IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッドの特許一覧

特許7161383対向端部にアドレス指定接点を有する屈曲可能なTFTバックプレーン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】対向端部にアドレス指定接点を有する屈曲可能なTFTバックプレーン
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/32 20060101AFI20221019BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20221019BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20221019BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20221019BHJP
   G01T 1/20 20060101ALI20221019BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20221019BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20221019BHJP
   H04N 5/374 20110101ALI20221019BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20221019BHJP
   H04N 5/376 20110101ALI20221019BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20221019BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221019BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20221019BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20221019BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
H04N5/32
G02F1/1343
G02F1/1333
G09F9/30 310
G09F9/30 308Z
G01T1/20 E
G01T1/20 G
H01L27/146 C
H01L27/144 K
H04N5/374
H04N5/369
H04N5/376
H05B33/02
H05B33/14 A
H05B33/06
H05B33/22 Z
H05B33/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018218963
(22)【出願日】2018-11-22
(65)【公開番号】P2019110526
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-19
(31)【優先権主張番号】15/845,058
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・エイ・ストリート
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー・エイ・バート
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・シー・ナイツ
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0307528(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0117965(US,A1)
【文献】特表2006-522351(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0035298(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/32
G02F 1/1343
G02F 1/1333
G09F 9/30
G01T 1/20
H01L 27/146
H01L 27/144
H04N 5/374
H04N 5/369
H04N 5/376
H05B 33/02
H01L 51/50
H05B 33/06
H05B 33/22
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性TFTバックプレーンであって、
可撓性基板と、
前記基板と関連付けられた第1の組のアドレス線接点と、
前記基板と関連付けられた第2の組のアドレス線接点であって、前記第1の組のアドレス線接点および前記第2の組のアドレス線接点が、定義する垂直方向に対して、互いに前記基板の対向側に配置されている、第2の組のアドレス線接点と、
前記定義された垂直方向、および前記定義された垂直方向に対して反射で継続する斜め方向のうちのいずれか一方に進行するように設計された第1の組のアドレス線であって、前記第1の組のアドレス線が前記第1の組のアドレス線接点に接続されている、第1の組のアドレス線と、
前記定義された垂直方向に対して反射で継続する斜め方向、並びに前記定義された垂直方向に対して斜め方向および水平方向の組み合わせのうちのいずれか一方に進行するように設計された第2の組のアドレス線であって、前記第2の組のアドレス線が前記第2の組のアドレス線接点と接続されている、第2の組のアドレス線と、
前記第1の組のアドレス線と前記第2の組のアドレス線との間に配置された少なくとも1つの絶縁層と、
前記基板の境界内にアレイ状に配列された複数のTFTであって、前記TFTが、前記第1の組のアドレス線および前記第2の組のアドレス線によってアドレス指定されている、複数のTFTと、を備える、可撓性TFTバックプレーン。
【請求項2】
デジタルX線検出器をさらに含む、請求項1に記載の可撓性TFTバックプレーン。
【請求項3】
前記第1の組のアドレス線接点が、データ線接点であり、前記第2の組のアドレス線接点が、ゲート線接点である、請求項1に記載の可撓性TFTバックプレーン。
【請求項4】
前記第1の組のアドレス線が、一組のデータ線であり、前記第2の組のアドレス線が、一組のゲート線である、請求項3に記載の可撓性TFTバックプレーン。
【請求項5】
前記一組のデータ線が、前記斜め方向に進行する、請求項4に記載の可撓性TFTバックプレーン。
【請求項6】
前記一組のデータ線が、前記垂直方向に進行する、請求項4に記載の可撓性TFTバックプレーン。
【請求項7】
前記アドレス線の配列が、前記アレイ状に配列された複数のTFTのすべての画素をアドレス指定する、請求項1に記載の可撓性TFTバックプレーン。
【請求項8】
可撓性TFTバックプレーンを形成する方法であって、
可撓性基板を準備することと、
前記基板と関連付けられた第1の組のアドレス線接点を形成することと、
前記基板と関連付けられた第2の組のアドレス線接点であって、前記第1の組のアドレス線接点および前記第2の組のアドレス線接点が、定義する垂直方向に対して、互いに前記基板の対向側に配置されている、第2の組のアドレス線接点、を形成することと、
前記定義された垂直方向、および前記定義された垂直方向に対して反射で継続する斜め方向のうちのいずれか一方に進行するように設計された第1の組のアドレス線であって、前記第1の組のアドレス線が前記第1の組のアドレス線接点に接続されている、第1の組のアドレス線、を形成することと、
前記定義された垂直方向に対して反射で継続する斜め方向、並びに前記定義された垂直方向に対して斜めおよび水平方向の組み合わせのうちのいずれか一方に進行するように設計された第2の組のアドレス線であって、前記第2の組のアドレス線が前記第2の組のアドレス線接点に接続されている、第2の組のアドレス線、を形成することと、
前記第1の組のアドレス線と前記第2の組のアドレス線との間に配置された少なくとも1つの絶縁層を形成することと、
前記基板の境界内にアレイ状に配列された複数のTFTであって、前記TFTが、前記第1の組のアドレス線および前記第2の組のアドレス線によってアドレス指定されている、複数のTFT、を設けることと、を含む、方法。
【請求項9】
前記第1の組のアドレス線接点が、データ線接点であり、前記第2の組のアドレス線接点が、ゲート線接点である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の組のアドレス線が、一組のデータ線であり、前記第2の組のアドレス線が、一組のゲート線である、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子バックプレーンに関し、より詳細には、屈曲可能な可撓性基板を使用するバックプレーンに関する。
【0002】
バックプレーンは、ゲート線およびデータ線を介してアドレス指定される、ただし以下に限定されない、トランジスタ(例えば、薄膜トランジスタ(TFT)等)を含む、電子コンポーネントを担持する。
【0003】
従来より、バックプレーンは、ガラス基板を使って作製され、その結果として、剛性のあるバックプレーンをもたらし、このことが、それらのバックプレーンが使用され得る領域を制限している。このため、バックプレーン自体の全体的な屈曲可能性または可撓性を向上させるために、屈曲可能な可撓性のある(例えば、プラスチック、ポリマー等)基板を使ってバックプレーンを製造することが現在の関心事であり、このことが、バックプレーンが使用され得る領域を拡大させる。
【0004】
しかしながら、屈曲可能な可撓性バックプレーンに関する課題は、バックプレーンの電子デバイス(例えば、TFT等)をアドレス指定するために使用される電子素子にある。そのような電子素子には、チップオンフレックス(COF)パッケージおよび/または印刷配線板(PCB)が挙げられる。これらの電子素子は、屈曲可能な可撓性基板よりも、屈曲可能可撓性がはるかに小さい。このため、普通のバックプレーンアーキテクチャを使用する場合、屈曲可能な可撓性基板の利点が減殺される。特に、そのようなアーキテクチャでは、アドレス指定線の組(例えば、データアドレス指定線およびゲートアドレス指定線)が、実質的に90度で互いに交差する(異なる金属層内ではあるが、互いに分離されている)、実質的に水平および垂直の様式で進行している。この配列により、関連するアドレス指定電子素子(例えば、チップオンフレックス(COF)パッケージ、PCB等)が、バックプレーンの近くの側の上に配置されるのを可能にし、バックプレーンの全体的な可撓屈曲可能性を制限するように作用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、屈曲可能性および可撓性を向上させるために既存の制限を克服するバックプレーンの設計および製造に関する。
【0006】
可撓性TFTバックプレーンが、可撓性基板と、その基板と関連付けられた第1の組のアドレス線接点と、その基板と関連付けられた第2の組のアドレス線接点と、を備える。第1の組のアドレス線接点および第2の組のアドレス線接点は、定義する垂直方向に対して、互いに基板の対向側に配置される。第1の組のアドレス線が、垂直方向、および定義された垂直方向に対して斜めまたは非垂直方向のうちのいずれか一方に進行するように設計され、同時に、第1の組のアドレス線は、第1の組のアドレス線接点に接続される。また、定義された垂直方向に対して斜めまたは非垂直方向、ならびにその定義された垂直方向に対して斜めおよび水平方向の組み合わせのうちのいずれか一方に進行するように設計された第2の組のアドレス線も設けられ、同時に、第2の組のアドレス線は、第2の組のアドレス線接点に接続される。少なくとも1つの絶縁層が、第1の組のアドレス線と第2の組のアドレス線との間に配置され、複数のTFTが基板の境界内にアレイ状に配列され、それらのTFTは、第1の組のアドレス線および第2の組のアドレス線によりアドレス指定される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】アクティブマトリクスの近くの側の上にゲートドライバおよびデータ読み出しを備えるアクティブマトリクス検出器TFTバックプレーンの従来の構造を例示する図である。
図2】ゲートドライバ素子が、データ読み出し素子側と対向するバックプレーンの片側の上にあり、連続的な屈曲または柔軟さを向上させることが可能な本開示によるバックプレーン構造を例示する図である。
図3A】本開示による、TFTバックプレーンセグメントの対向側の上で終端しているゲートおよびデータアドレス線の設計および構成の一実施形態を例示する図である。
図3B】本開示による、TFTバックプレーンセグメントの対向側の上で終端しているゲートおよびデータアドレス線の設計および構成の一実施形態を例示する図である。
図3C】本開示による、TFTバックプレーンセグメントの対向側の上で終端しているゲートおよびデータアドレス線の設計および構成の一実施形態を例示する図である。
図3D】本開示による、TFTバックプレーンセグメントの対向側の上で終端しているゲートおよびデータアドレス線の設計および構成の一実施形態を例示する図である。
図4A】本開示による、TFTバックプレーンセグメントの設計および構成の代替となる実施形態を例示する図である。
図4B】本開示による、TFTバックプレーンセグメントの設計および構成の代替となる実施形態を例示する図である。
図4C】本開示による、TFTバックプレーンセグメントの設計および構成の代替となる実施形態を例示する図である。
図4D】本開示による、TFTバックプレーンセグメントの設計および構成の代替となる実施形態を例示する図である。
図5A】アレイを横切って斜めに進行し、そしてアレイの外側の縁に到達すると連続して後退するようなゲート線およびデータ線の両方を備える配列をアドレス指定するTFTバックプレーンセグメントの設計および構成の代替となる実施形態を例示する図である。
図5B】アレイを横切って斜めに進行し、そしてアレイの外側の縁に到達すると連続して後退するようなゲート線およびデータ線の両方を備える配列をアドレス指定するTFTバックプレーンセグメントの設計および構成の代替となる実施形態を例示する図である。
図5C】アレイを横切って斜めに進行し、そしてアレイの外側の縁に到達すると連続して後退するようなゲート線およびデータ線の両方を備える配列をアドレス指定するTFTバックプレーンセグメントの設計および構成の代替となる実施形態を例示する図である。
図5D】アレイを横切って斜めに進行し、そしてアレイの外側の縁に到達すると連続して後退するようなゲート線およびデータ線の両方を備える配列をアドレス指定するTFTバックプレーンセグメントの設計および構成の代替となる実施形態を例示する図である。
図5E】各画素の近くに2つのゲート線および2つのデータ線が存在するアレイの領域内の画素配列の拡大図を例示し、ここで、ひし形が各画素内のフォトダイオードの場所を例示する図である。
図6】画素配列のより詳細な図である。
図7】典型的な屈曲可能な検出器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
TFT等のような電子デバイスのアレイを実装するバックプレーンは、広範囲の製品およびシステムにおいて有用である。向上した屈曲可能可撓性を備えるバックプレーンを提供することが、そのようなバックプレーンの有用性をさらに向上させる。本明細書に記載された実施形態では、バックプレーンの対向側に(互いに隣接することとは対照的に)配置された(以下に限定されない、COFおよびPCBを含むアドレス指定電子素子の)ゲートおよびデータアドレス指定接点、並びにアレイのすべてのTFT画素をアドレス指定するように設計されたゲートアドレス線およびデータアドレス線の配列を有するTFT型バックプレーンが開示されている。開示された実施形態は、多数ある中でも、X線検出器、LCD素子、OLED素子、および反射型ディスプレイを含む検出器用などの広範囲の実施態様において使用されることができる。したがって、本説明が、特定の実施態様について記載することがある一方で、本明細書に記載されたアーキテクチャを備えるバックプレーンは、それらの実施態様に限定されないことを理解されたい。
【0009】
説明の目的のため、以下に、デジタルX線検出器などの検出器と一緒に使用するために開示された実施態様について記載する。これらのデバイスは、一般に、アモルファスシリコン(a-Si)薄膜トランジスタ(TFT)バックプレーンおよびa-Siフォトダイオードを使ってガラス上に作製することができる。他の材料として、例えば、以下に限定されないが、TFTの場合には、金属酸化物、多結晶シリコン、および有機半導体、並びにフォトダイオードの場合には、有機材料を使用することができる。X線シンチレータは、バックプレーンと接触させて配置され、X線をフォトダイオードにより検出される光に変換する。シンチレータは、一般的に、テルビウム添加ガドリニウム酸硫化物(GOS)またはヨウ化セシウムのどちらかであるが、他の材料も可能である。このGOSは、バックプレーンに接着剤で結合されてもよく、または単純に押し込まれて接触されてもよい。ヨウ化セシウムは、バックプレーン上に直接堆積されてもよく、または押し込まれて接触される別個の層として形成されてもよい。別のアプローチとしては、きわめて類似したTFTバックプレーンと一緒にセレンなどのX線光導電体を使用することである。本開示は、どちらの種類の構造、並びに既知の製造プロセスを使った表示装置の製造を含む他の種類の構造にも適用する。
【0010】
同じTFTおよびフォトダイオード構造を、ガラスではなくプラスチック基板上に堆積して、屈曲可能な可撓性基板を形成することができる。TFT検出器バックプレーンによりアドレス指定されたフォトダイオードアレイを可撓性基板上に作製するための様々な既知の作製プロセスが存在する。現行の製造に使用されている一般的な方法は、従来のガラス基板上に薄いポリイミド(PI)層を形成することである。次いで、TFTバックプレーンは、PI層のないガラス上に製造される場合と同じプロセスを使って製造される。その処理が完了した後、GOSシンチレータが前面に結合され、薄いPI膜およびa-Si層を支持する。次いで、その組み合わせは、ガラス基板から解放され、プラスチック層が、追加的な保護のために、裏面に結合される。プラスチック基板およびGOSシンチレータの可撓性の性質は、アレイを屈曲可能にする。
【0011】
屈曲可能な検出器は、例えば、パイプラインまたは他の湾曲した対象物を検査し、剛性のある平面検出器を導入できない限られた空間内の対象物を画像化し、並びに快適性および解像度を向上させるために人体に適合させることが関心事となっている。
【0012】
記載されたデジタルX線検出器などのアクティブマトリクス設計は、TFTのゲート線(また、スキャン線とも呼ばれる)に電圧パルスを順番に印加することによりアドレス指定を実行し、同時にデータ線上の電荷信号を読み出す。
【0013】
図1に転じると、屈曲可能な可撓性基板102を有する屈曲可能な可撓性バックプレーン構造体100が例示され、TFTマトリクス104(従来の方法で形成された複数のTFT並びに関連するゲート線およびデータ線を含む)を担持する。ゲート線部分106、108(ゲート線のこれらのゲート線部分の多数の追加部分が存在すると理解されるが、見やすくするために2本の単一線として示されている)は、TFTマトリクス104から延長し、ゲート接点111、113を介して、通常、シリコン集積回路(ゲートチップ)110、112の形態でシフトレジスタと接触する。一般的には、ゲートチップ110、112は、基板102に結合されているゲートチップオンフレックス(COF)パッケージ114、116上に実装される。同様に、データ線部分118、120(再度、見やすくするために2つの単一線)が、データ読出しチップ122、124に接続され、それらのチップは、COFパッケージ126、128のいずれかの中にあるか、かつ/または屈曲可能な可撓性基板102上の配線板(PCB)130上に実装されている。データCOF126、128は、PCB130に直接接続される場合が多いが、市販のゲートチップの多くは、PCBへの接続を必要としない。
【0014】
図1からわかるように、ゲートパッケージ114、116およびデータパッケージ126、128(並びにPCB130)は、屈曲可能な可撓性基板102のすぐ近くの側の上に配置されている。
【0015】
構造体100の1次元屈曲は、PCB130を屈曲させる必要がないため、ゲート線方向(図1の132を参照)の曲率を伴って良好に実行される。しかしながら、ゲートチップ110、112は、剛性のあるシリコンであるため、COFパッケージ114、116は、いくらかの屈曲を許容するが、その屈曲は、また、COF114、116内に埋め込まれた剛性のあるゲートチップ110、112の屈曲可能性の不足によっても厳しく制限される。
【0016】
図1の構造体100の制限された屈曲可能可撓性に対して提案された解決策は、図1に示すようなすぐ近くの側にではなく、図2の構造体120に例示されているように、バックプレーンアレイの対向側に配置されたゲート電子素子(例えば、ゲートCOFなどのゲートドライバ)およびデータ電子素子(例えば、データCOFなどのデータ読み出し接続)を備えるバックプレーン設計を製造することである。しかしながら、この構成は、ゲートおよびデータアドレス線の従来の配列(すなわち、水平対垂直において、ゲートおよびデータアドレス線の90度交差を引き起こす)を用いることは、不可能である。したがって、本開示は、屈曲可能性および可撓性を向上させる方法によりTFTのアレイをアドレス指定することができるアーキテクチャについて説明する。以上のように、便宜上、図2のTFTマトリクス104aは、従来の方法によりアドレス指定線を描いているように見えるかもしれないが、このTFTマトリクス104aは、本明細書に開示されているように、図2に示すようなゲート電子素子およびデータ電子素子の場所を与えるアドレス線配列を含むことを意図していることが理解される。
【0017】
図3A~3Dに転じると、バックプレーンアーキテクチャの各段階が示されており、そのバックプレーンアーキテクチャは、トランジスタ(TFT)アレイを担持する屈曲可能な可撓性基板の対向側の上にゲート線接点およびデータ線接点の場所を与えている。図3Aは、データ線のレイアウトを示し、図3Bは、ゲート線のレイアウトを示し、図3Cは、組み合わされた各層を備えるバックプレーンを示し、図3Dは、絶縁体層を示し、かつ本実施形態の1つまたは2つ以上の絶縁体層を表す。
【0018】
屈曲可能な可撓性基板の対向側の上のゲート線接点およびデータ線接点の場所は、屈曲可能な可撓性バックプレーン上にアドレス指定線(すなわち、データ線およびゲート線)の独自の設計レイアウトを用いることによって達成されている。図3A~3Dは、より大きなバックプレーン配列の一部を表すと理解され、前述した図2のゲート電子素子およびデータ電子素子が、ゲート線接点およびデータ線接点と関連付けられていると認識され得る。
【0019】
図3Aの構成300に戻ると、屈曲可能な可撓性基板302、関連するゲート線接点304、関連するデータ線接点306、および垂直データ線308が例示されている。データ線308は、従来のレイアウトのように、バックプレーンアレイの底部側のデータ線接点306に接続されている。製造においては、基板302の境界内のデータ線は、基板302と異なる金属層、並びに、以下に限定されないが、本実施形態、ならびに本明細書中の他の実施形態の関連するゲート線接点304およびデータ線接点306を含む他のコンポーネント内に設けられていることが理解される。また、線308は、ゲート線接点304とデータ線接点306との間に定義された垂直方向と同程度に垂直であることも理解される。
【0020】
ここで、図3Bに転じると、本開示によるゲート線レイアウト320が例示されている。説明のために、基板302、並びにそれぞれが基板302と関連付けされたゲート線接点304およびデータ線接点306が再度示されている。
【0021】
最初に、(定義された垂直方向に対して)斜め(また、非垂直とも呼ばれる)のゲート線326a~326hが、バックプレーンアレイの右側の上部領域322(すなわち、基板の境界内にTFTマトリクスアレイを含む領域)から開始し、ゲート線接点304に向かって、かつ/またはその中に、上方に移動するように、アレイの左側324にこれらのゲート線を延長して生成されている。斜めゲート線326e~326h(レイアウトを得る目的のためだが、実際の製造では存在しない)のいくつかは、基板302の縁を通り過ぎて延長していることに注意されたい。図3Cからわかるように、ゲート線およびデータ線は、実際の矩形アレイのすべての点で交差し、この設計が、アレイ内のすべての画素のマトリクスアドレス指定をもたらすことが可能であることを示している。
【0022】
レイアウト工程の次のステップは、バックプレーンアレイの基板の左垂直面に対して、バックプレーンアレイの基板の左側に突き出るゲート線326e~326hのレイアウトを反射させ、または折り畳むことである。これらが、反射した、または折り畳まれたゲート線326e’~326h’である。このことは、ゲート線326e’~326h’が、ゲート線接点304から左斜め下方に接続および進行するように描かれ、そしてゲート線がアレイの縁に到達すると、ゲート線は、続いて右斜め下方(すなわち、バックプレーンアレイの基板の境界内にあるそれらの326e~326hの部分)に進行することを意味する。この設計手順により、全ての画素が本開示のアドレス指定構造によってアドレス指定されることが可能であることが保証される。
【0023】
非反射または非折り畳みゲート線326a~326dは、アレイの右上隅(すなわち、ゲート線326dからバックプレーンアレイの右手上隅)にTFT画素をアドレス指定することがわかる。反射ゲート線326e’~326g’は、それらのゲート線に対応したバックプレーンアレイのその部分にTFT画素をアドレス指定する。基板またはアレイの幅が、それよりも大きくなるように設計されている場合、左下隅に至る反射ゲート線は、アレイ接点領域内のゲート線接点と交差しない。逆に、ゲート線328は、右側(反射Bと印されている)に向かって反射または折り畳まれ、この線は、左下のTFT画素をアドレス指定する。
【0024】
製造において、基板302の境界内のゲート線は、基板302と異なる2つの別個の金属層内に設けられることが理解される。特に、図3Bのレイアウト内のゲート線が互いに交差するところはどこでも、短絡状態を回避するために、交差ゲート線のうちの一方が、1つの金属層内に製造され、他方の交差ゲート線が、第2の金属層内に製造される。
【0025】
図3Cは、図3Aのデータアドレス線、および図3Bのゲートアドレス線を組み合わせた結果のレイアウトを例示する(すなわち、データ線を担持する金属層、および同じ金属層内では他のゲート線と交差しないゲート線の部分をそれぞれ担持する2つの金属層)。また、複数のTFT/フォトダイオード構成332も示されており、それらは、構造上、適切に対応するデータ線およびゲート線(両者間の接続線は、図示せず)に選択的に接続されている。そのような接続線は、見やすくするため示していないことが理解され、同様にTFT/フォトダイオード構成332のサンプルしか例示しておらず、製造においては、さらに多くの構成332が設けられることになることが理解される。また、構成332は、以下に限定されないが、例えば、ディスプレイバックプレーンの構成に使用され得るような他の配列をさらに表すことも理解される。
【0026】
図3Dは、本実施形態による、絶縁材料342で作製された絶縁体層340を例示し、バックプレーン構成に必要な絶縁体を表すことを意図されている。この実施形態では、2つの別個の絶縁体層がある。より詳細には、データ線を担持する金属層と、いくつかのゲートアドレス線を担持する2つの金属層のうちの1つとの間に1つの絶縁体層、並びに別個のゲートアドレス線の部分を担持する2つの金属層のそれぞれの間に第2の絶縁体層が存在する。したがって、絶縁層の適切な数および場所は、図3Cに示すようなバックプレーン内に含まれることが理解される。また、製造においては、ゲートまたはデータ線をTFT/フォトダイオードに接続するために、ヴィア開口部がこの絶縁層内に作製され得ることが理解され、そのようなヴィアは、見やすくするために図示されていない。
【0027】
ここで図4A~4Dに転じると、余分なゲート線を反射または折り畳むのではなく、それらを平行移動させることによって作製された前述の設計の変更が例示されている。図4Aは、データ線のレイアウトを示し、図4Bは、ゲート線のレイアウトを示し、図4Cは、アドレス層が組み合わされた(ゲートおよびデータ)バックプレーン430を示し、図4Dは、絶縁体層を示し、かつ本実施形態の1つまたは2つ以上の絶縁体層を表す。
【0028】
図4Aの構成400に戻ると、屈曲可能な可撓性基板402、ゲート線接点404、データ線接点406、および垂直データ線408が例示されている。データ線408は、従来のレイアウトのように、バックプレーンアレイの底部側でのデータ線接点406に接続されている。製造においては、基板402の境界内のデータ線は、基板402とは異なる金属層内に設けられていると理解される。
【0029】
ここで図4Bに転じると、ゲート線レイアウト420の説明が例示されている。説明のために、基板402、ゲート線接点404、およびデータ線接点406が、再度示されている。
【0030】
最初に、この実施形態では、斜め(また、非垂直とも呼ばれる)のゲート線426a~426gが、アレイの右側の上部領域422(例えば、基板の境界内のTFTアレイ領域)から開始し、そして上方に移動するように(例えば、ゲート線接点404が配置されている図面ページの上部に向かって)、アレイの左424に向かってこれらのゲート線426a~426gを延長して、生成されている。この場合、(反射または折り畳み線ではなく)接続する水平線428a~428dが設けられている。図4Cは、説明されたデータ線レイアウトおよびゲート線レイアウトの組み合わせ430を例示している。また、複数のTFT/フォトダイオード構成432も示されており、それらは、製造において、適切に対応するデータ線およびゲート線(両者間のそこでの接続線は、図示せず)に選択的に接続されている。そのような接続線は、見やすくするために図示されていないことが理解され、同様に、TFT/フォトダイオード構成432のサンプルのみが例示のために設けられ、製造実施時において、さらなる構成432が設けられ得ることが理解される。また、構成432は、以下に限定されないが、例えば、ディスプレイバックプレーンの構成内で使用され得るような他の配列をさらに表すことも理解される。
【0031】
図4Dは、本実施形態による、絶縁材料442で作製された絶縁体層440を例示し、バックプレーン構成に必要な絶縁体を表すことを意図されている。この実施形態では、2つの別個の絶縁体層がある。より詳細には、データ線を担持する金属層と、いくつかのゲートアドレス線を担持する2つの金属層のうちの1つとの間に1つの絶縁体層、並びに別個のゲートアドレス線の部分を担持する2つの金属層のそれぞれの間に第2の絶縁体層が存在する。したがって、絶縁層の適切な数および場所は、図4Cに示すようなバックプレーン内に含まれることが理解される。また、製造において、ゲートまたはデータ線をTFT/フォトダイオードに接続するために、ヴィア開口部がこの絶縁層内に作製されることが理解され、そのようなヴィアは、見やすくするために図示されていない。
【0032】
説明したように、図3A~3Dまたは4A~4Dの設計は、互いに交差し、かつデータ線とも交差するゲート線を有することに注意されたい。従来のTFT作製プロセスは、マトリクスアドレス指定を形成する2つの金属層を有するが、これは、例えば、ゲート線の交差により、図3Cおよび4Cに示す構成の製造を直ちに可能にするには十分ではない。
【0033】
説明したように、1つの解決策は、追加の、第3の金属層を加えることであるが、これは、処理上の複雑さを増加させる。別の解決策は、必要に応じて各画素内に一対のヴィアを含ませ、同じ金属層内に設計された線が第1および第2の金属層を使って互いに交差するのを可能にすることである。例えば、互いに交差する必要がある2つのゲート線が、一対のヴィアを使用してデータ線層を通って引き回すことができる。その反対もまた、実行することが可能であり、データ線交差が、ゲート線層を通って引き回されることができることが理解される。しかしながら、アドレス線に沿って多数のヴィアを有することは、線抵抗を増やし、また、単一のヴィアが故障した場合、不良線が生じるため、問題となる可能性がある。
【0034】
図3Cおよび4Cに示すゲートおよびデータ線の交差は、従来のTFTバックプレーンの幾何学的形状のように、正方形(または長方形)ではない。しかしながら、画素は、フォトダイオードにより画定されているように、依然として正方形または長方形のままとすることができる。フォトダイオードは、アドレス線の上方の各層内に作製され、その縁は、アドレス線の方向に従う必要がない。別の選択肢として、水平方向に進行するアドレス線は、正方形のフォトダイオードの縁の周辺に引き回されることが可能であり、その結果、ジグザグ形状を有して斜めゲート線を形成することとなる。
【0035】
図3Cおよび4Cの設計は、ゲート接点から両方向に斜めに進行するゲート線を有し、ゲート線の総数は、垂直列の画素の画素数よりも多い。しかしながら、2つの方向に進行する一対のゲート線は、同じゲート接点に接続されることができる。2つのゲート線が1つの画素で交差する場合、その設計は、一方または他方のゲート線を選択して画素のアドレス指定を行う。よって、通常の構成よりも多くのゲート接点を有する必要がない。しかしながら、一対のゲート線を別々にアドレス指定することが、設計上の選択となり得る。
【0036】
図5A~5Dは、アドレス指定設計を例示し、この設計は、ゲートおよびデータ線の両方を斜め(また、非垂直とも呼ばれる)に描き、すべての画素をアドレス指定することができるように、図3Bに開示された同様の方法、すなわち、その図に関連して説明したような反射または折り畳みを使って構造化されている。
【0037】
図5Aは、データ線のレイアウトを示し、図5Bは、ゲート線のレイアウトを示し、図5Cは、各層が組み合わされたバックプレーンを示し、図5Dは、本実施形態で使用するための絶縁体層を示す。
【0038】
図5Aの構成500は、基板502、ゲート線接点504、およびデータ線接点506を例示する。一実施形態では、データ線を生成する工程は、データ線接点506と接触するデータ線508a~508hを使って、(上部から開始し、図3Bのゲート線接点に向かって移動するのとは反対に)右側底部507から開始し、データ線接点506に向かって下方方向に移動するデータ線508a~508dを生成することを含む。図3Bでの説明から理解されるように、図5のデータ線508a~508hのうちのいくつは、基板502(この実施形態では、508e、508f、508g、および508h)を過ぎて突き出し、反射または折り畳みが実施されて後続のデータ線508e’~508h’(その突出は、この図には示さず)を得る。さらなるデータ線510が、図3Bに説明されたゲート線328の場合と同様の方法で形成されている。
【0039】
図5Bに転じると、ゲート線レイアウト520の説明が例示されている。説明のために、基板502、ゲート線接点504、およびデータ線接点506が、再度示されている。図3Bで取り入れられた同様の実施が、図5Bにおいて引き受けられ、ゲート線512a~512hおよびゲート線512e’~512h’を獲得し、そこでは、データ線512a~512hが右側から左側に向かって生成され、データ線512e’~512h’は、側縁からそれらを反射または折り畳みによって継続される。さらに、ゲート線514は、図3Bで説明されたゲート線328の場合と同様の方法で形成されている。
【0040】
この方式の利点は、図5Cの構成530(それは、また、例示的なTFT/フォトダイオード配列532を示す)に示すように、すべての線が、左または右のどちらかに斜めに進行していることである。また、構成532は、以下に限定されないが、例えば、ディスプレイバックプレーンの構成内で使用され得るような他の配列をさらに表すことも理解される。
【0041】
本明細書に開示されたこの実施形態および他の実施形態では、斜めアドレス線の角度は、40~50度の範囲内であり、場合によっては約45度を含む。
【0042】
バックプレーン構成530は、(図5Dに示すように、)絶縁材料542の単一絶縁体層、例えば層540のみを必要とする2つの金属層を使用して容易に作製されることができる。
【0043】
例えば、図5Aの選択されたデータ線は、第2の金属層内に配置された図5Aの他のデータ線と一緒に第1の金属層内に製造される。さらに、図5Bの適切なゲート線もまた、前述したデータ線と一緒に第1の金属層内に製造される。同様に、図5Bの他のゲート線が、前述した他のデータ線と一緒に第2の金属層内に製造される。したがって、図5Cは、前述した2つの金属層内に設けられたデータ線およびゲート線を有すると解釈することができる。
【0044】
この設計は、図5Eにさらに例示されており、そこでは、選択されたゲート線Aおよびデータ線B(例えば、図5Cから)が平行に進行し、金属層1(Metal Layer 1)内に存在するように示され、選択されたデータ線Aおよびゲート線B(例えば、図5Cから)が平行に進行し、金属層2(Metal Layer 2)内に存在するように示されている。これらの金属層は、前述したように、絶縁体層によって互いに分離されている。この設計は、アレイの縁近くのヴィアを使用し、その結果、例えば、図5Eのゲート線Aが金属層1内に存在する場合、ゲート線Bは金属層2内に存在し、その結果、ヴィアの使用により必要な相互接続がなされる。同様の設計は、金属層の別個のデータ線に対して使用されることができる。この設計は、図3Cおよび4Cの実施形態で使用される場合に比べて、アドレス線に沿ってずっと少ないヴィアを使用する。
【0045】
各画素は、1つのゲート線および1つのデータ線によりアドレス指定される。従来のバックプレーンでは、ゲート線は第1の金属層内に存在し、データ線は別の金属層内に存在する。この設計のいくつかの画素においては、金属は逆になり、画素内でヴィアを必要することになろう。しかしながら、このことは、アドレス線に沿ってヴィアを有することよりも好ましく、その理由は、この場合、余分な抵抗は問題にならず、ヴィアプロセスが失敗した場合でも1つの画素のみが影響を受けるに過ぎないからである。
【0046】
この設計の場合の画素形状は、正方形(もしくは長方形)となるように選択されることができ、または図5Eに示すように菱形とすることができ、その画素形状は、また、各画素が2つの金属層内の斜め方向に進行するゲートおよびデータアドレス線の両方を有することも示している。各画素におけるTFTは、マトリクス設計全体に従って、ゲート線およびデータ線のうちの一方または他方によりアドレス指定される。
【0047】
いくつかの他の従来構成の2倍の多くのアドレス線を有しても、撮像装置または他の装置の性能の低下を引き起こさない。図5Eは、画素内のフォトダイオードの場所を示している。しかしながら、フォトダイオードは、アドレス線とは異なる層内に大きいサイズで作製されるため、少なくともいくつかのアドレス線の上部に存在するように設計されることができ、その結果、フォトダイオードを形成する画素の面積は、著しく小さくはならない。フォトダイオードが画素を完全に覆う設計が存在する。
【0048】
図6に転じると、本開示と関連して使用されることができるような画素設計600が例示されている。図に示すように、ゲート線602およびデータ線が設けられ、そこではゲート線602がゲート、すなわちTFT606に接続され、データ線604がTFT606のソースに接続されている。TFTのドレインが、容量性コンポーネント610に接続され、そのコンポーネントの他端は電圧源Vcomに接続されている。容量性コンポーネント610は、バックプレーンの一部として使用されることができる他のコンポーネントのフォトダイオードであってもよい。
【0049】
ゲートおよびデータ線の配列のため、1つのゲート線を選択し、データ線信号を読み出す読出し工程は、画像のラスタースキャンを直ちにはもたらさない。代わりに、アレイの異なった領域が、1つのゲート線によりアドレス指定される。したがって、画像は、アドレス指定設計の知識に基づくソフトウエア内で再構成される必要があり、この再構成を実行するためのアルゴリズムが難なく開発されている。
【0050】
本開示は、X線撮像装置用TFTバックプレーンという文脈の中で説明されてきた。例示的な屈曲可能な可撓性検出器700が、図7に示されている。そのような検出器を形成するために使用され得る方法は、従来のガラス基板上に薄いポリイミド(PI)層702を形成することを含む。その処理が完了した後、GOSシンチレータ704が前面に結合され、薄いPI膜およびアモルファスシリコン層706を支持する。次いで、この組合せは、ガラス基板から解放され、プラスチック層708が、追加的な保護のため裏面に結合される。
【0051】
本明細書では、垂直アドレス線がデータアドレス線として定義されているように、説明されてきた。いくつかの実施形態においては、ゲート線が、斜めまたは非垂直方向のデータ線と一緒に垂直方向に進行するように作製されることができることを理解されたい。
【0052】
同じマトリクスアドレス指定方式は、LDC、OLED、または電気泳動ディスプレイに使用され、他の画素アレイ装置に適用することができる。本開示のアドレス指定方式は、これらの他のアプリケーションに同じ方法で適用することができ、ドライバチップがアレイの対向側に存在するため、同じ容易な屈曲性を備える可撓性ディスプレイを可能にする。
【0053】
本開示は、アレイが屈曲可能となるように作製される設計および装置について説明してきた。アレイの対向端部にアドレス指定接点を備える構成により、接点のない2つの他の側面をそのまま残している。画素は、アレイの縁に作製されることができるため、これらの側面に沿ってデッドスペースは残らなくなり、いくつかのアプリケーションの場合には、デッドスペースが少ないため、アレイが屈曲しない場合でもこのアドレス指定配列が好ましいこととなる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7