(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】測定装置、測定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1455 20060101AFI20221019BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20221019BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
A61B5/1455
A61B5/02 310A
A61B10/00 E
(21)【出願番号】P 2018075675
(22)【出願日】2018-04-10
【審査請求日】2021-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 敬
(72)【発明者】
【氏名】山田 真士
(72)【発明者】
【氏名】片桐 章宏
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-104184(JP,A)
【文献】特開2014-045814(JP,A)
【文献】国際公開第2017/199631(WO,A1)
【文献】特開2015-058126(JP,A)
【文献】国際公開第2017/188099(WO,A1)
【文献】特開平10-295656(JP,A)
【文献】特開2012-205822(JP,A)
【文献】特開2016-140373(JP,A)
【文献】特開2017-042386(JP,A)
【文献】特開2018-075076(JP,A)
【文献】特開2001-000422(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0287099(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0127979(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/1455
A61B 5/02
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部と、
を備え
、
前記生成部は、複数の前記分割波形データを、当該分割波形データの有効性に基づいて加算して前記特徴データを生成する、測定装置。
【請求項2】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部と、
を備え
、
前記生成部は、複数の前記分割波形データを、各分割波形データの有効性の指標値に応じて重み付けする、測定装置。
【請求項3】
前記生成部は、有効性の指標値が基準値よりも低い各分割波形データの重み係数をゼロにする、請求項
2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記生体の互いに異なる部位から検出された、同じ周期に対応する複数の分割波形データのうち有効性の指標値が基準値以上の各分割波形データの重み係数を均等にする、請求項
3に記載の測定装置。
【請求項5】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部と、
を備え
、
前記生成部は、複数の前記分割波形データのうち有効性が基準値以上の分割波形データを並べて前記特徴データを生成する、測定装置。
【請求項6】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部と、
を備え
、
前記複数の波形データは、互いに同じ部位から検出された、SN比が異なる2つの波形データを含み、
前記判定部は、前記2つの波形データのうちSN比が高い方の波形データの各分割波形データについて有効性を判定して、SN比が高い方および低い方の波形データの各分割波形データの有効性とする、測定装置。
【請求項7】
前記判定部は、少なくとも1つの前記分割波形データを含む各分割波形データセットと、当該分割波形データセットとは異なる複数の他の分割波形データセットとの類似度に基づいて、当該分割波形データセットに含まれる前記分割波形データの有効性を判定する、請求項1から
6のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項8】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部と、
を備え
、
前記判定部は、
少なくとも1つの前記分割波形データを含む各分割波形データセットと、当該分割波形データセットとは異なる複数の他の分割波形データセットとの類似度に基づいて、当該分割波形データセットに含まれる前記分割波形データの有効性を判定し、
前記分割波形データセットと、前記複数の他の分割波形データセットそれぞれとの複数の類似度の中央値を、当該分割波形データセットと前記複数の他の分割波形データセットとの類似度とする、測定装置。
【請求項9】
前記判定部は、各分割波形データセットと、当該分割波形データセットと同じ部位から検出された前記複数の他の分割波形データセットとの類似度に基づいて、当該分割波形データセットに含まれる前記分割波形データの有効性を判定する、請求項
7または8に記載の測定装置。
【請求項10】
前記判定部は、各分割波形データセットと、当該分割波形データセットよりも前に検出された前記複数の他の分割波形データセットとの類似度に基づいて、当該分割波形データセットに含まれる前記分割波形データの有効性を判定する、請求項
7から9のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項11】
各分割波形データセットは、同じ部位から連続して検出された複数の前記分割波形データを含む、請求項
7から10のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項12】
各分割波形データセットは、1つの前記分割波形データを含む、請求項
7から10のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項13】
前記判定部は、前記分割波形データセットと、前記複数の他の分割波形データセットとの類似度が閾値よりも大きい場合に、当該分割波形データセットに含まれる前記分割波形データを有効と判定する、請求項
7から12のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項14】
前記類似度は、相関係数である、請求項
7から13のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項15】
前記分割部は、各波形データにおいて繰り返し生じる同種の前記整数の個数ごとの特徴点の間を前記分割波形データとする、請求項1
から14のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項16】
複数の前記分割波形データの時間幅を正規化する正規化部をさらに備える、請求項
15に記載の測定装置。
【請求項17】
前記特徴データに基づいて前記生体の状態を示すパラメータを算出する算出部をさらに備える、請求項1から1
6のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項18】
前記パラメータは、前記生体の血中酸素飽和度である、請求項1
7に記載の測定装置。
【請求項19】
前記複数の波形データは、それぞれ脈波データである、請求項1から1
8のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項20】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得段階と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割段階と、
各分割波形データの有効性を判定する判定段階と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成段階と、
を備え
、
前記生成段階では、複数の前記分割波形データを、当該分割波形データの有効性に基づいて加算して前記特徴データを生成する、測定方法。
【請求項21】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得段階と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割段階と、
各分割波形データの有効性を判定する判定段階と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成段階と、
を備え
、
前記生成段階では、複数の前記分割波形データを、各分割波形データの有効性の指標値に応じて重み付けする、測定方法。
【請求項22】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得段階と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割段階と、
各分割波形データの有効性を判定する判定段階と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成段階と、
を備え
、
前記生成段階では、複数の前記分割波形データのうち有効性が基準値以上の分割波形データを並べて前記特徴データを生成する、測定方法。
【請求項23】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得段階と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割段階と、
各分割波形データの有効性を判定する判定段階と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成段階と、
を備え
、
前記複数の波形データは、互いに同じ部位から検出された、SN比が異なる2つの波形データを含み、
前記判定段階では、前記2つの波形データのうちSN比が高い方の波形データの各分割波形データについて有効性を判定して、SN比が高い方および低い方の波形データの各分割波形データの有効性とする、測定方法。
【請求項24】
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得段階と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割段階と、
各分割波形データの有効性を判定する判定段階と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成段階と、
を備え
、
前記判定段階では、
少なくとも1つの前記分割波形データを含む各分割波形データセットと、当該分割波形データセットとは異なる複数の他の分割波形データセットとの類似度に基づいて、当該分割波形データセットに含まれる前記分割波形データの有効性を判定し、
前記分割波形データセットと、前記複数の他の分割波形データセットそれぞれとの複数の類似度の中央値を、当該分割波形データセットと前記複数の他の分割波形データセットとの類似度とする、測定方法。
【請求項25】
コンピュータを、
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部、
として機能させ
、
前記生成部は、複数の前記分割波形データを、当該分割波形データの有効性に基づいて加算して前記特徴データを生成する、プログラム。
【請求項26】
コンピュータを、
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部、
として機能させ
、
前記生成部は、複数の前記分割波形データを、各分割波形データの有効性の指標値に応じて重み付けする、プログラム。
【請求項27】
コンピュータを、
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部、
として機能させ
、
前記生成部は、複数の前記分割波形データのうち有効性が基準値以上の分割波形データを並べて前記特徴データを生成する、プログラム。
【請求項28】
コンピュータを、
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部、
として機能させ
、
前記複数の波形データは、互いに同じ部位から検出された、SN比が異なる2つの波形データを含み、
前記判定部は、前記2つの波形データのうちSN比が高い方の波形データの各分割波形データについて有効性を判定して、SN比が高い方および低い方の波形データの各分割波形データの有効性とする、プログラム。
【請求項29】
コンピュータを、
生体の複数の部位から検出された、前記生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、
前記複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、
各分割波形データの有効性を判定する判定部と、
前記複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、前記生体の状態を示す特徴データを生成する生成部、
として機能させ
、
前記判定部は、
少なくとも1つの前記分割波形データを含む各分割波形データセットと、当該分割波形データセットとは異なる複数の他の分割波形データセットとの類似度に基づいて、当該分割波形データセットに含まれる前記分割波形データの有効性を判定し、
前記分割波形データセットと、前記複数の他の分割波形データセットそれぞれとの複数の類似度の中央値を、当該分割波形データセットと前記複数の他の分割波形データセットとの類似度とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、測定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体信号の波形データからパラメータを算出する手法として、所定時間幅のタイムウィンドウを逐次シフトさせた各区間の波形データについて有効性を判定し、有効区間の波形データからパラメータを算出する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 米国特許第9687162号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の手法ではタイムウィンドウ分の時間が経過するまで有効な波形データを得ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、生体の複数の部位から検出された、生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、各分割波形データの有効性を判定する判定部と、複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、生体の状態を示す特徴データを生成する生成部と、を備える測定装置が提供される。
【0005】
本発明の第2の態様においては、生体の複数の部位から検出された、生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得段階と、複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割段階と、各分割波形データの有効性を判定する判定段階と、複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、生体の状態を示す特徴データを生成する生成段階と、を備える測定方法が提供される。
【0006】
本発明の第3の態様においては、コンピュータを、生体の複数の部位から検出された、生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する取得部と、複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する分割部と、各分割波形データの有効性を判定する判定部と、複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、生体の状態を示す特徴データを生成する生成部、として機能させるプログラムが提供される。
【0007】
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。これらの特徴群のサブコンビネーションも発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】本実施形態に係る測定装置10の動作を示す。
【
図5】分割波形データBHの有効性の判定手法を示す。
【
図6】分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHの数と、有効性の判定結果との関係を示す。
【
図8】変形例に係る生成部105および算出部106の処理内容を示す。
【
図9】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
[1.測定システムの構成]
図1は、本実施形態に係る測定システム1を示す。測定システム1は、生体の状態を測定するものであり、生体センサ20と、測定装置10とを備える。
【0011】
[1-1.生体センサ]
生体センサ20は、生体における複数の部位からそれぞれ生体信号を検出する。生体は、本実施形態では一例として人体であるが、動物の体でもよい。生体信号は、生体の周期的な活動により変動してよい。生体信号は、自己の意思に起因する活動により変動してもよいし、意思とは無関係な活動により変動してもよい。本実施形態では一例として生体信号は、生体の周期的な生理学的現象に伴う信号であってよく、例えば、測定領域において心臓の拍動により変動する血管量、および、ヘモグロビン量(一例として酸化ヘモグロビン量)の少なくとも1つを示す信号でよい。例えば、生体センサ20は、フォトプレスチモグラフィ(PPG:Photo Plethysmography)測定法により生体信号を検出してよい。生体センサ20は、生体の部位ごとに2波長(一例として赤外波長および赤色波長)の光を体表から体内に照射して反射光を受光することで、一方の波長の反射光から測定領域内の血管量を示す信号を検出し、他方の波長の反射光から測定領域内の血管量およびヘモグロビン量を示す信号を検出してよい。生体センサ20は、検出した生体信号を生体の部位ごと、および、波長ごとに測定装置10に供給してよい。生体センサ20は生体信号をアナログ信号として出力してもよいし、デジタル信号として出力してもよい。
【0012】
[1-2.測定装置]
測定装置10は、取得部101と、分割部102と、判定部104と、正規化部103と、生成部105と、算出部106とを有する。
【0013】
取得部101は、生体の複数の部位から検出された、生体の周期的な活動に伴う複数の波形データを取得する。例えば、取得部101は生体センサ20から、生体の部位ごとに波形データを取得してよい。複数の波形データのそれぞれは、一例として脈波データでよい。取得部101は、取得した波形データに対してフィルタリング処理などの信号処理を行ってよい。また、生体センサ20が生体信号としてアナログ信号を出力する場合には、取得部101は当該アナログ信号をデジタル信号に変換してよい。ここで、取得部101が取得する複数の波形データには、互いに同じ部位から検出された、SN比が異なる2つの波形データが含まれてよい。例えば、生体センサ20が赤外波長および赤色波長の光を用いて2つの生体信号を検出する場合には、赤外波長の波形データは、赤色波長の波形データよりもSN比が高くてよい。取得部101は、取得した複数の波形データを分割部102に供給してよい。
【0014】
分割部102は、複数の波形データのそれぞれを、整数周期分の分割波形データに分割する。本実施形態では整数周期は1周期であるが、複数周期でもよい。分割部102は、各波形データHにおいて繰り返し生じる同種の整数個(本実施形態では一例として1個)ごとの特徴点の間を分割波形データとしてよい。各分割波形データの時間幅は一定でなくてもよい。例えば、分割部102は、生体から取得される波形データのうち、生体センサ20から取得される波形データとは別の種類の波形データ(参照波形データとも称する)で検出される特徴点の出現タイミングを用いて、生体センサ20からの波形データの特徴点を検出してよい。参照波形データは、生体センサ20から得られる波形データよりもノイズ、および、周期間の差異が小さくてよく、本実施形態では一例として心電波形データでよい。特徴点は、波形の極値点、変曲点またはゼロクロス点などでよい。分割部102は、分割波形データを分割元の波形データごとに正規化部103に供給してよい。
【0015】
正規化部103は、複数の分割波形データの時間幅を正規化する。時間幅を正規化するとは、時間幅を等しくすることでよい。正規化部103は、時間幅を正規化した分割波形データを判定部104に供給してよい。なお、正規化部103は必ずしも測定装置10に備えられなくてよい。正規化部103が測定装置10に備えられない場合には、分割部102によって生成された分割波形データがそのまま判定部104に供給されてよい。
【0016】
判定部104は、各分割波形データの有効性を判定する。取得部101が取得する複数の波形データにSN比が異なる2つの波形データ(一例として赤外波長の波形データおよび赤色波長の波長データ)が含まれる場合には、判定部104はSN比が高い方の波形データ(一例として赤外波長の波形データ)の各分割波形データについて有効性を判定して、SN比が高い方および低い方の両方の波形データの各分割波形データの有効性としてよい。判定部104は、各分割波形データの有効性を生成部105に供給してよい。
【0017】
生成部105は、複数の波形データにおける各分割波形データと、当該分割波形データの有効性とに基づいて、生体の状態を示す特徴データを生成する。本実施形態では一例として、生成部105は、分割部102から供給される分割波形データと、判定部104から供給される有効性とに基づいて特徴データを生成してよい。これに代えて、生成部105は、正規化部103から供給される、時間幅を正規化した分割波形データと、判定部104から供給される有効性とに基づいて特徴データを生成してもよい。特徴データは、生体の状態を表す代表波形データでよく、一例として整数周期分の波形データでよい。但し、特徴データは、波形データの特徴点に基づくデータなど、他のデータでもよい。生成部105は、特徴データを算出部106に供給してよい。
【0018】
算出部106は、特徴データに基づいて生体の状態を示すパラメータを算出する。例えばパラメータは、生体の血中酸素飽和度(SpO2)でよい。例えば、算出部106は、赤外波長の光によって得られた、測定領域内の血管量を示す信号の代表波形と、赤色波長の光によって得られた、測定領域内の血管量およびヘモグロビン量を示す信号の代表波形とから血中酸素飽和度を算出してよい。算出部106は、算出したパラメータを測定装置10の外部に出力してよい。なお、算出部106は必ずしも測定装置10に備えられなくてよい。算出部106が測定装置10に備えられない場合には、生成部105によって生成された特徴データがそのまま外部に出力されてよい。
【0019】
以上の測定装置10によれば、特徴データを生成するべく、波形データを整数周期分に分割した各分割波形データの有効性を判定するので、周期とは無関係な時間幅(一例として8~10秒)のタイムウィンドウを逐次シフトさせて得られる時間幅分の波形データの有効性を判定する場合と異なり、特徴データを生成するためのデータの有効性を整数周期ごとに判定することができる。従って、タイムウィンドウの時間幅よりも整数周期を短くすることにより、早期に各区間のデータの有効性を判定し、有効な波形データを得ることができる。よって、パラメータを早期に算出することができる。また、或る周期内でノイズが生じた場合に当該周期を含む分割波形データのみで有効性が低く判定されて特徴データが生成されるので、タイムウィンドウを逐次シフトさせて時間幅分の波形データの有効性を判定する場合と比較して、ノイズが有効性に影響を及ぼす期間を短くすることができる。また、タイムウィンドウの時間幅よりも整数周期を短くすることにより、有効性を判定するデータ単位に含まれるノイズの影響が大きくなるため、有効性の判定精度を高めることができる。また、複数の部位で検出された波形データが取得されるので、位置による検出精度の差異に関わらず、正確な特徴データを生成することができる。よって、正確なパラメータを算出することができる。
【0020】
また、各分割波形データの時間幅が正規化されるので、周期の時間幅が変動する場合であっても分割波形データの有効性を正確に判定することができる。
【0021】
また、SN比が高い方の波形データの各分割波形データについて有効性を判定するので、ノイズの影響を受けずに有効性の判定を行うことができる。また、SN比が高い方の波形データの各分割波形データについて有効性を判定して、SN比が高い方および低い方の両方の波形データの各分割波形データの有効性とするので、別々に有効性を判定する場合と比較して負荷を軽減することができる。また、2つの波形データそれぞれの分割波形データとして、同じ周期に対応する分割波形データを有効とすることができる。
【0022】
[2.生体センサの具体構成]
図2は、生体センサ20を示す。生体センサ20は、4つの発光部201と、1つの受光部202とを有する。4つの発光部201は互いに離間して配置され、生体の異なる部位の体表から体内に赤色波長および赤外波長の光を照射する。各発光部201は、マイクロ秒のオーダーで光の照射タイミングを互いにずらしてよい。発光部201は、一例としてLEDでよい。受光部202は、各発光部201から照射された光の反射光を受光して受光量に応じた信号を出力する。受光部202は、赤外波長の反射光の受光量によって測定領域内の血管量を示す信号を検出し、赤色波長の反射光の受光量によって測定領域内の血管量およびヘモグロビン量を示す信号を検出してよい。受光部202は、一例として、フォトダイオードでよいが、CCD,CMOSなどでもよい。
【0023】
生体センサ20により検出される生体信号は測定領域内の血管が多いほど振れ幅が大きくなって測定精度が高くなる。そのため、例えば生体センサ20は、測定領域内に心臓血管が含まれるよう胸部に装着されてよい。なお、
図2では一例として生体センサ20が4つの発光部201と1つの受光部202とを有することとして説明したが、発光部201および受光部202の数はこれに限らない。発光部201および受光部202の個数は同数でもよいし、受光部202の方が発光部201より多くてもよい。
【0024】
[3.測定装置の処理内容]
図3は、測定装置10による処理内容の概要を示す。測定装置10においては、取得部101によって複数の波形データH(一例として波形データH
1~H
4)が取得され、分割部102によって参照波形データSHを用いて各波形データHが分割波形データBH[0],BH[-1],…に分割されて、正規化部103によって各分割波形データBH[0],BH[-1],…の時間幅が正規化される。なお、角括弧内の数値は、分割波形データの取得タイミングを示す変数であり、角括弧内が「0」である場合には、分割波形データが現在の最新のデータであることを示す。また、角括弧内が負の値である場合には、分割波形データが過去のデータであることを示し、例えば、分割波形データBH[-1]は、最新よりも1つ前のデータである。後述の分割波形データセットBHSについても同様である。
【0025】
そして、判定部104によって、1または複数(一例として1つ)の分割波形データBHを含む各分割波形データセットBHSの有効性が判定され、生成部105により有効な分割波形データセットBHSが加算されて特徴データDが生成され、算出部106によってSpO2が算出される。
【0026】
[4.測定装置の動作]
図4は、本実施形態に係る測定装置10の動作を示すフローチャートである。測定装置10は、ステップS11~S21の処理を実行することにより、生体の状態を示す特徴データおよびパラメータを算出する。なお、以下で説明する動作は生体センサ20が生体に装着され測定装置10が起動されることにより開始してよい。
【0027】
まず、ステップS11において取得部101は、生体の複数の部位から検出された複数の波形データを取得する。本実施形態では一例として、取得部101は、胸部に装着された生体センサ20における4つの発光部201を用いることにより、4つの部位から検出された波形データHを取得してよい。また、取得部101は、4つの部位それぞれについて、赤色波長の光による波形データHと、赤外波長の光による波形データHとを取得してよい。取得部101は、生体センサ20から逐次、生体信号を受信することで波形データHを取得してよい。これに代えて、取得部101は、生体センサ20または測定装置10の内部に保存された生体信号をまとめて読み出すことで波形データHを取得してもよい。
【0028】
次に、ステップS13において分割部102は、複数の波形データHのそれぞれを、整数周期分(本実施形態では一例として1周期分)の分割波形データBHに分割する。本実施形態では取得部101が逐次、生体信号を受信することで波形データHを取得するため、分割部102は、1周期分の生体信号が取得されるごとに波形データHから最新の分割波形データBH[0]を抽出することで波形データHを分割波形データBHに分割してよい。
【0029】
次に、ステップS15において正規化部103は、複数の分割波形データBHの時間幅を正規化する。例えば、正規化部103は、複数の分割波形データBHのいずれか1つに合わせて、他の分割波形データBHの時間幅を調整してよい。なお、分割波形データBHが複数周期分の波形データである場合には、分割波形データBHの全体の時間幅を調整しても、内部の各周期分の波形データの時間幅が一定にならない場合があり得る。
【0030】
次に、ステップS17において判定部104は、各分割波形データBHの有効性を判定する。判定部104は、少なくとも1つの分割波形データBHを含む各分割波形データセットBHSと、当該分割波形データセットBHSとは異なるn個の他の分割波形データセットBHSとの類似度に基づいて、当該分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHの有効性を判定してよい。判定部104は、各分割波形データセットBHSの振幅を正規化して類似度を算出してよい。一例として、判定部104は、一の分割波形データセットBHSの振幅に他の各分割波形データセットBHSの振幅を揃えて、類似度を算出してよい。
【0031】
ここで、類似度は相関係数でよい。他の分割波形データセットBHSの個数「n」は2以上の任意の整数でよい。各分割波形データセットBHSは、同じ部位から連続して検出された複数(一例として2または3個)の分割波形データBHを含んでもよいし、1つの分割波形データBHを含んでもよい。各分割波形データセットBHS内の分割波形データBHの数は互いに等しくてよい。また、本実施形態では一例として、n個の他の分割波形データセットBHSに対する一の分割波形データセットBHSの類似度(一の分割波形データセットBHSについての類似度とも称する)は、n個の他の分割波形データセットBHSのそれぞれに対する一の分割波形データセットBHSの類似度の集合の中央値であるが、集合の平均値または最頻値でもよい。
【0032】
判定部104は、一の分割波形データセットBHSについての類似度が閾値よりも大きい場合に、当該一の分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHを有効と判定してよく、例えば、有効性の指標値を、有効であることを示す値としてよい。一例として、判定部104は、一の分割波形データセットBHSについての類似度が閾値よりも大きい場合に、当該一の分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHの有効性の指標値を1とし、類似度が閾値よりも小さい場合に有効性の指標値を0にしてよい。これに代えて、判定部104は、一の分割波形データセットBHSについての類似度が閾値よりも大きい場合に、類似度が大きいほど、当該一の分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHの有効性の指標値を0.5から1までの範囲内のより大きい値とし、類似度が閾値よりも小さい場合に有効性の指標値を0にしてもよい。類似度として-1から1までの範囲の相関係数を用いる場合には、閾値は一例として0.7でよい。なお、判定部104は、閾値を用いずに判定を行ってもよく、一の分割波形データセットBHSについての類似度が大きいほど、当該一の分割波形データセットBHSに含まれる部活波形データBHの有効性の指標値を0から1までの範囲内のより大きい値としてもよい。
【0033】
判定部104は、一の分割波形データセットBHS[i](但しiは0以下の整数)と、当該一の分割波形データセットBHS[i]と同じ部位から検出されたn個の他の分割波形データセットBHS[j],…(但しjはiとは異なる0以下の整数)との類似度に基づいて、当該一の分割波形データセットBHS[i]に含まれる分割波形データBHの有効性を判定してよい。これに加えて/代えて、判定部104は、一の分割波形データセットBHS[i]と、当該一の分割波形データセットBHS[i]よりも前に検出されたn個の他の分割波形データセットBHS[k],…(但しkは0より小さい整数)との類似度に基づいて、当該一の分割波形データセットBHS[i]に含まれる分割波形データBHの有効性を判定してよい。一の分割波形データセットBHSよりも他の分割波形データセットBHSが前に検出されているとは、一の分割波形データセットBHS内の先頭の分割波形データBHよりも他の分割波形データセットBHS内の先頭の分割波形データBHの方が先に検出されていることでもよいし、一の分割波形データセットBHS内の全ての分割波形データBHよりも他の分割波形データセットBHS内の全ての分割波形データBHの方が先に検出されていることでもよい。本実施形態では一例として、判定部104は、逐次、現時点での最新の分割波形データセットBHS[0]と、過去のn個の分割波形データセットBHS[-1],…との類似度に基づいて、当該分割波形データセットBHS[0]に含まれる分割波形データBHの有効性を判定してよい。
【0034】
分割波形データセットBHSが複数の分割波形データBHを含む場合であって、各分割波形データセットBHSが他の分割波形データセットBHSと異なる分割波形データBHを含む場合には、判定部104は、当該分割波形データセットBHSについての類似度に基づいて、当該分割波形データセットBHSに含まれる各分割波形データBHの有効性を同内容に設定してよい。分割波形データセットBHSが複数の分割波形データBHを含む場合であって、各分割波形データセットBHSが他の分割波形データセットBHSと一部の分割波形データBHを共有する場合には、判定部104は、当該分割波形データセットBHSについての類似度に基づいて、当該分割波形データセットBHSに含まれる各分割波形データBHのうち、先頭、末尾、または中央の分割波形データBHの有効性を設定してよい。これに代えて、判定部104は、各分割波形データセットBHSについての類似度に基づいて、当該分割波形データセットBHSに含まれる各分割波形データBHの仮の有効性を同内容に設定し、各分割波形データBHの有効性(ここでは最終的な有効性)を、当該分割波形データBHについて設定された仮の有効性の集合の中央値、平均値または最頻値としてもよい。一例として、判定部104は、時点(ta)での分割波形データセットBHS[0](ta)についての類似度に基づいて、これに含まれる各分割波形データBH[0](ta),…の仮の有効性を同内容に設定してよい。また、判定部104は、時点(tb)での分割波形データセットBHS[0](tb)についての類似度に基づいて、これに含まれる各分割波形データBH[0](tb),…の仮の有効性を同内容に設定してよい。ここで、分割波形データセットBHS[0](tb)には分割波形データBH[0](ta)が含まれてよく、分割波形データBH[0](ta)に対しては、分割波形データセットBHS[0](ta)についての類似度に基づく仮の有効性と、分割波形データセットBHS[0](tb)についての類似度に基づく仮の有効性とがそれぞれ設定されてよい。以降、同様にして判定部104は、各分割波形データBHについて、当該分割波形データBHを含む分割波形データセットBHSごとに仮の有効性を別々に設定して、仮の有効性の集合を生成してよい。そして、判定部104は、各分割波形データBHについて、当該分割波形データBHを含む分割波形データセットBHSの個数だけ仮の有効性が設定された場合に、その集合の中央値などを算出して有効性の値としてよい。
【0035】
判定部104は、いずれかの分割波形データBHを無効であると判定した場合に、同じタイミングで検出された各部位の分割波形データBHそれぞれを無効としてもよい。この場合には、ノイズの含まれている可能性の高い分割波形データが一律に無効される。
【0036】
次に、ステップS19において生成部105は、複数の波形データHにおける各分割波形データBHと、当該分割波形データBHの有効性とに基づいて特徴データDを生成する。例えば、生成部105は、複数の分割波形データを、当該分割波形データの有効性に基づいて加算して特徴データDを生成してよい。分割波形データを加算するとは、分割波形データの信号値を時点ごとに加算することでよい。この場合には、分割波形データBHと同じ整数周期分の特徴データDを生成することができる。生成部105は、直近の1回のステップS17において有効性が判定された分割波形データBHのみを加算してもよいし、過去の各回のステップS17において有効性が判定された分割波形データBHの全てを加算してもよい。生成部105は、赤色波長の光による波形データHと、赤外波長の光による波形データHとのそれぞれについて特徴データDを生成してよい。生成部105は、生体の部位ごとに特徴データDを生成してもよいし、生体の部位によらず1つの特徴データDを生成してもよい。
【0037】
また、生成部105は、複数の分割波形データBHを、各分割波形データBHの有効性の指標値に応じて重み付けしてよい。これにより、有効性の指標値に応じた特徴データを生成することができる。ここで、分割波形データBHを重み付けするとは、分割波形データBHの各信号値に重み係数を乗算することでよい。
【0038】
重み係数は、有効性の指標値と正の相関関係を有してもよいし、負の相関関係を有してもよい。これに加えて/代えて、有効性の指標値が基準値よりも低い各分割波形データBH(無効な分割波形データBHとも称する)の重み係数はゼロに設定されてよい。また、有効性の指標値が基準値以上の分割波形データBH(有効な分割波形データBHと称する)の重み係数は正の値とされてよい。これにより、有効な分割波形データBHのみを加算して特徴データDが生成される。有効性の指標値が0から1までの範囲内の値である場合には、一例として、有効性の指標値の基準値は1でもよいし、0.5、0.7などの他の値でもよい。
【0039】
また、生体の互いに異なる部位から検出された、同じ周期に対応する複数の分割波形データBHのうち有効な各分割波形データBHの重み係数は均等に設定されてよい。例えば、4つの発光部201によって得られた、或る周期に対応する4つの分割波形データBH内に、有効性の指標値が1(または0.5以上)である3つの分割波形データBHが存在する場合には、これらの分割波形データBHの重み係数は互いに等しく設定されてよい。これにより、有効な分割波形データBHの間で、特徴データへの影響を均等にすることができる。
【0040】
なお、一のタイミングに対応する各分割波形データBHの重み係数の総和は、他のタイミングに対応する各分割波形データBHの重み係数の総和と等しくてよい。例えば、一のタイミングでは1つの有効な分割波形データBHが存在し、他のタイミングでは4つの有効な分割波形データBHが存在する場合には、一のタイミングでの有効な分割波形データBHの重み係数は、他のタイミングでの有効な分割波形データBHの重み係数の4倍であってよい。
【0041】
これに代えて、各タイミングでの重み係数は、当該タイミングでの有効な分割波形データBHの数に応じて設定されてよい。例えば、一のタイミングでは1つの有効な分割波形データBHが存在し、他のタイミングでは4つの有効な分割波形データBHが存在する場合には、一のタイミングでの有効な分割波形データBHの重み係数は、他のタイミングでの有効な分割波形データBHの重み係数の4分の1であってよい。
【0042】
そして、ステップS21において算出部106は特徴データに基づいて生体の状態のパラメータ(一例として生体の血中酸素飽和度(SpO2))を算出する。例えば、算出部106は、赤外波長の光によって得られた、測定領域内の血管量を示す信号の代表波形の基本周波数の振幅と、赤色波長の光によって得られた、測定領域内の血管量およびヘモグロビン量を示す信号の代表波形の基本周波数の振幅との比率から血中酸素飽和度を算出してよい。一例として、算出部106は、式(1)から血中酸素飽和度を算出してよい。
【0043】
SpO2=a1-a2×R …(1)
但し、式中、「a1」および「a2」は定数であり、一例としてa1=110,a2=25である。「R」は式(2)で算出される値である。
【0044】
(AC/DC)red/(AC/DC)ir …(2)
但し、式中「(AC/DC)red」は、赤色波長の光によって得られた代表波形の基本周波数の振幅を、代表波形のオフセット量で割った値である。同様に、「(AC/DC)ir」は、赤外波長の光によって得られた代表波形の基本周波数の振幅を、代表波形のオフセット量で割った値である。
【0045】
算出部106は、特徴データDが生体の部位ごとに生成された場合にはパラメータを生体の部位ごとに算出してよく、特徴データDが生体の部位によらず1つのみ生成された場合にはパラメータを1つのみ算出してよい。算出部106によりパラメータが算出されると、測定装置10は上述のステップS11に処理を移行してよい。
【0046】
以上の動作によれば、少なくとも1つの分割波形データBHを含む分割波形データセットBHS同士の類似度に基づいて、分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHの有効性が判定されるので、ノイズを含む分割波形データセットBHSでは類似度が低くなり、ノイズを含まない分割波形データセットBHSでは類似度が高くなる結果、ノイズを含まない分割波形データセットBHSの分割波形データBHの有効性を高く判定することができる。
【0047】
また、分割波形データセットBHSと、複数の他の分割波形データセットBHSそれぞれとの類似度の集合の中央値を当該分割波形データセットBHSについての類似度とするので、集合の平均値を用いる場合と異なり、ノイズを含む分割波形データセットBHSの存在によって類似度が影響を受けてしまうのを防止することができる。
【0048】
また、一の分割波形データセットBHSについての類似度が閾値よりも大きい場合に、当該一の分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHを有効と判定するので、ノイズを含まない分割波形データBHを高精度に有効とすることができる。
【0049】
また、一の分割波形データセットBHSと、当該一の分割波形データセットBHSと同じ部位から検出された複数の他の分割波形データセットBHSとの類似度に基づいて、当該一の分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHの有効性を判定するので、一の分割波形データセットBHSにおけるノイズの有無を高精度に検出することができる。その結果、ノイズを含む分割波形データセットBHSを高精度に検出して有効性を低く判定することができる。
【0050】
また、分割波形データセットBHSには、同じ部位から連続して検出された複数の分割波形データBHが含まれるので、相関係数の算出において各分割波形データセットBHSの振幅が正規化されることで極値点でのノイズの影響が小さくなってしまうのを防止することができる。従って、ノイズを含む分割波形データセットBHSを高精度に検出して有効性を低く判定することができる。
【0051】
また、一の分割波形データセットBHSと、当該一の分割波形データセットBHSよりも前に検出された複数の他の分割波形データセットBHSとの類似度に基づいて、当該一の分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHの有効性を判定するので、後に検出された他の分割波形データセットBHSとの類似度に基づいて有効性を判定する場合と比較して、判定結果を早期に得ることができる。また、生体の他の部位で同タイミングで検出された他の分割波形データセットBHSとの類似度に基づいて有効性を判定する場合と比較して、生体の活動により各部位に同タイミングで生じるノイズを高精度に検出することができるため、ノイズを含む分割波形データセットBHSを高精度に検出して有効性を低く判定することができる。
【0052】
また、有効性の指標値が基準値よりも低い各分割波形データBHの重み係数がゼロであるので、有効な分割波形データBHのみを用いて特徴データを生成することができる。
【0053】
[5.動作例]
図5は、分割波形データBHの有効性の判定手法を示す。本実施形態では一例として、判定部104は、最新の分割波形データセットBHS[0]と、過去のn個の分割波形データセットBHS[-1],…BHS[-n]との相関係数に基づいて、分割波形データセットBHS[0]の有効性を判定する。例えば、分割波形データセットBHS[0]と、分割波形データセットBHS[-1],…BHS[-n]のそれぞれとの相関係数の中央値が0.8であり、相関係数の閾値が0.7である場合には、分割波形データセットBHS[0]は有効と判定されてよい。
【0054】
図6は、分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHの数と、有効性の判定結果との関係を示す。ここで、図中の左上には、1つの分割波形データBHを含む分割波形データセットBHS[0],BHS[-1]を示し、図中の左下には、分割波形データセットBHS[0],BHS[-1]を重ねた状態を示す。また、図中の右上には、2つの分割波形データBH'を含む分割波形データセットBHS'[0],BHS'[-1]を示し、図中の右下には、分割波形データセットBHS'[0],BHS'[-1]を重ねた状態を示す。なお、図中の左上、右上の波形データHは同一であり、左側の波形データHにおける分割波形データBH[0]と、右側の波形データHにおける分割波形データBH'[-1]とには、極値点でノイズが生じている。
【0055】
図中の左側に示されるように、分割波形データセットBHSに含まれる分割波形データBHの数が1である場合には、相関係数の算出において各分割波形データセットBHSの振幅が正規化されることで、極値点でのノイズの影響が小さくなってしまう。そのため、分割波形データセットBHS[0]内のノイズが検出されずに、分割波形データBH[0]の有効性が高く判定され得る。
【0056】
これに対し、図中の右側に示されるように、分割波形データセットBHS'に含まれる分割波形データBH'の数が複数である場合には、相関係数の算出において各分割波形データセットBHS'の振幅が正規化されても、極値点でのノイズの影響が小さくならない。そのため、分割波形データセットBHS'[0]内のノイズが検出されて、分割波形データBH[-1]の有効性が低く判定される。
【0057】
図7は、分割波形データBHの正規化を示す。ここで、図中の左上には時間幅が正規化されていない2つの分割波形データBH[0],BH[-1]を示し、図中の左下には、分割波形データBH[0],BH[-1]を重ねた状態を示す。また、図中の右上には時間幅が正規化された分割波形データBH[0],BH[-1]を示し、図中の右下には、それらを重ねた状態を示す。
【0058】
本実施形態では一例として、分割部102は、各波形データHにおいて繰り返し生じる各極小点の間を分割波形データBHとしており、分割波形データBH同士の時間幅は一定でない。例えば
図7では、図中の左上に示されるように、分割波形データBH[0],BH[-1]は互いに時間幅が異なる。これらの分割波形データBH[0],BH[-1]はノイズを含んでおらず、SpO
2を算出するのに有効であるものの、そのまま判定部104に供給されると、図中の左下に示されるように、両者の相関が低く算出されて分割波形データBH[0]の有効性が低く判定され得る。
【0059】
これに対し、図中の右上,右下に示されるように、正規化部103が分割波形データBH[0],BH[-1]の時間幅を正規化すると、両者の相関が高く算出されて、判定部104では分割波形データBH[0]の有効性が高く判定される。これにより、周期が変動する場合であっても分割波形データBHの有効性を正確に判定することができる。
【0060】
[6.変形例]
図8は、変形例に係る生成部105および算出部106の処理内容を示す。
【0061】
本変形例において生成部105は、図中の左側に示すように、有効な分割波形データBHを並べて特徴データDを生成する。例えば、生成部105は、無効な分割波形データBH[-1]を除去し、各分割波形データBHを詰めて並べることで特徴データDを生成してよい。これにより、分割波形データBHを複数並べた特徴データを生成することができる。生成部105は生体の部位ごとに特徴データDを生成してもよいし、まとめて1つの特徴データDを生成してもよい。
【0062】
また、図中の右側に示すように、本変形例において算出部106は、分割波形データBHを並べた特徴データDに高速フーリエ変換(FFT,Fast Fourier Transform)を行うことにより、基本周波数の振幅(図中のAC振幅)および代表波形のオフセット量(図中のPower)を算出してSPO2を算出してよい。
【0063】
[7.その他の変形例]
なお、上記の実施形態では、生体センサ20は測定領域内の血管量および/またはヘモグロビン量を示す生体信号を検出することとして説明したが、他の種類の生体信号を検出してもよい。例えば、生体センサ20は生体の複数の部位で心筋の活動電位を生体信号として検出してよい。一例として生体センサ20は、四肢および胸部における複数の部位から活動電位を検出してよい。この場合には、取得部101は波形データとして12誘導心電図のデータを取得してよい。また、算出部106は、脈拍数をパラメータとして算出してよい。
【0064】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0065】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0066】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0067】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0068】
図9は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0069】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0070】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0071】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0072】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0073】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0074】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0075】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0076】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0077】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0079】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0080】
1 測定システム、10 測定装置、20 生体センサ、101 取得部、102 分割部、103 正規化部、104 判定部、105 生成部、106 算出部、201 発光部、202 受光部、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インタフェース、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード