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特許7161240再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置
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  • 特許-再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
A61M5/32 510V
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021032959
(22)【出願日】2021-03-02
(65)【公開番号】P2022110994
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0006768
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521089166
【氏名又は名称】プンリム ファーマテック インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒ ミン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ミ ヒ
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ジョン ドク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ チョン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-525198(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0265566(US,A1)
【文献】特開平08-103497(JP,A)
【文献】特開平10-080486(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00995456(EP,A1)
【文献】特開2000-084079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射針ハブ(101)と、注射器安全保護具本体(102)と、注射器安全保護具本体(102)と折畳可能に一体に連結されたカバー(103)とからなり、前記注射針ハブ(101)を注射器安全保護具本体(102)に締結した状態で前記注射針ハブ(101)のルアーロック結合突起(105a、105b)に注射器本体(107)の上部のルアーロック締結ネジ部(108)を締結して注射器安全保護具本体(102)と一体に連結された状態で注射し、針キャップ(106)で注射針(104)をカバーし、カバー(103)を折り畳んで再使用を防止することができる状態で廃棄するように構成される再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置であって、
前記注射器安全保護具本体(102)の中央部に垂直に形成されるハブ締結孔(110)の内周面には断面半円形の歯形突起(114a)が円周方向に等間隔で配設され、これに合わせて結合される前記注射針ハブ(101)の胴体には断面半円形の歯形突起(114b)が円周方向に等間隔で配設され、前記ハブ締結孔(110)に形成された歯形突起(114a)と注射針ハブ(101)の胴体に形成された歯形突起(114b)が噛み合うと共に、前記注射器本体(107)に外力を加えて回転させた時には前記歯形突起(114b)が前記歯形突起(114a)を越えながら回転することにより、注射針(104)の先端切取面(C)の方向を調整して安全に注射することができるように構成されることを特徴とする、再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置。
【請求項2】
前記注射針ハブ(101)の胴体の周囲と前記注射器安全保護具本体(102)のハブ締結孔(110)の内周面に等間隔で配設される歯形突起(114a、114b)が円周方向に沿って突設され、互いに噛み合うように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置。
【請求項3】
前記注射針ハブ(101)の胴体の周囲と前記注射器安全保護具本体(102)のハブ締結孔(110)の内周面に等間隔で配設される歯形突起(114a、114b)が断面半円形に突設されることを特徴とする、請求項1に記載の再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置。
【請求項4】
前記注射器安全保護具本体(102)の底面ハブ締結孔(110)の周囲にはハブスライドフランジ挿入溝(115)が形成され、注射針ハブ(101)の歯形突起(114b)の下部周囲に形成されるスライドフランジ(117)の一地点にはストッパー(118)が突設され、前記ハブスライドフランジ挿入溝(115)にストッパー(118)が挿入されるようにストッパー(118)の突出長だけ前記ハブスライドフランジ挿入溝(115)の内径が拡張して形成され、その左右両側にストッパー係合突起(116a、116b)が形成されることにより、注射針ハブ(101)が左右に半分以上回転することができないように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置に関するもので、より詳しくは注射針が装着されたハブを再使用防止構造を有する注射針安全保護具に締結するとき、注射針の先端切取部の方向を一定方向に補正して締結することができるようにした再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、注射器は、本体である注射器バーレル、取っ手が付いた押込みロッド、押込みロッドの先端に締結され、ピストン作用で注射液を押し出すプランジャー、及びバーレルの先端の縮径管部に直接締結された針を含んでなる一般型と、バーレルの先端部にネジ締結可能なルアーロック(Luer Lock)締結部が別途形成され、これに注射針の付いたハブ(Hub)がネジ締結されて構成されるルアーロック型とがある。
【0003】
ルアーロック型の注射器は本体と針の締結されたハブとを分離して製造することになる。注射針が締結されたハブは別途の注射針保管ケース内に密封されて滅菌処理され、バーレルと押込みロッド取っ手とからなる本体も滅菌処理され、単一セットのキット内に保管されて流通され、使用の際には、注射針保管ケースの滅菌紙を取り外し、内装注射針のハブ胴体の下端両側に形成された締結突起に、注射器本体の上端に形成されたルアーロック締結部の内面に形成されたネジ部を結合し回転させて注射器本体とヘッド部を一体に締結した後、注射針保管ケースから抜き出して分離して使うようになる。
【0004】
このように使われる注射器はそのまま再使用することができる状態になるから、一部の病院などで再使用による感染伝播によって社会的問題になることがたまに発生するので、これを防止するために、一度使用した注射針は再使用することができないように安全に廃棄しようとする技術が多数案出されたことがある。
【0005】
一例として、米国特許第6,582,397B2(2003.06.24)の場合は、注射針ハブの下部側に形成されたフランジを結合することができる溝及び孔が形成されたベースとこのベースに折畳可能に連結されたハウジングとにより、注射針ハブをベースに装着した状態でハウジングを折り畳めば、注射針がハウジングの内部に挿入されるとともにベースの両側に形成されたアームがハウジングの両側下部に形成されたテンション作用係合溝に合わせて係合されるようになっているので、ハウジングが折り畳まれるときにはハウジングの両側下部に形成されたテンション作用係合溝が広がり、ベースのアームが挿入されればテンション復帰力によってロックされることによって再び広がらないようにすることにより、使用後の注射針を安全装置と共に安全に廃棄することができるようにした。他の実施例として、ハウジングの両側面に内側に湾曲しフラップを突設することにより、注射針ハブがハウジングの内側に入るときには内側に窄んでから反発復帰力によって元の位置になればハブが抜け出ないようになるものであり、これも使用後の注射針を安全装置とともに廃棄することができるようにした。
【0006】
しかし、このような構造は、注射針を使った後、注射針とハブ及び安全装置を共に安全に廃棄することができる利点はあるが、注射針ハブフランジがベースの溝及び孔に単純に挿入されている状態であるだけで、孔内での回転に対する確かな対備策とならなく、締まりばめ方式によって回転を防止することができるが、締まりばめ程度によって可変的なものであり、自動化装置で締まりばめでしっかりと結合することが難しい問題があるものである。
【0007】
すなわち、このような安全装置にヒトが注射針ハブを手作業で一々締結するものではなくて自動化装置によって結合するので、注射針の先端部は人体に容易に挿入されるように傾斜角に切断されて加工され、人体に注射針を挿入するときは切取面が上方に向かう状態で注射するようになる。
したがって、注射針ハブを注射器本体と締結するときにはいつも一定方向に締結することが要求される。
【0008】
しかし、注射針をハブに植え込んで締結するとき、挿入過程や接着過程などで少しずつ回転して切取方向がずれていれば、前記のような安全装置に締結するとき、一定方向に挿入されなくてずれたままで挿入されるから、使用のために本体と締結したとき、注射針の切取面が上方に向かわずに他の方向にずれる問題が発生した。
【0009】
他の例として、図1に示すように、韓国登録特許10-1897956号の「再使用防止及び安全廃棄用注射針組立体」は、「注射針2が挿合され、前方に注射針保護キャップ3が、後方に注射器5が結合されるホルダー10と、前記ホルダー10の中央の結合部11に挿合するための挿入孔21、及び上部両側に係合突起22aが形成されたロック溝22を有する結合具20と、前記結合具20の一側にヒンジ35を介して上下に回転可能に一体に連結され、一側が上下に開放して内部に注射針2が挿入される挿入空間部31、前記挿入空間部の一側に注射針2が挿入された後に離脱を防止するように支持する支持突起32、及び下部両側に結合具20のロック溝22に挿入されるロック突起33を有し、注射針の使用後の廃棄の際、前記ロック突起の一側の係合突起33aがロック溝の一側の係合突起22aに離脱を防止するように結合されることにより、注射針の安全廃棄及び再使用防止を図るカバー30とを含んでなり、前記ホルダー10の結合部15はリング形の凹部18によって形成され、前記結合具の挿入孔21の内周面には前記凹部に挿入される突出部28が形成されて締まりばめできるように構成され、前記結合具の挿入孔21の内側には少なくとも一つ以上の位置に切開溝21aが形成され、前記ホルダーの結合部15には切開溝に対応する位置に結合突起15aが形成されることによって回転を防止するように互いに結合されるように構成されるもの」を技術的特徴とするものである。
【0010】
しかし、このような構造を有する先行発明は、ルアーロック型の注射器本体とネジ結合して締結するために、ホルダー10の挿入孔21の内側には切開溝21aが形成され、ホルダー10の対応位置に結合突起15aが形成されているので、注射器本体のルアーロックネジ部にホルダー10の結合突起13bをネジ結合して締結するとき、最後の締結完了点に至ってもそれ以上回転しないように確かに締結することができる利点はあるが、前述したように、ホルダー10に注射針2の切取方向が一定に装着されずに他の方向にずれて固定された場合には前述した締結構造によっては注射針の切取方向を補正する方法がなくて方向のずれた状態で組み立てられて包装されるしかなく、今後の使用の際には注射針切取部が上方に向かわずにずれたままで使われるしかなく、甚だしくは切取面が下方に向かう場合、注射者が相当な注意を傾けなければ被注射者の皮膚に逆に突き入れて注射する場合も発生して医療事故まで発生することもある大きな問題点を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第6,582,397B2号公報
【文献】韓国登録特許第10-1897956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、注射針安全保護具に注射針ハブを締結する構造において、注射針の先端の切取方向がずれた状態でハブに固定された場合にも注射針安全保護具と注射針ハブが締結孔内で噛み合うように歯形突起が互いに噛み合ったままで互いに越えることができるようにすることにより、注射針先端切取部の方向が誤ってずれて固定された場合にも角度を補正することができるようにする再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための手段として、本発明による再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置は、注射針ハブが締結される注射針安全保護具のハブ締結孔の内面に突起が等間隔で配設され、これに対応して結合される注射針ハブの締結胴部の周囲にも突起が形成され、互いに結合した状態で外力を加えて回転させれば、突起が互いに噛み合った状態で互いに越えながら回転することにより、注射針先端の切取面を一定方向に補正することができる再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、注射針の使用後に再使用を防止することができるように、注射針ハブと一体に締結されて供給され、そのままで使用した後には折り畳んで安全に廃棄させる注射針安全保護具に注射針ハブを締結するにあたり、完全固定式ではなくて、外力を加えて回したときには所定角度ずつ回転することができるように締結構造を改善することにより、注射針をハブに挿入固定する作業過程で注射針の先端切取面が基準方向からずれて固定された場合にも、ハブに注射器本体上端のルアーロック締結部を締結するとともに回転調節することができ、基準方向に合わせて補正して安全に注射することができるので、いつも安全な状態で注射することができるものであり、自動化ラインによる大量生産過程で基準角度に合わないように組み立てられた場合であっても使用時に即時合わせて補正して使うことができるので、使用上の便利性及び安全性を同時に満たすことができる効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来の先行発明の構造を示す結合斜視図である。
図2】従来の先行発明の構造を示す分解斜視図である。
図3】本発明の組立状態を示す側面斜視図である。
図4】本発明の組立状態を示す平面斜視図である。
図5】本発明の分解状態を示す底面斜視図である。
図6】本発明の結合状態を示す要部平断面図である。
図7】本発明の注射器本体の結合状態を示す部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、前記目的以外に本発明の他の目的及び特徴は添付図面に基づく実施例についての説明によって明らかになるであろう。
【0017】
他に定義しない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使う全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使われる辞典に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならなく、本出願ではっきり定義しない限り、理想的な又は過度に形式的な意味に解釈されない。
以下では、本発明の実施例による再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0018】
図示のように、本発明による再使用防止構造を有する注射針安全保護具の締結角度調節装置の基本的な構成は注射針の使用後に安全に廃棄させるための通常の注射針安全保護具と同様に構成されるものであり、注射針ハブ101と、注射器安全保護具本体102と、注射器安全保護具本体102と折畳可能に一体に連結されたカバー103とからなる。
【0019】
前記注射針ハブ101は、上部に注射針104が挿入固定され、下部両側にはルアーロック結合突起105a、105bが突設され、前記注射針104は針キャップ106によって被せられて保護され、下部側のルアーロック結合突起105a、105bは注射器本体107の上部に形成されたルアーロック締結ネジ部108に締結されて注射器を構成する。
【0020】
前記注射器安全保護具本体102の一側にはカバー103が折畳連結部109を介して折畳可能に連結されて一体に構成される。前記注射器安全保護具本体102の中央にはハブ締結孔110が垂直に貫設され、上部両側にはカバー締結孔111a、111bが形成され、これらに合わせて結合されるように前記カバー103の下部両側には係合突起112a、112bが外側に突設され、カバーの内面一側には、カバー103が折り畳まれたとき、針キャップ106を保持することができるロッキング片113が水平に突設され、下部両側にはハブロッキング突起113a、113bが突設されることにより、針キャップ106が結合されることはできるが抜け出ないようになるので、使用後に注射針と共に安全に廃棄することができるように構成される。
【0021】
このような基本構成において、注射器安全保護具本体102の中央部に垂直に形成されるハブ締結孔110の内周面には断面半円形の歯形突起114aが円周方向に等間隔で配設され、これに合わせて挿入される前記注射針ハブ101の胴体には断面半円形の歯形突起114bが円周方向に等間隔で配設されることにより、前記ハブ締結孔110に形成された歯形突起114aと注射針ハブ101の胴体に形成された歯形突起114bが噛み合う状態で注射針ハブ101が注射器安全保護具本体102に締結されるように構成される。
【0022】
ここで、前記歯形突起114a、114bの好ましい数は、円周方向に15°ずつ24個が突設され、前記歯形突起114a、114bの高さは、注射針ハブ101に注射器本体107を締結した状態で手で注射器を普通の力で回して外力を加えたとき、互いに越えることができる程度の高さに設定することが好ましい。
【0023】
一方、前記歯形突起114a、114bの噛合による回転角度は円周方向に360°の調節は不要である。人体に注射するために注射器結合体を使用するときには、注射針ハブ101と注射器安全保護具本体102が結合してカバー103が上方に向かうように付いた状態で注射するから、カバー103が下方に又は両側方に向かえば邪魔になるので、前記歯形突起114a、114bの噛合による回転角度を左右に半分以上回転することができないように制御する必要がある。
【0024】
このために、前記注射器安全保護具本体102の底面のハブ締結孔110の周囲には下部スライドフランジ挿入溝115が形成され、注射針ハブ101の歯形突起114bの下部周囲に形成されるスライドフランジ117の一地点にはストッパー118が突設され、前記ハブスライドフランジ挿入溝115にストッパー118が挿入されるように、ストッパー118の突出長だけ前記ハブスライドフランジ挿入溝115の内径が拡張され、その左右両側にストッパー係合突起116a、116bが形成されることにより、注射針ハブ101が左右方向に半分以上回転することができないように構成される。
【0025】
このように構成された本発明は、注射器安全保護具本体102に注射針ハブ101が結合された状態で注射器本体107とともにセット化したキットとして包装されて供給され、使用の際には、注射器本体107の上部に形成されたルアーロック締結ネジ部108を注射針ハブ101の下部両側に形成されたルアーロック結合突起105a、105bに合わせて回転させれば、ネジ結合によって注射器本体107と注射針ハブ101が締結されて注射器が使用可能な状態になる。
【0026】
このように締結して使う前に肉眼で見て、注射針104の先端切取面Cの方向が上方に向かう基準方向ではなくてずれた方向に締結された場合には、注射器安全保護具本体102を片手で握り、注射器本体107を握った他の手で注射器本体107を回転させれば、注射針ハブ101の胴体外径部に突設された歯形突起114bが注射器安全保護具本体102のハブ締結孔110に形成された歯形突起114aを越えながら回転することにより、注射針104の先端切取面Cの方向を調整して安全に注射することができる。
【0027】
一方、前述したように、注射直前に手作業で使用者が直接調節して使うことも可能であるだけでなく、包装工程の自動化ラインでも注射針104の切取面Cが基準方向からずれた状態で注射針ハブ101に注射針104が固定された場合には機械的に調整することができる。例えば、注射針の切取面Cに光センサーを適用することにより、光線が通過せずに遮断される場合には回転補正装置で回転調整を行うことができ、このように一定の方向に調整して包装製造することができるものである。
【0028】
また、人体に注射するために注射器結合体を使用するときには、注射針ハブ101と注射器安全保護具本体102が結合され、カバー103が上方に向かうように付いた状態で回転角度を左右に半分以上回転することができないように制御するために、前記注射器安全保護具本体102の底面のハブ締結孔110の周囲にはハブスライドフランジ挿入溝115が形成され、注射針ハブ101の歯形突起114bの下部周囲に形成されたスライドフランジ117の一地点にはストッパー118が突設され、前記ハブスライドフランジ挿入溝115に結合することにより、注射針ハブ101が左右に半分以上回転することができなくなる。
【0029】
本発明に適用された歯形突起114a、114bの好ましい数は円周方向に15°ずつ24個が突設されることを最適の実施例として提示したが、前記歯形突起114a、114bの数は注射器のサイズ及び容量によってそれ以上に又はそれ以下に形成されても構わなく、突出高も互いに越えることができる程度の高さであれば設計時に状況に応じて多様に変形して適用することができるというのは言うまでもない。
【0030】
以上のように、本発明では具体的な構成要素などの特定の事項及び実施例及び図面に基づいて説明したが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供したものであるだけで、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野で通常的な知識を有する者であればこのような記載から多様な修正及び変形が可能であろう。
【0031】
したがって、本発明の思想は前述した実施例に限って決定されてはいけなく、後述する特許請求の範囲だけではなく、この特許請求範囲と均等なものや等価的変形がある全てのものは本発明思想の範疇に属すると言える。
【符号の説明】
【0032】
101 注射針ハブ
102 注射器安全保護具本体
103 カバー
104 注射針
107 注射器本体
110 ハブ締結孔
111a、111b カバー締結孔
112a、112b 係合突起
113 ロッキング片
113a、113b ハブロッキング突起
114a、114b 歯形突起
115 ハブスライドフランジ挿入溝
116a、116b ストッパー係合突起
117 スライドフランジ
118 ストッパー
C 切取面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7