(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】物品排出システム
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
G01G19/387 D
(21)【出願番号】P 2019115682
(22)【出願日】2019-06-21
【審査請求日】2022-06-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】前田 修一
(72)【発明者】
【氏名】大林 勇次郎
(72)【発明者】
【氏名】北條 正晃
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/139221(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0290852(US,A1)
【文献】特開2013-3100(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0145670(US,A1)
【文献】特開2002-52487(JP,A)
【文献】特開平6-3182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-23/48
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品群から一部の物品を取り出して排出する物品排出システムであって、
前記物品群が戴置される戴置部と、
前記物品を把持部材で把持する複数の把持器と
、
前
記把持器のそれぞれが把持する前記物品の重量値を取得する重量取得部と
、
前
記複数の把持器
のそれぞれを同じタイミングで前記戴置部に戴置される前記物品群
に挿入させ、前記複数の把持器のそれぞれに前記戴置部に戴置される前記物品群の一部の前記物品を把持させ、前記重量取得部が取得した前記把持器のそれぞれが把持する前記物品の前記重量値を用いた組合せ計算の結果に基づいて、所定の前記把持器の前記物品の把持を解除させて前記物品を排出させる制御部と、を備える、
物品排出システム。
【請求項2】
前記把持器の直下に配置され、前記把持器が把持を解除した前記物品を受けて排出する排出シュートを更に備え
、
前
記戴置部
は、前記把持器の直下の第1位置と、前記把持器の直下から外れた第2位置との間で、鉛直方向と交差する方向に移動
する、
請求項
1に記載の物品排出システム。
【請求項3】
前記複数の把持器が取り付けられている可動部材と、
前記可動部材を移動させる第1駆動部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記第1駆動部を制御し、前記可動部材を移動させて、前記複数の把持器を一体的に前記載置部に近づけ、前記複数の把持器を前記戴置部に戴置される前記物品群に挿入させ、前記複数の把持器のそれぞれに前記戴置部に戴置される前記物品群の一部の前記物品を把持させる、
請求項1又は2に記載の物品排出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品群から一部の物品を取り出して排出する物品排出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開平6-3182号公報)のように、複数の把持器を用いて戴置部に戴置されている物品群から物品を取り出し、各把持器が把持している物品の重量値を取得して組合せ計算を行い、その結果に基づいて所定の把持器の物品の把持を所定位置で解除して、最終的に目標重量の物品をシステム外に排出する物品排出システムが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1(特開平6-3182号公報)の物品排出システムでは、把持器のそれぞれが独立して動作する可動部材に取り付けられているため、システムが大型化しやすいという問題がある。
【0004】
本発明の課題は、コンパクト化可能な物品排出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点に係る物品排出システムは、物品群から一部の物品を取り出して排出する。物品排出システムは、戴置部と、複数の把持器と、可動部材と、第1駆動部と、重量取得部と、制御部と、を備える。戴置部には、物品群が戴置される。複数の把持器は、物品を把持部材で把持する。可動部材には、複数の把持器が取り付けられている。第1駆動部は、可動部材を移動させる。重量取得部は、把持器のそれぞれが把持する物品の重量値を取得する。制御部は、可動部材を移動させて、複数の把持器を戴置部に近づけ、複数の把持器に戴置部に戴置される物品群の物品の一部を把持させる。制御部は、重量取得部が取得した把持器のそれぞれが把持する物品の重量値を用いた組合せ計算の結果に基づいて、所定の把持器の物品の把持を解除させて物品を排出する。
【0006】
第1観点に係る物品排出システムでは、各把持器がそれぞれ異なる可動部材に取り付けられるのではなく、可動部材に複数の把持器が取り付けられているため、コンパクトな物品排出システムを実現できる。
【0007】
また、単一の可動部材に複数の把持器を設けることで、可動部材に単一の把持器を設ける場合とは異なり、把持器を戴置部に接近させるための駆動部の数を低減できる。
【0008】
第2観点に係る物品排出システムは、第1観点に係る物品排出システムであって、制御部は、把持器が戴置部の物品を把持する際に、可動部材を所定位置から少なくとも下方に移動させて、複数の把持器を戴置部へと近づける。戴置部は、物品群が戴置される戴置面を有する。複数の把持器には、少なくとも、第1の把持器と、第2の把持器と、を含む。第1の把持器が把持する物品の戴置される戴置面の第1部分は、第2の把持器が把持する物品の戴置される戴置面の第2部分より高い位置に配置される。可動部材において、第1の把持器の把持部材の下端は、第2の把持器の把持部材の下端より高い位置に配置される。
【0009】
第2観点に係る物品排出システムでは、把持器の把持対象の物品が戴置される戴置面の高さ位置に応じて、その把持器の把持部材の下端の高さ位置が変化している。そのため、同じ可動部材に設けられた複数の把持器のそれぞれで、戴置面が水平でない戴置部から適量の物品を取ることが容易である。
【0010】
第3観点に係る物品排出システムは、第2観点に係る物品排出システムであって、可動部材における、第1の把持器の把持部材の下端と第2の把持器の把持部材の下端との高さ位置の差は、戴置面の第1部分と戴置面の第2部分との高さ位置の差と同一である。
【0011】
第3観点に係る物品排出システムでは、把持器の把持対象の物品が戴置される戴置面と、その把持器の把持部材の下端との距離が同一に設定されるため、同じ可動部材に設けられた複数の把持器のそれぞれで、戴置面が水平でない戴置部から適量の物品を取ることが容易である。
【0012】
第4観点に係る物品排出システムは、第1観点から第3観点のいずれかに係る物品排出システムであって、複数の把持器を把持部材側から見た時、複数の把持器は千鳥状に配置されている。
【0013】
第4観点に係る物品排出システムでは、把持部材側から見て、把持器が千鳥状に配置されているため、小さなスペースに把持器を多数配置可能で、物品排出システムのコンパクト化を図ることが容易である。
【0014】
第5観点に係る物品排出システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る物品排出システムであって、把持器のそれぞれが戴置部において物品を把持可能な把持領域は、他の少なくとも1つの把持器が戴置部において物品を把持可能な把持領域と、近接する、又は、一部重なる。
【0015】
第5観点に係る物品排出システムでは、ある把持器の把持領域が、他の少なくとも1つの把持器の把持領域と隣接又は重なるため、小さいスペースに把持器を多数配置可能で、物品排出システムのコンパクト化が図られやすい。
【0016】
第6観点に係る物品排出システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る物品排出システムであって、排出シュートと、第2駆動部と、を更に備える。排出シュートは、把持器の直下に配置される。排出シュートは、把持器が把持を解除した物品を受けて排出する。第2駆動部は、戴置部を移動させる。第1駆動部は、可動部材を鉛直方向に移動させる。第2駆動部は、戴置部を、把持器の直下の第1位置と、把持器の直下から外れた第2位置との間で、鉛直方向と交差する方向に移動させる。
【0017】
第6観点に係る物品排出システムでは、可動部材が鉛直方向に移動するため、把持器が把持する物品には水平方向の力が作用しにくい。そのため、把持器の把持する物品が意図せず落下する不具合の発生が抑制されやすい。そのため、本物品排出システムでは、精度良く目標重量の物品を排出することが容易である。
【0018】
また、本物品排出システムでは、把持器の直下に排出シュートを配置し、戴置部を把持器の直下の第1位置と把持器の直下から外れる第2位置との間で移動可能としている。そのため、本物品排出システムでは、把持器を水平方向に移動させずに、把持器の把持する物品を排出シュートに直接供給できる。そのため、物品が把持器及び排出シュート以外の部材に付着する可能性を低減でき、システム構成部品への物品の付着リスクを抑制し、システムの清掃性も向上させることができる。
【0019】
第7観点に係る物品排出システムは、第1観点から第6観点のいずれかに係る物品排出システムであって、分離部材を更に備える。分離部材は、把持器の把持部材が戴置部の物品を把持した後、物品の把持を解除するまでの間の少なくとも所定の期間、その把持器の把持部材とその把持器に隣接する把持器の把持部材との間に配置される。
【0020】
取り扱われる物品によっては、1の把持器で把持する物品が、他の把持器でも同時に把持されるという現象が発生する可能性がある。このような現象が発生すると、システムから排出する物品の重量が目標重量に対してずれ、システムから排出される重量の精度が低下する恐れがある。
【0021】
これに対し、第7観点に係る物品排出システムでは、分離部材により物品の分離が促進されるため、複数の把持器で物品が同時に把持される状態の発生を抑制し、システムから排出される物品の重量が目標重量に対してずれることを抑制できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る物品排出システムでは、各把持器がそれぞれ異なる可動部材に取り付けられるのではなく、可動部材に複数の把持器が取り付けられているため、コンパクトな物品排出システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る物品排出システムの模式図である。
【
図2】
図1の物品排出システムのブロック図である。
【
図3】
図1の物品排出システムのロボット、可動部材、重量取得部及び把持器の概略斜視図である。
【
図4】
図1の物品排出システムの可動部材、重量取得部及び把持器の概略斜視図である。
【
図5】
図1の物品排出システムの把持器が取り付けられた可動部材を、把持器の把持部材側から見た底面図である。
【
図6】可動部材に把持器が格子状に配置される場合と、可動部材に把持器が千鳥状に配置される場合とを比較して示した図である。
【
図7A】複数の把持器の把持領域の配置パターンの一例を模式的に示した平面図である。
【
図7B】複数の把持器の把持領域の配置パターンの他の例を模式的に示した平面図である。
【
図7C】複数の把持器の把持領域の配置パターンの他の例を模式的に示した平面図である。
【
図8A】
図1の物品排出システムの動作を説明するための物品排出システムの主要部分の概略側面図であり、把持器が物品を把持する前の状態(初期状態)を描画している。
【
図8B】
図1の物品排出システムの動作を説明するための物品排出システムの主要部分の概略側面図であり、物品の把持のため、把持器の把持部材が物品群に差し込まれた状態を描画している。
【
図8C】
図1の物品排出システムの動作を説明するための物品排出システムの主要部分の概略側面図であり、物品を把持した把持器の把持部材が、物品群収容容器外に移動した状態を描画している。
【
図8D】
図1の物品排出システムの動作を説明するための物品排出システムの主要部分の概略側面図であり、戴置部が第2位置に移動した状態を描画している。
【
図8E】
図1の物品排出システムの動作を説明するための物品排出システムの主要部分の概略側面図であり、把持器が物品の排出のためシュートの近傍まで移動した状態を描画している。
【
図8F】
図1の物品排出システムの動作を説明するための物品排出システムの主要部分の概略側面図であり、把持器の一部が物品をシュートに投下した状態を描画している。
【
図8G】
図1の物品排出システムの動作を説明するための物品排出システムの主要部分の概略側面図であり、組合せに選択されなかった重量値に対応する把持器が物品を物品群収容容器に投下した状態を描画している。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る物品排出システムの模式図である。
【
図10】本発明の第2実施形態の変形例に係る物品排出システムの模式図である。
【
図11】変形例Bに係る物品排出システムの主要部分の概略側面図である。
【
図12】変形例Cに係る物品排出システムの主要部分の概略側面図である。
【
図13】変形例Fに係る物品排出システムを示す模式図である。
【
図14】
図13の物品排出システムにおいて仕切部材により仕切られる把持器の把持領域を模式的に示した平面図である。
【
図15A】1つの物品が2つの把持部で把持されている状態を模式的に描画している。
【
図15B】
図13の仕切部材により2つの把持部の把持領域が仕切られた状態を模式的に描画している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の物品排出システムの実施形態について以下に説明する。
【0025】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る物品排出システム100について説明する。
【0026】
(1)全体概要
物品排出システム100の概要を、主に
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、物品排出システム100の模式図である。
図2は、物品排出システム100のブロック図である。
【0027】
物品排出システム100は、物品Aの集まりである物品群A1から一部の物品Aを取り出して排出するシステムである。具体的には、物品排出システム100は、物品群A1から、重量が目標重量範囲となるように一部の物品Aを取り出し、物品排出システム100から排出する。限定するものではないが、物品排出システム100から排出される物品Aは、図示しない物品排出システム100の後工程で袋に包装されたり、容器に収容されたりして、商品として出荷される。
【0028】
物品排出システム100は、主に、戴置部50と、戴置部駆動部54と、複数の把持器30と、可動部材20と、ロボット10と、重量取得部40と、排出シュート60と、制御部70と、を備える(
図1及び
図2参照)。これらの構成について概説する。
【0029】
戴置部50には、物品群A1が戴置される。物品Aは、限定するものではないが、例えば食品である。また、限定するものではないが、物品Aは、例えば、スパゲティの麺類や、糖類を多く含む食品等の、粘着性の高い食品である。戴置部50は、戴置部駆動部54により、把持器30が戴置部50に戴置される物品群A1の物品Aを把持可能な第1位置と、把持器30が戴置部50に戴置される物品群A1から物品Aを把持できない第2位置との間を移動させられる。各把持器30は、把持部材32を有する。把持器30は、把持部材32で物品Aを把持する。可動部材20には、複数の把持器30が取り付けられている。ロボット10は、複数の把持器30が取り付けられている可動部材20を移動させる。重量取得部40は、把持器30のそれぞれが把持する物品Aの重量値を取得する。排出シュート60は、把持器30が把持を解除した物品Aを受けて排出する。制御部70は、戴置部駆動部54、把持器駆動部34、ロボット10等の物品排出システム100の各種構成の動作の制御や、重量取得部40の取得した物品Aの重量値を利用した組合せ計算等を行う。
【0030】
物品排出システム100の動作を概説する。制御部70は、ロボット10の動作を制御して可動部材20を移動させ、複数の把持器30を、物品群A1の戴置されている第1位置に置かれた戴置部50へと近づける。制御部70は、複数の把持器30の動作を制御して、戴置部50に戴置された物品群A1の物品Aの一部を、複数の把持器30のそれぞれに把持させる。重量取得部40は、把持器30のそれぞれが把持する物品Aの重量値を取得する。制御部70は、重量取得部40の取得した把持器30のそれぞれが把持する物品Aの重量値に基づいて組合せ計算を行う。組合せ計算は、把持器30のそれぞれが把持する物品Aの重量値を足し合わせた結果、その合計値が目標重量範囲となる重量値の組合せを見つける処理である。制御部70は、組合せ計算の結果に基づいて、目標重量範囲となる重量値の組合せに対応する把持器30に、排出シュート60の上方で物品Aの把持を解除させ、排出シュート60から目標重量範囲の物品Aを排出する。詳細については後述する。
【0031】
(2)詳細構成
主に
図1~
図5を参照して物品排出システム100の詳細構成について説明する。
図3は、ロボット10、可動部材20、重量取得部40及び把持器30の概略斜視図である。
図4は、可動部材20、重量取得部40及び把持器30の概略斜視図である。
図5は、把持器30が取り付けられた可動部材20を、把持器30の把持部材32側(下方)から見た底面図である。
【0032】
(2-1)可動部材
可動部材20は、複数の把持器30が取り付けられている部材である。可動部材20は、複数の把持器30を支持するフレームである。可動部材20は、ロボット10により移動させられる、可動の(移動可能な)部材である。
【0033】
なお、ここで、複数の把持器30が可動部材20に取り付けられているという記載は、複数の把持器30が可動部材20に直接取り付けられる態様だけを表すものではない。複数の把持器30が可動部材20に取り付けられているという記載は、複数の把持器30が、他の部材を介して可動部材20に取り付けられている態様を含む。本実施形態では、複数の把持器30は、重量取得部40のセンサ部42を介して可動部材20に取り付けられている(
図4参照)。
【0034】
(2-2)ロボット
ロボット10は、第1駆動部の一例である。ロボット10は、可動部材20を支持し、可動部材20を移動させる装置である。本実施形態では、ロボット10は、可動部材20を単一軸に沿って移動させる。具体的には、ロボット10は、可動部材20を、鉛直方向に延びる単一軸に沿って上下に移動させる。
【0035】
本実施形態では、ロボット10は、
図1に示すような多関節ロボットである。ただし、ロボット10の種類は、多関節ロボットに限定されない。ロボット10は、所定の方向に可動部材20を移動させることが可能な装置であればよい。
【0036】
また、物品排出システム100の第1駆動部は、可動部材20を所定の方向に移動させることが可能なシリンダであってもよい。例えば、物品排出システム100の第1駆動部は、可動部材20を単一軸に沿って移動させることが可能なシリンダであってもよい。
【0037】
(2-3)把持器
把持器30は、物品Aを把持する装置である。
【0038】
把持器30は、把持部材32と、把持器駆動部34と、を有する。把持器駆動部34は、例えば、モータや流体圧を駆動源として、把持部材32を駆動する。
【0039】
本実施形態では、把持部材32は、棒状又はフィンガ状の部材である(
図4参照)。各把持器30は、複数の(
図4では3本の)把持部材32を有する。なお、
図4等に描画されている把持部材32の数や形状は例示に過ぎず、適宜変更可能である。各把持器30を把持部材32側から見た時に、本実施形態では、複数の把持部材32は周方向に並べて配置されている(
図5参照)。特にここでは、各把持器30の把持部材32側から見た時に、複数の把持部材32は周方向に概ね等間隔に並べて配置されている。各把持器30を把持部材32側から見た時に、把持部材32の端部は径方向に移動可能である(
図5参照)。把持器30は、互いに離れた状態にある把持部材32を、把持器駆動部34で径方向内向きに動かして互いに近づいた状態にすることで、複数の把持部材32の間に物品Aを挟み込んで物品Aを把持する。また、把持器30は、互いに近づいた状態にある把持部材32を、把持器駆動部34で径方向外向きに動かして互いに離れた状態にすることで、物品Aの把持を解除する。
【0040】
可動部材20には、
図3~
図5のように、複数の把持器30が取り付けられている。把持器30のそれぞれは、重量取得部40のセンサ部42を介して、可動部材20に取り付けられている。言い換えれば、重量取得部40のセンサ部42は、把持器30と、これを支持する可動部材20との間に配置されている。把持器30の数を限定するものではないが、
図3~
図5に示す例では、11個の把持器30が可動部材20に取り付けられている。可動部材20に取り付けられた複数の把持器30は、ロボット10が可動部材20を上下に移動させることで、一体的に上下に移動する。
【0041】
各把持器30は、可動部材20に取り付けられた把持器30を把持部材32側から見ると略円形状を有する(
図5参照)。また、本実施形態では、各把持器30は、可動部材20に取り付けられた把持器30を把持部材32側から見た時に、略円形状の把持領域GAを有する(
図7参照)。把持領域GAは、把持器30の把持部材32が物品Aを把持可能な領域である。
【0042】
配置を限定するものではないが、可動部材20に取り付けられた複数の把持器30を把持部材32側から(本実施形態では下方から)見た時、複数の把持器30は、
図5のように千鳥状に配置されている。このように把持器30を配置することで、可動部材20に取り付けられた複数の把持器30を把持部材32側から見た時に、比較的小さな面積に多数の把持器30を配置することが容易である。
図6を参照して具体的に説明する。
【0043】
図6は、11個の把持器30を3列に格子状に配置する場合と、11個の把持器30を3列に千鳥状に配置する場合とを描画している。
図6では、把持器30同士をできるだけ近づけた時の(把持器30同士を互いに隣接された時の)把持器30の配置を描画している。
図6から分かるように、把持器30を千鳥状に配置する場合には、把持器30を格子状に配置する場合に比べ、把持器30をより密集して配置することができる。
図6の例では、把持器30の配置を格子状配置から千鳥状配置に変えることで、各列に把持器30が並べられる方向(
図6中では左右方向)の把持器30の配置の長さは変えずに、把持器30の列が並べられる方向(
図6中では上下方向)の把持器30の幅を小さくすることができる。
【0044】
また、複数の把持器30は、
図7Aのように、把持器30のそれぞれが戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAが、他の少なくとも1つの把持器30が戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAと近接するように、可動部材20に取り付けられることが好ましい。なお、
図7Aは、戴置部50を上方から見た時の把持器30のそれぞれが戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAを描画している。
【0045】
さらに好ましくは、隣接する把持器30の把持部材32同士が干渉しあわない範囲で、複数の把持器30は、
図7Bのように、把持器30のそれぞれが戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAが、他の少なくとも1つの把持器30が戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAと接するように、可動部材20に取り付けられる。また、隣接する把持器30の把持部材32同士が干渉しあわない範囲で、複数の把持器30は、
図7Cのように、把持器30のそれぞれが戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAが、他の少なくとも1つの把持器30が戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAと一部重なるように、可動部材20に取り付けられてもよい。
【0046】
(2-4)重量取得部
物品排出システム100では、把持器30のそれぞれに対して、1台の重量取得部40が設けられる。重量取得部40は、重量取得部の一例であり、対応する把持器30が把持する物品Aの重量を測定する。
【0047】
各重量取得部40は、センサ部42と、図示しない制御部と、を主に含む。
【0048】
各把持器30は、
図4のようにセンサ部42を介して可動部材20に取り付けられている。センサ部42は、図示は省略するが、力センサと、加速度センサと、を含む。センサの種類を限定するものではないが、力センサは、例えば、歪みゲージ式ロードセルである。加速度センサは、例えば、歪みゲージ式ロードセルや、MEMS型の小型加速度センサである。
【0049】
重量取得部40の制御部は、物品Aを把持した状態の把持器30が可動部材20の移動に伴い移動させられる時に、センサ部42で計測される力及び加速度に基づいて、把持器30の把持している物品Aの質量を取得する。具体的には、重量取得部40の制御部は、力センサで計測された力を、加速度センサで計測された加速度で除すことで、把持器30の把持している物品Aの質量を取得する。
【0050】
なお、重量取得部は、把持器30の移動時に計測される力と加速度とに基づいて物品Aの質量を取得する重量取得部40に限定されるものではない。重量取得部は、ロードセル等を用いて、静止状態の把持器30が把持している物品Aの重量を取得するものであってもよい。
【0051】
(2-5)戴置部及び戴置部駆動部
戴置部50には、物品群A1が戴置される。
【0052】
具体的には、戴置部50には、物品群収容容器52を含む。物品群収容容器52には、物品A(物品群A1)が収容されている。戴置部50では、戴置面52a(ここでは、物品群収容容器52の底面)に物品群A1が戴置されている。把持器30は、物品群収容容器52に収容されている物品群A1から、物品Aの一部を把持する。本実施形態では、物品群収容容器52は、上方が開いた直方体状の容器である。本実施形態では、戴置部50は、物品群収容容器52の内部に収容される物品Aの量が減少すると、人又は機械が、内部の物品Aの量が減少した物品群収容容器52を、新たな(物品Aが多く収容されている)物品群収容容器52と交換可能に構成されている。なお、戴置部50は、物品群収容容器52が交換可能に構成される代わりに、物品群収容容器52に物品Aを供給するための物品供給機構を有してもよい。
【0053】
戴置部50は、戴置部駆動部54により、第1位置と、第2位置との間を移動させられる。戴置部駆動部54は、例えば、モータや流体圧を駆動源として、戴置部50を移動させる。第1位置は、把持器30が戴置部50に戴置される物品群A1の物品Aを把持可能な位置である。第2位置は、把持器30が戴置部50に戴置される物品群A1から物品Aを把持できない位置である。戴置部駆動部54は、戴置部50を、第1位置と第2位置との間で、可動部材20の移動方向と交差する方向に移動させる。言い換えれば、戴置部駆動部54は、戴置部50を、第1位置と第2位置との間で、鉛直方向と交差する方向に移動させる。限定するものではないが、本実施形態では、戴置部駆動部54は、戴置部50を、第1位置と第2位置との間で水平方向に移動させる。
【0054】
戴置部50の第1位置は、具体的には、把持器30の直下の位置である。戴置部50が第1位置にある時には、可動部材20がロボット10により移動させられ、把持器30が戴置部50に対して所定の位置まで近づけられると、把持器30は戴置部50に戴置されている物品Aを把持することができる。また、戴置部50の第1位置は、排出シュート60の直上の位置である。
【0055】
一方、戴置部50の第2位置は、把持器30の直下を外れた位置である。本実施形態では、把持器30の取り付けられている可動部材20が鉛直方向にしか移動しないため、戴置部50が第2位置にある時には、把持器30は戴置部50に戴置されている物品Aを把持することができない。また、戴置部50の第2位置は、排出シュート60の直上を外れた位置である。
【0056】
(2-6)排出シュート
排出シュート60は漏斗状の部材である。排出シュート60は、把持器30の直下に配置される。また、排出シュート60は、戴置部50が第1位置に位置する時、戴置部50の直下に配置される。言い換えれば、第1位置に位置する戴置部50は、把持器30と排出シュート60との間に配置される。一方で、戴置部50が第2位置に位置する時には、把持器30と排出シュート60との間には、戴置部50は配置されない。
【0057】
排出シュート60は、把持器30が把持を解除することで、把持器30から供給される物品Aを物品排出システム100の外に排出する。具体的には、排出シュート60は、戴置部50が第2位置に位置する時に、把持器30が把持を解除して落下させる物品Aを受けて物品排出システム100の外に排出する。
【0058】
(2-7)制御部
制御部70は、図示を省略するCPUや、ROMやRAM等のメモリを有する。制御部70は、ロボット10、把持器駆動部34、重量取得部40、戴置部駆動部54と電気的に接続されている(
図2参照)。制御部70は、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することで、ロボット10、把持器駆動部34、戴置部駆動部54等の物品排出システム100の各種構成の動作の制御や、重量取得部40の取得した物品Aの重量値を利用した組合せ計算等を行う。なお、制御部70の各種機能は、ソフトウェアで実現される場合に限定されず、ハードウェアで実現されても、ハードウェアとソフトウェアとが協働することで実現されてもよい。
【0059】
(2-7-1)物品排出システムの動作
制御部70により制御される物品排出システム100の動作について、
図8A~
図8Gを参照しながら説明する。なお、
図8A~
図8Gは、
図1の物品排出システム100の動作を説明するための物品排出システムの主要部分の概略側面図である。
図8A~
図8Gでは、可動部材20を移動させるロボット10の描画は省略している。
【0060】
図8Aは、把持器30が物品Aを把持する前の初期状態を描画している。初期状態における各機器の状態について簡単に説明すると、可動部材20は、把持器30の把持部材32が戴置部50の物品群収容容器52の外に配置されるように、所定位置に配置されている。戴置部50は、把持器30の直下の第1位置に配置されている。
【0061】
物品排出システム100の運転中には、制御部70は、初期状態から、ロボット10を制御して可動部材20を鉛直下方に移動させ、複数の把持器30を戴置部50に近づける。具体的には、制御部70は、把持器30の把持部材32が物品群収容容器52内の物品Aを把持可能な所定位置に配置されるように、ロボット10の動作を制御し、可動部材20を鉛直下方に移動させる(
図8B参照)。より具体的には、制御部70は、把持部材32が物品群A1に差し込まれた状態になるように、ロボット10の動作を制御し、可動部材20を鉛直下方に移動させる。その後、制御部70は、把持器30の把持器駆動部34を制御して、把持部材32に物品Aを把持させる。
【0062】
好ましくは、制御部70は、複数の把持器30に同時に物品Aを把持させる。ただし、これに限定されるものではなく、制御部70は、複数の把持器30に、異なるタイミングで物品Aを把持させてもよい。
【0063】
次に、制御部70は、複数の把持器30が物品Aを把持した状態で、ロボット10を制御して、把持器30の把持部材32が戴置部50の物品群収容容器52の外に配置されるように、可動部材20を鉛直上方に移動させる(
図8C参照)。
【0064】
次に、制御部70は、戴置部駆動部54を制御して、戴置部50を第1位置から第2位置へと移動させる(
図8D参照)。戴置部50が第2位置へと移動することで、把持器30と排出シュート60との間には戴置部50が配置されない状態となる。
【0065】
次に、制御部70は、ロボット10を制御して可動部材20を鉛直下方に移動させ、複数の把持器30を排出シュート60に近づける(
図8E参照)。ロボット10が可動部材20を鉛直下方に移動させる時、各重量取得部40は、対応する把持器30が把持する物品Aの重量を取得する。制御部70は、各重量取得部40から取得した各把持器30が把持する物品Aの重量値を用いた組合せ計算を行い、その合計値が目標重量範囲となる重量値の組合せを見つける。
【0066】
組合せ計算が終了すると、制御部70は、組合せ計算の結果に基づいて、排出シュート60の上方で目標重量範囲となる重量値の組合せに対応する把持器30に物品Aの把持を解除させ、排出シュート60から物品Aを排出する(
図8F参照)。目標重量範囲となる重量値の組合せが複数存在する場合には、制御部70は、排出シュート60からの物品Aの排出を複数回実行する。
【0067】
目標重量範囲となる重量値の組合せの全てに対して物品Aの排出が終了すると、制御部70は、ロボット10を制御して、可動部材20を
図8Aに描画されている位置と同じ位置へと戻す。また、制御部70は、戴置部駆動部54を制御して、戴置部50を第2位置から、把持器30の直下の第1位置に戻す(
図8G参照)。さらに、制御部70は、未だ物品Aを把持している把持器30(言い換えれば、把持している物品Aの重量が組合せに選ばれなかった把持器30)があれば、把持器駆動部34を制御して、その把持器30に物品Aの把持を解除させる。この結果、把持器30の把持していた物品Aは、第1位置に配置されている戴置部50へと落下し、物品群A1の物品Aとして再利用される。
【0068】
物品排出システム100は、以上の動作を繰り返し行う。
【0069】
なお、ここで説明した物品排出システム100の動作は、一例に過ぎず、矛盾しない範囲で適宜変更可能である。
【0070】
例えば、上記の説明では、各重量取得部40が、可動部材20を鉛直下方に移動させるタイミングで、把持器30が把持する物品Aの重量を取得している。これに変えて、各重量取得部40は、可動部材20を鉛直上方に移動させるタイミングで、対応する把持器30が把持する物品Aの重量を取得してもよい。
【0071】
また、例えば、制御部70は、複数の把持器30が物品Aを把持した状態で、ロボット10を制御して可動部材20を上方に移動させる際(可動部材20の位置を
図8Bに描画されている位置から
図8Cに描画されている位置へと変化させる際)、戴置部50を第1位置から第2位置へと移動させる前に、可動部材20を1回以上下方に移動させるようにロボット10を制御してもよい。具体的には、制御部70は、可動部材20を上方に移動させた後、戴置部50を第1位置から第2位置へと移動させる前に、可動部材20を1回だけ下方に所定距離移動させるようにロボット10を制御してもよい。また、例えば、制御部70は、可動部材20を上方に移動させた後、戴置部50を第1位置から第2位置へと移動させる前に、上下方向に往復動させるようにロボット10を制御してもよい。このような可動部材20の動作により、把持部材32に付着している物品をふるい落とすことができる。把持部材32に付着している物品は、把持部材32に把持されておらず、把持部材32の動作によらず落下するおそれのある物品である。可動部材20を下方に移動させて把持部材32に付着している物品を予めふるい落としておくことで、重量取得部40の取得する物品Aの重量を、把持部材32が把持している物品Aの重量に近づけて計量精度を向上することができる。
【0072】
(3)特徴
(3-1)
本実施形態の物品排出システム100は、物品群A1から一部の物品Aを取り出して排出する。物品排出システム100は、戴置部50と、複数の把持器30と、可動部材20と、第1駆動部の一例としてのロボット10と、重量取得部40と、制御部70と、を備える。戴置部50には、物品群A1が戴置される。複数の把持器30は、物品Aを把持部材32で把持する。可動部材20には、複数の把持器30が取り付けられている。ロボット10は、可動部材20を移動させる。重量取得部40は、把持器30のそれぞれが把持する物品Aの重量値を取得する。制御部70は、可動部材20を移動させて、複数の把持器30を戴置部50に近づけ、複数の把持器30に戴置部50に戴置される物品群A1の一部の物品Aを把持させ、重量取得部40が取得した把持器30のそれぞれが把持する物品Aの重量値を用いた組合せ計算の結果に基づいて、所定の把持器30の物品Aの把持を解除させて物品Aを排出する。
【0073】
本実施形態の物品排出システム100では、各把持器30がそれぞれ異なる可動部材20に取り付けられるのではなく、可動部材20に複数の把持器30が取り付けられているため、コンパクトな物品排出システム100を実現できる。
【0074】
また、単一の可動部材20に複数の把持器30を設けることで、可動部材20に単一の把持器30を設ける場合とは異なり、把持器30を戴置部50に接近させるための駆動部の数を低減できる。
【0075】
(3-2)
本実施形態の物品排出システム100では、複数の把持器30を把持部材32側から見た時、複数の把持器30は千鳥状に配置されている。言い換えれば、物品排出システム100では、可動部材20に取り付けられた複数の把持器30を下から見た時、複数の把持器30は千鳥状に配置されている。
【0076】
本実施形態の物品排出システム100では、把持部材32側から見て、把持器30が千鳥状に配置されているため、小さなスペースに把持器30を多数配置可能で、物品排出システム100のコンパクト化を図ることが容易である。
【0077】
なお、把持器30を千鳥状に密集配置することで、物品排出システム100のコンパクト化に加え、以下のようなメリットも得られる。
【0078】
把持器30を千鳥状に密集配置することで、排出シュート60の上部開口(把持器30の落下させる物品Aが投入される側の開口)は比較的小さくすることができる。そのため、排出シュート60の高さ及び下部開口(物品Aの排出出口)の大きさが同一の条件下では、把持器30を千鳥状に密集配置すると、把持器30を千鳥状以外の態様で配置した場合に比べ、漏斗状の排出シュート60の側面の角度を急峻にすることができる。そのため、把持器30を千鳥状に密集配置すれば、物品Aが付着性の比較的高い物品であっても、排出シュート60の側面への物品Aの付着が抑制されやすく、排出シュート60に投入された物品Aの重量と、排出シュート60から排出される物品Aの重量との食い違いの発生が抑制されやすい。
【0079】
(3-3)
本実施形態の物品排出システム100では、把持器30のそれぞれが戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAは、他の少なくとも1つの把持器30が戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAと、近接する。または、把持器30のそれぞれが戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAは、他の少なくとも1つの把持器30が戴置部50において物品Aを把持可能な把持領域GAと、一部重なる。
【0080】
本実施形態の物品排出システム100では、ある把持器30の把持領域GAが、他の少なくとも1つの把持器30の把持領域GAと隣接又は重なるため、小さいスペースに把持器30を多数配置可能で、物品排出システム100のコンパクト化が図られやすい。
【0081】
(3-4)
本実施形態の物品排出システム100では、排出シュート60と、第2駆動部の一例としての戴置部駆動部54と、を備える。排出シュート60は、把持器30の直下に配置される。排出シュート60は、把持器30が把持を解除した物品Aを受けて排出する。戴置部駆動部54は、戴置部50を移動させる。ロボット10は、可動部材20を鉛直方向に移動させる。戴置部駆動部54は、戴置部50を、把持器30の直下の第1位置と、把持器30の直下から外れた第2位置との間で、鉛直方向と交差する方向に移動させる。
【0082】
本実施形態の物品排出システム100では、可動部材20が鉛直方向に移動するため、把持器30が把持する物品Aには水平方向の力が作用しにくい。そのため、把持器30の把持する物品Aが意図せず落下する不具合の発生が抑制されやすい。そのため、本物品排出システム100では、精度良く目標重量の物品Aを排出することが容易である。
【0083】
また、本物品排出システム100では、把持器30の直下に排出シュートを配置し、戴置部50を把持器30の直下の第1位置と把持器30の直下から外れる第2位置との間で移動可能としている。そのため、本物品排出システム100では、把持器30を水平方向に移動させずに、把持器30の把持する物品Aを排出シュート60に直接供給できる。そのため、物品Aが把持器30及び排出シュート以外の部材に付着する可能性を低減でき、システム構成部品への物品Aの付着リスクを抑制し、システムの清掃性も向上させることができる。
【0084】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る物品排出システム200について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、物品排出システム200の模式図である。
図9では、第1実施形態の物品排出システム100と同様の構成には、第1実施形態と同様の参照符号を付している。
【0085】
物品排出システム200は、戴置部150の物品群収容容器152の形状と、把持器30の配置(把持部材32の下端の位置)とを除き、第1実施形態の物品排出システム100と同様である。説明の重複を避けるため、ここでは物品排出システム200と物品排出システム100との相違点について主に説明し、特に必要のない限り一致点の説明は省略する。
【0086】
なお、ここでは、説明の簡易化のため物品排出システム200が3つの把持器30を有する場合を例に説明する。ただし、把持器30の数は3つに限定されるものではない。物品排出システム200は、より多くの把持器30を有していてもよく、ここで説明する把持器30の配置(把持部材32の下端の位置)の特徴が、3つより多くの把持器30に適用されればよい。
【0087】
第1実施形態の物品排出システム100の物品群収容容器52は、直方体形状の容器であり、物品群A1が戴置される戴置面52a(物品群収容容器52の底面)は水平面である(
図1参照)。これに対し、本実施形態の戴置部150の戴置面152a、言い換えれば物品群収容容器152の底面は、3つの把持器30の並べられる向きに沿って、戴置面152aの高さ位置が変化している。具体的には、3つの把持器30の並べられる向きに沿って物品群収容容器152を切断した時に、物品群収容容器152の底面は略V字状に形成されている。なお、物品群収容容器152をこのような形状とする利点は、物品群収容容器152の中央部付近で物品Aを取り出すと、物品群収容容器152の周縁部の物品Aが中央部に移動し、把持器30が物品Aを把持する位置に物品Aが無いという状態が抑制されやすい点にある。
【0088】
図9のような戴置面152aの高さ位置が物品群収容容器152の位置により異なるという構成に合わせて、本実施形態の物品排出システム200では、把持器30の配置(把持部材32の下端の位置)が第1実施形態の物品排出システム100と以下のように異なる。ここでは、特に
図9中の2つの把持器30a及び把持器30bを例に、物品排出システム200における把持器30の配置について説明する。
【0089】
把持器30a及び把持器30bは、構造や機能は互いに同一である。
【0090】
一方で、把持器30a及び把持器30bが取り付けられる可動部材120は、その位置により把持器30の取り付けられる場所の高さが異なる。具体的には、可動部材120の把持器30aが取り付けられる場所の高さは、可動部材120の把持器30bが取り付けられる場所の高さよりも高い。より具体的には、可動部材120の把持器30aに対応する重量取得部40のセンサ部42の取り付けられる場所の高さは、可動部材120の把持器30bに対応する重量取得部40のセンサ部42の取り付けられる場所の高さよりも高い。
【0091】
把持器30aは、可動部材120がロボット10により戴置部150に近づけられると、戴置部150の戴置面152aの第1部分P1に戴置される物品Aを把持する。一方、把持器30bは、可動部材120がロボット10により戴置部150に近づけられると、戴置部150の戴置面152aの第2部分P2に戴置される物品Aを把持する。
図9に示すように、戴置面152aの第1部分P1は、戴置面152aの第2部分P2よりも高い位置に配置される。
【0092】
この時、仮に、可動部材120を固定した状態における、把持器30aの把持部材32の下端の位置と、把持器30bの把持部材32の下端の位置と、を同じ高さ位置に配置したとする。この場合には、把持器30aが物品Aを把持しやすい高さ位置では、把持器30bは把持部材32の下端が物品群A1に到達していない可能性がある。逆に、把持器30bが物品Aを把持しやすい高さ位置では、把持器30aは把持部材32が物品群A1に過度に挿入されたり、把持部材32の下端が戴置面152aに接触したりする可能性がある。
【0093】
そこで、ここでは、可動部材120において、把持器30aの把持部材32の下端32taは、把持器30bの把持部材32の下端32tbよりも高い位置に配置される。
【0094】
好ましくは、可動部材120における把持器30aの把持部材32の下端32taと、把持器30bの把持部材32の下端32tbとの高さ位置の差H1は、戴置面152aの第1部分P1と戴置面152aの第2部分P2との高さ位置の差H2と同一に設計される。なお、ここでは、戴置面152aの第1部分P1が傾斜しており、把持器30aに把持される物品Aが存在する戴置面152aの高さは一様ではないので、戴置面152aの高さを表す代表値(例えば、第1部分P1の戴置面152aの高さの平均値や中央値)が、戴置面152aの第1部分P1の高さとみなされればよい。把持器30の配置(把持部材32の下端の位置)がこのように構成されることで、つまり把持部材32の下端の位置を、戴置部150の戴置面152aに沿うように配置することで、各把持器30の把持部材32を概ね均一に物品群A1に差し込むことが可能で、各把持器30の把持する物品Aの重量に大きなばらつきが生じにくい。
【0095】
なお、把持器30aの把持部材32の下端32taの高さ位置と、把持器30bの把持部材32の下端32tbの高さ位置とを異ならせる方法は、可動部材120の把持器30a及び把持器30bの取り付け場所の高さを変化させることに限定されるものではない。例えば、把持器30aと把持器30bとで把持部材32の長さを変える等の方法が採用されてもよい。ただし、把持器30の標準化の観点からは、把持部材32の長さは統一されることが好ましい。
【0096】
(1)特徴
第2実施形態の物品排出システム200は、第1実施形態の物品排出システム100の
特徴に加え、以下のような特徴を有する。
【0097】
(1-1)
本実施形態の物品排出システム200では、制御部70は、把持器30が戴置部50の物品Aを把持する際に、可動部材120を所定位置から少なくとも下方に移動させて(第1実施形態の
図8A及び
図8Bを参照)、複数の把持器30を戴置部150へと近づける。戴置部150は、物品群A1が戴置される戴置面152aを有する。複数の把持器30には、少なくとも、第1の把持器30aと、第2の把持器30bと、を含む。第1の把持器30aが把持する物品の戴置される戴置面152aの第1部分P1は、第2の把持器30bが把持する物品の戴置される戴置面152aの第2部分P2より高い位置に配置される。可動部材120において、第1の把持器30aの把持部材32の下端32taは、第2の把持器30bの把持部材32の下端32tbより高い位置に配置される。言い換えれば、可動部材120の位置を固定した状態で、第1の把持器30aの把持部材32の下端32taは、第2の把持器30bの把持部材32の下端32tbより高い位置に配置される。
【0098】
本物品排出システム200では、把持器30の把持対象の物品Aが戴置される戴置面152aの高さ位置に応じて、その把持器30の把持部材32の下端の高さ位置が変化している。そのため、同じ可動部材120に設けられた複数の把持器30のそれぞれで、戴置面152aが水平でない戴置部150から適量の物品Aを取ることが容易である。
【0099】
(1-2)
本実施形態の物品排出システム200では、可動部材120における、第1の把持器30aの把持部材32の下端32taと第2の把持器30bの把持部材32の下端32tbとの高さ位置の差H1は、戴置部150の戴置面152aの第1部分P1と戴置面152aの第2部分P2との高さ位置の差H2と同一である。要するに、可動部材120の位置を固定した状態で、第1の把持器30aの把持部材32の下端32taと第2の把持器30bの把持部材32の下端32tbとの高さ位置の差H1は、戴置面152aの第1部分P1と戴置面152aの第2部分P2との高さ位置の差H2と概ね同一である。
【0100】
本実施形態の物品排出システム200では、把持器30の把持対象の物品Aが戴置される戴置面152aと、その把持器30の把持部材32の下端との距離が同一に設定される。そのため、同じ可動部材120に設けられた複数の把持器30のそれぞれで、戴置面152aが水平でない戴置部150から適量の物品Aを取ることが容易である。
【0101】
(2)第2実施形態の変形例
第2実施形態の物品排出システム300では、戴置部150の戴置面152aの高さ位置が、3つの把持器30の並べられる向きに沿って、V字状に変化する場合を例に説明した。戴置部の戴置面の高さ位置がV字状以外の態様で変化する場合にも、同様の思想で把持器30の配置が設計されればよい。ここでは、戴置部の戴置面の高さ位置の変化の態様が第2実施形態の物品排出システム200とは異なる、物品排出システム300について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、物品排出システム300の模式図である。ここでは、第2実施形態の物品排出システム200と同様の構成には、第2実施形態と同様の参照符号を付す。
【0102】
なお、物品排出システム300は、戴置部250の物品群収容容器252の形状と、把持器30の配置(把持部材32の下端の位置)とを除き、第2実施形態の物品排出システム200と同様である。説明の重複を避けるため、物品排出システム300と物品排出システム200との相違点について主に説明し、必要のない限り、一致点についての説明は省略する。
【0103】
物品排出システム300の物品群収容容器252は、第1実施形態の直方体形状の物品群収容容器52を傾けて配置した態様である、物品群A1が戴置される戴置面252a(物品群収容容器252の底面)は一様な傾斜面である(
図10参照)。
【0104】
このような戴置面252aの高さ位置が物品群収容容器252の位置により異なるという構成に合わせて、物品排出システム300でも、物品排出システム200と同様の構成が採用される。
図10中の2つの把持器30a及び把持器30bを例に、物品排出システム300における把持器30の配置について説明する。
【0105】
把持器30a及び把持器30bが取り付けられる可動部材220は、その位置により把持器30の取り付けられる場所の高さが異なる。可動部材220の把持器30aが取り付けられる場所の高さは、可動部材220の把持器30bが取り付けられる場所の高さよりも高い。より具体的には、可動部材220の把持器30aに対応する重量取得部40のセンサ部42の取り付けられる場所の高さは、可動部材220の把持器30bに対応する重量取得部40のセンサ部42の取り付けられる場所の高さよりも高い。
【0106】
把持器30aは、可動部材220がロボット10により戴置部250に近づけられると、戴置部250の戴置面252aの第1部分P1’に戴置される物品Aを把持する。一方、把持器30bは、可動部材220がロボット10により戴置部250に近づけられると、戴置部250の戴置面252aの第2部分P2’に戴置される物品Aを把持する。
図10に示すように、戴置面252aの第1部分P1’は、戴置面252aの第2部分P2’よりも高い位置に配置される。
【0107】
そして、可動部材220において、把持器30aの把持部材32の下端32taは、把持器30bの把持部材32の下端32tbよりも高い位置に配置される。
【0108】
より好ましくは、可動部材220における把持器30aの把持部材32の下端32taと、把持器30bの把持部材32の下端32tbとの高さ位置の差H1’は、戴置面252aの第1部分P1’と戴置面252aの第2部分P2’との高さ位置の差H2’と同一に設計される。なお、ここでは、戴置面252aの第1部分P1’及び第2部分P2’が傾斜しており、把持器30a及び把持器30bに把持される物品Aが存在する戴置面252aの高さは一様ではないので、戴置面252aの高さを表す代表値(例えば、第1部分P1’及び第2部分P2’の戴置面152aの高さの平均値や中央値)が、戴置面252aの第1部分P1’及び第2部分P2’の高さとみなされればよい。
【0109】
<変形例>
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部又は全部は、互いに矛盾しない範囲で他の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0110】
(1)変形例A
上記実施形態における把持器30の種類は、一例に過ぎず、種々の種類の把持器を本開示の把持器として適用可能である。例えば、把持器は、一対の把持部材を互いに近づくように平行移動させることで、物品Aを把持するものであってもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、可動部材20に同一種類の把持器30が取り付けられているが、これに限定されるものではなく、可動部材20には、2種類以上の把持器30が取り付けられてもよい。
【0112】
(2)変化例B
上記実施形態では、可動部材20や可動部材120は、ロボット10により鉛直方向に移動させられる。そして、可動部材20や可動部材120に取り付けられている把持器30は、所定位置から鉛直下方に移動して、戴置部50や戴置部150に近づき、戴置部50や戴置部150に戴置される物品群A1の物品Aの一部を把持する。
【0113】
このような態様に代えて、可動部材320は、鉛直方向に対して傾いた方向に移動可能に構成されてもよい(
図11参照)。例えば、第2実施形態の変形例の戴置部250のように戴置面252aが傾斜している場合に、可動部材320を戴置面252aに対して概ね垂直方向に移動させるように構成することで、戴置面252aの高さ位置が異なる場合であっても、各把持器30で適量の物品Aを把持することが容易である。
【0114】
(3)変形例C
上記実施形態では、戴置部駆動部54が、戴置部50,150を第1位置と第2位置との間で移動させる。ただし、このような態様に限定されるものではなく、戴置部50,150は不動であってもよい。
【0115】
この場合には、
図12に示すように、排出シュート60を戴置部50,150の直下以外の場所に配置し、可動部材420を鉛直方向だけではなく、水平方向にも移動可能とすることが好ましい。このように構成することで、把持器30で戴置部50,150の物品Aを把持した後(
図12中の実線参照)、排出シュート60の上方へと把持器30を動かし(
図12中の二点鎖線参照)、把持器30の物品Aの把持を解除することで、物品Aを排出することができる。
【0116】
ただし、このように構成する場合には、把持器30の水平移動の際に物品Aに水平方向の力が加わり落下しやすくなる可能性があるため、戴置部50,150を第1位置と第2位置との間で移動可能な構成とすることがより好ましい。
【0117】
(4)変形例D
上記実施形態では、ロボット10は、可動部材20を単一軸に沿って移動させている。しかし、このような態様に限定されるものではなく、ロボット10は、可動部材20を複数方向に移動させてもよい。例えば、ロボット10は、可動部材20を戴置部50,150から遠ざけるように上方に移動させる際(可動部材20の位置を
図8Bに描画された位置から
図8Cに描画された位置に移動させる際)に、把持部材32に付着した物品をふるい落とすように、可動部材20を鉛直方向と直交する水平方向に往復動させてもよい。
【0118】
(5)変形例E
上記実施形態では、物品Aは排出シュート60から排出されるが、物品Aは他の態様で物品排出システムから排出されてもよい。例えば、物品排出システムは、排出シュート60に代えて、物品排出システム100から物品Aを排出するための排出コンベアを有してもよい。そして、組合せ計算で組合せに選ばれた重量値に対応する把持器30は、排出コンベア上の所定の位置で物品Aの把持を解除することで物品Aを排出コンベアに落下させ、排出コンベア上に落下した物品を排出コンベアが搬送するように構成されてもよい。
【0119】
(6)変形例F
取り扱われる物品Aの種類によっては、1の把持器30で把持する物品Aが、他の把持器30でも同時に把持されるという事態が発生する可能性がある。例えば、物品Aがスパゲティのような長さの長い物品である場合(例えば、物品Aの長さが、隣接する把持器30の把持領域の距離よりも長い場合)、
図15Aのように1の把持器30が把持する物品Aが、他の把持器30でも同時に把持されるという現象が発生する可能性がある。なお、
図15Aは説明ための模式図であり、複数の把持器30で把持される物品A以外の物品Aの描画は省略している。このような事態が発生すると、システムから排出する物品の重量が目標重量に対してずれ、システムから排出される重量の精度が低下する恐れがある。
【0120】
このような状況の発生を抑制するため、
図13及び
図14に示すように、把持器30の把持部材32が戴置部50の物品Aを把持した後、物品Aの把持を解除するまでの間の少なくとも所定の期間、戴置部50の上方に、把持器30の把持部材32と、その把持器30に隣接する把持器30の把持部材32との間に配置される分離部材80を設けることが好ましい。なお、把持器30が物品Aの把持を解除して物品Aを排出シュート60に落下させる際には、分離部材80が落下する物品Aの下方にあると分離部材80に物品Aが引っ掛かる可能性がある。そのため、把持器30が物品Aの把持を解除して物品Aを排出シュート60に落下させる際には、分離部材80は、物品Aの排出シュート60への落下を妨げない位置に移動することが好ましい。例えば、分離部材80は、戴置部50が第1位置から第2位置へと移動する際に、同時に把持器30の直下以外の場所に移動させられればよい。
【0121】
ここでは、分離部材80は、例えば、
図14に示すように、平面視において、各把持器30の把持領域GAを分離するような網状の部材である。把持器30の把持部材32が戴置部50の物品Aを把持した後、物品Aの把持を解除するまでの間に、隣接する把持器30の把持部材32間に少なくとも一時的に分離部材80が存在することで、物品Aが分離部材80に接触して、
図15Bのように、一方の把持器30による物品Aの把持が解除されやすい。あるいは、図示は省略するが、把持器30の把持部材32が戴置部50の物品Aを把持した後、物品Aの把持を解除するまでの間に、隣接する把持器30の把持部材32間に少なくとも一時的に分離部材80が存在することで、分離部材80により物品Aが切断される可能性もある。例えば、把持部材32が戴置部50の物品Aを把持した後、把持器30を一旦上方に移動させる時に(
図8Bの状態から
図8Cの状態へと変化させる時に)、隣接する把持器30の把持部材32間に分離部材80が存在することで、複数の把持器30で同一の物品Aが把持される状態が解消されやすい。そのため、
図15Aに示すような、1の把持器30で把持する物品Aが、他の把持器30でも同時に把持されるという現象の発生は抑制されやすい。
【0122】
なお、分離部材には、網状構造に代えて筒状構造を採用してもよい。このような構造の分離部材を採用する場合、物品Aの把持を解除する時に、各把持器30に対し、筒状構造の分離部材を、把持部材32の周囲を囲うように、かつ、把持部材32の先端より下方まで延びるように配置すれば、分離部材を物品Aの排出通路として機能させることができる。このように構成される場合には、把持器30が物品Aを排出シュート60に落下させる際に、把持部材32より下方に分離部材が存在していても、分離部材に物品Aが引っ掛かる可能性は抑制される。
【0123】
(7)変形例G
上記実施形態では、物品排出システム100,200が有する可動部材20,120は1つであるが、これに限定されるものではなく、物品排出システム100,200は、複数の把持器30が取り付けられている可動部材20,120を複数有してもよい。
【0124】
(8)変形例H
上記実施形態では、把持器30の配置の例として、可動部材20に取り付けられた複数の把持器30を把持部材32側から見た時に、複数の把持器30が千鳥状に配置されている形態を示している。ただし、把持器30の配置は一例にすぎず、把持器30の配置の態様は、例えば把持器30の把持領域の形状や、把持器30が物品を排出する排出シュート60の物品投入側の開口の寸法等に応じて、適宜選択されればよい。
【0125】
例えば、上記実施形態では、各把持器30の把持領域が概ね円形状である場合を例に説明しており、複数の把持器30は、可動部材20に取り付けられた複数の把持器30を把持部材32側から見た時に千鳥状に配置されている。これに対し、各把持器30の把持領域が概ね矩形状である場合には、可動部材20に取り付けられた複数の把持器30を把持部材32側から見た時、複数の把持器30は格子状に配置されてもよい。
【0126】
また、把持器30の可動部材20に対する取り付け位置は、調整可能に構成されていてもよい。
【0127】
<付記>
以上で説明した物品排出システムは、物品排出システムの具体例に過ぎず、本開示の技術的範囲を限定するものではない。上記の実施形態には、本開示の趣旨及び範囲から逸脱すること無く、種々の変形が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0128】
10 ロボット(第1駆動部)
20,120,220,320,420 可動部材
30 把持器
30a 第1の把持器
30b 第2の把持器
32 把持部材
32ta 第1の把持器の把持部材の下端
32tb 第2の把持器の把持部材の下端
40 重量取得部
50,150,250 戴置部
52a,152a,252a 戴置面
54 戴置部駆動部(第2駆動部)
60 排出シュート
70 制御部
80 分離部材
100,200,300 物品排出システム
A1 物品群
A 物品
GA 把持領域
P1,P1’ 戴置面の第1部分
P2,P2’ 戴置面の第2部分
【先行技術文献】
【特許文献】
【0129】