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特許7161357電池ユニット、蓄電システム、及び電池ユニットの充放電方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】電池ユニット、蓄電システム、及び電池ユニットの充放電方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20221019BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
H01M10/48 P
H02J7/00 L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018180877
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020054106
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】隈本 清敬
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-288537(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第2332105(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0064962(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0322671(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0163058(US,A1)
【文献】国際公開第2015/200437(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/172189(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電可能、かつ脱着可能な二次電池と、
外部電源、又は外部機器に接続される入出力端と、
前記二次電池と前記入出力端子との間に設けられた電圧調整部と、
前記電圧調整部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記電圧調整部は、前記入出力端と前記二次電池とを接続する電流経路と、前記電流経路を迂回して電圧変更可能なコンバータが接続された迂回経路と、前記電流経路および前記迂回経路のうちの使用する経路を選択する経路選択部を含み、
前記制御部は、前記電圧調整部の前記経路選択部を、
前記二次電池を充電するときは、前記入出力端を介して前記外部電源から供給される電力の電圧を、前記電流経路を選択して前記二次電池へ供給して充電する、または、前記迂回経路を選択して前記コンバータにより前記二次電池に対応する所定の電圧に調整してから前記二次電池へ供給して充電する、ように制御しており、
前記二次電池から放電するときは、前記二次電池から出力された電圧を、前記電流経路を選択して前記入出力端子を介して放電する、または、前記迂回経路を選択して前記コンバータにより前記外部機器に対応する所定の電圧に調整してから前記入出力端子を介して放電する、ように制御する、電池ユニット。
【請求項2】
前記経路選択部は、前記迂回経路に設けられ、前記入出力端側にアノードが接続され、前記二次電池側にカソードが接続される第1ダイオードと、前記電流経路、及び前記迂回経路の分岐点及び合流点の間の前記電流経路に設けられ、前記二次電池側にアノードが接続され、前記入出力端側にカソードが接続される第2ダイオードと、前記電流経路、及び前記迂回経路の分岐点及び合流点の間の前記電流経路に設けられるスイッチング素子とにより構成され、
前記制御部は、前記二次電池の充電、又は放電に応じて、前記スイッチング素子のオンオフを制御する、請求項1に記載の電池ユニット。
【請求項3】
前記経路選択部は、前記迂回経路に設けられる第1スイッチング素子と、前記電流経路に設けられる第2スイッチング素子とにより構成され、
前記制御部は、前記二次電池の充電、又は放電に応じて、前記第1スイッチング素子、及び前記第2スイッチング素子のオンオフを制御する、請求項1に記載の電池ユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電池ユニットと、
前記電池ユニット、又は前記外部機器のうちの少なくとも一つに電力を供給するための充電電源と、を具備する、蓄電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池ユニット、蓄電システム、及び電池ユニットの充放電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に開示されるように、安価な鉛電池用の充電電源を使用して、ニカド電池やニッケル水素電池等の二次電池を充電可能なパック電池が知られている。上記パック電池では、上記充電電源から供給された充電電圧を昇圧して、ニカド電池やニッケル水素電池に対応する充電電圧に変換することで、変換した充電電圧により二次電池を充電することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-288537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記パック電池は、上記充電電源から供給された充電電圧を昇圧して、上記二次電池を充電することを前提とするものであるため、単に上記充電電源から供給された電力により上記二次電池を充電することができない。また、上記パック電池において、放電端子から出力される出力電圧が決まっているため、当該出力電圧に対応していない機器を接続することはできない。さらに、上記パック電池において、充電端子、及び放電端子が別体で設けられているため、部品点数の増加を招くという問題がある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、従来の電池ユニットと比較して、より汎用性の高い電池ユニット、蓄電システム、及び電池ユニットの充放電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することができる。
【0007】
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様に係る電池ユニットは、充放電可能、かつ脱着可能な二次電池と、外部電源、又は外部機器に接続される入出力端と、前記入出力端を介して前記外部電源から供給された電力を前記二次電池へ入力するための充電経路と、前記二次電池に蓄積された電力を、前記入出力端を介して前記外部機器へ出力するための放電経路と、前記充電経路及び前記放電経路に設けられ、前記外部電源の充電電圧を前記二次電池に対応する所定の電圧に調整して前記入出力端を介して入力された電力を出力する、又は前記二次電池の出力電圧を前記外部機器に対応する所定の電圧に調整して前記二次電池から入力された電力を、前記入出力端を介して前記外部機器へ出力する電圧調整部と、前記二次電池の充電、又は放電に応じて、前記電圧調整部の動作を制御する制御部と、を具備し、前記充電経路、及び前記放電経路は、共通の回路配線により構成され、前記電圧調整部は、前記入出力端側の一端、及び前記二次電池側の他端を接続する電流経路と、前記電流経路の迂回経路と、前記迂回経路に設けられ、前記二次電池の充電、又は放電に応じて、入力された電力を前記二次電池に対応する所定の電圧、又は前記外部機器に対応する所定の電圧に変更可能なコンバータと、前記二次電池の充電、又は放電に応じて、前記電流経路、又は前記迂回経路のうちの使用する経路を選択する経路選択部と、を有する。
【0008】
上記構成によれば、本発明の第1の態様に係る電池ユニットは、二次電池に対応する充電電圧により当該二次電池を充電することができる。また、本発明の第1の態様に係る電池ユニットは、外部機器に対応する出力電圧により当該二次電池に蓄積された電力を外部機器へ出力することができる。また、本発明の第1の態様に係る電池ユニットにおいて、上記充電経路、及び放電経路が共通の回路配線により構成されるため、部品点数の増加を防ぎつつ、回路を簡略化することができる。かくして、本発明の第1の態様に係る電池ユニットは、従来の電池ユニットと比較して、より汎用性が高い。
【0009】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様に係る電池ユニットの前記経路選択部は、上記第1の態様に係る電池ユニットにおいて、前記迂回経路に設けられ、前記入出力端側にアノードが接続され、前記二次電池側にカソードが接続される第1ダイオードと、前記電流経路、及び前記迂回経路の分岐点及び合流点の間の前記電流経路に設けられ、前記二次電池側にアノードが接続され、前記入出力端側にカソードが接続される第2ダイオードと、前記電流経路、及び前記迂回経路の分岐点及び合流点の間の前記電流経路に設けられるスイッチング素子とにより構成され、前記制御部は、前記二次電池の充電、又は放電に応じて、前記スイッチング素子のオンオフを制御する。
【0010】
上記構成によれば、本発明の第2の態様に係る電池ユニットは、二次電池に対応する充電電圧により当該二次電池を充電することができる。また、本発明の第2の態様に係る電池ユニットは、外部機器に対応する出力電圧により当該二次電池に蓄積された電力を外部機器へ出力することができる。また、本発明の第2の態様に係る電池ユニットにおいて、上記充電経路、及び放電経路が共通の回路配線により構成されるため、部品点数の増加を防ぎつつ、回路を簡略化することができる。かくして、本発明の第2の態様に係る電池ユニットは、従来の電池ユニットと比較して、より汎用性が高い。
【0011】
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様に係る電池ユニットの前記経路選択部は、上記第1の態様に係る電池ユニットにおいて、前記迂回経路に設けられる第1スイッチング素子と、前記電流経路に設けられる第2スイッチング素子とにより構成され、前記制御部は、前記二次電池の充電、又は放電に応じて、前記第1スイッチング素子、及び前記第2スイッチング素子のオンオフを制御する。
【0012】
上記構成によれば、本発明の第3の態様に係る電池ユニットは、二次電池に対応する充電電圧により当該二次電池を充電することができる。また、本発明の第3の態様に係る電池ユニットは、外部機器に対応する出力電圧により当該二次電池に蓄積された電力を外部機器へ出力することができる。また、本発明の第3の態様に係る電池ユニットにおいて、上記充電経路、及び放電経路が共通の回路配線により構成されるため、部品点数の増加を防ぎつつ、回路を簡略化することができる。かくして、本発明の第3の態様に係る電池ユニットは、従来の電池ユニットと比較して、より汎用性が高い。
【0013】
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様に係る蓄電システムは、上記本発明の第1の態様から第3の態様のいずれかに記載の電池ユニットと、前記電池ユニット、又は前記外部機器のうちの少なくとも一つに電力を供給するための充電電源と、を具備する。
【0014】
上記構成によれば、本発明の第4の態様に係る蓄電システムは、二次電池に対応する充電電圧により当該二次電池を充電することができる。また、本発明の第4の態様に係る蓄電システムは、外部機器に対応する出力電圧により当該二次電池に蓄積された電力を外部機器へ出力することができる。また、本発明の第4の態様に係る蓄電システムにおいて、上記充電経路、及び放電経路が共通の回路配線により構成されるため、部品点数の増加を防ぎつつ、回路を簡略化することができる。かくして、本発明の第4の態様に係る蓄電システムは、より汎用性が高い。
【0015】
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様に係る二次電池の充放電方法は、充放電可能、かつ脱着可能な二次電池の充放電方法であって、前記二次電池を充電するための電力を供給する外部電源の充電電圧を前記二次電池に対応する所定の電圧に調整して前記外部電源から前記二次電池へ入力された電力を出力し、前記二次電池の出力電圧を外部機器に対応する所定の電圧に調整して前記二次電池から前記外部機器へ出力される電力を出力する。
【0016】
上記構成によれば、本発明の第5の態様に係る二次電池の充放電方法は、二次電池に対応する充電電圧により当該二次電池を充電することができる。また、本発明の第5の態様に係る二次電池の充放電方法は、外部機器に対応する出力電圧により当該二次電池に蓄積された電力を外部機器へ出力することができる。また、本発明の第5の態様に係る二次電池の充放電方法は、において、上記充電経路、及び放電経路が共通の回路配線により構成されるため、部品点数の増加を防ぎつつ、回路を簡略化することができる。かくして、本発明の第5の態様に係る二次電池の充放電方法は、より汎用性が高い。
【発明の効果】
【0017】
本発明の態様に係る電池ユニット、蓄電システム、及び電池ユニットの充放電方法は、従来と比較して、より汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る電池ユニットを含む蓄電システムを示すブロック図である。
図2図1に示す電池ユニットの回路図である。
図3】第1実施例における電圧調整部の回路図である。
図4】第1実施例における電圧調整部において、二次電池を充電する場合の経路選択部の動作、及び充電電流の流れを示す図である。
図5】第1実施例における電圧調整部において、二次電池から外部機器へ電力を出力する場合の経路選択部の動作、及び出力電流の流れを示す図である。
図6】第2実施例における電圧調整部の回路図である。
図7】第2実施例における電圧調整部において、二次電池を充電する場合の経路選択部の動作、及び充電電流の流れを示す図である。
図8】第2実施例における電圧調整部において、電流経路を使用して二次電池から外部機器へ電力を出力する場合の経路選択部の動作、及び出力電流の流れを示す図である。
図9】第2実施例における電圧調整部において、迂回経路を使用して二次電池から外部機器へ電力を出力する場合の経路選択部の動作、及び出力電流の流れを示す図である。
図10】第3実施例における電圧調整部の回路図である。
図11】第3実施例における電圧調整部において、電流経路を使用して二次電池を充電する場合の経路選択部の動作、及び充電電流の流れを示す図である。
図12】第3実施例における電圧調整部において、迂回経路を使用して二次電池を充電する場合の経路選択部の動作、及び充電電流の流れを示す図である。
図13】第3実施例における電圧調整部において、二次電池から外部機器へ電力を出力する場合の経路選択部の動作、及び出力電流の流れを示す図である。
図14】第4実施例における電圧調整部の回路図である。
図15】第4実施例における電圧調整部において、電流経路を使用して二次電池を充電する場合の経路選択部の動作、及び充電電流の流れを示す図である。
図16】第4実施例における電圧調整部において、迂回経路を使用して二次電池を充電する場合の経路選択部の動作、及び充電電流の流れを示す図である。
図17】第4実施例における電圧調整部において、電流経路を使用して二次電池から外部機器へ電力を出力する場合の経路選択部の動作、及び出力電流の流れを示す図である。
図18】第4実施例における電圧調整部において、迂回経路を使用して二次電池から外部機器へ電力を出力する場合の経路選択部の動作、及び出力電流の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る電池ユニット、蓄電システム、及び電池ユニットの充放電方法について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施形態の説明に用いる図面は、いずれも構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。
【0020】
図1は、本実施形態に係る電池ユニット10を含む蓄電システム1を示すブロック図である。本実施形態に係る蓄電システム1は、外部機器2と図示しない商用電源等の電源との間に接続され、当該外部機器2のバックアップ電源や非常用電源、無停電電源として利用される。図1に示す蓄電システム1は、例えば、電池ユニット10、及び充電電源3を含む。
【0021】
電池ユニット10は、後述する充放電可能、かつ脱着可能な二次電池11を含む。電池ユニット10は、充電電源3から供給された電力により二次電池11を充電する。また、電池ユニット10は、停電時、当該二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ供給する。これにより、本実施形態に係る蓄電システム1は、停電により充電電源3から外部機器2に電力を供給できない場合であっても、外部機器2への電力供給を継続することができる。充電電源3は、電池ユニット10、又は外部機器2に電力を供給する。充電電源3は、例えば、鉛電池、又はニッケル水素電池等の一般に知られている二次電池に対応する電源である。
【0022】
ここで、上記電池ユニット10の回路構成について詳しく説明する。図2は、図1に示す電池ユニット10の回路図である。図2に示す電池ユニットは、二次電池11、入出力端12、電圧調整部13、電圧検出器14、電流検出抵抗15、及び制御部16を備える。二次電池11は、例えば、鉛電池、又はニッケル水素電池等の一般に知られている二次電池である。
【0023】
入出力端12は、上記充電電源3に接続され、充電電源3から供給された電力を二次電池11に入力するために用いられる。また、入出力端12は、上記外部機器2に接続され、停電時、二次電池11に蓄積された電力を外部機器へ出力するために用いられる。
【0024】
電圧調整部13は、入出力端12、及び二次電池11の間に設けられる。例えば、電圧調整部13の一端131は、入出力端12に接続される。電圧調整部13の他端132は、二次電池11に接続される。具体的には、上記電圧調整部13の一端131の正極T3は、入出力端12の正極T1に接続される。上記電圧調整部13の一端131の負極T4は、入出力端12の負極T2に接続される。上記電圧調整部13の他端132の正極T5は、二次電池11の正極に接続される。上記電圧調整部13の他端132の負極T6は、二次電池11の負極に接続される。なお、入出力端12の負極T2は、地絡されている。すなわち、電圧調整部13は、入出力端12を介して充電電源3から供給された電力を二次電池11へ入力するための充電経路、及び二次電池11に蓄積された電力を入出力端12を介して外部機器2へ出力するための放電経路に設けられる。なお、上記充電経路、及び放電経路は、共通の回路配線により構成される。
【0025】
電圧調整部13は、上記充電電源3の充電電圧を二次電池11に対応する所定の電圧に調整して上記入出力端12を介して充電電源3から入力された電力を出力する。また、電圧調整部13は、二次電池11の出力電圧を外部機器2に対応する所定の電圧に調整して二次電池11から入力された電力を、入出力端12を介して外部機器2へ出力する。なお、電圧調整部13の内部構成については、図面を参照しながら後ほど説明する。
【0026】
電圧検出器14は、電池ユニット10に入力された入力電圧(充電電圧)、及び二次電池11から出力される出力電圧を検出する。電圧検出器14は、検出した入力電圧、及び出力電圧に関する情報を後述する制御部16へ送信する。電流検出抵抗15は、電池ユニット10に入力された入力電流(充電電流)、及び二次電池11から出力される出力電流を検出する。電流検出抵抗15は、検出した入力電流、及び出力電流に関する情報を後述する制御部16へ送信する。
【0027】
制御部16は、ハードウェア資源として、所定のプロセッサを含む。例えば、制御部16は、二次電池11の充電、又は放電に応じて、電圧調整部13の動作を制御する。また、制御部16は、電圧検出器14から受信した入力電圧に関する情報、及び電流検出抵抗15から受信した入力電流に関する情報に基づいて、充電電源3が平常運転しているか否かを判定する。また、制御部16は、電圧検出器14から受信した出力電圧に関する情報、及び電流検出抵抗15から受信した出力電流に関する情報に基づいて、充電電源3が復旧したか否かを判定する。また、制御部16は、二次電池11に設置される温度検出器(図示せず)からの温度に関する情報に基づいて、二次電池11の充電状態、及び劣化度合いを判定する。
【0028】
ここで、上記電圧調整部13の具体的な回路構成、後述する経路選択部17の動作、並びに充電時及び放電時における電流の流れについて、図3図18を参照して説明する。なお、図面が煩雑になることを防ぐため、後述する経路選択部17の動作、並びに充電時及び放電時における電流の流れを説明する図面において、電圧検出器14、電流検出抵抗15、及び制御部16を省略することとする。
【0029】
(第1実施例)
図3は、第1実施例における電圧調整部13の回路図である。第1実施例における電圧調整部13は、入出力端12側の一端131、及び二次電池11側の他端132を接続する電流経路R1、及び電流経路R1の迂回経路R2を有する。また、電圧調整部13は、上記迂回経路R2に設けられ、二次電池11の充電、又は放電に応じて、入力された電力を二次電池11に対応する所定の電圧、又は外部機器2に対応する所定の電圧に変更可能なコンバータCV1を有する。第1実施例におけるコンバータCV1は、入力された電力を二次電池11に対応する所定の電圧に変更可能な単方向コンバータである。例えば、単方向コンバータは、昇圧コンバータ、降圧コンバータ、又は昇圧、若しくは降圧可能な可変コンバータである。また、単方向コンバータは、非絶縁型、又は絶縁型単方向コンバータである。
【0030】
また、電圧調整部13は、経路選択部17を有する。経路選択部17は、二次電池11の充電、又は放電に応じて、電流経路R1、又は迂回経路R2のうちの使用する経路を選択する。第1実施例における経路選択部17は、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、及びスイッチング素子SW1により構成される。第1ダイオードD1は、迂回経路R2に設けられ、入出力端12側にアノードが接続され、二次電池11側にカソードが接続される。第2ダイオードD2は、電流経路R1及び迂回経路R2の分岐点P1、並びに電流経路R1及び迂回経路R2の合流点P2間の電流経路R1に設けられ、二次電池11側にアノードが接続され、入出力端12側にカソードが接続される。スイッチング素子SW1は、上記分岐点P1、並びに合流点P2間の電流経路R1に設けられる。また、上記合流点P2、及び他端132の間にスイッチング素子SW2が設けられている。例えば、第1ダイオードD1、及び第2ダイオードD2は、電流の流れる向きを制限することで、充電経路及び放電経路を分ける役割を有する。スイッチング素子SW1は、二次電池11の充電時における、合流点P2から入出力端12側への充電電流の逆流を防ぐ役割を有する。スイッチング素子SW2は、電池ユニット10において故障が発生した場合に、充電動作、又は放電動作を停止する役割を有する。なお、スイッチング素子SW1及びSW2は、バイポーラトランジスタやFET等の一般にスイッチング素子として用いられるものを使用する。
【0031】
図4は、第1実施例における電圧調整部13において、二次電池11を充電する場合の経路選択部17の動作、及び充電電流の流れを示す図である。図4に示すように、制御部16は、二次電池11を充電する場合、スイッチング素子SW1をオフし、スイッチング素子SW2をオンする。これにより、図4に示すように、迂回経路R2を経由して、入出力端12から二次電池11へ充電電流が入力される。このとき、充電電源3の充電電圧が二次電池11に対応していない場合、制御部16は、コンバータCV1を動作させる。これにより、第1実施例における電圧調整部13は、充電電源3の充電電圧を二次電池11に対応する所定の電圧に調整することができる。
【0032】
すなわち、第1実施例における電池ユニット10は、二次電池11に対応する充電電圧により当該二次電池11を充電することができる。例えば、上記充電電源3が鉛電池用の充電電源であり、上記二次電池11が鉛電池であると仮定すると、上記充電電圧が二次電池11に対応しており、コンバータCV1により充電電圧を変換する必要がない。このため、電池ユニット10は、電圧調整部13のコンバータCV1により充電電圧を調整せず、入出力端12を介して充電電源3から供給された電力を二次電池11へ入力する。さらに、上記充電電源3が鉛電池用の充電電源であり、上記二次電池11がニッケル水素電池であると仮定すると、上記充電電圧が二次電池11に対応しておらず、コンバータCV1により充電電圧を変換する必要がある。このため、電池ユニット10は、電圧調整部13のコンバータCV1により充電電圧を二次電池11に対応する所定の電圧に調整して、入出力端12を介して充電電源3から供給された電力を二次電池11へ入力する。これにより、第1実施例における電池ユニット10は、二次電池11に対応する充電電圧により当該二次電池11を充電することができる。さらに、コンバータCV1が絶縁型単方向コンバータであると仮定すると、上記入出力端12から入力された電力にノイズが多く含まれていても、コンバータCV1を経由することで上記ノイズを除去することができる。
【0033】
図5は、第1実施例における電圧調整部13において、二次電池11から外部機器2へ電力を出力する場合の経路選択部17の動作、及び出力電流の流れを示す図である。図5に示すように、制御部16は、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力する場合、スイッチング素子SW1及びSW2をオンする。これにより、第1実施例における電池ユニット10は、電流経路R1を経由して、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力することができる。
【0034】
(第2実施例)
図6は、第2実施例における電圧調整部18の回路図である。第2実施例における電圧調整部18は、第1実施例における電圧調整部13から、第1ダイオードD1を除き、さらに電流経路R1及び迂回経路R2の合流点P2にリレースイッチSWRを設けたものである。リレースイッチSWRは、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力する場合に、電流経路R1、又は迂回経路R2のうち、放電経路として使用する経路を選択可能にする役割を有する。また、リレースイッチSWRは、第2ダイオードD2と共に、充電経路及び放電経路を分ける役割を有する。また、第2実施例におけるコンバータCV2は、入力された電力を二次電池11に対応する所定の電圧、又は外部機器2に対応する所定の電圧に変更可能な双方向コンバータである。例えば、双方向コンバータは、非絶縁型、又は絶縁型双方向コンバータである。また、第2実施例における経路選択部17は、第2ダイオードD2、リレースイッチSWR、及びスイッチング素子SW1により構成されることとする。なお、その他の構成については、第1実施例における電圧調整部13と同様である。
【0035】
図7は、第2実施例における電圧調整部18において、二次電池11を充電する場合の経路選択部17の動作、及び充電電流の流れを示す図である。図7に示すように、制御部16は、二次電池11を充電する場合、スイッチング素子SW1をオフし、スイッチング素子SW2をオンする。さらに、制御部16は、リレースイッチSWRを迂回経路R2側に切り替える。これにより、図7に示すように、迂回経路R2を経由して、入出力端12から二次電池11へ充電電流が入力される。このとき、充電電源3の充電電圧が二次電池11に対応していない場合、制御部16は、コンバータCV2を動作させる。これにより、第2実施例における電圧調整部18は、充電電源3の充電電圧を二次電池11に対応する所定の電圧に調整することができる。すなわち、第2実施例における電池ユニット10は、第1実施例と同様に、二次電池11に対応する充電電圧により当該二次電池11を充電することができる。さらに、コンバータCV2が絶縁型双方向コンバータであると仮定すると、上記入出力端12から入力された電力にノイズが多く含まれていても、迂回経路R2を経由することでコンバータCV2により上記ノイズを除去することができる。
【0036】
図8は、第2実施例における電圧調整部18において、電流経路R1を使用して二次電池11から外部機器2へ電力を出力する場合の経路選択部17の動作、及び出力電流の流れを示す図である。図8に示すように、制御部16は、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力する場合、スイッチング素子SW1及びSW2をオンする。さらに、制御部16は、リレースイッチSWRを電流経路R1側に切り替える。これにより、第2実施例における電池ユニット10は、電流経路R1を経由して、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力することができる。
【0037】
図9は、第2実施例における電圧調整部18において、迂回経路R2を使用して二次電池11から外部機器2へ電力を出力する場合の経路選択部17の動作、及び出力電流の流れを示す図である。図9に示すように、制御部16は、スイッチング素子SW1をオフし、スイッチング素子SW2をオンする。さらに、制御部16は、リレースイッチSWRを迂回経路R2側に切り替える。これにより、第2実施例における電池ユニット10は、迂回経路R2を経由して、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力することができる。このとき、外部機器2が二次電池11の出力電圧に対応していない場合、制御部16は、コンバータCV2を動作させる。これにより、第2実施例における電池ユニット10は、迂回経路R2を経由して、充電電源3の充電電圧を二次電池11に対応する所定の電圧に調整することができる。
【0038】
すなわち、第2実施例における電池ユニット10は、上記外部機器2に対応する出力電圧により当該二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力することができる。例えば、上記二次電池11がニッケル水素電池であり、外部機器2がニッケル水素電池の出力電圧に対応するものであると仮定すると、コンバータCV2により出力電圧を変換する必要がない。このため、電池ユニット10は、電流経路R1を経由して、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力する。さらに、上記二次電池11がニッケル水素電池であり、外部機器2がニッケル水素電池の出力電圧に対応していないと仮定すると、コンバータCV2により出力電圧を変換する必要がある。このため、電池ユニット10は、迂回経路R2を経由して、コンバータCV2により出力電圧を外部機器2に対応する所定の電圧に調整して、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力する。これにより、第2実施例における電池ユニット10は、上記外部機器2に対応する出力電圧により当該二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力することができる。
【0039】
また、第2実施例における電池ユニット10は、コンバータCV2が絶縁型双方向コンバータであると仮定すると、上記二次電池11から出力された電力にノイズが多く含まれていても、コンバータCV2を経由することで上記ノイズを除去することができる。例えば、上記二次電池11から出力された電力にノイズが多く含まれる場合、外部機器2において故障や不具合等のトラブルが発生する可能性がある。このため、電池ユニット10は、迂回経路R2を経由して、電圧調整部18のコンバータCV2により上記ノイズを除去して、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力する。すなわち、第2実施例における電池ユニット10は、上記二次電池11から出力された電力にノイズが多く含まれていても、コンバータCV2を経由することで上記ノイズを除去することができる。なお、上記二次電池11から出力された電力にノイズが含まれていない場合、電力損失を最小限にするため、電池ユニット10は、電流経路R1を経由して、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力する。
【0040】
(第3実施例)
図10は、第3実施例における電圧調整部19の回路図である。第3実施例における電圧調整部19は、第1実施例における電圧調整部13から、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2を除き、さらに電流経路R1及び迂回経路R2の分岐点P1、並びにコンバータCV1の間に、スイッチング素子SW3を設けたものである。スイッチング素子SW3は、スイッチング素子SW1と共に、充電経路及び放電経路を分ける役割を有する。また、第3実施例におけるコンバータCV1は、単方向コンバータである。また、第3実施例における経路選択部17は、スイッチング素子SW1及びスイッチング素子SW3により構成されることとする。なお、スイッチング素子SW3は、上記スイッチング素子SW1及びSW2と同様に、バイポーラトランジスタやFET等の一般にスイッチング素子として用いられるものを使用する。
【0041】
図11は、第3実施例における電圧調整部19において、電流経路R1を使用して二次電池11を充電する場合の経路選択部17の動作、及び充電電流の流れを示す図である。図11に示すように、制御部16は、電流経路R1を使用して二次電池11を充電する場合、スイッチング素子SW1及びSW2をオンし、スイッチング素子SW3をオフする。これにより、図11に示すように、電流経路R1を経由して、入出力端12から二次電池11へ充電電流が入力される。
【0042】
図12は、第3実施例における電圧調整部19において、迂回経路R2を使用して二次電池11を充電する場合の経路選択部17の動作、及び充電電流の流れを示す図である。図12に示すように、制御部16は、迂回経路R2を使用して二次電池11を充電する場合、スイッチング素子SW1をオフし、スイッチング素子SW2及びSW3をオンする。これにより、図12に示すように、迂回経路R2を経由して、入出力端12から二次電池11へ充電電流が入力される。このとき、充電電源3の充電電圧が二次電池11に対応していない場合、制御部16は、コンバータCV1を動作させる。これにより、第2実施例における電圧調整部13は、充電電源3の充電電圧を二次電池11に対応する所定の電圧に調整することができる。すなわち、第3実施例における電池ユニット10は、第1実施例及び第2実施例と同様に、二次電池11に対応する充電電圧により当該二次電池11を充電することができる。
【0043】
また、第3実施例における電池ユニット10は、第1実施例及び第2実施例と同様に、コンバータCV1が絶縁型単方向コンバータであると仮定すると、上記入出力端12から入力された電力にノイズが多く含まれていても、コンバータCV1を経由することで上記ノイズを除去することができる。例えば、上記入出力端12を介して充電電源3から供給された電力にノイズが多く含まれる場合、電池ユニット10内部において故障や不具合等のトラブルが発生する可能性がある。このため、電池ユニット10は、迂回経路R2を経由して、電圧調整部18のコンバータCV1により上記ノイズを除去して、入出力端12を介して充電電源3から供給された電力を二次電池11へ入力する。すなわち、第3実施例における電池ユニット10は、上記入出力端12から入力された電力にノイズが多く含まれていても、コンバータCV1を経由することで上記ノイズを除去することができる。なお、上記充電電源3から供給された電力にノイズが含まれていない場合、電力損失を最小限にするため、電池ユニット10は、電流経路R1を経由して、入出力端12を介して充電電源3から供給された電力を二次電池11へ入力する。
【0044】
図13は、第3実施例における電圧調整部19において、二次電池11から外部機器2へ電力を出力する場合の経路選択部17の動作、及び出力電流の流れを示す図である。図13に示すように、制御部16は、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2に出力する場合、スイッチング素子SW1及びSW2をオンし、スイッチング素子SW3をオフする。これにより、第3実施例における電池ユニット10は、第1実施例と同様に、電流経路R1を経由して、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2に出力することができる。
【0045】
(第4実施例)
図14は、第4実施例における電圧調整部20の回路図である。第4実施例における電圧調整部20は、第3実施例における電圧調整部18の単方向コンバータを双方向コンバータに置換したものである。なお、その他の構成については、第3実施例における電圧調整部19と同様である。
【0046】
図15は、第4実施例における電圧調整部20において、電流経路R1を使用して二次電池11を充電する場合の経路選択部17の動作、及び充電電流の流れを示す図である。図15に示すように、制御部16は、電流経路R1を使用して二次電池11を充電する場合、スイッチング素子SW1及びSW2をオンし、スイッチング素子SW3をオフする。これにより、図15に示すように、電流経路R1を経由して、入出力端12から二次電池11へ充電電流が入力される。
【0047】
図16は、第4実施例における電圧調整部20において、迂回経路R2を使用して二次電池11を充電する場合の経路選択部17の動作、及び充電電流の流れを示す図である。図16に示すように、制御部16は、迂回経路R2を使用して二次電池11を充電する場合、スイッチング素子SW1をオフし、スイッチング素子SW2及びSW3をオンする。これにより、図16に示すように、迂回経路R2を経由して、入出力端12から二次電池11へ充電電流が入力される。このとき、充電電源3の充電電圧が二次電池11に対応していない場合、制御部16は、コンバータCV2を動作させる。これにより、第4実施例における電圧調整部20は、充電電源3の充電電圧を二次電池11に対応する所定の電圧に調整することができる。すなわち、第4実施例における電池ユニット10は、第1実施例乃至第3実施例と同様に、二次電池11に対応する充電電圧により当該二次電池11を充電することができる。
【0048】
また、第4実施例における電池ユニット10は、第1実施例乃至第3実施例と同様に、コンバータCV2が絶縁型双方向コンバータであると仮定すると、上記入出力端12から入力された電力にノイズが多く含まれていても、コンバータCV2を経由することで上記ノイズを除去することができる。
【0049】
図17は、第4実施例における電圧調整部20において、電流経路R1を使用して二次電池11から外部機器2へ電力を出力する場合の経路選択部17の動作、及び出力電流の流れを示す図である。図17に示すように、制御部16は、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力する場合、スイッチング素子SW1及びSW2をオンし、スイッチング素子SW3をオフする。これにより、第4実施例における電池ユニット10は、電流経路R1を経由して、二次電池11に蓄積された電力を外部機器2に出力することができる。
【0050】
図18は、第4実施例における電圧調整部20において、迂回経路R2を使用して二次電池11から外部機器2へ電力を出力する場合の経路選択部17の動作、及び出力電流の流れを示す図である。図18に示すように、制御部16は、迂回経路R2を使用して二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力する場合、スイッチング素子SW1をオフし、スイッチング素子SW2及びSW3をオンする。このとき、外部機器2が二次電池11の出力電圧に対応していない場合、制御部16は、コンバータCV2を動作させる。これにより、第4実施例における電圧調整部13は、迂回経路R2を経由して、充電電源3の充電電圧を二次電池11に対応する所定の電圧に調整することができる。すなわち、第4実施例における電池ユニット10は、第2実施例と同様に、上記外部機器2に対応する出力電圧により当該二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力することができる。
【0051】
また、第4実施例における電池ユニット10は、第2実施例と同様に、コンバータCV2が絶縁型双方向コンバータであると仮定すると、上記二次電池11から出力された電力にノイズが多く含まれていても、コンバータCV2を経由することで上記ノイズを除去することができる。
【0052】
なお、上記第1実施例から第4実施例に示す電圧調整部13,18,19,20は、あくまで一例として示したものであり、コンバータCV1,CV2、ダイオードD1,D2スイッチング素子SW1,SW2,SW3、リレースイッチSWR等の構成要素を組み合わせて、二次電池11の充電時における充電電圧の調整及びノイズ除去、並びに二次電池11の放電時における出力電圧の調整及びノイズ除去のうちの少なくとも一つを実行可能な電圧調整部を実現するようにしてもよい。
【0053】
(総括)
上記構成によれば、本実施形態に係る電池ユニット10は、二次電池11に対応する充電電圧により当該二次電池11を充電することができる。また、本実施形態に係る電池ユニット10は、外部機器2に対応する出力電圧により当該二次電池11に蓄積された電力を外部機器2へ出力することができる。また、本実施形態に係る電池ユニット10において、上記充電経路、及び放電経路が共通の回路配線により構成されるため、部品点数の増加を防ぎつつ、回路を簡略化することができる。
【0054】
かくして、従来の電池ユニットと比較して、より汎用性の高い電池ユニット10、及び当該電池ユニット10を含む蓄電システム1を実現することができる。
【0055】
なお、本実施形態における充電電源3は、蓄電システム1に設けられている。しかしながら、本実施形態における充電電源3は、これに限定されない。例えば、本実施形態における充電電源3は、蓄電システム1の外部に設けられる外部電源であってもよい。
【0056】
また、上記説明において用いた「所定のプロセッサ」という文言は、例えば、マイコン専用又は汎用のプロセッサ、若しくは、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等を意味する。また、本実施形態の各構成要素(各処理部)は、単一のプロセッサに限らず、複数のプロセッサによって実現するようにしてもよい。
【0057】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
1 蓄電システム
2 外部機器
3 充電電源(外部電源)
10 電池ユニット
11 二次電池
12 入出力端
13,18,19,20 電圧調整部
14 電圧検出器
15 電流検出抵抗
16 制御部
17 経路選択部
R1 電流経路
R2 迂回経路
SW1,SW2,SW3 スイッチング素子
SWR リレースイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
図18