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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】位置合わせ装置
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/10 20170101AFI20221019BHJP
   B31B 160/20 20170101ALN20221019BHJP
【FI】
B31B70/10
B31B160:20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021540201
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 JP2020037446
(87)【国際公開番号】W WO2021117321
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2019223720
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110192
【氏名又は名称】トタニ技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 祐司
(72)【発明者】
【氏名】長澤 俊貴
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-128017(JP,A)
【文献】特開2015-000568(JP,A)
【文献】特開2013-166274(JP,A)
【文献】特開2003-048260(JP,A)
【文献】特開2005-001114(JP,A)
【文献】特許第5346113(JP,B1)
【文献】特開2008-169017(JP,A)
【文献】特開平11-091013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/10
B31B 70/64
B65H 23/188
B31B 160/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続状の第1胴材、連続状の第2胴材、および、追加のパーツを用いて袋を製造する製袋機に用いられる位置合わせ装置であって、前記第1および第2胴材は、ともに、検知ポイントを含み印刷ピッチで反復される印刷柄を有し、設計位置が、前記第1および第2胴材のそれぞれにその印刷ピッチで予め規定されており、
前記位置合わせ装置は、
前記第1胴材を間欠搬送する第1搬送装置と、
前記第2胴材を間欠搬送する搬送ユニット、および、前記搬送ユニットより下流に設けられテンションを前記第2胴材に調整可能に付与する延伸ユニットを含む第2搬送装置と、
前記第1および第2搬送装置より下流に設けられたガイドローラ対と、
前記ガイドローラ対より下流に設けられ、前記ガイドローラ対によって互いに重ね合わされた前記第1および第2胴材を間欠搬送する第3搬送装置と、
前記第1搬送装置より下流かつ前記ガイドローラ対より上流の第1留め位置で、間欠搬送の停止の度に、前記追加のパーツを前記第1胴材に留める第1留め装置と、
前記ガイドローラ対より下流かつ前記第3搬送装置より上流の第2留め位置で、間欠搬送の停止の度に、前記第2胴材を前記追加のパーツに留める第2留め装置と、
前記第1搬送装置より下流かつ前記ガイドローラ対より上流の位置で、前記第1胴材の前記検知ポイントを検知する第1センサと、
記第2胴材の前記検知ポイントを検知する少なくとも1つの第2センサと、
前記第2留め装置より下流かつ前記第3搬送装置より上流の位置で、前記第1胴材の検知ポイントを検知する第3センサと、を備え、
前記少なくとも1つの第2センサは、
前記搬送ユニットより上流の位置で、前記第2胴材の前記検知ポイントを検知する上流 センサと、
前記ガイドローラ対より下流かつ前記第2留め装置より上流の位置で、前記第2胴材の 前記検知ポイントを検知する下流センサと、を備え、
前記第1搬送装置は、前記第1胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第1留め位置に整合するように、その間欠搬送量を前記第1センサの出力に応答して調整し、
前記第3搬送装置は、前記第1胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第2留め位置に整合するように、その間欠搬送量を前記第3センサの出力に応答して調整し、
前記第2搬送装置は、前記第2胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第2留め位置に整合するように、前記搬送ユニットの間欠搬送量を前記上流センサの出力に応答 して前記搬送ユニットによって調整するとともに、前記テンションを前記下流センサの出 力に応答して前記延伸ユニットによって調整する、
ことを特徴とする位置合わせ装置。
【請求項2】
前記第1搬送装置は、前記第1胴材を間欠搬送するために回転する第1搬送ローラ対を 備え、前記第1胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第1留め位置に整合する ように、前記第1搬送ローラ対の回転数を前記第1センサの出力に応答して調整し、
前記搬送ユニットは、前記第2胴材を間欠搬送するために回転する第2搬送ローラ対を 備え、前記第2胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第2留め位置に整合する ように、前記第2搬送ローラ対の回転数を前記上流センサの出力に応答して調整し、
前記第3搬送装置は、前記ガイドローラ対によって互いに重ね合わされた前記第1およ び第2胴材を間欠搬送するために回転する第3搬送ローラ対を備え、前記第1胴材の前記 設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第2留め位置に整合するように、前記第3搬送ロー ラ対の回転数を前記第3センサの出力に応答して調整する、
請求項1に記載の位置合わせ装置。
【請求項3】
連続状の第1胴材、連続状の第2胴材、および、追加のパーツを用いて袋を製造する製 袋機に用いられる位置合わせ装置であって、前記第1および第2胴材は、ともに、検知ポ イントを含み印刷ピッチで反復される印刷柄を有し、設計位置が、前記第1および第2胴 材のそれぞれにその印刷ピッチで予め規定されており、
前記位置合わせ装置は、
前記第1胴材を間欠搬送する第1搬送装置と、
前記第2胴材を間欠搬送する搬送ユニット、および、前記搬送ユニットより下流に設け られテンションを前記第2胴材に調整可能に付与する延伸ユニットを含む第2搬送装置と
前記第1および第2搬送装置より下流に設けられたガイドローラ対と、
前記ガイドローラ対より下流に設けられ、前記ガイドローラ対によって互いに重ね合わ された前記第1および第2胴材を間欠搬送する第3搬送装置と、
前記第1搬送装置より下流かつ前記ガイドローラ対より上流の第1留め位置で、間欠搬 送の停止の度に、前記追加のパーツを前記第1胴材に留める第1留め装置と、
前記ガイドローラ対より下流かつ前記第3搬送装置より上流の第2留め位置で、間欠搬 送の停止の度に、前記第2胴材を前記追加のパーツに留める第2留め装置と、
前記第1搬送装置より下流かつ前記ガイドローラ対より上流の位置で、前記第1胴材の 前記検知ポイントを検知する第1センサと、
前記ガイドローラ対より下流かつ前記第2留め装置より上流の位置で、前記第2胴材の 前記検知ポイントを検知する第2センサとしての下流センサと、
前記第2留め装置より下流かつ前記第3搬送装置より上流の位置で、前記第1胴材の検 知ポイントを検知する第3センサと、を備え、
前記第1搬送装置は、前記第1胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第1留 め位置に整合するように、その間欠搬送量を前記第1センサの出力に応答して調整し、
前記第3搬送装置は、前記第1胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第2留 め位置に整合するように、その間欠搬送量を前記第3センサの出力に応答して調整し、
前記第2搬送装置は、前記第2胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第2留 め位置に整合するように、前記テンションを前記下流センサの出力に応答して前記延伸ユ ニットによって調整するとともに、前記搬送ユニットの間欠搬送量を前記テンションの調 整に応答して前記搬送ユニットによって調整する、
ことを特徴とする位置合わせ装置。
【請求項4】
前記第1搬送装置は、前記第1胴材を間欠搬送するために回転する第1搬送ローラ対を 備え、前記第1胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第1留め位置に整合する ように、前記第1搬送ローラ対の回転数を前記第1センサの出力に応答して調整し、
前記搬送ユニットは、前記第2胴材を間欠搬送するために回転する第2搬送ローラ対を 備え、前記第2胴材の前記設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第2留め位置に整合する ように、前記第2搬送ローラ対の回転数を前記テンションの調整に応答して調整し、
前記第3搬送装置は、前記ガイドローラ対によって互いに重ね合わされた前記第1およ び第2胴材を間欠搬送するために回転する第3搬送ローラ対を備え、前記第1胴材の前記 設計位置が間欠搬送の停止の度に前記第2留め位置に整合するように、前記第3搬送ロー ラ対の回転数を前記第3センサの出力に応答して調整する、
請求項3に記載の位置合わせ装置。
【請求項7】
前記第1搬送装置は、第1原反から繰り出された前記第1胴材を間欠搬送し、
前記第2搬送装置は、第2原反から繰り出された前記第2胴材を間欠搬送する、
ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の位置合わせ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、連続状の第1胴材、連続状の第2胴材、および、追加のパーツによって袋を製造する製袋機に用いられる位置合わせ装置に関し、特に、第1胴材、第2胴材、および、追加のパーツ間での位置関係のずれの防止に関する。
【背景技術】
【0002】
製袋機は、印刷柄のある袋(例えばプラスチック袋)を、少なくとも2枚の連続状の胴材によって製造するものがある。2枚の胴材は、それぞれ、一定の印刷ピッチをもって印刷された印刷柄を有する。製袋機が2枚の胴材を互いに留めるとき、それらの印刷柄が互いに整合されるべきである。印刷柄の不整合は、袋が完成したとき、その外観を損なわせるからである。
【0003】
胴材の印刷柄の不整合は、胴材の印刷ずれや、印刷ピッチが胴材間で微妙にずれていることによってもたらされる。胴材の供給方法は、1つの原反から繰り出された大幅のフィルムをその長さ方向にスリットして2枚の連続状の胴材にして供給するタイプと、2つの胴材をそれぞれ別の原反から繰り出して供給するタイプとがある。特に後者では、印刷柄の不整合が生じやすい。
【0004】
特許文献1-4のように、胴材の位置関係のずれを防止し、それによって印刷柄の不整合を防止するための構成が提案されている。
【0005】
ところで、製袋機が、サイドガセット材、底ガセット材など追加のパーツを胴材に組み込んで、胴材および追加のパーツによって袋を製造することもある。この場合、2枚の胴材の位置関係だけでなく、胴材と追加のパーツとの位置関係にずれが生じるのも防止されるべきである。しかしながら、特許文献1-4の構成は、追加のパーツを組み込む工程を考慮したものではない。
【0006】
本開示は、第1胴材、第2胴材、および、追加のパーツ間での位置関係にずれが生じるのを防止する製袋機用の位置合せ装置を提供することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許4121722号公報
【文献】特許4461201号公報
【文献】特許5346113号公報
【文献】特許6288771号公報
【発明の概要】
【0008】
本開示の一態様によれば、連続状の第1胴材、連続状の第2胴材、および、追加のパーツを用いて袋を製造する製袋機に用いられる位置合わせ装置が提供される。第1および第2胴材は、ともに、検知ポイントを含み印刷ピッチで反復される印刷柄を有する。設計位置が、第1および第2胴材のそれぞれにその印刷ピッチで予め規定されている。
【0009】
位置合わせ装置は:第1胴材を間欠搬送する第1搬送装置;第2胴材を間欠搬送する搬送ユニット、および、搬送ユニットより下流に設けられテンションを第2胴材に調整可能に付与する延伸ユニットを含む第2搬送装置;第1および第2搬送装置より下流に設けられたガイドローラ対;および、ガイドローラ対より下流に設けられ、ガイドローラ対によって互いに重ね合わされた第1および第2胴材を間欠搬送する第3搬送装置、を備える。
【0010】
さらに、位置合わせ装置は:第1搬送装置より下流かつガイドローラ対より上流の第1留め位置で、間欠搬送の停止の度に、追加のパーツを第1胴材に留める第1留め装置;および、ガイドローラ対より下流かつ第3搬送装置より上流の第2留め位置で、間欠搬送の停止の度に、第2胴材を追加のパーツに留める第2留め装置を備える。
【0011】
さらに、位置合わせ装置は:第1搬送装置より下流かつガイドローラ対より上流の位置で、第1胴材の検知ポイントを検知する第1センサ;第2留め装置より上流の位置で、第2胴材の検知ポイントを検知する少なくとも1つの第2センサ;および、第2留め装置より下流かつ第3搬送装置より上流の位置で、第1胴材の検知ポイントを検知する第3センサ、を備える。
【0012】
第1搬送装置は、第1胴材の設計位置が間欠搬送の停止の度に第1留め位置に整合するように、その間欠搬送量を第1センサの出力に基づいて調整する。第3搬送装置は、第1胴材の設計位置が間欠搬送の停止の度に第2留め位置に整合するように、その間欠搬送量を第3センサの出力に基づいて調整する。第2搬送装置は、第2胴材の設計位置が間欠搬送の停止の度に第2留め位置に整合するように、前記のテンションおよび搬送ユニットの間欠搬送量を少なくとも1つの第2センサの出力に基づいて調整する。
【0013】
少なくとも1つの第2センサは、ガイドローラ対より下流かつ第2留め装置より上流の位置で、第2胴材の検知ポイントを検知する下流センサを備えてよい。
【0014】
少なくも1つの第2センサは、さらに、搬送ユニットより上流の位置で、第2胴材の検知ポイントを検知する上流センサを備えてよい。搬送ユニットは、上流センサの出力に応答してその間欠搬送量を調整してよい。延伸ユニットは、下流センサの出力に応答して前記のテンションを調整してよい。
【0015】
延伸ユニットは、下流センサの出力に応答して前記のテンションを調整してよい。そして、搬送ユニットは、テンションの調整に応答してその間欠搬送量を調整してよい。
【0016】
第1留め装置は、追加のパーツとしてのサイドガセット材を第1胴材に供給し、第1胴材の幅方向に配置し、第1胴材に仮留めするサイドガセット材供給装置でよい。そして、第2留め装置は、サイドガセット材を、第1および第2胴材にシールするシール装置でよい。
【0017】
第1搬送装置は、第1原反から繰り出された第1胴材を間欠搬送してよい。第2搬送装置は、第2原反から繰り出された第2胴材を間欠搬送してよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1Aは、例示の位置合わせ装置を含む製袋機の上流部分の概略平面図であり、図1Bは、図1Aの製袋機の概略側面図である。
図2図2Aは、図1Aの製袋機の中流部分の概略側面図であり、図2Bは、図2Aの製袋機の概略側面図である。
図3図3は、図1Aの製袋機の下流部分の概略平面図である。
図4図4Aは、第1または第2胴材を部分的に例示し、図4Bは、図4Aの検知ポイントの拡大図である。
図5図5Aは、別の例示の位置合わせ装置を含む製袋機の上流部分の概略平面図であり、図5Bは、図5Aの製袋機の概略側面図である。
図6図6は、テンション付与ユニットを例示する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、実施形態に係る位置合わせ装置が説明される。
【0020】
図1A図3において、製袋機が示されている。製袋機は、連続状の第1胴材1、連続状の第2胴材2、サイドガセット材3(図1A)、および、底ガセット材4(図2A図2B)によって袋5(図3)を製造する。袋5は実施形態ではプラスチック袋であり、したがって、袋5のこれらのパーツ1-4は、プラスチックのフィルムからなる。
【0021】
位置合わせ装置は、図1A図1Bに示されており、製袋機に組み込まれている。位置合わせ装置は、第1原反7を支持して、連続状の第1胴材1を第1原反7から連続的に繰り出す第1繰出装置6と、第2原反9を支持して、連続状の第2胴材2を第2原反9から連続的に繰り出す第2繰出装置8と、を備える。実施形態では、第1胴材1は下側にあり、第2胴材2は上側にある。
【0022】
製袋機は、第1胴材1を間欠搬送する第1搬送装置10を備える。第1搬送装置10は、搬送ローラ対11と、搬送ローラ対11を駆動するモータ12とを備える。搬送ローラ対11がモータ12によって駆動されると、その少なくともどちらか一方のローラが回転する。それによって、搬送ローラ対11に挟まれた第1胴材1がその長さ方向に搬送される。
【0023】
製袋機は、第2搬送装置13を備える。第2搬送装置13は、第2胴材2を間欠搬送する搬送ユニット14と、搬送ユニット14より下流に設けられ、テンションを第2胴材2に調整可能に付与する延伸ユニット15とを含む。
【0024】
搬送ユニット14は、搬送ローラ対16と、搬送ローラ対16を駆動するモータ17とを備える。搬送ローラ対16がモータ17によって駆動されると、その少なくともどちらか一方のローラが回転する。それによって、搬送ローラ対16に挟まれた第2胴材2がその長さ方向に搬送される。
【0025】
延伸ユニット15は、テンションを第2胴材2に付与するために第2胴材2に係合する延伸ローラ18と、延伸ローラ18を移動させるアクチュエータ19(例えばエアシリンダ)と、延伸ローラ18の上流および下流隣に配置された2つのガイドローラ20とを含む。実施形態では、第2胴材2のテンションは、延伸ローラ18がアクチュエータ19によって下降すると増加し、延伸ローラ18がアクチュエータ19によって上昇すると減少する。延伸ユニット15は、延伸ローラ18を動かして第2胴材2のテンションを調整し、それによって第2胴材2を延伸させることができる。
【0026】
図1Bの通り、位置合わせ装置は、第1繰出装置6と第1搬送装置10との間に、かつ、第2繰出装置8と第2搬送装置13との間に設けられて、第1および第2胴材1,2のそれぞれの連続搬送を間欠搬送に適切に変換する周知のダンサー装置21を備える。
【0027】
位置合わせ装置は、第1および第2搬送装置10,13より下流に配置されたガイドローラ対22を備える。第1胴材1がガイドローラ対22へ送られ、第2胴材2がガイドローラ23を経由してガイドローラ対22へ送られ、第1および第2胴材1,2がガイドローラ対22の間を通過する。したがって、第1および第2胴材1,2がガイドローラ対22によって互いに重ね合わされ、重ね合わされた状態でガイドローラ対22から送り出される。
【0028】
位置合わせ装置は、ガイドローラ対22より下流に配置され、ガイドローラ対22によって互いに重ね合わされた第1および第2胴材1,2を間欠搬送する第3搬送装置24を備える。
【0029】
第3搬送装置24は、搬送ローラ対25と、搬送ローラ対25を駆動するモータ26とを備える。搬送ローラ対25がモータ26によって駆動されると、その少なくともどちらか一方のローラが回転する。それにより、搬送ローラ対25に挟まれた第1および第2胴材1,2がその長さ方向に搬送される。
【0030】
例えば、搬送ローラ対11,16,25として、ゴムローラが用いられる。モータ12,17,26として、サーボモータが用いられる。
【0031】
位置合わせ装置は、第1留め装置27を備える。第1留め装置27は、間欠搬送のサイクルの度に、追加のパーツ3を第1胴材1に供給する。そして、第1留め装置27は、間欠搬送の停止の度に、第1搬送装置10より下流かつガイドローラ対22より上流の第1留め位置28において、追加のパーツ3を第1胴材1に留める。
【0032】
第1留め装置27は、実施形態では、追加のパーツとしてのサイドガセット材3を第1胴材1に胴材1の幅方向に供給し、サイドガセット材3の長さ方向中心線が第1留め位置28と整合するように胴材1の幅方向に配置し、超音波シールまたはヒートシールの手段によって第1胴材1に仮留めするサイドガセット材供給装置である。このようなサイドガセット材供給装置は周知であるのでその説明は省略される。サイドガセット材3は、周知の通り、その長さ方向中心線に対して両側で予め2つ折りされた状態で第1胴材1に供給される。
【0033】
第1留め装置27は、サイドガセット材3を下側の胴材1の上に載せて胴材1に仮留めする。したがって、第1および第2胴材1,2がガイドローラ対22によって互いに重ね合わされると、サイドガセット材3は、第1および第2胴材1,2の間に配置される。
【0034】
位置合わせ装置は、第2留め装置29を備える。第2留め装置29は、間欠搬送の停止の度に、ガイドローラ対22より下流かつ第3搬送装置24より上流の第2留め位置30にて、第2胴材2を追加のパーツ3(既に第1胴材1に留められている)に留める。言い換えると、第2留め装置29は、第1および第2胴材1,2を、追加のパーツ3を介して互いに留める。
【0035】
第2留め装置29は、実施形態では、追加のパーツとしてのサイドガセット材3を、第1および第2胴材1,2に、ヒートシールまたは超音波シールの形式でシールするシール装置(仮シール装置)である。それによって、仮シール部49が形成される。この仮シール部49は、サイドガセット材3に開き面54(図2A)を形成するために用いられる。このようなシール装置は、周知であるのでその説明は省略される。
【0036】
第1および第2胴材1,2が、図4Aに例示されている。第1および第2胴材1,2は、それぞれ、一定の印刷ピッチで反復された印刷柄を有する。
【0037】
各印刷柄には、検知ポイント37が予め規定され所定の位置に含まれている。したがって、検知ポイント37は印刷ピッチ毎に繰り返される。図4Bの通り、実施形態の検知ポイント37は、胴材1,2の搬送方向にコントラストを大きく変化させるライン38を含んでいる。すなわち、検知ポイント37は、ライン38によって、コントラストが互いに異なる2つの領域39,40に区画されている。上記は例示にすぎず、当然ながら、第1および第2胴材1,2は、互いに異なる印刷柄(したがって、異なる特性の検知ポイント37)を有してよい。
【0038】
また、第1および第2胴材1,2のそれぞれに、設計位置41がその印刷ピッチで予め規定されている。この設計位置41は、追加のパーツとしてのサイドガセット材3が留められるべき設計上の位置である。
【0039】
なお、第1胴材1および第2胴材2の印刷柄が互いに概ね整合するように、これらの胴材1,2は最初に製袋機にセッティングされている。実施形態では、第1および第2胴材1,2の対向面は、シーラントによって形成され、それらの反対側の面は、基材によって形成されている。そして、2つ折りされたサイドガセット材3の外面が、シーラントによって形成され、その内面は、基材によって形成される。
【0040】
再び図1Bを参照して、位置合わせ装置は、第1搬送装置10(搬送ローラ対11)より下流かつガイドローラ対22より上流の位置で、第1胴材1の検知ポイント37を検知できるように設けられた第1センサ31を備える。
【0041】
位置合わせ装置は、第2留め装置29より上流の位置で、第2胴材2の検知ポイント37を検知するように設けられた少なくとも1つの第2センサ32,33をさらに備える。本実施形態では、上流センサ32と下流センサ33の2つのセンサが、第2センサとして用いられる。上流センサ32は、第2搬送装置13(搬送ローラ対16)より上流でダンサー装置21より下流の位置で、第2胴材2の検知ポイント37を検知できるように配置されている。下流センサ33は、ガイドローラ対22より下流かつ第2留め装置29より上流の位置で、第2胴材2の検知ポイント37を検知できるように設けられている。
【0042】
位置合わせ装置は、第2留め装置29より下流かつ第3搬送装置24(搬送ローラ対25)より上流の位置で、第1胴材1の検知ポイント37を検知できるように設けられた第3センサ34をさらに備える。
【0043】
これらのセンサ31-34は、実施形態では光学センサである。
【0044】
第1搬送装置10は、第1胴材1の設計位置41が間欠搬送の停止の度に第1留め位置28と整合するように、第1センサ31の出力に基づいてその間欠搬送量を調整する。
【0045】
例えば、第1センサ31は、胴材1の検知ポイント37のライン38が第1センサ31の検知位置を通過するように配置される。第1センサ31は、搬送方向およびその反対方向に移動可能である。第1センサ31は、ライン38がその検知位置を通過するであろう所定のタイミングで胴材1を検知する。検知ポイント37の領域39がそのタイミングで第1センサ31によって検知された場合、胴材1の搬送不足を意味する。したがって、第1センサ31は、第1胴材1の間欠送りの停止時に、ライン38を検知するまで搬送方向と反対の方向に移動する。第1搬送装置10は、ライン38を検知する瞬間までの第1センサ31の移動量を検知し、その移動量に相当する回転数を、次の間欠搬送時の搬送ローラ対11の回転数に加算する。
【0046】
一方、検知ポイント37の領域40が前記の所定のタイミングで第1センサ31によって検知された場合、第1胴材1の過剰搬送を意味する。したがって、第1センサ31は、胴材1の間欠搬送の停止時に、ライン38を検知するまで搬送方向に移動する。第1搬送装置10は、ライン38を検知する瞬間までの第1センサ31の移動量を検知し、その移動量に相当する回転数を、次の間欠搬送時の搬送ローラ対11の回転数から減算する。こうして、間欠搬送量(搬送ローラ対11の回転数)が、第1センサ31の出力に応答して調整される。
【0047】
間欠搬送の1サイクルにおいて、胴材1の搬送速度は、徐々に上がり、一定となり、減速し、ゼロとなる。ライン38は胴材1が停止する直前に第1センサ31の検知位置を通過するようになっている。したがって、通常の制御としては、第1センサ31がライン38を検知した瞬間に、第1搬送装置10が、モータ12を介して搬送ローラ対11の回転を停止させる。
【0048】
この制御が繰り返されることで、間欠搬送の停止の度に、第1胴材1のライン38を第1センサ31の検知位置に位置させる。設計位置41も、検知ポイント37と同様に印刷ピッチで反復することは上述の通りである。第1留め装置27を予め適切な位置に配置しておくことで、第1胴材1の設計位置41と第1留め装置27の第1留め位置28の位置関係を、第1胴材1の検知ポイント37と第1センサ31の検知位置の位置関係に対応させることができる。これによって、間欠搬送の停止の度に、第1胴材1の設計位置41を第1留め位置28に整合させることができる。
【0049】
第3搬送装置24は、第1胴材1の設計位置41が間欠搬送の停止の度に第2留め位置30に整合するように、その間欠搬送量を第3センサ34の出力に基づいて調整する。その具体的な制御は、第1搬送装置10のそれと同様である。すなわち、第3搬送装置24は、第3センサ34の出力に応答して搬送ローラ対25の回転数を調整して、間欠搬送の度に、第1胴材1のライン38を第3センサ34の検知位置に位置させる。それによって、第1胴材1の設計位置41を間欠搬送の停止の度に第2留め位置30に整合させる。
【0050】
第2搬送装置13は、第2胴材2の設計位置41が間欠搬送の停止の度に第2留め位置30に整合するように、第2胴材2のテンションおよび搬送ユニット14の間欠搬送量を第2センサ32,33の出力に基づいて調整する。
【0051】
実施形態では、搬送ユニット14が、上流センサ32の出力に応答して搬送ローラ対16の回転数を調整して、間欠搬送の停止の度に、第2胴材2のライン38を上流センサ32の検知位置に位置させる。この制御は、第1搬送装置10のそれと同じである。
【0052】
延伸ユニット15は、下流センサ33の出力に応答して第2胴材2のテンションを調整する。第1センサ31と同様に、下流センサ33が、ライン38がその検知位置を通過するであろう所定のタイミングで第2胴材2を検知する。領域39がそのタイミングで下流センサ33によって検知された場合、第2胴材2の搬送遅れを意味する。この場合、搬送量を増加させるべく、延伸ユニット15は、延伸ローラ18を上昇させることで、第2胴材2のテンションを低下させる。これにより、第2胴材2のテンションは、搬送ローラ対16および搬送ローラ対25の区間で若干減少し、第2留め位置30における胴材搬送は加速される。
【0053】
一方、検知ポイント37の領域40が、前記のタイミングで下流センサ33によって検知された場合、第2胴材2の過剰搬送を意味する。この場合、搬送量を減少させるべく、延伸ユニット15は、延伸ローラ18を下降させることで、第2胴材2のテンションを増加させる。これにより、第2胴材2のテンションは、搬送ローラ対16および搬送ローラ対25の区間で若干増大し、第2留め位置30における胴材搬送は減速される。
【0054】
搬送ローラ対16の間欠搬送量および第2胴材2のテンションの調整によって、搬送ローラ対16および搬送ローラ対25の区間で発生し得る第1および第2胴材1,2のずれが吸収される。それにより、間欠送りの停止の度に、第2胴材2の設計位置41を第2留め位置30に整合させることができる。
【0055】
以上の通り、第1搬送装置10が、第1胴材1を第1留め位置28に整合させるように、第1胴材1の搬送を、第1センサ31を用いて制御するので、第1留め装置27は、サイドガセット材3(追加のパーツ)を第1胴材1に適切な位置で留めることができる。第2および3搬送装置13,24が、第1および第2胴材1,2を第2留め位置30に整合させるように、第1および第2胴材1,2の搬送を、第2および第3センサ32―34を用いて制御するので、第2留め装置29は、第2胴材2を、サイドガセット材3を介して第1胴材1に適切な位置で留めることができる。したがって、胴材1,2の長さ方向において、胴材1,2、および、サイドガセット材3間での位置関係のずれが防止される。その結果、袋5が後述のように製造されたとき、そのパーツ1,2,3間で印刷柄が整合している。
【0056】
以下、製袋機のその他の構成について説明される。図2A図2Bは、製袋機の中流部分を示し、図3は、製袋機の下流部分を示す。製袋機は、ミシン目50を、不図示のミシン目カッターによって第2胴材2の長さ方向に第2胴材2に形成し、ミシン目51を、不図示の別のミシン目カッターによってサイドガセット材3の幅方向にサイドガセット材3に形成する。胴材1,2がガイドローラ対22によって互いに重ね合わされたとき、これらのミシン目50,51が互いに整合する。若しくは、胴材1,2が互いに重ね合わされた後に、1つのミシン目カッターによって、胴材2およびサイドガセット材3にミシン目50,51が形成される。実施形態のサイドガセット材3は、その両端において、補助ガセット52が予め形成されている。
【0057】
別の搬送ローラ対66(図3)が製袋機の下流部分に設けられており、胴材1、2を間欠搬送する。
【0058】
ガイド装置53が、胴材1,2の搬送に伴い、胴材2を案内して、胴材2がミシン目50に沿って分割されるようにする。仮シール部49は、サイドガセット材3の一方の層を胴材1に付着させ、他方の層を胴材2に付着させている。したがって、このとき、サイドガセット材3の他方の層が引き上げられ、サイドガセット材3は、そのミシン目51に沿って切り開かれ、2つに分割される。それによって、菱形状の開き面54が形成される。ガイド装置53は、ガイドローラ、プレート、ピンチローラなどを含む。
【0059】
底ガセット材供給装置55が、胴材1,2の送りに伴い、連続状の底ガセット材4をガイドローラ56によって案内し、胴材1、2の長さ方向に配置し、開き面54に重ね合わせる。
【0060】
開き面シール装置57が、間欠搬送のサイクルの度に、サイドガセット材3を、胴材1,2、および、底ガセット材4に、胴材1,2の幅方向において、開き面54の対角線に沿ってヒートシールする。それによって、補助シール部58が形成される。底ガセット材4が補助シール部58によって開き面54に付着する。
【0061】
別のガイド装置59が、胴材1,2の搬送りに伴い、胴材2を案内して、胴材2が、折り戻されるようにする。当該胴材2の折戻しによって、開き面54は閉じられて、補助ガセット60が開き面54によって形成される。さらに、当該胴材2の折戻しによって、底ガセット材4は、その長さ方向中心線(胴材1,2の長さ方向と平行である)に対して両側で2つ折りされる。
【0062】
図3の通り、縦シール装置61が、間欠搬送のサイクルの度に、胴材1,2および底ガセット材4を胴材1,2の長さ方向において底ガセット材4の長さ方向中心線の位置でヒートシールして、縦シール部62を形成する。横シール装置63が、胴材1,2の間欠搬送毎のサイクルの度に、胴材1,2、サイドガセット材3、および、底ガセット材4を、胴材1,2の幅方向においてサイドガセット材3の長さ方向中心線の位置でヒートシールして、横シール部64を形成する。
【0063】
スリット装置65が、胴材1,2の送りに伴い、胴材1,2、サイドガセット材3および底ガセット材4を胴材1,2の長さ方向において底ガセット材4の長さ方向中心線の位置でスリットする。
【0064】
クロスカット装置67が、胴材1,2の間欠搬送のサイクルの度に、胴材1,2、サイドガセット材3および底ガセット材4を、胴材1,2の幅方向において横シール部64の位置でクロスカットする。それによって、実施形態では、2つの袋5がクロスカットの度に製造される。
【0065】
底ガセット材4も印刷柄を有する場合、図2Bの通り、位置合わせ装置は、さらに、底ガセット材4と胴材1との位置合わせのために別のセンサ70,71を備えてよい。不図示の検知ポイントが、底ガセット材4にも胴材1,2と同様の印刷ピッチで印刷されている。センサ70は胴材1の検知ポイント37を検知し、センサ71は底ガセット材4の検知ポイントを検知する。
【0066】
例えば、センサ70が胴材1の検知ポイント37を検知したタイミングで、センサ71が底ガセット材4の検知ポイントを検知していない場合、底ガセット材4の供給が遅れている。したがって、この場合、位置合わせ装置は、底ガセット材4の上流側テンションを低くする。逆に、センサ70が胴材1の検知ポイント37を検知したタイミングで、センサ71が既に底ガセット材4の検知ポイントを検知している場合、底ガセット材4の供給が早い。したがって、この場合、底ガセット材4の上流側テンションを高くする。これが繰り返されることで、底ガセット材4と胴材1の位置関係のずれが防止される。
【0067】
結果的に、実施形態では、胴材1,2、サイドガセット材3、底ガセット材4間での胴材1,2の長さ方向における位置関係のずれが防止される。したがって、袋5が完成したとき、各パーツ1,2,3,4間で印刷柄が互いに整合している。袋5の良好な外観が保障される。
【0068】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態が説明される。第1実施形態と同一の構成についてはその説明が省略される。
【0069】
図5A図5Bは、第2実施形態の位置合わせ装置を示す。本実施形態では、上流センサ32(図1B)が省略される。したがって、第2センサは、下流センサ33の1つである。第2搬送装置13は、下流センサ33の出力だけに基づいて、第2胴材2のテンションおよび搬送ユニット14の間欠搬送量を調整する。
【0070】
具体的には、延伸ユニット15は、下流センサ33の出力に応答して第2胴材2のテンションを第1実施形態と同じ方法で調整し、搬送ユニット14は、第2胴材2のテンションの調整に応答して搬送ローラ対16の回転数を調整する。
【0071】
さらに具体的には、下流センサ33の出力が第2胴材2の搬送遅れを示す場合、延伸ユニット15は、延伸ローラ18を若干上昇させて、第2胴材2のテンションを減少させる。そして、搬送ユニット14は、テンションの減少(延伸ローラ18の上昇)に応答して、自身の送り量が不足していると判断し、次の間欠搬送時の搬送ローラ対16の回転数を適切な回転数にまで増大させる。
【0072】
一方、下流センサ33の出力が第2胴材2の過剰搬送を示す場合、延伸ユニット15は、延伸ローラ18を若干下降させて、第2胴材2のテンションを増加させる。そして、搬送ユニット14は、テンションの増加(延伸ローラ18の下降)に応答して、次の間欠搬送時の搬送ローラ対16の回転数を適切な回転数にまで減少させる。
【0073】
このような制御によっても、第2胴材2の設計位置41を、間欠搬送の停止の度に第2留め位置30に整合させて、第2留め位置30での第1および第2胴材1,2の位置関係のずれを防止することができる。
【0074】
上記実施形態は、様々に変形することができる。例えば、第1留め装置27がサイドガセット材3を留める第1留め位置28は、搬送ローラ対11の下流で第1センサ31の上流に規定されてもよい。
【0075】
各実施形態の製袋機では、第1および第2胴材1,2として、柄が印刷された胴材が用いられている。第1胴材1に関して、上流側の第1搬送装置10の間欠搬送量は、第1センサ31の出力、つまり、第1胴材1の印刷柄の位置によって制御されている。そして、下流側の第3搬送装置24の間欠搬送量は、第3センサ34の出力、つまり、第1胴材1の印刷柄の位置によって制御されている。ゆえに、両装置10,24の位置における間欠搬送量は等しく保たれ、胴材1のテンションが一定に維持される。
【0076】
ただし、各実施形態の製袋機で、新しい胴材に交換する際、センサ31,34の出力は用いられない。また、各実施形態の製袋機で、柄なしの胴材を用いることもできるが、その場合も、センサ31,34の出力は用いられない。このような状況下では、第1搬送ローラ対11の間欠搬送量と第3搬送ローラ対25の間欠搬送量とを同じにしようとしても、ローラ径やローラ回転数の微妙な差違によって間欠搬送量が互いに異なり得る。したがって、第1搬送装置10と第3搬送装置24と間における第1胴材1のテンションが張りすぎる、または、緩みすぎることが起こり得る。
【0077】
そこで、新しい第1胴材1に交換する際、新たな第1胴材1は、第1搬送ローラ対11による挟持が解除された状態で、第3搬送ローラ対25によって搬送され、かつ、上流側のダンサー21により適正なテンションを与えられるとよい。これにより、第1胴材1のテンションに関する上記の問題は解消され、適正な搬送が保障される。新たな第1胴材1が適正位置にセットされた後は、第1搬送ローラ対11及び第3搬送ローラ対25を、それぞれ、第1センサ31の出力及び第3センサ34の出力に基づいて制御することで、正確な搬送を実現することができる。
【0078】
各実施形態において、第1搬送装置10(搬送ローラ対11)、第1センサ31、第1留め位置28を互いに近接させたほうが、整合(位置合わせ)の精度は高くなる。同様に、第3搬送装置24(搬送ローラ対25)、第3センサ34、第2留め位置30を互いに近接させたほうが、整合の精度は高くなる。
【0079】
図6に示されるようなテンション付与ユニット43が、搬送ローラ対11より下流かつ搬送ローラ対25より上流に設けられ、第1胴材1にテンションを付与してもよい。テンション付与ユニット43は、例えば、第1胴材1に係合してテンションを付与するための付与ローラ44と、付与ローラ44を回転可能に支持する支持部材45と、付与ローラ44を第1胴材1に向けて付勢する付勢部材46(例えばスプリング)と、付与ローラ44の上流および下流隣に設けられた2つのガイドローラ47とを含む。
【0080】
第1留め位置28から第2留め位置30まで距離が長いことに起因して、第1胴材1のテンションが搬送ローラ対11から搬送ローラ対25の区間で過小になり、第1胴材1のたわみが生じる可能性はゼロではない。テンション付与ユニット43は、このような場合に第1胴材1にテンションを付与して、最低限のテンションを確保するに役立つ。
【0081】
また、前記区間で第1胴材1のテンションが過大になる可能性もゼロではない。これに対応するために、第3センサ34及び下流センサ33を微少区間内で第1胴材1の長さ方向に連動して同じ距離だけ可動にしてもよい。さらに、第1胴材1の検知ポイント37を検知するための第4センサ35が、第2留め装置29に取り付けられてもよい。こうすることで、第3センサ34の位置を調整するときのみ、第4センサ35を用いることで第2留め装置29の位置も連動して移動し、第2留め位置30を第3センサ34の位置調整に追従させることができる。
【0082】
位置合わせ装置は、2列どり製袋機に組み込まれていたが、1列どり製袋機、3以上の多列どり製袋機に組み込まれてもよい。追加のパーツとしてサイドガセット材3が用いられていたが、他の袋のパーツが位置合わせ装置によって第1および第2胴材1,2に組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 第1胴材
2 第2胴材
3 サイドガセット材(追加のパーツ)
5 袋
10 第1搬送装置
13 第2搬送装置
14 搬送ユニット
15 延伸ユニット
22 ガイドローラ対
24 第3搬送装置
27 第1留め装置
28 第1留め位置
29 第2留め装置
30 第2留め位置
31 第1センサ
32 上流センサ(第2センサ)
33 下流センサ(第2センサ)
34 第3センサ
37 検知ポイント
41 設計中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6