(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】食材接触防止シート
(51)【国際特許分類】
B65D 85/50 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
B65D85/50 100
(21)【出願番号】P 2018132296
(22)【出願日】2018-07-12
【審査請求日】2021-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知毅
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-130717(JP,A)
【文献】特開2011-246145(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0124590(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重なり合うように配置される第一食材と第二食材との接触を防止する食材接触防止シートであって、
第一食材と第二食材との間に配置される本体シート部と、一方向に延びる帯状に形成された帯状シート部とを備えており、
本体シート部は、前記一方向に位置する第一端部が切り込まれて形成された一対の切込部を備え、該一対の切込部から前記一方向に切断可能に構成されており、
帯状シート部は、長手方向の両端部間の長さが本体シート部の前記一方向の両端部間の長さよりも長くなるように形成されると共に、長手方向の一端部が本体シート部の第一端部における一対の切込部の間の領域に連結されており、
帯状シート部が前記一方向に沿って本体シート部と重なり合うように配置された際に、帯状シート部の長手方向の他端部が本体シート部と重なり合わないように構成され
、
第一食材が第二食材を挟み込むことで第一食材と第二食材とが重なり合うように構成されており、
本体シート部は、第二食材が間に位置するように前記一方向に延びる折り曲げ位置で二つに折り曲げられた状態で第一食材と第二食材との間に配置されるように構成されており、
一対の切込部は、本体シート部の前記折り曲げ位置の近傍に形成される食材接触防止シート。
【請求項2】
前記一方向が長手となるように配置される帯状のカットテープを更に備えており、
該カットテープは、少なくとも本体シート部における一対の切込部から前記一方向に延びる一対の仮想線の間に配置される請求項
1に記載の食材接触防止シート。
【請求項3】
本体シート部及び帯状シート部が一枚のシート材から形成される請求項1
又は2に記載の食材接触防止シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材同士の接触を防止する食材接触防止シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パンやシート状食品等を第一食材とし、ハムや野菜や各種ソース等を第二食材として、第一食材の間に第二食材を挟み込んで一体にした状態で食される料理(サンドイッチやホットドックやクレープ等)が知られている。斯かる料理は、持ち運びすることが容易であることから、包装材で包装されて持ち運ばれた後、食される場合がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように、第一食材と第二食材とが一体にされた後、時間をおいて料理が食される場合、食される時点で、第二食材(又は、第一食材)の成分(例えば、水分)が第一食材(又は、第二食材)に移行しており、料理の食感や味が悪くなっている場合がある。
【0005】
そこで、第一食材と第二食材とが重なり合った状態が継続しても、第二食材(又は、第一食材)の成分が第一食材(又は、第二食材)に移行するのを防止することができる食材接触防止シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る食材接触防止シートは、重なり合うように配置される第一食材と第二食材との接触を防止する食材接触防止シートであって、第一食材と第二食材との間に配置される本体シート部と、一方向に延びる帯状に形成された帯状シート部とを備えており、本体シート部は、前記一方向に位置する第一端部が切り込まれて形成された一対の切込部を備え、該一対の切込部から前記一方向に切断可能に構成されており、帯状シート部は、長手方向の両端部間の長さが本体シート部の前記一方向の両端部間の長さよりも長くなるように形成されると共に、長手方向の一端部が本体シート部の第一端部における一対の切込部の間の領域に連結されており、帯状シート部が前記一方向に沿って本体シート部と重なり合うように配置された際に、帯状シート部の長手方向の他端部が本体シート部と重なり合わないように構成される。
【0007】
斯かる構成によれば、帯状シート部が前記一方向に沿って本体シート部と重なり合うように配置された状態(以下、重合状態とも記す)の食材接触防止シートを第一食材と第二食材との間に配置することで、重なり合う第一食材と第二食材との接触を防止することができる。このため、第一食材と第二食材とが重なり合った状態が継続しても第一食材(又は、第二食材)の成分が第二食材(又は、第一食材)へ移行してしまうのを防止することができる。
【0008】
また、帯状シート部は、長手方向の両端部間の長さが本体シート部の前記一方向の両端部間の長さよりも長くなるように形成されており、帯状シート部が前記一方向に沿って本体シート部と重なり合うように配置された際に、帯状シート部の長手方向の他端部が本体シート部と重なり合わないように構成されている。このため、帯状シート部と本体シート部とを重ね合わせた状態(重合状態)で、帯状シート部の長手方向の他端部を指などで摘まむことが可能となる。
【0009】
そして、第一食材と第二食材との間に重合状態の食材接触防止シートが配置された状態で、帯状シート部の長手方向の他端部を指などで摘み、一方向に引っ張ることで、本体シート部の第一端部における一対の切込部間の領域(帯状シート部の長手方向の一端部と連なる領域)が本体シート部の一方向の他端部側へ引っ張られることになる。これにより、本体シート部は、一対の切込部を切っ掛けに前記一方向に切断されるため、前記一方向に交差する他方向に分割される。
【0010】
このように、本体シート部が前記他方向に分割されることで、前記他方向の一方の側と他方の側とを別々に第一食材と第二食材との間から引き抜くことができる。このため、本体シート部が分割されない状態で第一食材と第二食材との間から引き抜かれる場合よりも、本体シート部の引き抜きを容易に行うことができる。これにより、上述のように、第一食材と第二食材との間から食材接触防止シートを引き抜くことで、第一食材と第二食材とが一体になった料理を食することが可能となる。
【0011】
第一食材が第二食材を挟み込むことで第一食材と第二食材とが重なり合うように構成されており、本体シート部は、第二食材が間に位置するように前記一方向に延びる折り曲げ位置で二つに折り曲げられた状態で第一食材と第二食材との間に配置されるように構成されており、一対の切込部は、本体シート部の前記折り曲げ位置の近傍に形成されることが好ましい。
【0012】
斯かる構成によれば、第一食材が第二食材を挟み込むことで第一食材と第二食材とが重なり合うように構成される。また、本体シート部は、第二食材が間に位置するように前記一方向に延びる折り曲げ位置で二つに折り曲げられた状態で第一食材と第二食材との間に配置される。このため、本体シート部が分割されない状態では、第一食材と第二食材との間から本体シート部を引き抜くことが困難となる。
【0013】
しかしながら、一対の切込部は、本体シート部の前記折り曲げ位置の近傍に形成されるため、上述のように、本体シート部を切断することで、本体シート部における第二食材を挟んで対向する一対の対向部が分離されることになる。これにより、一対の対向部のそれぞれを別々に第一食材と第二食材との間から引き抜くことができるため、第一食材と第二食材との間から本体シート部を容易に引き抜くことができる。
【0014】
前記一方向が長手となるように配置される帯状のカットテープを更に備えており、
該カットテープは、少なくとも本体シート部における一対の切込部から前記一方向に延びる一対の仮想線の間に配置されることが好ましい。
【0015】
斯かる構成によれば、前記一方向が長手となるように配置される帯状のカットテープを更に備える。そして、該カットテープは、少なくとも本体シート部における一対の切込部から前記一方向に延びる一対の仮想線の間に配置される。これにより、上述のように、一対の切込部を切っ掛けに本体シート部が切断される際の切断位置の間にカットテープが位置するため、本体シート部の切断によって本体シート部から分離される領域の幅がカットテープの幅よりも狭くなるのを防止することができる。これにより、本体シート部の分割をより確実に行うことができる。
【0016】
本体シート部及び帯状シート部が一枚のシート材から形成されることが好ましい。
【0017】
斯かる構成によれば、本体シート部及び帯状シート部が一枚のシート材から形成されるため、食材接触防止シートの製造を簡易に行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、第一食材と第二食材とが重なり合った状態が継続しても、第二食材(又は、第一食材)の成分が第一食材(又は、第二食材)に移行するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る食材接触防止シートを示した平面図。
【
図2】(a)は、同実施形態に係る食材接触防止シートであって、帯状シート部が本体シート部に重なった状態を示した平面図、(b)は、(a)のI-I断面図。
【
図3】(a)は、同実施形態に係る食材接触防止シートを第一食材上に載置した状態を示す斜視図、(b)は、同実施形態に係る食材接触防止シートが第一食材と第二食材との間に配置された状態を示す斜視図。
【
図4】(a)は、同実施形態に係る食材接触防止シートが第一食材と第二食材との間に配置された状態で、第一食材が第二食材及び食材接触防止シートを挟み込んだ状態を示す斜視図、(b)は、(a)のII-II断面図。
【
図5】同実施形態に係る食材接触防止シートが第一食材と第二食材との間から取り除かれる状態を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る食材接触防止シートの実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において同一又は相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。また、以下の説明で、一方向とは、各図の座標軸のx軸に沿った方向であり、他方向とは、各図の座標軸のy軸に沿った方向である。
【0021】
本実施形態に係る食材接触防止シート1は、重なり合うように配置される第一食材と第二食材との接触を防止するものである。具体的には、食材接触防止シート1は、
図1に示すように、第一食材と第二食材との間に配置される本体シート部2と、一方向(以下、第一方向とも記す)に延びる帯状に形成された帯状シート部3とを備える。また、本実施形態では、食材接触防止シート1は、少なくとも本体シート部2に重なるように配置されるカットテープ4を備える。本実施形態では、本体シート部2と帯状シート部3とは、一枚のシート材から形成される。
【0022】
本体シート部2は、一方向に位置する第一端部2aが切り込まれて形成された一対の切込部2b,2bを備える。該一対の切込部2b,2bは、一方向(以下、第一方向とも記す)に交差する他方向(以下、第二方向とも記す)に間隔を空けて形成される。本実施形態では、本体シート部2は、四角形状(具体的には、長方形状)に形成されており、第二方向に延びる第一端部2aに一対の切込部2b,2bが形成される。また、一対の切込部2b,2bは、後述するように本体シート部2を第一方向に沿って二つに折り返す際の(即ち、第一方向に延びる)折り曲げ位置2dの近傍に(本実施形態では、折り曲げ位置2dが一対の切込部2b,2bの間に位置するように)形成される。
【0023】
そして、本体シート部2は、一対の切込部2b,2bから前記一方向(以下、第一方向とも記す)に切断可能に構成される。具体的には、一対の切込部2b,2bは、第一方向に延びる線状に形成されており、本体シート部2の第一端部2a側の一端部が該第一端部2aの端縁に達するように形成される。これにより、本体シート部2における一対の切込部2b,2b間の領域が本体シート部2における第一端部2aに対向する第二端部2c側へ引っ張られた際に、一対の切込部2b,2bの各他端部から第一方向に本体シート部2が切断されることになる。つまり、本体シート部2は、第二方向に分割可能に構成される。
【0024】
帯状シート部3は、長手方向の一端部3aが本体シート部2の第一端部2a(具体的には、一対の切込部2b,2bの間の領域)に連結される。また、帯状シート部3は、長手方向の両端間の長さが本体シート部2の第一方向の両端間の長さ(即ち、第一端部2aと第二端部2cとの間の長さ)よりも長くなるように形成される。また、帯状シート部3は、第一方向に沿って本体シート部2と重なり合うように配置された際に、帯状シート部3の長手方向の他端部3bが本体シート部2と重なり合わないように構成される。
【0025】
カットテープ4は、第一方向が長手となるように配置される。また、カットテープ4は、少なくとも本体シート部における一対の切込部から前記第一方向に延びる一対の仮想線L1,L1の間に配置される。本実施形態では、カットテープ4は、本体シート部2及び帯状シート部3と重なるように配置される。
【0026】
上記のように構成される食材接触防止シート1は、
図2(a)(b)に示すように、帯状シート部3が本体シート部2と重なり合うように配置された状態(以下、重合状態とも記す)で使用される。本実施形態では、本体シート部2と帯状シート部3とが一枚のシート材から構成されるため、本体シート部2と帯状シート部3との連結位置で食材接触防止シート1が第二方向に沿って折り返されることで、帯状シート部3が本体シート部2と重なり合うように配置される。ここで、帯状シート部3の長手方向の他端部3bは、本体シート部2と重なり合わないように構成されているため、重合状態において帯状シート部3の長手方向の他端部側に本体シート部2と重なり合わない領域(以下、摘み部とも記す)3cが形成される。
【0027】
これにより、摘み部3cを指などで摘まんで、本体シート部2の第一端部2aから第二端部2cへ向かう方向へ帯状シート部3を引っ張った際に、一対の切込部2b,2bの他端部を起点に本体シート部2が第一方向に(具体的には、一対の仮想線L1,L1上で)切断されることになる。
【0028】
食材接触防止シート1を使用する方法としては、まず初めに、
図3(a)に示すように、本体シート部2と第一食材Aとの間に帯状シート部3が位置するように、第一食材A上に食材接触防止シート1を載置する。第一食材Aとしては、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ホットドックやサンドイッチ等で使用されるパンを例に説明する。次に、
図3(b)に示すように、食材接触防止シート1上に第二食材Bを載置する。第二食材Bとしては、特に限定されるものではなく、ハム、スライスチーズ、野菜、各種ソース等が挙げられる。そして、
図4(a)(b)に示すように、第一食材Aを第一方向に沿って二つに折り返し、第一食材Aで第二食材Bを挟み込む。これにより、第一食材Aと第二食材Bとが重なり合う配置される。この際、本体シート部2は、第二食材Bが間に位置するように折り曲げ位置2dで二つに折り曲げられた状態で第一食材Aと第二食材Bとの間に配置される。これにより、第一食材Aと第二食材Bとの接触が防止された状態が形成される。斯かる状態において、本体シート部2には、第二食材Bを挟んで対向する一対の対向部2e,2eが形成される。また、摘み部3cの少なくとも一部は、第一食材Aの外側に位置するように配置される。
【0029】
第一食材Aと第二食材Bとを一体として食する際には、
図5に示すように、摘み部3cを指などで摘まんで第一方向に引っ張ることで、上述のように本体シート部2を切断する。これにより、本体シート部2における一対の仮想線L1,L1間の領域(以下、分離領域とも記す)2fが帯状シート部3に連なった状態で他の領域から分離される。また、該分離領域2fが本体シート部2の他の領域から分離されることで、一対の対向部2e,2eが分離される。そして、一対の対向部2e,2eを第一食材Aと第二食材Bとの間から引き抜くことで、第一食材Aと第二食材Bとを一体として食することが可能となる。
【0030】
以上のように、本実施形態に係る食材接触防止シート1によれば、第一食材Aと第二食材Bとが重なり合った状態が継続しても、第二食材B(又は、第一食材A)の成分が第一食材A(又は、第二食材B)に移行するのを防止することができる。
【0031】
即ち、帯状シート部3が第一方向に沿って本体シート部2と重なり合うように配置された状態(以下、重合状態とも記す)の食材接触防止シート1を第一食材Aと第二食材Bとの間に配置することで、重なり合う第一食材Aと第二食材Bとの接触を防止することができる。このため、第一食材Aと第二食材Bとが重なり合った状態が継続しても第一食材A(又は、第二食材B)の成分が第二食材B(又は、第一食材A)へ移行してしまうのを防止することができる。
【0032】
また、帯状シート部3は、長手方向の両端部間の長さが本体シート部2の第一方向の両端部間の長さよりも長くなるように形成されており、帯状シート部3が第一方向に沿って本体シート部2と重なり合うように配置された際に、帯状シート部3の長手方向の他端部3b(具体的には、摘み部3c)が本体シート部2と重なり合わないように構成されている。このため、帯状シート部3と本体シート部2とを重ね合わせた状態(重合状態)で、帯状シート部3の長手方向の他端部3b(具体的には、摘み部3c)を指などで摘まむことが可能となる。
【0033】
そして、第一食材Aと第二食材Bとの間に重合状態の食材接触防止シート1が配置された状態で、帯状シート部3の長手方向の他端部3b(具体的には、摘み部3c)を指などで摘み、第一方向に引っ張ることで、本体シート部2の第一端部2aにおける一対の切込部2b,2b間の領域(帯状シート部3の長手方向の一端部3aと連なる領域)が本体シート部2の第一方向の第二端部2c側へ引っ張られることになる。これにより、本体シート部2は、一対の切込部2b,2bを切っ掛けに第一方向に切断されるため、第二方向に分割される。
【0034】
このように、本体シート部2が第二方向に分割されることで、第二方向の一方の側と他方の側とを別々に第一食材Aと第二食材Bとの間から引き抜くことができる。このため、本体シート部2が分割されない状態で第一食材Aと第二食材Bとの間から引き抜かれる場合よりも、本体シート部2の引き抜きを容易に行うことができる。これにより、上述のように、第一食材Aと第二食材Bとの間から食材接触防止シート1を引き抜くことで、第一食材Aと第二食材Bとが一体になった料理を食することが可能となる。
【0035】
また、第一食材Aが第二食材Bを挟み込むことで第一食材Aと第二食材Bとが重なり合うように構成される。また、本体シート部2は、第二食材Bが間に位置するように第一方向に延びる折り曲げ位置2dで二つに折り曲げられた状態で第一食材Aと第二食材Bとの間に配置される。このため、本体シート部2が分割されない状態では、第一食材Aと第二食材Bとの間から本体シート部2を引き抜くことが困難となる。
【0036】
しかしながら、一対の切込部2b,2bは、本体シート部2の前記折り曲げ位置2dの近傍に形成される。このため、上述のように、本体シート部2を切断することで、本体シート部2における第二食材Bを挟んで対向する一対の対向部2e,2eが分離されることになる。これにより、一対の対向部2e,2eのそれぞれを別々に第一食材Aと第二食材Bとの間から引き抜くことができるため、第一食材Aと第二食材Bとの間から本体シート部2を容易に引き抜くことができる。
【0037】
また、第一方向が長手となるように配置される帯状のカットテープ4を更に備える。そして、該カットテープ4は、少なくとも本体シート部2における一対の切込部2b,2bから第一方向に延びる一対の仮想線L1,L1の間に配置される。これにより、上述のように、一対の切込部2b,2bを切っ掛けに本体シート部2が切断される際の切断位置の間にカットテープ4が位置するため、本体シート部2の切断によって本体シート部2から分離される領域の幅がカットテープ4の幅よりも狭くなるのを防止することができる。これにより、本体シート部2の分割をより確実に行うことができる。
【0038】
また、本体シート部2及び帯状シート部3が一枚のシート材から形成されるため、食材接触防止シート1の製造を簡易に行うことができる。
【0039】
なお、本発明に係る食材接触防止シートは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0040】
例えば、上記実施形態では、食材接触防止シート1は、カットテープ4を備えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、カットテープ4を備えないように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、食材接触防止シート1は、一つのカットテープ4を備えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、カットテープ4に替えて、カットテープ4よりも幅の細いカットテープを第二方向に間隔を空けて配置するように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、本体シート部2が直線状に切断されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、波型や湾曲した形状に切断されるように(具体的には、カットテープ4の側端縁が波型や湾曲した形状)に構成されてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、第一食材Aが第二食材Bを挟み込むように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第一食材A上に第二食材Bが載置されて第一食材Aで第二食材Bを挟み込まないように構成してもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、第一食材Aとして、パンを例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、第一食材Aがクレープやトルティーヤの生地等のシート状の食材等であってもよい。
【0043】
上記実施形態では、一対の切込部2b,2bの一端部は、本体シート部2の第一端部2aの端縁に達するように構成されているが、一対の切込部2b,2bをきっかけに本体シート部2を切断可能であれば、これに限定されるものではなく、例えば、本体シート部2の第一端部2aの端縁に僅かに達しないように構成されてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、カットテープ4は、本体シート部2及び帯状シート部3と重なるように構成されているが、これに限定されるものではなく、本体シート部2のみに重なるように構成されてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、本体シート部2と帯状シート部3とは、一枚のシート材から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、それぞれが別々のシート材から構成されてもよい。食材接触防止シート1(具体的には、本体シート部2、帯状シート部3、及び/又は、カットテープ4)を構成するシート材としては、特に限定されるものではなく、例えば、エンボス加工された樹脂フィルムや、引き裂き方向性を有する樹脂フィルム等を用いることができる。また、シート材の素材としては、特に限定されるものではなく、合成樹脂、紙、及び、布等から選択される少なくとも一つを用いることができる。
【0046】
また、上記実施形態では、折り曲げ位置2dは、一対の切込部2b,2b(一対の仮想線L1,L1)の間となるように(即ち、本体シート部2が一対の切込部2b,2bの間で折り曲げられるように)構成されているが、これに限定されるものではなく、一対の切込部2b,2b(一対の仮想線L1,L1)の外側となるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…食材接触防止シート、2…本体シート部、2a…本体シート部の第一方向の第一端部、2b…切込部、2c…本体シート部の第一方向の第二端部、2d…折り曲げ位置、2e…対向部、2f…分離領域、3…帯状シート部、3a…帯状シート部の長手方向の一端部、3b…帯状シート部の長手方向の他端部、3c…摘み部、4…カットテープ、A…第一食材、B…第二食材、L1…仮想線