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  • 特許-通信機器用端末ケース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】通信機器用端末ケース
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/08 20060101AFI20221019BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20221019BHJP
【FI】
H02G3/08
H05K7/00 L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018243676
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020108233
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000114226
【氏名又は名称】ミハル通信株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(72)【発明者】
【氏名】鹿郷 博志
(72)【発明者】
【氏名】吉野 友博
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-217228(JP,A)
【文献】特開2014-233151(JP,A)
【文献】特開2018-170946(JP,A)
【文献】特開2007-174775(JP,A)
【文献】特開2011-103711(JP,A)
【文献】特開2005-251787(JP,A)
【文献】米国特許第08305738(US,B1)
【文献】米国特許第06232553(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/08
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に開口部がある本体ケースと、一面に開口部がある蓋ケースを備え、両ケースは夫々の開口部周縁を突き合わせて閉じて、両ケース内に内部ユニットを収容できる通信機器用端末ケースであり、
いずれか一方のケースにノック板があり、ノック板は突き合わせた両ケースの開口部周縁に跨って設けられて、内部ユニットの外部機器接続具の導入口の外側を閉塞している、
ことを特徴とする通信機器用端末ケース。
【請求項2】
請求項1記載の通信機器用端末ケースにおいて、
ノック板がノック板の周縁の周方向に一又は二以上の箇所で、いずれか一方のケースに連結されている、
ことを特徴とする通信機器用端末ケース。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の通信機器用端末ケースにおいて、
ノック板の裏側にノック板を取り外す治具を挿入可能な治具挿入空間がある、
ことを特徴とする通信機器用端末ケース。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の通信機器用端末ケースにおいて、
ノック板の裏側に、ケースから取り外されたノック板がケース内に落下するのを防止できる落下防止突起を一又は二以上の箇所に備えている、
ことを特徴とする通信機器用端末ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信機器用端末ケース、特にノックアウト構造に関する。
【背景技術】
【0002】
通信機器用端末は、通常、図6(a)~(c)のように、上方開口の箱状の本体ケースAと、それに開閉可能な蓋ケースBを備え、本体ケースA内に内部ユニットCが収容され、内部ユニットCの上から本体ケースAに蓋ケースBを被せてある。内部ユニットCには通信システムに必要な機器が内蔵されており、電源プラグを接続するための電源端子D、同軸ケーブル接続用の接栓E(F型コネクタ)等の外部機器接続具が装備されている。
【0003】
本体ケースAと蓋ケースBには半円孔F、Gが開口されており、本体ケースA内に内部ユニットCを入れ、その上から、蓋ケースBを本体ケースAに被せると、両ケースの半円孔F、G同士が対向して接栓Eを挟むことができ、電源端子Dの外側に円形の差込み口が形成されるようにしてある。
【0004】
通信機器用端末の場合は、それを通信システムに敷設するまでは、電源端子Dに電源コネクタが接続されないこともある。しかし、本体ケースAと蓋ケースBには電源プラグ差込み用の導入口が開口されているため、それら導入口に電源プラグが差し込まれないと、導入口から塵芥が侵入して電源端子Dに付着することがある。これが原因で、電源端子Dに電源プラグを接続すると接触不良が生じたり、内部ユニットに不具合が生じたりすることがある。
【0005】
従来は、これら障害を防止するため、導入口の外側に閉塞板(ノック板)を設けて、不要時には導入口を閉塞しておき、使用時(電源プラグの接続時)にノック板を取り外して(除去して)導入口を開口し、その導入口から電源プラグを挿入して、内部ユニットCの電源端子Dに接続できるようにしてある。このような構造を通称ノックアウト構造といっている。ノックアウト構造は金属ケースや樹脂ケースに採用されている。ノックアウト構造の従来例として特許文献1、2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-229464号公報
【文献】特開2007-174775号公報
【0007】
特許文献1、2のようなノックアウト構造にすると、配線などの必要時に、必要箇所のノック板を除去すればよいため、通信システムへの敷設状況に応じた配線が可能となり便利である。しかし、ノック板が本体ケース又は蓋ケースのいずれか一方にしか設けられていないため、電源端子或いはF型コネクタが本体ケースと蓋ケースの突合せ部(開口部周縁)に跨っているときは、特許文献1、2のノックアウト構造は採用することができない。また、ノック板を不要意に除去すると、除去されたノック板がノック板除去跡の開口から本体ケース又は蓋ケース内に落下してしまい通信機器に不具合が生じかねない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決課題は、内部ユニットの電源端子等(外部機器接続具)の外側の導入口が本体ケースと蓋ケースの突合せ部に跨っていても、導入口を一枚のノック板で閉塞することでき、必要時にノック板を簡易に取り外す(ノックアウトする)ことができるノックアウト構造を提供すること、また、取り外したノック板がケース内に落下するのを阻止できるようにしたノックアウト構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の通信機器用端末ケースは、一面に開口部がある本体ケースと、一面に開口部がある蓋ケースを備え、両ケースは夫々の開口部周縁を突き合わせて閉じて、両ケース内に内部ユニットを収容できる通信機器用端末ケースであり、突き合わせると内部ユニットの外部機器接続具の外側に導入口が形成され、その導入口の外側にその導入口を閉塞するノック板を備えたものである。
【0010】
ノック板は本体ケースと蓋ケースの双方に跨る導入口を一枚で閉塞できる形状とサイズであり、本体ケースと蓋ケースのいずれか一方に設けてある。ノック板の裏側にはノック板を取り外す治具を挿入可能な治具挿入空間を設けることができる。ノック板の裏面側に、本体ケースと蓋ケースのいずれか一方から取り外されたノック板がそれらケース内に落下するのを防止できる落下防止突起を備えることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は次のような効果がある。
(1)本体ケースと蓋ケースの突合せ部に、両ケースに跨って形成される導入口が、ノック板で閉塞されているため、導入口から塵芥が侵入して内部ユニット不具合の一因になることがない。
(2)本体ケースと蓋ケースの双方に跨る導入口を一枚のノック板で閉塞できるため構造が簡潔である。
(3)一枚のノック板を取り外すだけで導入口が開くので、外部機器の接続が容易にできる。
(4)ノック板の裏側に治具挿入空間があるので、そこにドライバーのような治具を挿入して、ノック板を手軽に取り外すことができる。
(5)ノック板の裏面側に落下防止突起があるので、取り外されたノック板がケース内に落下することがなく、ノック板がケース内で悪さをすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は本発明の通信機器用端末ケースの斜視図、(b)は同ケースの正面図。
図2】(a)は本発明の通信機器用端末ケースへの治具挿入前の説明図、(b)は治具挿入時の説明図、(c)はノック板除去後の説明図。
図3】(a)は蓋ケースの内面側平面図、(b)は蓋ケースの内面側斜視図、(c)は(a)のA部拡大側面図。
図4】(a)は通信機器用端末ケースのノック板付近の説明図、(b)は同付近の正面図、(c)は(b)のノック板付近の詳細正面図、(d)はノック板付近の底面側説明図、(e)は(d)のB部詳細図、(f)は(a)のX-X断面図。
図5】(a)は本発明の通信機器用端末ケースにおける蓋ケースの斜視図、(b)は内部ユニットの斜視図、(c)は本体ケースの斜視図。
図6】(a)は従来の通信機器用端末ケースにおける蓋ケースの斜視図、(b)は内部ユニットの斜視図、(c)は本体ケースの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の通信機器用端末ケースの実施形態の一例を図1図5に基づいて説明する。
【0014】
[通信機器用端末ケース]
この実施形態の通信機器用端末ケースの基本的構成は、図5(a)~(c)に示すように、本体ケース1とそれに被せる蓋ケース2を備える。本体ケース1は上面開口であり、蓋ケース2は下面開口である。蓋ケース2は本体ケース1に取り外し可能であってもよく、本体ケース1に連結具で開閉可能に連結されていてもよく、分離できないように取り付けておくこともできる。いずれの場合も、蓋ケース2はその開口部周縁3が本体ケース1の開口部周縁4と突き合わせて閉じるようにしてある。
【0015】
[内部ユニット]
本体ケース1と蓋ケース2の内空間には内部ユニット10(図5(b))が収容される。内部ユニット10の基本的構成は汎用のものと同様である。内部ユニット10はシャーシ11内に通信システムに必要な機器が内蔵されている。内部ユニット10のシャーシ11の周壁には電源プラグを差し込み可能な電源端子12、外部機器と接続するための接栓13(例えば、F型コネクタ)等を備えたものがある。電源端子12の外側には電源プラグを差し込むための導入口、同軸ケーブル接続用コネクタの外側にはコネクタを差し込むための導入口がある。
【0016】
[ノック板]
ノック板14は図3(b)(c)、図4(f)に示すように、本体ケース1と蓋ケース2の開口部周縁3、4の突合せ部であって、内部ユニット10の電源端子12の外側にある。ノック板14は蓋ケース2の裏側に連結されている。ノック板14の裏側にノック板14を取り外す治具15(図2(b))を挿入可能な治具挿入空間16(図4(f))がある。また、ノック板14の裏面側に、蓋ケース2から取り外されたノック板14が本体ケース1又は蓋ケース2内に落下するのを防止できる落下防止突起17がある。
【0017】
ノック板14は楕円形であり、本体ケース1と蓋ケース2の突合せ部に跨る大きさであり、電源端子12の外側の導入口18(図2(c)、図4(f))を被覆できるようにしてある。ノック板14はその周囲の数箇所の連結部19(図4(b)~(e))が蓋ケース2に連結されている。ノック板14は蓋ケース2が樹脂製の場合は蓋ケース2と一体成型されている。蓋ケース2が金属製の場合は蓋ケース2に連結されている。いずれの場合も、治具15(図2(b))で上に押し上げる(こじる)と取り外しできるように連結してある。ノック板14の連結部19は一箇所でもよく、二以上の任意の箇所に備えることもできる。
【0018】
治具挿入空間16は治具15を差し込み易くするため、図2(c)、図4(f)のように、本体ケース1の表面を一段窪ませてある。
【0019】
落下防止突起17(図3(a)~(c)、図4(f))は縦長片であり、蓋ケース2の周縁の内面であって、ノック板15の裏側に連結されている。落下防止突起17は一箇所でもよく、二以上の箇所に備えることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
前記実施形態はあくまでも一例である。本発明は、前記課題を解決できれば、他の構造、形状、材質等とすることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 本体ケース
2 蓋ケース
3 (蓋ケースの)開口部周縁
4 (本体ケースの)開口部周縁
10 内部ユニット
11 シャーシ
12 電源端子
13 接栓
14 ノック板
15 治具
16 治具挿入空間
17 落下防止突起
18 導入口
19 連結部
A 本体ケース
B 蓋ケース
C 内部ユニット
D 電源端子
E 接栓
F 半円孔
G 半円孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6