(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】液体材料吐出装置
(51)【国際特許分類】
B05C 5/00 20060101AFI20221019BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20221019BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D1/26 Z
(21)【出願番号】P 2020507767
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2019010989
(87)【国際公開番号】W WO2019181812
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2018053474
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390026387
【氏名又は名称】武蔵エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(72)【発明者】
【氏名】生島 和正
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-317777(JP,A)
【文献】特開2013-107035(JP,A)
【文献】特開2006-35149(JP,A)
【文献】特開2002-361147(JP,A)
【文献】国際公開第2013/111855(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00-21/00
B05D 1/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状体からなる吐出用部材と、
吐出用部材よりも幅広であり、吐出用部材の先端部が配置される液室と、
液室と連通する吐出口と、
液室と液体材料貯留容器とを連通する液送路と、
吐出用部材を駆動する駆動装置と、
を備えた液体材料吐出装置において、
前記液送路に位置し、前記液送路の抵抗を調整する吐出量調整部材と、前記液送路内における吐出量調整部材の位置を移動して固定させる部材位置調整機構とを備え、
前記部材位置調整機構により、前記吐出量調整部材の位置を変化させることにより吐出量を調整することができることを特徴とする液体材料吐出装置。
【請求項2】
前記液送路が、端部開口を有する直線状の流路を含んで構成され、
前記吐出量調整部材が、前記液送路に挿入される細長い部材により構成されることを特徴とする請求項1に記載の液体材料吐出装置。
【請求項3】
前記吐出量調整部材が挿通されるシール部材、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液体材料吐出装置。
【請求項4】
前記吐出量調整部材が、前記液送路の長さLの1/2~1倍の長さを有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体材料吐出装置。
【請求項5】
前記吐出量調整部材の先端部は、前記液体材料貯留容器が前記液送路と接続される流入口よりも前記液室側に位置することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体材料吐出装置。
【請求項6】
前記部材位置調整機構が、前記液送路が形成される液送部材に形成された第1のねじ溝と、前記吐出量調整部材に形成された第1のねじ溝に対応する第2のねじ溝により構成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液体材料吐出装置。
【請求項7】
前記部材位置調整機構が、前記吐出量調整部材を進退駆動する進退駆動装置により構成されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液体材料吐出装置。
【請求項8】
前記吐出量調整部材を進退駆動することにより、前記液送路の容積を調整することを特徴とする請求項7に記載の液体材料吐出装置。
【請求項9】
前記進退駆動装置による前記吐出量調整部材の位置を、設定されたタイミングで制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項7または8に記載の液体材料吐出装置。
【請求項10】
前記吐出量調整部材が、前記液送路に抜脱自在に挿入されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の液体材料吐出装置。
【請求項11】
前記吐出量調整部材が、長手方向の表面に形成された凹凸部を有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の液体材料吐出装置。
【請求項12】
前記凹凸部が、前記液送路の内周面に当接する隆起部と隆起部間に位置する溝により構成されることを特徴とする請求項11に記載の液体材料吐出装置。
【請求項13】
前記隆起部間に位置する溝が、らせん状溝により構成されることを特徴とする請求項12に記載の液体材料吐出装置。
【請求項14】
前記吐出量調整部材が、断面積、断面形状及び長さの1つ以上が異なる複数の吐出量調整部材からなり、
選択された一の吐出量調整部材を前記液送路に抜脱自在に挿入することができる請求項1ないし13のいずれかに記載の液体材料吐出装置。
【請求項15】
前記吐出用部材が、先端部が液室内を進退動するプランジャー、または、先端部が液室内で回動するスクリューにより構成されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の液体材料吐出装置。
【請求項16】
前記吐出用部材が、鉛直方向に延びるプランジャーであり、
前記駆動装置が、前記吐出用部材を進退動させる駆動装置であり、
進出移動するプランジャーを液室の内底面に構成された弁座に衝突させて、または、進出移動するプランジャーを前記弁座に衝突する直前に停止して、吐出口より液滴を飛翔吐出させることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の液体材料吐出装置。
【請求項19】
請求項1ないし18のいずれかに記載の液体材料吐出装置を用いた液体材料の吐出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出作業の途中で変化した吐出量の補正を従来よりも容易に行うことができる液体材料吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に接着剤等の所望のパターンで液体材料を塗布するための吐出装置としては、往復移動する棒状体(プランジャー)を用いて少量の液体材料を吐出口から吐出させる吐出装置や棒状体の表面の軸方向に螺旋状につばが形成されたスクリューを回転させ、このスクリューの回転によりつばが液体材料を搬送して液体を吐出する吐出装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、液材を吐出する吐出口を有する液室と、液室より幅狭のプランジャーおよび当接部を有し、プランジャーの先端部が液室内を進退動する押出部材と、押出部材のプランジャーと反対側に隣接して配設され、ピストンおよび当接部と対向する衝突部を有する衝突部材と、押出部材および衝突部材を進退動させる駆動手段とを備え、衝突部を当接部に衝突させることにより、押出部材を高速前進させて液材を吐出する吐出装置を出願人は開示している。
【0004】
例えば、特許文献2では、シリンダ表面に先端から長手方向に向かって螺旋状の羽を具えたスクリューと、スクリューを回転させるモータと、液体材料が供給される液材流入口およびスクリューが貫通するスクリュー貫通孔およびスクリューの吐出口側先端を覆うハウジングを具える本体と、ハウジングの先端に装着されハウジングの内部と連通したノズルと、で構成され、スクリューの回転により液材を吐出するスクリュー式吐出装置において、スクリューとハウジング内壁面に間隙を存在させてなる液体材料の吐出装置を出願人は開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2008/126373号パンフレット
【文献】特開2002-326715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液体材料は環境条件の変化や時間の経過により粘度変化が生じ、吐出量が変化する場合がある。この場合、液体貯留容器に印加するエア圧力を調整して吐出量を補正する必要があるが、適切なエア圧力を算出するためには試行錯誤が必要となるなど、変化した吐出量を補正するには手間と時間が必要であった。
【0007】
そこで、本発明では、吐出作業の途中で変化した吐出量の補正を従来よりも容易に行うことができる液体材料吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液体材料吐出装置は、棒状体からなる吐出用部材と、吐出用部材よりも幅広であり、吐出用部材の先端部が配置される液室と、液室と連通する吐出口と、液室と液体材料貯留容器とを連通する液送路と、吐出用部材を駆動する駆動装置と、を備えた液体材料吐出装置において、前記液室と前記液体材料貯留容器との連通を遮断することなく、前記液送路に位置する吐出量調整部材と、前記液送路内における吐出量調整部材の位置を移動させる部材位置調整機構とを備えることを特徴とする。
上記液体材料吐出装置において、前記液送路が、端部開口を有する直線状の流路を含んで構成され、前記吐出量調整部材が、前記液送路に挿入される細長い部材により構成されることを特徴としてもよい。
【0009】
上記液体材料吐出装置において、前記吐出量調整部材が挿通されるシール部材を備える、ことを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記吐出量調整部材が、前記液送路の長さLの1/2~1倍の長さを有することを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記吐出量調整部材の先端部は、前記液体材料貯留容器が前記液送路と接続される流入口よりも前記液室側に位置することを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記部材位置調整機構が、前記液送路が形成される液送部材に形成された第1のねじ溝と、前記吐出量調整部材に形成された第1のねじ溝に対応する第2のねじ溝により構成されることを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記部材位置調整機構が、前記吐出量調整部材を進退駆動する進退駆動装置により構成されることを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記進退駆動装置による前記吐出量調整部材の位置を、設定されたタイミングで制御する制御装置を備えることを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記吐出量調整部材が、前記液送路に抜脱自在に挿入されることを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記吐出量調整部材が、長手方向の表面に形成された凹凸部を有することを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記凹凸部が、前記液送路の内周面に当接する隆起部と隆起部間に位置する溝により構成されることを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記隆起部間に位置する溝が、らせん状溝により構成されることを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記吐出量調整部材が、断面積、断面形状及び長さの1つ以上が異なる複数の吐出量調整部材からなり、選択された一の吐出量調整部材を前記液送路に抜脱自在に挿入することができることを特徴としてもよい。
【0010】
上記液体材料吐出装置において、前記吐出用部材が、先端部が液室内を進退動するプランジャー、または、先端部が液室内で回動するスクリューにより構成されることを特徴としてもよい。
上記液体材料吐出装置において、前記吐出用部材が、鉛直方向に延びるプランジャーであり、前記駆動装置が、前記吐出用部材を進退動させる駆動装置であり、進出移動するプランジャーを液室の内底面に構成された弁座に衝突させて、または、進出移動するプランジャーを前記弁座に衝突する直前に停止して、吐出口より液滴を飛翔吐出させることを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の液体材料の吐出方法は、上記の液体材料吐出装置を用いた液体材料の吐出方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、吐出作業の途中で変化した吐出量の補正を従来よりも容易に行うことができる液体材料吐出装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第一実施形態の液体材料吐出装置の正面断面図である。
【
図2】第一実施形態の吐出量調整部材の側面図である。
【
図3】第一実施形態に係る吐出量の調整方法を説明する正面断面図である。(a)は吐出量調整部材を最進出位置とした状態を示し、(b)は吐出量調整部材を最進出位置から後退させた状態を示している。
【
図4】第二実施形態の液体材料吐出装置の要部正面断面図である。
【
図5】第三実施形態の液体材料吐出装置の正面断面図(吐出量調整部材進出時)である。
【
図6】第三実施形態の液体材料吐出装置の正面断面図(吐出量調整部材後退時)である。
【
図7】第四実施形態の吐出量調整部材の側面図である。
【
図8】第四実施形態に係る吐出量の調整方法を説明する正面断面図である。(a)は吐出量調整部材を最進出位置とした状態を示し、(b)は吐出量調整部材を最進出位置から後退させた状態を示している。
【
図9】第五実施形態の吐出量調整部材の側面図である。
【
図10】第五実施形態に係る吐出量の調整方法を説明する正面断面図である。(a)は吐出量調整部材を最進出位置とした状態を示し、(b)は吐出量調整部材を最進出位置から後退させた状態を示している。
【
図11】第六実施形態の液体材料吐出装置の正面断面図である。
【
図12】従来の液体材料吐出装置の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<<従来例>>
図12に示す従来の液体材料吐出装置は、本体上部81と、本体中部82と、第一液送部材83と、第二液送部材84と、本体下部85と、ノズル部材86とを主に備えて構成される。
本体上部81に形成されたピストン室15には、吐出用部材11の後部と連結されるピストン16が上下に摺動自在に配設されている。ピストン室15には、電磁切替弁61および圧力調整器(レギュレータ)62を介して、エア供給源63から加圧エアが供給される。
【0015】
吐出用部材11は、先細り形状の棒状体であり、先端部が第一液送部材83、本体下部85およびノズル部材86に形成された液室87内に位置している。吐出用部材11が、エア供給源63からの加圧エアおよびバネ17の作用により往復移動することで、ノズル部材85の下端に形成された吐出口から液体材料を吐出する。
液室87は、液室87の上部側面に設けられた開口により液送路88と連通している。
液送路88の液室87と反対側の端部に設けられた側部開口には、栓89が螺合されている。液送路88へ液体材料を充填する際は、栓89を取り外しておき、気泡を除去する。
液送路88は、配管により貯留タンク91と連通されている。貯留タンク91の上部空間には、減圧弁92により調圧されたエア供給源93からの加圧エアが供給されている。
従来の液体材料吐出装置は、一般的な工業用綿棒が挿入できないぐらい液送路88が細いので、液送路内に残留した液体材料の除去が難しいという課題がある。
【0016】
<<第一実施形態>>
図1に示す本発明の第一実施形態に係る液体材料吐出装置1は、本体上部2と、本体下部3と、液送部材4と、ノズル固定具5と、ノズル部材6と、制御部64とを主に備えて構成される。
本体上部2は、直方体形のブロック状部材であり、内部にピストン室15が形成されている。ピストン室15には、吐出用部材11の後部と連結されるピストン16が上下に摺動自在に配設されている。ピストン16の側面には、シール部材22が環状に設けられており、これによりピストン室15の上方空間と下方空間の気密性が保持されている。ピストン室15の底面に設けられた凹部には環状のシール部材21が嵌入されている。ピストン室15の底面の凹部の中心には上下方向に延在する貫通孔23が設けられている。シール部材21および貫通孔23には、吐出用部材11が挿通されている。
【0017】
ピストン室15の下方空間には、電磁切替弁61から加圧エアが供給される。電磁切替弁61は、圧力調整器(レギュレータ)62を介して、加圧エアを供給するエア供給源63と連通する。圧力調整器62は、例えば、減圧弁または減圧弁とバッファタンクとの組み合わせから構成される。電磁切替弁61は、制御部64からの指令に基づき、圧力調整器62とピストン室15の下方空間とを連通する第1位置と、ピストン室15の下方空間と外界(大気)とを連通する第2位置とを切り替えるよう作動する。電磁切替弁61が第1位置をとると加圧エアの作用により吐出用部材11が後退動し、第2位置をとるとバネ17の付勢力により吐出用部材11が進出動する。すなわち、電磁切替弁61およびバネ17が吐出用部材11を駆動する駆動装置を構成する。
制御部64は、電磁切替弁61の動作を制御するコンピュータであり、図示しない入力装置と図示しない表示装置と接続されている。
なお、本実施例では、電磁切替弁61を、本体上部2に直接固定しているが、管(圧送管)などを介して本体上部2と離れた位置に配置してもよい。
【0018】
吐出用部材11は、円柱状の弁体であり、本体上部2、本体下部3および液送部材4を上下方向に貫通して延在している。吐出用部材11の下端部は液室12に位置しており、吐出用部材11が液室12の内底面に構成された弁座から離間すると吐出口7と液室12が連通して液体材料が吐出され、吐出用部材11が弁座に着座すると吐出口7と液室12の連通が遮断されて吐出が停止される。吐出用部材11の直径は、液室12の直径よりも小さいため、吐出用部材11の側周面が液室12の内側面に当接することは無い。吐出用部材11の側周面に生じる摩擦が最小限とされているので、吐出用部材11を高速で移動することが可能である。
なお、本実施形態の吐出装置1とは異なり、弁座に弁体(吐出用部材)を急速に近接させ、または衝突させることにより液体材料に慣性力を与えて吐出口より飛翔吐出させるジェット式の吐出装置にも本発明の技術思想を適用することは当然に可能である。ジェット式の吐出装置においても、吐出用部材を高速で進退動させるために、液室よりも先端部が幅狭の吐出用部材を用いる。
【0019】
図1では、吐出用部材11の先端の形状を平面としているがこれに限定されず、例えば、球状としたり、凹状としたり、先細り形状としたり、吐出口7と対向する位置に突起を設けたりしてもよい。吐出用部材11は円柱状の弁体に限定されず、例えば回転するスクリューにより構成される場合もある。本発明が対象とする吐出用部材には、鉛直方向に延びる棒状の部材であり、往復進退動または回転運動することにより液室内の液体材料を吐出口から吐出するものが含まれる。吐出用部材を駆動する駆動装置としては、モータ、ピエゾ素子、バネ等の弾性体と加圧エアの切替弁、空気圧式アクチュエータが例示される。
【0020】
吐出用部材11の後部はピストン16と連結されており、ピストン16はバネ17により下方に付勢されている。バネ17は、コイルバネであり、バネ17の内部空間には吐出用部材11の後端部とストローク調整ネジ19が対向配置されている。ストローク調整ネジ19は、本体上部2の上面に挿入されたつまみ部18と連結されており、つまみ部18を回転することにより吐出用部材11の最後退位置を調整することが可能である。
【0021】
本体上部2の下方には、直方体形のブロック状部材である本体下部3が配設されている。本体下部3を上下方向に貫通する貫通孔は、吐出用部材11よりも大径であり、吐出用部材11が挿通されている。本体下部3の下方には、本体下部3よりも水平方向に幅のある液送部材4が配設されている。液送部材4の下方には、ノズル固定具5が配設されている。ノズル固定具5は底面に開口を有した椀形であり、開口に挿入されたノズル部材6の鍔部を保持して液送部材4とノズル部材6とを連結している。液送部材4およびノズル部材6は、本体下部3およびノズル固定具5から容易に取り外すことができる。
【0022】
液送部材4は、上下方向に延在する段付き貫通孔を有している。段付き貫通孔の段部には環状のシール部材14が配設されており、段付き貫通孔のシール部材14の下方の空間は液室12の一部を構成する。液室12の幅(直径)は、吐出用部材11の幅(直径)よりも大きいため、吐出用部材11の側周面が液室12の内側面に当接することはない。シール部材14が有する吐出用部材11と実質同径の穴には、吐出用部材11が挿通されている。
【0023】
液送部材4は、本体(2,3)の側面の延長線部分から水平方向に真っ直ぐに延びる延出部41を備えている。延出部41の内部には、水平方向に真っ直ぐに延びる液送路13が形成されている。液送路13の流入口44よりも液室12に近い部分は、全長にわたって同径である。液送路13の液室12と反対側の端部には、吐出量調整部材30が挿通される環状のシール部材24が配設されている。延出部41は、貯留容器51の交換が容易となる長さに構成されている。
図12に示す従来例のように、延出部41を本体(2,3)の側面の延長線部分で着脱自在に構成してもよい(すなわち、
図12の第二液送部材84により延出部41を構成してもよい。)。
液送部材4の高さ(上下方向の幅)は、本体上部2および本体下部3のいずれの高さ(上下方向の幅)よりも小さく構成されている。本実施形態の液送部材4は上下方向にコンパクト(肉薄)に構成されているため、超音波洗浄機による洗浄に適している。
なお、本実施形態とは異なり、斜め方向に真っ直ぐに延びる液送路が内部に形成された液送部材を用いることも可能である(ただし、上下方向の幅は大きくなる。)。
【0024】
液室12は、液室12の上部側面に設けられた開口により液送路13と連通している。液送路13の直径は工業用綿棒が挿入できる大きさとすることが好ましく、例えば、2.5mm~10mm(好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上)である。一般に工業用綿棒は、頭部の直径が5mm程度のものが多い。
液送路13の液室12と反対側の端部付近の上面に設けられた開口である流入口44は貯留容器51と連通しており、貯留容器51内の液体材料が流入口44を介して液送路13に供給される。
【0025】
貯留容器51は、市販の樹脂製または金属製のシリンジであり、容器連結具43により液送部材4に着脱自在に取り付けられている。容器連結具43は、貯留容器51の下端部を液送部材4の延出部41に連結し、貯留容器51が本体(2,3)の側方に位置するように位置決めする。貯留容器51の上部開口には、減圧弁53と配管で連通されるアダプタ52が装着されている。貯留容器51の上部空間には、減圧弁53により調圧されたエア供給源54からの加圧エアが供給されている。
なお、本実施形態とは異なり、貯留容器51と液室12とを連通する流路の一部を可撓性チューブで構成し、このチューブを外側から挟着する挟着機構を作動させることにより、可撓性チューブの流路断面積を変化させる構成を採用してもよい。挟着機構によるチューブの潰し量が大きくなるほど、チューブの断面積が狭くなり、液体材料の供給量も減少する。この際、チューブの外側面の両側を挟着する構成を採用してもよいし、片側の外側面を壁に接触させ、相対するもう一方の外側面を壁に向かって押しつける構成を採用してもよい。
【0026】
液送路13の液室12と反対側の端部に設けられた側部開口45には、吐出量調整部材30が挿通されている。側部開口45付近の液送路13と連通する挿入孔25の内周面には、第1のねじ溝42が形成されている。第一実施形態では、液送路13と連通する挿入孔25に形成された第1のねじ溝42と、後述する吐出量調整部材30の充填部32の外周面に形成された第2のねじ溝35とが部材位置調整機構を構成する。液送路13の液室12と反対側の端部にはシール部材24が着脱可能に配設されている。
【0027】
吐出量調整部材30は、スティック形の挿入部31と、挿入部31の端部に設けられた充填部32と、挿入部31および充填部32と連結された大径部33とを備えている。吐出量調整部材30は、貯留容器51と液室12を連通する流路の抵抗(管内抵抗、流動抵抗)を調整する作用を奏する。
挿入部31は、液送路13の直径よりも小径の円柱状部材であり、少なくとも流入口44に到達する長さを有しており、流入口44よりも先端が液室12側に位置する長さを有していることがより好ましい。このような長さを有する挿入部31を進退させることにより、液送路13の流動抵抗を容易に調節することが可能となるからである。挿入部31を脱抜した際に液送路13に残る液体材料の量を減らすとの観点からは、例えば、液送路13の長さLの1/2~1倍を有することが好ましく、2/3~1倍の長さを有することがより好ましい。挿入部31の抜き差し時に液送路13の内周面を傷つけないようにするために、挿入部31の少なくとも表面は液送路13の内周面よりも柔らかい材質により構成することが好ましく、例えば液送路13の内周面が金属からなる場合に挿入部31の表面(または全体)をゴムまたは樹脂により構成することが開示される。
【0028】
第一実施形態では、液送路13の直径を3mm、挿入部31の直径を2mmとした。また、第一実施形態では、挿入部31の断面形状を、液送路13の断面形状の相似形としている。挿入部31を液送路13に挿入して大径部33を手で回転して螺合すると、挿入部31は液送路13の中心軸上に位置した状態で固定される。
スティック形の挿入部31を液送路13に挿入し、液送路13の容積を減少させることにより、液送路13内に残留する液体材料の量を減らすことができるので、液送部材4の洗浄時に廃棄される液体材料の無駄を削減することが可能である。異なる断面積の挿入部31を有する吐出量調整部材30を複数本準備しておくことで、用途に応じて液送路13から液室12に供給する液体材料の量を調節することも可能となる。例えば、粘度の高い液体材料を用いる際には、粘度の低い液体材料で用いていた吐出量調整部材30よりも挿入部31の断面積が小さい吐出量調整部材30を用いることが開示される。ここで、交換対象となる吐出量調整部材30は、交換することによって液送路13から液室に供給する液体材料の量を調整できるものであればよく、例示した異なる断面積の挿入部31を有するものに限らず、断面積、断面形状及び長さの1つ以上が異なる挿入部31を有する吐出量調整部材30を複数本準備しておくことでも、同様の効果を得ることができる。
【0029】
充填部32は、挿入部31よりも拡径された円柱状の部位であり、表面に第1のねじ溝42と螺合する第2のねじ溝35が形成されている。なお、充填部32に第2のねじ溝35を形成せず、液送路13内の吐出量調整部材30の位置決めをする位置決め部材により吐出量調整部材30を液送部材4に固定してもよい。
【0030】
大径部33は、充填部32よりも拡径された円柱状の部位であり、表面に滑り止め加工が施されている。液送部材4の側面に設けられた側部開口45に吐出量調整部材30を挿入し、大径部33を手でつまみ第一方向に回転(時計回転)させると吐出量調整部材30が液送路13内を進出し、第二方向に回転(反時計回転)させると吐出量調整部材30が液送路13内で後退する。充填部32の第2のねじ溝35と、第1のねじ溝42との螺合は固めに設定されており、大径部33を回転して調整した吐出量調整部材30の位置は、大径部33から手を離しても固定されたままとなる。なお、大径部33をモータ等の回転駆動装置と連結し、回転数を制御部64により自動制御できるようにしてもよい(後述の第六実施形態も参照)。
【0031】
図2は、吐出量調整部材吐出量調整部材30の側面図である。引き抜かれた挿入部31の表面(周面)には、図示しない液体材料が付着している。抜脱時に液送路13内に残留する液体材料の量を少なくすべく、挿入部31の表面に凹凸を形成したり、掻き取り用の環状隆起部を形成してもよい(後述の第四実施形態も参照)。
【0032】
図3は、第一実施形態に係る吐出量の調整方法を説明する正面断面図であり、(a)は吐出量調整部材30を最進出位置とした状態を示し、(b)は吐出量調整部材30を最進出位置から後退させた状態を示している。液送路13内の流動抵抗は、吐出量調整部材30を最進出位置とした際に最も高くなる。逆に、吐出量調整部材30を最進出位置から後退させるほど、液送路13内の流動抵抗は低くなる。第一実施形態のように、貯留容器51に印加された加圧エアの圧力により液体材料を吐出する液体材料吐出装置においては、液送路13内の流動抵抗が低くなると、貯留容器51から液室12へ液体材料が流入しやすくなるので、吐出量は増加する。逆に、液送路13内の流動抵抗が高くなると、貯留容器51から液室12へ液体材料が流入しいにくくなるので、吐出量は減少する。したがって、例えば、経時変化により液体材料の粘度が高くなり吐出量が減少した場合は、吐出量調整部材30の後退量を調整することで適切な吐出量に補正することができる。また、例えば、環境温度の変化により液体材料の粘度が下がり吐出量が増加した場合は、吐出量調整部材30の進出量を調整することで適切な吐出量に補正することができる。
なお、上述のジェット式の吐出装置において、吐出量調整部材を進出させると吐出量が増え、後退させると吐出量が減少する場合があるが、その場合であっても、吐出量調整部材30の進出量を調整することで適切な吐出量に補正することができる。
【0033】
以上に説明した第一実施形態の液体材料吐出装置1によれば、吐出作業の途中で変化した吐出量の補正を、吐出量調整部材30の位置を変化させることにより行うことができるので、従来よりも容易に吐出量の補正を行うことができる。また、吐出量調整部材30による吐出量の補正に加え、液体材料貯留容器51に印加する加圧エアの圧力を調整することにより、複数観点から吐出量の補正を行うことが可能となる。
また、吐出量調整部材30により液室12に供給する液体材料の量を調節しながら、液送部材4の洗浄時に廃棄される液体材料の無駄を削減することが可能となる。また、吐出量調整部材30を用いない場合と比べ液送路13の断面積を大きくすることができるので、液送路13の洗浄時間を短縮することが可能となる。さらには、液送路13を従来よりも大径に構成できるので、洗浄後の目視確認も容易である。
【0034】
<<第二実施形態>>
図4に示す第二実施形態の液体材料吐出装置1は、延出部41が端部外周に形成された第1のねじ溝42を備え、吐出量調整部材30が溝34に形成された第2のねじ溝35を備える点で第一実施形態と主に相違する。以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、共通する要素については説明を割愛する。
【0035】
第二実施形態の延出部41は、端部に小径の筒部46を有し、筒部46の外周に第1のねじ溝42が形成されている。吐出量調整部材30は、大径部33の内側に形成された環状の溝34を備えている。溝34の外周には第2のねじ溝35が形成されており、延出部41の第1のねじ溝42と螺合して吐出量調整部材30を固定することが可能である。吐出量調整部材30の第2のねじ溝35と、延出部41の第1のねじ溝42との螺合は固めに設定されており、大径部33を回転して調整した吐出量調整部材30の位置は、大径部33から手を離しても固定されたままとなる。
その他の構成については、第一実施形態と同様であるので、説明を割愛する。
【0036】
以上に説明した第二実施形態の液体材料吐出装置1によっても、第一実施形態と同様の作用効果が奏される。また、ねじ溝(35,42)が液体材料に接触しないため、ねじ溝に乾燥した液体材料が固着するといった問題が生じない。
【0037】
<<第三実施形態>>
【0038】
図5および
図6に示す第三実施形態の吐出量調整部材30は、挿入孔25および充填部32にねじ溝が形成されておらず、充填部32を挿入孔25内で摺動させることにより吐出量を調整する点で第一実施形態と主に相違する。以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、共通する要素については説明を割愛する。
【0039】
第三実施形態の挿入孔25は、内周面にねじ溝が形成されておらず、液送路13と同径の空間により構成されている。なお、挿入孔25には、後述する第四実施形態と同様、充填部32が挿通される吐出量調整部材用シール部材を配設してもよい。
第三実施形態の吐出量調整部材30は、充填部32にねじ溝が形成されておらず、挿入孔25内を摺動する大きさの径を有している。第三実施形態の挿入部31は、第一実施形態の挿入部31よりも長く、液室12の付近まで到達する長さを有している。なお、挿入部31の長さは、液送路13内で最進出時に先端が液室12に到達しない範囲で調整することができ、例えば、第三実施形態の挿入部31を第一実施形態と同じ長さに構成してもよい。
【0040】
大径部33の構成は、第一実施形態と同様である。
図5の位置にある挿入部31の大径部33を液室12と反対側に引っ張ることにより、吐出量調整部材30を
図6に示す位置に後退させることができる。挿入孔25と充填部32の摺動は固めに設定されているので、大径部33から手を離しても吐出量調整部材30の位置は固定されたままである。挿入部31を
図6の位置から
図5の位置に移動する際には、大径部33を手で押し込むことにより行う。
挿入部31を
図5の位置から
図6の位置に移動すると、貯留容器51から液室12に液体材料が流入する際の流動抵抗が減少するので、吐出量は増加する。逆に挿入部31を
図6の位置から
図5の位置に移動すると、吐出量は減少する。
その他の構成については、第一実施形態と同様であるので、説明を割愛する。
【0041】
以上に説明した第三実施形態の吐出量調整部材30によっても、第一実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0042】
<<第四実施形態>>
図7に示す第四実施形態の吐出量調整部材30は、隆起部36およびらせん溝37が挿入部31の外周に形成されている点で第三実施形態と主に相違する。以下では、第三実施形態との相違点を中心に説明し、共通する要素については説明を割愛する。
【0043】
第四実施形態の挿入部31は、隆起部36およびらせん溝37が外周に形成されている。隆起部36は始点から終点まで同幅であり、らせん溝37の幅も始点から終点まで同幅である。挿入部31が液送路13に挿入されると、隆起部36と液送路13の内周面が当接し、らせん溝37が液体材料を液室12に供給する流路の役割を奏する。
第四実施形態の挿入孔25および充填部32にはねじ溝が形成されておらず、充填部32を挿入孔25内で摺動させることにより吐出量を調整する。第四実施形態の挿入孔25は、液送路13と同径の空間により構成されている。挿入孔25には、第一実施形態と同様、吐出量調整部材用シール部材24が配設されている。
【0044】
図8は、第四実施形態に係る吐出量の調整方法を説明する正面断面図である。(a)は吐出量調整部材30を最進出位置とした状態を示し、(b)は吐出量調整部材30を最進出位置から後退させた状態を示している。挿入孔25と充填部32の摺動は固めに設定されているので、大径部33から手を離しても吐出量調整部材30の位置は固定されたままである。
第四実施形態では、隆起部36が液送路13の内周面に当接することから、内周面に傷をつけることがないように、少なくとも隆起部36をゴムまたは樹脂などの低硬度材料により構成することが好ましい。吐出量調整部材30の充填部32と大径部33の段差部分には、Oリングを配置してもよい。
その他の構成については、第一実施形態と同様であるので、説明を割愛する。
【0045】
以上に説明した第四実施形態の吐出量調整部材30によっても、第三実施形態と同様の作用効果が奏される。また、第四実施形態では、隆起部36による掻き取り作用が奏されるため、液送路13内に残留する液体材料の量を第三実施形態よりも少なくすることができる。
【0046】
<<第五実施形態>>
図9に示す第五実施形態の吐出量調整部材30は、挿入孔25および充填部32にねじ溝が形成されている点で第四実施形態と主に相違する。以下では、第四実施形態との相違点を中心に説明し、共通する要素については説明を割愛する。
【0047】
第五実施形態の挿入部31は、第一実施形態と同様、挿入孔25の内周面に第1のねじ溝42が形成され、充填部32の外周面に第2のねじ溝35が形成されている。
隆起部36およびらせん溝37は、第四実施形態と同様である。
【0048】
図10は、第五実施形態に係る吐出量の調整方法を説明する正面断面図である。(a)は吐出量調整部材30を最進出位置とした状態を示し、(b)は吐出量調整部材30を最進出位置から後退させた状態を示している。充填部32の第2のねじ溝35と、第1のねじ溝42との螺合は固めに設定されており、大径部33を回転して調整した吐出量調整部材30の位置は、大径部33から手を離しても固定されたままとなる。
【0049】
以上に説明した第五実施形態の吐出量調整部材30によっても、第四実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0050】
<<第六実施形態>>
図11に示す第六実施形態の吐出量調整部材30は、吐出量調整部材30を進退駆動させる進退駆動装置(スライダ48およびモータ49)を備える点で第一実施形態と主に相違する。以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、共通する要素については説明を割愛する。
第六実施形態では、挿入孔25の内周面に第1のねじ溝42が形成され、充填部32の外周面に第2のねじ溝35が形成されており、後述のモータ49を駆動して吐出量調整部材30の位置を調整することにより吐出量を調整する。
【0051】
延出部41の下方には、支持部材47が配設されている。支持部材47の上面にはスライダ48が配設されており、スライダ48にはモータ49がスライド自在に配設されている。モータ49は大径部33と連結部50を介して連結されており、モータ49を正逆回転させると、第1のねじ溝47および第2のねじ溝35の螺合により、吐出量調整部材30が進退動する。モータ49の回転方向および回転数は、制御部64により自動制御することが可能である。本実施形態では、吐出量調整部材30を進退駆動させる進退駆動装置をスライダ48およびモータ49により構成したが、進退駆動装置は例示の構成に限定されず、例えば、第1のねじ溝42および第のねじ溝35備えない構成において、充填部32を進退方向に摺動させる電動アクチュエータにより進退駆動装置を構成してもよい。
【0052】
制御部64は、ユーザが入力指示に基づき、モータ49の位置を調整することにより吐出量を調整する。例えば、ユーザが入力装置(図示せず)から吐出量減少指示を入力した場合は、モータ49を延出部41に近付ける方向に移動させ、ユーザが入力装置(図示せず)から吐出量増加指示を入力した場合は、モータ49を延出部41から遠ざける方向に移動させる。第六実施形態では、吐出量調整部材30の移動量を定量的に指示することが可能である。
【0053】
制御部64は、吐出量の補正条件(すなわち、モータ49の移動量)を記憶装置に記憶し、所定のタイミングで実行するタイマープログラムを備えている。吐出量の経時変化に規則性が見られる場合は、制御部64により、記憶した補正条件を一定時間経過する毎に自動で実行するようにしてもよい。また、所望の塗布パターンを塗布描画するにあたり、各塗布位置における吐出量調整部材30の位置を記憶し、塗布描画の最中に吐出量調整部材30の位置を変更する塗布プログラムを制御部64に組み込んでもよい。
【0054】
以上に説明した第六実施形態の吐出装置1によれば、吐出量調整部材30の移動量を定量的に行うことが可能となる。また、記憶した吐出量の補正条件により、吐出量の補正を所定のタイミングで行うことが可能となる。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、実施形態例では、挿入部31の中心軸と吐出量調整部材30の中心軸とが一致する態様を例示したが、挿入部31の中心軸が吐出量調整部材30の中心軸とずれるように構成してもよい。より詳細には、挿入部31の中心軸が吐出量調整部材30の中心軸より下方または上方に配置されるように構成しても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1:吐出装置、2:本体上部、3:本体下部、4:液送部材、5:ノズル固定具、6:ノズル部材、7:吐出口、11:吐出用部材、12:液室、13:液送路、14:シール部材、15:ピストン室、16:ピストン、17:バネ、18:つまみ部、19:ストローク調整ネジ、21:シール部材、22:シール部材、23:貫通孔、24:(吐出量調整部材用)シール部材、25:挿入孔、30:吐出量調整部材、31:挿入部、32:充填部、33:大径部、34:溝、35:第2のねじ溝、36:隆起部、37:らせん溝、39:連通溝、40:撹拌羽、41:延出部、42:第1のねじ溝、43:容器連結具、44:流入口、45:側部開口、46:筒部、47:支持部材、48:スライダ、49:モータ、50:連結部、51:貯留容器、52:アダプタ、53:減圧弁、54:エア供給源、61:電磁切替弁、62:圧力調整器、63:エア供給源、64:制御部、70:綿棒、81:本体上部、82:本体中部、83:第一液送部材、84:第二液送部材、85:本体下部、86:ノズル部材、87:液室、88:液送路、89:栓、91:貯留タンク、92:減圧弁、93:エア供給源