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特許7161257情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/169 20200101AFI20221019BHJP
【FI】
G06F40/169
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022031563
(22)【出願日】2022-03-02
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2021083474
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519363649
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】押谷 昌宗
(72)【発明者】
【氏名】奥村 光平
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091208(JP,A)
【文献】特許第6799700(JP,B1)
【文献】特開2004-287907(JP,A)
【文献】特開2019-032608(JP,A)
【文献】特開2005-309973(JP,A)
【文献】特開2003-296316(JP,A)
【文献】特表2011-501847(JP,A)
【文献】特開2016-126398(JP,A)
【文献】特開平9-114868(JP,A)
【文献】特開2020-187493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/169
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
生成ステップでは、少なくとも1人のユーザによって編集可能な、第1のファイル形式を有する文書ファイルを生成し、ここで前記文書ファイルは、その本文とは区別可能な確認入力パートを予め含み、
第1の受付ステップでは、前記ユーザから、前記本文に対する編集と、前記確認入力パートへの第1の入力を受け付け
変換ステップでは、前記文書ファイルに含まれる前記確認入力パートを削除して、前記文書ファイルを前記第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式に変換する、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記変換ステップでは、前記第1の入力が所定条件を満たす場合に、前記文書ファイルを前記第2のファイル形式に変換する、もの。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、出力制御ステップをさらに実行するように構成され、
前記出力制御ステップでは、前記第1の入力が前記所定条件を満たさなかった場合に、第1の警告を出力する、もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、次の各ステップをさらに実行するように構成され、
第2の受付ステップでは、予め記憶された、異なる複数の雛形データのうちから少なくとも1つを選択するための第2の入力を、前記ユーザから受け付け、
前記生成ステップでは、前記第2の入力に基づいて、前記雛形データに対応する前記文書ファイルを生成する、もの。
【請求項5】
請求項1~請求項の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、第3の受付ステップをさらに実行するように構成され、
前記第3の受付ステップでは、前記文書ファイルを変換するための第3の入力を、前記ユーザから受け付け、
前記変換ステップでは、前記第3の入力に基づいて、前記文書ファイルを前記第2のファイル形式に変換する、もの。
【請求項6】
請求項1~請求項の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記確認入力パートは、少なくとも1つのチェック項目からなるチェックリストである、もの。
【請求項7】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記変換ステップでは、前記第1の入力が所定条件を満たす場合に、前記文書ファイルを前記第2のファイル形式に変換し、
前記所定条件は、前記チェックリストに含まれる全てのチェック項目に対する、前記ユーザに選択されたものの割合に関する条件を含む、もの。
【請求項8】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記所定条件は、前記割合が予め定められた値以上であることを含む、もの。
【請求項9】
請求項又は請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記所定条件は、前記チェックリストに含まれる全てのチェック項目が前記ユーザに選択されたことを含む、もの。
【請求項10】
請求項1~請求項の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、出力制御ステップをさらに実行するように構成され、
前記ユーザは、第1のユーザと、第2のユーザとを含み、
前記確認入力パートは、前記第1のユーザが入力する第1のパートと、前記第2のユーザが入力する第2のパートとを備え、
前記出力制御ステップでは、前記第1のユーザ及び前記第2のユーザの一方が前記第1のパート及び前記第2のパートの両方を入力した場合に、第2の警告を出力する、もの。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第1のファイル形式は、Wordファイル形式であり、
前記第2のファイル形式は、テキストファイル形式、PDFファイル形式、HTMLファイル形式、JPGファイル形式、PNGファイル形式、GIFファイル形式、EPSファイル形式、PowerPointファイル形式及びVISIOファイル形式のうちの少なくとも1つである、もの。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記文書ファイルにおける本文は、予め定められた様式を有する、もの。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1のファイル形式は、Wordファイル形式であり、
前記第2のファイル形式は、HTMLファイル形式、JPGファイル形式、PNGファイル形式及びGIFファイル形式のうちの少なくとも1つであり、
前記文書ファイルにおける本文は、特許庁に提出する庁提出書類に記載される内容である、もの。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理システムにおいて、
前記特許庁に提出する庁提出書類は、特許願、実用新案登録願、意匠登録願、商標登録願、出願審査請求書、早期審査に関する事情説明書、優先審査に関する事情説明書、期間延長請求書、出願人名義変更届、上申書、意見書、手続補正書、手続補足書、誤訳訂正書、審判請求書、特許料納付書、登録料納付書、国内書面、翻訳文提出書及び国際出願翻訳文提出書のうちの少なくとも1つを含む、もの。
【請求項15】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項14の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
【請求項16】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項14の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
編集のしやすい第1のファイル形式で文書ファイルを編集、作成又は校閲等して、その文書ファイルに含まれる内容が確定した後に、予め定められた形式である第2のファイル形式に変換してその後の手続きを進める場面が多々存在する。例えば、特許文献1には、文書ファイルのファイル形式をPDFファイル形式に変換する先行技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6799700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、ファイル形式の変換に至るまでのヒューマンエラーやワークフロー違反を見逃してしまう可能性がある。つまり、その文書ファイルに含まれる内容が本当に確定しているのか、そもそも変換して手続きを進めてよい場面なのか等を的確に判断することはできない。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、ヒューマンエラーやワークフロー違反等を抑制可能な情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の受付ステップでは、少なくとも1人のユーザによる確認入力パートへの第1の入力を受け付ける。確認入力パートは、第1のファイル形式を有する文書ファイルにおいて、その本文とは区別可能に含まれる。変換ステップでは、文書ファイルに含まれる確認入力パートを削除して、文書ファイルを第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式に変換する。
【0007】
このような態様によれば、少なくとも1人のユーザが適切な条件を判断した上で、ファイル形式の変換を実行することができるため、適切でない場合に誤ってファイル形式を変換してしまうといった、ヒューマンエラーやワークフロー違反等を抑制可能な情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】情報処理装置1における制御部13等によって実現される機能を示すブロック図である。
図3】情報処理装置1による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
図4】第1のファイル形式で生成された文書ファイルの一例であるWordファイル2を示す図である。
図5】第1のファイル形式で生成された文書ファイルの一例であるWordファイル2を示す図である。
図6】表示部14に表示される画面の一例である。
図7】表示部14に表示される画面の一例である。
図8】第2のファイル形式で生成された文書ファイルの一例であるHTMLファイル3を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。本実施形態において、情報処理システムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、例えば情報処理装置1単体であっても情報処理システムの一例となる。以下、情報処理システムの一例である情報処理装置1のハードウェア構成について説明する。
【0014】
図1は、情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、表示部14と、入力部15とを備え、これらの構成要素が情報処理装置1の内部において通信バス10を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0015】
通信部11は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置1は、通信部11及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0016】
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部13によって実行される情報処理装置1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部13によって実行される情報処理装置1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。本実施形態では、記憶部12は、雛形データを記憶する。
【0017】
制御部13は、情報処理装置1に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部13は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部13は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置1に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部13によって具体的に実現されることで、制御部13に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部13は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部13を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0018】
表示部14は、例えば、情報処理装置1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部14は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、情報処理装置1の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0019】
入力部15は、情報処理装置1の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部15は、表示部14と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部15がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス10を介して制御部13に転送され、制御部13が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0020】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部13によって具体的に実現されることで、制御部13に含まれる各機能部が実行されうる。
【0021】
図2は、情報処理装置1における制御部13等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、制御部13は、読出部131と、受付部132と、特定部133と、生成部134と、変換部135と、出力制御部136とを備える。
【0022】
読出部131は、通信部11を介して外部から受け付けた又は予め記憶部12に記憶された種々の情報を読み出すように構成される。例えば、読出部131は、読出ステップを実行するように構成されてもよい。特に、読出部131は、予め記憶部12に記憶された複数の文書ファイルのうちの少なくとも1つを読み出す。
【0023】
受付部132は、種々の情報を受け付けるように構成される。例えば、受付部132は、第1の受付ステップと、第2の受付ステップと、第3の受付ステップとを実行するように構成されてもよい。これについては後にさらに詳述する。特に、受付部132は、読出部131が記憶部12から読み出した情報、入力部15を介してユーザから入力された情報等を受け付ける。本実施形態では、受付部132が受け付けた種々の情報は、記憶部12に記憶されるものとして説明する。
【0024】
特定部133は、種々の情報を特定するように構成される。例えば、特定部133は、特定ステップを実行するように構成されてもよい。特に、特定部133は、文書ファイルの種別又は文書ファイルの形式を特定する。また、特定部133は、チェックリスト22へのユーザの入力が、所定の条件を満たしたか否かを特定する。これについては後にさらに詳述する。
【0025】
生成部134は、種々の情報を生成するように構成される。例えば、生成部134は、生成ステップを実行するように構成されてもよい。これについては後にさらに詳述する。特に、生成部134は、特定部133が特定した種別の文書ファイルを生成する。また、生成部134は、読出部131が記憶部12から読み出した雛形データに対応する文書ファイルを生成する。
【0026】
変換部135は、必要に応じて文書ファイルの形式を変換するように構成される。例えば、変換部135は、変換ステップを実行するように構成されてもよい。これについては後にさらに詳述する。
【0027】
出力制御部136は、種々の情報を出力するように構成される。例えば、出力制御部136は、出力制御ステップを実行するように構成されてもよい。具体的には例えば、出力制御部136は、表示部14に所望の視覚情報を表示させるための表示情報を出力する。この表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものでもよいし、表示させるためのレンダリング情報でもよい。さらに、視覚情報又は表示情報に特に限定されず、聴覚情報、触覚情報又はこれらの組合せであってもよい。これについては後にさらに詳述する。
【0028】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理装置1によって実行される情報処理方法について説明する。
【0029】
3.1 情報処理の概要
先に、情報処理の概要を説明する。まず、受付部132は、第1の受付ステップとして、少なくとも1人のユーザによる確認入力パートへの第1の入力を受け付ける。確認入力パートは、第1のファイル形式を有する文書ファイルにおいて、その本文21とは区別可能に含まれる。続いて、変換部135は、文書ファイルに含まれる確認入力パートを削除して、文書ファイルを第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式に変換する。
【0030】
以上のような情報処理によれば、所望の文書ファイルそのものを用いつつ、少なくとも1人のユーザが適切な条件を判断した上で、ファイル形式の変換を実行することができる。そのため、適切でない場合に誤ってファイル形式を変換してしまうといった、ヒューマンエラーやワークフロー違反等を、ユーザにとって負担なく抑制することができる。
【0031】
3.2 情報処理の詳細
続いて、アクティビティ図を参照しながら、前述した情報処理の詳細について説明する。図3は、情報処理装置1による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。以下の実施形態において、ユーザは、予め定められたファイル形式の文書ファイル作成を行う作業者である。以下では、好ましい実施形態の一例として、ユーザは、第1のユーザと、第2のユーザとを含み、第1のユーザ及び第2のユーザが、特許事務所の職員であるものとして説明をする。また、以下では、第1のユーザが文書ファイルを作成し、第2のユーザに文書ファイルのチェックを依頼する場面を想定して説明をする。
【0032】
まず、受付部132は、第2の受付ステップとして、予め記憶された、異なる複数の雛形データのうちから少なくとも1つを選択するための選択入力(第2の入力の一例)を、第1のユーザから受け付ける(アクティビティA001)。具体的には例えば、受付部132は、文書ファイルの任意の雛形データを選択するための選択入力を、第1のユーザによるマウスのクリック操作等を介して受け付ける。
【0033】
次に、読出部131は、選択入力に基づいて、記憶部12に記憶された雛形データの中から特定の雛形データを読み出す(アクティビティA002)。
【0034】
次に、生成部134は、生成ステップとして、読み出された雛形データに対応する、第1のファイル形式を有する文書ファイルを生成する(アクティビティA003)。つまり、生成部134は、選択入力に基づいて、文書ファイルを生成する。具体的には例えば、生成部134は、第1のユーザによって選択された「特許料納付書」の雛形データに対応するWordファイル形式の文書ファイルを生成する。すなわち、好ましくは、第1のファイル形式は、Wordファイル形式である。生成部134が編集の容易なWordファイル形式を生成することで、第1のユーザがより作業をしやすい態様を実現することができる。
【0035】
図4及び図5は、第1のファイル形式で生成された文書ファイルの一例であるWordファイル2を示す図である。図4及び図5に示すように、Wordファイル2は、本文21と、確認入力パートの一例であるチェックリスト22とを含む。つまり、好ましくは、アクティビティA003において、生成部134は、確認入力パートを予め含む文書ファイルを生成する。また、確認入力パートは、少なくとも1つのチェック項目、例えばチェック項目221、チェック項目222、及びチェック項目223からなるチェックリスト22である。
【0036】
図4及び図5に示すように、Wordファイル2におけるチェックリスト22は、本文21とは区別可能に含まれている。チェックリスト22と本文21との区別の態様は、例えば、チェックリスト22を特定記号23、図形、枠線等で囲む、チェックリスト22中の文字のフォントの種類、サイズ、色、背景色等を変更する、チェックリスト22をWordのコメント機能によって表示させる等であってよい。
【0037】
次に、文書ファイルの編集を終えた第1のユーザは、作成した文書ファイルが適切であるかどうかを、チェックリスト22に基づいて判断する。これを他の観点から述べると、受付部132は、第1の受付ステップとして、チェックリスト22への入力(第1の入力の一例)を、第1のユーザから受け付ける(アクティビティA004)。具体的には例えば、受付部132は、チェック項目221~チェック項目223の何れかに対する選択入力を、第1のユーザによるマウスのクリック操作等を介して受け付ける。
【0038】
図4の例には、チェック項目221~チェック項目223のチェックボックスが空白になっており、これらが未選択である態様が示されている。一方で、図5の例には、チェック項目221~チェック項目223のチェックボックスが全て選択された態様が示されている。チェック項目221~チェック項目223が選択されたことを示す態様は、ユーザが視覚的に認識可能な態様であれば、特に制限はない。例えば、図5に示すように、チェックボックスにバツ印やレ印等のマークを表示する、チェックボックスを塗りつぶす等の方法が用いられてよい。
【0039】
次に、特定部133は、第1のパート以外のチェック項目が、第1のユーザによって選択入力されたか否かを特定する(アクティビティA005)。好ましくは、チェックリスト22は、第1のユーザが入力する第1のパートと、第2のユーザが入力する第2のパートとを備えている。図4及び図5の例では、(担当者)との記載があるチェック項目221が、第1のユーザの入力箇所である第1のパートの一例であり、(チェッカー)との記載があるチェック項目222が、第2のユーザの入力箇所である第2のパートの一例である。
【0040】
次に、第1のパート以外のチェック項目が第1のユーザによって選択入力されたことを特定部133が特定した場合、出力制御部136は、入力エラーがある旨の警告(第2の警告の一例)を表示部14に表示させる(アクティビティA006)。図6は、表示部14に表示される画面の一例である。具体的には例えば、出力制御部136は、警告画面4を表示部14に表示させてよい。
【0041】
特定部133が上記を特定する方法は、以下の態様が用いられてよい。例えば、チェック項目221~チェック項目223のチェックボックスに予め設定された属性と、記憶部12に記憶された参照情報IF1とに基づいて、第1のユーザが第1のパート以外を入力したか否かが特定されてよい。参照情報IF1とは、ユーザを識別するためのID情報(Microsoft(登録商標)ID等)と、ユーザの役割(事務担当者、技術担当者、弁理士等)とを対応付けたテーブル等であってよい。チェック項目221~チェック項目223は、チェックボックスの属性として、ユーザの役割が設定されてよい。特定方法は上記に限らず、単に、1人のユーザから一定数以上のチェック項目の選択入力を受け付けたことを条件としてもよい。
【0042】
警告画面4は、本文41と、ボタンオブジェクト42とを備える。例えば、本文41には、第1のユーザが入力すべきでないチェック項目が入力されたことにより、入力エラーが発生した旨を示すテキストが表示されてよい。また、本文41には、第1のユーザが取るべき行動を記載したテキストがさらに表示されてよい。これにより、第1のユーザは適切なチェック項目のみを選択することができる。ボタンオブジェクト42がクリック操作等を介して第1のユーザによって押下されたことに応じて、出力制御部136は、警告画面4を非表示にしてよい。
【0043】
一方で、第1のパート以外のチェック項目が第1のユーザによって選択入力されていないことを特定部133が特定した場合には、特に処理は実行されない。第1のユーザは、作成した文書ファイルが適切であると判断し、チェック項目221に対する選択入力を完了させた後、第2のユーザへと文書ファイルのチェックを依頼する。具体的には例えば、通信部11を介して、保存されたWordファイル2が第1のユーザから第2のユーザへと送信される(アクティビティA007)。また、Wordファイル2が、クラウド上で複数のユーザにより共同編集可能な態様であってもよい。
【0044】
次に、第1のユーザから文書ファイルのチェックを依頼された第2のユーザは、第1のユーザによって作成された文書ファイルが適切であるかどうかを、チェックリスト22に基づいて判断する。これを他の観点から述べると、受付部132は、第1の受付ステップとして、チェックリスト22への入力(第1の入力の一例)を、第2のユーザから受け付ける(アクティビティA008)。具体的には例えば、受付部132は、チェック項目221~チェック項目223の何れかに対する選択入力を、第2のユーザによるマウスのクリック操作等を介して受け付ける。
【0045】
次に、特定部133は、第2のパート以外のチェック項目が、第2のユーザによって選択入力されたか否かを特定する(アクティビティA009)。
【0046】
次に、第2のパート以外のチェック項目が第2のユーザによって選択入力されたことを特定部133が特定した場合、出力制御部136は、入力エラーがある旨の警告(第2の警告の一例)を表示部14に表示させる(アクティビティA010)。具体的には例えば、出力制御部136は、警告画面4を表示部14に表示させてよい。
【0047】
一方で、第2のパート以外のチェック項目が第2のユーザによって選択入力されていないことを特定部133が特定した場合には、特に処理は実行されない。第2のユーザは、文書ファイルが適切であると判断し、チェック項目222に対する選択入力をした後、文書ファイルを第1のユーザへと戻す。具体的には例えば、通信部11を介して、保存されたWordファイル2が第2のユーザから第1のユーザへと送信される(アクティビティA011)。
【0048】
なお、別の態様として、第1のユーザでも第2のユーザでもない他のユーザに、さらにチェックが依頼されてもよい。例えば、チェックリスト22は、さらに、弁理士である第3のユーザが入力する第3のパートを備えていてもよい。図4及び図5の例では、(弁理士)との記載があるチェック項目223が、第3のユーザの入力箇所である第3のパートの一例である。本実施形態では、説明の都合上、第1のユーザ及び第2のユーザのみから、チェックリスト22への選択入力を受け付けるものとする。
【0049】
次に、受付部132は、第3の受付ステップとして、文書ファイルを変換するための入力(第3の入力の一例)を、第1のユーザから受け付ける(アクティビティA012)。具体的には例えば、受付部132は、Wordファイル2の編集画面に含まれる変換ボタン(図示せず)に対する選択入力を、第1のユーザによるマウスのクリック操作等を介して受け付ける。なお、アクティビティA012は省略可能である。
【0050】
次に、特定部133は、チェックリスト22への入力が、所定条件を満たしたか否かを特定する(アクティビティA013)。所定条件は、具体的には例えば、チェックリスト22に含まれる全てのチェック項目、すなわち、チェック項目221~チェック項目223が第1のユーザに選択されたことを含む。好ましくは、所定条件は、チェックリスト22に含まれる全てのチェック項目が選択されたことである。
【0051】
次に、出力制御部136は、チェックリスト22への入力が、所定条件を満たさなかった場合に、未選択項目がある旨の警告(第1の警告の一例)を出力する(アクティビティA014)。図7は、表示部14に表示される画面の一例である。具体的には例えば、出力制御部136は、警告画面5を表示部14に表示させてよい。
【0052】
警告画面5は、本文51と、ボタンオブジェクト52とを備える。例えば、本文51には、チェックリスト22にまだ選択入力されていないチェック項目がある旨を示すテキストが表示されてよい。また、本文51には、再度の確認を第1のユーザに促すテキストがさらに表示されてよい。ボタンオブジェクト52がクリック操作等を介して第1のユーザによって押下されたことに応じて、出力制御部136は、警告画面5を非表示にしてよい。
【0053】
アクティビティA014の処理が実行された後、再びアクティビティA012の処理が実行される。具体的には例えば、第1のユーザは、所定条件を満たすようにチェックリスト22への入力を完了させ、その後、受付部132が、文書ファイルを変換するための入力を第1のユーザから再度受け付ける。
【0054】
一方、アクティビティA013において、チェックリスト22への入力が所定条件を満たした場合、本実施形態では、チェックリスト22に含まれる全てのチェック項目が選択された場合、変換部135は、受け付けた入力に基づいて、Wordファイル2に含まれるチェックリスト22を削除する(アクティビティA015)。
【0055】
次に、変換部135は、文書ファイルを、第2のファイル形式であるHTMLファイルに変換する(アクティビティA016)。アクティビティA013、アクティビティA015、及びアクティビティA016の処理を他の側面から記載すると、変換部135は、第1の入力が所定条件を満たす場合に、文書ファイルを第2のファイル形式に変換する。図8は、第2のファイル形式で生成された文書ファイルの一例であるHTMLファイル3を示す図である。特許庁の出願ソフトにおける指定様式であるHTMLファイル形式に変換する態様とすることで、インターネットを通じて特許庁に書類を提出する手続を進めることが可能となる。
4.その他
前述の実施形態に係る情報処理システムに関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0056】
一態様において、第1の入力及び第2の入力は、表示部14の一例であるディスプレイに表示されたオブジェクトのタップ操作、キーボードによるコードの入力、マイクからの音声入力等により、なされてもよい。
【0057】
上記の実施形態では、雛形データに基づいて第1のファイル形式を有する文書ファイルを作成する態様について説明したが、別の方法で文書ファイルが作成されてもよい。例えば、文書ファイルの作成は、文書作成ソフトを用いて新規に行われてもよく、記憶部12に記憶されている文書ファイルを複製して行われてもよい。一態様において、生成部134が、チェックリスト22を含まない文書ファイルを生成してもよい。
【0058】
上記の場合において、例えば、ユーザによるボタンオブジェクトの押下等を受け付けたことに応じて、文書ファイルの種別に対応したチェックリスト22が挿入されてもよい。この場合において、特定部133は、Wordファイル2の本文21に含まれる文字、数字、記号、又はこれらの組み合わせを識別することにより、文書ファイルの種別と、これに対応するチェックリスト22を特定してよい。また、文書ファイルの内容が更新されたことに応じて、チェックリスト22が更新されてもよい。例えば、本文21に含まれる、書類名の記載に対応するチェックリスト22が挿入又は更新されてもよい。図4の例では、本文21に含まれる書類名の欄には、「特許料納付書」と記載されている。特定部133は、文書ファイルの種類が「特許料納付書」であることを特定し、図4に示すチェック項目221~チェック項目223を含むチェックリスト22を挿入してよい。
【0059】
上記の実施形態では、読み出された雛形データに対応する、第1のファイル形式を有する文書ファイルが生成される態様について説明したが、以下の態様としてもよい。例えば、特定部133が、雛形データと参照情報IF2とに基づいて文書ファイルの種別を特定し、特定された種別の文書ファイルが生成部134によって生成されてもよい。参照情報IF2とは、雛形データと、第1のファイル形式を有する文書ファイルとの対応関係を規定した情報である。
【0060】
文書ファイルの種別とは、書類の種別のことである。例えば文書ファイルの種別は、特許庁に提出する庁提出書類であってよく、具体化には例えば、特許願、実用新案登録願、意匠登録願、商標登録願、出願審査請求書、早期審査に関する事情説明書、優先審査に関する事情説明書、期間延長請求書、出願人名義変更届、上申書、意見書、手続補正書、手続補足書、誤訳訂正書、審判請求書、特許料納付書、登録料納付書、国内書面、翻訳文提出書及び国際出願翻訳文提出書のうちの少なくとも1つを含むものであってよい。また、別の態様として、文書ファイルの種別は、顧客又は提携先の特許事務所に提出する書類であってよく、例えば、鑑定書、先行技術文献等の調査報告書、拒絶理由通知書等に対するコメント、レター等であってもよい。例えば、文書ファイルの種別は、文書ファイルの属性として、個々のファイルに設定されてよい。
【0061】
好ましくは、作成される文書ファイルにおける本文21は、予め定められた様式を有する。例えば、図4及び図5に示されるように、項目名を隅付き括弧内に記載することが定められた文書ファイルであってよい。より好ましくは、文書ファイルにおける本文21は、特許庁に提出する庁提出書類に記載される内容である。例えば、図4及び図5に示されるように、本文21は、特許料納付書に記載される内容であってもよい。
【0062】
上記の実施形態では、複数のユーザによってチェックリスト22への入力がされる態様について説明したが、1人のユーザによってチェックリスト22への入力が完結してもよい。例えば、文書ファイルの種別によって、チェックリスト22に入力するユーザの人数、役職等が特定されてもよい。
【0063】
上記の実施形態では、第1のユーザが第1のパート以外を入力した場合に警告画面4が表示される態様について説明したが、以下の態様としてもよい。例えば、出力制御部136は、第1のユーザ及び第2のユーザの一方が第1のパート及び第2のパートの両方を入力した場合に、第2の警告を出力してもよい。また、第1の警告及び第2の警告は、例えば、文字、図形、アイコン、写真等、若しくはこれらの組み合わせの表示、アラート音等の音声の出力、入力部15等の振動、又はこれらの組み合わせ等であってよい。また、一態様において、第1の警告及び第2の警告は、省略されてもよい。別の態様において、警告を出力するか否かが、ユーザによって選択可能であってもよい。
【0064】
一態様において、変換部135は、Wordファイル2に含まれるチェックリスト22を削除する際に、他のテキスト、コメント等を削除してもよい。例えば、本文21の中から、特定記号23で囲まれた文章が削除されてもよい。
【0065】
上記の実施形態では、最も好ましい態様として、第1のファイル形式がWordファイル形式である態様について説明したが、これに限らず別の形式であってもよい。例えば、第1のファイル形式は、テキストファイル形式、Pagesファイル形式、OpenDocumentファイル形式のうちの少なくとも1つであってよい。
【0066】
上記の実施形態では、好ましい態様として、第2のファイル形式がHTMLファイル形式である態様について説明したが、これに限らず別の形式であってもよい。例えば、第2のファイル形式は、テキストファイル形式、PDFファイル形式、JPGファイル形式、PNGファイル形式、GIFファイル形式、EPSファイル形式、PowerPointファイル形式及びVISIOファイル形式のうちの少なくとも1つであってよい。好ましくは、第2のファイル形式は、HTMLファイル形式、JPGファイル形式、PNGファイル形式及びGIFファイル形式のうちの少なくとも1つである。
【0067】
第2のファイル形式が複数の形式を含む場合、特定部133は、文書ファイルの種別に対応した第2のファイル形式を特定する。別の態様として、受付部132が、ユーザによるファイル形式を指定する入力を受け付けたことに応じて、指定されたファイル形式への変換が実行されてもよい。
【0068】
また、別の態様として、第1のファイル形式を有する文書ファイルは、文書ファイルの種別に応じた第2のファイル形式へと変換されてよい。例えば、特許庁に提出する庁提出書類は、HTMLファイルに変換され、顧客又は提携先の特許事務所に提出する書類は、PDFファイルに変換される態様としてもよい。
【0069】
上記の実施形態では、文書ファイルを第2のファイル形式へと変換するための所定条件が、チェックリスト22に含まれる全てのチェック項目が選択された場合である態様について説明したが、一部のチェック項目が選択された場合に、文書ファイルの変換が実行されてもよい。好ましくは、所定条件は、チェックリスト22に含まれる全てのチェック項目、すなわち、チェック項目221~~チェック項目223に対する、ユーザに選択されたものの割合に関する条件を含む。より好ましくは、所定条件は、割合が予め定められた値以上であることを含んでよい。割合は、具体的には例えば、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0070】
一態様として、情報処理装置1における各ステップを備える情報処理方法が提供されてもよい。さらに、別の態様として、本実施形態を、頒布可能なプログラムとして実施してもよい。このプログラムは、コンピュータに、情報処理装置1における各ステップを実行させるものである。
【0071】
一態様として、参照情報IF1及び参照情報IF2は、ルックアップテーブル、データベース、複数の情報を関係づけた数理モデル、学習済みモデル等であってよい。
【0072】
一態様として、情報処理システムに、情報処理装置1以外の構成要素が含まれてもよい。例えば、情報処理装置1と、不図示の入力装置と、不図示の表示装置とからなる情報処理システムが実施されてもよい。これらの接続方法は特に限定されず、インターネットを介して行うサービスが提供されてもよい。
【0073】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0074】
(2)前記情報処理システムにおいて、前記変換ステップでは、前記第1の入力が所定条件を満たす場合に、前記文書ファイルを前記第2のファイル形式に変換する、もの。
【0075】
このような態様によれば、所定条件を満たす場合にのみ文書ファイルを第2のファイル形式に変換することができる。すなわち、より確実にヒューマンエラーやワークフロー違反等を抑制することができる。
【0076】
(3)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、出力制御ステップをさらに実行するように構成され、前記出力制御ステップでは、前記第1の入力が前記所定条件を満たさなかった場合に、第1の警告を出力する、もの。
【0077】
このような態様によれば、文書ファイルが所定条件を満たしていなかったことを、ユーザに認識させることができる。すなわち、適切な条件を満たすための判断をユーザに促すことができ、ユーザフレンドリーである。
【0078】
(4)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、生成ステップをさらに実行するように構成され、前記生成ステップでは、前記確認入力パートを予め含む文書ファイルを生成する、もの。
【0079】
このような態様によれば、編集作業に有利な第1のファイル形式を有する文書ファイルの生成から、第2のファイル形式への変換までを同じ情報処理システム上で実現することができ、ユーザフレンドリーである。
【0080】
(5)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、次の各ステップをさらに実行するように構成され、第2の受付ステップでは、予め記憶された、異なる複数の雛形データのうちから少なくとも1つを選択するための第2の入力を、前記ユーザから受け付け、前記生成ステップでは、前記第2の入力に基づいて、前記雛形データに対応する前記文書ファイルを生成する、もの。
【0081】
このような態様によれば、様々な文書ファイルの変換に対して、ヒューマンエラーやワークフロー違反等を抑制することができる。
【0082】
(6)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、第3の受付ステップをさらに実行するように構成され、前記第3の受付ステップでは、前記文書ファイルを変換するための第3の入力を、前記ユーザから受け付け、前記変換ステップでは、前記第3の入力に基づいて、前記文書ファイルを前記第2のファイル形式に変換する、もの。
【0083】
このような態様によれば、ユーザが所望するタイミングで、所望の第2のファイル形式に変換することができる。すなわち、ユーザビリティの高いシステムを実現することができる。
【0084】
(7)前記情報処理システムにおいて、前記確認入力パートは、少なくとも1つのチェック項目からなるチェックリストである、もの。
【0085】
このような態様によれば、文書ファイルに含まれる内容が適切な条件を満たしていることを、他のユーザが理解しやすいように可視化することができる。すなわち、チェック作業を効率化することができる。
【0086】
(8)前記情報処理システムにおいて、前記変換ステップでは、前記第1の入力が所定条件を満たす場合に、前記文書ファイルを前記第2のファイル形式に変換し、前記所定条件は、前記チェックリストに含まれる全てのチェック項目に対する、前記ユーザに選択されたものの割合に関する条件を含む、もの。
【0087】
このような態様によれば、必要なチェック項目にユーザがチェックをすることで、適切な条件を判断し、ファイル形式を変換することができる。すなわち、ユーザビリティの高いシステムを実現することができる。
【0088】
(9)前記情報処理システムにおいて、前記所定条件は、前記割合が予め定められた値以上であることを含む、もの。
【0089】
このような態様によれば、予め定められた割合以上のチェック項目が選択された場合に限り、ファイル形式を変換することができるため、ヒューマンエラーやワークフロー違反を抑制することができる。
【0090】
(10)前記情報処理システムにおいて、前記所定条件は、前記チェックリストに含まれる全てのチェック項目が前記ユーザに選択されたことを含む、もの。
【0091】
このような態様によれば、全てのチェック項目が選択された場合に限り、ファイル形式を変換することができるため、ヒューマンエラーやワークフロー違反等を抑制することができる。
【0092】
(11)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、出力制御ステップをさらに実行するように構成され、前記ユーザは、第1のユーザと、第2のユーザとを含み、前記確認入力パートは、前記第1のユーザが入力する第1のパートと、前記第2のユーザが入力する第2のパートとを備え、前記出力制御ステップでは、前記第1のユーザ及び第2のユーザの一方が前記第1のパート及び前記第2のパートの両方を入力した場合に、第2の警告を出力する、もの。
【0093】
このような態様によれば、より適切にダブルチェックの体制を実現することができる。
【0094】
(12)前記情報処理システムにおいて、前記第1のファイル形式は、Wordファイル形式であり、前記第2のファイル形式は、テキストファイル形式、PDFファイル形式、HTMLファイル形式、JPGファイル形式、PNGファイル形式、GIFファイル形式、EPSファイル形式、PowerPointファイル形式及びVISIOファイル形式のうちの少なくとも1つである、もの。
【0095】
このような態様によれば、実用的且つ汎用性の高いシステムを提供することができる。
【0096】
(13)前記情報処理システムにおいて、前記文書ファイルにおける本文は、予め定められた様式を有する、もの。
【0097】
このような態様によれば、本文の様式が定められたような厳格性を有する書類に対しても、適切でない場合に誤ってファイル形式を変換してしまうといった、ヒューマンエラーやワークフロー違反等を抑制することができる。
【0098】
(14)前記情報処理システムにおいて、前記第1のファイル形式は、Wordファイル形式であり、前記第2のファイル形式は、HTMLファイル形式、JPGファイル形式、PNGファイル形式及びGIFファイル形式のうちの少なくとも1つであり、前記文書ファイルにおける本文は、特許庁に提出する庁提出書類に記載される内容である、もの。
【0099】
このような態様によれば、インターネット出願ソフトを用いた知的財産に関する手続きにおいて、適切でない場合に誤って庁提出をしてしまうといった、ヒューマンエラーやワークフロー違反等に基づく、顧客に対する事故を抑制することができる。
【0100】
(15)前記情報処理システムにおいて、前記特許庁に提出する庁提出書類は、特許願、実用新案登録願、意匠登録願、商標登録願、出願審査請求書、早期審査に関する事情説明書、優先審査に関する事情説明書、期間延長請求書、出願人名義変更届、上申書、意見書、手続補正書、手続補足書、誤訳訂正書、審判請求書、特許料納付書、登録料納付書、国内書面、翻訳文提出書及び国際出願翻訳文提出書のうちの少なくとも1つを含む、もの。
【0101】
このような態様によれば、インターネット出願ソフトを用いた、種々の知的財産に関する手続きに対して対応させることができるため、実用的且つ汎用性の高いシステムを提供することができる。
【0102】
(16)情報処理方法であって、前記情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
【0103】
このような方法によれば、所望の文書ファイルそのものを用いつつ、少なくとも1人のユーザが適切な条件を判断した上で、ファイル形式の変換を実行することができるため、ユーザにとって負担なくヒューマンエラーやワークフロー違反等を抑制可能とすることができる。
【0104】
(17)プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【0105】
このような態様によれば、所望の文書ファイルそのものを用いつつ、少なくとも1人のユーザが適切な条件を判断した上で、ファイル形式の変換を実行することができるため、ユーザにとって負担なくヒューマンエラーやワークフロー違反等を抑制可能なプログラムを提供することができる。
もちろん、この限りではない。
【0106】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0107】
1 :情報処理装置
10 :通信バス
11 :通信部
12 :記憶部
13 :制御部
131 :読出部
132 :受付部
133 :特定部
134 :生成部
135 :変換部
136 :出力制御部
14 :表示部
15 :入力部
2 :Wordファイル
21 :本文
22 :チェックリスト
221 :チェック項目
222 :チェック項目
223 :チェック項目
23 :特定記号
3 :HTMLファイル
4 :警告画面
41 :本文
42 :ボタンオブジェクト
5 :警告画面
51 :本文
52 :ボタンオブジェクト
IF1 :参照情報
IF2 :参照情報
【要約】
【課題】ヒューマンエラーやワークフロー違反等を抑制可能な情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の受付ステップでは、少なくとも1人のユーザによる確認入力パートへの第1の入力を受け付ける。確認入力パートは、第1のファイル形式を有する文書ファイルにおいて、その本文とは区別可能に含まれる。変換ステップでは、文書ファイルに含まれる確認入力パートを削除して、文書ファイルを第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式に変換する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8