(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-18
(45)【発行日】2022-10-26
(54)【発明の名称】輪軸用RFIDタグユニット
(51)【国際特許分類】
B61K 13/00 20060101AFI20221019BHJP
【FI】
B61K13/00 Z
(21)【出願番号】P 2020521136
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2019017955
(87)【国際公開番号】W WO2019225297
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-06
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521475989
【氏名又は名称】川崎車両株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 與志
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 崇
(72)【発明者】
【氏名】吉田 恭子
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0303023(US,A1)
【文献】特開2016-005226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の輪軸に取り付けられるRFIDタグユニットであって、
ベースシートと、前記ベースシートに搭載されたICチップと、前記ベースシートに搭載され且つ前記ICチップに接続されたアンテナとを有するRFIDタグと、
前記RFIDタグが搭載され、前記輪軸に取り付けられる取付部材と、を備え、
前記取付部材のうち少なくとも前記RFIDタグに面する部分が非金属材料であり、前記取付部材は、前記RFIDタグと前記輪軸との間に介在し、
前記ベースシートは、前記取付部材の表面に接着されている、輪軸用RFIDタグユニット。
【請求項2】
前記輪軸の車軸は、その端面に開口する中空空間を有する中空車軸であり、
前記取付部材は、前記車軸の前記端面の開口を塞ぐ樹脂プラグである、請求項1に記載の輪軸用RFIDタグユニット。
【請求項3】
前記輪軸の車輪のリム部の内周面には、溝が形成されており、
前記取付部材は、前記輪軸の前記溝に嵌合される弾性材料からなる防音リングである、請求項1に記載の輪軸用RFIDタグユニット。
【請求項4】
前記輪軸の車輪の円板部には、吊穴が形成されており、
前記取付部材は、前記車輪の前記吊穴を塞ぐ樹脂プラグである、請求項1に記載の輪軸用RFIDタグユニット。
【請求項5】
前記取付部材は、前記輪軸の軸線周りの周面に嵌合される実質的にリング状の部材である、請求項1に記載の鉄道車両輪軸用RFIDタグユニット。
【請求項6】
鉄道車両の輪軸に取り付けられるRFIDタグユニットであって、
ベースシートと、前記ベースシートに搭載されたICチップと、前記ベースシートに搭載され且つ前記ICチップに接続されたアンテナとを有するRFIDタグと、
前記RFIDタグが搭載され、前記輪軸に取り付けられる取付部材と、を備え、
前記ベースシートは、前記取付部材の表面に接着されており、
前記取付部材は、遠心力に抗するように前記RFIDタグを前記輪軸の外径側から支持する部分を有する、鉄道車両輪軸用RFIDタグユニット。
【請求項7】
前記取付部材は、前記輪軸の軸線周りの周面に嵌合される実質的にリング状の部材である、請求項6に記載の鉄道車両輪軸用RFIDタグユニット。
【請求項8】
前記取付部材の取付面は、前記輪軸の軸線を中心とした円筒形状であり、前記輪軸の前記周面に形成された径方向に垂直な被取付面に取り付けられる、請求項7に記載の鉄道車両輪軸用RFIDタグユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の輪軸に取り付けられるRFIDタグユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、メンテナンス用の管理コードが書き込まれたデータキャリア(ICタグ)を車軸端部のセンター下穴の中心位置に形成されるセンター穴に埋設する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、ICタグが金属製の車軸に直接取り付けられているため、通信信頼性の確保ためにはICタグを高価な金属対応のものにする必要が生じる。また、ICタグが車軸のセンター穴の奥に配置されているため、管理コードを読み取るためには、リーダをICタグに近づけるべく車軸表面に接触させる必要があり、メンテナンス時の利便性も悪い。また、輪軸にICタグを取り付けると、輪軸回転時の遠心力や走行振動に起因して、ICタグが脱落する可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、RFIDタグによる輪軸管理の普及の妨げとなる要因を解消する構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る輪軸用RFIDタグユニットは、鉄道車両の輪軸に取り付けられるRFIDタグユニットであって、RFIDタグと、前記RFIDタグが搭載され、前記輪軸に取り付けられる取付部材と、を備え、前記取付部材のうち少なくとも前記RFIDタグに面する部分が非金属材料であり、前記取付部材は、前記RFIDタグと前記輪軸との間に介在する。
【0007】
前記構成によれば、金属製の輪軸とRFIDタグとの間に取付部材が介在し、RFIDタグが取付部材の非金属材料の部分に面するため、高価な金属対応のRFIDタグを用いることなく安価な非金属対応のRFIDタグを用いることができる。
【0008】
本発明の他態様に係る輪軸用RFIDタグユニットは、鉄道車両の輪軸に取り付けられるRFIDタグユニットであって、RFIDタグと、前記RFIDタグが搭載され、前記輪軸に取り付けられる取付部材と、を備え、前記取付部材は、遠心力に抗するように前記RFIDタグを前記輪軸の外径側から支持する部分を有する。
【0009】
前記構成によれば、RFIDタグが取付部材により外径側から支持されるので、輪軸回転時の遠心力でRFIDタグが取付部材から剥がれることを防止できる。
【0010】
本発明の更に他態様に係る輪軸用RFIDタグユニットは、鉄道車両の輪軸に取り付けられるRFIDタグユニットであって、RFIDタグと、前記輪軸の軸線周りの周面に取り付けられる円弧形状の取付面と、を備える。
【0011】
前記構成によれば、RFIDタグユニットの取付面が円弧形状に形成されているため、輪軸の周面に容易かつ安定的に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、RFIDタグによる輪軸管理の普及の妨げとなる要因を解消する構成を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニットを輪軸に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図2】(A)は
図1に示す輪軸用RFIDタグユニットの正面図、(B)はその側面図である。
【
図3】(A)は第2実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニットを輪軸に取り付けた状態を示す斜視図、(B)はその断面図である。
【
図4】第2実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニットの変形例を示す断面図である。
【
図5】(A)は第3実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニットを輪軸に取り付けた状態を示す断面図、(B)はその正面図である。
【
図6】(A)は第4実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニットを輪軸に取り付けた状態を示す断面図、(B)はその正面図である。
【
図7】(A)は第5実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニットを輪軸に取り付けた状態を示す断面図、(B)はその第1変形例の断面図、(C)はその第2変形例の断面図である。
【
図8】第6実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニットを輪軸に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図9】第7実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニットを輪軸に取り付けた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニット1を輪軸10に取り付けた状態を示す断面図である。
図2(A)は、
図1に示す輪軸用RFIDタグユニット1の正面図、
図2(B)はその側面図である。
図1及び2(A)(B)に示すように、RFIDタグユニット1は、鉄道車両の輪軸10に取り付けられ、輪軸10の品番管理に利用される。第1実施形態のRFIDタグユニット1は、輪軸10の軸端開口を塞ぐ樹脂プラグを兼ねるものである。
【0016】
輪軸10は、車軸11と、車軸11の両側に設けられた一対の車輪12とを有し、金属製である。車軸11のうち車輪12よりも車幅方向外側の部分には、軸受13が嵌合されている。車軸11は、中空車軸である。車軸11の中空空間Sは、車軸11の端面11aに開口しており、中空空間Sを画定する内周面のうち車軸11の端側の部分には雌ネジ11bが刻設されている。RFIDタグユニット1は、車軸11の端面11aの開口(中空空間Sの軸方向端部)を塞ぐように車軸11に取り付けられる。
【0017】
RFIDタグユニット1は、車軸11の端面11aの開口を塞ぐ樹脂プラグ2(取付部材)と、樹脂プラグ2に搭載されたRFIDタグ3とを備える。樹脂プラグ2は、車軸11の端面11aから中空空間Sに挿入される挿入部2aと、挿入部2aの一端に形成されたフランジ部2bとを有する。挿入部2aの外周面には、雌ネジ11bに螺合される雄ネジ2cが刻設されている。
【0018】
フランジ部2bは、挿入部2aが中空空間Sに挿入されて雄ネジ2cが雌ネジ11bに螺合した状態で車軸11の端面11aに当接する。フランジ部2bには、樹脂プラグ2の着脱時に樹脂プラグ2を回転させる工具を挿入するための工具穴2dが形成されている。RFIDタグ3は、フランジ部2bの外面(車幅方向外側面)に固定されている。
【0019】
RFIDタグ3は、ベースシート3aと、ベースシート3aに搭載されたICチップ3bと、ベースシート3aに搭載され且つICチップ3bに接続されたアンテナ3cとを有する。ICチップ3bには、輪軸10の品番を示す識別情報(ID)が記憶されている。RFIDタグ3のベースシート3aは、樹脂プラグ2(のフランジ部2b)に固定(例えば、接着)されているので、ベースシート3aが固定される部分は非金属材料である。RFIDタグ3は、リーダ(図示せず)による無線通信でICチップ3bに記憶されたIDが読み取られる。
【0020】
以上のように、金属製の輪軸10とRFIDタグ3との間に樹脂プラグ2が介在し、樹脂プラグ2は非金属材料であるので、RFIDタグ3は、高価な金属対応のRFIDタグではなく、安価な非金属対応のRFIDタグが用いられる。また、RFIDタグ3を輪軸10に取り付ける取付部材として樹脂プラグ2が利用されるので、既存の輪軸10に対してRFIDタグ3を容易に設けることができる。また、RFIDタグ3が輪軸10の回転軸線X上に配置されるため、輪軸10の回転時にRFIDタグ3に遠心力が作用することが抑制される。
【0021】
(第2実施形態)
図3(A)は、第2実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニット101を輪軸に取り付けた状態を示す斜視図、
図3(B)は、その断面図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図3(A)(B)に示すように、第2実施形態のRFIDタグユニット101は、輪軸110の防音リングを兼ねるものである。輪軸110の車輪112は、車軸に嵌合されるボス部112aと、外周面に踏面が設けられたリム部112bと、ボス部112aをリム部112bに接続する円板部112cとを有する。円板部112cの車幅方向外側におけるリム部112bの内周面には、その周方向に沿った溝112dが形成されている。
【0022】
RFIDタグユニット101は、リム部112bの溝112dに嵌め込まれた防音リング102(取付部材)と、防音リング102に搭載されたRFIDタグ3とを備える。防音リング102は、弾性材料(例えば、ゴム等)からなる。即ち、防音リング102は、非金属材料である。防音リング102は、無端閉ループ状でなくてもよく、弾性材料からなる線状体を溝112dに嵌めることで結果的にリング状になるものとしてもよい。
【0023】
本実施形態では、防音リング102の断面視の外形は、円形状である。例えば、防音リング102は、円筒状である。RFIDタグ3は、防音リング102の内周面に固定されている。RFIDタグ3のベースシート3aは、柔軟である。防音リング102に対するベースシート3aの取付面は、車幅方向から見て防音リング102に沿った円弧形状となり、防音リング102の断面視で見て防音リング102の断面外形に沿った円弧形状となっている。
【0024】
以上のように、金属製の輪軸110とRFIDタグ3との間に防音リング102が介在し、RFIDタグ3が非金属材料である防音リング102に面するため、高価な金属対応のRFIDタグを用いることなく安価な非金属対応のRFIDタグ3を用いることができる。また、車輪112に取り付けられる防音リング102を利用することで、既存の輪軸110に対してRFIDタグ3を容易に設けることができる。また、RFIDタグユニット101は車輪112の径方向外側から溝112dにより支持されるので、輪軸110の回転時にRFIDタグユニット1が遠心力で脱落することも防止できる。なお、RFIDタグユニット101は、RFIDタグ3の外部に露出する外面を覆う非金属製の保護カバー4を更に備えてもよいし備えなくてもよい。他の全ての実施形態についても同様に、保護カバー4を設けてもよいし設けなくてもよい。
【0025】
なお、
図4に示すように、車輪212のリム部212bの溝212dに嵌め込まれる防音リング202が断面矩形状である場合にも前記同様の構成を採ることができる。即ち、断面矩形状の防音リング202の内周面にRFIDタグ3を搭載したものを輪軸用RFIDタグユニット201としてもよい。
【0026】
(第3実施形態)
図5(A)は、第3実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニット301を輪軸に取り付けた状態を示す断面図、
図5(B)は、その正面図である。なお、前述の実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図5(A)(B)に示すように、第3実施形態のRFIDタグユニット301は、車輪312の吊穴を塞ぐ樹脂プラグを兼ねている。本実施形態の輪軸310の車輪312は、ボス部312aとリム部312bとを接続する円板部312cに吊穴312dが形成されている。吊穴312dは、輪軸310をクレーン等で吊り上げる際に用いられる穴である。
【0027】
RFIDタグユニット301は、車輪312の吊穴312dを塞ぐ樹脂プラグ302と、樹脂プラグ302に搭載されたRFIDタグ3とを備える。例えば、樹脂プラグ302は、一対のプラグ305を有する。プラグ305は、吊穴312dに挿入される挿入部305aと、挿入部305aの一端に設けられたフランジ部305bとを有する。プラグ305の中央には、貫通孔305cが形成されている。
【0028】
一対のプラグ305の挿入部305aが吊穴312dにそれぞれ両側から挿入されてフランジ部305bが円板部312cに当接した状態で、各プラグ305の貫通孔305cにボルトBが挿通され、ナットNで締結される。RFIDタグ3は、一対のプラグ305のうち車幅方向外側のプラグ305のフランジ部305bの外面(車幅方向外側面)に固定されている。より具体的には、RFIDタグ3は、プラグ305の外面のうちボルトB及びナットNを避けた位置に固定されている。
【0029】
以上のように、金属製の輪軸310とRFIDタグ3との間に樹脂プラグ302が介在し、RFIDタグ3が非金属材料である樹脂プラグ302に面するため、高価な金属対応のRFIDタグを用いることなく安価な非金属対応のRFIDタグ3を用いることができる。また、車輪312の吊穴312dを塞ぐ樹脂プラグ302を利用することで、既存の輪軸310に対してRFIDタグ3を容易に設けることができる。
【0030】
(第4実施形態)
図6(A)は、第4実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニット401を輪軸に取り付けた状態を示す断面図、
図6(B)は、その正面図である。なお、前述の実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図6(A)(B)に示すように、RFIDタグユニット401は、輪軸410の軸線周りの周面に嵌合されるリング状の取付部材402と、取付部材402に搭載されたRFIDタグ3とを備える。RFIDタグ3の取付面(取付部材402との対向面)は、車幅方向から見て取付部材402に沿った円弧形状を有する。なお、取付部材402は、無端ループのリング状であってもよいし、有端ループ(略C形状)のリング状であってもよい。
【0031】
具体的には、取付部材402は、輪軸410車輪412のリム部412bの内周面に嵌合される。リム部412bの内周面のうち取付部材402が嵌合される被取付面412eは、車輪412の径方向に垂直な面となっている。取付部材402は、樹脂製のテープ状のリングであり、その取付面402a(外周面)は、輪軸410の軸線を中心とした円筒形状を有する。取付部材402の取付面402aは、リム部412bの被取付面412eに接着される。例えば、取付部材402がプラスチックである場合には、取付部材402は接着剤によりリム部412bに接着され、取付部材402がゴムである場合には、取付部材402はリム部412bに加硫接着され得る。
【0032】
取付部材402の内周面は、RFIDタグ3を車輪412の外径側からRFIDタグ3を支持するので、輪軸410の回転時にはRFIDタグ3に作用する遠心力に対する被取付面412eからの反力が、車輪412の軸線方向に向かわずに車輪412の径方向に向くので、RFIDタグユニット401の脱落が好適に防止される。そして、RFIDタグユニット401がリム部412bに内嵌されるので、輪軸410の回転時にRFIDタグユニット401が遠心力で脱落することも防止される。また、金属製の輪軸410とRFIDタグ3との間に非金属材料の取付部材402が介在するため、高価な金属対応のRFIDタグを用いることなく安価な非金属対応のRFIDタグ3を用いることができる。
【0033】
(第5実施形態)
図7(A)は、第5実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニット501を輪軸410に取り付けた状態を示す断面図である。なお、前述の実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図7(A)に示すように、RFIDタグユニット501は、輪軸410の軸線周りの周面に嵌合されるリング状の取付部材502と、取付部材502に搭載されたRFIDタグ3とを備える。なお、取付部材502は、無端ループのリング状であってもよいし、有端ループ(略C形状)のリング状であってもよい。
【0034】
具体的には、取付部材502は、輪軸410車輪412のボス部412aの外周面に嵌合される。ボス部412aの外周面のうち取付部材502が嵌合される被取付面412fは、車輪412の径方向に垂直な面となっている。取付部材502は、樹脂製のリングであり、その取付面502a(内周面)は、輪軸410の軸線を中心とした円筒形状である。取付部材502の取付面502aは、ボス部412aの被取付面412fに接着される。
【0035】
RFIDタグ3は、取付部材502に埋設されている。そのため、取付部材502は、RFIDタグ3を外径側から支持する部分を有することになる。また、金属製の輪軸410とRFIDタグ3との間に非金属材料の取付部材502が介在することになるため、安価な非金属対応のRFIDタグ3を用いることができる。RFIDタグユニット501は、ボス部412aの外周面に嵌合されるので、輪軸410の回転時にRFIDタグユニット501が遠心力で脱落することも防止される。また、RFIDタグ3は、取付部材502の車幅方向外側寄りに配置されているので、リーダ(図示せず)によるRFIDタグ3の読み取りも行い易い。
【0036】
また、
図7(B)に示すように、RFIDタグユニット601の取付部材602は、車幅方向外方に開口する断面コ字状の樹脂リングであってもよい。この場合、取付部材602の外径側の壁部の内周面にRFIDタグ3を設けることで、RFIDタグ3が取付部材502により外径側から支持される。また、
図7(C)に示すように、RFIDタグユニット701は、断面コ字状の取付部材602の内部空間に樹脂の充填材705を充填し、その充填材705にRFIDタグ3が埋設される構成としてもよい。
【0037】
(第6実施形態)
図8は、第6実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニット801を輪軸810に取り付けた状態を示す断面図である。なお、前述の実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、RFIDタグユニット801は、樹脂製のリング状の取付部材802と、取付部材802に搭載されたRFIDタグ3とを備える。なお、取付部材802は、無端ループのリング状であってもよいし、有端ループ(略C形状)のリング状であってもよい。輪軸810の車輪812は、ボス部812aにおいて切欠部812gを有する。切欠部812gは、車輪812の軸線周りの環状に形成されている。即ち、切欠部812gは、車輪812の軸線周りの周面を有する。
【0038】
切欠部812gは、ボス部812aの車幅方向外側の端部を内周面側から切り欠くことで形成されている。即ち、切欠部812gは、車幅方向外側及び内径側に向けて開放されている。なお、切欠部812gは、切欠部812gは、外径側及び内径側にむけて開放されずに車幅方向外側に向けて開放されたものとしてもよい。RFIDタグユニット801は、切欠部812gに嵌合されることで、車輪812からの脱落が防止される。
【0039】
(第7実施形態)
図9は、第7実施形態に係る輪軸用RFIDタグユニット901を輪軸410に取り付けた状態を示す平面図である。なお、前述の実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、RFIDタグユニット901は、輪軸410の車軸411の外周面に嵌合されるリング状の取付部材902と、取付部材902に搭載されたRFIDタグ3とを備える。取付部材902は、例えば車軸411に巻き付けられる樹脂製の帯状部材である。RFIDタグ3の取付面(取付部材902との対向面)は、車幅方向から見て取付部材902に沿った円弧形状を有する。
【0040】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、その構成を変更、追加、又は削除することができる。例えば、RFIDタグの取付面が、輪軸の軸線周りの周面に沿った円弧形状を有し、当該RFIDタグを輪軸の当該周面に直接的に固定(例えば、接着)されるようにしてもよい。また、前記した取付部材は樹脂製に代えて金属製としてもよく、その場合にはRFIDタグを金属対応のものとすればよい。また、
図1の車軸11は中空車軸であるが、それ以外の車軸は中実車軸又は中空車軸のいずれでもよい。
【符号の説明】
【0041】
1,101,201,301,401,501,601,701,801,901 RFIDタグユニット
2 樹脂プラグ
3 RFIDタグ
10,110,310,410,810 輪軸
11,411 車軸
11a 端面
12,112,312,412,812 車輪
102 防音リング(取付部材)
112b,212b,412b リム部
112d,212d 溝
302 樹脂プラグ(取付部材)
312c 円板部
312d 吊穴
402,502,602,802,902 取付部材
402a,502a 取付面
412a,812a ボス部
412e 被取付面
412f 被取付面
812g 切欠部
S 中空空間