(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】吸収性物品のセグメントを貼り付けるための装置
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
A61F13/15 371
A61F13/15 393
A61F13/15 351A
(21)【出願番号】P 2020516625
(86)(22)【出願日】2018-09-18
(86)【国際出願番号】 IB2018057174
(87)【国際公開番号】W WO2019058256
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】102017000105328
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】509349004
【氏名又は名称】ジーディーエム エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】GDM S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Battindarno, 91, I-40133 Bologna(IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】トルディーニ,フェデリコ
(72)【発明者】
【氏名】ピアントーニ,マッテオ
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-535478(JP,A)
【文献】国際公開第2015/079367(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0035222(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0239764(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続ウェブ(3)を個々のセグメント(4)に切断するための切断ステーション(2)と、各個別のセグメント(4)を吸収性物品(6a)に貼り付けるためのアプリケータステーション(5)とを含む、吸収性物品のセグメントを貼り付けるための装置であって、
複数のキャリアユニット(7a、7b)であって、各々が前記切断ステーション(2)から前記アプリケータステーション(5)に個々のセグメント(4)を保持し且つ移送するためのパッド(8a、8b)を含む、複数のキャリアユニット(7a、7b)を備え、
各キャリアユニット(7a、7b)の前記パッド(8a、8b)は、主回転軸(1a)を中心に完全な回転を実行して対応するそれぞれの前記セグメント(4)を前記切断ステーション(2)から前記アプリケータステーション(5)に移送し、前記切断ステーション(2)に戻り、
各キャリアユニット(7a、7b)の前記パッド(8a、8b)は、前記切断ステーション(2)から前記アプリケータステーション(5)まで、それ自身の回転軸(8c、8d)を中心に少なくとも90°の回転を実行し、前記吸収性物品(6a)の供給方向を横切る方向に前記セグメント(4)を方向付け、
前記キャリアユニット(7a、7b)が前記主回転軸(1a)の周りを回転している間、各パッド(8a、8b)は、前記主回転軸(1a)に向かって、およびそこから離れるように半径方向に移動可能であり、
前記装置は、
前記主回転軸(1a)の周りで1つ以上のキャリアユニット(7a)を動かすための第1の移動部材(12)と、前記第1の移動部材(12)によって動かされる前記キャリアユニット(7a)とは別に、前記主回転軸(1a)の周りで1つ以上のキャリアユニット(7b)を動かすための第2の移動部材(13)とを備える装置。
【請求項2】
前記主回転軸(1a)の周りで前記第1の移動部材(12)を駆動するための第1の駆動ユニット(14)と、前記第1の駆動ユニット(14)とは別の、前記主回転軸(1a)の周りで前記第2の移動部材(13)を駆動するための第2の駆動ユニット(15)とを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1および第2の駆動ユニット(14、15)の動きを制御および調整するように構成された制御ユニット(25)を備え、前記第1および第2の移動部材(12、13)の前記各キャリアユニット(7a、7b)の前記パッド(8a、8b)は、前記切断ステーション(2)で前記主回転軸(1a)を中心に第1の回転速度(w1)を有し、前記アプリケータステーション(5)で、好ましくは前記第1の回転速度(w1)とは異なる、前記主回転軸(1a)の周りの第2の回転速度(w2)を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御ユニット(25)は、前記第1および第2の駆動ユニット(14、15)の運動の法則を備えるようプログラムされるように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の移動部材(12)は、前記主回転軸(1a)の周りを回転するドラム(17)を備え、前記第2の移動部材(13)は、前記主回転軸(1a)の周りを回転し且つ前記第1の移動部材(12)の前記ドラム(17)内に少なくとも部分的に収容されるドラム(19)を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の移動部材(12)が、各々が対応するキャリアユニット(7a、7b)を支持し且つ前記ドラム(17)によって回転駆動される複数のスポーク(18)を含む、請求項
5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の移動部材(13)は、各々が対応するキャリアユニット(7a、7b)を支持し且つ前記ドラム(19)によって回転駆動される複数のスポーク(20)を含む、請求項
5または6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の移動部材(12)および前記第2の移動部材(13)の前記キャリアユニット(7a、7b)が交互に配置されるように取り付けられ、前記切断ステーション(2)および前記アプリケータステーション(5)では、前記第1の移動部材(12)の前記ドラム(17)のスポーク(18)によって支持されたキャリアユニット(7a)の移動が、前記第2の移動部材(13)の前記ドラム(19)のスポーク(20)によって支持されたキャリアユニット(7b)の移動と交互になされる、請求項
5から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1および第2の移動部材(12、13)がそれぞれ3つのスポーク(18、20)を備え、前記それぞれの第1および第2の移動部材(12、13)の前記スポーク(18、20)は、2つの連続したスポーク(18、20)が120°の角度をなすように互いに対して配置される、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
各キャリアユニット(7a、7b)が、前記連続ウェブ(3)を切断するための対応するそれぞれのアンビル部材(9a、9b)を備え、前記主
回転軸(1a)の周りの回転に関して、前記
それぞれのアンビル部材(9a、9b)は、
対応するそれぞれの前記キャリアユニット(
7a、7b)と一体に駆動される、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
各キャリアユニット(7a、7b)に関して、前記連続ウェブ(3)を切断するための前記アンビル部材(9a、9b)が、前記主回転軸(1a)に向かうおよびそこから離れる前記それぞれのパッド(8a、8b)の動きに対して、その位置を維持する、請求項
10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品のセグメントを貼り付けるための装置に関する。
【0002】
より具体的には、ただしそれによって一般性を失うことなく、この装置は、子供または大人用のおむつの伸縮性ウエストバンドを作るために使用される伸縮性材料の連続ウェブを処理する適用分野に係る。
【0003】
本発明の装置は、製造中のおむつの連続した列に吸収性物品の単一のセグメントを作り、移送し、方向付け、貼り付ける。
【背景技術】
【0004】
通常、この種の先行技術の装置は、その主回転軸を中心に回転するように取り付けられ且つ連続ウェブを個々のセグメントに分割する切断手段と協働する複数のアンビルを支持するドラムを含む。ドラムに接続されているのは複数のパッドであり、各々が2つの対応するアンビルの間に配置され、切断される連続ウェブを受け入れ且つ連続ウェブ自体の切断から生じるセグメントを保持できる。
【0005】
ドラムの主回転軸の周りを回転することに加えて、各パッドは、ドラムの回転軸に対して半径方向に沿って配置された、それ自体の回転軸周りにそれ自体で回転でき、製造中のおむつの連続した列の供給方向を横断する方向に各セグメントを方向付ける。
【0006】
また、その主軸周りの回転中にパッドを挟んでいるアンビルとの衝突を避けるために、各パッドはドラムの主回転軸から離れて移動可能であり、保持されているセグメントが貼り付けられるべきおむつに実質的に接する位置に移動する。
【0007】
各パッドは、セグメントをピックアップする位置に戻るためにドラムの回転軸に向かって移動可能である。
【0008】
現在、吸収性物品を製造するための機械の分野における市場の需要は、先行技術で知られている機械よりも性能が良く且つよりフレキシブルな機械を必要としている。吸収性物品のセグメントを貼り付けるための装置に関して、これらの需要は、生産速度の向上、および、あるサイズの物品の製造から別のサイズの物品の製造への切り替え時に機械部品を交換するためのダウンタイムを最小化またはキャンセルするべく改善された切り替え機能の可能性として解釈される。
【発明の概要】
【0009】
したがって、連続ウェブを個々のセグメントに切断するための切断ステーションと、各個別のセグメントを吸収性物品に貼り付けるためのアプリケータステーションとを含む、吸収性物品のセグメントを貼り付けるための装置の必要性が感じられている。この装置は、複数のキャリアユニットを備え、当該複数のキャリアユニットの各々は、個々のセグメントを切断ステーションからアプリケータステーションに移送するためのパッドを備える。各キャリアユニットの移送パッドは、セグメントを切断ステーションからアプリケータステーションに移送して切断ステーションに戻るために、主回転軸を中心に完全な回転を行う。各キャリアユニットの移送パッドは、切断ステーションからアプリケータステーションまでそれ自体の回転軸の周りで少なくとも90°の回転を行い、吸収性物品の供給方向を横断する方向にセグメントを方向付ける。
【0010】
この装置は、1つ以上のキャリアユニットを主回転軸の周りに動かすための第1の移動部材と、第1の移動部材によって動かされるキャリアユニットとは別に、主回転軸の周りに1つ以上のキャリアユニットを動かすための第2の移動部材とを備える。
【0011】
有利には、装置は、少なくとも1000ppmに等しい作業速度を達成し、他の機械的運動伝達部品を交換することなく、第1および第2の移動手段によって実施される運動の法則によりキャリアユニットの移動を制御することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に示される装置の好ましい実施形態の以下の非限定的な説明からより明らかになる。
【
図1】吸収性物品のセグメントを貼り付けるための本発明による装置の概略正面図であり、他の部分をより良く示すために一部を切り取ったものである。
【
図3】
図1の装置を上から見た概略斜視図で示し、他の部分をより良く示すために一部を切り取ったものである。
【
図4】
図1の装置を概略的な断面斜視図で示し、他の部分をより良く示すために一部を切り取ったものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照すると、番号1は、吸収性物品のセグメントを貼り付けるための装置全体を示す。
【0014】
装置1は、連続ウェブ3を個々のセグメント4に切断するための切断ステーション2と、個々のセグメント4を吸収性物品6aに貼り付けるためのアプリケータステーション5とを含む。
【0015】
吸収性物品6aを供給するための供給ライン6は、セグメント4を貼り付けるための装置1の下流に位置する。
【0016】
一般的に言えば、連続ウェブ3の供給速度は、各セグメント4が貼り付けられる吸収性物品6aの供給速度とは異なる。
【0017】
より具体的には、連続ウェブ3の供給速度は、吸収性物品6aの供給速度よりも遅い。
【0018】
例えば、セグメント4という用語は、子供または大人用のオムツのウエストバンドを形成するために使用される伸縮性素材片を意味するために用いられる。
【0019】
装置1は、対応するそれぞれのセグメント4を切断ステーション2からアプリケータステーション5に移送するための複数のキャリアユニット7a、7bを含む。
【0020】
各キャリアユニット7a、7bは、対応するセグメント4が切断ステーション2からアプリケータステーション5に移送されている間、当該セグメント4をその外面によって保持するための対応するパッド8a、8bを含む。
【0021】
より具体的には、各パッド8a、8bは、吸引によってその外面によってセグメント4を保持する。
【0022】
この目的のために、各キャリアユニット7a、7bは、対応するパッド8a、8bがセグメント4を保持することを可能にする、図示されていない吸引手段を備える。
【0023】
装置1の各キャリアユニット7a、7bは、主回転軸1aを中心に回転して、対応するセグメント4を切断ステーション2からアプリケータステーション5に移送し、切断ステーション2に戻り、これにより全回転が完了するように構成される。
【0024】
各単一セグメント4が由来する連続ウェブ3を切断するための切断ステーション2、およびセグメント4を貼り付けるためのアプリケータステーション5は、好ましくは、切断されたセグメント4を保持する瞬間から解放する瞬間までの各キャリアユニット7aおよび7bがたどる経路が、切断されたセグメント4を解放する瞬間から移送すべき別の切断されたセグメント4を保持する瞬間まで各キャリアユニット7aおよび7bがたどる経路と同じ長さになるように、180°の角度間隔で配置される。
【0025】
装置1の各キャリアユニット7a、7bは、連続ウェブ3を個々のセグメント4に切断するための切断部材10と連動して動作するように構成された対応するそれぞれのアンビル部材9a、9bを含む。
【0026】
切断部材10は、好ましくは、その回転軸を中心に回転し且つその周囲面の周りに配置された1つ以上の切断エッジを備えたローラを含む。
【0027】
アンビル部材9a、9bは、対応するそれぞれのキャリアユニット7a、7bと一体の装置1の主軸1aの周りを回転する。
【0028】
より具体的には、各キャリアユニット7a、7bのアンビル部材9a、9bが主回転軸1aの周りを回転するとき、アンビル部材9a、9bは、回転軸1aに対して固定された位置に留まる。
【0029】
セグメント4が切断されると、各個別のセグメント4は、吸収性物品6aに正しく貼り付けされ得るように方向付けられなければならない。この目的のために、各キャリアユニット7a、7bのパッド8a、8bは、それ自体の回転軸8c、8dを中心に回転するように構成され、それは好ましくは装置1の主回転軸1aに対して半径方向である。
【0030】
各パッド8a、8bの回転軸8c、8dは、パッド8a、8b自体に対して重心であってもよい。
【0031】
あるいは、各パッド8a、8bの回転軸8c、8dは、パッド8a、8b自体の重心位置に対して偏心している。
【0032】
装置1の各パッド8a、8bの回転軸8c、8dは、主回転軸1a上の共通の原点で交わってもよいし、あるいは、いずれの点でも交わらなくてもよい。後者の場合には、装置1の各パッド8a、8bの回転軸8c、8dは、主回転軸1aに対して傾斜している。
【0033】
装置1の各パッド8a、8bは、切断ステーション2からアプリケータステーション5まで少なくとも90°に至るまで回転し、アプリケータステーション5から切断ステーション2まで少なくとも90°に至るまで回転してその開始位置に戻るように構成される。
【0034】
切断ステーション2に関して、切断を正しく行うために、2つの連続したキャリアユニット7aおよび7bの少なくとも2つのパッド8aおよび8bが、連続ウェブ3を横たわらせ且つ押さえつけるためのできる限り滑らかな表面を規定する必要がある。
【0035】
より具体的には、パッド8aおよび8bの外側表面の開始位置は、ウェブ3が載っている表面に平行である。
【0036】
切断の瞬間に、対応するキャリアユニット7aまたは7bの少なくとも1つのアンビル部材9aまたは9bは、ウェブ3が横たわっている表面に配置される。
【0037】
連続ウェブ3を切断することによりセグメント4が作成されると、各パッド8a、8bは、各セグメント4をそれが貼り付けられるべき吸収性物品6aに対して横方向に方向付けるために、対応するそれぞれの回転軸8c、8dを中心にそれ自体で回転する。
【0038】
好ましくは、切断ステーション2からアプリケータステーション5まで、各パッド8a、8bは、その回転軸8c、8dの周りを少なくとも90°に至るまでそれ自体で回転する。
【0039】
これは、吸収性物品6aの供給方向6に垂直に、吸収性物品6aの供給ライン6の平面上に各単一セグメント4を配置することにより、当該各単一セグメント4を方向付けることを可能にする。
【0040】
アプリケータステーション5から切断ステーション2まで、各パッド8a、8bは、その回転軸8c、8dを中心にさらに90°に至るまでそれ自体で回転し、切断ステーション2の初期構成に戻る。
【0041】
したがって、主回転軸1aを中心とする完全な回転ごとに、各パッド8a、8bは、その回転軸8c、8dを中心に少なくとも180°に至るまでそれ自体で回転する。
【0042】
同様に、各パッド8a、8bは、最初に1方向に90°に至るまでそれ自体で回転し、次に反対方向に同じ角度に至るまで回転してもよい。これにより、パッド8a、8bを再び初期構成に配置でき、回転の合計が0°になる。
【0043】
各キャリアユニット7a、7bのパッド8a、8bは、カム手段16によって対応するそれぞれの回転軸8c、8dを中心に回転駆動される。
【0044】
各キャリアユニット7a、7bに関して、対応するそれぞれのパッド8a、8bがそれ自体の回転軸8c、8dの周りを回転している間に、同じキャリアユニット7a、7bに接続された対応するそれぞれのアンビル部材9a、9bとの起こり得る干渉を防ぐために、当該パッド8a、8bは、主回転軸1aに向かっておよびそれから離れるように半径方向に移動可能である。
【0045】
切断ステーション2からアプリケータステーション5まで、各キャリアユニット7a、7bのパッド8a、8bは、それらが連続ウェブ3に実質的に接するそれぞれの開始位置から、それらが当該パッド8a、8bによって保持されたセグメント4が貼り付けられる吸収性物品6aに実質的に接するアプリケータステーションの上昇位置まで移る。
【0046】
アプリケータステーション5の下流で、各パッド8a、8bは、上昇位置から切断ステーション2に再び接する開始位置まで移る。
【0047】
より具体的には、開始位置から上昇位置へ、およびその逆も同様に、各パッド8a、8bは、装置1の主回転軸1aに対して半径方向に沿って移動可能である。
【0048】
言い換えると、開始位置から上昇位置へ、およびその逆も同様に、各パッド8a、8bは、装置1の主回転軸1aに向かって、およびそこから離れるように移動可能である。
【0049】
より正確には、各パッド8a、8bは、開始位置から上昇位置へ、主回転軸1aから離れるように移り、上昇位置から開始位置へ、装置1の主回転軸1aに向かうように移る。
【0050】
上昇位置とは、各パッド8a、8bが、各キャリアユニット7a、7bのアンビル部材9a、9bの動作円の外側の動作円に配置される位置を意味する。
【0051】
パッド8a、8bの往復移動は、カム手段30、具体的にはフラットカムによって決定される。
【0052】
同軸カムフォロアローラベアリング31は、カム手段30と係合するためにそれぞれのパッド8a、8bに関連付けられている。
【0053】
カム手段16は、パッド8a、8bの主回転軸1aに対する半径方向の位置に関係なく、当該パッド8a、8bのそれぞれの回転軸8c、8dの周りの回転運動を決定する。
【0054】
それぞれのパッド8a、8bに関連付けられた溝付きまたはローブ付きシャフト(図示せず)がカム手段16と係合している。
【0055】
これまで説明してきたことを参照すると、各キャリアユニット7a、7bが主回転軸1aを中心として完全に回転するたびに、それぞれの移動部材12、13の各パッド8a、8bは、少なくとも3つの動きを実行することに留意すべきである。すなわち、共通の回転軸1aを中心とする第1の回転運動、それ自体の回転軸8c、8dを中心とするそれ自体での第2の回転運動、および主回転軸1aに向かうおよびそこから離れるような第3の往復運動である。
【0056】
主回転軸1aを中心とする各パッド8a、8bの完全な回転ごとに、好ましくは、パッド8a、8bのこれら3つの運動のうちの2つが同時に実行される。
【0057】
より具体的には、各パッド8a、8bが主回転軸1aから離れるように移動する間、パッド8a、8bは、それぞれの軸8c、8dの周りで少なくとも90°に至るまでそれ自体で回転し、それぞれのセグメント4をそれが貼り付けられる吸収性物品6aの供給方向を横断する方向に方向付ける。
【0058】
各パッド8a、8bが主回転軸1aに向かって移動する間、パッド8a、8bは、それぞれの軸8c、8dの周りで少なくとも90°に至るまでそれ自体で回転し、パッド8a、8bの表面を所望の方向、特に連続ウェブ3の供給方向に対する所望の方向に方向付ける。
【0059】
吸収性物品6aの供給ライン6の速度に関して、連続ウェブ3の供給速度は吸収性物品6aの供給速度よりも遅いので、各パッド8a、8bは、切断ステーション2で、第1の接線速度v1を有し少なくともそれぞれのアプリケータステーション5で、第1の速度v1よりも速い第2の接線速度v2を有する。
【0060】
この点に関して、次のことに注意が向けられる。すなわち、接線速度すなわち周辺速度v1およびv2は、装置1のダイナミクスに関連する2つの変数によって決定される。1つの変数は、パッド8a、8bの角速度「w」であり、もう1つの変数は、パッドが主回転軸1aから最も離れているときのパッドの距離である。
【0061】
より正確には、各パッド8a、8bは、切断ステーション2で第1の角速度w1を有し、少なくともそれぞれのアプリケータステーション5で第1の回転速度w1よりも高い第2の角速度w2を有する。
【0062】
本発明によれば、装置1は、主回転軸1aを中心に1つ以上のキャリアユニット7aを動かすための第1の移動部材12と、主回転軸1aを中心に、第1の移動部材12により動かされるキャリアユニット7aとは別に、1つ以上のキャリアユニット7bを動かすための第2の移動部材13とを備える。
【0063】
第1の移動部材12は、主回転軸1aの周りを回転するドラム17を備え、第2の移動部材13は、主回転軸1aの周りを回転し且つ少なくとも部分的に第1の移動部材12のドラム17に収容されるドラム19を備える。
【0064】
言い換えると、第1の移動部材12のドラム17と第2の移動部材13のドラム19は、主回転軸1aに対して互いに同心である。
【0065】
第1の移動部材12は、ドラム17に接続され且つ各々が対応するキャリアユニット7aを支持する複数のスポーク18を備える。
【0066】
第1の移動部材12によって回転駆動されるキャリアユニット7aは、ドラム17に接続されたスポーク18を介して、主回転軸1aを中心とする回転で互いに連結されている。
【0067】
各スポーク18は、第1の移動部材12のドラム17によって主軸1aを中心に回転駆動される。
【0068】
各スポーク18は、主回転軸1aに対して半径方向に延びるアームの形をしている。
【0069】
より具体的には、第1の移動部材12は、ドラム17に接続され且つ各々が対応するそれぞれのキャリアユニット7aを支持する3つのスポーク18を備える。
【0070】
3つのスポーク18は、2つの連続したスポーク18が120°の角度をなすように互いに対して配置されている。
【0071】
第1の移動部材12は、アイドラドラム26と、当該ドラム26に接続され且つ各々が対応するそれぞれのキャリアユニット7aを支持する複数のスポーク27とを備える。
【0072】
このようにして、第1の移動部材12によって駆動される各キャリアユニット7aは、互いに向かい合い且つ平行に設定されたスポーク18、27の対応するそれぞれの対によって支持される。
【0073】
第2の移動部材13は、ドラム19に接続され且つ各々が対応するそれぞれのキャリアユニット7bを支持する複数のスポーク20を備える。
【0074】
第2の移動部材13によって回転駆動されるキャリアユニット7bは、ドラム19に接続されたスポーク20を介して主回転軸1aを中心とした回転で互いに連結されている。
【0075】
上述の複数のスポーク20は、第2の移動部材13のドラム19によって主軸1aを中心に回転駆動される。
【0076】
各スポーク20は、主回転軸1aに対して半径方向に延びるアームの形をしている。
【0077】
より具体的には、第2の移動部材13は、ドラム19に接続され且つ各々が対応するそれぞれのキャリアユニット7bを支持する3つのスポーク20を備える。
【0078】
3つのスポーク20は、2つの連続するスポーク20が120°の角度をなすように互いに対して配置される。
【0079】
第2の移動部材13は、アイドラドラム28と、当該ドラム28に接続され且つ各々が対応するそれぞれのキャリアユニット7bを支持する複数のスポーク29とを備える。
【0080】
このようにして、第2の移動部材13によって駆動される各キャリアユニット7bは、互いに向かい合い且つ平行に設定されたスポーク20、29の対応するそれぞれの対によって支持される。
【0081】
第1の移動部材12および第2の移動部材13により駆動されるキャリアユニット7a、7bは、交互に配置されるように取り付けられている。
【0082】
このようにして、切断ステーション2およびアプリケータステーション5において、第1の移動部材12のドラム17のスポーク18によって支持されたキャリアユニット7aの移動は、第2の移動部材13のドラム18のスポーク20によって支持されたキャリアユニット7bの移動と交互になされる。
【0083】
本発明によれば、装置1は、第1の移動部材12を主回転軸1aの周りに駆動するための第1の駆動ユニット14と、第2の移動部材13を主回転軸1aの周りに駆動するための、第1の駆動ユニット14とは別個の第2の駆動ユニット15とを備える。
【0084】
装置1は、第1および第2の移動部材12、13のそれぞれのキャリアユニット7a、7bのパッド8a、8bが切断ステーション2で主回転軸1aの周りの第1の角速度w1を有し、アプリケータステーション5で、主回転軸1aの周りの第2の角速度w2を有するように、第1および第2の駆動ユニット14、15の動きを制御および調整するように構成される制御ユニット25を備える。
【0085】
制御ユニット25は、オペレータによってプログラムされるように構成される。より具体的には、制御ユニット25は、第1および第2の駆動ユニット14、15が従わなければならない運動の法則を備えるようプログラムされるように構成される。
【0086】
主回転軸1aの周りの完全な回転に関して、第1および第2の駆動ユニット14、15の運動の法則は同一であることに留意されたい。
【0087】
制御ユニット25は、第1および第2の駆動ユニット14、15を、それらがプログラムされる運動の法則に応じて駆動および調整するように構成される。
【0088】
有利には、制御ユニット25の運動の法則をプログラミングする可能性により、吸収性物品6aのサイズに応じてパッド8の第2の角速度w2を変更することが可能になる。
【0089】
有利には、異なるサイズの吸収性物品6aへの切り替えごとに、それぞれの軸8c、8dの周りで各キャリアユニット7a、7bのパッド8a、8bを回転駆動するカム手段16およびパッド8a、8bの主回転軸1aに向かうおよびそこから離れる往復運動を制御するカム手段30を交換する必要はない。
【0090】
図示の実施形態では、第1および第2の駆動ユニット14、15は、第1および第2の移動部材12、13の主回転軸1aに対して偏心している。
【0091】
それぞれの運動伝達手段23、24は、第1および第2の駆動ユニット14、15をそれぞれ第1および第2の移動部材12、13に接続する。
【0092】
好ましくは、第1および第2の駆動ユニット14、15は、用途に必要なトルクに到達することを可能にするそれぞれのトルクモータを含む。
【0093】
あるいは、第1および第2の駆動ユニット14、15は、第1および第2の回転部材12、13の主回転軸1aと同軸である。
【0094】
さらなる代替実施形態では、第1および第2の駆動ユニット14、15は、一定の回転速度で動作するそれぞれのブラシレスモータと、好ましくは非円形ギアを備えた、第1および第2の移動部材12、13に運動を伝達するための伝達手段とを含む。
【0095】
この変形例では、運動伝達手段は、吸収性物品6aの異なるサイズへの切り替えごとに交換されなければならない。
【0096】
使用中、切断ステーション2に関して、連続ウェブ3を受け入れて保持する、それぞれのキャリアユニット7a、7bのパッド8a、8bの保持面は、連続ウェブ3が切断手段10によって切断されている間、連続ウェブ3の供給方向に対して所望の方向に方向付けられる。
【0097】
連続ウェブ3を受け取るキャリアユニット7aおよび7bのパッド8aおよび8bは、ウェブを横たわらせ且つ押さえつけるための滑らかで途切れない表面を一緒に形成する。
【0098】
切断ステーション2で、ウェブ3は、第1の角速度w1で切断ステーション2に向かう主回転軸1aの周りに回転駆動される、連続ウェブ3を受け入れるそれぞれのキャリアユニット7a、7bのアンビル部材9aまたは9bの表面で作動する切断部材10によって個々のセグメント4に切断される。
【0099】
第1の移動部材12に関して、切断ステーション2に向かって第1の角速度w1で回転駆動されるキャリアユニット7aに接続されたキャリアユニット7aも支持スポーク18が接続されるドラム17によって主軸1aの周りに第1の速度w1で回転駆動されることに留意されたい。
【0100】
切断ステーション2に向かって第1の角速度w1で回転駆動されるキャリアユニット7bに接続されたキャリアユニット7bも支持スポーク20が接続されるドラム19によって主軸1aの周りに第1の速度w1で回転駆動されるという意味において、同じ考察が第2の移動部材13に当てはまる。
【0101】
セグメント4が連続ウェブ3から得られると、パッド8a、8bは、同じキャリアユニット7a、7bのそれぞれのアンビル部材9a、9bに対して、主回転軸1aから離れるように移動し始める。
【0102】
上述のように、パッド8a、8bは、主回転軸1aから半径方向に離れるように移動し、同時に、それ自体の軸8c、8dの周りをそれ自体で回転し、吸収性物品6aの供給方向に対して横断する位置に従ってセグメント4を方向付ける。
【0103】
上述のように、パッド8a、8bは、その回転軸8c、8dを中心に回転する一方、主回転軸1aから離れる。
【0104】
この時点で、キャリアユニット7a、7bは加速され、吸収性物品6aの供給速度に等しい第2の角速度w2でアプリケータステーション5に向かって主回転軸1aの周りを回転するようにされる。
【0105】
第1の移動部材12に関して、第2の角速度w2に到達するために主回転軸1aの周りで回転加速されるキャリアユニット7aに接続されたキャリアユニット7aもまた、支持スポーク18が接続されているドラム17によって、第2の角速度w2に達するために、主軸1aの周りで回転加速されることに留意されたい。
【0106】
この動作モードは、第2の移動部材13によって駆動されるキャリアユニット7bにも適用される。
【0107】
第2の移動部材13に関して、第2の角速度w2に到達するために主回転軸1aの周りで回転加速されるキャリアユニット7bに接続されたキャリアユニット7bもまた、支持スポーク20が接続されているドラム19によって、第2の角速度w2に到達するために、主軸1aの周りで回転加速されることに留意されたい。
【0108】
アプリケータステーション5では、キャリアユニット7a、7bは、第2の角速度w2で主回転軸1aを中心に回転駆動される。
【0109】
第1の移動部材12に関して、第2の角速度w2で主回転軸1aを中心に回転駆動されるキャリアユニット7aに接続されたキャリアユニット7aも、支持スポーク18が接続されているドラム17によって第2の角速度w2で主軸1aを中心に回転駆動されることに留意されたい。
【0110】
この動作モードは、第2の移動部材13によって駆動されるキャリアユニット7bにも適用される。
【0111】
第2の移動部材13に関して、第2の角速度w2で主回転軸1aを中心に回転駆動されるキャリアユニット7bに接続されたキャリアユニット7bも、支持スポーク20が接続されているドラム19によって第2の角速度w2で主軸1aを中心に回転駆動されることに留意されたい。
【0112】
アプリケータステーション5では、それぞれのキャリアユニット7a、7bのパッド8a、8bは、吸収性物品6aに実質的に接する位置に配置されて、吸収性物品6aの供給方向を横切る方向に搬送されるセグメント4を解放して貼り付ける。
【0113】
パッド8a、8bがそれぞれのセグメント4を解放すると、それぞれのキャリアユニット7a、7bは減速してウェブ3の第1の供給速度v1に戻る。
【0114】
第1の移動部材12に関して、主回転軸1aの周りの回転が減速されるキャリアユニット7aに接続されたキャリアユニット7aも、支持スポーク18が接続されたドラム17によって回転が減速されることに留意されたい。
【0115】
この動作モードは、第2の移動部材13によって駆動されるキャリアユニット7bにも適用される。
【0116】
第2の移動部材13に関して、主回転軸1aの周りの回転が減速されるキャリアユニット7bに接続されたキャリアユニット7bも、支持スポーク20が接続されたドラム19によって回転が減速されることに留意されたい。
【0117】
この時点で、パッド8a、8bは、半径方向に主回転軸1aに向かって移動する。
【0118】
パッド8a、8bが主回転軸1aに向かって移動するとき、パッド8a、8bはそれ自身の軸8c、8dを中心に90°に至るまでそれ自体で回転し、それぞれの保持面をウェブ3の供給方向に対して正しい向きに戻す、例えば、ウェブ3の供給方向に平行な方向に戻す。
【0119】
切断ステーション2では、それぞれの移動部材12、13のキャリアユニット7a、7bは、第1の角速度w1で主回転軸1aを中心に回転駆動される。
【0120】
切断ステーション2からアプリケータステーション5への、およびその逆も同様に、装置1のキャリアユニット7a、7bがたどる経路に関して、制御ユニット25によって駆動され且つ調整される第1および第2の駆動ユニット14、15は、第1および第2の移動部材12、13をそれぞれ駆動して、それぞれのキャリアユニット7a、7bを切断ステーション2へ第1の角速度w1で、アプリケータステーション5へ第2の角速度w2で主回転軸1aを中心に回転駆動することに留意されたい。
【0121】
同じ移動部材12、13に接続されたキャリアユニット7a、7bは、制御ユニット25の運動の法則に応じて、第1および第2の移動部材12、13によってそれぞれ伝達される運動に同時に追従する。
【0122】
最後に、第1の移動部材12が、2つの連続するスポーク18が120°の角度をなすように互いに対して配置された3つのスポーク18を含む図示の実施形態に関して、対応するスポーク18により支持されたキャリアユニットが切断ステーション2を通過する場合に、それに接続された他のキャリアユニット7aのいずれもアプリケータステーション5を通過しないことに留意されたい。
【0123】
同じ論法がアプリケータステーション5にも当てはまる。つまり、対応するスポーク18によって支持されたキャリアユニット7aがアプリケータステーション5を通過する場合に、それに接続されている他のキャリアユニット7aのいずれも切断ステーション2を通過しない。
【0124】
上記はまた、2つの連続したスポーク20が120°の角度をなすように互いに対して配置された3つのスポーク20を含む第2の移動部材13にも当てはまる。すなわち、対応するスポーク20によって支持されるキャリアユニット7bが切断ステーション2を通過する場合に、それに接続された他のキャリアユニット7bのいずれもアプリケータステーション5を通過しない。
【0125】
同じ論法がアプリケータステーション5にも当てはまる。つまり、対応するスポーク20によって支持されたキャリアユニット7bがアプリケータステーション5を通過する場合に、それに接続されている他のキャリアユニット7bのいずれも切断ステーション2を通過しない。