。
【請求項4】
前記照明部は、発光ダイオード照明器、赤外線照明器、白熱光照明器、紫外線照明器の少なくともいずれか一つを備えて構成されることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の映像情報収集装置。
【請求項5】
前記発光ダイオード照明器、前記赤外線照明器、前記白熱光照明器、前記紫外線照明器の少なくともいずれか一つは、設置位置及び/もしくは設置角度が可変であることを特徴とする請求項4記載の映像情報収集装置。
【請求項6】
前記物品設置部は、物品設置位置と設置角度が可変であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の映像情報収集装置。
【請求項7】
前記物品設置部の設置床面が取り換え可能あるいは及び移動可能であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項記載の映像情報収集装置。
【請求項8】
前記物品設置部、前記映像撮影部、前記間接光作成部、前記照明部を収容する筺体部をさらに具備し、
前記物品設置部、前記映像撮影部、前記間接光作成部、前記照明部は、前記筺体部に差し込み式に設置される構造であることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項記載の映像情報収集装置。
【請求項9】
前記物品設置部の前記物品が載置される対象物設置床面が下方より照明される構造であることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項記載の映像情報収集装置。
【請求項10】
前記物品設置部の温度と、湿度と、気圧とのうちいずれか一つ以上を変化できる構成であることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項記載の映像情報収集装置。
【請求項11】
前記物品設置部に載置される前記物品に加振或いは送風のいずれか一つ、或いは両方を印加できることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項記載の映像情報収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば映像情報収集装置に係り、特に使用目的に最適な形態で物品の映像情報を収集することの可能な映像情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の外観検査を行う場合には、検査者が長年の経験を生かして目視検査を行ってきた。近年、検査の自動化のため物品を撮影装置で撮影し、映像によって検査を行うことが多い。しかし、物品の映像をそのまま撮影しただけでは物品の瑕疵箇所が分かり辛いことが多く、物品の検査箇所や瑕疵箇所が判別/判定しやすくなるための照明が重要である。同じく、検査箇所や瑕疵箇所が分かりやすく、且つ発見しやすい検査対象物の位置や角度の設定も重要である。また、検査ばかりでなく物品の広告写真を撮影する場合には、その物品が最も魅力的にかつ特徴を際立たせて見えるようにするための照明や撮影方向や撮影角度が重要となる。
【0003】
一方、工場の生産や管理現場では、様々な製品の状態を把握するため日々の製品の仕上がり状態を記録したり、見た目だけでは判断しにくい製品の寸法計測を行ったり、それらを記録に残したいという要望があり、それぞれの用途に応じた最適な撮影装置、照明、対象製品の設置位置や角度などの撮影手法が必要である。
【0004】
特許文献1においては(特開2015-94644号公報)、集荷された卵を検査する技術として、従来行われていた目視検査方式に代えて、画像処理方式による検査技術を開示している。即ち、外光を斜行したケーシング中の検査対象の卵に拡散光を放射して撮影を行い、撮影した画像の印影パターンの輝度分布により対象卵の良否を判断するとする技術思想である。
【0005】
従来の目視検査に比べて経験を必要とせず、人的なミスを防ぐことができ、自動検査が可能となる技術であるが、卵の検査のみに特化した映像利用技術であり汎用応用についての言及はされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-94644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、従来製造現場で製品検査を行う場合や、仕上がり検査をする場合には経験者の長年の勘に頼る所が多かった。このため、検査に長時間かかる上に人的ミスを生じることがあるという問題点があった。また、過去の検査結果との比較が容易ではないという問題点もあった。
【0008】
さらに、従来広告のための商品撮影や、カタログ用の商品撮影では商品が最も魅力的に見えるようカメラマンの経験や勘によって最適照明等の撮影状況を設定していたため撮影効率を上げることが難しかった。
【0009】
本発明は、こうした従来技術上の問題点を解決することを企図したものであり、目視検査あるいは自動検査において、検査物の検査に最適な照明装置により誤りを生じない確実な検査に資する検査物の映像情報を提供し得る映像情報収集装置を提供すること、及びカメラマンの腕に頼ることなく最適な撮影状況を再現できる映像情報収集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため、本発明に係る映像情報収集装置の第1の態様は、撮影対象の物品が載置される物品設置部と、前記物品設置部に載置された物品を撮影するための映像撮影部と、前記物品に対して間接光を放射する間接光作成部と、前記物品もしくは前記間接光作成部に対して光を供給する照明部と、前記映像撮影部による撮影と、前記間接光作成部における前記間接光の放射と、前記照明部における前記光の供給とを制御する制御部とを具備する。
【0011】
本発明に係る映像情報収集装置の第2の態様は、第1の態様において、前記映像撮影部は、通常可視光カメラ、通常可視光TVカメラ、フラッシュ同調カメラ、赤外線カメラ、立体カメラのうち少なくとも一つを備える。
【0012】
本発明に係る映像情報収集装置の第3の態様は、第1もしくは第2の態様において、前記制御部は、コントローラと、表示器と、操作部と、記憶装置と、送受信部とを備えて構成される。
【0013】
本発明に係る映像情報収集装置の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれかの態様において、前記間接光作成部は、間接光作成用反射板の角度を変化できる構造を有する。
【0014】
本発明に係る映像情報収集装置の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれかの態様において、前記照明部は、発光ダイオード照明器、赤外線照明器、白熱光照明器、紫外線照明器の少なくともいずれか一つを備えて構成される。
【0015】
本発明に係る映像情報収集装置の第6の態様は、第4の態様において、前記発光ダイオード照明器、前記赤外線照明器、前記白熱光照明器、前記紫外線照明器の少なくともいずれか一つは、設置位置及び/もしくは設置角度が可変である。
【0016】
本発明に係る映像情報収集装置の第7の態様は、第1~第6の態様のいずれかの態様において、前記物品設置部は、物品設置位置と設置角度が可変である。
【0017】
本発明に係る映像情報収集装置の第8の態様は、第1~第7の態様のいずれかの態様において、前記物品設置部の設置床面が取り換え可能あるいは及び移動可能である。
【0018】
本発明に係る映像情報収集装置の第9の態様は、第1~第8の態様のいずれかの態様において、前記物品設置部、前記映像撮影部、前記間接光作成部、前記照明部を収容する筺体部をさらに具備し、前記物品設置部、前記映像撮影部、前記間接光作成部、前記照明部は、前記筺体部に差し込み式に設置される構造である。
【0019】
本発明に係る映像情報収集装置の第10の態様は、第1~第9の態様のいずれかの態様において、前記物品設置部の前記物品が載置される対象物設置床面が下方より照明される構造である。
【0020】
本発明に係る映像情報収集装置の第11の態様は、第1~第10の態様のいずれかの態様において、前記物品設置部の温度と、湿度と、気圧とのうちいずれか一つ以上を変化できる構成である。
【0021】
本発明に係る映像情報収集装置の第12の態様は、第1~第11の態様のいずれかの態様において、前記物品設置部に載置される前記物品に加振或いは送風のいずれか一つ、或いは両方を印加できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、検査すべき物品の映像情報を用いて検査を進めることが可能となり、検査精度の向上とともに検査ミスを格段に減少することができる。更には、映像情報による自動検査が可能となり、映像情報履歴による検査の推移の検討により検査精度向上や新しい検査手法の開発にも資することができるという効果を生ずる。
【0023】
また、従来カメラマンの経験や勘に頼っていた撮影手法を容易に再現することができ、同種製品の広告映像撮影の作業性を格段に向上させつつ経済効率も向上させることができるという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る映像情報収集装置の概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る映像情報収集装置のブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る制御部のブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る筐体部の構造図である。
図5】本発明の一実施形態に係る筐体部の透視概略図である。
図6】本発明の一実施形態に係る間接光作成部の概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係る照明部の概略図である。
図8】本発明の一実施形態に係る物品設置部の概略図である。
図9】本発明の一実施形態に係る映像情報収集装置を搬送システムに応用した概略である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る映像情報収集装置(通称ライトハウジング)1の全体イメージを示した概念図である。図2は、同じく本発明の一実施形態に係る映像情報収集装置のブロックダイヤグラムである。同両図に示されるように、本発明の一実施形態に係る映像情報収集装置1は、映像撮影部3と、間接光作成部4と、照明部5と、物品設置部6と、を収容する筐体部2と、映像撮影部3からの映像データにより上記4つの部:映像撮影部3;間接光作成部4;照明部5;物品設置部6、を制御する制御部7と、を備えて構成される。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態に係る制御部7のブロック図である。同図に示されるように、制御部7は、μCPUを主体とするコントローラ71と、主として映像情報を表示する表示器72と、操作部73と、記録部74と、Wi-Fi等と接続する無線送受信部75と、USB端子等の有線接続部76とを備えて構成され、通常のパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と省略)と同等機能を有するものである。
【0028】
図4は、本発明の一実施形態に係る筐体部2の構造の一例を示す図である。筐体部2の内側側面10は多段のスリット構造11として、間接光作成部4、照明部5、物品設置部6それぞれの基板12が差し込み設置されることができる。図4においてはスリット構造を1例として説明したが、多段の棚構造等、各種の多段差し込み構造が考えられるが、それ等は全て本発明の技術思想の一部であり本願に内包するものである。なお、映像撮影部3、間接光作成部4、照明部5、物品設置部6、及び制御部7の接続部8については図示を省略しているが、各部基板の後端にコネクターを付して、各部基板が筐体に差し込まれると自動的に制御部7に接続するようにしても良く、筐体裏面から接続ケーブルによって各部基板に接続するようにしても良い。
【0029】
図5は、本発明の一実施形態に係る筐体部2内部に各構成部を設置した概略透視図である。映像撮影部3は、2軸角度変更と昇降を調整する昇降台31に、カメラの様な撮影装置32が取り付けられており、映像撮影部3の下面に開けられた開口部33を通して、筐体2最下部の物品設置部6に設置された物品61を撮影することができる。撮影装置32で取得した映像情報は制御部7に送られる。撮影装置32及び昇降台32の調整は手動で行えることはもちろん、制御部7からの信号によって例えばモーター駆動で行うこともできる。
【0030】
図6は、本発明の一実施形態に係る間接光作成部4の概略斜視図である。筐体2の内側側面に沿って挿入可能な外形の基板45上に略円弧に成形された反射板41が設置されており、基板45に開けられた開口部43から入射する照明部からの入射光を反射して間接光として開口部43から放射する。
【0031】
反射板41の円弧頂部には撮影のための開口部42が開けられており、開口部42と基板45の開口部43とを通して物品の撮影が行われる。反射板41の円弧状の傾きは可変とし、手動で調整することはもちろん、制御部7からの制御信号により既存技術であるモーター駆動で調整することも可能である。
【0032】
図7は、本発明の一実施形態に係る照明部の概略図であり、その(A)、(D)はその概念的斜視図を、(B)、(C)は側面図を、それぞれ表す。より具体的には、図7(A)は、間接光作成部4と同じく、筐体2の内側側面に沿って挿入可能な外形の基板55に開けられた開口部52の左右に、長方形のLED 照明器51が両端を支持金具53により角度可変状態で支持されている状態を示している。LED照明器51の発光面54を図7(B)に示されるように上方向ければ、間接光作成部基板45の開口部43を通して反射板41によって反射され、間接光として開口部43及び開口部52を通して物品設置部6の物品61を間接光照明することができ、商品宣伝用や影を生じない表面検査用の映像撮影には最適である。
【0033】
一方、図7(C)のごとくLED照明器51の発光面54を下方に向ければ、開口部52を通して物品設置部6の物品61を直接照明することができる。これにより、物品映像の陰影を強調して物品の傷やピンホールを発見しやすい映像情報を収集することができる。図7(D)は、LED照明器51を開口部52の前後に設置した例である。説明を容易にするために図7(A)と図7(D)とを別々に説明したが、LED照明器を前後左右に同時に設置しても良いし、図7(A)と図7(D)とを図5に示すように、それぞれ段差を付けて設置しても良い。
【0034】
なお、LED照明器51の発光面54方向調整は手動でも良く、制御部7からの制御信号により自動的に行っても良いのは前述の説明と同様である。また、照明器51としてLED照明器を例にとって説明したが、前述のように白熱電球照明器、赤外線照明器、紫外線照明器等を用いても良く、更にはそれ等の組合せにより映像への使用目的によって最適な照明器を用いることができる。上記では直線状の照明器を例に挙げて説明したが、開口部を囲む円形状の照明器を用いることもできる。
【0035】
図8は、本発明の一実施形態に係る物品設置部6の一例を示す概略図である。物品設置部の第1基台6物品の位置を変えるための回転ターンテーブル61とターンテーブル61の傾きを変更できるような第2基台62とが設けられている。このような構成により、物品の様々な方向の映像を撮影することができる。ターンテーブル61の回転位置や第2基台62の角度を手動あるいは制御部からの制御信号により変更することができる。また、物品設置部6の第1基台に振動を加えたり、加熱する等物品にストレスを与えた状態で物品の映像情報を収集することも可能である。
【0036】
以上説明してきたように、各開口部を通して最下段の物品設置部に設置された物品の映像を撮影することができる。撮影された映像情報(映像そのもの)はもちろんのこと、撮影時のカメラの条件(種別、レンズ焦点、絞り、シャッタ速度等)、間接光・直接光の種別、反射板角度、照明器種別、照明器個数、照明器角度、物品位置、物品角度等のデータを制御部7の記録部75に記録しておくことができる。
【0037】
例えば、記録された基準の物品の上記データと被検査物品のデータとを制御部で比較することにより被検査物品の検査を行うことができる。あるいは、基準物品のデータと被検査部品のデータ外部に送出し、外部の情報処理システムにより被検査物品の検査結果、合否、不具合箇所の検出等を行うこともできる。
【0038】
以上説明してきたように、本発明の一実施形態に係る映像情報収集装置によれば、対象物品の映像情報を使用目的に最適な条件で撮影することができ、その映像情報を有線接続部及び無線送受信部によってリアルタイムで外部に送出をすることもでき、同時に記録部に記録された映像情報を記録媒体としてオフラインでも活用することができる。
【0039】
図9は、更に本発明の一実施形態に係る映像情報収集装置をベルトコンベア93搬送システムに応用した場合の概略図である。ベルトコンベア93上に本発明の一実施形態に係る映像情報取集システム1の筐体部を設置し、物品設置部6の位置がベルトコンベア93となり、搬送されてくる物品94の映像を撮影する。
【0040】
本発明の一実施形態に係る映像情報収集装置の制御部を介してベルトコンベア搬送システムと連接させれば、奔走されてくる物品の自動検査を行い、ただちに不良物品の除去を行うことも可能となる。
【0041】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。これらはすべて、本技術思想の一部であり本願に内包するものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
上述したように、本願に係る発明によれば、手間と経験を要する撮影装置の設定や照明装置の設定、被撮影物品の設定を、筐体中で一連の作業として行えるため格段の効率化がはかれる。また、物品の映像情報を過去の映像情報と比較したり、同じく記録された基準品の映像情報と比較することにより、従来目視検査に頼っていた検査作業を自動化することも可能となる。
【0043】
更には、プロカメラマンの経験と感性に頼っていた広告写真のような特殊な芸術性を要求される映像情報を、本発明の映像情報収集装置の記録機能や比較機能を用いることにより容易に再現することができる。
【0044】
以上説明したように、本発明は、商品検査や、特殊撮影等映像情報を取得するあらゆる用途に対して利用・適用可能である。よって、本願は、建設土木業に限定せず、製造業等あらゆる産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【符号の説明】
【0045】
1:映像情報収集装置、
2:筐体、
3:映像撮影部、
4:間接光作成部、
5:照明部
6:物品設置部、
7:制御部、
8:接続部
10:内部側面
11:スリット構造
12:基板
31:昇降台
32:撮影装置
33:開口部
41:反射板
42:開口部
43:開口部
44:可動範囲
45:基板
51:照明器
52:開口部
53:支持金具
54:発光面
55:基板
60:第1基板
61:ターンテーブル
62:第2基板
63:可動範囲
71:コントローラ
72:指示器
73:操作部
74:記録部
75:送受信部
76:有線接続部
91:映像情報収集装置筐体部
92:制御部
93:搬送装置
94:物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9