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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】ゴルファー向け広告表示システム
(51)【国際特許分類】
   G09F 21/04 20060101AFI20221019BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20221019BHJP
   A63B 55/60 20150101ALI20221019BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20221019BHJP
【FI】
G09F21/04 S
A63B71/06 U
A63B55/60 F
A63B55/60 B
A63B102:32
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019222723
(22)【出願日】2019-12-10
(65)【公開番号】P2021092642
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】395023118
【氏名又は名称】株式会社テクノクラフト
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栂坂 昌業
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-500883(JP,A)
【文献】特開2013-218084(JP,A)
【文献】特開2008-134742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 21/04
A63B 71/06
A63B 55/60
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動するゴルフカートに備えた端末と通信可能に設けられたゴルファー向け広告表示システムであって、
前記ゴルフカートの現在位置をカート位置情報としてリアルタイムで取得する位置情報取得手段と、
前記カート位置情報に基づき、前記ゴルフカートが予め設定された広告情報の表示可能区間に進入したか否かを判定する進入判定手段と、
前記進入判定手段からの判定結果に基づき、前記ゴルフカートが前記広告情報の表示可能区間に進入したら、前記端末の操作部に一定時間以上の操作がなければ、前記端末の表示部に前記広告情報を表示させる表示制御手段と、を備え
前記広告情報の表示可能区間の一端から他端までの軌跡の長さから算出される前記広告情報の表示可能時間に応じた前記広告情報を前記表示部に表示させることを特徴とするゴルファー向け広告表示システム。
【請求項2】
複数の広告情報の中から特定の広告情報を選択して、その選択した特定の広告情報だけを前記端末の表示部に表示させる広告情報選択手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のゴルファー向け広告表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルファーに向けて有益な広告情報を、ゴルフカートに備えた端末装置の表示部から表示させるゴルファー向け広告表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のゴルファー向け広告表示システムとして、例えば特許文献1には、ゴルフコース内を移動するゴルフカートに端末を吊り下げ、この端末の画面にゴルフコースの臨場感などを表現したコース再現データを表示させたり、コース再現データと併せて、若しくはコース再現データに代わって、ゴルファーに有益な各種の広告情報(広告,CM)を表示させたりする考えが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-102663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、ゴルフカートがゴルフコース内を移動する間に、静止画となるコース再現データが端末の画面に常に表示される訳ではなく、必要に応じて広告情報の画面に切り替わるので、同一の画面が長時間表示されることに起因した表示部の焼き付きを抑制する効果が得られる。しかし、必要以上に広告情報が表示されると、端末からのスコア入力の妨げになるなど、ゴルファーのプレーを妨げない広告情報の表示が求められていた。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するもので、その目的は、ゴルファーのプレーを妨げないような広告情報の表示を実現できるゴルファー向け広告表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願出願人は、上記目的を達成するために、新規なゴルファー向け広告表示システムを発明した。
【0007】
すなわち本発明は、移動するゴルフカートに備えた端末と通信可能に設けられたゴルファー向け広告表示システムであって、前記ゴルフカートの現在位置をカート位置情報としてリアルタイムで取得する位置情報取得手段と、前記カート位置情報に基づき、前記ゴルフカートが予め設定された広告情報の表示可能区間に進入したか否かを判定する進入判定手段と、前記進入判定手段からの判定結果に基づき、前記ゴルフカートが前記広告情報の表示可能区間に進入したら、前記端末の操作部に一定時間以上の操作がなければ、前記端末の表示部に前記広告情報を表示させる表示制御手段と、を備え、前記広告情報の表示可能区間の一端から他端までの軌跡の長さから算出される前記広告情報の表示可能時間に応じた前記広告情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のゴルファー向け広告表示システムは、複数の広告情報の中から特定の広告情報を選択して、その選択した特定の広告情報だけを前記端末の表示部に表示させる広告情報選択手段をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、ゴルフカートが例えば一つのホールから次のホールまでの間の広告情報の表示可能区間に進入すると、その区間内で端末の操作部に一定時間以上の操作がない場合に限り、ゴルファーに有益な各種の広告情報を端末の表示部に表示させる。これにより、端末の操作部に何らかの操作が行われれば、その操作に関連した情報が広告情報に代わり優先的に表示され、表示部の焼き付きを抑制しつつも、ゴルファーのプレーを妨げないような広告情報の表示を実現できる。
【0010】
請求項2の発明によれば、広告情報選択手段により特定の広告情報だけを、ゴルフカートに備えた端末の表示部に表示させることで、そのゴルフカートを運営するゴルフ場の意に反する広告を、意図的に表示させないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態のゴルファー向け広告表示システムを含むゴルフカート運行管理システムの全体概要図である。
図2】本発明の一実施形態について、端末の電気的構成を示すブロック図である。
図3】同、基地局の電気的構成を示すブロック図である。
図4】同、広告情報の表示タイミングを示す説明図である。
図5】同、インターバルでの広告情報の表示の一例を示す説明図である。
図6】同、特定の広告情報を選択する際に表示される画面の一例を示す図である。
図7】同、ゴルフカートの移動経路に沿って、端末の表示部がどのように表示されるのかを示す説明図である。
図8】同、短距離のインターバルの場合に、端末の表示部における表示パターンを示す説明図である。
図9】同、中距離のインターバルの場合に、端末の表示部における表示パターンを示す説明図である。
図10】同、長距離のインターバルの場合に、端末の表示部における表示パターンを示す説明図である。
図11】同、広告情報に関連してデジタルサイネージと連携した次世代型ネットワークナビゲーションシステムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0013】
図1図10は、本発明の好ましい一実施形態のゴルファー向け広告表示システムを示している。先ず、図1に基づいて、本実施形態のゴルファー向け広告表示システム100が組み込まれるゴルフカート運行管理システム200の全体概要を説明する。
【0014】
ゴルフカート運行管理システム200は周知のように、ゴルフ場内を移動する複数台のゴルフカート1の各位置を基地局2が無線でリアルタイムに把握し、全てのゴルフカート1の運行を基地局2で集中自動管理するもので、端末3を搭載した移動可能なゴルフカート1と、ゴルフ場内の例えばクラブハウスに設置された固定の基地局2と、インターネット網4を介して各種サービスと接続する情報提供用のサーバ5と、を基本的な構成要素とする。本実施形態のゴルファー向け広告表示システム100は、後述する基地局2の制御手段11(図3を参照)に組み込まれる。
【0015】
一つのゴルフ場内で、各ゴルフカート1の端末3と基地局2とは無線の通信手段6で双方向通信が可能なように接続される。また、各ゴルフカート1でその現在位置をリアルタイムで高精度に測定するために、それぞれの端末3にはGPS(Global Positioning System)衛星Sからの電波を捕捉する測位装置13(図2を参照)が装備される。好ましくは、基地局2にも同様の測位装置を備えることで、測位装置13による測位誤差を補正して、各ゴルフカート1の現在位置を基地局2側でより高精度に取得することができる。また測位装置13は、GPS衛星Sのみならず、4機以上のGNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からの電波を捕捉することで、基地局2に測位装置を備えることなく、ゴルフカート1の現在位置をより高精度に取得できる構成としてもよい。
【0016】
図2は、端末3の電気的構成を示したものである。同図において、端末3は、周知のCPU(中央演算装置)、計時カウンタ、入出力装置などのマイクロコンピュータ、記憶媒体で構成される端末制御手段11と、GPSアンテナ12付きの測位装置13と、操作部14と、表示部15と、報知部16と、基地局送受信部17とを備えて構成される。端末制御手段11の入力側ポートには、測位装置13と、操作部14と、基地局送受信部17がそれぞれ接続され、端末制御手段11の出力側ポートには、表示部15と、報知部16と、基地局送受信部17がそれぞれ接続される。
【0017】
測位装置13は、端末3が搭載されたゴルフカート1の現在位置を時々刻々と測定し、その結果を測位データとして端末制御手段11に出力するもので、ゴルフカート1の現在位置をリアルタイムで検出する位置検出手段に相当する。したがって、同様の機能を発揮する測位装置13以外の位置検出手段を用いても構わない。
【0018】
操作部14は、少なくともゴルフカート1に搭乗するゴルフのプレイヤー、すなわちゴルファーが手動で操作可能なあらゆる操作体を含む。これは例えば、一乃至複数の押動式の操作体(ボタン、キー)であってもよいし、回転式の操作体(ロータリースイッチ)や、タッチ式の操作体(タッチパネル)や、その他の方式の操作体であってもよい。また、それらの組み合わせであっても何等構わない。
【0019】
表示部15は、端末制御手段11からの表示制御信号を受けて、静止画や動画の画面表示が可能であり、且つゴルファーがその画面を視認できるあらゆる表示器を含む。これは例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイなどの表示部15で構成することができ、表示部15の表面に操作部14として、前述の透明なタッチ式の操作体を配設してもよい。
【0020】
報知部16は、端末制御手段11からの音声制御信号を受けて、主に表示部15が動画を表示しているときに、その動画の進行に合わせて音声を報知するものである。
【0021】
なお、操作部14、表示部15および報知部16は、例えばゴルファーが普段携帯するスマートフォンやタブレット端末で構成してもよい。つまり操作部14、表示部15および報知部16は、有線または無線で端末制御手段11と電気的に接続されていればよい。
【0022】
基地局送受信部17は、通信手段6を経由して、基地局2との間で各種のデータや情報をやり取りするためのもので、端末制御手段11に組み込まれた後述する送信制御手段21や受信制御手段22と連携して動作する。
【0023】
端末制御手段11は、記憶媒体に予め記録されたプログラムを読み取ることで、基地局送受信部17の送信機能を制御する送信制御手段21と、基地局送受信部17の受信機能を制御する受信制御手段22として主に機能する構成となっている。
【0024】
送信制御手段21は、測位装置13からの測位データを受けて、その測位データを基地局2に送出するように、また操作部14への操作入力に伴い、当該操作部14からの操作信号を受けて、その操作信号に対応した指令データを基地局2に送出するように、基地局送受信部17の主に送信機能を制御するものである。受信制御手段22は、基地局2からの表示制御信号を受けて、その表示制御信号を表示部15に送出するように、また基地局2からの音声制御信号を受けて、その音声制御信号を報知部16に送出するように、基地局送受信部17の主に受信機能を制御するものである。
【0025】
図3は、基地局2の電気的構成を示したものである。同図において、基地局2は、CPU(中央演算装置)、計時カウンタ、入出力装置などのマイクロコンピュータで構成される基地局制御手段31や、マイクロコンピュータの一部を構成する記録媒体としての記憶手段32の他に、端末送受信部33と、サーバ送受信部34と、操作部35と、表示部36とを備えて構成される。基地局制御手段31の入力側ポートには、端末送受信部33と、サーバ送受信部34と、操作部35がそれぞれ接続され、基地局制御手段31の出力側ポートには、端末送受信部33と、サーバ送受信部34と、表示部36がそれぞれ接続される。
【0026】
端末送受信部33は、通信手段6を経由して、端末3との間で各種のデータや情報をやり取りするためのもので、基地局制御手段31に組み込まれた後述する位置情報取得手段41や表示制御手段44と主に連携して動作する。
【0027】
サーバ送受信部34は、端末3の間とは別な通信手段であるインターネット網4を経由して、サーバ5との間で各種のデータや情報をやり取りするためのもので、基地局制御手段31に組み込まれた後述する広告情報選択手段42と主に連携して動作する。
【0028】
操作部35は、ゴルフ場のクラブハウス内において、例えば管理者が手動で操作可能な例えばキーボードやマウスなどで構成される。ここでの操作部35は主に、広告情報選択手段42により表示部36に表示される複数の広告情報の中から、各端末3の表示部14に表示させたい広告情報を特定する指示手段として設けられる。
【0029】
表示部36は、基地局制御手段31からの表示制御信号を受けて、静止画や動画の画面表示が可能な、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示器で構成される。
【0030】
基地局制御手段31は、記憶手段32に予め記録されたプログラムを読み取ることで、位置情報取得手段41と、広告情報選択手段42と、進入判定手段43と、表示制御手段44として主に機能する構成となっている。これらの各手段41~44は、本実施形態のゴルファー向け広告表示システム100を構成するものである。本実施形態では、各手段41~44の全機能が基地局制御手段31に設けられているものとして説明するが、例えば広告情報選択手段42の機能の一部または全てを、サーバ5に分散または移動させることで、連携する複数のゴルフ場に共通して、各端末3の表示部14に表示させたい特定の広告情報を、複数のゴルフ場の基地局2が接続するサーバ5側の広告情報選択手段42で一度に選択することが可能になる。したがって、ゴルファー向け広告表示システム100として、各手段41~44の全機能を基地局2に集中させる必要はなく、各手段41~44でやり取りするデータ量や情報量を適宜考慮して、各手段41~44機能の一部または全てを、端末3やサーバ4に分散または移動させても構わない。
【0031】
位置情報取得手段41は、端末送受信部33の主に受信機能を制御して、ゴルフ場内を移動する各ゴルフカート1に備えた端末3からの測位データを受け取る毎に、そのゴルフカート1の現在位置を算出して、カート位置情報としてリアルタイムで取得するものである。なお、前述のように基地局2にも端末の測位装置13と同等の測位装置を備える場合は、端末送受信部33で受信した端末3からの測位データに、同時刻で測定された基地局2の測位データを加味して、より高精度なゴルフカート1の現在位置であるカート位置情報を算出取得する構成としてもよい。
【0032】
広告情報選択手段42は、サーバ5に記憶されたゴルファー向けの全ての広告情報の中で、複数の広告情報を表示部36の画面で順に表示できるようにし、表示部36に表示される複数の広告情報の中から、操作部35への操作により一乃至複数の広告情報が特定されると、その特定した広告情報を選択してサーバ5からインターネット網4を経由して取り込み、記憶手段32に記憶保存できるように、サーバ送受信部33の送信機能と受信機能をそれぞれ制御し、その後で表示制御手段44と連携して、選択した特定の広告情報だけを記憶手段32から読み出して、端末3の表示部15に表示させるように、端末送受信部33の主に送信機能を制御するものである。ここでのサーバ5は、どのゴルフ場にも限定されず、ゴルファー向けの全ての広告情報を一元的に記憶する全広告情報記憶手段に相当する。一方、基地局2やサーバ5に広告情報選択手段42としての機能を設けることで、一つのゴルフ場又は提携する複数のゴルフ場の意に反する広告表示は拒否し、意に反しない特定の広告表示だけを選択して、ゴルフ場が運営するゴルフカート1に備えた端末3の表示器15に表示させることが可能となる。
【0033】
進入判定手段43は、前述の位置情報取得手段41がカート位置情報を算出取得する毎に、ゴルフ場内を移動する任意のゴルフカート1の位置情報を、そのカート位置情報に対応したゴルフカート1の現在位置が、ゴルフ場内の予め設定された広告情報の表示可能区間に進入したか否かを判定するものである。ここでの広告情報の表示可能区間は、予めゴルフ場のコースレイアウト図と座標位置とを関連付けてデータ化したコースデータから、基地局制御手段31が自動的に、または操作部35からの操作入力により手動で設定され、そのデータがコースデータと共に記憶手段32に記憶保存されるもので、プレーが終了した一つのコースのグリーン付近から、次にプレーを再開する次のコースのティーグラウンド付近までの、ゴルフカート1が移動する軌跡に相当するものである。したがって進入判定手段43は、位置情報取得手段41からのカート位置情報と、記憶手段32から読み出した表示可能区間のデータとの比較から、カート位置情報に基づくゴルフカート1の現在位置が、ゴルフ場内における広告情報の表示可能区間に進入したか否かを判定できる。
【0034】
表示制御手段44は、前述の進入判定手段43からの判定結果に基づいて、ゴルフカート1がゴルフ場内の表示可能区間に進入したら、そのゴルフカート1に備えた端末3の操作部14に一定時間以上の操作がなければ、次に何らかの操作がない限り、同じ端末3の表示部15に記憶手段32から読み出した特定の広告情報を表示させるものである。なお、表示制御手段44が具体的に端末3の表示部15をどのように表示させるのかについては、後ほど詳しく説明する。
【0035】
次に上記構成の特にゴルファー向け広告表示システム100に関係する動作について、添付の図4図10を参照しながら詳しく説明する。
【0036】
図4は、ゴルフ場内を移動する1台のゴルフカート1について、そのゴルフカート1に備えた端末3の表示部15が、どのようなタイミングで広告情報を表示するのかを示した図である。図中、Pはゴルフ場でプレーをするプレイヤー(ゴルファー)であり、このプレイヤーPは一つのホールから次のホールに移動する毎に、ゴルフカート1に搭乗して端末3の表示部15を視認する。
【0037】
表示制御手段44は、進入判定手段43からの判定結果を受けて、ゴルフカート1が一つのホールのグリーン側で広告表示の表示可能区間に進入したと判断すると、そこから次のホールのティーグラウンド側までの移動中のインターバル期間に、端末3の表示部15に静止画となる広告情報を配信して表示させる。また、通常は1つのゴルフ場でインターバルとなる広告情報の表示可能区間が複数存在し(図4では、1番ホール1Hから9番ホール9Hまでの間に、8つの広告情報の表示可能区間が存在する。)、個々の表示可能区間に対応したインターバルの時間長も異なるので、インターバルの長い表示可能区間にゴルフカート1が進入した場合には、端末3の表示部15に静止画のみならず動画による広告情報も放映できるように、表示制御手段44が端末3の表示部15に所定のタイミングで動画となる広告情報を配信して表示させる。
【0038】
図5は、ゴルフカート1が一つのホールのグリーン側(図中左側)から次のホールのティーグラウンド側(図中右側)に移動するまでのインターバル中に、端末3の表示部15に表示される広告情報の一例を示したものである。同図において、符号t0はゴルフカート1が一つのコースのグリーン側で、広告情報の表示可能区間に進入した時刻を示しており、ここでの表示制御手段44は、時刻t0に一つのコースのグリーン側で表示可能区間に進入したゴルフカート1が、例えば120秒後の時刻t3に次のコースのティーグラウンド側に到着して、表示可能区間を抜け出すと想定して、時刻t0から時刻t3までの間のインターバル内で、時刻t1から時刻t2までの例えば105秒の間に、操作部14に何らかの操作があるか否かを、端末制御手段11から通信手段6を経由して基地局制御手段31に送られる指令データの有無により判断し、操作部14への操作入力がなければ、そのゴルフカート1に装着された端末3に静止画による基本の広告情報となるスクリーンセーバー広告D1を配信して、これを当該端末3の表示部15に背景画面として表示させる。
【0039】
但し、スクリーンセーバー広告D1の表示の優先順位は、プレイヤーPのプレーを妨げない広告情報の表示を実現するために、最も低いレイヤー(1)となる。時刻t1から時刻t2までの広告情報の配信可能期間中に、操作部14へ何等かの操作が行われた場合には、表示制御手段44が端末3の表示部15をそれまでのスクリーンセーバー広告D1の画面から、例えば次のコースのレイアウト図などを示す壁紙D2の画面に表示を直ちに切り替える。したがって、壁紙D2の表示の優先順位は、スクリーンセーバー広告D1よりも高いレイヤー(2)となる。その後に表示制御手段44は、壁紙D2を表示した状態で、操作部14への操作が一定時間以上なければ、端末3の表示部15をスクリーンセーバー広告D1の表示に切り替える。
【0040】
また、時刻t1から時刻t2までの広告情報の配信可能期間中に、ゴルフカート1に搭乗したプレイヤーPがスコア入力のために特定の操作部14を操作して、その操作に対応した指令データが、端末制御手段11から通信手段6を経由して基地局制御手段31に送られると、表示制御手段44はスクリーンセーバー広告D1や、次のコースのレイアウト図などの壁紙D2に優先して、スコア入力D3用の画面を端末3の表示部15に表示させる。これによりプレイヤーPは、広告表示D1に邪魔されることなく、スコア入力D3に表示される各プレイヤーのスコアを、操作部14から直ちに操作入力することが可能になる。スコア入力D3の表示の優先順位は、スクリーンセーバー広告D1や壁紙D2よりも高いレイヤー(3)となる。
【0041】
時刻t0から時刻t3までの間のインターバルが一定時間以上である場合、表示制御手段44は時刻t1から時刻t2までの広告情報の配信可能期間中に、予め設定された所定のタイミングで、スクリーンセーバー広告D1とは別な広告情報として、端末3に動画コマーシャル(CM)D4を配信し、これを当該端末3の表示部15に表示させると共に、報知部16から音声でも同時に出力させる。したがって、本実施形態の表示制御手段44は、通信手段6を経由して端末制御手段11から表示部15に表示制御信号を送出するだけでなく、報知部16に音声制御信号を送出する報知制御手段としての機能も兼用する。
【0042】
動画コマーシャルD4の表示の優先順位は、スクリーンセーバー広告D1や壁紙D2やスコア入力D3よりも高いレイヤー(4)となる。そのため表示制御手段44は、スクリーンセーバー広告D1や壁紙D2やスコア入力D3の表示に優先して、所定のタイミングで例えば15秒間の動画コマーシャルD4を、端末3の表示部15から表示させる。端末3の表示部15から動画コマーシャルD4が放映される間は、同じ端末3の報知部16で音声も同時出力されるが、基地局制御手段31の設定により、報知部16からの音量を絞る箇所を設けることができる。
【0043】
さらに表示制御手段44は、時刻t1から時刻t2までの広告情報の配信可能期間中に、注意喚起のための警報メッセージD5を通知する必要があると判断した場合に、端末3の表示部15に表示される他のあらゆる表示形態、すなわちスクリーンセーバー広告D1や、壁紙D2や、スコア入力D3や、動画コマーシャルD4に優先して、端末3の表示部15に警報メッセージD5を表示させるように、当該端末3に警報メッセージD5を配信する。したがって、警報メッセージD5の表示の優先順位は、最も高いレイヤー(5)となる。警告メッセージD5は、例えばゴルフカート1の移動中に注意すべき通過地点を指摘したり、先行するゴルフカート1や後続のゴルフカート1との位置が接近し過ぎている場合にその旨を知らせたり、気象状況の急変(雨、雷、突風など)を事前に通知したりするためのもので、プレイヤーPに何等かの注意喚起を行なうために必要な表示である。
【0044】
図5に示すように、端末3の表示部15に対するスクリーンセーバー広告D1や、壁紙D2や、スコア入力D3や、動画コマーシャルD4や、警報メッセージD5の表示の優先順位は、切り替えが可能である。つまり本実施形態の表示制御手段44は、指示手段となる端末3の操作部14や基地局2の操作部35からの操作入力により、一乃至複数の広告情報となるスクリーンセーバー広告D1や、動画メッセージD4と、その他の一乃至複数の通知情報となる壁紙D2や、スコア入力D3や、警報メッセージD5の表示の優先順位を個々に切り替え可能な表示優先順位切り替え手段を備えている、と言える。
【0045】
これにより、例えばプレイヤーPがプレー後のスコアの入力をより優先させたい場合には、予め操作部14からの操作入力により、スコア入力D3をレイヤー(3)からレイヤー(2)に切り替える一方で、壁紙D2をレイヤー(2)からレイヤー(3)に切り替ることで、端末3の表示部15にスクリーンセーバー広告(1)が表示される状況で、プレイヤーPが操作部14を操作したときに、壁紙D2ではなくスコア入力D3が優先的に表示されるようになり、表示部15からの表示に対するプレイヤーPの要望に柔軟に対応できる。
【0046】
図6は、広告情報選択手段42により特定の広告情報を選択する際に、基地局2の表示部36に表示される画面の一例を示したものである。ここでの一連の手順は、例えばゴルフ場の管理者が表示部36の表示を確認しながら、操作部35を操作入力することにより実現する。
【0047】
図6(A)は、基地局2側でゴルフカート運行管理システム200を起動させた時に、基地局2の表示部36に表示される起動初期画面51である。ここで一例として、起動初期画面51に設けられる「予約」の表示体51A上に、操作部35であるマウスの移動操作によりマウスポインタ(図示せず)を一致させ、そのマウスをクリック操作して指定すると、広告情報選択手段42は、表示部36の表示をそれまでの起動初期画面51から、図6(B)や図6(C)に示すような広告情報の予約画面52に切り替える。なお、操作部35により予約画面52をどのようにして表示させるのかについては、上述したマウス操作によるものに限定されない。
【0048】
予約画面52には、ゴルフ場の営業期間に相当する広告情報を表示させる期間(年月日)を、例えば「2019年11月18日~2019年11月24日」として示す表示体52Aと、その期間内でゴルフ場内に設定された広告情報の表示可能区間の場所と、その表示可能区間で配信できる広告情報の種類と、表示可能区間に対応した広告情報の表示可能秒数を、例えば「8-9インターバル 動画 約115秒」や、「16-17インターバル 壁紙 約15秒」として示す複数の表示体52Bと、それぞれの表示体52Bに対応して、「動画」と「壁紙(静止画)」素材の広告情報が予約可能であるか否かを、例えば「-」(不可能)や「予約可」(可能)で示す表示体52Cが、それぞれ設けられる。基地局2の記憶手段32には、ゴルフ場の営業期間と、進入判定手段43により予め設定された広告情報の表示可能区間の場所および座標と、配信可能な広告情報の素材の種類と、表示可能区間の座標を利用して、当該表示可能区間の一端から他端までの軌跡の長さから算出される広告情報の表示可能秒数(図5に示す時刻t1から時刻t2までの期間に相当する)と、広告情報の予約状況と、を関連付けた広告表示関連情報が記憶保存されており、広告情報選択手段42は、記憶手段32から広告表示関連情報を読み出して、表示体52A~表示体52Cを配置した予約画面52を基地局2の表示部36に表示させる。
【0049】
こうした予約画面52が表示部36に表示された状態では、操作部35であるマウスへの操作により、設定されたそれぞれの表示可能区間について、端末3の表示部15に表示させたい特定の広告情報を、素材の種類(動画、静止画)と共に予約することができる。
【0050】
これは図6(B)に示すように、予約画面52に表示される複数の表示体52Bの中で、広告情報の表示可能秒数ひいては表示可能区間のインターバルが長い例えば「8-9インターバル 動画 約115秒」の表示体52Bに対応した「動画 予約可」の表示体52Cを、マウスへの操作により指定すると、その指定した表示体52Bについて、動画での広告情報の予約を可能にする別ウィンドウの表示体52Dが現れる。表示体52Dには、選択された広告情報の表示可能区間について、その場所が「8-9インターバル」(8番ホール~9番ホールの間)であり、広告情報の表示可能秒数が「115秒」であり、広告情報の素材の種類である広告タイプが「動画」であるとの詳細情報が、一覧のリスト52D1で示される。またリスト52D1の下方には、予約のための「予約する」の表示体52D2が設けられる。広告情報選択手段42は、記憶手段32に記憶された前述の広告表示関連情報を読み出すことで、予約画面52上にリスト52D1を含む表示体52Dを表示させる。
【0051】
予約画面52に表示体52Dが現れた状態で、コマンドボタンとなる表示体52D2をマウス操作で指定すると、広告情報選択手段42はサーバ5に問い合わせて、リスト52D1に示された表示可能秒数(「115秒」以下)と広告タイプ(「動画」)を満たす予約可能な広告情報のリストをサーバ5から取得し、これを予約画面52に代わって表示部36に表示させる。ここで複数の予約可能な広告情報のリストから、操作部35であるマウスへの操作により、端末3の表示部15に表示させたい特定の広告情報を指定することで、広告情報選択手段42はその特定の広告情報での予約を完了させ、サーバ5から特定の広告情報をダウンロードして記憶手段32に記憶保存させる。また、記憶手段32に記憶されるリスト52D1に対応した広告表示関連情報の中で、広告情報の予約状況について、動画の広告情報を予約の可能な状態から予約の完了した状態に上書き更新し、この上書き更新された広告表示関連情報と、サーバ5から取り込んで記憶手段32に記憶保存した動画の広告情報を関連付け(紐付け)する。これにより、実際にゴルフカート1が広告情報の表示可能区間の一つである「8-9インターバル」の場所を移動通過するときに、表示制御手段44が記憶手段32から同じ場所に対応した広告表示関連情報と、この広告表示関連情報に関連付けられた動画の広告情報を読み出すことで、長いインターバルでは動画素材の広告情報をゴルフカート1に設置した端末3に配信することが可能となり、前述の図5で示したような動画コマーシャルD4を所定のタイミングで表示部15から表示できるようになる。
【0052】
因みに、広告情報の表示可能区間のインターバルが長い場合には、図5に示したスクリーンセーバー広告D1に相当する静止画素材の広告情報だけでなく、上述した動画コマーシャルD4に相当する動画素材の広告情報も、予約画面52から指定して予約することができる。つまり、インターバルが長い広告情報の表示可能区間に対応する広告表示関連情報は、広告情報の予約状況について、最初に動画の広告情報と静止画の広告情報の両方が予約の可能な状態となっているが、インターバルが短い広告情報の表示可能区間に対応する広告表示関連情報は、広告情報の予約状況について、静止画の広告情報だけが予約の可能な状態となる。このような広告表示関連情報を自動的に作成できるようにするために、広告情報の表示可能秒数の長短に応じて、動画素材による広告表示が可能であるか否かを判定し、その結果を広告表示関連情報の中の広告情報の予約状況に書き込んで反映させる動画表示可否判定手段を、広告情報選択手段42に組み込んでもよい。
【0053】
一方、図6(C)に示すように、予約画面52に表示される複数の表示体52Bの中で、広告情報の表示可能秒数ひいては表示可能区間のインターバルが短い例えば「16-17インターバル 壁紙 約15秒」の表示体52Bに対応した「壁紙 予約可」の表示体52Cを、マウスへの操作により指定すると、その指定した表示体52Bについて、壁紙すなわち静止画での広告情報の予約を可能にする別ウィンドウの表示体52Dが現れる。表示体52Dには、選択された広告情報の表示可能区間について、その場所が「16-17インターバル」(16番ホール~17番ホールの間)であり、広告情報の表示可能秒数が「15秒」であり、広告情報の素材の種類である広告タイプが「壁紙」であるとの詳細情報が、一覧のリスト52D1で示される。またリスト52D1の下方には、予約のための「予約する」の表示体52D2が設けられる。
【0054】
予約画面52に表示体52Dが現れた状態で、コマンドボタンとなる表示体52D2をマウス操作で指定すると、広告情報選択手段42はサーバ5に問い合わせて、リスト52D1に示された表示可能秒数(「15秒」以下)と広告タイプ(「壁紙」(静止画))を満たす予約可能な広告情報のリストをサーバ5から取得し、これを予約画面52に代わって表示部36に表示させる。ここで複数の予約可能な広告情報のリストから、操作部35であるマウスへの操作により、端末3の表示部15に表示させたい特定の広告情報を指定することで、広告情報選択手段42はその特定の広告情報での予約を完了させ、サーバ5から特定の広告情報をダウンロードして記憶手段32に記憶保存させる。また、記憶手段32に記憶されるリスト52D1に対応した広告表示関連情報の中で、広告情報の予約状況について、動画の広告情報を予約の可能な状態から予約の完了した状態に上書き更新し、この上書き更新された広告表示関連情報と、サーバ5から取り込んで記憶手段32に記憶保存した動画の広告情報を関連付けする。これにより、実際にゴルフカート1が広告情報の表示可能区間の一つである「16-17インターバル」の場所を移動通過するときに、表示制御手段44が記憶手段32から同じ場所に対応した広告表示関連情報と、この広告表示関連情報に関連付けられた動画の広告情報を読み出すことで、短いインターバルでは静止画素材の広告情報をゴルフカート1に設置した端末3に配信することが可能となり、前述の図5で示したようなスクリーンセーバー広告D1を表示部15から表示できるようになる。
【0055】
こうして本実施形態では、基地局2の表示部36に表示される予約画面52を利用することで、ゴルフ場に存在する複数の広告情報の表示可能区間について、端末3の表示部15に表示させたい特定の静止画や動画の広告情報を、サーバ5に問い合わせて個別に予約選択することが可能になる。
【0056】
図7は、ゴルフ場内を走行するゴルフカート1の移動経路に沿って、端末3の表示部15がどのように表示されるのかを示したものである。同図において、61は端末3の表示部15に表示されるコース図(コースレイアウト図)の画面である。コース図61の画面は、表示制御手段44が記憶手段32に記憶するコースデータを読み出すことで、端末3の表示部15に表示されるもので、ゴルフ場内の各ホールに設置された対象物としてのティーグラウンド61A、フェアウェイ61B、ラフ61C、バンカー61D、グリーン61E、カート道61Fなどが、それぞれ実物に合わせて示されている。実際のゴルフカート1は、画面61に示されたカート道61に対応した経路に沿って移動する。
【0057】
プレイヤーPが一つのコース(ホール)内でプレー中の期間T1では、ゴルフカート運行管理システム200のナビゲーション機能となるコース図61やスコア入力62の画面だけが、端末3の表示部15に選択的に表示される。そのため、この期間T1中に後述する静止画CM63や動画CM64は全く表示されず、プレイヤーPはゴルフのプレーに集中できる。
【0058】
プレイヤーPを乗せたゴルフカート1が、一つのホールと次のホールとの間の短いインターバルT2を移動通過するときに、表示制御手段44は端末3の表示部15に、コース図61やスコア入力62の画面だけでなく、ゴルファー向けの広告情報となる静止画CM63の画面を選択的に表示させる。この静止画CM63は、図5に示すスクリーンセーバー広告D1に相当する。一つのホールと次のホールとの間のインターバルが短い場合でも、静止画CM63を端末3の表示部15に表示させることで、プレイヤーPのプレーを妨げることなく、プレイヤーPに対して広告情報を効率よく提示できる。
【0059】
プレイヤーPを乗せたゴルフカート1が、一つのホールと次のホールとの間の長いインターバルT3を移動通過するときに、表示制御手段44は端末3の表示部15に、コース図61やスコア入力62や静止画CM63の画面だけでなく、ゴルファー向けの別な広告情報となる動画CM64の画面を選択的に表示させる。この動画CM64は、図5に示す動画コマーシャルD4に相当する。一つのホールと次のホールとの間のインターバルが長い場合には、静止画CM63だけでなく動画CM64を表示できるようにすることで、プレイヤーPのプレーを妨げることなく、プレイヤーPに対して広告情報を効果的に提示できる。
【0060】
前述のように本実施形態では、ゴルフカート1が一つのホールから次のホールへと移動するインターバルT2,T3の期間内において、端末3の操作部14に一定時間以上の操作がなければ、次に何らかの操作がない限り静止画CM63を表示させるスクリーンセーバー方式の広告表示を実現している。この場合、ゴルフカート運行管理システム200のナビゲーション機能となるコース図61やスコア入力62の画面は、ゴルフカート1がゴルフ場内のどの位置にあっても、必要な時に必ず表示部15から表示できるようする。それ以外のインターバルT2,T3の期間では、静止画CM63の画面を表示部15から表示できるようにすることで、スクリーンセーバーを兼ねた広告表示が可能になる。
【0061】
図8図10は、インターバル(表示可能区間)の長さに応じた表示部15からの表示パターンの違いをそれぞれ示したものである。
【0062】
図8は、一つのコースのグリーン側から次のホールのティーグランド側までの広告情報の表示可能区間が、20秒程度の短距離インターバルである場合の表示パターンを示したものである。この場合に表示制御手段44は、広告情報の表示可能区間内で操作部14に何等かの操作が行われない限り、背景としてレイヤー(1)の静止画CM63を表示部15に表示させる。また、区間の途中で操作部14へのユーザー操作によるスコア入力が行われると、レイヤー(2)のスコア入力62画面に表示部15の表示がさし変わる。スコア入力が一定時間以上行われなければ、表示部15の表示はレイヤー(1)の静止画CM63に戻る。
【0063】
図9は、広告情報の表示可能区間が45秒程度の中距離インターバルである場合の表示パターンを示したものである。この場合も表示制御手段44は、広告情報の表示可能区間内で操作部14に何等かの操作が行われない限り、背景としてレイヤー(1)の静止画CM63を表示部15に表示させる。また、区間の途中で操作部14へのユーザー操作によるスコア入力が行われると、レイヤー(2)のスコア入力62画面に表示部15の表示がさし変わる。スコア入力が一定時間以上行われなければ、表示部15の表示はレイヤー(1)の静止画CM63に戻る。
【0064】
また、広告情報の表示可能区間内に例えば15秒の動画再生可能区間がある場合には、静止画CM63やスコア入力62に優先して、レイヤー(3)の動画CM64を表示部15に15秒間再生表示させる。動画CM64の再生が終了すると、表示部15の表示はレイヤー(1)の静止画CM63に戻る。
【0065】
図10は、広告情報の表示可能区間が105秒程度の長距離インターバルである場合の表示パターンを示したものである。この場合も表示制御手段44は、広告情報の表示可能区間内で操作部14に何等かの操作が行われない限り、背景としてレイヤー(1)の静止画CM63を表示部15に表示させる。また、区間の途中で操作部14へのユーザー操作によるスコア入力が行われると、レイヤー(2)のスコア入力62画面に表示部15の表示がさし変わる。スコア入力が一定時間以上行われなければ、表示部15の表示はレイヤー(1)の静止画CM63に戻る。
【0066】
また、広告情報の表示可能区間内に例えば15秒の動画再生可能区間がある場合には、静止画CM63やスコア入力62に優先して、レイヤー(3)の動画CM64を表示部15に15秒間再生表示させる。動画CM64の再生が終了すると、表示部15の表示はレイヤー(1)の静止画CM63に戻る。さらに、区間の途中で注意喚起などのインフォメーション65がある場合は、静止画CM63やスコア入力62や動画CM64に優先して、レイヤー(4)のインフォメーション65を再優先で表示する。このインフォメーション65は、図5に示す警報メッセージD5に相当する。
【0067】
図7に戻り、端末3の表示部15に表示される静止画CM63や動画CM64には、プレイヤーPの保有するスマートフォンや腕時計型端末などの通信端末81(図11を参照)から、操作部14に接触することなく光学的に読取りが可能な識別子としての二次元コード71を設けてある。この二次元コード71には、例えば静止画CM63や動画CM64に掲載される製品のカタログや取扱説明書などを、通信端末で閲覧表示可能にするURL(Uniform Resource Locator)情報などが含まれる。これにより、プレイヤーPが端末3の表示部から表示される静止画CM63や動画CM64に興味を持った場合に、自身の通信端末を利用してより詳細な情報を簡単に入手することが可能になる。
【0068】
図11は、静止画CM63や動画CM64としてプレイヤーPに提供される様々な広告情報に関連して、デジタルサイネージと連携した次世代型ネットワークナビゲーションシステムの概略構成を示したものである。同図において、81はプレイヤーPが携帯するインターネット網4に接続可能な通信端末、82は通信端末81と同等の機能を有し、ゴルフ場以外の場所で使用される通信端末、83は屋内外の人通りのある場所に設置されるデジタルサイネージであり、これらの通信機器81,82やデジタルサイネージ83は、上述した端末3の表示部15と同様に、静止画CM63や動画CM64を表示するための表示部を有する。ゴルフカート1に搭載した端末3と通信が可能なゴルフカート運行管理システム200は、例えばその日のピン位置(ピンポジ)やプレーの結果となるスコアなどを、端末3だけではなくインターネット網4を経由して通信機器81,82に提供するスコア連携機能の他に、本実施形態のゴルファー向け広告表示システム100としての機能を備えている。
【0069】
一方、ゴルファー向けの広告情報を提供するスポンサー85は、私的に運営するプライベートスポンサー85A、ゴルフ場周辺で運営するローカルスポンサー85B、複数のゴルフ場を運営するグループスポンサー85C、国内全体に企業展開するナショナルスポンサー85Dなどの多岐にわたる。これらのスポンサー85から提供される様々な広告データやイベント情報は、エビデンスをその都度残しつつ、前述のサーバ5に相当するメディア・データセンター87に集約化される。こうした広告データやイベント情報は、スポンサー85からの広告情報として、各ゴルフカート1の端末3だけでなくデジタルサイネージ83にも配信され、そこで表示される。これにより例えば様々なイベント情報を含んだ広告情報では、これに興味を持ったユーザーが、ショッピングやゴルフコンペに申し込むなどのスポンサー85への売り上げ向上に寄与する。
【0070】
またメディア・データセンター87に前述の広告情報選択手段42としての機能を組み込むことで、スポンサー85から提供される全ての広告データの中で、グループスポンサー85Cに相応しい広告データだけを予め選択して、当該グループスポンサー85Cの経営するゴルフ場に配信することもできる。これにより、グループスポンサー85Cの意に反する広告情報が、誤って端末3の表示部15に配信されるのを防ぐことができる。
【0071】
このように、本実施形態のゴルファー向け広告表示システム100は、全国のゴルフ場に普及してきているゴルフカート運行管理システム200で使用する端末3を、デジタルサイネージ媒体として兼用させた新たな発想である。プレイヤーPであるゴルファーのプレー中に、一つのホールから次のホールまでの移動時間を利用して、端末3の表示部15に広告情報を表示放映することで、ゴルファーという明確なターゲットに対して圧倒的な訴求力を発揮することができる。すなわち、ゴルフカートナビゲーションの画面を提供する端末3の表示部15を利用した広告情報の表示では、その視聴者がほぼプレー中のゴルファーに限られる。そのためゴルファーへ直接接触できる最短のメディアとして、広告情報を表示する端末3の表示部15を利用できる。この場合、ゴルフ関連の広告情報は勿論、一般的には購買意欲の高い高所得層やシニア層であると言われるゴルファーのユーザー層へ直接、広告情報を届けることが可能になる。
【0072】
また、一つのコースから次のコースまでのインターバルでは、スコア入力63の画面を使用したスコア入力が完了すれば、次のホールまで空き時間となる。本実施形態のゴルファー向け広告表示システム100は、その空き時間を利用して端末3の表示部15に広告情報を表示させる。インターバル時間の長短に応じて、静止画CM63や動画CM64を端末3へ自動的に配信するので、ゴルファーのプレーを妨げずに、端末3の表示部15からゴルファーに有益な広告情報を効率よく効果的に表示放映することができる。また、ゴルフカート運行管理システム200の基本機能である注意喚起や、雷警報や、遅れ案内などのインフォメーション65が、広告情報より優先して表示されるので、プレー中に必要な情報を確実に届けることが可能となる。
【0073】
以上のように、本実施形態のゴルファー向け広告表示システム100は、ゴルフ場内を移動するゴルフカート1に備えた端末3と通信可能に設けられ、ゴルフカート1の現在位置をカート位置情報としてリアルタイムで取得する位置情報取得手段41と、位置情報取得手段41からのカート位置情報に基づき、ゴルフカート1がゴルフ場内の予め設定された広告情報の表示可能区間に進入したか否かを判定する進入判定手段43と、進入判定手段43からの判定結果に基づき、ゴルフカート1が広告情報の表示可能区間に進入したら、端末3の操作部14に一定時間以上の操作がなければ、端末3の表示部15に広告情報を表示させる表示制御手段44と、を備えている。
【0074】
そのため、ゴルフカート1が例えば一つのホールから次のホールまでの間の表示可能区間に進入すると、その区間内で端末3の操作部14に一定時間以上の操作がない場合に限り、ゴルファーに有益な各種の広告情報を端末3の表示部15に表示させる。これにより、端末3の操作部14に何らかの操作が行われれば、その操作に関連した情報が広告情報に代わり優先的に表示され、表示部15の焼き付きを抑制しつつも、ゴルファーであるプレイヤーPのプレーを妨げないような広告情報の表示を実現できる。
【0075】
また、本実施形態のゴルファー向け広告表示システム100は、複数の広告情報の中から特定の広告情報を選択して、その選択した特定の広告情報だけを前記端末3の表示部15に表示させる広告情報選択手段42をさらに備えている。
【0076】
そのため、広告情報選択手段42により特定の広告情報だけを、ゴルフカート1に備えた端末3の表示部15に表示させることで、そのゴルフカート1を運営するゴルフ場の意に反する広告を、意図的に表示させないようにすることができる。
【0077】
以上、本発明の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は当該実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 ゴルフカート
3 端末
14 操作部
15 表示部
41 位置情報取得手段
42 広告情報選択手段
43 進入判定手段
44 表示制御手段
100 ゴルファー向け広告表示システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11