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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 7/08 20060101AFI20221019BHJP
   F28D 21/00 20060101ALI20221019BHJP
   F28F 9/22 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
F28D7/08
F28D21/00 A
F28F9/22
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018177447
(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公開番号】P2020046161
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000183369
【氏名又は名称】住友精密工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】藤原 昂太
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0238627(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0205146(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0292791(US,A1)
【文献】仏国特許発明第01095966(FR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 7/08
F28D 21/00
F28F 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体を流通させる複数の第1流路と、第1流体と熱交換する第2流体を流通させる複数の第2流路と、を含む複数の管状の流路を備え、
前記複数の流路は、全体として所定方向に延びるように形成され、
前記複数の流路は、それぞれ、前記所定方向と直交する断面における位置および外形形状が、前記所定方向における位置に応じて変化しており、
前記流路は、
前記所定方向の第1位置を通る前記断面において第1形状を有し、
前記所定方向の第2位置を通る前記断面において、前記所定方向から見て前記第1形状と部分的に重複する第2形状に変化し、
前記所定方向の第3位置を通る前記断面において、前記所定方向から見て前記第2形状と部分的に重複するとともに、前記第1形状とは重複しない第3形状に変化する、熱交換器。
【請求項2】
第1流体を流通させる複数の第1流路と、第1流体と熱交換する第2流体を流通させる複数の第2流路と、を含む複数の管状の流路を備え、
前記複数の流路は、全体として所定方向に延びるように形成され、
前記複数の流路は、それぞれ、前記所定方向と直交する断面における位置および外形形状が、前記所定方向における位置に応じて変化しており、
前記複数の流路は、複数の前記第1流路と複数の前記第2流路とを含んだ複数の単位構造を構成し、
前記単位構造における前記流路間の隔壁の位置および向きが変化することにより、それぞれの前記単位構造に含まれる前記第1流路および前記第2流路の位置および外形形状が連動して変化している、熱交換器。
【請求項3】
第1流体を流通させる複数の第1流路と、第1流体と熱交換する第2流体を流通させる複数の第2流路と、を含む複数の管状の流路を備え、
前記複数の流路は、全体として所定方向に延びるように形成され、
前記複数の流路は、それぞれ、前記所定方向と直交する断面における位置および外形形状が、前記所定方向における位置に応じて変化しており、
前記複数の流路は、前記所定方向の一端から他端までの間で、前記断面における前記流路の位置が変化することに伴って、隣接する前記流路が他の前記流路と入れ替わるように構成されている、熱交換器。
【請求項4】
前記複数の流路は、前記第1流路と前記第2流路とが交互に並ぶように、前記所定方向と直交する方向に格子状に配列されており、
前記第1流路と前記第2流路とが互いに隔壁を介して隣接する状態を維持しながら、それぞれの前記流路の位置および外形形状が変化している、請求項1~3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記複数の流路は、前記断面において、前記流路の間を仕切る隔壁の位置および向きが変化することにより、前記流路の位置および外形形状が変化している、請求項1またはに記載の熱交換器。
【請求項6】
前記流路は、前記流路の一端から他端までの間の前記所定方向における位置に応じて、前記断面における位置が変化した後で元の位置に戻るように、前記断面における位置および外形形状が周期的に変化するように形成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記流路は、前記流路の一端から他端までの間で、前記断面における位置が、螺旋状に変化するように形成されている、請求項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1流路は、前記所定方向の一端から他端までの間で、隣接する前記流路が入れ替わることにより、いずれかの前記断面において同時に隣接可能な数よりも多くの異なる前記第2流路と隣接するように設けられている、請求項に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱交換器に関し、特に、流路を流れる流体間で熱交換を行う熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流路を流れる流体間で熱交換を行う熱交換器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
熱交換器には、様々な種類があり、上記特許文献1では、プレートフィン型の熱交換器、および、シェルアンドチューブ型の熱交換器が開示されている。これらの熱交換器は、構成部材を組み立てた状態でろう付けなどによって一体化することにより製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5700890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、たとえば積層造形法などに代表される製造技術の改良が進んでおり、従来とは異なる新規な構造の熱交換器が実現可能になりつつある。そのような背景から、熱交換効率を改善させることが可能な、従来にない新規な構造の熱交換器が求められている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、熱交換効率を改善させることが可能な、新規な構造の熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明による熱交換器は、第1流体を流通させる複数の第1流路と、第1流体と熱交換する第2流体を流通させる複数の第2流路と、を含む複数の管状の流路を備え、複数の流路は、全体として所定方向に延びるように形成され、複数の流路は、それぞれ、所定方向と直交する断面における位置および外形形状が、所定方向における位置に応じて変化しており、流路は、所定方向の第1位置を通る断面において第1形状を有し、所定方向の第2位置を通る断面において、所定方向から見て第1形状と部分的に重複する第2形状に変化し、所定方向の第3位置を通る断面において、所定方向から見て第2形状と部分的に重複するとともに、第1形状とは重複しない第3形状に変化する。
第2の発明による熱交換器は、第1流体を流通させる複数の第1流路と、第1流体と熱交換する第2流体を流通させる複数の第2流路と、を含む複数の管状の流路を備え、複数の流路は、全体として所定方向に延びるように形成され、複数の流路は、それぞれ、所定方向と直交する断面における位置および外形形状が、所定方向における位置に応じて変化しており、複数の流路は、複数の第1流路と複数の第2流路とを含んだ複数の単位構造を構成し、単位構造における流路間の隔壁の位置および向きが変化することにより、それぞれの単位構造に含まれる第1流路および第2流路の位置および外形形状が連動して変化している。
第3の発明による熱交換器は、第1流体を流通させる複数の第1流路と、第1流体と熱交換する第2流体を流通させる複数の第2流路と、を含む複数の管状の流路を備え、複数の流路は、全体として所定方向に延びるように形成され、複数の流路は、それぞれ、所定方向と直交する断面における位置および外形形状が、所定方向における位置に応じて変化しており、複数の流路は、所定方向の一端から他端までの間で、断面における流路の位置が変化することに伴って、隣接する流路が他の流路と入れ替わるように構成されている。
なお、「複数の流路が全体として所定方向に延びる」とは、複数の流路が、いずれも、流路の入口から所定方向に配置された出口へ向けて延びているが、入口から出口へ向かう過程では、所定方向とは異なる方向に曲がることを許容することを意味する。「断面における外形形状」とは、当該断面における、管状の流路の輪郭の形状を意味する。
【0008】
第1~第3の発明による熱交換器では、上記構成により、所定方向における位置に応じて、所定方向と直交する断面における流路の位置および外形形状が変化するので、流路を流れる第1流体や第2流体の流れを乱して攪拌する作用を得ることができる。攪拌により、第1流体や第2流体が流路内を流れる際に形成される温度境界層を破壊して、熱交換効率を改善することができる。また、一般的な熱交換器では、流路の断面における位置および外形形状を一定に維持することが多く、流体の流れを乱すためには、流路の内部に障害物となる構造を設けることが多い。この場合、障害物の影響により流路の圧力損失の増大が大きくなり易いのに対して、上記構成では、断面における流路全体の位置や外形形状を変化させることができるので、流路内に障害物を設けなくても、流れを乱して攪拌する作用を得ることができ、圧力損失の増大を抑制できる。なお、流路内に障害物を設ける場合、断面における流路の位置および外形形状の変化と障害物との相乗効果により、圧力損失が増大する分、更なる熱交換効率の改善が期待できる。以上により、熱交換効率を改善させることが可能な、新規な構造の熱交換器を提供することができる。
また、第1の発明による熱交換器では、所定方向の位置に応じて、流路が第1形状から第2形状を経て第3形状まで変化することにより、所定方向からみて流路が完全にずれた位置まで位置変化する。言い換えると、第1形状と第3形状とで、流路の位置が流路1本分以上変化する。これにより、流路を流れる第1流体や第2流体を、所定方向と直交する方向に大きく移動させ、第1流体や第2流体を効果的に攪拌することができるので、熱交換効率をより効果的に改善することができる。
また、第2の発明による熱交換器では、単位構造内での第1流路と第2流路との間の隔壁により構成される伝熱面を維持しながら、流路の位置および外形形状を変化させることができる。このため、流路の位置および外形形状の変化によって第1流体や第2流体を攪拌しつつ、流路の位置および外形形状を変化させても第1流路と第2流路との間の伝熱面を確保することができる。
また、第3の発明による熱交換器では、たとえば流路の入口位置では、第1流路と所定の第2流路とが隣接し、流路の出口に向かう過程で、同じ第1流路が別の第2流路と隣接する。これにより、より多くの流路間で熱交換を行うことができるので、偏流などによって流路毎に温度分布の差が形成されることを抑制できる。
【0009】
上記第1~第3のいずれかの発明による熱交換器において、好ましくは、複数の流路は、第1流路と第2流路とが交互に並ぶように、所定方向と直交する方向に格子状に配列されており、第1流路と第2流路とが互いに隔壁を介して隣接する状態を維持しながら、それぞれの流路の位置および外形形状が変化している。このように構成すれば、第1流路の周囲を複数の第2流路が取り囲み、第2流路の周囲を複数の第1流路が取り囲むように各流路を配置できる。そのため、管状の流路の内周面(隔壁の内周面)を全周に亘って1次伝熱面として構成できる。そして、断面におけるそれぞれの流路の位置および外形形状を変化させる場合でも、流路の隔壁からなる1次伝熱面を介して第1流体と第2流体との熱交換を行うことができるので、コルゲートフィンなどの2次伝熱面を設ける場合と比較して、熱交換効率をさらに改善することができる。
【0010】
上記第1または第3の発明による熱交換器において、好ましくは、複数の流路は、断面において、流路の間を仕切る隔壁の位置および向きが変化することにより、流路の位置および外形形状が変化している。このように構成すれば、隔壁の数を増減させたり、隔壁に構造物を設けたりすることなく、隔壁の位置および向きを変化させるだけで、容易に、流路の位置および外形形状を変化させることができる。
【0012】
上記第1~第3のいずれかの発明による熱交換器において、好ましくは、流路は、流路の一端から他端までの間の所定方向における位置に応じて、断面における位置が変化した後で元の位置に戻るように、断面における位置および外形形状が周期的に変化するように形成されている。このように構成すれば、たとえば流路の入口から出口に向かうに従って断面における位置が変化した後で、流路の出口では元の入口と同じ位置に戻るように、流路を構成することができる。この場合、所定方向から見て流路の入口と出口とが同じ配置となるので、熱交換器の設計を容易化することができる。また、周期的な変化を複数回繰り返す場合、流路としては1周期分の形状変化を繰り返すだけでよいので、これによっても熱交換器の設計を容易化することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、流路は、流路の一端から他端までの間で、断面における位置が、螺旋状に変化するように形成されている。このように構成すれば、螺旋状の位置変化によって、流路中の第1流体や第2流体の流れに断面内で回転(旋回)する運動成分を付与することができるので、第1流体や第2流体を効果的に攪拌することができる。また、流路の位置を螺旋状に規則的に変化させることができるので、熱交換器の設計を容易化することができる。
【0016】
上記第3の発明による熱交換器において、好ましくは、第1流路は、所定方向の一端から他端までの間で、隣接する流路が入れ替わることにより、いずれかの断面において同時に隣接可能な数よりも多くの異なる第2流路と隣接するように設けられている。このように構成すれば、隣接する流路の入れ替えによって、第1流路が、たとえば流路の入口で隣接している第2流路の数よりも多くの第2流路と隣接して、それぞれの第2流路との間で熱交換を行うことが可能となる。これにより、効果的に、流路毎の温度分布の差を抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、熱交換効率を改善させることが可能な、新規な構造の熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態による熱交換器を示した模式的な斜視図である。
図2図1に示した熱交換器の概略構造を説明するための模式的な断面図である。
図3】熱交換器のコア部を示した模式的な斜視図である。
図4図3に示したコア部の端面を所定方向から見た拡大平面図である。
図5図3に示したコア部の一部の断面を拡大して示した斜視断面図である。
図6】所定方向の位置に応じた各断面における流路の位置および形状の変化を示した模式図である。
図7】流路の位置および形状の変化を説明するための流路断面の模式図である。
図8】所定方向の位置に応じた各断面における各流路の位置変化を説明するための模式図である。
図9】分配部の構造を説明するための熱交換器の模式的な斜視断面図である。
図10】所定方向から見た分配部の模式的な断面図である。
図11】単位構造の変形例を示した模式図である。
図12】流路の位置が複数の単位構造に跨がって移動する変形例を説明するための図(A)および(B)である。
図13】各断面において流路の位置が複数の単位構造に跨がって移動する具体例を示した第1の図である。
図14】各断面において流路の位置が複数の単位構造に跨がって移動する具体例を示した第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
まず、図1図10を参照して、一実施形態による熱交換器100について説明する。
【0021】
(熱交換器の全体構成)
図1に示すように、熱交換器100は、コア部1と、ヘッダ部2と、を備える。
【0022】
図1に示す例では、コア部1は、両端が開放された矩形断面の筒状形状を有し、一端と他端との間で流体を流通させるように構成されている。コア部1は、少なくとも第1流体3と第2流体4とを別々の流路に流通させ、コア部1内を流通する過程で第1流体3と第2流体4との間で熱交換を行うように構成されている。
【0023】
ヘッダ部2は、コア部1の両端にそれぞれ接続されている。ヘッダ部2は、コア部1への流体の導入、またはコア部1からの流体の導出を行うことが可能に構成されている。
【0024】
ヘッダ部2には、それぞれ、流体の導入または導出を行うための開口が2つずつ設けられている。図1の例では、一方のヘッダ部2aは、第1流体3の導入口41と、第2流体4の導出口42とを備える。他方のヘッダ部2bは、第1流体3の導出口43と、第2流体4の導入口44とを備える。
【0025】
図2に示すように、それぞれのヘッダ部2は、上記の導入口および導出口が形成されたドーム状のカバー部40を有する。カバー部40は、コア部1の一端または他端を覆うように設けられている。ヘッダ部2には、コア部1の第1流路11(図3参照)を第1流体3の導入口41または導出口43と連通させ、コア部1の第2流路12(図3参照)を第2流体4の導入口44または導出口42と連通させる分配部50を備えている。分配部50は、カバー部40の内部に配置され、第1流体3と第2流体4とを、それぞれ別々に仕切られた経路を介して、流通させる。
【0026】
一方のヘッダ部2aは、導入口41から流入した第1流体3を、分配部50を介してコア部1の第1流路11に供給し、他方のヘッダ部2bは、コア部1の第1流路11から流出した第1流体3を、分配部50を介して導出口43へ送り出す。
【0027】
また、他方のヘッダ部2bは、導入口44から流入した第2流体4を、分配部50を介してコア部1の第2流路12に供給し、一方のヘッダ部2aは、コア部1の第2流路12から流出した第2流体4を、分配部50を介して導出口42へ送り出す。
【0028】
このように、本実施形態の熱交換器100は、第1流体3をコア部1の一端から他端に向けて流通させ、第2流体4をコア部1の他端から一端に向けて流通させて熱交換を行う、対向流型の熱交換器として構成されている。
【0029】
対向流型とは、熱交換を行う流体同士が互いに反対方向に向けて流通する方式のことである。対向流型の熱交換器100では、第1流体3の入口側と第2流体4の出口側とで熱交換を行い、第1流体3の出口側と第2流体4の入口側とで熱交換を行う関係になるため、第1流体3の出口温度を第2流体4の入口温度に近づけ、第2流体4の出口温度を第1流体3の入口温度に近づけることができる。このため、各流体の入口温度と出口温度との温度差を大きくとることができ、高い熱交換効率を得ることができる。
【0030】
(コア部の構造)
次に、図3図8を参照して、コア部1の具体的な構造について説明する。コア部1は、複数の管状の流路10を備える。複数の流路10は、第1流体3を流通させる複数の第1流路11と、第1流体3と熱交換する第2流体4を流通させる複数の第2流路12と、を含む。すなわち、第1流体3が流通する流路10が第1流路11であり、第2流体4が流通する流路10が第2流路12である。
【0031】
図3に示すコア部1は、直方体形状を有し、一端と他端との間に渡って設けられた管状の流路10を複数含む。流路10は、コア部1の一端から他端までを貫通するように設けられ、流体の入口または出口となる開口を両端に有する。本実施形態では、流路10は、1つの入口と1つの出口とを有した管路である。つまり、流路10は、途中で分岐または合流することがない。個々の流路10は、隔壁20を介して区画されている。
【0032】
複数の流路10は、全体として所定方向に延びるように形成されている。図3において、所定方向は、コア部1の一端と他端とを結ぶ方向である。以下、便宜的に、所定方向をZ方向とし、Z方向と直交する面内で、互いに直交する2方向を、それぞれX方向、Y方向とする。図3では、X方向およびY方向を直方体形状のコア部1の各辺に沿うようにとる。したがって、以下の説明において、所定方向と直交する断面CS(図5参照)は、Z方向と直交するXY断面である。
【0033】
複数の流路10は、第1流路11と第2流路12とが交互に並ぶように、所定方向と直交する方向(XY方向)に格子状に配列されている。複数の流路10は、X方向およびY方向に並んでおいる。複数の流路10は、Z方向から見ると、個々の流路10が隔壁20を介してマトリクス状に配列され、全体として長方形状の配列となっている。
【0034】
具体的には、図3の領域ARを拡大した図4に示すように、第1流路11は第2流路12と隔壁20を介して隣り合い、第2流路12は第1流路11と隔壁20を介して隣り合っている。コア部1の端面では、第1流路11と第2流路12とが互い違いに市松模様状に配列されている。このため、所定方向と直交する断面CSにおいて、第1流路11は、周囲が複数の第2流路12によって取り囲まれ、第2流路12は、周囲が複数の第1流路11によって取り囲まれている。
【0035】
また、複数の流路10は、複数の第1流路11と複数の第2流路12とを含んだ複数の単位構造30を構成している。本実施形態のコア部1では、単位構造30が、矩形状に並ぶ合計4本の流路10を含んでいる。4本の流路10は、2本の第1流路11と2本の第2流路12とを含む。単位構造30は、4本の流路10を区画する隔壁20aと、単位構造30の外周部を区画する隔壁20bとによって構成されている。すなわち、矩形状の隔壁20bによって、個々の単位構造30同士が区画されている。図3に示したように、コア部1には、隔壁20bによって区画された複数の単位構造30が、所定方向と直交する方向(X方向およびY方向)に並んで配列されている。単位構造30は、コア部1の一端から他端までに亘ってZ方向に直線状に延びている。
【0036】
図4に示すように、隔壁20aは、隔壁20bの内部を個々の流路10に区画している。本実施形態では単位構造30が4本の流路10を含むので、隔壁20aは、所定方向(Z方向)からみて、隔壁20bの内部を4つの中空領域に区画するように壁部が交差した形状を有する。
【0037】
〈流路の構造〉
図3に示したように、それぞれの単位構造30は、Z方向に直線状に延びるように形成されているが、単位構造30に含まれるそれぞれの流路10は、Z方向に非直線状に延びるように形成されている。すなわち、本実施形態では、図5に示すように、複数の流路10は、それぞれ、所定方向(Z方向)と直交する断面CSにおける位置および外形形状が、所定方向における位置に応じて変化している。
【0038】
図5の例では、単位構造30の外形形状を区画する隔壁20bは、Z方向から見て矩形形状を維持したままZ方向に延びている。このため、個々の単位構造30は、Z方向のいずれの位置の断面CS(XY断面)においても、同一の矩形形状を維持する。
【0039】
一方、単位構造30に含まれる個々の流路10を区画する隔壁20aは、Z方向の位置に応じて、各断面CS(XY断面)での断面形状が変化している。その結果、Z方向と直交する断面CSにおける、それぞれの流路10の位置および外形形状が、Z方向の位置に応じて変化している。
【0040】
以下、便宜的に、図5において、コア部1のZ方向の一端(図5では上端)の位置から、Z方向の他端(図5では下端)の位置までを、17箇所抽出し、17箇所の各位置におけるZ方向と直交する断面CSを、それぞれCS0~CS16とする。CS0およびCS16は、コア部1の端面に相当するが、これらの端面もZ方向と直交する断面CSに含める。図6は、CS0~CS16における各流路10の位置および断面形状の変化を示している。図6図8において、隔壁20aおよび隔壁20bは、単なる線により示している。
【0041】
図6に示すように、複数の流路10は、断面CSにおいて、流路10の間を仕切る隔壁20aの位置および向きが変化することにより、流路10の位置および外形形状が変化している。
【0042】
すなわち、図6の例では、各断面CSにおいて、それぞれの単位構造30の隔壁20aの位置および向きが、Z方向の位置に応じて連続的に変化している。具体的には、X字状に交差した隔壁20aの交点21を中心として、各断面CS内で隔壁20aが回転するように変化している。
【0043】
たとえば、各断面CSにおいて示した6つの単位構造30のうち、左上隅に図示した単位構造30Aについて説明する。単位構造30Aの隔壁20aは、断面CS0から断面CS16に向かって、交点21を中心として反時計方向に回転している。すなわち、単位構造30Aの隔壁20aは、断面CS0において縦横に交差する十字形状を有し、断面CS1を経て、断面CS2では、斜め方向に交差するX字形状となるように、隔壁20aの位置および向きが変化している。断面CS1では、断面CS0と断面CS2との間で隔壁20aが交点21を中心として反時計方向に回転している過程が現れている。
【0044】
同様に、隔壁20aは、断面CS3を経て、断面CS4では、さらに反時計方向に回転して、縦横に交差する十字形状となっている。なお、図6の中央に、それぞれの単位構造30内における隔壁20aの回転方向を示している。
【0045】
隔壁20aは、単位構造30に含まれる4本の流路10を区画しているため、隔壁20aの位置および向きの変化に伴って、隔壁20aにより区画されたそれぞれの流路10の位置および外形形状が変化する。このように、本実施形態では、単位構造30における流路10間の隔壁20aの位置および向きが変化することにより、それぞれの単位構造30に含まれる第1流路11および第2流路12の位置および外形形状が連動して変化している。
【0046】
一方、いずれの断面CSにおいても、隔壁20bは変化しておらず、単位構造30の形状自体は変化していない。それぞれの単位構造30の内部で、流路10の位置および外形形状が変化している。
【0047】
流路10の位置および外形形状の変化について詳細に説明する。単位構造30に含まれる各流路10は、隔壁20aの回転(位置および向きの変化)によって、断面CSにおける外形形状を変化させながら、単位構造30内で互いに位置が入れ替わるように形成されている。
【0048】
図7は、流路10の位置および外形形状の変化を説明するために、断面CS0、CS2およびCS4における1つの単位構造30の断面形状を抽出して示したものである。これらの断面CS0、CS2およびCS4を、それぞれ所定方向(Z方向)における第1位置、第2位置および第3位置の各断面とする。ここでは便宜的に、単位構造30に含まれる各流路10のうち、1つの第1流路11pと、1つの第2流路12qとに着目する。
【0049】
図7に示すように、流路10は、所定方向の第1位置を通る断面CS0において第1形状K1を有する。図7の例では、第1形状K1は、矩形形状である。単位構造30内で、第1流路11pは、図中左上隅に位置し、第2流路12qは、図中右上隅に位置する。
【0050】
流路10は、所定方向の第2位置を通る断面CS2において、所定方向から見て第1形状K1と部分的に重複する第2形状K2に変化する。断面CS0からCS2の過程で、隔壁20aは、45度回転している。図7の例では、第2形状K2は、三角形状である。第1流路11pは、図中左端に位置し、第2流路12qは、図中上端に位置する。断面CS2において、断面CS0での流路10の外形形状を、破線で示している。断面CS2では、三角形状の第1流路11pの図中上側半分が、断面CS0における第1流路11pと重複する。同様に、断面CS2では、三角形状の第2流路12qの図中右側半分が、断面CS0における第2流路12qと重複する。
【0051】
流路10は、所定方向の第3位置を通る断面CS4において、所定方向から見て第2形状K2と部分的に重複するとともに、第1形状K1とは重複しない第3形状K3に変化する。断面CS2からCS4の過程で、隔壁20aは、45度回転している。図7の例では、第3形状K3は、矩形状である。第1流路11pは、図中左下隅に位置し、第2流路12qは、図中左上隅に位置する。断面CS4において、断面CS2での流路10の外形形状を、破線で示している。
【0052】
このように、断面CS4では、矩形形状の第1流路11pの図中左上側半分が、断面CS2における第1流路11pと重複する。一方、断面CS0と断面CS4とを比較すると分かるように、第1流路11pは、図中左上隅から図中左下隅の位置に移動しており、第1形状K1と第3形状K3とでは重ならない。
【0053】
同様に、断面CS4では、矩形形状の第2流路12qの図中右上側半分が、断面CS2における第2流路12qと重複する。断面CS0と断面CS4とを比較すると分かるように、第2流路12qは、図中右上隅から図中左上隅の位置に移動しており、第1形状K1と第3形状K3とでは重ならない。
【0054】
このように、各流路10は、Z方向の位置に応じて、断面CSにおける外形形状の変化を伴って、断面CSにおける位置が変化している。
【0055】
また、本実施形態では、流路10は、流路10の一端から他端までの間の所定方向における位置に応じて、断面CSにおける位置が変化した後で元の位置に戻るように、断面CSにおける位置および外形形状が周期的に変化するように形成されている。
【0056】
すなわち、図7では、断面CS0、CS2、CS4の間の変化を例に示したが、図6から分かるように、各流路10は、その他の断面についても同様に変化する。
【0057】
すなわち、隔壁20aは、断面CS0~CS4にかけて、交点21を中心に90度回転する。これにより、断面CS0における各流路10が、断面CS4では、隔壁20aの回転方向側に隣接した隣の流路10の位置に変化する。同様に、隔壁20aは、断面CS4~CS8にかけて90度回転し、断面CS4における各流路10が、断面CS8では、隔壁20aの回転方向側に隣接した隣の流路10の位置に変化する。各単位構造30において、断面CS0では図中左上隅に位置する流路10が、断面CS8では、単位構造30内で図中右下隅の位置に移動する。
【0058】
隔壁20aは、断面CS8~CS12にかけて90度回転し、断面CS8における各流路10が、断面CS12では、隔壁20aの回転方向側に隣接した隣の流路10の位置に変化する。さらに、隔壁20aは、断面CS12~CS16にかけて90度回転し、断面CS12における各流路10が、断面CS16では、隔壁20aの回転方向側に隣接した隣の流路10の位置に変化する。
【0059】
このように、隔壁20aは、90度毎に同じ断面形状となるように周期的に変化し、断面CS0~CS16までの間で360度回転している。その結果、断面CS16では、それぞれの流路10の位置および外形形状が、断面CS0と同じ状態となり、元に戻る。
【0060】
したがって、第1実施形態では、流路10は、流路10の一端から他端までの間で、断面CSにおける位置が、螺旋状に変化するように形成されている。図5および図6に示したように、各流路10は、断面CS0から断面CS16までの間に、隔壁20aの回転方向に沿って位置がずれていく(断面CS0、CS4、CS8、CS12、CS16参照)。そのため、各流路10は、図5のように所定方向(Z方向)に向けて螺旋状になっている。図6では、断面CS0~断面CS16までを断片的に示しているが、図5から分かるように、隔壁20aはZ方向の位置に応じて連続的に回転しており、各流路10は、一端から他端にかけて断面CSにおける位置および外形形状が連続的に変化している。
【0061】
なお、コア部1は対向流型であるので、第1流路11と第2流路12とは、入口と出口とが反対になっている。たとえば図5において、第1流路11が断面CS0から断面CS16に向けて第1流体3を流す場合、第2流路12は、断面CS16から断面CS0に向けて第2流体4を流す。その結果、それぞれの単位構造30では、第1流体3および第2流体4が互いにZ方向の反対方向に向けて、螺旋状にうねりながら流通する。
【0062】
次に、Z方向の位置に応じた位置および外形形状の変化に伴う、第1流路11と第2流路12との位置関係について説明する。
【0063】
本実施形態では、第1流路11と第2流路12とが互いに隔壁20を介して隣接する状態を維持しながら、それぞれの流路10の位置および外形形状が変化している。
【0064】
図6から分かるように、同じ単位構造30内の4本の流路10においては、Z方向の位置に応じた隔壁20aの回転によって、各流路10の位置および外形形状が連動して変化するので、第1流路11と第2流路12とが交互に配置される関係が維持される。つまり、各流路10の位置および外形形状が変化しても、単位構造30内で、第1流路11同士または第2流路12同士が隣り合うことがない。
【0065】
次に、隣接する2つ単位構造30の第1流路11と第2流路12とについては、互いに隔壁20bを介して隣接する状態を維持しながら、それぞれの流路10の位置および外形形状が変化している。具体的には、図6から分かるように、隣接する2つ単位構造30は、Z方向の位置に応じた隔壁20aの回転方向が互いに逆方向になるように構成されている。
【0066】
たとえば、図6に示した6個の単位構造30のうち、図中左上隅の単位構造30Aでは、断面CS0から断面CS16までの間に隔壁20aが反時計方向に回転している。一方、単位構造30Aと隣接(図中右側および下側に隣接)する2個の単位構造30Bでは、断面CS0から断面CS16までの間に隔壁20aが時計方向に回転している。このため、単位構造30Aと、単位構造30Aに隣接する単位構造30Bとでは、それぞれの単位構造30内での第1流路11の位置と第2流路12の位置とが入れ替わる関係になっている。その結果、単位構造30Aの第1流路11に対しては、単位構造30Aと単位構造30Bとを区画する隔壁20bを介して、単位構造30Bの第2流路12が隣り合うように位置変化する。同様に、単位構造30Aの第2流路12に対しては、単位構造30Aと単位構造30Bとを区画する隔壁20bを介して、単位構造30Bの第1流路11が隣り合うように位置変化する。
【0067】
このように、本実施形態では、流路10の一端から他端までの間の各断面CS0~CS16のいずれにおいても、第1流路11同士または第2流路12同士が隣り合うことなく、第1流路11と第2流路12とが隔壁20aまたは隔壁20bを介して隣り合う状態が維持される。その結果、本実施形態では、Z方向の各位置における断面CSの各々において、第1流路11と第2流路12との間の伝熱面は、隔壁20aまたは隔壁20bからなる1次伝熱面のみによって構成されている。
【0068】
また、本実施形態では、図8に示すように、複数の流路10は、所定方向の一端から他端までの間(断面CS0~CS16までの間)で、断面CSにおける流路10の位置が変化することに伴って、隣接する流路10が他の流路10と入れ替わるように構成されている。
【0069】
図8では、各断面CSにおける3×3の9個の単位構造30を示している。図中Aで示した流路10に着目する。ここでは、Aで示した流路10が第1流路11である。
【0070】
断面CS0において、A流路は、B1~B4の4本の第2流路12と隣接する。断面CS0では、B5およびB6の2つの第2流路12は、A流路とは離れた位置に配置され、隣接していない。
【0071】
A流路は、Z方向の位置に応じた隔壁20aの反時計方向の回転(断面CS2参照)に伴い、断面CS4では、断面CS0でB1流路があった位置に移動する。また、断面CS4では、B5流路が、隔壁20aの時計方向の回転に伴い、断面CS0から隣の流路の位置へ移動している。この結果、断面CS4では、A流路とB5流路とが隣接する。一方、断面CS0においてA流路と隣接していたB4流路が、断面CS4ではA流路から離れた位置に移動する。断面CS4では、A流路が、B1、B2、B3、B5の4本の第2流路12と隣接する。
【0072】
同じように、断面CS8では、A流路が、B1、B2、B5、B6の4本の第2流路12と隣接する。断面CS12では、A流路が、B1、B2、B4、B6の4本の第2流路12と隣接する。このようにして、本実施形態では、隣接する流路10が他の流路10と入れ替わる。
【0073】
また、本実施形態では、第1流路11は、所定方向(Z方向)の一端から他端までの間で、隣接する流路10が入れ替わることにより、いずれかの断面CSにおいて同時に隣接可能な数よりも多くの異なる第2流路12と隣接するように設けられている。
【0074】
すなわち、A流路を第1流路11として、A流路が隣接可能な第2流路12の数は、最大で4である。つまり、A流路が矩形状の外形形状となる場合に、4つの辺のそれぞれに第2流路12が隣接可能となる。
【0075】
ここで、A流路については、同じ単位構造30に含まれるB1流路およびB2流路とは、隔壁20aを介して常に隣接した状態が維持され、隔壁20bによって区画される残りの2辺において、別の単位構造30に含まれる流路と隣接することになる。そして、A流路は、上記のように、断面CS0、CS4、CS8、CS12のそれぞれにおいて、位置変化に伴って、B3、B4、B5、B6の4本の第2流路12のうち2つと入れ替わりながら隣接する。したがって、図8の例では、同時に隣接可能な流路数である4本に対して、A流路は、一端から他端までの間で、B1、B2、B3、B4、B5、B6の6本の第2流路12と隣接するように構成されている。このため、個々の断面CSでは3本または4本の第2流路12と熱交換可能に構成された1本の第1流路11が、流路の一端から他端までの間に、合計6本の第2流路12と熱交換できる。
【0076】
(分配部)
次に、ヘッダ部2の分配部50の構成を説明する。図2に示したように、分配部50は、コア部1の一端または他端に設けられ、コア部1の各流路10と連通するように構成されている。分配部50は、図3に示したコア部1の一端面または他端面の全面を覆うとともに、個々の流路10と接続する流体通路51を含む。図2の構成例では、分配部50の流体通路51は、第1流路11および第2流路12の一方と接続する流体通路51aと、第1流路11および第2流路12の他方と接続する流体通路51bとを含む。
【0077】
たとえばヘッダ部2aを例にとると、流体通路51aは、Z方向と直交する側方(Y方向)に設けられた導入口41と連通し、コア部1のZ方向端面において開口する第1流路11に接続している。流体通路51bは、コア部1に対してZ方向に延長した位置に設けられた導出口42と連通し、コア部1のZ方向端面において開口する第2流路12に接続している。ヘッダ部2bの分配部50も、構造は同一である。
【0078】
具体的には、図9に示すように、分配部50の流体通路51bは、市松模様状に配列されたそれぞれの第2流路12の開口と接続して、Z方向に延びる管状形状を有する。管状の流体通路51b内を、第2流体4が流通する。流体通路51bは、Z方向の端部において、カバー部40内を仕切るバッフル部52に接続している。バッフル部52は、それぞれの流体通路51bの位置に対応した複数の貫通孔53を有し、第2流体4を通過させる。流体通路51bおよび貫通孔53は、コア部1のそれぞれの第2流路12と同じ数だけ設けられ、一対一対応で接続されている。一方、バッフル部52には、第1流体3を通過させる貫通孔が形成されていない。コア部1のそれぞれの第2流路12を通過した第2流体4は、分配部50の流体通路51bおよびバッフル部52の貫通孔53を通過して、ヘッダ部2の合流部45において合流し、合流部45に接続した導出口42(図2参照)から導出される。なお、合流部45は、カバー部40の内部であって、バッフル部52と導出口42との間の領域である。
【0079】
分配部50の流体通路51aは、管状流路として形成されておらず、コア部1の端面と、バッフル部52との間の空間によって構成されている。より正確には、流体通路51aは、コア部1の端面と、バッフル部52と、カバー部40とによって囲まれた空間であって、かつ、それぞれの流体通路51bの間(外側)の空間部分によって構成されている。
【0080】
図10に示すように、コア部1のそれぞれの第1流路11は、分配部50の流体通路51aの空間に開口している。ここで、管状の流体通路51bの各々は、Z方向と直交する断面(XY断面)において互いに分離しており、流体通路51b同士の間には隙間が形成されている。図9および図10の例では、流体通路51bが矩形形状の第2流路12の開口(図3参照)と接続した後、途中で円形断面の管状通路となるように外形が変化しおり、これによって流体通路51b同士の間に隙間が確保されている。市松模様状に配列された第1流路11のそれぞれの開口は、流体通路51a内で、流体通路51bの間の隙間を介して互いに連通している。そして、流体通路51aは、導入口41と接続している開口部分54を介して、第1流体3の導入口41と連通している。導入口41から流入した第1流体3は、流体通路51a内で、流体通路51bの間を通過して、コア部1の端面に開口したそれぞれの第1流路11に流入する。
【0081】
なお、ヘッダ部2b(図2参照)側の分配部50でも、流体通路51aが第1流路11と連通し、流体通路51bが第2流路12と連通している。このため、コア部1のそれぞれの第1流路11を通過した第1流体3は、図2に示したように、流体通路51a内で、流体通路51bの間を通過して、開口部分54を介して、第1流体3の導出口43から導出される。導入口44から合流部45に流入した第2流体4は、分配部50の流体通路51bおよびバッフル部52の貫通孔53を通過して、コア部1の端面に開口したそれぞれの第2流路12に流入する。
【0082】
コア部1それぞれ流入した第1流体3および第2流体4は、螺旋状に形成された第1流路11および第2流路12の内部を、互いにZ方向の反対向きに流れる。第1流体3および第2流体4がそれぞれ第1流路11および第2流路12を流れる過程で、互いに隣接する第1流路11と第2流路12との間で、隔壁20aまたは隔壁20bを介して、熱交換が行われる。熱交換が行われた後、第1流体3および第2流体4は、それぞれコア部1の反対側の端面から流出し、分配部50を介して導出口43、導出口42からそれぞれ流出する。なお、流体通路51aを第2流路12と接続し、流体通路51bを第1流路11と接続してもよい。
【0083】
本実施形態の熱交換器100は、以上のように構成されている。
【0084】
熱交換器100のコア部1およびヘッダ部2の各々は、たとえば、積層造形法によって形成された立体構造物としてされうる。より具体的には、積層造形法は、粉末積層造形法である。粉末積層造形法は、粉末材料を層状に敷き詰め、造形すべき箇所にレーザや電子ビームなどを照射して溶融、凝固させることによって層状の造形部分を形成する処理を、積層方向(造形方向)に繰り返し、層状の造形部分を積層方向に積み重ねて立体構造を造形する手法である。粉末材料は、鉄系、銅系、チタン系、アルミニウム系などの金属材料であり、重量、機械的強度、伝熱性能など観点から、たとえばアルミニウム(またはアルミニウム合金)などが好ましい。
【0085】
本実施形態では、コア部1およびヘッダ部2が、それぞれ、積層造形法によって一体的に形成(単一部品として形成)された後、相互に接合されることによって熱交換器100として構成されうる。また、コア部1およびヘッダ部2を含む熱交換器100の全体が、積層造形法によって一体的に形成されうる。
【0086】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0087】
本実施形態では、上記のように、所定方向(Z方向)における位置に応じて、所定方向と直交する断面CSにおける流路10の位置および外形形状が変化するので、流路10を流れる第1流体3や第2流体4の流れを乱して攪拌する作用を得ることができる。攪拌により、第1流体3や第2流体4が流路10内を流れる際に形成される温度境界層を破壊して、熱交換効率を改善することができる。また、一般的な熱交換器では、流路10の断面CSにおける位置および外形形状を一定に維持することが多く、流体の流れを乱すためには、流路の内部に障害物となる構造を設けることが多い。この場合、障害物の影響により流路の圧力損失の増大が大きくなり易いのに対して、上記構成では、断面CSにおける流路10全体の位置や外形形状を変化させることができるので、流路10内に障害物を設けなくても、流れを乱して攪拌する作用を得ることができ、圧力損失の増大を抑制できる。なお、流路10内に障害物を設ける場合でも、断面CSにおける流路10の位置および外形形状の変化と障害物との相乗効果により、圧力損失が増大する分、更なる熱交換効率の改善が期待できる。以上により、熱交換効率を改善させることが可能な、新規な構造の熱交換器100を提供することができる。
【0088】
本実施形態では、上記のように、第1流路11と第2流路12とが互いに隔壁20を介して隣接する状態を維持しながら、それぞれの流路10の位置および外形形状が変化する。これにより、第1流路11の周囲を複数の第2流路12が取り囲み、第2流路12の周囲を複数の第1流路11が取り囲むように各流路10を配置できる。そのため、管状の流路10の内周面(隔壁20の内周面)を全周に亘って1次伝熱面として構成できる。そして、断面CSにおけるそれぞれの流路10の位置および外形形状を変化させる場合でも、流路10の隔壁20からなる1次伝熱面を介して第1流体3と第2流体4との熱交換を行うことができるので、コルゲートフィンなどの2次伝熱面を設ける場合と比較して、熱交換効率をさらに改善することができる。
【0089】
本実施形態では、上記のように、各断面CSにおいて、流路10の間を仕切る隔壁20aの位置および向きが変化することにより、流路10の位置および外形形状が変化するので、隔壁20の数を増減させたり、隔壁20aに構造物を設けたりすることなく、隔壁20aの位置および向きを変化させるだけで、容易に、流路10の位置および外形形状を変化させることができる。
【0090】
本実施形態では、上記のように、流路10は、所定方向(Z方向)の第1位置を通る断面CSにおいて第1形状K1を有し、所定方向の第2位置を通る断面CSにおいて、所定方向から見て第1形状K1と部分的に重複する第2形状K2に変化し、所定方向の第3位置を通る断面CSにおいて、所定方向から見て第2形状K2と部分的に重複するとともに、第1形状K1とは重複しない第3形状K3に変化する。すなわち、所定方向の位置に応じて、流路10が第1形状K1から第2形状K2を経て第3形状K3まで変化することにより、所定方向からみて流路10が完全にずれた位置まで位置変化する。これにより、流路10を流れる第1流体3や第2流体4を、所定方向と直交する方向に大きく移動させ、第1流体3や第2流体4を効果的に攪拌することができるので、熱交換効率をより効果的に改善することができる。
【0091】
本実施形態では、上記のように、流路10は、流路10の一端から他端までの間の所定方向における位置に応じて、断面CSにおける位置が変化した後で元の位置に戻るように、断面CSにおける位置および外形形状が周期的に変化するように形成されているので、流路10の入口から出口に向かうに従って断面CSにおける位置が変化した後で、流路10の出口では元の入口と同じ位置に戻るように、流路10を構成することができる。この場合、所定方向(Z方向)から見て流路10の入口と出口とが同じ配置となるので、熱交換器100の設計を容易化することができる。また、周期的な変化を複数回繰り返す場合、流路10としては1周期分の形状変化を繰り返すだけでよいので、これによっても熱交換器100の設計を容易化することができる。
【0092】
本実施形態では、上記のように、流路10は、流路10の一端から他端までの間で、断面CSにおける位置が、螺旋状に変化するように形成されているので、流路10中の第1流体3や第2流体4の流れに断面CS内で回転(旋回)する運動成分を付与することができる。これにより、第1流体3や第2流体4を効果的に攪拌することができる。また、流路10の位置を螺旋状に規則的に変化させることができるので、熱交換器100の設計を容易化することができる。
【0093】
本実施形態では、上記のように、単位構造30における流路10間の隔壁20の位置および向きが変化することにより、それぞれの単位構造30に含まれる第1流路11および第2流路12の位置および外形形状が連動して変化するので、単位構造30内での第1流路11と第2流路12との間の隔壁20aにより構成される伝熱面を維持しながら、流路10の位置および外形形状を変化させることができる。このため、流路10の位置および外形形状の変化によって第1流体3や第2流体4を攪拌しつつ、流路10の位置および外形形状を変化させても第1流路11と第2流路12との間の伝熱面を確保することができる。
【0094】
本実施形態では、上記のように、複数の流路10は、所定方向の一端から他端までの間で、断面CSにおける流路10の位置が変化することに伴って、隣接する流路10が他の流路10と入れ替わるように構成されているので、図8に示したように、たとえば流路10の入口位置では、第1流路11(A流路)と所定の第2流路12(B1~B4流路)とが隣接し、流路10の出口に向かう過程で、同じ第1流路11(A流路)が別の第2流路12(B5、B6流路)と隣接する。これにより、より多くの流路10間で熱交換を行うことができるので、偏流などによって流路10毎に温度分布の差が形成されることを抑制できる。
【0095】
本実施形態では、上記のように、第1流路11は、所定方向の一端から他端までの間で、隣接する流路10が入れ替わることにより、いずれかの断面CSにおいて同時に隣接可能な数よりも多くの異なる第2流路12と隣接するように設けられているので、隣接する流路10の入れ替えによって、第1流路11が、たとえば流路10の入口で隣接している第2流路12の数よりも多くの第2流路12と隣接して、それぞれの第2流路12との間で熱交換を行うことが可能となる。これにより、効果的に、流路10毎の温度分布の差を抑制することができる。
【0096】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0097】
たとえば、上記実施形態では、複数の流路10によって単位構造30を構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の流路10によって単位構造30を構成しなくてもよい。この場合、所定方向(Z方向)の位置に応じた流路10の位置および形状変化を、複数の流路10のまとまり(単位構造)で連動させることなく、個々の流路10の位置および形状変化をそれぞれ別々に実現させてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、4本の流路10(2本の第1流路11および2本の第2流路12)を含む単位構造30を構成した例を示したが、単位構造30に含まれる流路10の本数は、4本未満または5本以上でもよい。たとえば図11に示す変形例では、2本の流路10が、1つの単位構造130を構成する例を示す。図11に示す単位構造130は、1本の第1流路11と、1本の第2流路12とを含む。図11では、4つの単位構造130を図示している。図11では、断面CS20において略正方形状の外形形状を有する各流路10が、所定方向(Z方向)の位置に応じて隔壁20aの位置および向きが変化することによって、断面CS21、CS22、CS23、CS24と順に変化する。断面CS24では、各流路10が縦長の長方形状の外形形状を有する。中間形状の変化は省略するが、所定方向(Z方向)の位置に応じた断面形状の変化によって、断面CS24から断面CS20の状態に戻る。
【0099】
また、上記実施形態では、各断面CSにおいて、各流路10が略同一の外形形状を有するように変形する例を示したが、本発明はこれに限られない。各流路10の形状は、異なっていてもよい。たとえば、第1流体3と第2流体4との流量が異なる場合に、流量比などに応じて、各流路10のうちで第1流路11および第2流路12の一方の流路断面積が大きく、他方の流路断面積が小さくなるように流路10が形成されていてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、それぞれの単位構造30内で、流路10の位置および外形形状を所定方向(Z方向)の位置に応じて変化させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、異なる単位構造30に跨がって、流路10の位置および形状が変化してもよい。言い換えると、単位構造30を構成する流路10が、所定方向(Z方向)の位置に応じて入れ替わってもよい。たとえば図12(A)に示すように、Z方向のある位置における断面CS30では、流路10rが第1の単位構造30Dの内部で螺旋状に位置変化し、Z方向の他の位置における断面CS31では、流路10rが第2の単位構造30Eの内部で螺旋状に位置変化する。このとき、第1の単位構造30Dに含まれる流路と第2の単位構造30Eに含まれる流路とが、部分的に重複している。
【0101】
より簡易に説明すると、図12(B)の断面CS40において、第1の単位構造30Dに含まれる流路10r(星マーク参照)が、第1の単位構造30D内での螺旋状の位置変化によって、第1の単位構造30D内の図中左上隅から図中右下隅に移動する。断面CS41では、流路10rを含む第2の単位構造30E内で流路10rが螺旋状に位置変化する。流路10rは、位置変化によって、第2の単位構造30E内の図中左上隅から図中右下隅に移動する。断面CS42では、流路10rを含む第3の単位構造30F内で流路10rが螺旋状に位置変化する。流路10rは、位置変化によって、第3の単位構造30F内の図中左上隅から図中右下隅に移動する。Z方向の位置に応じて、流路10rがこのような位置変化を繰り返すことにより、流路10rがコア部1内を大きく移動することができ、1つの流路10rがより多くの数の、他の流路と隣接して熱交換することが可能となる。
【0102】
図13および図14は、流路10が複数の単位構造30に跨がって位置および形状変化する具体例を示したものである。まず、8×8本の流路を含むコア部1の断面CS50において、黒色で塗りつぶした流路10rに着目して説明する。断面CS50~CS54の過程では、コア部1の最外周から隙間なく、2×2本の流路10を含む16個の単位構造30が構成され、16個の単位構造30の各々において、流路10の位置および形状変化が行われる。流路10rは、単位構造30D内で、図中左上隅から右下隅へ移動する。
【0103】
一方、断面CS54~CS58の過程では、コア部1の最外周に位置する流路10を除いた6×6本の流路10によって、2×2本の流路10を含む9個の単位構造30が構成され、9個の単位構造30の各々において、流路10の位置および形状変化が行われる。断面CS54~CS58の過程では、流路10rは、単位構造30Eの一部として、単位構造30E内を図中左上隅から右下隅へ移動する。なお、単位構造30を構成しない最外周の各流路10は、断面CS54~CS58の過程で、隔壁22の位置が変化することによって、コア部1の外周に沿って位置が変化する。
【0104】
断面CS58~CS62の過程では、再び、コア部1の最外周から、2×2本の流路10を含む16個の単位構造30が構成される。16個の単位構造30の各々において、流路10の位置および形状変化が行われる。断面CS58~CS62の過程では、流路10rは、単位構造30Fの一部として、単位構造30F内を図中左上隅から右下隅へ移動する。この結果、断面CS50ではコア部1の中央部に位置していた流路10rが、単位構造30D、30Eおよび30Fに跨がって移動する結果、断面CS62では、コア部1の図中右下隅に移動する。
【0105】
同様に、断面CS58において図中左上隅に位置する流路10sに着目すると、断面CS58~CS62の過程で、流路10sは、コア部1の図中左上隅から中央部へ移動する。その他の流路10についても同様に、複数の単位構造30に跨がってコア部1内を大きく移動することが可能である。
【0106】
また、上記実施形態では、複数の流路10を、所定方向と直交する方向に格子状に配列した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、流路を格子状に配列しなくてもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、第1流路11が他の第1流路11とは隣接せず、第2流路12が他の第2流路12とは隣接しない例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1流路11同士、第2流路12同士が互いに隣接してもよい。たとえば、第1流路11が互いに隣接しながら直線状に並び、第2流路12が互いに隣接しながら直線状に並び、直線状にならんだ第1流路11の列と第2流路12の列とが向かい合うように、隔壁を介して互いに隣接してもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、第1流路11と第2流路12とが互いに隔壁20を介して隣接する状態を維持しながら、それぞれの流路10の位置および外形形状が変化する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、流路10の位置および外形形状が変化する過程で、第1流路11と第2流路12とが隣接しない状態が部分的に含まれていてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、各断面CSにおいて、流路10の間を仕切る隔壁20aの位置および向きが変化することにより、流路10の位置および外形形状が変化する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、Z方向の位置に応じて、流路10の間を仕切る隔壁20aのうち一部が除去されたり、隔壁20aの数が増えたりすることにより、流路10の位置および外形形状が変化してもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、図7に示したように、Z方向の位置に応じて、流路10が第1形状K1から、第1形状K1とは重複しない第3形状K3に変化する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、流路10が、たとえば流路の入口の断面形状に対して、Z方向から見て重複する範囲内で、位置および形状が変化してもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、流路10の一端から他端までの間で、断面CSにおける流路10の位置が、螺旋状に変化する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、螺旋状の位置変化には限定されず、流路10の位置をどのように変化させてもよい。たとえば図7を参照して、単位構造30内の流路の位置が図7の左右で入れ替わるだけでもよい。つまり、断面CS1~CS4で図中の左右の流路位置が入れ替わった後、断面CS1~CS4とは逆の変化によって、図中の左右の流路位置が元に戻るだけでもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、複数の流路10が、Z方向の一端から他端までの間で、断面CSにおける流路10の位置が変化することに伴って、隣接する流路10が他の流路と入れ替わる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、Z方向の一端から他端までの間で継続して、断面CSにおける流路10の位置が変化しつつ同じ流路と継続して隣接し続けるように各流路10が構成されていてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、複数の流路10が第1流体3を流通させる第1流路11および第2流体4を流通させる第2流路12を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の流路10が、第1流路11および第2流路12に加えて、さらに第3流体を流通させる第3流路を含んでもよい。複数の流路10は、何種類の流体を流通させるように構成されていてもよく、流体の種類に応じた数(種類)の流路を含みうる。
【符号の説明】
【0114】
3 第1流体
4 第2流体
10、10r、10s 流路
11、11p 第1流路
12、12q 第2流路
20、20a、20b 隔壁
22 隔壁
30、30A、30B、30C、30D、30E、30F、130 単位構造
100 熱交換器
CS(CS0~CS16、CS20~CS24、CS30、CS31、CS40~CS42、CS50~CS62) 断面
K1 第1形状
K2 第2形状
K3 第3形状
Z方向(所定方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14