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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】トラックへの積載方法及びその積載装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 67/04 20060101AFI20221019BHJP
   B65G 67/10 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
B65G67/04
B65G67/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022011601
(22)【出願日】2022-01-28
【審査請求日】2022-01-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522039784
【氏名又は名称】株式会社モテック
(74)【代理人】
【識別番号】100080090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男
(72)【発明者】
【氏名】望月 雅一
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-080034(JP,A)
【文献】特開平06-092470(JP,A)
【文献】特開2004-244141(JP,A)
【文献】特開2018-079546(JP,A)
【文献】特開2018-047515(JP,A)
【文献】特開2020-011842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 67/04-67/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体状のダンボール箱等の箱詰めされた荷物を搬送コースの搬送出発点から設定された搬送終点まで搬送するコンベアと、前記コンベア上で前記荷物の搬送を前記搬送終点にて停止させる停止ユニットと、吸引保持部と該吸引保持部の下方に位置する並列のフォークとを備えたハンド部と、該ハンド部を移動自在に操作する多関節のアーム部と該アーム部を支持する本体部とを有する積載作業ロボットと、前記コンベアの前記搬送終点付近で停止した前記荷物を前記搬送終点まで搬送する停止位置合せユニットと、前記搬送終点にて前記荷物を前記コンベアから上方に持ち上げるリフトユニットとを備え、前記停止位置合せユニットは、前記荷物を押圧する押圧部を備え、常時は前記コンベアの前記搬送コースの外部に位置し、前記荷物を前記コンベアの前記搬送出発点の位置に載置し、前記荷物は前記コンベアによって前記搬送終点に搬送されると共に前記停止位置合せユニットは前記荷物を前記搬送終点に位置合せして停止状態とし、前記リフトユニットにて前記コンベア上に上昇させ、前記積載作業ロボットは、停止した前記荷物の下方に前記フォークを挿入しつつ該フォーク及び前記吸引保持部で保持し、待機状態のトラック荷台に、前記荷物を所定の状態に配置してなり、前記停止ユニット,前記停止位置合せユニット,前記リフトユニットは、前記コンベアの搬送方向に沿って所定間隔をおいて複数備えられ、前記搬送終点の変化に伴って当該位置に対応する前記停止ユニット,前記停止位置合せユニット,前記リフトユニットが作動してなることを特徴とするトラックへの積載方法。
【請求項2】
請求項1に記載のトラックへの積載方法において、前記積載作業ロボットは、前記搬送終点の位置の変化に追従し、該搬送終点の変化した位置に移動する構成としてなることを特徴とするトラックへの積載方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のトラックへの積載方法において、前記リフトユニットは、リフト機構部と複数のリフト片とが備えられ、各該リフト片は、前記コンベアの隣接するローラ間に配置されると共に、前記リフト片は前記リフト機構部によって前記ローラの頂部の上方と下方とを昇降する構成としてなることを特徴とするトラックへの積載方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のトラックへの積載方法において構成されてなることを特徴とするトラックへの積載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場にて箱詰めされた製品を、所定箇所に配置し、トラックの集積箇所まで効率よく搬送し、且つ積載作業ロボットによってトラック荷台の所定位置に正確に配置することができるトラックへの積載方法及びその積載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、同一のものが大量生産される製品の製造工場では、出荷される製品が箱詰めされ、その箱をトラックによって、所定の場所まで運送できるようになっている。そのため、工場には運送用のトラックが出入りできるプラットホームが設けられている。このようなプラットホームは、トラック荷台の高さに合わせており、製品が詰め込まれた箱を作業員の人力によって、荷台に運び込まれていた。
【0003】
そして、製造された製品が詰め込まれた箱の集積場所と、運送用のトラックが出入りするプラットホームの位置は、通常離れた位置にある。この間における多数の箱の運搬及びトラック荷台への箱の積み込を作業員による人力で行っていたが、近年ではこれを、ある程度自動化することも実現されている。
【0004】
例えば、コンベアとロボットを箱の集積箇所からトラックが出入りするプラットホームの間の要所にコンベアを適宜配置し、箱の集積場所から箱をコンベア上に連続的に流し、コンベアの搬送終点でロボットによるトラック荷台への積荷を行うものである。コンベアは、ローラがモータで回転駆動するタイプのものとし、箱はコンベア上を自走する。ロボットは、多関節アームを備えており、アームの先端には真空吸盤で箱をも持ち運ぶアタッチメントが装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平7-228357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、コンベア装置がトラックの荷台の中に入り込み、荷物を荷台に搬送する構造となっている。そして、荷台内では作業員が略人力で荷物である箱を積み重ねて行くものである。つまり、特許文献1では無人となる率が少なく、人力に頼る部分がまだ、多いといえる。
【0007】
本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、工場で製造された製品を詰め込んだ箱の集積場所からトラックの荷台まで、荷物である箱を略無人状態で搬送し、トラックの荷台に箱を整然とした状態で積み込むことができるトラックへの積載方法及び積載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、直方体状のダンボール箱等の箱詰めされた荷物を搬送コースの搬送出発点から設定された搬送終点まで搬送するコンベアと、前記コンベア上で前記荷物の搬送を前記搬送終点にて停止させる停止ユニットと、吸引保持部と該吸引保持部の下方に位置する並列のフォークとを備えたハンド部と、該ハンド部を移動自在に操作する多関節のアーム部と該アーム部を支持する本体部とを有する積載作業ロボットと、前記コンベアの前記搬送終点付近で停止した前記荷物を前記搬送終点まで搬送する停止位置合せユニットと、前記搬送終点にて前記荷物を前記コンベアから上方に持ち上げるリフトユニットとを備え、前記停止位置合せユニットは、前記荷物を押圧する押圧部を備え、常時は前記コンベアの前記搬送コースの外部に位置し、前記荷物を前記コンベアの前記搬送出発点の位置に載置し、前記荷物は前記コンベアによって前記搬送終点に搬送されると共に前記停止位置合せユニットは前記荷物を前記搬送終点に位置合せして停止状態とし、前記リフトユニットにて前記コンベア上に上昇させ、前記積載作業ロボットは、停止した前記荷物の下方に前記フォークを挿入しつつ該フォーク及び前記吸引保持部で保持し、待機状態のトラック荷台に、前記荷物を所定の状態に配置してなり、前記停止ユニット,前記停止位置合せユニット,前記リフトユニットは、前記コンベアの搬送方向に沿って所定間隔をおいて複数備えられ、前記搬送終点の変化に伴って当該位置に対応する前記停止ユニット,前記停止位置合せユニット,前記リフトユニットが作動してなることを特徴とするトラックへの積載方法としたことにより、上記課題を解決した。
【0009】
請求項2の発明を請求項1に記載のトラックへの積載方法において、前記積載作業ロボットは、前記搬送終点の位置の変化に追従し、該搬送終点の変化した位置に移動する構成としてなることを特徴とするトラックへの積載方法としたことにより、上記課題を解決した。
【0010】
請求項3の発明を、請求項1又は2に記載のトラックへの積載方法において、前記リフトユニットは、リフト機構部と複数のリフト片とが備えられ、各該リフト片は、前記コンベアの隣接するローラ間に配置されると共に、前記リフト片は前記リフト機構部によって前記ローラの頂部の上方と下方とを昇降する構成としてなることを特徴とするトラックへの積載方法としたことにより、上記課題を解決した。
【0011】
請求項4の発明を、請求項1又は2に記載のトラックへの積載方法において構成されてなることを特徴とするトラックへの積載装置としたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、トラック荷台への積荷作業を略無人化することができる。また、その無人化を比較的簡単で且つ低価格に実現できる。さらに、ロボット及びコンベアの配置に必要な面積を最小限にすることができる。搬送終点は、コンベアの搬送コース上で適宜に設定することにより、トラック荷台に沿って荷物を積載することができる。
【0013】
搬送終点において、コンベアの隣接するローラ間より出没し前記荷物をコンベアの上方に持ち上げるリフトユニットを設けたことで、荷物を搬送コース上で強制停止させることができ、コンベアの搬送コース上において荷物同士の間隔を常時一定に保持でき、ロボットによるトラック荷台への積載作業を正確に行うことができる。
【0014】
前記コンベアの前記搬送終点付近で停止した前記荷物を前記搬送終点まで搬送する停止位置合せユニットとを備えているので、コンベアの搬送コース上で搬送される荷物は搬送終点の位置に正確に停止され、ロボットによるコンベアからトラック荷台へ荷物の移送且つ積載を迅速且つ正確に行うことができる。また、停止位置合せユニットは、常時は搬送コースの外部に位置しているので、荷物の搬送動作に干渉することがなく、積載作業を円滑に行うことができる。以上のことにより、トラック荷台に、前記荷物を所定の状態に、正確に配置することができる。
【0015】
さらに、前記ロボットの吸引保持部の下方には前記リフトによって前記コンベアから上昇した前記荷物の下方に挿入する並列のフォークが設けられてなる構成とし、前記積載作業ロボットは、停止した前記荷物の下方に前記フォークが挿入されつつ該フォーク及び前記吸引保持部で保持する構成としたことにより、コンベアの搬送終点にて前記吸引保持部によって保持した荷物の下方にフォークを配置することができ、該フォークと前記吸引保持部の吸引力とが相乗的に作用して荷物を強力に保持することができる。
【0016】
さらに、請求項1の発明では、前記停止ユニット,前記停止位置合せユニット,前記リフトユニットは、前記コンベアの搬送方向に沿って、所定間隔をおいて複数備えられ、前記搬送終点の変更に伴って当該位置に対応する前記停止ユニット,前記停止位置合せユニット,前記リフトユニットが作動してなる構成により、コンベアの搬送コース上に搬送される荷物同士の間隔を常時等間隔となるように調整することができる。
【0017】
なお、前記フォークは前記吸引保持部の下方で出没自在としてなる構成とすれば、ハンド部が荷物に近接するときに、フォークが荷物に誤って接触すること防止でき、荷物の保護ができる。さらに、前記停止位置合せユニットの前記押圧部は、前記コンベアの搬送方向に対して直角となる垂直面上を回動する構成とすれば、停止位置合せユニットを極めて簡単な構成にできる。
【0018】
請求項2の発明では、前記積載作業ロボットは、前記搬送終点の変更に伴って当該位置に対応する位置に移動する構成としてなる構成としたことにより、トラック荷台の長さに合わせた荷物の積載作業を行うことができる。
【0019】
請求項3の発明では、前記リフトユニットは、リフト機構部と複数のリフト片とが備えられ、各該リフト片は、前記コンベアの隣接するローラ間に配置されると共に、前記リフト片は前記リフト機構部によって前記ローラの頂部の上方と下方とを昇降する構成としたことにより、搬送終点においてリフトユニットが荷物を持ち上げて積載作業ロボットが荷物をトラック荷台に移動させる過程で、リフト片及びリフト機構部は他の機器(積載作業ロボット,停止ユニット又は停止位置合せユニット等)と動作干渉することなく、所定の動作を果たすことができる。このように他の機器と動作干渉を避ける構成として最も簡易な構成であり、また、コンベアに最も設置し易いものにできる。
【0020】
請求項4の発明では、上記のトラックへの積載方法において構成されてなるトラックへの積載装置としたことにより、荷物のトラック荷台への積載作業を極めて迅速且つ効率的に行うことができ、最小限の人員にて作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明における積載装置の配置例を示す図である。
図2】(A)乃至(H)は本発明によるプラットホームからトラック荷台へ荷物の積載過程を示す要部の斜視図である。
図3】(A)は本発明における積載装置の要部平面略示図、(B)は積載装置の要部側面略示図、(C)は(B)のY1-Y1矢視断面略示図である。
図4】(A)の(I)及び(II)はコンベアの搬送終点に到達した荷物が到達した状態の要部平面図及び要部側面図、(B)の(I)及び(II)はコンベアの搬送終点に到達した荷物を正確な位置に停止位置合せユニットにて設定する状態を示す要部平面図及び要部側面図、(C)の(I)及び(II)はコンベアの搬送終点の荷物を積載作業ロボットのハンド部が保持しようとする状態を示す要部平面図及び要部側面図、(D)の(I)及び(II)はコンベアの搬送終点に到達した荷物を積載作業ロボットのハンド部にてコンベアから移動させる状態を示す要部平面図及び要部側面図である。
図5】(A)は停止位置合せユニットの非作動時の状態を示す正面図、(B)は停止位置合せユニットの作動時の状態を示す正面図、(C)はリフトユニットの非作動時の状態を示す側面図、(D)はリフトユニットの作動時の状態を示す側面図、(E)は積載作業ロボットのハンド部を示す図、(F)は(E)のY2-Y2矢視断面略示図である。
図6】(A)は停止ユニット,停止位置合せユニット及び非作動状態のリフトユニットを具備したコンベアの要部斜視図、(B)は停止ユニット,停止位置合せユニット及び作動状態のリフトユニットを具備したコンベアの要部斜視図である。
図7】(A)はコンベアに装着した停止ユニット及び停止位置合せユニットの非作動状態を示す積載装置の要部側面図、(B)は停止ユニットに荷物が近づいた状態を示す積載装置の要部側面図、(C)は停止ユニットに荷物が当接した状態を示す積載装置の要部側面図、(D)は停止ユニットに荷物がリフトユニットによって上昇した状態を示す積載装置の要部側面図である。
図8】(A)乃至(F)はコンベアの搬送終点に停止した荷物を積載作業ロボットのハンド部にて移動させるまでの工程を示す搬送終点側の正面から見た要部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本発明は、主に、積載作業ロボットAと、コンベア1と、停止ユニット2と、停止位置合せユニット3と、リフトユニット4とを備えたものであり、これらによってトラック荷台への積載方法及び積載装置が構成される(図1参照)。
【0023】
コンベア1と積載作業ロボットAからなる搬送設備は、プラットホームPに設置される。該プラットホームPは、工場内で製品運送用のトラックが出入りし荷物Nの積み降ろし作業をするための場所のことである。プラットホームPはトラックが進入する通路と、作業員が搬送作業を行う搬送スペースが存在する。
【0024】
本発明には、説明において方向を示すため、X方向,Y方向及びZ方向が存在する。X方向は、コンベア1の長手方向であり、また荷物Nを搬送する方向である。したがって、コンベア1上に配置された荷物Nは、X方向に沿って移動する。Y方向は、X方向に対して水平面上で直交する方向である。
【0025】
したがって、コンベア1の幅方向はY方向である。Z方向は、X方向及びY方向に対して垂直面上を直交する方向であり、上下方向又は高さ方向である。また、積載作業ロボットA,停止ユニット2,停止位置合せユニット3及びリフトユニット4の方向についても、コンベア1を基準としてX方向,Y方向及びZ方向がそのまま適用されるものとする。
【0026】
まず、コンベア1は、プラットホームPに出荷待機状態に荷物Nを搬送する役目をなすものである。ここで、前記荷物Nとは、例えば、商品が詰められた立方体又は直方体状の積み重ね可能な段ボール箱である。また、荷物Nは、基本的には、同一サイズ又は略同一サイズのものである。
【0027】
前記コンベア1は、フレーム11と複数のローラ12,12,…と、スタンド13を備えている〔図3(B),(C),図6等参照〕。フレーム11は、2個備わり、相互に平行となるように配置され、両前記フレーム11,11間に、X方向に沿って等間隔にローラ12,12,…が回転自在に配列され両フレーム11,11に軸支されている(図1参照)。
【0028】
コンベア1のそれぞれのローラ12,12,…は、図示しない電動モータ等の動力にて回転駆動するものであり、コンベア1上に載置された荷物はローラ12,12,…の回転駆動による自走にて所定の目的の位置に移動する。プラットホームPにおいて、コンベア1の搬送方向と、プラットホームPに進入するトラック荷台9の前後方向は平行又は略平行となるように設定される(図1参照)。
【0029】
コンベア1には、搬送方向に沿って、搬送出発点S1と搬送終点S2とが存在する。搬送出発点S1は、前記荷物Nが搬送を開始する出発の位置であり、搬送終点S2は、コンベア1上において荷物Nが停止され、該荷物Nを積載作業ロボットAによってコンベア1から外されるための荷物Nの停止位置である。
【0030】
搬送出発点S1は、通常では固定されているが、作業状況に応じて位置が変更することもある。搬送終点S2は、固定されていない。前記搬送終点S2は、トラック荷台9への荷積みの状況に応じて位置が変化するものである。具体的には、図1に示すように、トラック荷台9の後方側をコンベア1の搬送出発点S1に合わせて停車した状態では、トラック荷台9の前方側から後方側に向かって積載を行う場合において、通常ではトラック荷台9への荷物Nの積載量の増加と共に、コンベア1上における荷物Nの搬送終点S2の位置は搬送出発点S1に次第に近づくことになる。
【0031】
コンベア1における搬送終点S2及びその付近には、積載作業ロボットA,停止ユニット2,停止位置合せユニット3及びリフトユニット4が総合的且つ適正に配置されてシステムを構成し、配置される。したがって、このシステムは、コンベア1のX方向におけるお搬送終点S2となる複数個所に配置される。
【0032】
ただし、上記システム(積載作業ロボットA,停止ユニット2,停止位置合せユニット3及びリフトユニット4)において、積載作業ロボットAは、コンベア1の長手方向(X方向)に沿って移動自在の構成であるため、一台の積載作業ロボットAは各搬送終点S2箇所の各システムに共有される単位ユニットとなる。
【0033】
搬送終点S2における荷物Nの停止は、後述する停止ユニット2により行われる。コンベア1における搬送出発点S1から搬送終点S2までの搬送路を搬送コースと称する。また、搬送終点S2は、前述したように、荷物Nのトラック荷台9への積載作業の状況によって、コンベア1の搬送方向における位置は変化する。本発明では、原則としてトラック荷台9の前方側つまり運転台側寄りから積載が行われるものであり、その積載作業によって、原則として荷物Nはトラック荷台9の前方側から後方側に向かって積載されてゆくものである。
【0034】
したがって、前述したように、コンベア1上で搬送される荷物Nの搬送終点S2も段階的にトラック荷台9の後方側へ移動することになる。換言すると搬送終点S2は、搬送作業時間の経過とともに、次第に搬送出発点S1に近づいてゆくことになる。搬送出発点S1は、待機状態にある荷物Nの集積場所付近に位置しており、この集積場所における待機状態の荷物Nは、搬送出発点S1付近に設置されたコンベア移送ロボットBによってコンベア1の搬送出発点S1の位置に搬送且つ適正に載置される。
【0035】
コンベア1のスタンド13は、フレーム11及びローラ12,12,…をプラットホームPの搬送スペースの床上からZ方向(高さ方向)において所定高さに設定する役目をなす。スタンド13によって設定されたフレーム11及びローラ12,12,…の高さは、作業員が作動状態を監視,管理し易い高さとすることが好ましい。コンベア1の各搬送終点S2の箇所には、システムとして停止ユニット2と、停止位置合せユニット3と、リフトユニット4とが備えられている(図3図5等参照)。
【0036】
システムにおいて、前記停止ユニット2は、コンベア1の搬送終点S2となる位置で荷物Nの移動動作を停止させる役目をなすものである〔図2図3(B)参照〕。また、コンベア1の搬送コース上において、トラック荷台9への荷物Nの積載作業の状況に応じて搬送終点S2の変化する位置を決定する役目もなす(図7参照)。さらに、コンベア1の搬送コース上において、搬送される複数の荷物N同士が衝突しないように、一定の間隔を保つようにする役目も有する。
【0037】
停止ユニット2は、停止板部21と機構部22とを備え、停止板部21は機構部22によってZ方向つまり上下方向に移動する構造を有する(図7参照)。停止板部21は、平板状の板であり、その板面21aはX方向に対して垂直状に直交すると共に面方向はY方向に沿うものである(図6参照)。停止板部21の板面21aの下端には水平状の基片21bが形成されている。
【0038】
機構部22は、空圧シリンダ等の動力部22aと取付部22bとを備えている。前記停止板部21の基片21bが機構部22の動力部22aに取り付けられている。機構部22の取付部22bがコンベア1のフレーム11又はスタンド13等に取り付けられ、停止ユニット2がコンベア1に装着される(図7参照)。停止ユニット2は、コンベア1の搬送方向(X方向)に沿って複数台が所定間隔又は等間隔をおいて設置されている〔図1図3(B),図7等参照〕。
【0039】
停止ユニット2は、前述したように、コンベア1のフレーム11又はスタンド13等に装着され、停止板部21はコンベア1のX方向に隣接するローラ12,12間の隙間より上下方向(Z方向)に移動(昇降)して出没動作を行うようになっている〔図5(C),(D)参照〕。そして、コンベア1の搬送方向において任意の停止ユニット2に搬送終点S2としての役目となったときに、停止板部21が隣接するローラ12,12間より上方(Z方向)に突出して、停止板部21の板面21aがコンベア1によって搬送された荷物Nを停止させる役目をなす(図7参照)。
【0040】
また、何れか1つの停止ユニット2の停止板部21がコンベア1上の荷物Nを停止させているときには、その他の全ての停止ユニット2の停止板部21もその他の荷物Nを停止させる。さらに具体的に述べると、コンベア1の搬送コース上には通常複数の荷物Nが所定間隔をおいて配列され搬送される。
【0041】
そして、例えば、搬送終点S2がコンベア1のX方向(搬送方向)において終端に位置しているときには、コンベア1の終端に位置する搬送終点S2の停止ユニット2が荷物Nを停止させるだけでなく、他のコンベア1のX方向中間位置に設けられた全ての搬送終点S2の停止ユニット2の停止板部21もローラ12,12,…上から突出して各停止ユニット2に直近する搬送コース上の荷物Nを停止させる。
【0042】
これによって、全ての停止ユニット2の停止板部21は、先行する荷物Nと次位にある荷物N同士が衝突しないようにする役目もなすものである。このようにして、複数の停止ユニット2の停止板部21は、同時にそれぞれに直近する荷物Nを停止させることで搬送コース上に搬送される複数の荷物Nが常時所定間隔を維持することができるようになっている。
【0043】
つまり、コンベア1の終端位置を除く搬送方向(X方向)中間の位置に設置された停止ユニット2は、コンベア1に搬送される荷物が常時等間隔となるように規制する役目もなす。そして前後に隣接する荷物同士の設定された間隔が規定よりも狭くなった場合(間隔が縮まった場合)に後方に位置する荷物Nを一時的に停止させる役目もなす(図1参照)。
【0044】
停止ユニット2におけるこれらの動作は、例えばコンベア1等に備えられた図示されないセンサによって制御される。また、コンベア1の搬送方向(X方向)の終端位置に位置する停止ユニット2の停止板部21は常時突出した状態に固定されたものであっても構わない。このコンベア1の終端位置において、停止ユニット2は機構部22を有しないものであってもかまわない。
【0045】
次に、システムにおける停止位置合せユニット3は、コンベア1にて搬送される荷物を搬送終点S2の位置に正確に停止させる役目をなすものである〔図2図4(A)乃至(C),図7等参照〕。停止位置合せユニット3は、押圧部31と位置合せ機構部32とを備えている〔図5(A),(B),図6参照〕。停止位置合せユニット3の押圧部31は、位置合せ機構部32によって制御される。
【0046】
位置合せ機構部32による押圧部31の制御は、押圧部31をコンベア1の搬送コースの内外に移動させる役目と、押圧部31を荷物Nの後方に当接させて押圧するようにコンベア1のX方向(搬送方向)に移動させ、荷物Nの搬送移動方向(X方向)の前方側面を搬送終点S2に対応する停止板部21に当接させ、荷物Nを搬送終点S2に正確に停止させる役目をなす。
【0047】
停止位置合せユニット3において、押圧部31は位置合せ機構部32によって、コンベア1の搬送方向(X方向)に対して直角となる垂直面(Z方向の面)上を回動する構成としたものである。押圧部31は、回動軸31aに押圧片31bが形成されたものである。該押圧片31bは略方形状の枠状部材として形成されている〔図5(A),(B),図6参照〕。
【0048】
回動軸31aは、位置合せ機構部32に備えられた枢支連結部3pに回動自在に連結され、同様に位置合せ機構部32に備えられた空圧シリンダ又はリンク機構等の回動アクチュエータ32bを備えており、該回動アクチュエータ32bにより踏切のような回動動作を行うように制御される〔図2図5(A),(B),図6参照〕。
【0049】
押圧部31の回動動作は、押圧部31がコンベア1の搬送コース内に踏み切り状態で回動して出没するものであり、押圧部31の回動軸31aがコンベア1の搬送コース内でコンベア1の幅方向(Y方向)に沿って水平状となった状態で、回動軸31aの上方側に押圧片31bが位置する。この状態で、押圧片31bは、搬送コース内を直交且つ垂直面上に配置された状態となり、該押圧片31bがコンベア1上の荷物NをX方向に沿って移動させ、停止ユニット2の停止板部21に押圧させる状態となる。
【0050】
位置合せ機構部32は、押圧部31をコンベア1の搬送方向に沿って往復移動させる空圧シリンダ等の往復アクチュエータ32aを有している〔図5(A),(B)参照〕。該往復アクチュエータ32aにより、押圧部31は、コンベア1の搬送方向(X方向)に往復移動することができる。停止位置合せユニット3の押圧部31と、前記停止ユニット2の停止板部21とにより荷物Nを前後方向に挟持状態とし、該荷物Nを搬送終点S2に正確に停止状態とさせることができる〔図2(D),図4(B),図5(C),(D)参照〕。また、特に図示しないが、停止位置合せユニット3の押圧部31は、コンベア1の搬送方向に対して水平面上を回動する構成とする実施形態も存在する。
【0051】
次に、リフトユニット4について説明する。該リフトユニット4は、コンベア1で搬送される荷物Nが搬送終点S2に到達し、前記停止ユニット2と前記停止位置合せユニット3によって、正確な位置に停止した状態で、荷物Nをコンベア1のローラ12,12,…上方に移動させる役目をなす〔図5(C),(D),図6図7参照〕。荷物Nをコンベア1のローラ12,12,…から上昇させ、荷物Nの下面と、ローラ12の頂部とを離間させる隙間を設けることにより、後述する積載作業ロボットAに備えられたフォークを荷物Nの下面側に配置することができるようにしている。
【0052】
リフトユニット4は、リフト片41とリフト機構部42とを備え、該リフト機構部42によってリフト片41を昇降(又は上下動)させる。そして、複数のリフト片41,41,…の各リフト片41は、前記コンベア1の隣接するローラ12,12間に配置されると共に、前記リフト片41は前記リフト機構部42によって前記ローラ12の頂部の上方と下方とを昇降する構成である。リフト片41は垂直板状で且つその上端には水平面状の端片が形成されており、荷物Nの下面との接触を面接触状態とし、荷物Nに集中荷重がかからないようにしている。
【0053】
さらに、詳しく以下に述べると、前記リフト機構部42は、空圧シリンダ又はリンク機構等の昇降アクチュエータ42aを備えており、リフト機構部42がフレーム11又はスタンド13等に装着されている(図3図7等参照)。リフトユニット4は、コンベア1の搬送方向(X方向)において所定の間隔で複数箇所に設置される。
【0054】
そして、1つのリフトユニット4には、複数のリフト片41,41,…が備わっており、複数のリフト片41,41,…がベースにまとめられて構成されており、複数のリフト片41,41,…がリフト機構部42の昇降アクチュエータ42aによって上下方向(Z方向)に昇降する構成となっている。それぞれのリフト片41は、コンベア1のX方向に隣接するローラ12,12間に上下方向に出没自在に配置されている〔図5(C),(D),図6等参照〕。
【0055】
1つのリフトユニット4においてリフト片41は、約2個乃至約8個程度が設けられている。リフト片41が非作動状態のときには、リフト片41の頂部はコンベア1のローラ12の頂部を越えない位置にあり、具体的には、リフト片41の頂部はローラ12の頂部よりも下方に位置している。そして、リフトユニット4によって荷物Nを上方に持ち上げる上昇作動時には、リフト片41の頂部がローラ12の頂部から上方(Z方向)に突出する〔図5(C),(D)参照〕。
【0056】
これによって荷物Nは、コンベア1の搬送終点S2にて、リフトユニット4によりローラ12の頂部より上方に持ち上げられ、荷物Nの下面とローラ12の頂部との間が離間し、隙間が生じ、後述するように、積載作業ロボットAのフォーク7が荷物Nの下方に生じた隙間に挿入することができる。
【0057】
リフトユニット4は、その作動時において、他の機器(積載作業ロボットA,停止ユニット2,停止位置合わせユニット3等)と相互に動作干渉しないものであれば上述した構成以外の装置であっても構わない。その他の構成としたリフトユニット4は、特に図示しないが、コンベア1の上方又は横側からクレーン機構や掴持機構等で荷物Nを持ち上げるものや、吸盤機構によって荷物Nを持ち上げるもの等が存在する。
【0058】
次に、積載作業ロボットAは、ハンド部A1と本体部51とアーム部52と吸引保持部6とを有している(図3図4参照)。ハンド部A1は、主に、コンベア1上の荷物Nを受けて保持する役目を有している。本体部51は、プラットホームPに設置されており、水平面上を電動にて回動する。また、アーム部52は多関節となる構造で、X,Y,Z方向に電動により移動する。積載作業ロボットAは、コンベア1の搬送方向つまりX方向と同一方向に延在するガイドレール8が具備されている(図1参照)。該ガイドレール8は、積載作業ロボットAをコンベア1の搬送方向(X方向)に沿って移動させる役目をなすものである。
【0059】
該アーム部52の先端には、ハンド部A1が備わっており、該ハンド部A1には、アタッチメントとしての吸引保持部6とフォーク7とが備わっている(図1図3図4等参照)。吸引保持部6は、保持板61と多数の吸盤62,62,…とを備えたものであり、前記保持板61はとXY平面上において略L字形状に形成されており〔図1図2図4等参照)、該保持板61には多数の吸盤62,62,…装着されたものである。該吸盤62は、空気圧によって荷物Nの外面に吸い付いて吸引しつつ荷物Nを保持する。
【0060】
吸引保持部6は、保持板61を大きなサイズとすることにより、2つの荷物Nが2段積みされたものを一度に吸引保持することができるようになっている。実際には、保持板61を大きなサイズとする場合とは、2つの保持板61を上下2個とする構成である〔図3図4図5(E)等参照〕。また、吸引保持部6を小型にして1個の荷物Nに対応したり、或いは吸引保持部6をさらに、大型にして3個以上の荷物Nを同時に保持できるようにすることも可能である。
【0061】
ハンド部A1の吸引保持部6の下方位置には、フォーク7が備わっている。該フォーク7は、2本設けられており、両該フォーク7,7が平行に並列状態の構成でハンド部A1に組み込まれる。フォーク7は、吸引保持部6の吸引方向との平行状態を維持しながら、該吸引保持部6の下方位置から出没するように構成されている。
【0062】
前記フォーク7には、フォーク機構部71が設けられ空気圧シリンダ等のフォークアクチュエータが具備され、フォーク7が出没するように構成されている。フォーク7は突出した状態で、コンベア1で搬送終点S2に到達した荷物Nの下面側に挿入される。
【0063】
フォーク7は、前記リフトユニット4の動作に伴って作動し、コンベア1の搬送終点S2で正確に停止した荷物Nがリフトユニット4によってコンベア1の搬送コースから上昇し、荷物Nの下面が搬送コースから上昇して浮き上がる状態となる。この浮き上がった状態の荷物Nと、コンベア1の搬送コースのローラ12,12,…の頂部との隙間にフォーク7が挿入され、該フォーク7にて荷物Nを下面より支持しつつ、吸引保持部6によって荷物Nを吸引保持し、荷物Nがコンベア1からトラック荷台9側に搬送される。
【0064】
フォーク7は、コンベア1の搬送コース上でリフトユニット4によって上昇した荷物Nの下面に挿入されるときには、荷物Nの下面と僅かな隙間を有して非接触状態であり、荷物Nの下面がフォーク7とこすれないようにして、荷物Nの損傷を防止する。ハンド部A1を上昇させることによりフォーク7が荷物Nの下面に当接し、フォーク7によって荷物Nを保持し、次に、略同時に吸引保持部6の吸盤62,62,…が空気圧を下げる動作を行い荷物Nを吸引する。
【0065】
本発明において、停止ユニット2,停止位置合せユニット3,リフトユニット4及び吸引保持部6を備えた積載作業ロボットAのシステムのコンベア1によってトラック荷台9への積載装置が構成される(図1参照)。この積載装置は、工場において段ボール箱等に生産された製品が箱詰めされた直方体状の荷物Nを出荷待機所に貯蔵しておき、上記積載装置によってトラック荷台9に荷物Nを搬送積載するものである。
【0066】
コンベア1には、停止ユニット2,停止位置合せユニット3及びリフトユニット4が一組となっては、所定間隔をおいて複数組が設置される。また、搬送出発点S1には出荷待機状態にある多数の荷物N,N,…をコンベア1の搬送コース上に載置するためのコンベア移送ロボットBが設置されている。該コンベア移送ロボットBは、積載作業ロボットAと略同等の構造をなし、本体部,アーム部及び吸引保持部を有している。
【0067】
本発明による荷物Nの積載方法の過程を図1乃至図8に基づいて説明する。まず、プラットホームPにおいて、出荷待機状態の多数の荷物N,N,…がコンベア1の搬送出発点S1付近に配置される(図1参照)。該搬送出発点S1の付近に設置されたコンベア移送ロボットBにより、出荷待機状態の荷物Nがコンベア1の搬送出発点S1に移送載置される。
【0068】
このとき、荷物Nは上下方向(Z方向)に2段積みされたものがコンベア1の搬送コース上に載置されることが搬送作業の効率を良好にすることができる。また、作業状況に応じて荷物Nは単体としても良い。コンベア1はローラ12,12,…が電動機等によって自転しており、荷物Nはコンベア1の搬送コース上を搬送出発点S1から搬送終点S2に向かって自走する〔図2(A),(B),図7等参照〕。
【0069】
次に、荷物Nがコンベア1のX方向に沿って搬送され、搬送終点S2に到達すると、停止ユニット2の停止板部21に荷物Nが当接する。該荷物Nが停止板部21に当接した衝撃・反動で僅かながら後戻りするようなことも有り得る〔図2(C)及び図4(Aの(I),(II) )参照〕。このような状況に応じるために、停止位置合せユニット3が作動して、押圧部31が荷物Nを停止板部21に当接させて、荷物Nが搬送終点S2の位置に正確に停止するように設定する〔図2(D),図4(Bの(I),(II) ),図7(C),(D)等参照〕。なお、荷物Nが搬送終点S2の位置に正確に停止すると、種々の図示しないセンサが作用して停止ユニット3の作動は完了し終了する。
【0070】
次いで、コンベア1の搬送終点S2に設置されたリフトユニット4のリフト片41の上昇によって、荷物Nがコンベア1の搬送コースのローラ12,12,…上から上昇させられ、該荷物Nの下面とローラ12,12,…とはZ方向(上下方向)において離間し、荷物Nの下面とローラ12,12,…との間に隙間が生じる〔図2(E),図4(Cの(II)),図5(D),図7(D),図8(B)等参照〕。
【0071】
次に、積載作業ロボットAのハンド部A1の吸引保持部6が、本体部51とアーム部52との動作によって、コンベア1の搬送終点S2に停止している荷物Nに近接し、保持板61が荷物Nを包持するように設定する〔図2(E),(F),図4(Cの(I)),図8(B),(C)等参照〕。
【0072】
次いで、ハンド部A1のフォーク7が、荷物Nの下面側と、コンベア1のローラ12の頂部との間の隙間に挿入する〔図2(F),図4(Cの(II)),図8(C),(D),(E)参照〕。このとき、フォーク7とリフトユニット4のリフト片41とは相互に干渉しないように設定されている〔図4(C),図7(D)参照〕。
【0073】
また、フォーク7が前記隙間に挿入する時点では、荷物Nの下面と、フォーク7との間には僅かな隙間が存在する。つまり、荷物Nの下面と、フォーク7とは挿入動作時には非接触であり、フォーク7が荷物Nの下面とこすれ合うことがないようにして、荷物Nに傷を付けることを防止するものである〔図8(D)参照〕。
【0074】
次いで、ハンド部A1がZ方向に上昇し、フォーク7がリフトユニット4のリフト片41の頂部を超える位置まで僅かに上昇し、フォーク7と荷物Nの下面とが接触することになり、フォーク7が荷物Nを下面より保持する状態となる〔図8(E)参照〕。次に、ハンド部A1の吸引保持部6の吸盤62,62,…が荷物Nの外側面部分を吸引保持し、吸引保持部6の吸盤62,62,…と、フォーク7とにより荷物Nは下面と外側面とが保持される状態となる〔図2(F),(G),(H),図4(D),図8(F)参照〕。
【0075】
次に、荷物Nは、積載作業ロボットAのハンド部A1の吸引保持部6とフォーク7とによって、コンベア1の搬送コースの搬送終点S2上から離間され、トラック荷台9の所定位置に所定の状態で移動され、トラック荷台9の適正位置に配置される。この動作が順次繰り返されて、トラック荷台9に荷物Nが積載されてゆく。
【0076】
上記積載作業において、積載装置による荷物Nのトラック荷台9への積載作業が進むにしたがって、搬送終点S2の位置が変化することになる。まず、トラック荷台9とコンベア1とを略平行状態に配置し、トラック荷台9の前方側と、コンベア1のX方向の終端の搬送終点S2とが略一致するようにした場合において、トラック荷台9の前方側から積載を開始し、後方側に向かって荷物Nの積載を行うものとする(図1参照)。
【0077】
そして、積載作業が進むにしたがって、トラック荷台9の前方側の荷物Nの積載が満杯になるに従い、トラック荷台9の荷物Nの積載スペースは後方側に移動してゆく。これに伴って、コンベア1の搬送終点S2も、X方向に沿って荷物Nの搬送方向とは反対側、つまり、搬送出発点S1側に移動することになる。そのために、積載作業ロボットAの位置も搬送終点S2と共に変化する。積載作業ロボットAは、搬送終点S2の位置の変化に従って、ガイドレール8に沿って新たな搬送終点S2の位置に移動する。
【0078】
また、搬送終点S2は、搬送出発点S1に向かって位置を変化させるが、変化する位置は予め設定されている。トラック荷台9の大きさ又はコンベア1のX方向の長さによって、変化する搬送終点S2の位置は複数箇所設定される。その位置に、停止ユニット2,停止位置合せユニット3及びリフトユニット4を含めたシステムも設置されている。
【0079】
そしてトラック荷台9への荷物Nの積載が進むにしたがって、搬送終点S2の位置が適宜に段階的に変化し、積載作業ロボットAもその変化した搬送終点S2の位置に追従するようにガイドレール8に沿って移動し、新たな搬送終点S2にて停止ユニット2,停止位置合せユニット3及びリフトユニット4及び積載作業ロボットAが動作することになる。
【符号の説明】
【0080】
1…コンベア、12…ローラ、2…停止ユニット、3…停止位置合せユニット、
31…押圧部、4…リフトユニット、41…リフト片、42…リフト機構部、
A…積載作業ロボット、51…本体部、52…アーム部、A1…ハンド部、
6…吸引保持部、7…フォーク、7…フォーク、9…トラック荷台、N…荷物、
S1…搬送出発点、S2…搬送終点。
【要約】
【目的】工場で生産された製品の荷物を積載作業ロボットによってトラック荷台の所定位置に正確に配置することができるトラックへの積載方法及び積載装置とすること。
【構成】荷物Nをコンベア1の搬送出発点S1の位置に載置し、コンベア1によって搬送終点S2に搬送されると共に停止位置合せユニット3は荷物Nを搬送終点S2に位置合せして停止状態とする。荷物Nをリフトユニット4にてコンベア1上に上昇させ、積載作業ロボットAは、停止した荷物Nの下方にフォーク7を挿入しつつ吸引保持部6で保持し、待機状態のトラック荷台9に、荷物Nを配置すること。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8