(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/50 20220101AFI20221019BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221019BHJP
G06F 16/909 20190101ALI20221019BHJP
【FI】
H04L67/50
G06Q50/10
G06F16/909
(21)【出願番号】P 2018130120
(22)【出願日】2018-07-09
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000191076
【氏名又は名称】日鉄ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-193427(JP,A)
【文献】特開2004-157578(JP,A)
【文献】特開2018-072978(JP,A)
【文献】特開2014-191606(JP,A)
【文献】特開2017-084225(JP,A)
【文献】特開2012-079035(JP,A)
【文献】高木 正則 Masanori TAKAGI,協調的に作問する過程で競争可能なオンラインテストシステムの実装と評価 Implementation and Evaluation on an Online Test System Enabling to Compete in Process of Creating Quizzes Collaboratively,教育システム情報学会誌 Vol.24 No.1 Transactions of Japanese Society for Information and Systems in Education,日本,教育システム情報学会 Japanese Society for Information and Systems in Education,2007年01月01日,第24巻,P.13-25
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/50
G06Q 50/10
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のグループに所属する構成員への、前記グループに所属するユーザからの投稿が指定された場合に、記憶手段に記憶された、前記グループに所属するユーザから投稿された投稿情報と前記グループに所属しないユーザから投稿された投稿情報とのうち、前記グループに所属するユーザの前記投稿情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記投稿情報に関する情報を出力する出力手段と
、
第1のグループと第2のグループとのいずれにも所属するユーザの数が所定の値以上となった場合に、前記第1のグループと前記第2のグループとに対応した第3のグループを生成する生成手段と、
前記第1のグループに所属するユーザと前記第2のグループに所属するユーザとを、前記第3のグループに所属するユーザとして登録し、前記第1のグループに所属する構成員と前記第2のグループに所属する構成員とを、前記第3のグループに所属する構成員として登録する登録手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記構成員への前記グループに所属しないユーザからの投稿が指定された場合に、前記グループに所属しないユーザの前記投稿情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
少なくとも1つのグループに所属するユーザから所定のグループの構成員への投稿が行われた場合に、投稿された投稿情報を、前記ユーザの所属するグループと、投稿対象の構成員の所属するグループとに対応付け可能な状態にて記憶手段に格納する投稿管理手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記投稿管理手段は、複数のグループに所属する構成員に対する投稿が行われた場合に、投稿対象の前記構成員が所属するグループのうち、ユーザ操作に応じて指定されたグループに対応付け可能な状態にて、前記投稿情報を格納することを特徴とする請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記投稿管理手段は、複数のグループに所属する構成員に対する投稿が行われた場合に、投稿対象の前記構成員が所属する前記複数のグループそれぞれに対応付け可能な状態にて、前記投稿情報を格納することを特徴とする請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
所定のグループに所属する構成員への、前記グループに所属するユーザからの投稿が指定された場合に、記憶手段に記憶された、前記グループに所属するユーザから投稿された投稿情報と前記グループに所属しないユーザから投稿された投稿情報とのうち、前記グループに所属するユーザの前記投稿情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出された前記投稿情報に関する情報を出力する出力ステップと
、
第1のグループと第2のグループとのいずれにも所属するユーザの数が所定の値以上となった場合に、前記第1のグループと前記第2のグループとに対応した第3のグループを生成する生成ステップと、
前記第1のグループに所属するユーザと前記第2のグループに所属するユーザとを、前記第3のグループに所属するユーザとして登録し、前記第1のグループに所属する構成員と前記第2のグループに所属する構成員とを、前記第3のグループに所属する構成員として登録する登録ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
所定のグループに所属する構成員への、前記グループに所属するユーザからの投稿が指定された場合に、記憶手段に記憶された、前記グループに所属するユーザから投稿された投稿情報と前記グループに所属しないユーザから投稿された投稿情報とのうち、前記グループに所属するユーザの前記投稿情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記投稿情報に関する情報を出力する出力手段と
、
第1のグループと第2のグループとのいずれにも所属するユーザの数が所定の値以上となった場合に、前記第1のグループと前記第2のグループとに対応した第3のグループを生成する生成手段と、
前記第1のグループに所属するユーザと前記第2のグループに所属するユーザとを、前記第3のグループに所属するユーザとして登録し、前記第1のグループに所属する構成員と前記第2のグループに所属する構成員とを、前記第3のグループに所属する構成員として登録する登録手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ショッピングサイトで購入した商品についての評価等の投稿内容を閲覧することができ、ユーザは、投稿内容を参考にして購入について検討することができる。特許文献1には、投稿情報に対する投票に基づいて、投稿情報の表示を制限する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばあるレストランに対する旅行者からの評価と、地元の住民からの評価は必ずしも一致するとは限らない。このように、評価は主観的なものであり、評価者によって評価が異なる場合がある。このため、閲覧者にとって、自身と似たような人物からの投稿情報は有益である一方、自身と似ていない人物からの投稿情報は役に立たない場合もある。しかしながら、従来技術においては、すべての投稿情報が一律に表示されるため、閲覧者にとっての投稿情報の有益性が低くなるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、複数の投稿情報のうち、ユーザにとって有益な投稿情報を抽出し、ユーザに提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、情報処理装置であって、所定のグループに所属する構成員への、前記グループに所属するユーザからの投稿が指定された場合に、記憶手段に記憶された、前記グループに所属するユーザから投稿された投稿情報と前記グループに所属しないユーザから投稿された投稿情報とのうち、前記グループに所属するユーザの前記投稿情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記投稿情報に関する情報を出力する出力手段と、第1のグループと第2のグループとのいずれにも所属するユーザの数が所定の値以上となった場合に、前記第1のグループと前記第2のグループとに対応した第3のグループを生成する生成手段と、前記第1のグループに所属するユーザと前記第2のグループに所属するユーザとを、前記第3のグループに所属するユーザとして登録し、前記第1のグループに所属する構成員と前記第2のグループに所属する構成員とを、前記第3のグループに所属する構成員として登録する登録手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の投稿情報のうち、ユーザにとって有益な投稿情報を自動で抽出し、ユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、情報処理装置のハードウェア構成図である。
【
図3】
図3は、ユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、構成員情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、登録処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、投稿受付処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、投稿登録情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、投稿提示処理を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、グループ生成処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、更新後のユーザ情報テーブルを示す図である。
【
図13】
図13は、更新後の構成員情報テーブルを示す図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【
図15】
図15は、情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図16】
図16は、情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図18】
図18は、ユーザ情報を記憶するテーブルの一例を示す図である。
【
図19】
図19は、ネットワーク情報を記憶するテーブルの一例である。
【
図20】
図20は、TNetノードの情報を記憶するテーブルの一例である。
【
図21】
図21は、ノード情報を記憶するテーブルの一例である。
【
図22】
図22は、取引情報を記憶するテーブルの一例である。
【
図23】
図23は、投票情報を記憶するテーブルの一例である。
【
図25】
図25は、ネットワーク登録処理のシーケンス図である。
【
図27】
図27は、取引処理および投票処理のシーケンス図である。
【
図28】
図28は、ネットワークの結合または分離の処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
本実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザを地域や団体といったコミュニティのグループ単位で管理する。情報処理装置100はさらに、ユーザが利用する販売店や施設、観光スポット等についてもコミュニティのグループ単位で管理する。本実施形態に係る情報処理装置100は、さらに、ユーザからの販売店等への口コミ等の投票情報を管理し、ユーザからの指示に応じて適宜、投票情報をユーザ端末の表示部に表示させることができる。
【0011】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成図である。情報処理装置100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、HDD104と、表示部105と、入力部106と、通信部107とを有している。CPU101は、ROM102に記憶された制御プログラムを読み出して各種処理を実行する。RAM103は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD104は、各種データや各種プログラム等を記憶する。表示部105は、各種情報を表示する。入力部106は、キーボードやマウスを有し、ユーザによる各種操作を受け付ける。通信部107は、ネットワークを介してユーザが所持するユーザ端末等の外部装置との通信処理を行う。
【0012】
なお、後述する情報処理装置100の機能や処理は、CPU101がROM102又はHDD104に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現されるものである。また、他の例としては、CPU101は、ROM102等に替えて、SDカード等の記録媒体に格納されているプログラムを読み出してもよい。
【0013】
また、他の例としては、情報処理装置100の機能や処理の少なくとも一部は、例えば複数のCPU、RAM、ROM、及びストレージを協働させることにより実現してもよい。また、他の例としては、情報処理装置100の機能や処理の少なくとも一部は、ハードウェア回路を用いて実現してもよい。また、他の例としては、情報処理装置100の機能や処理は、複数の装置が協働して実現してもよい。
【0014】
図2は、情報処理装置100が管理するグループの一例を示す図である。情報処理装置100は、複数のグループを管理する。本実施形態においては、情報処理装置100がA市のグループとA市の地域銀行であるB銀行のグループとを管理する場合を例に説明する。A市のグループは、A市という地域に存在することを属性値とするグループである。A市のグループには、A市を所在地とする販売店(日鉄菓子店)とA市の居住者であるユーザ(一郎さん、太郎さん)が所属する。なお、本実施形態においては、グループに所属する販売店、施設、観光スポット等をグループに所属するユーザと区別してグループの構成員と称することとする。また、本実施形態においては、グループの構成員が投稿対象となり、ユーザが投稿者となる場合を例に説明する。ただし、他の例としては、投稿対象は人物であってもよい。すなわち、構成員は人物を含むものとする。すなわち、グループに所属する同一のメンバーが、あるときはユーザ(投稿者)となり、またあるときは構成員(投稿対象者)となる点に留意する必要がある。なお、法人が投稿者すなわちユーザとなることがあってもよく、特に限定はされない。
【0015】
また、B銀行のグループは、B銀行に口座を開設していることを属性値とするグループである。B銀行のグループには、B銀行に口座を開設しているユーザ(太郎さん、次郎さん、花子さん)が所属しているものとする。なお、太郎さんのように、ユーザは、複数のグループにも所属することができる。
【0016】
構成員及びユーザがグループに所属するには、情報処理装置100による認証が必要であるものとする。例えば、A市のグループへの登録を希望する希望者は、ユーザ端末から情報処理装置100にアクセスし、A市のグループへの登録申請を行う。情報処理装置100は、登録申請を受け付けると、参加資格を満たしている場合には、A市のグループへの登録を行う。A市のグループへの登録が完了すると、希望者は、A市のグループに所属するユーザとなる。なお、A市のグループへの参加資格はA市の居住者であることとする。情報処理装置100は、免許証の情報を取得し、この情報に基づいて、ユーザ認証を行う。また、販売店等の構成員の場合は、A市のグループへの参加資格はA市に販売店の所在地があることとする。情報処理装置100は、所在地を証明できる情報を取得し、この情報に基づいて認証を行う。これにより、販売店は、A市のグループの構成員となる。
【0017】
また、B銀行のグループへの登録を希望する希望者は、ユーザ端末から情報処理装置100にアクセスし、B銀行のグループへの登録申請を行う。B銀行のグループへの参加資格はB銀行に口座を開設していることであることとする。情報処理装置100は、ユーザ端末から受信した情報に基づいて、参加資格を満たしているか否かを判定する。また、他の例としては、情報処理装置100は、B銀行から必要な情報を取得し、参加資格の有無を判定してもよい。このように、信頼性の高い情報により参加資格を判定することで、グループの構成員やユーザの、A市の住民である、B銀行の口座保有者であるといった属性の信頼性を高めることができる。なお、参加資格は、情報処理装置100の管理者等が任意に設定することができるものとする。
【0018】
図3は、情報処理装置100が管理するユーザ情報テーブル300の一例を示す図である。ユーザ情報テーブル300は、情報処理装置100のHDD104等の記憶部に格納されているものとする。ユーザ情報テーブル300は、複数のユーザ情報を格納している。ユーザ情報は、ユーザIDと、グループと、氏名と、生年月日と、現住所と、職業と、嗜好とを含んでいる。ユーザIDは、ユーザの識別情報である。グループは、ユーザが所属するグループである。
図3の例では、U001のユーザは、A市のグループに所属している。また、U002のユーザは、B銀行のグループに所属している。また、U004のユーザは、A市のグループ及びB銀行のグループの両方に所属している。U004のユーザのように、ユーザは、複数のグループの所属することができる。U005のユーザは、いずれのグループにも属さないユーザである。このように、いずれのグループにも属さないユーザもユーザ登録を行うことができる。この場合には、U005に対応したグループの情報は格納されない。情報処理装置100に登録されたユーザは、グループに所属しないユーザであっても、情報処理装置100が管理する構成員に対し、投稿を行うことができる。また、投稿情報の閲覧は、いずれのグループにも属しないユーザであっても可能であるものとする。
【0019】
なお、上述した例では、ユーザがA市のグループに登録申請したり、B銀行のグループに登録申請したりして、各グループへ登録されることとしたが、他の例としては、情報処理装置100が自動的にユーザをグループのメンバーとして登録してもよい。具体的には、情報処理装置100は、いずれのグループにも属さないユーザとしてユーザを登録しておき、他の登録済みの属性(生年月日や住所や職業等)に基づいて、あらかじめ定められた各グループの参加資格を満たしているか定期的にチェックし、参加条件を満たしていれば、そのユーザをグループのメンバーとして承認し登録してもよい。
【0020】
また、
図3に示すユーザ情報のうち、グループの登録内容については、情報処理装置100が他の項目の情報を定期的にチェックし、チェック結果に応じて変更してもよい。例えば、ある個人の住所がA市在住として登録されていたが、その後Z市に引っ越して住所の登録内容が変更になったとする。この場合、情報処理装置100は、この個人をA市のグループのメンバーから外す(グループの登録内容からA市を削除する)ことも可能である。また、
図3に示すユーザ情報の構成は一例であり、その他の属性情報を含んでいてもよく、特に限定はされないことは言うまでもない。
【0021】
図4は、情報処理装置100が管理する構成員情報テーブル400の一例を示す図である。構成員情報テーブル400は、情報処理装置100の記憶部に格納されているものとする。構成員情報テーブル400は、複数の構成員情報を格納している。構成員情報は、構成員IDと、グループと、構成員名とを含んでいる。構成員IDは、構成員の識別情報である。グループは、構成員が所属するグループである。
【0022】
なお、本実施形態の例では、ユーザ情報テーブル300と構成員情報テーブル400とを別のテーブルとして設けているが、ユーザと構成員とを一元管理するメンバー情報テーブルを設けて、ユーザと構成員とを区分する区分情報により区別する構成であってもよく、特に限定されない。
【0023】
図5は、情報処理装置100による、ユーザ情報及び販売店情報の登録処理を示すフローチャートである。S500において、CPU101は、ユーザ端末から登録指示を受信すると(S500でYES)、処理をS501へ進める。S501において、CPU101は、登録指示と共に受信した免許証の情報や所在地を示す情報、法人や個人事業主等の事業者等の場合にあっては、全部事項証明書や営業許可証等に基づいて、参加資格を有するか否かに応じて認証を行う。CPU101は、認証に成功した場合には(S501でYES)、処理をS502へ進める。CPU101は、認証に失敗した場合には(S501でNO)、処理を終了する。S502において、CPU101は、登録指示に従い、ユーザ情報又は構成員情報を登録する処理を行う。次に、S503において、CPU101は、登録指示の送信元に対し、登録の完了通知を送信する。以上で、登録処理が完了する。
【0024】
なお、すでにグループ以外のユーザ情報(ユーザIDや氏名等)やグループ以外の構成員情報(店IDや店名)が登録されている状態で、グループの登録指示を受け付けてもよい。この場合、情報処理装置100は、登録指示の送信元のユーザ又は構成員の識別情報に対応付けて、グループを追加すればよい。
【0025】
なお、
図5に示す例ではユーザ登録と、グループへ所属するための認証とが一連の流れとして行われる場合について説明したが、あくまで一例であって、上述のとおり、グループ以外のユーザ情報のみが先に登録される構成であってもよい。つまり、ひとまず情報処理装置100によって管理される情報処理システムの利用者としての登録のみを行う構成であってもよい。この場合、例えば自然人であれば、重複チェックや実名チェック等の基本的なチェックのみでよく、免許証等から生年月日や住所等の情報を取得して登録する必要はない。
【0026】
また、ユーザ情報は、定期的にチェックされ更新されることが好ましい。ユーザの住所や家族構成等は定期的に変更されるため、これをユーザ情報や構成員情報に正しく適用するためには、例えば1年に1回、ユーザや構成員に対して、ユーザ情報や構成員情報の更新を促すような通知を送信する構成としてもよい。
【0027】
図6は、情報処理装置100が管理するサービスの説明図である。ユーザは、A市のグループの販売店のサイトから商品を購入し、口コミを投稿することができる。さらに、A市のグループに所属しないユーザは、販売店のサイトからは一般価格での購入になるのに対し、A市のグループに所属するユーザは、割引価格で購入できる等、特別なサービスを受けることができるようにしてもよい。さらに、グループに所属することに加えて所定の条件を満たした場合に割引を行う構成としてもよい。例えば、グループに所属するユーザであって、カスタマー登録により個人情報を提供したユーザに対して割引を行ったり、情報処理装置100で管理される情報システムを経由して、一定の回数以上購入したユーザに対して割引を行ったりする構成とすることもできる。本実施形態に係る情報処理装置100は、A市のグループの販売店に対する投票情報を、A市のグループに所属するユーザからの投稿情報と、A市のグループに所属しないユーザからの投稿情報とを分離可能に管理する。
図7を参照しつつ、投票情報を受信した場合の処理について説明する。
【0028】
図7は、情報処理装置100による投稿受付処理を示すフローチャートである。S700において、CPU101は、ユーザ端末から投稿情報を受信すると(S700でYES)、処理をS701へ進める。S701において、CPU101は、投稿情報を記憶部に登録する。このとき、CPU101は、投稿情報に対応付けて、投稿者のユーザID、投稿先の販売店の店IDを登録する。本処理は、投稿管理処理の一例である。次に、S702において、CPU101は、投稿情報の送信元に対し、投稿情報の受付完了通知を送信する。以上で、投稿受付処理が完了する。
【0029】
図8は、投稿登録情報の一例を示す図である。投稿登録情報は、情報処理装置100の記憶部に格納されているものとする。投稿登録情報は、投稿者のユーザIDと、投稿の対象となる構成員の構成員IDと、投稿情報とを含んでいる。なお、投稿情報は、コメント、品質、価格、見栄えを含むものとするが、これらに限定されるものではない。投稿登録情報において、投稿情報には、ユーザIDが対応付けられており、ユーザ情報においてユーザIDは所属するグループに対応付けられている。したがって、投稿情報は、ユーザIDを介して、投稿者の所属するグループと紐付けられている。また、投稿情報には、構成員IDが対応付けられている。すなわち、投稿情報は、投稿対象の構成員の所属するグループと紐付けられている。これらの情報から、投稿情報が投稿対象のグループに所属するユーザから投稿されたものであるか、投稿対象のグループに所属しないユーザから投稿されたものか、が識別可能となっている。
【0030】
なお、投稿登録情報には、その時点での投稿者の属性その他の各種情報を含めておくことが好ましい。ユーザが長期にわたって情報処理装置100にて管理される情報システムを利用する場合、ユーザの住所、年齢、嗜好、家族構成等は変化してゆくことが想定され、ある時点と10年後とでは、同一の投稿情報を指していても、ユーザの状況変化によって評価や信頼が変化する場合がある。これに対し、投稿時点でのユーザ情報を投稿登録情報に含めておけば、その時点でのユーザの属性を前提とした投稿情報の内容であることが把握できるため、後々のデータ集計や分析において有用である。
【0031】
なお、グループに所属しない投稿者からの投稿情報は、グループに所属する投稿者からの投稿情報と同様に、ユーザID、構成員IDと共に投稿登録情報として格納される。したがって、グループに所属しない投稿者からの投稿情報は、投稿者のグループと紐付くことはないが、投稿対象の構成員の所属するグループと紐付けられている。
【0032】
本実施形態においては、投稿対象は、あるグループに所属する構成員とするが、これに限定されるものではなく、ユーザは、A市のグループ、B銀行のグループ、というようにグループ自体への投稿を行ってもよい。グループへの投稿情報の場合、情報処理装置100は、投稿情報、投稿者のユーザID、投稿先のグループIDを投稿登録情報として登録する。
【0033】
次に、ユーザが投稿情報を閲覧する場合の処理について説明する。閲覧を希望するユーザは、ユーザ端末を操作して、投稿対象の構成員と、投稿者属性を指定し、投稿情報の表示を指示する表示指示を情報処理装置100に送信する。ここで、投稿者属性とは、投稿者の所属するグループが投稿対象の構成員の所属するグループと同一か否かを示す情報である。例えば、
図6に示す日鉄菓子店の投稿情報を閲覧する場合には、日鉄菓子店が所属するA市のグループに所属するユーザであるか否かが投稿者属性である。このように、閲覧希望者は、投稿情報のうち、投稿対象の構成員の所属するグループと同一のグループに所属するユーザによる投稿情報と、同一のグループに所属しないユーザによる投稿情報と、を選択することができる。
【0034】
図9は、情報処理装置100による投稿提示処理を示すフローチャートである。S900において、CPU101は、ユーザ端末から投稿情報の表示指示を受信すると(S900でYES)、処理をS901へ進める。表示指示には、投稿情報、投稿対象の販売店、投稿者属性が含まれている。なお、投稿者属性が指定されていない場合には、表示指示に、投稿者属性は含まれない。
【0035】
S901において、CPU101は、投稿者属性を確認する。CPU101は、投稿対象のグループに所属するユーザが指定されている場合には(S901で所属ユーザ)、処理をS902へ進める。CPU101は、投稿対象のグループに所属しないユーザが指定されている場合には(S901で非所属ユーザ)、処理をS903へ進める。CPU101は、投稿者が指定されていない場合には(S901で指定なし)、処理をS904へ進める。
【0036】
S902において、CPU101は、投稿対象の構成員が所属するグループのメンバーによる投稿情報を抽出し、その後処理をS905へ進める。S903において、CPU101は、投稿対象の構成員が所属するグループの非所属ユーザによる投稿情報を抽出し、その後処理をS905へ進める。S904において、CPU101は、記憶部に格納されている、投稿対象の構成員に対するすべての投稿情報を抽出し、その後処理をS905へ進める。S905において、CPU101は、抽出した投稿情報をユーザ端末に送信(出力)する。以上で、投稿提示処理が終了する。ユーザ端末は、投稿情報を受信すると、これを表示部に表示する。
【0037】
なお、他の例としては、S905において、CPU101は、抽出した投稿情報を自装置の表示部105に表示してもよい。このように、CPU101は、抽出した投稿情報を出力すればよく、出力先、出力形式は実施形態に限定されるものではない。また、S905において出力される情報は、投稿情報そのものが一覧表示されたものとする。ただし、CPU101は、投稿情報に関する情報を出力すればよく、出力対象は投稿情報に限定されるものではない。出力される情報は、例えば、複数の投稿情報それぞれに示される品質等の評価点の平均値や最高点といった集計値であってもよい。また、他の例としては、ユーザ端末が投稿情報を受信し、受信した投稿情報から集計値を求め、これを表示してもよい。
【0038】
図10は、投稿提示処理の説明図である。
図10に示すように、A市のグループの日鉄菓子店に対する4つの投稿情報が情報処理装置100に格納されているとする。この場合には、A市のグループに所属するユーザが指定されると、太郎さん及び一郎さんからの2つの投稿情報が抽出され、ユーザに提示される。また、A市のグループに所属しないユーザが指定されると、花子さん及び百合子さんからの2つの投稿情報が抽出され、ユーザに提示される。また、投稿者の指定がない場合には、4人の投稿情報がすべて抽出され、ユーザに提示される。
【0039】
以上のように、本実施形態の情報処理装置100は、投稿者が投稿対象のグループに所属するユーザ又は所属しないユーザのみに限定された投稿情報をユーザに提供することができる。すなわち、情報処理装置100は、ユーザにとって有益な投稿情報を提示することができる。例えば、販売店が販売する商品についての評価は、販売店の地域の住民と、販売店の地域への旅行者とで異なる場合がある。このような場合には、旅行者にとっては、旅行者の投稿情報が参考になる一方で、住民からの投稿情報の重要度は低い場合がある。このような場合において、本実施形態の情報処理装置100は、投稿者の属性(投稿対象のグループに所属するか否か)の指定に応じた投稿情報のみを抽出し、ユーザに提示することができる。また、情報処理装置100は、グループの属性に対応した参加資格を満たす場合にのみユーザの登録を可能としている。したがって、情報処理装置100は、投稿者の属性の信頼度の高い投票情報をユーザに提示することができる。
【0040】
情報処理装置100は、さらに管理対象のグループから自動的に新たなグループを生成する。
図11は、情報処理装置100によるグループ生成処理を示すフローチャートである。情報処理装置100は、
図5を参照しつつ説明した登録処理により、いずれかのグループに新たなメンバーが登録された場合に、グループ生成処理を実行する。
【0041】
S1100において、CPU101は、
図3に示すユーザ情報テーブルを参照し、2以上のグループのいずれにも所属する共通ユーザの数をカウントする。そして、CPU101は、共通ユーザの数が予め設定された閾値以上となるグループセットが存在するか否かを判定する。例えば、A市のグループとB銀行のグループの両方に登録された共通ユーザの数が所定数以上となった場合に、共通ユーザの数が閾値以上となるA市のグループとB銀行のグループのセットが存在すると判定する。CPU101は、グループセットが存在すると判定した場合には(S1100でYES)、処理をS1001へ進める。CPU101は、グループセットが存在しないと判定した場合には(S1100でNO)、グループを生成することなく、グループ生成処理を終了する。
【0042】
S1101において、CPU101は、グループセットに基づいて、新たなグループを生成する。具体的には、CPU101は、グループセットに含まれる複数のグループそれぞれの属性値を属性値とする新たなグループ生成する。例えば、A市のグループとB銀行のグループのグループセットからは、A市に存在しているか又はB銀行に口座を開設していること、という属性値「A市+B銀行」のグループが生成される。
【0043】
次に、S1102において、CPU101は、新たなグループが生成されたことに対応し、ユーザ情報と販売店情報を更新する。具体的には、CPU101は、新たに生成されたグループにユーザと販売店とを登録する。例えば、
図3に示すユーザ情報が記憶されている状態で、A市+B銀行のグループが生成されたとする。この場合、A市のグループに所属するユーザ及びB銀行のグループに所属するユーザは、A市+B銀行のグループに所属するとなる。例えば、
図3に示すU001のユーザは、A市のグループに所属するユーザであったため、A市+B銀行のグループに所属するユーザとなる。これに対応し、CPU101は、
図12に示すように、U001のユーザ情報のグループにA市+B銀行を追加する。CPU101は、同様に、U002、U003、U004のユーザのユーザ情報のグループにA市+B銀行を追加する。
【0044】
また、A市のグループの構成員であった販売店も、A市+B銀行のグループの構成員として登録される。すなわち、CPU101は、
図4に示す構成員情報に対しては、
図13に示すように、S001の構成員情報のグループにA市+B銀行を追加する。
【0045】
このようにA市+B銀行のグループが生成された後で、日鉄菓子店の投稿情報を投稿する場合には、投稿者は、A市+B銀行のグループ又はA市のグループを指定することで、いずれかのグループへの投稿情報として投稿することができる。また、投稿情報を閲覧する場合には、閲覧者は、ユーザ操作により、A市のグループを指定することもできるし、A市+B銀行のグループを指定することもできる。
【0046】
A市+B銀行のグループが生成されると、B銀行のグループのメンバーであったがA市のグループのメンバーではなかったというようなユーザも、A市のグループのサービスを受けられるようになる。すなわち、B銀行のグループのメンバーである次郎さんは、A市のグループのメンバーと同様に、日鉄菓子店の商品を割引価格で購入できるようになる。これにより、日鉄菓子店と同一のグループのメンバーからの購入が増えることが期待される。さらに、日鉄菓子店から割引価格で商品を購入するために、A市以外の地域のユーザがB銀行にユーザ登録する人が現れ、B銀行の口座開設者が増えることが期待される。さらには、日鉄菓子店の売り上げが上がることで、A市の売り上げが上がる。というように、WinWinの関係を構築することができる。
【0047】
次に、実施形態の第1の変形例について説明する。上述したグループ生成の処理は一例であって、共通ユーザの数に基づいて新たなグループが生成される構成に限定されない。例えば、情報処理装置100は、重複ユーザの割合等により、新たなグループの生成の判定を行ってもよい。
【0048】
また、例えば、各グループに、他のグループとの結合条件が設定されていてもよい。そして、情報処理装置100は、結合条件の充足を定期的にチェックし、結合条件を充足した場合に、既存の複数のグループを結合して新たなグループを生成する。
【0049】
結合条件として「投資金額が一定以上」という内容が設定されている場合を一例として、より具体的に説明すれば以下のとおりである。グルメブロガーのグループがあり、このグループが表には出さない有料情報があるとする。さらに、その有料情報は通常はグループ員にしか販売されないが、グルメブロガーに一定の金額以上の出資をしてくれた人には販売しているとする。さらに、情報処理装置100には、結合条件になっている投資金額が登録されているとする。
【0050】
そして、ある企業(企業X)が福利厚生として、グルメブロガーのグループに出資したとする。この場合、出資金額が企業Xのグループからグルメブロガーのグループへの投資金額として情報処理装置100に登録される。そして、情報処理装置100は、定期的に結合条件と、結合条件に関連する情報(この場合はグルメブロガーグループへの投資金額)をチェックする。情報処理装置100は、結合条件として設定されている投資金額に達していることを検知すると、グルメブロガーのグループと企業Xのグループとを結合した新しいグループを生成する。なお、上述の「投資額が一定以上」という条件も一例であって、ほかにも「〇〇契約が締結されている」というような結合条件が情報処理装置100に設定されていてもよく、特に限定されない。
【0051】
次に、第2の変形例について説明する。実施形態においては、情報処理装置100は、投稿対象のグループのメンバーか否かという2つの属性値に応じた投稿情報を抽出したが、投稿情報を抽出するための抽出条件は実施形態に限定されるものではない。他の例としては、情報処理装置100は、投稿対象の地域のグループの居住者か、旅行したことがあるユーザか、居住者でなくかつ旅行したことがないユーザか、の3つの属性値に応じて投稿情報を抽出してもよい。このように、属性値は、管理者等が任意に設定することができる。
【0052】
また、第3の変形例としては、情報処理装置100は、グループごとに独立した取引システムを管理し、当該取引システムのユーザや販売店をグループのメンバーとして管理してもよい。そして、投稿情報は、その取引システムにおける取引の結果に関するものであってもよい。また、投稿情報としては、口コミ情報のような情報のみならず、投票情報のような5段階評価の点数のような形のものであってもよいことは言うまでもない。
【0053】
また、グループごとに取引システムを含んで構成される場合、グループが結合すると、新たな取引システムが生成されることになる。取引システムはテンプレートのような形で用意され、結合前と共通の情報についてはそのまま引き継ぎ、結合後の固有の情報については別途管理者により登録される構成であってもよい。
【0054】
さらに、本実施形態では、情報処理装置100として説明したが、あるグループの取引システムと別のグループの取引システムとは、別々の装置上に構築されていてもよい。例えば、別々のサーバ上に構築された複数の取引システムが連携して実施形態で説明したような情報処理システムの機能を実現する場合、複数のサーバにより情報処理装置100が構成されることとなる。また、グループのユーザ情報や構成員情報は、全てのグループの情報を一元的に管理する構成であってもよいし、グループごとに構築されたシステムごとに管理する構成であってもよい。
【0055】
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る情報処理システム1400を示す図である。情報処理システム400は、ブロックチェーン技術を利用したシステムである。ここでは、情報処理装置システム1400をTNet(TrustNetwork)と称する。TNetは、Web Application1410とBlockchain Application1420等を備えている。
【0056】
Web Application1410は、TNetへのログインを一元的に管理するログイン機能等を有する。
図14においては、上述のグループのことをLocal Networkと称している。Web Application1410はTNetに含まれるネットワーク(グループ)の検索や一覧表示機能や詳細表示機能を備えている。
【0057】
Blockchain Application140はLocal Network(各グループ)における各種取引機能や投票機能(投稿機能)を備えている。本実施形態においては、各Local Networkに所属する各メンバーには、Blockchainノードが割り当てられている。Local Network内での取引や投票に関する情報はBlockchainノード上に記憶される。すなわち、第2の実施形態に係る情報処理システム1400においては、中央集権的に各種取引機能や投票機能を一元管理するようなサーバが設けられているわけではなく、各ノード間でのPeer to Peer(P2P)での情報のやり取りにより取引機能や投票機能が実現され、発生するトランザクションデータは各ノードに記憶されることになる。
【0058】
図15は、ブロックチェーンがプライベートクラウド上に構築されるイメージを示す図である。この例では、
図14に示すとおり、Web ApplicationとBlockchain Application等は仮想サーバ上に構築される。
図16は、Web ApplicationやBlockchain Applicationを有するBlockchain Node毎に物理的に独立した端末を設けるイメージを示す図である。
図14に概念的に示される情報処理システム1400は、具体的な情報処理システムとして
図15や
図16に示すような構成とすることができるが、これらは一例であって、これに限定されるものではない。
【0059】
図17は、本実施形態において参照されるテーブルの情報の一覧を示す図である。
図18は、ユーザ情報を記憶するテーブルの一例を示す図である。ユーザ情報は、TNetを利用するユーザが最初に入力する。
図19は、ネットワーク情報を記憶するテーブルの一例である。
図20は、TNetノードの情報を記憶するテーブルの一例である。
図21は、ノード情報を記憶するテーブルの一例である。
図22は、取引情報を記憶するテーブルの一例である。
図23は、投票情報を記憶するテーブルの一例である。
【0060】
なお、本実施形態では、各テーブルは
図14に示すように配置される。ただし、テーブルの配置及びテーブルのデータ構成は一例であって、仕様に応じて任意に設計することができる。
【0061】
ここで、投票情報(投稿情報)とユーザ(あるいは構成員)やネットワーク(グループ)との対応付けについて補足する。本実施形態では、投票情報(投稿情報)に自ノード情報や相対ノード情報が含まれる。この自ノード情報や相対ノード情報によりTNetノード情報を参照すればユーザIDやネットワークIDを特定することができる。すなわち、いずれのユーザによる投稿情報であるか、いずれの構成員に対する投稿情報であるか、あるいはそのノードが所属するネットワークID(すなわちグループ)が対応付け可能な状態にて記憶されている。ここで、本実施形態では、ノードは各ユーザや構成員に対応しており、ユーザ等登録処理の際に生成されるものである。したがって、投稿情報は、それを投稿したユーザの所属するネットワーク(グループ)や投稿された構成員の所属するネットワーク(グループ)と対応付け可能な状態に登録されていることになる。
【0062】
また、いずれのネットワークにも属しないユーザの場合、TNetノード情報のネットワークIDとして未所属を表すIDが登録される。これにより、いずれのネットワークにも所属していないユーザによる投稿であることが把握できる。一方、投稿された構成員については当該構成員のノード情報を介してネットワークIDを特定できる。このため、構成員の所属するネットワーク(グループ)と対応付け可能な状態に登録されている。また、ユーザや構成員が複数のグループに所属する場合であっても、取引IDを介して、ネットワークIDを特定でき、構成員の所属するネットワーク(グループ)と対応付け可能な状態に登録されている。また、複数のネットワーク(グループ)に所属するユーザや構成員は、ネットワークごとにノードが生成され、複数のノードIDを有する一方、ユーザID(構成員ID)としては同一のIDを用いる。これにより、ある投稿情報を複数のネットワーク(グループ)に対応づけることも可能である。
【0063】
図24は、ユーザ登録処理のシーケンス図である。最初にTNetを利用しようとする際、利用者が個人端末からユーザIDやパスワードを入力すると、個人端末は、ユーザIDやパスワードをWeb Applicationへ送信する。Web Applicationは、S2401においてユーザ情報を登録し、S2402において、登録完了通知を個人端末に送信する。
【0064】
図25は、ネットワーク(グループ)登録処理のシーケンス図である。新たにグループを立ち上げようとする際に実行される。S2500において、グループ発起人の個人端末は、ユーザにより入力されたグループ名称や参加要件を送信する。次に、S2501において、Web Applicationが外部システムと連携しながら参加要件の検証を行う。次に、S2502において、Web Applicationは、その検証結果を発起人端末へ通知するとともに、ネットワーク情報として登録する。さらに、S2503において、Web Applicationは、Blockchain Applicationへローカルネットワーク(グループ)の作成を指示する。S2504において、Blockchain Applicationは、所与のテンプレート等の情報に基づいてローカルネットワーク(グループ)を作成し、作成完了通知を返す。次に、S2505において、Web Applicationは、個人端末に登録完了通知を返す。
【0065】
図26は、ユーザがTNetおよびネットワーク(グループ)へログインする際のシーケンス図である。ユーザがログイン情報としてユーザIDとパスワードを入力すると、S2600において、個人端末は、ログイン情報をWeb Applicationへ送信する。S2601において、Web Applicationは、ログイン情報に基づいてユーザ情報の照合処理を行いユーザであることを確認する。ユーザがネットワーク(グループ)へ参加しようとすると、S2602において、Web Applicationは、ユーザが当該ネットワークへ参加可能であるか外部システムと連携して参加要件の検証を行う。そして、S2603において、Web Applicationは、Blockchain Applicationへノードの存在の確認を行う。S2604において、Blockchain Applicationは、ノードの存在を確認し、存在しない場合には、新規の参加であると判断して、当該ユーザに対応するノードを作成するとともに、ノードの作成についての結果をWeb Applicationへ通知する。さらに、S2605において、Web Applicationは、ユーザからの要求に応じた情報の取得要求をBlockchain Applicationへ送信する。S2606において、Blockchain Applicationは、Web Applicationへ、要求された情報を送信する。そして、S2607において、Web Applicationは、ユーザの個人端末でユーザが要求した情報を画面に表示する。
【0066】
図27は、ネットワーク(グループ)における取引処理および投票処理のシーケンス図である。ユーザが取引処理を要求し、Web Applicationを介して取引内容を入力すると、S2700において、個人端末は、取引内容をWeb Applicationへ送信する。次に、S2701において、Web Applicationは、取引実行要求をBlockcchain Applicationへ送信する。S2702において、Blockchain Applicationは、取引処理を実行し、S2703において、Blockchain Applicationは、当該取引処理に関するトランザクション情報をBlockchain Applicationを構成するノードに記憶する。さらに、個人端末が取引結果の応答を受信した後、Web Applicationを介して取引相手(構成員たる販売事業者等)に対する投票を行うと、S2710において、Web Applicationは、Blockchain Applicationへ投稿実行要求を送信する。次に、S2711においては、Blockchain Applicationは、投票処理を実行し、S2712において、投票情報がBlockchain Applicationのノードに記憶される。
【0067】
図28は、ネットワークの結合または分離の処理のシーケンス図である。S2800において、Web Applicationは、上述したネットワーク(グループ)の結合チェックを定期的に行い、外部システムと連携して結合要件の検証を行う。所定の結合条件を満たした場合、ネットワーク(グループ)が結合されることになる。具体的には上述のとおり新たなネットワーク(グループ)が生成される。すなわち、S2801において、Web Applicationは、Blockchain Applicationへネットワークの作成要求を行う。Blockchain Applicationは、ネットワークが作成されると、結果をWeb Applicationに通知する。
【0068】
図29は、TNetへの利用者登録を行うためのユーザ登録画面2900を示す図である。TNetの利用を希望するユーザは最初にユーザ登録画面2900の各項目に入力を行い、利用登録を行う。
図30は、TNetに新規のネットワーク(グループ)を作成するために必要な情報を入力するためのネットワーク登録画面3000を示す図である。TNetに新規のネットワーク(グループ)を作成する場合には最初にネットワーク登録画面3000の各項目に入力を行い、利用登録を行う。
【0069】
図31は、TNetへのログイン画面3100を示す図である。TNetを利用しようとする際、利用者は、ログイン画面3100において、ユーザID(ユーザ名)とパスワードを入力する。
図32は、TNetへのログイン後の初期画面3200を示す図である。利用者は最初にTNetに含まれるネットワーク(グループ)を選択する必要があるため、その検索画面が初期画面3200として表示される。
図33は、ネットワーク(グループ)の検索結果を表示する検索結果画面3300を示す図である。検索結果画面3300は、利用者が参加しているネットワーク(グループ)のみを表示することもできるし、利用者が参加していないネットワーク(グループ)も含め、TNetに含まれるすべてのネットワークを表示することもできる。
【0070】
図34は、ネットワーク(グループ)を選択した場合に表示されるネットワーク個別画面3400を示す図である。ネットワーク個別画面3400には、グループの概要や参加資格が表示されるとともに、参加者(構成員、ユーザ)一覧を参照することができるリンクも表示される。
図35は、ネットワーク(グループ)の参加者一覧を表示する参加者一覧画面3500である。参加者一覧画面3500には、ネットワークの参加者(構成員、ユーザ)が一覧表示される。参加者が選択されると、その参加者(構成員、ユーザ)の詳細な情報が表示される。また、参加者一覧画面3500において、ネットワークの参加者(構成員、ユーザ)を検索することもできる。
【0071】
図36は、ネットワーク(グループ)への参加者(構成員、ユーザ)の情報を表示する参加者画面3600を示す図である。参加者画面3600には、参加者について説明する概要のほか、評価(投稿情報)に関する情報が表示される。
図36に示す例では、評価(投稿情報)として点数が表示されている。
図36に示すネットワークの参加者(グループの構成員、ユーザ)からの評価(投稿情報)は95点(平均点)、当該ネットワークの参加者(グループの構成員、ユーザ)以外の利用者からの評価(投稿情報)は60点(平均点)である。
【0072】
図37は、評価を示す評価詳細画面3700の一例を示す図である。評価詳細画面3700には、ネットワーク(グループ)への参加者(構成員、ユーザ)による評価(投稿情報)であって、参加者(構成員、ユーザ)の属性ごとの評価(投稿情報)が表示されている。利用者は、TNetへ参加する際、年齢や出身地、住所等を登録しており、これらの属性の情報に基づいて評価(投稿情報)が分類されている。利用者は、評価詳細画面3700を参照することにより、例えば自分の属性と近い属性の評価(投稿情報)を参考に各種の判断をすることが可能となる。
【0073】
図38は、ネットワーク(グループ)の取引システムに係る取引画面3800を示す図である。取引画面3800は、取引システム上での商品の購入に係る操作を受け付けるための画面である。利用者は上述した評価(投稿情報)を参照して購入について各種の判断をすることができる。例えば、利用者は、自分と属性の近いユーザの評価(投稿情報)に基づいて購入することができる。
【0074】
評価(投稿情報)は特定のネットワーク(グループ)の参加者による情報である。当該ネットワーク(グループ)に加入するためには一定の参加資格(例えばその地域の住民や過去に実際に商品を購入した人等)を満たす必要がある。さらに、その参加資格は、信頼性の高い証明情報等(免許証、住民票、あるいは大手の商取引サイト等における取引履歴等)を確認された者だけに与えられる。これにより、一般的な口コミサイト等におけるステルスマーケティング的な書き込みやその地域に行ったこともないような者による嫌がらせ的な書き込みを排除することができ。したがって、利用者は著しく信頼性の高い評価(投稿情報)を参照することができるようになるのである。
【0075】
図39は、ネットワーク(グループ)の取引システムの利用者による評価(投稿情報)の投票画面3900を示す図である。利用者は、投票画面3900において、点数のみならず、コメント等により各種の評価を入力することができる。
【0076】
以上のように、本実施形態によれば、複数の投稿情報のうち、ユーザにとって有益な投稿情報を自動で抽出し、ユーザに提示することができる。
【0077】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
ことができる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
105 表示部