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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 11/38 20060101AFI20221019BHJP
   B08B 1/04 20060101ALI20221019BHJP
   B62D 57/024 20060101ALI20221019BHJP
   B62D 57/032 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
A47L11/38
B08B1/04
B62D57/024 M
B62D57/032 K
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018109497
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2018202177
(43)【公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】106119065
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】518202323
【氏名又は名称】林儀文
【氏名又は名称原語表記】Yi-Wen LIN
【住所又は居所原語表記】No.13, Alley 1, Lane 317, Sec. 5, Chongxin Rd., Sanchong Dist., New Taipei City, Taiwan, R.O.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】林儀文
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-516625(JP,A)
【文献】特開平10-086865(JP,A)
【文献】実開平05-026767(JP,U)
【文献】特開平03-266781(JP,A)
【文献】特開2012-211667(JP,A)
【文献】特開平02-190265(JP,A)
【文献】特開平10-086866(JP,A)
【文献】特開平04-053686(JP,A)
【文献】特開平11-239766(JP,A)
【文献】特開平03-133890(JP,A)
【文献】特開平03-000581(JP,A)
【文献】特開平02-030476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 11/38
B08B 1/04
B62D 57/024
B62D 57/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置において、
洗浄機構及び壁面吸着装置を含み、そのうち、該壁面吸着装置は履帯式移動を採用して行進し、それは主構造体、真空吸着体、軟性ゴム履帯及び密封材を含み、そのうち該主構造体の両端には対応する駆動ユニットを設置し、駆動ユニットは動力モーターが設置され、該真空吸着体は該主構造体の両側板間に設置し、主構造体両端の駆動ユニットの間に位置し、真空吸着体の底部には少なくとも一列以上の吸着孔を穿設し、各吸着孔はすべて真空吸着体内部に貫通して設置した導管及び管路継手を通じて真空吸着体の真空吸引孔へ連接し、更に真空設備によって管路を通じて真空吸着体の真空吸引孔と連接し、該主構造体両端の相対設置した駆動輪の間に一組もしくは一組以上の軟性ゴム履帯を設置し、軟性ゴム履帯外周は密封材を接着し、密封材上には複数の吸着口を間隔を開けて設置し、軟性ゴム履帯両側辺には弾性密封辺を成形し、軟性ゴム履帯内面にはドライブギアを間隔を開けて設置し、軟性ゴム履帯上の密封材に対応して設置する各吸着口の対応位置にはすべて真空吸着体の吸着孔と密封材に設置した吸着口が連通する通気ユニットを設置し、該通気ユニットは、一部のドライブギア中段部分を切断して形成した気流連通槽及び、軟性ゴム履帯を貫通する通気孔構成され、主構造体上の最上部には外部接続できる洗浄機構の組接続部を設置し、自動壁面洗浄機構を連結して洗浄し、
真空設備を運転する時、真空吸着体の吸着面上の吸着孔に吸引力を発生させ、真空吸着体両端には駆動輪を設置し、駆動輪上には必要に応じて動力モーターを設置し、動力モーターで駆動輪を動かし軟性ゴム履帯を運転し、軟性ゴム履帯上の密封材の吸着口を駆動輪の運転によって真空吸着体底部の吸着孔へ相互に対応した時、軟性ゴム履帯上の気流連通槽及び通気孔が密封材上の吸着口と共に吸着力を発生させ、壁面吸着装置を壁面上に吸着させ、また駆動輪によって軟性ゴム履帯を動かし、密封材上の吸着口位置を移動させ、更に異なる位置の吸着口に順々に吸着力を発生させ、密封材上の吸着口が真空吸着体吸着孔を離れるとすぐに吸着力がなくなり、壁面吸着装置を簡単に運転移動させることができ、二本もしくは二本以上の軟性ゴム履帯と二組の駆動輪を設置した時、壁面吸着装置を前進、後退及び方向転換動作を行うことできることを特徴とする自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【請求項2】
前記連結管路の真空吸着設備は、真空ポンプ真空発生器、又は、その他真空吸着力を発生する設備のいずれかであり、その取付位置は壁面吸着装置上に設置し、外部に設置して真空管路で連結することで真空を達成することを特徴とする請求項1記載の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【請求項3】
前記壁面吸着装置が始動する時安全スリングを吊りかけ、移動時にはプログラムで制御し、安全スリングのウインチの昇降速度と壁面吸着装置の行進速度を制御して一致させ、ビル壁面清掃に使用し、該ウインチの設置位置は、吸着装置上に設置してもよいし上方の吊り片持の適する位置に設置してもよいことを特徴とする請求項1記載の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【請求項4】
前記自動壁面洗浄機構は、壁面吸着装置上に連結した機械腕及び機械腕の一端に設置した一組もしくは一組以上の洗浄ハケ輪を含み異なる材質の洗浄ハケ輪の使用を採用しそのうち該機械腕形式は片持式機械腕もしくは関節式機械腕であることを特徴とする請求項1記載の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【請求項5】
前記自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置は、二台の壁面吸着装置上に於いて、X動力線型レールを連結した連結台をそれぞれ設置し、X動力線型レール両端を連結台を用いX動力線型レールを二台の壁面吸着装置の上に固定し、またX動力線型レール上には移動滑動台を設置し、動力を用いて移動滑動台を機動的に左右移動させ、該X動力線型レール7は自動壁面洗浄機構を動かしてレール上をX軸として直線移動しまた移動滑動台上には組接続部を設置し、組接続部上には自動壁面洗浄機構を設置し、両端の壁面吸着装置を緊密に貼着することで、X動力線型レール上の自動壁面洗浄機構を更に機動的に安定してX軸左右水平移動して洗浄でき、この時X動力線型レールの両端はしっかりと緊密に壁面に貼着する吸着装置を有する、ことを特徴とする請求項1記載の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【請求項6】
前記自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置は四台の壁面吸着装置を使用しており、四台の壁面吸着装置を二組に分けて上下対応させ、また二組の壁面吸着装置の間に垂直にして組接続部を用いてY動力線型レールを連結固定し、またY動力線型レール上にそれぞれ移動滑動台を設置し、動力を用いてY動力線型レールの移動滑動台を機動的に上下移動することができ、また二台の移動滑動台の間にはX動力線型レールを連結し、またX動力線型レール上には移動滑動台を設置し、動力を用いてX動力線型レールの移動滑動台を機動的に左右移動させる事ができ、X動力線型レール上の移動滑動台の組接続部上に自動壁面洗浄機構を設置し、四台の壁面吸着装置が緊密に貼着することで、X動力線型レール上の自動壁面洗浄機構を機動的に安定してX、Y軸で上下左右に移動清掃する、ことを特徴とする請求項1記載の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【請求項7】
前記Y動力線型レールを固定する組接続部は、オス/メススリーブ継手台固定形式であり、該オス/メススリーブ継手台形式は、壁面の適する位置に設置固定された二台もしくは二台以上のメススリーブ継手台、及び、Y動力線型レールの壁面側に近くメススリーブ継手台に対応する位置に設置固定された、前記メススリーブ継手台と同数量のオススリーブ継手台を備え、オススリーブ継手台とメススリーブ継手台の組み合わせによって、Y動力線型レール壁面に固定されており、それによってY動力線型レールに壁面吸着装置連結されていなくてもY動力線型レール壁面に固定されており、二組のY動力線型レール上の移動滑動台に連結されたX動力線型レールの移動滑動台に組み立てられた自動壁面洗浄機構機動的に安定して上下左右移動でき、前記Y動力線型レールの両端頭尾接続方式で連接されており、レール接続台によって二組のY動力線型レールの頭尾互いに連接されていることを特徴とする請求項6に記載の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【請求項8】
前記自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置は、二台の壁面吸着装置上にそれぞれ設置されたZ軸方向の伸縮桿を有し、Z軸方向の伸縮桿の最上端にはX動力線型レール連結されており、二本のZ軸方向の伸縮桿同時伸縮運動、及び、安全スリングによる二台の壁面吸着装置のY軸方向移動によって、X動力線型レール上の自動壁面洗浄機構は、X、Y及びZ軸の上、下、左、右、前、後に機動的に移動されながら清掃するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【請求項9】
前記自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置は、吊り機構に連結されて固定されており、吊り機構上にはX動力線型レール設置され、X動力線型レール上には、動力によって機動的に左右移動される移動滑動台が設置されており、X動力線型レール上の移動滑動台の組接続部上には自動壁面洗浄機構更に設置されており、吊り機構の両側に伸縮桿設置され、伸縮桿の一端にそれぞれ壁面吸着装置連結されていることを特徴とする請求項1記載の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【請求項10】
前記壁面吸着装置に連結された機械腕監視カメラ設置されている、ことを特徴とする請求項4に記載の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置に関し、特にビル壁面に吸着して移動でき、且つ洗浄機構を追加設置してビル外壁の自動洗浄を達成する自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置を備える設計に係る。
【背景技術】
【0002】
現在、建築技術が発達し、更に土地が取得しにくくなっていることから、建築物の高さは益々高層になり、寸土寸金の利益を得るため、都市部は高層ビルが林立しており、そのビルの外観造形はそれぞれ異なり、各種建材の建物種類も非常に多岐にわたる。例として二丁掛タイル、ガラス製カーテンウォール及びその他コンクリート壁面等があるが、どのような種類タイプの建物であっても、一定期間が経つとホコリや雨水及び酸性物質の付着によって汚れ、美観や採光に影響が表れる。
【0003】
そのため、現在多数のビルは、清掃会社に委託してビル外壁、ガラス製カーテンウォールの清掃を行う。一般的な清掃方法は、ゴンドラをビル外部に吊り人の手で清掃を行うが、ゴンドラ方式の清掃は危険性が高く、且つゴンドラ両側のスリングは日を重ねると摩耗し清掃員が落下する事件が起こりやすくなり、ゴンドラに作業員を載せてビル外壁の清掃を行うのは、高度な危険を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置によって、ビル壁面に吸着して移動でき、自動壁面洗浄機構を設置してビル外壁の清掃自動化の目的を達成し、更に良好な清掃効果と清掃効率を高める。
本発明の次の目的は、主に自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置によって、コスト高になる人件費が不要であるため、ビル外壁清掃のコストが大幅に減少する。
本発明の更にもう一つの目的は、自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置によって、コスト高になる人件費が不要であるため、従来の人の手による清掃でゴンドラスリングが切れて作業員の命を危険に晒すことを一掃する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明による自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置は、洗浄機構及び壁面吸着装置を含む。そのうち該壁面吸着装置は、主構造体、真空吸着体、軟性ゴム履帯及び密封材を含む。そのうち該主構造体の両端には対応する駆動ユニットを設置し、駆動ユニットは必要に応じて動力モーターを設置する。該真空吸着体は該主構造体の両側板間に設置し、主構造体両端の駆動ユニットの間に位置する。真空吸着体の底部には少なくとも一列以上の吸着孔を穿設し、各吸着孔はすべて真空吸着体内部に貫通して設置した導管及び管路継手を通じて真空吸着体の真空吸引孔へ連接し、更に真空設備によって管路を通じて真空吸着体の真空吸引孔と連接する。該主構造体両端の相対設置した駆動輪間に一組もしくは一組以上軟性ゴム履帯を設置し、履帯外周は密封材を接着する。密封材上には複数の吸着口を間隔を開けて設置し、軟性ゴム履帯両側辺には弾性密封辺を成形し、履帯内面にはドライブギアを間隔を開けて設置し、履帯上の密封材に対応して設置する各吸着口の対応位置にはすべて真空吸着体の吸着孔と密封材に設置した吸着口が連通する通気ユニットを設置し、該通気ユニットは主に履帯のドライブギア中段部分から切断形成された気流連通槽及び履帯を貫通する通気孔から構成され、主構造体上には外部接続した洗浄機構の組接続部を設置し、洗浄機構を組み立てて洗浄を行う。
【0006】
真空設備を運転する時、真空吸着体の吸着面上の吸着孔に吸引力を発生させる。真空吸着体両端には駆動輪を設置し、駆動輪上には必要に応じて動力モーターを設置し、動力モーターで駆動輪を動かし軟性ゴム履帯を運転する。軟性ゴム履帯上の密封材の吸着口が駆動輪の運転と共に真空吸着体底部の吸着孔へ相互に対応した時、軟性ゴム履帯上の気流連通槽及び通気孔が密封材上の吸着口と共に吸着力を発生させ、壁面吸着装置を壁面上に吸着させる。また駆動輪によって軟性ゴム履帯を動かし、密封材上の吸着口位置を移動させ、更に異なる位置の吸着口に順々に吸着力を発生させ、そして密封材上の吸着口が真空吸着体吸着孔を離れるとすぐに吸着力がなくなるので壁面吸着装置を簡単に運転移動させることができる。二本もしくは二本以上の軟性ゴム履帯と二組の駆動輪を設置した時、壁面吸着装置を前進、後退及び方向転換動作を行うことでき、そのうち該該連結管路の真空吸着設備形式は真空ポンプ、また真空発生器、もしくはその他真空吸着力を発生する設備のどれを採用しても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置は、ビル壁面に吸着して移動でき、且つ洗浄機構を追加設置してビル外壁の自動洗浄を達成するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の良好な実施例の側面図である。
図2図1の構造の底部仰瞰図である。
図3】本発明の主構造体フレームの俯瞰図である。
図4図3に示す主構造体フレームの側面図である。
図5】本発明の真空吸着体と主構造体組立後の端面断面図である。
図6】本発明の履帯外周に密封材を貼着する側面図である。
図7図6が示す履帯の底面仰瞰図である。
図8図6が示す履帯の局部拡大図である。
図9図8が示す履帯のA-A+断面図である。
図10図8が示す履帯のB-B+断面図である。
図11】本発明の別一種の輪転式驅動結合吸着装置の実施例側面図である。
図12図11が示す輪転式驅動構造の端面図である。
図13図11が示す輪転式驅動構造の底面仰瞰図である。
図14】本発明の単一片持式機械腕で多数個のハケ式洗浄輪を設置する実施例正面図である。
図15図14が示す構造の側面図である。
図16】本発明の三個の片持式機械腕でそれぞれ異なる機能及びサイズのハケ式洗浄輪を設置する実施例正面図である。
図17図16が示す構造の側面図である。
図18】本発明の吸着装置に別一種の関節式機械腕を連結し、機械腕一端には単一ハケ式洗浄輪を連結する実施例側面図である。
図19】本発明の吸着装置上に三個の関節式機械腕でローラー式及びハケ式二種の洗浄輪を連結する実施例の正面図である。
図20図19が示す構造の側面図である。
図21】本発明の二台の吸着装置上にX軸方向移動のX動力線型レールを連結して設置し、動力線型レールの移動滑動台上には二個の関節式機械腕を設置して二個のハケ式洗浄輪を駆動する実施例の正面図である。
図22図21が示す構造の側面図である。
図23】本発明の二台の吸着装置に安全スリングを設置して上、下移動させ、X動力線型レールを連結設置してX軸方向で左、右移動し、移動滑動台上には機械腕を組立設置して洗浄輪を駆動しビル清浄を行う実施例立体図である。
図24】本発明の吸着装置上に伸縮桿を組立設置してZ軸方向で前、後移動し、伸縮桿の最上部の連結台にX動力線型レール及び洗浄機構を連結し、機械腕で洗浄輪を駆動してビル清掃を行う実施例の立体図である。
図25】本発明の二組の上、下対応の吸着装置の間にY動力線型レールを設置し、更に図23に示すX動力線型レール及び洗浄機構を該Y動力線型レールの移動滑動台上に設置し、X、Y軸方向で左、右、上、下に機動的に移動洗浄を達成する実施例指示図である。
図26】本発明の別一種のオス/メススリーブ継手台の固定形式を採用し、メススリーブ継手台で壁面に固定し、次にオススリーブ継手台とメススリーブ継手台を組み合わせることで壁面吸着装置を使用する必要がなく、つまりY動力線型レールを壁面に固定でき、Y動力線型レール両端にレール接続台で二組のY動力線型レールの頭尾を相互に連接し、レール上の移動滑動台の移動距離を延長できる実施例の指示図である。
図27図26が示す構造の側面図である。
図28図27が示す局部拡大図である。
図29】本発明のオス/メススリーブ継手台の連結前の立体指示図である。
図30】本発明のレール接続台の立体指示図である。
図31図24が示す構造にゴンドラを合わせて使用する実施例の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から図5に示すとおり、本発明は自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置に関し、それは洗浄機構及び壁面吸着装置Aを含む。そのうち該壁面吸着装置Aは、主構造体1、真空吸着体2、軟性ゴム履帯14及び密封材15を含む。そのうち該主構造体1両端にはそれぞれ対応する駆動ユニット13を設置し、駆動ユニット13は必要に応じて動力モーター131を設置する。該真空吸着体2は該主構造体1両側板12間に設置し、主構造体1両端の駆動ユニット13の間に位置する。真空吸着体2の底部には少なくとも一列以上の吸着孔21を穿設し、各吸着孔21はすべて真空吸着体2内部に貫通して設置した導管211及び管路継手212を通じて真空吸着体2の真空吸引孔22へ連接する。更に真空設備によって管路を通じて真空吸着体2の真空吸引孔22と連接し、該主構造体1両端の相対設置した駆動輪132の間に、一組もしくは一組以上の軟性ゴム履帯14を設置し、履帯14外周は密封材15を接着する(例として図6から図10参照)。密封材15上には複数の吸着口151を間隔を開けて設置する。軟性ゴム履帯14両側辺には弾性密封辺141を成形し、履帯14内面にはドライブギア142を間隔を開けて設置する。履帯14上の密封材15に対応して設置する各吸着口151の対応位置にはすべて真空吸着体2の吸着孔21と密封材15に設置した吸着口151が連通する通気ユニットを設置し、該通気ユニットは主に履帯14部分のドライブギア142中段から切断成形した気流連通槽143及び履帯14を貫通する通気孔144から構成される。また主構造体1上最上部11には外部接続できる洗浄機構の組接続部111を設置し、洗浄機構を連結して洗浄を行う。
【0010】
真空設備を運転すると、真空吸着体2の吸着面上の吸着孔21によって吸引力が発生する。真空吸着体2両端には駆動輪132を設置し、駆動輪132上には必要に応じて動力モーター131を設置し、動力モーター131で駆動輪132を動かし軟性ゴム履帯14を運転する。軟性ゴム履帯14上の密封材15の吸着口151が駆動輪132の運転と共に真空吸着体2底部の吸着孔21へ相互に対応した時、軟性ゴム履帯14上の気流連通槽143及び通気孔144が密封材15上の吸着口151と共に吸着力を発生させ、壁面吸着装置Aを壁面上に吸着させる。また駆動輪132によって軟性ゴム履帯14を動かし、密封材15上の吸着口151位置を移動させ、更に異なる位置の吸着口151に順々に吸着力を発生させ、また密封材15上の吸着口151が真空吸着体2吸着孔21を離れるとすぐに吸着力がなくなる。そして壁面吸着装置Aを簡単に運転移動させることができ、二本もしくは二本以上の軟性ゴム履帯14と二組の駆動輪132を設置した時、壁面吸着装置Aを前進、後退及び方向転換動作を行うことでき、そのうち該連結管路の真空吸着設備形式は、真空ポンプ、また真空発生器、もしくはその他真空吸着力を発生する設備のどれを採用しても良い。
【0011】
次に図11及び図13に示すのは、本発明の壁面吸着装置Aの真空吸附行進方式の別の一実施例であり、壁面吸着装置A’は輪転式移動行進を採用してもよい。該輪転式吸着装置の主構造体1’内部は図5と同じ設計原理の真空吸着体2’を設置し、真空設備から管路及び管路継手212’と主構造体1’内に設置した真空吸着体2’の真空吸引孔22’を通じて連結し、真空吸着体2’底部の吸着面には密封材15’を設置する。密封材15’上には一個もしくは一個以上の吸着口151’を設置する。また各吸着口151’にはすべて真空吸着体2’吸着面上の吸着孔21’が対応する。真空設備を運転する時、真空吸着体2’吸着面上の吸着孔21’に吸着力を発生させる。主構造体1’両端には移動輪1311’を設置し、移動輪1311’上には動力モーター131’を設置して移動輪1311’を回転させ、動力モーター131’を設置しなくてもよく、安全スリングのウインチで直接移動を制御する。移動輪1311’は移動輪台13’に設置し、移動輪台13’には伸縮機構132’を連結する。伸縮機構132’が移動輪台13’を制御することによって移動輪1311’の高度を最適な位置に調整でき、移動輪1311’と壁面を最適な接触位置に保ち、外部に安全スリングを設置することで、本実施例の壁面吸着装置A’に部分吸着力を保って移動行進できる。また壁面吸着装置A’が適する位置に到達した時、伸縮機構132’が移動輪台13’を制御することによって移動輪1311’を内部縮小し、吸着面を完全に壁面に貼着させ、壁面吸着装置A’の吸着力を高め、該伸縮機構132’は主に移動輪1311’の高さを制御して使用するのに用いる。異なる構造形式でもよく、モーターもしくは電磁石もしくはテレスコープ形シリンダを採用することができる。
【0012】
図14から図25及び図31に示すのは、本発明の壁面吸着装置AもしくはA’を実際使用する時の各種説明例である。
【0013】
壁面吸着装置A、A’を使用する時、必要に応じて安全スリング5を掛合し、上下移動の時センサーもしくはプログラムで制御し、安全スリング5のウインチの昇降速度と壁面吸着装置A、A’の行進速度を制御して一致させ、上方の吊り片持で安全スリング5と壁面吸着装置A、A’を制御して同時に上下左右移動させ、ビル壁面Bを洗浄使用する。該ウインチの設置位置は壁面の吸着装置A、A’上に設置してもよいし、また上方の吊り片持の適する位置に設置しても良い。
【0014】
壁面吸着装置A、A’上には組接続部111を設置する。組接続部111を用いて、壁面吸着装置A、A’上に機械腕を連結する。該機械腕形式は片持式機械腕4もしくは関節式機械腕6の形式に制限されず、図14から図17に示すのは片持式機械腕4を使用した実施例であり、図18から図25及び図31に示すのは関節式機械腕6を使用した実施例である。また機械腕の別端には1組もしくは1組以上の洗浄ハケ輪を設置し、ビル壁面を洗浄するのに用いる。洗浄ハケ輪の形式及び材質は、現代型ビルの各種異なる造型壁面の洗浄に対応し、異なる形式、もしくは異なる材質の洗浄ハケ輪を採用して使用しても良く、例としてハケ式洗浄輪3もしくはローラー式洗浄輪31等である。図14から図17に示すのはハケ式洗浄輪3を使用する。図14及び図15に示すのは洗浄機連結台32を用い、三組のハケ式洗浄輪3を同時に使用する。且つ図14から図17はすべて回転機構41を設置し、片持式機械腕4を回転させる。そのうち図19及び図20に示すのはハケ式洗浄輪3及びローラー式洗浄輪31の二種を同時に使用し、壁面吸着装置A、A’をビル壁面Bに吸着させた時、壁面Bを清潔に洗浄する。該片持式機械腕4もしくは関節式機械腕6とハケ式洗浄輪3もしくはローラー式洗浄輪31の組合せは自動壁面洗浄機構と称する。
【0015】
現代型ビルの各種異なる造型壁面Bに対応して洗浄し、同時に二台の壁面吸着装置A、A’を使用できる。二台の壁面吸着装置A、A’上にはX動力線型レール7を連結できる連結台112を設置し、X動力線型レール7両端を連結台112を用い、X動力線型レール7を壁面吸着装置A、A’上に固定する。またX動力線型レール7上には移動滑動台71を設置する。動力を用いて移動滑動台71を自在に左右移動させることができる。該X動力線型レール7は自動壁面洗浄機構を動かしてレール上をX軸方向で直線移動する。線型レールの形式が異なるか、もしくは安裝角度が異なるかについては制限しない。移動滑動台71上に於いて組接続部111’を設置する。組接続部111’上には自動壁面洗浄機構を設置し、両端の壁面吸着装置A、A’を緊密に貼着することで、X動力線型レール7上の自動壁面洗浄機構を更に機動的に安定してX軸左右水平移動して洗浄できる。この時、X動力線型レール7両端はすでに壁面吸着装置A、A’が壁面Bに緊密に貼着されているので、移動滑動台71に設置した組接続部111’上の自動壁面洗浄機構は壁面吸着装置A、A’を別に設置しなくてもよく(例として図21から図24参照)、これらも請求範囲の中に含まれる。
【0016】
現代型ビルの各種異なる造型壁面Bに対応して洗浄するため、二台以上の壁面吸着装置A、A’を同時に使用することができる。四台の壁面吸着装置A、A’を使用する時、四台の壁面吸着装置A、A’を二組に分けて上下対応させ、また二組の壁面吸着装置A、A’の間に垂直にする。組接続部111を用いてY動力線型レール8を連結固定し、またY動力線型レール8上にそれぞれ移動滑動台81を設置し、動力を用いてY動力線型レール8の移動滑動台81を機動的に上下移動することができる。また二台の移動滑動台81の間にはX動力線型レール7を連結し、また二台の移動滑動台81の間にはX動力線型レール7を連結する。動力を用いてX動力線型レール7の移動滑動台71を機動的に左右移動させる事ができる。またX動力線型レール7上の移動滑動台71の組接続部111’上に自動壁面洗浄機構を設置し、四台の壁面吸着装置A、A’が緊密に貼着することで、X動力線型レール7上の自動壁面洗浄機構を安定してX、Y軸で上下左右に機動的に移動して洗浄する。この時四台の壁面吸着装置A、A’はたとえ移動行進装置を設置してなくても、自動壁面洗浄機構も自在に移動できる、図25に示すとおり、その時、壁面吸着装置Aの重要点は、大面積の吸着力であり、吸着孔の数は壁面吸着装置Aの吸着力に影響しない。これらも請求項の範囲に含まれる。
【0017】
上述のとおり、現代型ビルの各種異なる造型壁面Bに対応して洗浄するため、そのうち該Y動力線型レール8を固定する組接続部111はオス/メススリーブ継手台82、83の固定形式を採用しても良い。該オス/メススリーブ継手台82、83は先ず壁面Bの適する位置に二台もしくは二台以上のメススリーブ継手台83を設置固定し、またY動力線型レール8の壁面側に近くメススリーブ継手台83に対応する位置に、同数量のオススリーブ継手台82を設置固定する。オススリーブ継手台82とメススリーブ継手台83の組み合わせによって、Y動力線型レール8を壁面Bに固定し、それによって例えY動力線型レール8を壁面吸着装置A、A’に連結しなくてもY動力線型レール8を壁面Bに固定でき、二組のY動力線型レール8の移動滑動台81上に組み立てたX動力線型レール7の移動滑動台71に組み立てた自動壁面洗浄機構を機動的に安定して上下左右移動できる。該オス/メススリーブ継手台82、83形式は、主にY動力線型レール8を壁面Bに安定して固定するのに用いるが、異なる組立固定形式を採用してもよく、それは請求範囲に含まれる。またY動力線型レール8両端は頭尾接続方式で連接して長さを伸ばすことができる。レール接続台84によって二組のY動力線型レール8の頭尾を互いに連接し、Y動力線型レール8上の移動滑動台81を更に長い移動距離を伸ばす(例として図26から図30参照)。
【0018】
上述のとおり、現代型ビルの各種異なる造型壁面Bに対応して洗浄するため、例としてビル外観デザインが円弧凸出造型、もしくはベランダ突出壁面Cが非常に多い時、二台の壁面吸着装置A、A’上にそれぞれZ軸方向の伸縮桿61を設置し、Z軸方向の伸縮桿61最上端にX動力線型レール7を更に連結し、二本のZ軸方向の伸縮桿61が同時に伸縮運動することによって、X動力線型レール7上の自動壁面洗浄機構に安全スリング5を合わせてY軸方向で上下の速度制御を行い、機動的にX、Y及びZ軸の上下左右前後移動を行い清掃する(例として図24及び図31参照)。
【0019】
自動壁面洗浄機構及び壁面吸着装置A、A’は、吊り機構に連結固定しても良い。該吊り機構の外観は、ゴンドラ9型式でもよく、その他造形形式でも良い。また吊り機構上にX動力線型レール7を設置し、X動力線型レール7上には移動滑動台71を設置する。動力によってX動力線型レール7上の移動滑動台71が機動的に左右移動する。X動力線型レール7上の移動滑動台71の組接続部111’上に更に自動壁面洗浄機構を設置する。すると移動滑動台71上の自動壁面洗浄機構はX動力線型レール7に於いて機動的に安定して左右水平移動洗浄する。吊り機構両側に伸縮桿61を設置し、伸縮桿61の一端にそれぞれ壁面吸着装置A、A’を連結し、吊り機構両側の伸縮桿61と壁面吸着装置A、A’の連結作用によって、自動壁面洗浄機構を運転時に常に安定させる(例として図31参照)。それによって、洗浄機構の付属設備、例として洗剤液、清水用バケツ、汚水用バケツ、真空設備、回路設備……等を吊り機構内に入れることができる。
【0020】
壁面吸着装置A上の機械腕、例として片持式機械腕4もしくは関節式機械腕6もしくはウインチ91で吊り下げたゴンドラ9に取付けた伸縮桿61に設置し、該機械腕の構造機能の重要点は、現代型ビルの各種異なる造型壁面Bに対応して洗浄でき、各種形式の機械腕形態を制限しない。該機械腕は例として片持式機械腕4もしくは関節式機械腕6、もしくはX動力線型レール7、Y動力線型レール8もしくは伸縮桿61であり、重要点として特許が述べる必要機能を達成し、外観は制限しない。その動力も電動形式もしくは液気圧形式、伝動方式の制限を受けず、また使用ネジ桿、ギア、液気圧もしくは線性モーターの使用の制限も受けず、それらは本発明の請求範囲に含まれる。
【0021】
その他、壁面吸着装置A、A’の真空吸着体2から構成される真空吸着の取付位置は、壁面吸着装置A、A’上に設置し、外部に設置して真空管路の連結によって真空を形成する目的を達成できるが、その取付位置は本発明の重点陳述範囲ではない。自動壁面洗浄機構の洗剤液輸送方式は、各種方式、例として管体で洗浄輪の内部もしくは外周へ、及び洗浄機構汚水回収装置へ送るが、それも本発明の重点陳述範囲に含まれない。
【0022】
壁面吸着装置A、A’が組立接続する機械腕は、ビル壁面設備のメンテナンス修理に用いる。また適する位置に監視カメラを設置することができる。消防消火装置もしくは安全避難用具に追加設置すると、消防消火避難設備として使いやすい。
【0023】
上述のとおり、本発明はビル壁面に吸着して移動でき、且つ洗浄機構を追加設置してビル外壁の自動洗浄を達成する機能を備える。
【符号の説明】
【0024】
A 壁面吸着装置
A’ 壁面吸着装置
B 壁面
C ベランダ突出壁面
1 主構造体
1’ 主構造体
11 最上部
111 組接続部
111’ 組接続部
112 連結台
12 側板
13 駆動ユニット
131 動力モーター
131’ 動力モーター
13’ 移動輪台
1311’ 移動輪
132 駆動輪
132’ 伸縮機構
14 履帯
141 弾性密封辺
142 ドライブギア
143 気流連通槽
144 通気孔
15 密封材
15’ 密封材
151 吸着口
151’ 吸着口
2 真空吸着体
2’ 真空吸着体
21 吸着孔
21’ 吸着孔
211 導管
212 管路継手
212’ 管路継手
22 真空吸引孔
22’ 真空吸引孔
3 ハケ式洗浄輪
31 ローラー式洗浄輪
32 洗浄機連結台
4 片持式機械腕
41 回転機構
5 安全スリング
6 関節式機械腕
61 伸縮桿
7 X動力線型レール
71 移動滑動台
81 移動滑動台
8 Y動力線型レール
82 オススリーブ継手台
83 メススリーブ継手台
84 レール接続台
9 ゴンドラ
91 ウインチ
図1
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